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2017年2月24日 第10回新たな社会的養育の在り方に関する検討会

雇用均等・児童家庭局家庭福祉課

○日時

平成29年2月24日(金)13:30~17:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室(19階)


○出席者

構成員

奥山座長 松本座長代理 相澤構成員 井上構成員 加賀美構成員
上鹿渡構成員 塩田構成員 伊達構成員 西澤構成員 林構成員
山縣構成員

事務局

山本内閣官房内閣審議官 川鍋家庭福祉課長

○議題

(1)各検討会・ワーキンググループの開催状況等の報告
(2)改正児童福祉法第3条の2の解釈に基づく社会的養護(狭義)(案)について
(3)在宅支援に関する議論
(4)自立支援に関する議論
(5)その他

○議事

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

それでは定刻となりましたので、ただいまから第10回新たな社会的養育の在り方に関する検討会を開催いたします。

構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

本日は藤林構成員からご欠席のご連絡をいただいております。

また、電車の関係で西澤構成員と山縣構成員から、遅れると伺っております。

上鹿渡構成員と西澤構成員が途中で退席されると伺っております。

それでは、まず資料の確認をさせていただきます。

本日配布をさせていただきました資料は右上に番号を付してございますけれども、議事次第の後ろに、資料の1から6まで、参考資料については1から3までとなってございます。資料の欠落等ございましたら事務局までお申し付けください。

 それでは、これより先の議事につきましては、奥山座長にお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

 

〇奥山座長 

はい、ありがとうございます。

こんにちは。今日も少し長い時間ですけれども、よろしくお付き合いをいただきたいと思います。本来、今日はプレミアムフライデーで早く帰らなきゃいけない日なのに申し訳ないのですが、5時までお付き合いをいただくということになっております。

 早速議事に入って参りたいと思いますけれども、本日の議事で予定しておりますのは、まず事務局の方からいつも通り各検討会・ワーキンググループの開催状況についてご報告をいただいて、その後、前回いろいろ皆様からご意見が出ましたので3条の2を、皆様のご意見に従って修正いたしましたのでその確認をいただいて。そして前回在宅支援の話が残っておりましたので、在宅支援の話をして、その後、自立支援の話に入っていきたいと思っております。どうぞご協力よろしくお願いいたします。

 では、まず事務局の方から現在までの各検討会・ワーキンググループの開催状況についてご説明ください。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

 事務局でございます。それでは資料1、横長の資料でございますけれどもご覧ください。各検討会・ワーキンググループの開催状況等についてという資料でございます。

 一枚目は昨年中にありました検討会の状況です。一枚おめくりいただきますと二枚目からが今年に入ってからの開催状況でございます。

左から二番目の児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会の状況についてご説明いたします。直近が2月12日、下から二番目でございますけれども、第12回を開催してございます。

特別養子縁組につきまして特別養子縁組をされた養親さんで、実親さんとの関係でご苦労された養親さんのヒアリングということでお二人の方に来ていただきましてお話しを伺いました。その後、特別養子縁組制度につきまして個別の論点についての意見交換を行ってございます。

次回が第13回ということで、2月28日に開催予定にしてございます。特別養子縁組制度につきまして引き続き個別の論点についてご議論をお願いする予定にしております。

 続きましてその右側の子ども家庭福祉人材の専門性確保ワーキンググループの状況でございます。

前回検討会を開催して以降開催しておりませんけれども、次回は3月14日に第6回ということで開催予定にしておりまして、第5回の際に検討を開始いたしました児童相談所の体制強化ということで、中核市特別区におきます設置の支援ですとか、要保護児童の通告の在り方ですとか、児童相談所の業務の在り方等の課題について、第6回につきましても引き続き検討を深めていただく予定にしてございます。

 続きまして、一番右の市区町村の支援業務のあり方に関する検討ワーキンググループの状況でございます。直近は2月2日に第6回を開催しておりまして、市区町村におきます在宅支援等の強化を図るための支援方策、いわゆるガイドラインの素案のたたき台の案等につきまして意見交換を行ったという状況でございます。次回は第7回が3月1日に開催予定にしておりまして、先程も申し上げましたガイドラインの素案等につきまして更に意見交換を行っていただく予定にしております。検討会等の開催状況等は以上でございます。

 

〇奥山座長 

ありがとうございます。何かご質問はございますでしょうか。もしできましたらば、次回で構わないのですけれども、ワーキンググループで検討をして通知等を出したものがありましたら、資料としてつけていただけると成果物がわかると思いますのでよろしくお願いいたします。他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

では、次に入っていきたいと思います。

3条の2に関してですが、前回、家庭及び当該養育環境において養育することが適当でない場合というのはどういう場合なのかというところですね。家庭における養育環境と同様の環境で養育することが適当じゃない場合に関して、マル2のところが要らないのではないかとか、いや要るのではないかという議論があって、例を挙げた方がいいだろうというお話しになっていたと思いますので、少し例を挙げさせていただきました。

マル3に関しましても「概ね三年」というと三年は許されると考えてしまう危険があるということと、年齢が小さい方はもう少し早めにしなければならないのではないかというご意見がありましたので、その意見をここに入れさせていただいてあります。よろしいでしょうか。またご意見があったら、ご意見をいただければ修正をして次回またお諮りしていきたいと思います。

前回、社会的養護の範囲について議論し、山縣先生からも「もともと社会的養護というのは在宅を含む」というお話しがありました。資料3、資料4に関しましてもそこの部分の修正を図らせていただきます。

あとは前から子ども家庭支援の中に障害施設も必要だということがございましたので、療育施設等という形で入れさせていただきました。

資料4もそれに伴いまして、6番で、社会的養護の代替的養育、分離ケアとそれから在宅での養育ケアという形で社会的養護をそういう形で分けさせていただいて書かせていただいています。

その辺は微修正をしたということを報告させていただきました。

またこれに関しても、ここを変えた方がいいんというご意見がありましたら私の方でも事務局の方でも結構ですので、ご連絡いただければと思います。

では、前回の議論の続きに移ります。前回議論がありまして、井上先生の図を見たいと皆さんがおっしゃって、次回にということになっておりますので、井上先生からの資料の説明を簡単にお願いしたいと思います。

よろしくお願いします。

 

〇井上構成員 

それでは、構成員提出資料の51ページの方にありますのでそれをご覧ください。

先程も言われましたように、前回の本会で要支援・要保護の段階(グレード)についての意見を述べさせていただいたときに、山縣委員、相澤委員から資料を見ながら詳しくとのご意見をいただいたので、本日ご用意をさせていただきました。

始めにお断りしますが、本資料は市区町村ワーキンググループ全体の案ではなくて、あくまでも井上の案としてお聞きください。

この要支援・要保護の段階分類をすることは、支援を必要としている子どもや、保護者の真のニーズに見合った支援を提供していく上で欠くことのできないものです。段階分類により市区町村のどの部署が中心となって担当するのか、またどのような支援を提供すべきなのか、などが基となってくるからです。

資料の2ページ、市区町村における在宅支援の流れをご覧ください。在宅支援の流れと書いていますが、子ども家庭相談対応の流れの方が適当かと思っております。

図のように「気になる子ども」、「気になる妊婦・養育者」との出会いは市区町村のポピュレーションアプローチの中での気づき、もしくは相談の受理によって始まります。続いて、子どもの安心・安全の確認と養育者の困りへの支援の視点に立った家族全体のアセスメントを行い、同時に初期アセスメントの中で緊急度とリスクのアセスメントを行った後に、ニーズアセスメントを行い、要支援・要保護の段階(グレード)を大まかに決めていきます。

次の3ページ、4ページは虐待のステージと虐待予防の支援の図です。これはもう皆さん良くご存じの佐藤先生、中板先生の作成で、どちらも長年の経験の結果から初期の支援の在り方次第で重篤な親子関係にならなくて済むグループ、つまり育児不安を抱えたその部分をより健康な家族と虐待に進む可能性のより強い家族部分に分けて設けています。

5ページをご覧ください。在宅支援の課題を簡単に書いています。ポイントはこの要支援の在り方や、準備できるメニューが各市区町村で不均一であるということ。それから一番下にあります市区町村で最も大事な市区町村で子どもを育てていくことを支援するためのツールや人材が少ないことにあります。政令市や中核市のような大都市近辺ではこのような関わりの基本は確立されてきていると思いますが、郡部に行きますと考え方や支援体制には随分違いがあるように思います。

6ページをご覧ください。この資料は市区町村のワーキンググループでヒアリングを行いました岡山県の「子どもが心配」という取り組みの資料を載せています。

ですが、ちょっと資料から離れてご説明をします。今回我が国でも成立しました児童福祉法の改正のようなパラダイムの転換を行った後、イギリスやアメリカでも地方自治体の中で我が国と同じように判断や対応の不均一が起こりました。そのような変換期にケアの判断に悩むことが多いネグレクト事例の経過観察中での死亡例を多く経験した後、イギリスではGCPGraded Care Profile)と呼ばれ、アメリカではファミリープリザベーション(Family Preservation)、家族維持を主眼としたディファレンシャルリスポンス(Differential Response)、区分対応システムと呼ばれる支援段階の考え方やそれに基づく家族支援の在り方が検討導入されました。その結果ニーズアセスメントの重要性が強調されるようになり、虐待の緊急度やリスクのために地方自治体が調査介入型対応として関わるのではなく、子どもの安全の確認を主眼に関わり始め、その中で保護者の「困り」を知り、市区町村のできる支援を提供するという支援型対応へとアセスメントの流れが変わってきました。ですので、先程示しました緊急度やリスクアセスメントにおいても、虐待の可能性を調査するというより、子どもの安全に関わる危機、クライシスの確認という視点になります。イギリスやアメリカでもそうでしたが、そのような視点で関わり方を変更しだした始まりの時に、今の日本のひとり親家庭の支援体制整備のような方法で支援メニューを開発し、パラダイム転換に成功しております。

話を資料に戻します。岡山県はイギリスのGCPを早くから取り入れ、既に家族支援の1つの形として完成しつつあります。

7ページをご覧ください。岡山県ではチャイルドコンサーンモデル(Child Concern Model)の3段階分類を5段階分類に分けており、私も5段階分類が良いと考えております。この5段階分類を基本としながら現行の市町村業務に当てはめて考えますと、資料の、資料段階と必要となる支援の管轄の目安、井上案と書いてあるのがあるんですが、それを見ていただけますか。2ページ程先です。右の上の方に赤い要保護と、その上に井上案と書いてある資料になります。ちょっと説明させていただきます。

要支援1は、虐待の判断が難しいが今後移行するおそれがあり、育児支援や地域子育て支援活動の利用が必要という段階になります。ここでは市区町村において就学前までの全ての子どもを把握する立場にある母子保健と主管課と、就学後の全ての子どもを把握する立場にある学校教育主管課が主な管轄課となります。全ての子どもを対象とした市区町村の子育て支援事業等を利用しながら支援を行います。

要支援2は、自宅で地域ネットワークによる経過観察と育児支援が必要という段階になります。ここでは母子保健や学校教育主管課が主な主管課ではありますが、各主管課が管轄する地域ネットワーク事業、例えば子ども・子育て会議、子ども若者会議、子育てひろば事業ネットワーク、それから青少年健全育成市民会議、人権擁護委員協議会、障害者施策地域推進協議会または地域自立支援協議会、特別支援教育連絡協議会、不登校対策事業、いじめ問題対策連絡協議会等々ですね、相澤先生、委員の方もご準備してくださっていますが、色んな子育ての支援の事業があります。経過観察中に要支援2と判断されている家族の要保護性が高まった時は遅滞なくまず要対協に通告し、児童養護問題の専門職のスーパーバイズを受けることが重要となります。

要支援3は、在宅での支援を基調としながら一時的な施設利用を考慮した支援が必要という段階になりまして、要支援3以降は全例要対協に相談通告例として報告し児童相談所との連携が必須となります。ただ要対協に児童相談所の専門職と同等の経験と知識のある専門家がいる場合は、要支援3は市区町村単独で対応できることもありますが、最低でも3カ月に1回は必ず児童相談所と経過の共有を図ることが必要です。

要支援4は、当面在宅で支援を行うが、親子分離や法的な介入を視野に入れた支援が必要という段階になります。市区町村の児童虐待防止主管課が主な管轄課となります。子どもの安心、安全に常に気を配りながら、保育所や幼稚園、学校等子どもが家庭外で生活する時間の長い機関の顔の見える連携を維持し、子どもに気になるサインがあった場合は遅滞なく報告するよう指示書を交換するぐらいの気持ちで連携を行う必要があります。定期的な児童相談所との連絡会で毎回状況報告をする必要がある段階となります。

要支援5は、緊急介入により職権一時保護等の法的な対応が必要な段階となります。児童相談所が主管課となり全ての対応を行う段階です。通常、市区町村児童虐待防止主管課がコーディネーターとなり、児童相談所の依頼に応じて市区町村の他課と連携しながら、必要な情報提供を行ったり、支援の為の役割分担業務を行う段階となります。ただこの段階においても、市区町村児童虐待防止主管課は子どもと保護者がどういう状況にあったのか、あるのか。今後どうなるか等の把握が必要であり、児童相談所等と定期連絡会等で確認、対応する必要があります。

最後になりますが、以上のことをこれからの市区町村の子どもの家庭相談体制のポイントとして考えますと、まず子ども家庭相談対応に関係する市区町村全ての担当課で今回示した要支援・要保護段階分類を共通ツールとして使用する。

そして第二に全ての担当課は最低3カ月に1回は相談対応の進行状況を確認し、要支援・要保護段階分類の妥当性を検討する。

第三に要支援1から3の支援サービスの内容は今後子どもの貧困対策の推進に関する法律や、子ども・子育て支援法、子ども若者育成支援推進法等の施策の充実が進むにつれて、利用できる様々な制度が増加すると考えられます。だから要支援3から5に関しましても、児童虐待防止対策強化プロジェクトとか親子関係再構築のプロジェクト等の成果から同様と考えられますので、日々の相談対応において子どもの安心・安全と保護者の視点の観点から必要とされるものを検討し、市区町村子ども家庭相談の現場から提言することが重要だと思っております。

その後の資料にあげておりますのが、ひとり親家庭・多子世帯これはちょっと古い分で載せておりますので、現在はこの中からいくつか、もうすでに法が通っているものがあります。その中身を良く見ますと、実際に要支援1、2の段階で、あるいは3においてでも使える内容の事業がいっぱいある訳ですね。

ポイントはとにかく虐待から区別するというのではなくて、困りに寄り添うという事業を続ける中で保護者の受け入れが非常に良くなっていって、結局それが虐待保護になったっていう考え方になるのが諸外国での歴史です。ですので、我が国もせっかくパラダイムの転換を行ってきたわけですのでこういった視点を広げていくということを主張したいと思います。

以上です。長くなりました。すみません。

 

〇奥山座長 

ありがとうございます。何かご質問ございますでしょうか。非常にクリアにまとめていただいたのですけれども。

 

〇松本座長代理

質問というか、確認というか、私もこれ以前にも見せていただいてその時ちょっと見落としていたということだと思うんですけれども。

これは主管課とか管轄のところは、一つはかなり自治体によって、自治体の実情によって変わってくるというか、でもまあ主管課は変わる。きちんと決まっているということは大事だと思うんですけれども、そういうものとして理解していいかということが一つと。

もう一つはこれ要支援1、2のところで母子保健とか学校教育のところが出てきているんですけれど、保育のところがもうちょっと大きな役割を果たすような気がしますのでそこも含めてここは入れ込んでおかないと、むしろ保育が何か出てこないなっていうふうに思いましたので。そこは入れておくということが大事かなというふうに思いました。これは意見です。

 

〇奥山座長 

はい、林先生。

 

〇林構成員

二点程お教えいただきたいです。一点目は、今指摘があったその59ページの要支援1から5の主管課というところです。保育、それは児童福祉各主管課というところに入る場合もあるでしょうし、ただどうして1、2にそれが入っていないのかと、なんで母子保健か学校教育っていうところに中心を置かれているのかということが一点目と。

それから、こういうふうに要支援5まで考えるならばアセスメント項目を新たに開発する必要性ということで言えば、児相と一貫したアセスメント指標というものがあれば、よりその一貫した支援ができるのかなというふうにも感じました。以上です。

 

〇奥山座長 

はい、井上先生。

 

〇井上構成員

ありがとうございます。

先生方のおっしゃる通りで、保育の業務に関しては要支援1と2の中でも本当に大事なものになります。それですので、主管課のところに関しては、そこはもう間違いなく加えなければならないと思います。ですから児童福祉部局の中の子ども・子育て主管のところに現在保育所の担当が2年程位前から移っています。以前は虐待の方とくっついてたんですけれども、そちらからむしろそちらに行っていっていうような恰好になってますので。その中でいろいろするべきものがあると思っております。

それとあと、アセスメントシートに関しましては私の方も全部言われた通りで、緊急度とリスクに関してはすでにもう7~8年位前からあるんですが、私は千葉県のですね、働きをすごくかっておりまして、あそこの緊急度アセスメント等は色んな事業体の中でもすでに使われております。ですから、そういったものも共有していきながら、それでもニーズアセスメントのところの内容をしっかり決めていってどういうふうに考えていくかっていうことを整理する。それが一番大事だと思っております。

ありがとうございます。

 

〇奥山座長 

はい。松本先生。その次に山縣先生。

 

〇松本座長代理

今、林さんから出てきた一貫したアセスメントのところで、それ実は昨日は市区町村のワーキンググループがあった時に同じことが議論になっていました。

それで、今言ったように初期対応のところの強化アセスメントツールという形で通知措置を出されるような準備が進んでいるというようなことの一方で、もうちょっと支援ベースで共通したアセスメントの考え方とツールということをきちっと出す中で、こうした要支援の考え方がセットで出ていくというのが考慮した考え方がより活きてくる方法じゃないかというふうな議論が昨日ワーキングで出たことを、それをちょっと共有しておきたいということがあります。

それを踏まえてどうしていくかというところについては、まだそこまで議論は踏み込んではいないんですけれども、市区町村ベースで支援を考える時にそこが一つの鍵だろうというふうに個人的にも考えています。

 

〇奥山座長 

山縣先生。

 

〇山縣構成員 

はい、ありがとうございます。井上先生に対する質問というよりも、井上先生の枠組みは、ああ、成程なと思ってですね、色んな背景を見ながらやられ作られたということで理解をしました。

今の何人かの方々のやり取りも成程なと思って聞いていたのですが、要支援から始まっていますが、この検討会の在り方として、要支援から始めていいのか、佐藤先生とか、中板先生ので言うと健康な家族とか健全育成と言われている。それまで含めて考える。その中で、要支援で虐待判断は難しいが、っていうものは要支援0とか、そういう状況を想定した議論をしなければ色んな事業が入りづらいのかなというようなことを考えました。1から5の段階は全く私問題なく否定はしませんけれども、もう1段階置いた方が入れた方がいいかなという感じがして聞いていました。

 

〇奥山座長

井上先生、52ページの一番最初を子ども家庭支援というふうに考えると、ポピュレーションアプローチも全部入ってくると考えられるのではないかなと。

 

〇山縣構成員

ですから、それをここにも入れておいた方が良いのではないかという、前提にしてあるのは良くわかっているんですが、要支援からが我々の検討課題であるというふうにならない方がいいのではないかというそういう。

 

〇奥山座長 

そういう意味ですよね。ありがとうございました。はい、相澤先生。

 

〇相澤構成員 

井上先生ありがとうございました。

私もこのようにその支援ニーズに応じたシステムを構築することが必要であると思っています。構成員提出資料の43ページの資料を見ていただきたいのですが。この支援ニーズに基づいて対応できるスモールステップシステムをきちっと構築していくことが必要であろうと。やはりそのニーズに応じて少しずつ支援の質も変わってくるわけで、そういう連続的な継続的な支援をする上ではスモールステップを考えた支援ですね。これが重要です。

また、支援もそうですし、我が国の対策で弱い部分は補完機能です。前回、前々回から出しております資料ですが、例えば23ページと24ページの社会的環境づくりを見て下さい。ポピュレーションアプローチとしての健全育成、支援、ハイリスク支援、在宅支援、補完、保護・代替といったような機能と、その年齢の時期ですね。このようなマトリックス図に事業をきちっと埋められるような、つまり在宅支援の事業などをですね、メニューが少ないところには埋めていくような、そういう対策がやっぱり私は必要ではないかなというふうに思っている訳です。

以上ございます。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。

私から相澤先生に質問していいですか?今一番少ないのはどの辺でしょうか。

 

〇相澤構成員 

ですので、その図を見るとわかるように、私は胎児期というか、妊娠期がやっぱり必要ではないかなというふうに思いますけど。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。他にいかがでしょうか。

先程井上先生の方からおっしゃっていただいたように、ニーズに基づいた支援というふうに考え方を変えていかなければいけないということが非常に重要なポイントだったと思うのですけれども。

昨日も、先程今松本先生の方からもお話がありましたように、共通アセスメントツールで、リスクアセスメントと表現されているのですが、何のリスクのアセスメントかという問題もあります。要するに何のためのどういうことを目的としたツールだということをしっかり把握していないとなかなか上手くいかないという話が昨日の市町村のWGで大分出ていました。初期の子どもの安全・安心に関するアセスメントツールと、ニーズ、支援ニーズに関するアセスメントツールとやっぱりふたつ必要ではないかという話が出ていました。

その辺は大きな概念だということを皆さんで共有してできるといいと思います。

 はい、どうぞ。

 

〇相澤構成員

私がちょっと気になっているのは、在宅支援を考える時にですね、2月7日にですね、「我が事・丸ごと」地域共生社会の工程表が出されましたけど。この児童分野も障害分野高齢者分野とですね、どのように包括的にケアしていくのかというようなこともきちんと考えて議論しておかないといけないのかと思っています。

その辺の内容について今日ではなくて後でも結構なんですけど、事務局の方からちょっとご説明をしていただくと有難いと思っています。

 

〇奥山座長 

事務局の方で何か簡単に今日ご説明いただけることありますか。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐) 

ちょっと本日は用意ができていないので、また後日。はい。

 

〇奥山座長                                 

わかりました。はい、じゃあ次回で。

実はそのこともありますが、もう一つ、障害の施策に関して私達はあまりよく知らないというのもありまして、ここと関係しそうなものに関してご説明いただけると良いと思っております。

はい、西澤先生。

 

〇西澤構成員 

すみません、遅刻しました。

なので今の議論は分かっていないんですが、その要するに在宅支援という枠組みをどう捉えていくかというふうに拝聴していて、その支援の内容なんですけど、僕は前もどこかの委員会で言ったと思うんですけど、子育て支援ばかりやっていて、子育ち支援をやっていないというのが一番気になっています。

最近、色んな所に行ってネグレクトの子どもたちがすごく多いことを実感しています。その子達に市町村が、直接何ができるかということを考える必要があるように思います。

例えば「子ども食堂」があります。子ども食堂を市町村で取り組みたいとかですね、或いはいわゆる学童保育の内容を改善したいとかいった声を聞きます。つまり、親や家族に支援をしても埒があかない、でもネグレクトであって緊急性がないから要保護にはならない。そういう子ども達に何ができないかと考えている市町村関係者が結構いるんです。

そういう意味で子育て支援は一方で必要だけれども、社会が子どもを直接支援するような枠組みっていうのは考えなくていいのかなと思います。今の論点と合うのかどうかわかりませんが。

 

〇奥山座長

はい、井上先生。

 

〇井上構成員

西澤先生、非常に重要なところありがとうございます。

実はそれが一番大事で、私達のところでは学校の生涯教育っていうのがあるんですけどね、そちらの方はどんどん対象年齢が下がってきまして。5歳過ぎの子どもさん達に直接その生きていく為の力、料理のこととかですね、そういったことなんかもどんどん教えていっています。

それをですね、そのネグレクト対策とかそういう恰好で持っていくと、受ける人が減るんですね。ですので、あくまでもですね、子どもの技量を伸ばそう、そして親御さん達にもそれに参加してくれて自分の子どもがそれをやれば伸びるではないの。伸びたら関わりが楽になるやないっていうのを経験していただくと、じゃあもっと先生こういうのはないんですかああいうのはないんですかで出てきますのでそれで伸ばしていこうとしているんですね。

で、私があえてこの子育て支援とかだけじゃなくて学校とかそういうのを全部持ち出してきたかと言いますと、母子保健の方においても、学校の方においても、今やれるような形で新たな事業がもうすでに始まっていてですね、そこを一緒にやっていきたいと意識していただきたい。そういったことがあったので、出させていただいた。そういうことです。

ありがとうございました。

 

〇奥山座長

はい、ありがとうございます。他にいかがでしょうか。はい、松本先生。

 

〇松本座長代理

今の西澤さんの発言について、その枠組みを、そういう議論をまたきちっとするというかね、そういう枠組みも一歩できちっと考えると、で、ここで位置づけるというふうなご意見について強い賛同をしたい。

それでやっぱり今実際に直接何ができるかということがとても大きなことだと思うんですね。それは家族支援ということと一方で、もう一つはやっぱり子ども支援というんですか。

子どもを直接支えると。これはどっちが大事というのは、これは両方が必要だと。やっぱり子どもが変わることで親も変わることがあるので、その親に直接アプローチするのと子どもにアプローチ、でそれを通してまたこう、子どもにアプロ—チを通してまた家族の方につながっていくということが現場レベルでは一杯あると思うんですね。

そういう枠組みをきちっとここで議論するなり、枠組みとして成果物は、これは出さなあかんと思うんですね、その時にそういうふうな枠組みを意識した形でなんか上手い知恵が出るかどうかは別にしても、そういう枠組みはきちっと意識した形で成果物といいますか、この報告書を作っていくというふうなことは我々全員が共有できるのではないかなというふうに考えました。

 

〇西澤構成員 

どうもありがとうございます。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。他にいかがでしょうか。はい、林先生。

 

〇林構成員

今お二人の委員の方々からの指摘と関連したことですけど、一応前回の時に私自身の資料の中で45ページになるんですけど、要するにその子育て、下線部のところなんですけど、子育て支援というものをどう定義するかということにもよるかと思うんですけれども、現実には保護者を支援して、子どもの養育を保護者に委ねるという子育て支援が中心になっていると思います。

次の下線部のところにそういうネグレクトを中心とした貧困家庭の顕在化と共に、子どもへの直接的支援ニーズへの意識も高まっており、保護者支援や家庭支援という視点を尊重しつつ、あるべき家庭像に近づけさせる、あるいは親を変えるという考え方だけではなくて、子どもの時間感覚を尊重して、今子どもがどういうニーズを持っているかということで、居場所機能とか養育機能とか生活支援機能を社会が提供する必要性。それを市民参加の組織等を中心に地域の文化を変えていくというような役割があるんじゃないかと書いております。

ただそこで問題になってくるのは、やっぱり財源的な問題だと思うんですけど、やっぱり市町村がそこに手を入れれば入れる程持ち出しが大きくなっていく。そこにどう都道府県と国の支援を財政的に入れていくか。

そこで直接的ケアを提供することで社会的養護児童人口が減ることによって国と都道府県の財政的な抑制になるんじゃないかっていうことを申し上げたら、奥山委員と西澤委員に、むしろそういうことによって、社会的養護人口も増えるんじゃないかというご指摘をいただいて、ちょっと私自身も考えさせられたところなんですけれど。

でも、そういう財源的な問題だけではなくて、その身近な地域で子どもが育つという、子どもの権利から捉えるべきだったなということを私自身もちょっと考え直しているところです。 

以上です。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。今のお話を伺うと考え方として、ニーズアセスメントをするにしても、子どものニーズ、親、家族のニーズ、地域のニーズこの3つはしっかりと押さえておかなければならないでしょうし、それに対してどういう支援をしていくのかというのを構築していく力というのが必要となってくると思いました。

それぞれのケースに関してもそういうレベルで考えなければならないでしょうし、先程相澤先生がおっしゃったように、どんな支援メニューがあるかということを考える上でも、メニューに関し、どのようなものがこの地域では欠けているかなどを考えていかなければならないと思いましたが。そんな形で概念整理をした方がよいのではないかと思っています。

先程の井上先生のお話を伺いながら、ここでは大きな概念としてどう考えていくのかということをきちんと打ち出していければいいと思うのですけれど、いかがでしょうか。

はい、伊達先生。

 

〇伊達構成員 

あの、いつもそこが気になるところなんですが、一次予防から始められれば、こんな幸いなことはないわけですけれども、我々がいきなり児童相談所から連絡を受けて、その子どもを引き受けてそれこそ三次予防のもっと悪くならない段階、或いはもう大きくなってかなり色んな問題がこじれてしまっている段階から始めなければならない支援ということをやることになるわけですけれども、そこら辺の支援というのはやはり直接的な方法しかないものですから、どうしてもその直接的な支援のウエイトが高くなるんですね。

だけども、それが何か手遅れであるような、或いは予防ということを考えると範疇に入ってこないということであるならば、非常に悩ましいので、現実的に今我々が直面している問題というのは本当に、児童相談所から頼まれても受け入れることができないような状態の子どもまで山ほどいると。この問題をどういうふうにして手を付けるのかということをやらないとですね、赤ちゃんの時から、或いは一次予防からということではいかないだろうと思うんです。

ですから予防の次元をもうちょっとずらして、三次予防からどうやって良い方向を踏み込むことができるのかっていうことは是非入れてもらわないと、社会的養護の今までできなかった問題をこの在り方検討の中で深めていくという議論にならないんじゃないかと思うんですよね、そこのところがとても気がかりです。

 

〇奥山座長 

はい、井上先生。

 

〇井上構成員

伊達先生、それもとても大事な視点ありがとうございます。

私達は市区町村でですね、いきなり3、4という、さっき自分が使いました分類で3とか4に入ってくる方がいた場合、どうしてそういうふうな状態になったのかというのを、必ず検討会をするんですね。

そうしましたところ、今日私すごく強調しているつもりなんですけど、要支援1、2の段階で長く学校が関わっていました、園が関わっていましたっていう中でですね、本当は3とか4のタイミングは有ったのにそれをそのまま見てしまっとって、いざ事件が起こってしまって、いきなり先生方のところにお世話になったとそういうケースがほとんどだったんですね。

ですので、頻回にその支援の段階を、繰り返し再アセスメントをして本当にそれでいいのかっていう検討をしながら見ていくというような、そういうようなシステムを絶対入れておかないといけませんよっていうのを強く協調したのがそれだったんですね。

後は先生が言われるようなその3、4にいきなりなった方達に関しては、必ずやはりそれに見合ったやり方で評価をし直してみますと、ここから手助けできるところがあったのに親御さんから意見が出てこなかったのでそのままにしていた。

学校の体制として、これは家族の、或いは家庭の問題だからしょうがないという形で置いておったことによってそれ自体が生じてしまったとかですね、色んな理由がありますので、その辺を前に出しましょうというような形で努めていく、それが必要だと思いますので。

以上です。

 

〇奥山座長 

私の方からも井上先生に加えての質問ですけれども、要支援の3とか4とかで在宅にいるお子さん達に関してです。皆さん「見守り」として、ただ見ているだけのことが多いですね。そこのところの本当の支援の在り方、内容に関して、何か付け加えていくことがあったら教えてください。

 

〇井上構成員

あのこれもですね、私達のところでは、その家族がというかその保護者がですね、それを利用してくださるかしないかっていうのは保護者に決めていただくのですが、やっていただける場合は、いわゆるペアレントトレーニングの形で私達みたいな地域子育て支援センターの中でやっているペアトレ、児童家庭支援センターの中でやっているペアトレって段階があるんですけれども。それを受けていただくというのが一つです。

それからもう一つは、児童相談所の中で親子再構築の方で出来上がった手法で、帰す時の親子関係を見る為の手法でやってきたものがあるんですけれども、それを今度は逆に初期の段階でのアセスメントの中で使っていくというようなやり方で親御さんが変わってくるというようなことも実際に起こっております。そういうのでよろしいでしょうか。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。いかがでしょうか。どなたか。はい、加賀美先生。

 

〇加賀美構成員

今、伊達委員からのお話があった、勿論、保護というところをないがしろにして養育をやっていくということではなかったと思いますので、勿論今回の法改正が保護中心から養育中心へっていう、そういう考え方で基本的には先程来のお話の中で子育ちというふうなところに視点を置いた幅の広い新たな養育、社会的養育だっていうそういうことで法改正を進めてきたわけでありますから、そこのところをもともとこの法改正のその理念に基づいて、実現していくということが一番大事だろうと。養育というところにどう視点を置くかっていう考え方なんだというふうに改めて確認をしておきたいと思います。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。はい、上鹿渡先生。

 

〇上鹿渡構成員

「子育て」と「子育ち」という視点でいいますと、社会的養護で施設や里親においては、「子育ち」支援(子どもが育っていく上で必要とする子ども自身への支援)が割合として高くなるわけですが「子育て」支援もやはり必要とされていると思います。子どもが家に戻る(再統合)ためにその親がどう対応できるようにしていくかということが重要になるからです。社会的養護のなかで、施設や里親のもとで生活し、親元を離れている時にも「子育ち」「子育て」支援の両方が必要だという視点を持ち続けることがとても重要ではないかと思います。一方で、家庭にいる間予防的な対応が主となっている時にも、「子育て」支援だけでなく「子育ち」支援という視点を持ってそれぞれのケースでどちらの支援がどれくらい必要かということに留意する必要があるのだと思います。予防的対応から社会的養護まで、「子育ち」と「子育て」の二つの視点でそのニーズをとらえ、満たしていくことが重要なのではないかと考えます。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。他にいかがでしょうか。はい、伊達先生。

 

〇伊達構成員

あの予防のところを否定したり軽視したりしているつもりは全然ないんです。

全くその通りで、もっと早い時期に一緒になって何とか支援をしておけばこういうことにならなかったではないかということは必ずいえるわけです。

ただ、今本当に頭を悩ませているのは、最近児童養護の中で身柄つきのケースというのがとても増えているんですね。警察から。

そうすると身柄つきのケースというのは年齢が高くてかなり制約を含んでいて、色んな意味で対応が難しいんです。それがそのどういうふうな経緯でそうなったかとか、どういうふうな家庭像かというふうなことではなくて、とにかく本人がもう家に帰せないような、或いは帰らないような状態で、家の方も受け入れないような状態で、そういう子ども達がかなり多いんですね。

そうするとその子ども達がいきなりこう出てきて、それに対する対応をどうしたらいいかという時に一次予防から始まる予防論の中で対応するというのは、確かに同時並行的に一旦受け入れて、その中で余裕があって色んなことができればいいんでしょうけれども、まずその受け入れること、そのことがとても難しくて。中途半端に受け入れてその後また事故が起こって、また措置変更というのを繰り返していくというような悪循環にも入ってしまっているんですね。

これをどうやっていくかっていう切り口みたいなものを是非やっぱり今回付けてもらいたいっていうふうに思います。

 

〇奥山座長

あの、伊達先生のお話で施設に入ってそしてそこでケアがなされるといういうケースもあるんでしょうけれども、施設に入らなくても例えば1415歳位になっている子ども達で様々な問題があった子どもをケアするということも必要になってくると思ってお話を伺っていたんですけれども。

そうなってくると親支援というよりもその子どもの自立支援ということになってくると思います。

これから自立支援の話をしていく訳ですけれども、自立支援というと、分離保護からの自立支援というイメージがあるのですけれども、それだけではなくて、在宅支援の中の自立支援もしっかりと考えていかなければならないと思っています。それも含めてこれから自立支援ということを考えていく時に、あの「じりつ」の「りつ」が両方あります。律する方は小さい時からのケアが勿論関わってくる訳ですけれども、立つ方の自立、両方の支援をどのようにしていくのかということとも関係してくると思って伊達先生のお話を伺っていました。

 

〇伊達構成員

いわゆるこう、社会的養育が必要な子ども達の中には、必ず一定程度の私達が段階を踏もうということを考えてもそれをくぐり抜けてしまうような条件の、状況の中で、我々と出会うことになる子ども達っていうのはいるんじゃないかと思うんですね。

で、この本当に難しい子ども達をどういうふうに我々が受け止めることができるのかというそこの部分が、どうしてもその在宅の問題から連続的に考えようとすると抜け落ちてしまうというか、そこに上手く結び付けきれないということがあるものですからその問題。ちょっと上手く言えているかどうかわかりませんけれども。その問題がとってもこう今、大事なところではないかなというふうに思っています。

 

〇奥山座長

はい、西澤先生。

 

〇西澤構成員 

奥山先生のお話と伊達先生のお話をなかなか結び付けることができないのですが、伊達先生の言ってらっしゃるイメージがどんなのかっていうのを、少し考えてみました。例えば性虐待を受けて長らく家庭の中でいわゆる「家庭内殉教」の状態に置かれて、中学校、高校ぐらいの年齢になってもう耐えられないっていう形で逃げてくる子ども。

それからもう一つはネグレクトですね。ネグレクトで慢性的にずっと放置されてきて、児童相談所も「見守り」しかできず、最終的には非行の問題になっていって、お家に帰せないっていうようなケース。

代表的にはこの二つなんじゃないかなって思います。伊達先生が言われたものと一致するかはわかりませんが、私が扱っているケースを考えるとそういうイメージになります。そういう子達については、問題になるのは児童相談所の専門性ではないかと思うわけです。

つまり、児童相談所といくらやり取りしても、子ども自身が「性虐待を受けた」と言っていないので保護しませんとなってしまう。色んな状況は全て性虐待だということを示しているんだけれども、「子どもが性虐待を認めませんから保護しません」という一点張りになってしまう。それでずっと経過して、最終的には伊達先生がおっしゃったような形で身柄つき保護になる。

ネグレクトの場合も同じで、「ネグレクトには手が回りません」というのでずっと放置して、非行の問題で手がつけられなくなって初めてケースとしてあがってくる。やっぱり児童相談所の専門性の問題が関係してくるのではないか。初期段階でちゃんと介入できるようなシステムを作っていくことで、今伊達先生が言われた様な問題の解決の糸口が掴めるのではないかと思います。それで全て解決するとは思いませんけれども、解決の糸口が掴める部分もあるんじゃないかなと思っています。

 

〇奥山座長

はい、井上先生。

 

〇井上構成員

西澤先生またありがとうございます。

全くその通りで、それで学校の先生達でですね、一生懸命やってくださっている先生がいてその1年間は良かった。だけどそれはその先生の努力でなっていた。次の年はたまたま違っていて反対側の対応をされた。

で、その時にですね、これを市町村の要支援のニーズとしての事業としてやっているんだから継続しなさいってはっきり言えるんですよね。そのための枠なんですよ。だからそうすることによってその子に対してこう継続的に見ていけるっていうのがやっと整うと思うので、そこを別々じゃなくて枠としていこうと。それを強く言っているというわけです。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。実は先程井上先生に単なる見守りではない必要があるという話をしたのは、本来見守りではまずいケースが見守りという形で何もしないで放置されている。

4番5番のあたり、5番とは言わないか、4番位のあたりでも放置されています。子どもが承諾しないから一時保護できませんといった形もあります。では、その家庭的に、強制的にでも支援を入れるのかと言ったら、それもありませんという形で見守りだけになっている。それが結局状態の悪化を招いて、どうしようもなくなってどこかにたどり着くといったことが結構多いと思います。

この井上先生の考え方の中でもそれぞれのところで本気で何かをやらなきゃいけない。その為の専門性を維持した人を作って育てていかなければならない。そのことが一番重要だといます。

いかがでしょうか他に。

 

〇西澤構成員

だとしたら、市町村の子どもに対する支援の実情に関する情報を収集できないでしょうか。市町村によって、すごくばらつきがあるように思われるのですが。

例えば、いわゆる学童保育に、シルバーの人達を導入して、ボランティアで日本の伝統的な遊びを子ども達に教えるということをすごい活発にやっているところがあるかと思えば、一方では、3時間、子どもにトムとジェリーを見せているだけの学童保育もある。何でトムとジェリーなのって思うんだけど、トムとジェリーを3時間4時間流しっぱなしで子どもはずっとそれを見ている学童保育っていうのがある。

そういうばらつきっていうのがどんなふうになっているのだろうと思うわけです。或いは保育園の送り迎えもそうです。お母さんがうつ状態送り迎えができない場合に、週に1回くらいしか保育園を利用できないままの子どもがいる自治体もあれば、積極的に送り迎えの支援をしている自治体もある。すごくばらつきがあると思うんですよね。

だから、自治体で工夫している事例を調べられないですかね。何かそういった調査を実施できないものでしょうか。

 

〇奥山座長

ありがとうございました。

 

〇西澤構成員

だめですか。

 

〇奥山座長 

いや、いや、良いのですが、調査の対象が、あまりに広いので。どこの部分を。

 

〇西澤構成員

トムとジェリーを見せていますか、みたいな。

 

〇奥山座長

学童保育の何か調査をかけたいとか。それとも保育園に通えない子どもへの家事支援とかそういうことに。

 

〇西澤構成員

保育園の送り迎えを家事支援の枠組みでやっているところもあれば、その保育園の保育士さんがやっているんだけども、市には内緒ですっていうところもあるんですよ。市はそういった支援を認めないようなんです自治体によってすごくばらつきがあると思っているので。

じゃあちょっとちゃんと整理します。何を調べたら一番効率的か。

 

〇奥山座長

はい。お願いします。井上先生。

 

〇井上構成員

あの山縣先生が言っていた、もし良かったらお聞きしたいんですけれど。

今西澤先生が言われているような調査は神戸大学、神戸の女子かな、の畠山由佳子先生、彼女は10年位前から結構全国のあれをきちっと見ているんじゃないかなと思っていたんですけれども。その辺、何か情報お持ちですか?ごめんなさい、ちょっと一部分の文書でしか彼女のことを知らないもので。よろしくお願いします。

 

〇山縣構成員

結構調査をされています。最近新しいデータを出しているかどうかちょっと私記憶にないです。

 

〇西澤構成員

本を書かれてましたよね。

 

〇山縣構成員

論文のを本にしたものですから、データ的にはもっと古くなりますけど。

 

〇西澤構成員

ちょっと調べてみます。

 

〇奥山座長

ありがとうございました。そういう既存のデータがあるかどうか。確かに何をとっても色々な差はあると思います。児相をとってもすごく差があります。

そういう意味では差はあるとは思いますが、ミニマムというか、ある程度の標準というものは提示できたら良いのかもしれません。

 

〇西澤構成員

例えばね、さっき言ったように保育園の送り迎えを家事支援サービスの一環としてやっているということは、何か制度的にそういうものを運用できているということですよね。

ところが他の市に行くと、そういうのは一切できませんというわけだから、こう運用すればできますよ、といったことが提示できれば、やる気になればこうした方法があるということになる。

あるいはシルバーボランティアを活用するという手続きはどうすればよいかという情報があれば、学童保育ももっと改善して地域で子どもを育てる仕組みが、今の既存のシステムを使って可能になりませんか。

地域で子どもを育てる仕組みっていうのを、今の既存の制度を使いながらプラスアルファすることで少しでも活性化できるんじゃないか。地域の子育て力を上げていくというような。そんな発案です。

 

〇奥山座長

ありがとうございました。

もう一つだけ私、井上先生に伺いたいのですけれども、この流れの中でですね、どうしても社会資源というと、先生がおっしゃったように既存の事業のみをイメージしがちだと思うのですけれども、例えばおじいちゃんおばあちゃんの力とかですね、キンシップをどう巻き込んでいくのかというのも一つあるのではないのかと思っています。それが出来れば、お母さん達がしんどい時に、親族里親にも結び付くのではないかと思っていますが、何かそういう事例というか、そういう方向性を提示できないでしょうか。

 

〇井上構成員

アメリカの1998年とかその辺の頃にですねネイバーフッドでやってて、その中に親戚とかですねそういった方で特におじいちゃんおばあちゃんたちがその家族を手伝うということに関して明確にその事業として認めているというのがあるんですね。

私達のところ田舎の方で若年のお母さん達のケアをしてくれる方はほとんどそのお母さんのおじいちゃんおばあちゃんなんですね。で、お母さん自身のおじいちゃんおばあちゃんとの関係は悪いんですけれど、なぜか孫になるとですね、良い関係になってちゃんと育つんですね。で、その育ちの途中の中でその若い時大嫌いだったおじいちゃんおばあちゃん達への見方が変わってきて、その後が上手くいくというようなこともあったりですね。

それもやはり僕は支援をきちんとすること。そのおばあちゃん達のケアをきちんとすることによって維持できること。それはその財政的に難しいとか仕事を休んでいかなきゃいけないとかそういう恰好になると、ポツンと切れてしまうからですね、そういったものも事業化するというのがとても大事だと思っています。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。はい、加賀美先生。

 

〇加賀美構成員

今の議論はせっかくの提起ですから、市区町村の支援業務のところのテーマの中で一つ議論していくのがいいかなと座長も言われるわけですから是非引き継いで、はい、拠点事業の中でメニューとしてもあげながらもう一考していく必要があるかなと思います。

これはこの社会的養育のワーキングは全体を総括するという意味もありますから、ここからおろしていくという形でやってもいいかなと思いました。

 

〇奥山座長

市町村WGの座長の松本先生いかがでしょうか。

 

〇松本座長代理

良い知恵があるわけじゃないですけど、その考えてみると去年、おととしになるんですかね、夏からずっと前の前の委員会から前の委員会に引き継がれて、ずっと議論が進んでいるところで。一番大きな論点の一つは、いわゆる見守りという形で手が出せない、或いは通告何があってもその分離をする以外のところで在宅のところでなかなか有効に支援ができないということをどうするかということが一番大きな、一番かどうかわかりませんけれども、大変大きな論点の一つだというふうに思います。

それをどうするかということを巡って色んなこう議論がされてきていると思いますので、それは今回の議論でも一番大きなことの一つになるのかなと、これは何かまとめのイメージが僕まだつかないんですけども。それは在宅支援の強化ということと、いわゆる分離保護の、そのそこから先の継続的な支援ということと両方に関わるというふうに改めて思いました。

 

〇奥山座長

はい、相澤先生。

 

〇相澤構成員

さっきの高齢者の問題ですけど、やっぱり介護予防事業と子育て支援というのは非常にリンクしているだろうなというふうに思うわけですよね。

さっきの共生社会の問題もそうですけれども、そういう意味でいかにその高齢者を子育て支援に活用させていただくかということは非常に重要な問題だというふうに思っていますし。

それから在宅支援といえばダブルケアの問題が話題になっていますので、ダブルケアについても考えていかなければいけないなと思っております。

 

〇奥山座長 

すみません、ダブルケアというのを説明していただけないですか。

 

〇相澤構成員

要するに介護と子育て支援と両方のケアを家庭の中で一緒にしなければいけないという、そういう問題について申しました。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。はい、林先生。

 

〇林構成員

どういう調査を望むかという部分で言えば、多分井上委員もご存じだと思うんですけれど、その要支援枠組みを使って特にその子育ち支援に焦点化した先駆的な自治体の調査と、もう一つは民間主導型のNPO等中心とした先駆的な実践を調査してはどうかと思います。もう一つは先程そのおじいちゃんおばあちゃんとかといった血縁関係ではなくて、社会が疑似血縁的な関係を子どもに提供していくかという視点が重要に思います。

そういうインフォーマルなネットを先程の見守りということで言えば制度的な見守りかけではなくてインフォーマルな見守りは子どもにとって効果的であり、そうした関係をより必然的に子どもに提供していくような地域ケアの視点というのも必要かなというふうに思います。

以上です。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。はい、山縣先生。

 

〇山縣構成員

ちょっとあの冷や水を浴びせるような発言になりますけど。

今これ報告書はいつ頃出す予定なんですか。今から調査といって、どんどんどんどん、そういう意味でゆとりがあるんだったら新しい調査をすればいいし。

 

〇奥山座長

簡単にできるものでしたら可能かもしれませんが。

 

〇山縣構成員

既存のもので使えるものがいくつかあるのではないかということが言いたかったんですよね。

それは先程言われた西澤委員ので言うと、放課後児童クラブの問題は学保連さんがですね、毎年結構細かいデータを出しておられる。会員を中心に、会員組織中心だと思いますが。それでも相当な数ですから、やっぱりある程度信頼できるのではないかとか。

全国的な集計ができているかどうかわからないんですけれども、今、林委員とかの関連でいうと、子育て援助活動支援事業ですとか、社協さん、社会福祉協議会が結構ですね、民生委員さん達、主任児童委員さん達と一緒になって、行政では充分把握できていないような取り組みをかなりやっているんですよ。

それからひろば系のグループであるならば、その自分達の事業としてですね、予算がぐっとついているやつをどう工夫して使うか。或いは独自にやるかというので、林先生が言われているような感じで言うとですね、有名なのは新座の子育てネットワーク、坂本さんとこですね。なかま保育とかおうち保育とか何かそういう新しいことを仲間内で支え合い、お母さん同士で支え合いを組織化していくというふうな取り組みも結構報告書は出ているような気がします。

そういうものを集めてもらうと、まあまあ全て把握、網羅はできないけれども、一定その面白い取り組みは把握できるのかなというようなことを考えていました。

 

〇奥山座長

ありがとうございました。その辺、山縣先生の方から思いついたのがあったら、リストでいただければそれを事務局の方で集めていただくことも可能かと思います。

 

〇山縣構成員

児童館もあります。健全育成財団というのかな。

 

〇奥山座長

というのはあると思いますが、その先程のミニマムをどう作っていくかということになると、全体の福祉に関ししっかりと評価するシステムができていないということが大きい一つの問題ではないかと考えます。例えば、ofstedのような理念がないというところも大きな問題なのではないかと思いました。

他はいかがでしょうか。

ではまた何かありましたらば、皆さんの方からご提案をいただくこととして、次に自立支援の話に入っていきたいと思います。まず事務局の方から参考資料の1、特にあのこれの1112番になりますかね、そこのあたりを中心にして資料のご説明をお願いしたいと思います。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

事務局でございます。縦長の参考資料1でご説明をさせていただきます。おめくりいただきますと最初の方は自立支援計画が省令でそれぞれ施設について規定されていますということで省令を載せさせていただいています。

3ページのところが自立支援計画について課長通知ですけれども、標準と考えられる様式というのをお示ししているということと、自立支援計画を作るにあたってこういうことを留意してくださいということを通知で書いたものを添付させていただいております。

そういうものの様式が暫く続きまして、10ページが児童養護施設の例でございますけれども、運営指針ということで児童養護施設の自立支援計画についての記述が載っているものを添付させていただいています。

12 ページからが児童養護施設が中心ですけれども、お子さんの進学、就職の状況の資料を載せさせていただいています。

13 ページも中学校卒後の進路、14ページが高校卒業後の進路ということで児童養護施設、里親委託をされているお子さんの進学、就職の状況の資料を載せさせていただいています。

15 ページが児童養護施設の運営ハンドブックということで、この中で学習或いは進学支援、就労支援についてこういったことに留意をする必要があるというようなことを、書いてある部分を抜粋をしています。

17 ページが児童養護施設の例でございますけれども、施設の職員の配置基準の中にも自立支援に関する職員、家庭支援専門相談員ですとかの右の方の四角になりますけども、職業指導員の加算ということで自立支援に関する職員の配置というのをされているものがありますということで職員の配置の資料を載せさせていただいています。

18 ページからが職業指導員についてのどういった業務をやってということで資料をつけさせていただいています。

21 ページが子ども子育て支援におきます量的拡充と質の改善ということで、消費税引き上げで財源が出来ました時に、0.7兆円の範囲でやるものとそれを超えて質の改善を図るものというのを、子ども・子育て会議の中で整理をした資料でございます。

この中で下の方の四角が4の質の改善ということで社会的養護の関係の質の改善で今後やっていくものということで出しているものです。

この中の4つ目の四角のところに児童養護施設に自立支援担当職員を1名配置ということで、これは財源が確保できていないのでまだ実現できていない部分ですけれども今後こういった自立支援の担当職員というのを各施設に配置できるようなこともやっていかなければいけないということで整理をされているものでございます。

22 ページからが措置費の中で教育に関する費用ですとか、或いは自立支援に関連する経費について列記したものでございます。

24 ページが自立援助ホームの概要の資料をつけさせていただいております。

25 ページが自立援助ホームの実施状況ということでホームの数の推移ですとか、お子さんの入所の状況ですとか、自立援助ホームの状況が少しわかる資料を添付させていただいています。 

26 ページと27ページが自立支援に関わる予算ということで、これは平成27年度の補正予算で予算措置したものでございますけれども、施設を退所したお子さんに対します自立支援資金貸付事業ということで貸付の事業でございます。

施設を退所して就職されるお子さん、或いは進学されるお子さんについて、就職であれば家賃に相当する額の貸付というのを2年間やりますと。これについては返還免除付きの貸付ということになってございますので、その後5年間継続して働いた場合には返還を免除しますということがこの貸付事業の中でやられている内容になります。

進学の場合は今申し上げました家賃の貸付の他に、進学した場合の生活費といいますか、生活費の一部になるようなものについて貸し付けをすると。

ちょっとわかりづらいので、27ページの方を見ていただいた方が、良かったんですけれども。進学の方で行きますと、生活費貸付という部分とあと家賃の貸付ということで生活費であれば月額5万円というものの貸付をしまして、大学であれば最大4年間貸し付けがされて、その後就職されて5年間就業が継続すると返還免除になりますというような自立支援資金の貸し付けというのも事業としてございます。

それと28ページですけれども、身元保証人確保対策事業ということで、これは就職した場合の身元保証人の確保が難しいということと、あとアパートなんかを自立して借りた場合に連帯保証人が必要になりますので、そういった保証人になっていただく、大体施設長さんが保証人になっていただく例が多いと思いますけれども、もし保証人になってそれによって例えばアパートの家賃をお子さんが滞納してしまったという場合に、その場合の損害を保険制度の中でカバーするというような事業がありまして。その保険制度の中の保険料の補助を国と自治体で折半で補助をするというような事業がございます。

29 ページが退所児童等のアフターケア事業ということで、退所した後のお子さんの生活相談ですとか、或いは就業にかかる相談ですとか、或いはお子さん同士の交流の場の提供ですとか、そういったものをやる事業というのが退所児童等アフターケア事業ということでございます。

30 31ページが2710月現在でございますけれども実際にやっていただいている事業者というのがこういったところがございますということで一覧にしたものをお付けしております。

33 ページが18歳以上の措置延長の制度について。法律に規定されている部分と、積極的に措置延長というのを活用していただきたいということで通知に書かれている内容を少し抜粋してお出ししています。

先程こちらを中心にご説明をということでお話いただきました部分が34ページからになります。34ページ、35ページが昨年の5月に成立しました改正児童福祉法で規定されている内容を簡単に掲載したポンチ絵になります。

34 ページが18歳以上の者に対する支援の継続ということでこれは29年4月施行の改正部分になるんですけれども。現行の児童福祉法におきまして、原則として18歳まで、措置延長した場合でも20歳までというふうになっていまして。問題意識としましては18歳の年齢に達したことによって支援が断たれてしまうという場合があるということで、18歳を超えた場合でも自立の為の支援を必要に応じて継続されていく仕組みが必要ということが課題ということで書かれています。

今回の児童福祉法改正の中で手当てをした部分がその後に書いています。改正による対応ということで書かれている部分ですけれども、一時保護について18歳に達した後も20歳になるまで一時保護の延長が可能になりますということと。あと18歳に達した以降に里親さんへの委託等も可能になるようにということでの児童福祉法の改正をしております。

改正法による対応の中の2つ目の丸に書いてございますのは里親委託中に18歳に達した場合に、年齢延長今までもできているんですけれども、18歳に達した後の措置変更ですとか或いはあの一時保護にまた変更するということがきちんと法律上担保できるようにということで児童福祉法の改正がされていますということがここに書いてある内容になっています。

次のページで見ていただきますと35ページでございます。これが自立援助ホームの対象者の拡大ということでこれも29年4月施行の部分の改正になっておりますけれども、自立援助ホームにつきましては、入居者の年齢が20歳に達するまでが自立援助ホームの支援の対象ということになっておりました。課題で書いていますのは、そういった20歳に達した段階で支援が終わってしまうということで退去しなければならないということがあるんですけれども、一つ改正になっていますのは大学に就学している場合で、大学卒業まで継続した支援というのが必要なんじゃないかということで、20歳を超えた場合でも22歳の年度末まで自立援助ホームでの支援が可能になるようにということでの法律の改正をしております。

ここでポンチ絵の中で現行と書いてあるのが、改正前の状況で20歳になると支援の対象外ということが書いてまして、改正後の方のポンチ絵を見ていただきますと、20歳になった後に、この大きく丸で拡充というふうに書いてある部分が法律で担保した部分ですけれども、20歳の後も22歳の年度末まで対象を拡大しますということで、ただしここについては大学等に就学中の方については22歳の年度末までの間にある方について対象を拡大するというのが今回の児童福祉法の改正で行われた部分です。

その下に予算事業ということで書いてある部分がございます。今のは大学等に就学している場合ですけれども、それ以外に例えば働いている方、或いは自立援助ホームではなくて児童養護施設を退所されて、退所したんだけれどもその20歳以降についても支援が引き続き必要なお子さんについても、対応する必要があるということで、ここに書いてます予算事業というのは法律じゃないんですけれども、29年度の予算、今予算案はまだ国会で審議中ですがその中で対応を検討しますということでポンチ絵の中で整理している資料でございます。

具体的にこの予算事業というふうに言っていますのが次のページから社会的養護自立支援事業の概要ということで載せさせていただいています。前に予算のご説明をしたときにポンチ絵でご説明をしましたけれども文字で整理したもので見ていただいた方がわかりやすいのかなということで簡単ですけれども、概要を用意させていただいています。

36 ページのところで少しご説明いたします。この事業の目的ということで里親さん或いは児童養護施設等に入所していたお子さんで18歳あるいは20歳に到達したことによりまして措置解除されたお子さんについて、引き続き自立の為の支援を行うことが適当な場合、必要なお子さんについては原則として22歳の年度末まで、法律で自立援助ホームの就学中のお子さんについて措置をされていますけれども、それと同じ年齢まで引き続き必要な支援が行われるようにすることを目的としてこの社会的養護自立支援事業というのを29年度予算案の中で計上しています。

施設とか、里親さんの措置権者が、都道府県、指定都市、児童相談所設置都市になっていますのでこの事業の実施主体としては同じ都道府県、指定都市、児童相談所設置都市としています。

注で書いておりますのは、従来の身元保証人確保対策事業とか或いは、先程ご説明しました、アフターケアの事業というのをこの社会的養護自立支援事業の中に一緒に取り込んで一つの事業ということで予算を組立てていますので、注で書いてます4の(4)というのは身元保証人確保の事業ですけれども、これについては都道府県、指定都市、児童相談所設置都市だけではなくて従来から市及び福祉事務所設置町村も実施が可能というふうになっておりました。これは母子生活支援施設が対象になっているということがありますので引き続きこの身元保証の事業については市及び福祉事務所設置町村も実施できるようにということで注で書いています。

この事業については直接自治体が実施するということもできるんですけれども、事業の全部または一部を社会福祉法人等に委託をして実施ができるというふうにしたいというふうに思っています。3番が対象者を、支援の対象となるお子さんということで書いています。

自立の為の支援を継続して行うことが適当な18歳、措置延長の場合は20歳到達後から原則22歳の年度末までのお子さんを対象にするということで書いています。

ここで原則といっていますのは、予算事業ということもありますので、病気等でやむを得ず留年をされるお子さんですとか、対象年齢を超えて支援が必要なお子さんがいらっしゃると思いますので、ここでは原則ということで整理をしています。

この対象の括弧書きの方で書いてございますのは先程と同じような理由なんですけれども4の(3)というのが生活相談ですとか就労相談ということで退所児童等アフターケア事業でもともとやっていた事業内容になりますけれども、それについてはここで言っている22歳の年度末までではなくて、こういった生活相談ですとか就労相談の部分についてはここに書いてある年齢とは関係なく支援の対象に引き続きしていきますということを書いています。

その下に(1)(2)(3)ということで具体的に児童養護施設ですとか、里親さんの委託を解除されたお子さんですとか、(2)で母子生活支援施設を退所ということで。(3)が自立援助ホームの援助の実施を解除された方ということで書いています。

それと(3)の自立援助ホームにつきましては、括弧書きで書いてございますけれども、法律の方で対象になってます大学等に進学したお子さんで20歳以降も自立援助ホームを利用されるお子さんというのはこの社会的養護自立支援事業ではなくて、別に自立援助ホームとしての事業の予算の補助金を予算化をしようとしていますので、そちらの方で対象になるということでここの事業からは除いているということがこの括弧書きで書いてある内容でございます。

具体的なこの事業の内容ということで4つ予定をしています。

(1)で書いてますのが支援コーディネーターを配置をして継続支援計画を策定をすること。その退所されるお子さんについて退所後の支援についてどういうふうに目標を持って具体的にどういった支援を継続していくかということを計画を立てていただくということで、それが事業の1つ目になっています。

2つ目が居住費の支援、生活費の支援ということで37ページになりますけれども、事業の内容になっていまして。

( )が生活相談・就労相談。これは従来の退所児童等アフターケア事業でやっていたような内容ですけれどもそれが事業内容です。

( )が身元保証の事業。大きく分けますと、この4つが事業内容としてこの社会的養護自立支援事業の中で予定している事業になります。

36ページの()の支援コーディネーターの配置というところで少しご説明を致しますと、()の1ぽつ目のところに、支援コーディネーターはどういった方を予定しているかということを書いています。

この方については継続支援計画を立てていただくということがありますので社会福祉士さんですとか、あるいは児童福祉司になられる任用資格のある方、或いは精神保健福祉士さんなどということで必ずしもこの3つに限定するというふうに書く予定ではないんですけれども、そういった方を念頭に置いて事業に取り組んでいただくようなことを考えています。

二ぽつ目でございますけれども、その計画につきましては支援の対象になるお子さんご本人さんですとか、或いは児童相談所の担当のケースワーカーさん、或いはこれまで支援に携わってきた里親さん、或いは施設の職員さんなどの意見もきちんと踏まえまして措置を解除する前に、継続支援計画ということで退所後の計画を予め策定をしていただくということを予定しています。

三つ目のぽつに書いてますのは、その継続支援計画を策定した後、その後きちんと支援がされているのかということを確認するために必要に応じて関係者の方に集まっていただいて、ご本人も含めて、支援担当者会議ということで支援の状況を確認していくただくということもやっていただくことを事業の内容にしています。

次のページの37ページになりますけれども、この事業で対象になるお子さんの中で引き続き特に支援の必要性が高いということで、例えば病気などで年齢に達したんですけれども、その後進学ですとか或いは就職のどちらもできていないくて、もう少し施設或いは里親さんのご家庭で支援していただく必要があるというような場合につきましては、ここに書いてますように、措置されていた里親さんのお家或いは児童養護施設等で引き続き居住するのに必要な居住費或いは生活費を支給をするということを事業の1つにしています。

要は年齢を超えても施設にいることができる場合を作るということでそういった費用も補助の対象にするということを考えています。

注で書いていますのは児童養護施設等においては定員外で実施する場合に居住費の支援の対象にしますということを書いてます。

児童養護施設については、定員で措置費の額が決まっていますので定員の中でやるんであれば、事務費というのは改めて支給する必要がないということはあるんですけれども。その施設の例えば敷地の中で別に場所を用意していただくとか、或いは施設の中の空きスペースとかを活用しているんですけれども、定員の外で実施していただく場合には居住費が対象になるようにしたいということで書いています。

注の2で書いています生活費の支援ということですけれどもこれについては自立援助ホームに入居していらっしゃるお子さんと同じくらいの対象年齢になるということで自立援助ホームでの一般生活費と同じ程度の額というのを補助の対象にしたいということで書いています。

( )の生活相談・就労相談の部分でございます。これは先程から申し上げています通り、これまでの退所児童等アフターケア事業でやられていた内容を引き続き、この事業の中でもできるようにということで載せさせていただいております。

一つ目のぽつにありますのが、これまでの事業でもやられていることですけれども継続支援計画に基づいて生活上或いは就学上或いは求職活動をするにあたっての問題点等について相談に応じる、或いは何か出向いて支援をするというようなことが一つ目に書いています。

二つ目ですけれども、適切な職場環境の確保ですとか自立の為に必要な支援ということで継続支援計画に基づいてそのお子さんの為の職場の開拓ですとか、或いは雇われた先の事業主さんからの相談の対応ですとか、或いは就職後のフォローアップっていうのもやっていただくということが二つ目に書いています。

三つ目がこれもこれまで実施している事業ですけれども対象になっているお子さんが気軽に集まれる場所ということでサロンのような場を提供するということでお子さん同士の意見交換ですとか、或いは情報交換等を行うような事業というのもやっていただくということで事業内容の1つに書いています。

( )が少しまたちょっと違う事業になっていますけれども、これまでの身元保証人確保対策事業でやられていました身元保証人の確保というのが引き続きできるようにということで、この予算の中で引き続き対象にするということにしています。29年度から対象が拡大する部分だけご説明しますと、自立をしてアパートを借りる場合の連帯保証人さん或いは就職する際の身元保証人に施設長さん或いは児童相談所の所長さんがなった場合で、損害が発生した場合に保険の仕組みの中でその損害が補填できるようにということで事業を組んでおります。

これに加えまして、大学等に進学する場合も身元保証人というのを求められるということが関係者の方からのご要望でありましたので、そういった大学等に進学する場合の身元保証につきましても今回この身元保証人確保対策事業の対象にするということで。対象が追加になりましたということで書いております。

この事業につきましては全体補助率国が二分の一、あと自治体が二分の一というふうになっています。69か所というのが都道府県、指定都市、児童相談所設置市の数になっていますけれども、この69か所で29年度予算案に計上しております。

38 39ページは以前予算の説明をさせていただいた時に見ていただいた資料をそのまま添付させていただいております。すみません、ちょっと長くなりましたけれども、私の方の説明は以上でございます。

 

〇奥山座長

はい、ありがとうございます。非常に細かくご説明いただいたんですけれども、多分それを消化するのにも時間がかかると思いますのでここで10分休憩を取りたいと思います。あの時計で20分からスタートしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

(休 憩)

 

〇奥山座長

そろそろ時間なのですが、よろしいでしょうか。そうしましたらば引き続き議論を進めていきたいと思います。今の事務局のご説明に何か簡単なご質問がありましたらお受けしたいと思いますけれどもいかがでしょうか。

 

〇加賀美構成員

これ既存のものでモデルはありますか。

 

〇川鍋家庭福祉課長

現実に今どこかでやっているということではなく、改正法の趣旨に沿って行うことを念頭にしています。

 

〇奥山座長

はい、塩田先生。

 

〇塩田構成員

この予算か所の69か所っていうのは、何を根拠にした数が69か所なんですか?現在それができる可能性があるところが69か所?

 

〇川鍋家庭福祉課長

実施主体が都道府県、指定都市、児童相談所設置市なので、そこで一か所くらいということを念頭に置いて、予算のあくまで積算の話なので、実際どれくらい実施するかというのはこれから申請を受け付けてみてということになります。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。他にいかがでしょうか。西澤先生。

 

〇西澤構成員

すみません、私、行政の文章というやつが慣れていないので、本当に基礎的なことを聞きたいのですが、例えば養護施設での自立支援事業ですけれども、ざっくばらんな言い方をして、一つは学費は出せるということですか。大学に入学した時の入学金とか学費っていうのは、生活費っていう枠で出すんですか。

 

〇川鍋家庭福祉課長

大学入学進学に必要な経費については別にあるので、居住費用はあくまで生活費ということです。

 

〇西澤構成員

何らかのお金でその子の入学金とか授業料は支給するというか。

 

〇川鍋家庭福祉課長

進学に必要な経費は別の費目で。

 

〇西澤構成員

別の費目で支給されるということですか。わかりました。

それから、これも本当にしょうもない質問かもしれませんけど、引き続き同じ施設や里親宅にいる場合に限定されるようにこれは読めるんですが、その理解でいいでしょうか。例えばとても優秀な子が例えば東大とか京大とか行きたいっていう場合、その子が遠方の施設にいるときには、それは無理ってなるっていうことですよね。

 

〇川鍋家庭福祉課長

あくまでもとにいた施設じゃないといけないかというようなお話だと思うんですが。実は今日はちょっとまだ細かいところまで書き切れていないんですが、事業の実施要綱という細かい今おっしゃったようなこととか、例えばその別の施設、別の場所、別の大学はどうなるのかとかですね、そこのところを落とし込む作業を今やっていますので、それはそれでちょっとまたご説明したいと思います。

 

〇西澤構成員

わかりました。ということは、ここに書いてある施設等に引き続き居住する場合というふうに限定的ではないと。

 

〇川鍋家庭福祉課長

等は里親も含めてという意味です。そこも含めてどこまで運用が広げられるかというような作業をやっています。

 

〇西澤構成員

それともう一つ、関連してその支援コーディネーターを配置することになっているんですがこれはどこに配置するんですか。

 

〇川鍋家庭福祉課長

これはですね、特に限定してどこっていうふうな形をとっていなくて。例えばそれはNPOのその支援をする団体があればそこでもよろしいでしょうし、或いはその施設を運営している法人でもよろしいでしょうし、というようなことでそこも要綱上書こうと思っていますので、その時にまたご説明したいと思います。

 

〇西澤構成員

わかりました。じゃあその時にご検討いただきたいのですが、その中に児童福祉司っていうのが入っていて、児童福祉司は任用資格なので児童相談所がその採用した段階で児童福祉司になる訳なので、その人を別の機関に配置するということは事実上有り得ないというふうに思いますが。

 

〇川鍋家庭福祉課長

資格要件みたいなものは特に定めるというよりはその例示として書いてありますので、もし児童福祉司というような任用資格を持っている人もおられたら、その配置もできるんじゃないかということで書いています。

 

〇西澤構成員

ただ児童福祉司に関しては、その資格要件を別の委員会で検討していると思いますが、できるだけ専門性を確保するという方向性になっているので、ちょっと混乱する可能性もあるかと思います。

 

〇川鍋家庭福祉課長

わかりました。そこはちょっと整理をしてみます。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

先程の補足といいますか、大学の入学金や授業料などにつきましては基本的に奨学金などを活用いただいて入学をするということが前提にあります。

この事業についてはあくまで、引き続きその施設で生活をするとか、或いは退所して地域で生活をする場合を想定していまして、大学自体の費用というのをこの事業の中でみていこうということではないんです。ここで言っている生活費ですとか居住費というのはまさにその生活するための費用であったり、或いは施設で生活するのであればその施設に対して支払われる事務費なりをこの事業の中で出して、引き続きその施設なり里親さんのお宅に住むことができるようにという事業なので。

学費につきましては、別の枠組みで文科省で奨学金のことを色々検討いただいていますけれども、そういったものも活用して、進学いただくという事業の中身になっています。先程の説明は、一部措置費の中で自立支援の支度費が出ますという、そういった部分をご説明させていただいたということです。

 

〇西澤構成員

そうだったんですね、私はずっと今まで、この事業によって、子ども達が今みたいな苦労をしなくても大学進学等が可能になるものだと思っていました。

住居費だとかそういうのが出るからいいじゃないかって言われるかもしれませんが、実際に養護施設から大学に進学している子ども達のほとんどは、その施設が生活部分の支援を施設の持ち出しで行っています。それでも子どもだちは、勿論奨学金等は借りていますけれども、それでも足りない部分に関して、一日二か所、三か所もアルバイトを掛け持ちして、相当必死で頑張って大学に行っています。それでも途中でアウトになる子もいます。

2年位でエネルギーが切れて、中退する子がいるんです。心ある施設で、そういうふうな支援を持ち出しでやっていても子ども達はなかなか進学できないという現状があるので、今回の事業を実施したところで多分その状況は大きく変わらないと思います。

それを、従来の奨学金を使うというようなことなんだとしたら、私はずっと勘違いをしてこの委員会に出てきていたのかと、とても残念に思います。

 

〇川鍋家庭福祉課長

すみません、一点だけ。お話わかりましたけれども、一方で、最終的には給付となるような貸付金も別に用意しているので、それも活用しながらという意味で27ページにありますけれども、これも活用してということで考えていますのでこれ自体の普及というものも一緒にやりたいということです。

 

〇奥山座長

すみません、これだと進学のところは各種奨学金と生活費と家賃ですよね。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

今申し上げました貸付金の事業のことなんですけれども、これにつきましては西澤先生がおっしゃっていただいているような学費ですとか入学金に相当するような金額をこの中で貸付できるというような内容にはなっていないので。

ここに書いてありますように奨学金は一方で借りていただいて、ただ生活する部分で学費の一部といいますか、教材を買ったりとかっていうことにも勿論使えるお金にはなっていますけれども、月額5万円を貸し付けを可能にして、ただ5年間継続して働けばこれは返さなくていいというような貸付の事業です。

進学した時にアルバイトしなければいけない部分の負担が少し軽くなるという事業です。

先生がおっしゃっていただいているのはその通りで、やはり親御さんの援助が受けられない中で進学をするとなると自分で奨学金を借りて、その後返済していかなきゃいけないっていう状況がなかなか変わらないじゃないかというのは、その部分の課題は残っております。

そこは別途文科省の方の奨学金の制度の中で、給付型の奨学金というのも来年度から実施されるということもあります。社会的養護のお子さんについては少し優遇された形で対象にするという枠組みがありますのでそういったものも活用していただきながら自立支援を進めていくというのが今の考え方といいますか、方針になっています。

 

〇西澤構成員

わかりました。私ばかりが言うのもなんだから、施設現場の塩田先生、どうですか。

 

〇塩田構成員

まあ生活費をちゃんと支援してくれることだけでも随分変わると思いますけど、やはり多くの子どもは学費を稼ぐ為にアルバイトをしてその結果、学校に行けなくなってしまう、留年してしまう、そのうち諦めてしまうっていうことが退学の理由として多いのでやはり本当に給付型の奨学金にしていただきたい。また、その後5年間就労を継続するっていうことも非常に難しかったりします。本当に給付型で保障してもらえるようになると進学率とか卒業率っていうのは高くなるとは思います。

それとついでと言ってはなんですけど、今年も私の施設では大学進学者が何人かいて、20歳までは在籍させていただこうと、児童相談所にお願いにお願いを重ねてきました。ちゃんと進学してやっていこうという子に、児童相談所は措置延長をなかなか認めてくれないんですね。就労できなくて、病弱でとか、精神的な疾患抱えてっていう子は措置延長してくれるんですけど。頑張って進学した子も施設から措置延長で通わせたいっていうことを、本当にお願いにお願いを重ねてなんとかとりあえず一年措置延長し、その後検討して20歳まで見ましょうとなるのですけど。その子が21歳になった時まだ大学在籍中に別事業になった時にうちに継続して生活できて22歳の卒業まで支援できて定員内だという理解でいいんでしょうか。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

この社会的養護自立支援事業の中で考えていますのは、その定員の中で実施していただく場合と、あと定員の外で実施していただく場合という、両方の場合を想定していて、どちらでもできるようなやり方で事業を組み立てようと思っています。

 

〇塩田構成員

では定員外の継続も考えられるということですよね。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

はい。

 

〇奥山座長

確か今朝のニュースで、東京都の社会的養護からの自立に関する調査の話があって、バイトをしている率とか、それから退学になっている率がでていたので、もしできたらその資料も東京都さんから戴いていただけると有難と思います。

 

〇塩田構成員

アルバイト先がやっぱり収入がいいということで、いわゆる水商売とか風俗産業とかに、関わってしまい、そこから帰って来れなくなる子どもも残念ながら養護施設の子どもには多いということもお伝えしておきたいです。

 

〇奥山座長

はい、よろしければ次に、資料の・・・。

 

〇林構成員

すみません、質問よろしいでしょうか。

生活費の、二点ありまして、一つは生活費の貸付が5年間就業継続で免除されるという、これは延べ年数というふうに考えていいんでしょうかというのが一点と。

それからもう一点は社会的養護自立支援事業の中で例示として恐らくその通知を作成される段階で先程言及されたような疾病であるとか、休学ということを言われたんですけど、例えば就業していても週2回のアルバイトとか、或いはその半年で辞めるような可能性が大きいとか、或いは半年して辞めた子をその対象にできるのかとかっていうあたりをちょっとお教え願いたい。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

事務局でございます。

一つ目の貸付の事業の5年間ですけれども例えば一旦就職されて、また別に変わられるとか、少しお休みといいますか、また求職活動をして別の仕事につくという場合でも5年にカウントします。

一部求職活動の期間も5年の中に入れていいということで運用しているんですけれども、延べで5年間というのはその通りです。1年まではその求職活動期間中もその5年の中にカウントしますと。極端に言うと、途中の1年求職活動していて4年は働いているということであればこの5年の要件は満たしますという運用をしています。

もう一つが社会的養護自立支援事業について、どのぐらい働いていれば対象になりますといった部分につきましてはちょっとどこまでこの生活費なりの対象にするかというのは実施要綱の中で整理をしていますので、今具体的に何日まで働いていればというところは、整理してお答えできるようにしたいと思います。

 

〇林構成員

ありがとうございます。一点目の確認なんですけど、私がお聞きしたかったのはその、延べ年数ですね、例えば10年間のうちで、5年間働けば11年目で免除されるのかと。

 

〇塩田構成員

私は色んな仕事を変えても5年間働いていれば、よいのかなとか。

                                     

〇林構成員

あるいは20年の中で5年間とかね。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

20 年というのは、あまり想定していないというのが正直な回答です。

 

〇奥山座長

はい、山縣先生。

 

〇山縣構成員

この事業そのものの部分というよりも、ちょっと関連する、ここに出てくる絵面との関係で質問したいことが一点あります。38ページですね。

この図なんですけども、全てが終わった後に生活困窮者自立支援制度などの事業が乗っかっています。今の社会的養護、特に児童養護施設とか情緒障害児短期治療施設、児童心理治療施設とか自立援助ホームとかを考えたら少なくとも自立援助ホームにおいては生活困窮者自立支援制度は18歳未満でも20歳から22歳の間では二重に活用することがこの絵ではできないよう見えるんです。これはどうなんでしょうか、というのが一点。

それから同じ様な意味合いで今児童養護施設や心理治療施設には発達障害等で即就労というよりも、障害者総合支援制度を活用して就労継続支援のB型事業あたりを絡めて生活を作っていくというような考え方もあるんではないかと思うんですが。さっき厚労省の資料、ネットを見たらですね、二重には利用できませんと。その場合には障害者就業生活支援センターのアセスメントを利用してくださいと書いてあるんですけれども、アセスメントを利用したら、例えば18歳未満でも、就労支援のB型を二重に利用できるのか、それはそれでだから総合支援の枠組みでそっちを利用して下さいと言うことになったら今度は施設に住めなくなって住居なくなってしまうということになるんです。

この意味がどうなってるかちょっと、生活困窮者のところも含めて教えてもらえたら有難い。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

正確にはまた調べてご回答しますけれども、ただ一つ言えますのは、この絵が充分じゃないということがあると思うんですけれども、特にその子どもの世界での支援が終わった後に生活困窮者の自立支援制度に移行するというように見えるかもしれないんですけれども、そういう意図ではなくてですね。

 

〇山縣構成員

少なくとも自立援助ホームがきっと生活困窮者とも一番近い、重なった方がいいなと個人的には思っていますので、またあの詳しいことは。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

ここで22歳の年度末までとなっていますが、生活困窮者自立支援制度だけじゃないですけれども、他の制度も勿論活用しながらということを想定しております。

 

〇奥山座長

ありがとうございました。まだ要綱もできていないという状況がありますので、要綱が出来たらお示しいただいて、議論をしていきたいと思います。今のは施策の話ですけれども自立支援或いは自立保障ということで大枠に話を戻したいと思います。

資料の5を見ていただいて3ページのところの3)自律・自立保障というところにその中で議論すべき事項として大枠で3つの項目をあげていただいております。これをあげてくださいました松本先生の方からご説明をいただいて、それをもとに議論をしていければと思います。

よろしくお願い致します。

 

〇松本座長代理

あの、ちょっとその前に議論の進め方の確認なんですけれども、一つは大枠でというふうに議論をし始めると後残された1時間15分では多分すまない問題がいっぱい出てくるので、これは今日も含めてまた議論が継続されるという理解でいいかということが一点。

もう一つはここで大枠或いはその中の細かい論点を説明をしてという時に今の来年度の予算事業或いは現行こう議論になっているようなことと深く関わるところがいくつかあるんですね、で、だとすると今実施要綱も作っておられるということなので、深く関わるところについてまず皆さんの意見なり私も意見を申し上げていくというふうな。つまりこれは少しこうこれを俯瞰的に説明をさせていただいた後でむしろ今の議論にもう一度戻るということはあっていいという議論、議題ですかね。

 

〇奥山座長

はい、大丈夫ですので。

今回でこの議論が全部終了するとは思っていないので継続するというのが一つ。

それから今お話があったようにご説明いただいた上で、急ぐというか施策とか結び付く部分で議論を始めるということは特に問題がないと思います。

 

〇松本座長代理

わかりました。

それではここはこの自立保障の件についてはまた色んな議論がありますし、自説を述べるだけで1時間2時間かかってしまいますので、論点ということをまず絞りたいと思います。

それで当検討会が始まったすぐ後位だったと思いますけれども、奥山座長の方から自立保障の件について論点を整理しなさいというふうな宿題をいただいたので、これは確か夏頃に出したメモだと思います。

大きく3点あるかなというふうに考えました。

一つはその前の委員会からもずっと議論になってきたことでありますけれども、継続的支援の保障と対象年齢以上も含むということで特に制度的な枠組みをどう作るかということであります。

二点目はその為の養育の在り方というようなことであります。特に施設養護等も含めてどのような力がつけられるべきか等々というふうなことであります。或いは彼らのその潜在的な可能性をきちんと確保するためにはどういう支援が必要かということも含めて。

三つ目はケアを離れて地域生活を行っていくという場合のその継続的な支援の具体的な中身に関わることが三点目であります。

マル1からずっとそれぞれのマル8、マル9くらいまであげてあるんですけれども、これを個別的に説明し始めますと少し時間かかりますので、皆さんすでにご了解のこともあるかと思いますので大枠というふうにしたいと思います。

一点目のところでありますけれども、基本的には制度的な枠組みを作るというのは、これまでの議論を確認しますと、一つはやっぱりこう支援が必要だというふうなことについて時間が来たので時間切れというふうにして支援を切らないと。支援を継続していくと、何歳になったとかそれで支援をぶつっと切るということを避けるという形で制度を構築するのが必要だろうというようなことがずっと確認されてきたことだと思います。

もう一つはそれはじゃあ特に施設分離保護としたような子どもさんについて、その措置をした実際の責任ですね、措置をしたということについてそれは終結をどういうふうに考えるのかということなんですね。つまり責任の主体であります。責任の主体を明確にしていくということが特に自治体の業務の中に位置づけていくということは大事ではないだろうかというふうな観点がもう一つであります。

もう一つはやっぱりその子どもさんに寄り添うというか、支援が継続していく、或いは継続して関わっていくような人、或いはコーディネーターというような人をどういうふうにこう配置できるのかというようなことがあったかと思います。それに沿った形でいくつかの論点を出してあるということなんです。

もう一つはマル9のところは当事者の参画の在り方と書きましたけれども、やはりこうそういうその支援、特に若者期の、思春期から若者期にかけてそのご本人達がそういう自分の支援或いは自分の生活をどういうふうに考えるのかということについて、きっと参画の場を制度的に設けていくということが大事なんじゃないだろうかというふうなことなんです。

二つ目のところはこれは支援の具体的なその養育の中身ということでありますので、ここにあるようなことが多少こう議論をきっかけとしてあげてみたということであります。ただ、マル5のところで高校卒業と進学、就学機会の保障と経済的支援というようなところは、具体的にその可能性を確保するという点で先程西澤さんがおっしゃったような形で、多分制度的な意味でもとても大事なことだというふうに考えますし。もう一つはこれまでずっと施設養護の中でも言われてきたことだと思うんですけれども、アタッチメントの形成だとか生活管理能力というふうなこと。

それともう一つ、原家族の関係の整理ということも出てくると思うんですけれども、特に親密圏での暴力をどういうふうに加害者にもならない、被害者にもならない形で養育ができるのかというようなことが中身として大変大事かなということと。忘れられがちなんですけれども、7番のやっぱり出ていった後こうどういうふうな市民としての権利があるのかということをきちっとこう伝えていく或いは原理的に保障していくようなことが必要かと。これは実際に出て行った後に、例えば施設を離れた後に、誰がこう具体的な生活の中で保障していくのかというソーシャルワークの問題とも関わってくるというふうに考えています。

三つ目の地域生活の在り方ということでそこの事も含めてなんですけれども、やっぱり措置解除後、一定年齢までの定期的な面談なり相談機関の確保というふうにこれは最低と書きましたけれども、やっぱりこう一定のこうフレームワークの中で一定固定された人がきちっと話を聞くような機会をきちっと設ける。何かあったらおいで、ではなくてきちっと聞いていくような機会をフレームワークとして作ることが必要であろうというふうなことが一つと。もう一つはやっぱり負債、お金の問題が絡んで特に負債を抱える借金を抱えるというような時に、どういうふうにそれを回避するか或いは対応するかという法的な対応の仕組みというのはもう一つ設けておく必要があるだろうというふうなことは常に感じます。

もう一つはそれとこう、これは8番に書きましたけれどもその子ども達が若者達が親になっていくプロセスです。これはあの親密圏での暴力という問題とも関わるんですけれども、やっぱりこうパートナーを得て家族を形成していく、或いは親になっていくプロセスというものをどんなふうにこう継続、そこまで含めて支援ができるかということは実際的な、実際上の問題がとても大きいかなと思っています。

やはりそこにもう一つはマル9に書きましたけれども、当事者団体というようなものをどういうふうにこうきちっと育成していくという観点がもう一つとても大事だろうというふうに考えています。

他にも抜けている論点はいっぱいあるとは思うんですけれども、一旦この議論のとっかかりとして出したと。それで先程の今現行行われている事業或いは来年度から予算事業として行われるということに関してでありますけれども、やっぱり大変こう特に最後の社会的養護自立支援事業というようなことは枠組みを作っていくという点で大変大きなとっかかりになるんだというふうに考えていますのでこれをどんなふうにきちっと始められるものをきちっとこう育てていけるのかということがこの検討会での議論でもとても大事な観点だと。

そうした観点からなんですけれども、勿論細かいことは沢山あるし、皆さんいっぱい質問もあると思うんですけれども。一つはこの支援コーディネーターという人の法的或いは制度的な位置づけとどこにこう配置する、どういう形で配置されるかということがやはりとても大事だろうと思うんですね。どこかの事業者、社会福祉法人なりなんなりでこういうところ作ってくださいというふうにしていくのか。こういう自治体のその社会的養護の関わる自治体の仕事の中の延長として基本的には位置づけていくのかということで大分性格が変わるというふうに思うわけですね。私自身は後者がきちっとした上で色んなところに事業体にふられていくということもあるかと思うんですけれども。そこをどういうふうに考えるかということはとても大きなことかなと。でないとその退所後措置を離れるという時の自立支援計画を共同で立ててそれをきちっと遂行しましょうというような枠組みがあると思うんですけれど。そこの実際上のこう遂行の責任はどこが持つのかとか。その時に自治体はどういうふうに関与するのかということが不可欠かと。特に先程親になっていくプロセスまで含めて考える、或いは他事業も含めて考えるんだという時にやっぱり自治体が持っている事業が多いですので、そこときちっとかませるということが大事だと思いますので。自治体或いは児童相談所がここにどう絡むのか、或いはその事業として位置付けるとするとどういうことが有り得るのかということは一旦もう少し議論をしてみたいというふうに考えているところです。

もう一つはこの計画を立てる時の当事者参画の在り方なんですけれども、やはりこれは原則的に本人も一緒に立てるというふうにしていくというのが方向としては正しい方向かなと。或いはその方が色んな実際の計画を立てていく時の実行性が高まるという、或いはそれを見直していく時の大変大事な手続きになっていくだろうと思いますので、ここはこうどんなふうに考えたらいいかなと。実際これは実施要綱等を今作成されているということですけれどもそこへの考え方もできれば後で差支えのない範囲でご紹介いただいてここで皆さんで議論ができればというふうに思っています。

大きな(2)のところもいっぱい議論したいことあるんですけれども、ちょっととばして、3のところのまで行きます。

先程ちょっとこうその議論になりかけたんですけれども、貸付制度でつまりお金の面は対応するということでした。そうするとこれは貸付制度ですけれども一旦こう免除の規定を設けるという時の免除の条件をどう考えるかでかなり正確が変わってくると思うんですね。そこについてもまだご検討中だということですけれども、やっぱり考え方についてはここでもう少しこう丁寧な議論ができればと、残りの時間でもできればというふうに思っています。

というのは就労継続年指定というふうになりますと、例えば大学に行くという時に後実際に仕事ができるかどうかというのはまだわからないことがあると。病気になるであるとか、或いは心身の関係で不測の事態もありますし、実際仕事がないという時も当然出てくるかと思います。或いは転居をすると。或いは妊娠、出産で一時仕事を離れるというようなことも想定される等々で、これまでのその議論を見ますと、やはりこう仕事がある時期ない時期を繰り返しながら定着をしていくというようなプロセスを辿る場合が大体の場合だと思うんですね。

そうするとその先程5年の中で1年求職期間をしていたらというだけではなくて、そのなんかこう仕事がある、また色んな事情で離れざるを得ない、でまた少し例えばフルタイムじゃなくてもパートタイムで仕事をしていくというふうな、具体的にこうあったりなかったりの中でこうその彼ら彼女らが自立をしていくという時のそこのプロセスに付き合う人間がどうどこにいるかという題ですけれども、その時に例えば借金をしてこれは5年の内4年は絶対働いてやらないとこれ月5万円借りたら60万の4年借りたら240万ですよね。

そうすると、そこをやらんと240万急にぽーんと返さなあかんでという話になってきたらこれ逆に借りるのがリスクになってしまうと。今の奨学金制度はそういうところあると思うんですけれども。そうすると折角これはお金があるけれども、将来のことを考えたらこれは借りずにバイトしといた方が借金が残らんと、こういうこう選択も一定合理性を持ってくるわけです。合理的な選択でそういうことが行われるというふうになって支援コーディネーターも僕が支援コーディネーターだったら、そこどうするって言うてしまうと思うんですよね。

そういうこう、これがリスクになってしまうことを避ける為の色んなこう手だてというのは基本給付が良いと思うんですけれども、色んな事情で貸付になる時の免除の条件、或いは一部免除も含めた形のオールオアナッシングではないような、一部免除も含めた色んな条件をかなり細かく規定しておかないとかえってこれはリスクとして捉えられて、よっぽどこう見通しのある子は借りられるけれども、そうじゃない、一般的にこうちょっと将来がまだ心配だけれども付き添いながら頑張ってみようかと言う時にはそれはやっぱり利用しづらいという形になってしまうんじゃないだろうかと。

そこはちょっと皆さんにも、私はそういう危惧を持って、折角こう作られたフレームワークですのでこれをきちっといかしていってこう育っていくという観点からここはネックになってしまうと、ちょっとこう勿体ないなと思いますのでどんなふうに考えたらいいかというような議論をしてみたいと思います。

大きく言うと支援コーディネーターの位置づけはという点が一つ。当事者参画の問題が一つ。もう一つは貸付制度という時のその年間の免除の条件をどういうふうに具体的に考えるかということですね。これは制度的なことと考える時にまず議論しなきゃいけないことかと思っています。

 

〇奥山座長 

事務局の方で手が挙がっています。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

事務局でございます。ちょっと一点、私の説明が既存の事業と新しい事業と続けて説明してしまったので、混乱している部分があると思うんですけれども、貸付の方の事業は平成27年度の補正予算でこれはもう走っている事業になっています。

先生がおっしゃるように病気になったりですとか、或いはお辞めになったりという場合もあるので裁量の免除の規定ですとか、例えば、ちょっと極端ですけれども、行方不明になってしまった場合でどうしてもわからない場合は返還を求めないですとか、病気になって働けないとかですね、そういった場合には裁量免除という規定も設けたりとかしています。

一度要綱をお見せして、何かの機会にご説明をさせていただきたいとは思うんですけれども。

貸付の事業については少し抜けている部分はあるかもしれませんけれども、別に、返してもらうことを目的にした事業ということで組んでいるわけではなくて、本来は給付が良いと思うんですけれども、なかなか給付の事業というものが作りにくいということがあって、5年というのも長いのかもしれないんですが、継続して働いていただくということを目的で貸付の事業を作ったということがあります。返すの大変じゃないかというのはおっしゃる通りなんですけれども、なるべくこう弾力的に返してもらうことを目的とする事業ではないということを念頭に置きながら事業はやっていこうと思っています。

 

〇奥山座長

はい、松本先生。

 

〇松本座長代理

とても大事な観点だというふうに思って、今の既存事業もそういう形で運用されたいということは承知をしているつもりなんですね。

その時にもう一つ、コーディネーターが入ってきた時にですね、貸付事業が成功するかどうかは免除の規定がどうあるかということと、ちゃんとこう、借り受けとかお金の使い方も含めてきちっと相談相手がいてると。で焦げ付いて、さあどうしましょっていうふうになって相談相手が出てくるというよりも、最初の時点からきちっとこう、その支援者がいてるということとセットでこれがいきてくるというふうに考えていますので。

その支援コーディネーターの配置をするという時にもう一度その条件を見直して趣旨はこうだということに沿った形で理解されて運用されていくような形をとらないと、まずかろうというふうにこれは強く感じるので。

これがリスクになって利用されないのか、積極的に利用されるかどうかっていうのは支援コーディネーターの機能と関わってくると思うんですね。

そういう時に、あそこの施設はやっているけど、ここは施設はやっていないというふうになった時にかなりばらばらで。或いは転居した場合にどうするかという時になりますとやっぱり公的機関が一旦基幹的な役割をとって、総括するようなところがあって、それで実務のところでそのところに投げるというふうなそういうこうフレームワークがないと、ちょっとまずかろうというふうなこれはもう個人的な意見です。

 

〇奥山座長

一つ確認させてください。

この支援コーディネーターっていうのはこの社会的養護自立支援事業の対象者が対象、つまりその施設とか里親さんに引き続き22歳の年度末までいる人が対象なのですか、そうではないんですか。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

施設なり里親さんの委託解除になるお子さんについて地域で生活していく場合です。

 

〇奥山座長

別に考えていいということですね。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

はい、居住の支援が必要ない場合でも、退所や委託解除されるお子さんが対象です。

 

〇奥山座長 

はい、わかりました。貸付の話が先になったのですけれど、貸付に関しては次回に引き続き議論するということにしたいと思います。

多分そのコーディネーターと絡んでくるお話としては、マル1の自治体の責任といいますか、どこがアフターケアの責任を持つのかということが一つ大きな問題としてあり、その中で具体的にどう動くかというと支援コーディネーターの問題というふうになってくると思います。けただ、29ページの退所児童等アフターケア事業というのを見ていると、ソーシャルスキルトレーニングというのが一番先に出て来るのですけど、ソーシャルスキルトレーニングを受けなきゃならないような育て方をしたのかという気がしてしまいます。

本来であれば生活の中でソーシャルスキルは身に付けていくものであって、それを身に付けるような支援というか、育てをして来なかった社会的養育の問題としたら、社会的養育としては責任を持たなきゃならないとは思います。

更に、しっかりとその責任を持つ形になっていない問題もあります。児童相談所が色んな失敗を重ねてこの状態になっているのに18歳になったら、はい、さようならという形になっているのが現状ではないかと思います。

 

〇西澤構成員

公的機関は責任は取らないですよ。それは今に始まった話じゃないですよ。

 

〇奥山座長

でも、そういうところを考えていかないと。育てていく中で色々問題が起きているけですよね。

だからアフターケアということに関して、アフターケアと言っていいのかどうかわからないですけど、自立ということに対してどこが責任を持っていくのかというところが大きな問題なのではないかと思います。

ここのマル1に書かれた松本先生の意図としてはどこが責任を持つべきとお考えでしょうか。

 

〇松本座長代理

あの、この責任を持つというのはどういう意味かというのがなかなか議論し始めると大変だと思うんですけれども、やっぱりこう支援が必要だというふうにきちっとこう認識を持っているのであれば支援が継続されると。

これが後でも大事なところだというふうに実際に思いますね。

もう一つはその時に措置をした自治体が措置権者としてこう責任をとってそこに自立支援についても継続的に責任をとる。自治体としての支援を継続することについての責任を持つということだと思います。

ですのでそのマル2のところでやっぱりこれは担当部署をきちっと置くということを標準にするということだと思うんですね。

ケア、一旦ケアのそれは分離かどうかっていうのは別にして、それはどの程度まで含むかっていうことも議論だと思うんですけれども、分離じゃなくてもかなり集中的な在宅のケアが行われたということも含めて、そこのケアを離れた子ども、或いは終結に近いようなところについて一定の年齢要件で児童福祉法の年齢から離れるけれども、ケアの継続は必要だというところについて自治体の中できちっとこう担当部署を置くということが、或いは明確にするということが必要で、それがまず第一かなと。

その上で実際のコーディネーターがどこにどういうふうに配置されるかということがとても、それは色んな自治体によっても事情があるんだろうとは思いますが、そういう形が一つ考えられるかなと。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。今回のコーディネーターというのは大きな構図の中でどう置づけられているものなのでしょうか。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

事務局でございます。もともと想定といいますか考えていましたのが、NPOですとか社会福祉法人がアフターケアをやっていただくという事業をやっていますので、そういったところがまず今回の事業を担っていただくということを念頭に置いています。

その社会福祉法人の方が、コーディネーターを配置をして、その方と本人、児童相談所、施設、里親さんが一緒に継続支援の計画を立てていただくというのが考えていた形態です。

勿論自治体が直接やる場合もありますので、そういった場合は、これはちょっとどこに置くのかっていうのがあるんですけれども、児童相談所なのか或いはその県の本庁の担当部署になるのかっていうのはありますが、自治体が直接自立支援のコーディネーターを配置してというやり方も考えられるというふうには思っています。

 

 

〇奥山座長

ありがとうございます。確かにこれを見ると石川県、兵庫県、金沢市、自治体がアフターケア事業を実施するという形になっていますけれども、この構図とかどういう形でやっているのかっていうのはご存知でしょうか。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

すみません。今資料をお出しできるものがありません。

 

〇奥山座長

はい、ありがとうございました。はい、山縣先生。

 

〇山縣構成員

先程の松本委員のお話で、支援の責任の主体の明確化と継続支援対策は全くその通りだと思うんですけれども、資料の方でですね、それに関連してその措置をした自治体の責任という言葉遣いだったんですね。

これも大枠では全くその通りだと思っているんですが、東京とか大阪とかですね名古屋もそうかな、比較的仕事が多い地域で言ったら移動ですよね、県外移動。細かい制度設計の時にはその辺も意識した方がいい。大枠はこれで私は賛成なのでそこをちょっと意識した方が。高校、特に大学とか通学すると、地方では完全に県外移動が前提になるんだろうと思うんです。それが一点です。

二点目は今度奥山座長が言われたそのSSTがなんでぽーんというお話でしたけれど、私が事務局の代弁をしても弁明をしても仕方がないんですが、29ページの書きぶりが悪いんではないかなと思うんですよ。あの、パッと私もこれを見たらですね、退所児童のイメージになっているんですが、細かい事業の中身を見ると退所前の児童に対する支援というのもあって、大阪のアフターケア事業部というのがそこでSST結構頑張ってやっているんですね。それをずっと継続的にやればいいんではないかというのは、私の実感からは少し遠い感じがします。

 

〇奥山座長

生活の中ですべきだと思いますが。

 

〇山縣構成員

生活の中ですべきだというのはわかっているんですが、実は直前にやった方がいいものがあるというのを言いたかったんです。

それは大阪でやっているのは例えば何かというと加害者とか被害者にならないため。実感がないんですよ、入所中の例えば中学生とか小学生だったら。でも、出る直前になってくると色んなものが実感できてくる、そこに通常の自立支援に向けての座長が言われるような取り組みと集中的に退所前にやる取り組みと私は二段階必要なのではないかと、そういう意味では、敢えてですね、退所前のところでそうしたSSTを強調するという意味はあるのではないかと。

それで全て終わっているとは全く思っていなくて、日常の中でやるべきだと。それは極端な言い方をすると自立支援というのは入所した途端に始まるという言い方になってしまう訳で。

 

〇奥山座長 

その場合家庭と同様の養育環境であっても、これは絶対必要なものでしょうか。

 

〇山縣構成員

必要です。私は必要だと思っています。

 

〇西澤構成員

なんで?

 

〇山縣構成員

できていないから。

 

〇西澤構成員

何ができていない?

 

〇山縣構成員

例えば法的な対応とかね、その例えば貯金を管理しましょうとか、ご飯作りましょうとか、それはできるんです。でも今の児童養護施設等の職員の知識、情報量の中でですね、今の若い職員、自分でさえなかなかですね、管理できずにいる状況でそこまで私は。

 

〇奥山座長

今の施設を考えるのではなくて、「家庭同様の養育環境」といった場合にはそういうところも本来含まれるのではないかと。

 

〇山縣構成員

大阪の例でいうと里親さんの子どもとかもやっぱり必要があると。

 

〇西澤構成員

ということは一般家庭の子どもにも必要ということなりません?

 

〇奥山座長

そうだとしたら、一般も必要ということでしょうか。

 

〇山縣構成員

一般家庭も必要だと思います。だから一般家庭はそれをやっていないからね。

社会的にそこまで応援していないけども、その危険度が一般家庭の場合は親が最終的にその後も継続的に関わることができるけども、社会的養護の子ども達でいったらそこが一気に弱くなるというところが恐らく違いではないかと。

 

〇奥山座長

そうだとしたら、その学校教育とかでやるべき問題なのではないのでしょうか。

 

〇山縣構成員

学校教育であってもいいと思います。

だから一つで、どこかでやれば完結、終わるというものでは、私はないと思っているということです。

いろんなところが複層的にやることに意味があるのであって、だから職員さんが本当に全ての人が100点満点の職員であるならばそれはできるかもしれないけれども、そういうことを想定すること自体が私の中では有り得ない、と思っているので敢えてこれを書くことには意味があるのではないかと思っていました。

 

〇奥山座長

まあこれがあってはいけないわけではないのですけど、施設養護の中でこういうソーシャルスキルトレーニングを受けなきゃならないような状態になっているのが当たり前のような養育が行われている危険性があるのではないかと思いました。

本来は生活の中でやるべきことはしっかりとやった上での、先生のおっしゃるようなプラスアルファの部分だったらまだしもという感じだと思います。

 

〇山縣構成員

ちょっとここで議論していても時間がないと思うんですけれども、私はそういう社会が短期的に来ると思います。そういう制度になると思います。

だから考え方としては座長の考えは全く間違っていない、同意しているんですけれども、現実問題としてそういう社会が実現するほどの職員配置とか予算の導入はそう短期的には起こらないと私は思いますのでこういうやり方はあまり否定的には見ていないというふうに思います。

 

〇奥山座長

はい、西澤先生。

 

〇西澤構成員

すごく各論的なんですが、だからそれをソーシャルスキルトレーニングと呼ぶのが問題ではないかと。ソーシャルスキルトレーニングなんてないじゃないですか。

 

〇山縣構成員

それは言葉でいうことでしょう。

 

〇西澤構成員

いや、どうでもいいんじゃないよ、だってソーシャルスキルトレーニングっていう言葉によって我々は精神障害者のそのトレーニングを思い浮かべますから。それぞれの持っているイメージで読みますからね。

 

〇山縣構成員

それは西澤先生はそう捉えるでしょう。私はそうは捉えない。だからこの言葉が悪いならば変えたらいいだけの話で。

 

〇西澤構成員

いや、だから変えるんだったら変えるで、別枠でちゃんと考えればいいと思います。この話は思いが色々あるので、もう少しちゃんと時間がある時にしたいと思います。

 

〇奥山座長

はい、他に。

 

〇西澤構成員

はい、私帰らなければいけない時間があるので先に言わせて下さい。

社会的養護自立支援事業における支援コーディネーターと、アフターケア事業における自立支援コーディネーターの関係がどうなっているのかを知りたいです。

自立支援というところの全体像がなくて、各論がこうあってモザイク的になっているような印象があるのですが、それをどのように解決するのか知りたいと思っています。

それと、もう一つは自立支援計画に関してです。さっき松本先生が言われたことで、どこが責任とるんやっていうことなんですが、例えば施設の自立支援計画っていうのは施設が立てるんですよね。児童相談所は関知しない、まあ関知しないわけじゃないんやけど、提出させるだけなんですよね。

それっておかしくないかって思います。施設も勿論だけれども、児童相談所が基本的には責任者なんだから、児童相談所が自立支援計画を立てるのが筋ではないか。施設と一緒に立てるでもいいですけど、児童相談所が入り口に責任をもつことで、初めて出口の部分の責任も児童相談所がしっかり持つという話になるんじゃないかといつも思っていました。

もう一つ、これはイタチの最後っ屁です。さっきの話で、給付型奨学金とか色々出てきましたが、社会的養護の子ども達が、高等学校以降の職業教育や専門教育を受けるということにはとても意味があることだと思っているんです。それがあってこその子ども達の自立支援だし、虐待の世代間連鎖を断つことになると思うのです。だから、そこはもっと積極的になるべきではないでしょうか。こんな言い方したら怒られるかもしれませんけど、「社会的養護の子ども達もかわいそうだから、一般家庭の子どもの大学の進学率が50%を超えているので、社会的養護の子どもも少しは進学できるようにしましょう」っていうような慈悲的な位置づけではなくやるべきではないですか。持続可能な社会を作っていくっていう大きな枠組みの中で、虐待を受けた子ども達をどう支援していくかという発想が必要ではないですか。今は虐待を受けた子ども達が社会から排除される構造になっているわけじゃないですか、基本的には。それが虐待の再生産を生んでいるわけですよね。そこにメスを入れるための大きな取り組みとして、彼らの高等教育への進学を保障するというような理念をしっかり持たんとあかんと思うんですよ。

その上で、実際授業料は出ないよって言われて、私は、本当に心に穴が開いたくらい打ちひしがれているんですけど、だから逆にハイパーになっているんですけど。それはそれでも仕方がないとして、例えばその文科省の貸付金は、社会的養護の子どもが優遇されるって聞いたので、今調べてみたら、入学金があわせて出るというだけの話で、社会的養護の子どもが優遇されるわけじゃないんですよね。たまたま社会的養護の子どもだった場合には入学金がプラスアルファになるみたいなということが、概要書に書かれています。いや、それはそれで有難いんだけれども、社会が彼らの進学に、社会人として自立できるために、その支援を社会が責任持ってやりますというような、そういうものを少しでもいいから作っていきたいし、考えていただきたいと強く思います。

それに、もう一つ言わせて下さい。ごめんなさい、長くなって。どなたかが言っていたように、現状では、措置延長は非常に困難です。ある例を出せば、17歳で里親さんに行った子がいました。その子は、4年制大学に行くことだけを自分の支えにしていて、学力もあったので、高校の推薦がとれて合格が決まっていました。17歳だから措置延長は少なくとも20歳まではお願いできますよねって里親さんが児童相談所に言ったら、「来年度予算のことですからわかりません」と児相の担当者から言われたんです。高校がそのことを聞いて推薦を取り消したんです。

そんなことが起こるんです。国の委員会でどんなに理念があっても、児相現場とか、都道府県におりたら、理念はふっとぶんですよ。だから、例えば措置延長だとか、あるいは今回の新しい支援事業を、子どもの社会権として位置付けてほしいんですよ。子どもにはそういう権利があるんだっていうことをどこかに明確に示しておかないといけないと思います。でしっかりとやらないと、「予算はまだ決まってませんから保障できないので、措置延長できるとは言えません」っていうことになってしまう。それをまた高校に伝えるわけです。高校はその子の推薦を取り消してしまう。そんなことが起こっているんですよ、現場では。だから理念がしっかり、ちゃんと伝わるように工夫をお願いしたい。最後っ屁です、まだ帰りませんが。

 

〇奥山座長

措置延長に関しては本当にその通りで、皆さんがおっしゃっているように、2月3月にならないと決まりませんとか、或いは毎年の更新ですから来年はわかりません、それから21歳になったらば学校に行ってても切りますという状態ですよね。

ですから、すごく不安定な中で学校に行っている状態です。確かにお金の問題もあるんですけれども、そういう自分の住む場所がどこになるかわからない不安定さろ言うのは非常に大きな問題だと思います。

大きな問題であることは明確に意識はしておく必要があると思います。そういう意味でも育てた責任や措置した責任があると思っています。

はい、加賀美先生。

 

〇加賀美構成員

措置した責任というのはそれで勿論大事だと思いますので、そこをどうつなげていくのか。

問題は私共の社会的養護の仕事をやっている人間からすると、子どもが困った時に施設に戻ってきてヘルプを出すっていうそういう関係性をどう形成するかっていう、つまり自立というのは本質的には養育の問題と私は思っているので、ここでは(2)の方ですね、自律・自立の為の養育の在り方の問題というのが一番私は重要になるというふうに理解しています。

色んな仕組みができて貸付金の問題にしても保証人制度の問題についても、それらも子どもとどうつながっているか、つながっている人がきちっといるということでないと絶対子どもを護れない。だからそれを誰がやるかっていうとつながった人がやるしかない。それは育てた場つまり養育の場、そこが一番責任が一番重いと私は思っています。

勿論仕組みとすれば入口から出口まできちっと保障していくという仕組みを作ることが大事とは思っていますので、そのことを議論することは重要だと思いますけれども、もう一方で自立っていう本質を考えた時に養育の問題だと、だから養育の現場をどう充実させるかっていうことを真剣に考えていくことが重要だと思います。

それからもう一つ、社会的養護という枠組みをインケア、在宅まで広げるということになると、施設養護される子ども達の方がむしろ幸せっていうような状況も実は起こっているという現実をどうするか。そういったことまで含めてこの議論はしておかなきゃいけないだろうと思っています。

 

〇奥山座長

はい、松本先生。

 

〇松本座長代理

さっき西澤さんが言われた児童相談所のね、支援計画をどう考えるかって言うところってすごく大きいと思っていて、やっぱり自立支援計画を施設が立てなさいよっていう話をやっぱり共同で立てるんですよ少なくとも共同で確認していくんですよという話にやっぱりなっていかざるを得ないと思います。それがあって初めて離れる時のその後の自立支援計画をどうするかということをそこで見直すと。

なので自治体のところに部署が要るんだと思うんですね。それをこう入所中は施設で立ててくださいと、退所した後の方はなんか別のコーディネーターが立ててくださいというようになると一貫しないんですよね。

そうするといつ支援がきちっとした形で終結をしたのか等々ということが大変不明確なまま時間が過ぎていくということになると思うので、やっぱりこう、入所して自立支援計画があってとそれがその施設なりのケアを一旦離れる時にももう一度その見直した形で後に続くと。そこをこう筋としてつなぐような枠組みを持たないと、その別々のところが別々に立てていくと、ずっとそういう形になると。なんかそこをつないでいくというのが責任を持った政府の枠組みだというふうに強く感じています。

或いはそういうふうにしなきゃいけないんだというふうに児相に思ってもらうような、そういう児相の改革も含めてそういうものなんだということをきちんとメッセージとして出すということが今回求められているんだというふうにこの強く思っています。

それが。何ですか、はい。もう一つなんか言おうとしたんやけども。

 

〇奥山座長

相澤先生。

 

〇相澤構成員

自立支援計画ですけど、昨年度までいた施設ではきちっと公文書で児相に送付し、児相からこれで認められるかということで検討してもらいきちっと公文書で返してもらうということをやっていましたけど。それが私はもう当たり前だというふうに思っていますのでそういう仕組みをきちっと作ればいいと思いますけれども。それが一点と。

それから加賀美先生の発言を踏まえると、私前回言った児童家庭支援センターの使い方って非常に大事だと思っているんです。ここに児童アフターケアセンター大分と書いてありますけれども、やっぱりここには児家センありますし、在宅支援の時から施設に入所することが考えられるケースについては、在宅支援の時からきちっと児家センがきちっと対応すると。

そして退所後もずっとフォローアップするために、その子どもとの関係性をきちっと考えてですね、そこにやっぱり支援コーディネーターみたいなものを置いてですね、継続的にやはりその子どもをフォローアップすることが必要である。

また私やっぱりこの先程のマトリックス図を見るとわかるように、やはり親になる準備期なんていうのはほとんどフォローされていないわけですよね。

そういうところまできちっと追いかけていくということが大事だし、前回も言いましたけども、その市町村に留まるようなケースは少なくて、色んなところに転居されるケースというのが多いわけですので、少なくとも県内くらいの範囲を管轄するようなイメージを持ってフォローアップしていくようなシステムを考えていくべきだというふうに思いました。

 

○奥山座長

松本先生。

 

〇松本座長代理

転居の問題がありますので、先程あるような、進学にしても就職にしても両方あると思いますので、そういうことをきちっとつないでいけるような公的な枠組みというのはとても大事だというふうに思うことが一つ。

それともう一つはさっき西澤さんが最後に、というふうにしておっしゃった進学保障の問題ですね。結局これ色んなことで特例の場合こうする、特例の場合こうするという形で色んなものを積み上げてきていると思うんですね、住居の場合も本当。そうするとさっきも言いましたけど、現場レベルで或いは市町村レベルとこれは特例にあたるのかどうかっていうことの解釈の問題になってきて、大体厳しく、あの担当者次第で判断が変わるというふうになっていくというのが現状だという。

さっきそういう現状のことを色々出されたんだと思うんですね、やっぱり原則がこう20歳とか或いは22歳とか原則きっとこれ支援が必要な子どもについて、原則やると言うようなことを出してその中身については進学の場合はこういうこともあるし、例えば就職の場合はこういうとこもあるし、他の例えば障害がある場合や別の制度の利用もあるしというふうにさっきそれ山縣先生がおっしゃったところかもしれないですけれども、そういう原則こういうふうにしておくと、だからその中に色んなバリエーションがあるというふうにこう、そういうメッセージの、実際に運用、考えられている運用、考えられる積極的な、積極的に柔軟に運用していくというふうなことで考えたら実際の中身は変わらないと思いますけど、原則こうなんだよというふうなメッセージを通知の中或いはこういう新しい制度を、フレーム枠出す時に厚労省の方でもメッセージを出してあげると多分現場の自治体レベルはそこがかなり大きい。

例えば実際のレベルで、例えば関係者同士が話をする、或いは施設の関係者と児相の関係者が話す時にそういうことが入っているか、メッセージを読み取るかどうかでかなり運用が変わると思うんですね。

もう一つはその札幌市なんかもそうなんですけども、子どもの貧困対策計画をかなり自治体が作るというふうな動きがあって、そこに社会的養護の問題が入ってきているんですね、といった時に自立支援と進学も含めてとかって文言としてはかなりこう内閣府の出したスキームに入っているんですね、その時に例えばこういうようなことが出て、原則こういうふうなことで考えましょうというふうなメッセージが入っているとそこ入れやすいし、自治体ベースで施設にのせやすいというタイミングでもあると思いますのでそういうふうにこの4月に出されるフレームワークをきちんとしたものとして出して育てていくということがこういうメッセージとして伝えるということも含めてとても重要であると考えています。

 

〇奥山座長

ありがとうございました。他にいかがでしょうか。はい、塩田先生。

 

〇塩田構成員

私も児童相談所と自立支援計画書を策定する時は必ずケアマネジメント会議を両者でやってその上で自立支援計画を策定した方が良いと思っています。

そうしないとその福祉司さんが変わるたびに方針が変わったり、その福祉司さんの意向でどんどんまた違う方向に行ってしまうので一度きちっと入所の折にケアマネジメント会議を行って、そこに戻って支援を進めていくという。1ケース1ケースそういうべースを作っていくことが必要かなと。

それの上で自立支援計画を両者で同意してお互いの仕事の分担を決めていく作業が必要だと思います。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。現実問題、今さっきの西澤先生のお話だと、施設だけで自立支援計画を作っている、そういうところもある。

で、両方でやっているところもあるという理解でいいですかね。はい、他にどなたかご意見ありますでしょうか。

はい、伊達先生。

 

〇伊達構成員

先程要するにインケアっていうか、ケアの中でどう育てるかという内実が問われないまま出る間際になってSSTをやってもあまり意味がないんじゃないかって話ですとか、要するに社会的養護っていうのはどうしても何か付け焼き刃的な話でこうまとめられてしまうというようなことが現実としてあると思うんですけれども、それを例えばその全ていわゆる家庭ベースドケアをやれば、全てのケースの問題が片付くかっていうとどうもそうはなっていなくて。例えばその施設単位で考えてみても子ども達が入所してくる年齢っていうのはもう10歳過ぎているんですね。私達のところはもう12歳以上いっているんじゃないかと思う位高い年齢で入ってきます。

そうすると、その確かにケアをもっと丁寧にやりたいわけですけれども間に合わないということがあったり。或いは持っていた問題に巻き込まれていってよくわからない終末終結を迎えてしまうなんていうことはやっぱりどうしても避けられない問題として。

その時にせめて最終場面でその自立支援をどうするかっていうところで誰か人をつけて少し頑張って継続的に自費でやっていくとかそういうことはできる訳ですけれども、そういう段階にあるんだということをこう踏まえた上で今計画を作っていくというか全体のビジョンを作っていくということが必要じゃないかなと思うんですよね。

何かその一つのこういう形にしたら全て問題がなくなっていくということで考えて行けばいくほど、現実的には悪循環が加速しているような気がしてそこの落差がとても気になっているんですけれども。

 

〇奥山座長

はい、前から先生がおっしゃっているその結構年齢が高い子が増えてきているということもあって、そういう問題は当然あると思います。

ただ例えば年齢が高い段階でインケアになった段階で自立を見据えてしっかりとした自立支援計画が立てられ、しかし、それが18歳までに到達するはずないとていうのがわかっていれば、その先ももケアしなければいけない話ですね。

そこができていないということが大きな問題なのではないかと思いますし、もしそれが本当に重篤な問題であればかなりのインテンシブな治療もしなければならないわけですね。そういうことがしっかりとできていないから色々な問題が起きてきているということになるのではないのかなと思うんですけれども。どうですかね。

 

〇伊達構成員

どこに責任があるかというふうなことではあまり話すべきではないかもしれませんけれども、社会的養護のどうしても副次的なアプローチと言われている問題はですね、やっぱり関係者の中で今までこの子はあと何か月で18歳だねっていうふうなやはり話が出てしまっていると思いますね。

つまり法的には責任がそこになると逃れられるということでその時間待ちというふうなことがあったんだろうと思うんです。

そういうものをどういうふうにして本当になくしていくのかを、遅く入った子だったら本当に5年10年更に見ていくというふうなこう格上げをしていくというふうなことも含めて、その年齢でこう自分らのこうケアしていく、或いはソーシャルワークしていく人達の責任がこうなくなるみたいな話でやっていたところに、どういうふうにして転換をつけていくかということなんじゃないでしょうかね。

 

〇奥山座長

はい、ありがとうございます。はい、西澤先生。

 

〇西澤構成員

すいません、最後っ屁と言ってしまった上でしゃべるのはどうかと思うのですが。

今の話を聞いていて思ったのは、アメリカでパーマネンシ—プランニングが言われ始めた時には、里親家庭を転々とさせられるドリフターズと言われる子ども達の問題があったと思います。措置機関は大体は社会福祉局ですけど、パーマネンシ—プランニングの法律のもとに、措置した段階から成人までを見通した支援計画をまず立てなければいけないことになった。

その上で実際にそれを実行していくという細かい計画になっていくんだけれども、今の児童相談所の児童票見ると、「1年後に引き取り予定」でおしまいなんですよね。支援計画が、例えば家庭に帰った後のその子どもの育ちをどういうふうに見ていって、その子の社会的自立につなげていくのかと、或いは家庭に帰らなかった場合はどのように支援するのかといった成人期まで見通した支援計画をまず立てる必要が、措置機関にあるのではないでしょうか。

それに基づいて、例えばさっき塩田先生が言われたような、ケアマネージメント会議で、施設における支援計画に落とし込んでいくみたいな構造になれば、今より少しはましになるんじゃないかなと思います。

大概の児童票にある援助計画見ると、「2年後に家庭復帰の予定」がそのゴールになっているというような、お粗末な状況ですよね。だからそこをまず改善するというのが一つポイントかなというふうに思いました。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。児相改革が必要と。

はい、他にご意見ありますでしょうか。ご質問でも。

 

〇奥山座長

親密県という言葉は学術的に使われていると認識しています。

松本先生。

 

〇松本座長代理

ちょっとまた別の論点なんですけどいいですかね。今この自治体の在り方について色々議論が出ていて具体的にはそれは部署を置くとか担当を置くとか計画の立て方をどうするっていう問題だと思うんですね。

もう一つはその考え方、今ここで議論されていて厚労省の方でも新しい予算事業として割とこう総合的に出されるというときにやっぱりベースになっている考え方はきちっと、原則こういうふうに考えていくんだということをメッセージを出さないとまずいというのもそれはちょっとこうご検討いただければと。

もう一つその当事者参加の在り方、計画を立てる時に特に高齢の子どもさん達がケアを離れていく時にそこも必要に応じてというよりはそういう場合はもう必ず原則的にその当事者である子どもを入れて立てるというふうな考え方をきちっとして、そういうふうなもんだというふうにして整理をしておいた方が良いような気がするんですけれども。やっぱりこうそこは私の意見なんですけども、その方がその子にとっても何をしなきゃいけないかと、周りの大人が何を考えているのかということをきちっと伝える場でもあるし、それに基づいてこの間の話はこういうふうに決めたけども最近どうしてるっていうふうに話がまた次にとっかかりが出来ていくと思いますので、そこの計画策定の段階で当事者参加ということを原則にするというふうなことで進めていけないかというに思っているんですけれど。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。

ただ、もともとの自立支援計画は本人を巻き込んで行われているのではないんですか。赤ちゃんは別としてですが。

 

〇塩田構成員

年齢によりますけど、部分的な参画から始まって大きくなればなるほど参画の部分が大きくなると思います。

意向の確認は必ず1年に1度はしなくてはいけないですし、生活の様子とか親の事で知りたいこととか、困っていることっていうのを子ども達と話し合って自立支援計画を策定するっていうのは、もうどこの施設も多分していると思うんですけども。

 

〇奥山座長

加賀美先生。

 

〇加賀美構成員

それはその通りだと思うんです。

要するにその子どもが自立っていうことに向かって自分の意見を言えるっていう状態に養育するかってことが一番大事だから、そういう意味で当然参加をするというのは当たり前のことを当たり前にすべきだろうというふうに思います。

で、西澤先生、松本先生の方からもあったので、この法律の第1条で自立を保障するという条文ができたわけです。

だからこれは自立支援計画をまさにもう一回きちっとどう国として子ども達の自立のための支援計画を立てるのかということについて明確な在り方を最終的な報告書でまとめていく必要があるんだというふうに私は思いますので、是非それも強調しておきたいと思います。よろしくお願いします。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。

どなたか教えてほしいんですけれども里親家庭での自立支援計画というのがどういう形で作られていくことになっているでしょうか。

 

〇加賀美構成員

児童相談所が立てる。

 

〇奥山座長

里親さんと本人を巻き込んで立てているのですか。

 

〇西澤構成員

実情をいうと、ケース、あのその子どもがどんな成育歴があって家族がどんな問題を抱えているかということを全く伝えない児相が結構あります。守秘義務の関係とか。個人情報の保護とかいうことが言われています。

 

〇奥山座長

育てる上で知らない。

 

〇西澤構成員

そうです、だから全くブラインドで子どもの問題に対応するので、子どもが例えば性的な問題を起こした時に性虐待であることがわかっていないので、なんですよ。それがそう現実。だから里親養育は本当に大変なんです。

 

〇奥山座長

私も里親さんと関わっていて、里親さん自身にもご本人にも、ちょっと預かってください1年か2年ねと言われて、10年預かっておられるという方がありました。

 

〇西澤構成員

児相のちょっとは10年位。

 

〇奥山座長

まあでも1年か2年と言われてますし、本人もいつまでというのが全く告げられずにいます。その結果、いつかどこかにやられるんだろう、という不安定な気持ちで生活をしているというようなことがまま起きているので、しっかりとした自立支援計画というか、ケアの計画がなされていないというのを感じていました。

はい、どうぞ。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

現実そうなっているということはちょっと置いときまして、法令上は先程見ていただきました2ページに参考条文を載せているんですけれども、里親さんについてはおっしゃる通り児童相談所が、所長さんがお子さんごとに自立支援計画を作ると書かれています。先程の2ページでいきますと、下から二つ目の二重丸のところに里親が行う養育に関する最低基準に書いてまして、この10条の中であくまでお子さんと保護者の意見を聞いて自立支援計画は作るんですということに制度上はしてはいます。

 

〇奥山座長

はい。

 

〇事務局(百瀬総務課課長補佐)

あとすみません、補足させてください。

児童相談所運営指針の中におきましても、里親等へ措置された子どもの自立支援計画については児童相談所が策定するというふうになっております。また、自立支援計画は事前に子どもや保護者等に対して児童相談所の案について充分説明を行いその意向等踏まえて策定することというふうになっております。以上です。

 

〇西澤構成員

あの、わかってます。

法令上はどうなっているかは勿論存じ上げておりますが、現実はどうなっているかということをお伝えしたかったです。それから今の話では、保護者と子どもの意見を聞いてということなんで、里親さんの意向も入っていますか。

 

〇奥山座長

入ってます。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

今ちょっと読みとばしてしまったんですけど入ってます。

 

〇奥山座長

入ってはいるんですけど。

 

〇西澤構成員

意見を聞くだけではないですか。計画は里親さんは知らないようですが。

 

〇奥山座長

だからこの書きぶりが、児相が「どうしたいですか?」と聞きなさいということですね。だけどそれで自立支援計画が作ったらそれをシェアはしなくていいということですね。はい。

 

〇事務局(百瀬総務課課長補佐)

色々児相指針の中に書いてあるんですけれども、その里親さんどこで絡むかという話になりますと、措置する里親等に対する措置に関わる子どもに関し、援助指針または自立支援計画を策定する際には児童福祉施設または里親等と充分な協議を行うことということになっております。

 

〇西澤構成員

私が言いたいのは、だからと言って、その支援計画自体を里親さんが知る訳ではないんだということなんです。

支援計画というのは、例えばこの子にはどういう家族背景があって、どういうふうな問題を解決してこの子はお家に帰れるようになるっていうことを、情報の拡散を恐れて児童相談所は伝えないというのが実情です。全ての児相がではないですよ。そういうような児相は結構あると思います。なので里親さん達が苦境に立たされているんだということなんです。

 

〇奥山座長

はい。相澤先生。

 

〇相澤構成員

私は里親の自立支援計画について丁度作ったような時期に児童家庭局にいました。実態はそうでしょうけども、里親さんと協議をして作成するにしても見直しをするにあたってもちゃんと協議して作成してくださいというのは当時から説明していますので。

本来はそうあるべきであり、行政の肩をもつわけではありませんけれど、そういうふうになっています。

 

〇奥山座長

だとするとその自立支援計画の立て方っていうのはちゃんと児相は知っているのでしょうか。

人材育成の方でそこはしっかりとできるようにしないといけない。

 

〇西澤構成員

山縣先生によくお願いしていただいて。

 

〇事務局(百瀬総務課課長補佐)

あと、すみません、ちょっとよろしいですか。

これも児相指針の中の記載ということにはなりますけれども、里親委託する子どもに関してですね、里親への情報提供といった項目をおこさせていただいております。その中ではですね、里親それから委託児童それからその保護者の意見を聞いて児童相談所が自立支援計画を作成し、里親に渡すというふうにはなっております。以上です。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。はい。

 

〇松本座長代理

社会的養護自立支援事業(仮称)のフレームワークについてなんですけど、これは既存の事業も含めてもう一度こちらで統合し直してきちっと枠組みをつけていくという第一歩だというふうにして。基本的にはこれはすごい大事なことで、これをどうやって育てていくかという観点なんですけれども、これは誰が対象になるかっていう時なんですよね、今のところはこれ入所措置を受けたもので18歳或いは20歳等で、措置解除されたもののうち、自立の為の支援を継続して行うことが適当な場合について、なんですよね。

なので、施設で暮らしていた子どもを全員ではなくてその中で適当なものということが対象になったわけですよね、支援を継続して行うことが適当な場合についてと。

それであの、これはこういう事業として始まるということだと思うんですけれども、措置解除された子ども全ての子どもに対してね、これきちっと、そのどうするというふうな計画を立てていくんだと。それは関わる頻度というのは、それはインテンシブに関わる場合もあれば、例えば3カ月とか半年に1回どうしてる?っていうふうに声をかけるような場合もあるでしょうし、後者の場合が基本的に多いだろうとは思うんですけれども、継続的な支援が必要じゃない場合って逆に想定しにくいですよね、そういうふうに考えると、こうするとそれでまあこれ60名と何か所分の予算をとって実際に手を挙げて始めるところの自治体って、それがどれくらいあるかわからないけれども、多少数が増えたりしてもこれは全ての子どもを対象にするというよりはその中で施設これがあるところが誰がこれが対象になるかねというふうにしてピックアップしていくようなそんな形に結局なっていくんだと思うんですね。

それはそれでこう色んなこう実践での蓄積していくという上ではとても大事だとは思うんですけど、これは近い将来というか、これ議論としては、全ての子どもにこういうようなものが必要なんだというふうなフレームワークをやっぱりきちっと作っていくということがとても大事なことだと。

これは意見です。そのためにここでどういう議論ができるかということがとても大事だと思います。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。相澤先生。

 

〇相澤構成員

折角私資料出したので。

この図もスモールステップなんですけど、44ページです。年長児童の支援システムでもやっぱりこのようにキーパーソンによる継続的な援助を確保するという先程の議論も踏まえながら、こうしたスモールステップができるといいなと思っていまして、例えば今アフターケア事業も基本的には退所すると日中だけというかそういう支援になるわけですね。

ですので、例えば数日間施設にいて、実際に職場に通わせてもらうとか。逆に平日職場に通い自分のアパートとか借りたらそこで生活しながら土日だけは施設に戻るとかですね。

そういう子どものニーズに応じたスモールステップができるようなシステムがやっぱり私も作っていくべきだというふうに思っていまして、そういう事業をちょっと仮称で立ててみました。そういう子ども、ただでさえ脆弱で色んな課題を抱えている子どもですから一気に個人的居場所であるそのアパートと職場に適応するというのは難しいですので、そういう意味では社会的居場所である職場に適応する間には施設にいながら、そこに適応を図り、徐々にその自分の個人的居場所に適応をするようなそういうそのスモールステップシステムを考えていただけると有難いなと思います。以上です。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。そういうのを今のお話の中では事業という形で位置づけていくのがいいという感じですか。

 

〇相澤構成員

まあとりあえず事業からではないかと思いますけれども、例えばアフターケア事業とかリビングケア事業とかどういうふうに形にするのがいいのかわかりませんけども、そういう必要性のある子どもの生活費とか宿泊費とかですねそれを支弁する、施設側に支弁するとかそういう事業がいいのかなとは思いますけど。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。

どうでしょう他に。非常に重要な部分なのですけど、実際に関わっている先生方いかがですか。自立支援計画等々。はい、林先生。

 

〇林構成員

先程松本委員の方から当事者参画の在り方ということに言及されて、普段の自立支援計画においてその個別な関係性の中で意向を聞くとかそういうことはやられていると思うんですけど、恐らく松本委員が言われようとしていたのはマル4と絡んでくる措置解除時の関係機関合同会議のようなところへの参画。きちっとそういうものを退所後も含めて支援コーディネーターなんかがまさにこういうものをお膳立てして、そういうところでつながっていくという。

その地域での生活支援というとこともつながっていくことかなっていう。里親さんの応援ミーティングのようなその自立支援、養護児童版ていうふうに私は理解しております。

 

〇松本座長代理

補足をしていただいた通りで、やっぱりこう個別に聞かれるというだけではなくて、やっぱり会議に参加するとそうするとやっぱり支援者との顔つなぎにもなるので今度はこの人がって。

個別にその子が行くとかじゃなくて、やっぱり合同のところで意思決定の場合にその子も参加して、みんなで顔つなぎをするっていうことは実質的にはとても大きいことだし、その子のエンパワーの一つのプロセス、大事なプロセスでもあると思いますので。

全く林委員が補足していただいた通りの意図であります。

 

〇奥山座長

ありがとうございます。

よろしいですかね、時間が近づいてきていますので、今日のところはこのぐらいにしたいと思います。多分、皆さんの頭も段々ゆっくりになってきていると思います。次回また要綱ができた段階でもう少し議論を深めていき、かつ多分自立の為の養育の在り方というようなところがあまり深くは話ができていないのでそちらも議論をしていかなければならないと思います。

次回ですけれども、先程相澤先生の方からも一番支援メニューが足りないのは妊娠期というお話がでたのと、それから自立支援の中でも次のご自身が子どもを作る段階ということもありましたので、次回妊娠期のあたりの話もできればよいと思っています。

構成員からご推薦がありまして、慈愛寮の方からお話を伺いたいという意見もでてましたので、事務局の方にお願いしてヒアリングをさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

では、そういう計画にしたいと思います。

また事務局の方にもいくつか宿題をお願いしましたのでそちらもよろしくお願いいたします。今日は長い間どうもありがとうございました。事務局の方にお返しいたします。

 

〇事務局(田野家庭福祉課課長補佐)

本日はどうもありがとうございました。

今日は社会的養護自立支援事業につきまして色んなご意見をいただき、またご議論いただきましたので、このことを踏まえまして実施要綱の案を作成いたしまして、また別途ご相談した上で新年度の施行につなげていきたいというふうに考えてございます。

次回につきましては3月30日の木曜日14時から17時を予定してございます。場所は厚生労働省の17階の専用第21会議室を予定しております。これにつきましてはまたきちんとご案内をさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

 

〇奥山座長

 ありがとうございました。


(了)

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