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2024年7月10日 第15回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和6年7月10日(水) 14:00~16:00

 

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D会議室
東京都千代田区内幸町2丁目2ー3

 

○議事

○山口補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第15回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
 オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
 また、本日構成員の交代がございますので御紹介申し上げます。
 公益社団法人日本医師会の猪口構成員に代わりまして、江澤和彦常任理事が構成員に、また、公益社団法人全国自治体病院協議会の小熊構成員に代わりまして、望月泉会長が新たに構成員となられました。よろしくお願い申し上げます。
 また、事務局におきましても人事異動がございました。本日は公務のため欠席させていただいておりますが、新たに森光医政局長など着任しております。お手元の事務局名簿に反映しておりますので、御紹介させていただきます。
 なお、オブザーバーといたしまして、総務省自治財政局準公営企業室の八矢準公営企業室長及び文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官に御出席いただいております。
 続きまして、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
 事前に議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1から3、参考資料1及び2を配付いたしましたので、お手元に御準備をいただきますようお願い申し上げます。
 冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
 それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 本日の議題につきましては、3つの項目がございますので、項目ごとに説明及び議論を行っていきたいと思います。
 また、できるだけ多くの構成員の方々から御意見をお伺いしたいと考えておりますので、恐縮ですが、御発言については簡潔にお願いできれば幸いです。
 それでは、1つ目の議題でございます。「地域医療構想の進捗等」につきまして、まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○淺野補佐 事務局でございます。
 資料1について御説明いたします。
 2ページを御覧ください。地域医療構想の進捗等といたしまして、本日3点御説明いたします。
 1点目が地域医療構想調整会議における検討状況等調査でございます。地域医療構想の進捗につきましては、これまで年に2回ずつ調査を実施してきておりまして、令和6年3月末時点の最新の調査結果を御報告するものでございます。
 2点目が病床数の変化等でございます。2023年度の報告結果を基に分析した内容について御説明いたします。
 3点目が今後の対応方針でございます。調査結果等を踏まえた対応について御報告をするものでございます。
 3ページからお願いいたします。調査結果についてでございます。
 4ページから6ページまでにつきましては、医療機関の対応方針の策定やPDCAサイクルを通じた地域医療構想の推進など、地域医療構想の進め方について国からお示しした内容をまとめたものでございます。
 7ページからをお願いいたします。こちらが令和6年3月末時点の状況を都道府県に確認したものでございます。具体的な調査結果につきまして8ページから順次御説明いたします。
 8ページを御覧ください。まず地域医療構想の推進に係る年度目標の設定状況でございます。全体の構想区域のうち91%の312区域で目標を設定していただいている状況でございます。
 9ページを御覧ください。医療機関の対応方針の策定率の状況でございます。全体の72%の246区域におきまして、対応方針の策定率が100%になっている状況でございます。
 10ページを御覧ください。医療機関の対応方針の検討状況につきまして、実数でお示ししたものでございます。全ての医療機関の対応方針の措置済みを含む「合意・検証済」の数は、医療機関単位で約1.1万施設、病床単位で約117万床となってございます。
 11ページを御覧ください。この医療機関の対応方針の検討状況につきまして、グラフにより全体の対応方針の策定状況について割合でお示ししたものでございます。一番左の棒グラフが全ての医療機関の状況になりますが、医療機関単位で91%、病床単位で96%の割合で、措置済みを含む「合意・検証済」という状況になってございます。
 12ページを御覧ください。都道府県別の医療機関の対応方針の検討状況でございます。対応方針の措置済みを含む「合意・検証済」の割合が100%の都道府県は29府県となってございます。
 13ページを御覧ください。医療機関の対応方針の検討状況につきまして、1年前の令和5年3月末時点の調査結果と比較したものでございます。措置済みを含む「合意・検証済」の割合につきましては、医療機関単位で60%から91%、病床単位で76%から96%へと増加している状況でございます。
 14ページを御覧ください。この対応方針の状況につきまして、医療機関単位で医療機関区分別に割合を見たものでございます。措置済みを含む「検証済」の割合につきましては、再検証対象医療機関について61%から93%に増加するなど、全体としていずれも増加している状況でございます。
 15ページを御覧ください。ただいま御説明した医療機関単位のものを病床単位で同様に見たものでございますが、こちらも「再検証」から「その他」の医療機関の全ての医療機関区分で、措置済みを含む「合意・検証済」の割合が増加している状況でございます。
 16ページを御覧ください。医療機関の対応方針について協議・検証未開始となっている医療機関の検討状況でございます。協議・検証未開始となっている理由を見ますと「新型コロナ対応の経験を踏まえ、改めて検討中」「その他」ということで「医療機関の業務負担が大きいため」という理由がございました。また、協議・検証未開始の医療機関の内訳を見ますと、25%が病院、75%が診療所という状況でございました。
 17ページを御覧ください。再検証対象医療機関における「検証済」及び「措置済」の対応状況について、お示ししたものでございます。黄色の棒グラフにございますように「病床機能の見直し」「許可病床数の見直し」など必要な対応を進めていただいている状況でございます。
 18ページを御覧ください。都道府県単位の地域医療構想調整会議の開催回数でございます。令和5年度の開催回数は多い県で6回の開催、開催していない県は8県、設置していない県は6県ということでございます。都道府県単位の調整会議を設置していない主な理由といたしましては、右の真ん中あたりに記載のとおり「県医師会長が全ての構想区域の議長となっており、各構想区域の課題の共有や進捗等の摺合せが可能であるため」といった理由がございました。
 19ページを御覧ください。こちらは構想区域単位の地域医療構想調整会議の開催状況でございます。令和5年度の開催回数は構想区域当たり平均4.1回となっており、平成29年度以降最も開催実績が多い状況となってございます。
 20ページを御覧ください。構想区域単位の地域医療構想調整会議の構成員の状況でございます。「郡市区医師会」「歯科医師団体」「薬剤師団体」「看護師団体」「医療保険者」「病院」は、ほとんどの構想区域で参加していただいている状況でございます。
 21ページを御覧ください。調整会議における外来医療の議論の状況でございます。全体の97%・331区域におきまして調整会議で外来医療が議論されている状況でございます。
 22ページを御覧ください。在宅医療の議論の状況でございます。全体の50%の169区域で在宅医療の議論が調整会議で行われている状況にございますが、在宅医療につきましては、右側の棒グラフにございますように、調整会議以外におきましても都道府県単位、二次医療圏単位で別途会議体を設置して議論を進めていただいている状況にございます。
 23ページを御覧ください。調整会議における複数医療機関の再編に関する議論の状況でございます。複数医療機関の再編に関する議論につきましては、令和2年1月10日から令和6年3月31日までの対象期間で見ますと、全構想区域のうち74区域で議論が行われております。また、都道府県単位で見ますと、全都道府県のうち31都道府県で議論が行われております。これらのうち13道県・21区域につきましては、重点支援区域の選定を受けたものの議論の状況でございます。
 24ページを御覧ください。再検証対象医療機関につきましては、再検証に係る協議を行う際には構想区域全体の2025年の医療提供体制について改めて協議をすることを求めている状況でございます。その状況につきまして、令和2年1月17日から令和6年3月31日までを調査期間として議論の状況を確認しております。「類似かつ近接」による再検証対象医療機関を有する構想区域につきましては全体の80%の144区域、「診療実績が特に少ない」による再検証対象医療機関を有する構想区域の議論につきましては全体の74%の116区域で議論が行われている状況でございます。
 25ページを御覧ください。調整会議におけるデータに基づく議論の状況でございます。左側の棒グラフから順に御説明いたします。病床機能報告の分析については全ての都道府県で行われてございます。そのほか、定量的基準の導入については60%、DPCデータの分析については53%、国保データベースの分析については32%の都道府県で行われております。一部の都道府県につきましては、外部機関の協力を受けながら実施いただいている状況でございます。
 26ページを御覧ください。調整会議の資料、議事録の公表状況でございます。ほとんどの構想区域で公表がされている状況でございます。
 27ページを御覧ください。都道府県知事の権限行使の状況でございます。医療法に基づく命令、要請、勧告につきましては、未報告対応医療機関への対応を除きほとんど実施されていない状況でございますが、権限行使に至る前の段階で調整会議における協議等の必要な対応が行われている状況でございます。
 28ページを御覧ください。ここからが病床数の変化等ということで、速報値として集計した2023年度の病床機能報告に基づき分析した内容となります。
 29ページを御覧ください。2023年度の病床機能報告におきましては、2023年の合計病床数は119.3万床となっており、2025年の見込みは119.0万床となっております。医療機能区分ごとの内訳はお示ししているとおりでございます。
 30ページ、31ページにつきましては、29ページの図の病床数の状況を実数で示したものでございます。
 32ページを御覧ください。報告状況でございますが、報告率は98.4%ということで、過去と比べまして向上している状況でございます。
 33ページを御覧ください。病床が全て稼働していない病棟の現状でございますが、病棟単位で休棟と報告されている病床は3万5571床ある状況でございます。
 34ページを御覧ください。こちらが2015年と2023年における必要病床数との乖離の状況の変化をお示ししたものでございます。病床機能合計と医療機能区分別に見ましてもそれぞれ乖離率は縮小しており、必要量に近づいている状況でございます。
 35ページを御覧ください。再検証対象医療機関における病床数の変化でございます。再検証対象医療機関につきましては、再検証時から2023年にかけて総病床数は減少、急性期は減少、回復期は増加、慢性期は減少しており、全体として必要量に近づいているという状況でございます。
 36ページを御覧ください。こちらは再検証対象医療機関のうち「措置済」「検証済」となっている382病院について、病床機能・病床数の変化を見たものでございますが、こちらも同様に全体として必要量に近づいている状況でございます。
 37ページから39ページでございますが、こちらは2015年と2023年における病床機能報告上の病床数と2025年の必要量との乖離の変化を構想区域別に見たものでございます。37ページが病床機能の合計、38ページが急性期、39ページが回復期の状況を示したものでございますが、共に必要量に近づいている構想区域が増加している状況でございます。
 40ページを御覧ください。ただいま御説明いたしました2025年の必要病床数との乖離につきましては、この乖離があること自体が問題ではなく、個別に地域の実情に応じてデータの分析を行い、調整会議における活発な議論を進めていくことが重要だと考えております。こうした中、令和5年12月の経済財政諮問会議で決定されました「改革工程表2023」におきましては、右側の赤枠にございますように、国において都道府県・構想区域の病床機能等の状況の見える化を行うことが盛り込まれているところでございます。
 41ページを御覧ください。ただいま御説明いたしました改革工程表なども踏まえまして、令和6年3月28日付で発出いたしました2025年に向けた取組の通知におきまして、国による積極的な支援の一つとして、左真ん中あたりの赤枠でございますけれども、「地域別の病床機能等の見える化」を進めていく方針をお示しさせていただきました。具体的には、都道府県別・構想区域別に病床機能報告上の病床数と必要量、医療機関の診療実績等の見える化を行う方針を示しております。
 42ページを御覧ください。具体的には、都道府県別・構想区域別の病床機能報告上の病床数の推移や地域医療構想における将来の病床数の必要量などについて、こちらの図にございますように資料化しているところでございます。
 43ページを御覧ください。構想区域別の医療機関の病床機能報告上の病床数、診療実績、医師数等もまとめてございます。これらにつきましては、厚生労働省のホームページに公表しているところでございまして、2023年度の病床機能報告を基に今後更新する予定で考えてございます。
 最後に、44ページを御覧ください。今後の対応方針でございます。
 45ページを御覧ください。1つ目の○でございますが、これまで厚生労働省におきましては、都道府県に対して、PDCAサイクルを通じた地域医療構想の推進を求めてきたところでございます。
 2つ目の○にございますように、ただいま詳細は御説明さしあげましたが、都道府県においては、構想区域の年度目標や医療機関の対応方針の策定、調整会議の開催などが進められ、一定の進捗が認められると考えております。一方で、依然として年度目標を設定していない構想区域や対応方針の策定状況が「協議・検証未開始」となっている医療機関が一定数存在するなど、進捗状況には差が生じている状況でございます。
 3つ目の○でございます。また、病床数の変化を見ましても、2025年の必要量に近づいており、全体として必要量との乖離は縮小するなど、一定の進捗が認められると考えております。一方で、構想区域によっては、依然として必要量との大きい乖離が残っているところでございます。
 こうした内容を踏まえまして、4つ目の○でございます。厚生労働省におきましては、2025年に向けて国による積極的な支援を進めているところでございますので、引き続きPDCAサイクルを通じて地域医療構想が推進されるよう、今後も定期的に構想区域の年度目標、医療機関の対応方針、調整会議、病床数の変化等の状況につきまして把握・公表するとともに、地域別の病床機能等の見える化、データ分析支援、好事例の周知等により、都道府県・医療機関等における取組を支援してまいりたいと考えてございます。
 46ページからは参考資料となりますので、説明は割愛させていただきます。
 資料1の説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
 御説明ありがとうございました。
 29ページの病床機能報告の数字の変化についてということで、毎回病床の変化だけを報告していただいているのですけれども、もともと地域医療構想は30万人ほど今の病床から外に出ていってもらうところが一番大きなポイントだったと思います。高齢者が増えることで今の病床の数で足りるのですかという話ですね。病床を機能分化すれば30万人の方々は在宅やほかの場所でいけるのではないかということをやってきたわけで、現時点2024年まで来て、この30万人の方々は少なくともあふれたという話にはなっていませんので、地域医療構想全体として機能分化を進めた結果、介護での受入れ体制を進めた結果、もくろみどおりになっているという全体の流れはぜひ説明していただきたいと思います。これですと病床が125万床から119万床に減ったという部分しか見えないので、本来医療構想でやろうとしていた総患者数が増えたときに本当に地域で受けられるのですかというところはうまくいっていると理解していますので、この報告の内容もぜひそれが分かるようにしていただきたいと思います。
 今村からは以上です。
○尾形座長 事務局、今の御指摘はいかがでしょうか。
○淺野補佐 ありがとうございます。
 今村構成員の御指摘については、現行の地域医療構想において非常に重要な点であると認識しております。ただいま御説明した2023年の病床機能報告の29ページの図におきましては、慢性期の病床が全体として減っていることは分かるかと思いますが、30万床の動きがどのような状況になっているのかについてはさらなる分析が必要だと考えております。これについては、現行の2025年までの地域医療構想で掲げていた内容であり、新たな地域医療構想の議論にもつながってくるものだと思いますので、今後丁寧に分析して、御意見も踏まえながら今後の評価の在り方について考えていきたいと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
○今村構成員 ありがとうございます。
 せっかくこれだけうまくいっているので、それをぜひ目に見えるような形でしてほしいと思います。最初は物すごく異論はありましたけれども、最終的に増える患者さんを地域で受け入れることが日本全体ではできてきているのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 地域医療構想調整会議を担っている都道府県の立場からコメントさせていただければと思います。
 事務局から説明がありましたとおり、病床機能報告における病床数は2025年の病床の必要量との乖離の縮小が見られるなど、全体としては地域での議論や医療機関の取組が進展しているものと評価できるのではないかと考えております。
 特に進捗に係る目標や医療機関の対応方針の策定率については、令和5年から令和6年にかけてかなり進展が見られたようなデータとなっております。この点については、令和4年度までは地域医療構想調整会議と新型コロナの議論は分けて整理するということではあったのですが、目の前の新型コロナウイルス感染症の対応病床の確保をしなければならないという議論も並行して行われておりました。これが昨年5月に5類感染症に移行いたしまして、地域医療構想の議論に少し集中できる環境が整ったということもあるのではないかと考えております。
 また、昨年度は第8次医療計画の策定年でありましたので、資料にありますとおり、各地域の議論もかなり回数が多かったというのは計画の策定ということもありましたので、この計画の議論と併せて地域医療構想調整会議の議論も進んだということが背景として考えられるのではないかと考えております。
 私からは以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 望月構成員、続いて大屋構成員の順番でお願いします。
 それでは、望月構成員、どうぞ。
○望月構成員 本日からこの会議に出させてもらっております望月でございます。
 33ページ、非稼働病棟の病床が3万5000床あるということで、これに関しては地域医療構想調整会議において説明を求め十分に議論するということになっているのですけれども、実際に私も地域医療構想調整会議に出ておりますけれども、非稼働病床に関してはほとんど触れないのです。お互いに病院同士でそこをどうするのだとも言えないので、これは人口減でこれからさらに増えていくのではないかと思うのです。いつまでも増えていくような状況で、返すという選択肢は病院としては踏ん切れないところもあると思うのですけれども、でも、実際問題としてこれだけ人口減も出てきておりますので、今後活用されるのは難しいのではないかと思うのです。27ページの一番上の非稼働病棟への対応、命令や要請で、要請、勧告はもちろんゼロということになっているのですけれども、この辺の扱いをどのように考えていくかという点も大きなポイントだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○尾形座長 これは事務局、お願いいたします。
○淺野補佐 ありがとうございます。
 非稼働病棟にどう対応していくか、についても非常に重要な課題であると考えております。望月構成員の御指摘では、非稼働病棟については調整会議でまだなかなか議論がなされていないかもしれないということではあったと思うのですけれども、我々としては、非稼働病棟の在り方も含めて、しっかり地域の状況を踏まえた議論が行われることが非常に重要だと思っております。まずは調整会議などの協議の場で非稼働病棟の在り方を協議してもらえるように、我々としてもしっかりと働きかけていくことが必要であると思っています。その上でなかなか協議でも取組が進まないということなのであれば、御指摘いただきました都道府県知事の権限行使にどうつなげていくかという話になってくるものと考えております。権限行使ありきではなくて非稼働病棟がどう活用されるのか、どう活用していくべきものか、という議論がなく権限行使に踏み切ってしまうと、最適な選択肢にはならない可能性があると思いますので、まずは調整会議において、今後を踏まえた実効性のある効果的な議論を進めていきたいというのが我々の方針でございます。
○望月構成員 よろしくお願いします。
○尾形座長 それでは、大屋構成員、続いて織田構成員の順番でお願いします。
 大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 どうもありがとうございます。
 話題になりました33ページの病床が全て稼働していない病棟の現状なのですけれども、言われたようにだんだん必要性がなくなって非稼働になっていっている状況は全国でちらちらとあると思うのですけれども、同様に昨今非常に問題になっている看護師不足で開けようにも開けられない病床も出てきていると少なくとも自分の周りや話した人のところからは聞こえてくるのですけれども、九州地区だったりという地域性もあるのかもしれませんけれども、そこもこのようなデータを整理されるときにある程度情報があれば、看護師不足の影響なのか、それこそ患者数が減っている影響なのかが分かると今後の対策が立てやすいのではないかと思うのですけれども、そこら辺は把握されているかどうかをお教えいただきたいと思いました。
 以上です。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いします。
○淺野補佐 ありがとうございます。
 御指摘の非稼働病棟の状況でございますけれども、非稼働病棟が増加した理由として、人材不足の影響で病棟を休棟しているという理由も報告されております。ただ、全ての病床の状況について網羅的に理由等を確認できているわけではないので、今回は非稼働病棟が増加した理由として把握しておりますけれども、今後は、大屋構成員の御指摘のとおり、非稼働病棟がなぜそのようになっているのかという理由も踏まえた対応が地域で進められていくべきものだと思っておりますので、都道府県とも連携しながら、非稼働病棟への対応の議論が進むような働きかけをしていきたいと思っております。
○尾形座長 大屋構成員、よろしいですか。
○大屋構成員 どうもありがとうございました。
○尾形座長 それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
 私も29ページ、先ほど今村構成員も御指摘になったのですけれども、病床機能報告と病床の必要量、もともと全く違うもので、これをどのように整合性を持たせるかということだったのですけれども、地域医療構想が進まなければ152万床まで膨らむぞという話からスタートしています。ですから、先ほどお話にあったように予測より減った30万床は在宅等に行っているのだろうと思います。そこの議論が重要なのだろうと思います。
 この中で今までも急性期が多くて回復期が足りないという議論を繰り返し行ってきました。この議論はそろそろやめましょうよということを強く言ってきたわけですけれども、もともと違うものを比較していて、片方は病棟単位、片方は病床単位というのはみんな分かっていることで、実際に回復期が足りなくて困っている地域はどれぐらいあるのかを含めると、この議論は終わってもいいのかと。しかも、119万床に収まっていて、今後逆に人材不足によってもっと減っていく可能性がありますので、ここよりも在宅医療の議論に進むべきかと思います。
 そういう中で45ページの対応方針の案を見てみますと、全ての文章が一定の進捗は認めるけれどもただ一方でまだ乖離しているとか、進捗状況に差があるというような否定的な文章が並んでいます。もちろん案ですからそうなるのでしょうけれども、各都道府県でいろいろ努力してきているところが見えない形になっていますから、ここは気をつけるべきだと思いますし、介護も含めてになると思うのですけれども、今後30万人がどこにどう行ったのかをしっかりと押さえていくことが次につながるのではないかと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 ありがとうございます。
 全体を通してコメントをして、最後に対応方針について意見を述べさせていただくのですが、地域医療構想の目標の最終年度となる2025年度まで約1年半ということになったのですが、今日示されました直近のデータでは29ページにあるようにマクロの病床数での乖離は年々縮小していきつつあるというところで、37ページから39ページに出ているように構想区域ごとの乖離も年々縮小していっているということは、国の指導の下これまで取り組んできた各都道府県・構想区域の取組の成果として評価できるのではないかと思うのです。
 一方、残念なのは、先ほど織田先生も述べられたのですが、急性期過剰、回復期不足というトレンドが残ったまま、これは2025年においても解消されないことが想定できることであるということです。これも各構想区域の号令の下に積み上げられた結果でありますので受け入れるべきと思うのですが、マクロの病床数全体の乖離が減少していっている中で、機能別のアンバランスが生じていることについての分析がしっかり行われているかについて検証していくべきではないかと思います。
 今までの検討の過程の中で、先生方からもこのやり方について病床機能報告が病棟単位の報告になっていることから実態を精緻に反映したものではないというお声や、地域からは地域の特性により医療提供体制上の課題があるということでこれはやむを得ないのだという声はあったのですが、それはそれで受け入れるとしてもデータの特性だけでは説明できない差異が多かったという調査結果も今までのワーキングの中でも示されたところです。
 今回示された調査結果の8ページによれば、「合意・検証済」に至った構想区域は9割を超えて91%まで達したということなのですが、果たしてこの中にデータの特性だけでは説明できない差異がある場合、その要因についてどこまで分析できたのかについては疑問が残るところであります。「合意・検証済」となった地域においてもデータの特性だけでは説明できない差異がある地域については、さらに1年半残された期間において、これで検証できたということではなくて、なぜ説明できない差があるのかについても引き続き分析評価を行っていく必要があるのではないかと思っています。当面の目標年度である2025年までにこれが是正できないとしても、2026年以降新たな地域医療構想が始まるわけですから、一つの課題としてつなぐこともできるのではないかと思っています。
 一方、8ページや9ページを見てみますと、目標を設定できない理由が書いてあるのですが、この場に及んでとても理由になっていないような理由がまだ羅列されているところについては非常に疑問を感じるところで、27ページには都道府県知事の権限も書いてあるのですが、とても知事の権限が適切に発揮されているということも言い難い状況にあるのではないかと思います。
 当面の目標となる2025年まで残り1年半となったのですが、2025年の終わりまでには例外なく全構想区域で対応方針を策定していることはマストな状態で、次期地域医療構想という次のステップに進むためにも策定を完了しておく必要があるのではないかと思っています。各都道府県知事の責任でありますので、各都道府県知事は責任を持って取り組んでいただきたいと思います。
 こういう状況の中で、今日の議題の3番目にもあるのですけれども、推進地区・モデル推進地区の設定に取り組んでいくということなのですが、この設定の一つの条件の中にはデータの特性だけでは説明できない必要量との差異が特に生じている地域も選定されることになっておりますので、今までの調整会議の検討を改めて補完したり、深掘りしたりする意味でも非常によい取組ではないかと思います。今後行われる新たな地域医療構想の好事例になるという意味でも、この取組に期待したいと思います。
 最後に、今後の対応方針というところなのですが、説明していただいたものを見ると、問題点は2つ目の○、3つ目の○で羅列されているのですが、当面の目標である2025年までに都道府県は自主的に何を行うべきかという強いメッセージが出ていないというのは非常に気になるところなのですが、最低限目標の設定は責任を持って完了するぐらいのメッセージは伝えておく必要があるのではないかという思いがあるのですが、その辺については事務局の意見をお聞きしたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、事務局、お願いいたします。
○淺野補佐 ありがとうございます。
 幸野構成員の御指摘のとおり、データ分析、目標設定、医療機関の対応方針など地域医療構想の取組をしっかり進めていくことは重要だと思っておりますので、引き続き都道府県と連携して進めてまいりたいと思います。
 最後に御質問いただきました45ページの対応方針案における課題への対応へのメッセージということでございますけれども、医療機関の対応方針につきましては、2022年度、2023年度に全ての医療機関で策定していただきたいということをお示しさせていただいております。一方で、ただいま御説明させていただきましたように、医療機関の対応方針の策定に当たりましては、協議・検証未開始となっている状況ということで、16ページにございますように、様々な医療機関で検討していただいていたり、なかなか業務状況によって検討に手が回っていないという個別の様々な事情もございます。我々としては、医療機関の対応方針を策定いただきたいと考えておりまして、その方針に変わりはないのですけれども、個別のこうした事情もございますので、引き続きまずは都道府県と密に連携をして医療機関の対応方針を策定いただけるようにしっかりと働きかけていきたいと考えておりますし、そのための助言等の支援を行っていきたいということについては、都道府県に対してしっかりと伝えていきたいと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 幸野構成員、いかがでしょうか。
○幸野構成員 16ページの理由、これが理由になるのかという気もいたしますので、分かりました。そういうことで既になされているということであればやっていただきたいと思います。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 先ほどから各構成員の御発言がありましたように、29ページを見ていただくと、マクロではおおむね目標に限りなく近づいていると考えて、ある意味今回の地域医療構想という全体のマクロで見たときには成功に近づいている、成果につながっているのかと思っています。ただ、全体として考えたときに、いつもお話をしておりますとおり、過疎地と都市部はそもそも地域医療構想の問題の根幹が違うのだということは、これを進めてきた中で、最近特に如実に表れてきているのではないかということを懸念しております。
 42ページ、データの見える化ということで都道府県別あるいは地区別ということで出ていますが、データとして提示されるのは現場にとって大変ありがたいですし、これをまた活用していかなければいけないということなのですが、問題はこれで対応できないところが現実に幾つか出てきているところ、それは恐らく人口の多い都市部、特に県と政令都市の間でなかなか意思の疎通が十分に取っていけないところなどに多少そういう影響が出ているのではないかと心配しているところです。合意できているところに関しては非常にうまく進んでいると思うのですが、合意ができていないところ、特に大都市部の地区をまず洗い出していくことと、問題解決に向けて県に全ての責任を任せるという方向へ今後も持っていくのか、あるいはある程度解決のための支援を国が直接指示をするのかというところをお尋ね申し上げたいと思っています。
 もう一点は、いつもお話を申し上げているとおり、特に都市部の人口が集中して多い地区の大学病院の扱いについては、そろそろきちんとした方向性を出さないと最後まで問題として残ってしまう可能性があることからいうと、これをどう扱うのかを教えていただきたいと思っています。
 以上です。
○尾形座長 2点御質問かと思いますので、事務局、お願いします。
○淺野補佐 ありがとうございます。
 1点目でございます。地域医療構想を進めるに当たりまして、都道府県の責任で進めていくのか、国として一定の示唆を示しながら進めていくのかという御質問かと理解しましたが、地域医療構想自体は全体としては都道府県に一義的に責任がありますので、まずは都道府県で地域の協議などを踏まえながら医療提供体制としてどうあるべきかをしっかりと考えていただいて、現状や課題の把握、さらにはそれを解決するための取組につなげていただきたいという基本線については、変える状況ではないかと思っております。
 一方で、都道府県の皆様の中でなかなかデータはあってもどう分析していいか分からないだとか、どのように取組を進めていいか分からないという悩みをお持ちの都道府県の皆様もいらっしゃると理解しておりますので、そういった場合に厚生労働省としてしっかりとそれを後押し、支援できるような環境づくりは非常に重要だと思っています。そういう意味で我々としても支援をしっかりとやっていきたいということで、41ページにございますように、昨年度末に通知を発出させていただいて、国としてもしっかり支援をしてまいりますということで方針を示して様々な支援策も用意しているところでございますので、都道府県の取組を基本としながらも、国としてもしっかりとサポートしていけるような環境づくりについては引き続き取り組んでいきたいと思います。
 2点目の都市部、過疎地の地域の違いを踏まえつつ、都市部においては大学病院の在り方をどうするかという御質問だと思いますけれども、こうした地域差については、2025年までというだけではなく、今後2040年頃を見据えたときにさらに拡大してくるものだと理解をしております。そうした中で、新たな地域医療構想に向けて、御指摘の点も含めて議論していくものだと考えておりますので、御意見も踏まえつつ過疎地、大都市、都市部など地域の在り方としてどうあるべきかというところを考えてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
 今、お答えいただいたように、県に一義的に責任を持ってやってもらいたいということはよく分かるのですが、かなりここまで時間をかけて進めてきた中で、どうしても県では解決し切れない、対応し切れないところもあろうかと思っております。以前から重点区域などの指定の体制があって、それは県と国と一体となって進めていくという事例もありますので、ややこしく難しい事例に関しては一体となって進めるような仕組みをまたおつくりいただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。
 全体的には地域医療構想の推進が示された資料だと認識をしています。
 22ページの在宅医療の議論の状況のみが前回52%から今回50%になっておりますけれども、これは右のグラフにありますように、いろいろな協議の場が異なっていてこうなったものだと理解をしておりますが、第8次の医療計画の検討会でも多くの構成員から在宅医療を議論する圏域は市町村単位が望ましいということも意見があったと思います。まだまだ少ない状況ですので、介護保険と親和性が高い在宅医療については、今後どういう場でどういった圏域で議論するかはまだ課題かと思います。
 また、今村構成員が冒頭におっしゃいました医療区分1の7割プラス地域差解消分の新たな30万人を考えるときに、自宅、高齢者住宅あるいは特養、老健、介護医療院といった介護保険施設、グループホーム、特定施設の居住系施設あたりが在宅医療の提供の場になりますから、その辺りも含めてしっかりとそういった視点でまた今後検討が必要かと思います。
 もう一点は、以前新たな地域医療構想のヒアリングでも申し上げましたけれども、2005年あたりから入院患者数が徐々に減少してきており、病床稼働率も低下をしてきています。近年では1年間に年間平均9,000床の病床が減っています。したがいまして、今日も29ページに速報値がありましたけれども、実際は2025年見込みはこれより下回る可能性が高いのではないかとも思っております。したがって、今後どのようにこれを考えていくのか。この病床数に加えて病床稼働率もしっかり併せて今後新たな地域医療構想に向けましては考えていく必要があるのだろうと思います。
 いずれにしましても、新たな地域医療構想では外来、在宅も含めた議論を行うということになっていますから、2026年あたりまでの現在の地域医療構想が新たな地域医療構想にバトンタッチできるように進めていくことも必要かと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、私から1点、29ページの2023年度の病床機能報告ですが、これは速報値であり全国ベースでの積み上げ値ですからあまり確定的なことは言えないわけですが、1点気になったのは高度急性期の動きなのですけれども、高度急性期はこれで見ると2023年よりも2025年見込みのほうが増えていることになっています。それから、47ページの2022年度の病床機能報告を見ると、このときも似たような動向ですけれども、高度急性期は15万床台だったのが2023年度では16万床台ということで全体として増えているのですけれども、この辺は背景に何かあるのか、何か背景の事実をつかんでおられるかどうかお聞かせいただければと思います。
○淺野補佐 ありがとうございます。
 事務局で御指摘の点について、都道府県に確認できる範囲で確認したところ、一部の都道府県におきましては、定量的な基準を設定してその定量的な基準に基づいて報告をした結果、一部看護体制の充実等も相まって高度急性期の報告が増えたと聞いております。この部分については、そういった定量的基準の影響が大きいのかとは思っておりますけれども、その他様々な理由もあるかもしれないので、その点については今後の状況を注視していきたいと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほか、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上としたいと思います。
 続きまして、2つ目の議題でございます。「令和6年度病床機能報告」について、これもまず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○山口補佐 事務局でございます。
 資料2「令和6年度病床機能報告について」を御覧ください。
 2ページから4ページにおきましては、既存の病床機能報告制度についての御説明の資料となります。
 2ページにおきましては、病床機能報告制度の概要といたしまして、先生方よく御存じのとおり、各医療機関は毎年病棟単位で医療機能の「現状」と「今後の方向」を自ら選択して都道府県に御報告いただいているものでございます。
 3ページでございますけれども、病床機能報告におきましては、病棟が担う医療機能をいずれか1つ選択して報告することとされておりますが、実際の病棟には様々な病期の患者が入院していることから、下の図のように当該病棟でいずれかの機能のうち最も多くの割合の患者を報告することを基本としているものでございます。
 その上で4ページでございますけれども、特定の機能を有する病棟における病床機能報告の取扱いということで、特定入院料等を算定する病棟につきましては、一般的には次のとおりそれぞれの機能として報告するものとして取り扱うとしておりまして、その他の一般入院料等を算定する病棟については、各病棟の実態に応じて選択するという考え方をお示ししてきております。
 また、5ページにおきましては、昨年度令和5年度の病床機能報告の報告項目についてということで、それぞれ医療機能等や入院患者に提供する医療の内容等を御報告いただいたということで、こちらは御紹介のスライドとなります。
 今回令和6年度の病床機能報告を求めるに当たりまして、2点先生方に御報告したいと考えております。
 1つ目が6ページでございますけれども、「地域包括医療病棟入院料の取扱い」でございます。
 おめくりいただきまして7ページでございますけれども、令和6年度の診療報酬改定におきまして地域包括医療病棟ができました。この「背景」の四角囲みの一番上のところを御覧いただきたいのですけれども、この病棟のイメージでございますが、高齢者の人口増加に伴い、高齢者の救急搬送者数が増加し、中でも軽症・中等症が増加していると。一方、急性期病棟に入院した高齢者の一部は、急性期の治療を受けている間に離床が進まず、ADLが低下し、急性期から回復期に転院することになり、在宅復帰が遅くなるケースがあることが報告されている。
 こういった背景がある中、地域包括医療病棟における医療サービスのイメージとしましては、下のポンチ絵を御覧いただきたいのですけれども、まず、救急患者を受け入れる体制を整備していただく、また一定の医療資源を投入し、急性期を速やかに離脱し、早期の退院に向けリハビリ、栄養管理等を提供する、その上で退院に向けた支援を行った上で、早期の在宅復帰を目指す、こうしたものを包括的に提供するものとして地域包括医療病棟が設立されました。
 その上で、8ページを御覧ください。既存の病棟から想定される地域包括医療病棟への移行のイメージということで3つが想定されるということでお示ししております。地域における高齢化、救急医療提供体制、リハビリテーション等の提供体制等を踏まえて、急性期入院基本料1、急性期入院基本料2から6を算定する急性期病棟、あるいは一定の救急医療の実績のある地域包括ケア病棟等から転換することが想定されるということで、下に3つの考え方をお示ししているものでございます。
 これを踏まえまして、9ページを御覧ください。今回地域包括医療病棟入院料が設置されたことを踏まえまして、病床機能報告としては以下のような案をお示ししております。
 令和6年度診療報酬改定におきまして、高齢者の救急患者をはじめとした急性疾患等の患者に対する適切な入院医療を推進する観点から、高齢者の救急患者等に対して、一定の体制を整えた上でリハビリテーション等の機能を包括的に提供することについて、新たな特定入院料として「地域包括医療病棟入院料」が創設されました。
 当該入院料につきましては、病棟が主に回復期機能を提供している場合は回復期機能を選択いただき、主に急性期機能を提供している場合には急性期機能を選択するなど、個々の病棟の役割や入院患者の状態に照らしまして、これまで同様、医療機能を選択していただくこととしてはどうかと考えておりまして、対応案のイメージを下のようにお示ししているものでございます。
 続きまして、2つ目の議題でございます。10ページ、「報告項目の追加について」でございます。
 11ページを御覧ください。こちらは先生方に令和6年3月の第14回のワーキンググループでお示しした資料でございますけれども、都道府県に対しまして構想区域の医療提供体制上の課題を問いましたところ、以下のような回答がありました。
 まず、左側の図でございますけれども、課題の有無について尋ねたところ、全ての構想区域で課題がありとの回答がありました。こうした中、右側のグラフを御覧いただきますと、個別の課題として「救急医療体制の確保」等が都道府県から報告がありました。
 こうした状況を踏まえまして、令和6年度の病床機能報告でございますけれども、12ページを御覧ください。救急医療提供体制に関するデータといたしまして2つのデータをお示ししております。左側の図でございますけれども、こちらは覚知時刻と照会回数が4回以上であった関連性について、それぞれ覚知時刻別のオッズを示したものでございます。結論といたしましては、救急搬送における病院選定困難の指標、こちらの指標は照会回数4回以上としておりますけれども、要因といたしましては、平日より土日祝日、日勤帯より準夜、深夜帯であることが示されているデータでございます。
 右側の図を御覧ください。こちらは時間帯別の平均搬送時間ということで、消防庁データから分析をされたデータでございますけれども、救急搬送に要する時間は昼間よりも夜間が長く、準夜帯よりも深夜帯が長い傾向があるといったデータでございます。
 そうした中、13ページを御覧ください。こちらは現状での病床機能報告における報告項目についてでございますけれども、上2つにございます救急医療提供体制に係る加算といたしましては、1つ目の入院に係る機能である救急医療管理加算は御報告をいただいております。また、2つ目の二次救急等に係る夜間休日救急搬送医学管理料も報告項目としておりますが、こちらは枠囲みの中を御覧いただきますと、先ほどのデータに基づくような準夜、深夜ごとに把握できる項目はないという状況となっております。
 こうした状況を踏まえまして、14ページの事務局案でございます。
 報告項目につきましては、令和5年末に実施した都道府県への調査によりますと、全ての構想区域において医療提供体制上の課題があり、中でも救急医療提供体制の確保に課題があるという回答がございました。
 そうした中、平日と比べて休日、日勤帯と比べて準夜または深夜であることが救急搬送における病院選定困難の要因であり、準夜帯よりも深夜帯で搬送時間が長い傾向にありました。
 入院に係る機能である救急医療管理加算や二次救急等に係る夜間休日救急搬送医学管理料を報告項目としておりますが、準夜、深夜ごとに把握できる項目は現時点ではございません。診療報酬における深夜加算等は深夜等の手術や処置における時間帯も含めた実態の把握のために活用できると考えております。
 こうした状況を踏まえ、令和6年度の病床機能報告におきましては、新たな項目といたしまして時間外、夜間、休日の手術・処置の件数について新たに報告することとしてはどうかと考えております。
 15ページ以降につきましては、それぞれの加算等についての参考資料をおつけしておりますが、説明は割愛させていただきます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料2の説明につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
 御説明ありがとうございました。
 14ページの報告項目の追加についてお願いがあります。もう何回か申し上げているのですけれども、今、報告は病棟単位で医療行為などが報告されていまして、これを合計しても病院全体の数字にならないという大きな問題があります。ですから、この報告項目は病院全体の合計の数字をぜひ出してもらいたいと思っています。実際にうちの病院、奈良医大で見てみましても、各病棟で10以下が全部マスキングされますので、合計すると3分の2ぐらいしか医療としては合計数字が出てこないので、全体を表現する数字としては問題があります。病棟単位での集計ができなかったときは病院単位で出ていたものなので、ぜひ病院単位での集計数字を出していただきたいと考えています。
 以上です。
○尾形座長 事務局、この点はどうでしょうか。
○山口補佐 今村構成員、御指摘ありがとうございます。
 先生のおっしゃるとおり、現状におきましては、病棟ごとに御報告いただくことでマスキングが生じていることは事実でございます。一方で、2025年までの地域医療構想におきましては、病棟単位での医療機能を基に御議論いただくことを前提に進めてまいりました。こうした状況を踏まえますと、まずは今年度の病床機能報告におきましては、引き続き病棟単位で情報を取ることを優先したいと考えておりますが、一方で、新たな構想の議論におきましては、病棟ではなく病院機能の在り方についても検討する状況となっておりますので、こうした御議論の状況も踏まえまして、今後の課題として考えてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村構成員 ぜひお願いしたいです。医療構想の議論の中でも病院単位で地域全体でどのような役割を受けるのかということをやっているわけですけれども、数そのものが各病院の総数にならないということになると、正確な数字を基にその議論もできない状況であります。新たな構想ではぜひそうしてほしいと思いますし、できるだけ早い時期に病院単位でその数字が出るようにしていただきたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋です。
 7ページに地域包括医療病棟、病棟のイメージという絵がございます。従来に比べまして地域包括ケアという形の病床がこういう感じで徐々にイメージが固まってきて、何をするのかが見えてくるということで、今後の高齢化社会を迎えて非常に重要だと思っているところです。
 一方、このような病棟ができた際に、ここで働く医師はどのような医師であるのか、どのような臨床の能力を持っていて、なおかつその能力はどこでどのように育成されるのかが今後議論になっていくのだろうと思ってこれを見せていただいたのですけれども、現行、例えばよく総合診療医ということが言われるのですけれども、人数がそもそも足らない、または総合診療医を山のようにつくると、今度は逆に胃カメラ、透析をするような専門医療を行う医師が足らなくなるのは明確だと思いますので、いろいろお考えもあると思いますけれども、手っ取り早くというのはおかしいですけれども、まずはどのような形でここで働くような医師をつくっていくことが計画されているのか、現在厚生労働省で考えられているところを教えていただければと思います。
 一つはリカレント教育ということもありますでしょうし、例えば日本病院会でされているような病院総合医のような他の専門医を取った人たちをもう一回リトリートするような形も進んできている、医師会もかかりつけ医という形でやっているかと思いますけれども、そこは方向性について教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 これは答えられますか。
○佐々木室長 医政局医事課でございます。
 先生に御指摘いただきました病棟医をどのように育成していくのかという観点につきまして、まず地域包括医療病棟におられるような先生方のイメージ、例えば誤嚥性肺炎患者に対して早期にリハビリテーションを実施するなど、そういう医療については適切に医学的観点あるいは病棟を運営管理する観点から通常一般的に臨床の先生方は既にやっておられるところも多数あるのかとは思っております。その上で総合診療医をどのように育成していくのかにつきましては、まずは総合診療専門医が2018年から新たに専門医制度の中で位置づけられて養成が開始されているということで、こちらは徐々に増えてきております。総合診療専門医以外の専門性を持った先生方については、例えばおっしゃっていただいたようなリカレント教育などの場について、大学が中心となって総合診療医のセンターをつくってそこを拠点として教育を行っていただいているということがありまして、そういったものに対して厚労省としても予算で支援している実態がございます。総合診療医の重要性は我々も認識しておりますし、一つの課題として捉えておりますので、今後研修の在り方については引き続き検討していければと思っております。
○尾形座長 大屋構成員。
○大屋構成員 ありがとうございます。
 方向性がある程度、もう既に幾つか大学等に補助金等を出していただいて育成しているというお話をお聞きしました。実はここでやらないといけないのは医療の基本中の基本なので、医学部の教育の中にもこういうものをイメージしたような教育を強化する。さらに研修医が必ずこういうことを全体的に急性期病院で、今、救急をやればいいのだみたいなイメージが臨床研修制度が始まって幅広く広がっているのですけれども、このようなリハビリや在宅支援も研修医がしっかり勉強するような形なので、まさにこういうところで僕は研修医が研修すべきかというイメージも持ちました。どうもありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
 9ページですけれども、「地域包括医療病棟入院料の取扱い」ということで、急性期機能、回復期機能両方選択できるということになっています。8ページを見てみますと、これに進むところは急性期一般の入院料1だったり、2から6だったり、地域包括ケア、いろいろあるわけですし、この四角で囲んでありますように、高齢者の救急患者を受け入れることもありますので、当然急性期の選択はあっていいのだろうと思います。2026年度から地域医療構想もまた変わっていくでしょうけれども、来年度までこの報告をするとすれば、急性期機能、回復期機能の両方を病院が選択できるというようなこの案に対しては賛成したいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。
 ただいまの9ページの取扱い案につきまして私も賛成でございます。
 地域包括医療病棟は、御存じのように入院早期からリハビリテーション、栄養、口腔に一体的に取り組むなど多職種協働でチーム医療を提供して在宅へ帰っていただくという病棟でございまして、特に13対1看護配置の地域包括ケア病棟で受け切れない高齢者救急を担う役割、また、急性期一般の2から6の移行先の受皿としても考えられているものでございます。したがいまして、診療報酬上の制度設計上は回復期もにらみながら想定された病棟だと思いますが、一方で、この緑の囲みの回復期機能で2つ目の○は回リハ病棟の機能ですから分かりやすいのですけれども、1つ目の「急性期を経過した患者への」云々というところと必ずしも地域包括医療病棟の担う役割が合わない部分もありますし、急性期一般の1のあたりの病棟の医療機能かというとそうではなく今回新たに異なって創設されていますから、これはぜひ医療機関の選択を尊重すべきだと思います。今後に向けまして回復期機能はいま一度考え方を整理しないと、いつまでたっても急性期は報告、届出が多くて回復期は少ないということがいたちごっこになるので、この病床機能報告の回復期機能は一度どこかで議論して整理する必要があろうかと思います。
 最後に、14ページの提案についてですけれども、これはあくまでも地域医療構想調整会議でしっかりと議論ができるような、それに資するデータ、資料としてお示しする必要があります。全体的に一般的には零時から朝6時、この深夜帯の6時間の救急搬送は1日全体の大体1割の地域が多いと思います。ですから、零時から6時ぐらいの6時間の救急搬送件数は24時間のうちに占める割合の1割ぐらいで、その数は少ないのですけれども、先ほどの搬送時間の問題もあって、何を申し上げているかというと、これらの加算には病態の状態像に合致するかどうか、あるいは選択する項目がございますので、要はしっかりとそこの病態の状態像も併せて見ていったほうが調整会議で議論がしやすいと思います。だから、深夜帯が少ないとはいえ重篤な方が結構いらっしゃるかもしれないし、その方はもし搬送が遅れることがあってはなりませんので、なるべく調整会議でいろいろ議論しやすいように御提示いただきたいと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。ほかに特に御意見、御質問がなければ、本件は以上にしたいと思います。
 続きまして、3つ目の最後のテーマでありますが、「推進区域及びモデル推進区域」についてということでございます。
 これもまず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○淺野補佐 事務局でございます。
 資料3について御説明いたします。
 2ページを御覧ください。令和5年12月の経済財政諮問会議で決定されました「改革工程表2023」の抜粋でございます。赤枠に記載がございますとおり、「モデル構想区域等を設定して、アウトリーチの伴走支援の実施」等が盛り込まれているところでございます。
 3ページを御覧ください。令和5年12月に閣議決定されました「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の抜粋でございます。上のあたりの太字の部分でございますけれども、地域医療構想につきましては、3行目の右側でございます。「医療提供体制上の課題や重点的な支援の必要性があると考えられる構想区域を設定してアウトリーチの伴走支援の実施」等が盛り込まれているところでございます。
 4ページを御覧ください。これらを踏まえまして令和6年3月28日付で通知を発出いたしました。2025年に向けて各年度に国・都道府県・医療機関が取り組む事項を明確化するとともに、国による積極的な支援を実施することをお示ししたところでございます。
 この中で真ん中あたりの1の赤枠となりますが、国において推進区域・モデル推進区域を設定した上で、モデル推進区域におけるアウトリーチの伴走支援を実施するとともに、都道府県において推進区域の調整会議で協議を行い区域対応方針の策定・推進、医療機関において区域対応方針に基づく医療機関対応方針の検証・見直し等の取組を行うことをお示ししているところでございます。
 あわせて※書きでございますけれども、推進区域やモデル推進区域につきましては、病床機能報告上の病床数と必要量の差異等を踏まえ、医療提供体制上の課題や重点的な支援の必要性があると考えられる推進区域を都道府県当たり1~2か所設定し、当該推進区域のうち全国に10~20か所程度のモデル推進区域を設定するとした上で、設定方法等については追って通知するとしていたところでございます。
 5ページを御覧ください。2025年に向けた取組のスケジュールでございます。真ん中でございますけれども、2024年度におきましては、国において推進区域・モデル推進区域を設定した上で、都道府県におきましては、医療提供体制上の課題、解決に向けた方向性及び取組内容等を盛り込んだ区域対応方針を策定するとともに、医療機関においては区域対応方針に基づく医療機関対応方針の検証・見直し等を行うということをお示ししております。2025年度におきましては、この区域対応方針に基づく取組を進めていくこととしていたところでございます。
 8ページを御覧ください。これらを踏まえまして、今般、推進区域とモデル推進区域について具体的な内容を御報告するものでございます。
 8ページは、推進区域について(案)でございます。推進区域につきましては、地域の実情に応じた地域医療構想の取組をさらに推進するため、都道府県との調整を踏まえ、①から④の事項等を総合的に勘案して設定したいと考えております。勘案要素といたしましては、データの特性だけでは説明できない合計病床数や機能別病床数の必要量との差異が特に生じていることや、令和5年9月末調査において再検証対象医療機関における対応状況として検証中または検証未開始の医療機関があること、そのほかの事情等を総合的に勘案して設定しようとするものでございます。
 設定に当たりましては、厚生労働省におきまして、47の都道府県それぞれと個別の調整を行い、7月5日時点のものとして取りまとめたものであり、御覧いただければ分かりますとおり、一部調整中のものもございます。
 また、下の※書きの注釈の1つ目を御覧いただければと思いますが、原則として各都道府県当たり1~2か所設定することとしておりますが、地域の実情等も踏まえまして、複数の圏域にまたがる課題の解決が必要な場合等には、複数の構想区域を設定することを考えてございます。
 具体的な調整に当たりましては、都道府県におきまして必要に応じて地域での協議や説明を丁寧に進めていただきまして推進区域となる候補を調整いただいた上で、厚生労働省において推進区域として設定しようとするものでございます。また、推進区域につきましては、地域医療構想の取組が進んでいないというレッテルを貼るものではなく、また、病床の削減や統廃合ありきというものでもございません。医療提供体制に関する一定の課題はありながらも、この課題に真摯に向き合って、地域の実情を踏まえ、地域医療構想の取組をさらに推進しようとする地域として設定するものでございます。これまで実施してきた国の支援策も積極的に活用いただきながら取組を進めていただきたいと考えており、国としてもその進捗を確認しながら進めていきたいと思っております。
 9ページを御覧ください。こちらはモデル推進区域について(案)でございます。モデル推進区域につきましては、都道府県との調整を踏まえ、推進区域の中から医療提供体制上の課題や重点的な支援の必要性、地域医療構想の実現に向けた取組状況等を総合的に勘案して設定するものでございます。
 こちらも7月5日時点で調整をしているものを記載させていただいております。
 このモデル推進区域の設定の理由につきましては、各都道府県・各構想区域の個別の事情もございますので、この場での詳細な説明は割愛させていただきますが、例えば医療機関の役割分担の明確化、地域医療連携推進法人の設立など、地域の実情に応じて効果的な取組を進めているということや、地域のアウトリーチの伴走支援のニーズ等も踏まえまして、これらの区域を設定したいと考えております。
 モデル推進区域につきましては、アウトリーチの伴走支援を行うこととしてございますけれども、その内容については、下の枠囲いの技術的支援と財政的支援を想定しております。新たな支援といたしましては、1つ目の技術的支援の右側の線が引いてある部分でございます。都道府県コンシェルジュの設置や区域対応方針の作成支援などを行うこととしており、具体的な支援については都道府県の皆様からの御要望も踏まえながら進めてまいりたいと考えております。
 なお、モデル推進区域については、アウトリーチの伴走支援を行うということにしておりますけれども、国において一方的に考えをお伝えするものではなく、都道府県の皆様とともに丁寧にコミュニケーションを図りながら地域の実情に応じた取組を一体となって進めていきたいと考えております。
 次に、10ページと11ページを御覧ください。推進区域等の取組を進めるに当たりまして、効率的かつ実効性のある形で区域対応方針を策定いただけるように様式例をお示ししたいと考えております。具体的な内容は記載のとおりでございますが、例えば構想区域のグランドデザインの設定、現状と課題の把握、計画的な取組の実施などを盛り込める様式例とさせていただいておりまして、地域医療構想の取組がさらに推進されるよう国の支援策の一つとしてお示ししようとするものでございます。
 これらの推進区域やモデル推進区域の設定等については、調整中の区域もございますので、引き続き都道府県との調整を進めた上で正式に決定してまいりたいと思います。
 説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。
 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
 今回このモデル推進区域と推進区域が出たわけですけれども、もともと重点支援区域、あれは構想区域でなかなか解決できない問題を県に届けて、それからそれを国が支援するという形だったと思いますけれども、今回はそういう構想区域は抜きにして県と国が話し合ってこれを決めるということになりますか。
○尾形座長 これは事務局、お願いします。
○淺野補佐 ありがとうございます。
 重点支援区域につきましては、15ページに参考資料としてお示ししておりますが、こちらの重点支援区域については、複数医療機関の再編を前提にいたしまして都道府県の皆様からの申請に基づいて、厚生労働省において設定するというものでございます。一方で、推進区域・モデル推進区域については、織田構成員の御指摘のとおり都道府県と国であらかじめ調整した上で設定をするものでございますが、あくまで設定主体としては厚生労働省であり、事前に都道府県の皆様との御調整を踏まえて設定しているものでございます。特にモデル推進区域については、国においてアウトリーチという形で支援するものでございますので、積極的に国からコミュニケーションを取りながら設定に向けた調整を進めてきたというものでございます。
 以上でございます。
○尾形座長 織田構成員、よろしいでしょうか。
○織田構成員 分かりました。
 これまでうまくいっていたのにどうしてこの選定対象になるのかというところもありますので、ここはデータの中だけで決めないで慎重にやってほしいと思います。当然調整会議で繰り返し今まで議論していたことも含めて、あくまで丁寧に対応していっていただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
 どうぞ、事務局。
○淺野補佐 補足でございます。重点支援区域についてもこのたび取扱いをやめるというわけではございませんので、重点支援区域も継続しつつ今回推進区域・モデル推進区域の取組も併せてやっていくことになります。これまでの取組を踏まえながら今後2025年に向けてどう対応していくかということで整理していきたいと思いますので、これまでの取組状況等も踏まえた一貫性のある取組ということで都道府県と相談しながら進めていきたいと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 田中構成員、どうぞ。
○田中構成員 この推進区域については大変期待しているところが大きいところです。特に静岡県においては地域医療構想に関しては病床の問題などに関してあまり緊張感がない県でした。もともと全国平均よりも医療費は少なかったですし、ベッド数も少ないということで、特に頑張って減らす必要はない。そして、急性期病床は多かったのですが、入院単価から見てとても急性期と思えないようなところが急性期として届けているだけということで、実質的に大きな手を入れる必要はなくて、県はもともと目標とする数字に近かったということで、地域医療構想自体はあまり大きな熱量を持って対応したということはないのですが、県内においては地域偏在があって、浜松医科大学のある西部と東部では随分差がある。東部の医療をどうやってよくしていくかは非常に問題で、平均寿命や健康寿命に明らかに差があるということで、それに対してこの推進区域を使って、はっきり言うと全県一律の基準でやっていると東部が置き去りになるので、東部にかなり力を入れた方策がつくれるのではないかという期待はあります。この駿東田方だけでは無理ではないかと私は思っているのですが、こういった地域を支援するのにいわゆる二次医療圏を超えてほかの圏域からのサポートができるシステムであれば一番いいと思います。このモデル推進区域に近いような方策が推進区域でもできればいいと期待しているところです。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
 推進区域・モデル推進区域の設定そのものは賛成なのですけれども、違和感を覚えたのは、9ページのモデル推進区域で石川県の能登北部が設定されているのですが、今、ここは地域医療構想以前に大変な状況になっていて、支援が必要であることは全くそのとおりなのですが、地域医療構想のモデル推進地域として指定していくことはこの事業の趣旨と合うのかについて事務局がどうお考えか教えていただきたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 これは事務局、お願いいたします。
○淺野補佐 ありがとうございます。
 石川県の能登北部につきましては、今村構成員の御指摘のとおり、能登半島地震の影響もありましたので、他の構想区域の状況とは異なる面もあると思っています。そういう意味では、医療需要をどう見込んでいくのかとか、医療従事者の状況がどうなのかという個別の各論を見ると様々な事情はあるかと思うのですけれども、一方で、石川県では能登北部の病院の在り方ということで、今後検討会を開催して再編等も含めた議論を進めていく方針であると伺っておりますので、そういった意味では地域医療構想につながってくる部分はあるかと思っています。また、石川県からもアウトリーチの伴走支援をしていただきたいというお声もいただいていることも踏まえまして、我々としてはそうした地域の取組をしっかりと応援していきたいという思いがございますので、今般モデル推進区域に設定したいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○尾形座長 今村構成員、よろしいでしょうか。
○今村構成員 分かりました。でも、ほかの医療構想の地域と違ってここは現在恐ろしく逼迫していて、今、奈良医大からも結構な人がまだ支援に入っているように思うので、そういう状況下のところであることをよく理解した上で対策を進めていく必要があると思います。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。
 1点だけ申し上げます。モデル推進区域等も示されておりますが、地方都市ではある一定の都市に急性期拠点病院が集中して、そして県全体の医療を支えるというのはよくあることなので、しっかりとこういったものを進めるに当たって各県の医療提供体制、患者の流入・流出、そういったところの地域の特性を踏まえてぜひお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 3月の当ワーキンググループにおきまして、地域医療構想調整会議を運営している都道府県への十分な説明と意見交換の機会の確保をお願いしておりましたが、その後厚生労働省におかれましては、担当者会議を複数回実施するなどしていただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 両区域の設定の考え方については、先ほど事務局から丁寧な説明がありました。そのとおりかと理解をしております。今後データに基づいた議論を前向きにしっかりと進めていこうということだと理解しておりますので、我々都道府県としても推進に努力してまいります。
 また、厚生労働省におかれましては、資料に示されたような地域の実情に応じた取組が進められるような技術的、財政的な支援を引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほか、よろしいでしょうか。
 それでは、ほかに御意見、御質問等もないようですので、本件は以上とさせていただきたいと思います。
 本日用意した議題は以上でございます。
 本日は様々な貴重な御意見を賜ったと思いますので、事務局におかれましては、本日の御意見も踏まえて必要な対応を進めていただきたいと思います。
 最後に、事務局から何かありますか。
○山口補佐 事務局でございます。
 次回のワーキンググループにつきましては、詳細が決まり次第改めて御連絡をいたします。よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきたいと思います。長時間にわたりまして大変熱心な御議論をどうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

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直通電話:03-3595-2186

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