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2024年5月27日 第4回新たな地域医療構想等に関する検討会
医政局
○日時
令和6年5月27日(月) 14:00~16:00
○場所
日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8階会議室
東京都千代田区内幸町2-2-3
○議事
○松本課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第4回「新たな地域医療構想等に関する検討会」を開会いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
また、本日は、猪口構成員より御欠席、山口構成員が15時頃から御参加との御連絡をいただいております。
また、香取構成員につきまして、まだ到着されておりませんが、御出席の予定でございます。
また、参考人として、高齢者住まい事業者団体連合会の市原俊男代表幹事、一般社団法人日本在宅介護協会の小林由憲常任理事、一般社団法人日本介護支援専門員協会の柴口里則会長、社会福祉連携推進法人人リガーレの山田尋志代表理事の4名の方をお呼びしております。
また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の八矢準公営企業室長、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官に御出席いただいております。
続きまして、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
事前に議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1から資料7、参考資料を配付いたしましたので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は、遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
皆様、こんにちは。
本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入る前に、代理出席につきましてお諮りいたします。
本日の会議につきましては、公益社団法人全日本病院協会の猪口構成員の代理として、常任理事の大田泰正参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(首肯する構成員あり)
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
本日の議題は「関係団体・有識者ヒアリング(第3回)」でございます。
構成員・参考人の計6名の方々から発表を行っていただくこととしております。
それでは、事務局より、ヒアリングの進め方についての説明をお願いします。
○高宮参事官 医療提供体制改革担当の参事官です。
資料1で本日のヒアリングの進め方を説明いたします。
2ページ目になります。
各発表者の方々から資料に沿って10分程度御説明をいただきます。
その後、全ての発表者の説明終了後、まとめて質疑応答を行います。
※で書いてございますが、事務局においてスクリーンに資料を画面共有いたします。
各発表者におかれましては、お渡しするポインターでスライド送りの操作をしていただきながら発表いただきますよう、お願いいたします。
発表の順番です。
最初に東構成員、次に、市原参考人、小林参考人、柴口参考人、山田参考人、櫻木構成員の順に発表をお願いいたします。
その後にまとめて質疑応答を行う予定としております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、早速、ヒアリングに入りたいと思います。
まずは、東構成員からよろしくお願いいたします。
○東構成員 ありがとうございます。
全国老人保健施設協会の東でございます。
本日はよろしくお願いいたします。
次をお願いいたします。
時間がありませんので、手短に申し上げます。
まず、3つテーマがありますが、1つ目が「高齢者施設における医療提供の実態」について、簡単に御紹介したいと思います。
次をお願いいたします。
高齢者施設、ここに書きました「介護医療院」から「認知症グループホーム」は、介護保険上の高齢者施設でございまして、これ以外にサ高住、有料老人ホーム等の高齢者施設もございます。
この中で、介護医療院と老健施設だけが常勤の医師が配置されている医療提供施設でございます。
次をお願いいたします。
左側の老健施設、右側の介護医療院、2つの施設においてどのような医療、並びにリハビリの提供を行っているか、少しお示ししました。
老健施設におきましては、所定疾患施設療養費がございまして、肺炎等の治療に加算がついております。
それから、その右にございますが、認知症短期集中的リハビリテーション等のリハビリに加算、それに、ターミナルケアの実施も加算がついているところでございます。
一方、介護医療院の報酬におきましては、感染症等の治療やターミナルケアは、基本療養費に含まれることになっております。
次をお願いいたします。
看取りの件でございますが、御存じのように、2040年に向けて高齢者の多死時代を迎えることが分かっております。
一方、右側でございますが、どこで亡くなるか(死亡の場所)につきましては、これも皆さん御存じのように、病院や診療所が2000年頃以降、減っております。一方、赤で示した介護施設が急速に増えていることが分かると思います。
次をお願いいたします。
老健施設におけるターミナルケア加算の算定状況でお示ししましたが、これを見ても、老健施設での看取りが年々増加していることが分かると思います。
次をお願いいたします。
次に、認知症短期集中リハビリテーションについて、少し御紹介したいと思います。
御存じの方もおられるかもしれませんが、御存じでない方も多いと思います。
あまり時間がありませんので、エビデンスだけお示しします。認知症短期集中リハビリテーションは、主に老健施設で行われておりますが、左は入所、右が通所リハのエビデンスでございますが、共にBPSDの改善に認知症リハビリテーションが効果的であるということが分かっております。
次をお願いいたします。
また、老健施設は機能によりまして5つの施設類型がありますが、機能の高い老健施設ほど、認知症短期集中リハビリテーションの算定が高いというきれいなエビデンスも出ているところでございます。
次をお願いいたします。
次に、老健施設の短期入所における総合医学管理加算、私どもは簡単に医療ショートと言っておりますが、この機能についても紹介したいと思います。
これは、在宅のかかりつけ医が軽度な医療ニーズと判断した場合、例えば脱水、熱中症、けが等を老健施設の医療ショートに紹介していただきますと、総合医学管理加算を算定することになっております。
総合医学管理加算は大変優れておりまして、治療と同時に、リハビリや適切な認知症ケアを提供しているために、急性期のように生活機能が落ちることがなく、速やかに、10日程度でまた御自宅に戻れる機能でございます。軽度な医療ニーズについては、このような機能をぜひ活用すべきと考えています。
次をお願いいたします。
一方、これは高齢者施設における稼働率の実態を示したものですが、老健施設の稼働率は、このように大変低いといいましょうか、87%ほどでございます。
介護医療院、特別養護老人ホームのような終の棲家でも、現在、稼働率がこのように落ちてきているわけでございますが、老健施設の場合は、さらに低い80%台の稼働率ですので、紹介を受けてもすぐに受け入れられる実態があることが分かると思います。
次をお願いいたします。
ということで、上流から下流と申し上げましたが、まとめますと、まずは医療機関側において、私どものような老健施設の医療提供機能等が十分に認知されていない実態があると思っています。
特に先ほど御紹介しました認知症短期集中リハビリの実態とか、医療ショートの実態、稼働率が平均80%台で、ほぼ受入れが可能であること、看取りが多く行われていること等が知られていない実態がございます。
次をお願いいたします。
次に「高齢者施設からの入院」について御紹介いたします。
次をお願いいたします。
これは、DPCのデータでございますが、介護施設・福祉施設からの入院患者は年間66万例もございます。
そして急性期一般入院基本料を算定する病棟へ入院する患者がその75%を占めています。
要するに、多くの要介護高齢者が急性期病院に入院している実態があり、その要介護高齢者の多くは認知症を合併していることも事実でございます。
次をお願いします。
これは、高齢者施設から入院したときの疾患名でございますが、一番上が誤嚥性肺炎。
その次に、尿路感染。それから、下に行きますと脱水、蜂窩織炎等、比較的軽い疾患で急性期病院に入院している実態が分かると思います。
次をお願いいたします。
これは、特養、老健施設、介護医療院からの退所先のパーセントを示したものです。ここの中で、特養からの医療機関への退所は23.7%でございますが、これは特養の場合、医療機関へ行きましても、そのベッドは、3か月は保持しなければいけないというルールがございます。したがって、退所として扱われていない入院が、このほかにも多く存在すると思われます。
老健施設と介護医療院に関しましても、33%、20%ぐらいまで医療機関に行っている事実がございます。
次をお願いいたします。
これも同じでございますが、老健施設から一般病床への退所が31.3%。介護医療院であっても、17.5%が入院している実態がございます。
次をお願いいたします。
認知症を合併している要介護高齢者が、本人・家族の希望を事前に確認することなく救急搬送されている実態、トリアージができていない実態があると私は考えています。
老健施設等の高齢者施設において、事前にどの程度の医療提供を希望するのかの意思提供、私は「プレターミナルACP」と言っておりますが、これができていれば、不要な救急搬送が減ると考えます。
また、在宅の要介護高齢者におきましても、プレターミナルACPを行うことによって、在宅のまま医療提供を受けるのか、救急搬送するのかのトリアージもできると考えておりますし、先ほど御紹介しました老健施設の医療ショートも、その選択肢の一つになると思われます。
再度申し上げますが、本人・家族が望まないような過度な医療提供を防ぐためにも、どこまでの医療を求めるのか、事前に確認しておくこと、明確にしておくことが重要と考えます。
次をお願いいたします。
老健施設及び介護医療院における医療対応を示したものです。老健施設の場合、心不全の疾患で多くの方が医療機関へ転院されておりますが、今回の介護報酬改定において、慢性心不全の増悪が所定疾患施設療養費の対象疾患に入ったため、急激に減ると思います。
ここで言いたいのは、老健施設や介護医療院から転院している例がそこそこ多いというところでございます。
次をお願いいたします。
先ほどのスライドをもう一度示しますが、老健施設から33%、介護医療院から20%の医療機関への転院は、プレターミナルACPを行うことによって、減少させることができると考えております。
次をお願いいたします。
「医療・介護の複合ニーズへの対応」でございます。
次をお願いいたします。
医療と介護の複合ニーズが一層高まる。これは皆さんお分かりのことだと思います。
次をお願いいたします。
一方、介護分野における介護職員の必要数。
このグラフも、皆さん御覧になったことがあると思いますが、2040年に向けて、介護人材が大変不足することが分かっていることでございます。
次をお願いいたします。
一方、一般病院への入院が、在宅要介護高齢者の要介護度を悪化させることも分かっている事実でございます。
次をお願いいたします。
ということで、2040年頃には、人材が圧倒的に不足いたします。
これからは、医療・介護の枠を超えて、役割分担をして、全体で支えることが必要だと考えます。
医療機関におきましては、治療を最優先とし、リハビリを行うことで、生活機能の維持を図りつつも、一定程度の生活機能、特に認知機能の悪化は致し方ないと私は考えます。
それよりも、一刻も早く退院して、リハビリ機能を十分に持つ老健施設等へつなぐことが効果的と考えます。
また、軽度の医療ニーズについては、先ほどから申し上げていますように、救急搬送等により医療機関を受診するだけではなく、老健施設の医療ショートを活用していくことも必要かと考えます。
次をお願いいたします。
これは、在宅要介護高齢者がどのようにトリアージされるべきかを示したものです。
重度の医療ニーズは、急性期、地域包括医療病棟。
中等度の医療ニーズは、地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟。
軽度の医療ニーズは、老健施設の医療ショート等を活用することを提案いたします。
次をお願いいたします。
高齢者施設からのトリアージにつきましては、このように、ちょっと複雑でございますが、救急搬送に関しましては、地域包括医療病棟。
その他は、介護医療院、老健施設、特養、有料老人ホーム等からは、この(資料2の27ページ)ような導線でトリアージができたらいいのではないかと考えます。
次をお願いいたします。
最後に「新たな地域医療構想に期待すること(介護の視点から)」でございます。これまでの地域医療構想の検討会は、病床の在り方を議論する場でございましたが、今後は要介護高齢者、認知症を有する高齢者の方をどこでどのように受けるのが適切なのか。
総合的な全体図を描きつつ、そのフィードバックを地域医療構想に結びつけていくことを期待しております。
以上です。
○遠藤座長 東構成員、ありがとうございました。
それでは、続きまして、高齢者住まい事業者団体連合会の市原参考人から御説明をいただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○市原参考人 高齢者住まい事業者団体連合会代表幹事の市原と申します。
本日はよろしくお願いいたします。
高齢者住まいと一口に申しましても、大きく分けて有料老人ホームと、サービスつき高齢者向け住宅に分かれます。
私どもの高住連(高齢者住まい事業者団体連合会)は、それぞれの事業者団体、3つの団体の連合体です。
この辺は飛ばします。
御承知のとおり、特定施設の指定を受けている介護付き有料老人ホームと、特定施設の指定を受けていない住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の3つに分かれます。
介護付きホームは、介護サービスを事業者が自ら提供する内包型。
サ高住と住宅型は、外部サービスの介護事業者を使うという分類になっておりまして、それぞれ根拠法が、介護付きホームは老人福祉法、サ高住は高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づいております。
住宅型も、老人福祉法に準拠しております。
高齢者住まいの件数ですが、建物としては2万3000件あります。
入居者の数としても、有料老人ホーム、サ高住を足し算しますと、約90万人の方がお暮らしです。
80歳以上の人口を分母にした場合、80歳以上の人口は1260万ぐらいですから、1260万を分母にして90万にすると、約7%の高齢者が高齢者住まいに入居していると。かなりのシェアになっていると思います。
それから、入居・退去の状況ですが、介護付きホームにしても、住宅型にしても、医療機関から入居してくる方が3~4割ございます。
サ高住においても、医療機関から入居してくる方が25%ございますので、かなり医療的ニーズを持って入居してくると判断されます。
それから、退去ですが、介護付きホーム、住宅型ホームも、大体半数以上がお亡くなりになって契約終了、退去になります。
あとは医療機関等への退去も3割ぐらいございます。
看取りのケアにつきましても、亡くなる方の半数ぐらいは、ホーム、高齢者住まいの中でお看取りしております。
また、看取りの体制も徐々に整えつつありまして、7~8割ぐらいの高齢者住まいにおいて看取りの体制を整えつつあります。
ただ、看取りが提供できるかどうかについては、そのときの一人一人の状況によりますので、必ずしも全ての方をみとれているわけではございませんが、体制としては7~8割ぐらいの看取りの体制を取っております。
看取りの体制は、言うまでもなく在宅支援診療所、あるいは医療機関の御支援があってのことですので、医療機関、在宅支援診療所の高齢者住まいに対する御理解、御協力、御支援については不可欠と理解しております。
そして、高齢者住まいの特徴としましては、外づけなり、内づけなりにかかわらず、介護保険サービスを使いながら、住まいのコストについては、原則、利用者が負担しております。
そして、その他の生活支援サービス、食事サービスについても、利用者が自己負担のハイブリッドの方式です。
特徴としましては、先ほど申しましたが、有料老人ホームにおいては看護師の配置が義務づけられておりますし、サ高住も含めて、医療機関との連携を強化しております。
今回の令和6年度の介護保険制度改正及び報酬改定との関係におきましては、今回の制度改正においては、医療機関との連携を強化するようにと盛り込まれております。
例えば有料老人ホームにおいては、看護師の配置においては、正看を配置することによって加算がプラスになるとか、緊急時の対応、あるいは医療機関との緊急時の対応をどうするかということについて、医療機関との確認を年1回行うようにとか、相談対応、診療体制を常時確保できる医療機関を定めると。これは努力目標ですが、高齢者住まいにおいては、相談対応、診療体制を常時確保できる医療機関を定めておくようにということが努力目標で置かれております。
それから、高齢者住まいから医療機関への情報提供も、さらに十分な情報提供をするようにということも求められております。
それから、医療機関から戻ってから退院される場合も、早期退院を高齢者住まいで受けるようにという努力目標も置かれております。
次に、医療と介護の連携の推進において、今般、診療報酬改定が行われまして、我々は高齢者住まいのほうで、介護保険法ですから、診療報酬改定については、何も申し上げる立場にはないのですが、今般、在宅支援診療所の診療報酬改定においては、減算が強化されたようでして、我々としては、在宅支援診療所の医療機関の方が、報酬の減算の影響で高齢者の住まいに対する支援、あるいは訪問が減ってくる、あるいはもう行くことができませんと言われることが起きるのではないかと懸念しております。
この辺については、高齢者住まいとしては、在宅支援診療所の先生、医療機関の先生の御支援が不可欠ですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
診療報酬改定が行われましたので、高齢者の住まいとしては、先生がお越しいただけなくなることがないようにということを希望しておりますので、よろしくお願いいたします。
それから、同一建物。
高齢者住まいにおいては、法律上、内づけ・外づけと分類されておるのですが、実質的には、特にサ高住、住宅型においては、同一の事業体が訪問介護、デイサービス等の介護事業を同じ敷地内、あるいは近くに設置して、住まいとサービスを提供している実態がございます。
これに対しましては、同一建物における減算が強化されておりまして、同一建物の中で90%以上の方をお世話している場合は、赤字のところですが、12%の減算と、2%ほどの減算が強化されております。
同一建物において、あるいは同じ建物、隣接にかかわらず、あるいは遠隔地においても、同じ建物の中で90%の方をお世話している、介護サービスを提供している場合は、12%という減算の強化がなされましたので、この辺も高齢者の住まいとしては、2%とはいえ、減算強化は、経営が影響を受けるのではないかと懸念しております。
地域医療に関する考え方としましては、高齢者が集まって住む、集住化して住むことについては、効率性・合理性はあると考えております。
先ほども80歳以上は、7%ぐらいの方が高齢者住まいに入居されていますので、これが今後どうなるか。
いろいろと政策とか介護報酬の行く末にもよって、大分影響されると思うのですが、もう少し、あと10%か、12~13%ぐらいまでは高齢者住まいに対する需要はあると思っております。
もちろん、介護人材が不足するとか、介護報酬体系がどうなるかによっても影響されると思いますが、もう少し高齢者の住まいに対する需要は、あと3~5%ぐらいはあるのではないかと思います。
そして、高齢者の住まいとしては、慢性疾患の管理とか食事の提供、あるいは24時間体制の見守りなどが高齢者住まいの利点かと思います。
あとは、原則個室ですし、プライバシーを保護して、その暮らしを全般的に支えていくのを高齢者住まいの目標としているところであります。
ただ、非常に高齢者住まいが増えておりますので、地域の医療機関の皆様と連携を強化する。連携も、お願いするだけではなくて、こちら側としてもいろいろと努力していかなければいけない。
例えばアドバンスケアプランニングを全入居者と言わないけれども、今、半分ぐらいしかできておりませんが、6~8割ぐらいアドバンスケアプランニングを入居者とよく打合せをしていく。
あるいは入居のときは、病院等からの情報を頂いておりますが、今度、高齢者住まいから医療機関に入院するときは、医療・介護の情報を提供していく、あるいは先ほど言いましたが、早期退院については、できるだけ受入れに協力していくとか、看取りの対応の強化とかについては、高齢者住まいも今後努力していきたいと思っております。
いずれにいたしましても、高齢者住まいと地域の医療機関の皆様との連携強化、そして、我々もなすべきことをさらに努力していきたいと思っております。
以上です。
ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、一般社団法人日本在宅介護協会の小林参考人からの御説明をお願いいたします。
○小林参考人 日本在宅介護協会の小林と申します。
よろしくお願いいたします。
まずは、本ヒアリングの場に当協会へお声がけをいただきまして、ありがとうございます。
ただ、いかんせん医療の分野に関してになりますので、過去からの相当な議論を積み重ねてこられたと思いますが、場合によっては、今回の論点から若干ずれてしまうような提言があるやもしれませんが、御容赦いただければと思います。
まず、今回の構想を踏まえた中での在宅介護の課題みたいなことを大きく3点ほど。
皆さんも十分に御存じのことだと思いますが、改めて御説明させていただきます。
医療もそうだと思いますが、介護に関しましても、人材不足が非常に危機的な状況になっておりまして、これは令和4年度の介護労働実態調査になりますが、9割近くの事業所が採用が困難な状況になっているということでございます。
恐らく、この夏にも、また令和5年度版の調査結果が出てくると思いますが、肌感覚的にはさらに悪化しているのではないかと感じておりますし、また、この採用難が採用コストを増加させる要因にもなっておりまして、経営が悪化する要因にもなっております。
これも、昨年よく出た資料でありますが、医療・福祉においては、離職が超過したという話題がかなり出てきまして、こちらも、医療のほうの状況は詳しく押さえておりませんが、介護に関して言うと、さらに悪化した状況になっているのではないかと思っております。
そういった中でも、特に深刻と言われているのが、私どもが主力事業として行っております訪問介護の人材不足でございます。
施設系に関しては、数年前から外国人人材の活用なども進んでおりまして、その点は、訪問分野においてはまだ規制がかかっているところも要因の一つなのではないかと思っておりますが、訪問介護の人材不足が顕著になっております。
また、訪問介護においては、介護人材全体が高齢化の問題を抱えておりますが、特に訪問介護は高齢化も問題になっている状況でございます。
外国人人材に関しては、現在、規制の緩和が議論されておりまして、ある程度の方向感が出てきたところではありますが、当然のように、資格要件等、日本人と同様の規定が盛り込まれる予定になっておりますので、その辺が今後、根本的な解決につながっていくかというのは、少し疑問点が残っている部分であります。
とにかく、訪問介護が非常に深刻な状況になっておりまして、実際にその不足が、利用される方への影響につながってきていることも顕在化してきている状況であります。
訪問介護だけではなくて、まだそんなに大きくクローズアップされている問題ではないのかもしれませんが、在宅介護分野における介護保険のキープレーヤーである介護支援専門員も非常に不足してきている状況で、また、管理者要件等にも入っております主任介護支援専門員も、同じように採用が非常に困難な状況になってきている状況でございます。
2点目です。
これもよく言われていることでありますが、全産業平均と比較したときの賃金差が、平成21年10月以降、処遇改善は、当初は交付金のような形でしたが、現在の加算になって、徐々に差が縮まってきていたような傾向もあったのですが、ここ数年の世の中の賃上げムードといいますか、賃上げのペースになかなか介護のほうが追いついていかないような状況でありまして、またここに来て差が拡大していっている状況でございます。
今、この資料では、4月の数字を使っていますので、5.24となっていますが、この春闘、直近では、もうちょっと賃上げ率がいい方向に行っているようですが、介護は、今回の報酬改定で令和6年度が2.5%、来年度が2%と織り込まれておりますが、世の中の動きと比較して、その差が拡大していくような状況になっております。
それから、テクノロジーの活用。ICT。
人材不足に絡んで、制度の中でも、補助金等も含めていろいろと御支援をいただいておるところではあるのですが「いずれも導入していない」という状況が、回答としてはまだまだ非常に高いような状況になっておりまして、在宅系で言いますと、いろいろな機器、テクノロジーみたいなところは、施設に比べれば利用頻度も少ないのかなと思いますが、介護の業務支援のソフトみたいなところも、導入しているところはまだまだ非常に少ない状況であります。
この一因として「導入コストが高い」と。
特に在宅系の場合は、比較的小規模な事業者も多いこともあって、費用の面でなかなか活用に踏み切れない実態があるようですし、補助金もいろいろと制度化していただいておりますが、実際には償還払いになるようなところが多くて、そこの初期投資の額を捻出できないという声も出てきております。
このような状況の中で、今回、ヒアリングに参加させていただくに当たりまして、協会の会員企業の一部から、実際に現場で働いている介護職であったり、介護支援専門員等から幾つか意見を集めてきました。
細かく載っておりますので、この場では時間の制約もありますので、全ては触れませんが、多くは、いろいろなシーンにおいてではありますが、受入れの問題とか、情報共有に対しての課題みたいなことが多く意見として上がってきております。
また、今回、ここには載せなかったのですが、介護側の医療に対する苦手意識みたいなところから、若干敷居の高さを感じているようなところで、なかなか介護側から積極的に連携に踏み切れないような意見なども出ておりました。
これらを踏まえて、当協会からの要望になっていくわけですが、先ほど東会長の御意見にもありましたが、2040年の姿を描いたときには、医療も介護も、圧倒的な担い手不足が間違いなく現実の問題として起こるだろうということでは、医療も介護もですが、限られた人的資源を効果的・効率的に活用していくことが極めて大事なのではないかと。
コンパクトシティ化などとも書かせていただきましたが、特に地方の分野においては、診療等に時間がかかるとも言われております。
また、介護も予防に力を入れておりますが、医師の意見としても、予防に対して報酬上の評価がされていけば、こちらに重点を置いたことが可能になってくるのではないかという意見も聞いております。
提言は、大きく3つになります。
1つ目です。
かかりつけ医との連携、情報連携の仕組みが非常に重要だという意見が多くございます。
医療・介護の複合ニーズに応えていくためには、イニシアチブを取る存在として、かかりつけ医が非常に重要になってくるということです。
それ以下3点に関しては、先ほど申しましたが、介護側が少しハードルの高さを感じるような部分もございましたので、研修等も踏まえて、常に顔の見える関係性みたいなことを。
これは、各保険者等の計画等にもよるかもしれませんが、特に介護支援専門員などがそういったところで、医療側としっかりと連携を取る体制をつくっていくことが非常に重要なのではないかと出ております。
それから、情報連携です。
実際の利用者の支援の分野ではMCSなどが活用されて、効果を上げているようですが、そもそもの基本情報を共有するためのインターフェースの構築は、国の関与が不可欠なのではないかと思っております。
介護では、昨年からケアプランデータ連携のようなものがスタートしておりますが、医療と介護においても、情報をそれぞれのベンダーに依存しないような形で共有できる仕組みが必要だと感じております。
それから、医療機関と介護事業所の効果的・効率的な活用につきましては、かかりつけ医が機能するには、訪問看護が極めて重要だと聞いておりますので、これだけ人材が限られた中でありますので、現状、介護の中でも看護師の配置が義務づけられている部分もありますので、本来いるべき場所でしっかりと必要な仕事をしていただくために、本当に介護のほうにも看護師等の配置が必要なのかを改めて議論する必要があると思っております。
それから、介護の必要度に応じて、高齢者の方が住まいを変えていくことによって、現状では制度上、今までの医療から切り離されるような場面が出てきておりますので、どの場所に移り住んでも、今までと変わらない医療が切れ目なく受けられることが必要ではないのかと考えております。
最後になりますが、今回の報酬改定の中で、医介の連携が報酬上、評価されました。
現段階では、こちらに関して、いろいろな場面で評価されているような声を多く聞いておりますので、さらにこれらのことが今後の改定の中で進んでいくことを希望しておりますし、また、医療と介護の複合ニーズに同時に対応できるような保険制度上の仕組みへの転換をお願いできればと思っております。
以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、一般社団法人日本介護支援専門員協会の柴口参考人からお話を承りたいと思います。
よろしくお願いします。
○柴口参考人 ありがとうございます。
今紹介していただきました、日本介護支援専門員協会の柴口でございます。
冒頭に、このような場を提供していただきまして、ありがとうございます。
私から、まずは課題を5つ、イメージという形で3つ、最後に、期待するという形で発言させていただきますので、よろしくお願いいたします。
最初のスライドをお願いします。
こちらは、皆さんも御存じだと思うのですが、医療と介護の連携状況の課題という形で、65歳以上がどんどん増えることと、それに向けて単独世帯が増えていきます。
そして、85歳以上の人も増えていくことが示されています。
次のスライドをお願いします。
特に認知症です。
単独世帯の認知症の高齢者ということで、85歳以上がどんどん増えていくことが示されております。
次をお願いします。
これに伴いまして、医療と介護の連携の状況は、まずは意思決定困難となり、医療・介護従事者や関係者による支援に支障を来し、医療・介護連携がさらに推進され、早期入退院が推進される一方で、場合によっては、早期の入退院を困難とする例のさらなる増加が懸念されるということで、黒ポツで5点ほど挙げさせていただいています。
まず、認知症状等のある利用者に関する入院調整(大腿骨骨折等安静保持必要な疾患の増加)。
2つ目、家族等支援者がないことで入院時・入院中の身の回りの支援。
3つ目ですが、退院許可が出るものの、退院後の居所決定(施設、在宅、自宅、他)に時間を要し、やむを得ず退院の遅延や転院を余儀なくされる例の再増加の懸念です。
4つ目ですが、いわゆる「人生の最終段階における意思決定支援」が困難。
最後になりますが、利用者・患者にとって望ましい暮らしやQOLが維持される環境かどうかはっきりしないまま、各種日常生活に必要な意思決定が困難なため、ケアマネジメントをはじめ、各種介護サービス利用契約、生活支援、その他、緊急時等のリスク回避で常時見守りできる施設・住居等への入居を選択せざるを得ない例の増加が懸念されます。
次のスライドをお願いします。
こちらは、ケアマネジャーが担当している利用者の状況の3年間の変化を調査されたもので、「利用者に認知症がみられるケース」や「利用者に医療的ケアが必要になるケース」「利用者の同居家族に要介護者がいるケース」が増加しているというケアマネジャーが半数以上もいる。
いずれのケースについても「減少している」と感じているケアマネジャーの割合は少ないという結果になっています。
こちらは、また後ほど見ていただければと思います。
次のスライドをお願いします。
今度は、ケアマネジャーのモニタリングです。
「定期の安否確認を除く緊急訪問」が最も多く、次いで「家族介護者本人に対する相談対応」「サービス調整等に関わらない電話等への対応、時間外相談」に対応されているということで、調査結果も出ております。
次のスライドをお願いします。
こちらは当協会が実施した調査で「居宅介護支援の利用者に対する支援として居宅介護支援の業務内で行うべきもの」各項をここに挙げておりますので、こちらもぜひ後ほど見ていただけたらいいかと思います。
次のスライドをお願いします。
次に「退院時の医療との連携における課題」ということで、○が2つです。
まずは、居宅介護支援事業所が困難と感じる場合。
「医療機関からの急な退院連絡による対応困難」が5割ほど出ております。
また「医療機関の都合に合わせた訪問日程の調整」が3割ぐらい。
または「医療機関が困難と感じる点」ということで「治療等の理由により退院の連絡が直前になること」が7割ぐらい。
「ケアマネジャーとの日程調整が難しい」が4割ぐらいと示されております。
次のスライドをお願いします。
こちらは「高齢者施設等における医療の提供」という形で、1つ目、高齢者施設等における医療の提供については、今般の診療報酬・介護報酬改定を 受けて、介護保険施設だけでなく、特定施設や認知症グループホームも含めて、協力医療機関との連携体制の構築を図る方向性での改定が実施された。
具体的には、施設等と協力医療機関において、定期的な会議の開催や、会議において入居者の病歴等の情報共有を行うことが評価されるようになっております。
また、入院後、病状が軽快し、退院が可能となった場合には、速やかに再入所できるよう努めることとなりました。
まだ介護報酬改定から1~2か月しか経過していませんが、協力医療機関と施設等との連携体制や、契約締結状況は不明であるが、うまく連携が取れている施設等とまだ協議を継続している地域があるとの情報があります。
最後に、医療圏と介護保険事業計画圏域が一致している場合は、同じ圏域で医療機関、施設等とも双方比較的過不足なく、また、行政の相談支援も受けやすいと考えるが、医療圏域が多数の市町村にわたる場合は、必ずしも協力したい医療機関が施設等の近辺にない場合もありますので、特定の医療機関に多数の施設等から要請があり、調整中の場合もありますという形です。
次のスライドになります。
今度は看取りに関してですが「令和4年度人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」では「最期の場所をどこで迎えたいか」で約44%が「自宅」と示されています。
また「認知症になった場合過ごしたい場所について」も「施設」が53%と増加している。
また「自宅以外」を選択した理由としましては「①意思決定支援者がいない」ということで、本人に判断能力がない独居の場合は、支援者側が在宅生活困難と判断し、施設入所になっている。
ここは、意思決定支援が必要ではないかと思っています。
2つ目です。
「訪問してくれるかかりつけ医がいない」「訪問看護体制が整っていない」ということで「訪問介護体制が整っていない」「介護してくれる家族がいない」など、自宅で受ける訪問系サービスが整っていないという返答が多くなっております。
有効求人倍率も、ホームヘルパーが34倍、介護支援専門員が9.44倍。
先ほど日本在宅介護協会さんから、介護者の職員が不足していると示されておりますが、ケアマネジャーもこのような形で出ております。
次をお願いします。
続きまして、生活支援体制が整備されているかということで、在宅医療が受けられる体制が整備されていくことで、今後、入院ではなく、可能な限り在宅で対応を行っていく、様々な病態、状態像の人々が地域で療養生活を送ることになることに鑑み、それらの要介護者等を含む在宅療養者らに対して、医療及び在宅介護サービスの適切な提供を可能とする介護サービスの整備がなされるとともに、独居であったり、ある程度認知症があっても、地域で生活するための生活支援体制が整備されている必要があると考えられます。
次のスライドをお願いします。
2つ目が「医療と介護が一体的に提供されている」。
各地域においても、一部で地域医療情報連携ネットワークの活用が進んできている様子もあり、リテラシーやアクセス制限の問題もありますが、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所をはじめ、介護職種がネットワークに参加できていない状況があります。
このため、今後、さらに医療機関と施設、地域が一体となって、健康や暮らしを守る地域であることが望まれるため、入院だけでなく、外来、在宅、かかりつけ医機能、訪問看護、介護サービスなどと一体的に考えていく必要があるのではないかと思います。
次をお願いします。
こちらは、業務内容の変化を制度発足時の介護支援専門員の業務と現在の業務を示させていただいています。
次のスライドをお願いします。
3つ目ですが「介護連携情報基盤の整備 介護者へのサポート体制の構築」。
限られた人材資源を有効に活用し、適切な医療介護が提供できるようにするためにも、介護情報基盤の整備を含め、医療・介護の情報の連携が効果的にできるようになるシステムが構築できるようになること。
また、当協会においても、ワークサポートケアマネジャーの養成を行っています。
今後、さらに介護者へのサポート体制も整い、国民自身が自分の健康を自分で守ることへの意識が高まっていくことも必要であるのではないかと思っています。
次をお願いします。
こちらは、高齢者の複合ニーズに対し、集中的な入院医療と在宅生活を支える在宅医療が必要ではないのかということで、病院機能、在宅という形で、特に在宅の場合は、予防・治療から看取りまでのその人らしい生活を支援することが今後考えられるのではないかと思っています。
次をお願いします。
最後になりますが「新たな地域医療構想に期待すること」ということで、医療体制整備が進むことで、今後、さらに在院日数の短縮が進み、退院患者は、医療機器を装着した患者や緩和ケア期に入った患者も、在宅を主とした治療となるなど、地域に極めて多様な患者像が存在するようになることが想定されます。
そこで、医療と介護、福祉、生活支援サービスなど複数の制度から提供されるサービスを統合し、利用者の病態・ADL・社会状況にふさわしい地域包括ケアシステムが確立されること。
地域医療ネットワークの構築も進み、市町村ごとに基幹型の救急及び在宅医療連携拠点と地域包括支援センターが連携し、医療や介護を含めた様々な生活支援サービスがどこにいても受けられる体制が構築されることを期待したいと思います。
以上、発表させていただきます。
ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、社会福祉連携推進法人人リガーレの山田参考人より御説明をお願いいたします。
○山田参考人 社会福祉連携推進法人人リガーレ代表理事の山田と申します。
よろしくお願いいたします。
本日は、このような発言の機会をいただき、ありがとうございます。
社会福祉連携推進法人人リガーレの設立趣旨や活動内容につきましては、後ほどお話しさせていただきます。
それでは、介護の立場から、新たな地域医療構想に期待することにつきまして、スライドに沿ってお話しさせていただきます。
次をお願いいたします。
「介護の側からの医療・介護連携の論点」として、ここに記載している4点についてお話しさせていただきます。
次をお願いします。
最初に「医療と介護~連携の状況と課題」について、3つの話をさせていただきます。
次をお願いします。
「地方と都市部/在宅及び施設/医療・介護連携の状況と課題」です。
私ども社会福祉連携推進法人リガーレ参加法人の一つが事業を行っている京丹後市、旧丹後町は人口が4,400人ほどですが、そこでは3つの開業医診療所が町民の医療を支えています。個々の住民に安心な日常の医療を提供している状況と聞いております。
次に、都市部におきましても、特養に関しましては、特定の配置医師が個々の入居者に対して、包括的な医療的サポートを行う仕組みになっています。言わば丹後町と同様の状況が可能であるとも言えるかもしれません。
一方、都市部の在宅に関しましては、高齢期に認知症の重度化などによって、生活機能に急激な変化が生じた場合に、それまで複数の専門医にかかっている医療から、身近な往診を行う総合医に移行することが望ましいという判断で移行するケースが見受けられます。
それらについて、最後に課題を書いておきましたが、休日・夜間、緊急時、あるいは医療体制という課題があります。
それから、特養に関しては、配置医師の成り手が少ないことも含めた医療提供体制の課題があります。
在宅においては、往診を含む一定の条件を備えた開業医や診療所が少ないという課題があります。
次をお願いします。
「医療・介護、互いの価値と制度へのリテラシー」の課題です。
医療・介護連携推進センターとか地域包括支援センター、あるいは病院地域連携室などによりまして、医療・介護双方のつながりを促進する仕組みが進み始めていると感じています。
ただ、双方の価値や制度へのリテラシーをさらに高める必要性を強く感じます。
次をお願いします。
このスライドは、私ども介護関係者に、医療との連携の課題についての声を聞き取ったものです。
時間の関係で、個々には申し上げませんが、最初の6点が在宅の医療。
次の5点が入院に際して。
最後の3つは、医療による生活への理解等、一般的な医療と介護の課題の声が上がっています。
次をお願いします。
次に、人材確保・育成等の課題ということで、法人連携などについて、3点についての話をいたします。
次をお願いいたします。
このスライドは、厚労省による地域医療連携推進法人設立の効果を説明したものです。
次をお願いします。
このスライドは、厚労省による社会福祉連携推進法人の仕組みや趣旨を説明しているものです。
次をお願いします。
これらは、いずれも今後、ますます厳しくなる人材の課題、経営の課題、ひいてはそれぞれの地域における医療・介護のインフラの維持に関して、法人の連携による有効性を期待するものだと思います。
社会福祉連携推進法人リガーレは、それぞれ地域の異なる5つの社会福祉法人により設立しました。
連携推進法人が行う業務として、制度上設けられている6つの業務のうち、貸付業務を除く5つの業務を選択しています。
5つの業務は、この下から4行目、地域福祉推進、災害対策、経営支援、人材確保・育成、物資等共同購入の5つを業務として選択しております。
次をお願いします。
リガーレグループは、2010年、今から14年前から、2つの目的で連携を行っています。
一つは、小規模多機能など、生活圏域に密着した事業展開をサポートすること。
もう一つは、人材の確保・育成です。
人材確保・育成のために、2名の研修等の専任職員をグループで採用しました。
当該専任職員によるグループでの統一した研修の企画・実施、あるいは各法人を巡回して、スーパーバイズを行う。
この2名の人件費を参加法人で案分負担する仕組みを取ってきました。
次をお願いします。
私どもリガーレは、小さな法人、中小法人の集まりですが、大規模法人に比べて人材の育成や確保に関して、大変脆弱な現状がございます。それらの機能をグループで連携することで対応しようということを行ってきたわけです。
次をお願いします。
このスライドは、私ども5法人、5法人と申しましても、私、山田が運営していますリガーレ暮らしの架け橋は、京都市内の町なかですが、他の4法人は人口減少が進んでおり、医療資源・介護資源の少ない地方で運営しています。
この各地域の医療状況を一覧にしたものです。
次をお願いします。
各グループの地域でいただいた医療課題を整理したものです。
次をお願いします。
山田が運営しておりますリガーレ暮らしの架け橋では、京都市北区の大徳寺というお寺の土地をお借りして、小規模多機能、地域密特養などの地域密着型介護事業を行っていますが、介護福祉士資格取得後のキャリアパスとして医療などについてより深く学ぶ研修である認定介護福祉士に繋がるコミュニティケアワーカー研修を事業者団体を通じて京都市に提案しました。
そして、京都市は独自に地域ケアリーダーとして、認定介護福祉士の研修につながるコミュニティケアワーカーの養成研修を行っており、その紹介です。
これらは、医療に関するリテラシーを高める科目が充実しています。
それから、リガーレ暮らしの架け橋で2019年度から導入した、介護職のタスクシフトの事例、介護アテンド職の紹介です。
次をお願いします。
これは、コミュニティケアワーカー養成研修について京都市が作成したスライドです。第8期、2021年から第9期にかけて、各生活圏域に1名ずつ配置を目標にした養成研修が行われています。
次をお願いします。
これは京都市コミュニティケアワーカーの研修科目です。
次をお願いします。
これは、認定介護福祉士の研修科目です。
医療、リハ等の研修が充実したものになっています。
次をお願いします。
これも認定介護福祉士の研修科目です。
次をお願いします。
これは、介護アテンド職という私どもの施設で導入した、いわゆる介護職のタスクシフトの事例です。
次をお願いします。
現在、30名ほどの介護アテンド職が働いてくれていますが、大体どういう方たちが働いてくれているかという内訳です。
特にわたしどもの地域密着型の事業所では、徒歩15分以内から勤務している方が73%と、地域の皆さんが多く介護アテンド職として就労してくれています。
次をお願いします。
2040年の医療・介護体制について、このようになっていればいいなというイメージをお示ししたいと思います。
次をお願いします。
まず、私どものグループの多くは地方で事業運営していますが、今、医師の偏在の問題や働き方改革に伴う課題とかが国で検討されておりまして、ぜひ有効な方向性が示されることを前提に、地方のそれぞれの特性に応じた様々な成功事例があると仄聞しています。
それらを参考に医療関係団体、あるいは都道府県、市町村が最適解を検討する仕組みが構築されていけばよいと考えています。
次をお願いします。
それから、都市部における在宅のかかりつけ医の問題です。
先ほど申し上げたように、認知症等のライフイベントを契機に、生活機能が急激に低下する。そういうときに、それまで複数の様々な専門医療にかかっていた方が、いわゆる総合医に移行します。先ほど課題として申し上げましたが、往診も含めたそういう在宅かかりつけ医師がまだ少ない。それが、十分な仕組みとして構築されているイメージになればよいと考えております。
この点に関して3つのことを書いておりますが、ひとつは、地域においてそれを引き受けることができる往診可能なかかりつけ医が配置され、それをバックアップする地域病院など、地域を面として支える医療体制が構築されていることです。
2点目は、移行に当たって、本人に伴走している地域包括や小多機、あるいはケアマネなどの存在が、生活機能が激変したことに気づいて、先ほども話があった、いわゆる意思決定支援なども含めて、要するに、気づき、つなぐという機能が十分に構築されているということです。
最後に、移行するときに、本人の医療情報が一元的に共有される仕組みが構築されていること。
こういうことができていればいいなと思います。
次をお願いします。
これは、医療介護総合確保促進会議で示された図ですが、特にアンダーラインの市町村における医療介護総合確保区域を日常生活圏域を念頭に置いて設定している点に大変注目しております。
次をお願いします。
特養です。
特養に対する医療提供体制ですが、これもいろいろな考え方があると思いますが、要は、特養配置医師への報酬上のインセンティブを検討するなどして、生活の場に安心な医療環境が用意されている状況になっていることを期待しています。
3点の提案をしています。
特養が認知症を含む重度要介護高齢者にとって、地域における安心な住まい、特養が個室ユニット型となり住まいへと変わっていくと考えています。
それを支える医療提供体制が、介護報酬・診療報酬の在り方を含め、再構築されていること。
2点目、特養における医療は、いわゆる多職種連携が円滑に行われるという利点があります。
日常の連携体制など、生活機能が低下した在宅認知症等要介護高齢者に対するかかりつけ医機能のあるべき姿のモデルになり得るのではないかと考えています。
最後に、入退院に際して、福祉職だけでなく、配置医師及び看護師など施設医療専門職の立ち合いを必須とするなど、その役割を明確にすることによって、認知症等要介護高齢者に対するかかりつけ医機能のあるべき姿のモデルが構築されている。
こういう状況を期待しております。
次をお願いします。
「医療・介護、互いの価値や制度へのリテラシーを高める仕組みの構築」ですが、1点目、今回介護報酬改定でお話が出ていましたように、特養の協力医療機関との関係強化がうたわれている。これは、互いのリテラシーを高めるいい機会になると思います。
さらに、この連携を日常化する仕組みが機能しておればよいと考えています。
2点目です。
それぞれの地域における医療・介護事業所連絡会が必置とされ、具体的事例に基づく地域学習会が日常的に実施されている。
例えば京都市北区で、医療・介護関係者70名ほどで毎月開かれている連絡会では、地域包括ケア病棟を理解し、活用していこうという勉強会が行われました。
地域包括ケア病棟では、白内障手術の術後の1日4回点眼、この薬は5分後みたいなややこしい話になると、独り暮らし認知症の人たちは無理なのです。その間を地域包括ケア病棟で支えていますという報告で、介護関係職員が学ぶ機会になりました。
3点目ですが、それぞれの専門資格カリキュラムへの導入やリカレント教育を前提にですが、加えて市町村、各職能団体における地域ごとの育成の取組が行われていることです。
先ほどの認定介護福祉士やコミュニティケアワーカーもそうですが、京都府の看護協会で以前、何年か小規模多機能で病棟看護師さんの実習が行われました。
認知症の方が、地域で独り暮らしでも豊かに暮らしている事例を病棟看護師さんが学び感動したというレポートを拝見しました。
次をお願いします。
最後に「新たな地域医療構想に期待すること」ということですが、これからの重要な社会的な課題として危惧されているように、独り暮らし、老夫婦世帯、MCI、認知症等高齢者が増えていきます。
そういう方を支える医療、あるいは伴走型介護拠点の整備、日常生活圏域を基盤とした地域を面として支える安心な医療・介護連携体制の整備が喫緊の課題と考えています。
わが国の医療・介護の仕組みは、世界的にも優れていると言われていますが、自ら意思決定できる方、あるいはしっかりとした家族がついている方には大変いいサービスなのです。
ところが、先ほどから出ています、私が申し上げました認知症等により生活機能が激変した人に対する医療の在り方、伴走型介護拠点のあり方などが次の大きな課題だと考えます。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、公益社団法人日本精神科病院協会の櫻木構成員から御説明をお願いしたいと思います。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
日本精神科病院協会の櫻木です。
今回、ヒアリングの機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
従来、2025年を目途とする地域医療構想では、一般病床あるいは療養病床の病床機能の機能分化、あるいは連携ということで、精神医療は直接関係はなかったということでありましたが、今回、在宅あるいは地域での様々な解決ということでは、精神科医療もかなり関連を持つことが考えられます。
今日は、精神科医療の現状についてお話しした上で、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を軸に、一般の日常の医療、あるいは介護、障害福祉サービスとの連携という観点でお話ししたいと思います。
次のスライドをお願いします。
「精神科医療の現状」についてです。
精神疾患は、医療計画における5疾病6事業のうちの疾患の一つとなっています。
これは、第6次医療計画から5疾病として取り上げられるようになりました。
これは、患者さんの数が多い。したがって、それによって死亡する数も多い。
したがって、その継続的な医療のサービスの構築、あるいは医療機関間での連携が必要だということで、5疾病のうちに入れられたものです。
精神疾患の患者さんの数は、令和2年においては、5疾病のうち糖尿病、これは579万人いらっしゃるわけですが、それを超えて最多の614万人に上っています。
精神科病院の病床は減少傾向が顕著で、自主的な病床削減が起こっています。
従来から精神病床に関しては、治療機能、例えば認知症、あるいは児童・思春期といった治療機能ごとの病棟機能の分化が進められておりましたが、令和6年度、今回の診療報酬の改定において地域包括ケア病棟が誕生したため、急性期の救急急性期病棟、回復期の地ケア病棟、慢性期を担当する精神療養病棟といった病気ごとの機能分化がラインナップされました。
次をお願いします。
これは、先ほどの5疾病の数を示したものです。
令和2年から推計の方法が変わりました。
医療関係の構成員は御存じのこととは思いますが、それまで推計の方法としては、外来の患者さんに関して、31日以上を算定の条件としておりましたが、令和2年からは99日以上を除外して算定するということで、そこからフェーズが変わっております。
次をお願いします。
精神疾患を有する患者さんの数ということで、令和2年においては、外来の患者さんが586.1万人。
入院の患者さんが28.8万人となっています。
これも令和2年から集計方法が変わっていることを参考にしてください。
次をお願いします。
外来の患者さんに関して言えば、先ほどお話しした586.1万人ですが、疾病別で言えば「気分障害(躁うつ病を含む)」「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」「その他の精神及び行動の障害」といった順番に多いということになっております。
次をお願いします。
外来患者さんに関して、年齢階層別に示したものです。
年齢別では、入院患者さんに比べて、65歳未満の患者さんの割合が多いことが分かります。
次をお願いします。
入院の患者さんを疾病別に内訳しております。
疾患ごとで言えば、統合失調症を中心としたところが最も多いわけですが、これは徐々に減少しております。
むしろ紫色のところ、アルツハイマー病を中心とした認知症は、少しずつ増えていくような状況にあります。
次をお願いします。
年齢階層別の入院患者さんの推移です。
65歳以上の患者さんが18.5万人ということで、6割を超えている状況があります。
次をお願いします。
年齢階層別の患者さんの推移を見ております。
精神疾患を有する入院患者さんのピークは、だんだん高齢化してきている。
年齢階層別でも、入院受療率が経年的に変化していることを示しております。
次をお願いします。
病床の入院患者さんの数。
これは、在院期間ごとの内訳を示しております。
入院期間ごとで言えば、1年以上の入院の患者さんは17万人ということで、大体6割を超えています。
5年以上入院している患者さんの数は、顕著に減少しております。
次をお願いします。
「精神科医療の現状」についての続きですが、いわゆるメンタルクリニックと言われるものが、特に都市部では急増しております。
後でお話しする地域包括ケアシステムで精神科医療機関が求められる、いわゆるかかりつけ精神科医機能が機能しない診療所が増えていることが社会問題化していると言えます。
次をお願いします。
「医療機関数及び精神病床数の推移」ということで示しております。
精神病床は、だんだん減ってきております。
それに対して、精神科を主たる診療科とする診療所の数はだんだん増えてきていることが分かります。
次をお願いします。
精神科に従事する医師の数ということで、これも少しずつ増えているということですが、入院を担当する病院の精神科に従事する医師の数は、いろいろな機能分化、特に急性期を担当するということで、医師の数を必要とするわけですが、それに見合った増加をしていないと言えます。
次をお願いします。
看護スタッフの数。
病床に関わる看護師さんの数はむしろ停滞、あるいは若干減ってきているということで、これも精神病床の機能分化に十分に対応できていないと言えます。
次をお願いします。
これは精神保健福祉士。
後でお話しするかかりつけ精神科医機能を構成する多職種チームのかなり重要な部分を担っている人たちですが、医療機関に勤めておられる方は大体4分の1ぐらいということです。
次をお願いします。
先ほどお話しした精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築が各自治体で進んでいます。
地域生活中心という理念を基軸にしながら、精神障害者の一層の地域移行を進めるため、地域づくりを推進するという観点から、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築という新たな理念が示されました。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムでは、日常生活圏ないしは市町村単位での地域精神科医療と日常の医療、例えばかかりつけの先生、あるいは有床診療所、地域での連携を持った病院、歯科医療、薬局といった日常の医療との連携、あるいは障害福祉サービス、あるいは介護サービスとの連携が求められていることになります。
次をお願いします。
その中で、かかりつけ精神科医機能が注目されています。
今回、令和6年度の診療報酬の改定においては、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進する立場から、かかりつけ精神科医機能に焦点が当てられました。
今問題になっている一般でのかかりつけ医機能と若干違いがありますので、ここで定義づけが必要かと思います。
次をお願いします。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムのイメージ図ということです。
中心に精神障害をお持ちの方を置いて、医療、あるいは障害福祉サービス・介護の連携、あるいは社会参加、地域の助け合い、普及啓発を総合的に推進していこうということになっています。
右下にありますように、圏域の考え方は、日常生活圏を中心と考えながら、市町村単位での考えもすることを含んでおります。
次をお願いします。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにおける精神科医療機関の役割について示したものです。
いわゆる精神障害を持つ人たちがかかりつけとしている精神科医療機関に求められる機能として、4つ挙げてあります。
左上の「かかりつけ精神科医機能」は、基本的に主治医が多職種チームを率いて、障害福祉サービス、あるいは行政機関と連携して、ケースマネジメントを実施していく。
場合によっては、急性増悪時の対応、あるいは訪問診療や訪問看護の提供、他科との連携、身体合併症等への対応を行っていくということです。
右上は「地域の精神科医療への貢献」ということで、地域における連携拠点機能を持っています。
あるいは災害対応、あるいは医療観察法医療の提供、あるいは自殺対策といった政策医療への関与も求められています。
左下は「精神科救急医療体制への参画」。
地域移行に関して言えば、日常の医療と同時に、救急対応も求められます。
その中には、入院外医療の提供。例えば夜間、あるいは休日の診療、電話の対応、往診や訪問看護、さらには、地域での精神科救急医療体制整備事業に参画することが求められます。
右下になります。
「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に資する拠点機能」。
協議の場への参加とか、地域住民に対する普及啓発への参加、あるいは協力。
あるいは社会的な機能の構築が必要とされています。
次をお願いします。
「精神科救急医療体制のイメージ」ということで示したものです。
入院による医療だけではなくて、日常の入院外の医療の提供も必要になってきます。
場合によっては、相談機能を持っている、あるいは精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの重層的な連携による支援体制による平時の対応も含めて「精神科救急医療体制のイメージ」ということで示してあります。
次をお願いします。
「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」が報告書を出しています。
基本的な考え方としては、精神保健医療福祉上のニーズを有する方が、病状の変化に応じて保健、医療、障害福祉・介護、あるいは居住、就労といった多様なサービスを身近な地域で切れ目なく受けられるようにすることを基本的な考え方にしております。
次をお願いします。
「精神障害者における障害福祉サービス等の利用状況」を示しております。
年ごとに非常に伸びが増してきていると言えます。
ただ、ここで問題なのは、一番多い「就労継続支援B型」あるいはそういった訓練系への給付に関して言うと、いわゆる障害支援区分という認定が必要ではないということで、そこに精神科の主治医の意見書が反映されないことがあります。
今後、医療、あるいは障害福祉サービスの連携を図る上で、若干問題になってくるのではないかと考えています。
次をお願いします。
今後、人口の高齢化、あるいは疾病構造の変化をお話ししましたが、それによって精神科医療における入院患者数が減少する、あるいは入院外の医療が多角化することは避けられない課題として浮上すると考えられます。
医療資源の効率的で有効な転換を図るためには、地域医療介護総合確保基⾦を活用して、こういった精神科医療の多角化に対応する必要があると思います。
次をお願いします。
以上で、私の意見表明を終わります。
ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ただいま合計6名の方々から御発言をいただきました。
大変貴重な御意見を頂戴いたしました。
どうもありがとうございます。
それでは、ただいまの御発表を受けまして、御質問、御意見等があれば、お受けしたいと思います。
いかがでございましょうか。
それでは、吉川構成員、お願いいたします。
○吉川構成員 ありがとうございます。
皆様、御発表ありがとうございました。
市原参考人と小林参考人、山田参考人にそれぞれお伺いいたします。
最初に、市原参考人への御質問ですが、施設の中での体制を十分に理解できていないものですから、申し訳ないのですが、最後の26枚目のスライドで、ACPについては60%ぐらいしか確認できていないという御説明があったかと思います。その理由について、分かる範囲で教えていただければと思います。
次に、小林参考人にお伺いいたします。御指摘されているように、可能な限り自宅での生活を継続するために、特に重症化予防、重症化の防止に重点を置いた実効性のある医療・介護連携等の地域医療体制の構築や、生活を支援する上で必要な情報の医療側から介護側への提供と共有は非常に重要であると考えます。
これから医療と介護の複合的なニーズのある高齢者が増加していく中で、看護師は、医療側にも介護側にも配置されており、このような連携のための役割を果たすことが期待できると考えています。人員不足のことがあるかとは思いますが、18枚目のスライドの御説明で、介護施設にも看護師の配置が必要かどうかは検討が必要であると御報告されました。
むしろこういった情報連携においては、医療についての情報等も必要になってきますので、私たちは、もっと看護師を活用したらよいのではないかと考えていますが、介護の視点からなぜそのように考えるのかについて、もう少しお聞かせいただけるとありがたいと思います。
最後に、山田参考人への御質問です。介護現場の声として、6枚目に「医師より訪問看護など看護師との共同・連携の方が円滑に行えると感じる」という声があります。
どういった事情からこうした声が上がってきているのかということと、リガーレグループ様の事業における訪問看護との関わりの状況についてお聞かせいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、お三方、それぞれお答えいただければと思います。
では、市原参考人、お願いいたします。
○市原参考人 高齢者住まい事業者団体連合会代表の市原と申します。
御質問にお答えいたします。
ACPが行われている率が60%ぐらいと申し上げまして、この理由としましては、幾つかあるのですが、高齢者住まいに入居されるのは、原則利用者、入居者の自己決定を尊重しておりますので、自立心の強い方、自己決定ができる方が入居されてくる。違う場合もありますが、そういう方が半分から7割ぐらいだと思います。
もちろん要支援、あるいは要介護の方が入居してくることもございますが、メンタルにおいては自立心の強い方、あるいは自己決定で入居をお決めになる方が半分以上だと思います。
高齢者住まいにおいては、いずれもついの住みかを標榜しておりますので、ACPについては、こちらから持ち出すか、利用者が持ち出してくるかは分かりませんが、いずれは話そうという相互の気持ち、意思はあるのですが、なかなかそのタイミングが計れていない。結果としては、ACPができているのは5~6割ぐらいとなっております。
ただ、今後の課題としましては、こちらから持ちかけるのか、そういう機運を高めていくのか、ACPの推進は進めていきたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、小林参考人、お願いいたします。
○小林参考人 最初に時間配分をミスってしまいまして、この辺の部分は言葉足らずな部分があったと思いますので、御質問いただいてありがとうございます。
改めて御説明させていただきます。
まず、そもそも介護の視点というか、介護の事業所において配置が義務づけられている看護師の配置は不要というつもりで発言しているわけではございません。
もちろん、配置が可能であれば、看護師の配置は非常に有効なものだと認識しております。
ただ、いかんせん様々な分野で、特に看護師の方々の不足が言われておりますので、そういった中で、医療と介護の中で看護師を採用の場面で取り合うようなことは、今後、見直されていってもいいのではないか。
人員の不足という視点の中で、そういったことも考えながら、訪問看護等にいる看護師の方々と介護保険事業所の連携によって、今までと変わらないような体制が維持できるよう、考えていくべきなのではないかという視点で、今回、こちらに挙げさせていただいた次第でございます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、山田参考人、お願いいたします。
○山田参考人 連携推進法人リガーレの山田でございます。
御質問ありがとうございます。
スライド6枚目の介護現場からの声は、私どものリガーレグループだけではなくて、私が運営しております事業所のある圏域の地域包括支援センターとか医療・介護連携推進センターの看護師さん等、いろいろな方の声です。
御質問いただいた部分は、地域包括支援センターの職員さんの声でした。
地域で、医療に関して、先ほど申し上げたように、様々な医療機関とアクセスされていた方が、一定の生活機能の低下に伴って、身近な総合医に移行していくときとか、言わば医療提供体制を大きく変えたいときに、相談相手として、医師よりも訪問看護を行っている看護師が連携しやすいという声でした。
もう一つの御質問のリガーレグループにつきましては、5つの法人いずれも訪問看護の事業はやっておりません。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
吉川構成員、よろしいでしょうか。
○吉川構成員 ありがとうございました。
介護施設の看護師配置にもご配慮いただき、医療と介護の場で看護師を取り合うことは、見直しを考えたほうがいいということではありますが、私たちは、介護施設での重症化予防や緊急入院の回避、ACP、ターミナルケアを考えますと、しっかりとした看護配置が必要ではないかと、逆に考えているところです。また御意見を参考に検討を進めたいと思います。
ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 今村です。
櫻木構成員に精神病床の関係のことをお聞きしたいのですが、10年前の地域医療構想の議論の際には、精神科病床は必要病床数とかには入っていなかったわけですが、今回、地域医療構想の中で、精神科の病床数的なものを入れるべきだと考えておられるかどうかということが一つと、今回御報告いただいている資料の中に、精神保健の検討会の報告書の中で、医療計画のスキームを言っていただいたと思うのですが、あれは将来推計的な面が結構あって、極めて医療構想の必要量的な面が入っていると思っていたのですが、この医療計画の基準病床的なものと、今まで医療構想で使ってきた必要量的なものをもう一個つくるべきか、どのようにお考えいただけるか。その辺を教えていただければと思います。
お願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
櫻木構成員、お願いします。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
御質問にお答えいたします。
今後、いわゆる地域医療構想の必要病床数的なところで、精神病床をどう考えるかということですが、これは後の質問と関連すると思うのですが、従来は基準病床数という形で、様々な政策効果、あるいは今後、特に7次医療計画の場合には、治療抵抗性の統合失調症治療薬の使用、あるいは認知症施策の進展で減ってくるということで、基準病床数が考えられていたと。
必要病床数ということになると、先ほどお話のあった将来推計を基に算出することになろうかと思います。
確かに、2通りの病床数があることに関しては、問題点もあるかと思いますが、従来の基準病床数の考え方は、そういった意味では、非常に今後の政策、あるいは展開を加味したことになりますので、そういった観点も必要かなと考えています。
お答えになったでしょうか。
○遠藤座長 今村構成員。
○今村構成員 分かりました。
明確に答えにくいのは分かるのですが、認知症とかは、一般病床との境界性の部分もあるので、その辺はどう調整していくのかというのが一つポイントかなと思います。
今村からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、先ほど来お手を挙げておられる松田構成員、お願いいたします。
○松田構成員 松田でございます。
私は、櫻木構成員に御質問したいと思います。
非常に問題点を明確に指摘された御発表で、非常に感服いたしました。
私自身は、少し精神の病床の分析をしているのですが、櫻木構成員が御指摘されたように、病院とクリニックの連携が切れていると思います。十分でない。
それに加えて、精神科救急、特に自殺の分析をやっているのですが、運ばれる場所は、いわゆる身体系の救急のところに運ばれる。
ところが、そこに運ばれていても、精神科の対応をしてもらえている患者さんは非常に少ないのが現状です。
要するに、総合病院精神科、身体科と精神科のオーバーラップがすごく大きくなってきているので、そういう意味では、精神科の地域医療構想、地域医療計画を考えるためには、総合病院精神科の役割も、もう少しきちんと明確にしていくべきなのかなと思いました。
あと、病床数をどうするかということですが、地域包括ケアという観点で、最後に櫻木構成員が出されていましたが、日本は、精神科に関しては特に学習の支援、就労の支援が非常に弱いという特徴があります。
それも含めて、多分、精神科の場合には、地域医療構想とか地域医療計画を考えていかないといけないと思いますので、恐らく、単純に病床数ということにならないのだろうと思っています。
むしろフランスのセクター方式のように、病院、地域での開業をしている精神科のクリニックの先生方、それから、就学支援とか就労支援をするいわゆる社会福祉施設を一体的に考えていくことが精神科では少し求められるのではないかと思った次第です。
感想と、総合病院精神科についての櫻木構成員の御意見を伺えればと思います。
○遠藤座長 度々ですが、櫻木構成員、お願いします。
○櫻木構成員 ありがとうございました。
私も、総合病院の精神科の機能は、非常に必要だろうと考えています。
ただ、現実としては、総合病院の精神病床の数はどんどん減っています。
それは、一つは、精神科医を含めた、いわゆる医療資源がなかなか確保しにくいということがあったり、あるいは診療報酬上の仕組みが、総合病院の精神科を助けるところまでいっていないことがあるのではないかと思います。
今後、その辺のことは、総合的に検討が必要かなと考えています。
それから、精神科救急システムに関して言うと、幾つかの自治体では、それを補完するような仕組み、例えば大阪の仕組み、あるいは山形だったと思いますが、一般の救急に、一部精神科医がトリアージの機能を持って参加するという仕組みもありますので、そういったことも検討しながら、今後、地域医療構想の中で精神科救急の在り方を考えていっていただければありがたいと考えております。
ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
松田構成員、いかがでしょう。
○松田構成員 結構でございます。
ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、現地の御出席の方、何かございますか。
岡構成員、どうぞ。
○岡構成員 本日、医療と介護の連携というお話で、多数の方の御意見は非常に勉強になりました。
様々な問題点も指摘されておりまして、病院の立場から少し気になったのは、小林参考人からもありましたように、高度急性期病院は受入れのハードルが高いと。
これは恐らく事実だと思うのですが、質問は、ハードルが高い、あるいは断られることが多い中身は、重度の医療ニーズの方の断りが多いのか、あるいは軽度とか中等度も含めたほうが多いのか、お聞きしたいということです。
つまり、今問題になっているのは、軽度な医療ニーズの方が高度急性期病院に運ばれて、高度急性期病院の機能が落ちることがありまして、今日、東構成員からも、かかりつけ医によるトリアージで、軽度な医療ニーズを医療ショートという形もあると。
問題になるのは、かかりつけ医の機能はやはり問題になって、一般的なふだんかかっているかかりつけ医ではなく、いわゆるかかりつけ医機能は救急、特に休日・夜間対応もやるとなると、診療所の先生だけでは限界。
こういう問題点もあると思うのですが、この辺が解決できれば、あるいは病院の機能分担がしっかりとできれば、こういう介護施設における受入れの問題が少し解決するのかなという気もするのですが、実際にお断りされるものは、重度の医療ニーズも含めて多いということか、軽度とか中等度が多いのか、そこの点をお聞きしたいのです。
お願いいたします。
○遠藤座長 では、小林参考人、いかがでしょうか。
○小林参考人 まず、ここに出ているのが現場からの意見なので、細かく詳しくデータ等を取っているわけではないのですが、私が聞いている範囲においては、先ほどの話とは矛盾してしまうかもしれませんが、特に認知症のグループホームなどの場合ですと、夜間等に何かあった場合に、救急車を呼ぶことが基本的な対応となっておりまして、そういった観点からすると、行ってみないと分からないような状況が多いと推察されます。
そういった意味では、症状によってというよりは、何かふだんと違うなみたいなときに、救急車から医療につないでいくことが多いので、症状としては、広く、全般的になると思われます。
○遠藤座長 よろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。
オンラインでも、あるいは現地出席の方でも結構でございますが。
では、香取構成員、お願いいたします。
○香取構成員 香取です。
今日、介護の側の方からお話があって、地域医療構想の話の中で、介護側から医療がどう見えるかという話をこれだけまとめてお伺いできたのは、非常によかったと思っています。随分いろいろな課題があることが今日明らかになったと思って、とてもよい機会だと思っています。
これから重度化する、重医療、要介護の方が増える、あるいは認知症の人が増える、独居、あるいは生活支援が必要な方が増えるとなったときに、介護側がそれをどう受け止めて、そのときに医療がどのように必要になって、どう対応しなくてはいけないのかということを皆さんそれぞれおっしゃった。
かなり共通している部分があったのではないかと思います。
課題の中には、配置の問題も含めて、介護の側で考えていただかなくてはいけないことも随分あったのではないかと思いますので、今日は老健局の課長もお見えになっているので、ぜひ検討していただきたいと思うのですが、ここは地域医療構想を議論している場なので、地域医療構想という視点から皆さんがおっしゃっていることをどのように受け止めることになるのかと思います。
これは私の印象ですが、特定施設、サ高住などいわゆる居住系サービスの利用者が90万人いらっしゃって、それとは別に特養老健でもそれに近い方がおられる。昔から特養の医療問題は大きな問題で、特養の医療過疎は言われていたわけですが、特定施設、サ高住の利用者がこれだけ増えてくると、そこにおける医療をどのように考えるのか、ということを根本的に考えないといけないことなのではないかと思います。
介護の側からすると、特定施設とかサ高住、いわゆる第3類型は、居住と介護を分離する形にして、介護サービスを別途の形で提供する。中づけにして特定施設にする、あるいは外づけでパッケージで出す。
今、特定施設でもサービスを外づけできるようになっていますので、一種そういう形でサービスの形がつくられているわけですが、医療に関しては、きちんとしたロジックがあるわけではない。
特養だと常勤はしていませんが、配置医がいる、でもそれ以外のところは、基本的には医療は外づけになる。新しくできた介護医療院は中に医療が入っている。それぞれどういう機能の医療をどのようにつけるのか、十分に整理されていないということなのだろうと思います。
そもそも居住施設系についてどういう形で医療を保障していくのか。
今は、通常の在宅と同じで、往診、訪問診療、訪問看護という形になっていて、別途診療報酬で同一居住施設内の訪問診療減算のような形で対応しているわけですが、地域医療構想を考える視点では、地域医療、在宅の医療と考えたときに、自宅にいらっしゃる方、あるいはこういった形で集住している方、一体どういう形で医療を保障するのか。
これから人口減少の中で、コンパクトシティとか、新たな集住の形を都市政策の中で考えていくことになると思うので、そういった方々にどういう形で医療の提供を形づくるのかということは、恐らく大きな問題になるのではないか。
これは、かかりつけ医機能をどう考えるかということともかなり関係するのではないかというのが1点です。
もう一点は、山田さんの発表の24ページに出てくるのですが、これはここでの議論というよりも、かかりつけ医機能の議論に関わると思うのですが、都市部では、複数疾患を持っている人は、医療機関がたくさんあることもあって、自分の疾患ごとに主治医の先生がいて、それを使い分けるというか、外来受診するような形ができているわけですが、恐らく、だんだんそれができなくなってくる。
郡市区医師会の会議などに出ると、都心の病院に通っている人が要介護になって通えなくなって、地域に戻ってきて地域の医療機関に受診する、あちこちかかることができないので総合診療ができるような医療機関にかかる、という話をよく聞きます。将来のことを考えると、そういう方がかなり増えるのだと思います。基本的にはアウトリーチ、あるいは地域の中で総合診療医みたいな形のところにもかかっていくような形になってくるのだろうと思うのです。
そう考えると、そういうことをどうつくっていくかという意味で、かかりつけ医をどう考え、かかりつけ医をサポートする医療機関をどう考えという地域医療構想の形になってくるのではないかという意味で、介護から見ても、同じ問題が指摘できると思うので、地域医療構想を考える中では、今日あった介護の側から見たときに、施設在宅、普通の自宅在宅の医療をどう考えるかということと、複数医療機関にかかっている人が、最終的に1人の医療機関で総合的に診てもらえるような体制をつくっていくという意味で、かかりつけ医をどのように養成するか。
数の問題も関わるわけですが、恐らく、そういうことを考えていくことになるのではないかということで、私なりには、ある意味今日の話で、随分いろいろな課題が整理されたのではないかと思いました。
質問はないのですが、今日はとてもよかったと思って、大変感謝しております。
ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
御意見を開陳されたわけです。大変重要な御意見だと思います。
それでは、ほかに御意見は。
高橋構成員、お願いします。
○高橋構成員 東先生の発言と、サ高住中心の住宅政策のことについて絡ませてコメントと、東先生に意見をいただくことをお願いしたいと思います。
2015年に、増田寛也先生と一緒に創成会議を始めまして、首都圏の介護危機宣言を出しまして、首都圏の介護施設が足りなくて、これから高齢者爆発が始まるということで、その辺が大変だという話で、火つけ役的な形になって、それを契機にサ高住が猛烈に増えた。
埼玉県などは、本当にでき過ぎてしまって、埋まらないという話がそこらじゅうで聞かれるようになってきた形で、介護保険施設は、何やかんやで縛りが強いので、サ高住を中心に、有料の施設が首都圏で物すごくできた形になっていると思います。
これがなかったら、多分、難民がもっと出たことは間違いないかと思うのですが、ずっと稼働率が低いまま続いてきたのも事実かなという形に思っております。これが私の見解です。
東先生の今日の提言の中に、介護保険と地域医療構想は一体にして、総合的な絵をつくって、フィードバックをすべきだという話があったと思うのですが、恐らく、その辺を意識して言われているのではないかと考察しているのですが、今、先生がこの提言の中で言われている、総合的な絵を描いてフィードバックしろという部分は、どういうニュアンスで言われているのか、ぜひ聞かせていただきたいと思います。
○遠藤座長 それでは、東構成員、よろしくお願いいたします。
○東構成員 高橋先生、ありがとうございます。
総合的な絵とは、医療だけ、介護だけではなくて、医療・介護の両面で見ていくという意味の総合的です。
そうしたときに、視点は2つあって、一つは人材の問題です。
先ほど私が示したものでも、介護施設であっても、医師、看護師、リハ職のような専門職、介護人材が必要になるのです。
一方、医療機関の中でも、もちろん専門職プラス一定程度、看護補助者という人材もいるわけです。
そういう人材のことを、これから少子高齢化が進む中で、生産年齢人口が減る中で見ていくときに、医療は医療、介護は介護だけで見ていても仕方がないと私は思うので、人材的に、まず総合的に医療・介護両面で絵を描くことが一つ。
もう一つは、今日もお示ししましたが、介護の中にもそれぞれ医療サービスがあるわけです。
看取りだけではなくて、一定程度の医療提供もされているわけですから、そこは今まで地域医療構想会議の中ではあまり触れられていなかった問題だと思うので、きちんとそういう両者にまたがるというよりは、医療・介護で提供している医療サービスをきちんと整理して、総合的に絵を描くことが必要だと思います。そういう意味で、私は申し上げたつもりです。
高橋先生、以上でよろしいでしょうか。
○遠藤座長 高橋先生、どうぞ。
○高橋構成員 ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインで何か御質問、御意見がある方はいらっしゃいますか。
今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 今村です。
もう一つ、市原構成員にお尋ねしたいのですが、今の高橋先生の質問とも少し関わるのですが、今までもサ高住が急激に増えてきて、病床があふれるのを防いできたことがあるのですが、全体には稼動が落ちている中で、この調子でサ高住を含めて増えていくような状況なのか、そろそろ数としては頭打ちなのではないかというのは、協会としては、感覚的にはいかがなものなのでしょうか。分かる範囲でお答えいただければと思います。
○遠藤座長 では、市原参考人、何かコメントはございますか。
○市原参考人 高齢者住まい事業者団体連合会の市原です。
今の御質問の件、サ高住の今後の施設数、あるいは住まいの数として増えていくかどうかという御質問ですが、分母としては、なかなか独居が難しい方が増えてまいりますので、潜在的なマーケットとしては拡大していくと思います。
ただ、サ高住はいろいろな支援制度がありまして、1部屋当たり100万円の建築の補助とか、いろいろな税金等の補助がありましたので、それがかなり供給促進の効果があったと思います。
この政策が今後どうなるのかということと、先ほどちょっと触れましたが、集中減算が今回、2%強化されたのですが、この辺の集中減算に対する規制がどのように展開されていくのかによって、事業者がこれからさらに供給していくのかどうか、その辺の振れは大きいのではないかと思います。
ただ、潜在的には、サ高住に対する需要は、今後ももう少し増えていくと思いますので、どのぐらい増えるかというのは、推測はなかなか難しいのですが、今後、介護保険計画においても、サ高住を介護保険計画の中にも入れようかという議論もあるかと聞いておりますので、地域地域におけるサ高住に対するニーズも、行政の方が把握されるのかと思いますが、事業者としてもよくマーケティングをして、必要なところ、ニーズのあるところについては、供給していく方向性ではあると思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、現地出席の方でも結構でございますが。
それでは、土居構成員、お願いいたします。
○土居構成員 土居でございます。
私からは、今村構成員の御質問に対する御回答で、市原参考人がおっしゃったところが大変興味深かったので、お伺いしたいことが1点ございます。
確かに、今、サ高住は、介護保険事業計画でそこまで規制がかかっているわけではないという現状ではあるけれども、今後はいろいろな考え方があるのだろうと思います。
ただ、この検討会との関係ということで申しますと、純粋に御自宅で要介護者としてお暮らしになっておられる高齢者と、高齢者住宅でお暮らしになっている高齢者の方との間で、医療へのアクセスについて、何らかの違いがあるのかどうかということについて、市原参考人に御認識をお伺いしたい。
何か具体的な統計があれば、それはありがたいことですが、必ずしも数字がなくても結構なのですが、要は、より医療にアクセスしやすい、サポートしてくれる方々がいらっしゃるということで、アクセスがより容易であるということなのか、それとも、御自宅におられるということであったとしてもそうなのか。
御自宅とは、施設等ではないという意味ですが、御自宅におられるということであったとしても、ケアマネの方とかがサポートしてくださるから、医療のアクセスは、高齢者住宅にお住まいの方に比べて、そんなに大差ないということなのか、どのように御認識されているか、お伺いしたいと思います。
○遠藤座長 では、市原参考人、お願いいたします。
○市原参考人 ありがとうございます。
高齢者住まいにおける医療のアクセスは、高齢者の住まいによってはかなり差がありますので、一概には申し上げられないのですが、ミニマムのサービスとしては、サ高住においても見守りサービスがついておりますので、ある日突然、急変した場合等については、いち早く見守りサービスの効果によって事態に対応できる、あるいは緊急搬送する、あるいは家族等に連絡するという意味においては、ミニマムのサービスは在宅とは差があって、高齢者住まいのアドバンテージではないかと思います。
それから、医療のアクセスについては、在宅にしても、高齢者住まいにしても、通院の方も多いと思うのですが、在宅で通院というと、御足が悪いとかでなかなか難しくなってくると思うのですが、高齢者住まいの場合は、これも住まいによって大分違いますが、病院送迎のサービスを提供している、あるいは訪問、在宅支援診療所の先生が来てくれることにおいては、一般的な在宅の方よりは、医療のアクセスがスムーズではないかと思います。
あと、高齢者の住まいによっては、非常に利用料に跳ね返ってまいりますので、なかなか一概には言えないと思うのですが、高齢者の住まいによっては、ある程度利用料を設定することによって日常的な健康管理、朝晩血圧を測るとか通院のサービスをする、薬の管理をする、あるいは健康診断を年2回行うことにおいて、利用料に反映されますが、かなり医療的サービス支援を提供している住まいもあると思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
土居構成員、よろしゅうございますか。
○土居構成員 はい。
○遠藤座長 ほかに何か御意見、御質問。
松田構成員、お願いいたします。
○松田構成員 すみません。
市原さんのご発表ばかりに意見するのは申し訳ないのですが、恐らく、いろいろな質問がサ高住に出てしまうことに関して、多分、サービスの質に対するいろいろな皆さんの疑問があるのだろうと思います。
ただ、これは介護保険全体の課題だと思うのですが、LIFEという質の評価をする事業が始まっています。
恐らく、今後、医療・介護のいろいろなことを議論していくときに、現在はボリュームの話が中心になっているのですが、その中で連携の質をどのようにやっていくのか、御本人、利用されている利用者の方たちの療養生活の質をどのように保障していくのかという観点からの議論をやっていかなければいけないステージに来ているのだろうと思います。
そうすると、医療、介護、その外側というか、周辺にあるサ高住とかも含めて、トータルで総合的に質を評価するような仕組みをつくっていかないといけない段階に来ているのではないかと、今日の皆さんの御意見、御質問とかを聞いていて思った次第です。これは単なる感想です。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかに何かございますか。
それでは、香取構成員、お願いいたします。
○香取構成員 1個だけ。
これは事務局にお願いなのですが。
東先生の資料に、これは昔から老健局で作っているのですが、19ページですが、介護保険施設にどこから入ってきて、どこに行っているというものがあるのです。
例えば老健施設は、大体自宅から3割来て、自宅にこれぐらい帰っている、医療機関にこれだけ行っている、特養はどこから来て、どこに行ってというものがあるのですが、2008年の社会保障国民会議のときに、医療と介護の施設全体について、1か月で人がどう動いているかというのを作った表があるのです。
たしか当時、一般病院は160万床ぐらいあって、平均在院日数が30日をちょっと切るので、百何十万人かの方が入院して、その方が退院していると。退院している人のこれこれの人は在宅へ帰って、開業医の先生が診ていて、ある人たちは療養型に行き、ある人たちは特養に行きと。
同様に、老健に入った人もどれぐらい入って、出てと、医療・介護を通じて、利用者がどのように動いているかを推計した表が作られているのです。
多分、今日の話を聞いていると、医療・介護全体として、患者さんにどういうニーズがあって、その人たちがどう動いているかとか、病院も機能分化をしたので、急性期、あるいはそれこそ療養型、あるいは回復期、地ケア病棟でもいいのですが、ある程度病院の機能別に、どこから患者が入って、どこに出ているか。
介護施設も同様にとなってくると、どれだけの人が在宅に帰って、その在宅に帰った人は誰が診ているというトータルの医療・介護全体での利用者さんの流れが多分つくれるのだと思うのです。
そうすると、今の病床の機能分化の話も実際はどうなっているか、見えてくるし、これから地域医療を考えるときに、在宅や介護施設にどのようなニーズが出てきて、どう支えなければいけないのかと出てくるので、一度、3施設だけではなくて、全体についてどのようになっているのか、作ってみていただければと思うのですが、これはお願いです。
よろしくお願いします。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○高宮参事官 過去の国民会議の資料も参考にしながら、検討させていただきたいと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
では、尾形構成員、お願いいたします。
○尾形座長代理 今の香取構成員のご提案に関して、補足的なことを申し上げると、診療報酬のほうの話ですが、病棟ごとに見た患者の流れに関するデータは公表されています。
中医協における診療報酬改定の議論の中で出されているので、もちろん、調査ですから、全数ではないのですが、例えば地域包括ケア病棟だったら、どこから入って、どこへ出て行っているかという割合のデータは公表されているので、それを参考にしていただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
大体御意見等は承ったということでよろしゅうございますか。大体予定していた時間になってまいりました。
本日は、特に介護の領域の方々からの御意見ということで、大変貴重な御意見を承れたと思います。
私も昔、介護保険部会の部会長をやっていた頃を思い出しまして、こういう議論をしていたなということを思い出しました。
それでは、時間になりましたので、本日の議論はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
本日いただいた貴重な御意見は、今後の検討を進める上で活用させていただきたいと思います。
それでは、最後に、事務局から何かございますか。
○松本課長補佐 次回の検討会については、詳細が決まり次第、御連絡いたします。
よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、本日の検討会は、これまでにさせていただきたいと思います。
大変お忙しい中、長時間ありがとうございました。
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医政局地域医療計画課
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