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2024年3月13日 第14回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和6年3月13日(水) 13:00~15:00

 

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D会議室
東京都千代田区内幸町2丁目2ー3

 

○議事

○倉賀野専門官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第14回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、ありがとうございます。
 本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
 オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
 本日は、櫻木構成員は御欠席との御連絡をいただいております。また、今村構成員及び野原構成員が14時15分までの御出席と御連絡をいただいております。
 オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の滝準公営企業室長、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官に御出席いただいております。
 続きまして、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。事前に議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1を配付いたしましたので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
 なお、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
 それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。それでは早速議事に入らせていただきます。
 本日の議題は1件でございまして「地域医療構想の更なる推進について」ということです。
 まず、事務局から、この議題に関しまして資料の説明をお願いいたします。
○淺野補佐 事務局でございます。資料1について御説明いたします。
 2ページを御覧ください。本日は、地域医療構想の更なる推進について、2点御説明いたします。
 1点目が「PDCAサイクルを通じた地域医療構想の推進に関する進捗状況調査の報告」、
2点目が「2025年に向けた地域医療構想の進め方(案)」でございます。
 3ページを御覧ください。1点目の進捗状況調査の報告について御説明いたします。
 4ページを御覧ください。地域医療構想につきましては、昨年度末に告示を改正し、PDCAサイクルを通じて推進することとしております。
 5ページを御覧ください。この告示改正とあわせまして、課長通知を発出し、PDCAサイクルを通じた取組の具体的内容をお示ししているところでございます。具体的には、都道府県におきまして、左側の(1)のとおり、対応方針の策定率等の年度目標を設定することとしております。また、右側の(2)のとおり、地域医療構想の進捗状況の検証として、病床機能報告上の病床数と将来の病床の必要量について、「データの特性だけでは説明できない差異」が生じている構想区域において、地域医療構想調整会議で要因の分析・評価を実施することを求めております。さらに下の(3)のとおり、こうした検証を踏まえまして、非稼働病棟等の必要な対応を行うことを求めているところでございます。
 6ページからが、昨年11月の前回のワーキンググループで御報告した年度目標の設定状況等に関する調査結果でございます。左側の円グラフのとおり、令和5年9月末時点で全体の70%、240区域で年度目標が設定されているところでございます。
 7ページを御覧ください。令和5年度末時点の対応方針の策定率の見込みでございます。既に100%、今後100%となる見込み、これらをあわせまして、全体の85%、292区域となっております。
 8ページを御覧ください。再検証対象医療機関の対応方針の検討状況でございます。右側になりますが、令和5年9月末時点で、医療機関のうち再検証対象医療機関のみ対応状況を確認しておりますので、その結果を御報告いたします。対応方針の措置済を含む検証済の割合は医療機関単位で68%、病床単位で74%となっており、左側の令和5年3月末時点と比較して増加していることを御報告させていただいております。
 9ページも前回のワーキンググループでまとめたものでございますが、病床数の変化状況等の概要でございます。1つ目の○につきまして、地域医療構想については、2015年から2022年にかけて病床機能計及び高度急性期・急性期・回復期・慢性期それぞれにおいて必要量に近づいているなど、一定の進捗が認められると整理をしておりました。一方で、下の○でございますが、構想区域によっては依然として必要量との大きい乖離が残っている区域がございます。こうした大きい乖離がある場合には、医療提供体制上の課題が生じている可能性があるということで、必要量との乖離の状況について、構想区域ごとに確認・分析を進めていく必要があると整理をしていたところでございます。
 10ページを御覧ください。こうしたことから、PDCAサイクルを通じた構想の推進に関する進捗状況を確認するため、令和5年11月末時点の状況について、令和5年12月から令和6年1月にかけて調査を行いました。
 主な調査項目としましては、下の(3)のとおり、①構想区域の2025年における病床機能報告上の病床数と地域医療構想で推計した病床数の必要量と差異の状況、下の②構想区域の医療提供体制上の課題を調査したところでございます。本日は、その結果について御報告いたします。次のスライド以降が調査結果でございます。
 11ページを御覧ください。「2025年における病床機能報告上の病床数の見込み」と「将来の病床数の必要量」との差異の解析状況でございます。左側の円グラフのとおり、全体の43%、147区域におきまして、病床機能報告、または病床機能報告に加え、その他のデータを用いて解析しているという結果でございました。解析に用いたその他のデータとしましては、DPCデータ、国保データベース、都道府県独自調査がございました。一方で、全体の57%、192区域においては解析をしていないという状況でございましたが、その主な理由としましては、右下でございますが、「解析中」、「各医療機関の対応方針の策定を今年度中に行い、その内容を踏まえて解析予定のため」、「今年度に解析できる体制を構築し、来年度に本格的な解析を実施する予定のため」といった理由がございました。
 12ページを御覧ください。差異を解析している構想区域における「生じている差異の要因」でございます。左側の棒グラフを御覧ください。一番左でございますが、「病床機能報告は病棟単位であることに起因する差異」がある区域は29区域となっております。その主な解析方法といたしましては、医療機関へのアンケート調査が挙げられてございます。次に、「定量的基準の導入により説明できる差異」がある区域は70区域となっております。その主な内容としましては、「急性期病棟のうち、50床当たりで1日2件を超えて手術・救急入院をしているかどうか」を目安に、条件を満たさない病棟を回復期に計上している例がございました。また、診療報酬の算定状況等を踏まえて定量的基準を設定しているものなどもございました。次に、「その他の要因により説明できる差異」がある区域は60区域となっております。その主な要因としましては、「令和4年度病床機能報告後に病床の廃止や病床機能の見直しに関する方針を変更したため」というものがございました。最後に、「これらで説明できない差異」がある区域が93区域となっております。
 13ページは「データの特性だけでは説明できない差異」がある区域における調整会議の要因の分析及び評価の状況でございます。左側の円グラフにございますとおり、要因の分析及び評価を行った区域が全体の48%、64区域となっております。主な評価といたしましては、右側に記載のとおり、「急性期であるが、回復期相当の病床として柔軟に利用されている」、「差異は生じているが、おおむね病床機能の分化・連携は進んでいる」、「医療従事者が不足し、必要な病床機能を整備できない」といったものがございました。また、要因の分析及び評価の結果につきましては、公表している区域が全体の86%、55区域でございました。一方で、要因の分析・評価を行っていない区域が全体の52%、68区域ございましたが、その主な理由としましては、左下になりますが、「各医療機関の対応方針の策定を今年度中に行い、その内容を踏まえて分析及び評価を行う予定のため」、「病床数のみに着目した議論をすべきではないとの指摘を受けるおそれがあるため」といったものがございました。
 14ページを御覧ください。「データの特性だけでは説明できない差異」が生じている構想区域について、一番左の円グラフのとおり、「構想区域全体の2025年の医療提供体制についての調整会議での協議」を行っているかどうかを確認しております。協議を行っている区域は全体の77%、102区域でございました。このうち真ん中の円グラフになりますが、「この協議を踏まえた2025年の各医療機関の役割分担の方向性等について地域医療構想調整会議での議論」を行った区域は全体の66%、67区域でございました。さらに右側の円グラフになりますが、「課題解決のための年度ごとの工程表」を策定した区域は全体の30%、20区域でございました。これらの協議等を行っていない主な理由につきましては、それぞれ下の矢印の欄に記載しているとおりでございます。
 15ページを御覧ください。非稼働病棟等への対応についてでございます。左側の円グラフにございますとおり、非稼働病棟等への対応を行った区域が全体の58%、77区域でございました。一方、「行っていないが、今後行う予定」とした区域が全体の14%、19区域、「行っていない、行う予定もない」とした区域が全体の18%、23区域でございました。「行っていない主な理由」につきましては、下に記載のとおり、「非稼働病棟等の対応方針について、医療機関に聞き取りを行った段階であり、今後、必要に応じて、調整会議において報告予定のため」、「今年度取りまとめる医療機関の対応方針等を活用し、対応予定のため」、「改修による休棟等、非稼働病棟である理由が明らかなため」といったものがございました。次に右側で、「調整会議の意見を踏まえて必要な対応を行ったかどうか」という点でございます。行った区域については、全体の45%、60区域となっており、主な対応としましては、「データ分析」、「全ての病院・有床診療所の院長が参集する会議の開催」、「医療機関への個別ヒアリング」などがございました。一方、「行っていないが、今後、行う予定」とした区域が全体の12%、16区域、「行っていない、行う予定もない」とした区域が全体の33%、43区域ございました。その理由といたしましては、右下の欄でございますが、「協議中」、「医師の働き方改革による影響を調査し、その影響を踏まえて必要な対応を協議する予定のため」、「今年度取りまとめる医療機関の対応方針等を活用して議論予定のため」といったものがございました。
 16ページを御覧ください。ここからが医療提供体制上の課題について調査した結果でございます。まず、課題の有無の状況でございます。左側の円グラフのとおり、全ての構想区域で「課題がある」と回答されております。個別の課題について見ますと、右側の棒グラフに記載のとおり、多い順に、救急医療体制の確保、医師以外の医療従事者の確保、医師の確保、在宅医療・外来医療の提供体制の確保といった回答がございました。
 17ページを御覧ください。「医療提供体制上の課題と生じている差異との関連の有無」でございます。関連があると回答した区域が全体の22%、76区域でございます。その主な内容といたしましては、右側に記載のとおり、「回復期の必要病床数との差異があり、課題として、高齢者等がリハビリを受ける体制が不足している」、「慢性期の病床数が過剰となっており、課題として、受け皿となる在宅医療や介護系施設の提供体制が不足している」、「病床機能の転換を進めるための医師の確保が困難」といったものがございました。一方、「ない」と回答した区域が全体の20%、67区域、「考えていない」と回答した区域が全体の58%、196区域でございました。下が「課題解決のための取組予定」でございますが、多い順に「地域医療構想調整会議における協議」、「データ分析」、「構想区域の関係者の勉強会等の開催」、「関係市町村との協議」となっております。
 18ページを御覧ください。今回の調査における構想区域ごとの回答状況の全体像をお示ししたものでございます。
 19ページ、20ページは、ただいま御説明をした調査結果につきまして、文章でまとめたものでございます。説明は割愛させていただきます。
 21ページからが、2点目の「2025年に向けた地域医療構想の進め方(案)」についてでございます。
 22ページは、前回のワーキンググループにおきまして、「今後の対応方針」としてお示ししたものでございますが、赤枠のとおり、「調査結果等を踏まえ、必要な助言等を行うとともに、構想区域の効果的事例の周知等により、都道府県に更なる取組を促していく」としていたところでございます。
 23ページを御覧ください。令和5年12月の経済財政諮問会議で決定された「新経済・財政再生計画 改革工程表2023」のうち、地域医療構想の部分を抜粋したものでございます。赤枠の部分を御覧ください。aのとおり、「地域医療構想については、2025年までの取組をより一層推進するため、これまでのPDCAサイクルを通じた取組の進捗状況等を踏まえ、2025年までの年度ごとに国・都道府県・医療機関がそれぞれ取り組む事項を明確化し、関係機関が一体となって計画的に更なる取組を進める」こととされております。 このうち、国の取組としましては、bに記載のとおり、「都道府県・構想区域の病床機能等の状況の見える化」、「構想区域の効果的な事例の周知」、「地域医療介護総合確保基金やデータ分析チーム構築支援等の効果的な活用方法の周知」、「地域医療構想の取組の進め方に関するチェックリストの作成」、「病床機能報告における2025年の病床数の見込みと病床数の必要量の乖離等を踏まえ、医療提供体制上の課題や重点的な支援の必要性があると考えられるモデル構想区域等を設定してアウトリーチの伴走支援の実施」、「地域医療構想調整会議の議論の実施状況の市町村への報告等について必要な措置を行うこと」が示されております。次に、都道府県の取組としましては、cのとおり、「著しい乖離が生じている構想区域について、医療提供体制に関する分析・評価を行い、評価結果に基づき必要な方策を講じること」、「各医療機関の対応方針の策定率等をKPIとしたPDCAサイクルを年度ごとに実施し、対応方針の検討状況・策定率を公表すること」、「モデル構想区域等において、調整会議で構想区域全体の2025年の医療提供体制について改めて協議し、対応方針を策定するなど、必要な方策を講じること」が示されております。
 24ページを御覧ください。令和5年12月に閣議決定された「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」の抜粋でございます。2025年までの取組につきましては、ただいま御説明をした改革工程表と同様の内容が盛り込まれております。
 25ページは、調査結果等を踏まえた課題の解決に向けた対応案についてまとめたものでございます。1つ目の○でございますが、現在の対応としましては、先ほど御説明したとおり、令和5年3月の改正告示・通知におきまして、都道府県に対してPDCAサイクルを通じた地域医療構想の推進を求めているところでございます。2つ目の○でございますが、これまでの取組等により、年度目標の設定や調整会議の検討状況、病床数の変化等から、地域医療構想の一定の進捗が認められるものの、構想区域によっては依然として必要量との大きい乖離が残っている区域があるため、先ほど御説明したとおり、令和5年12月に進捗状況調査を行ったところでございます。調査の結果、「差異の解析を実施していない構想区域は192区域あり、構想区域ごとの取組にばらつきがあることが示されましたので、引き続きデータ分析や要因の評価等を行っていく必要があること」、「データの特性だけでは説明できない差異がある構想区域が132区域あり、調整会議において構想区域全体の医療提供体制や各医療機関の役割分担の協議等を進めていく必要があること」、「全ての構想区域で様々な医療提供体制上の課題を抱えており、地域医療構想の推進を通じて課題の解決につなげていく必要があること」などが示唆されたところでございます。また、先ほど御説明したとおり、改革工程表等におきまして、「2025年までの年度ごとの国・都道府県・医療機関がそれぞれ取り組む事項を明確化し、関係機関が一体となって計画的に更なる取組を進めること」などが定められております。最後の○が対応案となりますが、2025年に向けてPDCAサイクルを通じた地域医療構想の取組が更に推進されるよう、国・都道府県・医療機関がそれぞれ取り組む事項を明確化するとともに、病床機能等のデータの見える化、好事例の周知、アウトリーチの伴走支援など、国による積極的な支援を講じることとしてはどうか、と考えております。
 26ページは、ただいま御説明した対応案に基づきまして、2025年に向けた地域医療構想の更なる推進として、3月中に都道府県に対して発出したい通知の内容をまとめたものでございます。主な内容としては2点ございます。1点目が、2025年に向けて国・都道府県・医療機関が取り組む事項を明確化することでございます。具体的には、国におきまして推進区域・モデル推進区域を設定してアウトリーチの伴走支援を実施、都道府県において推進区域の調整会議で協議を行い、区域対応方針の策定・推進、医療機関において区域対応方針に基づく医療機関の対応方針の検証・見直し等の取組を行い、構想区域での課題解決に向けた取組の推進を図ることを盛り込みたいと考えております。推進区域等につきましては※に記載のとおり、病床機能報告上の病床数と必要量の差異等を踏まえ、医療提供体制上の課題や重点的な支援の必要性があると考えられる推進区域を都道府県当たり1~2か所設定したいと考えております。この推進区域のうち、全国に10~20か所程度のモデル推進区域を設定したいと考えております。なお、推進区域等の設定方法等の詳細については、追って通知することを考えております。2点目として、下段になりますが、国による積極的な支援を行いたいと考えております。①~⑥までのとおり、地域別の病床機能等の見える化、都道府県や医療機関の好事例の周知、基金等の支援策の周知、都道府県の取組のチェックリストの作成、モデル推進区域におけるアウトリーチの伴走支援を実施していきたいと考えております。
 27ページは、2025年に向けて国・都道府県・医療機関を取り組む事項について年度ごとにお示しをしたものでございます。
 28ページを御覧ください。国の取組の一つである病床機能等の見える化のイメージをお示ししたものでございます。右の図に記載のとおり、都道府県別・構想区域別の病床機能報告上の病床数及び地域医療構想における将来の病床数の必要量等について、厚生労働省のホームページに公表することを考えてございます。
 29ページを御覧ください。先ほどの見える化に加えまして、構想区域別の医療機関の状況をお示ししたいと考えております。具体的には、医療機関それぞれの「病床機能報告上の病床数」、「医師数」、特定機能病院、地域医療支援病院、三次救急、二次救急、在宅療養支援病院等の「医療機関の機能」、救急車の受入件数、全身麻酔手術件数、分娩件数、手術総数、平均在棟日数といった「診療実績」をお示しすることを予定しております。
 30ページ、31ページは、基金等の支援策の周知に当たって活用する都道府県向け・医療機関向けのリーフレットのイメージとなります。
 32ページ、33ページは、都道府県等の取組のチェックリストのイメージとなります。
 私からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、皆様から御意見・御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 野原でございます。モデル推進区域について意見を申し上げたいと思います。このモデル推進区域を新たに設定するに当たりましては、当該地域で医療提供体制の協議・検討がなされていないであるとか、病院再編を行う地域などという誤解を与えることのないよう、公表に当たりましては国において丁寧な説明をお願いしたいと思います。
 過去に再検証対象医療機関の公表時におきましては、一部の地域の住民の方々に不安を与えまして不要な混乱を招きましたので、こうしたことが起こらないような配慮が必要ではないかと考えております。
 また、これまで地域医療構想調整会議におきまして、地域の医療提供体制に係る協議・検討が重ねられてきた中で、モデル推進区域の設定については、当該地域の会議の構成員の方々にも十分な説明と理解を得ることが必要だと考えております。スケジュール感として2024年の前半ということは理解できるところでありますが、地域で丁寧に議論を進めるには、こうしたプロセスが重要でありますので、各地域の事情や状況にも配慮をお願いしたいと考えております。いずれ国による積極的な支援を期待いたしますとともに、都道府県とも丁寧に意見交換を行いながら取組を進めていただければと考えております。
 私からは以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。いずれもごもっともな御指摘かと思いますので、事務局も配慮していただきたいと思います。
 それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。2つほど確認と意見を申し上げたいと思います。
 まず、資料の13ページ、14ページ、15ページの図ですけれども。対象のnが132ということで、その分析をされているのですけれども、11ページのほうで言うと339とあって、これは分析が行われているところに対して、その後の集計と理解をしたのです。もし、そうだとすると、11ページ、192で57%のところは分析の対象になっていないということは、その差異については、あまり検証作業が進んでないということなのでしょうか。そこの確認をお願いしたいと思います。
 それと、27ページの明確化の図で25年度のことが書かれていますけれども、これは逆に25年度までは、国としては次の新しい医療構想の内容を出せていないことを前提につくられているような気がするのです。すると、26年度以降に新しい医療構想がつくられて動き始めるという意味に取ったのです。
 その2点の確認と御意見があればお願いしたいと思います。以上です。
○尾形座長 2点御質問というか確認ということですので、事務局、お願いいたします。
○淺野補佐 事務局でございます。
 まず、132区域につきましては、資料の12ページの左側に棒グラフがございますが、このうち「データの特性だけでは説明できない差異」が生じている区域となります。cの部分と一番右側の緑の棒グラフ、それぞれ60区域、93区域がございますが、これについて複数回答可になっておりますので、いずれかに回答した区域を合計すると132区域となっております。この「データを特性だけでは説明できない差異」がある区域については、地域医療構想調整会議における要因の分析及び評価を求めておりますので、その状況について確認をしているということでございます。
 また、11ページで御指摘をいただいた192区域でございますが、こちらは11月末時点で「解析していない」と回答している区域でございますので、まずはデータの解析を行うことが必要だと考えております。このため、国におきましても、先ほど御説明させていただいたような支援策として、データの見える化、それから、これまでも実施してきたデータの分析体制の構築支援といったところを進めていきたいと考えております。
 次に2点目ですが、27ページにつきまして、今後のスケジュールかと思います。まず、現行の地域医療構想につきましては、2025年が期限となっておりますので、取組としては2025年度までの取組としてお示しをしております。新たな地域医療構想につきましては、今後検討を進めていくことになりますので、2025年度の段階で新たな地域医療構想の検討がどこまで進んでいるかということも現時点では未定であり、今後の議論の状況によって2026年度以降の状況も変わってくるかと思いますので、御意見も踏まえながら今後のスケジュールも含めて検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 今村構成員いかがでしょうか。
○今村構成員 ありがとうございます。
 先ほどの11ページの図を見ていると、今回、後ろの14ページ、15ページで、例えば非稼働病床に対応しているところが5割は超えているように見えるのですけれども、もともと対象になっているのが全体の4割で、残り6割は検証が終わっていないというか、やっていないということなので、かなりの部分はまだ終わってないように思います。ですので、そういった面から、ぜひ加速していくように働きかけていただければと思います。
 あと、26年度以降の件は未定であることがよく分かりました。現時点で25年度まで進捗管理をしていくということは、逆に25年度までの結果を見て26年度以降が決まるようにも思いますので、26年度から新規で始まることにはなかなかなりにくいかなと思います。
 今村からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤構成員どうぞ。
○伊藤構成員 伊藤でございます。今日御発表いただいた内容では、なかなか進んでいないところに大変心痛めているところでございます。これまで2025年に向けて協議を進めてきたわけでありますが、その中で、必要病床数が基準病床数を上回っている地域では、再編・統合の理屈がなかなか理解されませんでした。要するに必要病床数から見ると不足になっているので、まだ増床できるのではないかというような議論を、我々はどのようにそれを説得しながら地域医療構想で効率的な医療の病床を提供していくのかというようなことを考えてきたわけでありますが、これに関しては必ずしも必要病床数に合わせることがないというようなことを国から示されたことで、ある程度協議を進めてこられたわけであります。
 ただ現状、なかなか進んでいない地域、これからまだ検討するのだというところに対して1点大変懸念をするのは、第8次医療計画の中で各都道府県の新たな基準病床が策定されつつありますが、この基準病床というものが、国から示された計算式の中で、特に大都会を含む都道府県では前回の基準病床を上回り、次期医療計画では病床が不足となる地域が増加するというデータが出ているということを見聞してます。この不足病床数が非常に多くなるとすれば今回の調査でまだ検討していない、あるいはこれから検討するという地域において病床を減らさない、再編しないという理由に使われはしないかということを大変懸念するものでございます。
 2025年までの協議についてはデータの確保と評価を行うことになると思いますが、2035年に向けた次なる地域医療構想の中で、必要病床数を明確に早く示す必要があるのではないかと考えます。ここをしっかりしないと、新たに決められた基準病床数だけ独り歩きしてしまってダブルスタンダード、要するに地域の医療機関にとって都合のいい数字を利用されてしまうというおそれが高くなるのではないかということを懸念しております。
 そうなりますと、先ほどからなかなか協議に参加していない医療機関、あるいは未だに十分な対応ができていないという医療機関も、基準病床が増えていることを理由に地域医療構想への参加を拒否する事例が出現しないか懸念をしているわけでございます。これについて何か国のほうからお考えがあれば教えていただきたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 これは次期構想とも関わる話かと思いますが、何か事務局のほうであれば。
○淺野補佐 今御指摘の基準病床数と必要病床数につきましては、それぞれの目的、算出方法、それから、算出に利用しているデータが異なりますので、必ずしも一致するものではないと考えております。
 地域医療構想における必要病床数につきましては、もともと2025年の必要病床数ということで2013年のNDBを活用して推計したものでございますが、基準病床数につきましては、医療計画の策定時を基本としまして、各都道府県におきまして平均在院日数ですとか、人口ですとか、算定式に基づいてそれぞれの数値を入れて算定しているところかと思います。人口構造によって高齢者の中でも年齢が高い方が増えていけば基準病床数が増えていく場合もありますし、平均在院日数の動きによっても基準病床が増える場合も出てくるかと思います。
 こうした中で、厚生労働省におきましては、昨年の10月に事務連絡を発出いたしまして、この点について基準病床数の算定方法の在り方、それから、必要病床数と整合性を図ることなどをお示ししてきたところでございます。
 現在、基準病床数制度、必要病床数という2つの基準がありますので、新たな地域医療構想につきましては、ただいま構成員から御説明いただいた実態なども踏まえまして、これらの在り方について検討することが必要だと思っております。新たな地域医療構想の策定に向けた検討の中で、地域の実情も踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 今、御説明いただいたように、それぞれの算出根拠、もともとのありようが違うということはよく理解をしているのですが、それを上手に利用することによって、増床することができるという理解をする人たちも決して少なくはなくて、今後地域医療構想を進めるにあたって、それが非常に大きな阻害因子になりかねないどころか、むしろそうなりつつあるというところを心配しているわけでございまして、この2つの基準をどのように解釈するか。これまでは必要病床数に対して不足状況であっても、それは必ずしも必要病床数に合わせる必要はないということで厚生労働省から御指示をいただいておりますけれども、今回、この基準病床についてもどちらを優先して、どちらを基本にして地域医療構想をまとめていくかということをしっかりとお示しいただけたら助かりますので、ぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋です。今後についてということで、厚生労働省のほうでは各地域の実情に合わせて分析を支援したり、様々な形でアウトリーチの伴走支援という形で応援いただけるということは、本当に地域にとってもプラスになるかなと思っております。
 今回、私からのコメント、一部質問にはなるのですけれども、例えば13ページにありますように、医療従事者が不足して必要な病床機能を整備できないというようなコメントが出ていて、これは集まってくる数字だけではなかなか評価しづらいところもあるのかなと思っていて、私自身が、どちらかというと医師やその他の医療者を配給していくというような形の仕事をしておりますので、ここは少し気になってくるところです。
 特に今後、働き方改革が4月から始まるということで、今回の調査は年末にしていただいたということになるのですけれども、我々現場では、結局働き方改革の影響はやってみないと分からないと言っている方が非常に多いのです。ということは、やった段階でいろいろなことが起きてきて、地域医療構想を進めようと思っても、それが阻害要因になってくるということがあり得るかもしれないので、ある意味、働き方改革がスタートしてしばらくしてから、早めにまたこの手の調査等々をしていただいて、現場に混乱が来していないかというところを把握いただいた上でのPDCAサイクルというような形にしていただければなと思っております。
 今後の働き方改革に合わせて何らかのアプローチなり調査なりということを計画されているのでしょうかというのが私からの質問です。よろしくお願いします。
○尾形座長 最後のところは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○淺野補佐 大屋構成員の御指摘のとおり、今後、地域医療構想を進めていくに当たりましては、働き方改革もあわせて一緒に進めていく必要があるという状況でございます。この点につきましては、令和4年3月末に発出した局長通知におきましても、働き方改革が始まることにあわせまして、地域医療構想の必要な取組を進めていただくようにお示しをしているところでございます。
 実際に、今年の4月以降、働き方改革が施行された後にどういった状況が出てくるかという点については、働き方改革による医療提供体制の状況ということで、これまでもその点に着目した調査は別途されているところかと思いますけれども、地域医療構想を進めるに当たって、どういった影響があるのかということも把握していくことが必要と思っております。このため、これまでも、地域医療構想の進捗状況につきまして、調査を都道府県にお願いさせていただいておりましたので、来年度以降の調査を実施する際、御意見を踏まえて、まずは実態の把握をしていきたいと思います。その上で、どういった対応が必要なのかというところは、調査結果を踏まえて考えていきたいと考えております。
 以上でございます。
○大屋構成員 どうもありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 9ページですけれども、病床数の変化の中で、これまで乖離がどれぐらいあるのかというお話を聞いてきました。その中で、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の病床の必要量と実際に各医療機関が出す定性的な報告は差異があっても致し方ないというか、もともと違うわけですから差異があるのは当然ではないかと理解していました。
 今回、下の○のところで、依然として必要量との大きい乖離が残っている区域があるということでしたけれども、この乖離があるというのはどれぐらいの乖離があるのか。
 それと、構想区域が339あります。大都市だったり大都市の周囲だったり、過疎の構想区域だったりいろいろありますけれども、これは一くくりのルールではなかなか解決が難しいのだろうと思います。そういう中で、この大きい乖離が残っている区域というのは、どういう構想区域になるのでしょうか。これは質問です。
○尾形座長 それでは、これは御質問ですので、事務局のほう、お願いいたします。
○淺野補佐 御指摘の乖離につきましては、前回のワーキンググループで御報告をさせていただいた内容でございまして、構想区域別にどれくらいの乖離があるかというところを棒グラフで分布状況をお示ししたところでございます。この乖離につきまして、実際にどういった構想区域で乖離があるかということでございますが、必要量よりも多いという構想区域につきましては、地方の大都市の方で多いという状況になってございます。
 この乖離があるということのみをもって問題というわけではなく、この乖離について構想区域ごとに確認・分析をした上で、医療提供体制上の課題があるかどうかというところを確認することが重要だと思っておりますので、その内容を踏まえて地域の協議を通じて取組を進めていってもらいたいと考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 織田構成員、いかがでしょうか。
○織田構成員 そういう乖離が大きいところがある程度分かっているということであれば、そういうところを集中的に問題提起したほうがいいのではないかと思います。構想区域全部を押しなべてやると、実際に解析を実施していない構想区域が192ありましたけれども、あまり必要性のない議論を繰り返させるよりは、これだけの分析をしたのであれば、それに的を絞ったものであってもいいのではないかと思います。
 特に今回、16ページにありますように、各構想区域で大きなテーマになっているのは、救急だったり、医師以外の人材だったり、医師の確保だったり、2026年以降に議論しようとしていることが既に問題提起されているのです。ですから、今回は2025年に向けてある程度病床の必要量と乖離をなくそうということなのでしょうけれども、もともとこれは差異があって当然の話ですし、構想区域で全く違いますから、あまりにもそこに合わせていこうとしても、もともと無理があることだと思うのです。だから、初めから問題点がある構想区域に絞って、集中的に問題提起の議論をするべきではないかなと思います。
 以上です。
○尾形座長 これは御意見として承りたいと思います。
 それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 今回、いろいろな資料で思いましたのは、13ページに出ている検証の部分で、右側の主な評価のところで、今、織田構成員が言われたことに近いのですけれども、3番目に医療従事者が不足して必要な病床機能を整備できないというのが出ております。これは最近よく聞く話で、特に過疎地域では、患者さんとか、もしくは介護施設もそうなのですけれども、医療従事者・介護従事者が集まらないので、病床が空けられなくなっているという話を聞きます。最近、実は東京でも同じような話が出ており、基準病床数を増やさないようにというような話も考えているわけです。
 これは2026年以降の計画で大きく取り上げたほうがいいとは思いますが、現状でもこの人手不足、特に若手が不足しているのは、医療介護の分野だけではなくて、全産業で人を必要としていて、どこもが不足しているのです。またこの問題はこの先よくなる見込みがあまりなく、どんどん悪くなっていくので、これをきちんと分析しておかないと、病床数だけの問題ではないだろうと思いました。
 もう一つ、これは質問なのですが、26ページの推進区域・モデル推進区域を設定してアウトリーチの伴走支援を行うということですが、推進区域をどのように選んでいくのか、それと、モデル推進区域はさらにその中からまた選ぶのだとすると、どのように選んでいくのか、それから、従来ある重点支援区域との差があるのか、また、ここへの基金への配分においても重点支援区域と差があるのか、その辺を教えていただきたい。
 もう1点質問があります。28ページに全構想区域の病床機能を見える化するとあるのですが、多分、現在も都道府県で地域医療構想に関してはデータを公開していると思うのです。そことの関連で、フォーマットが多分都道府県で違うので、それを整合性を取っていくのかとか、もしも違うと、違ったデータの見方になっても困るので、そこら辺の注意点をどのようにお考えか、それを教えていただきたいと思います。
○尾形座長 2点御質問かと思いますので、事務局、お願いいたします。
○淺野補佐 まず、推進区域とモデル推進区域の設定方法でございます。推進区域とモデル推進区域の関係につきましては、推進区域を都道府県当たり1~2か所設定して、この推進区域の内数として全国で10~20か所程度、モデル推進区域を設定することを考えております。
 設定の方法につきましては、追って通知することを考えておりまして、その具体的な内容については、また本ワーキンググループの中で御議論いただきたいと考えております。現時点での考えといたしましては、26ページの※に記載のとおり、病床機能報告上の病床数の必要量の差異等を踏まえて、医療提供体制上の課題や重点的な支援の必要性があるかどうかという考え方で国において推進区域を設定していきたいと考えております。差異だけではなく、医療提供体制上の課題なども踏まえて推進区域として設定することがよいかどうか、という観点でも設定方法を考えていきたいと思っています。国において一定のデータ分析をしながら、この案を考えていきたいと思っています。
 また、推進区域等と重点支援区域の違いにつきましては、重点支援区域の方は具体的な再編統合の事例を前提として都道府県からの申請をいただいて、技術的支援・財政的支援を行うものでございます。推進区域につきましては、国において都道府県当たり1~2か所設定したいと考えておりまして、これまでもPDCAサイクルを通じた取組の中で既に実施いただいているものと大きく変わるものではありませんが、区域対応方針というものを新たに作っていただいて、医療機関単位だけではなくて、ちゃんと構想区域全体を見ながら医療提供体制の課題に取り組むような環境を整備していきたいという考えでございます。
 財政的支援の内容につきましては、26ページの右下にございますとおり、基本的にはモデル推進区域におきまして、重点支援区域と同じような支援を想定しておりますが、その内容につきましても、今後検討を進めて、追って通知することを考えてございます。
 2点目の28ページの病床機能等の見える化でございます。猪口構成員の御指摘のとおり、各都道府県におきましては、調整会議等でこうしたデータが公表されている例もあるかと存じます。このデータにつきましては、基本的にはオープンデータでございますので、都道府県も活用可能なデータを基に調整会議等で既に活用されている場合もございます。都道府県ごとに様々なお示しの仕方もあるかと思いますが、国におきましては、一律こういう形でお示しをしたいと考えておりまして、都道府県にも確認を取りながら実際に公表することを考えておりますので、都道府県と対応等に齟齬がないように、都道府県とも連携して公表に向けた段取りを進めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 猪口構成員、いかがでしょうか。
○猪口構成員 分かりました。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 私が基本的に疑問に思っていますのは、2025年度の必要病床数を算定するのに、基本的には人口構成とか、あるいは先ほど大屋先生がおっしゃっていた働き方改革の影響とか、それから、猪口先生が言っていた医療従事者の配分を十分に満たされているかどうか、そういうようなことがすごく影響してくると思うのです。そういったものを今後の予想として大いに取り入れて、実態に近い状態を基準に話し合わなくてはいけないのではないかと思うのです。
 例えば働き方改革の話が出ましたけれども、医療従事者の処遇改善だってほかの職種に比べてどれぐらいうまくいくか、今度の診療報酬の改定でも分からないわけです。今のほかの職業の妥結を見ていると満額回答で6%とか7%とか、そんな返事が出ているところで、今、我々医療界や介護界は何をやろうかとしているというと、ほんの2.5%ぐらいのアップを目指すというようなレベルです。ですから、そういった他の要因によって病床の機能、必要量が変わってくる、あるいは医療従事者の供給が変わってくるという環境にあるのではないかと私は思うのです。そういったことをもう少し必要数に盛り込むような基準づくりといいましょうか、そういうのが今まさに必要なのであって、それに基づいて、将来必要なものをつくらなくてはいけないと思います。
 特に地域ごとに、先ほどもお話が出ましたけれども、大都会では必要病床数は増えても地方では人口減でどんどん減っているのです。そこで医療従事者がいないから病棟を休んで、そして、将来どうするか様子を見ているという状況がかなりあると思うのです。
 ですから、そういったところをきちんと、現在、医療従事者が供給されないところは将来供給される可能性は高くないと思うので、そこらのことを説明してあげないと、希望を持ちながら病棟を止めない、非稼働病床として持っていく、あるいは病棟を自分が将来思い描いているところまで我慢するというような考えにつながっているのではないかと思いますので、何とかそういった方向性を出して協議できるようにしなくてはいけないのではないかと思います。
 事務方のお考えはいかがなものでしょうか。教えていただければと思います。
○尾形座長 これは次期の構想ということもあろうかと思いますが、事務局のほうで何かあればどうぞ。
○淺野補佐 小熊構成員の御指摘のとおり、今後2040年頃に向けましては、他の構成員の先生方からも御意見をいただきましたけれども、医療従事者の確保といったところの課題もあわせて、地域医療構想をどう進めていくのかということを考えていく必要があると思います。ですので、新たな地域医療構想の検討におきましては、これまで必要病床数ということで2013年のNDBを活用して病床数に着目した議論を行っておりましたが、そういった供給側の側面ということころも十分に考慮した上で議論を進めていく必要があると考えております。
 また、大都市と地方部で状況も大きく変わるということも御指摘のとおりだと思っています。このため、地域差というのはさらに2040年頃に向けて大きく変わってきますので、そういった構想区域ごとに、大都市、それから、過疎地域といったところにかけて、構想区域の類型化みたいなこともあわせて検討して、地域として、こういう形で方向性が進んだらいいのではないか、といったような方向性も示せるかどうかも含めて、御議論をいただきながら検討していきたいと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 小熊構成員、よろしいでしょうか。
○小熊構成員 そういった方向性で検討を賜ればと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 今の小熊構成員のご意見と似てくるのですけれども、病床の必要量は2013年のNDBデータとDPCデータ等を基に出されています。それに人口増の変化等を掛け合わせているのです。これはもう10年前のデータなのですけれども、これまで途中で病床必要量を見直したところはありましたか。これは10年前のデータを基本に動いているのですか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○淺野補佐 現状、2013年のNDBからは変更しておりません。
○織田構成員 もうゴールが近くなっているわけですから、実際にこれが正しかったか、その検証もしておくべきではないかなと思います。みんなこれに向けて今まで随分議論してきました。でも、10年前のデータです。今はデータがもっと出しやすくなっているはずですから、ぜひ現状と実際に齟齬がなかったかどうかを示してほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○淺野補佐 この必要病床数の在り方につきましても、新たな地域医療構想に向けた検討の中で議論していくことになります。このため、現行の地域医療構想の必要病床数の点についても、必要な評価を行った上で、新たな地域医療構想の検討につなげていくことになると考えております。どういった形で評価できるかどうかということも含めて、今後検討を進めていくことになりますので、御意見をいただきながら検討できればと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 織田構成員、よろしいでしょうか。
○織田構成員 10年前のデータで我々はこれまで繰り返し議論しているわけです。こんな古いデータを今まだ扱っていること自体がおかしいと思うのです。毎年でも出せるのではないかなと思います。ですから、2025年、これだけ全国で差異があるかを調べているわけですから、そういう意味では、それこそ2023年のデータ辺りでぜひ1回、2025年までの一つの区切りとして出してほしいと思います。
○尾形座長 これは御要望として承っておきたいと思います。
 それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 私のほうからは昨年末の調査の状況から見えてきたことへのコメントと2025年の目標までに何をやっていくべきなのかということについて若干の意見と、事務局の考えを少しお聞きしたいと思います。
 地域医療構想は皆さん御存じのとおり、10年以上前に開始されて、目標の最終年度となる2025年まであと2年ということになったわけなのですが、目標とされた2025年における病床数の見込みと推計必要量の乖離というのは年々若干縮小してきているという事実はあるものの、構想区域によっては依然大きな乖離が残っている地域もあるというのも事実であることがはっきりと分かりました。
 昨年の3月、この差異の要因の分析とか評価を行ってくださいという都道府県宛ての課長通知が発出され、昨年末に実施された調査の結果、今日示された結果なのですが、各地域の状況について18ページに全体像が示されているのですが、構想区域のおよそ半数の区域が、まだその差異について解析すらできていない現状があるということ。その反面、差異の分析・評価について、地域医療構想調整会議の議論を踏まえて問題解決のための年度ごとの工程表まで策定しているという構想区域もわずかなのですが、20区域ぐらいはあるということで、地域医療構想の目標年度の2025年が迫る中、各区域の議論の進捗とか深さにまだ大きな足並みの乱れというのがあることは否めないと思っています。
 23ページの改革工程表にあるとおり、2025年度までは病床数の見込みと必要量について分析・評価を行い、評価結果に基づき必要な方策を講じることがはっきりうたわれておるわけです。残る2年間で全ての区域において工程を完了するということは、これまで10年以上の地域医療構想の取組の成果を確認する上で非常に大きな意味をなすと思われます。このような状況を見てみると、2025年をどのような状況で終わるのかということについて、各都道府県、構想区域ごとに若干の認識の相違があるのではないかと感じています。実際、私も2つの調整会議に出席しているのですが、どうも会議の雰囲気を見てみると、国の思いと若干の齟齬があると肌で感じているのが現状です。
 というのも、昨今の議論として、直近に迫った2025年というよりも、どちらかというと次の節目である2040年に視点がどんどん移ってきておりまして、2026年以降、2040年を見据えた新たな地域医療構想の検討も出てきていることもあって、ともすれば、2025年はその一通過点という認識を持っておられるのではないかということが懸念されます。そうではなくて、10年ほど徹底的に今まで検証してきたわけですから、2026年以降、新たな構想を策定していくためにも、2025年度までの取組は工程表のとおり、地域に相違なく完結しておく必要がある。その後、2040年に向かってどうしようかという議論をしていくべきであって、2025年は2040年の通過点という考え方は違うのではないかと思っています。
 そういうことで、今月3月末にまた通知を出されるということなのですが、各都道府県が2年後の2025年までに実施すべき事項について共通の認識を持つべく、今一度、その辺りを通知で徹底しておく必要があるのではないかと思います。これについて事務局としてどういう認識を持たれているのか、後でコメントいただければ幸いです。
 それから、27ページには、この2年間で国・都道府県・医療機関が取り組むべき事項ということが年度ごとに大枠で示されておるのですが、国・都道府県は、2025年に向けたラストスパートとして可能な限り前倒しで実施していく必要があると思いますので、こういった年度ごとの大枠のスケジュールもいいのですけれども、もう少しきめ細かな、いつまでに何をやっていくという細かいスケジュールを設定してあげないと、この2年で、また振り返ってみれば、あと1年になった、あと半年になったということになりますので、このような大まかなスケジュールでもいいのですけれども、より細かなメッシュのスケジュールを出していくということも必要なのではないか。ラストスパートにはそういうことも必要ではないかと思っています。
 それから、新たな取組として、最後に推進区域とかモデル推進区域の設定というのが計画されているのですが、これは議論を活性化させるために非常にいい取組だと思います。何名かの構成員が御指摘されましたように、ともすれば、前段のほうで行った再検証対象医療機関のようなイメージを持って捉えられると逆効果になると思いますので、これについては各都道府県について分析をどのようにしたのかという根拠と、どういうことを行っていただきたいのかという丁寧な説明を行わないと逆効果になると思いますので、それについては慎重に取り扱っていただきたいというのが要望です。
 これについて多くの好事例を生み出して横展開できるように、もう2年しかないので、スピード感を持って実行されていくということを期待したいと思います。
 私からのコメントは以上ですが、1点、確認したい事項について、事務局のほうからお願いします。
○尾形座長 最初の点ですね。事務局からコメントをお願いします。
○淺野補佐 まず、現行の地域医療構想の取組につきましては、26ページにございますように、これは「2025年に向けた」ということで、まずは2025年というところを一つ示しながら取組を進めていただくということで考えています。都道府県におきましては、2025年に向けた取組に加えまして、2040年頃も見据えて取組をしている都道府県もあると承知をしておりますので、それができる都道府県については、そういった取組を進めていただくことは差し支えないのかなと思っています。
 いずれにしても、地域ごとに都道府県の皆様、医療機関の皆様に、地域医療構想の取組をしっかりと進めていただいているところもございますので、そういった取組については引き続き進めていただきながら、構想区域において必要な対応が行われるように、国としてもしっかり支援を行っていきたいなと思っています。いずれにしても、都道府県の皆様とよく連携して地域医療構想を進めていく必要があると思いますので、情報提供を含めて、密に連携しながら対応を進めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 幸野構成員、いかがでしょうか。
○幸野構成員 3月に出される通知については、再度、こういった2025年までに統一した考え方でということの周知が行われるということなのでしょうか。
○淺野補佐 2025年に向けたということになりますので、2025年に向けて、構想区域ごとの年度目標の設定、進捗状況の検証、検証を踏まえた必要な対応等を行っていただきたいということを通知には明示する予定で考えております。
○尾形座長 幸野構成員、いかがでしょうか。
○幸野構成員 了解しました。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。田中構成員、どうぞ。
○田中構成員 田中でございます。今回の診療報酬の改定は、かなり急性期医療に影響するような診療報酬の改定だと思うのですけれども、看護必要度よりも実際に行った医療で急性期医療を評価するとか、あるいは10対1の地域医療包括病棟をつくるとか、そういった診療報酬の改定が、この地域医療構想全体にどういう影響を及ぼすと厚労省は考えていらっしゃるのか、あるいは実際に影響が出た場合に、それをどう評価してフィードバックをかけるのか、その辺のところを教えていただきたいと思います。
○尾形座長 これはなかなか答えにくいかと思いますけれども、事務局から何かあれば。
○淺野補佐 地域医療構想の取組につきましては、診療報酬とリンクして対応しているとは現状なっておりませんので、地域の医療提供体制ということで、地域の協議を踏まえて、どのような病床機能が必要かというのを議論して進めていただくのが基本であると思っております。
 一方で、田中構成員から御指摘をいただきましたように、新たな病棟の類型も設けられる予定になっておりますので、そういったものにつきましては、病床機能報告の中でどういった報告を行うのかといった論点もあるかと思います。この点につきましては、今後、我々のほうでも整理をしながら検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 田中構成員、いかがでしょうか。
○田中構成員 今回の改定は人口減少地域の急性期病院、中小病院の急性期医療にかなり大きい影響を与えると思いますので、そういった悪いというか、大きな影響が出た場合は診療報酬の再改定とか、そういったことにフィードバックをかけていただきたいと感じています。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 本日も様々貴重な御意見をいただきました。中には次期構想に関わるような御意見も頂戴したわけですが、本日の議題の地域医療構想のさらなる推進について、特に後半の2025年に向けた地域医療構想の進め方(案)につきましては、大きな御異論はなかったのではないかと思いますので、今日の御意見を踏まえて、事務局としてさらに施策を進めていただければと思います。
 本日用意した議題は以上でございますが、最後に事務局から何かございますか。
○倉賀野専門官 次回のワーキンググループにつきましては、詳細が決まり次第御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきたいと思います。
 長時間にわたりまして熱心な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。
 

(了)
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直通電話:03-3595-2186

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