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2023年11月9日 第13回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和5年11月9日(木) 13:00~15:00

 

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D会議室
東京都千代田区内幸町2丁目2ー3

 

○議事

○倉賀野専門官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第13回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、ありがとうございます。
 本日は、対面及びオンラインによる開催とさせていただいております。
 オンラインでの参加に係る留意事項につきましては、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
 また、本日は、小熊構成員、櫻木構成員、田中構成員は御欠席との御連絡をいただいております。また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の齋藤課長補佐、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官、海老課長補佐に御出席いただいております。
 次に、構成員の交代がございますので、御紹介いたします。
 岡留構成員に代わりまして、日本病院会の田中一成常任理事が新たに構成員となられました。本日は御欠席でありますが、よろしくお願いいたします。
 続きまして、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
 事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1、資料2を配付いたしましたので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
 なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
(カメラ退室)
○倉賀野専門官 それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。久しぶりのワーキンググループでございますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 まず、1つ目の議題ですが、「地域医療構想の進捗等について」でございます。
 事務局から、資料1につきまして、説明をお願いいたします。
○淺野補佐 事務局でございます。
 資料1について、御説明いたします。
 2ページを御覧ください。本日は、地域医療構想の進捗等として、3点、御報告いたします。1点目が「地域医療構想調整会議における検討状況等調査の報告」、2点目が「病床数の変化等」、3点目が「今後の対応方針」でございます。
 3ページから、御覧ください。まずは、1点目の調整会議における検討状況等調査の報告について、御説明いたします。
 4ページを御覧ください。国におきましては、昨年度末に、告示を改正し、PDCAサイクルを通じて地域医療構想を推進することとしております。この告示改正と併せまして課長通知を発出しておりますので、課長通知に基づき、具体的な内容を御説明いたします。
 5ページを御覧ください。こちらが課長通知になりますが、ここではPDCAサイクルを通じた地域医療構想の推進に関する具体的な内容をお示ししております。具体的には、都道府県におきまして、左側の(1)のとおり、対応方針の策定率等の年度目標を設定することとしております。また、右側の(2)のとおり、地域医療構想の進捗状況の検証として、病床機能報告上の病床数と将来の病床の必要量について、データの特性だけでは説明できない差異が生じている構想区域において、調整会議で要因の分析・評価を実施することを求めております。さらに、下の(3)のとおり、こうした検証を踏まえまして、非稼働病棟等の必要な対応を行うことを求めているところでございます。
 6ページを御覧ください。地域医療構想調整会議における医療機関の対応方針の検討状況等につきましては、令和4年度9月末・3月末時点で、それぞれ確認を行ったところでございます。今般、先ほど御説明したPDCAサイクルを通じた取組と併せまして、令和5年度9月末時点の状況を確認いたしましたので、その結果を御報告するものでございます。
 7ページを御覧ください。各構想区域における地域医療構想の推進に係る年度目標の設定状況でございます。左側の円グラフのとおり、目標を設定している区域が、全体の70%、240区域となっております。目標の内容につきましては、右側の棒グラフにございますとおり、多くの区域で対応方針の策定率を目標に設定しております。このほか、対応方針の実施率、その他として2025年に必要な回復期病床の割合等を設定している区域もございました。一方、全体の30%、101区域では、目標を設定していないという状況でございますが、その主な理由としては、「今年度中に調整会議で協議予定であるため」、「地域の自主的な取組が基本であり、目標設定はなじまないため」といった理由がございました。
 8ページを御覧ください。令和5年度末時点の対応方針の策定率の見込みでございます。左側の円グラフにございますとおり、既に100%、今後100%となる見込み、これらを合わせて、全体の85%、292区域となっております。一方、15%、49区域につきましては、100%とならない見込みとなっておりますが、その主な理由としては、「全ての有床診療所での対応方針の策定の見通しが立てられない」、「地域医療構想調整会議で合意が得られていない」といった理由がございました。
 9ページを御覧ください。再検証対象医療機関の対応方針の検討状況でございます。9月末時点では、医療機関のうち再検証対象医療機関のみ対応方針の検討状況を確認しております。対応方針の措置済みを含む検証済みの割合は、医療機関単位で68%、病床数単位で74%となっており、左側の3月末時点と比較して、増加している状況でございます。
 10ページを御覧ください。再検証対象医療機関における対応状況でございます。再検証対象医療機関のうち、措置済みを含む検証済みの医療機関につきまして、具体的な対応状況を右側の棒グラフでお示ししてございます。病床機能や許可病床数の見直しが多くなっておりますが、診療科等の医療機関の役割の見直し、複数医療機関による再編を実施するといった回答もございました。一方、従前どおりとの回答もございましたが、この理由について確認をしたところ、「二次救急病院等として地域医療を支える重要な役割を担っている」、「専門医療に重点化している」といった理由がございました。
 11ページを御覧ください。再検証対象医療機関における病床数の変化でございます。下の棒グラフにつきまして、青色が再検証時の2017年、オレンジ色が2023年の病床数を示しております。一番左側にある総病床数を見ますと、2017年から2023年にかけて減少しているところでございます。右の4つのグラフにつきましては、医療機能区分別にお示ししておりますが、例えば、急性期については減少し、回復期については増加しているという状況でございます。
 12ページを御覧ください。再検証対象医療機関のうち、措置済みを含む検証済みの医療機関、294病院の病床数の変化でございます。下の棒グラフにございますとおり、平成29年7月、令和5年9月、令和7年7月の推移・見込みを見ますと、総病床数は減少し、このうち、急性期は減少、回復期は増加している状況でございます。
 13ページを御覧ください。ここからが、地域医療構想調整会議の開催状況でございます。部会等を含む地域医療構想調整会議の開催回数でございますが、令和5年度は構想区域当たり平均4.0回の見込みとなっております。コロナ禍で開催回数が減っておりましたが、令和5年度は令和元年度よりも多くなる見込みとなっております。
 14ページを御覧ください。次に、部会等を除いた地域医療構想調整会議の開催回数でございます。令和5年度は、構想区域当たり平均3.1回の見込みであり、こちらも令和元年度よりも多くなる見込みとなっております。
 15ページを御覧ください。構想区域単位の地域医療構想調整会議の構成員の状況でございます。下の棒グラフにございますとおり、郡市区医師会、歯科医師団体、薬剤師団体、看護師団体、医療保険者は、ほとんどの構想区域で参加してございます。
 16ページを御覧ください。都道府県単位の地域医療構想調整会議の開催回数でございます。令和5年度は、多い県で6回の見込みであった一方、開催しない県は7県、設置していない県は6県がございました。開催しない主な理由としては、「現時点で全県で調整する議題がなかったため」、設置していない主な理由としては、「県医師会長が全ての構想区域の議長となっており、各構想区域の課題の共有等が可能であるため」といったものがございました。
 17ページを御覧ください。地域医療構想調整会議における複数医療機関の再編に関する議論の状況でございます。対象調査期間は令和2年1月10日から令和5年9月30日までとなっておりますが、全構想区域のうち、21%、72区域、全都道府県のうち、64%、30都道府県で、複数医療機関の再編に関する議論が行われている状況でございます。このうち、13道県20区域では、重点支援区域の選定を受けている状況でございます。
 18ページを御覧ください。外来医療の議論の状況でございます。調整会議で外来医療の議論を行っている構想区域は、93%、317区域でございました。都道府県別の内訳は、右側の棒グラフのとおりです。
 19ページを御覧ください。調整会議における在宅医療の議論の状況でございます。在宅医療については、調整会議の枠組みを活用するなど、柔軟な運用を可能としているところでございますが、調整会議において在宅医療に関する議論を行っている構想区域は、52%、178区域でございました。こちらも、都道府県別の内訳については、右側の棒グラフのとおりです。
 20ページを御覧ください。再検証対象医療機関につきましては、再検証に係る協議を行う際に、構想区域全体の2025年の医療提供体制について改めて協議することを求めているところでございます。この点、令和2年1月17日から令和5年9月30日までを調査期間として、議論の状況を確認いたしました。上のグラフでございますが、「類似かつ近接」による再検証対象医療機関を有する構想区域では137区域、下のグラフでございますが、「診療実績が特に少ない」による再検証対象医療機関を有する構想区域では107区域で議論が行われておりました。前回調査と比べて、議論が行われた構想区域が増加している状況でございます。
 21ページを御覧ください。調整会議における資料、議事録の公表の状況でございます。左側の円グラフのとおり、一部の構想区域を除いてほとんどの構想区域で公表がなされているところでございます。都道府県別の内訳は、右側の棒グラフのとおりでございます。
 22ページを御覧ください。令和4年度病床機能報告に係る都道府県知事の権限行使の状況でございます。①の非稼働病棟への対応でございますが、命令・要請・勧告といった措置は講じられておりませんが、428医療機関に対して、調整会議の出席が求められております。また、②の未報告医療機関への対応でございますが、1,627医療機関に対して、督促を行い、そのうち199医療機関に対して、期間を定めて報告をするよう命令を行っているところでございます。
 23ページを御覧ください。ただいま御説明した内容を1枚にまとめたものでございます。重複する説明は割愛いたしますが、最後の○でございます。厚生労働省としては、各医療機関の対応方針の策定や検証・見直しの状況等について、今後も定期的に調査し、状況を把握していきたいと考えてございます。
 次に、飛びますが、28ページからを御覧ください。2点目の病床数の変化等について、御説明いたします。
 29ページを御覧ください。2022年度の病床機能報告の結果でございます。2022年度の病床数の合計は119.9万床、2025年の見込みとしては119.0万床と報告されております。医療機能区分ごとの内訳は、こちらに示しているとおりでございます。
 30ページを御覧ください。このたび、病床機能報告上の病床数と2025年の必要病床数の乖離の状況について、確認いたしました。病床機能合計の総病床数の乖離率につきましては、2015年から2022年にかけまして+5.0%から+0.7%に縮小しております。これをもって必要量に近づいていることが分かります。また、高度急性期、急性期、回復期、慢性期、それぞれ確認しておりますが、これらについても乖離率は縮小しており、必要量に近づいているということでございます。
 31ページを御覧ください。こちらは、病床機能報告上の病床数と2025年の必要量との乖離の変化につきまして、構想区域別に示したものでございます。上のグラフが乖離率、下のグラフが乖離数で、それぞれの乖離の程度に応じて構想区域の状況を示したものでございます。青色が2015年、オレンジ色が2022年の状況を示しております。乖離率・乖離数、いずれで見ましても、病床が必要量より多い構想区域については、病床を減らしている構想区域が多くあるなど、乖離は縮小している傾向にございます。
 32ページを御覧ください。こちらは、31ページと同様に、急性期について乖離の変化を構想区域別に示したものでございます。乖離率・乖離数、いずれで見ましても、病床が必要量より多い構想区域については、病床を減らしている構想区域が多くあるなど、乖離が縮小している傾向にございます。
 33ページを御覧ください。こちらは、31ページ、32ページと同様、回復期について乖離の変化を構想区域別に示したものでございます。乖離率・乖離数、いずれで見ましても、病床数が必要量より少ない構想区域については、病床を増やしている構想区域が多くあるなど、乖離は縮小している傾向にございます。
 34ページを御覧ください。重点支援区域の概要でございます。重点支援区域につきましては、13道県20区域で選定しております。
 このうち、35ページから37ページにかけまして、3つの事例をお示ししているので、御覧ください。いずれの区域におきましても、安定的な医師の確保、救急体制の維持等に課題を抱えており、これらの課題を解決するために再編に取り組んだ事例でございます。その結果、救急医療体制の維持につながった事例や急性期と回復期の連携強化・充実につながった事例がございます。
 38ページを御覧ください。こちらは、ただいま御説明した内容を1枚にまとめたものでございます。重複する内容は割愛いたしますが、1つ目の○にございますように、地域医療構想については、一定の進捗が認められるものと考えております。一方で、2つ目の○のとおり、構想区域によっては、依然として必要量との大きい乖離が残っている区域がございます。こうした乖離があることのみをもって問題があるとは捉えておりませんが、大きい乖離がある場合には医療提供体制上の課題が生じている可能性があるということで、必要量との乖離の状況について構想区域ごとに確認・分析を進めていく必要があると考えております。
 最後に、39ページからをお願いいたします。今後の対応方針でございます。
 40ページを御覧ください。こちらは、これまでもお示ししてきた新しい地域医療構想のスケジュール等をお示ししたものでございます。新しい地域医療構想の検討につきましては、今年度の2023年度から2024年度にかけて検討し、これと並行しまして、現行の地域医療構想の取組を2025年まで進めていくこととなります。新しい地域医療構想につきましては、下に抜粋をつけておりますが、全世代型社会保障構築会議の議論の中間整理におきまして、かかりつけ医機能や在宅医療等を対象に取り込み、バージョンアップを行う必要があるとされてございます。
 41ページを御覧ください。昨年12月に取りまとめられた改革工程表2022の抜粋でございます。右側の工程のb、cにおきまして、地域医療構想の取組が記載されております。bにおきましては、都道府県において、「乖離が生じている構想区域について、医療提供体制に関する分析・評価を行い、評価結果に基づき、必要な方策を講じること」、「PDCAサイクルを年度ごとに実施し、対応方針の検討状況、策定率を公表すること」が求められております。また、国におきましては、重点支援区域等により支援を行うなど、必要な取組を行うこととされてございます。また、cでございますけれども、調整会議の議事録の公表や議論の実施状況の市町村への報告等について、法制上の位置づけも含め、必要な措置を講じ、取組を進めることとされてございます。
 42ページを御覧ください。本年6月に閣議決定された、いわゆる骨太の方針2023の抜粋でございます。下線部にございますように、骨太の方針2022と同様、「引き続き都道府県の責務の明確化等に関し必要な法制上の措置を含め地域医療構想を推進する」とされております。これらも踏まえつつ、今後、地域医療構想の取組を進めていく必要があると考えております。
 43ページを御覧ください。今年10月に開催された第14回全世代型社会保障構築会議の資料の抜粋でございます。こちらの会議におきまして、地域医療構想の進捗状況について、報告を行いました。下の今後の方向性となりますが、地域医療構想については、PDCAサイクルを通じた構想の取組を推進することとしておりますので、こうした取組状況について、年内を目途に、都道府県から国に報告を求め、必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。また、構想区域の効果的な事例を示し、都道府県にさらなる取組を促すとともに、2026年度以降の新しい地域医療構想の取組については、今後、中長期的な形で検討していくと報告を行ったところでございます。
 44ページを御覧ください。ただいま御説明した報告に対し、全世代型社会保障構築会議の委員の皆様からは、「2026年以降の枠組みを議論する必要がある」、また、「地域医療構想は、残念ながら、進んだ地域もあると思うが、全体として見れば当時議論したほどには進んでいないという状況がある」、さらには、総論的な内容として、「データに基づいた議論により構想を進めていくことが必要」といった意見がございました。
 最後に、45ページを御覧ください。地域医療構想の今後の対応方針でございます。1つ目の○でございますが、地域医療構想につきましては、一定の進捗は認められるものの、依然として課題もあることから、まずは、2025年までの取組をより一層推進するため、年内を目途に、各都道府県に対して調査を実施することとしてはどうかと考えております。調査項目の例としましては、先ほど来申し上げている必要量との差異の状況、差異が生じる際の医療提供体制上の課題、課題がある場合には課題を解消するための今後の取組などを確認してまいりたいと考えております。2つ目の○になりますが、こうした調査結果等を踏まえまして、必要な助言等を行うとともに、構想区域の効果的な事例の周知等により、都道府県にさらなる取組を促していきたいと考えております。その上で、新型コロナ対応を通じて顕在化した課題も含め、中長期的な課題について整理し、2026年度以降の地域医療構想の策定に向けた検討を進めていくこととしてはどうかと考えてございます。
 説明は、以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、構成員の方々から、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
 3つほど、意見と質問という形でお願いできればと思います。
 まず、16ページの資料ですけれども、調整会議を都道府県全体の単位でどれだけやってくれているかを調べているものを出してもらったことは本当によかったと思いますけれども、見てみると、奈良県がゼロなのです。全体会議はやっているのですけれども、「地域医療構想調整会議」という名前ではなくて、病院の全体会議や全体説明会という名前でやっているので、地域医療構想調整会議に準じたようなものもぜひ数えてほしいと思います。奈良の場合は、北半分・南半分でも結構頻回にやっていまして、そういう広域単位でやっている県もあるので、そういうところも今後の調査の対象には含めてほしいということで、要望というか、対応ができるかも教えていただければと。
 続いて、19ページに、地域医療構想調整会議の在宅医療の議論の状況があるのですけれども、今設定されている地域医療構想調整会議は、病院間が主な議論の対象になるように構成員がつくられているので、在宅医療の議論の場としてはあまりふさわしくないと考えています。今後、在宅医療の議論の場をこの調整会議の中で継続していくのか、別途在宅用に考えていくのかということは、ぜひお考えをお知らせいただきたいと思っています。
 3つ目、最後です。30ページに、必要量と既存病床との差について資料を取りまとめていただいているのです。今までは既存病床のほうが必要量よりも多いところの話だったと思うのですけれども、今後、大都市では必要量のほうが実際の既存病床よりも多くなってくると思うのです。実際に、今、多くの都道府県で既に基準病床のほうが既存病床を上回り始めていると思うのですけれども、今後、基準病床を大きく上回ってきているときに、今までは医療構想はこれ以上は増やさないほうがいいのではないかということで議論を進めてきたと思うのですけれども、実際に基準病床の側が上がってきたときに、その整合性をどのように取っていこうと考えているのか、先日、整合性を取るようにお願いしますという通知が出たことは理解しているのですけれども、実際のところ、どのようにすることを考えているかということを教えていただければと思います。
 以上です。
○尾形座長 それでは、何点か御指摘がありましたので、事務局から、お願いいたします。
○淺野補佐 事務局でございます。
 まずは、都道府県単位の調整会議の開催に関連して、調整会議の開催状況に係る調査を改めて今後検討してはどうかという御指摘だと受け止めております。おっしゃるとおり、地域の実情に応じて様々な方法で実際の議論が行われているかと思いますので、都道府県の皆様の調査の御負担も踏まえながら、今村構成員の御指摘を踏まえた調査が可能かどうか、今後の調査の中で考えてまいりたいと思います。
 2点目の在宅医療に関する議論について、現在の地域医療構想においては、調整会議の枠組みを活用してもよいと整理がされております。今後、新しい地域医療構想の中では、在宅医療も対象に取り込んでバージョンアップをすべきだという御指摘もいただいているので、在宅医療の議論を進めていく際には、病院の団体の皆様だけではなく、それ以外の方にも構成員に入っていただいて、効果的に議論していく必要があるかと思います。新しい地域医療構想における在宅医療に関する議論のあり方についても、しっかりと検討していきたいと思います。
 3点目について、必要病床数と基準病床数の関係などに関する御指摘をいただきましたが、御指摘のとおり、これらの整合性を図るということで、今回は国が示す数値の部分と都道府県が実情に応じて示せる数値の部分とがありますので、第8次医療計画の中では、こうした点を踏まえながら、基準病床の算定方法を検討いただきたいという旨の事務連絡を出させていただきました。今般、2025年が含まれる第8次医療計画の期間でしたので、こうした点について配慮するようにお伝えさせていただいておりますけれども、今後、大都市とそれ以外で、様々な地域の実情に応じて、人口の動き等も変わってきますので、こちらも新しい地域医療構想の検討の中で、論点の1つとして検討していく必要があると考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村構成員 ありがとうございます。
 1番、2番は、了解しました。ぜひ御検討を。
 3番目ですけれども、今まで、地域医療構想で必要量のほうが既存病床よりも多いところ、特に大阪や東京は1万や3万というオーダーで多いのです。今までは基準病床のほうが低かったわけですけれども、この数字はやがて基準病床と同じ数字になっていくので、基準病床側が1万や3万とオーバーする日がもう目の前まで来ているということだと思うので、ここの整合性は、2025年までの医療構想の整合性だけでなく、その先のことも考える必要があると思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 何点か、コメントをさせていただきます。
 地域医療構想の進捗について、全体として、病床機能報告数と病床の必要量の乖離が縮小していることが示されましたが、これについては、各構想区域で関係者による協議が重ねられてきた結果と受け止めております。厚生労働省が支援しております重点支援区域の状況について、幾つかの事例が紹介されましたが、地域の当事者間での協議に加えまして、国による技術的・財政的支援により調整が進む効果があると考えられ、今後も国による積極的な支援を期待するものであります。
 また、資料の22ページや27ページで、都道府県知事の権限行使の状況が示されております。非稼働病棟や医療機能転換への対応について、命令や勧告といった強い行政措置の実績がないことについては、こうした権限行使に当たりましては、医療機関のみならず、地域医療への与える影響が大きいこと、また、地域医療構想を進めるに当たっては、地域の自主的な取組が基本であることなども踏まえまして、都道府県が地域医療構想調整会議の場などを通じて、関係者間で十分に協議・調整を行っている結果と理解をしております。
 最後、2026年以降の地域医療構想の策定について、2040年に向けて、首都圏などの大都市部では、人口減少の速度は比較的緩やかな中で、75歳以上の高齢者人口はまだ増加が続くことが見込まれます。また、地方部では、人口減少が加速し、担い手が不足する中で、高齢者人口はピークアウトをする一方で、85歳以上人口、特に90歳以上の女性人口は増加傾向が続く状況が見込まれるなど、全国的に団塊世代が75歳を迎える2025年を見据えた現行の地域医療構想策定時の状況とは異なり、今後の医療・介護ニーズの変化は各地域でかなり異なることが想定されます。こうした地域ごとのニーズの変化に応じたきめ細やかなビジョンの策定が求められると考えております。
 私からは、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。御意見として承りたいと思います。
 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 今回お示しいただいたように、取組が厚生労働省及び各都道府県・地域で行われて、それなりにいい方向へ向かっていることが分かりまして、とてもよかったと評価しているところです。
 その点で、今日、私は2つのことを申し上げたいと思いますけれども、ひょっとしたらその2つは多少関係するかもしれません。
 重点支援区域ということで幾つかの事例を出していただいたのですけれども、こういうものの場合、病床が減った、増えた、病院がくっついたというところで、ある程度の成果という形にはなっていると思うのですけれども、具体的にそこで運用した場合に、患者満足度まで取るのは難しいかもしれませんけれども、例えば、患者の増減がどうだったのか、救急体制がどうなったのか、いろいろな見方はあると思うのです。そのようなうまくいったかどうかということについても、それぞれ効果という形では書いてあるのですけれども、これはパーセンテージだけなので、そこもさらに踏み込んで報告いただくと、場合によっては調査していただくということがあると、同様のことを考えてやろうとしている病院や地域の参考になるかと思います。そのような方向性で、さらに詳しく御調査していただけるかというところが1点でございます。
 これが2点目につながってくるのですけれども、その際に、病院をくっつけて病床を整理した、新しく高機能の病院をつくったというときに、問題になるのは、そこで働く医療者がしっかり確保できているかどうか。これは、医師のみならず、看護師を含め、その他の医療職全体、いろいろな方と。最近は、それに加えて、いわゆる事務職及び助手とかと言われている人が、様々な職種で、賃金がよそで上がっているので、病院には来ないという傾向が非常に強くなり、医師の働き方改革でタスクシフトをしようにもできない状況になっていっています。地域の病院では、医師不足、看護師不足、職員不足に本当に悩まされていて、それが原因で、せっかく再編とかはしたのに、うまくいっていないのではないかと思うところがありますので、この地域医療計画自身は病床や機能を取り扱っているとは思いますが、どこかというか、実際に、第8次医療計画の本体でも、医師確保対策やその地域の医師や医療職がどれだけ確保されるかということとの関連も含めて、将来的には、御紹介というか、統括した形の御報告もいただけたらと思っています。2番目は、要望となります。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 1番目に関しては、事務局としての見解を伺いたいと思います。
○淺野補佐 事務局でございます。
 大屋構成員の御指摘のとおり、重点支援区域におきまして、構想区域における課題解決にどのようにつながったかということを把握することは重要であると考えております。実際に今回の事例でもお示ししておりますとおり、課題としては、医師の安定的な確保、救急医療体制の維持に課題を抱えているということがございますので、そういった点について、成果としてどうなったかということはフォローアップをしていきたいと思っています。今、ちょうど重点支援区域で再編したものが4区域という状況であり、再編した後のフォローアップについては、まさにこれから確認していくという状況でございますので、都道府県とも連携しながら状況を確認して、必要に応じて御報告をさせていただきたいと思っております。
○尾形座長 大屋構成員、よろしいでしょうか。
○大屋構成員 よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。
 今回の調査の結果、まず、全体の合意した対応方針の策定率が非常に上がってきているということで、地域医療構想自体がかなり進捗していると考えております。また、31ページ等でその乖離率も全般的に少なくなっているということで、それなりの効果が全国的にも出ているのかなと思っております。ただ、これは2026年度以降のお話かもしれませんが、この地域医療構想調整会議のやるべきことがかなり多岐にわたっており、地域医療構想のほかにも、医師確保計画、外来医療計画、さらに、紹介受診重点医療機関をやらなくてはいけないということは、地域によって違いますけれども、とてもやり切れないという意見を多く認めます。特に、初手は病床機能ということで、病院の人たちが多く集まった調整会議が多いわけですので、その範疇をかなり超えていると思います。これは会議の構成メンバーを考量する必要があると思います。
 また、今回、都道府県知事の権限行使というお話も少し出てまいりましたが、ここは以前からいろいろと御指摘があるとおり、地域医療構想で様々なことを決定しても、都道府県によっては知事の意向が全く異なる形で現れてきてしまって、なかなか地域医療構想の決定したことが実現しないという指摘もあります。このようなことももう少し整理して資料に出していただければと思っております。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。これは御要望として承っておきたいと思います。
 それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
昨日、構想区域の調整会議に出てまいりました。地方では、今、猪口構成員がおっしゃったように、既に医師確保や在宅、外来という議論に移ってきています。ただ、構成員が先ほど話をされていましたように、基幹病院の先生とか、そういう方たちはほとんど発言がない状況ですから、2026年度以降になるのでしょうけれども、構成員の在り方は見直していかなくてはいけない事項ではないかと思います。
 一方、地域医療構想の調整会議で合意できたところ、かなり協議進んでいるところが結構あり、乖離も大分いい方向にいっているということでありますけれども、逆に乖離が大きいところが幾つか残っています。これはやはり大都市部になりますでしょうか。それは質問です。
 その上で、地方と大都市部での地域医療構想の在り方は大分異なると思うのです。今後、339構想区域全てを一緒に考えるというよりは、乖離がこれだけ激しいところもあるわけですから、そこも検討しながら進めていかなくてはいけないのかなと思います。
 以上です。
○尾形座長 乖離が大きい地域は大都市部なのかという御質問ですが、いかがでしょうか。
○淺野補佐 事務局でございます。
 乖離に関する御質問でございますけれども、病床機能全体の乖離数で見た場合に、必要量より多い方向に乖離が大きかった地域としては、地方都市でございましたが、逆に、必要量より少ない方向に乖離が大きかった地域としては、大都市でございました。今後、地域によって状況も大きく変わってきますので、新しい地域医療構想に係る検討の中でも論点として議論していければと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 織田構成員、よろしいでしょうか。
○織田構成員 大都市と地方は少し違うわけですよね。地方においては、逆に、先ほどもお話が出ていましたように、生産人口というか、働く人が減ってきていますので、今後、病床も含めて、どうやって支えていくかという議論も必要になってくるのではないかと考えています。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 ありがとうございます。
 説明を聞きまして、今回の調査結果から、各医療圏で徐々に検討が進んでいて、2025年の必要量との乖離も縮小しているということはよく分かりましたが、2025年といいますと、もう間もなく訪れる年でありまして、地域医療構想の2025年の設定については、詰めの段階に来ているのかなというところを考えると、詰めていく、最終的につくり上げていく中で、残された課題もまだ少し見えたので、コメントと事務局への何点かのお伺いをしたいと思います。
 まず、7ページなのですが、各構想区域の目標の設定状況で101、3割の構想区域が「目標設定なし」となっているのですが、理由を見ても、目標設定をする気がないように受け止められるコメントが出ております。今月3月に通知が発出され、目標設定を行うことが明記されているのですが、このような地域に都道府県は残された期間でどう対処すべきなのか、事務局としてのお考えをお聞きしたいと思います。
 8ページ、今年度中に策定率が100%とならない見込みの区域が49あり、できない理由として有床診療所の対応方針の策定の見通しが立っていないことや、策定しない医療機関があるためとあるのですが、策定しない医療機関があっていいのか、今後、都道府県は残された期間の中でどうこれに対処すればいいのかというところをお聞きしたいと思います。
 病床機能報告さえ行わない医療機関もまだあると聞いておるのですが、病床機能報告は、医療法に定められた、ある意味、義務ですので、都道府県は法にのっとった対応を行うべきと3月の通知にも書いておりますが、これは法律で定められた事項なので、必ずやるべきだと思います。この地域医療構想は国家プロジェクトとして進んでいるわけで、重点区域をつくって統合・再編までやって大変御苦労されている地域もあれば、報告さえもしないところがあるという両極端があっていいのか。これから、2025年にかかわらず、2026年以降も、2040年に向けてこのプロジェクトは進んでいくのですが、あまりにも区域によって温度差があることは、今後、これをプロジェクトとして進めていく上で、出だしでつまずくということもありますので、こういったところには2025年までに厳正に対処していただきたいと思います。こういった報告さえしない医療機関に今後都道府県はどういう対応を行っていくべきなのかということについても、事務局のお考えをお聞きしたいと思います。
 22ページ、非稼働病床への対応も重要な課題であると思われるのですが、病床過剰区域では非稼働病床を正確に把握して必要に応じて都道府県知事が適正な対応を取ることが医療法にも明記されているにもかかわらず、先ほど野原構成員もおっしゃいましたが、権限が行使された事例がないという実績がある。都道府県が権限を行使することが目的ではないのですが、残された期間で、調整会議で報告して協議することは必要ではないかと思われるのですが、報告もまだ行われていない、いわゆる非稼働病床が見える化されていないという現実がある中で、今後これをどのようにやっていくべきかということについて、事務局の考えをお聞きしたいと思います。
 最後に、25ページ、3月調査の報告なのですが、これの9月版の数字があれば、お教えいただきたいのです。特に知りたいことは、25ページの3月調査の右から3列目、「協議・検証未開始」の医療機関数が2,956、医療機関の4分の1、約3,000弱がまだ協議・検証未開始となっておりまして、下のほうに書いてある2,900が民間医療機関ですので、そのほとんどは民間医療機関になると思うのです。こういった未着手の状況なのですが、もう2025年まで1年半ぐらいの中で、今後この3,000弱はどういう行動を取ればいいのかといったことについても、事務局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。現在検討している地域医療構想は2025年の目指すべき姿ということなのですが、それ以降は2040年のさらなる高齢化に向けての異なったフェーズに入ることになると思います。そのためにも、全ての医療機関が、まずはこの2025年までにきちんと対応することが必要だと思うのです。2025年の時点において、こういった報告ができていないとか、計画がまだつくれていないというところが出ることを許すのかどうかということについても、事務局のお考えをお聞きしたいと思います。
 何点か確認事項を言いましたが、よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 何点か、事務局の考えが求められているかと思いますので、お願いいたします。
○淺野補佐 事務局でございます。
 まず、7ページ目の年度目標の設定状況で目標を設定していないところへの対応に関する御質問がございました。こちらにつきましては、まず、今般、9月末時点の調査ということで、理由を含め、こうした回答をいただいた状況でございます。目標設定については、昨年度末の通知で都道府県に求めている内容になりますので、詳細な状況について、個別に都道府県に確認をしながら、必要な対応を検討していきたいと思っております。
 次に、2点目、8ページでございます。対応方針の策定率が100%になっていないところへの対応でございます。こちらについても、先ほどの目標設定と同様ですけれども、今回は9月末時点の調査ということで、こうした理由を回答いただいた状況でございますので、今後、都道府県に個別に詳細を聞き取りながら、必要な対応を考えていきたいと思っております。
 3点目でございます。病床機能報告をしていない未報告医療機関への対応でございます。こちらについては、先ほどの22ページの権限行使の状況に係る資料にもございますとおり、都道府県の中で督促・命令等の必要な対応が行われているものと考えてございます。医療機関からの報告は必要な対応でございますので、引き続き、報告の状況を確認しながら、未報告の医療機関がしっかりと報告できるような環境整備に努めてまいりたいと思っております。
 4点目の非稼働病棟への対応でございます。こちらについては、昨年度末の通知の中で、PDCAサイクルに沿って必要な対応を行うよう求めているところでございます。非稼働病棟への対応につきましては、幸野構成員からも御指摘いただきましたように、命令・要請・勧告を行うことが目的ではなくて、これはあくまでもツールでございますので、その前の時点で調整会議といった地域の協議の中で解決を図っていくことも当然あり得ると考えております。地域の実情に応じて非稼働病棟への対応も進められていくと思いますので、今後、都道府県の状況も確認しながら必要な対応に努めてまいりたいと考えております。
 最後、5点目でございます。25ページの医療機関の対応方針につきまして、全体の医療機関の9月末時点の調査内容があるかという御質問と受け止めております。これについては、先ほど御説明したとおり、対応方針については再検証対象医療機関のみを今回の9月末時点の調査の対象として実施しておりますので、全体の医療機関の数字はない状況でございます。今後、また定期的に調査を行ってまいりたいと思っておりますので、全体の医療機関の状況も確認しながら、必要な対応を考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 幸野構成員、いかがでしょうか。
○幸野構成員 了解しました。個別に対応ということなのですが、地域医療構想調整会議の中では、県の方も非常に苦労されていて、かなり督促はされているみたいなのですが、何度言っても出してくれない、なかなか出てこないということで、県の方には国にやってほしいみたいな感覚があるみたいなので、その辺は都道府県にお聞きになったらよいかと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 まず、順調に報告と地域医療構想に対しての作業が進んでいるということは、大変ありがたいといいますか、望ましいことだと理解しておりますけれども、先ほど織田構成員からも御発言がありましたが、大都市部と地方部の差異をデータとして示していただきたい。これは、まさに一番お願いしたいところでございます。一つは、今村構成員からもございましたけれども、地域医療構想や医療の提供体制に対しての考え方とありようが100万以上の都市部と地方とで明確に違うということは恐らく出てきているのだろうと思っているところでございます。そうだとするならば、大都市をどう区切るかというところによって違いますけれども、都市部の特殊性を加味した上で、全人口の25%を超える人たちを対象とするような大都市部の医療提供体制の構想はもう一度方針を立て直す必要があるのではないかと、個人的には考えているところでございます。そのためのデータをしっかりとお出しいただく必要があるだろうと思っております。
 それに関連して、これも今村構成員から御発言がございましたけれども、「必要病床数」という言葉が独り歩きしていて、ある意味、現場としては大変混乱しているということが現実でございます。この必要病床数は現在の地域医療構想の考え方の中では最も重い基準の一つと思っていますが、都市部もいわゆる地方も必要病床数が同じ重さを持って比較をされていることは問題であると同時に、この必要病床数という基準自体が、コロナという非常に特殊な状況を除いても、大きく変動する人口動態や医療需給の状態、医療提供体制も大きく変わってきていますから、そのような状況を勘案して必要病床数自体を見直してきたのかどうかということを教えていただけますでしょうか。もし見直されていないということであれば、定期的・経時的な見直しが必要ではないかと考えているところでございます。
 もう一点が、これは以前からお話し申し上げてお願い申し上げているところでございますが、大学病院と分医院の取扱いについては、いずれも地域医療構想の協議の中で決めていくということで回答をいただいております。しかし、以前からお話ししておりますけれども、大学病院あるいは分医院と、他の市中病院、特に民間を含めた中小病院では、明らかにパワーバランスに不均衡があるのです。不均衡がある中で、本音での議論はできていないという実態がございます。これはごく一部の大都市部分だけの問題かもしれませんけれども、何らかのフェアな協議を推進するための仕組みを大都市部の問題として取り上げていって、そのようなシステムを構築することが必要ではないかと考えている次第でございます。今後の対応について、何らかのお考えがあれば、教えていただきたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 それでは、何点か御指摘がありましたので、事務局から、お願いします。
○淺野補佐 事務局でございます。
 伊藤構成員のおっしゃるように、大都市とそれ以外で取り巻く状況は大きく変わっていると考えております。また、2025年までと2040年頃までを考えたときに、今後、2025年から2040年にかけての人口動態も大きく変化してくると考えております。新しい地域医療構想におきましては、こうした地域の特殊性を踏まえながら検討を進めていきたいと考えております。
 現在の地域医療構想の必要病床数については、地域医療構想を策定する際のガイドラインの中で2013年のNDBを活用した推計をお示ししており、現行の構想の中では特段変更は行っていないところでございます。新しい地域医療構想については、そもそも対象期間をどうするかということはありますけれども、定期的に見直しを図っていくかどうかも含めて論点となるかと思っております。
 最後に御指摘いただいた部分につきましても、地域によっては提供体制の状況も違うと思いますので、新しい構想を考えるときに地域の実情を踏まえるという点で、そういった事情も考慮しながら検討していく必要があるかと思っております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。恐らく2026年以降の検討になると思いますが、ぜひこういうところの章立てをお願いしたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 すみません。今日の議題から少しそれるのですが、ほかに意見がなければ、調整会議自体のことについて発言したいのですが、よろしいですか。
 私も調整会議に出ておりますので、今日の議題とは少しそれるのですが、2026年度以降の地域医療構想を考えるに当たって参考になればと思って、発言させていただきます。
 一つは、よく出てくる意見なのですが、令和4年度の病床機能報告が集計されて、2025年の必要病床数との比較がされる資料が出てきて、その結果、急性期と慢性期が過剰で、高度急性期と回復期、特に回復期が少ないというデータが示されます。調整会議において急性期は過剰で回復期が不足していることから、急性期から回復期への転換を促す発言を私がすると、必ず議論になるのが、「回復期の数字の過不足をもって足りる・足りないという議論をすることは妥当でない」という意見が返ってくるのです。反対の意見としては、回復期はリハをやっていて、そのリハには、外来リハもあるし、入院でのリハもあるし、在宅でもリハがあるといったところで、患者の病態に応じてどういうリハをしていくかということが重要で、その回復期の病床数が足りる・足りないというところをもって議論していくのは違うのではないかというお答えが必ず返ってきます。多分回復期の病床数の目安も在宅や外来でのリハを除いた入院が必要なリハの病床数で割り出されていると思うのですが、委員の中では、リハはそのときに応じた適切な対応が必要ということで、あまり病床数にこだわるべきではないという御意見があります。先生方でもし分かっていればお教えいただきたいのですけれども、そういったところは、今度、次期地域医療構想の策定に向けて、一つのヒントになるのかなと思ったので、共有させていただきました。
 それと、猪口先生がおっしゃっていたように、調整会議自体が非常にタイトになってきていまして、2時間ぐらいの会議ですけれども、今、外来医療や紹介受診重点医療機関に関しても同じメンバーで決めていまして、県から出てきたら第8次計画の素案についても議論して、医師確保計画についても議論してということで、2時間の会議の中で3つ、4つの非常に重要な議題を議論していくわけです。この地域医療構想の議論自体は、45分から1時間もないため、あまり深い議論ができていないのかなと思っています。2025年まではしようがないと思うのですが、2025年以降の議論をするに当たっては、会議のすみ分けをやっていってもいいのかなということが感想としてありましたので、お伝えします。
 最後なのですが、これも私の印象なのですけれども、意見として医療圏を変えたほうがいいとかなりの先生方から出てくるのですが、事務局である県庁が非常に困っていて、医療圏を変えるのは相当なことだみたいなことで、その変える医療圏の相手方の調整も必要だし、国での調整も必要だしということで、なかなか実現に至っていないのです。この医療圏を変えるという議論も少しやっていくべきかと、縦に長いところは流入・流出がめちゃくちゃなところもあるので、そういったことも次回以降の検討には加えていくべきかと思いました。これは、意見です。参考までにお伝えします。
 ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。大変参考になる御意見かと思います。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、私から、一委員として、発言させていただきたいと思います。5点ほど、コメントをさせていただきます。
 1つは、今日の29ページに示されているように、2022年度の病床機能報告ですけれども、地域医療構想については、全体としては、総病床数が減少しているあるいは急性期や慢性期の病床が減少して回復期の病床が増加する等、一応目指している方向に一定の進捗が認められるのではないかと思います。ただ、今日、いろいろな御意見が出たように、もちろん個別の構想区域ごとに見るとまだ十分でないところがあることは事実だろうと思いますが、全体として全く進んでないという言い方は少し違うという気がいたします。全体としては、一定の進捗は見られるけれども、地域ごとにかなり差がある、さらに、2025年に向けて一層加速していく必要があると考えます。これが、1点目です。
 2点目として、今日、再検証対象医療機関についてのデータが出されていましたが、10ページのスライドを見ますと、従前どおりと回答している医療機関が一定数あるということであります。この辺は前回も申し上げたかと思うのですが、安易に従前どおりというのはいかがなものかと思いますので、これについてはさらに分析が必要かと思います。
 3点目としまして、今回のスライドでいうと30ページから33ページの辺りに、病床機能報告上の病床数と2025年の必要量との乖離の状況を構想区域ごとに分析していただいていますが、これは大変有益な情報であると思います。既に何人かの構成員の方から御議論が出ていますように、特にこの乖離が著しく大きい構想区域については、その要因あるいは医療提供体制上の課題等についてさらに分析を進める必要があると思います。
 4点目として、2025年まで引き続き現行の地域医療構想の取組をさらに推進していく必要があるわけですが、その際には、都道府県にさらなる取組を促していく必要がある。野原構成員からもありましたように、その際には国による効果的な支援が不可欠だと思います。好事例の展開、データ分析の支援あるいは個別の構想区域への支援等、事務局におかれては、具体的な取組内容やさらなる支援策をぜひ考えていただきたいと思います。
 最後ですが、これまでも何度か発言してまいりましたし、今日も何人かの構成員の方から出ていますように、2025年といってもあと1年余りということでございます。新たな地域医療構想というか、ビジョンというか、検討しなければならないわけでありますが、その際には、現在の地域医療構想をどう評価するかというところが非常に重要な出発点なのだろうと思います。現状での課題や問題はどういうことなのかということについて十分に検討する必要があると思います。これも何人かの構成員の方からご指摘があったように、地域医療構想がスタートした後、様々な政策上の動きがあるわけです。外来機能報告あるいはかかりつけ医機能報告、これは2025年4月から動き出すということですが、そういった新たな政策を踏まえて考えていく必要がある。特に調整会議での検討体制も含めて、この辺は次期構想において考えていく必要があるのではないかと思います。
 私からは、以上です。
 今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
 地域医療構想の成果について、少し追加でコメントをさせてもらいたいと思います。今、急性期が少し減って病床も目標に近づいているということですけれども、地域医療構想が今から10年以上前につくられたときには、本来、30万床の入院している人を、在宅、少なくとも入院以外のところに誘導するという話が最大のテーマだったと思います。現在、その方々の誘導はほぼ成功しているという状態があると思うので、その地域医療構想の成果としては、当時、病床を増やさずに1.4倍に増える患者さんをどうしますかという全体像については、成功しているという面があるのではないかと。今、現実に、特養があふれて、老健があふれてということはなくなってきているわけですので、そういう意味で、本来の在宅誘導、慢性期の方々を医療機関以外に誘導するという施策そのものは大きく成功していると思いますので、今後、ぜひその辺は医療構想の成果としても強調してほしいと思います。
 今村からは、以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。大変貴重な御意見かと思います。
 ほかはよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、ほかに特に御意見等もないようですので、本件については、以上にしたいと思います。
 それでは、2つ目の議題に移らせていただきます。「令和7年度医学部臨時定員に係る方針について」でございますが、これにつきましても、まず、事務局から、資料の説明をお願いいたします。
○佐々木室長 それでは、令和7年度医学部臨時定員に係る方針について、御説明させていただきます。
 お手元に資料2を御用意ください。
 まず、おめくりいただきますと、これまでの臨時定員に係る経緯について、まとめております。臨時定員につきましては、平成20年度以降、閣議決定によって臨時定員を全体的に増員されてきました。その後、骨太の方針2018において、2019年度以降の医学部定員について、2020年度、2021年度については、その必要性を慎重に精査しつつ、暫定的に医学部定員におおむね維持すると取り決められたところでございました。また、2番目の後段にございますように、2022年度以降については、定期的に需給推計を行った上で、将来的な医学部定員の減員に向けて、医師養成数の方針について検討するとされております。また、2019年の骨太の方針においても、同様に、2022年度以降の医学部定員について、需給推計を行った上で、医学部定員の減員に向けて、医師養成数の方針について検討するとされておりました。また、2022年度以降、令和4年度以降の定員の方針についてはどうであったかということについて、下の四角にまとめております。まず、令和4年度の医学部定員につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして十分に議論を行うことができなかったという背景がございましたので、ここは暫定的に令和2年度と令和3年度と同様の方法で設定いたしました。また、令和5年度の定員につきましては、歯学部振替枠を除きまして、令和4年度と同様の方法で設定しておりまして、令和6年度の臨時定員につきましては、昨年度、本ワーキングにおいても少し御報告させていただいておりましたけれども、臨時定員全体の必要性を十分に精査し、地域における医師の確保に必要な範囲で設置を認めることとした上で、令和元年度の総定員数を上限として令和5年度の枠組みを暫定的に維持するという方針でございました。
 以上が方針となりますけれども、具体的にどのような医学部定員の推移になってきたかということにつきまして、次のページにお示ししております。臨時定員が設置される平成19年度までにおきましては、7,625名で医学部定員は推移しておりましたけれども、その後、臨時定員が設置された平成20年度以降、徐々に医学部定員が増加してきておりまして、令和元年度には9,420名になったという状況でございます。その後、一旦令和2年度は減りましたけれども、以降も引き続き徐々に増加してきておりまして、令和6年度は9,403名になる予定となっております。医学部定員の推移につきましては、以上となっております。
 次に、恒久定員も含めまして、医学部の臨時定員の地域枠の設置の活用の方針についてどうすべきかということについて、昨年の医師確保ワーキングの中で御議論いただきまして、そのポイントについて、まとめております。右の赤い四角で囲っておりますけれども、安定した医師確保を行うために、都道府県は積極的に恒久定員内への地域枠や地元出身者枠の設置について大学と調整を行うこと、また、その次のポツで書いておりますけれども、特に医師少数都道府県においては、地元出身者を対象として、他都道府県に所在する大学にも地域枠を設置し、卒前からキャリア形成に関する支援を行うことで医師確保を促進するといった御意見をいただいて、取りまとめたところでございます。
 こういった方針を踏まえまして、令和7年度医学部臨時定員に係る方針について、次のページにまとめております。先ほど申し上げましたとおり、一番上に書いてございますけれども、令和元年6月に取りまとめられました骨太の方針2019におきましては、2022年度以降の医学部定員について、定期的に需給推計を行った上で、医学部定員の減員に向けて、医師養成数の方針について検討するとされております。また、その後、医師需給分科会第5次中間取りまとめにおきましても、医学部定員減員に向けた検討の必要性あるいは恒久定員内の地域枠設置の重要性等が示されておりまして、本ワーキングにおきましても地域枠等の供給定員内への設置の方針について検討が行われたという状況でございました。一方で、令和6年度の医学部定員については、令和2年度以降、前年度比増が続く結果となっていたということがございますので、長期的な方向性と整合的になるように令和7年度の医学部臨時定員を精査する必要があるのではないかと考えております。このため、令和7年度の医学部臨時定員につきましては、新たな医師確保計画策定ガイドラインで示された方針を踏まえまして、まず、各都道府県に対しましては、積極的に恒久定員内への地域枠や地元出身者枠の設置について、大学との調整の開始を促した上で、臨時定員全体の必要性を十分に精査し、とりわけ前年度比増となるような意向につきましては、当該都道府県の医師偏在指標、医師多数県であるか少数県であるかといったことや地域枠医師の配置・運用状況あるいは医師養成課程における教育・研修環境の体制がしっかりと整っているのかどうか、医学部定員の欠員状況を慎重かつ丁寧に精査した上で、また、必要に応じて臨時定員を希望する都道府県に対しまして、その臨時定員の必要性について有識者も含めた検討の場でヒアリングを実施するなど、本当に必要な範囲で臨時定員の設置を認めるということをした上で、定員数につきましては、令和元年度の医学部総定員数、9,420名を上限として、令和6年度の枠組みを暫定的に維持することとしてはどうかと思っております。また、令和8年度以降の医学部臨時定員につきましては、各都道府県・大学の現状を踏まえて、その設置方針も含めて改めて検討する必要があると考えております。
 事務局からは、以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 この議題につきましては、衛生部長会というよりはむしろ医師少数県の立場でコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、医師少数県における医学部定員増と地域枠の設定については、継続して国に要望してきた事項でありまして、まずもって令和7年度も医学部臨時定員を継続する方針を示していただきまして、感謝を申し上げます。
 令和7年度の方針について特に異論はございませんが、恒久定員内の地域枠や地元出身者枠の設定については、例えば、他県の大学に設置していた地域枠を恒久定員内に振り替える調整なども含めまして、それぞれの大学の意向も十分に伺う必要もありますことから、都道府県と大学の調整には国も関与するなどの配慮をお願いしたいと思います。
 令和8年度以降の方針については、これから議論していくこととなりますが、昨年の第9回の本ワーキンググループで示された2020年の最新の医師偏在指標結果は、速報値での評価ではありましたが、全体として医師数は増加しているものの、都道府県単位、二次医療圏単位ともに、最小値と最大値の差や標準偏差が旧指標を算定した2016年より増加しており、全国的に医師の地域偏在は拡大していることが示されております。2020年の医師偏在指標の算出に当たりましては、従たる従事先を加味し、医師少数区域の医師数は増加する方向で反映されています。また、新指標を算定した2020年は、資料の2ページに示されているように、国の新医師確保総合対策により、2008年から岩手県などの医師少数県から始められた地域枠による養成医師が、2016年には、臨床研修を修了し、順次、地域での勤務を始めるなど、国や都道府県による医学部定員増と地域枠等の医師確保の取組の効果が発現し始めている時期でありまして、2016年から2020年の4年間で、こうした政策効果を加味しても、なお医師の全国的な地域偏在は拡大している結果となっております。加えて、現行の医学部臨時定員増に基づいた地域枠を継続しても、最も医師が不足している県では、医師確保計画最終年度の2036年においてもなお医師が不足するという推計もございます。こうしたデータや評価などを十分に考慮して令和8年度以降の取扱いについての議論を進める必要があるものと考えております。
 私からは、以上でございます。
○尾形座長 御意見として承りたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
 2つほど、意見と質問です。
 主に研究医についての扱いがどうなるかということを教えてもらいたいのですけれども、今、各大学は研究をきちんとしてくれるようなMDを養成したいと思ってその枠を拡大しようとしていると思うのです。今回、増員が継続することはよく理解できるのですが、あと6年でシーリングまでは17人しか差がないとすると、究研医を増やしたいと大学が思ったときには、このシーリングに縛られて既存の一般の枠を減らすしかないという状況なのかどうかということを確認したいということです。
 2つ目は、少し関係があるのですけれども、文科省で医学教育の在り方検討会というものが立ち上がっておりまして、私も委員をさせていただいているのですが、そこで働き方を経ても教育・研究機能を落とさないために頑張るということがたくさん書かれていて、その中でも研究医のことも書かれているのですけれども、今回の臨時定員の現状維持に関しては、その中間報告の内容とどのように整合性を取ってきているのかというところについても、事務局から、今の状況をぜひ教えていただきたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 御質問ですが、これはどなたから。
○佐々木室長 まず、事務局から、お答えさせていただきます。
 先生のおっしゃるとおり、研究医枠につきましては、現状、臨時定員の中で設置されている大学もあると考えております。全国の医学部定員の上限の総数につきましては9,420名が上限となっているということでございますので、研究医枠の臨時定員、また、地域枠の臨時定員、恒久定員も含めて、全国で9,420名まで設置できるという状況になっております。現状では、これまで、令和2年以降、9,420名以下で推移してきておりますので、地域枠あるいは研究医枠によってそれぞれが設置できないということはございませんでしたけれども、今後、9,420名に限らず、その上限に達する場合には、研究医枠、地域枠、それぞれ臨時定員としてどう設置するか、あるいは、臨時定員だけではなくて恒久定員の中に地域枠や研究医枠をどう設置するかということも含めて、検討する必要があるのではないかと考えております。また、大学病院の在り方検討会の中でも研究医枠についてしっかりと設置することが大事だということは示されておりましたけれども、今回、私どもがこの医師確保ワーキングの中で示させていただきました内容につきましては、主に地域の医療提供体制を考える上で、地域枠をどうすべきであるか、臨時定員としてどう考えるべきか、上限をどう考えるべきかということについてお示ししておりますので、本ワーキングでお示ししているものは地域枠を主眼に置いて記載している、また、大学病院の在り方検討会の中ではその研究医枠を主眼に置いて記載されているものかと考えております。
 事務局からは、以上になります。
○尾形座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村構成員 枠内だということは理解しました。でも、在り方検討会では、大学がいかに研究機能を維持するかということを物すごく重視しない限り、働き方改革の下に大学病院は臨床一辺倒に染まってしまうということを危惧していたわけです。そこで、研究を強化するためにはどうすればいいかということを議論した結果、研究医とかを充実していくべきだという議論になっていったと思うのですが、今、総定員として17名と示されているということは、それ以上は増やすことができない、働き方改革で臨床ばかりにならないようにしましょうと言いつつ、実は定員ではこれ以上の研究医の枠はつくらせませんという状況になっていることで、少し矛盾があると思います。そこで、今後、厚労省と文科省との調整をより深くやっていただかないと、大学がより一層手足を縛られていくような環境になるのではないかと危惧いたします。
 今村からは、以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、文部科学省の堀岡企画官。
○堀岡医学教育課企画官 御指摘をありがとうございます。
 私どもは、医学教育の検討会の中で大学病院の医学教育と研究について今もずっと議論しておりまして、その中でも研究医枠についての議論がございました。先生にも御参加いただいているのですけれども、研究医養成の重要性に鑑みて、医学部定員全体の方向性は踏まえながら、その範囲内で研究医を増員する方策を考えないといけないと思っております。それはいろいろなやり方があると思っています。例えば、臨時定員で今までどおりにやるのか、一部の基礎医学をもっと増やしたい大学と相談して恒久定員枠の中でもっと増やすのかとか、いろいろな方策があると思っています。いずれにせよ、きちんと医学部定員全体の方向性は踏まえないといけないと文科省も思っておりますけれども、そういった意味では、厚労省ときちんと調整してまいりたいと思っております。
 以上です。
○尾形座長 今村構成員、よろしいでしょうか。
○今村構成員 分かりました。現時点で今の17名は結構厳しい話なのだと思うので、今後、ぜひ調整をお願いしたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋です。
 今、今村構成員から御指摘があったように、大学の研究機能が本当に地に落ちているということで、例えば、助教と言われている若手医師が1週間に研究する時間が、ほとんどない、5時間未満という、信じられないような数字がアンケートで出てきているわけでございます。そういうことを考えると、もちろん、今村先生の御指摘のように、しっかりとした枠やキャリアパスを示すことと同時に、医学研究がどこでどのように行われるかということを、厚生労働省からも、文科省が考えていることも一緒に考えていただいて、制度として確立していただきたい。今、堀岡さんも言われたように、幾つかのパターンがあると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 私からのコメントになります。私は、まさにこの地域枠の制度に関する調査を、AJMC、全国医学部長病院長会議で行っている立場にございますので、そこでのこれまでの我々の調査を含めて、現状と令和7年度の医学部臨時定員がこのような基本方針になったということについて、コメントを申し上げたいと思います。
 1つは、これまでの地域枠の役割として、地域で医師を増やしていくということについて、大筋では、方向性としては、うまくいってきているということになります。先ほどの御指摘のように、必ずしも地域格差は減少していないのですけれども、地域で確実には増えていっているということになります。なかなかぱっと見えないところは、まずは、若手が専門医を取るまでにいろいろなところで勉強するので、地域で働けといっても、まだ勉強中なので、いわゆる制度上もある程度の勉強の際にはいろいろなところでやっていいとなっているところが多いので、そういう面での格差がまだ縮小していないように見えるという部分もあります。
 一方、我々大学人が地域の都道府県の担当者とも最も苦労しているものが、離脱、特に不同意離脱と呼ばれているものでございます。実を言いますと、ただ放置していますと、この不同意離脱がどんどん増えていく状況になります。以前、1回、そのようになりかけたものを、マッチング協議会でそのようなことをした人と病院に対して厳しく制限を加えたことで、ほとんどなくなりました。さらに、現在、専門医機構から不同意離脱の人には専門医を与えないということが出て、この不同意離脱が非常に減ったところでございます。しかしながら、近年、また徐々に増え始めていて、それに対して我々は非常に憂慮しています。せっかく臨時増員までして地域で働く医者を増やそうとしたにもかかわらず、不同意離脱が増えて、それが、結局、自分たちが行きたいところに行ってしまうということにならないように、引き続き、厚生労働省及び関係団体には、地域枠の本来の目的を達することができるように、様々な制度を駆使してやっていただければと。しかしながら、これは我々大学人の仕事ではありますけれども、そのような制限のせいで地域枠の学生が自分たちの将来を悲観して希望がないとならないようにはしないといけない。それは私どもの役割かとは思いますけれども、そういう面では、不同意離脱なりこの制度がしっかりと安定的に動くように、ぜひ御協力をよろしくお願いいたします。
 意見ということで、特に質問はございません。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 どうぞ、堀岡企画官。
○堀岡医学教育課企画官 最後に、すぐ終わりますので、一言だけ。大学で医師を養成することで少し言われていることがありましたので、お話を差し上げます。まず、もちろん、厚生労働省でお話ししている医師養成の方針に、大学として全面的に協力していきたいと思っております。地域に必要な医師をつくることは大学とともに文科省も一緒にやっていくのですが、この医学部の臨時定員の在り方は非常に関心が高うございまして、大学の方針が大きく変わるときには、基本的には、できるだけ早く、2年前に決めていただくことが通常のルールであります。令和8年度以降のものを決める場合には、大きな変更がある場合には、令和6年の春にはその結論は出していただいて、大学に十分周知させていただいて、都道府県と一緒に話ができる期間を十分に取っていただきたいと考えておりますので、一言だけ、お話しさせてだきました。
 以上でございます。
○尾形座長 どうぞ。
○大屋構成員 大屋です。
 今のことに追加させていただきます。今、堀岡企画官が言われたように、実を言いますと、この方針の決定が遅れますと、高校生たちが地域枠を希望しなくなります。その年度は倍率がぐんと落ちるということが、過去の2回ぐらいのときに見えております。どういうことかというと、面接等があって、通常の入試と違いますので、地域枠の定員がどうであるかということは受験生にとって非常に興味がありますので、そういう意味からも、方針決定は早くしていただきたいということは、私どもからもお願いしたいと考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、特にほかに御意見や御質問等もないようですので、本議題は以上としたいと思います。
 本日用意いたしました議題は、以上でございます。
 最後に、事務局から、何かございますか。
○倉賀野専門官 次回のワーキンググループにつきましては、詳細が決まり次第、改めて御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきたいと思います。
 長時間にわたりまして、熱心な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

医政局地域医療計画課
直通電話:03-3595-2186

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