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2022年10月27日 第9回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和4年10月27日(木) 15:00~17:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 7階 カトレア
東京都千代田区六番町15

 

○議事

○守川地域医療構想推進専門官 ただいまから、第9回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とし、会場における傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
 まず、初めに、発言の仕方などを御説明いたします。
 本ワーキンググループの構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして、座長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し、発言をするようにお願いいたします。なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には、画面に向かって挙手をお願いいたします。発言終了後は、「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようにお願いいたします。また、座長から、議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には、「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、または、カメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
 本日は、櫻木構成員は御欠席との御連絡をいただいております。
 また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の和田室長、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官、相原課長補佐に御出席いただいております。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1~4を配付いたしましたので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
 なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
 それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。尾形でございます。
 まず、議事に入る前に、代理出席についてお諮りしたいと思います。
 本日の会議につきましては、小熊豊構成員の代理として、公益社団法人全国自治体病院協議会副会長、原義人参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、そのように取り計らわせていただきます。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日は、議事次第にあるとおり、4つの議題を検討することになっております。
 1つ目の「医師偏在指標について」ですが、まず、事務局から資料1についての説明をお願いいたします。
○谷口医師確保等地域医療対策室長 それでは、資料1の御説明をさせていただきます。
 2ページ目に、本日の資料の構成を6つのパートでお示ししてございます。
 3ページ目より、医師偏在指標に関するこれまでの議論をお示しいたします。
 4ページ目に、医師偏在指標に関する課題について、論点と対応を整理しております。まず、病院と診療所を区別した医師偏在指標を算出できないかという点については、一定の仮説の下で算出した勤務施設別医師偏在指標を、地域の実情に応じた施策の検討に活用することができるよう、全体の医師偏在指標の参考資料として都道府県に提示する。また、大学病院等から派遣される非常勤医師等の勤務実態を考慮できないかという点については、三師統計で従たる従事先を記載している医師については、その状況を加味し、主たる従事先では0.8人、従たる従事先では0.2人として算出する。次に、医師偏在指標の算出に用いる受療率は、全国受療率と県別受療率のどちらを用いるのが妥当かという点については、次期医師偏在指標においても、前回と同様に全国受療率を用いて算出する。医師偏在指標の算出に用いる受療率は、平成29年患者調査と令和2年患者調査のどちらを用いるのが妥当かという点については、少なくとも新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない平成29年の患者調査を用いて算出する。地域ごとの診療科別医師数の実態を示せないかという点については、都道府県において、既に公表されている三師統計による診療科別医師数を踏まえつつ、必要な施策を検討すると整理いたしました。
 5ページより、新たな医師偏在指標の速報値の算出結果についてお示ししております。
 6ページに、新たな医師偏在指標算出に当たっての留意点をお示ししております。算出に当たっては、下にあります表のデータ、医療施設従事医師数、労働時間比、人口、患者数、患者流出入数を用いますが、労働時間比及び都道府県・二次医療圏間の患者流出入数については、現時点で最新のデータを入手できていないことから、現在の医師偏在指標の算定に用いた値と同じ値を用いて算出いたします。また、新たな医師偏在指標では、三師統計で従たる従事先を記載している医師については、その状況を加味し、主たる従事先で0.8人、従たる従事先で0.2人として算出いたします。さらに、現時点で示す新たな医師偏在指標は速報値であり、今後、最新の労働時間比や患者流出入数の反映により変動することに留意が必要となります。
 7ページに、新旧医師偏在指標を用いた場合の都道府県別の区分の変動をお示ししております。新たな都道府県別医師偏在指標では、多数から中程度へ2県、中程度から多数へ2県、少数へ1県、少数から中程度へ1県が変動し、6件、13%において区分をまたぐ変動が見られました。
 8ページで、二次医療圏別に新旧の医師偏在指標を用いた場合の区分変動の状況をお示ししております。新たな二次医療圏別医師偏在指標では、多数から中程度へ7区域、中程度から多数へ11区域、少数へ12区域、少数から中程度へ12区域が変動し、42区域において区分をまたぐ変動が見られました。
 9ページより、主たる従事先と従たる従事先に関する資料となります。
 10ページを御覧ください。新たな医師偏在指標では、三師統計で従たる従事先を記載している医師については、その状況を加味し、主たる従事先で0.8人、従たる従事先0.2人として算出しております。このような算出の影響について検証いたしましたところ、主従の従事先を反映する前と主従の従事先を反映した後を比較いたしますと、10区域において区分をまたぐ変動が見られました。
 続いて、11ページでございます。主たる従事先と従たる従事先の反映による影響が、医師多数区域、中程度区域、少数区域においてどのように現れるかを検証いたしますと、医師多数区域において医師偏在指標が減少する区域が多くなることが分かりました。
 12ページでございますが、主たる従事先と従たる従事先の内訳を見てみますと、主たる従事先が医師多数区域である医師の中で最も多い従たる従事先は医師多数区域となりました。また、従たる従事先を医師少数区域とした医師の中で最も多い主たる従事先は医師多数区域でございました。
 13ページより、新旧医師偏在指標の比較の資料となっております。
 14ページを御覧ください。新旧医師偏在指標の比較に当たっての留意点ですが、2016年、平成28年12月末時点の医師数を用いた旧医師偏在指標と、2020年、令和2年12月末時点の医師数を用いた新たな医師偏在指標とを比較するものとなっております。また、2020年12月末は、現医師確保計画の開始の9か月後であるため、これにより医師確保計画の効果を判定するものではありません。新たな医師偏在指標では、三師統計で従たる従事先を記載している医師については、その状況を加味し、主たる従事先で0.8人、従たる従事先で0.2人として算出しております。現時点で示している新たな医師偏在指標は速報値であり、今後、最新の労働時間比や患者流出入数の反映により変動することがございます。
 15ページを御覧ください。都道府県単位、二次医療圏単位で、新旧の医師偏在指標を比較しております。都道府県単位、二次医療圏単位のいずれにおいても、新たな医師偏在指標では平均値・中央値が増加していることから、全体的に医師偏在指標そのものは増加しております。一方、都道府県単位、二次医療圏単位のいずれにおいても、最大値と最小値の差、標準偏差が増加しており、今後の医師確保計画の着実な実施が求められます。
 16ページを御覧ください。新たな医師偏在指標は、ほとんどの二次医療圏において旧医師偏在指標よりも指標が増加しております。医師多数区域、中程度区域、少数区域で見ますと、医師多数区域において、標準偏差が高く、ばらつきが大きい状況となりました。
 17ページより、新たな医師偏在指標の確定までの流れをお示ししております。
 18ページに、医師偏在指標の作成の手続を整理してお示ししております。本年11月に、厚生労働省において、医師偏在指標の計算方法及び現医師偏在指標に用いている患者の流出入に基づく増減を反映した医師偏在指標の速報値を都道府県に提供いたします。次に、都道府県において、都道府県間及び二次医療圏間の患者の流出入の状況について、必要に応じて、都道府県間、都道府県内で、医師偏在指標の見込みについて調整を行った上で、無床診療所における外来患者数、病院・有床診療所における入院患者数に関する調整後の都道府県間及び二次医療圏間における患者の流出入数を、12月に厚生労働省に御報告いただきます。2023年3月、厚生労働省において、流出入数や令和4年の医師の勤務実態調査の結果を踏まえまして、再度医師偏在指標の暫定値を算出し、次期医師確保計画策定ガイドライン発出のタイミングで都道府県に御提供いたします。その後、2023年度において、都道府県が医療計画及び医師確保計画等を策定することとなります。第8次医療計画において二次医療圏の見直しを行わない場合は、そのまま暫定値が確定値となります。また、見直しを行う場合は、都道府県は医療計画策定の際に、二次医療圏の見直しについて優先的に議論し、先んじて国へ御報告いただきます。さらに、2023年9月までに見直し後の二次医療圏間における患者の流出入数を御報告いただきまして、報告次第、順次、厚生労働省において、当該二次医療圏に係る医師偏在指標を、再度算出し、確定いたします。
 二次医療圏の見直しに係る医師偏在指標の再算出の整理について、19ページにお示ししてございます。令和4年度末に、国が次期医師確保計画策定ガイドラインと併せて都道府県に提供する医師偏在指標の暫定値より、上位及び下位の3分の1の閾値を決定いたします。二次医療圏を変更しない都道府県は、暫定値を確定値として取り扱い、次期医師確保計画を策定いたします。二次医療圏を変更する都道府県は、お示しするスケジュールに従って、医師偏在指標の確定値の算出を行います。なお、見直し後の二次医療圏の区分は、暫定値より決定した、上位3分の1、下位3分の1の閾値をもって決定いたします。
 20ページより、新たな産科・小児科医師偏在指標の算出結果についてお示ししております。
 21ページに、産科・小児科医師偏在指標に関する課題を整理しております。産科医師偏在指標において、「産科・産婦人科医師数」を「分娩取扱医師数」に見直すのであれば、指標の名前も変更できないかとの論点につきまして、医師偏在指標における対応としましては、産科医師偏在指標において、現行の「産科・産婦人科医師数」を「分娩取扱医師数」と変更いたしまして、三師統計において過去2年以内に分娩の取扱い有りと回答した医師のうち、日常的に分娩を取り扱っていると考えられる産婦人科・産科・婦人科を主たる診療科と回答した医師を用います。また、名称を「産科医師偏在指標」から「分娩取扱医師偏在指標」と変更いたします。分娩取扱医師偏在指標・小児科医師偏在指標においても、三師統計で従たる従事先を記載している医師については、その状況を加味し、主たる従事先0.8人、従たる従事先で0.2人として算出することといたします。
 22ページに、都道府県の新旧産科医師偏在指標の区分変動について、現在の産科医師偏在指標の順位がどのように変動したかをお示ししております。新たな分娩取扱医師偏在指標では、相対的少数以外から相対的少数へ5県、相対的少数から相対的少数以外へ5県が変動し、10県において区分をまたぐ変動が見られました。
 23ページに、周産期医療圏別に見まして、現在の産科医師偏在指標の順位がどのように変動したかをお示ししております。新たな分娩取扱医師偏在指標では、相対的少数以外から相対的少数へ21区域、相対的少数から相対的少数以外へ21区域が変動し、42区域において区分をまたぐ変動が見られました。
 24ページに、都道府県別で現在の小児科医師偏在指標の順位がどのように変動したかをお示ししております。新たな小児科医師偏在指標では、相対的少数以外から相対的少数へ2県、相対的少数から相対的少数以外へ2県が変動し、4県において区分をまたぐ変動が見られました。
 25ページに、小児科医療圏別に見て現在の小児科医師偏在指標の順位がどのように変動したかをお示ししております。新たな小児科医師偏在指標では、相対的少数以外から相対的少数へ25区域、相対的少数から相対的少数以外へ24区域が変動し、49区域において区分をまたぐ変動が見られました。
 資料の説明は、以上となります。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。伊藤でございます。
 まず、最初に、資料1の7ページ、8ページのところで、新たな偏在指標で病院医師の偏在はどんなふうに表されているか。新たな偏在指標自体のテーマである施設別の偏在、つまり、病院医師がどういう状況で偏在しているかというところは、どのようにこの表に生かされているのかというところを教えていただきたいと思います。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 現在、7ページ、8ページでお示ししております表は、構成員がおっしゃいました病院と診療所に分けずにまずは都道府県と二次医療圏別で総数としてどれぐらい変化があるのかといったところを表にしておりますので、こちらに関しては分けた表ではないといったところを御理解いただければと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 分けていないということは理解いたしました。前回、大屋構成員にも御指摘いただいて、専門官にお答えいただいているところでございますけれども、三師調査のデータで示される施設別の医師偏在の状況や専門性の偏在をどのように活用して、医師全体の偏在を是正していくのかというところが書かれていないということが残されたテーマだと思います。4ページには全体の医師偏在指標の参考資料として都道府県に提示すると書かれておりますけれども、先ほどから何回も言って恐縮ですが、病院勤務の状況と専門性は地域の医療提供体制に非常に大きな影響を与える要因と考えられるという議論は過去に何回かありました。そういう意味からいうと、施設別の医師偏在の状況をもう少し具体的な表等で活用するというお考えがないのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
○尾形座長 それでは、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 御質問いただきました内容はとても重要な内容であると考えております。現在お示ししておりますものが速報値でございまして、今後、この数値を精査いたしまして、数値はまた変わるところがあると思います。その後、病院・診療所別の偏在指標を参考値として都道府県にお示ししたいと考えてございます。二次医療圏によりましては、歴史的にも様々な背景があり、病院と診療所の医師偏在指標は高いところと低いところがあると思いますが、そういったところも御提示させていただくことによって様々な取組ができると考えておりますので、こちらを御活用いただきたいと考えております。
 以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 せっかく議論の中で出てきた御意見ですので、これを今後も生かしていただきたいということを要望いたします。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋でございます。
 今、伊藤構成員よりありましたように、今回は全体の医師ということで、今後、数字が精査された後に、ぜひ都道府県に提示すると同時に、様々な議論の機会に出していただいて、ぜひ今後の医師確保計画に生かしていただきたいという要望でございます。それが1点です。
 少しお話をお聞きしたいことは、12ページのところなのですけれども、主たる従事先と従たる従事先で多数から多数へ行くということは分かる、多数から少数というところも派遣されればそうだろうなということは分かりますが、少数区域から非常に多くの医師が多数地域に移動しているというところにどういう背景があるのかというと、少数区域に派遣された先生方が多数区域の大学病院なり中核病院に勉強に戻っているということをイメージするのですけれども、それだけダイナミックにいろいろな区域を越えて働いていると理解したのですが、そこのところは実際にどうなのかということをお聞きしたい。これは質問でございます。
 2つ目でございます。15ページのところにあるように、最大値と最小値がさらに開いて標準偏差も増加したというところなのですね。これは必ずしも医師確保計画の結果でなったものではないということは最初にお話しいただいてはいるのですけれども、日本全体の流れとして多少なりとも医師の偏在を修正しようという考えや動きがあった上でさらにこれが拡大しているというところに関して、なぜ医師多数区域でさらに増えたのか、増えた部分はどういう人たちがどのように増えたのか、医師不足地域の人たちの上昇がそう多くなかったのはどこの部分が増えなかったからそうなったのかというところを、ある程度、明らかにしていただくと、特に病院・診療所や診療科別で、今回はそういうところには触れないということは承知しているのですけれども、今後、そこまで出していただくことで、さらなる対策、実効性のある対策につながるかと思います。そういうところは、現在、データとしてお持ちなのか、また、出すとすればいつ頃なのかということを教えていただきたいと思います。
 医師偏在指標について、特に小児科・産科に関しまして、これも今後検討いただきたいという要望としてお伝えいたしますけれども、偏在指標が足りているか・足りていないかという意味合いになっていて、例えば、22ページとかでもそうですし、25ページでもそうなのですけれども、結構、二次医療圏までいってしまうと、入り乱れている。つまり、どういうことかというと、小さい範囲で取っていくと、そこにいる医師の数が減ってくる。そうしますと、1人、2人、5人とかが動いただけで、ばんと医師偏在指標が大きく動く、特に医師が少ない地域ではそれが非常に大きくなりますので、そういう点からいくと、たまたま多いけれども次は少数になっているみたいなところが今後も出てき得ます。これに関しては、このような相対的なもののみならず、ぜひ少し絶対的指標も併せて議論するといいかと思っていますので、そこについてお願いしたいと同時に、コメントがありましたら、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 御質問を2点ないしは3点いただいておりますので、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 12ページと15ページと23ページについて、御要望と御質問をいただいたと承知しております。
 12ページ、まず、1点目でございますけれども、構成員が御指摘のように、少数区域から多数区域に移動している医師もたくさんいるところでございますので、我々もまだ精査していないところでございますので、今後の検討課題ではございますけれども、恐らく想定として少数区域に派遣されている医師が多数区域の病院で研修や様々な業務を行っていただいているものと想定しております。まだ精査しておりませんので、検討課題とさせていただきたいと思います。
 続きまして。15ページ目でございます。こちらは、まだ医師確保計画が始まって9か月目で御意見をいただいているところでございます。実際に多い区域では増え少ない区域ではあまり増えていないといったところの理由は何なのか、どういったところが背景にあるのかといったところは非常に大事なポイントだと思っております。こちらも丁寧に検討する内容と考えておりますので、今後、しっかりとどのような取組が有効であるかも含めて検討してまいりたいと考えてございます。
 最後に、13ページでございます。母集団、分子・分母が減った場合には、大きく変動する可能性があるところも含めて検討するといったところでございます。どのようなデータの出し方が構成員のおっしゃった内容に即すものか、そういったところも含めて、どこまで検討できるかといったところも含めて、データを精査したいと思っております。
 以上でございます。
○大屋構成員 どうもありがとうございます。よろしくお願いします。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 私から、コメントをさせていただきたいと思います。
 今回示された新たな医師偏在指標は、最新の患者や流出入などを反映していない速報値ではありますが、資料の11ページにあるとおり、従たる従事先を加味し、医師少数区域の医師数は増加する方向で反映させたにもかかわらず、15ページに示されたとおり、全体として、医師数は増加しているものの、都道府県単位、二次医療圏単位ともに、最小値と最大値の差、標準偏差が増加している結果となっております。14ページにあるとおり、新指標は2020年12月データに基づくものであり、現行医師確保計画の効果を判定するものではありませんが、一方で、旧指標を算定した2016年は、2006年に医師少数県で始められた地域枠による養成医師が臨床研修を修了するなど、2006年からの医学部定員増や都道府県による地域枠等の医師確保の取組の効果が発現し始めている時期であります。2016年から2020年の4年間で、こうした政策効果を加味してもなお全体で医師の全国的な偏在はさらに拡大していることになります。大屋構成員が言及されたとおり、実効性のある施策を行わなければ医師の地域偏在はさらに拡大していくという認識に立って、医師確保計画の推進が求められていると感じております。
 私からは、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 18ページに、二次医療圏の見直しのやり方について書かれていると思います。二次医療圏は、何度も言うように、数万人の医療圏から200~300万のところもあって、二次医療圏を並べていても、これが違うとなかなか同じようにできないので、私も、前にもお話があったような20~50万ぐらいの二次医療圏がよろしいかと思います。各県で積極的に二次医療圏の見直しを行っていけるような働きかけを厚労省から各県にお願いしていくということは、実際はやられるのでしょうか。それをお聞きしたくて、質問したいと思います。
○尾形座長 二次医療圏の見直しについて、都道府県に対しての要請ということですね。事務局、お願いします。
○松本地域医療計画課長補佐 事務局でございます。
 二次医療圏の見直しの方向性につきましては、今月の頭に行われました医療計画等に関する検討会で御議論いただいたところでございまして、そちらで御意見をいただいたことも踏まえまして、議論のまとまった方向性でこちらとしても県には働きかけていく方向でございます。
○尾形座長 猪口構成員。
○猪口構成員 今回すぐというわけにはいかないと思いますけれども、ぜひまたこれを機会に二次医療圏をよりよい形に持っていけるように進めていただきたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。
 資料の15ページ、医師偏在指標の今回の測定値について、コメントをさせてもらいます。
 まず、今回の偏在指標は、そのまま、医師の患者さんに対する人口、医師の数、お医者さんが多いか少ないかという生のもので、この中で、今年、二次医療圏の最小値が下がっているのですね。108から104。本来、この医師偏在指標は底上げをやってきたと思うのです。標準偏差が広がることよりも少ないところがちゃんと多くなることが目的なので、その目的を達成されなければいけないのですけれども、最小値が下がるということは、より一層、お医者さんが少なくなっているという意味でして、これはゆゆしきことではないかと思います。全体値としたら、中央値も平均値も上がっていくので、毎年4,000人ずつお医者さんが増えていって、平均が上がっていくことは当然ですし、平均が上がれば多分標準偏差が増えるのも普通なのですけれども、最小値が下がることだけはあってはならないことだと思うので、こういったことに対しては重点的に対策を考えていくべきだと考えます。
 もう一つ、後ろの小児科のところで、25ページのグラフで、二次医療圏別に見たときに、少数区域だった小児科の二次医療圏がぐんと上に上がっているところが結構あります。下3分の1から、上4分の1、それも100万ぐらいまでぐんと上がっているので、相当数が増えないとこんなことにはならないのですけれども、本当に増えているのでしょうかということの確認です。島しょ部とか、1人ドクターが増えたらぐんと上がるという現象は分かるのですけれども、こんなにたくさん島があるわけではないので、ここら辺のところの事実確認を出していただければと思います。
 以上、2点、よろしくお願いします。
○尾形座長 それでは、事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 1点目に関しまして、少数区域に対して特に減っているところがある、しっかりと取組を考えて実効性のあるものをやっていくといったところで御意見をいただいていると感じております。今回、多数区域、中程度区域の上限も御提案させていただいているところでございます。さらに様々な施策を組み合わせまして、しっかりと少数区域の医師の増加につながるように、ガイドラインも含めて、しっかりと取り組んで、記載もしてまいりたいと考えております。
 2点目でございますが、25ページの小児科医師の二次医療圏、特に相対的な少数区域だったところがかなり増えているところでございまして、我々も、全てではございませんけれども、数字がかなり上がっているところのヒアリング等を行っております。個別の都道府県や二次医療圏についての言及は差し控えさせていただきたいと思いますが、実際に様々な病院の御協力や大学病院の御協力もあって医師が増えているところがございました。かなりの相対的少数区域だったところで様々な御協力で小児科医師が増えているところがあったというところは確認しております。数字については、控えさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○尾形座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村構成員 ありがとうございます。
 前半については、底上げが本来の医師偏在の最大の目的だと思うので、最小値が下がることがないように、積極的に働きかけてほしいと思っております。
 後半の小児科は、恐らく5人や10人という単位でぐんと増えたところがあるのではないかと思いますので、そういう事例はぜひ各都道府県でも共有してもらって、こういう増やし方があるということは情報提供をしてもらえればと思います。
 意見です。以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 私から、先ほど大屋先生や野原先生と同様の質問・意見となるのですが、この資料のポイントは15ページにあると思っていまして。15ページの新旧医師偏在指標の比較では、まだ不確定要素があるので変動の余地はあると思うのですが、平均値、中央値、標準偏差、最大値、最小値は、都道府県単位においても、二次医療圏単位においても、偏在指標が高くなっている、全て高くなっているという状況があって、これをもってしてみると、新偏在指標にすれば、医師偏在指標を全体的に底上げして、偏在は拡大していくという理解でよろしいのか。まず、事務局にこの見方を教えていただきたいと思います。
○尾形座長 それでは、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 今御質問いただいた内容でございますけれども、偏在が拡大しているのではないか、見方についてと理解しております。このデータでございますけれども、まず、旧偏在指標が2016年の医師偏在指標、新が2020年12月時点の医師偏在指標でございます。今、様々な構成員からも御指摘がございましたように、毎年、3,500~4,000人、医師が増えているところでございますので、平均値・中央値も増えているが偏在が広がっているのではないかといった御質問だったと認識しております。現時点で、医師需給分科会でも御指摘がございましたように、医師が増えていく中においても、地方や地域の医師を増やすためにはしっかりとした取組が必要であるといったところで、こういった偏在指標の計算式を用いて様々な取組を行っているところでございます。現時点では、まだ効果がしっかりと現れているかどうかということを判定するところではございませんけれども、数字だけを見ますと、最大値・最小値の幅が広がっているところでございますので、さらに様々な取組を含めて偏在を是正するための効果的な施策を打っていかなければいけないと考えてございます。
 以上でございます。
○尾形座長 幸野構成員。
○幸野構成員 何を言いたいかといいますと、このデータをもってして、各都道府県がこれから次期医師確保計画や目標医師数をどのように設定していくのかということがポイントになると思うのですが、この成り行きの数字をそのまま使うと、必ず全都道府県において医師偏在は拡大していくのではないかと思います。何らかの手を打たないと、医師偏在を解消する方向には向かわないというデータがここにはっきりと出ていますので、今後、第8次に向けて各都道府県が策定する次期医師確保計画においては、計画策定時に一時的に偏在指標や標準偏差が増加することはやむを得ないと思うのですが、計画終了時において新指標は旧指標を下回るということを目標にしていかないと、医師偏在は全然解消に向かわないのではないかということを非常に懸念します。このデータを今後の医師確保計画に活用して、こういう傾向があるからどういう目標を立ててくださいということをやっていかないと、対策にならないのではないかと思うのですが、その辺はいかがお考えでしょうか。
○尾形座長 それでは、これも事務局にお願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 とても重要な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
 そもそもの医師偏在指標の考え方や成り立ちでございますけれども、今村構成員にも少し触れていただきましたけれども、増えていく医師にどのようにして多数区域ではなくて少数区域で業務を行っていただくかといったところが主な目的で、様々な検討がされているところでございます。今回、前回のガイドラインまではございませんでした多数区域・中程度区域の上限を設けて、実際に、今までであれば独自の設定が行われていたところに上限を設けるといったところで、特に少数区域のほうに、医師が把握しやすいような施策も、少しずつではございますけれども、つくっていっているところでございます。それ以外にも、例えば、前回出ておりました、寄附講座、逸失補填、基金を活用した様々な取組をうまく活用することで、少数区域に増えていく医師を派遣できるような形にしていくところが重要であると思いますので、賜りました御意見をしっかりと参考にしながら今後の取組に生かしていきたいと考えております。
○尾形座長 幸野構成員、よろしいでしょうか。
○幸野構成員 よろしくお願いします。
○尾形座長 それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。先ほどの猪口構成員と意見が重なるのですけれども、二次医療圏の設定についてです。医師数は大学があるところや、県庁所在地が極端に多く、その周囲の医療圏は少ないということでした。しかし、実際は、ネットワークは多分できているのだろうと思います。そういう意味では、二次医療圏の見直しが重要ではないかと思います。
 4ページ目、最初の課題の整理のところです。一番下のところは、これまでも診療科別と一緒の実態を示してほしいという意見があり、今回は、各都道府県が三師統計による診療科別医師数を踏まえつつ必要な施策を検討するということでした。実際、医師の偏在指標とここに出ている周産期医療と小児医療の偏在指標を見ても、医師多数医療圏にであっても、小児では非常に不足し少数だったり、産科医においても少数だったりします。実際、このように診療科によって地域偏在は違うのだろうと思います。今、働き方改革が入りますし、特に外科系はチームで医療をやっていますので、医師が増やせなかったり減ったりすると、それだけで医療崩壊というか、その地域の医療はおかしくなっていきます。そういう意味では、目標設定に関してはそのことを十分考慮した上で設定していかなくてはいけないのではないかと思います。
 以上、意見です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今の御意見の幾つかの中で、標準偏差が広がっているから偏在の幅が広がっているとあったので。例えば、15ページの各二次医療圏の最大値がどこかといったら、多分どこかの島だと思うのですね。お医者さんがちょっと増えると二次医療圏単位でいうと大きな数字がぼんと上がってしまうという状況があって、標準偏差の上がる・下がるは、偏在が増える・減るということの指標にはあまりならないのではないかと思います。最大値を抑えなければいけないといったら、島しょ部からお医者さんを抜くという話になります。個別に数字を見て判断してもらうべきものだと思うので、一律にはなかなか語りにくいのではないかと思います。
 今村からは、以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 ありがとうございます。大屋です。
 1点、16ページのところで、労働時間比は今後最新のデータを入手してからということになります。このように記載されているのですけれども、昨今、この労働時間比が大きく変わったのは若手医師なのですよね。若手医師は、驚くほどちゃんと働き方改革を忠実に実行しておられて、時間になったら帰る方も多くなっている感があるので、結構大きく私は違ってくるような気がしているのですが、ここのところは、もしこの労働時間比が出てこの偏在指標の数字が変わる場合は、各都道府県に次の計画を立てていただくときにはどういう形で入っていくかということについて、確認でお答えいただきたい。
 もう一点は、年齢・性別の労働時間で補正することで医師偏在指標は出ていると思うのですけれども、いわゆる産休・育休で0になっている人たちがここには加味されているのかという気がちょっとしました。昨今、例えば、看護師さんたちであれば、5人に1人は産休・育休で休んでいますという形が結構出るのですけれども、医師も産休・育休で結構お休みになられているケースが増えてきているのです。それは特に30代だろうと思うので、そこの労働時間をしっかり把握しておかないと、少し現実と違う数字になりかねないと思って、そこの御確認をもしできれば、できなければ次回にでも、お答えいただければと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 2点、御確認ということですが、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、前半の労働時間の加味について、現時点でまだ労働時間のデータを我々は入手しておりません。まだ見ておりませんので、こちらに関しましてはコメントを差し控えさせていただきたいと考えております。
 また、育休の方に関しましては、三師統計にお答えいただいた方をそのまま登録しているところでございますので、そちらにお答えいただいている方もいれば、いない方もいらっしゃるところでございます。どの程度産休の医師が把握されているかといったところに関しては、現時点では把握しておりませんので、こちらもそういった答えになると思います。
 以上でございます。
○大屋構成員 ありがとうございます。
 自分が産休・育休を取ったことがないので分からないのですけれども、産休・育休で休んでいる方は医療をしていないというチェック項目があるということになるのですか。
○尾形座長 これはどうですか。
○佐々木医師養成等企画調整室長 医事課の佐々木です。
 今、手元に三師調査の表自体がないので、確かなことは言えませんので、確認してからとなりますけれども、私の記憶ではそういった項目はなかったように記憶しております。
○大屋構成員 分かりました。ありがとうございます。
 そういうところも加味して、指標もより現実に近い形に、改良も含めて、御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 今村構成員。
○今村構成員 今村です。
 産休の方のことで、今、質疑があったので、私から、分かっている範囲で。
 式の中に就業比率が年齢階級別にあるので、産休の方がどれだけ働いているかということはその就業比率で30代は7割という計算を掛けているので、三師調査で全く働いていない方がカウントをされたとしても、その上でその総数に対して就業比率を掛けることで一定の補正がなされていると理解しております。この就業比率が正しいかどうかということは論点のあるところで、そこが変化していることも確かです。そういう補正がかかっているということを、共通理解にできればと思います。
 以上です。
○大屋構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。
 佐々木室長、どうぞ。
○佐々木医師養成等企画調整室長 先ほどの私からの三師調査に関する産休・育休の件でございますけれども、確認したところ、休業の取得という段がございますので、こちらはこの三師調査の中で含まれているということでございます。おわびして訂正いたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、先に進みたいと思います。2つ目の議題でございますが、医師確保計画に関するワーキンググループにおける意見の取りまとめ案につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○谷口医師確保等地域医療対策室長 それでは、資料の御説明をさせていただきます。
 資料2につきまして、「医師確保計画の見直しに向けた意見のとりまとめ(案)」としてございます。本ワーキングワーキンググループにおけるこれまでの議論を踏まえまして、医師確保計画策定ガイドラインの改定に向け、見直しが必要と考えられる事項を中心に、先生方の御意見としていただいたものを取りまとめてございます。
 (1)医師偏在指標について、対応の方向性として、マル1で複数の医療機関に勤務する医師の取扱い、すなわち、三師統計の従たる従事先の反映について記載してございます。1つ目の丸になりますが、医師偏在指標の算定式における性年齢階級別医師数の算出に当たりましては、複数の医療機関に勤務する医師の取扱いについて、医師偏在指標の精緻化を図る観点から見直すこと。また、2つ目の丸になりまして、具体的には、三師統計で従たる従事先に主たる従事先とは異なる医療圏に所在する医療機関を記載している医師については、その状況を踏まえて、主たる従事先で0.8人、従たる従事先で0.2人として算出いたします。マル2に、医師偏在指標の算定で用いる受療率及びその時点について記載しております。1つ目の丸ですが、現在は全国受療率を用いて医師偏在指標を算出しております。都道府県別受療率を用いた場合、受療率が高い都道府県でさらに多くの医師を配置する必要性が生じることとなり、地域偏在の解消が進まなくなるおそれがあることから、次期医師偏在指標においても、現在の医療提供体制が維持できるよう十分配慮した上で、引き続き全国受療率を用いる。2つ目の丸ですが、2020年の患者調査は新型コロナウイルス感染症の影響を受けていると考えられます。今後の受療率の見通しの予想は困難であり、現時点においては、少なくとも新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない2017年の患者調査を用いて、医師偏在指標を算出する。マル3、勤務施設別の医師偏在指標について記載しております。1つ目の丸ですが、都道府県単位及び二次医療圏単位では、引き続き従前の医師偏在指標を用いて医師少数区域・医師多数区域等を設定いたします。2つ目の丸ですが、新たに地域の実情に応じた施策を検討する際に活用することができるよう、勤務施設別の医師偏在指標を参考資料として都道府県に提示いたします。2ページ目に入りまして、マル4でございます。診療科間の医師の偏在について、診療科間の医師偏在は地域間の医師偏在と併せて引き続き対応が必要です。現時点では診療科ごとの医師偏在指標は算出が困難でありますが、都道府県においては、必要な施策を検討するに当たりまして、既に公表されている三師統計の診療科別医師数を参考にすることが考えられます。
 (2)医師少数スポットについて、記載してございます。対応の方向性としましては、1つ目の丸で、医師少数スポットは原則として市区町村単位で設定します。また、へき地や離島等においては、必要に応じて市区町村よりも小さい地区単位の設定も可能とし、医師少数スポットの設定の理由を医師確保計画に明記することといたします。2つ目の丸ですが、医師確保計画を策定する際は、これまで設定していた医師少数スポットについて、医師確保の状況等を踏まえ、設定箇所の見直しを行います。3つ目の丸ですが、都道府県の医師少数スポットに対する施策の効果を把握できていないため、現時点では医師少数スポットに係る一定の基準の設定は困難でございます。しかし、今年度から厚生労働省において医師少数スポット等の医師確保の実態について把握することとしており、今後、その結果を分析することにより、当該基準について検討いたします。
 (3)目標医師数について、記載してございます。対応の方向性としましては、1つ目の丸になりますが、医師偏在指標の下位3分の1に達するために必要な医師数を医師確保計画開始時に既に達成している二次医療圏は、医師の地域偏在の解消を図る観点から、原則として目標医師数は計画開始時の医師数を上回らない範囲で設定いたします。2つ目の丸ですが、ただし、今後の医療需要の増加が見込まれる区域では、新たに国が都道府県に示す「計画終了時に計画開始時点の医師偏在指標を維持するために必要な医師数」を踏まえ、都道府県はその数を上回らない範囲で目標医師数を設定いたします。3つ目の丸でございますが、医師少数県以外の都道府県において、二次医療圏の設定上限数の合計が都道府県の計画開始時点の医師数を上回る場合は、都道府県の計画開始時点医師数を上回らない範囲で二次医療圏の目標医師数を設定いたします。なお、医師少数県においては、都道府県における医師偏在指標の下位3分の1に達するための医師数に一致するよう、各二次医療圏の目標医師数を設定いたします。4つ目になりますが、なお、地域の実情に応じた医療が提供される必要があることから、医療提供体制の維持を図りつつ、医師の偏在を是正する観点から、目標医師数の設定を行うこととしてございます。
 (4)医学部における地域枠・地元出身者枠の設定取組等について、記載してございます。対応の方向性としましては、1つ目の丸で、医学部定員の減員に向け、医師養成数の方針について検討が求められてきた中、安定した医師確保を行うために、都道府県は、地域枠に加え、柔軟に運用できる地元出身者枠の恒久定員内への設置について、積極的に大学と調整を行うことといたします。2つ目の丸ですが、特に医師少数県においては、自県内に所在する大学への積極的な地域枠の設置に加えて、地元出身者を対象として他県に所在する大学にも地域枠を設置し、卒前からキャリア形成に関する支援を行うことで、医師確保を促進いたします。次の項目ですが、都道府県、大学、関係機関が連携して、キャリアコーディネーター等を活用しながら、キャリア形成卒前支援プランを通して、学生時代から地域医療に従事・貢献する医師としての姿勢等を涵養し、各都道府県・大学等における地域医療を担う医師の養成の観点から、有効な取組について情報共有を行う機会を定期的に設けることといたします。次に、都道府県は、大学及び地域の医療機関等と連携し、医師少数区域等における医師確保が必要な診療科や医師数に加え、医師のキャリア形成の視点から、医療機関の指導体制等についても十分に把握した上で、地域医療対策協議会で協議を行い、地域枠の医師の配置を検討することで、地域枠の医師がキャリア形成をしつつ地域医療に従事しやすい仕組みを構築することとします。
 (5)産科・小児科における医師確保計画について、記載してございます。対応の方向性としまして、マル1ですが、産科・小児科医師偏在指標につきまして、1つ目、産科の医師偏在指標は実際に分娩を取り扱う産科医師とすることが望ましいため、算出に用いる医師数は、現行の「産科・産婦人科医師数」を「分娩取扱医師数」と変更し、三師統計において「過去2年以内に分娩の取扱いあり」と回答した医師のうち、日常的に分娩を取り扱っていると考えられる、産婦人科、産科、婦人科を主たる診療科と回答した医師数を用います。また、指標の名称を「産科医師偏在指標」から「分娩取扱医師偏在指標」と変更いたします。2つ目の丸ですが、分娩取扱医師偏在指標及び小児科医師偏在指標も、(1)の医師偏在指標と同様に、三師統計で異なる医療圏の従たる従事先を記載している医師については、主たる従事先で0.8人、10たる従事先で0.2人として算出いたします。
 (6)医師確保計画の効果の測定・評価について、記載しております。対応の方向性としまして、1つ目の丸になりますが、第8次医師確保計画に記載する第7次医師確保計画の効果の測定・評価については、計画終了時の医師偏在指標の見込みの算出が困難であることから、病床機能報告等の都道府県が活用可能なデータを参考として評価することとします。ただし、病床機能報告は、一般病床及び療養病床のデータのみであることに留意が必要です。2つ目の○ですが、三師統計については、オンライン提出の仕組みを導入することで、結果を早期公表できるよう検討を進めます。また、既存の他の統計との連携も含め、三師統計のさらなる充実化を図ってまいります。
 4ページ目に、(7)その他について記載してございます。マル1で、医師確保に関する施策でございます。まず、医師派遣については、都道府県が医師派遣を必要としている医師少数区域等の医療機関と医師派遣が可能な県内の医療機関を十分把握していない場合もあることから、例えば、地域医療支援センターは、医師確保が必要な診療科・医師数や派遣元医療機関の候補を調査し、医師派遣に必要な情報を正確に把握することとします。2つ目の丸ですが、自県内に所在する大学への寄附講座の設置や都道府県が基金を活用して派遣元の医療機関の逸失利益を補填する取組については、これまで一部の都道府県において行われてまいりましたが、各都道府県がそれぞれの取組を参考にしつつ医師少数区域等の医師確保を推進することとします。3つ目の丸になりますが、上記の取組を行ってもなお自都道府県内で十分な医師の確保ができない場合には、県外に所在する大学に寄附講座を設置するなどし、都道府県は県外からも医師の派遣調整を行うこととします。次に、都道府県は、派遣医師が医師少数区域経験認定医師を取得することになるよう配慮することや、専門医制度の連携プログラム、寄附講座等による医師派遣といった既存の施策を組み合わせることを通じて、医師派遣を促進することといたします。最後に、当該医師確保に関する都道府県の取組の中で参考となるものについては、国は好事例として周知することといたします。マル2に、子育て支援等について記載しております。医学部入学者に占める女性の割合が増加する中、女性医師就業率は子育て世代において低下しており、子育て世代の医師に対する取組が重要であると考えられることから、子育て支援、時短勤務等の柔軟な勤務体制の整備、院内保育・病児保育施設・学童施設やベビーシッターの活用等については、個々の医療機関の取組としてだけではなく、地域の医療関係者、都道府県、市区町村等が連携し、産科及び小児科に限らず全診療科を対象として、地域の実情に応じて取り組むこととする。また、子育て等の様々な理由で臨床業務を離れ、臨床業務への再就業に不安を抱える医師のために、復職研修や就労環境改善等の取組を通じ、再就業を促進することとする。
 資料の説明は、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 1点、意見を申し上げたいと思います。
 医師確保計画は都道府県が策定するものであり、策定ガイドラインは都道府県の取組を記載するものであることは理解しておりますが、計画策定に向けて、国による支援も必要であります。例えば、今後、医学部の臨時定員増により対応していた他県の大学に設置していた地域枠を、恒久定員内に振り替える作業に向けては、都道府県の意向のみならず、大学の考えも十分に踏まえる必要があり、難しい調整も想定されます。3ページにあります他県に所在する大学への地域枠の設置や4ページの県外に所在する大学への寄附講座の設置などの項目について、例えば、必要に応じて国による調整支援を行うこととするなどの記載を検討してはいかがかと考えております。国民や医療関係者に向けましても、国と地方が歩調を合わせて取り組んでいる姿勢を示せるのではないかと考えます。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 先ほど資料1のところで質問申し上げたように、施設別の医師の偏在指数と診療科間の医師の偏在に関してここに書かれておりますけれども、その下の目標医師数、(3)にも何らかの形で、目標医師数に関する、施設別あるいは診療科別の医師数に関しても記載することはできないかどうかということが1点。
 次の3ページ、医学部における地域枠・地元出身者枠の設定・取組等のところの、対応の方向性、丸の1番のところでございますが、都道府県は地域枠に加えて柔軟に運用できる地元出身者枠の恒久定員内への設置について調整をするということが書いてございますが、たしか、以前の議論の中で、大学定員の半数を地域枠に充ててもなお少数地域を解消できないと見込まれる場合には恒久定員枠を超えて増員することができるという項目があったように思います。これは既に確定した対応なのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 2点、御質問かと思います。事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 1点目について、御回答申し上げます。今の(3)、2ページの御質問だったと認識しております。特に施設別、病院と診療所に関しまして、何らかの目標医師数の設定が可能かどうかといった御質問だったと認識しておりますが、こちらに関しましては、前段から申し上げておりますとおり、様々な二次医療圏間で歴史的な背景があって、病院の医師が多い、診療所の医師が頑張っている、様々な背景があると認識してございます。我々で二次医療圏ごとに一定程度の上限や目標医師数を設定することによって今本当にうまく連携してやっていただいているところが崩れる可能性もございますので、現時点におきましては、そういった上限や目標医師数を設定するといったところは考えてございません。
 以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 2点目の大学の恒久定員内の問題に関してお答えいただけますでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 先ほど御質問いただきました5割要件、恒久定員内に地域枠を仮に5割程度設置してもなお自県内の医師不足を解消できない場合には恒久定員に地域枠で養成できるという点は、まだこれは記載残ったまま、一方で、地元出身者についても、今回、柔軟に運用できて、より活用しやすいのではないかということで、この記載をプラスして加えさせていただければと思っております。
○尾形座長 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 今、質問させていただいたのは、要するに、議論の方向性としては、定員の減員、削減が主になっているので、それだけが独り歩きすることに大変警戒感を持っているところから、こういうことはきちんと記載していただけると分かりやすいかと思って質問いたしました。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 反対するものではないのですけれども、確認です。2ページの(3)の目標医師数の4つ目の丸、いろいろな目標の設定に関するルールなのですが、最後の医師の偏在を是正する観点から目標医師数の設定を行うと書いてあるのです。例えば、これはどういうことを想定されているのかということをお聞きしたいのです。
○尾形座長 これは、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 大変重要な御質問をいただきまして、ありがとうございました。
 こちらは、今までのワーキングの中で、構成員の先生方から、本当に多くの御意見をいただいているところでございます。その中で、いただいている御意見で一番多かったものは、多数区域の中でも様々の医師がチームを組んだり専門的な治療をしているところで、そこから画一的に人員を削減するところがないようにしていただきたいという御意見をいただいたところでございます。こちらの医師の偏在を是正する観点から目標医師数の設定を行うといったところでございますけれども、その前から続いております文章が重要でございまして、地域の実情に応じた医療提供体制が必要であって、そちらを維持するためには、どのようなバランスで、都道府県内、二次医療圏間の医師の配置をしていくことがよいのかといったところをしっかりと考えていただいて、今やっていただいている、特に国民の皆様に重要な医療を担っていただいている都道府県の中での二次医療圏の施策があると思いますが、そういったところをしっかり加味していただいて、その中で医師の偏在を是正していただきたいといったところで、こういった記載をさせていただいてございます。
 以上でございます。
○尾形座長 幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 今おっしゃったことであれば、もう少し丁寧に書いて県に提示したほうがいいのではないかと思いますので、御検討をよろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 ありがとうございます。
 今、何名かの構成員から、大学の地域枠や地元出身枠を生かして上手に医師偏在を是正していくという御提案があった中で、この恒久定員の中に何をつくっていくかというところですけれども、御指摘のように、都道府県を越えて他県というところで、非常に調整が難しい案件かと思っているところであります。もし国が関与してということまで踏み込むと、国とは何なのかということが分かりづらくなるかなというところについて、厚生労働省的に医師確保ということで大学に対して定員はああしろこうしろと言うことはちょっと違うのかなと私は思っていまして、教育という観点は、教育に関連した省庁もありますし、そことしっかりと話し合うところが最初の出発点かと思います。言われた意図は十分酌みつつも、大学の教育の独自性といいましょうか、大学のほとんど、特に地方の大学のほとんどというか、ほぼ全ては、地域の医師確保で必死になって育成していますので、ある意味、足りないからああしろこうしろと言うことでの教育の質の低下の懸念も出てきます。この文章では積極的に大学と調整と地元出身者枠のところも書いてありますけれども、今後の恒久定員内に何をつくっていくかということの全般的にも、そういう視点を忘れないといいますか、このような形で考えながら、またそのような調整が必要であることは私も十分承知しておりますので、ここはしっかりとそれに関連したステークホルダーと言われる人たちがきちんと相談する取組をつくっていく形でまとめていただくといいのではないかと私は思っているところでございます。
 もう一点、記載として、これは半分要望なのですけれども、3ページの上から3つ目の丸のところで、確かに、医師のキャリア形成の視点から従事しやすい仕組みとか、医師のキャリア形成の視点からというポイントが書かれているところなのですけれども、結構現場で苦労していることが、地域枠の学生さんが地域で働こうとしたときに、指導医がいないのでそこに行けないことです。ここは、地域枠の学生を増やして無理やり張りつければいいというわけではなく、医師としてのキャリア形成をするためにはその医療機関に指導医がいないといけないことになりますので、若手医師一辺倒にならないような配慮から、こういう視点からということで、書いていただいているとは思うのですけれども、そういう指導体制という言葉も少し具体的に書いていただいたほうが、ここら辺の意味が通じやすくなるかと思って、要望でございます。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
 2ページ目の目標医師数ですけれども、医師偏在指数がある意味では絶対的な偏在を表しているように聞こえますね。実際、御説明のときは、相対的なものであってあくまでもこれは機械的に運用するものではないことに留意しなくてはいけないと言うことでした。その割には、この目標医師数が、下位3分の1に達するという書き方で、非常に機械的な取扱いになっている気がします。4つ目の丸に説明はしてありますけれども、各都道府県は、このとおりに範囲を設定しなくてはいけないという誤解を生むのではないかという気がします。こういう書き方をされると、二次医療圏の中で、これから働き方改革が入ってきて、基本的に医師が必要な診療科がいっぱいあるのですね。そういう中で増やせなかったりすると、地域医療は非常に危ない状況になります。この働き方改革が入ることも含めて十分に考慮して設定を求めないと、間違いが起こるのではないかという気がします。書き方が、「設定する」というよりも、「上回らない範囲で配慮する」とか、もう少し柔らかい書き方が必要かと思います。また、実際、下位3分の1は余りにも目標設定としては低過ぎるのではないかと考えます。逆に、中央値とか、そこら辺であればまだ柔軟な対応ができると思いますけれども、「下位3分の1」という書きぶりと「設定する」という言葉には、誤解を生む要素があるのではないかと思います。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。いろいろと御意見を頂戴いたしました。取りまとめ案について、これまでのところ、大きな御異論はなかったのではないかと思いますが、一部いろいろなご指摘を踏まえて表現を少し工夫したほうがいいというところもあったように思います。本日の御意見を踏まえて、今後、事務局と相談いたしまして、最終的には、私、座長預かりという形にさせていただきたいと思いますけれども、そのような対応でよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、そのように取り扱わせていただきたいと思います。
 それでは、次の議題でございます。
 3つ目でありますが、「地域医療連携推進法人制度の見直しについて」、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○山本医療法人支援室長 ありがとうございます。
 地域医療連携推進法人の見直しにつきまして、経済財政運営と改革の基本方針2022、いわゆる骨太の方針2022などに記載されておりまして、そういったものを踏まえて制度の見直しを考えているところでございます。最終的には医療法の改正が必要になる内容と認識しておりますけれども、このため社会保障審議会医療部会にお諮りする案件であると考えているところでございます。一方で、この地域医療連携推進法人制度につきましては、地域医療構想の達成のための一つの選択肢という考え方の下に制度が設けられているところでございまして、こういったことを踏まえまして、本ワーキングにおきまして、地域医療構想の推進の観点から御意見をいただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、資料3の説明に移らせていただきたいと存じます。
 地域医療推進法人制度の見直し、2ページからでございますけれども、現状の地域医療連携推進法人制度の概要を示させていただいている資料でございます。上の方に書かせていただいておりますのは、制度としましては、地域医療構想を達成するための一つの選択肢ということでございまして、複数の医療機関が法人に参画することにより、競争よりも協調を進め、地域において質が高く効率的な医療を提供するといったことを考えているものでございます。全体のスキームとしましては、一般社団法人ということでございまして、そういったことで、その下の図にございますとおり、理事会や社員総会といったものがございます。さらに、太枠の右のほうにございますけれども、地域医療連携推進評議会には、地域の医療関係者なりに入っていただきまして、御意見を頂戴するスキームができているということでございます。地域の中で、医療提供をする中で、関係者の皆様の御意見を聞きながら推進する、運用ができるという制度になっているということでございます。実際にどういったものを決めていくかというところでいきますと、1つ目の丸にございますけれども、連携推進区域が、原則、地域医療構想区域内ということで整理をさせていただいています。地域医療構想区域内の枠をイメージして、その中で連携を図っていくものでございます。実際の業務でいきますと、2つ目の丸でございますけれども、病床特例ということで、病床過剰地域であっても、連携推進法人の中にある参加法人同士であれば融通し合うことができるという特例を設けております。その他、共同研修、共同購入もできるとともに、資金の貸付けということで連携推進法人から参加法人に資金を貸し付ける、または、100%出資で関連の法人を立てることも可能になっているということでございます。少し目を下のほうに移していただきますと、「参画」ということで幾つかの線があります。医療法人や公益法人という非営利の法人が設置する病院・診療所に参加していただく、参加法人になれるということになっております。さらに右のほうに移っていただきますと、参画、社員ということでございます。これは、個人の開業医の先生なりは社員としては入ることが可能になっておりますけれども、一方で、参加法人、連携の輪の中に入っている法人ということにはならないという扱いになっているということでございます。下のほうにございますけれども、一般社団法人であって、その中で、こういった連携推進法人として都道府県の認定を受けるというスキームになっております。
 3ページでございますけれども、現状におきましては、全体で31法人がございます。1法人解散をしておりますけれども、こちらは統合なりを進めるために設置した法人でございまして、目的を果たしたことで解散をしたということでございます。
 次、4ページでございますけれども、連携推進法人に関する政府方針等でございます。平成27年に法律改正をされておりまして、そのときの参議院の厚労委附帯決議でございます。この中で、5年経過後に見直しなりを検討することが設けられているということで、見直し附帯決議が設けられているということでございます。さらに下のほうを見ていただきますと、先ほど申し上げたとおり、直近でいきますと、骨太2022の中で、地域医療連携推進法人の有効活用に伴って法制上の措置を検討する、それによって地域医療構想を推進するということで、骨太の方針の中にも設けられているという状況でございます。
 5ページが、今回の見直しの内容でございます。1の現状のところ、下から2つ目のポツを御覧になっていただきますと、法人立・個人立の違いにかかわらず、参加医療機関において病床融通や人事交流の取組を通じた連携が重要であるというところで、個人立の医療機関については、地域医療連携推進法人の参画ができないことになっているということでございます。この趣旨でいきますと、その1つ上のポツでございますけれども、こういった少子高齢化の進展や医療の担い手の減少を考えたときに、医療資源や人的資源を有効活用する必要があるだろうということを考えているということでございます。現状、個人が入れていないというところについては、入れるようにすることによって、さらに連携が深まり、地域医療に資するのではないかと考えているということでございます。最後のポツでございますけれども、「また」ということで、地域医療連携推進法人の手続の負担が大きいと。これは、我々で調査をさせていただきましたところ、そういった御意見があったということで、こういった点についても、変更させていただくことによって、よりこの法人制度を使いやすくして、活用していただくことをお願いしたいというものでございます。具体的な見直しの内容、措置の内容でございますが、1つ目の丸でございます。地域医療構想の推進のため、個人立を含めた医療機関がヒトやモノの融通を通じた連携を可能とする新類型を設けてはどうかということでございます。例えば、新類型については、個人立医療機関の参加を可能とするため、現行制度と比較して以下の見直しが考えられるということで、個人立医療機関は、個人用資産と、医療資産の分離が困難であること等に鑑み、カネの融通ということで不可とさせていただいておりますけれども、先ほど申し上げさせていただきました出資や貸付けは不可とさせていただく。こういった新類型とさせていただくということでございます。金の融通をしない場合には、これに伴った手続としまして外部監査を設けておりましたので、これについても不要にさせていただくということでございます。また、参加法人が重要事項を決定する場合のこういったお金の融通なりをしないということを踏まえて、一部の手続を不要にさせていただきたいと考えております。そのほかに、事務負担の軽減でございまして、代表理事を決める際には都道府県の認可が必要でございますが、当初の手続はそのままにさせていただいた上で、再任の際には不要にさせていただくという内容でございます。こういった見直しを進めさせていただきまして、活用性を高めさせていただきたいということでございます。
 6ページでございますけれども、具体的に、先ほどの現状の連携推進法人のイメージを踏まえまして、見直し後のイメージを記載させていただいているものでございます。違いとしましては、一番大きくは、下のほうに目を移していただきますと、個人の開業医、診療所といったものが参加法人と同様に入ることが可能になるということでございます。その右の方にございますけれども、そういったことで少し手続を不要にさせていただく。具体的に言いますと、予算や借入金を決める際に、参加法人につきましては連携推進法人に意見をきかないといけないことになっておりますけれども、こういった貸付け等を受けないということを考えたときには、こういった手続は不要になると考えておりまして、こういったものを不要にさせていただきたいと考えているところでございます。
 7ページにつきましては、私どもで行いましたアンケート調査の結果につきまして記載させていただいております。左下に目を移していただきますと、どういった業務を行っているのかということを記載させていただいております。先ほど申し上げました病床融通なりは3法人において実施しているところでございますけれども、その下の2つ、資金の貸付けや出資につきましては、現状においては使われていないということでございます。そういった意味でも、見直しをしても、新類型ということで別制度にさせていただきますけれども、影響は少ないのではないかということでございます。一方で、個人の開業医の先生方にも入っていただくような制度にすることによって充実すると考えているということでございます。赤枠の四角にございますけれども、連携推進法人の中では、外部監査に負担感があるということで多く御意見をいただいております。こういった意味で、手続を簡略化することによって使いやすさが増えると考えております。さらに、代表理事の再任についても負担感があるとお話をいただいているところでございます。最後の赤枠の中の丸でございますけれども、連携推進法人と地域の医師会等の関係でございますけれども、お話をいただいていないという医師会もこと、積極的に情報をいただきたいという御意見もございますので、こういったことを踏まえながら、活用性の高まる制度に見直していきたいと考えているところでございます。
 説明は、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋です。
 ただいま御説明いただいて、地域医療連携法人が全国にできていることは承知しているのですけれども、それが実態的にどうなのかというところは私個人として十分に理解していなかったので、御説明いただきまして、感謝を申し上げます。
 その上で、今回、医師確保というテーマでお話ししてきているので、この地域医療連携推進法人が出てきたときに、多分ほかの構成員の皆様も頭の切替えができないのではないかと思うのですね。この地域医療連携推進法人の設立事例を3ページで見させていただいているのですけれども、これを見たときに、少なからず医師多数地域でこれができていて、その医師多数地域の医療の質を上げ、さらに効率を上げ、働きやすくしていくということで、医師多数地域でさらに医師が増えそうな気がする設立が多数見られるのですよね。地域医療構想を進めるに当たってはそのことは重要で、急性期、回復期、いろいろな機能を持った病院が連携することは必要なことなので、重要とは思うのです。この推進法人も、それなりの意味というか、存在感で、地域医療構想に寄与するものと私も思っているのですが、そういう意味で、本日出てきたことが多少不思議だなということが私の感想です。
 2番目、質問は、このような法人が設立されたために、医師少数地域の二次医療圏とかにおいて何らかのそのメリット感が出てくるのであれば、そういうところにもこういう形のものを生かしていくことが考えられるのですが、具体的にそういう事例がこれまで報告されているのかということをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 これは、御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○山本医療法人支援室長 ありがとうございます。
 実態ということでございますと、資料でいきますと7ページに調査させていただいた結果がございますので、改めて7ページの左の下を御覧になっていただきたいと存じます。この中で、例えば、人の交流、下から4つ目の枠で、在籍出向・人事交流を活用していただいている法人が、現状において、11法人ということでございます。こういった意味で、医師の不足している医療機関に対して派遣もしくは人事交流ということで人を動かすということは現状においても行われているということでございます。
○大屋構成員 ありがとうございます。
 ただ、これが、医師多数区域の中、医師多数地域と医師多数地域の間の人事交流であれば、望ましいというか、目指しているところが違う気がするので、そこも併せていろいろ調べていただいて、このようにすると地域の医師不足や偏在にも有効だという好事例とかを紹介していただければ、いろいろな都道府県に参考になるかと思いました。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 見直し案には賛成するのですが、違った観点から意見を申し上げますと、4ページにありますように、国の骨太の方針では、2年連続、地域医療構想の実現は地域医療連携推進法人が、先陣を切ってというか、中心になってやっていくということで、非常に期待しているような書きぶりで書かれているわけです。最後、7ページの左下のアンケートによる実績を見てみますと、共同研修、共同購入、人事交流はかなり行われているのですが、国が一番期待している医療機関の再編や病床機能の変更については、再編については、できてから十数年がたつと思うのですが、一つも行われていないということや、今後、5法人において行われると出ているのですが、病床機能の変更も5つということで、地域医療構想を担う中心的な役割を果たすにしてはちょっと物足りないのかなという感じを受けているのです。その辺については、いかがですか。ちょっと趣旨が変わってきているような気もするのです。
○尾形座長 これは、事務局、お願いします。
○山本医療法人支援室長 ありがとうございます。
 まず、この制度が始まったのは平成29年4月2日からでございまして、ちょうど5年を経過したところで、見直し附帯決議においても、5年経過後に見直しをすべきか、検討するよう言われておりますので、それに沿ったことでございます。こういった考え方でいきますと、5年が長いのか短いのかということはございますけれども、先ほど先生におっしゃっていただきました医療機関の再編につきましては、同じ資料でございますけれども、今後予定というところでいきますと5法人があるということでございます。再編成をすることも時間がかかろうかと思いますので、そういった意味では、活用はされてはいるのかなと考えているところではございます。一方で、地域においては、地域医療を進めるに当たって様々な課題があろうかと思いますので、それを連携して果たすことも可能なのではないかということで、この連携推進法人制度はあろうかと考えております。地域医療構想もその一つと考えておりまして、それに向けて活用していただけるように、少しでも活用性が高まればということで、今回、見直しをさせていただくというところでございます。
○尾形座長 幸野構成員、よろしいでしょうか。
○幸野構成員 国の期待と違うのかなということがありましたので、聞かせていただいた次第です。ぜひ中心的な役割になっていただいて横展開していくような感じになればと思います。ありがとうございました。
○尾形座長 5ページに書いてありますように、地域医療構想を達成するための一つの選択肢という位置づけかと思います。ありがとうございました。
 それでは、岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 ありがとうございます。
 ただいまの幸野構成員の御質問に関して、3ページのマップに書いてありますが、島根の江津メディカルネットワークというところに私の母団体である済生会グループが絡んでいるのですが、ここは、先ほど図表にありました機能の再編、病床のやり取り、大きく分けて地域医療構想の一番根幹をなすところで、非常に有益な方向に動いているのではないかと私は感じているところであります。連携推進法人には最初は少し私も懐疑的であったのですが、非常にスムーズに動いて、医師会、関係諸団体と非常にスムーズに動いているなという感じがしております。地域医療構想に、先陣を切って、もっともっと実績を上げていければいいなと期待しているところであります。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 私の認識が間違っていてはいけないので、確認という意味でお尋ねしたいのですが、6ページにございます地域医療連携推進法人の参加法人のところですけれども、社会福祉法人は参加できるということでよろしいでしょうか。社会福祉法人が参加する際に、個人と同じように資金の融通等に関して何らかの制限があったかどうか、確認をさせてください。
○尾形座長 これは、御質問ですので、事務局、お願いします。
○山本医療法人支援室長 社会福祉法人も、参加をしていただくことは可能でございます。もちろん、医療機関を開設しているとか、介護の施設を運営していることが前提になろうかと思います。施設として入っていただくというイメージになると思います。一方で、社会福祉法人につきましては、資金の流出が法人制度で禁止されておりますので、その法人制度に沿っていただいて、そういった意味ではお金を外に出すことは不可能になっております。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 制限があって参加できるという理解でよろしいでしょうか。
○山本医療法人支援室長 さようでございます。
○伊藤構成員 分かりました。ありがとうございます。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。様々な御意見、御質問をいただきましたけれども、今回の見直し案につきましては、大きな御異論はなかったと思います。本日の御意見を踏まえた上で、事務局から説明がありましたとおり、今後、医療部会へこの案で諮る形で進めていければと思います。
 それでは、最後ですが、4つ目の議題でございます。
 「令和6年度医学部臨時定員に係る方針について」、まず、これも事務局から資料の説明をお願いいたします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 それでは、資料4「令和6年度医学部臨時定員に係る方針について」を御説明させていただきます。
 まず、こちらはこれまでにも何度か本ワーキングで提出させていただいた資料でございますけれども、地域枠及び地元出身者枠の概要についてというところを御覧いただければと思います。地域枠及び地元出身者枠については、この真ん中の四角に書いてありますように、地域枠は、地元出身者もしくは全国より選抜し、別枠方式で選抜、従事要件のあるものとなっておりまして、一方で、地元出身者枠は、地元出身者より選抜し、選抜方法や従事要件は問わないものとなっております。一番御覧いただきたいものは、この設置イメージでございます。現状、各大学におきまして、通常、恒久定員と臨時定員を設置されている状況でございます。この臨時定員につきましては、基本的には地域枠として臨時定員がある状況になってございます。
 その次に、3ページを見ていただければと思いますけれども、この臨時定員につきましては、平成20年度以降、医学部の入学定員を徐々に増加してきたという経緯がございます。最初、昭和48年には、無医大県解消構想、一県一医大構想として、徐々にその後は医学部が設置されてきて、昭和57年の閣議決定におきまして、医師については全体として過剰を招かないように配慮ということで、そこの時点で8,280人になっていた。その後、少し減少いたしまして、ずっと平行に来ていたのですけれども、平成20年度以降、再度臨時定員を設置して、7,625名から9,357名まで令和3年度に増加しているという状況がございます。
 平成20年度以降の流れにつきましてもう少し詳細に示したものを4ページに記載してございます。平成20年度以降の医学部臨時定員につきましては、一番上の1つ目の丸、4つに書いてありますような閣議決定を基に、徐々に臨時定員を増設してきた背景がございまして、平成31年には全ての臨時定員の設置期限を迎えることとなっておりました。ただ、一方で、2018年の経済財政運営と改革の基本方針におきまして、2020年度、2021年度についても、2019年度の医学部定員を超えない範囲で、その必要性を慎重に精査しつつ、暫定的に現状の医学部定員をおおむね維持するとなっておりました。また、この中では、2020年度以降につきましては、定期的に医師需給推計を行った上で、働き方改革や医師偏在の状況等に配慮しつつ、将来的な医学部定員の減員に向け、医師養成数の方針について検討するとなっております。また、2019年度の骨太の方針におきましても同様に、定期的に医師需給推計を行った上で、医学部定員の減員に向け、医師養成数の方針について検討するとなっておりました。直近の令和4年度以降の医学部定員の医学部臨時定員に係る方針がどのようであったかということにつきましては、下の四角に記載しております。令和4年度の医学部臨時定員につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、当初、令和4年度以降の医師養成数の方針を示すこととしておりました令和2年4月までの間に十分な議論ができませんでしたので、暫定的に令和2年度・令和3年度と同様の方法で令和4年度の臨時定員を設定しておりました。令和5年度の臨時定員につきましては、歯学部振替枠を除いて令和4年度と同様の方法で設定することとしておりまして、この歯学部振替枠につきましては、廃止した上で、地域の医師確保・診療科偏在対策に有用な範囲に限って地域枠臨時定員として活用することとしたということが、これまでに決定した医学部臨時定員増に係る経緯でございます。
 今回御報告させていただきたいものは、令和6年度医学部臨時定員に係る方針についてというところでございます。5ページを御覧いただきまして、令和4年、本年1月に取りまとめられました医師需給分科会、第5次中間とりまとめにおきましては、令和6年度以降の医学部臨時定員につきましては、医療計画の策定を通じた医療提供体制や医師の配置の適正化とともに検討する必要があると、つまり、第8次医療計画等に関する検討会の検討状況を踏まえて検討する必要があると示されております。一方で、令和6年度の各大学の医学部臨時定員につきましては、大学と都道府県において、指導体制・地域枠の配置方法等に関する調整期間が必要ですので、本年の10月中には令和6年度の医学部臨時定員の方針を決定する必要があるということがございます。このため、令和6年度以降の臨時定員につきましては、本ワーキンググループにおける議論も踏まえまして、臨時定員全体の必要性を十分に精査して、地域における医師の確保に必要な範囲で臨時定員の設置を認めるとした上で、令和6年度につきましては、令和元年度の医学部総定員数9,420名を上限として、令和5年度の枠組みを暫定的に維持することとしております。なお、令和7年度以降は、医学部臨時定員につきましては、今回御検討いただいております第8次医療計画等に関する検討会が取りまとまっているという状況の中で、そういった議論の状況を踏まえて、改めて検討するとしております。以上のように考えております。
 事務局からは、以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
 伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
 今、御説明いただきましたけれども、以前もお尋ねしたことがあるのですけれども、医師、特に女性医師の比率が最近は増大しているということで、入学者・卒業生の比率から見ると4割を超える状況になりつつあります。今回は資料が出ていませんけれども、女性は、御説明いただいたように、ライフイベントに起因するところの就業率の落ち込みがあるとされています。今回の医学部の定員増についての議論はこの点を十分に考慮されて検討された結果かどうかということが1点。
 以前、本来であればそのときに御質問申し上げなければいけなかったのですが、女性医師の就業率のグラフがございました。76歳の時点で、女性医師の5割が現役として就業しているというデータが示されていましたけれども、私が病院を経営する中ではなかなかそういう数字が現実のものとして実感できないというところがあって、常勤・非常勤の区別がどういう形でなされているかということと、開業されている先生方といわゆる勤務をされている先生方との差が、何らかの形で、データとして一緒になってごっちゃになっているのではないかということを大変懸念しているところでございます。医師の養成には、最低10年かかる大変長いスパンでの計画が必要になるわけですから、医師が過剰になるというデータに基づいて計画していることが、何らかの誤差、そごがあって、それによって万が一医師の不足を招くようなことがあったら、10年や20年にわたり、大変厳しい状況になるということです。もう一度しっかりとそこのところについて再検証する必要があるのではないかということで、質問させていただきました。以前お示しいただいた女性医師の就業率のデータそのものは、どういう形で解釈していいのか、教えていただきたいと思います。
 以上です。
○尾形座長 2点、御質問いただきました。
 事務局、お願いします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 御質問いただき、ありがとうございます。
 2点、御質問いただきました。
 まず、1点目について、現状、女性医師の割合が増えている、女性の入学者割合も4割を超えてきている状況の中で、臨時定員の決定につきましてはそれも踏まえているのかという御質問だったかと思います。基本的には令和2年度に需給推計いたしましたマクロ推計に従って今後のことを検討しているところでございますけれども、このマクロ需給推計につきましては、定期的に検討をしていく必要があると考えております。この中で、当時の女性医師の割合は勘案されたものになっておりますし、また、今後、このマクロ需給推計を検討する際には、そういったデータももちろん踏まえると考えております。
 もう一点、今回の資料の中には提出しておりませんけれども、女性医師の就業率というところでございます。75歳医師の約半数程度が就業していたという状況かと思います。これは、その際に就業しているかどうか、本当に働いているかどうかという点で、5割というものでした。その際に、働いているかどうかだけの観点であったために、就業者がどれぐらいの割合で働いているか、常勤なのか非常勤なのかということは、あのデータには反映されていないという状況でございます。先生の感覚といたしまして女性の75歳の方は5割も働いていないのではないかということだったかと思うのですけれども、その年齢層での女性医師、登録数の中でどれだけ働いているかというだけのデータではございましたので、女性の就業者が、どれぐらいの割合か、常勤なのか非常勤なのか、開業なのか勤務医なのかという点については、お示ししていたデータについては特に反映していないものとなっております。
○尾形座長 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 今、医師の需給問題に関しては、医師全体の数、つまり、私の考えでは、常勤に換算された医師の数に関しての議論が進んでいると思っています。その医師の需給計画の中で女性医師の割合は以前お示しいただいたデータを基に計画されているとするなら、これは大きな誤差を生むリスクがあるということで、ぜひそこはもう一度再考をお願いしたいということが1点。
 これに関しては、要するに、需給の計画、女性医師の数も含めて、見直しはどういうスパンで行うのかということを最後に質問したいと思います。
○尾形座長 それでは、これも事務局にお願いします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 御質問いただき、ありがとうございます。
 まず、女性の就業の形態やどれぐらい働いているのかということも勘案した上での検討が必要ということかなと認識しておりますけれども、こちらにつきましては、今回、マクロ需給推計としておりますものの中には、そういった男性・女性に分けた各年齢別のどれぐらいの労働時間であるかというものはしっかりと反映されているので、その点については、そのようなデータを踏まえて検討している状況でございます。このマクロ需給推計のアップデートにつきましては、定期的にやっているものではございますけれども、その検討時期、いつアップデートをするかということにつきましては、検討結果を踏まえて、いつアップデートをすることが適切かということも踏まえて検討させていただければと思っております。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
 それでは、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 衛生部長会の立場というよりも、医師少数県の立場で意見を申し上げたいと思います。
 まずもって、令和6年度も医学部臨時定員増を継続する方針を示していただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 一方で、令和7年度以降の在り方についてはこれから議論をしていくこととなりますが、先ほども申し上げましたとおり、医学部臨時定員増や地域枠制度の効果が出始めてなお都道府県間の医師の偏在は拡大している現状にあります。都道府県格差の是正には、都道府県が策定する医師確保計画の施策効果では限界があります。現行の医学部臨時定員増に基づいた地域枠を継続してもなお最も医師が不足している県では、医師確保計画最終年度の2036年においても医師が不足するという推計もございます。そうした点も十分考慮して、令和7年度以降の議論を進める必要があるものと考えております。
 私からは、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋でございます。取りまとめをどうもありがとうございます。
 私どもは、大学病院であり、医学部であるということで、この医学部臨時定員に係る方針には非常に注視しているところでございます。基本的には、先ほど申し上げましたように、地域枠を有する医学部では、その子たちをしっかり地元に戻す、とどめることを目標に、教育を行っております。また、例えば、10人、20人で、その地域の医師が確保できるわけではなく、一般枠の学生に対しても、可能な限り、地元でというか、その大学のある地域で働くように働きかけをしています。したがいまして、確かにこの地域枠に焦点を当てて対策をつくっていくことは必要ではありますけれども、その際に、ここをあまりに重視し過ぎることで一般枠の学生もしっかり地域で働いてもらうというところが薄くならないように、今後の議論を進めていただきたい。実際、非常に医師不足の県では本当に全員に残ってもらうつもりでやっていると言っていますので、そこも非常に重要かと思います。極端なことを言えば、10人、20人の地域枠が全部残っても、内科3人、外科2人、眼科1人、精神科1人でいったら、毎年1人ずつぐらいしか増えないことになるわけでございます。それが、1つでございます。これは、要望となります。
 2つ目ですけれども、これも要望になりますが、女性医師というところで先ほど私も申し上げましたけれども、医師偏在指標で、男女別、性別、年齢別に、どれぐらい働いているかということを加味しながら、医師偏在指標なり必要な医師数は算出しているというところでございますが、2016年に比べまして、2020年になると、本当に劇的に若い人たちの働き方が変わってきている、また、女性医師も非常に増えている、女性医師も結構産休・育休で休まれる方が増えているという現状がございます。そういう意味で、私はこの新しい医師の労働時間比がはっきり出てくることを非常に待っているというか、それによって対策が大分変わるのではないかと想像しています。さらに、先ほど申し上げた産休・育休で休んでいる方がしっかり捕捉されることで、そのような数字の働き方改革による影響も出てきますので、こういう議論のときに、地域枠の臨時定員を減らす、どういうタイムスパンでどのように減らしていくかというところについて、そのような資料を十分に加えていただきたいと思います。
 加えて、3つ目のコメントになりますけれども、あくまでもこれは人数を規定しているということで、地域で求められている医師とこの全体像は必ずしも一致していない。それが、総合診療医であったりとか、全般的に診療ができる内科医だったり、本当に必要とされている外科医であったりということになってくるかと思います。そういうところの人数が減っているのに医師の総数が増えているので臨時定員を減らすということになりますと、非常に危ないことが生じると考えておりますので、そういう診療科別の内容も加味した上での臨時定員の削減を進めていただきたいという要望でございます。
 以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
 それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
 今大屋構成員がおっしゃったとおりで、地元には残っても、医師が不足している診療科の人材確保が実際は十分ではないような気がします。そういうことで、臨時定員増は医師不足の診療科の人材確保にどれぐらい貢献しているのかという全体的なものは把握できていますか。厚労省にお答えいただきたいと思います。
○尾形座長 これは、事務局、お願いします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 御質問いただき、ありがとうございます。
 まず、この臨時定員増につきましては、平成20年から開始しているものですので、ようやっと、例えば、地域枠であれば9年目の医師が出てくるようなところでございます。どこまで臨時定員増に効果があったのかということについては、まだ十分に検証できていない状況かとは思っております。
○織田構成員 分かりました。これから医師不足の診療科でどう不足を補っていくかは多分重要なことになりますので、ぜひそのことは追跡調査をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。様々なコメントあるいは御意見をいただきました。事務局から示されております令和6年度医学部臨時定員に係る方針については、大きな御異論はなかったと思います。
 それでは、本日用意いたしました議題は以上でございます。
 最後に、事務局から何かございますか。
○守川地域医療構想推進専門官 本日は、会場における一般傍聴の制限をさせていただいており、議事録につきまして、可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましても、御多忙とは存じますが、御協力いただきますよう何とぞお願い申し上げます。
 また、次回のワーキンググループにつきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきたいと思います。
 長時間にわたりまして、大変熱心な御議論をどうもありがとうございました。




(了)
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直通電話:03-3595-2186

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