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2022年9月21日 第7回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和4年9月21日(水) 16:00~18:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 7階 カトレア
東京都千代田区六番町15

 

○議事

 ○守川地域医療構想推進専門官 ただいまから第7回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催といたしまして、会場における傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
まず初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。
本ワーキンググループの構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして座長の指名を受けてからマイクの「ミュート」ボタンを解除し、発言をするようお願いいたします。なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には、画面に向かって挙手をお願いいたします。発言終了後は「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようお願いいたします。
また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックしていただいた上で「賛成」ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで異議なしの旨を確認させていただきます。
また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の和田室長、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官に御出席いただいております。
次に、資料の確認をさせていただきます。
事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1、参考資料1を配付させていただいておりますので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。早速、議事に入りたいと思います。
本日の議題は「医師偏在指標について」ということでございます。
まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○谷口医師確保等地域医療対策室長 それでは、事務局より資料1の御説明をさせていただきます。「医師偏在指標について」という資料を御覧ください。
2ページ目を御覧ください。本ワーキンググループで医師偏在指標に関していただいている主な御意見を御紹介してございます。まず、医師偏在指標に用いる医師数について、病院と診療所を区別してはどうか、大学病院等から派遣される非常勤医師等を考慮してはどうか。また、医師偏在指標に用いる受療率について、全国受療率と都道府県別受療率を比較するとどの程度の差があるか、平成29年と令和2年の患者調査では受療率がどの程度変わるのか。そのほかに、地域ごとの診療科別の医師数等の実態を示すべきではないとかといった御意見をいただいてまいりました。
3ページ目を御覧ください。いただいた御意見を踏まえまして、本日こちらに示す1から6の内容について御検討いただきたく存じます。
4ページ目を御覧ください。医師偏在指標の算定式をお示ししております。医師偏在指標に影響する主な因子ですが、医師数、医師の平均労働時間、受療率となります。医師数は三師統計、平均労働時間は医師の勤務実態調査、受療率は患者調査に基づく値を用いております。
5ページ目を御覧ください。まず、勤務施設別の医師偏在指標について御説明をいたします。
6ページ目を御覧ください。医師偏在指標は2つ前のスライドでお示ししたとおりでございますが、影響する因子としまして、医師数、医師の平均労働時間、受療率がございます。医師数は三師統計、平均労働時間は勤務実態調査、受療率は患者調査を用いております。
続きまして、用いるデータについて、勤務施設別の算出の可否について説明をいたします。分子になります医師数の三師統計でございますが、こちらは病院と診療所でそれぞれ分類が可能でございます。一方で、病院と有床診療所においては入院と外来でそれぞれ対応する医師を分類することが不可能となっております。
分母に影響してまいります患者調査ですが、病院と診療所及び入院と外来について、それぞれ分類が可能となっております。
7ページ目を御覧ください。こちらのスライドで都道府県別の病院のみの医師偏在指標について検討してお示ししてございます。上のほうのグラフが従来の偏在指標でございます。下のほうが病院のみの偏在指標となっております。都道府県別の医師偏在指標を見ますと、病院のみのほうでは多数から中程度へ1県、中程度から多数へ1県、少数へ1県、少数から中程度へ1県が変動し、4県において区分をまたぐ変動が見られております。
続きまして、8ページ目を御覧ください。こちらで二次医療圏別の病院のみの医師偏在指標の検討をお示ししております。こちらでは多数区域から中程度へ12区域、中程度から多数へ11区域、少数へ19区域、少数から多数へ1区域、中程度へ18区域が移動しまして、61区域において区分をまたぐ変動が見られております。
9ページ目を御覧ください。こちらでは都道府県別の診療所のみの医師偏在指標を検討してお示ししております。こちらでは多数から中程度へ4県、少数へ2件、中程度から多数へ5県、少数へ3県、少数から多数へ1県、中程度へ4県が変動しまして、19件において区分をまたぐ変動が見られました。
10ページ目を御覧ください。こちらは二次医療圏別の診療所のみの偏在指標をお示ししております。診療所のみで見ますと非常に多くの区分をまたぐ移動が見られております。
11ページ目を御覧ください。こちらで病院・診療所別の偏在指標の活用例を参考としてお示ししております。二次医療圏のcを見ますと、全体の医師偏在指標では多数区域に分類されるものの、病院の勤務医師で見ますと多数とはならないということがございます。また、二次医療圏のdのほうを御覧いただきますと、全体の偏在指標では少数区域に分類されますが、病院勤務医師で見ますと多数ということになります。こういった情報も医師確保の施策を検討する上で御参考として活用いただいてはというのでお示ししてございます。
12ページ目を御覧いただきまして、論点でございます。病院医師の偏在指標を算出しますと、都道府県では1県、二次医療圏では12区域が全体の偏在指標で多数区域であったものが中程度区域に変動するという結果となりました。しかしながら、この勤務施設別の医師偏在指標は一定の仮定の下で算出しているということには留意する必要がございます。このため、特に都道府県単位で見る際は全体の医師偏在指標を活用することとし、都道府県内における二次医療圏において地域の実情に応じた施策を検討する際にこういった指標も活用することができるよう、全体の医師偏在指標の参考資料として都道府県に提示することとしてはどうかとしております。
13ページ目を御覧ください。続きまして、複数の医療機関に勤務する医師について御説明をいたします。
14ページ目を御覧ください。複数の医療機関に勤務する医師については、大学病院等に勤務する医師が他の医療機関へ非常勤医師として派遣されているような実態があるということ。現在の医師偏在指標では、主たる従事先のみを考慮しており、従たる従事先を考慮できていないこと。二次医療圏を越えた派遣先がある場合、医師偏在指標は派遣元医療圏では実態より大きく、派遣先医療圏では実態より小さくなっているという課題がございます。
日本地図でお示ししておりますが、複数の医療機関に勤務する医師について、異なる二次医療圏へ派遣されている医師について三師統計から把握し、各医療圏ごとに医師の移動をお示ししております。濃い赤色ほど従たる従事先に派遣している医師が多く、大学所在地の二次医療圏に多い傾向がございます。濃い青色ほど従たる従事先として派遣された医師数が多く、大学所在地の二次医療圏の周辺に多いという傾向がございます。
続きまして、15ページ目を御覧ください。複数の医療機関に勤務する医師については、異なる二次医療圏へ派遣されている医師について三師統計から入手可能なデータを用いて勤務割合を調整することが可能です。医師届出票の記載は午前のみ、午後のみの勤務の場合、0.5日としてカウントしておりまして、勤務日数の合計は7日を超えないこととなっております。2020年の三師統計の結果、総医師数33万9623人、そのうち医療施設従事医師数は32万3700人であり、その中で主たる従事先と従たる従事先の勤務先医療機関の二次医療圏が異なるという医師数が3万4653人となります。
右にお示ししておりますとおり、三師統計の記載内容は主たる従事先と従たる従事先の記載があるものの中で勤務日数の合計が7日を超えるものや勤務日数が不明であるものも含まれております。
16ページ目を御覧ください。次に、医師数の案文のルールの検討についてお示しいたします。先ほどの御説明のとおり、異なる二次医療圏へ派遣されている医師3万4653人の中で主たる従事先と従たる従事先の記載がある者は3万1200人、合計が7日を超えるものが511人、勤務日数が不明な者が2,942人となっております。
このうち勤務日数の案分が可能な医師3万1200人で比率を算出しましたところ、主たる従事先の比率は平均値、中央値、最頻値ともに0.8に近い数値となりまして、全体の代表値として比率の設定が可能というふうに考えられます。これらを踏まえて論点をお示しいたします。
大学病院等に勤務する医師の実態を考慮するため、これまでの主たる従事先のみを考慮した医師数ではなく、三師統計で従たる従事先を記載している医師数については、その状態を加味し、主たる従事先で0.8人、従たる従事先で0.2人として算出してはどうかとしております。
17ページ目を御覧ください。続きまして、医師偏在指標で用いる受療率について、県別受療率と全国受療率について御説明をいたします。
18ページ目に医師偏在指標の算出式を再掲してございます。※3でお示ししているとおり、地域の期待受療率は全国の性年齢階級別調整受療率に地域の性年齢階級別人口を乗じることで算出しております。
19ページ目を御覧ください。こちらの資料ですが、現在の医師偏在指標の構成要素である2017年の受療率を都道府県別に算出しまして、全国受療率と比較しております。赤の破線が全国の受療率でして、ピンク色の線が全国と各都道府県の人口10万人対調整受療率の比をお示ししております。
右上のグラフでお示ししておりますとおり、調整受療率と入院受療率は強い相関があることが示されております。
20ページ目、論点でございます。都道府県別受療率を用いた場合、受療率が高い都道府県でさらに多くの医師を配置する必要性が生じることになりまして、地域偏在の解消が進まなくなるおそれがございます。このため、現在の医療提供体制が維持できるよう十分配慮した上で、次期医師偏在指標においても、前回と同様に全国受療率を用いることとしてはどうかとしております。
21ページ目を御覧ください。次に、医師偏在指標で用いる受療率について、2017年と2020年の患者調査について御説明をいたします。
22ページ目を御覧ください。まず、下に※で示しておりますが、患者調査、入院及び外来患者について、10月の3日間のうち医療施設ごとの定める1日で調査を行うという統計上の特性がございます。その上で2020年の患者調査では、コロナ禍に相当するということもございまして、受療率も低下が予想されておりましたところ、入院受療率は低下している一方で、診療所外来受療率は上昇していることが分かりました。
こちらの診療所の外来受療率は上昇しておりますが、病院の外来受療率は低下しておりまして、全体で見ますと横ばいという数字でございます。医師偏在指標の算出におきましては、無床診療所の外来受療率を用いておりますため、ここでは診療所に限定した受療率を掲載しております。
23ページ目を御覧ください。こちらは傷病分野別の人口10万人対入院受療率をお示ししております。2017年と比較し、多くの分野で2020年は入院受療率が減少していることが分かります。コロナの影響ということも十分に考えられます。
24ページ目を御覧ください。こちらは傷病分類別の人口10万対一般診療所の外来受療率をお示ししております。とりわけ21にあります健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用における受療率のところが倍以上に増加しております。この中には検査及び審査のための保健サービスの利用者を含むことから、一般診療所に検査を行うために受診した方が急増し、外来受療率が上昇したというようなことも考えられます。
25ページ目に論点をまとめてございます。2020年の患者調査は新型コロナウイルス感染症の影響を受けていると考えられます。今後の受療率の見通しの予想は困難でありまして、現時点においては、少なくとも新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない2017年の患者調査を用いて医師偏在指標を算出することとしてはどうか。また、基準病床数の算定にも同じ年度の受療率を用いるなどの整合を図る必要があるとしております。
続きまして、26ページとなります。診療科別医師の偏在について御説明をいたします。
27ページ目になりますが、診療科別医師偏在については、需給分科会の第4次中間取りまとめでお示ししたとおり、産科と小児科について一定の前提の下、診療科と疾病・診療行為との対応を現時点で整理することが可能であり、暫定的に、産科、小児科について診療科別医師偏在指標を示し、地域偏在是正に向けた対応等を行うこととされました。
一方で、下段のほうにお示ししているとおり、医師偏在指標を診療科別に算出するためには、それぞれの診療科について標準化医師数及び患者数が必要となります。診療科別医師数は三師統計により把握可能ですが、労働時間、医師の勤務実態調査から分かるものについては、診療科によってはサンプル数が十分ではないということがございます。また、患者数は患者調査の受療率となりますが、診療科別ではなく傷病名別となっておりまして、傷病名と診療科の対応関係が明確ではありません。このため、診療科別の偏在指標の算出は現時点で困難と考えております。
28ページ目を御覧ください。一方で、診療科別の医師の偏在に対しましては、ワーキングで構成員の先生方から御意見をいただきましたとおり、医師数等の実態を示すべきと考えております。お示ししておりますとおり、三師統計では人口10万人当たりの都道府県別の診療科医師数を把握することが可能でありまして、さらに二次医療圏別の診療科別医師数を把握することもできます。また、複数回答が可能であることから、重複があることを考慮する必要はありますものの、二次医療圏別の専門医師数についても把握が可能です。
29ページを御覧ください。お示ししますとおり、複数の都道府県で三師統計を用いて医師確保計画等を作成し、各専門科の多寡等の背景に沿った医師確保を行っているということがございます。ガイドラインでは、三師統計が活用可能であることを周知し、このような事例を横展開することも重要と考えております。
30ページに論点を示しております。診療科別医師偏在は、地域偏在と併せて引き続き対応が必要と考えられます。診療科ごとの具体的な医師数は、施策の検討の参考になると考えられるため、都道府県においては、既に公表されている三師統計による診療科別医師数を踏まえつつ、必要な施策を検討してはどうかとしております。
31ページ目からは参考資料となりまして、32ページ目、三師統計を用いることで多角的な解析が可能であるというものでお示ししております。病院に従事する医師数、診療所に従事する医師数をそれぞれ年齢階級別に示しますと、34歳までは病院に従事する医師が大半を占めまして、35歳以上になると徐々に診療所に従事する医師が増加し、60歳以上では診療所に従事する医師のほうが上回る結果となっております。こういった多角的な解析に使っていただけるという事例になります。
33ページ目も同様に多角的な解析の事例でございまして、専門科について、複数回答が可能であることを踏まえて見る必要がございますが、年齢階級別の外科系の医師が占める割合はあまり変動がないということがここで分かります。また、内科系の医師が占める割合は年齢とともに増加傾向となっております。都道府県の背景も把握し、実効性のある医師確保を行っていただくためにも、こういった多角的な解析を行って活用いただくことが重要と考えます。
以上で資料の御説明を終わらせていただきます。
○尾形座長 ありがとうございました。
本日は御覧のように医師偏在指標について、資料1の2ページに示されているこれまでの主な御意見に従って、関連するデータ及び論点を整理して示していただいております。資料1の3ページの目次を見ますと5つのパートに分かれておりますので、順次検討をしていきたいと思います。
それでは、まず1の勤務施設別の医師偏在指標について、ページ数で言いますと5ページから12ページの部分でございますが、まずこの部分につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 まずはこのように三師統計、様々なところからいろいろな分析をしていただいて、これをぜひしてほしいというふうにお願いした者としては非常にうれしく思っております。ありがとうございました。
それで、やはりこれで見ると今までの医師偏在指標だけではなかなかうまくいかないなと。特に9ページの診療所の統計では相当都道府県間のばらつき、また、次の10ページの二次医療圏間のばらつき、さらに11ページは非常に医師偏在指標が入れ替わるということもありますので、今後こういうこともあるので、医師の偏在が単なる数だけでは表わすことができないのだということを考えて議論を進めるべきだと思いました。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。この集計結果そのものは頑張って出していただいたので、異存はありません。ただ、実際に病院と診療所別集計を見てみると、病院が頑張っているところはどうしても診療所の数が減ってしまって、逆に診療所が頑張っているところは病院の医師が少なくて済むという現状がありますので、基本的にはやはり合計した医師偏在指標というのを最初に見ていただいて、それを細かく見るためのあくまで予備的な資料として見ていただくというのが正しいと思います。そうでないと、卵が先か、鶏が先かというようなことがある数字だけで判断するのは非常に危険だと思いますので、そういう使い方として提示するのであれば賛成です。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋でございます。私も猪口構成員と同じように、このような形で病院、診療所を分けて偏在指標を出してくださいとお願いしていましたので、きれいな形で出していただいたことは本当に感謝申し上げたいと思いますし、今、今村構成員からお話があったように、地域はやはり病院と診療所が両方あって成り立っているものですから、その全体、及びその地域の特色を見るという意味で、地域の医療計画の中で病院や診療所というところをうまく組み合わせながら検討していただけるように希望をしております。
あと、多分今後になってくるとは思うのですけれども、今のいろいろな地域で困っている、ここが足りないよとか、ここが不十分だよと言っている地域が結構あると思うのですけれども、そこが今回のこの指標のどのような部分、例えば病院が足りないのか、診療所が足りないのか、また、住民の年齢と数からいったらそれは少し、そこまでは見られないよねというような、多少なりともそれは無理だよというようなことにある程度見当がつくのかというようなところのためにも、病院といっても均一ではないと思うのです。100床の病院でも一般、それから救急を受け入れているところもあれば、整形外科だけで待機的な手術をしている病院もあるかと思いますので、そういう意味で、今後またこれをベースにさらなる検討、いろいろな診療科についての検討等も行っていっていただければなと思っております。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 基本的に示された論点に賛成の立場でコメントしたいと思います。
医師不足と偏在は、主にこれまで病院に勤務する医師の問題として捉えられてまいりましたが、資料の7ページで都道府県単位では医師偏在指標と病院のみ医師偏在指標では大きな変化がないことが示されました。一方で、診療所の偏在指標では一定以上の変動が示されています。地域によっては医師の高齢化による後継者不足の問題もあり、論点に示されたとおり、これまでの施策との継続性や整合性の観点からも、都道府県単位で見る場合は従来どおりの医師偏在指標を活用し、今回示された情報については地域で検討する場合の参考資料として都道府県に提示していただくことでよろしいのではないかと考えております。
私からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 私も先生たちの意見と一緒なのですが、病院と診療所を区別すると、病院では全体の指標と大きく変動がないですけれども、診療所では約4割で区分をまたいで変動が見られて、11ページのようにいろいろなパターンがあることが分かりました。
12ページの論点にあるように、今後、医師の偏在を解消していくためには極力医療圏の中で医師の確保を解決していくべきだと考えますので、この11ページの真ん中にあります医師確保の方針というのはあくまで細部に、医師多数県については二次医療圏外からの医師の確保を行わない。それから、少数区域については他の医師多数区域からの医師の確保を行うという方針は堅持して、あとは地域の実情に応じた対応でやっていくということでいいのではないかと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。私のほうから申し上げたいことは、猪口先生もおっしゃったように、三師調査と患者調査から分かる範囲でこのようなデータを一生懸命お出しいただいたことは感謝申し上げますが、2つの調査から分かるデータが今後の医師の必要数とか偏在度合いとかを判断するのには、まだ不十分ではないかということでございます。といいますのは、病院と診療所を区別して考える。それから、病院の中でも大屋先生の言うように規模の違う病院とかそういった違いをどうやって捉えるのだという御発言があったと思いますが、それは結局、医療というものに対して病態が違うのですね。診断名が同じであっても、その病態が非常に重症のものから軽症のものまで分かれる場合があるということをどうしても考えなければいけない。
例えば軽症なものですと、はっきり申し上げますと、診療所の先生に見ていただいて、それで終わる。だけれども、重症になると拠点病院とか大学に行ってしなければならない。そういったことがこの三師調査とお示しいただいた患者調査からは全く表に出てこないということだと思うのです。
できればそういった違いが現れて、それが医療の需要度です。それに対して供給する側としては、どれだけのものがどれだけその地区で対応できるか。大もとの話では、大都市にそのような専門的な高度医療が可能なところが多いわけですけれども、特に二次医療圏ごとに見ますと、その違いというのは物すごく大きくあると思うのです。ですから、そういったことを何とか今後、こういうデータを算出する基になるような調査をしていただきたいと思います。それによって、例えば診療所の先生が、極端なことを言えば多過ぎるのか、あるいは少ないのか、病院の医者だってもっと増やすべきなのか、減らすべきなのか、連携体制をどうすべきなのかということを考えていく基になるのではないかと私は思います。
ですから、できましたら、今の三師調査と患者調査だけではなくて、新たな見方を、今言いましたようなことを含めてお考えいただければと思うところです。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。ちょっと話を戻すようなことになって申し訳ないのですけれども、6枚目のところの勤務施設別の医師偏在指標の説明で、一定の仮定の下で算出をするという考え方が出ているのですが、これが少し分かりにくかったので、ちょっと説明していただけますか。
○尾形座長 これは事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問、御発言いただきましてありがとうございます。この一定の仮定のところでございますけれども、米印で下に書いてございます、マクロ需給推計における医師需要の考え方といったところにお示ししております。病院及び有床診療所の医師は、入院医療とともに、外来医療の対応も行っていらっしゃるところでございます。この外来医療の需要といいますのは、例えば計算式でどれぐらい入院を見ていて、外来をどれぐらい見ているという比率等を出すのがなかなか困難でございますので、そういったところも勘案いたしまして、外来需要は入院医療需要と同様に推移するという一定の仮定の下に算出しているという内容でございます。
以上でございます。
○尾形座長 櫻木構成員。
○櫻木構成員 ありがとうございます。何人かの構成員の先生方もおっしゃっていたと思うのですけれども、病院というのは一通りではないですね。規模も違いますし、それからその病院が持っている機能というのも違うと思うのです。例えば比較的小規模の病院ということになれば、地域においてはいわゆるかかりつけ医機能みたいなものが果たしている部分があるので、この一定の仮定というのはちょっと乱暴なような気がするのですけれども、いかがでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御指摘をいただきまして感謝申し上げます。病院の規模によって、様々なバックグラウンドによってどのような業務体制を行っているかというのは本当に御議論いただいているところでございます。ただ、こういった病院であったり診療所を分けて算出するときには、現時点ではデータを取得することができませんので、一定の仮定を置くといったところで議論をさせていただきたいと思っておりますので、今回はこのように提示させていただいております。
○尾形座長 櫻木構成員。
○櫻木構成員 例えばこれ、一定の病床数で分けて検討するということは可能でしょうか。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 一定の病床数等で分けることができるかという御質問だと思いますけれども、現時点で我々はそのようなデータを持ち合わせておりませんので、そのような一定の仮定の下でお出しすることはできますけれども、100床であったり200床であったり、病院の機能によってどのように異なるかといった算出はなかなか難しいと考えております。
○櫻木構成員 分かりました。ありがとうございます。
○尾形座長 よろしいですか。それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。今回、病院と診療所に分けて医師偏在指標が出たのは非常に意義あることだと思います。現在、外来機能報告制度により紹介受診重点医療機関が進んでいるわけなのですけれども、医師多数区域でも診療所の少ないところが多くあって、病院がかかりつけ医機能を担っているというところも当然あるのがこの指標で分かってきたのではないかと思います。ですから、この指標をしっかり読み解いて、今後、外来機能の在り方については慎重に対応していったほうがいいのではないかと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、取りあえず先に進みたいと思います。
2つ目の部分、複数の医療機関に勤務する医師についてということで、13ページから16ページの部分につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
では、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 大学病院が所在する県庁所在地の中の二次医療圏は医師多数地域であることが多いですが、これは大学病院医師が異なる二次医療圏へいわゆる診療応援という形で派遣されている方が多く、こうした実態を適切に反映する必要があると認識をしています。
論点で示された方向性については異論はございませんが、三師調査では従たる従事先は1か所のみの報告となっております。若い医師は2~3施設以上の複数施設で勤務、日当直を行っている方も一定数いると考えられ、従たる従事先が過小評価となることも想定され、そうした点も考慮が必要ではないかと考えております。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 どうもありがとうございます。今、これは私が医学部長病院長会議からこのことを強く要望したものですから、この形で出していただいて感謝申し上げたいと思いますし、我々が感覚で持っている大学所在地から近隣の地域へ出ていっているということがよく分かると思います。
この動きが理想的なものであるのかどうかという点に関しましては、大学が有している専門的なり高度な医療を地域の病院に行って実施すると。また、当直等のなかなか地域だけでは保持できない機能を提供するというような意味で、地域全体にとってはプラスになるのかなと考えております。
一方、この動きが実は2割とかという形で出てはいましたけれども、結局のところ、日本の医療、医学の進歩を追求して、我が国の国力を上げつつも社会の健康を守るというような様々なミッションを果たす上において、大学の医師が地域の病院に当直に行くとなるとそれは時間的に厳しくなる。これまでは働き方改革というようなものがありませんでしたので、本人の努力ということでこれが成り立っていたということになりますけれども、今後働き方改革が進んでいくにつれて、これも少し難しい部分が出てくると。そこも含めて今後、地域ごとに検討はされているものとは思いますけれども、その点には十分留意をしながら検討していただけるように、国からも都道府県に対してそのような注意点を出していただければなと思っております。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。14ページのところを拝見しているのですが、これは大学病院等に勤務する医師ということで記載されておりますが、我々の自治体病院も地域の中核的な病院から年に1,000日近くも派遣しているところがたくさんあるのです。ですから、そういった数値もこのデータには入っているのかということをまず一つお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。このデータの中に自治体病院等の先生方の移動も入っているかといったところでございますけれども、全ての三師統計におきまして、従たる従事先と記載していただきまして、二次医療圏をまたいでいる方の評価をこちらで行っているところでございますので、全ての記載いただいた病院の先生方のデータも入っているところでございます。
○小熊構成員 ありがとうございます。その上で、さらに私のほうの考えを申し上げさせていただきますと、従の医療機関にドクターが派遣されるとしましても、その従の医療機関で派遣された方が何をしているのかという問題が、やはり先ほどの病状の重症度と関連して、派遣の重みといいますか、労働内容といいましょうか、それが非常に大事だと思うのです。例えば簡単な外来だけやりに行きますというのとか、宿日直基準が満たされているようなところで宿日直していますというのと、ばりばり入院業務に携わる、あるいは手術や検査に直接関与する、その違いというのも考えなければいけないのではないかと私は思うのです。
ですから、先ほども申し上げさせていただきましたけれども、そういったことを分かるような調査に基づかないと、単に何日行って何時間働いてということだけでは不十分ではないかと思っておりますので、今後の御検討を期待いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 この主たるもの、従たるもので医師の届出票を見ていたのですが、病院は確かに一本で、あとは医育機関、これは大学病院等になるわけで、この2種類しかないので、多分ここからでは従たるものを出していってもなかなか傾向を出すのは難しいだろうなと思っています。
今、医師の働き方で大学病院等からの派遣、週1回の派遣とかということが問題になるのですけれども、実はそうでない病院の多くの病院は、今度、週1回、逆に民間病院から大学のほうに例えば手術を覚えにいくとか、また逆に診療所に手伝いに行くとか、そのような働き方もかなりありますので、この辺はすぐにはできないと思いますけれども、行く行くはやはりこの届出自体をもう少し精査できるような形に変えないと、このままではいろいろなパターンがあり過ぎて、臆測にすぎなくなってしまうなというところはあると思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 15ページに書いてあります医師の届出票の従事先の記載方法、上のほうにグレーで囲んであるやり方なのですが、調査年度の12月1日から7日の値で算出するということなのですけれども、ちょっと心配なのは、季節的な変動はないのかというところと、曜日の並びも年度によって違うと思うのですけれども、こういうことによって一律出していいのかなというところがあるのですが、この辺について事務局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○尾形座長 それでは、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきまして感謝申し上げます。三師統計のデータの取り方、特に日にちでありましたり期間でありましたり曜日、これでいいのかという御質問でございます。現時点では三師統計の調査につきましてはこのようなやり方で調査を行っているところでございますので、先ほどからいただいております三師統計のやり方であったりとか、期間であったりとか内容でありましたりは、今後の検討課題になるのかなと考えております。
御質問いただきましてありがとうございます。
○尾形座長 幸野構成員、よろしいでしょうか。
○幸野構成員 三師統計の在り方については、やはり一律に1回だけやるのではなくて、もう少し対象を広げてもいいのかなとは思います。意見です。
以上です。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。ちょっとお尋ねさせていただきたいのですが、15ページの三師統計に基づいて複数の医療機関に勤務する医師の数の問題ですが、まずこのベースになるところの三師統計の回答率、これはどれくらいの正確性をもって把握されているのかということを教えていただきたいのが1点。
それから、ここにあります主たる従事先、従たる従事先の勤務先医療機関の記載があり、かつ二次医療圏が異なる医師数が3万4000人、それから、複数の勤務を行っているのが5万9000人ということでございますけれども、大学の数からいうと151ほど大学病院があって、そのほかにも公立病院から先ほどお話がありましたように派遣があるということになりますと、この3万4000あるいは5万9000というのは数としてはちょっと少ないようなイメージがあって、この状況がどれぐらい正確であるかということが検証できるかどうかということをお尋ね申し上げたいのが2点目。
もう一点は、派遣の中で、先ほどお話が出てきましたけれども、当直の医師のカウントは、恐らく午前・午後という形になりますと、それが0.5掛ける2になるのかなと思っていますが、この点はどういうふうにカウントされているのか教えていただきたいと思います。
以上です。
○尾形座長 3点ほど御質問です。事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。まず医師の統計の数及び主と従の内容でございますけれども、どれぐらい正確性があるのかといったところでございます。この内容に関しましては、医師のほうが記載していただきました内容を精査いたしまして、統計として取っているものでございますので、実際にはもっと多いのではないかという印象をお持ちというところではございましたけれども、実際に記載いただきました内容を反映するしかないのかなと考えております。ほかの統計の方法で例えば主と従の記載等があるような内容がありましたら比較検討ができるところでございますけれども、現時点ではこの三師統計を用いて統計を取るしかないのかなと考えております。
最後の御質問をちょっと聞き逃してしまいましたので、大変失礼ですけれども、もう一度御教示いただいてよろしいでしょうか。お願いいたします。
○伊藤構成員 分かりました。いわゆる派遣といいますか、大学から市中病院に当直に行っている場合に、恐らくこれは単位としては0.5掛ける2になるのかなと思っておるのですが、そこら辺の把握の状況、カウントの仕方はどうなっているかという質問でございます。
○守川地域医療構想推進専門官 ありがとうございます。三師統計を参考資料としてつけさせていただいておりますけれども、当直の業務に関しましても同様にルールがございまして、宿直、日直に関しましては、それぞれ1回ずつでカウントするというふうに書いてございます。
ただ、今回の三師統計の活用に関しまして、複数の医療機関に勤務する医師に関しましては、当直業務に関してはカウントされてございません。理由といたしましては、勤務状況のところをごらんいただきますと、宿直回数ゼロ回から順番に丸をつけるようになってございますけれども、正確な数字を把握できないというところが理由でございます。9回まではカウントができますが、10回から15回未満、15回から20回未満、20以上というふうに分かれておりまして、正確な数字を把握することができませんので、今回の三師統計の主と従に分ける内容に関しましては、勤務状況、1週間の勤務日数を午前・午後で0.5ずつということでカウントしているところでございます。
以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 分かりました。結構です。ありがとうございます。
○尾形座長 ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、先に進みたいと思います。
次は3のところです。医師偏在指標で用いる受療率について、マル1ということで、17ページから20ページまでのところで御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。この受療率、県別の受療率を使うか全国値を使うかということで、結論に書いてあるように、私は全国値を使うべきだと思っております。これは県別の受療率を使うと現状追認ということになります。医療過疎地はそれでいいんだということになって、医療充実地はそれでいいんだということを前提に、それが増えるか減るかという数値になるので、これは全国集約、多いところは全国値に、少ないところも全国値にというほうが現実的だと思いますし、都道府県別にすると本来の医師偏在指標の意味が失われると思いますので、私はここは全国値を使うべきだと考えていますし、今の結論に同意いたします。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 医療需要を反映させるために患者調査による受療率を用いていると理解をしていますが、資料の19ページに示されたとおり、都道府県間で大きな差が見られます。これは本来であれば地域における疾病の有病や罹患の状況を反映させたいところでありますが、これ以外の各地域の地域事情を背景とした様々な要素が関係しているものと考えられます。都道府県受療率を用いた場合、医師偏在指標もかなり変動し、医師不足や偏在の実態を正確に捉えることができなくなることが想定されます。また、先ほど今村構成員からも示されましたとおり、これですと現状追認という形になる可能性もございます。論点で示されたとおり、全国受療率を用いるのが妥当ではないかと考えております。
私からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。やはり19ページのところなのですけれども、医師偏在指標に用いる調整受療率は都道府県で差がある。それは入院受療率との相関が強いということですので、都道府県でいわゆる受療率が全国受療率に比べて高い都道府県というのは、要するに入院受療率が高い都道府県というふうに解釈してもよろしいのでしょうか。これは質問です。
○尾形座長 これは事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。19ページでお示ししておりますとおり、濃い青色の棒グラフのほうが人口10万人対の入院受療率比でございますので、今御指摘がございましたように、高い地域は入院受療率が高いというふうにお考えいただいてもよいと考えております。
○尾形座長 櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。ということは、要するに、先ほど今村構成員も前の前のパートでお話しになりましたけれども、入院が厚いところは外来機能が薄いということになりますね。外来機能が薄いところはあまり受療率には反映していないということになれば、ただ単に都道府県ごとに受療率が高いところはお医者さんが多いのだということには必ずしもならないのではないか。それは入院のお医者さんが多いということにしかならないのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○尾形座長 これも事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問、御意見いただきましてありがとうございます。先生の御指摘のとおり、入院を診ている医師という内容でお考えいただくところでもあると思いますが、実際に病院によってはどのような体系で外来を診ていて、どのような体系で入院を診ているか、その比率であったり専門科であったりをしっかりと選別していくのはなかなか難しいところでございます。一定の線引きをしながら、現時点で出せる三師統計、患者調査の限界も示しつつ、そういった例を出していくしかないのかなと考えているところでございます。
以上でございます。
○尾形座長 櫻木構成員。
○櫻木構成員 これは先ほどもお話をさせていただいたように、病院というのは一通りではないですね。それぞれが持っている機能というのはいろいろあって、うんと診療所の機能に近いような病院もあれば、かなり専門化して高度化している病院もある。だから、そこのところはおっしゃったようにある程度切り分けができるような形でないと正確なところは言えないのではないかと思います。これは意見です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、お願いします。
○大屋構成員 どうもありがとうございます。非常に分かりやすく、各都道府県の需要の違いというのがはっきり分かるデータだなと思って見させていただいています。
それで、これは入院ということが非常に関係しているということなのですけれども、現状追認という形にはならないことが望ましいというのは私も賛成なのですけれども、なぜこのような形になったのかというような要因まである程度分析しておかないと、ただ数をならせばいいというようなことは、その地域の保健医療なりの成り立ちを壊すことになるのではないかなと。もちろん原因を考えながらゆっくりと修正していくことが解決策だとは思うのですけれども、ここに出ているのはあくまでも受療率ということになりますので、それを全国比で医師の数をそれで完全にコントロールするという形でいいものかというところも考えながら進めていただきたいと思いました。
私はその観点でちょっと御質問があるのですけれども、この棒グラフの中で入院が断トツに高くて無床診療所の受療率比が低いという地域と、その逆の地域があるのですけれども、そこでは病院と診療所で同じ医療が行われているのか、そして、介護福祉との関係は同じなのかというようなところ。そういうものが分からないと、関係者は医師だけではなくて看護師や様々な介護職の方もおられますので、あくまでも医師ということでこれは出されていると思うのですけれども、そこについては医療の何が違うのかということを、もしよろしければ、極端に入院のほうが多くて無床診療所のほうが少ないところと、診療所が多くて入院受療率が低いというところの医療の成り立ちの違いということを多少なりとも厚生労働省のほうで把握されていると思うので、少し説明をいただければなと思いますが、いかがでしょうか。
○尾形座長 これは事務局、答えられますか。
○大屋構成員 すみません。難しいので、分かる範囲で結構でございます。
○谷口医師確保等地域医療対策室長 御質問いただきましてありがとうございます。なかなか先生の御指摘のとおり、見えてくる数字に加えまして、各都道府県の実情でございますとか、あとは定性的な内容も非常に大事になってくるかと思います。大変恐縮でございますが、まだそこまでの分析に至っていないところでございまして、こういった傾向が見えているところから実際の定性的な情報も含めまして、しっかり考えていきたいと思っております。大変恐縮ではございますが、現時点でなかなかこういった傾向が出ていることのはっきりとした原因をお答えできるほどまでの精査に至っていないところでございます。申し訳ございません。
○大屋構成員 ありがとうございます。地域ごとに違うということがあるのですが、ただ、あまりにも違い過ぎるので、ということは、ただ単純に無駄な医療をやっているということではなく、何らかの社会機能と深い関連があって行われているということで、それを医師の数だけで補正しようというふうに、こういう場でこの図が出てくるとそういうふうに捉えてしまうような気がするのです。社会を医師の数で変えようか、社会の保健医療制度を介護も含めて医師の数で何とかしようとしているように見えてしまうので、もちろんその意図がないことは私も分かっておりますけれども、ぜひそういう留意点も加えて、いろいろ資料を公表していただければと考えております。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。この全国県別のを見ると明らかで、要するにこれは療養病床の数ですよね。療養病床が多いところは明らかに入院受療率が高くなるわけです。ただ、気をつけなくてはいけないのは、療養病床48対1とか、一般病床とは医師の必要数は3分の1ですし、急性期の病院というのは今やこれだけDPCが広がるとそんなに地域格差は多分ないと思いますので、療養病床で引っ張っている結果だと思います。
ですから、そこを医師の数で何か補正する方法もあるのかなという気もいたしますけれども、それも仮定になってしまいますので、やはり今後の課題として何かいい補正の方法があるか。また、三師調査をもう少し精密にいくのか。その辺のことは十分考慮しなければいけないと思いますけれども、このような結果が見えてきたということは非常に価値のあることであったと今は思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。ただいま大屋先生と猪口先生から19ページの差をどう考えるかという説明がなされたように思いますが、端的に言いますと、病床数が多いと医者がたくさん必要になると。医者をたくさん雇わなければいけないということが一つこれから言えるのだと思います。そうしますと、病床数が多いということは、今、猪口先生のお話では、療養型が多いということになって、県によって療養病院に入院する率が違うということで、これはどういうことなのだということに、どうしても今後のことを考えると解明していただかなければいけないのではないかなという気がいたします。
これがこの会の範囲かどうかは分かりませんが、厚労省としましては、そこいらのことをきちんと明らかにしていただかないと、全国均一な医療といいましょうか、適正な医療という問題につながるのではないかというようなことを私としては心配しております。
ですから、そういうことも含めて今後の調査というものを行って、その答えを出していただきたいというふうに、これはお願いでございます。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 19ページのグラフを見ますと、明らかにこれは西高東低で、病床率と連動しているのではないかと思われます。入院受療率と正の関係があるというのも、やはり病床が多いところは受療率が高いということが言えるのではないかと思います。確かに受療率が高い都道府県において都道府県の受療率を指標にすると、現状追認で計算していくことになるので、それは妥当ではないということで、提案どおり、やはりさらに医師の必要数を高めることになりますので、全国の受療率を用いるというのが妥当な考え方だと思います。
それから、逆に受療率の低い地域をどうするかということを考える必要があると思います。東のほうなのですけれども、受療率の低い地域に全国の受療率を用いると、必要以上の医師が必要になるので、全国受療率の平均を下回る地域においては、都道府県の受療率を用いるというのも一つの選択肢ではないかと。どちらか低いほうを取るかというふうな考え方も一つの方法ではないかと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、先に進みたいと思います。
4番目のところです。医師偏在指標で用いる受療率について、マル2、21ページから25ページの部分につきまして御意見、御質問を承りたいと思います。いかがでしょうか。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。この結論のとおり、私は2017年の数字を使ったほうがいいと思っています。既に資料で示してもらっていると思いますけれども、2020年の数字はかなりコロナの影響を受けていて、入院受療率は低いし、外来も通常の外来は少なくて、恐らくコロナの検査などの外来が増えているのが原因だと思うので、これはやはり特殊な事情の数字ですから、これを使うと未来がゆがむ可能性があると思います。ですから、少し古い数字になっても、2017年のほうがよい。この結論に賛成させていただきます。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 これはかなり私としてはびっくりした数字だなと思っています。というのは、22ページで外来受療率が2020年に大幅なのかどうか分かりませんが、上昇しているということで、一般的に今まで言われてきたのは、コロナが始まってから、2020年から医療費は本当に低くて、患者さんの数も下がっているはずなのですね。それで多分、医療費の動向なんかを見ても、まだまだやっと最近回復してきたというようなところですから、ここでこんな上昇があるのかということはちょっと目を疑いました。
しかし、入院のほうは23ページを見て分かりますけれども、24ページを見ると、これは多分患者調査で10月に行われた1日だけの統計だと思いますけれども、健康状態に影響を及ぼす要因という下の赤枠のところだけが増えているのですね。ですから、一般の患者さんは相当減っているのだろうというようなことで、今までこのような値はあまり私は見たことがなくて、逆にそれだけ検査を各診療所が一生懸命やった結果というふうにも見えますし、非常に今まで見た中では珍しい結果であるし、また、このような動きがある以上、受療率についてはやはり2017年にしないと、2020年ではちょっと値が狂うなと思いました。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに御意見がなければ、先に進みたいと思います。
5番目の診療科別医師偏在について、26ページから30ページの部分につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。これまでも人口規模とか地方で人口が減少しているところとか、二次医療機関の見直しがずっと言われてきたわけなのですけれども、今回の資料の28ページと29ページ、北海道と広島県のデータを見ますと、同じ都道府県であっても県庁所在地、例えば28ページの北海道を見ても札幌と上川中部、旭川医大があるところが非常に突出していて、二次医療圏の格差が非常に大きいのではないかと思います。
先ほど主と従の算出が言われていましたけれども、例えばそういうふうにしても、この格差は非常に大きいのだろうと思います。
29ページの広島県を見ても、診療科別の格差は二次医療圏ごとにかなり大きいと思います。そういう中でやはり単に人口規模だけではなくて、こういう医師の偏在と診療科の偏在等を見ても、二次医療圏単位で見直していかなくてはいけないのだろうと思います。
論点の中で最後のところに、今回の診療科別医師数を踏まえつつ、必要な施策を検討してはどうかということなのですけれども、ここら辺に関して厚労省はどのようなことを考えておられるのでしょうか。
○尾形座長 これは質問ですので、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 非常に貴重な御質問、御意見をいただきまして、ありがとうございます。まさに今、二次医療圏でどのような専門科の医師が滞在しておりまして、何人いるのかといったところが今までなかなか理解できなかったところでございますので、そういったデータをお示ししながら議論をしていただきたいと考えているところでございます。実際に都道府県におきまして、どの専門科の医師が多いのか、少ないのかといったところはかなり差があるところでございますので、厚生労働省として一定の何か指針を示すといったところではございませんで、実際に都道府県、二次医療圏の中で医師の偏在等がございますので、そういったところの議論に使っていただきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○尾形座長 織田構成員、いかがでしょうか。
○織田構成員 ありがとうございます。ここはやはり二次医療圏自体の在り方も今後考えていかなくてはいけない問題なのだろうと思いますので、よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 ありがとうございます。今回このような形で診療科別のデータが三師統計から取れるということで、それを実際にこのような形で、今回は三重県、広島県の事例だったりとか、都道府県別に並べていただいたりということで見せていただきまして、ありがとうございます。これまでもこのような統計があまり表面には出ていなかったことが出てきましたので、今後はこれを各都道府県がしっかりと運用できるような形で出していただきたいと思います。
そして、今言われていたように、この会に出させていただいて、これまで各都道府県がつくっている二次医療圏ということが必ずしも医療の範囲となっていない場所もあるということを私は勉強させていただいているところですけれども、このような診療科別の偏在を出すためには、ある程度の人口なり医者の数が要るという単位でしか出しづらいのではないかなということもありますので、二次医療圏とはどういうものなのかというところをある程度しっかりと整理をしていただきながら、診療科別統計を出していただいて、議論の資料にしていただければと考えております。
意見でした。ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 御説明いただいたとおり、診療科別の偏在指標を算出するには現時点で技術的に様々な課題があることは理解をしております。論点で示された方向性で仕方がないと考えておりますが、一方で地域で医師偏在を議論する場合、診療科の問題は必ず上がってくる論点です。今回お示しされたとおり、公表されている三師統計による二次医療圏ごとの診療科別医師数というのは既にほとんどの都道府県では情報提供して、議論をしています。そもそもどのレベルを目指すのかといったような考え方、こうしたものは国において整理をしておく必要があるのだろうと考えております。
国においてこの課題について、今後においても不断に研究、検討を進めていただきたいと考えております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。28ページにたまたま北海道の二次医療圏別のデータが出ておりまして、織田先生からもお話しいただいたところですけれども、ちょっと私のほうから説明をしたいと思います。
北海道は21の二次医療圏がございます。そのうちいわゆる国の偏在指標の高いほうは札幌と旭川圏の2つだけです。それ以外の数個、4つか5つぐらいは標準群で、それ以外は全部不足群です。中には50%を切るようなところもたくさんございます。そういった中で、我々はこういったデータをずっと前から知っておりまして、北海道でそういったところに医師を増やせないかということに携わってきたつもりなのですが、全く改善しておりません。むしろ差が広がっているとお考えいただきたいと思います。
では、それをどうするか。織田先生もおっしゃったように、国としてそれをどうやって改めるかということが一番の大事な問題ではないかと思います。さらに追加して言わせていただきますと、北海道の中で中核病院というところでも、地域支援病院にもなれない、それから、紹介患者重点医療機関にもなれないというところがあります。それはなぜかというと、外来患者が集中して紹介、逆紹介ができないからです。そういったところの医療と都会の入院・外来を区別しているような医療というのは、またこれも質も違います。ですから、何度も言って恐縮ですけれども、そういったことを今後の調査では反映できるような調査を行って、対策を考えていただかないと、今の現実を改善していくというのはちょっと難しいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいということでございます。
以上です。ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。この28ページを見て考えたのですが、やはり科別の医師数を論じるときには、28ページの左にある都道府県間10万対ぐらいの数で考えないと、多い、少ないというのはなかなか言えないだろう。二次医療圏に分けてよく分かるのは、大学病院が多いところに必ず多いということは多分結果として出てしまいますので、むしろこれは都道府県がその中の医療の配置をどう考えるかというのには非常に有効ですけれども、課別の医師数を論じるときにはやはり都道府県ぐらいじゃないと無理かなという気がいたしました。
ただ、このようなことが三師統計から分かっていて、また、それを既に利用している都道府県もあるということですので、今後さらにデータを深めていくといろいろなことが分かるだろうなという兆しになっているのではないかなと思いました。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 現時点では算出が困難であるというのは理解できましたが、診療科別の医師偏在というのは適切な医療提供体制を追求していく上で今後も重要な要素であって、このまま放っておいてはいけないので、何らかの対策を取る必要があると思います。
今は傷病名別と診療科別が突合できないという理由になっているのですが、ちょっと質問なのですけれども、例えば、できるかどうか分からないですが、レセプトに診療科を記載すれば解決できる問題でしょうか。
○尾形座長 これは事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。御質問いただきました内容は、患者調査の内容を変えれば計算ができるようになるのではないかという御質問でよろしかったでしょうか。
○幸野構成員 傷病名と診療科が突合できないということであれば、レセプトに診療科を記載すれば突合できるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○谷口医師確保等地域医療対策室長 お答えをさせていただきます。なかなか難しい面があるのかなと私どもの検討で考えております。と申しますのは、例えば1つの病名で病態に応じましてかなり多岐にわたる診療科が診療していることがございますため、レセプトに診療科を記載したとしましても、診療科と傷病の対応が非常に複雑でございまして、そこから導けるデータですとか、そこの信頼性だとかというのはなかなか難しいのではないかと現時点では考えております。
○尾形座長 幸野構成員。
○幸野構成員 分かりました。レセプトを変えてはどうかと思ったのですけれども、そうであれば分かりました。
以上です。
○尾形座長 よろしいですか。
それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 伊藤です。30ページの論点のところですけれども、今回のような診療科ごとの具体的な医師数というのは都道府県で利用しろというお話でございますけれども、二次医療圏あるいは県でデータを利用して、診療科ごとの医師の需給を考えるということは可能だと思うのです。ただ、一方で、診療科別の医師の需給という全体を見てみると、県だとか二次医療圏の中だけの施策で医師の需給の問題、多寡の問題を対応することは全く不可能だと思っています。これに関しては国としての方針を示さないと、どこかにしわ寄せが来ることは明らかだろうと思っておりまして、国として診療科別の方向性、指針というものを示すようなお考えがあるかどうかということをお尋ね申し上げたいと思います。
○尾形座長 これは事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問をいただきましてありがとうございます。今いただきました質問に関しましては、現時点で二次医療圏、都道府県内での指標であったり医師数であったりをお示しする中で考えていただくことを考えているところでございまして、それ以外の指針等に関しましては、現時点ではお出しする予定はございません。
以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員。
○伊藤構成員 ありがとうございました。ただ、国全体の中で特定の診療科に偏ってしまうような現象が起こったとするならば、二次医療圏の中でそれを是正するということはいずれ不可能になってくるので、専門医等の問題も含めて、国が何らかの方針を示していかないと、これは破綻するような気がするので、そこはぜひ御考慮をいただきたいと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
事務局、どうぞ。
○守川地域医療構想推進専門官 1点補足でございますけれども、現時点で大きな指針をお示しするところはないところでございますけれども、専門医等に関しまして、シーリングなどを活用いたしまして、一定程度の医師に関しましては都道府県間の偏り等を是正するといった施策を行っておりますので、そういったところは今後も活用していただきたいと考えております。
追加でございます。以上でございます。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 先ほど幸野構成員から質問があったレセプトに診療科名があるかないかという話で、レセプトには診療科名があります。その分析をしてきた実績で言うと、実際に記入されているのは2割ぐらいです。ですから、今の段階ではそれは使わないし、実際に診療科と申しましても、皮膚科の診療科で糖尿病を診ているというのはざらですので、それをつなぎ合わせて受療の専門医が診るべき診療病名を特定するというのは非常に難しいと思っています。
それに、私は様々な分析をしてきて、今まで診療科とは何ぞやということをかなり分析してきておりまして、例えば今回、28ページに各診療科が標榜されていますけれども、内科という大きなくくりと、その横に循環器内科や腎臓内科というくくりがあります。これは専門医を取っているから必ず循環器内科を書いているかというと、そうではないです。地域別に見ても、都道府県別に内科と書いているところが多いところと、専門医のほうで丸をつけているところが多いという違いがあります。専門医も内科専門医があって、2階建ての専門医もありますので、各診療科の先生がどういう概念で捉えているかというのは随分各診療科別にも違いますし、地域によっても違うという状況がありますので、なかなか概念の特定ということは、かかるべき患者さんの側もドクターの側も難しいと思っています。整理をする努力はするべきだと思ってはいますが、なかなか難しいものをはらんでいるということは、ぜひ情報共有させていただければと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。先程診療科別の格差が大きいので二次医療圏を見直すべしと申しましたが、基本的に二次医療圏単位で考えれば、29ページ広島県は多くの診療科別のデータが載っていますけれども、ここまで分ける必要はなくて、実際に基本領域あたりで分けることができれば、それこそ二次医療圏の情報としては十分だろうと思います。
このように多くの診療科の臓器別専門医のデータは、これは県全体、三次医療圏レベルでは必要になるのでしょうけれども、二次医療圏の比較はやはり基本領域あたりでもいいのかなと。診療科に関する見方も今御議論しなくてはいけないのではないかと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、一通り論点を中心に御議論いただきましたが、全体を通じてそのほか何か御意見、御質問があれば承りたいと思います。
大屋構成員。
○大屋構成員 ありがとうございます。33ページの参考資料のところで少し御質問したいと思います。内科系の医師と外科系の医師の割合ということで出していただいているのですけれども、この縦軸の100%に対してのそれぞれの数字の意味が少し分からないということです。その他というのがあるのか、足したら100以上になってしまったりしていて、これはどういう内容になっているのでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。この診療科を選択する際には複数の選択が可能となっておりますので、先生の御指摘のとおり、全部足しても100以上になるといったところでございます。そういったものも勘案いたしまして、内科系と外科系に分けてグラフとしてお示ししておりますので、100%を超えるという結果になっていると考えております。
以上でございます。
○大屋構成員 ありがとうございます。その観点からいって、1つ、だんだん年齢が上がっていくと内科系が増えていくという表現になっているのですけれども、これはもともと年を取っている人が先になっているので、むしろ若手になるにしたがって内科を専攻する人が減っているというような表現ではないかなと思うのですが、実際に現在の医療を、特に地域医療を支えている50代以上の先生方は多くの内科医がいて、例えば老健とかいろいろな複雑な病気を持っている人たちを診てきたのですが、30代になるとそれが半分に減ってしまうということは、高齢のかたを誰が診るのでしょうというような危機感を私はこれを見て覚えたのですけれども、内科医が激減しているということについては厚生労働省のほうで何かお考えはございますでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問をいただきましてありがとうございます。今、御説明申し上げましたとおり、複数の専門科を選択できるといったところがございます。先生が御指摘いただきましたとおり、若い医師の内科医が少ないというふうに考えるのか、逆に年齢が上の先生が様々な専門科を選択していただいているので合計数として数が大きくなっているかというところに関しましては、今後、精査が必要であると考えておりますので、課題として持ち帰らせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○大屋構成員 ありがとうございます。複数選べるということは、それだけ経験を積んで総合的に診療ができる医師であるということ、それが専門性を表わしているものとは思いませんけれども、そういう自分の気持ちを表して丸をされているかなと考えておりますので、ぜひそこについても今後の総合診療医という言葉であったり、総合診療能力を有する医師というようなことを言ったときに、どういう医師が具体的に、実際的につくれるのかということを含めて、ぜひ今後精査していただければと考えております。ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 ありがとうございます。1つ行政当局にお願いというか、希望項目をちょっと述べてみたいと思うのですが、一連のこういった分析手法をずっと聞いていますと、数だけで何か物事が左右されていくような、ちょっと私の偏見かもしれませんが、この医師の偏在をもたらした今までの経緯といいますか、歴史的な経緯とその要因についての厚生労働省のお考えというか、行政当局はどう考えているのだという一つのプリンシプルみたいなものがまだ公表されていないと思うのですが、その辺のところについての公表する、あるいは公開するような予定はございませんでしょうか。
いつもこの地域医療構想の場は、二次医療圏とか非常に多くの因子がマルチファクターで錯綜して、ちょっと僕の頭では整理できないところまで来ているのですが、数合わせだけではもう恐らく無理だろうと思うのですね。よって来る要因というのを、医師偏在がなぜ起こってきたか。これは終戦直後の医療制度から遡って考えないといけないと思うのですが、そういったところを含めて厚生労働省の考え方を、国の考え方をひとつ示していただけないかなというのが僕の希望なのですが、守川さん、その辺はいかがでしょうか。
○尾形座長 それでは、事務局、お願いします。
○谷口医師確保等地域医療対策室長 恐れ入ります。御指摘ありがとうございます。守川に代わりまして、私のほうからお答えをさせていただきます。
大変重要な、非常に大事な指摘をいただきまして、ありがとうございます。先生の御指摘のとおり、今回いろいろな数ばかりお示ししまして、グラフですとか、非常に無機的な数でいろいろ述べまして、そこの辺りは大変事務的なと申しますか、かなり機械的にいろいろ示しているような印象を与える形になってしまって、大変恐縮でございます。
あくまでこちらは数として、これまで先生方からいただいてきた宿題に対しまして、こういった分析ができるのではないかとか、こういった形で示してみるとどういう結果が現れるかとか、我々のほうでもぜひ検討してお示ししたいと思っておりましたので、このような形でいろいろなパターンをお示しして、先生方の御指導をいただきたいと思って示しているものでございます。
当然、先生の御指摘のとおり、これまでの経緯ですとか、そこの地域性ですとか、そういった定性的な分析も非常に重要でございますし、あくまでこちらは指標で、資料の御説明の際にも申し上げたとおり、いずれの用いている数字にも限界のあるものでございます。ですので、当然これのみを用いてその地域をこのようにというような議論に伝わっていただくものではなくて、限界はありつつも、一つ比較したりとかいうところの道具があればなということでお示ししているものでございますので、地域の問題はもちろん、定性的な議論もしっかりしていきたいと思っております。
今回、指標等々の数字の御説明となりましたことをおわび申し上げます。
以上でございます。
○尾形座長 岡留構成員、いかがでしょうか。
○岡留構成員 ありがとうございました。よろしくお願いします。
○尾形座長 小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。ただいま岡留先生から非常に大事な話がされたと思います。といいますのは、私も何度も言わせていただいて恐縮なのですけれども、根拠になるデータの調査にやはり問題があるということは間違いないことだと思います。それを厚労省さんも、例えばそういう問題があるなら今回調査をいろいろ検討していただいたように、新たな内容で始めますと。そして、そのデータに基づいて、今岡留先生が言われたように、国としてはこういうふうな対策を立てたい、こういうふうな方針でやりたいということをアナウンスできるのが理想なのだろうと思います。非常に難しい要求を厚労省さんにしているのかもしれませんけれども、国の医療を預かる立場からは、やはりそういうことを御検討いただかなければいけないのではないかと私はどうしても思うものですから、あえて言わせていただきます。どうか頑張ってやっていただければと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。全体を通じてよろしいでしょうか。
ありがとうございました。大変熱心に御議論いただきまして、ありがとうございます。
本日示された論点につきましては、全体として大きな異論はなかったように思います。ただ、いろいろ本日いただいた貴重な御意見を踏まえまして、事務局としてはさらに検討を深めていただきたいと思います。
それでは、本日の議論はこれまでとさせていただきたいと思いますが、最後に事務局から何かありますか。
○守川地域医療構想推進専門官 ありがとうございます。本日は会場における一般傍聴の制限をさせていただいており、議事録につきましては可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましても、御多忙とは存じますが、御協力いただきますよう何とぞお願い申し上げます。
また、次回のワーキンググループにつきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。今後ともよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきたいと思います。長時間にわたりまして大変熱心な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

医政局地域医療計画課
直通電話:03-3595-2186

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