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2022年9月9日 第14回第8次医療計画等に関する検討会

医政局

○日時

令和4年9月9日(金) 15:00~17:00


○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F会議室
東京都千代田区内幸町2丁目2-3


○議事

○松本補佐 ただいまから第14回「第8次医療計画等に関する検討会」を開催させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催とし、会場での傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
 まず初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。
 本検討会の構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、発言をするようお願いいたします。
 なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には、画面に向かって挙手をお願いいたします。
 発言終了後は「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようお願いいたします。
 また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 事前に議事次第、構成員名簿、厚生労働省出席者名簿のほか、資料1を配付させていただいておりますので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
 なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いします。
○遠藤座長 こんにちは。本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。本日の議題は「かかりつけ医機能について」の1つでございます。
 事務局から関連の資料が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。
○岡本課長 医政局の総務課長でございます。今日はよろしくお願いいたします。
 ただいま御紹介がありましたように、今日はかかりつけ医機能についてということで御議論をお願いしたいと思っております。
 一度この場でも御議論いただいておりますが、議題の最後かつ時間が短かったということがございますので、今回につきましてこの議題だけで十分に御意見を賜りたいと考えております。
 ただ、時間は貴重でありますので、制度や仕組みについては先生方が御存じのことも多いかと思いますので、資料の説明は簡潔にしつつ、御意見を十分にいただきたいと考えております。
 それから、御説明に入ります前に、医療計画の検討会ということでございますので、ただ、医療計画としてかかりつけ医機能はいろいろなことに関わるということはございます。医療計画として議論される内容も重要であるかと思いますし、あるいは政策の実現手法は医療計画以外にも様々なものがあるかと思います。今日に関しましては、先生方の御知見をお借りして、医療計画の視点にとどまらず、幅広い議論を一度お願いしたいと考えております。
 それでは、資料の説明に入らせていただきますが、まず2ページを御覧いただければと思います。
 通常、最後にお話をしていますが、今日は最初に本日の論点ということでお示ししております。
 3つばかり掲げておりますが、まず1点目ということで、かかりつけ医機能という用語につきましては、議論が活発になっている中ではございますが、様々な意味で用いられているということがあるかと思います。そういった中で、機能の明確化や発揮される制度整備ということが求められる中で、具体的にどのような機能を想定して議論を進めるべきなのかということについて御意見を賜りたいと思います。とかくばくっとかかりつけ医機能という議論になりがちかと思いますので、そこを踏み込んで、どういったことをかかりつけ医機能と具体的に考えていくのかということについて御意見をいただきたいというのが1点目でございます。
 その上で、2点目に書いてございますが、様々な機能があると考えられる中で、何かしら制度整備というものを考えていくのであれば、機能を発揮することによって日本の医療がよくなる、あるいは課題が解決されるといった方向で考えていくというのが基本だと思います。そういった意味で、日本の医療の現状なり、今後の課題といったものを踏まえる中で、改めて、今、かかりつけ医機能というものを明確化していく、あるいは発揮していくという意義についてどういうふうに考えていくべきなのか、あるいはどのように定義をしていくべきなのかということについて御意見をいただければということでございます。
 それから、3点目でございますが、そうした中で、かかりつけ医機能を発揮していくという中で、いろいろな機能を併せて全体としてかかりつけ医機能というものを発揮していく、あるいは個別具体的に想定される機能について発揮していくという中で、そういった機能の発揮が期待される理由でありますとか、発揮させるために制度整備と言われていますので、今の仕組みの中で改善を図っていくべきものというものもあれば、新たにこういう仕組みを考えるべきではないかということがあるかと思います。そういった点について御議論をお願いできればと思います。
 そういった中で、特にかかりつけ医ということで、やはりイメージとして何でも相談できるとか信頼できるといったイメージがあるかと思います。そうした意味で、私ども行政もそうですが、国民、患者目線に立って考えていく。そういった目線に立ったときに、どういう課題、あるいは不足しているところ、あるいは将来どういう課題が出てくるのかという中での御議論をお願いしたいと考えております。
 次の3ページに参ります。
 3ページでありますが、前回頂戴しました先生方の御意見を整理させていただいております。幾つかの項目に分けておりますが、一つには、コロナに関連して有事と平時という中でどういうふうに考えていくのかということで、平時と有事を併せて議論すべきという御意見もございますが、やはり平時というのは混同しないで議論すべきではないかという御意見をいただいているかということでございます。
 それから、医師の教育ということに関しまして、今のキャリアパスなり医学教育の現状を踏まえながらかかりつけ医というものを考えていくときに、リカレント教育といったものの強化が重要ではないかという教育の在り方について御意見を頂戴したのではないかということであります。
 3つ目には受療行動ということで書いていますが、患者あるいは国民が自らにとって適切な医療機関なりというものを探していく選択をしていく上で、患者のリテラシーといったものも含めて考えていくべきではないかといった観点。
 4つ目は地域差ということで、これから人口構造がかなり変わっていくということも含めて、地域の状況は様々であるという中で、地域ごとにそういう地域差を念頭に置いて考えていく必要があるのではないかといった点。
 最後にその他ということでありますが、診療所ということだけでなくて病院も含めて考えていくべきではないかといった御意見をいただいたと承知しているところであります。
 次から資料の説明を少し簡潔に出していきますが、4ページ以降、そういった中でかかりつけ医機能を具体的に考えていくときにどういった見方があるのかということで、材料を並べさせていただいているということでございます。
 4ページはライフステージの観点からいったら、どういった保健医療ニーズがあると考えるのかということでございますし、5ページに関しては、疾病別にというのは、世の中にはいろいろな疾病がある中で、長期の療養が必要なものもあれば、短期間である程度治療するもの、それから、専門性なり疾病の希少性といった中でもいろいろな疾患があるという中でどう考えていくのかということであります。
 次の6ページでありますが、そういった中で、こちらは医師会のほうの調査でありますが、かかりつけ医ということで、担っている診療科ということでは内科の先生が一番多いということでありますが、その他の科の先生がかかりつけ医だという意識も持っているということであります。
 次の7ページでありますが、かかりつけ医の医療機関ということで診療所が一番多いということでありますが、病院がかかりつけ医の医療機関だという回答も出ているところでございます。
 それから、8ページはかかりつけ医をどういう定義と申しますか、記載しているかということでありますが、厚労省のほうで医療機能情報提供制度ということで国民の選択に資するように情報提供するという制度の中で、どういうふうに記載をしているかということであります。定義というのは略称的に法令の中で用いているということかもしれませんが、ここにありますように、身近な地域における日常的な医療の提供や、健康管理に関する相談等を行う医療機関の機能として厚労大臣が定めるものというものをかかりつけ医機能と記載しているということであります。この仕組みはまた後ほどもう少し御説明いたします。
 それから、9ページでありますが、日本医師会と病院団体のほうで合同で提言をされた中でのかかりつけ医というものの定義や、かかりつけ医機能とはどういったものかということについて整理されていると承知しております。
 それから、10ページ以降、一般的に国民なり患者なりの意識と申しますか、その辺りがどういうふうになるのかということを少し書いておりますけれども、10ページはかかりつけ医に対するイメージということで、先ほど申し上げた関係性、人間性、相談しやすいとか信頼しているとか、かかり方あるいは役割といったものに関する意識に関する調査であります。
 11ページも期待する機能ということで、どんな病気でもまずは診療できるでありますとか、専門医に紹介をしていただけるといった項目が多くなっているということであります。
 それから、12ページは厚労省のほうの調査でありますが、さらに細かくいろいろなかかりつけ医に必要なことという意識調査となります。黒の部分が多いということでありますが、40%を超えるような辺りだと、左側で使用している薬をきちんと把握してくれているでありますとか、検査結果を基に健康状態といったものを把握してくれる、相談とか、あるいは適切な専門医を紹介してくれるというようなこと。それから、右側のほうですと、診療の方針を決める際にアドバイスをしてくれるでありますとか、在宅療養中に病院などと連携ができていると、この辺りが多くなっているかなということでありますが、実に多様なことがここでニーズということで出てきているということかと思います。
 それから、13ページからはコロナに関してということでありますが、今回のコロナに関して、政府のほうでこれまでの対応を振り返って、有識者会議のほうで一定の整理をしていただいているということでございますが、ここにありますように、平時から各地域で果たすべき役割が具体化されていなかったのではないかと。そういった中で、対応が事後の現場任せになってしまったのではないかといった反省を踏まえて、13ページの下のほうにありますが、各地域で平時から危機時の役割分担というのを明確化して、危機の際に衛生をきちんとそういった感染症の医療というものが確保されるようにしていくことが必要ではないかということが記載してあります。
 それから、14ページはコロナの中での意識ということであります。左のほうはかかりつけ医がいない方、右のほうはかかりつけ医がいる方に関して聞いたということでありますが、左のかかりつけ医がいない方については、どういう方がかかりつけ医なのか分からなかったでありますとか、かかりつけ医になるのかという情報が欲しい、あるいは自分が受診したことがある医師がかかりつけ医か迷ったという回答があるということであります。
 他方で、右側のかかりつけ医がいるという方に関しては、かかりつけ医がいて安心したとか信頼感が高まった、あるいは日頃からかかりつけ医を持つことの必要性を感じたという回答が高くなっているということだと思います。
 いろいろ資料の御紹介をしてまいりましたが、多々いろいろなニーズや期待といったものがある中で、議論をしていく上でひとつマップと言ってはあれですが、受診の流れの中でどういったことが話されているのかということを少し整理してみたのが15ページ、16ページであります。議論をする際にどこの部分、どういった話をしているのかという共通理解に資するように、事務局のほうで少し整理をしてみたということであります。16ページのほうは図にもう少しだけ言葉を補ったという形になるかと思います。
 こういった中で、先生方のほうでこういったところが記載がないのではないか、あるいはこういった機能がやはりこれから重要になってくるのではないか。あるいは個々個別のここに記載しているニーズというものに加えて、もう少し横串的といいますか、そういった指定なり機能といったものも考えられるかもしれないと思います。そういった点、具体に御意見、御議論を賜ればと考えているということでございます。
 その次、17ページ以降はかかりつけ医機能に関連する主な施策でございます。施策に関して先生方はよく御存じかと思いますが、より簡潔にということではございますが、かかりつけ医機能の定義自体が今それほど明確ではないのですけれども、それに関連する主な施策ということで取り上げさせていただいたということであります。
 19ページからでございますが、こちらはもちろんのことで、ここは医療計画の検討会ということでありますが、第8次の医療計画に向けて検討しているということでございますし、それから、今、医療介護の総合確保指針というものの検討に入っているということがございます。それから、地域医療構想につきましては、今、病床の機能分化というものを中心にやっているということでございますが、こちらについては2025年というものを念頭に置いて病床の機能について取組を進めてきているという状況かと思います。
 そういった中で、20ページでありますけれども、医療計画の全体像ということでありますが、総合確保法の総合確保指針に則して、医療法のほうで基本方針を定めて、それに沿って医療計画というものを策定していくという全体の中で、医療計画というのは進めてきているということかと思います。
 それから、21ページは外来の医療計画ということであります。22ページ以降とも共通いたしますが、外来医療についてどういう取組を進めてきているのかということで、令和4年に外来機能報告制度が始まった中で、年度内に紹介受診重点医療機関というものを公表するといったスケジュールで進めてきているということかと思います。そういった意味で、②にありますように、そういった紹介受診重点医療機関を定めていくという取組を今やってきているところでありますが、法律の中には外来医療に関する病院及び診療所の機能分化及び連携の推進ということが掲げられているわけでありますが、ここのところをどういうふうに具体に進めていくのかということも今後の課題になってくるのではないかなと考えております。
 それから、少し飛びまして27ページ、先ほども御紹介いたしましたが、医療機能情報提供制度というものがございます。これにつきましては、27ページにありますように平成19年4月からできたということでありますが、医療に関する情報入手手段が広告やインターネット、院内掲示というものに限られていた中で、医療を受ける方が選択を適切に行えるように、都道府県のほうにこういった情報を医療機関から報告していただいて、それを都道府県のほうで集約して分かりやすく提供するといった趣旨の仕組みでございます。これにつきましては、今は各都道府県ということで対応しているわけでございますが、28ページにありますように、医療機関のほうでも負担があるということも踏まえて、全国統一システムというものを整備する方向で現在対応しているということでございます。
 その上で29ページ、これは先ほど御覧いただいた資料と同じでありますが、この医療機能情報提供制度の中でかかりつけ医機能というものを少し取り上げているということでございます。身近な地域における日常的な医療の提供や健康管理に関する相談などを行う医療機関の機能ということでありまして、具体につきましては、ここの下のほうに告示とありますが、ここで8つ掲げてあります。御覧いただきますと、1~4番までと5~8番までというのは少し性格が異なるような形でありますが、1番から日常的な医学管理とか地域の連携、あるいは在宅医療介護の連携、あるいは適切かつ分かりやすい情報ということで、いわば基本的な機能を抱えているのかなということでありますが、こういった点については、事務連絡で記載上の留意事項というのはお示ししておりますが、これらの項目について具体的に何の機能を確保しているのか、あるいはこれによって保障されているのかということは必ずしも明らかではないのかなと考えております。
 他方で、診療報酬の算定項目、5号から8号については、診療報酬の算定項目というのをそのまま機能という形にしているということで、こちらについては算定の要件がありますので、そこに具体的な意味が確かにあるということではございますが、これをそのまま閲覧に寄与しても患者、国民が容易に理解ができるのかなという面はあるのかなとは考えております。
 さらには、ここに8つほど掲げておりますが、ここには記載されていないような機能なりというものも考えられ得るのかなと考えております。
 その次の30ページは、東京都の事例ということではございますが、東京都の検索画面でかかりつけ医機能というものに関して検索すると、今申し上げた項目8項目がそのまま出てくる形になっているというのが現状だと。これは各県によっていろいろ違いますが、東京都の事例ではこういう形になっているということでございます。
 それから、32ページ以降は今の診療報酬の中でかかりつけ医機能はどういうふうに評価をされているのかということであります。個々個別の御説明は省略させていただきますけれども、地域包括診療料や慢性疾患を有する患者の方について、ある程度包括的な評価ということでありますとか、あるいは機能強化加算という形で、34ページでありますが、こちらは今回の改定でどこが変わったのかということを示している資料でありますが、機能強化加算という中でもともと一定の医療機関に関して初診料に加算ができるということでありますが、この下に書いてありますようなアからキまで、こういったいわば地域の公衆衛生的な機能というものに協力なり対応しているということが算定の要件になってきている。こういうふうな評価の仕方というのも出てきているということだと思います。
 それから、35ページからは、子供さん、小児に関してはこういったかかりつけ診療料といったものも設定されておりますし、あるいはその後ろ、紹介医療機関に関して情報提供料、36ページでありますとか、37ページ、紹介と逆紹介というものをどういうふうに進めていくのかといった点数の設定もなされているかということであります。
 39ページからは、在宅療養というのを支援する診療所でありますとか、病院の評価といったものがなされているということかと思います。
 おおむねばくっとではありますが、今、こういったかかりつけ医機能に関する診療報酬上の評価を得ているのは、全体の医療機関の中で言えば1割から2割程度かなというのが現状になっているかということだと思っております。
 それから、41ページからは予防に関する取組ということで、こちらもごく基本的な資料でありますが、今の予防の仕組みの進め方や日本の健診制度というものがどういう仕組みで行われているのかということを整理しているところでございます。
 その後、44ページ以降は医学教育なり研修の仕組みということであります。かかりつけ医機能というものを考えていったときに、どういった方がその担い手になるのか、あるいは担い手についてどういう教育なり研修なりを考えていくのかというのが一つの論点になってくるかなと思います。今ですと初期臨床研修をやって、それから専門医というのを取得して、その後開業していくというキャリアパスが多いかと思いますが、そういった中で、まさに身近な地域の医療というものを担っていただくときにどういうふうな仕組みが考えられるのかということかと思います。
 そういった中では、開業に当たってのリカレント的な教育がなされているかということかと思いますし、一方で、先ほど申し上げたようなキャリアパスが主になっている中で、専門医に関して総合診療専門医というものもできてきているわけですが、今のところ、専攻医の採用実績というと毎年200人程度という中で、こういったかかりつけ医機能というものをどういうふうに全体として担っていくことにするのかというのが一つの論点かと思います。
 51ページからは、そういった中で地域での研修をどうしていくのかということで、地域医療支援病院につきましては地域の医療従事者に向けた研修の実施が義務づけられているという中で、どういうふうな取組が行われているのかということを御紹介するような資料になってございます。
 その上で、54ページは医療関係団体のほうで今実施していただいている研修ということで、日本医師会のほうではかかりつけ医機能研修制度というものがあるかと思いますし、小児科医会のほうはこういった小児医療認定制度という仕組みが行われていると承知しております。
 その上で、次は56ページ、こちらは医療機関といいますか、上手な医療のかかり方ということで、こちらも普及啓発の取組ということでありますが、厚生労働省のほうでかかりつけ医を持つことについてでありますとか、あるいは時間外について、こういった時間外の対応ができるところを周知・広報していくという普及・啓発活動をしているということでございます。
 その後ろ、57ページ以降は地域の連携ということであります。一人の医師なり一つの医療機関で全て対応するというのはなかなか難しい面があるかと思います。そういった中で、地域を面的にどういうふうに支えていくのかということが、これから大事になってくるのだろうという中で、58ページにありますような地域医療連携推進法人制度といったような制度的な対応をしているということがございますし、60ページでありますように、これは従来からありますが、休日夜間の対応についてはこういった地域の医療機関の連携による取組を行ってきているということだと思います。
 61ページ以降は事例ということでありますが、私ども厚労省のほうで調査研究事業ということをやっている中での連携の事例であります。61ページの下のほうに少し書いておりますが、多職種の連携というものもあれば、情報をやはり共有していく。あるいは急変時にバックアップ機能を持つという形のものがあるかと思いますし、それから、24時間の対応をどうカバーしていくか、医療介護の連携をどうしていくか。それから、紹介、逆紹介をどうしていくか。あるいは在宅医療をどうしていくかといったところで、様々な連携というのが地域の実情に応じて展開されていると理解しております。
 最後は、特にそういった連携で対応していくという中において、65ページ以降、ICTの利活用ということで取組を紹介しているということであります。オンライン診療や電子カルテの標準化の取組といったものも含めて、各医療機関が連携する中でどうやって情報を共有していくのか。あるいはなかなか医療資源がといいますか、地方のほう、僻地なり離島なりといったところで地域の医療を確保していくためにICT、オンライン診療といったものをどういう活用していくのか。こういったICTの活用というのもこれからのかかりつけ医機能、地域医療の確保を考えていく上で重要な取組の一つになってくるのではないかということで御紹介をさせていただきました。
 ちょっと長くなりまして恐縮でありますが、最後に76ページでありますが、最初に御紹介しましました論点の再掲でございます。様々な多様な意味で用いられているということでございますが、そういった意味の中身を国民、患者目線に立って、極力具体的にどういうことがこれから課題になってくるのか、あるいは今不足していて機能を充実させていくべきなのかといった点を中心に、本日は御議論をお願いできればと思っております。
 少し長くなりましたけれども、私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これから御意見を承りたいと思いますが、ただいま総務課長からもお話がありましたように、この本日の論点というところに集約されておりますけれども、医療計画の在り方検討会ですから、本来であるならばかかりつけ医機能をどのように医療計画の中に盛り込むかというような話が中心になるのでしょうけれども、そもそもかかりつけ医機能そのものの議論もまだ完全に出来上がっているわけでもありませんので、そういう意味では、医療計画の中へ盛り込むということだけではなく、かかりつけ医機能そのものをどう考えるかと。まさに本日の論点に示されたような視点から幅広い本質的な御意見を承りたいということでありますので、よろしくお願いいたします。
 また、これまでかなり時間をオーバーしてしまいましたので、できるだけ多くの方のお発言をいただきたいと思いますので、御発言は簡潔にお願いできればと思います。
 それと、事務局の対応もありますので、質問なのか御意見なのか明確になるように御発言いただければ幸いでございます。
 それでは、早速行きたいと思います。岡留構成員、よろしくお願いいたします。
○岡留構成員 ありがとうございます。
 かかりつけ医機能について、先日、僕ら日本病院会の役員会で協議していろいろ検討して、いろいろな意見が出たのですが、暫定的に日病としてのかかりつけ医機能についてどう考えるかという位置づけとしては、まず、かかりつけ医機能というのは、3ページ目にありましたように、診療所、個人個人のかかりつけ医そのものを指定するのではなくて、面として捉えるということ。要するに医療機関の機能として捉えるのがいいのではないかという考え方が大多数でございました。
 それから、医療法施行規則、8ページでしたかね。この中でかかりつけ医機能にいろいろ8項目書かれておりますが、具体的な提言として3つのことが私ども日病のほうから提案したらどうかということでございました。一つは、緊急時には診療時間内外問わず、自院で対応できる機能や他の医療機関と連携して対応できる機能を持っていること。2つ目、特定の分野に偏らない広範囲にわたる全人的医療を行える機能。3つ目が地域包括ケアシステムを推進する機能。この3つを加えていただきたいというような協議の結果でございました。
 最終的に望まれる方向性としては、最初の3ページにありましたように、地域ごとに人口密度や医療提供体制が異なるということがございますので、地域に合った役割分担の検討が大事ではないかと。これは、分かりやすく言いますと、非常に地域密着型病院の場のそういった機能を発揮するような病院を含めてというようなことで、そういう方向で行ったらどうかというようなことで、日病の検討結果でございました。
 これはあくまでも御報告ということにさせていただきます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。貴重な情報をありがとうございました。
 続きまして、山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。
 私は32年患者の立場で活動してきて、これまで6万6000件を超える全国の患者家族の生の声をお聞きしてきた立場から、このかかりつけ医機能ということについて意見を述べたいと思います。
 かかりつけ医の定義は日本医師会と四病協の合同で出された定義がよく引用されますけれども、どちらかというと総合診療や内科のイメージで、そのかかりつけ医に当てはまるのは小児あるいは高齢者、特に生活習慣病を持った高齢者だと思います。特に高齢者の場合は在宅医療ということも視野に入れてかかりつけ医を持っていたい。そういうふうに思われてこの定義には当てはまると思うのですが、やはり患者の中には眼科や耳鼻科、婦人科、整形外科など、内科以外の科しか受診していないという人もいれば、複数の科にまたがって受診している人もいるわけです。特に精神疾患の場合ですと、身体疾患もあれば、精神科のかかりつけ医と身体疾患のかかりつけ医という2人のかかりつけ医が必要な人も出てくると思います。そして、受診の必要がない疾患がない人がいるなど、実は対象は非常に様々だということを念頭に置いておく必要があります。ですので、診療所だけではなくて、中小の病院、あるいは希少難病の方にとっては大学病院のドクターがかかりつけ医ということもあり得ると思うのです。
 もう一つ避けて通れないのが、地域によって非常に特性があるということです。かかりつけ医を十分選べるような地域もあれば、選べない地域もある。そして、医療の様々な問題、先ほどの課長からの御説明にあったように、非常に多岐にわたることが影響してくるということですので、かかりつけ医機能というのは単純に決められる機能ではないと思っています。
 その中で最近気になるのが、コロナ禍で露呈した日本の医療提供体制の脆弱さというようなことを問題視する声が上がっていますけれども、2020年4月に全国に緊急事態宣言が発出された数か月の間のことを指して言われているのだと思っています。当時はどんなウイルスなのか、あるいはどんな感染予防対策を取ればいいかということを誰もが分かっていなくて、マスクも不足していればPPEも手に入らなかった。ですので、診療所は高齢のドクターも多いわけですから、御自身の感染のおそれとか、自分がうつって患者にうつすというようなことも恐れたということもあると思います。ですので、そういった状況を指して日本の医療提供体制を論じるのは、私は問題の核心を突くことにはならないのではないかと思っています。ただ、ワクチン接種や自宅療養者の増加ということで、国民にかかりつけ医が注目されるきっかけになったということは確かなのかなと思います。
 そしてもう一つ、かかりつけ医機能を議論する上での重要なキーワードとして、よくフリーアクセスが言われます。このフリーアクセスが本当に果たして今もフリーアクセスなのかというと、1996年度から200床以上の病院に紹介状を持たずに初診でかかると特別料金が請求されるようになりました。これは、2016年度からは特定機能病院と地域医療支援病院では最低5,000円、そして、今年の10月からはそこに紹介受診重点医療機関200床以上ということが加わって最低7,000円と、徐々に徐々に金額が上がってきているわけです。そうすると、さすがに26年間こういったことを経験してきますと、大きな病院というのは紹介状がなければ受けられないのだとか、あるいは紹介状を持っていかないと高額な費用を請求されるといったことが国民の中には浸透しています。ですので、もはやフリーアクセスではなくて、制限されたフリーアクセスになっているというのが実情ではないかと私は思っています。
 今回、このかかりつけ医機能が非常に議論に出てくるようになって、中には登録制や人頭払いというご意見が登場してきていますけれども、私はこれはあまり賛成できないと思っています。なぜかというと、日本の医師養成制度はかかりつけ医の登録制を前提にしている教育ではないからです。さらに言えば、登録制だと持病のない健康な人も対象になって予防ということも入ってきます。そうすると、国民がかかりつけ医とイメージしていることの根底から大きく発想の転換を求められることにもなってきます。
 それから、重要なこととして、登録制にすると医療費が抑制できるという意見もあるようですけれども、いろいろと調べた結果、欧米を中心にした研究では医療費が抑制されたという発表は全くない。むしろ、健康水準が高まったとしても、費用の面ではその構造を維持することに多額の費用がかかるという論点が日本では見落とされているのではないかと思っています。ですので、登録制を導入すると根本的な医療の大改革が必要になる上に、医療費の高騰につながるということになると、これはあまり意義が見いだせないのではないか。医療機関を選ぶ選択権は患者側にあるというのが国民の当たり前の意識になっている中でも抵抗感が強いのではないかなと思います。
 ですので、私はむしろ必要なときに必要な医療にアクセスできるようなかかりつけ医機能を考えることが必要ではないかと考えています。さらには、国民が、一人一人が自分はかかりつけが必要なのかどうか。それをしっかり考えて、必要だとしたらどんな医療機関の何科の医師なのか。そして、既にかかりつけ医がいる人はあまり問題はなくて、健康で受診の必要がない人も今急ぐ必要はないと思います。一番問題なのは、かかりつけ医が必要だけれども、見つけられない人。どの医師をかかりつけに考えればいいのか判然としない。こういった方にどんな情報提供をする仕組みをつくっていくのかということが大事なのではないかと思っています。
 特に日本医師会でかかりつけ医の研修をされていますけれども、一般の国民にそういう研修をしていること、修了した人が修了していない人と何が違うのか、どんな役割を具体的に担ってもらえるのかということをしっかりと伝えていただいて、研修を終えたドクターの公表もしていかないと選ぶ情報にはならないのではないかと思っています。
 それから、先ほど医療機能の検索システムの御説明もありましたけれども、これは診療報酬の点数をそのまま出してこういう機能がありますよと言ったのでは一般の住民の方々には理解ができないので、そこはやはり読み替える、翻訳するというようなことも必要になってくるのではないかなと思います。
 ですので、私はやはり一人一人の国民が自分がどんな医師をかかりつけ医にしたいのかという基準をしっかりつくって、それを今度選ぶときにしっかり探せるような情報提供のシステムをつくっていくことが大事なのではないかと考えております。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。大変重要な御指摘をいただきました。患者目線での御意見でしたが、座長の私が言っていいのかどうか分かりませんけれども、大変納得のいく、同意できるような内容が多かったなと思います。ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。河本構成員、お願いいたします。
○河本構成員 ありがとうございます。
 2ページの論点に沿って意見を申し上げたいと思います。
 まず、かかりつけ医機能をどのように想定して議論を進めるかということですけれども、4ページとか15ページに示されておりますように、保健医療に対する患者、国民のニーズというのは、ライフステージとか、あるいは医療の利用状況によって様々ということでございます。多様な患者、国民が自らのニーズとか状態に合ったかかりつけ医、あるいはかかりつけ医機能を担う医療機関を希望に応じて選択できるようにするためには、国民、患者にとって身近な医療機関、具体的には紹介を必要としない医療機関ということでしょうけれども、そこにどのような機能を担っていただくのかといった想定で議論を深めていくべきだと思います。
 担っていただく具体的な機能としては、幅広い診断、治療を行ってくれるとか、あるいはその必要に応じて専門医療を紹介してくれる、健康の維持をサポートしてくれる、患者の医療情報を一元的に把握、管理してくれるといった基本的な機能に加えて、患者と結ばれたかかりつけ医関係をベースに、保健医療全般のコーディネーターとか、あるいは日本型のゲートキーパー的な役割を担っていただきたいと考えております。
 また、オンライン診療をかかりつけ医機能にどう位置づけるかということも重要かと思います。13ページに示されておりますように、平時のかかりつけ医機能におけるオンライン診療の位置づけを明確化して体制整備を図るということは、平時の必要なときに必要な医療を確保するというだけではなくて、結果として感染症対応力の向上にもつながるのではないかと思います。
 次に、改めて今、かかりつけ医機能を明確化し発揮させる意義ということですが、大きく2点あると考えております。
 1点目は、今後の少子高齢化のさらなる進展を見据えて、外来医療体制の最適化、効率化を図るといういわばマクロの視点から見た意義。
 もう一点、2点目は国民、患者の目線に立ってかかりつけ医機能を発揮していただいて、医療の質の向上というか、要は現役世代を含めた全世代の安心、安全を確保していくといったミクロの視点から見た意義。
 この2点を常に意識しておく必要があると考えております。
 その上で、かかりつけ医機能をどのように定義すべきかということですけれども、8ページに記載されております医療機能情報提供制度におけるかかりつけ医機能というのは参考になると思います。かかりつけ医機能の項目を国の制度上のフラグと位置づけて整理すれば、各地域のかかりつけ医機能の整備状況が確認できるだけではなくて、各医療機関がどのような形でかかりつけ医機能を担っているのかを国民、患者に分かりやすく可視化、見える化するための基盤になるということが期待されると思います。
 28ページに医療情報サイトの記載がございますけれども、ゆくゆくはかかりつけ医機能を担っている医療機関を地図上で示して、その医療機関がどのような機能・サービスを提供しているのかというのを、国民が探すことができるような使いやすいツールにバージョンアップを図っていくべきだと思います。
 33、34ページに記載のございます令和4年度に改定された機能強化加算の要件というのも同様に参考になると思います。
 以上を踏まえて、かかりつけ医機能を発揮させるための制度整備について意見を申し上げたいと思います。
 かかりつけ医機能を発揮させるためには、まずかかりつけ医機能の明確化、それから、その機能を担っていることの届出あるいは認定、さらに機能を担っている医師や医療機関の可視化、見える化といった仕組みが必要だと思います。こうした仕組みをしっかりと整えて、多様な患者、国民が自らのニーズや状態に合ったかかりつけ医あるいはかかりつけ医機能を担う医療機関を希望に応じて選んで、かかりつけ医関係を構築できるようにすることを通じて、必要なときに必要な医療にアクセスできる安心、安全な体制を確保していくことが可能になるのではないかと考えます。
 そうした中で、私ども健保組合には加入者がかかりつけ医あるいは医療機関を適切に選択、活用できるようにサポートしていく役割があると考えております。ただ、健保組合がかかりつけ医と連携して加入者の健康をサポートしていくためには、加入者がどこの医師あるいは医療機関をかかりつけ医としているのかということが確認できる仕組みも必要と思います。
 最後に1点要望を申し上げます。17ページ以降にかかりつけ医機能の発揮に関連すると考えられる制度として9項目お示しいただいております。これらはいずれも重要な制度だと思いますけれども、おのおのがどういう役割を果たして、また、どのような相互関係になっているのかというのが、本日の資料からは必ずしもよく読み取れないと思います。次回、これらの制度をいわば一つの制度と捉えて、この9項目おのおのの役割と相互の関係を整理していただけると、どこに課題があるのかとか、あるいはどういった仕組みが必要なのかということがよりクリアになって今後の議論が深められるのではないかと考えますので、御準備をお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。最後の御要望につきましては事務局で御対応いただければと思います。ただ、これらの施策は独立でそれぞれが動いているものですから、それを事後的にまとめてどこが課題かというのをクリアにしていくのはなかなか骨の折れる仕事だと思いますけれども、事務局に一汗流していただきまして、できる範囲で対応していただければと思います。
 それでは、お待たせいたしました。吉川構成員、お願いいたします。
○吉川構成員 ありがとうございます。
 かかりつけ医機能について3点意見を述べさせていただきます。
 まず、かかりつけ医機能といったときの機能ですが、私どもはやはり医療機関の機能であると考えております。その機能は、8ページの医療情報提供制度の告示にあります、特に1~4の役割や機能が重要と考えます。省令及び告示では名称をかかりつけ医機能としておりますが、医療機関の機能と考える場合には、今後、名称もかかりつけ機能としたほうがよいのではないかと思います。
 2点目は、資料の15~16ページに整理されている、受診場面から見た保健医療のニーズについてですが、特に1番目の発症前の段階、予防に関するところは、健診や保健指導の場が主となることや、発症前の場合、そもそもかかりつけ医療機関がないという人も多いことから、予防に関するかかりつけ医機能を検討する場合には健診制度との関係も整理して考えていく必要があると思います。
 さらに、5番目の高齢者医療に特有なものとして、急変時の対応や看取りについて、かかりつけ医機能として今後整理する場合には、地域の訪問看護ステーションが果たしている役割も大きいため、訪問看護ステーションなどの連携も含めて検討いただきたいと思っております。
 3点目は、論点にあります、かかりつけ医機能を有効に発揮させるための具体的な仕組みについてです。資料では、現在ある様々な制度を示していただいておりますが、まず、この中の医療情報提供制度により提供する情報のさらなる充実が必要と考えます。つまり、患者が得たい情報が得られているかという視点でしっかりと検討する必要があるということです。
 また、今後、地域において連携体制の構築が非常に重要になると思いますので、現在もありますが、地域医療構想や外来医療機能の検討などを行う協議の場に看護職や医療関係職種がしっかりと参加し、各専門職の役割や機能を含めて検討できる体制整備を行い、それをさらに強化していく必要があると考えます。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、お待たせしました。尾形構成員、よろしくお願いいたします。
○尾形構成員 ありがとうございます。尾形です。
 私からは質問2点とコメント3点を述べさせていただきたいと思います。
 まず質問です。本検討会において、かかりつけ医機能をめぐってこのように検討が行われているわけですが、一方で、資料1の81ページに示されているように、かかりつけ医機能については、政府の改革工程表では2022、23年度の2年間検討を進めることになっています。この工程表のスケジュールと本検討会における医療計画の検討スケジュールとの関係をどのように理解すればよろしいのかというのが1点目の質問です。
 多少付け加えますと、医療計画については、いずれにしても今年中には国のレベルでの検討を終えて、来年度は各都道府県がそれぞれの医療計画を策定するというスケジュールであると理解しています。そうすると、本検討会における検討の中でかかりつけ医機能の明確化や強化に向けた方策についての結論が得られれば、それはそれで1年前倒しで結論が得られたということで工程表との関係はよろしいかと思うのですが、あと4か月足らずの期間で最終的な結論に至ることは実際問題としてはなかなか難しいのではないかと私は思っています。そうした場合、どういう場で検討するのかは分かりませんけれども、工程表に従って2023年度も引き続き検討が行われるということになるのではないか。しかし、そうして得られた結論を医療計画に反映させようとしても、時間的には間に合わないわけです。そうすると、例えば第8次医療計画の中間年度の見直しというようなことになるのだろうかというのが私の質問の趣旨であります。
 それから、第2の質問ですけれども、資料1の8ページに医療機能情報提供制度におけるかかりつけ医機能の位置づけが示されています。私はかかりつけ医機能については特に医療を受ける側の人々の理解が重要であると思いますが、ここに掲げられている8項目のうち、特に先ほどお話があった上半分の4項目について実際にどの程度情報開示あるいは情報提供が行われているのでしょうか。その実態について把握しておられるのであればお聞かせいただきたいと思います。
 質問は以上であります。
 次に、3点コメントをさせていただきます。
 まず第1ですが、資料の17ページを見ると、かかりつけ医機能に関する主な施策が9項目掲げられています。ここに掲げられている9項目のうち、私は特に在宅医療への関与ということが重要であると考えています。ところが、今回の資料1ではあまりその点が明確ではなく、資料もつけられていないように見えるのは残念に思います。特に医療計画では、第6次医療計画以降、在宅医療を5疾病5事業並みに重視するということになっていますので、かかりつけ医機能についてもそうした視点からの議論が必要ではないかと思います。
 それから、第2点ですけれども、31ページから診療報酬の関係の資料が出されていますが、私はこうした加算等の診療報酬による対応については限界があると考えています。もちろん診療報酬上の評価というのは、医療機関に対しては経済的なインセンティブとなるわけですけれども、現在のような定率一部負担制度の下では患者側にとっては負担増となって、かえって受診行動についてディスインセンティブ効果をもたらす懸念があります。そうしたこともあって、今回のいわゆる紹介受診重点医療機関のように、むしろ紹介を受ける病院の側を評価し、そうした病院を受診する患者の負担を増やすという方向が合理的で効果が望める政策なのではないかと思います。
 同時に、地域医療支援病院や特定機能病院等は、かかりつけ医に対して自院の情報を幅広く提供するとともに、かかりつけ医のスキルの維持、向上に対して貢献するという責務があるものと思います。こういった点については地域医療支援病院等について検討する際にぜひ考慮していただきたい点であります。
 最後ですが、第3に、患者の受診行動に関しては経済的な誘導もさることながら、やはり地域の住民の方々が地域の医療を守り、育てるという観点から地域医療を積極的に支えていくという視点が非常に重要であると思います。かつての兵庫県の旧柏原病院の例などが有名ですけれども、こうした視点に立って、やはり地域住民に対して分かりやすい情報の開示、情報提供を積極的に行っていく必要があると考えます。
 私からは以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、質問が2つ出ておりますので、これについてまずお答えいただいて、もしコメントについても何かお考えがあればコメントしていただいても結構です。
 ではまず、質問からいかがでしょうか。
○岡本課長 総務課長でございます。
 2つ頂戴しまして、具体的にはスケジュール感をどう考えるかということでございます。御指摘のように、工程表の中では2年間の期間のうちにという形で書いてあるということでございます。率直には、今の段階で具体に8次計画に間に合うようにとか、そういうふうに具体的にスケジュールを区切ってそこまで整理ができているわけではないという状況でございます。
 政府全体の動きで申し上げますと、全世代型の社会保障の構築会議というものも始まっておりますので、そういった中で、このかかりつけ医機能というものについていろいろな場での議論を踏まえながら、ただ、かなり重要な話でありますので、きちんと検討しなくてはいけない、速やかに検討しないといけない、あるいは丁寧に検討しなくてはいけない。そういうふうな中で、議論の進捗に応じてどこのレベルでどの段階で反映ができるのか、反映ができる部分はどこまでなのか、さらに具体に議論しなくてはいけないのはどこまでなのかということを議論の進捗を見ながら検討していきたいと考えているというのが今の状況でございます。
 もう一つは、今、どの程度この機能情報提供制度が活用といいますか、それで情報が提供されているのかという御質問かと思います。私の手元にあるのは東京都だけということでありますが、東京都で1万5000程度医療機関というのはあるかと思いますが、おおむねざっくり申し上げますと、先ほどの1~4の項目、医学管理とか、あるいは分かりやすい情報提供といったところに関して、その機能があると報告されている医療機関というのは今1,000強とか、大体1,000ぐらいという形であります。
 それから、5号から後ろ、8号までの各種の診療報酬の加算ということでございます。これは項目によって違いますけれども、これは大体100とか200とか、機能強化加算のところは大体700ぐらいという形になっているということでございます。全国でも大体加算といいますか、点数を取っているところは先ほど1割から2割という形で申し上げましたけれども、東京都に関しては、今の状況で情報提供をされているのはそういった形になっているということでございます。
 あと、御指摘に対する点もということなのですが、在宅医療が重要だということは先生の御指摘のとおりかと思います。資料についてはある意味少し総覧的に用意した中で至らない点があったかなと思いますが、在宅医療についてはこれからの地域の医療の中でかなり重要だというのはその認識だろうと思っております。
 私からは以上になります。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 尾形構成員、よろしゅうございますか。
○尾形構成員 第1の質問については了解いたしました。
 第2の質問についてなのですが、東京都の事例についての御紹介がありましたけれども、今お話があったように全体の医療機関は1万5000程度あるうちで、1,000とか数百というような水準の報告にとどまっているということであって、こうした状況がどこまで一般化できるのかは分かりませんけれども、かかりつけ医機能の普及拡大をうたうにはあまりにお寒い状況だと思います。やはり厚労省による実態把握と報告の活性化に向けた取組をぜひお願いしたいと思います。これは要望です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、中島構成員、よろしくお願いいたします。
○中島構成員 ありがとうございます。協会けんぽの中島でございます。
 2点、意見でございます。
 1点目でございます。尾形構成員の意見と若干重複しますが、資料81ページの昨年12月に示された改革工程表で、2023年までにというミッションが書かれていることに加えて、来年度は、我々が今検討している医療計画だけではなく、医療費適正化計画、介護保険事業の支援計画、さらには健康増進計画などを都道府県において策定し、2024年度から開始されるということになっております。また、2024年度は診療報酬と介護報酬の同時改定も行われるわけでございまして、こうした背景を踏まえて、このかかりつけ医機能が発揮される制度整備の検討を進めていく必要があるのではないか、ということを重ねて申し上げたいと思います。
 2点目でございます。少子高齢化が進展する中で、高齢者、とりわけ在宅の高齢者に着目いたしますと、地域での医療介護連携など、地域包括ケアシステムをしっかり構築していく中で、かかりつけ医に期待される役割は非常に重要でございます。
 また、本日の資料にもございました母子保健、小児医療の観点からも、かかりつけ医が果たす役割は大きいと考えられます。
 かかりつけ医の議論をするに当たっては、抽象的な制度論だけではなく、こうした具体的な現場をしっかりイメージしながら、患者目線と幅広い視点に立って議論を深めていく必要があります。具体的には、こうした具体的な現場をイメージしつつ、まず1つ目に地域における医療介護ネットワークの中でのかかりつけ医の位置づけ、2つ目にその具体的な役割、3つ目に患者との関係性、4つ目にそうしたことを踏まえた適正な報酬の在り方、こうしたものについて、しっかり議論を深めていく必要があります。その際には、やはり患者目線と幅広い視点、大所高所に立った議論をしていくことが大切かと思っております。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。重要な御指摘だと受け取りました。どうもありがとうございます。
 それでは、お待たせいたしました。加納構成員、よろしくお願いいたします。
○加納構成員 ありがとうございます。
 私からは、3ページの一番下のところにその他の意見として前回等で申し上げました病床数の問題、DPC病床200床未満の病院が想定されるということを明記していただいたことをまず感謝申し上げたいと思います。
 それをもって、24ページの下の例の紹介受診重点医療機関というところでありますが、これには、先ほど山口構成員もおっしゃったように、地域支援病院や特定機能病院等がこの中で入ってくるのだと思うのですが、それに対して、ここに書いてありますように、かかりつけ医機能を担う医療機関、病院も含めて診療所等が形成されるという認識の中で、少なくとも先ほど申し上げました紹介受診重点医療機関に関しては一般病床200床という枠がございます。そういった枠に関してはしっかりと今回のかかりつけ医機能を持った中で、果たして病床の数が必要なのかどうか、しっかりと考慮していただきたいと思います。
 その上で、我々病院団体としては9ページにありますように日医・四病協としての議論で「かかりつけ医」と「かかりつけ医機能」に関する定義づけを8年前にしております。これに関しましては、確かに8年前でありますから、DX等の状況、また、医療情報の共通化とかいろいろな問題が抜けているような感じがしておりますが、骨格としてはこうであるべきかなと思っております。
 さらに、その上でございますが、先ほども意見が出ましたように、今後、地域包括ケアシステムを守っていく中で、一つの役割として在宅医療にこういったかかりつけ医機能を持った医療機関がどのように関与するのかということも非常に大事なことになってきますし、その中の延長線上になるかもしれませんが、かかりつけ医機能を持った二次救急病院、いわゆる救急医療体制におけるかかりつけ医に関する役割もしっかりと考慮していかなくてはいけないかなと思っております。
 そういった意味で、我々、民間病院が多い地域密着型病院の在り方というのは今回のこの中で非常に問われることになるかと思っております。その点からしても、そういった状況の中での地域密着型病院の評価をぜひともお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 御意見として承りました。どうもありがとうございました。
 それでは、今村構成員、よろしくお願いします。
○今村構成員 では、今村から意見2つと質問1つを言わせていただきたいと思います。
 まず、意見として、先ほど尾形構成員からも御指摘があったことですけれども、16ページの整理の中で、高齢者医療に関するものや在宅医療に関するものの比重が軽いと思います。今、喫緊の課題として、やはり高齢者への対策、在宅での地域包括ケアでの対策などが求められているわけで、それはかかりつけ医の議論としてももう少し重点を置いてやっていくべきだと思います。
 その中で、今度は16ページの④のシにありますように、ここに書いてもらっている複数併存疾病への対応ということが非常に大きな問題だと思っています。先ほど山口構成員からも併存疾患に対してどうするのかという投げかけがありましたけれども、今、専門医は主な分野で19以上あって、一人の患者さんを主たる診療科だけで見ようと思うと19人の医師がつかなければ診られないという状況になっています。それは非効率的ですし、総合的に人を診ているという面にならない、だからこそかかりつけ医という概念が私はあるのだと思いますし、それに対応するためには、重複疾患に対して一体どんなふうに対応していくのかということが最も重要なポイントだと思います。ただ、これは患者さんの立場からしたら、それぞれ専門医に診てほしいという面と一遍に診てほしいという面もありますし、今度は医師の立場から見たら自分の専門性ということがあります。もう一つ、何といってもアクセスがいいか悪いかというところがあって、この3つの関係の中でかかりつけ医という機能は今、日本の中で揺れているのだと思います。
 ここからが質問なのですけれども、もしかかりつけの議論をするとしたら、併存疾患の対応についての資料をちゃんと厚労省から出してもらって、一体どういうことが現状の日本で起こっているのかということを議論していくべきだと考えるのですけれども、そういった資料の準備が今後可能なものかということは質問したいと思っております。
 最後にもう一つ意見ですけれども、16ページの資料の中で⑥の地域との関わりという項目を立ててもらったことに心から感謝を申し上げたいと思います。私、ただ、公衆衛生に関与する者として、ツの部分で書いてある地域の公衆衛生の向上への協力という部分は非常に大きいと思っています。私は昔学校医の担当をしておりましたけれども、地域で開業されている先生が学校医をしている中で、様々な病気や問題点を見つけていただいて、地域を面として捉えて対策をいち早く取ってもらえるということに日本のすごさを感じましたし、開業医の先生方のお力の大きさを感じているところです。そう考えますと、地域全体を面で捉えるという地域全体へのかかりつけ医という機能はぜひこの議論の中でも維持してほしいと思っております。
 以上、意見2つと質問1つでございます。よろしくお願いします。
○遠藤座長 御意見につきましては貴重な御意見として承りました。
 では、質問にありました複数の併存疾患の実態把握のようなことの実行可能性ですけれども、いかがでしょうか。どなたが。
 よろしくお願いします。
○矢野調整官 御質問ありがとうございます。
 どのような方法でデータをまとめていけるかということについては、まだ今の段階でこういうものがお示しできると言えるものはないのですが、過去にあった調査などもございますので、お示しできる方法を考えていきたいと思います。
○遠藤座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村構成員 ありがとうございます。
 多分重複疾患がこの議論のコアになっていくのではないかと思いますので、ぜひそういった資料作成と議論が活発になるような支援をお願いしたいと思います。
 今村からは以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。私も大変重要な御指摘だと思いますので、可能な範囲で対応していただければと思います。
 それでは、猪口構成員、お願いいたします。
○猪口構成員 ありがとうございます。
 それでは、意見を言わせていただきます。
 16ページ、今も御指摘がございましたが、かかりつけ医機能をどう考えるかということなのですけれども、私はその議論の中で個人とそうでないものを分けて考えたほうがいいかなと思っています。例えばこの16ページの1番の健診とか予防接種、4番の慢性期の健康管理とか服薬の一元管理というのは、患者さんとちゃんとよく知っている医師が個人的にやるほうが好ましいのではないかと思いますが、この中の例えば5番の在宅児の急変とか看取りとなると24時間365日の話になってまいりますので、こういう事項に関しては連携医療、地域での受皿というところが必要になってきますので、そこは少し分けて考えないと、役割分担がきちんとしてこないのかなと思っております。
 それから、医療機能情報提供制度は8項目あるわけですけれども、上の4つは何となく分かるのですが、もう少し内容をきちんとしないといけないなと思いますけれども、5番から8番は診療報酬の話ですので、これもいろいろとかかりつけ医機能というものがある程度整理された後、また診療報酬のことを考えればいいのであって、これを一緒にするとまた話がややこしくなりますので、ぜひここは分けて考えるべきだと思っております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。おっしゃるとおりだなと思いました。重要な御指摘だと思って受け止めさせていただきます。
 江澤構成員、よろしくお願いいたします。
○江澤構成員 ありがとうございます。
 私のほうからは、かかりつけ医と医療提供体制について2点意見を申し上げたいと思います。
 まず、かかりつけ医とは、何でも相談できて、最新の医療情報を熟知し、必要時に専門医や専門医療機関に紹介でき、在宅医療や介護保険とも緊密に連携し、身近で頼りになる地域医療、保健福祉を担う総合的な能力を有する医師であります。こういったことはこれまでの議論の中でコンセンサスを得ているものと考えます。
 また、診療所の医師であるか、病院の医師であるか、あるいはどの診療科であるかを問うものではなく、かかりつけ医機能の向上に努めている医師は全てかかりつけ医と定義されるものと考えております。したがって、患者さんの最も身近で頼りになる医師であって、患者さんが最も信頼を寄せて、患者さんが選ぶ医師として、自ら積極的にかかりつけ医機能を果たしていくことが期待されております。
 かかりつけ医の機能には、御存じのように医療的機能と社会的機能の2つの機能がございます。医療的機能はもう御承知のことと思います。社会的機能は、日常行う診療のほかに地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診、がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに、保健、介護、福祉関係者との連携を行うこととされておりまして、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう、在宅医療の取組や介護保険との連携も役割と考えられます。
 最近では、地域貢献活動とも呼ばれる住民を対象として健康づくり講座、介護予防講座の開催、町内会や民生委員への会合への出前講座、認知症カフェ等の通いの場の開催や参加、住民向け医療介護相談窓口の設置を行うことに期待が高まっております。また、全国に10万か所を超える住民主体の通いの場における取組をより効果的、継続的に実施するために、医療・介護専門職の関与による取組の質の向上も期待されているところでございます。したがいまして、かかりつけ医も地域の一員として地域包括ケアシステムの本質である地域づくりに参画していくことも在り方の一つとしては考えられると思っております。
 次に、医療提供体制について申し上げます。本日の資料にもございましたように、平時と有事の医療提供体制は異なっております。したがいまして、平時と有事のかかりつけ医機能も異なりますので、それぞれにおいて検討されるべきだと考えております。
 一方で、平時と有事において共通であることは、地域医療の提供における役割分担と連携の推進でございます。特に有事におきましては重要であると考えています。大事な視点は、地域の住民が困らないことであります。例えば医師会のリーダーシップの発揮により、地域の役割分担と連携を推進していくことは方策と考えています。また、今後、感染症危機に備えた感染症法等の改正や新型インフルエンザ等対策特別措置法の見直しが予定されておりまして、有事における病床確保、発熱外来、自宅療養者等への健康観察等に関する法整備が進むこととなりますので、有事においてはこれらも踏まえ、住民の視点に立ってかかりつけ医機能を検討すべきと考えております。
 本日の資料の15ページ、16ページに保健医療のニーズが示されております。15ページの右側に持病のある者が示されておりますが、④以降ではなくて①~③についても持病のある者については対応しているのが実態かと察します。
 医師には各自の診療科や専門分野がありますので、これらのニーズを一人で担う医師もいれば、部分的に担う医師もおります。大事なことは、各地域においてこれらのニーズが欠けることのない医療提供体制を構築することでありまして、地域住民の医療に支障のないことを前提とした役割分担と連携を推進し、かかりつけ医が機能を発揮することであります。
 続きまして、54ページに研修が示されております。日医かかりつけ医機能研修制度が掲載されておりまして、これは3年を一期として取り組んでいるものでございます。現在7年目で3期目の1年目となっております。この基本研修は日医の生涯教育研修の認定証を受けたものであって、真ん中の応用研修は座学の講義で、コロナ前は全国で9,000人から1万人程度の医師が毎年受講しております。コロナ禍においても7,000人以上の医師が毎年受講しているものでございまして、さらに3つ目の実地研修は保健・医療・介護・福祉あるいは在宅医療の実践を問うものでございます。現在、修了証書、認定証を発行してきておりますが、7年目ということで3期目の1年目ということでプロセス指標を重視しておりまして、今後、質の向上へ向けてステップアップするためにまたいろいろ検討していきたいと考えております。
 そのほかには、全国各地において主治医意見書研修会、かかりつけ医対応力向上認知症研修会等、様々な研修が開催されておりまして、かかりつけ医機能のより一層の発揮に向けて医師会といたしましても努めてまいりたいと考えておりますので、また皆様からいろいろ御意見を賜りたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。御意見と情報の提供ということでございました。
 続きまして、櫻木構成員、お願いいたします。
○櫻木構成員 ありがとうございます。櫻木です。
 この検討会の議論というのは外来の医療機能を明確化していくということによってで、患者さんの流れを円滑化するということを目標にで、紹介受診重点医療機関を明確にしていくということでずっと議論が進んできたわけですけれども、これは患者さんの大病院あるいは専門病院志向といったものに対応するというような意味で、上手な医療のかかり方のプロジェクトにもありますように、そういった大病院志向というようなものに着目していたと思うわけですが、一方、12ページにありますように、患者さんがかかりつけ医として求めている機能というのは、例えば使っているお薬をきちんと把握してその効果をきちんと図っていくとか、検査結果をきちんと管理してつなげていくとか、あるいは必要があれば適切な専門医を紹介するといういわゆる顔の見えるような関係というところを患者さんの側としても意識しているということ部分があります。
 そうすると、この2つのことというのは少々乖離しているというか、矛盾しているようなことが起こっているわけですけれども、それがどういう人で起こっているかというようなところを解決していくというようなことがかかりつけ医機能を考えていく上で必要ではないかと考えます。
 我々精神科医療の領域部分では、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムのという議論の中で「かかりつけ精神科医機能」という言葉が出てきています。これは一般のかかりつけ医の機能の参考になるかどうか分かりませんけれども、少なくとも一人の患者さんに関してケースマネジメントをきちんとやれるという機能を有していることが求められています。そのためには、一人の医師というよりは、様々なコメディカルも含めた多職種のチームでもって地域包括ケアシステムの中での医療機関としての役割を果たしていくということを考えているわけです。これは一般のかかりつけ医機能ともある程度関連するような部分もあるように思いますのでけれども、その辺のことも参考にしていただいて議論を進めていただければと考えています。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。重要な御指摘だと思って受け止めさせていただきます。
 それでは、大屋構成員、お待たせいたしました。
○大屋構成員 よろしくお願いします。
 幾つか質問と意見をさせていただきたいと思います。
 まず、かかりつけ医機能ということで、このような機会にいろいろと学ばせていただいてどうもありがとうございます。
 今、お話が出たように、かかりつけ医機能は非常に多彩ということを多くの構成員が言われていたと思います。その上で、これは要望になります。ぜひ様々な御意見が今日出た部分を、例えば猪口構成員が言われたように、個人として対応するようなかかりつけ医機能や地域で対応するようなかかりつけ医機能、また、本当にそこで暮らす人や患者が最低限がないと困るような機能、そこまではないのだけれどもあれば助かるというようなかかりつけ医機能というところはある程度分類して、最終的にはおまとめいただきたいというのがございます。
 なぜこのようなことを申し上げたかというと、最近の医学教育なり研修の方向性というのは昔と違って、ただ解剖で骨の名前を覚えて、生化学で酵素の名前を覚えて、さらに病理とかいろいろな講義で病気の名前を覚えて、国家試験を受けて下さいというものではなく、このような機能を医師として患者さんに提供するのだよということを中心に目的意識を持って勉強するように、現在、医学教育が変わってきております。そのためにも、このようなかかりつけ医機能が必要だよということがある程度分かっていないと、私どもも大学並びに若い研修医を含めて専攻医たちにも非常に教えにくくなってきますので、ぜひそこは示していく方向で検討いただきたい。難しい問題ですので、簡単にできないのは承知しております。
 次に、先ほども地域ごとにかかりつけの機能は異なってくる場合もあるということなのですけれども、先ほど申し上げた最低限ないといけないものというのはある程度分かっていると思いますが、これは質問になるのですが、現在、地域ごとにその機能が欠如しているとか足らないというような大きな問題などが平常の診療でも出てきているということがあれば具体的に教えていただければと思っています。たくさんのことを言うのは難しいかもしれませんけれども、確かにコロナの際には多くの問題が出ました。ただ、平常の診療体制の中でここは特に困っているということを厚生労働省が把握されていたら、それを教えてください。それが質問となります。
 3つ目は、先ほど尾形構成員等も言われたことと関係します。これは意見となります。我々として、現状、いわゆるクリニックや診療所、地域密着型の病院をイメージしたかかりつけ医機能という形になっていたり、小児とか産婦人科に対応するような医療制度というものが議論されていて、同時に在宅、高齢者という問題があったと思いますが、今回の資料には既にお答えになっていますけれども、自宅や高齢者施設におられる在宅、診療等のかかりつけ医機能ということについての記載が少ないのは、今後の社会を見ると不十分だろうと思います。なぜかというと、やはりそのような高齢者、在宅等であれば、眼科の先生が必要だから眼科の先生が往診する、皮膚科が必要だから皮膚科が往診する、外科の先生がお腹が痛いと言ったら往診するといって、それぞれの患者のニーズに合わせて往診する人がいるわけではないので、やはりそこは総合診療的な役割の医師がいて調整する必要がある。では、そのような医師はどれくらい必要なのかというようなニーズの把握がないと育成するほうも育成できませんので、そういうシミュレーション等もぜひお願いしたいというのが意見となります。
 最後に感想を述べさせていただきますけれども、12ページにかかりつけに必要なことというアンケートを取られているのですけれども、最初の4つです。家族の構成・住所を知っているか。職業・経済状況、嗜好・趣味、それから、家族の病歴を知っているかという項目は非常にニーズが低いのです。これを見て私は驚くのですけれども、私は診療しながらこれは最も重要なこと、特に生活習慣病やがん、それから、高齢者を診ているとこれは非常に重要なのですけれども、それに対するニーズがあまりないということが、これはアンケートの取り方の問題なのだろうとは思うのですけれども、やはりこういう重要なことに対するニーズが低いということが、プライベートを知られたくないということなのですが、プライベートを含めて診ていくというのがかかりつけ医の仕事なのですけれども、そういうところが国民に対して十分伝わっていないなということも含めて、本日のかかりつけ医機能の検討は非常に重要なことですし、これは国民とともにいろいろ考えていく必要があるかなと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 質問が1つありましたので。
○大屋構成員 特に困って、ここは改善しなくてはいけないという論点というのが特にかかりつけ医機能の中で決まっているものがあれば、それを教えていただきたいということで申し上げたのです。
○岡本課長 ありがとうございます。
 なかなか難しい御質問なのですけれども、答えられる範囲でお答えさせていただくと、平時と申しますか、今の段階でなかなか充足していないニーズがあるのかという話かと思います。そこは地域によってかなり差があるのだろうと思います。医師自身の確保が必要ということで、僻地や離島というところでそこの確保が大きな課題になっているということもあれば、科別に見れば、産科や小児科といったところの確保が必要なのではないかということもあるかと思います。あるいは、高齢化が進む中で、在宅医療というものが必ずしも十分な量を今確保できているのかどうかという課題というのも、ばくっとしたお答えでありますけれども、必ずしも地域ごとではありますが充足できていない、あるいはそこに対して課題があると認識をされている分野というのはやはりあるのではないかなと思っています。
 その上で、これからさらに高齢化が進んでいくと、高齢化のスピード自体はこれまでよりは少し緩慢になるかと思いますが、絶対数としてはさらに高齢者、後期高齢者というのが増えていく中で、増えていくニーズに対してどういうふうに考えていくのかという部分が出てくるかと思いますし、他方で、地域について今、離島や僻地と申し上げましたが、さらに日本の多くの地域で人口が減っていくという状況になる中で、そこがやはり将来同じような状況になるのではないか。さらに言えば、そういった中で、地方は生産年齢人口自体がかなり減っていくという中で、医療従事者というのは、医師だけではなくて医療に従事される方をどういうふうに確保していくのかという中で、地域の最低限のニーズがどこなのかというおっしゃいましたけれども、まさに地域の身近な医療というものをどういうふうに確保していくのかというのは、状況は地域ごとに差が大きくなる。だけれども、日本全国どこでも考えていかなくてはいけない課題になるのではないかなという認識で事務局としては考えているということでございます。
 お答えになっているかどうかは微妙なところでありますが、よろしくお願いいたします。
○大屋構成員 ありがとうございます。今言われたことは私もそのとおりだと思っております。
 かかりつけ医機能がちゃんと確保されているということは、つまり、そこで暮らす住民なり患者が受けることができる最低限の医療機能というような定義なのかもしれないですよね。それが確実に全国で均てん化といいますか、確保されているということが最も重要で、それができていないところがあれば、そこは本当に早急に対応が必要ではないかなというは思います。
 もう一点、ありがとうございます。今日の話、課題というところで多くのことが出てきたのですけれども、制度はもちろんのこと、制度は足らないものを補うための制度なのかもしれませんが、そこで働く医師なり医療機関なりというものをどのように確保するかということが結局は今日の論点のような、今、回答いただいた問題点、課題に対する回答のような気がしますので、どのように医師を確保していくか、どこでどう配置していくかという面も含めてぜひ御検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせいたしました。田中構成員、よろしくお願いいたします。
○田中構成員 ありがとうございました。
 何人かの委員がおっしゃったように、かかりつけ医機能とは、かかりつけ医療機関の機能を含めて捉える考え方に賛成します。
 例としてよく挙げられるイングランドの家庭医機能ですが、まさに個々の医師の機能だけではなくて、家庭医をはじめ、訪問看護師や社会福祉士までも含むクリニック全体の機能を併せて果たされていると理解しています。
 制度が全く違う日本にあっても、かかりつけ医機能を地域で発揮するためには、その機能が地域の医療連携のみならず、医療介護連携、ひいては江澤構成員や櫻木構成員がおっしゃったように地域包括ケアシステムの中でしっかりと位置づけられる必要があります。
 スライドの15ページを御覧ください。
 その意味では、この15ページの⑤高齢者医療に特有のもののところに地域包括ケアとの連携と記されている図は、地域包括ケアシステム論の側から見ると間違っています。かかりつけ医機能を持つ主体は、地域包括ケアの外側から連携を取るのではなくて、地域包括ケアシステムの中核あるいはハブとでも表したほうが正確です。外から連携を取るのではありません。
 もっと言うと、10年前はいざ知らず、現在の地域包括ケアシステム論は、高齢者医療のみならず、全世代に関わります。大切な点は、②のところにある初診対応です。初診対応に当たり、かかりつけ医機能とはまさにファーストアクセスポイントとしての役割を担うことです。そして、その先の専門サービス利用についてはアドバイスを行う。門の通過を許可する門番的な役割とは全く違うと考えています。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。重要な御指摘だと受け止めさせていただきます。
 それでは、織田構成員、お願いいたします。
○織田構成員 ありがとうございます。
 もう大分意見は言い尽くされましたけれども、私からは、9ページの日医・四病協のかかりつけ医の定義と機能を見ていただきたいと思います。今、皆さんの意見を聞いていても、新たにつくるのではなくて、これを基本的な骨格にしていいのではないかと思います。かかりつけ医の定義というのは基本的に医師個人を指している部分ですし、かかりつけ医機能は地域をどうやってみんなで支えていくかという議論になっていますので、これを骨格にしていけばかかりつけ医の機能というのは分かりやすいのかなと思います。それに新しい時代の流れで、これが提言されできた時代はオンライン、デジタル化は一般的ではありませんでしたから、オンラインとか地域包括ケアシステムの文言を加えていくと、かなり時代にあった定義と機能ができるのではないかなと思います。
 そして、この定義と機能が基本になってできた上で、有事の議論をしていくということなのだろうと思います。平時と有事を同時に議論するとまとまるものもまとまりませんので、基本的には平時のかかりつけ医はこうあるべき。その上で、これが達成したところは有事のときはこうするというような流れでいいと思います。基本的に地域連携ができるところはこのコロナでも連携できているのです。有事になってもうまくいっていないところは、基本的に平時の連携ができていないところなのです。ですから、平時の連携を取る上で基本になるのはこのかかりつけ医だろうと思います。そして、このかかりつけ医機能の中に、先ほど加納構成員もおっしゃっていた地域密着型の病院は加わってくるのだろうと思います。これは入院機能も持っていますから、この4つの骨格がありますので、この中に入院機能として地域密着型病院も書き込めばほぼ出来上がるのではないかと思います。
 その上で、医師の教育というか、先ほど総合診療医の話も出ましたけれども、今は総合診療医の育成を待つ時間はありませんので、リカレント教育、先ほど江澤構成員もおっしゃっていた日医のかかりつけ医の研修会とか全日病が行っています総合診療医の育成とか、ここら辺をもう少し国としても広報していただき、地域の一般の方にも届くようにしていただければさらにいいのではないかなと思います。
 以上、意見です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、お待たせいたしました。佐藤構成員、よろしくお願いいたします。
○佐藤構成員 どうも座長、ありがとうございます。
 また、本日は丁寧な御説明をいただいて、事務局に感謝申し上げたいと思います。
 本日、論点の①に具体的にどのような機能を想定して議論するかという点で、10ページから16ページまでの資料を提示していただきました。特に医療側の意識調査に関して10ページ、11ページ、それを分かりやすく15ページ、16ページにまとめて、非常に分かりやすいという反面、何人かの構成員の皆様からも御意見がございましたが、12ページに関して言いますと、いわゆる患者ニーズ調査と出てきているのですが、非常にビジーで分かりにくいだけではなくて、いわゆる乖離と一致という面で見ていきますと、医療提供側と患者側の一致している部分、乖離している部分、それがいい、悪いというよりも整理が必要なのではないかなと思ってこの資料を拝見いたしました。ぜひとも2つ違うサイドから見ていくという資料の検討に関しては、それぞれの一致する部分、もしくは一致していない部分は何かという論点も今後検討が必要ではないかと思いますので、そういう資料の在り方についてもぜひ御検討いただければと思います。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、山口構成員、お手を挙げておられますのでよろしくお願いします。
○山口構成員 2回目で申し訳ございません。少し時間があるようなので、日本医師会の副会長である猪口構成員にお尋ねしたいと思います。
 先ほど私、意見の中で申し上げたのですけれども、54ページに日医かかりつけ医機能研修制度、地域総合小児医療認定制度というものがありますけれども、私たち国民の側がかかりつけ医を探すときに、これだけの数の方が研修を受けていらっしゃるということでいうと、かかりつけ医候補としてとても大きな情報ではないかと思っています。ところが、それが今、公表されていないというところで、なかなか選ぶ情報がないというようなことがあるのですけれども、今後、こういった研修を受けた方を公表していくというようなことが日本医師会の中で議論されていて、方向性として持っていらっしゃるのか。もし公表できないということであれば、どういったことが公表できないということのネックになっているのか、その辺りの御意見を聞かせていただきたいと思って発言いたしました。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、猪口構成員、よろしくお願いします。
○猪口構成員 今の日医のかかりつけ制度ですけれども、つくられてから、これは自己研さんという意味合いが非常に強かったと思います。したがって、先ほどの医療情報提供制度というのもありますけれども、そういうような形で出していくということは今行っておりません。ただ、今回のこういうかかりつけ医の議論の中でそういうことが当然必要になるし、ほかにもこういう教育をされているシステムが幾つかありますので、そういうこともまとめて今後は情報として提供するという方向性ができてもいいのかなと今考えております。これからの問題だと思っております。
○山口構成員 ありがとうございます。
 日本医師会だけではなくて同じように研修されているところの情報というのが、どんな内容をされているのか、そして、その研修を受けた結果、どんなことを国民が期待できるのかということも含めて公表していただくことがかかりつけを選ぶということの大きな情報になると思いますので、その辺り、医療界全体で、厚労省も一緒になって、どういう公表の在り方が望ましいのかということはぜひ御検討いただきたいと思います。ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問等、いかがでしょうか。
 それでは、織田構成員、お願いいたします。
○織田構成員 時間が少しあるようですので、一言話をさせていただきます。
 いつも出てくるのが、13ページにあります有識者会議なのです。有識者会議の報告、これは令和4年とつい最近行われているのですけれども、先ほど山口構成員もおっしゃったように、実際的にここに書いてあることは第1波から第3波ぐらい、まだ未知のウイルスでPPEもない、PCR検査もできないというような状況のときのイメージがまだそのまま残こっておられあるみたいで現状を知らなさすぎます。実際的に今はオミクロンになって、高齢者を守っているのは地域の中小病院を含めたクリニックですよね。発熱外来にしろ、ワクチン接種にしろ、いろいろな取組をやっていますけれども、ここに書かれていることは最初の感染拡大が起こった頃、入ってきてそれこそこのウイルスがどういうウイルスか分からなかったときのことをまだ論じてありますので、ぜひこの有識者会議には、もっと新しい知見、新しいことをちゃんと理解した上で議論していただきたいと申し上げていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。それでは、本日の議論はこのぐらいにさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
 では、事務局から何かございますか。
○松本補佐 本日は会場での一般傍聴の制限をさせていただいておりまして、議事録につきましては可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましても、御多忙とは存じますが、御協力いただきますよう、何とぞお願い申し上げます。
 また、次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第御連絡いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、本日の検討会はこれにて終了したいと思います。
 積極的な御発言、どうもありがとうございました。




(了)

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