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2022年8月10日 第6回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和4年8月10日(水) 15:00~17:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 7階 カトレア
東京都千代田区六番町15

 

○議事

○守川地域医療構想推進専門官 ただいまから第6回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とし、会場における傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
まず初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。
本ワーキンググループの構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、発言をするようにお願いいたします。なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には、画面に向かって挙手をお願いいたします。発言終了後は「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようにお願いいたします。
また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで異議なしの旨を確認させていただきます。
また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の和田室長、文部科学省高等教育局医学教育課の堀岡企画官、相原課長補佐に御出席いただいております。
次に、資料の確認をさせていただきます。
事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1、参考資料1、参考資料2、参考資料3、参考資料4を配付させていただいておりますので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。尾形でございます。
第6回のワーキンググループを開催いたします。
早速、議事に入りたいと思います。
本日の議題ですが、「将来の医師の多寡による医師の確保の方針及び地域枠、産科・小児科における医師確保計画、医師確保計画の効果の測定・評価」について、「その他」を含めまして4つの項目がございますので、項目ごとに区切って説明及び議論を行っていきたいと思います。
それでは、最初の「将来の医師の多寡による医師の確保の方針及び地域枠」について、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 ありがとうございます。医政局医事課の佐々木と申します。それでは、まず、私のほうから「1.将来の医師の多寡による医師の確保の方針及び地域枠」について御説明させていただければと思います。
お手元の資料の5ページをお開きいただければと思います。地域枠及び地元出身者枠の概要について5ページ目に示しております。(1)に示しておりますように、地域枠につきましては、大学が卒後に特定の地域や診療科で診療を行うことを条件とした選抜枠を設け、ほかの入学者と区別して選抜を行う仕組みとなっております。具体的には、上の四角の現在の枠組みの概要というところを御覧いただければと思いますけれども、地域枠につきましては、地元出身者もしくは全国より選抜すること。また、別枠方式で選抜し、従事要件がある者というものが現在地域枠というふうに定義しております。一方で地元出身者枠というものもございまして、こちらにつきましては、地元出身者より選抜はいたしますけれども、そのほか選抜方法や従事要件は問わないものとなっております。そのほかにも大学の独自枠などがございます。
こちらがどのように大学内で割り振られているかということについて、具体的なイメージを真ん中にお示ししております。大学の定員につきましては、恒久定員とそのほか平成20年度以降徐々に増加してきた臨時定員というものがございまして、臨時定員につきましては、基本的に地域枠が割り振られることになっております。そのほか恒久定員内の地域枠、地元出身者枠及び一般枠等につきましては、各大学の状況を踏まえて、それぞれ設定されているというような状況にあります。
(2)地域枠及び地元出身者枠の要請権限でございますけれども、医療法及び医師法の一部を改正する法律によって、都道府県知事から大学に対して地域枠及び地元出身者枠の設定・拡充の要件権限が、平成30年度に法律が改正されております。
こういったものを踏まえまして、具体的に医師確保ガイドラインにおきましても、それぞれの地域枠及び地元出身者枠の設定の考え方が記載されてございます。そちらにつきましては次のページをおめくりいただければと思います。
こちらに現在国が定めているガイドライン上の記載を具体的に示しております。1ポツ目に示しておりますように、都道府県知事から大学に対して地域枠を要請できることとなっておりますけれども、その場合は、二次医療圏ごとの将来時点における医師不足数の合計数を満たすために必要な年間不足養成数を上限として要請できることとなっております。
地元出身者枠につきましては、これもほぼ同様なのですけれども、都道府県知事から大学に対して、こちらは当該都道府県における医師不足数分を満たすために必要な年間不足養成数を上限として要請できるというようになっております。
また、臨時定員につきましても、こちらの要請の条件をガイドラインにおいて記載しておりまして、恒久定員の5割程度の地域枠を設置しても必要な地域枠の確保が不十分である場合については、地対協との協議を経た上で要請できるというようになっております。
7ページを御覧いただければと思いますけれども、こちらに都道府県が恒久定員内に設置している地域枠及び地元出身者枠の数を示してございます。表を御覧いただければ分かりますように、恒久定員内の地域枠につきましては、現状、青森が33%、105人中35名が設定されているような状況でして、そのほか、そういった恒久定員内の地域枠につきまして、地元出身者から地域枠を選ぶというものも幾つかございます。また、恒久定員内の地元出身者枠につきましては、多くの大学が現状取り入れていないという状況でございますけれども、北海道であれば、例えば21%、67名が恒久定員内に地元出身者枠として設置されているという状況になります。
次のページを御覧いただければと思いますけれども、こちらは先ほどの表をそのまま円グラフにしたものになっております。恒久定員内の地域枠の設置状況につきましては、多くの大学が5%以下という状況になっております。また、恒久定員内の地元出身者枠につきましては、44県が設置していないという状況にあります。
こういった現状を踏まえまして、論点に移らせていただきますけれども、9ページを御覧いただければと思います。論点を3つ挙げさせていただいておりまして、1つ目につきましては、医学部恒久定員内の地域枠等について、現状、都道府県が臨時定員の設置等を大学に要請する場合、恒久定員の5割程度の設置枠を設置しても必要な地域枠の確保が不十分であることが前提として想定されていることや、現在の恒久定員内の地域枠の設置状況、また、医師需給分科会第5次中間とりまとめにおきまして、各都道府県の医学部定員に必要な数の地域枠を確保して、地域における医師の確保を図ることが重要であるとされていることを踏まえまして、設置を促進するためにはどのような取組が必要かということを御議論いただければと思います。
また、特に医師不足都道府県におきましては、都道府県内に定着する医師数の増加の観点から、地域枠と比較して都道府県が柔軟に運用できる地元出身者枠も活用することが考えられるのではないかと考えております。
論点の2ポツ目といたしまして、都道府県内に所在する大学に地域枠や地元出身者枠を設置する場合、医師の育成や配置方法の検討におきまして、大学と都道府県が連携して行うことが重要ではないかと考えられますけれども、具体的にどのような取組が効果的かといったことにつきましても、御意見、御議論いただければと思います。
また最後に、都道府県外の大学に地域枠を設置して、地域枠学生が卒後、地域に定着するためにはどのような取組が効果的か。例えば、地域枠学生に対するキャリア形成支援を卒前段階から行うなどの取組が重要ではないかというようなことについて御意見いただければと思います。
1ポツ目の医師確保につきましては以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等を承りたいと思います。
猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。最後の9ページで1つ教えていただきたいのですが、都道府県外の大学がこの大学に地域枠を設定して、卒業すると元の県に戻るという設定ができるということなのですが、どこもなかなかそのようなことを設定するのは難しいのかなという気もしますけれども、実態としては、全国で1学年に何人ぐらいこういう方がいらっしゃるのでしょうか。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 御質問いただきありがとうございます。人数は今手元にデータがないのですけれども、都道府県外の大学に設置している大学数としましては、令和4年度の実績といたしまして20大学あるというように伺ってございます。
○猪口構成員 分かりました。結構な数があるのですね。ありがとうございます。
○尾形座長 よろしいですか。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋でございます。御説明どうもありがとうございました。私も医学部長病院長会議でこの内容で担当する委員会を持っておりますので、このような取組をしっかり第8次医療計画で行っていただいていることに感謝申し上げます。
私からの御質問になりますけれども、今、一般的に、私もそういうふうに思っておるのですけれども、地元出身である地域枠と地元出身である人を集めた地元出身者枠ということは、その状態で大学に行けば、その中の多くの人がその地域に残るということで、医師確保には非常に有効であろうと考えられるのですけれども、7ページの数字を見せていただくと、必ずしも医師不足の都道府県がこのような地域枠とか地元出身枠をつくっていないということが分かるのですが、それは何か厚生労働省のほうで把握されているような理由なりがありましたら教えていただきたいということが1点目でございます。
2点目ですけれども、まずは1つ目の回答を受けてから次の御質問をいたします。よろしくお願いします。
○尾形座長 それでは、御質問ですので、これも事務局からお願いいたします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 御質問いただきありがとうございます。おっしゃるように、恒久定員内の地域枠の設置状況については各県様々でございまして、必ずしも恒久定員内に地域枠が設置されていない、医師少数県であってもあまり設置されていないというような状況もございますけれども、現状、地域枠としては臨時定員の中で設置していただいている県が多数であるかと考えております。
○大屋構成員 分かりました。つまり、今の時点では臨時定員枠があるので、恒久定員枠の中まではさわらなくても大丈夫だろうということで、今後、定員が削られる、いわゆる臨時定員がなくなってくると恒久定員の中に入れないといけないということで、そのときに地元出身者枠ということは、学生にとっても将来の方向性があまり強く制限されていない。制限しないと残らないのかもしれませんけれども、ある程度学生にとっては選びやすいものであるかなと思うのですが、これが地域によって、例えば北海道とかはそういうものがあったり、兵庫とか佐賀もあるのですが、これがあまり広がっていないということ。沖縄もないのですけれども、それについて何か情報的なものがございましたらお願いします。
○尾形座長 これは分かりますか、事務局。
○山本医事課長 事務局でございます。正直、定量的に何か調査で把握しているものはございません。大学もいろいろお考えの中で、都道府県との関係の中でこうした状況になっているかと思っております。野原構成員等々から、もし何か実情等でコメントもいただければと思っております。
事務局からは以上でございます。
○大屋構成員 ありがとうございます。
○尾形座長 それでは、御指名ですので、野原構成員、何か御意見ございますか。
○野原構成員 野原でございます。今、医師の医学部定員増の関係はすごく複雑になっていまして、最初、緊急医師確保で10年以上前に医師不足10県に定員の半分、地域枠を設けろということでスタートした経緯があります。その後、骨太の方針等で臨時定員がどんどん追加されて、それに併せて地域枠が拡大していったという経緯がございます。
したがいまして、医学部臨時定員増とリンクした地域枠ということで、今、ほとんどの都道府県が医師確保計画なども徹底しているというような状況となっております。
○大屋構成員 どうもありがとうございました。今の御説明、厚生労働省と野原構成員のお話をお聞きして、1点要望申し上げます。要望といいましても、もう既に9ページの2ポツ目に書いてございますけれども、都道府県ごとに非常に状況が違うということで、例えば静岡県であれば、たしか人口300万を超えるぐらいいるのにもかかわらず、医学部は1つしかない。また、島根とか鳥取であれば50万人で1つ医学部があるということで、例えば沖縄であれば140万人で1つ、長崎も150万人で1つと、そういうふうに都道府県ごとに多分全然違うので、その中の地域枠並びに地元出身者枠を設定する。ただ設定するといっても、その人たちがどのような役割で、どのような医師になっていくかということを検討するのは本当に差が大きいかなと思います。総合診療医だけでつくればいいわけでなく、ちゃんとした胃カメラができる医者も、毎回言っていますけれども、白血病を診る医者も必要なわけです。それを地元枠なり地域枠の中で全部確保しつつ地域医療を守るということは非常に難しい方程式を解かないといけませんので、ぜひ大学と都道府県との連携が重要ということを引き続き、書いていただいていますけれども、その方向性で医療計画が進むことを望んでおります。どうぞよろしくお願いします。
以上でございます。
○尾形座長 後半は御意見として承っておきます。
それでは、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 今回は全国衛生部長会の立場というよりは、むしろ医師偏在指標で全国最下位である自治体の立場から意見をさせていただきたいと思います。
現行医師確保計画において、岩手県でも令和5年度までに234人の医師確保を見込んでおります。これは資料7ページの恒久定員内の地域枠ということでは示されておらず、医学部の臨時定員増に対応した地域枠等による医師養成の効果が大きいのですが、この制度が継続した場合であっても、医師確保計画の最終目標年である令和18年において、岩手県を含む多くの医師少数県では医師が不足する予測となっています。このため、医師少数県においては、恒久定員内に設定すべき地域枠の5割要件の見直しや、臨時定員増を積極的に認めるなどの措置が必要と考えています。
また、地域枠の設定については大学の考えも十分に伺う必要があります。岩手の場合は一県一医大の自治体の中で唯一私立大学となっているといった事情もあります。また、先ほど大屋構成員から御指摘があったとおり、都道府県によってかなり事情が異なりますし、これまで様々な議論してきた経緯もございます。ガイドラインにおける地域枠の設定に当たりましては、こうした地域の実情を配慮した記載も必要と考えております。
医学部の臨時定員増の取扱いや医師需給分科会で、地域枠に関しては恒久定員内で措置することが望ましいとされており、本検討会での論点でないのは承知をしておりますが、現状について述べさせていただきました。
2点目、3点目の論点については、推進すべきとの立場でコメントをさせていただきます。2つ目の論点の自治体と大学の連携ですが、岩手県では、医育機関である岩手医科大学と、奨学金制度運営主体である県、県の病院部局、国保連の4者で協定を締結し、そのメンバーで奨学金養成医師配置調整会議を設置し、そこで決定をした共通の配置ルールに基づき、各地域の医師不足の状況や、養成医師の専門医取得などのキャリア形成支援を調整しながら、計画的に配置を行っています。
3点目の論点についても、医師少数県を中心に、県外の医師多数県などにある大学と連携した地域枠の取組は数多く行われており、県外の地域枠学生が将来、円滑な地域医療従事を行うためには、学生時代から制度を運用している自治体の地域医療の状況やキャリアアップ支援などの制度説明など、密なコミュニケーションが極めて重要です。岩手県でも奨学生を集めたセミナーを毎年開催しておりますが、今年度もコロナ禍の中であり、オンラインで多くの県内の奨学生に参加をしてもらったところであります。ぜひこういった推進する視点で盛り込んでいただければと思います。
私からは以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。小熊です。
ただいま大屋先生と野原構成員からお話がありましたように、国の臨時定員枠の中で地域枠、地元出身者枠が大幅に増やされてまいりました。その効果があって、私の理解している限りでは、200床以上の病院においては、医師は確実に増えてきているというふうに評価いたしております。ところが、残念なことに200床未満の小規模病院では、地方に多いわけですけれども、そういったところには十分にまだ必要な医師数が配置されていない都道府県が多いと理解しております。
そういった意味で、だんだん臨時枠が減らされると思いますので、恒久枠の中にどの程度地域枠を設定するか。これはやはりこの文にも書いてありますように、都道府県と病院関係者、保健関係者、住民を併せて、大学と協議をして決めていくべきだろうと考えております。
ただ、問題は、今、出生数が80万人くらいしかなくて、現状で医者を9,300人ぐらい毎年養成しているのですね。80人に1人です。これは将来、到底不可能だと思いますし、国の統計では就業人口の2割以上が医療・介護関係が必要だという、これもかなり厳しい数字ですので、将来的にはどう考えても医療・介護に必要な人数、医師も含めてかなり選択していかなくてはいけないと思っております。
その選択の中で医師のことについて一番大事なのは、地域による差と診療科による差、これをどう評価していくかということだと私は思っております。例えば総合診療医をつくって、いわゆる総合的ないろいろな科を横断的に診ていただくドクターの意義というのは非常に高いと思いますけれども、先ほど大屋先生がおっしゃったように、同じ消化器といっても、例えば内視鏡のERCPをやれるドクターがどれぐらいいるかとか、循環器で言えばアブレーションをやれる医者がどれだけいるかとか、高度専門性が要求される医療ですから、そういったものの必要人数も今後割り出していかなくてはいけないと思います。
残念ながら、今は地域で人口がこれだけいて、循環器の患者がこれぐらい将来増えるから、これぐらい循環器の医者をつくればいいのだと、そういう大ざっぱな考え方しかできていない。それでは今後の本当の医師の必要人数は割り出せないのではないかと私は思っています。ですから、非常に煩雑で難しい業務が入りますけれども、できるならば、そういうふうに科による必要度、何をできる医者がどれぐらいこの科には要るとかも含めて、必要性というのをベースにして算出して、それによって地域の特性を踏まえながら、どれだけの医師をどういうふうに養成していくかということを都道府県、行政、大学、住民、医療関係者がそろって決めていかないと、やはり正しい方向性にはならないのではないかと思います。
それと、もう一つ言わせていただくと、今の医療体制は、住民がどちらかというと大病院志向が強い傾向がございます。これだと将来を見た限り、医者がどれだけいても満たされる可能性は高くないと私は思っております。やはり今話題になっておりますかかりつけ医機能を発揮する身近なドクターがそばにいて、ごく軽症の救急のファーストコンタクトとかそういう先生方がチームをつくって診るとか、そういった医療体制をつくって、先ほど言ったように専門的な行動を限定された技術と知識を持っている人のところにはそれなりの人が行くという体制をつくらなければいけないのではないかと思います。そういったことから、今後の必要数、養成数を算出していっていただきたい。私はそう思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。櫻木です。よろしくお願いします。
8ページのところに地域枠等の実態という円グラフが出ています。これは大屋先生も御指摘になったように、比較的思ったよりは地域枠等の設定という状況が少ないと。これは事務局の御説明では、あくまでも恒久定員内に設置をしているのでこういう数字になっていると。今、大部分が臨時定員の中に設置されているということなのですけれども、それだけなのかなと思います。この円グラフを見てもらうと、左のほうの地域枠の設置状況は設置していないところが26件、それに対して右の地元出身者枠に関して言えば、逆に設置しているのが3件だけという数字になっています。
これは6ページのところに、地域枠、それから地元出身者枠の要請イメージというのがあります。地域枠のほうで言えば、それぞれの二次医療圏ごとに不足を考えて設置ができると。それに対して地元出身者枠は、県全体で不足を充足するような形で設置ができるということになっていて、むしろ9年の年限が明けた後、地元に残ってくれる方というのはどちらかというと地元出身者枠の方々のような気がするのですけれども、この設置要件で少しハードルが高くなっていることはないのだろうかと考えていますけれども、いかがでしょうか。
○尾形座長 これは事務局に対する御質問ですので、よろしくお願いします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 ありがとうございます。御指摘の地元出身者枠につきましては、5ページに示しておりますけれども、基本的には地元出身者より選抜するということ以外につきましては特に選抜方法や従事要件は問わないようにしておりますので、現状、地域枠と比較しますと地元出身者枠はかなり柔軟で、かつ、そのハードルとしては低いものになっているのかなと考えております。
○尾形座長 櫻木構成員、いかがでしょうか。
○櫻木構成員 そうすると、さっきの地域枠よりも地元出身者枠の設置が進んでないというのは、どういう理由が考えられるのでしょうか。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○山本医事課長 事務局でございます。我々のほうで先ほどもちょっとお答えさせていただいたとおりで、詳細な調査結果等はないのですけれども、野原構成員からもお話あったように、これまで臨時定員等の中で措置されてきているというのが歴史的な背景の一つではないかと考えております。
以上でございます。
○尾形座長 櫻木構成員。
○櫻木構成員 そうすると今後、恒久定員の中に設置していくことに関して言えば、今の事務局の御説明では、地元出身者枠のほうが柔軟に設置をされるので、むしろそちらのほうの設置が進んでいくという予測をされているということでしょうか。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○山本医事課長 事務局でございます。そこまでの予測というところまで、我々のほうで今できているところではございません。こうしたことを進める上で逆に、進めるべきものであるかどうか、また、進める上でどういう取組が必要かというのを御議論いただいた上で、我々としても所要の取組を進めさせていただければと思っております。
以上でございます。
○尾形座長 櫻木構成員。
○櫻木構成員 では、今後の議論ということですね。よろしくお願いします。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに特に御意見、御質問がないようですので、本件は以上として先に進みたいと思います。
2点目でございます。「産科・小児科における医師確保計画」についてということですが、この部分につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○松本課長補佐 地域医療計画課でございます。資料は同じく資料1の10ページからになります。「産科・小児科における医師確保計画」について資料の説明をさせていただきます。
11ページが全体像でございます。一番上の背景にございますように、診療科別の医師偏在については、まずは診療科と診療行為との対応を明らかにする必要があるということでございますけれども、産科・小児科における医師偏在対策については、政策医療の観点からも必要性が高く、また、診療科と診療行為の対応も明らかにしやすいということから、医師確保計画上、個別に記載することとしております。
産科・小児科における医師偏在の状況把握でございますけれども、三次医療圏・周産期・小児医療圏ごとに指標を算出するものでございまして、その右側にございますように、下位の一定割合を相対的医師少数区域とする基準を国が提示しているところでございます。相対的としておりますのは、産科・小児科においては全体的に医師数が不足しているということもございまして、医師多数区域を設定しないということと、相対的という言葉を用いていること、これが全体の医師偏在指標との違いでございます。
また、下の医師確保の方針につきましても、施策の具体例とございますように、まず医療圏の見直しや医療圏を越えた連携によってもなお相対的医師少数区域の場合は医師派遣調整により医師確保をする方針としているほか、また、医師の勤務環境を改善するための施策、こういった施策を組み合わせることで偏在対策を進めていくというふうに現在ガイドラインには記載しているところでございます。
12ページに参りまして、産科医師及び小児科医師の偏在指標の算定式でございます。産科医師については、分娩件数に対する産科・産婦人科の医師数を、小児科については、15歳未満の年少人口に対する小児科の医師数をそれぞれ算出したものを偏在指標としております。
13ページでございます。まず産科医医師の偏在指標に用いる医師についてでございますけれども、現在の医師確保計画策定ガイドラインの記載としましては、産科医師偏在指標に用いる医師については、当該指標が政策医療の観点からも特に必要が高い周産期医療における産科医師の確保を目的としていることから、実際に分娩を取り扱う産科医師とすることが望ましいとしておりますけれども、このガイドラインを策定しました平成30年時点では、性・年齢階級別の分娩を取り扱う産科医師の数を把握している調査はないというところでございました。
矢印の下にございまして、平成30年に実施をしました三師統計からは、過去2年間に分娩を取り扱った医師数を把握できるようになりましたことから、今後この指標の算出においては、現行の産科・産婦人科医師数というのを、実際に分娩を取り扱う産科医師というふうに変更しまして、次の医師確保計画における指標の算出をしてはどうかと考えております。そのときの運用なのですけれども、下のグラフにございますように、三師統計において過去2年間以内に分娩の取扱いありと回答した医師が1万3534人おりますけれども、そのうち日常的に分娩を取り扱っていると考えられるのが、産婦人科・産科・婦人科を主たる診療科と回答した医師でございまして、その他としては麻酔科なども含まれておりますけれども、このグラフでいう緑色の部分を除いた医師9,396人、こちらを実際に分娩を取り扱う産科医師としまして、採用してはどうかと考えております。
14ページが、先ほども少し話題に出ましたけれども、合計特殊出生率の年次推移でございます。皆さん御存じのとおり出生率は低下傾向にございまして、令和3年の出生数は約81万人となってございます。
15ページが、産科・産婦人科、小児科の医師数の変化でございます。15歳未満の人口に対する小児科医師数と、15歳から49歳までの女性の人口に対する産科・産婦人科の医師数で見ますと。令和2年には過去最大となっておりますけれども、医師数で見ますと、平成6年を1としたときに、令和2年の小児科医師数は1.34倍、産科・産婦人科の医師数は1.01倍となっております。
16ページ目が女性医師の割合でございます。こちらは産科・産婦人科、小児科ともに上昇しておりまして、全診療科の女性医師の伸びに対して、特に産科・産婦人科の伸び率が非常に大きくなっているところでございます。
17ページからは、前々回の検討会で出しました資料をつけておりますけれども、まずは周産期医療の現状ということで、先ほど出生数の低下というものがございましたけれども、一方で高齢出産が増加しており、それに伴って偶発合併症の増加も見られます。さらに社会的ハイリスク妊産婦も増加しているということがございまして、周産期医療については一例一例の需要が増加していると考えられます。
18ページも同じく前々回の検討会の参考資料でございます。産科医師については、平均時間外の在院時間がかなり長時間に及んでいるところでございます。また、周産期母子医療センター及び一般病院については、時間外の在院時間が長いところについては、そうでない施設と比較して医師数が少ない傾向が見られております。
19ページは新生児医療についてでございます。NICUについては24時間常駐していることが必要ですので、当直の状況も考えますと、最低8名の医師が必要とされているところでございますけれども、上段の真ん中ですが、総合周産期母子医療センターでも平均が8.24人、地域周産期母子医療センターでは5.96人となっております。
また、中段でございますけれども、新生児医療というのは新生児専門の医師だけではなくて、小児科の他領域の医師、あるいは専攻医で成り立っているということが分かるかと思います。また、新生児医療を担当する医師の勤務時間も非常に長時間に及んでいるということが示されております。
20ページは、こちらについて論点を2つ用意してございます。まず、13ページの資料で御説明したところでございますけれども、1つ目の論点としましては、現在取り扱っております産科医師偏在指標につきまして、そちらの産科・産婦人科医師数については、三師統計で分娩取扱い医師数を把握できるようになったことから、次の医師確保計画においては分娩取扱い医師数を用いて指標の精緻化を図ってはどうかというものでございます。
2つ目は、小児科医師及び産科・産婦人科医師の医師確保計画に関しましては、周産期医療に携わる医師の時間外労働が長時間であることを踏まえますと、出生数が減少している中でも、医師の派遣調整や勤務環境の改善、地域枠等による養成を図る取組を進めてはどうか。以上の2点でございます。
事務局からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。まず最初に、13ページの緑色のドクターについて詳しくお聞かせいただきたいのですが、要は分娩を取り扱うのに、産婦人科・産科・婦人科の先生でなくて麻酔科とか先ほどおっしゃったと思うのですが、私ども、ちょっと考えにくいのですが、実情これはどういうことなのか、もう少し詳しく御説明いただけませんか。
○尾形座長 これは事務局、お願いいたします。
○中村災害等緊急時医療・周産期医療等対策室長 事務局でございます。その他の中に分類されているものを緑で示しているところでございますけれども、緑の中に入るのは、臨床研修医であるとか、ほかの科の先生で2年以内に分娩の取扱いがあると回答した方、そういった方々がこちらの緑のところに入っているところでございます。
○尾形座長 小熊構成員。
○小熊構成員 ありがとうございます。分かりました。でも、他科の先生が分娩を扱うというのは、医者ですからいいのでしょうけれども、今後の医療体制において極めてまずいのではないでしょうかね。先ほどどこかでありましたように、これだけいろいろなトラブルが多発していて、他科の先生が分娩を担当しました、何か事故が起きましたなどといったら大変な問題になるような気が私はするのです。それでなくても今、産科の先生を悩ましているのは分娩時のトラブルですよね。これはしっかりと対応を考えられたほうがまずはいいのではないかと思います。
それから、論点のところにありました、実際にお産を扱う先生を分母にする。これは当然だと私は思います。それ以外に小児科と産科で問題なのは、要は周産期の、あるいは新生児の医療が非常に難しいと。それからトラブル続きであって、なおかつ分娩数が減ってきますので、非常に子供の生き死にに敏感であって、しかも、万が一後遺症を持って小児が生き残ってしまった場合とか、これは非常に問題があるのですよね。
ですから、そういったことを考えると、例えば、地域周産期とか総合周産期でない一般のところで、少人数で分娩を対応して、新生児・周産期医療に携わる小児科の先生がいないところでそういうことが行われるという今の体制は、できれば集約化するなりして考えていただく必要があるのではないかと思ってお聞きしていました。
もちろん、制約をしますと母親のほうに、あるいは御家族にある程度迷惑をかけるというのは分かりますけれども、安全性なり何なりを考えますと、それからドクターの専門医の数が少ないということを考えますと、特に小児科の周産期ですけれども、そういったことを考えると、医療体制としてはこういうことを目指すしかないのではないかというふうに私はお伺いしておりました。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。まず、15ページの資料の小児科、産科・産婦人科の医師数の変化について、ここ15年ほどで1.5倍ぐらいまで増えているということ。これはお産の数が減っていることが一番の原因です。何度か御指摘させていただきましたが、ここ10年、15年で見ても、110万人から今回81万人まで減っている状況で、この15年ほどの間に3分の2程度に減っていっているという状況があります。
これは6年ほど前に推計していたお産の数が、81万人というのは、8年後に予想された数字が4年ほどで達成されているという非常に速いスピードで少子化が進んでいる。この計画をつくったときよりもかなり速いスピードで少子化が進んでいるということが非常に大きな問題だと思います。
さらに、少子化は地方のほうがスピードが速いということで、今、医師の偏在指標、特に小児科、産婦人科は子供の数をお産の数で割っていますけれども、その分母側が地方のほうでどんどん減っていっていますので、この偏在事業そのものが、今のままを維持していくと成り行かなくなるということが重々予測されます。
その中で、先ほども議論がありましたが、重症化の傾向があるということであれば、やはり集約化がいかに行われているかということが一番大きなテーマになってくると思いますので、集約化の部分も将来の偏在指標の中に何らかの形で入れることができないかということが非常に大きなテーマだと思っております。それについてぜひお考えをいただきたいことと、今の小児科、特に産婦人科でお産の数が減っていることに対して厚労省としてどう考えているかということについては、ぜひお考えを教えていただきたいと思います。
もう一つ、先ほどの12ページ、13ページでありました産科・婦人科の偏在指標に分娩ありの医師を使うという点、これは本来の姿ですので賛成であります。そうしたときに、現在、指標の名前が産科医師偏在指標という名前ですけれども、その上に、12ページの分母側に標準化産科・婦人科医師数という数字がありますけれども、この名前になった背景としては、分娩の取扱い医師の数が分からないので、産科・婦人科の数を使ったという経緯があります。そういう意味では、ここをちゃんと分娩の取扱いありの産婦人科医師数であるということが明確になるように、この式そのものも名前を変えるべきだと考えます。この2点についてお考えを教えていただければと思います。
以上です。
○尾形座長 それでは、2点御質問ですので、事務局からお願いいたします。
○中村災害等緊急時医療・周産期医療等対策室長 事務局でございます。まず最初の出生数が非常に速いペースで減少しているということに対してでございますけれども、今回我々が論点として示させていただきました20ページの2つ目のポツでございますが、現在のデータですと、周産期医療に携わる医師の時間外労働が長時間である割合が高いというようなことを踏まえますと、出生数が減少している中でも、しっかり養成を進めていくのはどうかということで我々としては今考えているところでございます。
2つ目の名称変更についてでございますけれども、こちらは名称をどのような形にするかということを検討させていただきたいと思います。
○尾形座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村構成員 前者のほうですけれども、今、産婦人科に携わるお医者さんが足りないということは、全くそのとおりだと思うのですが、将来15年ぐらいかかると考えていたのが7年ぐらいで達成されそうだという状況がありますので、前回の計画をつくったときに比べて随分状況が変わってきていると思うのです。だから、今足りないから増やすべきだということそのものは賛成なのですが、スピードアップしているということに対しての対策が必要だということをぜひ念頭に置いていただきたいという趣旨です。意見ということでお聞きいただければと思います。
以上です。
○尾形座長 それでは、御意見として承っておきます。
それでは、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 示された2つの論点については、必要なことであり、異論はございませんが、先ほど小熊構成員も少し述べられておりましたけれども、地域で医師確保の議論を行うと、診療科の話題は必ず出てきます。示された11ページの資料にあるとおり、背景ですね。診療科と疾病・診療行為との関係など、難しい課題があるというのは理解をしておりますが、政策医療の観点から必要な診療科の検討については、ぜひ進めていただきたいと思います。
また、全国的に増加しております医療的ケア児への対応を担う小児会医についても、第8次医療計画の小児医療分野で医療的ケアについても盛り込まれる方向で議論が進められているところであり、論点の1つかなと考えております。
私からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 ありがとうございます。論点については異論はないのですが、18ページのデータについて少し指摘をしてみたいと思うのですが、四病院団体協議会のほうから産婦人科の日当直の関連で要望書を出したこともあるのですが、18ページの左の図を見ると、確かに周産期センターより一般病院が長いということは、右下のグラフから一般病院の非常勤の医師とか常勤数の少なさから、これは当然長くなるだろうと思うのですが、これをもう少し深く、日当直あるいは分娩の回数といったカテゴリー別にこの時間外のどうして長くなっているかというところの解析、分析をしていただけないかなと。これは将来、医師の働き方改革にもつながってきますので、地域の産科医療を確保するためにどのような医師数が適正かということにもつながってまいりますので、時間外の在院時間で、例えば左でいきますと一般病院で1,920時間、そのうち外勤先で1,008時間となっておりますが、この内訳ですね。例えば日当直でどのぐらい、分娩で回数をどのぐらいやったかというような解析とかがもう少し分かれば、その地域の医療の本当の本質的なところというか、分析する資料の役に立つのではないかなと思いますので、そういったお考えは事務局のほうにおありでしょうか。そのことをちょっとお尋ねしたいと思いまして、質問させていただきました。
以上です。
○尾形座長 御確認ですので、これはどうなのでしょうか。これ以上の分析ができるのかということですが、事務局、いかがでしょう。
○中村災害等緊急時医療・周産期医療等対策室長 ありがとうございます。今まさに地域医療において働き方改革、どのような影響を及ぼすかということについては、どのような調査ができるかということも含めて随時検討はしてまいりますので、引き続き、いただいた御意見も踏まえて検討してまいりたいと考えております。
○岡留構成員 よろしくお願いいたします。
○尾形座長 よろしいですか。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 皆様と同様に、今回の論点に挙げていただいたところは、もうまさにこのとおりということで、しっかりと必要数を把握するということが、何名育成するとか、どこの地域にどれだけということを決めていくために必要ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
私からの御質問は、岡留構成員の質問と似ております。18ページを見ていただいて、いわゆる自病院内と、あとは外勤先での労働時間ということ。それで、非常勤医師を雇用している施設が非常に多く、これは地域で自病院のみならず他病院まで出かけていってしっかりと周産期医療を守っているという状況を表していると理解していて、私が所属している地域でも各病院、総合周産期、地域周産期等々が非常に協力しながらやっているということですので、要望としては、やはりそのような連携をしっかり取っていただきたいし、厚生労働省のほうでどのような連携がどのように取られているかということを把握していただきたいということがございますが、一方、今の働き方改革が進んでいきますと、他病院に出かけて外勤で産直なり当直するということが今後は多分困難になっていくわけですね。つまり、当直すれば翌日働けないということになれば、他病院の当直をすれば自病院で働かないということを指すわけで、そういうことは成り立たないわけなので、宿日直許可を取ればいいといっても、非常に出産が多いところであれば、それは成り立たない。トラブル妊娠が多いところではなかなか宿日直許可を取れないということで、そういう形で今皆さん申請等で非常に苦労しつつ、これが本格的になったら厳しいのではないかなと思っていますので、そういう状況を考慮したような資料もぜひ提出いただきたいということで、これもちょっと要望になります。
最後ですけれども、新生児医療というところも結局データがそろわないと、どのように医師を確保するかということはそろわないと思うのですけれど、NICUというのは、前回の第8次医療計画の本会のほうでもお話ししたのですけれども、各地方の中核病院ですらNICUのドクターを確実に確保するのは厳しい状況で、集約ということを含め、医師を確実に確保していかないと、1人辞められたら崩壊する病院が全国に何個あるのだろうというようなことを私は実感として感じていますので、本当にこの輪切りのデータだけでなく、経時的にどう変わっていっているのかということも、NICUについてはぜひ提出していただいて、今後の問題点について検討いただきたいと考えております。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。御要望として承りたいと思います。
それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。今、大屋構成員、岡留構成員が言われたこととダブるところがあるわけですけれども、18ページの右のグラフを見ますと、これは圧倒的にお産の数だけからいくと、一般病院が多いということが分かりなのだろうと思います。そういう中で今回、実際に分娩を取り扱う産科医師での偏在指標を用いるのを出すということですので、地域偏在かなり数がはっきり出てくるのだろうと思いますが、そういう中で一般病院が今後どれぐらいの体制で医師を確保すれば続けられるか。先ほど大屋構成員がおっしゃいましたように、非常勤医師でかなりカバーされている面がありますから、実際に常勤医だけでやるとなると最低3人、多ければ5人ぐらいの体制を組まないと、多分では体制運営はできないと思います。
そういう中で、今後、産科医の必要数がこの分娩数から出てきたら、各都道府県がより具体的に、どうやって増やしていくかということに本格的に取り組まないと多分この産科医療、周産期医療は大変な状況になっていくのだろうと思います。ので、ぜひそこら辺を具体的に各都道府県に、好事例を示すだけではなくて、実現するための取り組み、やはりある程度の形をより明確に示していかなくてはいけないのではないかと思います。ので、よろしくお願いしたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。伊藤です。もう既に岡留構成員、大屋構成員からお話がありましたけれども、今回12ページに示されております産科、小児科の偏在指標。実は偏在指標をこういう形で単独の科で切り分けられたの私は初めて見たのですが、前々回もこの偏在指標の問題点、つまりそれは診療所であるか、病院であるかということ、あるいは診療科ごとにどうであるかということも示してほしいという要望が出たところでありますけれども、今回それが産科、小児科として切り分けられて出たこと、これは大変評価をすべきことかなと思っています。
ほとんど御指摘をいただいたところなのですが、産科の特に分娩の問題と、ICUを含めた小児科に関しては、基本的には病院の問題だろうと考えておりまして、その中で必要な人員について協議するとなりますと、いわゆる偏在指標のデータだけで見ると、なかなか現実が見えてこないところがあろうかと思います。
今回は、特に日常的に分娩を取り扱うという要素が出てきたのは非常に新しい切り口で、よろしいかと思うわけでありますが、さらに、病院ということに限定してお話をさせていただければ、当直のような夜間の業務をどう行っているかによって、そこに必要とされる医師の数は変わってくるわけでして、18ページの時間外勤務、外勤先の労働時間ということになりますと、これはいわゆる夜間の業務に対しての支援が非常に大きなものを占めていると思うわけです。極論をすれば病院における必要な医師の数は、夜間の業務、当直が可能な医師の数ということになろうと考えているところでございまして、夜勤ができるような体制を取れる医師の数を先ほどの医師偏在指標の中に何らかの形で反映できることが今後の医師の需給に関して非常に重要なお話になってくると思います。
岡留構成員から御指摘がございましたけれども、今後の働き方改革で、夜勤の状況というのは必要医師数を大きく左右することになりますので、夜勤の実態に関して何らかの指標を医師の需給計画の中に取り入れていただくことが可能かどうかということをお尋ね申し上げたいと思います。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。事務局でございます。今いただきました御質問は、偏在指標等に関しまして、夜勤の医師の偏在指標等をつくることができないかといった趣旨の御質問だったかと認識しております。また、専門家の御質問もあったと思いますが、夜勤に関しまして、特に分子側の医師の数の把握というのも非常に難しいところ。特に今、様々な構成員から御説明がございました夜勤の中の種類におきましては、例えば小児科の医師の夜勤であったりとか、あとはお産を取るための夜勤であったり様々な形の夜勤がございます。
一方で、分母側の患者さんの需給に関しましても様々なデータがございます。1つの科を受診するだけではなくて、他科に関わっている需給というのもございますので、分子、分母ともなかなか偏在指標を示すのは難しいのではないかと考えております。そういったものも、偏在指標をお示しするのはなかなか難しいと思いますけれども、違う観点で、例えば医師数であったりそういったものをお示しすることができないかというところも含めて、また、可能かどうかというところも含めて考えてまいりたいと思いますが、偏在指標等に関しては、なかなか難しいところではないかなと考えております。
以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございます。ここで示すのが厳しいということであれば、それだけ別立てのデータとして取り上げていただくことが可能かどうかということも含めて御検討いただきたいのと、例えば、データで言えば、その地域毎における医師1人当たりの分娩取扱件数なども重要なデータになると考えております。そういうことも含めて御検討いただければと思います。よろしくお願いいたします。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。皆様のお話を聞いていてつくづく思ったのですが、今、働き方改革のことが議論されていて、そこでの問題は、救急もしかりなのですけれども、産科の問題が非常に大きくなっております。ここで見ると確かに出生数は減っているのですけれども、それが減っていても、高齢出産、ハイリスク出産、合併症等々は増え続けるわけです。そうすると、そこでの医師の役割、それからNICUの役割は増えていくわけですね。そうすると、産科医師の勤務時間というのは本当に働き方のほうではどうやったら解決できるか分からないところまで来ていますので、ぜひここでこういう議論をもう少しまとめていただいて、働き方改革のほうにそれを御提示いただいて、これはもう無理なのだということを示していただけたらと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。ほかに特に御意見御質問がなければ、本件は以上としたいと思います。
3つ目のパートに進みたいと思います。「医師確保計画の効果の測定・評価」という部分ですが、まずこの部分につきましても、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 事務局でございます。21ページから御説明申し上げたいと思います。「医師確保計画の効果の測定・評価」といったところでございます。
1ページをおめくりいただきたいと思います。こちらには国で示しております定義、ガイドラインを記載してございます。特に注目していただきたいポイントでございますけれども、矢印の下の下線が引いてあるところでございます。まず評価に当たりましては、最新データによる医師偏在指標(第7次医師確保計画終了時における医師偏在指標の見込みを算出)というものと、第7次医師確保計画の目標医師数を達成した場合の医師偏在指標との比較をすることとなっております。つまり、最新の三師統計のデータ等を用いまして、新しい偏在指標をまずは算出することと、あとは目標としている偏在指標、その差がどれぐらいになっているかを示すといったところが評価になってございます。
2つ目のポツでございますけれども、ガイドラインに関しましては、そのほかに都道府県では、評価を行う際に以下の状況等の把握が必要とされていると書いてございまして、3つの丸を記載してございます。1つ目の丸は、都道府県で都道府県内外の医師の流出・流入について把握をするということを記載してございます。2つ目のポツでございますけれども、地域枠の医師の義務の履行率、定着率及び派遣先の把握をすること。3つ目でございますけれども、これもなかなか把握が困難な内容でございますが、非常勤医師の派遣等の取組に関して医療機関等からの聞き取りを行うなど、既存の統計調査ではなかなか把握が難しいことに関して、可能な限り把握することといったような内容になってございます。
23ページ、24ページを御覧いただきたいと思います。まず23ページでございますけれども、医師確保計画の効果測定に対する課題でございます。23ページに書いてございますのは偏在指標に関する課題でございます。課題の中の1ポツ目を御覧になっていただきたいと思います。医師確保計画の効果の測定に用いる活用可能な最新データが、医師確保計画開始9か月後である2020年、令和2年12月末の医師数のデータとなるため、今回の医師確保計画に関しまして、都道府県の医師確保の施策の効果を十分に測定しているとは言えないと書いてございます。
下の枠でございますけれども、スケジュールのところを御覧になっていただきたいと思います。偏在指標を策定するためには三師統計の調査が必要となってまいります。2020年、2022年と2年に1度、三師統計が行われているところでございますけれども、最新のデータと申しますのが、2020年の確保計画が開始されてから9か月後の12月のデータが最も新しいデータとなっております。理由といたしましては、三師統計は12月に行われまして、公表されるのがその次の年、21年12月となっておりまして、公表に関しましては今回、3月下旬になったということでございます。では、2022年の三師統計が使えないかということでございますけれども、2022年12月に調査が行われまして、23年12月以降にデータが発表されるといったところでございますので、偏在指標を示すにはかなり期間が短くなるところでございまして、実際に使えるのは2020年の三師統計といったところでございます。これ以降の8次(前期)の医師確保計画でも同じことが言えるといったところが課題となっております。そういったところが、まず1つ目の偏在指標の一番大きな論点として記載している内容でございます。
次に24ページを御覧になっていただきたいと思います。これは2つ目のポツの3つの丸の内容をお示ししている課題でございます。課題といたしましては、マル1、マル2、マル3といったところでグラフをお示ししておりますけれども、これは47都道府県に3つの項目につきまして御質問して回答いただいている内容でございます。マル1のグラフを御覧になっていただきますと、県外からの医師の流入または流出に関しまして、把握しているところが水色、令和5年度に把握する予定が赤色、把握する予定なしがねずみ色でございますけれども、約38%、18県で把握する予定がないといったデータになっております。2つ目の地域枠の医師の義務履行率等に関しましては、把握している、令和5年度に把握する予定というところが100%となっておりますので、これはしっかりと把握していただいているところでございますけれども、3つ目の非常勤医師の派遣等に対しての聞き取りに関しましては、把握する予定がないといったところが20件、43%となっております。
理由は下の四角にお示ししてございますけれども、把握方法が分からない、把握が難しい、一部は把握しているものの全体のデータがない等の御意見をいただいているところでございます。
続きまして、25ページを御覧になっていただきたいと思います。以前から偏在指標に関しましては推計ができないかといったところで、厚生労働省の科学研究におきましても、三師統計の2年ごとに実施される医師数に関しまして、間の1年に関しまして推計ができないかということで研究を重ねていただいております。その結果が今回お示しいたします25ページでございます。
平成30年と令和2年の推計をそれぞれお示ししているところでございますけれども、右側の令和2年の推計の右下のところを御覧になっていただきたいと思いますが、これは実際に令和2年に届出された医師数と令和2年の推計値の差をお示ししておりますが、マイナス4,128ということで、かなり大きな差を認めているところでございます。これは検討されている研究班の先生方ともいろいろ議論をさせていただいたところでございますけれども、上の枠の2つ目のポツにも書いてございますように、このような推計ロジックを用いて推計をするのに関しましては、かなりこのロジックの推計医師数の活用は誤差が大きいところでございますので、活用に関しましてはかなり慎重な検討が必要ということで、なかなか実用するのは難しいのではないかといった御意見をいただいているところでございます。
続きまして、26ページと27ページでございます。といいましても、実際に効果を判定するためには医師数の把握が必要ということで、様々な検討をしてまいりました。こちらでお示ししておりますのが病床機能報告に対する医師の数、こういったもので医師数の増減を把握することができるのではないかという御提案でございます。
病床機能報告は、ご存知のとおり、一般病床と療養病床等の医師数でございまして、精神科の医師でございましたり無床診療所の医師は入っていないところではございますけれども、実際に26ページでお示ししますとおり、例えば医師少数区域であったり中程度区域、多数区域の年次ごとの医師の増減も把握することができますし、27ページはある都道府県を例示しているところでございますけれども、都道府県別の医師の増減をお示しすることも可能な上に、二次医療圏別に見た医師数の増減、変化というのも把握することができます。三師統計にて推計が難しいといったところでございましたけれども、こういう別の統計等を用いて評価するといったところも、今後していくことが可能ではないかといった御提案で26ページ、27ページをお示しさせていただいております。
28ページは論点でございます。医師確保計画の効果の測定・評価に関しましては、第8次(前期)医師確保計画に関しましては、第7次医師確保計画の評価の結果を記載することとなりますが、現ガイドラインを踏まえた効果の測定・評価では、計画終了時の医師偏在指標の見込みの算出が困難であると考えられております。ですので、今後実施する医師確保計画の効果測定評価に当たりましては、今回、後ほど参考資料2でお示しするような各都道府県の評価・測定方法の好事例等を横展開することで具体的に都道府県の皆様にデータの集約方法などを周知しつつ、病床機能報告等の都道府県が活用可能なデータ等を把握して使っていただくことで、医師確保計画に記載してある各施策の効果を評価することとしてはどうかというのが論点でございます。
あと、今申し上げました参考資料2でございますけれども、こちらが今回、好事例として北海道のほうから賜りました医師確保計画の推進状況でございます。1枚おめくりいただきまして、2ページでございますけれども、様々な取組状況を都道府県単位で書いてございます。また、3ページ以降に関しましては、北海道全体の医師確保計画に関しましたり、あとは二次医療圏の医師偏在の是正に対する各施策の内容を書いてございます。
4ページ以降を御覧になっていただきますと、左から計画の内容、実際の令和3年度の取組の状況、令和2年度に関しましては具体的な医師数等を示して、実績などを示されているところでございます。このような取組方法であったり取組内容、実績をお示しする手法を、ガイドラインも含めまして様々に横展開いたしまして、実施可能な方法で皆様にこういった施策についての取組の評価を行っていただくことを考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御質問、御意見等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。ちょっと教えていただきたいのですけれども、25ページの三師統計で推計と届出医師数の誤差があるということを言っているのですが、これは何を推計しているのでしょうか。むしろ届出数をそのまま計算すればいいだけではないかと思うのですけれども、まずそれを1つ教えてください。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 ありがとうございます。25ページに記載してございます2ポツ目でございます。2018年と2020年と書いてございますけど、過去2回の三師統計の医師指数の増減をロジックに組みまして、その中で例えば次の2年後の数がどれぐらいになるかというのを、同じような増減をするという予想の下に計算をして立てているのがこの推計値でございます。令和2年度に出された医師数というのが実際の届出数となっておりますので、過去2回の推計値から出される増減と、実際に出された数の増減との差を見ているという内容になっております。
以上でございます。
○猪口構成員 だとすると、推計値を使わずに、実際に出た数値から統計を取り、医師の偏在、科の偏在、それから勤務場所等々をちゃんとしたデータにしたほうがずっと価値があるので、推計をする必要はないのではないかと思います。
それから、最後に28ページの手前の病床機能報告ですけれども、病床機能報告の病院単位の医師数は分かると思いますが、この場合の診療所との対比とか、そういうことは多分病床機能報告では分からないはずですので、病院の数だけを見て、それで医師の数をそこも推計するというのもちょっとおかしいのではないか。せっかく三師調査でかなり細かいことが出ているのに、どうしてその実数を使わないのかということを非常に疑問に思いますが、いかがでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。23ページにお示ししておりますが、先生の御指摘のとおり診療科であったり、精緻なデータが出る三師統計を用いることが最も好ましいところでございます。これは実際に様々な議論をされた中で、偏在指標を計算するときに三師統計を用いるとなった議論の根本であると理解しております。
ただ、実際に評価の測定をするに当たりましては、最新のデータというものが、例えば第7次医師確保計画の中では、2020年の三師統計のものが最新のデータとなってしまうということで、2020年から2023年まで4年かけて医師確保計画を遂行されているところでございますので、少しでも、一年でも23年に近いデータを使って、実際に医師がどれぐらい確保されたかを調べていただきたいというところでございます。さらに、2022年の三師統計も使えるめどが立てばいいところでございますけれども、実際に公表されるのが2023年12月以降で、2023年には医師確保計画の次のものをつくらないといけないところでございますので、この年度内に三師統計が公表されるかどうかもなかなか難しいところでございますので、三師統計の最新のもの、2022年のものを使えない状況、2020年の三師統計しか使えないというところも考えると、別の医師数を把握するといったところの代替案、一助となるものも活用していくべきではないかというのが今回の我々の御提案でございます。
○猪口構成員 分かりますけれども、それこそICTをもう少し駆使して早く結論を出すだけでよろしいのではないかと思います。
以上です。
○尾形座長 後半の部分はどうですか。病床機能報告だと診療所のほうのデータはないのではないかというお話ですが。
○守川地域医療構想推進専門官 御指摘ありがとうございます。御指摘のとおり、病床機能報告に関しましては無床診療所等が入っていない、専門家が入っていないところでございます。これらの統計の数字でございますけれども、全てを網羅していて、翌年にはすぐ分かるようなデータが現時点ではございませんので、様々な統計を活用しながら、今後出てくる数字を活用しながら、また都道府県で独自に調べていただいております取組で医師数を確保していただいているところもございますので、そういった複合的なデータを活用することによって、専門家であったりとか、そういった医師数の把握をしていただきたいと思っております。
国としても、様々な統計がございますので、どのようにすれば早く見ていただけるようになるのか、例えば病床機能報告であっても病院ごとの医師数しか分からないという御指摘でございますけれども、もっとほかに活用できるデータがないかといったところは、いろいろ検討してまいりたいと考えております。
○尾形座長 よろしいですか。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 数字を確定しつつ、それを評価するのは非常に重要なことなので、ぜひここをしっかり進めていただきたいということなのですが、先ほどから猪口構成員も言われたのですけれども、三師統計の結果が出るのに1年以上かかるというのを確定事項のように言われているところで、DX推進ということになっていますので、しっかりと、そこはもっと早く出すというほうに力を入れていただけたらなと。いろいろ御事情があるとは思いますけれども、これが1年以上かかるのをデフォルトとするのはちょっといかがなものかなと思ったもので、応援を含めまして、ぜひそれを御検討ください。
これも守川専門官が言われたことですけれども、なかなかその中で、少なくとも病床機能報告を使った際の医師数の変化ということは、ある程度目的を絞れば非常に役に立つものではないかなと思っています。特に病院というところが今後の働き方改革においては、もちろん例外等もございますけれども、主に病院の医師の働き方に大きな問題があるというところで、その数をどうするかというところで、これは非常に重要かと思います。
ただ、ちょっと教えていただきたいのは、常勤医師と非常勤医師等がいると思いますので、私は自分で病床機能報告を入力したことないので分からないのですが、非常勤医師の取扱いがどうなっているのかとか、非常勤医師の中でも週に3日働いている人と1日しか働いていない医師が同等に入っているのではないかなと思ったり、外部から外勤として当直に来ているような人の取扱いを間違えるとダブルでカウントされたりするのではないかなと思うのですが、そこがどうなっているかというのが御質問になります。最初のほうは要望で、2つ目については質問となります。よろしくお願いします。
○尾形座長 それでは、2点目は御質問ですので、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。病床機能報告の常勤、非常勤の分類等が可能かという御質問だったかと認識しております。病床機能報告に関しましては、病院全体とはなりますけれども、常勤医と非常勤医の分類がございまして、そういったデータをお示しされているところでございます。また、何時間働いているかといった精緻なデータに関しましては、そこまでは示されていないものと認識しております。
以上でございます。
○大屋構成員 その際に、やはり週に1回働いている人と週に4日間働いている人、両方とも非常勤なのですよね。さらに、研修医というのは非常勤扱いだったりもするので、結構大きな意味があったりするけれども、それを全部取りまとめて非常勤でというのは、どのように処理されているのかなというところで、御回答はいいのですけれども、そういうのは撹乱因子だなと思いました。
あと、外勤の当直医とかいうところは非常勤医で入ってくるのですよね。そうすると、自病院で働いている1人であり、他病院に外勤で行って当直すれば非常勤でダブルカウントになっているということで理解してよろしいでしょうか。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。今のロジックでございますと、おっしゃるとおり、病院に勤務している常勤医、非常勤医というものを時間に分けずにカウントしているところでございますので、自院でどれぐらい働いているか、他病院でどれぐらい働いているかといったところに関しましては、カウントが交差している、ダブルカウントになっているところがあると認識しております。
○大屋構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 では、医事課長、どうぞ。
○山本医事課長 医事課長でございます。三師調査のオンライン化の取組状況について1点御報告というか、御説明させていただければと思っております。御指摘のとおり、三師統計のオンライン化は重要だと思っておりまして、次回の調査からオンライン化を進めていくこととしております。しかし、一部紙でのものも残りながら、一律オンラインにすることが難しい部分もありますので、そうした状況ではございます。
いずれしても、政府全体の取組の中でオンライン化を進めてはおります。しかし、先ほどお話しさせていただいたとおりで、一部紙が残るので、次回からすぐに早く出るかというと、そうしたことは難しい面もあると思っておりますけれども、全体としては取組を進めているということでございます。
以上でございます。
○尾形座長 どうぞ、事務局。
○守川地域医療構想推進専門官 事務局から一部訂正をさせていただきたいと思います。病床機能報告に関してでございますが、何時間といったところまでというのを私はお話しさせていただいたのですけれども、週何回といったところに関しましてはデータが出されているところでございまして、例えば5日働く中で1日だけという場合に関しましては、0.2とかいった数字で病床機能報告では非常勤の登録がされているところでございます。
以上でございます。
○大屋構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今村です。今まで御指摘いただいた内容と論点はかぶるのですが、ちょっと観点が違うと思いますので、質問も兼ねて意見を言わせていただきます。
まず、病床機能報告を速報値として使うということは、私は賛成です。三師調査は2年に一遍ということで、早い数字として出てくるものを参考にするということはとてもいいことだと思います。ただ、先ほどから議論がありますように、病床機能報告は病院のドクターの数だということで、三師調査の数と全く違うということは留意が必要ですし、何といっても三師調査のほうは医師居住地なのですね。病院の報告のほうは病院所在地ですので、違うものを見ているということはぜひ留意してもらう必要があるし、資料にもちゃんと明記してもらったほうがいいと思うのです。ですので、今まで私は居住地と病院所在地で比較もしてきていますけれども、やはり随分結果が違います。実際、奈良医大だけで見ても、大阪から勤務している方はたくさんおられますので、全く違う数字になる可能性があります。特に二次医療圏で見た場合には、同じ二次医療圏に住んでいる可能性さえも低いという状況がありますので、そういったところについては、ぜひ今後の資料にもそこは明記をしてもらいたいということで、そのお考えについてはぜひ教えてもらいたいと思います。
あと2つですけれども、2点目、25ページの医師数の推計、推計結果が外れているというのに驚きました。先ほど猪口構成員からも御指摘がありましたけれども、私は10年ほど前までこの推計を研究班でやっておりましたので、これは各都道府県別にドクターが異動されるのです。ですから、年齢階級別に各都道府県にどれだけの割合でどこへ異動したかというのを掛け合わせて、その異動を推計するのを加味しなければいけないのです。新規で養成される数よりも異動される数のほうがずっと大きいので、それを推計する。10年規模で見たら全く当たらないので、やはり直近2年ぐらいで見ないと当たらないですよねということで今まで来ていたのですけれども、直近で見たらこんなに外れるということは、2年に一遍ですけれども、毎年大きく医師の都道府県間の異動は動いている、変化しているということを意味していると思います。ですから、そのドラスティックな変化を過去の平均から推計するのには若干無理があるということを今回痛感いたしました。
それと3つ目、これも意見ですけれども、三師調査が早くできないかというとで、もう少し早くしてほしいと思っているのですが、私は今から30年ほど前に三師調査を担当していたことがございまして、三師調査の記入は非常に矛盾に満ちていて、その確認にとても時間がかかる。普通の調査よりもずっと時間がかかります。同じ先生から何枚も出てきたり、医師登録番号が違っていたり、明らかに矛盾の記録があったり、問合せ件数が最も多いということもあって、少ない数の調査票なのですけれども、集計に大変時間がかかる面があったということはぜひ情報としてお見知りおきいただきたいことと、やはりこれはドクターがきっちり書いていただければ、1人1枚書いていただけば早く集計できるものでもあると思いますので、ぜひ御留意いただければと思います。
1点だけ、最初の点だけ、今後考えていけるか回答をお願いします。
○尾形座長 ありがとうございます。それでは、1点目、医師の住所地と病院の所在地のずれの話ですが、いかがでしょうか。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきましてありがとうございます。三師統計の医師のデータに関しまして、居住地という御指摘がございました。一方で、我々のほうで認識しておりますのは主な診療先ということで、その診療先の登録といったところでデータが計算されているという認識でございましたので、そういったところを持ち帰ってしっかりと、どのようなものであるか精査させていただくとともに、どれぐらいの差があるかというのを含めて検討してまいりたいと思っております。ありがとうございます。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
○今村構成員 ありがとうございます。
○尾形座長 それでは、小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 ありがとうございます。小熊です。御説明いただいた資料の中で2点について、まずちょっと私の意見を言わせていただいて、それから、もう一つ意見を言わせていただきたいと思います。
26ページなのですけれども、医師数の把握ということで、医師少数区域と中程度と多数区域に分かれているのですが、これは単位が全く違うのですね。同じような右肩上がりになっていますけれども、左の少数区域では1目盛りが200人です。ところが、多数区域では1目盛りが5,000人です。ですから、実際にこの図表を同じ単位だと思って考えると、ちょっと問題が生じる可能性があると私は思いました。
先ほど申しましたけれども、200床未満の小さな病院では医師はほとんど増えておりません。いわゆる医師少数区域では増えていないのです。増えているのは中等程度以降ということで今のところお考えいただいて、少数区域にある地方の小さな病院を今後どう考えるかということが1つの大事なポイントだということをお伝えしたいと思います。
第2点は、参考資料2で北海道の話が出ました。私は北海道出身なものですからよく分かるのですけれども、北海道は21二次医療圏がありまして、そのうち医師が多いのは札幌圏と旭川圏の2つだけです。それ以外の6~8個は普通圏で、それ以外は全部少数圏です。ここにいろいろな説明が、道の取組も書いて、実際に私も北海道にいたときはやりました。行政と医師会と一緒になって、大学も含めてやりました。事実です。でも、効果が必ずしも出ていないのだということはお伝えしておきたいと思います。特に先ほど言いました少数圏においては、やはり出ていないのだ。ただ、少数圏というのは人口も減っていますから、今後どういう体制を取るかというのはまた別の論点ですけれども、必ずしも、先ほど出た地域枠を増やしたから少数圏にドクターが増えているのだよという結果は伴っていないということは御承知おきいただきたい。
次に申し上げるのは私の意見でございます。三師調査を含めて、それから医師の需給関係を含めて、厚労省の皆さんが一生懸命取り組まれているということは私も理解しております。ただ、さっき最初に申しましたように、医師の需要と供給というのは、やはり診療科の特殊性、専門性にもすごく影響される内容でございまして、例えば、さっきも言いましたけれども、循環器の医者がどれだけこの地域にいますといったって、血圧を測ったり、心臓の対策を立てたり、普通のと言ったら悪いですけれども、循環器一般を診る医者と、循環器で特殊な領域を担当する医者というのは全く別なのです。やはり医師の数の必要性を出す上では、そういうことを何とか捉えられないかと私は思っています。
消化器だって同じです。先ほど言いましたように内視鏡を使って物すごい検査をする医者と、普通の患者さんの一般的な診察をする消化器の医者は違うのです。そこをどう考えるかということをお考えいただきたい。
私が思っているのは、今思っていることで、これが正しいかどうか分かりません。専門学会に、ある特定の医療技術を習得しようとしたり、あるいは習得した医者というのは、専門医なり何とかなりに登録されていると思うのです。そういったものを活用して、今のような数に少しでも迫ることができないかなと私は考えております。ただ、非常に煩雑で難しいということは私も理解しておりますけれども、これからの医療の在り方を決めるには、そこまで踏み込んで推計、医師のニーズ、技術を評価していかないとならないのではないかと思っております。勝手なことばかり申し上げて恐縮ですが、こういう意見も持っているやつがいるのだということで御理解ください。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。貴重な御意見として承りたいと思います。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに特に御質問、御意見がないようですので、先に進みたいと思います。
最後の部分です。4番目のパートですが、「その他」ということです。この部分につきまして、まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○佐々木医師養成等企画調整室長 それでは、「4.その他」について御説明申し上げます。
30ページをお開きいただければと思います。こちらは医師確保に関する施策について現状を記載しております。まず、このガイドライン上ではどのように記載されているかと申しますと、1ポツ目にございますように、医師多数都道府県や医師多数区域の医療機関においては、医師少数都道府県や医師少数区域への医師の派遣等の支援に努めること。また、医師多数都道府県や医師多数区域を含む都道府県については、そのような取組を推進する環境の整備を進めることとなっております。また、厚生労働省としても必要な支援を行っていくこととなっております。
さらに、3ポツ目になりますけれども、医師の派遣調整の対象となる医師について記載されております。こちらは具体的には地域枠医師を中心とした、キャリア形成プログラムの適用を受ける医師とすると記載されています。また一方で、派遣の対象とならない、キャリア形成プログラムの適用を受けないような医師の派遣につきましても、各都道府県や二次医療圏の技師確保の方針に沿ったものとなるよう、多くの医師を派遣している大学や大学病院等の医療機関に対して、医師確保における現状の課題と対策を共有しなければならないというようになっております。
また、都道府県外の大学、医学部に対して寄附講座を設置することも有用な施策であるというように現状のガイドラインでは記載してございます。
次の四角には、派遣の調整対象とならないような医師の派遣についてはどのようになるかということについて記載しておりますけれども、地域医療介護総合確保基金の区分4におきまして、寄附講座を設置可能としており、現状、12県、28講座が設置されていると承知しております。また、寄附講座以外につきましても、都道府県におきましては、例えばドクターバンク事業によって47名の医師が派遣されているという現状がございます。
そのほか医師確保に関する取組といたしましては、一番下に書いてございますけれども、専門研修において令和2年度より連携プログラムを設置しておりまして、研修期間のうち1年6か月以上シーリング対象外の都道府県で研修を行うような取組も実施してございます。
次のページに行っていただきまして、こちらは前々回のワーキングでお示しした資料でございますけれども、地域医療対策協議会における医師派遣の実績がどのようになっているかというような資料でございます。下の円グラフを見ていただくと分かりますように、医師派遣された対象の多くは、修学資金貸付対象医師、つまり先ほど申し上げましたキャリア形成プログラム対象医師となっております。ただ一方で、それ以外の派遣調整の対象外の医師につきましては193名が地域対策協議会において医師派遣されているというような現状がございます。
1ページおめくりいただきまして、こちらは各都道府県における医師確保・派遣のための具体的な取組についてヒアリングした内容を示しております。まず、自県における医師確保の取組といたしましては304件ございまして、その中で例えば一番上にありますように、県内の病院内の勤務を希望する医師を登録して紹介・あっせんを行ったり、2ポツ目にありますように、県内に従事する専攻医を確保するため、新たに指導医を招聘するといったような取組をしていただいております。
次のページに行っていただきまして、こちらも同様の都道府県における医師確保・派遣のための取組でございますけれども、下の丸にございますように、他県からの県またぎによる医師確保の取組も各都道府県においてしていただいております。具体的には、例えば1ポツ目にありますように、医師が不足する地域の病院を支援するために、大学を拠点として県外からの医師の招聘を行っているだとか、下から2つ目のポツにありますように、全国の医学生を対象に、県内の臨床研修病院の合同説明会を開催しているような県もございます。
こういった状況を踏まえまして、医師確保の取組に関する論点を2つ挙げさせていただいております。1つ目につきましては、医師の派遣調査の対象となる医師につきましては、現状、地域枠医師が中心でございますけれども、対象となる医師を確保するにはかなり時間を要します。そのため、短期的に派遣対象となる医師を確保するための施策も重要ではないかと考えております。例えば現状の先ほどお示ししましたような基金を活用した寄附講座の活用や、あとは県外からの医師の招聘を進めることが考えられるのではないかと。
2ポツ目といたしまして、そういった寄附講座や県外からの医師の招聘を行う際には、専門研修等における地域の医師確保に関する取組と既存の施策との組合せも有効と考えられるのではないかと考えてございます。
続きまして、子育て支援についても御説明させていただければと思います。35ページを見ていただければと思います。現状、子育て支援につきましては、ガイドライン上、医師少数区域の医療機関における勤務環境の改善が必須と記載されておりまして、その中で、産科及び小児科に限った記載といたしまして、女性医師への支援というような記載がございます。具体的には、例えば時短勤務等の柔軟な勤務体制の整備や、院内保育、病児保育施設、学童施設やベビーシッターの充実など、女性医師に限らず、子育てや介護を行う医師へも同様の配慮が必要であるというような記載がされてございます。
また、働き方改革関連法案に対する附帯決議におきましても、仕事と出産・子育てを両立できる働きやすい環境を整備することが重要であると記載されております。
また、一番下に記載しておりますのは、現状の子育て支援・女性医師の就業率でございますけれども、1ポツ目にございますように、院内保育につきましては、近年増加傾向にありますけれども、施設数といたしましては8,238施設中3,635施設、44.1%となっております。また、子育て世代の女性医師就業率につきましては、38歳頃で最低値となり、その後、復職により回復する傾向がございます。
この現状につきまして、次のページで表にして示しております。こちらは院内保育を実施している施設のサービスの利用状況を示しておりますけれども、平成23年度につきましては、表の一番上にありますが、院内保育を実施している施設が38.5%ございました。その後、徐々に増加して、令和2年度には3,635施設、44.1%において院内保育が実施されるようになっております。
また、次のページをおめくりいただきまして、医籍登録後年数別の就業率についても記載してございます。こちらは男女別の就業率を示しておりまして、女性につきましては、先ほど申し上げましたように、医籍登録後、徐々に就業率が低下いたしまして、登録後12年、38歳頃に最も就業率が低くなり、その後を徐々に回復するというような傾向が見てとれます。
こういった状況を踏まえまして、論点として2つ挙げてございます。38ページを御覧いただければと思います。女性医師就業率につきましては、子育て世代において低下しておりますことから、子育て世代の医師に対する取組を進めてくことが重要ではないかと考えております。例えば、産科及び小児科における子育て支援に関わる取組といたしまして、時短勤務など柔軟な勤務体制の整備や院内保育の充実などについて記載しておりますけれども、こういったことにつきましては、産科及び小児科に限らず、関係者の意識改革等を通じて子育て世代の医師への取組として支援することが重要ではないかと考えております。
また、医療機関が新たな取組を行う際に、子育て世代の医療職支援の先駆的な取組を行う医療機関に必要経費を補助する子育て世代の医療職支援事業を活用するということもございまして、そういった場合に、単一の医療機関でそういった取組を行うだけでなく、地域の関係者が連携することが有効ではないかと考えてございます。こういったことにつきまして、御意見、御議論をいただければと思っております。
論点の2ポツ目に関しまして、参考資料3を御覧いただければと思います。参考資料3は、先ほど申し上げました子育て世代の医療職支援事業の一環として広島県が行っていただいている取組になります。参考資料3の表ページにございますけれども、女性の医師が例えば復職相談やキャリア相談をする場合に、現状、広島県では、広島県医師会の女性医師部会、広島大学病院の女性医師支援センター、またさらに広島県の地域医療支援センターで相談窓口を設置しております。こういった窓口にかかってきた相談につきましては、広島三本の矢と真ん中に書いておりますけれども、この3つのセンターが相互に情報共有し、必要な際には、下の広島県女性医師支援総合会議と、こちらは広島県医師会、大学病院、広島県、あと県内の人事担当者等の関係者が関連したステークホルダーか会議を行っているものですけれども、そちらに案件を上げまして、マッチング等の調整を行っているというような好事例でもございますので、御紹介させていただければと思います。
事務局からは以上になります。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 まず最初のその他の論点の部分、寄附講座につきましては、引き続き基金で対応をお願いしたいと考えております。
県内からの医師招聘の取組については、資料の32ページに示されておりますように、医師少数県を中心に専門部署を設置いたしまして、多くの自治体で取り組んでいますが、各都道府県単独の取組ではやはり限界があります。医師の都道府県間の偏在の解消に向けまして、平成30年の医療法改正で導入されました医師少数区域等で勤務した医師を厚生労働大臣が評価・認定する制度を活用した偏在対策など、実効性のある全国的かつ広域的な医師の配置調整の取組について、国の役割を大いに期待するところであります。
子育て医師支援につきましては、示された論点は重要と認識をしております。岩手県でも、県立病院に勤務する女性医師を支援する岩手JOYサポートプロジェクトを立ち上げまして、通常は就学前までとされている育児短時間勤務を小学6年生の12歳まで拡大するなどの取組を行っておりますが、国でも今回御紹介いただいた広島県の事例のような好事例の紹介など、横展開を図っていただければと考えております。
私からは以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。伊藤でございます。
まず1点が、寄附講座が有効であるというようなことでお話をされているわけでありますけれども、12県の28講座を置くことによって医師の確保に対してどれぐらい実績があるかということを把握しておいでになるかということと、この実績について何らか全国的なデータとして公表されているかということが1点目、質問でございます。
2点目でございますが、37ページで御説明いただきましたライフサイクルによる就業率の変化でございますが、就業10年ほどのところでM型の最低の値になるというデータが示されております。これはもともと全医師の男女比のデータとしては大体80対20で男性が多いということなのですが、現状として35歳未満の男女比としますと66対34となっています。それと、2018年の医学部大学の入学生の比率もほぼほぼ66対34と同じであることから、医師の不足という点でいうとM型の登録後12年から始まる就業率の低下について、この傾向は今後も持続すると考えることが正しいと思われます。
したがって、今回の医師の需給に関する対応策としても、女性医師の増加に伴うこの期間の、就業後12年から30年ほどの間の就業率の低下によって生じる差問題点を反映したものかどうかということを2点目の質問としてお尋ねしたいと思っております。
この2点について、まずお知らせいただければと思います。
○尾形座長 それでは、2点御質問ですので、事務局のほうからお答えをお願いいたします。1点目は寄附講座の実績ですね。
○佐々木医師養成等企画調整室長 まずは寄附講座の実績について、先ほど申し上げましたように12県、28講座というデータはございますけれども、それが具体的にどれだけの数かというデータにつきましては、現状、ないというような状況です。
もう1点の女性の就業率につきまして、これは全医師を反映したデータになっております。こちらはもしも私が質問の意図を取れていなければもう一度伺えればと思いますけれども、医籍登録後の年数の女性の就業率につきましては、全医師の就業率を反映したデータとなっております。
○伊藤構成員 ありがとうございます。1点目の寄附講座の件に関しましては、基金を使っての寄附講座がどれぐらい効果があったか、何人の医師を供給できたかというのは非常に重要なデータなので、これに関してはしっかりお調べいただいて公表いただきたいというのが要望でございます。
2点目ですが、私の質問の仕方が悪くて申し訳ございません。これはいわゆるパーセントで37ページに示されてはいるのですが、実際に女性医師の数としては大変増えているということが、先ほどデータで示されたところでございます。したがって、パーセントとしては76ですから、24%の低下ということになるのですが、医師の実数としては相当数減少するということが見込まれるわけで、それに対しての対応が組み入れられているかというのが質問の趣旨でございます。
それと、もう1点、先ほど質問をし損ねたのですけれども、広島の事例を見せていただいておりますが、これについても先ほどの寄附講座と同じでございますけれども、現実の数字、実績としてはどうなのかということと、この仕組みを取り入れる前と後にどんな変化があったかということを把握しておいでであれば教えていただきたい。
以上でございます。
○尾形座長 それでは、医事課長、どうぞ。
○山本医事課長 医事課長でございます。まさに今いただいた御指摘の趣旨を踏まえて、この医師確保計画で子育て医師の支援を取り上げさせていただいたところであります。女性医師が増えてくる中、子育ては様々なところで御指摘があるとおり女性医師だけがやるものではなくて、男性も含めて社会全体でというものとなっております。女性医師の割合が増えてくる中で、医師不足が指摘される中で、より一層取組を進めていく上で、都道府県にどういう取組をお願いしていくべきかを、ぜひここの場で御議論して、ガイドラインに盛り込ませていただければと思っております。
あと、広島の件は、これは速効性がありすぐ出るものと地道にやらないといけないものがありますので、取り込んだからすぐに効果が出るかという懸念もございますけれども、何かお示しできるものがあれば、準備をさせていただければとは思っております。以上でございます。
○尾形座長 よろしいですか、伊藤構成員。
○伊藤構成員 ありがとうございます。ぜひまたデータをそろえて教えていただければ、それを参考に改革を進めていきたいと思うのでお願いしたいのと、それから、子育てに関しましては、これをもって各自治体、各都道府県が対応するというよりは、医師全体の需給の計画の中に子育て支援の影響が織り込まれているかどうかということを御質問申し上げたので、ぜひこれを織り込んでいただきたいという要望でございます。
以上です。
○尾形座長 よろしいですか。医事課長。
○山本医事課長 医事課長でございます。恐らく、今日ここに提示をしていない需給推計のことを御指摘いただいているのではないかと思っております。詳細は手元にありませんけれども、その際には女性医師の割合を、直近のものだったと思うのですけれども、そうしたものを組み入れて、一定の仮定の下で需給推計はさせていただいております。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 御質問、コメントを申し上げる前に、私は大学、医学部長病院長会議ですので、また地域医療を担当していますので、多くの寄附講座の教員たちといろいろな仕事を一緒にさせていただいているので、少し個人的なコメントとして申し上げさせていただくと、寄附講座は主に都道府県がつくられていますので、その活動というのは、多くがこれまで出てきている医師確保対策、都道府県がやっているものを一緒に行う、それを推進するという形でやっていますので、寄附講座をつくったかどうかということの効果、その教員が何人医者をつくったかという効果は非常に出しにくいかなと。要するに複合的なもので、都道府県の実施している事業をどれだけ加速できるかというところですので、なかなか単独、それだけでの要因を抜き出すのは酷だし、そんな資料を出せと言われた人たちは少しかわいそうだなと感じました。
2点目ですけれども、これは今、伊藤構成員も言われたことと非常に近いのですけれども、広島県のこのような取組は、私も数年前にこのような取組の責任者をしたことがあるのですが、これは厚生労働省のほうからも回答があったように、即効性がないというところがありまして、何名、何名という実績を出すのは出すのですけれども、それはこのような取組ではなくても出たのかなとかいうふうな非常に難しいところがあります。
一方、このような取組がないと非常に社会として、女性医師を活用するという意識がないものと思われますし、実際問題、困る女性医師もたくさん出てくるので、これは最低限の保障であるということでの整備ということで、私の要望としては、本当にこれは最低限の保障としてこういう取組を、これは好事例ではなくて、どこの都道府県も実は、いろいろな地域でも類似のことはやっているはずなので、しっかりこれを取り組んでいただけるようにお願いし、広報していただければと思っています。
 
次に、私からの御質問になります。まずちょっと後ろからいきますけれど、37ページで見せていただいている、女性医師が10年目ぐらいに76%まで下がるというところで、これは正直、医師として一番活躍してくれる、それも救急や僻地や重症患者さんを診てくれるというときにこれが落ちるということは、医師確保という観点だけから見れば、非常に対応が必要なものとなってきます。女性医師支援の立場はいろいろな立場があろうとは思いますけれども、1つは、これの76%と落ちていくことをなるべく落とさせないというような施策なり、対応なり、事業なりが必要だということで今お話があったものと考えますので、それが1つ。
あともう一つは、1回落ちたものを上に上げるのですね。50歳ぐらいで徐々に上がっていきますけれども、これをもっと急激に上げることはできないのかと。これを上げるような施策というのは、今挙げられたような子育て支援のみではないと思うのですね。子供は大体育っていて、それでも戻ってきていないというところに関連しては、別の取組が必要かなと思います。ただ、そういうことをやっている都道府県もありますので、その観点での好事例も集めていただいて、皆さんに教えていただければなと思うのですが、質問は、例えば復帰支援というところで、実際的な復帰支援。ただ相談に乗るだけではなくて、実際に医師としての知識を取り戻したり、いろいろな手技を取り戻すようなことをやっているような事例を把握されていますかということが1点と、もう一つは、63歳から急激に落ちていくのですけれども、今、人生100歳まで生きるのに、76歳で半分になっていいのかみたいなところがあって、ここを落とさず、特に地域で総合診療的に、この手の人たちがしっかりと今後は医療を地域で守るという形で、下げない。76歳で50%にしなくて、ここが70%ぐらいにとどまるだけでも随分違うかなと思うのですが、そのような取組はあるのかということで御質問させていただきます。
あと1点、これは最後にコメントになりますけれども、医師派遣というところが、これは議論するときにぜひ御検討いただきたいのですけれども、私も医局長なり派遣なりを随分やったことがありますが、システムに乗って派遣するものと、足りないから何とかしてくれといってどたばたしながら、ここから出すか、あそこから出すか、それとも県外から連れてくるか、何とかするかとばたばたそろえて何とかやりくりするということが実際問題、医師確保のときには現場では行われています。その2点をある程度分けながらやっていかないと、施策に落とし込むところが難しいと思いますので、そのようなところも考慮されて、派遣という実績を調査いただきたいと思います。
以上でございます。
○尾形座長 すみません。予定の時間を若干超過しております。座長の不手際で申し訳ありませんが、今しばらくお付き合いをいただければと思います。
それでは、ただいま2点御質問がありましたが、事務局のほうからお願いいたします。
○山本医事課長 まず、好事例についてということなのですけれども、38ページでお示ししたところ、いろいろな事例があると思っていまして、個別にニーズは異なると思っております。1つよく耳にするのは、多様な勤務形態という意味で3行目に記載されているように時短勤務等の柔軟な勤務体制ということを希望されていることもあって、それに対応されている医療機関があるとも認識をしております。これはいろいろな観点があるので、これだけでというものではない、いろいろなニーズに対応する、この括弧の中で記載させていただいているようなものを複合的に取り組んでいくことが重要ではないかと考えております。
また、高齢の医師、これはM字カーブのところにもありますけれども、やはり子育ても重要な社会の役割だとも考えておりまして、働きたい希望がある方が応えられるようにしていくことも重要ではないか。これは地域によっていろいろな医師不足の事情もあると思うので、医師個人の事情、また地域の事情、それをどうマッチさせていくかという非常に難しい課題なので、ぜひ御議論いただいて、必要な記載をガイドラインにさせていただければと思っております。
私からは以上でございます。
○尾形座長 大屋構成員、よろしいでしょうか。
○大屋構成員 ありがとうございます。本当に難しい、特にこの年齢と、女性の医師にいかに働いてもらうかというところはいろいろ課題があると思います。引き続き御検討、情報収集もよろしくお願いします。
○尾形座長 お待たせしました。それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 時間が押しているところをすみません。1つだけです。36ページで院内保育のことが出ております。今病院で40%以上が院内保育を行っているということなのですが、実はこの実態はかなり大きい病院なのですね。大きい病院でないと院内保育所をつくったりそれを回すことができなくて、中小医療機関とか介護施設はほとんどできていないのです。
それで、38ページの論点の2つ目に、新たな取組で地域で別途保育施設をつくれないかというのは大賛成です。これをいろいろな地域に展開することによって、様々な夜勤を含む医療機関、それから介護施設、そういう人たちが24時間利用できる施設を作ることによって、相当その人員の確保ということに役立ちますので、これはぜひこの施策を進めるようにしていただきたいと思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。33ページなのですけれども、僻地・離島医療に寄与する医師の確保ということで、医師をどう派遣するかというような議論になるのだろうと思います。でも、実際のところ、僻地・離島はどんどん人口が減ってきていまして、派遣してもそれが定着していくかというのは非常に難しい問題だろうと思います。そういう中で、右側の四角で囲んである上から2番目のところ、僻地診療所のところで遠隔医療支援体制の構築というのが出てきています。このように現在はすでに、そういう意味では今もうオンラインが進んできていますので、医師を派遣しなくても緊急時に対応可能な医療機関の中で、オンラインで対応できる医師を確保していくということも考えるべきではないかと思います。そこの場所には看護師かヘルパーさんか家族がいればオンライン可能ですので、実際にオンラインを使った診療体制で僻地・離島を守っていくということも考えていかなくてはいけないのではないかなと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに御意見、御質問がなければ。
文部科学省の方、手を挙げていらっしゃいますか。どうぞ。
○相原課長補佐 ありがとうございます。文部科学省の相原でございます。
座長、申し訳ありません。直近の議題ではないのですけれども、本日の1つ目の地域枠の議題に関しまして、発言のタイミングを逸して大変恐縮ですけれども、データの現状、櫻木先生からの御質問についてお答え申し上げたいのですが、発言よろしいでしょうか。
○尾形座長 どうぞ。
○相原課長補佐 ありがとうございます。大変恐縮ございますが、8ページにお戻りいただけますでしょうか。恒久定員内地域枠に関する議論の中におきまして、地元出身者枠の設置に関して、非常に少ないのではないだろうかという御質問があったかと思います。8ページの右側の赤い円グラフにおきましては、地元出身者枠の設置状況というところで、設置が3件となっておるかと思います。一方で、このデータですけれども、8ページの上のほうの白丸の1つ目にございます。この地元出身者枠といいますのは、従事要件がない県を数えたものでございます。すなわち地元出身者の要件を課しておって、かつ、キャリア形成プログラムであれば9年、また9年に満たない独自枠ということで6年と少ない要件での従事条件を課した枠といいますのは、左側のブルーの円グラフの中で集計されている、こういったデータであると理解しております。
すなわち、赤の円グラフの下に米印で書いてございますけれども、44県中16県は、恒久定員内の地域枠で地元出身要件を設けている。要は地元出身の要件を課しつつ、かつ従事要件も課した、そういった枠は左側のブルーの地域枠の中に計上されております。こういった県が16県ございます。
長くなりましたけれども、この16県と赤の円グラフの3県を合わせまして、19県が地元出身要件を課している。4割が課しているということでございまして、残り28県、6割の都道府県で広い意味での、いわゆる地元出身要件がないといったところがデータの現状でございます。
時間が押している中、申し訳ございません。補足として申し述べさせていただきました。ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。
最後に事務局から何かございますか。
○守川地域医療構想推進専門官 ありがとうございます。本日は会場における一般傍聴の制限をさせていただいており、議事録につきましては可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましても、御多忙とは存じますが、御協力いただきますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。
また、次回のワーキンググループにつきましては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきたいと思います。座長の不手際で10分ほどオーバーしてしまいまして大変申し訳ございませんでした。
大変お忙しいところ、長時間にわたり大変熱心に御議論いただきまして、ありがとうございました。

 


(了)
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