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2022年5月11日 第4回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和4年5月11日(水) 14:00~16:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 7階 カトレア
東京都千代田区六番町15

 

○議事

○井上課長補佐 ただいまから第4回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催とし、会場における傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
まず初めに、発言の仕方などを御説明申し上げます。本ワーキンググループの構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして座長の指名を受けてからマイクのミュートボタンを解除し、発言するようお願いいたします。なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には画面に向かって挙手をお願いいたします。発言終了後は「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようにお願いいたします。また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックしていただいた上で「賛成」ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで異議なしの旨を確認させていただきます。
本日は、今村構成員は御欠席との御連絡を頂いております。また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の犬丸室長、文部科学省高等教育局医学教育課の相原課長補佐に御出席いただいております。
次に、資料の確認をさせていただきます。事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1、参考資料1、参考資料2を配付させていただいておりますので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
まず、議事に入ります前に代理出席についてお諮りしたいと思います。本日の会議におきましては、小熊豊構成員の代理として公益社団法人全国自治体病院協議会副会長原義人参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○尾形座長 ありがとうございます。それでは、そのように取り計らわせていただきます。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。「医師確保計画を通じた医師偏在対策について」、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○松本課長補佐 事務局でございます。お手元の資料1をお願いいたします。
「医師確保計画を通じた医師偏在対策について」ということで、1枚おめくりいただきまして、2ページが目次でございます。本日は、主に3つの内容を資料にまとめておりまして、特に3つ目の「医師偏在指標について」を中心に御議論いただければと考えております。
4ページを御覧ください。まず、医師確保計画の概要について御紹介してまいります。本ワーキンググループでも医師確保計画についての議論が少し間が空いておりますので、医療計画と医師確保計画について簡単に御説明してまいりたいと思います。
医療計画でございますが、地域医療構想と医師確保計画を含めております。計画期間は6年間で、現在、2023年度までの第7次医療計画の期間中でございます。医療計画の記載事項の中に医師の確保に関する事項がございまして、右側の赤枠で囲っている部分でございます。三次・二次医療圏ごとに医師確保の方針、目標医師数、具体的な施策等を定めた医師確保計画の策定をし、3年ごとに計画を見直すということになっております。
5ページは、第1回のワーキンググループでも御説明しているところでございますが、全国的に行っております医師確保対策に関する取組の全体像を整理しているものです。大きく分けて3つございます。
まず、医師養成課程における取組です。大学医学部、臨床研修、専門研修という医師養成課程におきまして質の高い医師養成を行っていくことと併せて、例えば大学医学部では地域枠の設定、臨床研修では臨床研修医の採用枠の上限数の設定、専門研修については都道府県別、また診療科別に専攻医の採用上限数(シーリング)を設定するといったような、地域偏在、診療科偏在の取組を行っている状況でございます。
右側には、各都道府県の取組ということで記載しております。各都道府県におきましては、医療計画の一部として医師確保計画を策定いただいております。内容としては、医師偏在指標によりまして医師偏在の状況を把握すること、また計画期間は3年間でございますが、この期間の終了時点に確保すべき目標医師数を設定するということでございます。
これを達成していくために具体的な施策としまして、大学と連携した地域枠の設定、また地域医療対策協議会、地域医療支援センターという枠組みの中で医師確保対策の方針を協議し、それを実際に実行に移していくといったことを進めているところでございます。また、地域枠の医師などについて、医師不足地域の医師確保と派遣される医師の能力開発・向上、この2つを両立させていくことを目的としたキャリア形成プログラムというものもつくっていただいているところでございます。また、認定医師制度の活用ということで、医師少数区域等に一定期間勤務した医師を厚生労働大臣が認定する制度を創設しておりまして、こうしたものも活用しながら、医師不足地域の医師を確保していただいているという状況でございます。
3つ目でございますが、医師の働き方改革ということで下のほうに記載しております。以上の医師養成課程における取組、各都道府県の取組、医師の働き方改革について、それぞれ連携しながら医師確保対策を全体で進めている、そういう状況でございます。
続きまして、6ページは、全体スケジュールのイメージを記載しております。医師確保計画につきましては、第8次医療計画と同時期、2024年度から次期医師確保計画が開始されるということでございますので、その前年度に当たる2023年度に各都道府県において次期医師確保計画を策定できるように本年度中にガイドラインを改正していく。それに向けまして、このワーキンググループ等において年末までに医師偏在指標などのガイドラインの内容につきまして御議論いただくといった流れになります。
続きまして、7ページでございます。これまで昨年の7月29日、12月3日の第1回及び第2回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループで頂きました御意見のうち、医師確保計画に関する主な御意見を整理しているものでございます。
まず、医師偏在指標に関しては、少しでも実情に合って望ましい指標になるように定期的な見直しをすべきではないか、データの更新をし、それを基に圏域で議論していくべきではないか、見直しの際には各都道府県や大学などに理由を丁寧に説明すべきではないかという御意見を頂いております。
医学部定員と地域枠に関しては、医師需給分科会とも十分調整し、議論を進めるべきではないか、また地域枠を削減する場合には都道府県ごとの要因のデータを集積、分析していくべきではないかという御意見を頂いております。
医師少数区域で勤務する医師等に関しては、医師少数区域認定医師に関しまして、認定者数や現状を分析した上で、さらなる制度の周知をすべきではないか、また医師少数区域でどのような医師がいるのか把握し、医師の機能という観点からも対策について議論すべきではないかという御意見を頂いております。
地域医療構想等との関係におきましては、病院の統合再編や医師の働き方改革を考慮して次期医師確保計画を策定すべくガイドラインに盛り込んでいく必要があるのではないか、回復期や急性期といった病床ごとにどのような医師が勤務しており、どのぐらい不足しているかを把握した上で検討すべきではないかといった御意見を頂いております。
8ページは、先ほどの御意見にも出てまいりました、これまで医師偏在対策について検討してまいりました医師需給分科会の本年2月に開催されました第5次中間取りまとめの抜粋でございます。こちらにおきましても、医師確保計画については引き続き検討していただきたいといったことや、医師確保対策の具体的な施策でありますキャリア形成プログラム、医師少数区域経験認定医師等につきましても、引き続き推進していくことが重要であるという御提言を頂いております。
続きまして、9ページ、医師確保計画の策定状況及び取組状況でございます。ここでは各都道府県においての医師確保計画の策定状況及び取組状況についての調査内容について御報告させていただきます。
10ページは、各都道府県における医師確保計画の中での記載状況でございます。医師確保計画策定ガイドラインで記載を求めている主要な項目におきまして確認しましたところ、項目により都道府県において差があることが分かりました。
11ページから22ページまででございますが、医師確保計画の具体的な施策といたしまして、都道府県において医師養成、医師の派遣調整など、医師確保対策の方針について協議する場でございます地域医療対策協議会と、医師不足地域の医師確保と派遣される医師の能力開発・向上の両立を目的としたプログラムであるキャリア形成プログラムにつきまして、それぞれ各都道府県における状況を調査しております。
まず、地域医療対策協議会の取組状況等の調査につきまして抜粋して御報告させていただきます。おめくりいただきまして、12ページですが、地域医療対策協議会及び地域医療支援センターについての概要資料でございます。こちらでは詳細な御説明を割愛させていただきますが、平成30年の医療法改正により、地域医療対策協議会の役割の明確化、協議プロセスの透明化を図るとともに、地域医療支援センターとの関係や役割について明確化しております。都道府県が実施する医師派遣等の対策は、地域医療対策協議会において協議が調った事項に基づいて行うこととなっております。地域医療対策協議会の運営指針におきましては、都道府県による医師の派遣先の決定に当たっては、地域医療支援センターが作成した派遣計画案を基に地域医療対策協議会で協議して派遣先を決定する等、示されております。
続いて、13ページは、地域医療対策協議会の開催状況でございます。令和2年度では全ての都道府県において少なくとも1回は地域医療対策協議会を開催しておりました。こちらの開催回数には対面・集合での会議だけでなく持ち回りの会議というものも含まれております。
続きまして、14ページは、地域医療対策協議会における医師派遣実績でございます。地域医療対策協議会における医師派遣はキャリア形成プログラムの適用医師が対象になっておりますが、表にございますように、派遣された3146人のうち48%に当たります1525人が医師不足地域に派遣されておりました。医師不足地域への派遣が約半分なのは、キャリア形成プログラムの適用医師、後ほど説明しますが、9年間のうち最低4年間を医師少数区域等で勤務するとされていることと関連しているものと考えられます。
また、円グラフにございますように、合わせて92%が修学資金貸付対象医師または自治医大卒業医師となっております。今後、地域枠等の修学資金貸付対象医師等の増加が見込まれますので、さらなる医師派遣の増加が見込まれるといったところでございます。
といいますのは、15ページは、第37回医師需給分科会の資料を一部改変したものでございますが、平成20年度以降、医学部の入学定員は過去最大規模まで増員しておりまして、医学部定員に占める地域枠等の数や割合は共に増加しております。先ほどの令和2年度の派遣実績は、グラフ中、赤色の破線で示しております平成26年入学者以前の地域枠等出身者が中心となりますので、今後、破線より右側の地域枠出身者が卒業していくとともに派遣医師も増加することが見込まれるところでございます。
続きまして、キャリア形成プログラムの調査について御報告させていただきます。17ページ、まず、キャリア形成プログラムの概要でございますが、都道府県は地域医療対策協議会において協議が調った事項に基づいてキャリア形成プログラムを策定することとされております。
18ページは、キャリア形成プログラムのイメージでございまして、原則9年間となっております。ただし、それぞれのキャリア形成に対応して一定期間中断することも可能となっております。
19ページからが調査結果でございます。まず、19ページの左側、キャリア形成プログラムの適用者のうち82%に当たります3959人は、都道府県が修学資金を貸与した地域枠の医師でございます。また、右のグラフに示しておりますように、キャリア形成プログラムの適用医師の数は増加傾向にあります。
20ページ、キャリア形成プログラムのコースにつきまして、キャリア形成プログラム運用指針においては、個々の対象医師の希望に対応可能となるよう、診療科や就業先となる医療機関等の種別ごとに複数のコースを設けることとしております。円グラフにございますように、複数のコースを設けていないという自治体におきましては、あらかじめ定めているコースは1つでございますけれども、個人の事情、希望に応じて個人ごとにコースを作成しているとのことでございまして、実態としては全県において複数のコースによりそれぞれ対応していただいているところでございます。また、資料の右下にございますように、全体のコース数も年々増加している状況でございます。
続きまして、21ページ、キャリア形成プログラムのコースについては、運用指針において特定の診療科での就業が修学資金の貸与要件となっている場合には当該診療科のコースを必ず設定することとしております。17の自治体において特定の診療科での就業を修学資金の貸与要件とするプログラムを設定しており、設定された特定の診療科は主に産科、小児科、救急科となっておりました。
続いて、22ページ、運用指針においては適用者に対して意見聴取を行うことを定めておりまして、令和2年度では全ての都道府県において意見聴取を実施しておりました。いずれの取組にしましても、引き続き都道府県の実態を把握してまいりたいと思います。
23ページ以降でございますが、本日御検討いただきたい医師偏在指標についてでございます。
24ページは、7ページの再掲になりますけれども、最初に御報告させていただきましたように、これまでのワーキンググループにおきましても、医師偏在指標に関して資料に記載されたような御意見を頂いているところでございます。
25ページは、医師確保計画を通じた医師偏在対策についての資料でございます。まず、背景の部分を御確認いただければと思います。医師偏在の状況把握でございますが、医師偏在の指標ということで、従来の人口10万人対医師数に5要素を加えた、より精緻な指標を算出するということでございます。この偏在指標を用いまして、医師多数区域・少数区域の設定でございますけれども、上位下位それぞれ33.3%を医師多数区域、医師少数区域とすることを踏まえて都道府県が設定することとなっております。
それを用いまして、医師確保計画のところでございますが、都道府県において医師の確保の方針と目標の医師数、それを達成するための施策、3つの要素から成る医師確保計画を策定していただきます。目標医師数に関しましては、先ほども御説明しましたが、3年間の計画期間の終了時点におけるものを偏在指標を踏まえて算出するというところでございます。策定した医師確保計画は都道府県において3年ごとに見直していき、徐々に医師偏在をなくしていくことを目指しております。
26ページ以降、医師確保計画を通じた医師偏在対策について順に述べてまいります。
まず、医師偏在指標でございます。医師偏在指標は、偏在対策の推進において従来の人口10万人対医師数よりも精緻なものとして活用するものでございますが、指標の算定に当たりましては、一定の仮定が必要なものでございます。また、入手できるデータの限界などがございますので、指標の算定式に必ずしも全ての医師偏在の状況を表し得る要素を盛り込めているものではないという前提がございます。このため、医師偏在指標の活用に当たっては、医師の絶対的な充足状況を示すものではなく、あくまでも相対的な偏在の状況を表すものであるという性質を十分に理解した上で、数値を絶対的な基準として取り扱うことや機械的な運用を行うことのないよう十分留意した上で活用する必要があるものでございます。
続いて、27ページは、医師の多寡の状況に応じた医師確保の方針についてでございます。こちらは三次医療圏についてでございますが、医師少数、中程度、多数と3つに分けたときに施策に関してはどうかということで、都道府県が立てる方針ということで御覧いただければと思います。まず、医師少数の三次医療圏に関しては、当然ほかの三次医療圏からの医師を確保するというところでございます。中程度の場合も、必要に応じて医師少数区域がある場合にはほかの三次医療圏からの医師を確保するということで、基本的には多数区域からの確保を目指すということでございます。一方、医師多数の三次医療圏につきましては、医師の確保を行わないことを原則としていくということで、こういった考えに基づきまして、都道府県が医師確保の方針を検討していくというものです。
28ページは、二次医療圏の場合でございまして、こちらにおいても同様の方針、対応を御検討いただくというところでございます。
29ページは、お話ししてまいりましたように、医師確保計画を通じた医師偏在対策については医師偏在指標を基にしておりますので、少し詳しく話をさせていただきます。医師偏在指標の算出については、算出式を分解しますと、資料にございますとおり、考慮すべき先ほどの5要素として将来の人口・人口構成の変化、患者の流出入、僻地等の地理的条件、さらに医師の性別・年齢分布をできる限り酌んでいるものになっております。
続いて、30ページは、医師偏在指標の策定手続についてですが、まず厚労省から暫定の医師偏在指標を公表した後、都道府県から患者の流出入についての報告を受けまして、再度、指標を算出し、確定するというプロセスになっております。
31ページは、現行の医師偏在指標につきましては、ワーキンググループや都道府県から記載のような御意見を頂いております。まず、医師偏在指標は診療科別に算定することが望ましい、2つ目、3つ目は、離島も含めた地理的な条件や診療科の偏在等の地域の実情を反映してはどうかという御意見です。4つ目は、医師偏在指標の受療率の計算には全国受療率ではなく都道府県別受療率を採用してはどうか、5つ目、大学病院に勤務する医師がほかの医療機関へ非常勤医師として派遣されていることも加味してはどうか、最後に、臨床研修医は労働力を差し引いて式に反映してはどうか、このように様々な意見が出ているところでございます。
32ページですが、医師偏在指標については令和3年度の厚生労働科学研究において研究班の中の小委員会でその概念の評価と整理について議論を行っております。
33ページがその取りまとめの抜粋です。具体的な医師偏在指標の改善に向けた提案として、まず、診療科の取扱いについて、現在、産科と小児科については個別の偏在指標がございますが、それ以外に拡張するのは現時点では難しい、また検討に際しては診療科別医師数の将来推計との整合も必要となるというところです。
地理的条件の取扱いについては、医師偏在指標という一つの指標で表現することは技術的に難しく、複数の次元を一つの指標に盛り込むとかえって指標の解釈が難しくなる側面もある、大局的に行う場合には人口だけ加味していればよいのではないか。
流出入・受療率の考え方については、流出入の補正は現状どおり反映する方針でいいのではないか、受療率につきましては、医療の提供をならしていくという思想を踏まえると、全国受療率が適しているのではないか。
また、医療需要の時点の考え方について、さきに御紹介した御意見にはありませんでしたけれども、算定式のうち医療需要・受療率につきまして、3年に一度実施される患者調査における受療率を用いていることに関する御提案です。次回の計画策定時に採用する最終の数値としては今後公表されます令和2年度の患者調査の受療率が考えられますが、令和2年度は入院・入院外、共に医療需要の減少が大きく、また月によっても減少幅にばらつきがあることが予想されます。令和2年以前のほうがバイアスは少ないのではないか、また現時点では、評価が定まっていない令和2年度ではなく、その3年前の前回のデータである平成29年度医療需要のほうが妥当ではないかという提案があるところです。
以上を踏まえまして、本日、ワーキンググループで御議論いただきたい論点を34ページに記載しております。論点は3点ございまして、1点目、現在の医師偏在指標では主たる従事先のみを考慮しており、従たる従事先は考慮していないということを踏まえまして、大学病院等に勤務する医師がほかの医療機関へ非常勤医師として派遣されている実態をどう反映するか、2点目、医師偏在指標の受療率の計算には引き続き全国受療率を用いることについてどのように考えるか、3点目、医療需要(受療率)は患者調査により算出するが、直近のコロナ禍に実施した令和2年調査では入院・入院外、共に医療需要の減少が予測されるため、平成29年調査を用いることについてどのように考えるか、これを踏まえまして、御議論いただきたいと考えております。
資料の説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、構成員の皆様から御意見、御質問を承りたいと思います。いかがでしょうか。伊藤構成員、どうぞ。
 
○伊藤構成員 伊藤でございます。
これは教えていただきたいということで質問させていただくのですが、26ページに医師偏在指標の算出計算式が示されています。これが絶対のものでないということは今お聞きしたとおりですが、この医師の偏在指標は絶対的なものではないけれども、医師の過不足といいますか、偏在の判定について非常に重要なベースになるようなデータだろうと考えている次第です。
その中で、女性医師と高齢医師の扱いをどうするかということは今日はここには示されておりませんが、たしか30~50代の男性医師を1.0の労働力だとしたときに両者とも0.8という形で評価されていたと思います。特に病院における医療に携わる医師という意味でいうと、高齢医師は本当に0.8の数に算定していいのかどうか、非常に疑義のあるところでございます。医療全般で捉えて、診療所も含めて医療の業務の内容ということで考えれば、それぐらいの数字になる可能性はあると思いますが、そこをどう考えたらいいのか、教えていただきたいと思います。
それから、28ページにございます二次医療圏の医師多数地域には他地域からの医師の補充はしないということでございます。実際の事例で困っておりますのは、大学病院が存在する二次医療圏で医師は必ず過剰になるわけでありますけれども、その周辺の医療機関は必ずしも医師が十分に充足されるわけではないということが間々ありまして、これに関して何か特別な取扱いがあるのかどうかということを含めて教えていただきたいと思います。
以上です。
○尾形座長 2点、御質問です。事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 事務局の守川でございます。御質問いただきまして、ありがとうございます。
まず、1点目に御質問いただきました内容でございます。先生の御指摘のとおり、病院で診療される先生、診療所で診療される先生、年齢別に考えますと差もあるところでございます。ただ、データを0.8という数字を用いて計算しているところでございますけれども、病院だけ、診療所だけ分けて数値を用いて計算するのはなかなか難しいので、現時点では御指摘いただきました数値を使って計算しているところでございます。
2点目の御質問でございます。医師多数地域におきましても、大学病院があるから、その周辺の病院の医師の数が反映されていないのではないかということでございますが、ガイドラインにおきまして、医師多数地域においても大学病院が多いからという詳細な点に関しましては記載はございませんけれども、実際に医師が少ないところに関しましては、考慮して医師を派遣するようにということになっておりますので、そういったところを勘案して医師多数地域においても医師の偏在化を是正していただきたいと考えております。
以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
今お答えいただきましたとおりなのですが、26ページの医師偏在指標に関しては、地域医療構想で議論の中心になりますのは病院医療、病床のお話でありますので、できるのであれば病院と診療所の医師のバランスといいますか、偏在指標を分けて考えていただきたいというのが要望でございます。
それから、二次医療圏の医師の多数地域に関しては、大学の医師が濃密にいるところを除くというような方法も何か考えていただかないと、同じ圏域内に大学があって、大学から人が派遣されることはない、必ずしもそうではないということも勘案して、偏在がそれによって助長されるということを確認したいと思っております。ぜひこれも何らかの工夫をお願いしたいと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 大屋でございます。医学部長病院長会議から委員として参加させていただいております。
ただいまの伊藤委員の御意見というか、御質問された点が私も非常に重要だと思っております。医師偏在指標を算出する際に、地域の医師ということで診療所やクリニックと病院を分けずに医師をカウントしているということで、そもそも三位一体改革をするということのうちの働き方改革は、病院の医師が働き過ぎているにもかかわらず、医師の総数をコントロールするための指標が診療所と病院とを合わせていたら、これは全然マッチしないと考えるわけで、この方向性を進めるのであれば、病院で働いている医師の偏在指標をきっちり出していかないと不完全なものになるのではないかと考えています。
さらに、医師偏在指標というものが、これも伊藤委員と同じ意見になってきますけれども、これが絶対ではないといっているものの、今、行われている医師確保対策のほぼ全てにこれが使われているということについては、もっともっと慎重にならないといけないのではないかと考えております。
例えば地域枠の学生数も将来的にはこれで変わってくることになります。特に現在の増員分についてはそうなりますし、研修医のシーリングもこれで決まってくるし、専門医のコースもこれで決まってくるということになるので、そもそもの医師偏在指標が実態に合っていないときは大変なことになるのではないかという懸念を感じています。この指標ありきでこのまま進めようと言われているような気がするのですけれども、これは病院でというふうなことを考えていただかないと、地域で医師を派遣したり偏在をコントロールするのは非常に難しいと考えております。これは技術的に不可能というのであれば、ここで不可能と言っていただいてもいいかもしれませんけれども、それは大きな問題ではないかと思っておりますので、そこの回答をお願いいたします。
もう一点は、これも既にこれまで議論で私も意見を出させていただいているのですけれども、20代、30代、60代、70代となったときは、平均労働時間を使っていらっしゃいますが、60代後半から70代はほぼ診療所ですね。20代、30代は病院なので、年齢ごとの労働時間というものが非常にアンバランスな形です。つまり、病院で働いているかどうかということが大きく効いているということになると思います。本当にこのような形の式でいいのかということには大きな疑問がありますので、このような式を考える際にもう一度年齢の補正については考えていただきたい。これは誰が考えたか知りませんけれども、そこはもう一度検討いただきたいと思っています。
研修医の労働時間は省いた形で出すべきだという意見がこれまでのワーキンググループであったということですけれども、私もそういうふうに申し上げさせていただいていますが、基本的に研修医はまだ一人前ではないので、我々指導医がカウンターサインしたり、処方をチェックしたりしているということで、彼らが人よりも1.2倍の時間働いていたとしても、その効率は多分半分ぐらいですし、指導医の時間を使っていますので、むしろマイナスになっている部分もあって、本当は0.5か0.3ではないかという気もするわけです。それが普通よりも30代でも1.2倍というふうなことになっているというので、それで計算されているのはどうしても理解できないです。
例えば、指導医が3人で研修医が10人いる病院と、研修医が3人で指導医が5人いる病院だと、どっちが医師の数が多い、医療が満ちていると判断しますか。この計算式によったら、研修医が10人で指導医が3人か2人の病院のほうが医師がたくさんいて医療が充実していることになるのです。それだけ考えてもおかしいのではないかと思うので、ぜひここについては再評価していただきたいというのが私の考えであります。
ちょっと長くなりましたので、後で時間があったらほかの点について申し上げさせていただきたいと思います。以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。2点ないしは3点の御指摘だったと思います。
○松本課長補佐 事務局でございます。
まず、臨床研修医についての御意見を頂いているところでございます。臨床研修医は確かに御意見のとおりのところはございますけれども、実は事務局のほうでも臨床研修医をゼロとか除いた形で計算してみましたところ、大学病院以外の、研修医以外の医師も多いところで研修しているというふうに考えられるのだと思いますが、臨床研修医を除いたとしても、偏在指標の順位が、例えば多数から中程度に落ちるとか、またその逆とか、そういったところの大きな変動はないものとして考えているところでございます。
また、それとは別に診療所と病院についても区分けしてということで御意見がございました。そこに関しては、技術的にどこまでできるか、今お答えすることが難しいところでございますけれども、頂いた御意見を受け止めまして、今後検討していければと考えております。
○尾形座長 大屋構成員、いかがでしょうか。
○大屋構成員 どうもありがとうございました。引き続き御検討いただければと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 野原でございます。よろしくお願いいたします。
2点質問と、あと、今回示されました3つの論点を含めて、幾つか意見を申し上げたいと思います。
まず、質問の1つ目でございます。10ページの医師確保計画の記載状況で、医師確保の方針や目標医師数の記載がない自治体があるのですけれども、これは医師多数自治体というふうに理解してよろしいでしょうか。医療法で記載がそもそも求められているのですけれども、一方で、27ページにありますとおり、医師多数の三次医療圏では他の三次医療圏から医師確保は行わないとされていることを踏まえてこうした結果になっていると理解したのですが、それでよろしいかどうかという質問です。
質問の2つ目でございます。医師確保計画の主要な施策は地域枠等の奨学金養成医師の配置調整です。岩手県でも600名ほどに貸与して、既に200人ぐらい配置調整して、100人ぐらいが、いわゆる医師少数区域で勤務いただいています。一方で、これに関係する令和6年以降の医学部臨時定員増と地域枠の取扱いはまだ決まっておりません。次の3年計画に関しては直接は数値は関係ないかもしれないのですが、2036年までの長期スパンの医師確保計画ですので、そもそもの方針が決まらないと都道府県としては次期医師確保計画の着手が難しいのではないかと考えています。この論点については、2月に公表されました医師需給分科会の第5次中間取りまとめでは、第8次医療計画等に関する検討会、このワーキングの親部会での議論の状況を踏まえて改めて検討と記載されておりますが、医学部定員増については本ワーキンググループではなく別の協議の場で検討されるものと理解してよろしいのかという質問です。
そのほか、今回示された論点の1つ目、大学病院等に勤務する医師の反映でございます。御指摘のとおり、大学病院が存在する、いわゆる県庁所在地とそれ以外の二次医療圏ではやはり大きな差がありまして、大学病院がある地区、この部分の反映というのは必要だと考えています。一方で、主たる診療科の従事先と従たる従事先ということで評価しているというふうに理解していますけれども、大学病院の医師の場合は複数箇所で勤務している方もおりますし、日当直など短時間勤務の場合もありますので、どこまでこういった部分を計画に反映できるのか、また大学病院からほかの地域に行っている分、その地域の医師を減らす分、そこも反映させているのか、こういったことも詰めていく必要があるのかなと考えています。
2つ目の論点、受療率の計算ということでございます。実際、全国受療率と各都道府県の受療率を比べてみたとき、どれぐらい地域差があるのかという部分をデータとしてお示ししていただければ、それを反映するとどれぐらい数値として出てくるのか、こういったものもお示ししていただければ、検討できるのではないかと考えています。
3点目の論点です。確かに令和2年に関しては新型コロナウイルス感染症、今年のオミクロンに比べて100分の1ぐらいの患者数、令和2年9月、10月の患者調査ですと全国で700人、800人ぐらいですから、今より数自体は少なくて、コロナ自体の影響というよりもコロナによる受診抑制であるとか様々な影響が地域によってあった時期だと理解していますので、本当に特殊なのです。ですので、実際、令和2年の患者調査のデータを用いるとどれぐらいデータが変わるのかというのも具体的にお示しいただくと議論が進むのではないかと思っています。一方で、平成29年調査を使うとなると、さすがに5年以上前のデータですから、ちょっと古いのではないかということもありますので、どちらが妥当なのか、データをお示ししていただければ議論ができるのではないかと考えております。
その他の意見といたしまして、令和2年の国の医師の需給推計も、労働時間など医師の働き方改革の進展を踏まえた推計を行っていますが、現在、国でも医師の働き方改革の影響を評価するための実態調査を行っていると理解しています。そうした点もぜひ、今年の状況も反映させた形で検討を進めていただければと思います。多分、次期医師確保計画は、直接、数値化はしないと思うのですが、医師の働き方改革への対応も記載が求められると思いますし、そういった視点も必要だと考えております。
また、地域でミクロの議論を行ってまいりますと、診療科の課題は避けて通れない、必ず出てくる話なのです。診療科別の必要医師数というのは様々な実質的な課題があり、ある意味、永遠のテーマではあるのですが、ぜひこの点も不断の御検討を進めていただければと考えています。
私からは以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
御質問としては2点あったかと思いますので、事務局、お願いいたします。
○松本課長補佐 事務局でございます。
まず最初に、10ページ、記載していないところの4つが医師多数県かどうかという質問でございます。この4県のうち1県は医師少数県でございまして、こちらの県については、目標医師数としてではなく、実質的な目標は置いておりまして、地域医療構想において必要な医師数を目標として設定しているもので、実は下位3分の1の目標医師数よりもむしろ高い基準で目標を設定しているというところでございます。
○山本医事課長 医事課長でございます。
2点目は医学部定員の件で御質問があったかと思います。臨時定員の取扱いにつきましては、どういった場で検討するかも含めまして今は未定でございますので、決まり次第、お知らせさせていただければと思っております。
以上でございます。
○尾形座長 野原構成員、いかがでしょうか。
○野原構成員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございます。
それでは、櫻木構成員、続いて猪口構成員の順番でお願いいたします。櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
医師の過不足感というのが、ここで示された幾つかの指標と我々が現場で感じている過不足感とに差があることは事実だと思います。私が住んでいる徳島県は一般的に医師は充足していて多数ということになっていますし、私の診療科、精神科もどちらかというと医師は充足しているということで出てくるわけですが、現場の感覚というのはそことは全然かけ離れているところがあります。
その理由というのを幾つか考えてみたのですけれども、既に伊藤構成員あるいは大屋構成員が御指摘になったように、一つは、診療所と病院を一緒に計算するということによってそのことが出てくるだろうということがあります。それから、二次医療圏の中でもやはり医者は偏在していて、伊藤構成員が御指摘になったように、例えば大学病院あるいは研修プログラムを持った総合病院があったりすると、そこはカウント的には多数になるのですけれども、その周りの市町村は、うんと過疎地域であって医師はむしろ少数の地域というのも当然出てきます。
もう一つは時間帯による偏在です。現場で一番問題になってくるのは、例えば夜勤帯の医者をどういうふうに確保するか、あるいは日・祝日、あるいは長期の休暇が続くようなときにどうするか、そういった意味での偏在がこういう数字になかなか出てこないというようなところが影響しているのではないかと考えます。
その辺は技術的には難しいかもしれませんけれども、診療所と病院で分けて考えるとか、あるいは二次医療圏の中での偏在をどういうふうに解消していくか、あるいは時間帯によって医者が足りている、足りていないという部分もありましょうから、そこの部分をどういうふうに解決していくかというようなところが問題かと思います。
それから、資料の17ページから示されているキャリア形成プログラムは9年間というのが基本になっているということで、結構いろんな組み方があって、途中で留学とか何か入っているケースもあるのですけれども、おおむねこれだと40代になる前ぐらいにこのプログラムは終わるということで、17ページの表でもそれ以降が何も書いていないわけですが、実際、現場でかなり主要な戦力になる人たちはそれ以降のところに入ってくると考えられます。だから、そういった人が地域で定着していくための施策も考えないと、これはこれで終わってしまうという感じがいたします。
以上です。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。御意見として承っておきたいと思います。
それでは、猪口構成員、お願いいたします。
○猪口構成員 猪口です。よろしくお願いいたします。
今までに、伊藤先生、大屋先生、櫻木先生等から医師の偏在はどういうことだというようなお話があったかと思います。私もそれを強く感じておりまして、医師の偏在には地域の偏在もありますし、科別の偏在もあるし、診療所なのか、病院なのか、そこの偏在もあるので、そのデータがないとどういう偏在になっているかということは多分分からないのではないかと思います。
第1の質問なのですけれども、そもそもの医師の数の出し方です。これは2年に1回の医師の届出制の数によって出しているのでしょうか。そこを教えていただきたいのですが。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 今の御質問に関しましては、三師調査から出しておりますので、御指摘のとおりでございます。
○猪口構成員 だとすると、2年に1回の届出には勤務場所も書くし、その他の細かいこともかなり載っていますので、それを地域別に計算すれば、科別偏在、診療所・病院別の偏在とか、そういうのは全国規模で数がちゃんと出せるのではないかと思いました。これだと小児科、産科以外は出ないというような答えになっているのですけれども、あそこの届出の数をきちっと数値化するだけでかなりのことがもっと分かるはずだと思っているので、これは質問させていただきます。
あともう一つ質問があります。14ページの地域医療対策協議会における医師派遣の件ですが、ここにおける医師不足地域への派遣というのは、地域医療対策協議会ですから都道府県別にやっているはずなので、都道府県別の中での不足地域への派遣ということを指しているのか。それから、後で図になって出てきましたけれども、三次医療圏、つまり都道府県間での派遣とかやり取りもあると書いてあるのですが、果たして今の地域医療対策協議会の仕組みの中で都道府県間の医師の派遣とか、そういうものが可能なのかどうか、それも質問させていただきたいと思います。
申し訳ありません。もう一個だけ質問があります。同じ14ページのキャリア形成プログラム、9年間のうち4年間、これが全ての対象になっているように書いてありますが、本来は医師というのは動きますので、例えば開業する、科別に替わる、高度な急性期から少しそうでない病院に移る、そういう動きになるときに、地域医療対策協議会が病院とか診療所のあっせんを行うというようなことはこれから考えないのかどうか、それはかなり大きい数になってくると思います。それも質問させていただきたいと思います。
以上です。
○尾形座長 それでは、追加的に3点御質問かと思います。事務局、お願いします。
○松本課長補佐 事務局でございます。
まず、1つ目の質問で、医師調査に基づいてもう少し精緻にできないかといった趣旨の御質問でございました。論点に示しておりますような主たる従事先、従たる従事先というものについては書いておりまして、技術的にはそこは精緻化できるのではないかと考えております。ほかのところ、これまでもいろいろ御意見を頂きました病院・診療所の区分け、そういったところについてはかなり入り組んだところになりますので、どこまでできるかというのはすぐにはお答えしかねますけれども、そういった御要望があるということで承っておきたいと思います。
14ページの医師不足地域への派遣のところでございますが、こちらは下にも書いておりますように、医師不足地域の定義は、少数区域も含めて都道府県において医師が不足していると認識している地域を指すというところで、対象側のキャリア形成プログラムの医師でございますので、多くは県内の医師不足地域だと思うのですけれども、県を越えてというのは今すぐにはどこまで入っているか分からない状況でございます。申し訳ございません。
最後に、地域医療対策協議会において医師派遣に関わる部分が、キャリア形成プログラム適用医師以外の医師の派遣についても関与することが将来考えられないかといった御質問については、今のルール上はそういったキャリア形成プログラム適用医師ということで運用指針がございますけれども、こちらを見直すということは考えられなくはないというふうにございますので、ただ、広げると、おっしゃったとおり、かなり数も多くなりますので、どこまでどういうふうに変えていくか、検討しなければいけないところでありますが、見直しの余地としてはあると考えております。
以上です。
○尾形座長 猪口構成員。
○猪口構成員 ありがとうございます。
医師の届出の中で科別の届出は必ずしているはずですので、それについてもちゃんとプロットできて、指標をつくれるかどうかというのはまだまだ分かりませんけれども、実態は表せるのではないかと思っております。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 追加で少し御質問したいと思います。
これはデータとして将来的に見せていただけたらということでのお話なのですけれども、14ページに医師不足地域を都道府県が決めているというのがございます。約半数の医師を地域医療対策協議会で決めて派遣しているということなのですが、実際に都道府県が考えている医師不足地域と、厚生労働省が今やっていて話が出ていた医師偏在指標から出した医師不足地域はどれくらい一致するのか、もしそこが分かると各都道府県での地域医療対策協議会の派遣というところが少し見えてくるのかなと思いました。
2点目ですけれども、私が純粋に勘違いしているのかもしれないのですが、地域医療対策協議会の役割の一つに、地域枠の卒業生をキャリア形成プログラムにのっとっていろんな地域に派遣する機能を持っているということと同時に、地域の医師の資源をどのように配分したりすればいいのか、そこにある課題は何なのかというところも一緒に検討する役割があると思っています。そこで様々な調整もやるつもりで私は県の地域医療対策協議会に参加しているのですけれども、今のお話だと、そこまでしなくてもいいと聞こえたのですが、そこはどうなのでしょうか。
3点目は、今、大学病院の話題が出ていて、大学病院の周りは医師不足地域もあるので、大学病院にいても必ずしもその地域に医師がたくさんいることにはならないという議論がありました。多分それはそうだろうと思っている反面、逆に、大学病院の医師は給料が極端に低く、教育職だったり研修医だったりして高くないので、バイトに行かないといけないので、必ず地域の周りの病院に当直に行ったりしている。そこのカウントが必ずしも十分に把握されていなくて、そもそも安い給料でその病院では生活できないから、外の病院に働きに行くことでその地域の医療がやっと成り立っているという状況を放置していていいのかというところは私なりに思っています。そこについてもしっかりとデータをそろえていただいて、大学病院といえども、バイトに行かなくてもそこの病院で高度医療にしっかり打ち込むことができるという形、地域の病院は大学病院からの派遣がなくても当直も含めて対応ができるような何らかの方策、当直医の派遣システムがその地域にあればそれはそれでいいと思うのですけれども、今のように若い先生が給料が安いから行っているので何となく助かっているという状況を放置していくと、そのうち働き方改革が進んだときの大きなリスクになるのかなと考えておりますし、そもそも大学病院の医師の給料が安いのでどんどん辞めてしまって、大学病院の教育機能、研究機能、高度医療機能が落ちてくることも我が国にとってはマイナスなので、そこも併せて情報も取っていただきたい、これは要望です。
以上でございます。
○尾形座長 最初の2点が御質問でしょうか。事務局、お願いいたします。
○守川地域医療構想推進専門官 御質問いただきまして、ありがとうございます。
前半の部分についてお答えさせていただきたいと思います。先ほど来出ておりますように、確かに医師少数区域以外の二次医療圏におきましても、医師の偏在等がございまして、少ないところがございます。そういったところに関しましては、医師少数スポットというものを設けまして、医師少数区域と同じように扱うことができるとガイドラインでお示ししているところでございます。ですので、例えば少数区域にはなっていなくても中程度区域であったりするところで偏在がある場合はそういったところをスポットとして確定しております。
一方、一番最初に御発言いただきました偏在指標とどれぐらい一致するかという詳細なデータに関しましては取っておりませんが、例えば地域の実情に鑑みますと、僻地の医療、診療所も含めてですけれども、実は人口が少ないから偏在指標が高くなってしまうというところもございまして、医師を一生懸命確保していただいているところもございます。実情に鑑みますと、そこは本当に医師が必要なところであり、人口は少ないのですけれども、偏在指標は高くなっているというところで、都道府県が医師の少数スポットとして設定しております。そういったところが、今、御指摘ありました医師不足地域という内容になっております。ですので、偏在指標と必ずしも一致するものではございませんので、データは取っておりませんが、そういうふうな扱いも可能であるといったところでございます。
以上でございます。
○松本課長補佐 続きまして、地域医療対策協議会について御質問いただいた事項についてお答えさせていただきます。先ほどの御説明で少し誤解を生んでしまったところも一部あるかと思うのですが、運営指針上、医師の派遣に関する事項の中では、地域医療対策協議会において派遣調整を行う対象としてはキャリア形成プログラムの適用を受ける医師が基本ということになっております。それに限ったものではないのですけれども、キャリア形成プログラム適用医師だけというところが実情として多いのではないかと考えております。協議会としましては、キャリア形成プログラムだけではなくて、12ページにもございますけれども、医師の派遣、研修病院の指定、そういった幅広いところについて協議いただいているものと認識しております。
以上でございます。
○尾形座長 大屋構成員、いかがでしょうか。
○大屋構成員 どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。特に資料の34ページに今日御議論いただきたい論点ということで示されておりますが、その辺いかがでしょうか。幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 ありがとうございます。
まず、論点に入る前に確認しておきたいのですが、そもそも医師偏在指標というものが絶対的なものではないという記述はされているのですが、どれだけ地域の実情を反映しているのか、次期計画をつくる前に一度検証しておく必要があるのではないかということは申し上げさせていただきます。
3年前に指標として用いられるようになったのは、人口10万対医師数は医師の偏在を十分に反映した指標となっていないということからこの偏在指標というものが導入されたと聞いています。この偏在指標は医師の絶対的な充足状況を示すものでなく、あくまで相対的な偏在の状況であることから、十分に留意した上で活用する必要があるとされているのですが、27ページ、28ページを見ると、区域を指定されただけで、機械的にこれを受けることができないとか、例えば1ポイント差があるだけで少数区域から外れるとか、言われている割には機械的にされているのではないかという懸念があります。
今回の検証が最初の検証になるので、上位3分の1を多数区域として、下位3分の1を少数区域と定義することや、3区分で均等にこの閾値を設定するということが地域の実態に即したものであるのかどうか、閾値を一律に点数でやっているので、1ポイントの差で区域から外れるというふうな微妙なところをどうするのかという取扱い、一律に区分するのか、それとも閾値に一定の幅を持たすことも検討してもいいのではないかということがありますので、その辺について事務局のお考えがあれば教えていただきたいと思います。
それから、3年前の指標にどのような変化が生じているのか、3年間に講じた医師偏在対策の効果として各都道府県の指標のばらつきが縮小しているのかどうか、本当に効果が出ているのかどうかというのは次期計画まで一度検証しておく必要があると思います。データがあれば、そういったものもしながら検討していただきたいと思います。
それから、また別の観点では、2024年から医師の残業上限規制が入るわけなのですが、これによって特に年代別で若い世代の病院勤務医師の平均労働時間が大きく下がってくることが懸念されるので、その辺を指標としてどう補正していくのか、その辺についても検討していくことが必要ではないかと思います。医師偏在指標の分子がかなり減ってくるのではないかということを懸念しておりますので、その辺についても検討していく必要があると思います。
それから、論点に入って34ページのところです。現場がよく分かっていないのですが、従たる従事先をどうカウントするかについては、従たる従事先の勤務の割合を考慮して、たまにというところを入れるのかどうか、あるいは半分はほかのところでやっている方を対象にするとか、そういった割合に応じて考えてみるというのも必要ではないかと思います。
2番目の論点、医師偏在指標が相対評価であるということを考えると、最終的な目的は全国の医療提供体制を均一化していく、ばらつきを少なくしていくことが目的であれば、全国の受療率と当該地域の受療率を比較しながらやっていくということは今後も継続する必要があるのではないかと思います。
3点目の論点については致し方ないと思います。
以上でございます。1点目について何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございます。
それでは、事務局、最初の御質問についてお願いします。
○守川地域医療構想推進専門官 一番最初に御質問いただきました3区分の案件でございます。御質問いただきまして、ありがとうございます。御指摘のとおり、実際に医師偏在指標を設定いたしましてから年数がたっております。今年度新しい偏在指標の策定に関しまして動いているところでございますので、そういったところがどのように変わってきたかというところも含めてしっかりと検討してまいりたいと考えております。また、中間的な指標が作成できるかどうかに関しましては、技術的に難しいところもあるかもしれませんが、検討課題として検討を続けてまいりたいと考えております。ありがとうございます。
○尾形座長 幸野構成員、いかがでしょうか。
○幸野構成員 その辺を十分考慮していただきたいと思います。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
意見が出し尽くされているようですけれども、今、幸野構成員がおっしゃった医師偏在指標について、やはりこれは慎重に取り扱うべきだろうと思います。10ページの医師確保計画の記載状況という中で、目標医師数ではかなりの都道府県が達成しているのに対して具体的な施策はなかなかつくれないというような状況です。
25ページに移りますと、医師確保の方針、目標、達成するための施策とありますけれども、今回の医師偏在指標の出し方は非常に難しいということで、多分、各都道府県は困っているのではないかと思います。そういう中で偏在指標をもし出すとしたら、先ほどから議論に出ていますように、診療科も含めたもう少し精緻化されたものを出していかないと、逆に地域医療は非常に混乱する部分が出てくるだろうと思います。特に診療科に関しては、診療科がこれだけある中で医師を一くくりとして見ていくというのは今の医療事情に合わないものがありますので、そこら辺はより分かりやすくするようにもう一つ踏み込んでやっていただきたいと思っています。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。猪口構成員、どうぞ。
〇猪口構成員 ありがとうございます。
参考資料1を見ると、多数と少数で西高東低というのですか、明らかなわけです。現場の御意見を聞いてもそれは同じように出てきていますので、ここを是正していくということになると、先ほどから話しているような様々な方法を用いてもなかなか難しいと思います。二次医療圏も同じような傾向ですので、そこをきちっと全国統一的にならしていきたいというのだったら、何かもっと強力な派遣とか医師が動くというような仕掛けがないと、これはいつまでたっても変わらないという気がしております。
もう一点だけ。前回も申し上げたのですが、今の医師の届出の科別の届出もありますが、科別の中に実は専門医制度も始まっている総合診療のことは入っていないのです。総合診療は、これから超高齢化社会の中で多くの疾患を持った高齢者に対応したり入院で診たりということになると、多面的な能力を発揮できる医師が絶対必要になって、そういう医師を多く育てないと医師不足は多分解消しないと思います。ですから、今後の目標としてそういう総合的な診療能力を持つ医師の育成というのが大きいテーマになるし、それがどういうふうに表されるかということも医師の届出の中で少し考えていかなければいけない問題になるのではないかと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
織田構成員は挙手されていますか。
〇織田構成員 今、猪口構成員がおっしゃったとおり、これから総合診療医を含めて考えていかなければいけないことなのだろうと思います。今回のテーマではないのですが、キャリア形成プログラム等を含めて、ここら辺は今後大きなテーマになっていくのだろうと思います。特に医師不足地域となれば総合診療医の活躍する場はかなり出てきますので、そういう意味では、17ページにありますように、大学医学部に入学時から地域枠があって教育を受けるわけですけれども、その間にも総合医としての特別なカリキュラムをつくったりしながら、そういう努力もしていかなくてはいけないのではないかと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
大屋構成員、どうぞ。
〇大屋構成員 診療科のことについて話題が出ていますので、私からも少し御質問と御意見を発言させていただきたいと思います。
今お話があったように、総合診療能力を有している医師というふうに定義するのか、総合診療医とするのかというので、難しい点はあるかもしれませんが、御指摘のように高齢化社会を迎えて、非常に多彩な疾病なり、疾病にならなくても虚弱だったりするものを持っている高齢者に対して、総合的に診ることが重要ですし、医療だけでなく介護との連携も含めて、そういう人材が求められていると思います。
一方、私どもの全国医学部長病院長会議のほうで議論している点を少し御紹介したいと思いますが、本当の医師不足圏、三次医療圏なり二次医療圏なりとなってきますと、そこに総合診療医をつくればいいかというと、胃カメラする人がいませんよとか、透析専門医が不十分なので夜の透析ができませんよとか、脳外科医がいないので交通外傷が来ても診られませんよと、救急車に2時間置きますかと、そういう議論になってくるので、ある一定の人数がいるところで専門家ばかりで総合診療が診られていないところは確かに総合診療医が必要という議論になるのですが、医師不足の地域にとっては必ずしも総合診療医が絶対的に必要だという意見は、私はある程度は必要だと思っていますけれども、それだけでいくとちょっと危険な部分もあるという意見が地方の大学、医師不足地域を持っている大学の地域医療に携わっている先生方からありますので、御紹介を兼ねて発言させていただきました。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
ほかに特に御意見、御質問がないようでしたら、本日の議論はこれまでとさせていただこうと思います。
本日は、大変貴重な御意見、またデータにつきましても様々な御要望等を頂きました。事務局としては、これらの御意見あるいは御要望を踏まえまして、さらにこの問題について検討を深めていただきたいと思います。
本日の議題は以上でございます。
最後に事務局から何かありますか。
〇井上課長補佐 活発な御意見、御議論を頂きまして、ありがとうございました。
本日に関しましてですが、会場における一般傍聴の制限をさせていただいております。議事録につきましては、可能な限り速やかに公表できるよう事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中とは存じますけれども、御協力いただきますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。
また、次回のワーキンググループにつきましては、詳細が決まり次第、御連絡申し上げたく存じます。よろしくお願いいたします。
それでは、本日のワーキンググループはこれまでとさせていただきたく存じます。大変お忙しいところをありがとうございました。今後とも御指導をよろしくお願いいたします。
 


(了)
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直通電話:03-3595-2186

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