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2021年12月3日 第2回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ

医政局

○日時

令和3年12月3日(金) 13:00~15:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 地下2階 クラルテ
東京都千代田区六番町15

○議事

○黒川専門官 厚生労働省でございます。
定刻前ではございますが、皆様、御臨席とのことですので、ただいまから第2回「地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」を開会させていただきたいと思います。
構成員の皆様方におかれましては、本日は、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とし、傍聴は報道関係者のみとさせていただきます。
まず、初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。
本ワーキンググループの構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして、座長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し、発言をするようにお願いいたします。なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には、画面に向かって挙手をお願いいたします。発言終了後には「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようお願いいたします。また、本会場におられます構成員におかれましては、発言の際に挙手をお願いいたします。
座長から、議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、または、カメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
本日は、櫻木構成員、野原構成員は、御欠席との御連絡をいただいております。
また、本日は、参考人として、新潟県福祉保健部地域医療政策課 菊池雅明課長、広島県健康福祉局医療介護計画課 今井真由美課長の2名の方をお呼びしております。参考人におかれましては、発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
また、オブザーバーとして、総務省自治財政局準公営企業室の犬丸室長、文部科学省高等教育局医学教育課の小松﨑課長補佐に御出席いただいております。
次に、資料の確認をさせていただきます。
事前に、議事次第、構成員名簿、省庁関係出席者名簿のほか、資料1、資料2、資料2参考、資料3を配付させていただいておりますので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は、尾形座長にお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。それでは、早速、議事に入らせていただきます。
今日の2つある議題のうち最初の部分ですが、地域医療構想に関する地域の検討・取組状況につきまして、まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○井上課長補佐 事務局でございます。
私から、資料1に基づきまして、御説明させていただきます。
1ページでございます。前回、第1回の当ワーキングにおける主な意見を事務局においてまとめたものでございます。順に御紹介させていただきます。今後の工程については、新型コロナウイルス感染症の感染状況を十分見極めつつ、都道府県とも十分意見交換をしながら進めていただきたいとの御意見。2つ目でございます。公立・公的医療機関だけでなく、民間医療機関も地域の議論に従ってプランを立て、公民一体となって機能分担や連携の在り方や感染拡大時の対応を協議していく必要がある。3つ目、地域医療構想の理念に反するような事例を検証する仕組みをつくってもらいたい。4つ目、地域医療構想調整会議の位置づけや法的な権限について、少し明らかにできるとよいのではないか。5つ目でございます。地域医療構想の病床区分について、4機能を5機能に変えるというのは一つの考え方ではないか。最後でございますが、地域医療構想の検討・取組状況について、実態把握が必要ではないか。そうした多岐にわたる御意見をいただきました。中には、この構想の仕組み、制度の中身についての御意見もいただいておりますけれども、今回、こうした御意見を踏まえて、まずは、各構想区域における協議の状況や再検証対象医療機関における検討・取組状況などについて、事務局において把握したものを、今回、資料としておつけしております。以降、御説明させていただきます。
2ページ、地域医療構想の取組・検討状況の確認、調査の概要でございます。1つ目でございます。確認目的の2行目の後ろのほうから、「依然として現場での厳しいコロナ対応が続いている中、地域の実情等を十分に踏まえて対応を検討する観点から、まずは、地域の取組・検討状況を把握」としたものでございます。確認期間は、今年の9月24日から10月29日でございます。確認方法でございますけれども、各都道府県の地域医療構想の担当部局宛てに確認票を送付させていただいております。4つ目、主な確認項目、地域医療構想調整会議の開催状況、同じく調整会議の議題、取組、データ利活用を含めた議論の活性化に向けた方策、構想区域における再編に係る検討、取組状況、再検証対象医療機関の具体的対応方針の再検証の取組状況などでございます。5つ目、依然としてコロナ対応は続いておりますので、今回はできるだけ確認項目を絞りまして進捗状況を確認させていただきました。以降、この調査結果について、資料を提示しております。なお、全般的な内容については、後ろの12ページ以降にもおつけしておりますので、そちらも併せて御参考にしていただければと思っております。
資料の3ページでございます。先ほど申し上げた調査のうち、再検証対象医療機関の取組状況でございます。令和2年1月、私どもから具体的対応方針の再検証をお願いしておった医療機関が、最終的には436機関になります。こちらにつきまして、合意済み、再検証結果に基づき措置済み、または、再検証対象外、既に検証の対象外となった医療機関に該当する医療機関を集計しております。合計で199医療機関、46%、約半数の医療機関においてはそうした形で合意済み等という形になってございます。内訳につきましては、下に書いてございます。合意済みが83、措置済みが92、対象外が24となってございます。その他については、下の円グラフで申し上げますと、青い医療機関、237になってございます。項目としては「再検証中」と書いていますけれども、具体的な状況については以下に記載させていただいております。例えば、下の青いグラフの左、再検証中の調整会議の状況でございます。全て複数回答でございますけれども、既に1回以上調整会議で議論を行ったというところが一番多い回答となってございます。ただ、調整会議で議論を行っていないというお答えや、コロナの影響で議題が設定されていない等の回答も一部あるという状況になってございます。その右の青いグラフでございますけれども、再検証中の医療機関の状況でございます。左の2つでございます。医療機関として既に検討済み、新型コロナの経験を踏まえ改めて検討中、そうした回答が相対的には多いという結果になってございます。なお、コロナ以外の理由で検討が困難という理由については自由記載欄でいただいておりまして、そうしたことについて右のほうに御紹介させていただいております。再検証済み、措置済みという回答に関する内訳、詳細な内容でございます。上の赤い棒グラフでございます。まず、左からで、そうした再検証済みや措置済みと回答された医療機関の状況でございますけれども、病床機能の見直し、病床数の見直し、そうした回答をいただいたところが相対的に多い結果となってございますけれども、その次に、右でございますけれども、従前どおりという回答も一部ある状況になってございます。従前どおりの内訳を右のグラフで精査させていただいておりますけれども、一番多い回答としては「現行の医療機能や役割を見直す必要がないと考えるため」といった回答となってございます。
4ページを御覧いただきまして、今申し上げた再検証対象医療機関、436病院の病床機能・病床数を示したものでございます。平成29年7月から令和7年7月までの病床機能・病床数を比較したものでございまして、グラフで御覧いただけるとよろしいかと思いますけれども、全体の病床数を上の赤字で書いてございます。平成29年、合計で6.59万床だったものが、令和7年の見込みとしては、合計で6.02万床、減少する見通しとなってございます。病床機能につきましては、トレンドといたしましては、急性期について4.03万床から2.91万床に減少する、回復期については1.09万床から1.80万床に増加するというところが顕著な傾向かと考えております。右の表を御覧いただきまして、令和7年7月までに病床機能あるいは病床数を変更する方針と御回答されたところは、436病院のうち340病院、78%になってございます。さらに、令和3年7月までに病床機能あるいは病床数を既に変更したところについては、328病院、75%という結果になってございます。
5ページを御覧いただきまして、436病院のうち、さらに、先ほど御紹介させていただきました、合意済み、措置済みと回答された175病院に絞った病床機能・病床数の結果でございます。同じく、全体の病床数については、平成29年、合計で2.99万床のところ、令和7年の見込みとして、2.69万床になる形になってございます。急性期、回復期につきましては、先ほどと同じく、急性期が減少し、回復期は増加するというところが顕著な傾向かと考えています。同じく、右の表でございますけれども、令和7年7月までに病床機能あるいは病床数を変更する方針と回答されたところは、175病院のうちの152病院、87%、さらに、令和3年7月までに病床機能あるいは病床数を変更すると回答されたところは、150病院、86%、先ほどよりは割合としては高い結果となってございます。今申し上げたものが再検証対象医療機関に絞った分析の結果でございます。
6ページについては、そうした再検証対象医療機関だけではない全体的な構想区域における再編の検討事例を個別に御紹介いただいた内容をつけさせていただいております。例えば、1つ目、医療機能の集約化を図った事例で2つほどおつけしております。A病院へ急性期医療を集約化し、近隣の医療機関はA病院の後方支援を行うという事例、Bクリニックの急性期病床をCクリニックに集約し、Cは病院化、Bは在宅医療を中心に実施という事例でございます。医療機関の統合に関する事例で、2つ、御紹介させていただいております。1つ目は、令和元年にD病院とE病院を統合し、F病院という新しい病院をつくる内容でございまして、統合前から統合後で、約120床、病床数として減少するという内容となってございます。とりわけ、急性期、回復期の病床をトータルで減少させるような内容となってございます。統合に伴って減少する形になってございます。令和2年に3病院の再編統合を実施する事例でございますけれども、同じく統合前から統合後で総病床数が約40床ほど減少させることと、各病院については、例えば、G病院については、病床数に変更はございませんけれども、回復期について機能強化を図る内容と聞いてございます。H病院についてはダウンサイジング、I病院については有床診化で変更となるということでございます。地域医療連携推進法人の設立に関する事例でございます。例えば、令和3年に、市医師会、市歯科医師会、市薬剤師会、医療法人、行政を参加施設とする地域医療連携推進法人を設立するという事例。令和2年に、病院、診療所を参加施設とする地域医療連携推進法人を設立したという事例も挙げさせていただいております。そのほか、役割分担の明確化・変更などを行う事例で、1つ目、病床の稼働状況や地域における在宅医療の需要の高まりを踏まえ、市立病院が病床を削減し、在宅療養支援病院の指定を受けることで、在宅医療における周辺医療機関・介護施設との役割分担を推進したという事例も聞いております。2つ目については、О病院とN病院という2つの病院に関する事例でございますけれども、N病院の建替えに伴う病床削減を行い、緊急性の高い循環器疾患についてはО病院、もう一つのN病院については外傷等の整形外科疾患や小児に対する救急医療を担う形で役割分担を図る方向で検討中であるという事例をおつけさせていただいております。
7ページは、今回の調査とは別の事項でございますけれども、当ワーキングでかねてより御紹介させていただいている重点支援区域に関する事項でございます。とりわけ複数医療機関の医療機能再編などの事例について、こうした重点支援区域の設定を通じて国による助言・集中的な支援を行うという仕組みでございます。左下の4、支援内容で、オレンジと緑の四角で書かせていただいていますけれども、データ分析などの技術的支援、基金の配分に際して手厚くという財政的支援をさせていただいている取組でございます。新規の事項としては、5つ目の選定区域で、4回目というところでございます。ちょうど本日、12月3日に、取組事例も発表していただきますけれども、新潟県と広島県で御覧の3区域を重点支援区域に選定させていただいております。
8ページ、今申し上げた新潟県と広島県の重点支援区域の内容でございます。新潟県の上越と佐渡の区域、広島県の尾三区域の3つの区域が対象でございまして、対象の医療機関は御覧のとおりでございます。新潟の2つの区域につきましては、大きく2つ、マル1と書かせていただいていますけれども、再編に関する協議を実施中という状況でございます。広島県の区域については、マル3で再編に関する具体的な取組に着手しておられるという状況でございまして、総合病院三原赤十字病院、三菱三原病院が対象でございますけれども、この三菱三原病院を総合病院三原赤十字病院に一本化して一病院化するという方向で、議論、取組が進められていると伺っております。
最後、9ページでございます。政府内で決定しております新経済・財政再生計画改革工程表2020、昨年12月に決定されたものをおつけしております。同じ内容は、ちょうど同じ頃に行われております医療計画検討会の取りまとめでも同じような文言で記載いただいたところでございますけれども、その中で、赤線を引っ張っておりますけれども、地域医療構想の今後の進め方につきまして、「都道府県等とも協議を行い、2020年度冬の感染状況を見ながら、以下の取組に関する具体的な工程の設定について検討する」。具体的な取組は、下で2つのポツで書かせていただいていますけれども、再検証対象医療機関の再検証や民間医療機関も含めた医療機関の対応方針の策定等について、具体的な工程の設定について検討すると書かれております。今御紹介させていただいた調査の結果等も踏まえまして、今後、地域医療構想の進め方につきましては、この文言にも書かれておりますけれども、都道府県とも今後協議をしていきたいと厚生労働省として考えている次第でございます。
説明は、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等を承りたいと思います。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
6ページについて、お聞きしたいと思います。医療機関の統合で、D病院とE病院は、かなり休棟がありますが、統合後も休棟を約30床残すことになっています。これは実際に人材が集められなくて休棟にするのか。もともとニーズはないが有事のために新たに休棟を設けるということかがいまひとつ理解できないので、1点、御説明いただきたい。
2番目、地域医療連携推進法人の設立で、最初のポツは、市医師会、市歯科医師会等が入っていますけれども、参加施設とする地域医療連携推進法人の設立で、病院単位ではなくてこういう単位というのはどういう形になるのでしょうか。そこの御説明をお願いします。
○尾形座長 2点、御質問かと思います。
事務局、お願いします。
○井上課長補佐 まず、休棟の理由でございますけれども、病院が休棟をされる理由は様々でございますので、今回の再編の検討事例においては、そうした詳細なところまでは確認しておらぬところでございますので、今、お答えすることはなかなか難しゅうございます。また、もしそういったところが分かれば、お伝えしたいと思います。
地域医療連携推進法人につきましては、様々な法人が構成員として地域医療連携推進法人を設立して、地域医療構想もそうですけれども、そうした法人間での貸付けや資金面での融通もできる仕組みでございます。法人を構成員とするという形でございますので、令和3年のこの事例につきましても、こうした形で地域医療連携推進法人を設立していただくことは可能かと思っております。もちろん、こうした市医師会だけではなく、市歯科医師会や市薬剤師会も入っておりますので、地域医療構想だけではないのかなとも思いますけれども、様々な事項について御議論されるかと思うのですけれども、今、申し上げたように、設立としてはそういう形で可能と考えております。
○尾形座長 織田構成員、いかがでしょうか。
○織田構成員 ありがとうございます。
先ほどの休棟について、例えば、そういう意味で、今後急性期を検討しているけれどもまだ休棟状態だというなら分かるのですけれども、機能をどう分けていくかについては漠然としていますよね。そこら辺のことをよく検討しておいていただきたいと思います。
これは、法人間で実際に地域医療連携推進法人を設立したところが出てきているということですね。
○井上課長補佐 そのように理解しております。
○織田構成員 実際に全国で複数はありますか。それとも、そういう例があったということですか。
○井上課長補佐 全体の数としては、今、手元に数字はございませんけれども、そうした例が、今回、御報告が上げられたように、あったということでございます。
○織田構成員 分かりました。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
それでは、今村構成員どうぞ。
○今村構成員 会場におります、今村です。
地域医療構想の取組そのものに特に異論はないのですけれども、全体のことについてもう一度ぜひ意見として述べたいと思います。
もともと、2025年に向けて、患者さんが増えることに対して、この地域医療構想はどういうことをするべきかということでやってきたと思うのですね。その中で、地方では特に患者さんが減っていくので、統合・再編をやっていかないといけないでしょうという話と同時に、大都市ではこれからもまだ患者さんが増えて、合計すると患者さんは増えるのですね。今、ものすごく削減の話の進行管理をしていただいていますけれども、これから特に大都市の東京や大阪ではまだ増え続けるという状況の中で、そちらに対してどんな進捗なのかということを本来は考えていくべきだと思うのです。地方でどんどんこれから患者さんが減っていくという状態と、大都市でどんどん患者さんが増えていく、それも高齢者の方が増えていくという状況ですので、合計するとまだ増えるということをもう少し進捗管理の中でも言ってもらいたいと思います。特に今回のコロナで見ていても、大都市で再三逼迫していく一番の理由としては、患者さんの総数に対して病床数はだんだん逼迫してきているという状況なのだと理解しています。大都市でこれから増えていく患者さんのこともぜひフォローをしてほしいと思いますし、総数としてはまだ増えるということに対してどのように対応するのかということも進捗管理として考えてもらいたいと思います。
もしお答えが可能だったらお願いしたいと思います。
○尾形座長 事務局、何かコメントはありますか。
○井上課長補佐 ありがとうございます。
まさに御指摘のとおりだと思います。先ほど、顕著な数字の傾向を述べた関係で、マクロではそうなっておりますけれども、御指摘のとおり、地域の実情に応じて地域医療構想をつくっていただいて、その地域医療構想に向けて議論を進めていただく。それは地域によって構想の形は様々だと思いますので、まさしくそういう形で進められる、また、議論を尽くしていただくということが大変重要だと思っております。今回の調査については少し項目を絞ってさせていただいておりましたし、今後の進め方については都道府県とも協議させていただくことになりますけれども、そういった進捗を引き続き私どもが把握していくときには御指摘の点についても留意していきたいと思っております。
○今村構成員 あまり削減したということを強調する形にならないほうが、日本全体としては患者さんの数は増えていますので、そこら辺のバランスを取りながら進捗管理をしてもらうのがいいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 伊藤でございます。
今、今村構成員から御発言がありましたが、私は少し違う意見を申し上げたいと思います。2025年まで全体的に患者さんが増えるということは、基本的には高齢者の入院事例が増えていくということです。まずは、それぞれの機能における病床数をきちんと整理・確保していくという目標を作り、回復期を増やそうあるいは居宅を増やそうということで協議が進んできたはずです。療養に関しては、日本で一番療養の入院患者が少ない長野県に合わせて療養病床が整備されていたように記憶しております。そうなりますと、全体としてひとまずの区切りである2025年に向けて病床機能ごとの病床を整備していくという方針の中で、急性期と高度急性期が過剰な地区では、基本的に違う機能に切り替えていこうと協議が進んできたように私は思っていますので、これについてまた違うということであれば、事務局から御指摘いただきたいと思うのです。
2025年を目標とした今回の地域医療構想の進捗の中で実際に私も幾つかの現場に参加していて、協議会での話合いがうまくいっていないということを感じているところです。確かに、急激な過疎化が進んでいるところに関しては、喫緊の課題と受け止めて相当深刻な協議が行われて、ある程度の再編事例が出てきているのはいい成果だと思っていますが、一方で、そうでない地域に関しては、2025年の必要病床数に向けてどうやって帳尻を合わせるか、2025年を最終目的みたいに考えて、ここをどうクリアするかという議論がまかり通っていることが現実だと思います。これによって非常に議論がかみ合わない事例がある様に思います。特に公立病院で休床しているところなどは、また急性期の病床として復活させるんだなどという議論がなされている現実を見ますと、最初の今村先生のお話と違うことになってしまうかもしれませんけれども、具体的な我が国の必要病床数は2025年しか出ていませんが、現実には、2040年には人口が1億1000万で90%に、さらに2060年には8500万人で70%、つまり、人口が3000万減るという確定的な推測に基づいて病床機能を整理しましょうということがこの地域医療構想の大原則だと思っています。そうなったときに、今は160万床ある病床が人口で比較すれば2040年には140万床、2060年には112万床があれば十分だというお話になる中で、どうやって、地域の中で、継続的に、効率的、かつ、良質な医療が提供できるかということを議論していたはずです。もう1つの要因として、平均在院日数は、1975年から見ますと、たった25年でほぼ60%に短縮しています。仮定ですがこれからも同じような割合で短縮するならば、先ほど2040年には140万床と言ったけれども、平均在院日数のことを加味すれば、私的な推論ですけれども、100万床以下で十分に回ることになるのではないかと推察します。同様に2060年には70万床で充足するとなれば、それに向けてこの2060年になっても地域の中で効率的に良質な医療が提供できる体制をつくっていきましょうということがこの地域医療構想の目的ではないでしょうか。今、まさに2025年を乗り切るために一生懸命協議しているけれども、2025年を超えたら、あまりその先のことは考えなくていいやという再編が行われているように思えてしょうがない。ここは、国として、人口が確実に変化していく中で、少ない人口に対して、ちゃんとした医療、効率的で良質な医療を提供する体制をどうやってつくっていくかということを議論するのだということを明確に言っていただかないといけない。構想区域の中での協議会は2025年が最終目的のような形で議論されている様相に、大変危機感を持っています。したがって、国から、少なくとも、今の段階で分かっているデータ、推察されるデータを協議会に詳しく伝えていただいて、地域ごとの2025年よりもう少し未来の各機能の必要病床数を示していただかないと、議論がとんでもないところで止まってしまって、2025年を乗り切るために巨大病院を造って、それで大丈夫だ、病床を10%減らしたからいいではないかという変な議論がまかり通っているという現状をとても危惧します。そういうことをお知らせいただくことはできるのか、お答えいただきたいと思います。
以上です。
○尾形座長 2025年をさらに超えてのお話もありましたけれども、事務局、いかがでしょうか。
○井上課長補佐 幾つか御指摘をいただきました。
まず、増やす機能・減らす機能といった関係についての御指摘がありました。先ほどの今村構成員からの御指摘につきまして、地域によって地域医療構想の目指すべき方向性は様々であるとお答え申し上げましたけれども、機能ごとでいいますと、最終的にもう少し増やしていかないといけない機能も当然あると思っておりますので、繰り返しになりますけれども、そうしたそれぞれの地域ごとの地域医療構想に向けて議論を尽くしていただきたいと思っています。地域ごとに見ても、機能ごとに見ても、そうした病床機能の方向性は違うのかなと思っております。
話合いがうまくいっていないという御指摘がございました。まさしく国としても地域医療介護総合確保基金もそうですし、先ほどの資料でもおつけしております重点支援区域もそうです。様々なそうした支援や研修を通じて、できる限り地域の皆様の協議が円滑に進むように国としても支援に努めてまいりたいと思っております。
2025年の必要病床数に帳尻を合わせるといった協議になっているのではないかということ、2025年を目指してということですけれども2025年で終わりではないのではないかというところでございます。まさしくそれは御指摘のとおりだと思っていまして、数字を合わせるとか、2025年でその取組が終わるわけではなくて、人口構造の変化は続いていくわけでございますから、そうした点は十分に留意をしていかないといけませんし、そうしたところについて誤解がないように私どもとしても説明していきたいと思っております。地域医療構想は、数字だけではなくて、法律でも書かれておりますけれども、まさしく将来の医療提供体制についての構想でございますので、継続的にという御指摘もありましたけれども、病床機能もそうですけれども、そうした体制も含めて各地域で充実した議論が行われることが大変重要だと考えてございます。データについては、これまでも私どもで出せるデータは出してきたわけでございますが、構成員の御指摘がまたあればお伺いできればと思いますけれども、私どもとしてもデータの提供等も含めてできる限りの支援をしていきたいと思っております。
以上でございます。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 今、お話しいただいたように、データが2025年から先もちゃんとあって、そこが大変厳しい状況になるんだよということをお知らせいただかないと、現場では、特に公立病院の管理者はある程度の期間で替わっていきますから、長期的に見据え継続的な方針や対策について十分に認識されていないようなことがあってはなりません。この構想が途中で頓挫することを大変危惧しているわけです。2040年は話題になっていますけれども、2060年ぐらいのところはインパクトのある数字ですから、そういうデータを国として現場、各地区ごと、区域ごとにお示しいただく必要があると思います。ぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 御説明をどうもありがとうございました。
私の立場としては、医師確保側でございますので、それに関連した御質問をさせていただきます。
ただいま、病床は、地域ごとに差はあるものの、急性期が減って、回復期を増やしていくということで、それぞれ、例えば、回復期ではどのような医師が働いているのか、急性期病院ではどういう医師が働いていて、どれだけ不足していて、どれだけ育成しないといけないのかというところは、現在の医師確保計画で検討されていると思うのです。これは本当に地域医療構想の病床数と深く密接にリンクしていると思いますので、今も様々な議論をお聞きしているところですけれども、そちらをある程度の確実性を持って進めていっていただきたいという要望があります。そうでないと、医師は一朝一夕に確保できませんので、急にこの専門性はあまり要らないよということにならないようにという要望を持っております。なお、今後、働き方改革があって多少不透明な中で、急性期なり、回復期なり、地域ごとで働く医師を確保することになると思うのですが、その際に、二次医療圏なり各地域なりで医師を確保するときに、この病院機能に合わせてそれを調整していくのは多分都道府県の協議会であると思ってはいるのですけれども、そこの議論はそこまで踏み込んで医師の確保と連携しながら病床変更なりが進んでいるのかどうかというところに関して、厚生労働省ではある程度情報を持っておられるのかということが1つ目の質問です。
2つ目は、7ページに重点支援区域というものが出ておりますけれども、この際に、主に病床を変更したり病院を建てたりというところの支援はどうもあるように思うのですが、医師確保に関してもここら辺を重点的に支援していただけるというニュアンスが含まれているのかということを御質問したいと思います。
よろしくお願いします。
○尾形座長 2点、御質問かと思います。
事務局、お願いします。
○井上課長補佐 まず、地域ごとで病院機能の連携について把握をしているかという御質問だったかと思います。
○大屋構成員 医師確保との連携ですね。
○井上課長補佐 分かりました。医師確保の連携で定量的なデータまでは持ち合わせていないと思いますが、今回の重点支援区域についても、好事例といいますか、事例発表をさせていただいております。その連携が定量的に分かるようであれば私どもも努めていきたいと思いますが、なかなか連携を数字で表すことは難しいと思いますし、例えば、もしそういう連携に関する好事例や取組事例があれば、また御紹介もしていきたいと思っております。
重点支援区域については、7ページに資料をおつけしておりますけれども、医師確保の観点で議論がなされているかという御質問かと思いますけれども、まず、選定の対象については、7ページでいうと3つ目の項目でございますけれども、複数医療機関の医療機能再編に関する事例を対象にしております。もしそういう再編に関して医師確保も含めて一体的にということで議論の俎上に上がっているということであれば、その支援の中で一体的な議論や支援等はさせていただいているのではないかと思っております。
以上でございます。
○尾形座長 よろしいですか。
○大屋構成員 ありがとうございました。
最初の質問なのですけれども、回答は今のあれでよかったのですけれども、私が御質問したかった内容は、常に病床を増やしたり変更したりいろいろとするときに、そこで働く医師の数や医師の専門性をちゃんと想像しながら、確認しながら、やっていかないと、病床は増やしたものの医師がいませんよということになるので、そこもちゃんと各都道府県ごとに検討していただきたいというお話でした。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今、伊藤構成員から御指摘いただいたことの補足をさせていただきたいと思うのです。
伊藤先生のお考えいただいていることは全くそのとおりだと私は思うので、それ自身におかしいと言っているのではなくて、2060年まで見たら日本中の病気の方は必ず減るのですね。その間に減り続ける地域と増えて減るところがあることを注意していく必要があるということだと思うのです。2025年までの推計でいくと、日本全体で足し合わせると増えていくのですね。そこから先は、日本全体でいくと減っていくのですけれども、増えていく地域が結構あって、大都市では増えていきます、それに対して大半の地域では減っていきますという話で二極化していくので、その大半の地域で減っていく話を集中的にするだけではなくて、増えてあふれてしまうことも危険なので、そちらにも注意をしなければいけないですよという意味で申し上げているのです。全体に対して削減するなということではなく、そこの特徴が地域によって違うので、特に増えて減るという現象に対してどう対応するのかは特段の注意が必要だという意見であります。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、岡留構成員、お待たせしました。どうぞ。
○岡留構成員 ありがとうございます。
事務局に少し質問があるのですが、3ページの資料で、赤いグラフの再検証済みの医療機関における従前どおりという内訳でカラムが打ってありますけれども、例えば、こういった地域医療構想における進捗状況を把握するときに、再検証済みの赤いバーの一番左側、一番多い数は「現行の医療機能や役割を見直す必要がないと考えるため」と、漠然とこういった1行だけで済むような解析の仕方では、本当に地域医療構想会議が機能しているかどうかは全くうかがえないと思うのですね。26病院が一番多かったのですけれども、例えば、この項目でどういう資料に基づいてこういう意見が出されたのかとか、もう少し詳しい分析結果をお示しいただければ分かりやすくなるのではないかと。1行でただ「見直す必要がないため」と言われても、この検討会の構成員からは、何でこういうことを言うのかなと、その分析の不足を指摘する声が多いのではないかと思うのですね。それと同様に、その下、ブルーのグラフで、再検証中の医療機関のうち、2ポツ目のところがあります。「重点支援区域の申請を行うことから個々の病院で判断できる段階ではない」と。段階ではないからこそ地域医療構想調整会議でみんながディスカッションをしてそのデータを示しなさいと言っているわけでしょう。ただ1行でこういうことで済ませようということだと、この検討会の意義が全くないと僕は思うのですよね。その辺についての事務局の考え方をお示しいただければと。いかがでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○井上課長補佐 まず、今回の調査ですが、先ほど御説明した2ページでございます。確認期間は、令和3年9月24日から10月29日で、コロナ対応から少し明けたぐらいで、引き続き、続いている状況でございました。そうしたこともあって、「(5)その他」で「できるだけ確認項目を絞り」ということでお話しさせていただきました。回答いただく都道府県や医療機関になるべく負担のない形で今回は調査をさせていただいた次第でございまして、御指摘の赤のグラフのところ、幾つか書いてある項目、先ほどの「現行の医療機能や役割を見直す必要がないと考えるため」も選択肢形式で聞いた次第でございます。なるべく効率的に負担のない形で今回はさせていただいた次第でございます。先ほども御指摘がありましたけれども、今後、進捗等を把握することになる場合には、コロナ対応にも十分配慮しながら、そうしたところも考えていきたいと思っております。
自由記載欄について、その下の2つ目のポツ、「個々の病院で判断できる段階ではない」については、そのまま文章として掲載させていただいた次第でございます。なるべく私どもも都道府県から回収する際にはその趣旨等が明確になるように少し工夫はしてまいりたいと思っています。今回はこうした形でそのまま書かせていただいた次第でございます。
以上でございます。
○尾形座長 岡留構成員、いかがでしょうか。
○岡留構成員 大体分かりましたが、コロナで大変なことは分かるのですが、医療計画や三位一体の改革は粛々と進めていかないといけないわけですから、そんなものはエクスキューズにはならないわけですよ。だから、もう少し深掘りした分析のやり方を持っていかないと、この検討会の議題でただ上っ面をなでていくような文言だけでは意味がないのではないか。ちょっと厳しい言い方かもしれませんが、私はそういう感じがしております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 ありがとうございます。
先ほど伊藤構成員から2025年の先の話が出ておりましたけれども、私もそこがとても気になっているところであります。今の2025年をめどにずっとやってきました地域医療構想と調整会議の中で、もちろん各地域によって重点支援区域はこれからも動いていくとは思いますが、この病床機能区分がこのままでいいのか。新たな第8次医療計画もこれからつくっていく中で、考え方を少し整理したほうがよくなっている気もするのです。単に2025年に合わせるということではなくて、それ以降、ひょっとすると4つから5つという案も出ていましたけれども、その辺の新興感染症のことも含めて役割分担が少し変わってきているように思うので、そこら辺の議論を早めに少し始めて整理をしていって、また、出すべきデータも出していかないと、2025年などは多分このままいくとあっという間に来てしまいそうな気がします。ぜひそういうことを進めていただきたいと思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 再検証対象医療機関の状況はよく分かりましたが、質問を2、3した上で、今後のやり方について意見を申し述べたいと思うのですが、先ほどの岡留構成員の意見に私も賛成なのです。4割のところが合意済みあるいは措置済みとなっているのですが、3ページのその内容を見てみますと、従前どおりが44あって、必要性がないからというものが半分以上なのですが、簡易なアンケートということでこういう結果になったと思うのですが、事務局として、これを、いわゆる再検証の答え、ファイナルアンサーとして受け取るのか、それとも、新たなアンケートをしていただけるのかというところをお聞きしたいと思います。
同じ3ページ、今は検証中というところの下、「まだ調整会議で議論を行っていない」が83あるということなのですが、かなり前、2年前ですかね、再検証を公表されて、「まだ調整会議で議論を行っていない」という状態をどのように受け止められているのかというところをお聞きしたいと思います。
12ページ、参考資料に飛ぶのですが、これは多分全国の調整区域における調整会議の開催状況だと思うのですが、(1)の令和3年度9月末まで、半年間なのですけれども、0回のところが185、1回だけのところが135で、94%がまだ1回ぐらいしか会議を開いていない、その半分が1回も会議を開いていないという状況なのですが、こういう状況をどういうふうに受け止められているのかというところについてお聞きしたいと思います。
その上で意見を述べたいと思います。
○尾形座長 これは、御質問ですので、事務局、お願いします。
○井上課長補佐 まず、従前どおりに関する受け止めです。従前どおりの中身を見ても、先ほどは一番数字の多いものだけを申し上げましたけれども、13の医療機関で「再検証要請前に医療機能や役割を転換しており、見直す必要がない」ということで、既にやったために結果として従前どおりとなったという回答もあるので、少しきめ細かく見る必要はあると思います。いずれにいたしましても、今回、令和元年から令和2年の初めにかけて再検証をお願いして、そうしたデータの提供もいたしまして、データで分からない部分も加味して議論していただいたという経緯でございますので、我々としては、そうした経緯をたどった上での従前どおりと受け止めておりますので、一定程度議論は尽くされたものだとは受け止めております。
再検証中の調整会議の状況で、まだ調整会議の議論を行っていないというものがあるというところでございます。例えば、調整会議で議論を行っていないというところも、右の新型コロナの影響等で再検証に関する議題が設定されていないというところと複数回答があったりして、重複が13ぐらいあるとも伺っておりますし、調整会議に出る以前として医療機関内で議論が行われているといったところもあるかと思います。全く議論が進んでいないところもあるのかもしれませんけれども、調整会議なのか医療機関なのかというところでも、83の中でもいろいろと程度があるかとは思っています。その点も含めて、そうしたことにも留意した上で、都道府県等とも今後の進め方について協議をしていきたいと思っております。
先ほど、地域医療構想調整会議の開催回数に関するお尋ねがありました。令和3年度で、こうした回数でいいのかというところでございます。要因は様々で、御案内のとおり、とりわけコロナは令和3年度に感染拡大が非常に広がったということもあろうかと思いますし、9月末で、都道府県でも、年度前半は進め方について準備をしてというところもあろうかと思いますので、1年で押しなべて開催が行われるというよりは、少し後ろに寄るということもあるかと思います。9月末時点の185と135で、もちろん精力的に会議を開催していただくことはいいことだとは思いますけれども、そうした事情もあるかとは思っている次第でございます。
以上です。
○尾形座長 幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 今のお答えを聞いた上で、意見を述べさせていただきたいと思います。
医政局としてのこの検証に対する文書の通知は、令和2年8月31日付の再検証等の期限を含め厚生労働省において改めて整理の上お示しするという通知が、正式な通知としては最後の通知になっておりまして、その後、通知が出されていない。各都道府県がこの期限をどう捉えているのかを非常に懸念するところです。昨年12月15日に医療計画の見直し等に関する検討会の報告書で、第8次医療計画を見据え2022年度中をめどに地域の議論が進められていることが重要となることに留意が必要という取りまとめがされて、9ページにありますように、同じ文言が政府の改革工程表にも記載されたところです。このようなメッセージが都道府県にどう受け止められているのかというところが分かりません。令和3年に調整会議がまだ全然行われていないところも疑問がつながるところです。2022年は、来年の話になります。こういう状態のときにこういう調整会議の在り方で本当にいいのかというところを本当に心配するところで、来年に迫っている中でまだ会議も開かれていないというのはちょっと遅いのではないか。再検証対象医療機関でさえそういうことであれば、民間病院も含めた再検証以外の医療機関についても多分これ以上に遅れているのだろうと思いますので、厚生労働省としてははっきりと文書でいつまでにという期限を切ってやるべき時期に来ているのではないかと思いますので、意見として言わせていただきます。御検討をお願いしたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、私から、一構成員としてコメントを申し上げたいと思います。
先ほど伊藤構成員からもお話がありましたように、医療提供体制の話は2025年で終わりではないというのはまさにそのとおりだろうと思います。これは前から申し上げていることですけれども、2025年を超えて、そろそろ新たなビジョンを考えるべき時期が近づいてきていると私は考えております。ただ、一方で、2025年が当面の目標年度であることも間違いはないので、それに向けてさらに努力をしていかなければならないと思います。
そういった観点から、今日の資料の11ページ、参考資料に、2020年度の病床機能報告の結果が出されております。これはトータルの全国の積み上げの数字ですので、これ自体に意味があるということではないと思いますが、全体の進捗状況を見るという意味では参考になるかと思います。2020年度の病床機能報告を見ると、一定の進捗が見られるとは思いますが、今日、皆さんからもお話があったように、まだ努力が必要な部分がかなりあるということが事実だろうと思います。
今後、どのようにこの2025年の必要病床数へ言わばソフトランディングをしていくのか、病床機能区分の見かけ上のアンバランスという問題もあろうかと思いますので、そろそろそういったことも含めて考えるべき時期が近づいていると考えます。これは、私の個人的な意見であります。
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、ほかにないようですので、次の議題に進みたいと思います。
議題2でございますが、都道府県からの事例発表につきまして、まずは、新潟県、続いて、広島県から御説明いただき、その後にまとめて質疑応答を行いたいと思います。
大変恐縮ですが、御説明は1県当たり20分程度を目安にお願いできればと思います。
それでは、菊池参考人からお願いいたします。
○菊池参考人 新潟県地域医療政策課の菊池と申します。本日は、よろしくお願いいたします。
まず、重点支援区域への2地域の選定をいただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、私から、資料に従いまして、新潟県における地域医療構想の実現に向けた取組についてお話しさせていただきます。
資料の2ページをお願いいたします。取組のポイントを大きく5つに整理させていただきました。1つ目といたしまして、昨年度からの新型コロナ対応で、医療関係者、特に、医師会、大学、行政の危機意識の共有と連携が強まりました。患者の全県搬送の調整などを通じまして、頻繁な意思疎通が行われております。新潟県は、従来から全国トップの医師少数県でございますけれども、各圏域の医療提供体制の現状につきましても、そういった調整を通じて課題認識や危機感が共有され、コロナ禍で逆に医療再編の議論を進める土台構築が可能になったと考えております。2点目ですけれども、先ほど来も議論がございましたけれども、その関係者の課題認識を基に、地域医療構想を各圏域で実効性のある形で進めていくためには何が必要なのかといった議論が行われたということでございます。その対応の一つとしまして、地域医療構想の県全体の進め方であるグランドデザインの策定を行いました。後ほど御説明いたしますけれども、策定の目的としては大きく2つございました。1つ目、地域医療構想は、構想区域ごと、圏域ごとの議論とされておりますけれども、基本的な課題や背景あるいは目指すべき大きな方向性については県内共通でありますので、説明責任を各圏域に全て委ねるということではなくて、県全体の方向性については県全体として意思決定を行った上で、説明責任も一緒に担うということを考えております。もう1つは、医療再編は政治マターになるということで、市町村長、議会関係者も含めて、ステークホルダーが分かりやすく理解できる仕組み、あるいは、県民に説明しやすいツールを用意する必要があるということで、このようなグランドデザインを策定いたしました。3つ目、先ほど来の調整会議の議論というお話もございましたけれども、調整会議のような大きな会議体につきましては、参加人数も多いということで、なかなか機微に触れた議論を深掘りすることは困難であるということで、新潟県におきましては、オンラインによる会議ツールも発達しておりますので、そういった会議ツールで対応しながら、少人数で丁寧な意見交換を事前に調整会議の前に相当程度積み重ねることも併せて行っているところであります。また、先ほど来の首長あるいは議会などからも協力していただくためには、県、特に本庁になりますけれども、それが前面に出て本気で取り組む姿勢を示すことが非常に重要であると考えております。4つ目、重点支援区域の積極的な活用でございます。県内で、2か所目、3か所目となる地域を指定していただきました。これによりまして、検討段階であっても、地域医療の関係者の覚悟が決まるという面もあると思います。後ほど御説明いたしますけれども、御支援いただきながら議論を進めてまいりたいと考えています。5つ目、医師確保・養成でございます。特に今後の医療ニーズに対応していくためには、総合診療医の確保・育成が重要であると考えております。病床機能再編を進めるに当たりましては、急性期病院から回復期病院への転換のハードルをいかに下げていくかということが重要であると考えております。総合診療医の確保と併せて考えていく必要があるということでございます。
3ページに移っていただきまして、以上のポイントを踏まえまして、次に、具体的な取組状況について説明させていただきます。まず、県内の医療関係者の連携体制の強化につながりました新型コロナ患者の受入調整のスキームでございますけれども、病院や医師会をはじめとする医療関係者の協力の下で、真ん中の上にございますけれども、PCCを医療調整本部に設置し、この調整の下で全県搬送を行いました。北で患者が出れば南へ搬送し、南で患者が出れば北へ搬送するということを実施しております。このような連携の中で、県内の医療提供体制の現状あるいは課題の共有が行われまして、本音で話し合える土壌が形成されていったと考えております。
4ページをお願いいたします。県議会でも、コロナ禍の中での地域医療構想の推進について、賛成する意見も反対する意見もございますけれども、知事をはじめとしましてぶれることなく推進の必要性を訴え続けているところでございます。
5ページをお願いいたします。そのような中で、医師会・病院団体、大学、県の3者を中心といたしました、しっかり議論できる検討体制がつくり上げられていったと考えております。基本的な体制は他県でも同じだと思いますけれども、左上にございます県単位の調整会議で県全体の方向性を議論し、その下の圏域単位の調整会議で具体的な将来像を議論する形になっております。先ほど2025年というお話もありましたけれども、私どもの県では、2025年と言葉としてもあまり強調はしておりませんし、2025年はあくまで通過点であるということで、その先の将来の医療ニーズがどう変化するのかというところで議論を進めている状況でございます。そのほかにも、疾病・事業別のワーキングでも、グランドデザインの考え方に沿いまして、5疾病5事業の全県の在り方についても同時並行で進めているところでございます。その下の地域医療対策協議会の場でも、医師確保について議論を行っております。
6ページをお願いいたします。6ページ以降が、先ほど申し上げましたグランドデザインの抜粋となりますけれども、本年4月に県の医療審議会で合意形成を得てオーソライズを図ったところでございます。
7ページをお願いいたします。地域医療構想は、県民の皆様には難しい内容を含んでおります。医療関係者以外のステークホルダーに背景や趣旨を正しく理解してもらう必要がございますので、できるだけシンプルに分かりやすくまとめることに特に留意いたしております。これによりまして、医療関係者だけではなくて、首長あるいは市町村の議会議員の方々らも理解を得られつつあるのではないかと考えているところでございます。内容につきましては、釈迦に説法でございますので、簡単に御紹介いたします。
8ページから順番に行きますけれども、人口構造の変化から始まりまして、次の9ページ、医療ニーズが、量的にも、10ページ、質的にも、変化をしていく。
11ページ、そこに医師の働き方改革が導入される。勤務医の4割が基準を超えているという現状にある中で、12ページでございますけれども、1860時間の暫定特例水準を適用しても、4人以上いないと休日・夜間の診療体制を維持できなくなるという状況にございます。
13ページでございますが、何も手を打たないと、人的資源が分散した中で救急の受入れが難しくなっていく状況にございます。
次の14ページをお願いいたします。医療ニーズの変化で、高度・専門的な治療が減少してまいります。医療資源が分散したままでありますと、症例数の減少により、医療の質の低下、あるいは、医師にとって勤務先としての魅力が低下し、医師が集まらない病院や地域になってしまう、県内で育成すべき研修医が都会の大病院に流出してしまうという状況を懸念しているということでございます。
15ページ、そうした負のスパイラルに陥らないように何をすべきなのか。
16ページ、医療ニーズの変化と医師の働き方改革の両方に対応しながら、医療の質を確保し、ニーズに合った形で向上させていくには、医療資源の効果的・効率的な活用が重要である。それとともに、コロナ対応の経験を踏まえても、地域の病院の機能を再編して対応力の大きい病院を地域に残していくことが重要であると記載しております。
17ページ、以上の考え方を前提といたしまして、今後の方向性として、病院の基本的な在り方を大きく2つに整理しております。まず、地域で高度な医療を支える柱となる病院でございますが、高度・専門的な治療や手術、重症患者の救急、休日・夜間の救急を担うものとして各圏域に1つ程度想定している。隣の地域包括ケアシステムを支える医療機関につきましては、休日・夜間の救急を担うかどうかで救急拠点型と地域密着型の2つに分かれますけれども、いずれも日中の軽・中等症を中心とした救急、ポストアキュートを担うとして、医師の働き方改革にも対応できる体制を目指していこうというものでございます。
18ページ、中核的な病院へ医師が集約され、対応力を強化しつつ、回復期・慢性期との役割分担を進める必要がある。
19ページ、今後の方向性の考え方を文字にするとこういった形になるということです。
20ページをお願いいたします。圏域全体で患者を診る体制を構築して、21ページになりますが、正のスパイラルに流れを変えていこうということでございます。
22ページ、症状や回復の度合いに応じて、1つの病院で完結するのではなく、地域全体で支えますよと。
そうなりますと、23ページ、これからは下り搬送という考え方も必要になってきますということを丁寧に説明する必要があると考えているところでございます。
24ページをお願いいたします。地域医療構想のステークホルダー全体への理解促進につきましては、まだ道半ばでございますけれども、医療関係者のトップ層への理解は一定程度進んできているのかなと考えております。これからは、それよりも下の層の医療関係者、さらには、この図の一番上ですけれども、特に県民の理解を得るためのアクションに力を入れていく必要があると考えているところでございます。以上が、グランドデザインの基本的な構成でございます。別添資料としまして、全体版を配付させていただいております。もっと分かりやすく、内容を県民に理解しやすい形でバージョンアップをしていきたいと考えているところでございます。
続きまして、25ページを御覧いただきたいと思います。新潟県の現状と現時点で認識しております具体的な課題について、お話しさせていただきたいと思います。まず、県民1人当たりの医療費は全国最低の一方で、医師偏在指標が全国最下位の医師少数県でございます。この中にはございませんが、医師の高齢化も進んでおりまして、ボリュームゾーンが55歳で、あと10年ぐらいたつと医師のボリュームゾーンは高齢者の域に達してしまうということで、今、地域医療構想を進めていく必要があると考えているところでございます。
26ページをお願いいたします。地勢的には、図にありますとおり、離島あり、中山間地・僻地あり、広い県土に約220万人の人口を抱えております。冬季には、雪により医療アクセスが低下する地域もかなり多くございます。医療圏は7つございまして、新潟市を中心とした新潟圏域を除きますと、公立・公的病院で地域医療が支えられている圏域がほとんどでございます。特に県立病院と厚生病院が多いことが特徴として言えるかと思います。
続いて、27ページをお願いいたします。27ページ以降は、重点支援区域として3つの地域を選定していただいておりますので、それについて記載させていただいております。まず、昨年度選定されました県央区域でございますけれども、資料の右上のほうにございますが、県央基幹病院の2年後の開院に向けまして開院準備を加速化させているところでございます。この病院を中心に、地域密着型の3病院とともに再編を図るということでございます。岡留先生にもお世話になりましたけれども、今年度、指定管理者が済生会に決まりまして、ER救急の核になる4人の先生方を現在は確保し、看護師も含めてスタッフ確保に取り組んでいるところでございます。先週、調整会議を開催いたしまして、回復期を担う地域密着型3病院の規模などについて合意がされたところでございます。
続いて、28ページを御覧いただきたいと思います。上越区域でございますけれども、下の表のマル7を御覧いただきたいのですけれども、労災病院の診療機能が低下してきている状況にございます。人工透析からの撤退が表明されたこともございますし、星印のついた病院が多くございますが、再検証対象病院が県内でも一番多い地域でもございます。書いてはございませんが、今、市立病院の改築計画が中断状態にあることや県立の僻地病院の在り方の議論も進行中でありまして、今後、急性期の機能強化も含めて圏域全体で議論を進めていきたいと考えているところでございます。
29ページをお願いいたします。佐渡でございますけれども、ここは離島でございまして、特に従来から医療資源の不足が課題となっておりました。慢性期を担う民間の病院が閉院することとなったことに伴いまして、今後、介護との連携などと併せながら、今まではなかなか進んでこなかったのですけれども、これを機会に将来を見据えて医療再編を検討するということで地域がまとまったという状況でございます。
30ページ、既にかつて医療再編を行った魚沼区域の状況についてもお話しさせていただきたいと思います。平成27年度に、高度急性期、急性期を担う中核病院であります、この地図でいうと真ん中に書いてございますが、魚沼基幹病院の整備を中心とした医療再編を行いました。病院間の連携は進んできている一方で、圏域内の入院需要推計に対していまだに急性期病床が多いという状況にございます。さらなる再編が必要であると認識しているところでございます。圏域内におきましては、表の調整会議においても、あるいは、アンダーでの様々な意見交換で議論が行われておりますが、急性期から回復期への病床機能の変更には抵抗感が強い。他の圏域でも同様の状況がございまして、今後、地域医療構想を進めるに当たりましても機能集約のボトルネックになるのではないかと懸念しているところでございます。
31ページ、その回復期への機能転換についてもう少し課題を整理させていただきますと、1つ目、「在宅復帰に向けたケア等の確立」と書いてございますが、右側の四角の中にございますけれども、看護配置を急性期の7対1あるいは10対1から13対1にした場合の看護師の負荷が大きくなるということで、13対1に移行する場合の組合の反対などもありました。なかなか小さくできないという実態があると聞いております。10対1では、赤字になる。受ける患者についても、例えば、脳なら脳、認知症なら認知症に特化した形であれば対応できるけれども、それでは患者を十分に確保できない、患者数を確保するために様々な状態の患者を受けようとすると、看護で対応ができないという実態もあると聞いております。2つ目ですけれども、「看護職のスキル適応」で、一部重複もいたしますが、看護師のスキル、ノウハウ、あるいは、マインドが不足している面もあると考えております。例えば、後期高齢者の患者が多い状況でございますけれども、患者を起こして歩かせると転んでしまうので、そういった対応が難しいという状況もあるとも聞いております。こうすれば回復期の対応ができるというモデルがなかなか確立されていない、共通認識としてないのかなと認識しておりまして、そういったところが一つの課題かとも思っております。3点目ですけれども、「急性期偏重の医療従事者意識改革」と書かせていただいております。急性期の看板を下ろすと医師が集まらない、患者も集まらないという意識が根強いという状況があると思います。一方で、成功している例もございますので、事例やノウハウの横展開を図る必要があると考えているところでございます。
32ページをお願いいたします。回復期の機能を担うに当たりまして、別の角度から課題を挙げております。特に医師確保の課題といたしまして、この資料の真ん中よりちょっと上ですけれども、<人材>と書いてあるところがございますが、人材面として例に挙げておりますけれども、これまでは必ずしも典型的でない回復期を担う総合診療医などについて、確保や育成、モチベーションの維持、スキルアップ、社会的価値をどのように高めるかという課題があると考えています。様々な課題がございますので、回復期のモデル事業のようなものをやっていただけるとありがたいと考えておるところでございます。
33ページでございますが、総合診療医の育成・確保につきましては、県と新潟大学と協定も結んだところでございまして、実効性のある取組を今後検討していきたいと考えているところでございます。
34ページでございますが、そのほか、医療再編を進めるための課題といたしまして、幾つか挙げております。住民の理解はもちろんでございますけれども、機動的に取組を進めるための財源、設置主体の異なる病院間の再編に取り組む上での給与格差、組合といった問題も避けて通れない大きな課題であろうかと思います。なかなか難しい面はございますけれども、これまで様々な形で支援を厚生労働省からも拡充していただいていることに対しましては感謝を申し上げます。今年度も給与格差に関しましては基金の対象になったということで、非常に感謝をしているところでございます。一方で、非常にタイミングが大事でございますので、進めるべきときにタイミングを逃さずに効果的に成果を出していくためには集中的な投資も必要になりますので、さらなる財政措置もお願いしているところでございます。
35ページ、36ページにそれを記載させていただいておりますが、35ページは、病院事業債(特別分)の延長・拡充をお願いしているところでございますし、36ページは、基金事業の積極的な活用のための県負担分で、基金事業の3分の1が県負担になっておりますけれども、下の吹き出しのような形で書いてございますが、県負担分の普通交付税措置は人口割で算定されているということで、財政状況の厳しい新潟県のような県にとりましてはここが対応のネックになってしまうということで、機動的にタイミングを捉えて集中的な取組を行っていくためには、こういったところにも何らかの手当をしていただけると非常にありがたいと考えているところでございます。新潟県は再編の機運が非常に醸成されつつありますので、引き続き御支援をよろしくお願いいたします。
説明は、以上でございます。ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
続いて、今井参考人からお願いいたします。
○今井参考人 広島県の今井と申します。今日は、よろしくお願いします。
本県も、このたび、尾三地域を重点支援地域としていただきまして、御礼申し上げます。
それでは、広島県の現在の取組状況についてお話しさせていただきます。最後に、ちょっとコロナにおける課題等についても触れさせていただければと思っております。
次のページをお願いします。まず、広島県の状況をお話しさせていただきます。人口や高齢化の状況でございます。傾向は全国と同様と思いますけれども、平成10年から本県におきましては減少を始めておりまして、全国より少し早く減少局面を迎えているところです。
次のページをお願いします。人口減少につきまして、その割合は県内の地域別に見ると一様ではございません。白の部分、広島市などの都市部では減少率が10%未満となっている一方で、色のついた部分、特に中山間地域は減少率が大きくなっているところです。順に取組事例で説明させていただくのですけれども、左上の黒の安芸太田町などを含む広島市北部、三次市・庄原市などの備北地域、三原市・尾道市といった尾三地域なども減少幅が大きくなっているところです。
次のページをお願いします。高齢化率の推移も地域差があり、同様の傾向があります。地域医療構想について、先ほどワーキングの先生から都市部と地方の差という話もございましたけれども、県内でも一つにはこうした地域差を考慮した地域実情に応じた推進を図る必要があると考えております。
次のページをお願いします。医療需要につきましては、入院患者は2030年頃をピークに減少する見込みでございます。また、疾病分類で申しますと、高齢者に多い疾患、循環器系は大幅に増加する見込みです。これも県内の状況なのですけれども、地域ごとに見ると、減少する地域も増加する地域もあるという地域差がございます。
次のページをお願いします。医師数の将来推計でございます。2023年以降は、医師総数も減少局面を迎えまして、2030年頃には医師の4人に1人は65歳以上になり、医師の高齢化等も課題になっております。
次のページをお願いします。医師の年齢構成を見ますと、本県では若手医師が減少している状況にあるところです。
次のページをお願いします。医療資源の状況を全国と比較いたしますと、人口当たりの病院数、病床数等は全国平均を上回る一方で、人口当たりの医師数は全国平均を下回り、医師の確保が課題となっております。また、下の医師偏在指標ですけれども、県内の二次保健医療圏間では医師の地域偏在が見られまして、地域偏在の解消が課題となっております。もう一つの課題としましては、県内全体の医療体制を考えていくという観点で、県全体として、いかに人材を確保し、地域派遣し、地域の医療を守っていくかということが大きな課題となっているところでございます。
次のページを御覧ください。これは病床機能別の病床数の推移です。広島県でも平成28年に地域医療構想を策定し、医療機能の分化・連携を促進しているところでございます。圏域ごとにデータ分析やアドバイザー派遣などによりまして調整会議の議論を進めてもらうよう取り組んでいるところではございますけれども、2025年の必要病床数に向けた転換状況は、御覧のとおり、徐々に近づいているといった状況でございます。
次のページをお願いします。次に、具体的な再編事例についてお話しさせていただきます。令和元年度に公立・公的医療機関の再検証が求められたところですが、今回、その対象医療機関もあります、マル3の尾三地域の話を中心にさせていただきたいとは思いますけれども、併せて、これまで取り組んできた2つの事例についても紹介させていただきたいと思います。
次のページをお願いします。まず、1つ目は、地域医療連携推進法人の設立でございます。平成29年4月に、広島県北部の備北圏域におきまして、6つの病院によって備北メディカルネットワークが設立されました。この地域は中山間地域で、医療機関そのものが少なく、それぞれの病院が地域の核となる医療機関であります。既存のガバナンスには影響しない緩やかな連携を行うこととしたものでございます。
次のページを御覧ください。2つ目は、広島圏域北部の分化・連携でございます。広島市の北部と島根県境に隣接する3市町で赤い印の4病院の機能分化・連携の協議をいたしました。この地域は、医療資源が集中する都市部の南部とは対照的に、医療資源が乏しく、地域の高齢化・過疎化が急速に進んでいる地域で、高度急性期医療の体制確保や後方支援病院などの役割分担、医療従事者の確保等が課題でございました。
次のページを御覧ください。こうしたことから、広島市北部の安佐市民病院を高度・専門化し、他の病院が主に回復期・慢性期を担い、北広島町の1病院を無床にし、他の病院と連携強化を図るという対応をすることにしました。中でも特徴的なことは、(2)僻地医療派遣及び若手医師の確保・育成でございまして、安佐市民病院を北部地域の拠点として、僻地への医師派遣や若手医師の育成の機能を担うというところでございます。
次のページを御覧ください。こちらは、4病院の再編前と再編後の病床等を示した図となっております。
次のページをお願いします。3つ目の事例で、このたび重点支援区域に選定いただきました広島県尾三圏域の状況について報告をさせていただきます。厚生労働省から再検証対象医療機関として指定された三原赤十字病院と企業立病院の三菱三原病院が、来年の4月1日に統合する予定で再編を進めております。3圏域は県の東部にございまして、尾道市、三原市、世羅町の3市町で構成しております。令和元年9月に再検証対象医療機関に指定された後、検討となり、協議を進めております。
次のページをお願いします。三原市の現状でございますけれども、人口減少や高齢化率は全国平均や県内平均と比べても速いスピードで進展しております。入院患者数も早い段階で減少が生まれております。病院数や病床数は全国平均よりも多い一方で、1病院当たりの医師数が少なく、分散している状況にあることもうかがえます。また、施設の老朽化が目立ち、新たな投資に迷っている病院が少なくない状況でございました。また、医師の高齢化などにより、救急医療にも不安がある状況でございました。
次のページを御覧ください。このような中で、今後の医療需要を踏まえ、限られた医療資源を集約することで、効率的かつ持続可能な医療提供体制を構築する必要があるのではないかということで、県としても再編を後押しすることとしました。
次のページを御覧ください。三原赤十字病院が197床、三菱三原病院が81床、医師は常勤換算で、赤十字が23.5人、三菱が9.8人、特徴として、赤十字病院は消化器外科と整形外科に強く、三菱は消化器内科と整形外科に強い医療機関でした。医師派遣大学は、岡山大学と広島大学で医局が異なっており、統合には両局の合意を得る必要がございました。また、赤十字は医師不足、三菱は築59年という建物の老朽化という課題を抱えておりました。また、新潟県の発表にもございましたが、再編の協議に当たっては様々な課題がございました。例えば、統合後の収支見通し、医療従事者等の受入れの範囲、給与水準、地域の医療機関との連携・分担をどうするのか、地元自治体や地域住民の理解をどういう形で取るのかということも課題でございました。
次のページを御覧ください。両病院の協議ですが、直線距離で1キロ弱と比較的近い状況でした。建物の老朽化が進んでいる三菱三原病院を廃院し、医療機能を三原赤十字病院に集約し、機能強化を図ることとしました。
次のページを御覧ください。新病院の特徴としまして、赤十字の強みが消化器外科、三菱の強みの消化器内科を生かし、消化器疾患全般をカバーする消化器病センターを新設する予定であること、また、三菱の医師・看護師を新病院に引き継ぎ、スタッフを充実させ、救急対応能力の強化を図ることとしております。三原市内の救急については、尾道市内の三次救急医療機関へ頼っていた部分もございましたので、今後は三原市内で完結あるいは中継機能を担うという役割を担い、そこら辺については県としても期待しているところでございます。
次のページをお願いします。今回、コロナ禍においての地域医療構想調整会議や住民説明会となりました。マスコミの対応につきましても、これらの対応がコロナに対する密を避けるという形で進めなくてはいけないということもございました。調整会議につきましては、会議出席者から、記者、傍聴者も含め、完全にウェブで開催し、終了後の記者会見についてもウェブとする対応をしております。また、住民説明会は、ウェブでの開催が難しく、町内会と人数を絞った開催として、当日の質疑応答も含めたQ&Aを町内会の回覧板により周知したところです。住民に身近な病院の再編という大きな影響を及ぼすものでございますので、両病院とも地域の医療を守る再編であることを丁寧に説明しようということで対応してまいりました。住民からは、診療の継続性あるいは交通アクセスの確保等の要望がございました。現在は、これらの対応をどうするか、あるいは、カルテ等の引き継ぎ、機器等の譲渡、患者の転院など、統合に向けての準備を進めている状況です。また、県としても、この事例を圏域の調整会議の事務局で今後の参考としてもらえるよう、統合までの流れをマニュアル化して提供すること等を考えているところでございます。
次のページをお願いします。次に、現在広島県で進めている県全体の医療機能強化に向けた取組についてお話しさせていただきます。
次のページをお願いします。広島県では、県の総合計画の目指す姿として、全ての県民が質の高い医療・介護サービスを受けることができ、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができることを掲げております。地域ごと、地域の実情に応じた切れ目のない体制が確保されることと、県民が他県に赴くことなく本県で高度な医療を受けることができる環境づくり、これらの人材の確保を目標に、高い水準の医療を県民に提供できることと地域の医療を持続的に確保することができることを2つの柱として政策を進めております。
次のページをお願いします。そのために、症例集積と治療成績の向上による質の高い医療ができる体制を確保し、症例集積により多彩な経験を積むことを求める若手医師等を呼び込み、育成した人材を地域に派遣する仕組みをつくろうとしております。広島都市圏を中心とした医療機能の分化・連携・再編により、多くの症例が集まる高度医療・人材供給拠点の整備を目指すこととしております。
次のページをお願いします。本県が目指す「高度医療・人材供給拠点(仮称)」の機能のイメージでございます。一番上の枠囲みに記載しておりますとおり、症例及び医療人材を集積し人材を育成する機能、高度・専門医療を提供する機能、各地域の拠点となる病院に人材を提供する機能、感染症発生時にしっかりと医療を提供する機能の4つを検討しております。図にあるとおり、1の高度医療・人材供給拠点と広島大学が密接に連携しながら、医療人材を育成し、育成した人材を2の各地域拠点に供給し、各地域拠点においては、圏域内の医療機関へ医師派遣や診療応援などを通じて、地域における医療提供体制を維持・確保していくことを目指しております。広島圏域北部の事例でお話しした安佐市民病院の人材育成機能と同様の機能を各圏域で持つようなイメージでございます。また、人材供給は、一方向ではなく、3の流れのように定期的な人事異動を行いながら循環させることにより、キャリア形成にも配慮することを考えております。高度・専門医療の県民への提供と症例及び人材の集積により育成された人材の地域への派遣による地域医療の確保の両立を目指していくところでございます。
次のページを御覧ください。こうしたことは、広島大学とも連携し、協議しながら進めるとともに、県、市、大学、医師会で構成される広島県の地域医療対策協議会でも協議を進めているところでございます。
続いて、最後になりますけれども、コロナ禍における今後の地域医療構想の進め方についてお話しさせていただきたいと思います。次のページをお願いします。広島県としましては、人口減少や高齢化など地域医療構想の背景となる中長期的な見通しは変わっていないということ、2024年度から医師の働き方改革がスタートし、救急体制を維持するには医師の確保が必要であることなどから、2025年に向けて、ワーキングの先生のお話にもありましたが、さらに働き手が急減し高齢者がピークとなる2040年に向けても引き続き着実に進めていく必要があると思っております。
次のページを御覧ください。今回のコロナ感染症の受入れにおきまして、広島県においても病床の確保の多くは公立・公的病院でした。現在、入院から外来まで役割分担をした上で、調整本部等を中心に受入体制を整えているところです。今後、公立・公的病院の見直しを考える上では、今後の新興感染症にどう備えていくかということは課題と思っております。通常医療と感染状況に応じた病床確保、陰転化後の患者を受け入れる後方支援病院との役割分担、専門人材の育成・確保、感染拡大時の支援体制をどのように整えていくか、また、どのような規模の感染症を想定して検討していくのかなど、公立・公的病院が今後の計画を策定するに当たり重要な視点であるとともに、非常に難しい問題だとも思っております。今回のコロナをベースに考えていくこととなるとは思っておりますけれども、国においても何らかの考え方も御教示いただけると助かります。
以上で、広島県からの説明は終了させていただきます。
ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの参考人お2人の御説明につきまして、御質問等をお願いしたいと思います。質問の際には、まず、どちらの参考人への御質問かを明らかにした上で御質問ください。なお、時間が大変限られておりますので、できる限り御発言は簡潔にお願いできれば幸いです。
それでは、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 それでは、最初にお話しされました新潟県について、意見を述べさせていただきます。
ここで、病院の類型といいますか、高度で基幹型の病院と、地域の救急、そして地域密着型の病院という区分けは、とても理想的な区分けをされていると感じました。現実的にはこういう形にしないと機能分化はうまくいかないと思いますし、総合診療医のことも出ておりましたけれども、これもまさにそのとおりだと思っております。このような形で進めていくのは非常に理想的だと思いますが、1点、気になりましたのは、公立・公的病院は出てくるのですけれども、民間病院がほとんど登場しないのです。新潟県は民間病院が少ないというお話も聞いていますけれども、そこら辺の機能分化についてはどのように動いているのか教えていただけたらと思います。
○尾形座長 それでは、菊池参考人、お願いできますか。
○菊池参考人 ありがとうございます。
県内に7圏域があると先ほど御説明申し上げましたけれども、全体としてのマンパワーが行政側でも限られているという状況もございまして、優先順位をつけながら、課題の大きなところから取り組んでいるというのが今の状況です。民間病院が多いのは新潟の圏域になるわけですけれども、新潟についても、循環器などを中心として救急の輪番などが回らないという状況も出始めています。そういったところについてはこれから進めていこうとは考えておりますけれども、今日の説明では、特に優先順位の高いエリアということで、重点支援区域を中心に御説明させていただいたところでございます。民間病院についても、基本的には全く同じような形で再編が必要だと思っておりますし、進めていく必要があると考えております。
○尾形座長 猪口構成員、よろしいですか。
○猪口構成員 分かりました。ありがとうございます。
○尾形座長 それでは、大屋構成員、どうぞ。
○大屋構成員 どうも御説明をありがとうございます。
新潟県と広島県の両方に御質問したいと思います。
総合診療医の役割・育成について言及があったわけなのですけれども、ただいま御提示いただいた様々な機能で、病院が合併したり、救急を充実させるということがあったときに、総合診療医だけを育成していて、そこら辺で働く医師が確保できるのかというところが、今、私が関係している地域医療での医師確保のグループでも議論になっております。例えば、急性期病院であれば循環器の専門医もいるでしょうし、透析ができる医師もいるし、消化器で対応できる人もいるということになると、それは必ずしも総合診療医ができるわけではないので、ちゃんと議論を分けて医師確保を考えていかないと、医局から派遣してということだけでいけば、必ず医局に人が入らなければうまくいかないということになりますので、そこに対しての対応はどのように考えていらっしゃるのかということを両方の県にお伺いしたいと思います。
○尾形座長 まず、菊池参考人、お願いします。
○菊池参考人 ありがとうございます。
基本的に、総合診療医の必要性については、特に先ほど申し上げました地域包括ケアシステムを支える医療機関の診療体制に必要であると考えておりまして、地域で高度な医療を支える柱となる、いわゆる救急を中心とした中核的な病院については専門医が中心となりますし、実際にそのような育成も行われておりますので、そこは大きな考え方としては分かれるのではないかと思っています。今、県央地域でやっておりますERの救急などにおいては、一次から三次まで全て休日・夜間については受け止める体制を構築しようと考えておりますので、そういったところについては、中核的な病院であっても、総合診療医の育成は非常に重要ではないかとは考えているところでございます。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
引き続き、今井参考人、お願いします。
○今井参考人 広島県です。ありがとうございます。
広島県も、先ほど説明しました高度医療・人材供給拠点のビジョンを今年につくっていこうとしております。こちらにつきましては、高度医療を提供するという部分で見ますと、専門性が問われる部分だと思っております。総合医につきましては、地域に派遣する部分で、一方ではそういった総合診療医も必要だと考えているところです。こうした拠点整備につきましては、大学と連携しながら、各大学の教授の先生等も連携させていただいて、どういった人材を育成していくかということについても協議を進めているところでございます。
以上です。
○尾形座長 大屋構成員、いかがでしょうか。
○大屋構成員 どうもありがとうございました。
適切にいろいろとお考えいただいていることが分かって、安心いたしました。そもそも大学に人が残っていないと、大学と相談して人が出せないということになりますので、地域全体でちゃんと今言われていた総合診療医も専門医も育成していく仕組みをきっちり整えていっていただくと、このような地域の病院再生が進むのではないかと思って質問させていただきました。
○尾形座長 引き続き、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
先ほど猪口構成員が質問されたことと同じような質問を広島県にお聞きしたいのですけれども、この三原赤十字病院と三菱三原病院を一緒に統合して、急性期が141、回復期も91ということなのですけれども、周辺の医療機関、特に病院を中心に、ここら辺の調整はいかがだったのでしょうか。そういう面では特に問題なく進んだのでしょうか。お聞かせいただけますか。
○尾形座長 それでは、今井参考人、お願いします。
○今井参考人 広島県です。
この統合が決まりましたというか、こういう考えを進めているときに、その他の民間を含めて地域の医療機関等に個別にお話をさせていただいております。ほかの医療機関につきましても、それぞれ特徴的な診療がございますので、役割分担という形で一つ一つ合意を得ながら進めてきたところでございます。
○織田構成員 分かりました。丁寧にそこら辺の説明をされたということですね。ありがとうございました。
○尾形座長 よろしいですか。
それでは、伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ありがとうございます。
今、織田構成員がお話しされたこととほとんど一緒なのですが、この2つの病院の統合によって、地域医療構想の目標達成に向けて、ほかの病院が何らかの動きをするようなことがあったのかどうかということと、今回、統合でこの地域の急性期が46床減り、さらには、回復期も減ることになっています。全国の動向から見ると、急性期は過剰だけれども回復期が足りないという地域が多いということなので、この地域の回復期機能の確保はどういう状況なのか。
もう1点は、資料では既存病床数が3,605あって、必要病床数は2,864ということになりますと、740床ほど過剰な地区であることがわかります。今回の統合で急性期と回リハと両方を合わせて126床ほどが減るわけですけれども、それにしても600床以上の過剰な病床がある。これに対して、どんな政策といいますか、対応をされるかということについて教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、今井参考人、お願いします。
○今井参考人 三原地域につきましても、今回の再編によりまして、急性期・回復期ということで分担をしております。地域の医療関係者との関係でございますけれども、今回の統合に加えて、引き続き三原圏域では今後の将来に向かってどう進めていくかということは、ほかの医療機関も含めて検討するということで、三原圏域でこれが終わりということではないということでございます。
また、広島県全体で申しましても、回復期の部分が不足しているということはございますので、一つ一つの圏域に実情がございますけれども、丁寧に地域の実情に合わせた形で今後の議論も進めていくということで考えております。
○尾形座長 伊藤構成員、いかがでしょうか。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
700床はかなり大きな病床削減で、こういう削減する病床が多いところは一番のバトルになるという現実を私どもも経験しているところでして、もし、この妙案といいますか、いいアイデアがあれば、ぜひお知らせください。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 新潟県と広島県、双方にお伺いしたいのですけれども、統合・再編をしていくと、最後の最後に医師確保の問題が出てきまして、特に派遣していただいている大学との調整が意外と難しい。今回、上越と尾三はまさに県境にある圏域でして、この医師派遣元との調整はかなり難航したのではないかと思うのです。まず、上越は、これだけたくさんあるとかなりモザイク状になっているのではないかと思うので、それに対して今後の対策や現在の取組があればということと、広島のほうは既に話合いがついたということですので、どういう形で大学にアプローチをされて調整をしていったかということを、分かる範囲で教えていただければと思うのですけれども。
○尾形座長 それでは、菊池参考人からお願いします。
○菊池参考人 ありがとうございます。
上越の状況についてお話しさせていただきますと、御指摘のとおり、上越については富山県との県境でありまして、28ページに地図がございますけれども、糸魚川市については糸魚川総合病院という厚生連の病院があるのですけれども、こちらについては、基本的には富山大学から医師の派遣を受けているという状況の地域でございます。上越市についても、一部の病院については富山大学からの医師派遣という状況で、そのほかは、新潟県については基本的には新潟大学の1大学1学部で、そことの調整となるわけです。今回、上越圏域において重点支援区域に申請いたしましたのも、複数大学からの医師派遣で、そこについての技術的な支援的なものもいただきたいなという趣旨もございました。ただ、申請に当たりましては、富山大学にもきちんと調整した上で調整会議にも今後参画していただく中で調整を進めていきたいと考えております。今のところ、特に重点支援区域についても賛成の意向で、これから具体的な調整になりますが、十分に医師確保についても調整していきたいと考えております。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、今井参考人、お願いします。
○今井参考人 広島県です。
大学が異なるというのは大きな課題だと我々も認識しておりまして、方法としましては、実際にやったことは、本当に一つ一つ丁寧に説明していくということでした。広島県も、あるいは、医療機関も一緒になりまして、地域の医療を守っていくという観点で進めていくのだということを、それぞれの大学、医局に丁寧に説明させていただいて、理解を求めていくという手順を取っております。
以上です。
○尾形座長 今村構成員、よろしいですか。
○今村構成員 ありがとうございます。
○尾形座長 それでは、岡留構成員、お待たせしました。どうぞ。
○岡留構成員 ありがとうございます。
先ほどの菊池さんのプレゼンテーションの中に済生会の名前が出ましたので、意見を申し述べたいと思います。
新潟の場合は、歴史的に新潟大学のエリアが非常に広くて、強力なネットワークで結ばれていますから、今度の県央の基幹病院を指定管理者として申請するときに、私どもが手を挙げたわけですけれども、そのときに確認したかったことは、県と新潟大学医学部に確実にドクターのリソースとしてファンクションするかどうかということを何回も県の衛生部を通じて確認させました。その結果、大学当局と県の間で確約が取れましたので、これはいけるのではないかということで、県央基幹病院の管理者として引き受けさせていただいたのです。とにかく、ドクターのリソース。魚沼基幹病院が最初にちょっとつまずいたのは、そういったところが非常にうまくいっていなかったのですね。看護師さんももちろんそうですが、ドクターのサプライが非常に滞ったということで、そういう事例を前もって見ていたものですから、その辺は口を酸っぱくして何回も確認してくださいということでお願いして、今、ここに立ち至ったと。済生会の立場からすると、それが現状であります。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、お2人の参考人の方、本日は、御多用の中、ワーキンググループに御出席いただきまして、誠にありがとうございました。大変参考になるプレゼンテーションでした。どうもありがとうございます。
それでは、本日の議題は以上でございます。
最後に、事務局から何かありますか。
○黒川専門官 本日は、一般傍聴を制限させていただいておりまして、議事録につきましては、可能な限り、速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員の皆様方におかれましても、御多忙とは存じますが、御協力いただきますよう何卒お願い申し上げます。
また、次回のワーキンググループについては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 伊藤構成員、今、手を挙げておられますか。
○伊藤構成員 最後に、全体を通して、教えていただきたいことが1点あって、お尋ねします。
地域医療構想における、大学附属病院と分院の扱いに対して、どういう位置づけで考えたらいいか教えていただきたいのです。大学病院は、独自で、今までは割と地域医療構想の中にあまり入り込んでいない形で考えていたわけですけれども、今度のコロナ感染ではかなり大学病院の役割は大きくなってきたということも含めてお願いします。
もう1点は、一部大学病院の分院化が積極的に進められている地域もあって、そういう地域で大学病院の分院になったときに地域医療構想の中の位置づけがどうであるかということを明確にしないと、話がややこしくなるという状況もあります。それを教えていただければと思います。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○佐藤課長補佐 事務局でございます。
現在の大学が運営している病院の取扱いでございますけれども、現在、再検証の取組等を進める中で、公立・公的等と呼んでおりますけれども、その中で特定機能病院については公立・公的等の中で取り扱ってございます。それ以外の大学が運営する病院に関しては、その他という取扱いでやっているところでございます。
地域医療構想全体の中でどう取り扱われるかに関しては、まさに地域での附属病院がどの程度の医療を実施しているか様々で、かなり大規模にやっているところもあれば、かなり地域に密着して運営されているところもあるので、なかなか一律に取り扱うのは難しいのだろうとは考えてございます。地域医療構想調整会議の中でまさに役割の議論等々をしていただくことが理想とは考えているところです。
○尾形座長 伊藤構成員、よろしいでしょうか。
○伊藤構成員 今のお話ですと、地域医療構想調整会議で大学病院は特定機能ということであまり中に入って議論することはなかったと理解していますが、これからはそういうものにしっかりと参加してもらって、その地域における、あるいは、三次医療圏における役割についてきっちり議論しろということでよろしいでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○佐藤課長補佐 事務局でございます。
今、まさに構成員におっしゃっていただいたとおり、特定機能病院が担っているようなもの、高度な医療のものに関していうと、二次医療圏を超えて、まさに三次医療圏で提供されているものもありますので、そういったものをどう取り扱うかというところはあるとは思いますけれども、それ以外の部分の医療に関しては、ほかの二次医療圏内で取り扱われるものと同様にやっているものがもしあるのであれば、そういったものをどう取り扱うかはまさに会議の中で御議論いただくのだろうとは思います。
○伊藤構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 大屋構成員、挙手されていますか。
○大屋構成員 大屋でございます。
私は、全国医学部長病院長会議から来ておりましたので、少しだけコメントをさせていただきます。
コロナの対応といたしましては、高度な急性期医療から重症まで診るということで、全ての大学病院が均一ではございませんけれども、しっかりと対応させていただいたところでございます。
もう1点、三次医療圏または二次医療圏ごとに、ほぼ大学病院が特定機能病院としているところが多いと思います。地域医療構想調整会議には大体大学病院の関係者が各都道府県内で出席させていただいていることが多いと思いますので、そういう面でいえば、既にこの地域医療構想の中である程度の役割を果たしていると考えております。
今の伊藤先生の御指摘のように、最近、いわゆる分院としていわゆる医療法人を買収する形での附属病院化が進んでおります。そこについては、我々としても地域医療の中でどういう対応をしているかというところまでまだ十分に情報を把握しておりませんが、各都道府県内では話合いに参加しながら進んでいると考えております。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、本日のワーキンググループの議論を終了したいと思います。
本日は、長時間にわたりまして、熱心な御議論をどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局地域医療計画課
直通電話:03-3595-2186

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