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2021年11月5日 第4回第8次医療計画等に関する検討会

医政局

○日時

令和3年11月5日(金) 16:00~18:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 地下2階 クラルテ
東京都千代田区六番町15

○議事

○佐藤補佐 ただいまから第4回「第8次医療計画等に関する検討会」を開会させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催とし、傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
 まず初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。
 本検討会の構成員におかれましては、発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、発言をするようお願いいたします。なお、「手を挙げる」ボタンがない場合には、画面に向かって挙手をお願いいたします。発言終了後は「手を挙げる」ボタンをオフにするとともに、再度マイクをミュートにするようお願いいたします。
 また、座長から、議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
 本日は、参考人として、公益社団法人日本看護協会、森内みね子常任理事、鎌田久美子常任理事。
 日本赤十字社医療事業推進本部、田渕典之副本部長。
 福井県健康福祉部地域医療課、池上栄志副部長、保健予防課、宮下裕文副部長。
 大阪府健康医療部、藤井睦子部長。
 以上、6名の方をお呼びしております。
 参考人におかれましては、発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 また、オブザーバーとして、厚生科学審議会感染症部会の委員、本検討会の各ワーキンググループの構成員の方に御出席いただいております。
 画面表示の都合上、オブザーバーの方におかれましては、会議中はビデオをオフ、マイクをミュートにしていただき御参加いただきますようお願いいたします。
 オブザーバー参加の方については、会議の終盤に質問や意見をいただく時間を別途設けておりますので、その時間に「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからビデオをオン、マイクのミュートを解除して発言をお願いいたします。発言終了後は「手を挙げる」状態をオフにするとともにビデオをオフ、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 事前に、議事次第、構成員名簿、オブザーバー一覧、省庁関係出席者名簿のほか、資料1から4を配付させていただいておりますので、お手元に準備いただきますようお願いいたします。
 また、オブザーバー、事務局の出席については、配付させていただいたオブザーバー一覧、省庁関係出席者名簿により御報告させていただきます。
 なお、冒頭のカメラ撮りについてはここまででお願いいたします。
 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日の議題は「今般の新型コロナウイルス感染症対応について(事例発表)」ということでございます。2つの機関から人材確保等についてお話を承りまして、その後、2つの自治体から地域における体制づくりについて御説明をいただくということになっております。
 まず初めに、本日参加いただいております各参考人より、通しで御説明をいただきまして、その後、質疑応答に移りたいと考えております。
 それでは、初めに人材確保等について御説明いただきますけれども、御説明は大変恐縮ですが、1機関当たり6分以内を目安に御発言いただければと思います。5分を経過した段階で一度、合図をさせていただきます。また、6分になりましたら再度合図をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず最初に日本看護協会の森内参考人、鎌田参考人よりお願いいたします。よろしくお願いします。
○鎌田参考人 まず、画面共有させていただきます。
 本日は、このような発表の場をいただきましてありがとうございます。日本看護協会常任理事の鎌田久美子でございます。看護職の立場から、特に課題となった看護職員確保の現状と課題について発表させていただきます。
 看護職員確保では、増大する業務に対応可能な看護職員の確保に苦慮しました。その理由は、病院においてはICU等における人工呼吸器の装着、ECMOを装着した患者へのケアに通常の集中治療室配置基準以上の人出を要したことやクラスター施設での対応、感染管理業務への対応がありました。
 また、病院以外では宿泊療養施設、自宅療養者へのケア、ワクチン接種業務、保健所、感染管理業務等の広がりへの対応に人材確保が必要でした。
 病院について着目すると、看護職員確保が困難であった一番の要因は、平時からの看護職員配置が少ないことが挙げられます。例えば、1床当たりの看護職員数はアメリカが4.1人に比して日本は0.9人と少ない状況にあります。詳細はスライド13も御覧ください。
 そのような状況の中で、今般の新型コロナウイルス感染症対応において、集中治療室では、ECMO装着患者への対応は患者1人に対して看護師2名以上、体位変換には6人以上という、通常配置より多い数の看護師が必要でした。
 また、人工呼吸器などを装着した重症集中治療を受ける患者のケアができる看護職が限られていたこと、集中治療室には看護補助者の配置が少ないため、必要物品の準備や大量に出るごみの処理等を看護師が行うなど、看護師が専門性を必要とする業務以外に対応していたこともありました。
 このような状況においても感染拡大に対応出来た要因としては、平時から余裕のある患者対応ができる7対1以上の手厚い看護職員配置を行っていたこと、そして様々な状況に合わせ病院内の体制の見直しを行い、看護職員の配置転換を実施する等、看護管理者がマネジメント能力を発揮したことが挙げられます。
 以上から、「安心・安全に看護業務を行うための人材の確保」として、平時からの手厚い職員配置、平時からの人工呼吸器などを装着した患者のケアができる看護職の育成、特定入院料を算定する集中治療室における看護職でなくてもできる様々な周辺業務を担う看護補助者の配置、そして現場のマネジメントを行うことができる人材の育成が必要であると考えます。
 次に課題となったのは、感染管理を担う看護職員確保が困難であったことです。今回のコロナ禍において感染管理認定看護師は大変活躍し、多くの相談依頼に対応してきました。
 しかし、2021年3月現在、感染管理認定看護師は全国に3,006名であり、そこには地域偏在があるとともに、200床未満の中小規模病院に所属する感染管理認定看護師は8%に満たない状況があります。
 このため、感染症に関する専門的な知識と高度な技術を持つ看護師の養成機会の拡充や、地域で活用する仕組みの構築が必要であると考えます。日本看護協会では特に中小規模病院、介護施設に感染管理認定看護師の配置を促進するため、認定看護師教育機関の受講費用の補助を行い、感染症に関する専門性の高い看護職の育成支援を行っています。
 次に、「増大する看護業務に対する看護職員確保の取り組み」として、日本看護協会では都道府県看護協会と連携し、各都道府県内の看護職員を必要とする医療機関等への応援派遣や都道府県内の供給量を超えた場合の都道府県外からの看護職員による応援派遣の仕組みを構築し、実施しました。
 また、都道府県ナースセンターにおいては主に潜在看護職に対する就業支援を行いました。本年10月時点で1万7647名の看護職が復職しています。詳細は、スライド8を御覧ください。
 このように、都道府県ナースセンターを通じて現場に多くの看護職が復職しましたが、現行制度では資格を有する看護職の把握は困難な状況です。看護提供体制を恒久的に維持するためには、未就業者を含む全ての看護資格保有者を適切に把握し、資質の向上とキャリア構築を支援する体制の構築が急がれます。このような体制が構築されることにより、新興・再興感染症の発生や拡大のような有事の際も適切に看護職を確保することが可能になると考えます。
 しかし、都道府県ナースセンターの人員・予算の体制は都道府県による格差が大きく、決して万全とは言えない状況です。ナースセンターの運営費は一般財源化されていますので、まずは都道府県において確実に財政支援を行っていただくことが重要ですが、国においてもナースセンターの体制強化につながる措置を講じていただくことが必要であると考えます。
 最後に、第8次医療計画策定に向け、看護職確保、看護提供体制の確保に向けた取組についてのまとめをスライドに示します。
 平時からの取組と感染拡大時の取組がありますが、基本は平時からの取組が重要です。
 まずは、医療機関の役割に応じた感染拡大時を想定した手厚い看護職員配置を行うこと。
 そして、感染拡大時のフェーズに応じて医療機関内で看護提供体制を迅速かつ柔軟に切り替える仕組みの構築を行うこと。
 専門性の高い看護職、特に感染管理、重症患者に対応できる看護職の育成と確保を行い、所属施設を超えて医療機関や介護福祉施設等を支援できる仕組みを構築すること。
 また、有事の際の看護職員の確保のため、都道府県内及び広域派遣の仕組みの構築と看護職員の応援派遣調整の体制を強化すること。
 さらにナースセンターの体制を強化し、潜在看護職の把握も含めた看護職の資格活用基盤の体制整備が必要であると考えます。
 感染拡大時にはこれらの取組を基盤に、各病院機能の役割に応じた体制に変更し、感染拡大時の業務増大に対応すべきであると考えます。
 以上です。御清聴ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続きまして日本赤十字社から田渕参考人、よろしくお願いいたします。
○田渕参考人 それでは、赤十字の人材派遣の取組を報告いたします。
 スライドをお願いします。
 このグラフは、日本赤十字社全病院のコロナ感染症、入院患者の推移です。青い棒グラフでは累積患者数を、緑の折れ線で各時点での在院患者数を示しております。10月16日現在では累積患者数は1万9206人、在院患者数は104人となっております。このような入院患者への治療を行いながら、また一方で以下に紹介する派遣要請に対応してまいりました。
 スライドをお願いします。
 我が国でのコロナ感染者への対応は、令和2年2月の横浜クルーズ船から始まりました。我々は厚労省の要請に基づいて地図の矢印で示すように全国の赤十字病院、北は北見から南は福岡、熊本までですが、救護班67名、DMAT隊員75名を派遣いたしました。
 次のスライドをお願いします。
 同じく令和2年2月、埼玉の税務大学校と水戸の病院での接触者健康管理やコロナ感染者の治療に対して全国の赤十字病院、同じく北は北見、旭川、南は松山、福岡の病院からですが、それぞれ113名、9名を派遣いたしました。このような迅速な派遣を可能にしたのは、日本赤十字社として初期対応を重視した災害救護訓練を行い、高い救護意識を醸成してきた結果だと考えております。
 次のスライドをお願いします。
 このように赤十字グループからの派遣実績は、令和2年初めから本年9月までの期間を合わせて延べ人数1万7984人になりました。派遣職種の内訳を右下の円グラフで示しております。看護師・助産師が半数、以下、医師などで構成されております。また、派遣先での業務内容を左上の円グラフで示しましたが、ワクチン接種対応が72%、次いで患者対応となっております。
 スライドをお願いします。
 次に、広域派遣について御紹介します。感染拡大が顕著になった沖縄、大阪、東京の施設に向かって感染拡大が穏やかな地区の病院から職員派遣を行いました。派遣看護師の総数は16施設から27人、延べ380人になります。
 このように、感染爆発により医療提供体制に重大な支障を負った地域に他の地区から派遣し、支援する方策は理にかなっていると考えられますが、その詳細と課題を次のスライドにまとめました。
 スライドをお願いします。
 広域派遣の期間は左の棒グラフで示すとおり、2週間以内が大半です。業務の中心は中等症と軽症、そして重症患者への対応でした。
 派遣を終了した看護師の声を集計すると、高揚した職業意識を上げる職員の一方で、様々な戸惑いを感じながら従事していた様子が分かります。
 緊急事態の状況の中での業務ですので、やむを得ないことも多いと思いますが、集まった改善要望を下にまとめました。
 最も多い要望の1つは、感染対策や看護業務のマニュアル整備です。今後、早急な対応が可能である課題だと思います。
 もう一点は特に集中治療室ですが、電子カルテや医療情報システムが未経験の機種に当たったときの戸惑いが挙げられました。将来的には機種が異なっていても操作系が共通化されれば、習熟期間をなくして最初から効率的に業務に当たることができると考えられました。
 次のスライドをお願いします。
 感染管理専門家を核にした対策チームの派遣事例を紹介いたします。赤十字グループでは感染管理認定看護師の養成を推進しており、在籍者は126名になっております。支援対象としては、クラスターが発生した中小医療機関や社会福祉施設、そして開設準備を行う宿泊療養施設でした。
 支援内容としては、第三者の視点から感染対策を再点検し、管理体制を再構築することでした。さらに詳細ではパンデミック対応、ゾーニング、感染防御手技の徹底がありました。
 ここのまとめですが、感染専門家の活動は対策の標準化に非常に有用であり、今後さらなる専門家養成の促進と、専門家が地域で積極的に活動できる場の整備が必要と考えられます。
 次のスライドをお願いします。
 今後の課題を整理するに当たって、赤十字グループ施設別の延べ入院患者数を棒グラフで示しました。赤い棒で示した感染症指定医療機関は、白い棒の非指定機関より受入患者数が多い傾向が認められました。このように、日頃の感染症への準備がとても大事であることが分かります。
 今後の課題を下に述べます。
 まず、全国的な体制強化を左下段にまとめました。
 ①番として、感染症に対応できる医療機関の拡充と地域での役割分担と連携の促進が挙げられます。
 ②番として、量的確保が必要になる看護師については人材バンクの設立と潜在看護師の活用が考えられます。
 ③番目として、派遣に関する指揮命令系統が国や県など複数あり、一部に混乱がありましたので、この指揮命令系統の一元化が重要と考えられます。
 同様に、感染の詳細情報を収集する手段が統一されれば医療機関での煩雑な入力作業を簡略化でき、さらにその情報が迅速に共有する仕組みがあれば、遠くからの派遣準備も効率的に行えると考えられます。
 また、医療機関ごとの環境整備を右半分にまとめました。
 ハード面は、個室などの病室整備、ゾーニングです。ソフト面では感染専門家の育成、計画性が必要な集中治療室での人材育成や特定行為研修制度の拡充などが課題として挙げられます。
 以上、赤十字グループの医療人材派遣の経験と、その視点から基づいた課題をまとめました。
 御清聴ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして地域における体制づくりの視点からお話を承りたいと思います。御説明は、1自治体につきまして20分以内を目安にお願いしたいと思います。また、これも恐縮ですけれども、19分になりますとベルが1つ鳴りまして、20分にまた鳴るということですので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、まずは福井県健康福祉部から池上参考人、宮下参考人よりお話を承りたいと思います。よろしくお願いいたします。
○池上参考人 それでは、福井県から発表させていただきます。
 スライドの2ページを御覧ください。この赤いところが入院患者数の山になっております。1波、2波、3波、そして168、148という数字が4波になります。そして、最後に223のところで入院患者のピークを迎えておりますが、これが福井県における5波になります。
 次のスライドをお願いいたします。
 それぞれ入院患者の最大値だったり、病床の使用率を上げたものでございます。ここでは(4)の「入院患者の最大値」を御覧ください。最初に1波78人、そして5波では223人でした。そのすぐ下が重症者数になります。1波では8名、それが5波では2名というように、一番重症者が多く出たのは1波という状況でした。
 それで、(9)の確保病床を御覧ください。病床としては1波から5波まで、まず122床から424床まで段階的に増やしております。重症者病床についてはすぐ下にあります14床から、今は24床まで確保しております。
 次の(10)番の「確保病床使用率の最大値」ですが、一番逼迫したのは実は1波になります。患者さんは少なかったのですが病床自体が少なかったので72%、そして重症者に至っては使用率が100%ということで、一番危機的な状況をこの1波で迎えたということになります。5波においては重症者が少なかったということで、使用率は8.3%ということで一番少ない状況でございました。
 次をお願いいたします。
 これまでの患者受け入れ病床、そして宿泊療養施設確保の取組をまとめたものでございます。ここでは主な課題のところで、まず第1波を御覧ください。感染が最初に拡大した1波では病床確保について関係者、医療機関、そして医師会、看護協会と調整・合意を図る体制がございませんでした。不十分でした。それで、一般診療を制限するような医療機関も生じておりました。
 課題への対応といたしまして病院長会議、これは後ほど御説明いたしますが、コロナ受入れの病院長が集まり、そこで協議して計画的に病床を確保する体制をつくりました。感染のフェーズに応じて病床を確保するということをみんなで確認し合う場というふうになりました。
 2波では、感染状況の1つ目に書いてありますカラオケ喫茶における多数のクラスターが発生いたしました。そのために課題のところの1つ目になりますが、要請日から短期間で病床確保が必要になりました。感染の拡大が急激に進んで、準備病床を即応病床にするまでの期間が非常に短いという中で病床が一時的に厳しくなるという状況でございました。
 その対応といたしまして右側になります。フェーズごとの確保病床をそれぞれかさ上げ、上乗せするということで、少しでも次のフェーズにいくまでの時間を稼ぐ運用を行いました。
 そして、第3波では感染状況のところで介護老人保健施設でクラスターが発生いたしました。これに伴って、課題として1つ目にあります高齢者の感染者が増加して入院期間が長期化するといった状況が見られました。これに対しての対応といたしましては、右側になります。ポストコロナ患者を受け入れる後方支援病院を確保し、そして転院を促進するという仕組みを動かすことにいたしました。
 次は4波でございます。ここでの取組のところですが、3つ目のポツです。病床確保計画を見直しました。それで、緊急時の対応としてそれまではフェーズ4までの病床計画でしたが、フェーズ5を新たに創設いたしました。
 そのためにどのような対応を取ったかが一番右でございます。協力医療機関、疑い病床を持っている医療機関に、最終フェーズでコロナ病床へ転換していただくというような取組をしていただき、そして各重点医療機関では個室を多床室に変える。1人部屋に例えば2つベッドが置けるのであれば2人部屋として運用していただくというようにして病床を生み出すということをいたしました。
 さらにすぐ1つ下になります。無症状者については入院を経由せずに直接宿泊療養ということで、なるべく医療機関の負担を軽減し、宿泊療養でいい方については直接に宿泊療養に行っていただくというように運用を変えていきました。
 そして、第5波です。ここでの取組は、3つ目のポツにありますように臨時医療施設を準備いたしました。100床までのキャパシティーを持っております。それで、対応のところを見ていただきますと、先ほど宿泊療養を活用すると申し上げましたが、入院基準をさらに厳格化しまして、入院治療の必要な人、重症、中等症患者を入院対象とし、軽症、無症状は直接宿泊療養ということで、少しでも宿泊療養のほうへ患者さんを動かすという運用を始めました。
 次のスライドをお願いいたします。
 これが本県の病床確保計画で、それぞれのフェーズごとで病床を確保していただくということです。それで、今回第5波では324床までに収まったという状況でございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 どのように福井県において病床を確保したかということを時系列で追ったものでございます。最初は7機関、そして48床でございました。ここでは公立、公的病院のみでスタートいたしました。それで、今、令和3年8月のところが最終ですが、24機関ございます。この24機関のうち1機関は、すぐ1つ上の※に書いてありますように臨時医療施設になりますので、医療機関としては23機関になります。そのうち公立、公的は14、そして民間は9ということで、民間病院にも最終的には病床を確保いただいているという状況でございます。
 では、次をお願いいたします。
 病院間の役割分担をどのように調整したかということをまとめたものでございます。
 2つ目のポツにあります。重複しますが、病院長会議において重症患者を受け入れる病院を明確にいたしました。そして、ほかの病院は中等症・軽症患者を受け入れるということで、病院長の了解を得てこうした仕組みをつくっております。
 そして、3つ目にありますように、入院コーディネートセンターにおいてもその役割分担に基づいて、重症者についてはその担当病院、それ以外の軽症についてはほかの重点医療機関に入院調整するというように運用を行っております。
 それで、1つ下、「病院間の連携」でございますが、まず(重点医療機関)同士の連携ということで、軽症患者医療機関で患者が重症化した場合には重症患者受入医療機関に搬送するということ。
 そして、2つ目は重症者がいないときには重症担当の病院であっても軽症者を受け入れていました。また、重症患者の増加が見られた場合には、それまで使用していた軽症者、あるいは回復患者は他の医療機関に転院ということで、それぞれ重点医療機関同士で患者さんを搬送する仕組みにしております。
 そして、次は1つ下の(後方支援病院)でございます。これは、重点医療機関とそれ以外の病院との連携というものであります。コロナ回復患者を受け入れる後方支援医療機関を、括弧書きにありますように医師会と連携いたしまして協力を依頼しました。結果、現在では39医療機関を設定しております。
 では、次をお願いいたします。
 これまでの課題、そして6波に向けた対応でございます。
 これまでの課題といたしましては、1つ目にありますように入院とか手術延期、救急受入れ停止というように一般医療の提供に影響がございました。
 2つ目にありますように、最初は全ての感染患者を入院としておりましたので、軽症・無症状が急増して病床使用率が高まるという状況が見られました。さらに入院調整に時間を要するということになりまして、自宅待機中に夜間救急搬送が必要となる事例が生じております。
 途中で、3つ目にありますように軽症・無症状を直接宿泊療養といたしましたが、今度はその宿泊療養ホテルに看護師さんを確保するというところで困難が生じておりました。
 今後の方針としてどうするかですが、3つ目のポツでございます。感染拡大のフェーズにかかわらず、これからは入院治療の必要がある患者さんについては入院、そして健康観察が主な患者さんについては宿泊というふうに運用を続けていきたいと思っております。
 そして、4つ目にありますようにワクチンの接種、あるいは中和抗体薬の投与によってだんだんと軽症の方が増えてきております。宿泊療養の稼働率をどうやって高めていくかということが今後の課題であり、そして方針となるのですが、医師会の御協力によって往診をし、そこでの健康観察体制を強化するということ。
 あるいは下のほうにあります短期入院での中和抗体薬の投与、あるいは宿泊療養施設の投与、こうしたものをすることによって入院期間を短縮化して入院対象者を宿泊療養に振り替えていこう。それによって病床を効率的・効果的に運用していきたいと思っております。
 最後のポツでございますが、入院待機とか自宅療養の対象の方が出た場合に、血液検査であったり、画像診断を行うメディカルチェックを試行的に動かしております。それが本格的に自宅療養者が増えるような事態になったときには、その運用を拡大して入院治療の必要性を判断して、入院が必要な方を確実に入院というような体制にしていきたいと思っております。
 次をお願いいたします。
 これまでどのように入院、そして宿泊療養の方を仕分けてきたかというものでございます。従来のところ、左側になりますが、フェーズ1からフェーズ5まで御覧いただくと、フェーズ2、3の枠のアンダーラインを引いてあるところですが、症状軽快の25歳以下は原則5日以上経過したら宿泊療養に受入れ、それをフェーズ4、5では40歳以下の方を5日以上で宿泊療養施設に移す。それからまたフェーズ2、3に戻りますが、直接宿泊療養施設に行く方というのを25歳以下で初めて運用し、そしてフェーズ4、5では40歳以下の方を直接宿泊療養施設にということで、少しでも病床が空くように運用いたしました。
 ただ、先ほどから申しておりますように、右側になりますが、現状では入院治療の必要な方と、そして宿泊療養で済む方というのを明確に分けて運用しております。
 その運用に当たって下の点線で囲んだところでございますが、血液検査や画像診断によってメディカルチェックをして、間違いなく入院しなくても大丈夫な方、あるいは入院が必要な方というのをしっかりチェックするようにいたしております。そして、健康観察体制を強化するということで、医師会の御協力でオンコールだけではなくて往診の実施も現状進めております。
 では、次を御覧ください。
 入院調整本部の体制、DMATの役割でございます。最初に感染が拡大したときから、令和2年4月12日からDMAT隊員の方に入院コーディネートをお願いしております。実際には6日から県庁に来ていただいて、入院調整の業務に当たっていただきました。
 それで、1波のところの表になるのですが、1波の課題です。最初、入院調整をするに当たっては全く手探りでした。入院調整ができないような状況の中で病床の逼迫も非常に高まっていたときにコーディネートセンターというものを立ち上げたので、早期立ち上げというのが本当に課題として挙げられました。そして、病院の中で重症化するかどうかということについて患者の情報を共有する方法というのがなかったので、重症患者を搬送していく、つまり重症を受け入れることができるICUを持っている病院に移すということで遅れが生じました。
 それへの対応としては、1波のときにコーディネートセンターをどういうときに立ち上げるかという設置基準を作成いたしました。そして、重症化した場合、どの段階でICUの病院に送るかということについての搬送基準もつくり、それを共有化いたしました。
 では、次のスライドをお願いいたします。
 保健所との関係で申し上げますと、まず保健所からの患者情報を基に医療機関との入院調整をコーディネートセンターでやっております。福井県の場合には保健所設置市、あるいは県の保健所を含め、全県的にその情報をコーディネートセンターに集めます。そして、コーディネートセンターが全県を1つとして各医療機関と調整をし、入院先を決めるということをしております。
 入院中に容態が悪化した患者については、保健所から速やかにコーディネートセンターに調整への依頼がありますので、優先的に入院調整をするという仕組みにしております。
 次のスライドをお願いいたします。
 「関係機関との情報共有」でございます。
 まず1波で感染が急に拡大したときには全く行政側と医療機関、そして医師会などとの意思を疎通させたり合意を形成する体制、仕組みがございませんでした。手探りで入院調整をしていたという時期もございました。そうした中で、1波の中で体制をどういうふうに共有するかということをしていったのですが、それが3つ枠の中にありますとおり仕組みとしてございます。
 まず1つ目が感染状況、あるいは病床確保、患者の受入れ状況というものを情報共有しようということで、毎日その状況を医師会、看護協会、入院医療機関、そして入院コーディネートセンターに情報共有、情報を提供して共有しております。
 2つ目が医療ワーキングということで、これは医師会、看護協会、コーディネートセンターの先生方が集まって毎日情報を交換する場でございます。毎週月曜日、県庁にて開催しております。感染状況は今ほとんどないので、こういう状況では隔週開催としております。そこでは感染状況の確認のほか、検査体制をどうするか、病床の確保をどうしていくか、あるいは入院調整をどうするか、その時々の課題について協議しております。そして、課題があればその解決策についても協議するというふうに政策をどう進めるかということを最初にみんなで考える場になっております。
 3つ目が病院長会議です。これは重点協力医療機関の病院長、そして医師会、看護協会、コーディネートセンターで集まっております。これは要所、要所で各病院の院長先生に集まっていただいております。1波時の混乱の中から、まずは院長先生に集まっていただいて合意を形成する場として現在ではうまく機能しております。内容として、検査体制をどうするか。ワーキングで決まったようなことを、最終的に入院受入れを担当している病院の中で合意形成を図る場として検査体制をどうするか、病床確保計画をどうするか、あるいは先ほどの入院の基準をどうするか、そのような重要事項をここで決定しております。
 次のスライドをお願いいたします。
 どのような情報を共有しているかというものをそのままここに掲載しております。左側にありますように、1番は患者の入院状況はどうか、そして2番は病床の使用状況はどうかというものでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 これは、それぞれ病床がどれくらい詰まっているかということを毎日情報提供しております。赤字のところ、10月15日から現在フェーズ1なので、フェーズ1でどれだけの病床が確保され、即応病床としてあるか。それに対して入院患者数が何人いるかということを毎日各医療機関に提供して、どれだけの病床の埋まり具合かということを見ていただいております。
 次のスライドをお願いいたします。
 これはワーキング、そして病院長会議の画像でございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 「臨時の医療施設の設置・運営」についてでございます。これは、フェーズ5の段階で開設したものでございます。
 設置の経緯といたしまして、今年の4月、5月に病院長会議を開催しました。その場において新しい病床確保計画をどうするかという議論の中で、確保病床を超える場合、それ以上の患者さんが発生したときにどうするんだということも議論に上がりました。
 括弧の中が提案なのですが、体育館などの広いスペースで患者を受け入れて効率的に容態管理、あるいは治療を行うようなオペレーションがあっていいのではないか。そのような御提案がございました。それを県の中で6月に補正予算として計上し、その予算成立後、環境あるいは機器整備に着手して2日に準備を完了したものでございます。そのイメージがこの画像2つになっております。
 それで、性格づけとしては宿泊療養以上、そして医療機関以下の提供を行う位置づけとしております。
 対象患者としては、ホテル受入れが困難な重症化リスクのある無症状・軽症、あるいは重症化リスクのない中等症1の患者さんを受け入れるということで運用を考えております。
 患者の容態が悪化して酸素投与が必要な場合、中等症2になる患者さんについては他の医療機関に搬送という運用でございます。
 キャパシティーとしては100床です。ただ、当面20床で運用して、必要があればだんだんとベッドを増やすということを考えております。
 医療従事者については近隣の病院から、あるいは医師会、看護協会の力添えで確保したいと思っております。実際にこれまでは6人の患者さんを受け入れて健康観察、投薬というものを実施しております。
 ただ、これはピークが終わってから一度運用しなければなかなかオペレーションは分からないということで、感染拡大のピークを外れたときに6人の患者さんを受け入れております。
 次のスライドをお願いいたします。
 「宿泊療養の健康観察など医療関係者との連携」でございますが、1波、3波では宿泊療養施設でPCRの検体採取、あるいは容態管理が必要になりました。あとは、看護師さんの確保が必要になりました。これについては、県や郡市医師会の先生方で医師を確保していただいてオンコール体制であったり、実際にPCR検体採取に来ていただく先生をお願いすることができました。そして、看護師さんについても看護協会と連携して確保することができました。
 それぞれの感染の波によっていろいろな課題がございましたが、それについては一つ一つ医師会と御相談、看護協会と御相談しながら対応してきたところです。
○宮下参考人 最後のところになりますが、次のスライドをお願いいたします。
 「自宅療養の健康観察など医療関係者との連携」ということで、当県はほとんど今まで自宅療養ということは行ってまいりませんでした。先ほどのお話であるとおり、トリアージをきちんと行っていただくことで必要な方に入院、もしくは宿泊施設ということで患者を受け入れて医師会の協力の下、宿泊療養所でのメディカルチェック体制というのも確立されてまいりました。今後は患者が増加したときに併せて自宅で療養できる人をトリアージして、自宅のほうで健康観察が行えるオンライン診療も含めまして体制の充実を考えていきたいと考えております。
 私からは、以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、大阪府健康医療部から藤井参考人よろしくお願いいたします。
○藤井参考人 大阪府健康医療部長の藤井です。説明の機会をいただきましてありがとうございます。
 資料のほうをお願いいたします。
 「大阪府における医療・療養体制の確保について」、経過を追ってということですので御説明させていただきます。
 次のページをお願いします。
 大阪府では、福井県さんと同様にこれまで5つの波になっております。最大の波が、第5波の1日3,000名です。一番厳しかった第4波が1日1,260名という状況です。
 次のページをお願いします。
 主な経過につきまして、発生初期におきまして、まず大阪の特徴について御説明させていただきます。
 次のページをお願いします。
 新型コロナ対策の大阪における特徴といたしまして、まず患者情報の一元化が全ての取組のベースになっております。その背景にありますのは左側、大阪府内では既に9か所の保健所設置市、政令中核市がございます。大阪府直轄の保健所は、人口の約3割にしかすぎません。これまで、市との対応によりまして、それぞれの保健所による対応でありますと情報の一元化は非常に課題があるということで、新型コロナ対応をスタートする前に疑い患者を含めて患者情報の共有をする、一元化をするということをまず決定いたしました。これが、医療療養体制のベースになっております。
 次のページをお願いいたします。
 大阪府内には6つの感染症指定医療機関78床がございますが、これは第1波、3月の中旬に瞬く間に病床はオーバーフローいたしました。その時点で、3月に感染症患者の増加に応じた対応を決定しております。この時点で非稼働病床の活用、その下にありますが、宿泊施設の活用を行うということを基本的な考え方として決定をいたしました。
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 もう一点の特徴といたしまして、令和2年3月の時点、病床が感染症指定医療病床でオーバーフローした時点で、入院調整が保健所によるものでうまくいかないという事態になりました。この時点で、大阪府において保健所からの申請に応じて一元的に大阪府が入院調整を行うという体制を整えました。日々の各病院における受入れ可能病床につきましては大阪府において把握をして、医療機関はもちろん、関係団体とも共有をするという取組をこの時点でスタートしております。
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 その後、国のほうから都道府県調整本部を設置する旨の通知をいただきましたので、府の入院フォローアップセンターを都道府県調整本部に位置づけました。フォローアップセンターのマンパワーといたしましては、大阪府の公衆衛生医師を主軸にフォローアップの事務を賄っておりますが、そこに臨床の現場に立たれておりますDMATのコーディネーターの先生、あるいはそれぞれの専門医の先生にサポーターとしてなっていただきまして、日々のアドバイスをいただいております。また、三次救急の先生方とは拡大時には毎日フォローアップセンターと、夜の9時にウェブ会議を開催いたしまして、病床、あるいは患者の情報についての情報共有を行いました。
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 また、病床確保について、令和2年4月に厚生労働省より入院患者数の算定式が示されました。それに基づいて、大阪府で必要とされた病床数はフェーズ4に記載のとおりの病床数になります。これはかなり実現不可能な病床数と思われましたので、この時点で大阪府の確保目標を3,000床と置きました。3,000床と置きまして、主に公的医療機関を中心に病床確保のお願いをいたしました。
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 ただ、非常に病床確保につきましては困難を極めまして、即座に「受入病院支援チーム」を設定いたしまして人的支援の調整、あるいはハード整備の支援等の実施をいたしました。このチームは現在、支援課として課として拡充して継続をしております。
 ただ、極めて困難を極めまして、目標数3,000に対しましてこの時点では4割程度の病床確保となっております。
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 また、この令和2年4月の時点で既に病床がオーバーフローするということを見越しまして、4月で自宅療養、宿泊療養の移行を決定して、その準備を進めるということを4月の時点で決定をいたしました。
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 あわせまして、第1波の収束に伴い、患者数の減少に伴い、弾力的な病床運用が必要と思われたことから可変的な病床運用を行う。患者数が減ったときには、確保病床を一般医療のほうに転じていくという可変的な病床運用の方針について決定いたしました。当所の医療療養体制のベースがここまででございます。
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 次に、第2波で医療体制の強化を行いました。第2波は若い方中心の波となりましたが、次のページをお願いいたします。
 第2波に先立ちまして、6月に国から新たな患者推計の考え方をお示しいただきました。これは第1波の感染状況も踏まえた患者推計の考え方ということで、これを踏まえまして新たに大阪府内における必要病床数の目標を1,615床と置き直しをいたしまして、この1,615床に向けまして病床確保の要請を行ったところです。
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 また、確保した病床につきましてそれぞれのフェーズを定めまして、感染状況に応じてフェーズごとの運用を行うということ、あるいは7月には病床確保計画、フェーズの運用を含めた病床計画の策定を初めて行いました。以降、病床確保の状況に合わせまして、数度にわたりこの病床確保計画を改定しております。
 あわせまして、上の黄色いところの3行目ですが、令和2年7月の時点で想定を超えた感染拡大が生じたリスク対応として重症者向けの臨時医療施設を整備すること、この時点で整備方法、あるいは運用方法について未定ではございますが、臨時医療施設の整備を決定いたしました。
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 これらを踏まえまして、第3波、10月から年明けにかかる波でございます。ここは、感染拡大期でございます。
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 第2波で決定いたしました、重症患者用の臨時の医療施設につきまして12月からの運用を開始いたしました。この大阪コロナ重症センターにつきましては、感染の急拡大に備えまして既に重症病床を備えていた大阪急性期総合医療センターという災害拠点病院の敷地内に大阪府として設置をいたしました。当初、臨時の医療施設としての設置を想定しておりましたが、この当時、臨時の医療施設は緊急事態宣言下のみ運営可能とされていたことから、開始に当たりましてこの時点で緊急事態宣言下ではございませんでしたので、医療法の施行規則第10条のただし書を適用して、急性期総合医療センターの施設の一部として運営を開始いたしました。重症病床30床のプレハブ施設でございます。
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 ただし、これを見ていただきますと、緊急事態宣言が1月14日、その以前は大阪府独自の医療非常事態宣言、重症センターの運用開始は緊急事態宣言の前の12月15日から運用を開始しております。この時点で医療従事者の確保ができておりませんでしたので、重症センターへの派遣のお願いを全国知事会、関西広域連合、府外の医療機関、併せて自衛隊からも年末年始の波では派遣をいただいたところです。また、府内の多数の医療機関からも多数の応援をいただきました。
 また、府看護協会にはこの後も重症センターへのICU勤務経験のある看護師の確保に一貫して御協力をいただいております。こういった取組で、262名の看護師を確保しましてこの30床の運用を行ったところです。
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 第3波では、年末年始の医療機関の受入れ体制脆弱化のタイミングと、患者の増加のタイミングが重なりました。ここで、特措法24条9項に基づく緊急要請を重ねて行っております。下の(2)でございますが、それでも、病床確保が追いつかないということで、特措法第24条第1項に基づく対策本部長による総合調整をいたしまして、指定機関であります病院協会、あるいは私立病院協会、市町村・指定公共機関に対する病床確保の要請を行ったところです。
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 また、この当時問題となりましたのが入院患者の長期化です。高齢患者が非常に多いということで、入院期間が長期化する。コロナ症状が収まっていながら入院期間が長期化するという状況が生じたことから「転退院支援チーム」を立ち上げまして、後方支援病院の強化と転退院の促進を行いました。
 その結果が次のページでございます。
 総入院患者に占める長期入院患者、15日以上の割合が左側でございます。これは転退院強化によりまして下がってくるという状況のほかに、コロナ症状以外の理由で入院が長期化している患者さんの率が低下したところでございます。
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 第4波の状況でございます。第4波は、御存じのように「アルファ株」による医療逼迫、極めて厳しい、ちょうど第5波の首都圏と同様の状況が大阪では生じました。第3波に比べて、約3倍のスピードで重症患者が発生するということが生じました。
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 その結果どういうことが生じたかといいますと、右側でございます。右側は薄い水色が確保している病床ですが、この確保した重症病床を重症患者がオーバーフローする。オーバーフローした分は、中等症の病院で挿管患者を留め置いていただくという事態が生じました。
 その結果、右側の軽症中等症はまだ余裕があるようですが、重症患者を留め置くことで中等症患者の引受けができなくなりまして、重症患者、軽症中等症等の患者の引受けが日々、滞る。お受けいただけなくなるという状況が生じました。
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 第4波における病床運用の状況で、これは全体が軽症・中等症受入機関において治療継続した患者のうち、濃い色が重症患者の数でございます。最大、中等症の患者のうち91名の重症患者の留め置きをしていただいて治療の継続に当たっていただいたという状況です。
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 このような非常に厳しい病床の状況を踏まえまして、大阪府では4月から5月にかけまして臨時の緊急要請を重ねたところでございます。これは24条9項に基づく臨時の救急要請、とりわけ重症患者につきましては一般医療を一部制限の上、病床を運用いただくよう緊急要請をしたところでございます。その内容は表に記載のとおりでございますが、この間、府内の医療機関、一番下の欄にございますように非常に短い期間で最大190床以上の重症病床を確保いただくという最大限の御協力をいただきまして、何とか第4波の重症患者対応を行ったところでございます。
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 結果として、中等症患者につきましても非常に逼迫いたしましたので、併せまして中等症につきましては新たに制定されました感染症法第16条の2に基づきまして確保の要請をお願いいたしました。この中等症につきましても、短い期間で850床以上の確保をいただいたところでございます。
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 看護協会を中心に、看護人材につきましても多大な確保協力をいただきました。また、大阪は全国の中でも極めて厳しかったということで、府外の医療機関からも71医療機関、149名の応援をいただいたところでございます。
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 あわせて、自宅療養者が非常に増えるということで、自宅療養者に対する対応といたしましてオンライン診療の拡充、あるいは民間事業者と契約を行いまして府内全域で休日・夜間の症状増悪時の相談・往診体制を確保したところです。
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 また、当初から大阪はホテル療養を強化しております。この時点で、13ホテルを確保していたところです。ホテルで酸素吸入を可能とする酸素室を設置いたしまして、ホテルの診療体制、療養体制を強化したところでございます。
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 これらの入院のための病床が逼迫したことで、一般医療にも影響が出ました。救急搬送困難事案につきましては、前年と比較をいたしまして約1.6倍に増加したところでございます。
 ただ、最終的には全域の連携体制によりまして、必要な救急搬送については対応ができたという検証も行っているところです。
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 また、救急車の搬送、入院先が即座に対応できなかったということで「入院患者待機ステーション」を設置したのもこの時期でございます。最大、酸素ステーションの待機時間は51時間という事態が生じましたが、入院までの間、ここで酸素吸入等を行っていただくという待機ステーションがこの時点で非常に有効に機能をいたしました。
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 第4波の教訓を踏まえまして、第5波の取組でございます。
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 さらなる医療機能の拡充が必要ということで、一般医療と両立し得るコロナ医療体制の構築ということで、中等症・重症一体型病院という新たな区分を設けまして、さらに病床確保、最終的には3,500床を目標に病床の要請をお願いしたところです。
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 さらに、この要請に対しまして現在時点、この時点で3,400床の確保という、当初1波のときに目標といたしました病床数を結果としてこの時点で確保いたしました。
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 また、転退院の支援につきましても、システムを構築いたしましてさらに強化をいたしました。
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 宿泊療養につきましても8,400室、31施設の確保を行った上で、宿泊療養施設に医療機能を付加するという取組を第5波から強化いたしております。宿泊療養施設で、ホテル抗体カクテルセンターを設置いたしまして中和抗体の治療をしていただける、あるいは希望される方にオンライン診療を受けていただけるという体制を整えております。
 また、ホテル入所を希望される方は、早ければ当日中にホテルまでタクシーで搬送していくという体制をこのときに構築いたしました。
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 また、自宅療養者に対しましても、医師会がチーム制で往診を行うという体制を第5波では構築していただきました。また、訪問看護師による健康観察も198か所でスタートしております。
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 あわせまして、第5波で特に力を入れましたのが外来診療の強化です。既に軽症の患者さんに対する早期の治療が必要ということで外来診療病院の指定、あるいは抗体治療を行っていただける医療機関の整備を進めております。現在時点で、200医療機関で外来で抗体治療を受けていただける体制が整っております。往診では58医療機関ということで、施設での中和抗体治療が今後有効に機能すると思われます。
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 また、これらの本流の医療療養体制がオーバーフローした場合に備えまして、本日最初の内覧会を実施いたしましたが、一時避難的施設として1,000床の臨時の医療施設の整備が完了したところでございます。
 次のページ以降がまとめでございます。次のページをお願いいたします。
 これらを総括いたしますと、水色の線が第1波から5波にかけての重症病床の確保の状況です。順次、段階的に病床確保してきたつもりでありますが、第4波では大きく病床がオーバーフローいたしました。逆に第5波では、確保した病床に対して重症病床については余裕があったということです。
 次のページをお願いいたします。
 軽症中等症につきましても既に3,000床近くの病床を確保しておりますが、第5波では軽い患者さんを早期入院するという方針で対応してまいりましたので、運用率は最大瞬間風速で90%となっております。
 次のページをお願いいたします。
 次のページ以降、少し急がせていただきますが、当所、公立病院中心に確保していたものが3波以降、民間も参入した病床の確保となっております。
 ページを2ページほど飛ばしていただきます。
 次の課題は、圏域ごとに発生患者10万人当たりの病床確保に差があるということで、第6波に向けては圏域当たりの病床確保の均等化を進めてまいります。
 次のページをお願いいたします。
 また、大きな課題といたしまして、フォローアップにおける入院調整件数、最大200件まで大きくなっております。搬送手段の確保が次の課題となっております。
 ページを3ページほど飛ばしていただけますか。
 これらの取組によりまして、次のページをお願いいたします。
 大阪では、実は第5波では第4波と比較いたしまして重症化率、死亡率、あるいは平均入院期間、いずれも大きく改善をいたしました。おおむね2倍以上の感染患者が出ましたが、大きく状況は改善いたしました。
 すみませんが、最後のページをお願いいたします。
 これらの状況を踏まえまして、現在、外来医療機関、あるいは医療アクセスの確保を進めているところですが、今後の感染症対策に向けた課題として2点お示しをしたいと思います。
 段階的に非常に大阪府は様々な苦労をし、医療機関の理解を得ながら病床確保を進めてまいりましたが、やはり今の任意の協力要請では病床確保の限界でございます。新型コロナの病状の経過が比較的緩やかであることから、この対応で何とか対応してまいりましたが、一定の強制力を持つ病床確保の法整備が必要と考えております。
 また、入院調整に当たりまして、保健所と都道府県の権限の整理が必要と考えております。一元的な対応が大阪府では功を奏したと考えているところです。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これからただいま御説明いただいたことに対する御意見、御質問等をいただければと思いますが、まず初めに当検討会の構成員の皆様からの御意見、御質問を承って、その後にオブザーバーの方からの御意見をいただければと思います。
 それと、質問する際には、どの参考人に対する御質問、御意見になるかということをまずは表明していただきたいと思います。
 また、できるだけ多くの方の御意見をいただきたいと思いますので、御質問は簡潔に、かつ数を絞ってお願いできればと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、いかがでございましょうか。
 櫻木構成員、お願いいたします。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
 日本精神科病院協会の櫻木です。貴重な御報告をいただいてありがとうございました。
 それでは、福井県の担当の方と大阪府の担当の方にお伺いします。
 例えば精神障害の方、あるいは精神疾患をお持ちの方、それから人工透析の患者さん、あるいは妊産婦の方というのは病床の確保、あるいはその受入れというのは非常に困難だと言われております。それに対してどういうふうに対応されたか。
 大阪府のほうは入院フォローアップセンターのほうに精神科医とか、あるいは透析の医療の関係の人、それから産婦人科医や新生児のお医者さんがアドバイザーとしていたということがありますけれども、実際にどういうふうに病床を確保してどういうふうに対応したかも含めてお教えいただければと思います。お願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは福井県、その後に大阪府ということでお願いいたします。
○池上参考人 まず福井県では妊産婦であったり、小児、そして精神、そうした特殊なケースの場合については県立病院が役割を果たし、県立病院の病床において受け入れるというふうに運用しております。
○遠藤座長 それでは、大阪府いかがでございましょうか。
○藤井参考人 大阪府です。ありがとうございます。
 先ほど御質問いただいたそれぞれの病床の確保を別途しております。人工呼吸器、透析可能な病院、新生児、妊産婦さん等受入れ可能な病院、その中で第3波におきましてお示しのように人工透析が必要な患者さんの病床が非常に逼迫いたしました。人工透析の患者さんを引き受けてくださる病院に対する単独の補助金を特別に用意して病床確保を行ったところです。
 また、入院調整に当たりましてはお示しのとおり、それぞれの分野の専門家の先生をアドバイザーとしてお願いしておりますので、フォローアップで入院調整する際に御相談をしながら日々の入院調整を行っているところです。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 櫻木構成員、いかがでしょうか。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
 具体的に、例えば精神病床でそういった感染に対する病床というのはどのくらい準備されたかだけお教えいただければと思います。
○遠藤座長 これは、大阪府と両方ですか。
○櫻木構成員 両方お願いします。
○遠藤座長 では、福井県、大阪府の順番でお願いします。
○池上参考人 福井県では精神病床を感染患者さんのために確保はしておりましたが、実際にそうした事例はなかった。入院受入れをした事例はなかったという状況でございます。
○遠藤座長 では、大阪府お願いいたします。
○藤井参考人 すみません。それぞれ病床数は把握しているのですが、後ほどまた御回答させていただきます。
○遠藤座長 分かりました。では、よろしくお願いいたします。
 それでは、お待たせいたしました。次に、大屋構成員お願いいたします。
○大屋構成員 AJMCから来ております大屋でございます。
 私は大学病院におりますので、少しお聞かせいただきたいことが2つありますけれども、1つは人材、医療従事者の派遣という形で今日は看護協会と日本赤十字社に御説明をいただいたところなのですが、1日2日で行ったりする場合はいいと思うのですけれども、例えば2週間とか4週間という形で他県の病院に派遣した場合、その方たちのいわゆる待遇といいましょうか、日赤病院の職員として、業務として行っていただいているのか、または別の形で都道府県から派遣されたとすればその都道府県の待遇になっているのか。
 私どもは、例えば自分のところの職員で出しておかないと労災等々の問題があります。そうしますと、そこから支払われてくるいろいろな給与等も本人になかなか渡らないというようなことで困られている全国の病院がいろいろあって、それで派遣が進まないということもちょっとお聞きしたことがありまして、そこについて解決策等をもう既につくられているようだったら、看護協会と日本赤十字社にお教えいただきたいと思っております。
○遠藤座長 それは赤十字のみですか、看護協会も含めてですか。
○大屋構成員 できれば赤十字の方に御回答いただいて、もし看護協会から追加がありましたらということでお願いいたします。
○遠藤座長 分かりました。では、日本赤十字社お願いいたします。
○田渕参考人 赤十字ですけれども、派遣した職員に関しては日本赤十字社の職員として出張扱いで派遣しております。
○大屋構成員 そうしますと、例えばコロナ病院に行って相当大変な思いをしたのにもかかわらず通常の給与しかもらえないとか、ワクチンに行けば1日1万何千円ももらってというような不平不満というのが出てきて、なかなか応募者が見つからないということも各病院であったのではないか。それが少し派遣するときに難しい要因になっていたということを聞いていたんですけれども、そういう声はなかったということでよろしいのですか。
 それか、赤十字マインドということで、もともとそうやってボランティア的に行かれるというのが基本だとは思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○遠藤座長 田渕参考人、いかがでしょう。
○田渕参考人 記憶が間違いでなければ、厚労省が決めたコロナ手当という形で厚労省からの支援金が出ていると思います。
○大屋構成員 分かりました。ありがとうございます。
 看護協会で実際に厚労省からいただけるお金が本人になかなかこないという意見があったのではないかと思うのですけれども、そこについてコメントいただければと思います。
○遠藤座長 では、看護協会いかがでしょう。
○鎌田参考人 派遣に対する厚生労働省からの補助金が看護師に届かなかったということでよろしいでしょうか。
○大屋構成員 はい。
○鎌田参考人 派遣につきましては本日の資料7ページと、参考資料17ページにお示ししております。派遣した場合には厚生労働省の補助金がありますので、派遣先から看護師にしっかり給与を支払っていただいております。
 また、県外の応援派遣につきましては資料の7ページにお示ししておりますが、派遣元の医療機関に所属したまま派遣先の医療機関に出向するという、在籍出向の仕組みを構築しております。その際、派遣先の医療機関と看護師との間で雇用契約を締結し、派遣先の医療機関から看護師にしっかり給与を支払っていただきますが、その財源は国の補助金ということで、看護師に届かなかったということは派遣に関しては聞いておりません。いただいたご質問のお答えになっておりますでしょうか。
○大屋構成員 大体それで、原則はそうなっているんですけれども、病院にまとめてぼんと入ってくるので、それが看護師個人、個人にいくときに随分各病院で調整等に苦労されたとお聞きしていたので、すんなりと国のお金が個人まで流れていっているということであれば私はその回答で結構なのですが、各地域を見るとそうでもないこともあったのではないかということで、もしそういうことをお聞きでしたらということで聞かせていただきました。
 最後にちょっと短くなんですけれども、これは大阪府にお聞きしたいのですが、私ども大阪府の取組は本当に参考になって、私どもも含めまして例えば待機ステーションだとか、いろんな都道府県で、例えば在宅などのところでは参考にさせていただいたのですけれども、そういうふうな対策のスピード感と、例えば全感染者に対する死亡者の割合というのは大阪、兵庫、北海道は多いんです。全国に比べて1.5倍なんです。それというのは、やはり急激に患者さんが増えたというところではないかと私どもは思っていたんですけれども、そこはいろいろ御苦労されたと思うので、同じようなことが起こらないようにということで、もしよろしければどういうところに死亡者がたくさん出てしまったのかというようなところの回答をちょっとお教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 では、藤井参考人よろしくお願いします。
○藤井参考人 ありがとうございます。
 大阪は既に3,000名を少し上回る方が亡くなられていますが、実はその半数の方は第4波、アルファ株による感染拡大時に亡くなられた1,500名の方ということになります。それで、特に第3波、第4波で非常に死亡事例として多かったのが、やはり高齢者施設のクラスターで、転機としていわゆる挿管、重症化という転機を経ずに亡くなられる患者さんというのが非常に多かったと思います。これは、やはり高齢者施設のクラスター対策というのが非常に重要であったと思います。
○大屋構成員 どうもありがとうございました。本当に貴重な御報告をいただいたと思っています。ありがとうございます。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、今村構成員お待たせしました、どうぞ。
○今村(知)構成員 奈良医大の今村です。
 まず、今回発表されたそれぞれの機関は物すごく苦労されているのがよく分かりました。本当にお疲れさまです。
 看護協会と大阪府にお聞きしたいのですけれども、今回患者さんの死亡率などにも影響したのは、やはり集中治療の経験のある看護師さんをどれだけ集めるかということだったと思うんです。特に今回のケースを見ていると、日本中で集中治療の経験をした看護師さんが不足したという事態に陥って、その中でもこれを準備していかなければいけないという状況になったと理解しています。
 それで、看護協会にまずお聞きしたいのは、今回その集中治療の経験や人工呼吸器が触れるような人を集めてくださいという要請が日本中からあったと思うのですけれども、そういう特化した人を集めるためにどのような工夫をされたか、どういう苦労があったということが分かれば教えていただければと思います。
 大阪府には今回30床の重症病床をつくられたということで、これを集中治療学会から申出のあった1対2看護をしようとすると300人以上の看護師さんが必要になるはずで、ECMOを回さないという状況もあったとは思うんですけれども、実際にはどれくらいの看護配置でこれを運用されていった、もしくは段階的に上げていかれたのかということをお教えいただければと思います。この2つをよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、看護協会からお願いいたします。
○鎌田参考人 御質問ありがとうございます。
確かに集中治療に対応できる看護職の確保は大変だったと思います。国は昨年、医療機関などでクラスターが発生し、診療体制の維持が困難となった場合、先遣活動及び看護応援活動として看護協会を通じて看護職員派遣の仕組みを示しました。このため、迅速に派遣できるよう、感染管理認定看護師等の登録を事前に行うよう都道府県看護協会にお願いしておりました。
 人材確保については、まず県内での対応になりますが、大阪府様のご発表にもありましたように、大阪コロナ重症センターにはECMO等の管理経験がある看護師の派遣要請がありました。その際、大阪府を越え県外派遣にて確保する必要があり、国においては各都道府県が把握している、そのような経験がある看護職について情報提供をいただきながら、実際に、東京都や奈良県、その他の都道府県から派遣されております。
 しかし、感染管理を担う看護職員の不足等がありますので、今後看護職員の養成の拡充は必要であると思っております。よろしいでしょうか。
○今村(知)構成員 ありがとうございます。
 奈良でもリストを作っていただいたんですけれども、あっという間にリストは全員当たり終わってなかなか厳しい状況になって、総数が少ないんだなという実感があります。ぜひ工夫をお考えいただければと思っております。
○遠藤座長 それでは、大阪府の藤井参考人お願いいたします。
○藤井参考人 ありがとうございます。
 お示しの30床の重症センターですが、120名の看護師が30床運用に必要な看護師数という想定で進めております。少ないのではないかと思われると思うのですが、1つには重症センターで受け取る患者は挿管初発の患者ではなくて別の重症拠点病院のほうで挿管していただいて、人工呼吸器をつけていただいた後、安定した患者さんをコロナ重症センターのほうに移送するという立てつけで進めたところです。
 それで、ICU勤務経験のある看護師さんが必要ということで、事前に府内医療機関の看護師さんに重症センターで勤務いただけるよう研修を行い、運用の準備してまいりましたが、確保に非常に難渋をいたしました。そのため、初発では自衛隊等からも応援いただいたところですが、その後、重症センターで勤務可能な看護師さんのバンク制度のようなものをつくって対応したところでございます。
○今村(知)構成員 ありがとうございます。
 実際に人工呼吸器でウィーニングだとかを考えると、臨床工学技士さんなどの活用というものも考えられるかと思うのですが、そういった工夫というのはあったのでしょうか。
○遠藤座長 藤井参考人、いかがでしょうか。
○藤井参考人 臨床工学技士さんの確保についても非常にハードルが高かったので、こちらにつきましては設置をした急性期総合医療センターから必要な方を数名、ようやく確保をしたという状況です。
○今村(知)構成員 ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。吉川構成員、よろしくお願いいたします。
○吉川構成員 ありがとうございます。
 4団体の皆様、ご発表ありがとうございました。本会の発表にもありましたが、看護提供体制の確保に向けた取組の強化が非常に重要であると考えておりますので、その視点において、日本赤十字社様、福井県様、大阪府様に御質問させていただきます。
 まず赤十字様には、資料の最後のスライドに全国的な体制強化の対策の一つとして、看護師確保のための人材バンク設立等と記載されておりますが、こちらにつきまして具体的にどのようなものを考えておられるのかを教えていただきたいと思います。
 それから福井県様には、2点ご質問をさせていただきたいと思います。
福井県はコロナ感染症の対応の際し、医師会や看護協会、行政と非常に連携されており、私どもも注目しておりました。1つ目の質問は、今般のような未曾有の感染症で先が見えない中で段階的に病床数を増やしていかざるを得なかったと思いますが、実際に病院における病床の確保や受け入れ数の決定の際、どのように看護師を確保しておられたのか。例えば、他の病棟を閉鎖して確保対策を取られたのかどうかなど教えていただきたいと思います。
 2つ目の質問として、資料には、現在424床を確保されていると記載されておりますが、現在感染症が落ち着いている状況の中で、この病床を割り当てられている各医療機関では具体的どのような準備をされているのか。例えば、看護職員の確保や院内の看護提供体制の整備等、もしお分かりになりましたら教えていただきたいと思います。
 それから、大阪府様では、非常に大変な感染状況の中で短期間に多くの病床と人材確保などにご苦労されたかと思います。福井県様と同様に現在感染症が落ち着いている状況の中で、何か準備をされている具体的な内容がございましたら教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 吉川構成員、最初はどなたにとおっしゃいましたか。福井県の前にどなたでしたか。ちょっと私は聞き漏らしたのでお願いいたします。
○吉川構成員 赤十字様に、人材バンクについてのご質問です。
○遠藤座長 では、よろしくお願いいたします。
○田渕参考人 赤十字です。ここに記入させていただいた人材バンク設立、潜在看護師活用についてですけれども、看護協会で苦労されている皆様に新たな提案という形で、特にアイデアがあるわけではありませんが、今いろいろ行われている看護資格のバンクの取組に例えば公的な補助等、いろんな形でそれを促進するようなものがないかという意味で記入させていただきました。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、次に福井県からお願いいたします。
○池上参考人 どのようにコロナ病床を増やしていったかということのお尋ねでございますが、それぞれの病院においてまずベッドの病床稼働率を落としていく。そして、少しずつ患者さんを減らす。一般診療に当たっている患者さんを減らすということ。そして、病棟自体を空にして、その分で看護師さんを生み出していく。そういうふうな形で、各病院とも病院長の判断によって看護師さんを確保しております。
 もう一つのお尋ねで、今どのような準備をしているかということについて、入院コーディネートセンターの先生がいらっしゃるのでお答えいただきたいと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いいたします。
○東参考人 福井県入院コーディネートセンターの東と申します。
 現在、感染状況が落ち着いている中での各医療機関での対応としまして、第5波におきましては重症患者が少ないということがありましたが、今後に向けて重症患者の対応、他県のほうからも話がありましたが、呼吸器管理ができるような看護師の育成だとか、各医療機関の中で勉強会をしながら看護師の育成と、もちろん感染病棟に入る看護師の育成というところで、感染管理だとか、そういったところの看護師を増やすといった取組をしてもらっているというふうに確認しております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 吉川構成員、よろしいでしょうか。
○吉川構成員 分かりました。感染病棟については、どこの病棟や病床を減らすかという采配は、各医療機関内で決められているということですね。
○東参考人 各医療機関においてどの病棟を閉じるか、あるいは病床稼働率を落とすかということはそれぞれ判断いただいております。
○吉川構成員 分かりました。ありがとうございます。
○遠藤座長 それでは、大阪府の藤井参考人よろしくお願いいたします。
○藤井参考人 感染の収束期に確保した看護婦さんをどう活用しているかという御質問だと思いますが、1つには重症センター、これは全部、特別に確保した看護師さんですが、感染の収束期には残っていただける看護師さんにつきましては他の医療機関に勤務をしていただく。その間の人件費は大阪府が負担をさせていただくというスキームで、できる限り確保数をキープできるようにしております。
 また、そのほかに31施設のホテル療養、ここにも看護協会のほうでかなりの数の看護師さんを確保していただいておりますが、この方々につきましては特段のキープをしておくという対策は取れていないというのが実情でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 吉川構成員、いかがでしょうか。
○吉川構成員 ありがとうございました。大丈夫です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、お待たせしました。山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
 御報告ありがとうございました。私は、福井県と大阪府の参考人に質問がございます。
 まず福井県の資料の8ページのところに、やはり一般医療の提供に影響を及ぼしたということが書かれているのですけれども、私たちも電話相談ということでコロナ禍でもずっとお聞きしてきましたら、やはりコロナ以外の病気の方が非常に遠慮されていたりとか、我慢していたりというようなことがございまして、私はコロナじゃないからこんなに無理を言ってはいけないというような方までいらっしゃったくらいです。
 そんな中で、一般医療の提供に影響があったということで、患者さん側からの不満や苦情があったのかどうかということと、これにどう対処されたのかということを少し具体的に伺いたいというのが1つ目です。
 もう一つが、10ページのところにコーディネートセンターを設置されたとあります。緊急時にはいろいろコーディネートをするところが不可欠だと思っているのですが、このセンターを設置されたときの県内全域の医療機関に対しての周知の方法とか、どのように徹底されたのかというようなことをお尋ねしたいと思います。
 それから、大阪府の藤井参考人は最後に非常事態においては一定の強制力を持った法整備が必要だとおっしゃいました。これはずっと大阪府がおっしゃっていると思うんですけれども、なかなかこれに対しては異論というか、慎重意見もある中で、大阪府は特に民間の病院も多い中で、どのような法整備があればうまくいくとお考えなのかということと、法整備だけではなくて将来的に継続的に良好な関係を維持するために、法整備プラスアルファこんなことも必要だというような何か御提案があれば教えていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、福井県からお願いいたします。
○池上参考人 1つ目の一般医療を制限したことについて不満があったかということについては、医師会長が見えているので御発言いただきたいと思います。
○池端参考人 福井県医師会の池端です。
 今の点については、病院長会議でその辺を十分検討して、一般診療が逼迫する場合には福井県の場合、4つの基幹病院が一般診療を受けもする。そして、コロナを受け持つことを機能分化、分担して対応して、何とか三次救急についての問題はなかった状態です。二次救急まではそれぞれの地域で頑張っている病院がありましたので、大きな混乱はなかったというふうに把握しております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 続けてお願いできますでしょうか。
○池上参考人 2つ目は、入院コーディネートセンターをどのように周知徹底したかということでございます。これについては、まず最初の立ち上がりの段階で病院長会議を開いております。その中でもコーディネートセンターの先生に御出席いただき、どのように病床確保するか、どのように入院調整するかということを最初の段階から各病院とお話合いをしながら進めていたので、周知については問題なかったと思っております。
○遠藤座長 山口構成員、よろしいですか。
○山口構成員 ありがとうございます。
 関係者が、やはり一堂に会したところで共有されたということが大きかったということですね。ありがとうございました。
○遠藤座長 それでは、大阪府の藤井参考人よろしくお願いいたします。
○藤井参考人 ありがとうございます。
 大変御質問の内容は難しい課題だと考えております。今回の感染症に関しまして、やはりキーとなるのは広域であるということと、もう一点はスピードというポイントがあると思います。今回の新型コロナにつきましては非常に広範囲ではあるけれども、症状経過のスピードがさほど急激ではなかったということから、今回の任意の要請等で大阪府も含めまして各府県の日々の確保の努力で何とか病床確保に対応したということでございますが、これが広域かつ非常に広がりが、症状経過も含めてスピードの早い感染症であった場合、何らかの強制力なしに第4波のような、現にいらっしゃる患者さんの病床確保ができない。施設をつくっても医療従事者は確保できないという事態に対応するためには、一定の強制力が必要だという考えでございます。
 ただし、山口委員がおっしゃったようにやはり医療ですので、医療機関あるいは医療従事者の方の納得と合意なしに医療の提供というものは行えないというのがまず前提でございますので、その場合でも十分医療機関との情報の共有、課題の共有、話合いの場を持つということは大前提であると考えています。ありがとうございます。
○遠藤座長 山口構成員、よろしいですか。
○山口構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、お待たせしました。野原構成員、お願いいたします。
○野原構成員 各参考人の皆様からは貴重な報告をいただきまして大変参考になりました。特に福井県、大阪府さんの発表については、感染が全国に比べて少なかった岩手県でも第5波においてはぎりぎりの医療の逼迫を経験いたしましたので、共感と敬意を持って拝聴させていただきました。ありがとうございます。
 福井県と大阪府さんに質問です。第8次医療計画に新たに盛り込まれます新興感染症等の感染拡大時における体制整備については、現時点で厚生労働省から平時からの取組、感染拡大時の取組の記載イメージが示されておりますけれども、計画策定を行う都道府県の立場から次期計画に盛り込むべき論点や視点をどのように考えていらっしゃるでしょうか。ハード面やソフト面、または法制度や財政的な視点など、多分たくさんあると思うのですが、時間の関係もありますので現時点で最も重要と考えている点についてお伺いいたします。
○遠藤座長 それでは、福井県からお願いいたします。
○池上参考人 大変難しい御質問をいただいたのですが、今、考えていることとしては、今まさにコロナ対応でやっている感染拡大時にどれだけの病床を確保するかを計画的にあらかじめ定めておくこと、そしてそのときにどのように医療人材を確保していくのかということをあらかじめ共有化しておくことが重要だと思っております。そういうことを最初から計画した上で、平時では最低限どこまでの病床にしておくのかというところを決めていく。これが大切なことではないかと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、大阪府からお願いいたします。
○藤井参考人 大阪府も同様でございますが、病床の確保の計画数を立てるのはシミュレーション等でできるのですが、それをやはり運用するのはあくまでも医療人材でございますので、運用に当たる医療人材、特に感染症に係る医師の確保、これが重要なポイントで、それに加えて看護師さん等を含めた医療人材の確保を合わせ持った計画でないと、箱だけつくって運用が困難ということになりかねないのではないかと思います。
 また、確保するに当たりましては病院に対する負担がございますので、何らかの支援なしに今以上の感染症の病床の確保は困難ではないかと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 野原構成員、よろしいですか。
(野原構成員 うなずく)
○遠藤座長 それでは、お待たせしました。尾形構成員、どうぞ。
○尾形構成員 ありがとうございます。
 参考人の方々、どうも御発表ありがとうございました。尾形です。
 私からは、日本看護協会と福井県に1問ずつ質問させていただきたいと思います。
 まず日本看護協会ですが、御発表の中でもともと我が国は病床当たりの看護職員の配置数が少ないということが指摘されておりました。確かに厚生労働省のデータでも看護職員配置が厚いほどコロナ対応が可能だというようなデータが示されておりまして、御発表の趣旨はよく分かるところです。
 その上で質問ですが、最初のほうのスライドで、集中治療室への看護補助者の配置ということを提案されていますけれども、その場合、この看護補助者にどのような業務を期待されているのでしょうか。何か特別なスキル、あるいは専門知識というようなものが必要なことなのかどうか、その辺を伺えればと思います。これが1つです。
 それから、福井県に質問ですが、4枚目のスライドでこれまでの取組を整理して分かりやすく示されています。これを見ますと、病床利用率が第5波の場合だと55.2%、第4波だと63.4%で病床が逼迫したというふうに書かれていますが、単純に見ますと5割から6割で病床逼迫というのは少し低いようにも感じるのですが、この辺はどういうふうに受け止めればよろしいのでしょうか。何かネックになったものがあったということなのでしょうかというのが質問です。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、日本看護協会からお願いいたします。
○鎌田参考人 ありがとうございます。
 集中治療室では1回ごとに使い捨ての物品を非常に多く使用するということ、そのため多数、多種類の物品を適宜補充する必要がありますし、その物品の補充や収納、または使用後のごみの処理など、医療専門職以外が実施可能な多くの業務があると思います。実際に看護補助者が配置されていないと、それらの業務を看護師が担っていることもありますので、看護師が看護師でなければできない業務に専念するために、看護補助者の配置が必要であると考えております。よろしいでしょうか。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、続きまして福井県お願いいたします。
○池上参考人 病床の使用率63%、そして55%ですが、これは分母に臨時病床の100床を入れております。それで、実際に確保している病院の病床ということになりますと、100床引きますので324床になります。その324床を考えたときには、スライドでお示ししていますように、第5波の入院患者の最高値223という数字をお示ししているとおり、かなり入院機関の病床としては埋まったということで、逼迫したということをこちらで表現しております。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 尾形構成員、いかがでしょうか。
○尾形構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、加納構成員お待たせいたしました。どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
 まずは本日出席いただいている藤井参考人、本当に大阪を今回のコロナ禍で引っ張っていっていただいた。また、ある意味でこの第4波というのは大阪にとっては本当に危機的な状況であったというのも事実だと思っておりますし、それを乗り越えられたのはやはり藤井部長を中心とする府の行政の方々の力だと私どもは認識しております。
 その中で、実は今日も幾つか話があったのですが、例えば今日参考人から出していただいている2ページを開けていただきますと、大阪のコロナの感染の拡大の状況が分かるかと思います。1波、2波、3波、4波、5波という形になっていて、ここで見ていただくと明らかにちょっとおかしいなと思われるのではないかと思うんですけれども、第3波のところに二こぶラクダがあり、それを3a、3bと称したほうがいいのかもしれないですが、先ほどの藤井部長からのお話ですと、これは大阪が高齢者の施設のクラスターが多かったからだという説明になっておりました。しかし、普通クラスター等だけが原因だとすると1つの山になりますから3波は1つの山になるはずなので、この2つができたというのは前から申しますように、やはり大阪で都構想の住民選挙があった。それが、六十数%の高投票率であったということですから非常に熱心な活動があったかと思うんです。その後に大阪市内の中高年齢層の方々の感染、またはそれによる死亡数の拡大が起こり、その結果、大阪がこの3波以来ずっと本年9月末までですが、絶対数でも日本で一番死亡者数が多かったような状況が生まれてしまったかなと思っています。
 第4波に対しましても大阪は1週間、経済優先で2回目の緊急事態宣言解除を早めた。アルファ株が阪神間に入っているという状況の中で1週間早めた中で第4波を招き入れ、その状況でコロナワクチン接種前に本当に多数の方が亡くなった。そういうことで、大阪は日本で断トツの死亡者数を出してしまったということになったかと思うのです。しかし、そうは言っても大阪の場合は藤井部長の人望と努力でこれを何とか乗り切ってきたというのが実態だと思うのですが、先ほどから藤井部長がおっしゃることでちょっと気になるのは、命令をする法律をつくろう。それはこれ以上感染力が強いときの対応のために、というようなことをおっしゃるのですが、もし感染力がコロナより強いものが入ってきた場合、この対応を命令でやると医療自体が崩壊してしまうという逆のことが普通は考えられるのではないかと思います。
 大阪が今まで乗り切ったのも、やはり日頃からの信頼関係、それは大阪府の行政官と、大阪の場合は9割が民間病院、これはもちろん精神科病院、慢性期病院を入れての数の割合ですけれども、やはり私はその信頼関係でしっかりとやっていくべきではないかと思うのですが、この点、藤井参考人はどう考えていらっしゃるのか、もし御意見をいただけたらと思うのですが。
○遠藤座長 では、藤井参考人、もしお答えがあればお願いいたします。
○藤井参考人 加納先生、ありがとうございます。
 おっしゃるように、大阪は第4波を乗り越えて第5波で改善をしたのは、まさに大阪の医療界の総力を挙げての御協力と、行政と医療界との信頼関係があったからだと考えております。それは今後どういう感染症、あるいは医療上の課題が出ても、まずはその信頼関係、協議の関係を基盤とするというのは先生と全く同様でございます。引き続きよろしくお願いします。
 ただ、万が一に備えたときに、私ども第4波で日々、このお一方、このお二方が入る病床をどうしようかと、非常に苦難の毎日でございましたので、そのときに何らかの強制力があれば、このお一方を入れる病床が確保できたらという思いもございますので、これについては十分議論させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 確かに、あのときは部長自ら本当に陣頭指揮をされ、我々も電話を直接いただいて何とか一人でもという形で対応しました。我々は行き場のない重症患者についても、中等症、軽症の病院がしっかり受け持っていたわけで、先ほど藤井参考人が出していただいたように91名という重症患者を、中等、軽症病院で診ました。その中で、私ども病院でも最大5名の重症患者さんを診ましたけれども、やはりそれは信頼関係ありきだったと思うんです。
 今回の第4波のときの危機というのはシステムができていなかっただけであります。私は第5波を大阪が東京と違ってしっかり乗り切れたのは、第4波以降に藤井部長がつくっていただいたシステムだったのではないかと思います。そこは行政がやはりしっかりと指導をしてやれば、別に命令しなくても十分信頼関係の中で構築できるのではないかと思っておりますので、よろしくお願いします。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 では、織田構成員お待たせいたしました。よろしくお願いします。
○織田構成員 ありがとうございます。
 福井県と大阪府にお聞きしたいのですけれども、まず福井県のほうは7ページにありますように、第3波、第4波、第5波と感染が拡大したときに重要なのは、コロナ病床を増やすということもでしたけれども、実際には後方支援病院を増やし、そこを機能させるということも重要なのだろうと思います。
 ただ、前回のヒアリングでもありましたように、意外と後方支援病院への紹介患者が少なく、連携がうまくいっていないのではないかというような話がありました。そういう中でこの後方支援病院、7ページの一番下のポツですけれども、後方支援医療機関のリストを作成して入院医療機関などで共有して、各医療機関において回復患者の転院を調整した。転院の調整が進まない場合は入院コーディネートセンターによって調整し、コロナ病床を確保したということなのですけれども、実際にはここには各医療機関同士が直接調整を行うということなのでしょうか。それと、患者さんの情報というのはどのような形でやり取りをされたのか。まずそこをお聞きしたいと思います。
○遠藤座長 では、福井県よろしくお願いいたします。
○池上参考人 原則としては、まず医療機関同士でそのリストを基に日頃からお互いに関連病院として患者さんをやり取りしている病院を優先して後方支援病院として患者を受けていただくというような仕組みにしております。
 それで、実際に入院コーディネートセンターが絡んで、入院コーディネートセンターが定員の調整に当たったという事例はございませんでした。そこまで逼迫しなかったというのが1つの要因だろうと思っております。
○織田構成員 これは、先ほどおっしゃいましたように日頃の顔の見える関係というか、地域医療構想の調整会議等が役立ったということですね。
 では、次に大阪府のほうで34ページに転院と退院のサポートセンターの設置というものがありますけれども、これは6月に開設されまして実際にどれくらい後方支援調整が行われたのかを聞きたいのと、ここに3点書いてありますけれども、一番のポイントはどこなのかをお聞かせいただけますでしょうか。
○遠藤座長 では、藤井参考人よろしくお願いいたします。
○藤井参考人 ありがとうございます。
 34ページが新たな転退院サポートセンターです。それまでに第3波の時点で病院名、後方支援病院、180以上病院の共有をするということは既にスタートしておりましたが、医療機関受入病院のほうから患者の後方支援病院の転院先が見つからないというお声を多数いただきましたので、システムを新たに構築いたしまして、システム上に登録していただいた近隣の後方支援病院をマッチングできるというシステムを構築したところです。そのための搬送手段も連動させておりますので、既に数十件のシステムを利用した転退院が実際に行われております。
 また、調整がうまくいかなかった場合は、ここに看護師さんを1人職員として配置しておりますので、具体的な調整に入るということもしております。
○織田構成員 では、ここで直接患者情報のやり取りというのは行われないわけですね。途中に入って調整するということになりますね。
○藤井参考人 患者情報につきましては、システム上で患者さんの条件ですね。年齢、あるいは症状、ADLの状況等をシステムに登録していただくと、その受入れ可能な医療機関の候補が数病院、システム上リストアップされるというシステムになっております。
○織田構成員 分かりました。ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 では、お待たせしました。幸野構成員、どうぞ。
 幸野構成員、お声が聞こえません。私の声は聞こえていますか。音声が聞こえませんが、ミュートになっておりませんか。
 私の声が聞こえたら、手を挙げていただけますか。
(幸野構成員挙手)
○遠藤座長 幸野構成員の声が聞こえないので、マイク関係で何か。
 いかがしましょうか。では、後ほどということでよろしいですか。先に進ませていただきます。よろしくお願いします。
 それでは、大体構成員の皆さんからの御発言はいただいたかと思いますので、大変お待たせいたしました。これからはオブザーバーの方からの御質問、御意見をいただければと思います。どなたでも結構ですので。
 それでは、岩本先生お願いいたします。
○岩本オブザーバー 日本医療研究開発機構の岩本と申します。
 参考人の先生方の御発表や、その後のディスカッションで大変勉強させていただきました。
 私が質問したいことは、もう既に大屋構成員や加納構成員が御質問になった点とも絡むんですけれども、大阪府の藤井参考人にお伺いしたいと思います。
 第3波、第4波で大変苦労された後、第5波で重症化や死亡率の改善が見られましたけれども、特に高齢者施設でのクラスター対策と、病床数の確保が重要だったというご指摘があったと思います。私の1点目の質問は、病床を確保する中で重症化病床、軽症~中等症病床あるいは宿泊施設で、どれか一番効果的であった施設が挙げられるのか、或いは全体なのかという点が1つ目です。
 2つ目は、8月の第5波のときというのはちょうど高齢者の80%ぐらいにワクチンが行き渡った頃だったと思うんですけれども、ワクチン普及による高齢者の重症化予防というのがどのぐらい病床の逼迫度に影響したかということについて御意見を伺えればありがたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、藤井参考人お願いいたします。
○藤井参考人 ありがとうございます。
 病床の確保、ホテル療養の確保につきまして、どの確保が有効であったかにつきましては、実は第4波までは何といっても重症病床の確保が肝であるという対応で、第4波につきましても重症病床がオーバーフローいたしましたのでその対応を行ってきました。
 ただ、第5波においては60代以上の感染者の数が、おそらくワクチン効果で抑えられましたので、第5波においては軽症、中等症の病床が運用率90%と厳しくなったということで、これは状況に応じてどの対応が必要であるのかが非常に流動的であるというのがこの新型コロナ対策の難しさであると考えておりますというのが1点目でございます。
 また、ワクチン効果ですが、第5波では大阪府のほうではワクチンの効果による重症化率の低下についてもデータを追っているところでございます。60代以上の重症化率につきまして第4波では9.3%だったものが、第5波では4.9%と低下しております。それに加えまして、もともと接種効果によりまして60代以上の感染者そのものが少なかったということで、第5波においてはワクチン効果が大いにあると考えています。
 それに加えまして、第5波で早期治療を行うという方針をあらかじめ立てておりまして、リスクがある方は40代、50代の方も含めて入院をしていただく。中和抗体治療も含めて早期に治療をしていただくということで、まだワクチン接種が進んでいない40代、50代の重症化率も抑えることができたというのが第5波の状況でございます。
 以上でございます。
○岩本オブザーバー 大変ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 それでは、鈴木先生お願いいたします。
○鈴木オブザーバー 日本医療法人協会の鈴木です。
 私は地元の茨城の医師会長もしています。本県の水戸地区には400床、500床の基幹病院が5つあり、2,300床の一般病床があるのですが、そのうち急性期病床は1,700床しかなくて、残りは地域包括ケア病棟、緩和ケア病棟などになっています。
 今回、全て新型コロナの重点医療機関になったのですが、70人、80人の受入れ病床を確保したところもあり、ベッドは空いているのですが、人がいなくて、医師、看護師、特に看護師ですね、それで結局、半分以下しか入院させられないという状況になっています。
 ドイツを見ますと、ICUが1病院当たり平均20ぐらいあるということなので、もう少し日本でも地域医療構想、医療計画の中で高機能な急性期大病院を計画的に整備する必要があるのではないかと思っています。実は昨日、県の医療審議会がありまして、むしろ人手不足で高度急性期から急性期に転換したという話が出ておりまして、高度急性期病床が2025年になっても目標が達成できない状況です。ほかに急性期が多く、回復期が少ないという話もありますが、これは急性期を線引きして下半分を回復期にすればいいので、新型コロナの重症者を診られる病床が足りないというのが我が国の今回のコロナ禍で課題になった点ではないかと思うのです。それぞれのお立場で看護配置の手厚いICUの十分ある高機能な急性期大病院の整備の必要性をお感じかどうか。
 看護協会の立場、あるいは日赤の立場、日赤は水戸日赤もまさに80床という受入病床を持ちながら人手不足で半分以下しか診られない状況でした。しかも、大病院なのにICUがないのです。看護師不足でということです。コロナ禍を踏まえて、病床数は多いが人員配置が薄いというわが国の現状をいつまでも放置していいのかと感じておりますので、その点について、大阪は医療資源が多いですが感染が逼迫しましたし、福井は人口が限られていて、それほど感染も逼迫しなかったと思うのですが、それぞれの立場でどのようにお考えかを教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 鈴木先生、それは4者の方にということですか。
○鈴木オブザーバー すみません、手短で結構です。
○遠藤座長 それでは、簡潔に高機能病院の必要性を感じられたかということだと思いますけれども、まず日本看護協会からまいりましょうか。
○鎌田参考人 ありがとうございます。
 看護職員配置については、地域医療構想の結果、各医療機関が持つ機能や、そこから算定される必要病床数によっても異なること、または感染状況によって医療を必要とする患者数によっても異なるということで一概には言えないと思いますが、少なくとも病床当たりの看護師配置数を国際的な標準並みにすべきであると考えております。
 特にコロナ禍においては、重症者に対応するため一般病棟を閉鎖し、一般病床の看護師を集中治療室に異動させるなどして対応した病院も多くありました。これが可能であったということは、病棟閉鎖以外にも、現在急性期入院基本1、看護配置基準7対1を算定している医療機関では、5対1や6対1など、既に手厚い看護配置を行っていたということになります。院内看護職の異動を行うということは感染症の発生時対応としては必須のことであると考えております。そのような意味では平時から、計画的な教育や研修も必要であると思います。
 また、感染拡大により、院内の調整だけで対応が困難な場合には、他機関からの応援派遣や看護職員の新規採用が必要となることから、地域の各医療機関の役割分担に基づいて規定に応じた対応体制を整備しておく必要があると思っております。
 人材確保において看護協会、ナースセンター等の活用もしていただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、日本赤十字社からお考えがあれば承りたいと思います。
○田渕参考人 赤十字でも、同じような強い問題意識を持っております。
 地域医療構想に代表されるように、地域での医療機能の分担を強く推し進めるというところが一番かと今のところ考えております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、福井県いかがでしょうか。
○池上参考人 コロナの対応においては、急性期病院が中心になったという事実はございます。
 ただ、長期的に見たときには地域医療構想のそもそもの狙いが、高齢化が進む、人口減少が進むということで、高度急性期の役割というのが需要としては減ってくると思いますので、長期的にはその見直し機能を回復期にシフトしていくということは必要だろうと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、大阪府いかがでしょうか。
○藤井参考人 高度機能型の病院とその他、あるいは療養型、回復期型の病床とどちらがニーズが高かったかという御質問だと思いますが、私はいずれも必要であったと考えております。
 といいますのは、第4波までは高齢の方が入院されて、そこでADLが落ちて、医療構想と同様のスタンスだと思いますが、その後、医療プラスアルファ生活支援の看護が必要となったということで、高齢者の療養について、療養病院から受入病院になっていただいた病院、あるいは包括ケア病棟を受入病院としていただいた病院、非常に高齢者の受入れで活躍をしていただきました。
 そういった意味では、コロナ医療においても医療構想と同様にやはり機能分担が必要であったと振り返っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 鈴木先生、よろしいですか。
○鈴木オブザーバー 高度急性期、重症急性期は集約化、そして地域包括ケアを支える地域密着型の医療機関は分散化の両方が必要だと思いますので、そういった議論が進むことを期待しております。
 以上です。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、お待たせしました。谷口先生お願いいたします。
○谷口オブザーバー ありがとうございます。とても勉強になりました。
 看護協会様と大阪府様にお伺いしたいことがございます。
 まず看護協会様に、御指摘のとおり感染管理を専門とする看護師さんというのは非常に足りない状況だと思います。
 ただ、今そういった方を育成しようと思うと、1年間うちの病院からただでさえ少ない看護師さんを研修に出さなければいけない。しかも、その間お金がかかる。それで、一生懸命やって取った後にどれだけの見合うような報酬があるかというと、それもないんですね。看護協会さんとしてもう少し専門の看護師さんを増やすような、今みたいに1年かかってやるのではなくてもう少し効率的に、ICDというのは地域でできますのでもう少し簡単に取れるんですよね。そういったことがないのかというのが1点です。
 2つ目は大阪府さんにお願いしたいんですけれども、私は大阪府にたくさん知り合いがいて大阪府は本当によくやっていただいたと思っています。
 そこでお伺いしたいのですが、一般医療の制限を行われていましたけれども、これは大阪府として府民にきちんと説明していただいたのでしょうか。これは耐えてくださいということですね。結局、現場が文句を言われることがありますので、それをやっていただいたのかというのが1点です。
 2点目は、スライドにありました大規模臨床センターが1,000床というのがございましたが、これはどこから医療スタッフを御都合されるのかということです。
 3点目は、強制力を持ったというのが先ほどからも出ているんですけれども、地方というのはもともと医療体制が脆弱ですから、強制力というのは結局、一般医療から医療従事者を引き離すことなんですね。それは、そう簡単ではもちろんありません。それよりは、アメリカなどはパンデミックアクトというのがあったと思うんですが、もともと平時から一定の医療機関にそういったキャパシティーをつけておかなければならないという法律なんですね。どちらかというと、強制力を持たすのであれば、地域医療構想の中で核となる医療機関にそういったキャパシティーをつけておけという強制力のほうが病院としてはありがたいと思うのですが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。
○遠藤座長 それでは、看護協会からお願いいたします。
○鎌田参考人 ありがとうございます。
 確かに、感染管理看護認定看護師の養成は非常に喫緊の課題だと思っております。ただ、質を担保するためには、教育機関の認定や教育内容の均一化が必要であり、今後効率的な教育方法について検討していきたいと思っております。
○遠藤座長 では、続けて大阪府お願いいたします。
○藤井参考人 3点、御質問いただきました。
 一般医療の制限が厳しいときに、第4波等でお願いしたところでございます。大きな病院で予定手術の延期等をしていただきました。大阪府としましても、知事からの記者会見での公表でありますとか報道提供等、最大限の努力をしたところですが、十分に患者さんまで伝わり切ったかということにつきましてはじくじたるものもございます。
 2点目の大規模療養医療施設でございますが、1,000床、今日内覧会を実施いたしました。この1,000床につきましては、あくまでも3,000床の病床、それと8,000室のホテルがオーバーフローした場合の一時的な避難施設の備えとして整備をいたしました。
 この準備をしまして運用を開始するときには、医療従事者は800床につきましてはホテルと同様の対応です。ここにつきましては、基本的には民間事業者の看護師さんが健康観察等を行う体制を確保しております。200床につきましては、一時待機所的な中等症の病床となります。中等症の中でも比較的軽い患者さんを一時待機していただく予定ですが、これにつきましても、医療従事者につきましては民間事業者と合意書を結んでおります。それに加えまして、阪大医学部のほうからスーパーバイザーとしてアドバイスをいただくという立てつけになっております。
 3点目の強制力についての御質問ですが、先ほどの御意見はごもっともでございます。強制力に合わせまして、そのために必要な人材を特定の医療機関、あるいは特定の機関にプールをしておく、育成をしておく。そのことで、いざという場合にやっていただくという立てつけも十分考えられると思います。貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 谷口先生、よろしいでしょうか。
○谷口オブザーバー ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、お待たせいたしました。中野先生よろしくお願いします。
○中野オブザーバー 川崎医大の中野でございます。
 参考人の皆様方、どうもありがとうございました。私は、地域における体制づくりということで、福井県様と大阪府様にちょっとお教えいただきたいことがございます。
 私は小児科医でございますけれども、幸いのところ、今日まで小児の疾病負担はコロナに関してはそんなには大きくなかった。ただ、7月、8月とやはりちょっと不穏な動きがあるので、今後注意はしないといけないと思っていますが、お尋ね申し上げたいのは、例えば小児とか、あるいは妊婦とか、特定の背景を持つ患者さんたちですね。結構、いろいろ気にしなければならないことがたくさんあると思うんです。妊婦さんに関しては当然、おなかの中の赤ちゃんのことがございますし、小児に関しましては、例えば入院するにしても家族のこととか、いろいろなことがございます。
 その中で、今日御報告いただいた役割分担とか入院調整に関しまして、非常に地域でいい体制をおつくりいただいた2つの府県から特定の宿主、小児や妊婦でなくてもよろしいですが、その患者さんを想定したとき、やはり感染症が出てみてどんな病気か分からないと対処はできないのか、第8次医療計画に向けて事前に準備しておけることがあるのか、その辺りのコメントを頂戴できればと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、福井県からお願いいたします。
○池上参考人 今回のコロナに対応して、小児の患者さん、あるいは妊婦の患者さんについてどういう対応をしたかということなんですが、まず小児の患者さんが出たときには県立病院の小児科医が常にその情報を持つというふうな体制にしておりました。
 さらに妊婦について言うとリエゾンの方、これは災害のときにも活躍いただいていますが、リエゾンの方を決め、その方にも情報を常に流すということで緊急時に対応できるような体制を取っておりました。
 医療計画の策定に向けてどうするかということなのですが、災害医療コーディネーターの中にリエゾンを置いておりますので、この仕組みをしっかり活用して感染症にも対応していけるのではないかと、このコロナを経験しての考え方を持っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 大阪府、いかがでしょうか。
○藤井参考人 ありがとうございます。
 お示しのどのような準備が可能かということなのですが、大阪府で例えば透析中の患者さんの入院調整、あるいは妊産婦さんの入院調整でやはり最も有効に機能したのが、もともと整備構築をされていた透析ネットワークでありますとか、大阪府で独自に持っております妊産婦のOGCSというネットワークですね。各機関のネットワークですが、そこで受入れについても調整いただくということで非常に有効に機能したと考えております。
 そういう意味では、ある感染症を想定した準備というのは非常に難しいと思うのですが、それぞれの特定対象ごとの医療機関、あるいは専門医同士のネットワークをあらかじめしっかりと構築しておくということが重要なのではないかと考えます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 中野先生、いかがでしょうか。
○中野オブザーバー ありがとうございます。
 やはり特定のスキルなり、専門的な知識を持った方を核にしてネットワークの構築が大事かなというお話かと理解いたしました。どうもありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、猪口先生お待たせしました。どうぞ。
○猪口オブザーバー ありがとうございます。全日本病院協会の猪口でございます。
 大阪府の藤井参考人にお伺いしたいところなんですけれども、32ページ、33ページ辺りに中等症・重症一体型病院ということで、大阪では第4波、我々東京では第5波のときに致し方なくというか、重症病床を増やさなければいけないところではあったのですが、これはかなりの数が一気に、10病院から21病院を足して、その21病院も236床ですから、1病院当たり10床ぐらい増えているわけですよね。
 これは主にどういった病院が対象となって、1つ目はどういう病院なのか。
 2つ目は、最初の10病院だけで動かしていて後からのこの21病院が参加してきたのはどういう理由なのか。
 3つ目には、こういうふうに広げていくことには藤井さんをはじめとした行政主導であったのか、それとも病院間で話し合ってこういう具合になっていったのかを教えていただきたいのが1つであります。
 大きな2つ目としては強制力の問題なんですけれども、東京でもやはり感染症法16条の2が発動されて、病院と、それから個人に対して要請がきたわけなのですが、病院に対しての要請というのはある程度分かるんですが、個人にといったときにかなり現状の新型コロナよりも症状の厳しいような、毒性の厳しいような感染症に対して強制力が発揮されると、逆にサボタージュというか、非常に医療崩壊が起きるのではないかと思うので、その強制力と同時に教育とか、いろいろなものがついでについてこないと無理ではないかと思うんですけれども、その辺はどういうふうにお考えになられているかということをちょっと教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 それでは、藤井参考人いかがでしょうか。
○藤井参考人 大阪府の資料の32ページ、33ページを御覧いただいていると思います。この中等症・重症一体型病院①といいますのが、外から重症患者もお受けいただける病院、地域のどちらかというと高度急性期、急性期病院、拠点病院というイメージです。
 それで、中等症・重症一体型病院②といいますのが、中等症患者を受け取っていただいて院内で重症化した場合、そのまま留め置いていただく病院ということで、この6月の時点で非常に多く手を挙げていただいたのは、幸か不幸か、第4波で多くの中等症病院で91名の重症患者を留め置いていただいて重症患者の挿管対応等をしていただいたという実績が中等症病院で対応ができるのではないかという検討をいただけた大きな背景にあると思いますというのが1点です。
 こういう中等症・重症一体型病院という新たな区分を設けることにつきましては、大阪は先ほど加納委員の話にありましたが、医療機関サイドと行政が様々な圏域単位、あるいは全体と、コミュニケーションの場を多く持っている自治体でございます。第4波の途中から、何回かもう圏域の全医療機関に参加していただいて、大阪はこういう方向性を考えているのだが御意見をいただくということを数度繰り返しまして、その上で方針を提示し、手を挙げていただいたという経過となっております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 猪口先生、いかがでしょうか。
○猪口オブザーバー どうもありがとうございます。
 そういう中等症・重症病院が出来上がる雰囲気というんでしょうか、そういったもののニーズをお互いに理解し合って出来上がってきたんだということがよく分かりました。どうもありがとうございます。
 2つ目の件をお願いいたします。
○藤井参考人 3点目の強制力の件、人材育成がセットであるべき、これはおっしゃるとおりだと思います。
 病床確保するに当たって、特に内科を標榜している二次救急に病床確保していただきたいと要請を数度繰り返しておりましたが、その際、確保困難な理由として、1点は病院の構造、2点が医師を含めた医療人材が不足しているということが各医療機関の御回答でございましたので、実際にいらっしゃらないという背景はあると思いますので、人材育成は不可欠であると思います。
○猪口オブザーバー どうもありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、大友先生お願いいたします。
○大友オブザーバー 大分時間も過ぎていますので、1点だけ福井県様にお願いしたいんですけれども、入院が必要な患者さんと、それから宿泊療養でいい患者さんを明確に区別できたというお話でございました。もしこれがきっちりできると、有限な病床を本当に入院が必要な人にしか使わない。それから、宿泊療養が安全にできる。容態変化がないということで、これがきっちりできるということは第6波に向けて非常に重要なことなんですけれども、それは実際どういう方法でやられたのか。血液検査と画像というふうに書いてありますが、この具体的な内容と、それからどれだけ正確だったのか、その辺を教えていただきたいんですけれども。
○遠藤座長 では、福井県よろしくお願いいたします。
○池上参考人 どのように入院の必要性を判断したかということですが、入院コーディネートセンターのほうにまず保健所から患者さんの情報が集まってきます。そして、その情報を基に、まずもって入院の必要があるのかどうかということをドクターが判断しております。さらにメディカルチェックという仕組みのことを申し上げましたが、これは県内6医療機関において画像診断、CTを撮ったり、あるいはレントゲンを撮ったり、血液検査、そしてSpO2、こうした検査をして、その方に重症化の傾向があるかどうかを判断する。こういう仕組みで必要性を判断しております。
 実際、その効果があったかどうかということなんですが、重症化をして、例えばホテルから病院に行かなければいけないというような重症化の傾向があって、行ってそこで重症化したということは経験としてはなかったということになります。
○大友オブザーバー では、総合的に血液検査、それからCT等も含めた検査を実施して、あとは医師が総合的に判断したということですね。
 そうすると、やはり何千という数になると、これは難しいかもしれないですね。分かりました。
○遠藤座長 よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、田中先生よろしくお願いいたします。
○田中オブザーバー 日本病院会の田中でございます。
 簡単な質問ですけれども、福井県と大阪府にです。結核のベッドがコロナのベッドに転換されたものというのは、それぞれ何ベッドぐらいあったのでしょうか。
 以上です。
○遠藤座長 いかがでしょうか。
 福井県、いかがでしょうか。
○宮下参考人 中核のところの県立病院の10床分は結核からコロナのほうへ転床いたしまして、あとのいわゆる結核病床を持っているほかの病院のところは転床せずに、そのまま結核は結核として扱っていただくということで、県内2か所の病院のほうで結核患者のほうは対応していることは可能でありました。
○遠藤座長 大阪府はいかがでしょうか。
○藤井参考人 ありがとうございます。
 第1波の途上に、結核病院のうち、患者を他の結核病院のほうに転院させていただいて、コロナ病床として転院をさせていただいたということがあります。数はすみません、今手元にないんですが、さほど大きな数ではなかったと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 田中先生、いかがでしょうか。
○田中オブザーバー 静岡では92床の結核ベッドの中で24床がコロナベッドに変わっています。
 神奈川県も結核のベッドをコロナのベッドに変えていて、当院も結核ベッドがありましたので、神奈川の結核患者さんが当院に入院したといったこともございました。ある意味で、結核のベッドがそのリザーバーといいますか、感染症に対応するベッドになった。大分減っていたんですけれども、残っていたベッドが有効に使えたという印象があります。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、野木先生よろしくお願いします。
○野木オブザーバー 日本精神科病院協会の野木です。最後になりましたし、質問は時間がかかりますので、質問はしませんが大阪で病院をやっているのですが、今回、大阪府さんの対応は上手だったと思います。実は自院もコロナの軽症から中等症の精神疾患を持った患者さんの受入れをしました。最初は半強制的に大阪府さんのほうからやれと言われてやったのですが、いろいろな指導をしていただければ民間病院でもできるなという自信を持つようになり、大阪精神科病院協会も受入病院の増加に繋がりました。
 正直、医局、病院もみんな反対しましたが、大阪府さんの指導が行き届いており、こういうふうにやりなさいということを示していただいたことが大阪府精神科病院協会の中で受入病院が増えた要因の一つだったと思います。大阪府さんは非常に上手に対応してくれたという印象を持ったということを最後に一言、お伝えします。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
○藤井参考人 大阪府ですけれども、先ほど御質問があったお答えと、今ありがたくいただいた御意見と兼ねまして、大阪府内ではコロナの精神患者さんの病床を122床確保いただいております。透析につきましても122床、小児117床、新生児10床、妊産婦97床という状況でございます。
 また、先ほどの転退院のサポートセンターのこの間、数か月の実績は182件となっているところでございます。すみません、追加報告させていただきます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 何か参考人で追加のコメントのある方、ほかにいらっしゃいますか。
 では、鎌田参考人どうぞ。
○鎌田参考人 先ほど、谷口先生からご発言をいただきました、感染管理認定看護師の養成期間についてですが、現在、半年から7、8か月で行われております。また、座学だけではなくe-ラーニングの活用も進めております。
 また、資料6ページにお示ししておりますが、本会では感染管理認定看護師の養成を推進するため、受講者が所属する200床未満の医療機関や介護施設に100万円の受講費用補助を行っております。それを受講期間中の代替職員の確保等にご活用いただければと思っております。2021年度実績として、30都道府県、58医療機関、1介護施設が利用されており、来年度も実施することとしておりますので、十分に活用していただければと思います。追加でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、予定の時間をオーバーしておりますので、本日の議論はこれぐらいにさせていただきたいと思いますけれども、参考人の皆様におかれましては、長時間にわたりまして本当に貴重なお話を聞かせていただきましてありがとうございます。改めてお礼申し上げたいと思います。いただきました様々な知見につきましては、今後の議論に大いに活用させていただきたいと思います。
 それでは、本日の議論はこれまでとさせていただきます。
 事務局から何かございますか。
○佐藤補佐 事務局でございます。
 本日は一般傍聴の制限をさせていただいており、議事録につきまして可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいりたいと存じます。構成員をはじめといたしまして皆様方におかれましても、御多忙とは存じますが、御協力いただきますよう、何卒お願い申し上げます。
 また、次回の検討会でございますけれども、来週11月11日木曜日14時から、会場はプラザエフ、当会場でございます。本日同様、オンラインでの開催を予定してございます。
 追って詳細を御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、本日の検討会はこれにて終了いたします。
 どうも長時間ありがとうございました。



(了)
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