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2020年11月19日 第23回医療計画の見直し等に関する検討会
医政局
○日時
令和2年11月19日(木) 18:00~20:00
○場所
AP新橋 3階 Aルーム
(東京都港区新橋1丁目12-9)
○議事
○渡邊課長補佐 ただいまから、第23回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、出席くださいまして、誠にありがとうございます。本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
まず初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。
御発言の際には、手を挙げるボタンをクリックして、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、発言をするようお願いいたします。また、発言終了後は、再度マイクをミュートにするようお願いいたします。また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には、反応ボタンをクリックした上で賛成ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
本日は、田中座長代理は御欠席、野原構成員より遅れての参加との御連絡をいただいております。
続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
上から議事次第、座席表、開催要綱、構成員名簿、資料1-1、1-2、2-1、2-2となっております。
資料の不足等ありましたら、事務局へお申し出願いします。
すみません、資料2-3、参考資料もございます。
報道の方で冒頭カメラ撮り等をしておられる方がいらっしゃいましたら、ここまででお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○渡邊課長補佐 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 皆さん、こんばんは。
本日もよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日の議題は2つあります。
1つが「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等について」でございまして、議題の2つ目が「医療計画・地域医療計画について」でございます。
それでは、議題1の「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等について」に入りたいと思います。
本日は事務局に、これまでの議論を踏まえて論点の整理用意してもらっておりますので、これに基づいて議論を進めていきたいと思います。
それでは、事務局から資料の説明をお願いします。
○高宮企画官 医政局総務課の企画官でございます。
それでは、私のほうから、資料1-1と資料1-2の説明をいたします。
最初に、資料1-1を御用意ください。
論点整理(案)ということで、これまでの議論で、全般的に認識の共有が進んでいきましたので、前回の検討会、それから医療部会にも、議論の状況を報告して議論をいただきましたので、その内容を踏まえまして、事務局で論点の整理(案)としてまとめたものでございます。
まず最初に、当外来機能の明確化、連携についてです。
1番目の現状及び課題です。
1つ目の○では、まず、新型コロナ感染症への対応を最重要の課題として取り組むことが必要である。
2つ目の○では、3行目ぐらいからですが、中長期的には、人口減少、高齢化等により、担い手の減少、需要の質・量の変化という課題に直面している。外来医療の高度化も進展をしていると。
このような地域の外来を取り巻く状況の変化に対応して、質の高い外来医療の提供体制を確保・調整していくことが課題となっている。
3つ目の○、高齢化の進展により、かかりつけ医機能を強化していくことが課題と。
4つ目の○は、患者の視点から見れば、医療機関の選択に当たり、外来医療の機能について情報が十分得られている状況とは言えない。
患者に、いわゆる大病院志向がある中で、再診患者の逆紹介が十分に進んでいないこと等により、一定の医療機関に外来患者が多くなり、待ち時間の長さ、勤務医の外来負担等の課題が生じている。
その下の○は、これまで入院医療については、病床機能を明確化して、機能分化・連携を進めるための取組を重ねてきましたが、外来医療、在宅医療もあわせて取り組む必要がある。
一番下の○で、在宅医療の体制構築は医療計画、介護保険事業計画などにより進められているが、外来機能の明確化、連携については、これまで医療関係者の自主的な取組が進められてきたものの、地域によっては取組が進んでいないところもあり、これをさらに進めていくことが重要である。
その次の○、外来機能は、これまでデータを含めて議論の蓄積が少ない。外来医療に関するデータを収集する仕組みを構築するとともに、地域の実情に応じた議論を進めるなど、外来機能明確化、連携を進めていくための仕組みが必要である。
その下の○、今後、外来医療に関するデータの蓄積・分析を行い、外来機能全体のあるべき姿を明らかにしていく必要。
2番目は、具体的方策、取組になります。
まず(1)が全体の枠組みを書いています。
1つ目の○の真ん中ぐらいからです。医療資源を重点的に活用する外来に着目して、外来機能の明確化、連携を図る。
それと併せて、かかりつけ医機能の強化を議論することが、今後、外来医療全体の在り方について議論を進めていくための必要な第一歩である。
2つ目の○で、各医療機関から都道府県に医療資源を重点的に活用する外来に関する医療機能の報告をする。
その報告を踏まえて、地域における協議の場において、必要な調整を行うこととすると。
3つ目の○、医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関を明確化する。これにより、患者、医療関係者、自治体、保険者、それぞれの立場、分かりやすくなるなどにより、地域における患者の流れがより円滑になり、病院の外来患者の待ち時間の短縮、勤務医の外来負担の軽減、働き方改革が図られると期待されると。
3ページです。
今回のこの仕組みは、必要な取組の第一歩であり、今後の地域における取組、外来医療のデータ分析などを踏まえ、引き続き、改善を図っていく必要があると。
(2)医療資源を重点的に活用する外来です。
基本的に下に書いてある①から③の機能が考えられるが、この具体的な内容は、今後さらに検討する。
2つ目の○、この医療資源の重点的に活用する外来の呼称、呼び名についても、今後さらに検討する。
(3)外来機能報告です。
病床機能報告を参考に、各医療機関から都道府県に外来機能の報告を行うこととする。
2つ目の○で、外来機能報告に当たっては、病床機能報告と同様、NDBを活用し、国から各医療機関に対して、当該医療機関のデータを提供する。
各医療機関においては、当該データを確認し、病床機能報告と一体的に報告を行うこととする。
なおですが、医療機関の負担軽減のために、将来的に医療機能情報提供制度が全国統一システムとされた場合には、そのデータの活用も検討すると。
次の○、外来機能報告を行う対象となる医療機関については、まずは、病床機能報告と同様、一般病床または療養病床を有する医療機関を基本とすると。
無床診療所については、高額な医療機器等による検査を集中的に実施する無床診療所もあることを踏まえ、任意で外来機能報告を行うことができることとすると。
4ページです。
外来機能報告の具体的な報告事項については、今後さらに検討する。
(4)地域における協議の仕組みです。
都道府県の外来医療計画において、外来の医療機能の明確化、連携を位置づける。
外来機能の報告を踏まえ、地域における協議の場で必要な調査を行うこととする。
なお書きが、これまでの議論で、現在の外来医療計画との関係についての御意見もあったので、記載をしています。
現在の外来医療計画において、外来医師多数区域の新規開業者の地域で不足する外来医療機能を担うことを求めることとされており、地域で不足する外来医療機能について地域の協議の場で検討するに当たっては、外来機能報告によるデータなどを活用することも考えられる。
次の○、地域における協議の場は、地域医療構想調整会議を活用できることとする。
協議に当たっては、国が可能な範囲で、地域ごとの将来の医療資源を重点的に活用する外来の需要を参考値として示すこととすると。
その次の○、医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関を明確化する仕組みを設ける。その方法としては、外来機能の報告の中で報告することとすると、また、これは広告可能とすると。
その下の○で、この地域で基幹的に担う医療機関の報告に当たっては、国の示す基準を参考にして、地域の協議の場で確認することにより、地域の実情を踏まえることができる仕組みとすると。
これまでの議論では、地域性を反映できるようにすることが必要だという意見がありましたので、それを書いています。
その下の○、この地域で基幹的に担う医療機関の呼称、国の示す基準は、今後さらに検討すると。
その下の「また」の段落についても、これまでの検討会、医療部会で、病院の外来の診療科によって状況が違うというような御意見、あるいは逆紹介をさらに進める必要があるという御意見がありましたので、記載をしています。
診療科ごとの外来医療の分析、紹介、逆紹介の状況の分析などについては、地域における協議の場での議論も視野に入れながら、今後さらに検討すると。
一番下の○が、都道府県知事の権限になります。
病床機能報告、地域医療構想では、様々な都道府県知事の権限が設けられていますが、外来機能に関しては、その中で、外来機能の報告の報告をしない、あるいは虚偽の報告をした場合に、報告を求める、あるいは報告内容の是正を求めるというような命令ができ、これに従わない場合は、その旨を公表することができることとする。
5ページです。
地域医療支援病院との関係になります。
地域医療支援病院は、かかりつけ医等への支援を通じて地域医療の確保を図る医療機関であると。
紹介患者に対する医療提供のほか、医療機器の共同利用、救急医療、医療従事者への研修などを行うこととされています。
一方で、医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関については、患者の流れをより円滑にする観点から、特定機能病院、地域医療支援病院以外に、紹介患者への外来を基本として、落ち着いたら逆紹介により、地域に戻す役割を担う医療機関明確化するものです。
紹介患者に対する医療の提供という観点では、地域医療支援病院と役割が一部重複することになるというような関係だという整理をしています。
6ページからは、かかりつけ医機能の強化、多職種の役割などになります。
1番目、現状及び課題です。
かかりつけ医機能については、日本医師会・四病院団体協議会の合同提言で、一定の機能が示されている。
2つ目の○で、高齢化の進展により、かかりつけ医機能の強化が求められている。
3つ目の○、患者の視点から見れば、かかりつけ医機能のイメージも様々で、医療機関の選択に当たって、外来機能の情報が十分得られている状況とは言えない。
その下の○、外来医療においては、多職種が連携して、それぞれの専門性を発揮し、チームとして役割を果たしている。
その次、上手な医療のかかり方については、様々な関係機関・団体による取組が行われている。
その下の○で、新型コロナが流行している中で、引き続き、医療の関わり方に関する広報に取り組む必要があると。
2番目が具体的方策・取組です。
(1)が、かかりつけ医機能の強化で、以下の方策に取り組んでいくとして、7ページに①、②、③を書いています。
①かかりつけ医機能について、合同提言あるいは地域における実践事例などを踏まえ、地域においてどのような役割を担うことが求められるかを整理していくことが求められていると。
このため、かかりつけ医の機能の事例などを調査・研究、好事例の横展開を図る。
また、精神科において患者が救急受診したときに、主治医と連絡が取れずに困るという御意見も踏まえて、協議の場で検討することをガイドラインにおいて促す。
②番、医療関係団体によるかかりつけ医機能を強化するための研修などの内容や、その研修を受けた医師の実践事例などを国民に周知をして、かかりつけ医機能に関する国民の理解を深める取組を行う。
③医療機能情報提供制度について、統一的で分かりやすい検索システムの検討、それから制度の周知に取り組む。
(2)が、多職種の役割になります。
以下のような役割・連携が重要であり、これらを推進していく必要がある。
歯科医療については、かかりつけ歯科医の重要性が増している。
次の○では、地域の歯科診療所と病院間の連携を推進、病院歯科が果たすべき機能、病院歯科の設置に関する議論を行うことが重要である。
次は薬剤師、薬局です。
8ページ、外来医療においては、調剤時に加え、調剤後の継続的な服薬指導、服薬状況等の把握、医療機関や、かかりつけ医と連携することが重要。
次の○で、かかりつけ薬剤師、薬局として、医薬品等の使用の適切な情報提供、服薬状況を一元的、継続的な把握、薬学的管理指導などが重要であると。
その次は、看護です。
外来において看護職員は、医療と生活の両方の観点から、患者家族等に療養指導や支援を行っている。
次の○で、外来における生活習慣病等の重症化予防、再発防止の重要性が高まっているということです。
最後(3)国民の理解の推進です。
以下の取組を行っていくとして、①上手な外来医療のかかり方のポイント、かかりつけ医を持つことのメリットなどを整理して、周知啓発に活用できるツールを作成、好事例を示すなどの取組を行う。
国においても積極的に周知・啓発に取り組む。
最後の②が、医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関を明確化する仕組みを設ける。前のほうの再掲になります。
資料1-2については、参考資料として、これまでの検討会の資料などをつけているものですので、説明は省略いたします。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、ただいま報告ありました資料の1-1に関連して、御意見、御質問等あれば承りたいと思います。いかがでございましょう。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 両方まとめてよろしいでしょうか。
○遠藤座長 結構です。
○山口構成員 そうしましたら、まず、資料1-1の3ページのところに、医療資源を重点的に活用する外来ということで、今回1から3まで具体的に、もう少しまだ整理する必要があるということですけれども、具体的に書いていただいて、この名称については、専門的に検討を進める場において、改めて検討すると書いてありますけれども、今回1から3の内容を見ますと、総じて、患者から見たときに分かりやすい名前としては、紹介状の必要な外来ということにも集約されるのかなと思いながら、お聞きしていました。
名称について検討されるときに、そういった声があったということを生かしていただければと思います。
それから、同じ3ページの一番下の○のところに、基本的には一般病床または療養病床を要するに医療機関を基本として、外来機能報告を無床診療所については、任意で行うということですけれども、これは、患者に報告するときになると、一般病床と療養病床が中心だということになると、どうしても例外的な扱いになって、無床診療所は対象ではないと思ってしまう方も出てくるのかなと思いましたので、例えば患者に情報提供をするときに、患者が見落とすことがないような情報提供と、分かりやすい仕方について、ぜひ工夫をしていただきたいということがお願いでございます。
最後、質問ですけれども、かかりつけ医のところで、8ページの最後のところに、外来医療のかかり方について、国民の理解を推進するということで、①のところに、啓発に活用できるツールを作成したり、好事例を示すとあるのですけれども、なかなかお示しいただいても、多くの国民に直接届かないということが一番のジレンマかなと思っております。
いろいろな方法で、1つの方法ではなくて、例えば、お願いですので、厚労省のホームページで発表していますだけに終わってしまうと、まず一般の方が見ることがないと思いますので、もし何か考えていらっしゃる周知のためのツールというのがあれば、具体的にちょっと教えていただきたいということだけ質問させていただきます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、最後の質問についてお答えいただけますか。
○高宮企画官 今回の啓発に活用できるツールを作成して、様々な団体、関係機関が周知啓発に取り組んでいただいていますので、その中で、例えば、今、若い人だとSNSとかを見るというようなことですので、そういうものも含めて、うまいこと取り組んでいる活動を、うまいことほかの団体にも伝えていきたいと考えています。
○遠藤座長 山口委員、どうぞ。
○山口構成員 例えば、若い世代ということでいうと、母子手帳を発行するときに、こういうものを一緒につけていただくとか、何かそういうことに関心を持っているときに、抱き合わせでというようなことが幾つか考えられると思いますので、ぜひ、そういった方法をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインで城守構成員、お願いいたします。
○城守構成員 ありがとうございます。
まず、3ページの外来機能報告の対象についてでございますが、ここに書かれているように、一般病床または療養病床を有する医療機関というくくりで事務局から提供していただいているわけですが、これは、いわゆる病院と有床診療所という形であろうと思います。
その有床診療所も、いわゆる地域医療構想の病床機能報告制度と一体的にという観点からしますと、やむを得ないかなと思いますが、ただし、診療所ですので、なかなか人員も少ない、事務局的な機能も低くなっているという点もございます。
さらには、今回の制度が、どのような詳細な制度設計になるのかというのが、現時点では、まだ見えないというところもございますので、可能であれば、やはり一定の義務化に関しては、猶予があってもいいのではないかと思いますので、まずは、事務局に御検討をお願いしたいと思います。
さらには、無床診療所に関しては、先ほど山口構成員のほうが、患者さんに対しての伝え方ということに関しては、確かに分かりにくい部分も、事務局の提案では、手挙げということですので、そのシステムはしっかりと考えていただければと思いますが、無床診療所に関しても、基本的には、診療所を対象とした場合に、今、紹介状がないと、受診できないのではないかと、そういう誤解を招いたりすることによって、受診患者さんの数の変動が非常に多くなったりすると、診療所への経営も含めた影響が非常に大きくなるということがございますので、その辺りをしっかりと配慮をしていただければと思います。
そして、4ページの(4)の地域における協議の仕組みでございます。
これに関しては、まず、2つ目の○に、国が可能な範囲で医療資源を重点的に活用する外来の需要を参考値として示すという形の記載がございます。
そして、そこから2つ下の4つ目の○でございますが、医療資源を重点的に活用する外来を点々とありますが、(2)の①から③の割合等の、国の示す基準を参考にして、地域の協議の場でという記載がございます。
この辺りに関しましても、基本的に地域医療構想のときもそうでしたが、需要の参考値は、あくまでも参考値ということで、ここは、幾重にもそれを重ねて、医療機関に周知をして、誤解が生じないようにしていただきたいと思います。
この参考値といいますか、数字がまた独り歩きをして、その数字に合わせていかなければいけないのではないかという地域医療構想のときにもあった、繰り返しにならないように、現場で混乱しないように、十分に配慮をしていただきたいと思います。
最後でございますが、特定機能病院、5ページの○のところですが、特定機能病院、地域医療支援病院に関しての記載がございます。
この記載は、これでいいわけですが、本検討会の趣旨とは若干異なりますが、ここに書いてございますように、紹介を中心とした初診の患者さんが、状態が落ち着けば、再診になる場合には、かかりつけ医の方々へ、まず、戻っていただくと、そういう趣旨において、このデータでも、再診の患者さんの医療資源が余り活用されていない割合というのが、非常に高いというデータが出ているわけですので、その辺りを考えますと、再診患者さんの適切な、かかりつけ医への移動という点に関して、選定療養ですね、適切な運用の仕組みというものも必要ではないかというような記載が必要ではないかということ。
さらには、比較的大きな病院であったとしても、特定機能病院や、また、地域医療支援病院の役割を担う病院であったとしても、それを選択していないという医療もあるという中で、その医療機関等においても、しっかりとその役割を担うという意味の一文をどこかに記載していただければよいのではないかなと思います。
少し長くなりましたが、私からは、以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
御意見として承りました。
また、最後に関しては、再診に伴う選定療養等のお話ですけれども、それに類似する話は、医療保険部会のほうで、今、議論をされているということは、御存じのとおりだと思いますので、一言つけ加えさせていただきました。
それでは、ほかに、随分挙がっておられますね、次は、野原構成員、お願いします。
○野原構成員 野原でございます。
外来機能の明確化、連携について、地域で議論を進めていくことについては、必要な取組だと考えております。
2点、意見を申し上げたいと思います。
今後、地域医療構想調整会議で、各地域で議論を進めていくに当たりまして、住民や患者さんに分かりやすく説明をしていくことが求められてまいります。山口構成員もおっしゃっていたと思います。
資料1に記載の現状課題なのですけれども、例えば、限られた医療資源の中で、質の高い医療を提供するために、医療機能の明確化、機能分化、連携などの記載がございますが、これらについては、例えば、4疾病5事業が導入された平成18年の第5次医療計画から盛り込まれている視点であります。
なぜ、今、外来医療機能の議論を進める必要があるのか、また、それを進めることで、患者さんにどのような利点があるのか、医療構造の変化などが求められる中、患者さんの視点に立って、具体的な例示ですね、こういったものも含めて、分かりやすく説明していく必要があると考えています。
この点については、引き続き検討をすすめていただければと考えております。
また、1-1の資料で、現状課題の2つ目の○の4行目、地域の医療提供体制は、地域差を伴いながら、担い手の減少の課題に直面との記載がございます。
一般論としては、医療人材に限らない課題であり、現状認識はそのとおりだと考えておりますが、一方で都道府県では、具体的な数値目標を掲げて取り組んでいるところであります。
この課題を前提として地域で議論を進めるものではないとしておりますけれども、説明の仕方につきましては、丁寧に進めていただければと思っております。
以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
御意見として承ることでよろしいですね、ありがとうございました。
それでは、続きまして、岡留構成員、お願いいたします。
○岡留構成員 外来機能の明確化につきましては、1のことにつきましては同意する、非常にいい考えだなと思うのですが、1つは、ここで疑問が出るのは、先ほど野原構成員がおっしゃったように、先の医療計画に基づいて、紹介、逆紹介が非常に活発に行われるようになって、外来の7割から8割の患者さん方は、私は病気になったらどの病院に行ったらいいかというのを、大体分かっていらっしゃるのですね。
ここで定量化していくというか、可視化していく意味というのは、どこにあるのかというのが第1点、その質問です。
もう一点は、2のかかりつけ医機能の強化というところなのですが、かかりつけ医というのは、私ども四病協と日医で平成25年に出しました提言にうたっていたのですが、私の理解は、まだ、その当時十分でなかったせいかもしれませんが、かかりつけ医というのは、どういうものだろうかと、共通した理解が、まだ、広がっていないような気がするのです。
医政局のほうとしては、これは、先日も社保審の医療部会でも論点になったと思いますが、かかりつけ医の明確な定義というのは、どこにあるのかなと、そういった分からない部分が2点ほどありましたので、御質問として述べさせていただきました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
非常に基本的なことであるけれども、なかなか奥の深い質問でありますが、事務局、どなたか、お答えいただけますか、お願いします。
○熊木課長 医政局総務課長でございます。本日は、ありがとうございます。
まず、1点目の御質問、今、なぜ定量化あるいは可視化の取組というものを進める必要巣があるのかということでございます。
これは、これまでのこの検討会あるいは部会でも同じような御議論がございました。基本的には、その地域ではうまくいっているのではないかという御意見もあったと承知しています。
したがいまして、1ページから2ページのところに、そのような趣旨を書いてございますが、外来機能の明確化、連携については、これまで自主的な取組が進められてきたと、その上で、ただ、地域によっては取組が進んでいないところもある、あるいは、そのデータを含めての議論の蓄積が、その次にありますけれども、少ないのだと、こういう状況だと思います。
それが、どういうことになっているかというと、患者の視点から見て、まだ、十分どういうところに、どういった形で医療機関にかかるのかという情報、あるいは選択肢というものが、まだ見えにくい面があるのではないかということでございます。
したがいまして、患者の、いわゆるより円滑な流れというものを目指しまして、こういう取組を全体的に進め、さらに、地域で話し合うということで、地域でのよりよい効果的で、効率的で、良質な医療提供体制の確立というものを目指していくものの一歩にしてはどうかということでございます。
2つ目ですが、かかりつけ医の定義ということでございます。
これも、この場でも何度か御議論をいただいた点でございます。結論的に申し上げ
ますと、行政、私ども役所といたしまして、現在において、まだ、かかりつけ医というものについてのきちんとした定義づけというものが十分できていない状況かと思います。
したがいまして、6ページのところに、かかりつけ医機能については、日本医師会、四病院団体協議会合同提言というところで、一定の機能が示されているといった形で、自主的な、これまでの取組ということを御紹介させていただいた次第でございます。
この議論を進めていく、すなわち医療資源を重点的に活用する、そういう外来、こういうものの機能の明確化、あるいは患者のより円滑な流れというものを確保するためには、かかりつけ医機能の強化というものは、同時に、併せて進めていくべきだということを、この整理案でも書いてございますので、引き続き、そうした議論が蓄積され、深まっていくということが重要だと考えてございます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
岡留構成員、いかがでしょうか。
○岡留構成員 今、かかりつけ医機能と、さらっとおっしゃいましたけれども、医療の現場では、紹介、逆紹介で外来機能というのは動いているのですね。特に病院の外来は、私の病院は、紹介率90%近いのですが、ほとんど、どの患者さんが来たら、どこに行くという、病院のセレクションは、患者さん方のほうで、認知していらっしゃる場合が多いのです。
それを、私がさっき質問したのは、それをわざわざここで掘り起こして、何で可視化していく必要が、そのメリットは何なのかということをお聞きしたかったのですけれども。
○遠藤座長 いかがでしょうか。
ある種のかかりつけ医機能というものが、それなりに効果が、今、動いているのだと、それにもかかわらず、これだけのことをやる意味は何なのかと、こういう御質問ですね。
よろしくお願いします。
○熊木課長 重ねてのお答えになりまして、恐縮でございますが、今、おっしゃられたとおりでございまして、地域によっては、そういったことは、しっかりと行われているといった御意見、これまでもあったということでございます。
他方で、まだ、いわゆる大病院志向というものがあって、そういう中で、十分には患者の方が、どこを選択するのかというものの情報なり、選択肢なりがうまく見えないということも、実際にはあるということでありまして、地域にもよるということだろうとは思います。
全体的に言えば、患者のより円滑な流れというものは確保していくべきであろうということで、こういった取組を検討していると、私どもとしては理解をしてございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○岡留構成員 よろしいです。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしました、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 ありがとうございます。全般的な意見を申し上げたいと思います。
今般、入院に引き続いて、外来についても新たに報告制度を作って、データの蓄積や、分析を行い、かかりつけ医機能を含めた外来機能全体のあるべき姿を追求していくということは、医療資源の効率化につなげていく重要な第一歩だと思います。
これをどこで議論するかということについて、意見を申し上げたいのですが、地域における協議の場が、今、地域医療構想調整会議を活用できるとなっているのですが、ここで一体的に議論するのであれば、新たな会議体を立ち上げるのも労力が要りますし、今ある会議体を有効に活用するという意味でも、地域医療構想調整会議で行うということを明確にうたってもいいのではないかと思います。
また、地域医療構想調整会議も発足当時は、なかなか議論が活性化しなかったということも聞いておりますが、やはり、入院医療と同様に協議を活性化させるためにも、今、城守構成員から御指摘があった通り、医療資源を重点的に活用する外来の外来需要に関するデータなどをこの会議の場に提供すべきと考えています。そして、医療資源を重点的に活用する外来を地域で明確にするに当たっては、やはり国が一定の基準を作って、地域に共有し、それを基に地域で議論していただくのが、すなわち、活性化につながると思います。
これらを踏まえ、今後、どういったデータを地域医療構想調整会議の場に出していくのかということについても、併せて検討していくことが必要だと思います。
それから、保険者の立場で言わせていただきますと、資料の中でも示されていますが、やはり患者の認知度というのが一番重要ではないかなと考えております。
我々も周知等々をはかっていきますが、健保組合の加入者の視点で考えると、先ほど山口構成員もおっしゃったのですが、紹介状が必要な医療機関であるということが一目で分かるようなネーミングにするということが必要かと思います。
それから、周知の方法としましては、現在、全国統一システムの構築が進められている医療機能情報提供制度を活用できると思います。現時点では都道府県ごとにばらつきがあり、かかりつけ医を検索しても出てこない地域もありますが、この医療機能情報提供制度をうまく統一して、かかりつけ医を容易に検索できるように工夫し、認知度を高めていくということが必要なのではないかと思います。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として、承りました。
それでは、尾形構成員、お願いいたします。
○尾形構成員 ありがとうございます。尾形です。
御説明のあった資料1-1については、全体として、これまでの議論を踏まえた内容になっていると思います。
その上で、1点コメントと、1点質問をさせていただきたいと思います。
まず、コメントですが、資料の1-1で言いますと、2ページの下から3つ目の○のところで、医療資源を重点的に活用する外来への着目と、それから、かかりつけ医機能の強化を併せて議論するとしていますが、このことは、外来医療の適切な機能分化や連携という観点からは、大変重要であると思います。
ただ、実際の内容を見ると、医療資源を重点的に活用する外来のほうが、病床機能報告制度あるいは地域医療構想にならった形で、かなり具体的に踏み込んで書かれているのに対して、6ページ以降の、かかりつけ医機能の強化のほうは、率直に言って内容がやや抽象的で具体性に欠けているように思います。そういう意味で、少しバランスがとれていないという印象があります。
このままですと、医療資源を重点的に活用する外来のほうばかり目立って、一般国民の目から見ると、こちらのほうが、例えば患者負担が重くても、最新の設備等を備えた高機能の優れた外来であるかのような錯覚あるいは誤解を与えかねない可能性があるのではないかと危惧いたします。
医療以外の一般の経済社会ですと、価格が高いということは、すなわち、提供されるサービスの質や内容が高いと考えるのが普通ですから、誤ったシグナルを送る可能性があるように思います。
その結果、政策意図と異なって、かえって外来機能の適切な分化や連携を阻害するおそれがあるようにも思います。
これは、コメントとして申し上げておきます。
その上で、1点質問をさせていただきたいのですが、医療資源を重点的に活用する外来というのは、資料を見ると、全体としては地域医療構想調整会議等現行の地域医療構想のフレームワークを援用することを想定しているように見えます。
その場合、地域医療構想は、御案内のとおり2025年を当面の目標年次としているわけですけれども、医療資源を重点的に活用する外来の明確化については、当面、何年を目途と考えておられるのか。
仮に、地域医療構想と同じ2025年度とすると、これは余りに差し迫った話になるように思えるのですが、その点はいかがでしょうか。これは質問でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、質問について、あるいは前半の御意見についてもコメントがあれば、どうぞ。
○黒田参事官 ありがとうございました。
まず、第一に、今般、ややと言いますか、事務局の立場としては、ややと申し上げますけれども、前半の重点的に医療資源を活用する外来に、かなり具体的な記述が割かれ、かかりつけ医、あるいは後半については、やや抽象的ということでございました。
確かに重点的に医療資源を活用する外来というものが機能するためには、そこに紹介する医療機関あるいはその逆紹介で戻っていく医療機関というものが機能し、かつ、それが患者にとって明確でなければならないということだと思いますので、これが今後、先ほど私が申し上げましたように、そのかかりつけ医あるいはかかりつけ医機能についての議論が深まっていくということの期待とともに、それが地域で議論される場合において、そういう議論が深まっていただくように、それを国としてもできるだけ御支援申し上げるということを留意したいと考えます。
高機能という錯覚というお言葉がございました。これは、少し結局は呼称によるところもあるでしょうし、私どもの今後の説明の仕方ということもあろうかと思いますので、今もいろいろな御意見、本日もございましたので、引き続き検討していきたいと思います。
御質問の点でございますけれども、地域医療構想につきましては、何分にも病床を4カテゴリーについてどういう必要量あるいは需要があって、どのぐらい必要なのかという数字をどうしていくのかということがありましたので、基本的には、ある程度の年限、スパンがかかるものとして構想されて、そして、それに向けて着実に、あるいは議論がされていると理解してございます。
今回の取組、まず、第一歩ではございますけれども、医療資源を重点的に活用する外来、これを基幹的に担う医療機関、こういったものを、まず、明確化するということでございますので、そういう意味では、何か5年、10年といったようなスパンをいただくというものではないだろうと思います。どちらかというと、まず、これは第一歩の取組ということですので、そういう意味では、こういったものを、もし、こういった場で議論が収れんできるのであれば、しっかりとした仕組みとさせていただいて、地域で実現し、さらに議論を進めていくということだと理解をしてございます。
○遠藤座長 尾形委員、いかがでしょうか。
○尾形構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 それでは、続きまして、櫻木構成員、お願いいたします。
○櫻木構成員 櫻木です。ありがとうございます。
極めて基本的な質問になるかもしれませんし、そういった意味では、先生方の議論から一周遅れの議論になるかもしれませんが、今日の議論というのは、外来機能を明確化させて、それで連携していくと、その明確化する方法として、外来機能の報告制度というのを使って、医療資源を重点的に活用する外来、これを明らかにしていくという作業だというふうに理解をしています。
そうすると、外来機能の明確化というのは、それで分かるわけですけれども、では、連携していくということを考えると、医療資源を重点的に活用している外来、これを持っている医療機関と、想定されるのは、かかりつけ医、これが連携をしていくと考えるわけですけれども、外来機能の報告制度というのが、一応範囲としては、一般病床あるいは療養病床を持っているところということで、無床の診療所というのは、任意で、手挙げ制度ということになるわけですね。
そうすると、この外来機能の報告制度で明らかになるのは、医療資源を重点的に活用する外来、その多くは、病院であろうと考えられるわけですけれども、では、かかりつけ医というのは、この外来機能報告制度によれば、医療資源を重点的に活用する外来以外のところをかかりつけ医と考えるのか、実際問題として、それはやはり違うのではないかと思うわけです。
今回1-1の資料のほうでは、7ページのところに、今まで我々が話をした精神科における外来の状況というのが書かれているわけですけれども、精神科を受診して、何らかの治療を受けておられる患者さんが救急受診をしたと、そういったときに、多くの場合は、その紹介状を持って救急受診をするわけではなくて、例えばオーバードージングをしたとか、あるいは自殺企図があったというような場合には受診をされるわけですけれども、そこで、救急の先生方というのは、この患者さんの背景だとか、あるいは治療の内容というのは、かかりつけ医が一番よく知っているだろうという想定に基づいて連絡を取ろうとされるわけですけれども、なかなかそこのところがうまくいかずに、この患者さんは、例えば基礎疾患として、鬱病とか持っておられるのかどうか。今、飲んでおられるお薬の内容は、どうなのかということが分からないということで、いろいろな問題が起こってくるわけです。
繰り返しになりますけれども、今回の外来機能報告制度によって明らかになるのは、医療資源を重点的に活用する外来、これは明らかになるでしょうけれども、本当にかかりつけ医機能を持った医療機関ないしは、そういったお医者さん、これはなかなか外来機能報告制度では明らかにならないのではないかと思うのです。
ですから、そこの部分というのは、両方ある程度明確化していって、それで連携を図るということであれば、よく分かるのですけれども、果たして、今度のことで紹介されるべき医療機関というのは明確になるかもしれませんけれども、そこと連携すべきかかりつけ医機能を持った医療機関ないしはお医者さんというのは、どのような形で、そこは明確化されて、連携が図られていくのかというのが、少し御説明を聞いていて分からないのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。
○遠藤座長 重要な御指摘だと思います。いかがでしょうか。
○楠岡会長 ありがとうございます。
先生の今の御理解の、基本的には、そのとおりだと思います。今回の取組というのは、重点的に医療資源を活用する外来あるいはそれを基幹的に担う医療機関ということを明確化するということが、取組の第一歩の主要な部分だということでありまして、この報告制度を、それに伴いまして作って、機能したとして、それによってかかりつけ医の方が明確化されるということに直接結びつくものではないということだと思います。
先生がおっしゃいましたのは、したがってそこの機能をしっかりとまず明確化していくということは重要だということが含まれていらっしゃると感じましたけれども、そうだとしますと、先ほど来申し上げていますように、まず、かかりつけ医とは、どういうものなのかと、そういう議論、あるいはその定義といいますか、どういった機能ないし、どういったものが、かかりつけ医、あるいはかかりつけ医機能なのかというような議論が、まず、深まっていくということが重要だと思います。
他方で、こうしたが取組を進めますと、その地域では、協議の場において、重点的な外来、あるいはそれを担う機関というものが明確化され、その中で外来の在り方というものも、ゆくゆくは議論されていくと考えますので、こうした取組を進めることが、その中で、今申し上げたような、そのかかりつけ医のさらなる強化あるいは明確化あるいは外来における機能の明確化、連携といったものに資する取組にはなるのだろうと期待をしてございます。今後の取組だという理解だと思います。
○遠藤座長 櫻木構成員、いかがでしょうか。
○櫻木構成員 そうすると、今回のいろいろなことでは、なかなか、かかりつけ医というのも明確にならないし、それにどういう機能を強化していくかということも、なかなか明確にならないのだけれども、今後の議論の中で、そういったことをしていくという理解でよろしいのですかね。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○熊木課長 ぜひ、そういうふうに地域で議論が進むことを期待し、また、国としても、どういう支援ができるかを考えていきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
お待たせしました、加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
3点ほど、確認したいと思っております。
まず、資料1-1の2ページ目の下の○のところでございますが、医療資源を重点的に活用する外来(仮称)を地域で基本的に担う医療機関を明確化するという形にすると、先ほどからの議論になりますが、これは、本当に高機能やブランド化された形で、医療資源を重点的に活用するという姿で捉えられると、これに入っていない医療機関は、地域で基幹的な役割を担っていないというように捉えられたりとか、いろいろな形で、何か区別される可能性が出てくるのではないかという懸念を持っています。このことは、名称を含めて、今後、非常にデリケートな問題なのだという認識をしていただいて、対応していただきたいと思います。それが1点。
次に、3ページ目の下の○のところでありますが、無床診療所に関しましては、医療部会のほうでも申し上げたのですが、確かに高額の医療機器を重装備されている診療所というのは、本当にございます。数を言えば、資料1-2の23ページを見ればわかると思うのですが、無床診療所でも3%あります。病院の数から考えますと、これを12倍すれば、絶対数での比較になっていきますので、下手をすると、病院より多い診療所が、そういった重装備をしている可能性があるわけなので、今後、議論をする上で、やはり診療所に関しては、無床診療所においても、高額の医療機器を持っている病院に関しても、扱いというものは同じように考え、しっかりと把握しながらできるようにしなければ、いけないのではないかと思います。
その点からすると、任意でという形が、本当にいいのかどうか、非常に疑問に思っております。
3つ目は、5ページのところであります。地域医療支援病院に関しましてですが、ここには、重複する点が多いということで、いわゆる紹介患者に対しては一部重複するということで、明言されておるのですが、この医療機器等の共同利用とか、救急医療の提供、地域の有識者に関する研修等々、これは一般の病院でも結構やっていることなので、今後、もしかしたら、地域医療支援病院の在り方についても議論することが必要ではないかと思うのですが、この点は、どうでしょうか、以上3つが意見と、最後は質問であります。
○遠藤座長 御意見の中でもコメントができるものについては、していただければと思いますが、いかがでございましょうか、事務局、御対応、お願いします。
○熊木課長 まず、第1点目の呼称、これにつきましては、本日も様々な御意見があったと思います。
紹介状がないと行けないという誤解がないようにという御意見もございましたし、あるいは紹介が必要と一目で分かるようにしたほうがいいという御意見もございました。
いろいろな御意見があり、名称はデリケートだということでありますので、注意深く議論を進めていきたい、今後していきたいと考えます。
それから、無床診を任意ということにさせていただいたことにつきましては、改めて申し上げますと、今回の取組におきましては、まず、重点的に医療資源を活用する外来というもの、それが出てきた1つの理由としましては、外来についても、これまで入院が担っていたような高機能なものは、高度なものが行われてきているような実態があるということであったりですとか、あるいはその地域医療構想から含めまして、今まで病床についての議論をしていたが、今後はさらに外来にも進めていくべきではないかと、こういった議論があった中で、入院等の接続ということを踏まえまして、病床のある、あるいは病院、または有床診療所ということで議論をするきっかけがあったということが1つ。それから、法制度的にある義務づけをするということを考えたときに、病床機能報告と併せて報告をいただくということが最も規制をかける上におきましては、簡便で、かつ簡素な、適当なやり方ではないかということでございます。
もちろん無床診療所、一種の規制ということになりますので、規制というものは、得られるメリットにしまして大きくない、その負荷というものでなければならないというのは一般論としてございます。
そういう意味におきまして、数は3%といえども、実数としては多いという御議論があるものの、やはり割合として多くの診療所に、そのままお手間をいただくということは義務づけるということについては、若干慎重にならざるを得ないというところもございます。
最も大きいのは、やはり病床機能報告と併せて御報告いただくという点で、病床機能報告に合わせて、病院、有床診療所ということにし、さらに今回については、その無床診療所においても手挙げという形で、どうかという御提案をさせていただいたということでございます。
地域医療支援病院との違いとの関係で、今後、地域医療支援病院の在り方の検討するのかどうかということでございます。
これは、今回は、いずれにしても、今ずっと申し上げてきたような淵源があって、患者さんの流れというものを、より円滑にするということの中で、紹介ということを、基本とするといいましょうか、そういった外来あるいはそれを担う医療機関が、特定機能病院あるいは地域医療支援病院以外にどういうものがあるのかということで、始まったということでございます。
したがって、地域医療支援病院そのものの議論をするのではなく、今、申し上げたような経緯から、こういった形について検討したということだと理解をしてございます。
したがいまして、地域医療支援病院については、何か今回はそういう射程ではなかったということでありますけれども、地域の中で今後課題あるいはこういう議論を進めていく中で、さらに課題が明らかになれば、よりその必要性は深まるだろうと思いますし、今後の課題だろうと思います。現時点で、これを必ず検討しなければならないという課題だというところまでは申し上げませんけれども、そういう意味では、将来的な課題の1つだろうと認識をしてございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
加納構成員、よろしいですか。
○加納構成員 一言だけで追加しますが、やはり地域支援病院には、いわゆる診療報酬上では、しっかりとした評価がなされております。外来を紹介するに当たって、いろいろな負担の分について、きっちりと経費的なものを含めて考えておられるので、やはり、今後も同じ紹介制にするなら、そこもしっかりとしてもらわないと、いけないのではないかという意見で申し上げさせていただきました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
地域医療支援病院に関しましては、加納先生は、たしか構成員だったと思いますけれども、特定機能病院と地域医療支援病院の見直しの検討会をずっと開かれております、存在しておりますので、適宜それを開いて、要件の検討をしているということですから、必要ならば、そういうものも出てくるのでは、なかろうかなと思っております。
それでは続いて、佐藤構成員、お願いいたします。
○佐藤構成員 ありがとうございます。
資料1-1の7ページ、
外来医療における多職種の役割という中で、歯科医療が地域包括ケアシステムの中にも、外来医療としてかかりつけ歯科医の役割を位置づけていただきながら、一方で、求められている機能についても具体的な記載と思いますし、これは、国民にとっても分かりやすいものと思います。
一方で、病院歯科の論点はほぼ第7次の医療計画見直し検討会における記載の最後の表現とほぼ同じというか、全く同じに近いような感じがしておりまして、3年間の議論の見直しでも何ら変わっておりません。
今日の参考資料を見ましても、第7次医療計画の見直しにおいて出されていた本件に関係するような資料の掲載がありません。
この議論を進めるに当たって、進められる方向性について、お考えがあるか、また、どのような資料が必要かと併せて教えていただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、質問ですので、どなたかお答えいただけますか。
○小嶺課長補佐 歯科保健課でございます。
第7次医療計画から、かかりつけ歯科医の役割の部分をどうやって進めていくのかというところに関しましては、歯科においても、歯科医療提供体制の地域の取組と好事例の収集、それから分析を進めておりますので、そちらを今後、分かりやすい形で提示しながら、地域で取り組んでいただけるように進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 佐藤構成員、いかがでしょう。
○佐藤構成員 地域における連携であるとか、求められている機能の表現であるとか、非常に進んだという点があるのだということは評価しておりますし、そのような記載があったことも併せて評価しています。しかし、病院歯科の役割、果たすべき機能と、病院歯科の設置に関する議論に対する方向性については、今後も必要な資料があれば、お示しいただき今後の議論に必要な方向性を示していただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。事務局、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、今村聡構成員、お願いいたします。
○今村(聡)専門構成員 ありがとうございます。
私からは、6ページのかかりつけ医機能の強化、外来医療における多職種の役割のところで少し意見申し上げたいと思います。
これは、厚労省が論点の整理を非常に短期間の間にまとめられたので、新たに何か書き加えるというのはなかなか難しいと思うのですけれども、ちょっと聞いていただければと思うことがあります。
我々、医師は、患者さんを自分のところで対応できない場合には、紹介状を送って、病院に行っていただくと、専門医に診ていただく。落ち着いたら、また、自分のところに返送される逆紹介で戻ってくることもあれば、そのまま、その病院の外来患者になってしまうケースもある。
これは、落ち着いている患者については、きちんと逆紹介されて、きちんと地域の中で患者さんが、円滑に医療が継続できるということが大事なのですけれども、なぜそれが、機能分化できなくて病院にとどまってしまうのか。
それを今、いろいろな制度、選定療養であるとか、いろいろなもので、そういう分化を図っていく、それは、それですごく大事な取組だと思いますけれども、実はその地域でうまくいっているケースというのは、非常に、病院の先生と地域の医師の間の顔と顔の見える連携が取れていると、つまり病院先生から見て、地域のかかりつけ医が非常に信頼できる医師だということが分かっているようなところというのは、非常に円滑に分化ができているところは結構あると思っています。
かかりつけ医の定義、日本医師会、四病院団体協議会の合同提言の中に、かかりつけ医というのは、最新の知識を持っている医師という項目もございます。
これは、医療は御存じのとおり、日進月歩ですので、どんどん新しい薬や新しい技術が出てきて、そのかかりつけ医も、そういった知識や技能を強化するためには、やはり病院の医師との間での密接な顔の見える連携を構築するということが非常に大事で、実は、地域の中で、医師会や病院が中心になって、そういった会合をし、頻繁に開いておられるところもあって、そういうところは非常にうまくいっているのです。
このかかりつけ医機能の強化という文言の中に、一部研修等ということが書かれておりますけれども、こういう中で、その地域の中も、そういった、いわゆる研修等が、もっともっと活発になると、うまく連携できていないようなところについては、そういうことができるのではないかなとちょっと思っているので、もし何らかの形でそういうことを書き加えていただけるのであれば、書いていただければと思っております。
同じ文脈で、薬剤師さんのことが書かれています。ここの項目で書かれていることは、地域の薬剤師、薬局の薬剤師と、地域の診療所であったり医療機関の連携ということで書かれています。
しかしながら、中医協で、病院の薬剤師と、いわゆる地域の薬局の薬剤師の連携というのが非常に多くないというか、数が少ないというようなデータもありました。患者は病院から地域に戻ってくるということであれば、その平面部の地域の連携も大事ですけれども、いわゆる病院の薬剤師と地域の薬局の薬剤師という形での連携も非常に重要だと思っていて、そういう点も、この記載の中から読み取れませんので、そういったことについても触れていただければと思っています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、少し議論を急ぎたいと思います。
中島構成員、お願いいたします。
○中島構成員 協会けんぽの中島でございます。ありがとうございます。
基本的には、本日、お示しされた方向性で進めていただければ、よろしいのではないかと考えております。
意見を2点申し上げます。
主に、本日の資料の4ページに記載されている中身についてでございます。
まず、第1点でございます。今般の外来機能に係る地域における協議の仕組みにつきましては、地域医療構想調整会議を活用するということが示されておりますけれども、現在でも入院医療に関する議論が必ずしも十分には進んでいない区域もありますし、また、公立・公的医療機関等の再検証の議論も途上であると認識しております。それに加えて新たに外来医療に関する議論を円滑に行うことができるのかという点では、若干不安もあるところでございまして、先ほど総務課長さんのほうからの御発言にも、必ずしも、これは中長期的な課題ではないということでございますので、尚更そのような不安は払拭できないということでございます。
このため、厚労省におかれては、都道府県の外来医療の実態を分析したデータを都道府県に提供していただくなど、事務局たる都道府県への支援をしっかり行っていただくということが肝要かと考えております。それが1点。
2点目でございます。この医療資源重点活用外来については、現時点では、医療機関ごとにその該当の有無を判断するということでやむを得ないかと考えておりますけれども、将来的には診療科ごとに該当の有無を判断していくということも検討すべき課題ではないかと考えてございます。このため、診療科ごとのデータ分析も並行して進めていく必要があるのではないかと考えております。
以上2点、意見でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、事務局、そういう意見があったということで、御対応をお願いいたしたいと思います。
それでは、続きまして、今村知明構成員、お願いいたします。
○今村(知)構成員 私からは、意見と質問を表裏一体ということで、今回、外来の機能を様々な分析を、これから進めていくということなのですけれども、その際に、患者さんの流入と流出をどのように把握するのかということを質問したいと思います。
今まで医療計画では、患者さんの流入、流出というのは、需給を見る上では、非常に重要で、そのために、患者調査で、2次医療圏別に流入、流出をわざわざ調査してきたという経緯があったと思います。
ただ、外来のほうは、患者調査では抽出率も低いという問題もあって、なかなかそのまま使えないと考えます。
また、NDBを使っていくにしても、患者住所地が分かるわけではないので、なかなか流入、流出というのは把握できないのです。
この流入、流出をどういう分野が必要と考えているのかということと、最終的に、これはNDBでやろうと思えば、患者住所地の郵便番号とかがなかったら、多分、実際には分析できないのだと思うのです。
ここは、今後の方策ということが、考え得るのかということを、ちょっとお尋ねしたいのですけれども、いかがでしょうか。
○遠藤座長 事務局、よろしいですか。
お願いします。
○渡邊課長補佐 将来の重要な参考値なども含めて、流出入をどのように把握していくかということについては、先生御指摘のとおり、課題かと感じますけれども、御指摘のとおり、NDBでのデータの限界ですとか、NDB以外のデータというところも、使えるところは使っていこうと思いますけれども、具体的にどのような分析を行うかというところは、今後の課題だと考えています。
○遠藤座長 今村構成員、いかがでしょうか。
○今村(知)構成員 昔、NDBでやったときに、国保はある程度見られたということがあるのです。国保と一般の健保では、随分患者さんの動向が違っていて、結果的にはちょっと、この損を埋めることができなかったというような経緯がある。ですので、ちょっと流入、流出というのは、今後、外来の機能を数字化していく上では、非常に重要な問題だと思うので、ぜひ検討していただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 重要な御指摘ありがとうございました。
それでは、続きまして、織田構成員、お待たせしました。
○織田構成員 ありがとうございます。
先ほど、中島構成員もおっしゃったのですけれども、4ページ目の下から2段目です。
病院は、基本的に単科というわけではなくて、複数の診療科を持っています。外来機能となると、どこを見ていくのかということ、これを見ますと、外来医療の分析、紹介、逆紹介の状況分析ということを書いてあって、協議の場での議論も視野に入れながら、地域医療に参画して専門的検討を進める場において検討するということですけれども、これはどういう場を想定しているのでしょうか。
4番目の下から2番目の○です。4ページ目の下から2番目です。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○熊木課長 この4ページの下から2番目の○の、協議の場での議論ではなくて、専門的に検討を進める場のほうでよいのですね。
○織田構成員 一緒ですね、基本的に、病院というのは、複数の診療科を持っていて、ある診療科は医療資源を重点的に活用し紹介患者中心に診るところもあるし、一報近隣に同一診療科がなくて、プラマイリーまでやる診療科があるなど、いろんな診療科がありますから、診療科別に見ていく部分があるのか。病院丸ごと考えていくのか、そこら辺はどうなっているのでしょうか。
○熊木課長 病院における診療科がたくさんあると、それぞれによって診療科ごとに状況が違うというような御指摘もありますので、診療科ごとの外来医療の分析について、どういう分析ができるのかというのも含めて、この検討会とは別の検討をする場を設けて検討したいということです。
そのデータを、どういうのができるかというのも検討した上になりますけれども、外診療科ごとの分析をしたデータというものを、今度は地域における協議の場で議論する際に活用ができないかというのも、それも視野に入れながら検討したいと、そういう趣旨を書いています。
○織田構成員 1つ気をつけていただきたいのは、有床診療所は単科が多いですね。病院は複数の診療科を持っていますから、どういう視点で、機能評価をしていくのかというのは、診療ごとに見ないと、結構難しいのではないかと思いますので、その辺の検討をよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
そういう視点も含めて専門的なところで議論をするということですね。
それでは、お待たせいたしました、荻野構成員、お願いいたします。
お話になっているのですが、声が届いていません。
(音声調整)
○遠藤座長 聞こえます。
どうぞ。
○荻野構成員 ありがとうございます。
先ほど、今村構成員から薬剤師、薬局についての御発言をいただきました。私どもといたしましても、医療機関の薬剤師と薬局の薬剤師の連携は大変重要なことと認識をしております。
御指摘な事項につきましては、ぜひ私どもとしても議論をさせていただきたいと思ってございますので、積極的に取組を進めていただきたいと思ってございますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。御迷惑をかけて申し訳ございません。
○遠藤座長 とんでもございません、ありがとうございました。
それでは、議題の1につきましては、これまでとしたいと思います。
様々な御意見がございました。基本的には事務局がまとめられました論点の整理につきましては、おおむね、その流れについては御了解を得たと思いますが、個別については、いろいろな御意見がございましたので、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて、次回以降、議論の集約に向けた検討ができるような、そのような資料の作成をお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
では、続きまして議題の2に移ります。
「医療計画・地域医療構想について」ということで、これにつきましては、前回お話ししましたように、厚生科学審議会の感染症部会であるとか、地域医療構想に関するワーキンググループであるとか、あるいは親会である医療部会で議論が行われているわけでありますので、それらの議論の状況も含めまして、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。
では、事務局、どうぞ。
○小川課長補佐 地域医療計画課でございます。
資料2-1に沿って御説明をさせていただきます。
まず、1枚おめくりいただきまして2ページでございます。
これは、10月1日の医療計画の見直し等に関する検討会の資料でございます。
一番上にありますように、新興・再興感染症対応に係る医療連携体制と医療計画との関係につきましては、関係審議会、検討会等におきまして、課題について、まずは整理の上、本検討会におきましても必要な検討を実施するということとさせていただいていました。
また、地域医療構想に関しましては、詳細について、地域医療構想に関するワーキンググループにおいて検討するということとさせていただいていました。
本日は、各審議会ワーキンググループにおける議論の状況を、まずは御報告をさせていただきたいと思っております。
4ページを御覧いただければと思います。
まず、厚生科学審議会感染症部会におけます議論ということでございます。
5ページでございます。
こちらは、10月28日に開催されました厚生科学審議会感染症部会におけます資料ということで、感染症部会におけます見解がまとめられているというものでございます。
まず、5ページの一番上の○でございます。
今般の新型コロナウイルス感染症の対応では、広く一般の医療連携体制、役割分担や連携にも大きな影響がある状況ということでございます。
今般の感染症対応で得られた知見を踏まえまして、新興感染症等の感染拡大時に必要な対策が機動的に講じられるよう、基本的な事項について、あらかじめ地域で議論し、必要な準備を行うことが重要と問題提起をされておるところでございます。
その上で、6ページでございます。対応の方向性とございますが、1つ目の○でございます。
医療機関や行政など、地域の幅広い関係者により、必要な対応が機動的に講じられるよう、社会保障審議会医療部会におきましても必要な取組について議論を進めるよう求めることとしたらどうかとなっておりまして、具体的にはとして、医療計画の記載事項に新興感染症等の感染拡大時における医療を追加する、そうしたことが考えられるのではないかと問題提起をいただいているという状況でございます。
こちらにつきましては、先日11月5日の社会保障審議会医療部会のほうにも御報告をさせていただいているという状況でございます。
続きまして、7ページ以降でございます。
地域医療構想に関するワーキンググループ、この本検討会の下に置かれておりますワーキンググループにおける議論ということでございます。
8ページ以降、11月5日の地域医療構成ワーキンググループにおきまして、御議論いただいている資料につきまして、つけております。
まず、8ページでございます。
議論の前提ということでございますが、資料の見方としましては、上の青い枠囲みが、10月21日のワーキンググループでの御議論、それを踏まえまして、緑の枠囲み、事務局の方で作成しました議論の整理に向けた考え方の案ということでございます。
また、議論の前提、議論の対象となる感染拡大の状況につきましては、3つ目の○にありますように、厚生科学審議会感染症部会におけます議論、この中で対象とされました、国民の生命、健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の全国的な蔓延等であって、医療提供体制に重大な影響が及ぶ事態と、これを前提としまして、議論を進めていこうということとされておる状況でございます。
続きまして、9ページ以降、論点は大きく分けて3つございます。
まず、感染拡大時の受入れ体制確保、特に感染拡大の取組ということでございます。
9ページは、10月21日いただいている御議論ということでございます。
続きまして、10ページのところでございますが、それを踏まえた、事務局が作成した議論の整備に向けた考え方ということでございます。
感染拡大時における個々の医療機関の取組ということで、感染拡大時に必要な場所の確保、またマンパワーの確保、感染防護具、医療資機材等の確保についてどのように考えるかというところ。
また、2つ目の小見出しにありますように、感染拡大時における医療機関間の取組ということで、様々な連携も必要ではないかということ。
3つ目の小見出しですけれども、機動的な対応に向けた枠組みということで、行政、医療関係者が平時から認識を共有しつつ、有事の際に機動的に対応するための枠組みを設定、具体的には医療計画の位置づけなどをする必要があるのではないかという形で御議論いただいております。
まさしく地域医療構想ワーキングにおきましても、医療計画の位置づけといったような提言がなされているという状況でございます。
最後の矢印ございますが、これらの論点につきましては、関係審議会、検討会、厚生科学審議会感染症部会や、本検討会におけます、新興感染症等の医療提供体制確保に関する議論と整合性を図りながら、議論の整理を進めていく必要があるのではないかという形で議論がされております。
続きまして、11ページでございます。
感染拡大時の受入れ体制確保と地域医療コストの関係という形で議論をいただいております。
緑の枠を見ていただければと思いますが、先ほど御紹介しましたような新興感染症等の医療計画への位置づけなどの枠組みを前提とした上ででございますが、今後の人口構造の変化に伴う医療ニーズの質量の変化、また、労働力人口の減少に対応しつつ、質の高い効率的な医療提供体制を実施していくための地域医療構想につきましては、引き続き、着実に進める必要があるのではないかという形で御議論いただいております。
続きまして、12ページでございます。
地域医療構想の中でも公立・公的医療機関等に対する具体的対応方針の再検証など、各種取組がございます。これへの影響ということでございます。
緑の枠囲みを御覧いただければと思いますが、具体的対応方針の再検証につきましては、当初から、地域の議論を活性化するためのものであって、再編・統合など、結論ありきのものではないということ。
また、国の分析だけでは判断し得ないような診療領域、また、地域の実情に関する知見も補って議論する必要があるということ。
こうしたことが前提である旨を、改めて確認する必要があるのではないか。
また、その上で、今般の新型コロナウイルス感染症の対応状況、また、今後の新興感染症等の感染拡大に備えた取組の検討状況にも留意することが重要ではないかといった形で御議論をいただいております。
最後の論点でございます。
13ページから14ページにかけまして、今後の地域医療構想の工程についても、御議論をいただいております。
13ページが、前回といいますか、10月21日のワーキンググループにおけます議論のまとめでございまして、14ページが、これを踏まえまして事務局のほうで整理をしました考え方の案ということでございます。
新型コロナウイルス感染症対応が続く中ということでございますが、この間も人口減少、高齢化は着実に進みつつあるということでございます。
医療ニーズの質量が徐々に変化するとともに、労働力人口の減少によるマンパワーの制約も一層厳しくなりつつあるという中で、地域医療構想の実現に向けた医療機能の分化連携の取組は必須ということでございますが、こうした取組につきましては、検討から実現に至るまでに相応の時間を要するということでございます。着実に議論を進める必要があるということでございます。
こうしたことを踏まえまして、地域医療構想の実現に向けまして、実現に向けた取組に関する具体的な工程につきましても、速やかに明らかにしていく必要があると。
その際、工程の内容につきましては、新型コロナウイルス感染症への対応状況等に配慮しつつも、一定のスピード感を意識する必要があるのではないかという形で御議論をいただいているところでございます。
こうした資料を事務局のほうから御提示しまして、15ページ、16ページとございますが、様々な意見を、11月5日もいただいているという状況でございます。
また、11月5日でございますが、17ページ、18ページとございます。全部で5つの病院から、実際に、この一般病床等を活用して、どのようにコロナ感染症の患者を受け入れたかというところについて、事例発表という形でいただいているところでございます。
どのようにゾーニングをして対応したか、また、マンパワーを確保したか、地域の医療機関の間で役割分担、連携をしたかというところについて、大変貴重な御知見をいただいているという状況でございます。
本日、資料2-3としまして、この事例発表の資料もおつけをしておりますので、後ほど御参照いただければと思っております。
続きまして、19ページでございます。社会保障審議会医療部会、11月5日に開催されたものでございまして、20ページのほうに、その際の主な御意見の内容について記載をしております。
医療計画、地域医療構想、それぞれで御意見をいただいておりますが、特に地域医療構想の関係でございますと、工程、スケジュールの関係で様々な御意見をいただいているというところでございます。
コロナの感染症の状況がある中で、一旦先送りをするのが分かりやすい判断ではないかといったような御意見がある一方で、2025年に向けて粛々と進めていくべきではないかといった御意見もあるということで、今後こういった御意見を踏まえながら議論を深めていくという必要があるという状況でございます。
続きまして、21ページ「2 医療計画の記載事項の追加について」ということでございます。
先ほど申し上げましたような感染症部会におけます議論等々を踏まえまして、この医療計画と新興感染症等の対応というところの関係性について御議論いただければと考えております。
22ページでございますが、本日のポイントということで3点挙げております。
1つ目が、医療計画上の位置づけということでございます。医療計画の記載事項として位置づけるかどうか、また、位置づける場合には、どのように追加をしていくかということでございます。
2点目が、記載項目のイメージということで、もし位置づけるとした場合に、具体的にどのような項目を記載することとするかというところでございます。
3点目が、医療計画の推進体制等ということでございまして、記載事項として位置づける場合に、どのような推進体制、また、圏域設定を考えていくかというところでございます。
23ページでございますが、まず1つ目の論点ということでございます。医療計画上の位置づけということでございます。
まず、1つ目の○でございますが、厚生科学審議会感染症部会における議論を踏まえまして、広く一般の医療連携体制にも大きな影響が及ぶ新興感染症等の感染拡大時における医療について、医療計画の記載事項として位置づけることとしてはどうかという形で提案をさせていただいています。
2つ目の○でございますが、新興感染症等の対応につきましては、いわゆる5事業に追加することが適当と考えられるのではないかということで、以下2つ理由を整理しております。
まず、1つでございますが、様々な感染症がある中でも、広く一般の医療連携体制に大きな影響を及ぼし得る新興感染症等について、その対応について記載することを想定しているということ。
また、新興感染症等については、発生時期や感染力、病原性などについて、事前に予測することは難しい、困難ということでございますが、それを前提に、感染症発生後、速やかに対応できるよう、あらかじめ準備を進めていくということが必要になってきます。
これが、まさしく5事業であります災害医療と類似しているということも挙げられるかと考えております。
3つ目の○でございますが、仮に医療計画の記載事項として位置づけるということになった場合には、厚生労働省におきまして、様々基本方針や、ガイドライン等の見直しを行っていく必要がございます。
今後、第8次医療計画、2024年度からの6年間の計画から、この記載を盛り込むこととしまして、具体的には、2023年度に各都道府県におきまして計画策定作業が進められるということになろうと思いますが、こういったスケジュール感で進めることとしてはどうかという形で御提案をさせていただいています。
続きまして、24ページでございます。
論点の2つ目、記載項目のイメージということでございます。
この間の感染症部会における議論、また、地域医療構想に関するワーキンググループにおける議論を踏まえまして、例えば、以下のような項目を医療計画に記載することを想定しながら、引き続き、この具体化に向けた検討を進めることとしたらどうかという形で御提案をさせていただいています。
大きく分けて2つございます。
平時からの取組と感染拡大時の取組ということでございます。
平時からの取組としましては、感染拡大時に活用しやすいような、病床またスペースの整備、感染防護具等の備蓄や、専門人材の育成といったようなことが挙げられるかと考えております。
また、感染拡大時の取組としましては、個々の医療機関におけます取組の基本的な考え方、受入れ後方医療機関や、どのように場所、マンパワーを確保するかといったような基本的な考え方。
さらに2つ目の○にございますように、医療機関間の連携役割分担の基本的な考え方。
一般の医療連携体制の確保であったり、また、病院間での医師、看護師等の人材支援、こういったものについても、基本的な考え方を記載していくことが考えられるのでないかと考えております。
最後、2つ目の○にございますように、こうした記載項目につきましては、感染症法に基づく予防計画の記載項目と整合性を確保していく必要があると考えております。
厚生科学審議会感染症部会におきまして、引き続き、感染症法に基づく予防計画、基本指針等の見直しについて検討を進めるように、この医療計画検討会、また、医療部会として求めることとしたらどうかと考えておるところでございます。
25ページでございます。
最後の論点でございますが、医療計画の推進体制ということでございます。
現行の医療計画の推進体制、圏域設定につきましても、かなり柔軟に各都道府県の実情に応じた対応が可能ということになっておりますが、これと同じような枠組みで、具体的な取組を促すこととしたらどうかという論点設定でございます。
具体的には2つございます。
1つ目が医療計画の推進体制ということで、まず1つ目の○、医療法におきましては、都道府県医療審議会の意見を聞かなければならない。また、他の法律の規定による計画との調和が保たれるように努めなければならないとされております。
また、細かい点につきましては、局長通知であります医療計画作成指針で書かれておりますが、都道府県医療審議会の下に作業部会を設置すること。また、圏域ごとに県域連携会議を必要に応じて設置をすること。作業部会、圏域連携会議や、地域医療構想調整会議におきまして、関係者が互いに情報共有しながら進めていくことが望ましいということが書かれております。
また、2つ目、圏域設定の考え方とございます。
局長通知におきましては、5疾病5事業、在宅医療、それぞれに係る連携体制を構築する際の圏域の在り方について、二次医療圏にこだわらず、患者の医療状況や医療資源の実情に応じて弾力的に設定することとされております。
こうした考え方に沿って、今回感染症を位置づける場合にも、取組を進めてはどうかと考えておるところでございます。
以上、事務局としてまとめておりますが、ぜひとも御意見、御議論をいただければと思っております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
前半では、関連の会議の報告でありましたので、もちろん御意見があれば、そこに触れていただいても結構ですけれども、時間がかなり迫っておりますので、基本的には21ページ以降の医療計画の記載事項の追加について、これは事務局の原案も出されておりますので、これを中心に、皆様方の御意見をいただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
資料2-1の24ページの感染拡大時の取組ということで、2つ目の●なのですが、医療機関間の連携と役割分担の基本的な考え方というところに書かれていること、これは、非常に大事なことではなかったかなと思っております。
ですから、今回、5疾病5事業の中に入れるとしたら、「事業」の中に入ってくる可能性が、今、一番高いかと思うのですが、実は、前回も言わせていただいたのですが、今回の新型コロナ禍において、日本で医療崩壊しなかったのは、やはり役割分担が速やかに行われたというのが非常によかったのではないかと思っています。
新型コロナがはやった大都会においては、民間医療機関が救急、特に2次救急をかなりの割合で担っています。公的病院より担っているということなんですが、民間病院の多くは、いわゆるマスクも何もない状況下では、新型コロナを受け入れできませんでした。
しかし、新型コロナの患者さん、例えば、大阪市の救急車の出場件数をみますと、4月は約1万5000件、救急車が走ったのですが、新型コロナの患者さんは、そのうちの一割、千数百件なのです。残りの一万三千数百件の救急に関しては、新型コロナではない患者さんの搬送だったわけです。
それをしっかりと民間の2次救急が受け入れをしたので、医療崩壊をしなかった、こういった役割分担が非常に速やかに、構造的な問題から対応出来たかとは思っています。出来たということは、これを今後、救急、例えば、感染が6事業目に入るとしたら、やはり救急や、先ほどの災害とも絡むと、災害になってくるかもしれませんが、そういったほかのところとの事業との絡みを慎重にしながら、先ほども申し上げましたように、2次救急については、新型コロナを診なかった病院も一緒になって頑張った事業なのだということ、そういう認識の下で、新しい需要という問題で考えるべきだと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○遠藤座長 御意見として、承りました。ありがとうございます。
続きまして、城守構成員、お願いいたします。
○城守構成員 ありがとうございます。
今回、事務局から提案された、論点1、2、3ですが、論点1に関しては、基本的に我々の、今回は5事業、5疾病ではなくて5事業に追加するということが適当という事務局の案に賛成いたします。
そして、論点2でございますが、ここに書いておられるように、平時、そして感染拡大時の取組ということですが、特に感染拡大時の、今回のコロナの経過を見ても、基本的に、そのフェーズ、ないしはステージによって、その取組の内容が変わりますから、ここはやや詳細に、さらにポイントとしては、必要なベットの確保、そして、人員の確保と、そして、機材等の確保、検査体制の確保と、そういう事務局の整理に沿って、しっかりと記載をしていただければと思います。
そして、これは、要望なのですが、ここに記載してあることは、主にコロナに対しての対応ということであると思いますが、このコロナを受けることによって、それ以外の普通の疾病に対しての体制というものが、大きく変化します。ですので、コロナ時におけるノンコロナの医療の提供体制と、そして、連携というものをここには記載をしていただく必要があるのではないかと思いますので、これは、お願いしたいと思います。
論点3に関しては、この形で、私はよろしいのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、吉川構成員、お願いいたします。
○吉川構成員 論点1「医療計画上の位置付け」と論点2「記載項目のイメージ」について、意見を述べさせていただきます。
まず、新興感染症等の感染拡大時における医療について、医療計画の事業に位置づけ、記載事項の具体化に向けた検討を進めていくことに賛同いたします。
その上で、医療計画に記載し地域全体で対策を講ずべきこととして、新型コロナウイルス感染症拡大時の経験に基づきまして、少し細かいことによりますが、意見を述べさせていただきます。
まず、平時からの取組について「感染管理の専門人材の育成」が示されていますが、先般の感染拡大時はECMO管理等が可能な看護師の確保が喫緊の課題となり、急ぎ院内で研修を実施し、対応した経緯があります。
特に、感染症指定医療機関や感染拡大時の受入れ候補医療機関では、感染状況に応じてICU等に柔軟な人材配置ができるよう、感染管理認定看護師のような専門人材の確保はもとより、重症感染症患者へ対応できる人材育成が今後重要になってくると思います。
また、最近の感染拡大に際して、クラスターが発生した医療機関の看護職から、管理職も感染したために、地域の医療機関からの連携を求めたくても、要請先や手順が分からないとの相談が本会に複数寄せられております。
医療機関内でクラスターが発生すると、感染患者の増加に加えて、感染した職員や濃厚接触者となった職員も出勤できなくなるため、マネジメント機能の維持や医療・看護サービスの継続性の確保が急速に難しくなります。したがいまして、院内感染対策の徹底のみならず、平時からクラスター発生時の対応等についても、地域で共有しておく必要があります。
次に、感染拡大時の取組ですが、「感染症患者受入医療機関への医師・看護師等の人材支援」と示されていますが、人材支援には、人材の派遣、派遣の調整、専門人材による指導やコンサルテーションなど、複数の支援内容が考えられるかと思います。
具体的な対策を講じるためにも、人材支援の意味する内容が明確に伝わる記載が、今後必要になると思います。
以上、意見として述べさせていただきました。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
では、続きまして、今村知明構成員、お願いいたします。
○今村(知)構成員 私も意見で、今回の論点1、2、3、基本的には、私は、これでいいと思っていますが、1点だけ、論点2の24ページの黒丸のところで、確認というか、意見があります。
今まで、私、感染症予防法と医療法とのすみ分けを、ぜひ頑張ってやっていただきたいということで、ここを進めてきてもらって、うまく分類を区分けしてもらっていると思うのですが、今回、宿泊療養施設の開設が、医療法の改正、医療計画の中に入ろうとしています。
これは、今までの医療法の概念では、なかなかカバーしてこなかった部分だと思いますので、今まで医療法は、医療機関以外のところには、医療法は手を出してきていないのです。
今、ホテルとかの接収も、特措法の中でやっていると思うので、これを医療法の中の計画に入れるということは、医療法の概念が大きく変わるという意味だと理解します。
ですので、ここをどんなふうな形でできるのか、それは、本来、感染症の予防法や特措法のほうで考えていくべきことなのかということを、よく考えていただかないと、ホテルも医療法のカバーされる範囲に入っていきますので、法令的に見たら、すみ分けとしては、今、ここで考えなければいけないと思うので、ぜひ、御検討をいただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、ちょっと事務局に、その辺の整理、それと、ついでながら、24ページの一番下の○のところ、予防計画との整合性をと、ここに書いてあること、求めることとしてはどうかと書いてあるのですが、どういうことを言おうとしているのかということ、今の話とも絡むと思いますので、御説明をお願いできればと思います。
○小川課長補佐 御質問ありがとうございます。
ここには、臨時の医療施設、宿泊療養施設の、特に宿泊療養施設と書いてあるところでございますが、今回、医療計画のほうに、新興感染症と位置づける1つの大きな意義としましては、いざというときに、どういう動き、どういう取組が地域で動くのかというところを、幅広く医療関係者で共有しておくということがあるのかなと思っております。
そうした観点で、この宿泊療養施設は、おっしゃるとおり、医療法の世界で何か動くものではございませんが、こういうことがあらかじめ動き得るということを、あらかじめ認識共有しておくことも重要かなという観点で、ここに1つ書かせていただいております。
ただ、計画管理をどうすみ分けるかといったような議論は、当然これからあるかと思いますので、詳細につきましては、今後議論していきたいと考えております。
今、座長からいただきました、24ページの2つ目の○にございますけれども、感染症に基づく予防計画、また、それの指針となります基本指針でございますが、あと、今回、感染症対応全体の観点の中から、また、いろいろ議論がされていくかと思います。
その中で医療提供体制に関する議論も当然なされるかと思いますが、その辺、ちゃんと整合性を確保しながら、我々と議論が進められるようにという趣旨で書いているところでございます。
医療計画のことなので、この計画検討会だけでという話ではなくて、感染症部会におけます、様々な知見も、いただきながら議論していくと、そういう趣旨でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
まず、今村構成員、よろしいですか、先ほどの回答で。
○今村(知)構成員 分かりました。金額を書くことそのものは悪いことではないと思うので、法的権限も伴ってくる話だと思うので、それを実際に、どんな権限で何をするかという部分は、医療法の中の概念ではないものだと思うので、非常に大きな問題だと思います。ぜひ、そこら辺のすみ分けをお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
次に、佐藤構成員、いかがでしょうか。
○佐藤構成員 ありがとうございます。
今回は、3つの論点につきまして、事業に入れてくということは賛成です。前回は、在宅医療、それから、疾病に関して様々な要因ごとに違う部分もあるので、それを位置づけるか難しいのではないかという発言をさせていただきましたが、整理されたと感じています。
一方で、第8次医療計画、医療法からとなってきますと、そこまでの対応はどう考えていくか、この事業とすると、タイミングをどう考えていくかという懸念を持ったのですが、その点については、感染症部会であるとか、地域医療構想ワーキンググループの意見を、今日示していただきましたので、そこは十分理解できると思いました。
また、推進体制についても、これについては賛成でございます。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
では、山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。
私もこの5事業の中に入れるということは賛成です。
やはり、今回の新型コロナのことで、国民のほぼ全ての日常が一変したということもあって、新型コロナだけではなくて、今後どういった感染症が起きるかということが分からない中で、どんな感染症が起きたとしても迅速に対応できる計画ということを、しっかりと国民に示していくことが必要ではないかと思っています。
ただ、今、タイムラグがあるとおっしゃったのですけれども、2023年に計画を立てるということになると、私は、これは結構タイトなスケジュールではないかなと思うぐらい、もう今から準備を進めないといけないぐらいの問題ではないかなと思いながら、資料を読んでおりました。
ですので、かといってもすぐに対応していかないといけないということからしますと、やはり都道府県が計画を立てることなので、各都道府県が今から、このことを計画に盛り込んで、2023年に医療計画を作るのだということを視野に入れて、今から準備をするように、そういったことをしっかりと周知していただきたいと思います。
もう一つ、圏域設定ですけれども、今回の新型コロナを見ていましても、結構都道府県によって温度差があるように思います。
そういう経験を踏まえて、各都道府県がその実情に合った対策を講じることができるように、圏域設定できるようにしていただきたいと思っています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、お待たせしました、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 まず、論点1については、5事業に追加するということに賛成したいと思います。
今までの新規感染症と地域医療構想をどう見ていくかという議論において、医療計画で結論が出ていることによって、この前提が整理されてくるのではないかと思います。
すなわち医療計画に「新興感染症拡大時における医療」を追加することとなるのであれば、車の両輪の関係である地域医療構想というのは、あくまで、今後確実にやってくる医療需要の変化を見据えて、各地域の実情も勘案いただきながら、病床のダウンサイジング等を各地域で粛々と検討していただく。そして、医療計画は医療計画で、感染症拡大時の対応について、定義していただけるのではないかと思います。
次に、論点2についてです。医療計画の記載項目をどういうイメージで入れていくのかというところですが、やはり、今般のコロナ禍の中で、教訓として分かったのが、感染症拡大時に、一般病床を感染症対応可能な病床へいかに迅速に転換していくかという点、それから、人材を含めた医療機関の連携を、しっかりと医療計画の中でも担保していくという点が必要ですので、これはイメージどおりでよろしいのではないかと思います。加えて、1点、追記を検討いただきたい事項について申し上げますと、今般のコロナ禍で、患者の視点から見ますと、地域のかかりつけ医が機能しなかったということです。
感染症拡大時にかかりつけ医がどのような役割を果たすかについて、診療・検査医療機関ではない所も診療・検査医療機関と情報を共有し、患者がコロナ禍でも医療機関に受診できるように、そういったかかりつけ医の役割を、論点2にあります記載項目のイメージの中に追加することを御検討いただければと思います。
新興感染症等への対応について5事業に追加するということであれば、医療計画もかなり整理できてきたのではないかと思いますが、現在足踏みしている地域医療構想についても、本来の目的を関係者間で再確認し、今後の大枠を国が示した上で、その後、検討をされるべきではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、櫻木構成員、お願いします。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
まず、論点1のところですけれども、私も5事業に追加をする、これが適当だと考えています。
それから、論点2のところ、平時からの取組ということですけれども、平時から今まで医療計画もいろいろな分野で、精神障害あるいは精神疾患を持っておられる方の、いわゆる身体合併症が起こったときの連携、これはもうずっと言われていたのですけれども、なかなかこれが進んでいません。
ですから、今回の新型コロナにかかわらず、身体合併症を合併している精神の患者さん、これに関しても、やはり検討、これが平時から、やはり必要だと思います。
今回、新型コロナの感染が拡大してから、いわゆる人工透析の患者さんでありますとか、あるいは妊産婦さん、それから、精神疾患をお持ちの方については、早く病床の確保ということで進んできたわけですけれども、少なくとも、現在進行形でもって精神障害、精神疾患をお持ちの方の、いわゆる病床の受入れというのがなかなか困難ということがずっと進んでおります。
ですから、このことに関しては、医療計画の中で、今度こそきちんと、合併症に関して議論していただきたいと考えています。
それから、論点3のところですけれども、これは地域医療構想調整会議で体制を構築していくという記述がありますけれども、現状、精神病床が地域医療構想に含まれないということで、なかなか調整会議のほうに、精神医療の関係の人、これがなかなか入っていないのが実情です。
ですから、そういった面も含めて、この点のことについても御考慮いただきたいと考えています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
続きまして、織田構成員、お願いいたします。
○織田構成員 ありがとうございます。
この医療計画の位置づけは、私も賛成です。
あと、記載項目のところですけれども、記載項目の24ページを見ますと、平時からの取組と感染拡大時の取組ということで記載してあります。先日は、5つの病院のヒアリングを聞かせていただいたのですけれども、一番の問題は、やはりハード面のゾーニングの問題でした。あとは、マンパワーということで、マンパワーに関しては、今、多くの病院が、感染防止対策として、感染制御チームを持っております。
これらのチームは、基幹病院で、年間4回ぐらい一緒にカンファレンスが義務付けられていますので、これを有効に使うことが大切ではないかなと思います。これは、医療計画の中に入れることではないのかも分かりませんけれども、実際に、連携をとってやっているものをいかにうまく使うかということが、重要ではないかと思っています。
あと、医療機関間の連携ですけれども、これは、先ほど、加納構成員がおっしゃいましたように、高度医療をやっているところが全部コロナ受入れになってしまうと、コロナ以外の医療に非常に問題が起こってきますので、平時から新興感染症を受け入れるか、受け入れないかの話し合いは、非常に重要だろうと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、先ほどは、失礼しました。今村聡構成員、お願いいたします。
○今村(聡)専門構成員 お時間の中、申し訳ございません。ありがとうございます。
医療計画・地域医療構想については、いろんな委員の方々がおっしゃったとおりです。今回の事務局案には、おおむね賛成したいと思います。
もう一点、先ほど、幸野構成員から、かかりつけ医が、感染症が始まったときに機能しなかったという御発言があって、そのことについては、一言申し上げておきたいと思います。
これは、全く未知のウイルスでありましたし、診療所の医師も非常に高齢化していて、当初から高齢医師は、非常にリスクが高いと、生死がかかるということもありました。
その当時も、資材も全くない中で、一部、そうやって発熱の患者さんを、なかなか受け入れられないという医療機関があったのも事実でありますけれども、やはり、地域医療についている先生で、そういった方を積極的に受け入れて、亡くなった先生もおられます。私自身も、東京の中で、2,000人ぐらいしか発症していない中で、2人のコロナ患者をPPEがない中で診ておりまして、先ほどの幸野委員の発言につきましては、ぜひとも、そこのところは訂正していただきたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
幸野構成員、そういう背景事情があるということですが、何かコメントございますか。
○幸野構成員 すみません、言い方が悪かったと思います。
かかりつけ医が機能しなかったということではなく、患者としては、今、自分が発熱した場合に、ファーストアクセスとなるかかりつけ医がすぐに出てくればいいのですが、現時点では帰国者・接触者相談センターに連絡しなければいけません。これからは、かかりつけ医の先生に相談して、その先生が診られないのであれば、新しく医療機関を紹介していただくといった体制をつくっていただきたいという意味で発言しました。かかりつけ医が機能していなかったという意味ではございませんので、そのように受け取られたのであれば、訂正させていただきます。そういう体制をつくっていただきたいということを申し上げたかったということでございます。
○遠藤座長 了解しました。
○今村(聡)専門委員 了解しました。
今、発熱外来というのも、2万4000の医療機関が手を挙げておりますので、そのことも、御理解いただければと思っております。ありがとうございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
大体御発言は、一通り終わったかと思いますので、本日、用意しました議題は、全て終了いたしました。
事務局から御提案のありました、事項の追加については、おおむね論点1、2、3とも、大きな流れについては、御了解いただけた、特に1については、ほぼ、問題なかったかと思います。
2ついては、様々な御意見もありました。要するに追加の内容として、いろいろな視点からの御指摘もありますので、全体を見て、これらの御発言を踏まえまして、また、事務局としては、今後の議論に資する資料の作成をしていただきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします。
また、地域医療構想ワーキンググループにつきましても、様々な御意見が、いろいろな部会からも出ておりますので、今後とも、ひとつよろしくお願いいたします。
それでは、時間になりましたので、これをもちまして本日の検討会を終了したいと思いますが、事務局から何かありますか。
○渡邊課長補佐 次回の検討会については、詳細が決まり次第、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、これにて検討会を終了したいと思います。
遅くまで、どうもありがとうございました。
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