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2020年12月3日 第24回医療計画の見直し等に関する検討会

医政局

○日時

令和2年12月3日(木) 16:00~18:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 7階 カトレア
東京都千代田区六番町15

○議事

 

○渡邊総務課長補佐 ただいまから、第24回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。
構成員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
まず初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。御発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックして、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、発言をするようお願いいたします。また、発言終了後は再度マイクをミュートにするようお願いいたします。
また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで異議なしの旨を確認させていただきます。
本日は、野原構成員は御欠席、櫻木構成員は遅れての出席とのことでございます。
続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
上から、議事次第、開催要綱、構成員名簿、厚生労働省出席者名簿、資料1-1、資料1-2、資料2-1、資料2-2となっております。
資料の不足等ありましたら、事務局へお申し出願います。
報道の方で、冒頭、カメラ撮り等をしていらっしゃる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 皆さん、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日の議題でございますけれども、議題の1が「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等について」、議題の2が「医療計画・地域医療構想について」の2つでございます。
それでは、議題の「1.外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等について」に入りたいと思います。
本日は、事務局にこれまでの議論を踏まえて報告書(案)を用意してもらっていますので、これに基づいて御議論いただければと思います。
それでは、事務局から資料の説明をお願いします。
○高宮医療政策企画官 医政局総務課企画官でございます。
それでは、資料1-1、1-2について説明いたします。
まず、資料1-1を御用意ください。
前回の検討会で論点の整理案を基に御議論いただきました。本日は、その論点の整理案について前回のいただいた意見を反映させた形で報告書(案)を作成しております。ですので、論点の整理案からの変更点を中心に説明をいたします。
最初に、まず1番目で「はじめに」を追加しています。検討の経緯を書いています。
本年1月の社会保障審議会・医療部会において、全世代型社会保障検討会議の中間報告を踏まえ、外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化などについて本検討会で検討を進めることとされた。中間報告のうち、医療保険に関する事項は、外来機能の明確化・連携等の議論を踏まえ、医療保険部会などで検討することとされた。
2つ目の○、本検討会においては、2月以降、医療部会の議論も踏まえながら、医療機関の規模ありきではなく、機能の観点から精力的に機能を重ねてきた。
その次の○で、新型コロナの拡大による議論の中断もあったが、6回にわたり濃密な議論を行ってきたところ、今般、以下のとおり報告書を取りまとめることとした。厚生労働省においては、本報告書を踏まえた措置を講じるとともに、引き続き外来機能全体のあるべき姿に関する議論を深めていただくよう求めたい。
2番目の「外来機能の明確化・連携について」です。
1番目の「現状及び課題」については、前回の論点の整理案と同じ記載にしてあります。
1つ目の○で新型コロナへの対応が最重要の課題。
2つ目の○で中長期的には人口減少、高齢化等によるような課題に直面をしている。外来医療の高度化も進展しているというような課題を書いております。
次の2ページ、1つ目の○で、高齢化の進展により、かかりつけ医機能を強化していくことが課題だと。
2つ目の○で、患者の視点から見れば、医療機関の選択に当たり、外来の機能について十分情報が得られる状況とは言えない。患者に、いわゆる大病院志向がある中で、再診患者の逆紹介が十分進んでいないことなどにより、一定の医療機関に外来患者が多くなり、待ち時間の長さ、勤務医の外来負担等の課題が生じている。
その2つ下で外来機能の明確化・連携については、これまで医療関係者の自主的な取組が進められてきたものの、地域によっては取組が進んでいないところもあり、これをさらに進めていくことが重要である。
その下の○で、外来医療に関するデータを収集する仕組みを構築するとともに、地域の実情に応じた議論を進めるなどの仕組みが必要だと。
その下の○で、今後、外来医療に関するデータの蓄積・分析を行い、外来機能全体のあるべき姿を明らかにしていく必要がある。
2番目の「具体的方策・取組」、こちらもほぼ前回の論点の整理案と同じにしてあります。
「全体の枠組み」で変えたところは、3ページの2つ目の○、ポツが3つ並んでいて、その下に地域における患者の流れがより円滑になり、病院の外来患者の待ち時間の短縮、勤務医の外来負担の軽減、医師の働き方改革に資すると期待される。前回の論点整理案では図られると書いてあったのですが、今回の仕組みで医師の働き方改革、図られるというのはちょっと強い、書き過ぎかなというような御意見がありましたので、資するというような表現に変えています。
その次の「(2) 医療資源を重点的に活用する外来」。
1つ目の○、基本的に次の機能が考えられるが、具体的な内容は今後さらに検討。
その下の○で、「医療資源を重点的に活用する外来」の呼称については、例えば患者の立場から見た呼称として、紹介状の必要な外来、紹介を基本とする外来ということではないかなどの意見があった。前回の検討会の意見の紹介をここに追加しています。
次の4ページで、その呼称については、今後、さらに専門的に検討を進める場において検討するということです。
「(3) 外来機能報告」、こちらは前回と同じです。外来機能報告を行うこととする。
3つ目の○で、外来機能報告を行う対象となる医療機関は病床機能報告と同様、一般病床または療養病床を有する医療機関を基本とする。無床診療所については、任意で外来機能報告を行うことができることとする。
「(4) 地域における協議の仕組み」。
1つ目の○で、外来機能報告を踏まえ、地域のおける協議の場において必要な調整を行うこととする。
5ページの一番上の○の2つ目の文章で、国が可能な範囲で地域ごとの将来の「医療資源を重点的に活用する外来」の需要を参考値として示すということですが、前回の検討会でも医療現場が混乱しないように配慮する。地域において地域の実情に応じてこれを活用するというような御意見がありましたので、それを追加しています。
その次の2つ目の○、こちらは前回と同じで、「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関を明確化する仕組みを設ける。
それから、その報告に当たっては、国の示す基準を参考にして地域の協議の場で確認することにより、地域の実情を踏まえることができる仕組みとする。
その2つ下、診療科ごとの外来医療の分析、紹介・逆紹介の状況の分析については、今後さらに検討するですが、「その際」という記述を追加しています。特に、再診患者の逆紹介が適切に進むよう配慮することが重要であるという前回の検討会の意見を踏まえて追加をしています。
それから、5ページの一番下の行、こちらも追加をしています。特定機能病院や地域医療支援病院以外であっても、地域の基幹的な医療機関について、6ページに行って、紹介患者への外来を基本とする医療機関として明確化されることが重要である。
それから、3番目、かかりつけ医機能の強化、外来医療における多職種の役割などについてです。
1番目の「現状及び課題」は前回と同じです。
2番目の「具体的方策・取組」のうち「かかりつけ医機能の強化」については、7ページのマル1の1つ目の段落で「その際」のところを追加しています。かかりつけ医機能を発揮するに当たって、地域における研修などで病院と診療所の医師などが顔の見える関係を構築していることが重要であることに留意。
それから、「(2) 外来医療における多職種の役割」です。
8ページ、〔薬剤師、薬局〕のところに、薬剤師、薬局は、薬局薬剤師と病院薬剤師の連携も含め、医療機関等と連携し、専門性を発揮して、安全かつ有効な薬物療法を切れ目なく提供する役割が求められておりという薬局薬剤師と病院薬剤師の連携の重要なところ、ここを追加しています。
それから、(3)国民の理解の推進、ここは前回と同じ記載になっています。
それから、資料1-2、新しい資料は67、68ページになります。前回の検討会で病院歯科の役割について議論が必要である。それの関連の資料がないかというような御意見をいただきました。
まず67ページが歯科医療提供体制推進等事業で、事例の収集あるいは好事例の紹介などをやっているというようなもので、その中で事例を収集したものが68ページになります。68ページの左下、地域の歯科診療所の後方支援。医療機関、会津中央病院歯科口腔医療センターが地域の歯科医療の拠点として後方支援機能を担っている事例を載せています。有病者の歯科あるいは障害者歯科などについて、病院歯科のほうが役割機能を果たしているという事例になります。
資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
前回の御意見等も反映されていると思いますけれども、改めて御意見、御質問等をいただければと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
佐藤構成員、どうぞ。佐藤構成員、ミュートになっております。
○佐藤構成員 どうも失礼しました。どうもありがとうございます。
ただいま詳細な説明、ありがとうございました。第23回医療計画の見直し等に関する検討会の質問で、これほど早くに67、68ページに記載をいただいたことに感謝いたします。特に68ページ、後方支援の問題と入退院時の問題、より具体的な取り組む方向を示していただきましたので、ぜひともこの方向で進めていただきたいと思います。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、続きまして、荻野構成員もお手を挙げておられますのでお願いします。
○荻野構成員 荻野でございます。ありがとうございます。
ただいま説明をいただきましたところの中に8ページでございますけれども、薬剤師、薬局について、文言の修正が入ったという御報告をいただきました。この部分につきましては、前回の検討会で今村聡構成員から御指摘をいただいて、薬局薬剤師と病院薬剤師の連携が極めて重要だという御指摘と承知をしておりますけれども、御指摘をいただいて私どもとしても同様に重要なことだという認識を申し述べさせていただいたところであります。ですから、こういったところの文言を加えるということには反対ではございません。
その上で申し上げますけれども、特にここのところでは事務局が大きく関わっていらっしゃるかと認識をしております。この文章のつながりが少し分かりにくい言い回しになっているかなというのがまず第一の印象でございまして、「薬剤師、薬局は、」の後に薬局薬剤師と病院薬剤師の連携も含め、医療機関等と連携しとつながっておりますが、これはベースになっているのは以前の私の発言かと思いますが、「、」の後の医療機関等と連携しということの中には、当然、医師との連携と、それから、医療機関の薬剤師との連携ということも含めて申し上げているということもございます。連携、連携と言葉が重なってしまうのも少し違和感があるところでございますので、正しく意図が伝わるようにぜひ事務局の方々に文章の工夫をしていただきたいと思っておりますので、まず、そこのところをよろしくお願いを申し上げたいと思い、発言をさせていただきました。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。修文の御要望ということです。
事務局、何かありますか。よろしゅうございますか。
○高宮医療政策企画官 具体的にどのような修正がいいのかというのはございますでしょうか。
○荻野構成員 ここのまず1つ目の○のところは、冒頭に書いてありますとおり、地域包括ケアシステムの中でということを想定して申し上げている部分でございます。その3行目の後半でございますが、ここからは「外来医療においては」ということになってございますので、ここの部分の4行目の医療機関やかかりつけ医と連携するということも含めて、ここに薬局薬剤師と病院薬剤師の連携も含めということを入れることがまず一つ提案でございます。
もう一つの方法としては、2番目の○のところの最後の部分でありますけれども、安全で安心な薬物療法を提供していくことが重要であるということの次に、その際に、薬局薬剤師と病院薬剤師の連携を推進していくよう努めるというようなニュアンスで付け加えると流れがいいのではないかなというように考えてございますので、ぜひ御検討いただければありがたいと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
そのような趣旨で修文を考えてもらいたいと思いますので、御要望、よく分かりました。
それでは、織田構成員、いかがでしょう。
○織田構成員 ありがとうございます。
私のほうからも、ここは修正したらどうかというところですけれども、3ページから5ページにかけて、例えば5ページを見ていただけますか。5ページの上から4つ目の○に「国の示す基準は、今後さらに、地域医療の担い手も参画して、専門的に検討を進める場において検討する」という文言がありますけれども、同じ文言がこの3ページの間に6回出てくるのです。実際、その次の文言にも同じように書いてありますから、ここら辺はもう少し整理してもいいのではないかと思います。
それと、この専門的に検討を進める場も大切ではありますけれども、結果的に一般の方、患者さん側にやはり理解が得られないとこれは進まないだろうと思います。そういう意味で、呼称ももちろんそうですけれども、どうやって国民に理解をしてもらうかということも含めて、少し文言を加えたほうがいいのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
その辺りについても検討していただいて、また修文を検討していただこうと思います。
それでは、幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 今の織田先生の意見に関連してなのですが、音声、大丈夫ですか。
○遠藤座長 よく聞こえております。
○幸野構成員 3ページの「医療資源を重点的に活用する外来」(仮称)の呼称について、患者の立場から見てネーミングが非常に重要だということを入れていただきました。さらに意見を申し上げますと、このネーミングを検討するに当たって、「地域医療の担い手も参画して、専門的に検討を進める場において検討する」となっているのですが、これはあまり専門的なところで検討してもいいネーミングはできないと思いますので、これはもっと国民目線で考えればいいと思います。専門家が集まって難しいネーミングになるよりも、国民の分かりやすさという観点でご検討いただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
これもその辺り、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。幸野構成員、またマイクの調子がちょっとよくなくなりましたので、多分マイクとの距離との関係とか何かではないかなという感じがしますので、すみませんが、よろしくお願いします。
○幸野構成員 分かりました。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
では、フロアはいかがでしょうか。
それでは、加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
今のところに関係してですが、3ページの一番下のところから始まった最後の部分に、今後さらに、地域医療の担い手も参画して決めていくと書かれているのですけれども、やはりこのネーミングは非常に大事だと思っております。これは一般的にポピュラーかどうかよりは、やはり実際の内容が分かるようにしておかないと変に誤解がされる可能性があるかなということで、しっかりとこれの検討は必要かと思っております。
また、5ページの一番下のところから始まる、特定機能病院や地域医療支援病院以外であっても、地域の基幹的な医療機関について、これも医療機関として明確化するということが出てきているわけなのですが、以前からのこの議論の中で地域医療支援病院との違いというものをやはり確認しておく必要があり、場合によっては地域医療支援病院の見直しも含めて検討しておかなければ、今回明確化する内容が逆に明確化されなくなるのではないかということを懸念しております。
特定機能病院にしろ、地域医療支援病院にしろ、かなりDPC等でも点数がついております。約3%、非常に大きな金額がついて外来をある意味放棄して紹介型に変えているというところもありますので、今回できるものがそういったことがあるのかどうかということを確認していくことも含めてしっかりと議論をお願いしたいと思います。
それともう一つ、これは少し後ろのほうで出てきました歯科の例として新しく参考で出てきました資料1-2の68ページなのですが、これは事例として非常に歯科との連携、つまり病院・歯科連携は大事だと思っております。慢性期のところでいかに嚥下障害等も含めて歯科の先生方は頑張っていただいているかは非常に我々も評価するところであるのです。そこで初めて事例として出てきた石川県の例なのですが、全麻での手術予定のときに歯科との連携が要るということについて少し事例として出てきております。これはこのような形で出ますと、こういう内容の事例の意味が少し誤解されて、全麻の事例では歯科のことが必要になってくるのかとか、そのことが変な意味で誤解されやすいような内容になっているのではないかなと思うので、この歯科、全麻の症例が出てきた理由をもし教えていただければと思うのです。
○遠藤座長 では、事務局、お願いいたします。
○歯科保健課小嶺課長補佐 歯科保健課でございます。
全身麻酔下での手術が予定されている患者さんの事例を最初に出した理由ですが、歯科で病院歯科の役割が大きく取り上げられたのが周術期の口腔機能管理が診療報酬で評価をされ始めたことがあり、それに関連して全麻下の手術の前に口腔内の衛生状態も含め管理をすることの重要性が言われるようになってきたという流れがあり、その事例を一つ挙げさせていただきました。加納委員のおっしゃるとおり、慢性期での摂食嚥下障害患者に対する医科と歯科の連携も非常に重要だと考えておりますので、慢性期の事例も含めながら検討していきたいと思います。御意見ありがとうございます。
○遠藤座長 加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 本当に慢性期の活躍は我々、大いに助けていただいていますので、そちらの話がやはりまずメインになるのではないかなと。今後、事例に出てきた全麻の症例でも、このような連携ができてくるという話でつながっていけばいいのですけれども、先にこれが出てきてしまっているようなイメージを受けますので、やはりしっかりとやっていただいている現場の歯科の先生方に対する評価という意味では、今、頑張っていただいている状況をもっと出していただけたほうがいいのではないかなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにございますか。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ありがとうございます。
今回、事務局のほうから出していただいた報告書の案でございますが、基本的には先ほどの織田構成員の修文等は別にして、内容的には問題ないかと思いますが、確認をさせていただきたいこと及び要望等もございますので、述べさせていただきたいと思います。
○遠藤座長 城守構成員、もう少しマイクに近づいたほうがいいかと思います。
○城守構成員 まず要望ですけれども、これは前回もお話をしたことで、この4ページの下から3つ目の○の対象となる医療機関に関しては、無床診療所は任意で手挙げ。そして、有床診療所は病院とともに対象となるということに関しては了承いたしておりますが、前回申しましたように基本的にはなかなかその法制度設計によっては事務作業が非常に多くなる可能性もございますので、この辺り、制度の要するに内容を見ながら場合によっては義務化の期間を猶予するということもお願いできればというように思います。まず、これが1点でございます。
そして、2つ目が5ページです。5ページの上から3つ目の○、これは確認でございますが、この地域で基幹的に担う医療機関の報告という点に関しては、国の示す基準を参考にしながら地域の協議の場で確認してということですが、最終的には、そして、地域でオーケーが出た場合は手挙げをしてということで間違いないですねという確認でございます。
もう一点です。3ページの(2)でございますが、「医療資源を重点的に活用する外来」の基本的な機能の例示でマル1~マル3までございます。このマル2ですが、高額等の医療機器・設備を必要とする外来という中において、たしか前回か前々回において事務局のほうからCT、MRIに関して基準の中に入るのかということで、基準の中に入っているというコメントをいただいたと思いますが、このCT、MRI、今回のコロナもそうですが、疾患の早期発見に有効性が非常に高かったということで、この制度を通じて、地域のCT、MRIの台数の規制につながるような仕組みにならないかどうかということに関して当然お願いしたいわけですが、この点に関してはコメントいただきたいと思います。
以上、お願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、事務局、最後だけコメントいただきたいとおっしゃりましたけれども、ほかの部分でも何かあればどうぞ。
○熊木総務課長 医政局総務課長でございます。
今、城守構成員の前にもいろいろな御意見いただきましたので、そこはしっかりと対応していくべきところについて、対応していきたいと思います。
城守構成員から御指摘ございました、まず1点、確認という点でございますが、医療資源を重点的に活用する外来を基幹的に担う医療機関の選定の仕方については、まず医療機関の手挙げだということ。そして、それを地域で協議して確認していくということ、そういう枠組みであるということはここに書いてあるとおりの理解だというように考えます。
それから、機能の中で高額の医療機器について記載されており、それがゆえにCT、MRIの規制につながったりしないかという御懸念でございます。まず第1に、今回の新型コロナウイルスの感染症については、先日も申し上げましたけれども、CTなどが日本に多く存在したがゆえに、検査がまだ少なかった時期において重症化された患者さんを早期に発見することができて、重症化された方あるいは死亡される方が少なくなることに寄与したというのが専門家会議でも言われているということでございます。したがって、そういったことも認識しながら、今後、いろいろな政策は考えていくということがまず第1点。
その上で、この外来機能の報告によって、直ちにCT、MRIの規制につながるということを現在、検討したり考えているというものではございません。そこは今後の議論の中でどうなっていくのかということはございますけれども、基本的な枠組みとしては、紹介を基本とする医療機関をいかに明確化するのかという観点でこの制度を検討しているということでございますので、現時点でそういう議論の方向性自体が存在しているものではないとは理解してございます。
○遠藤座長 城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ありがとうございます。
現時点においてはということではございますが、ここにも書いてございますような地域の担い手も参画して専門的に検討を進める場においても、要するに事務局のほうで開催をするに当たって、そのメンバーにそういう旨をしっかりとまず伝えていただいて、それを受けた形で基準設定の議論に生かしていただきたいというように思いますので、その辺りはよろしくお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、今村知明構成員、お願いいたします。
○今村(知)構成員 意見というか、今後の議論のときにぜひ考えてもらいたいこととして、3ページの(2)の重点的に活用する外来についてなのですけれども、今の内容で私、異存はないのですが、前回も申し上げましたように流入、流出の問題をぜひ考えてもらいたい。今の外来に来られている方は既に流入、流出のカウントし終えた数ですので、現状として遠くから来ている人も近くの人も全部交えた数です。
それに対して、もし人口とかでこれを推計してあるべき数字をつくると理想的な数字にはなるのですけれども、すると多分二次医療圏別に使わなければいけないというようなことになります。ですから、実際に流入、流出の数字をどうやってつくるのかということがこの指標をつくる際には非常に大きな問題になると思いますので、今までの医療計画や医療構想をつくる際にもやはり流入、流出の数字のつくり方は非常に難しくて、でも、入院患者さんのデータは患者調査で割ときれいに出てくるのですけれども、外来の数字は患者調査では抽出率が粗過ぎて、少なくとも二次医療圏では難しいのです。県単位なら何とかできますけれども、県単位だと外来は粗過ぎるという問題があって、実際どうやって流入、流出の数字をつくっていくのかというのが非常に難しい問題だと思います。
実際、この基準をつくっていくときに地域別に集計していくことになると思うのですけれども、その点、事務局でもこの流入、流出をどうやって補正しながらこの数字をつくるかということはぜひ考えてもらいたいと思います。それによって結果が大きく変わると思いますので、本当に奈良と大阪の関係で言うと、大阪の近隣側の奈良の人は相当大阪に行っておられますし、その数字で見ると1割とかという単位で、多かったら2割ぐらい動きますかねというような状況がありますので、ぜひこの点を今後の議論の際に重点的に検討していただきたいというように思います。これは意見として。
○遠藤座長 ありがとうございます。貴重な御意見、ありがとうございます。
ちょっとオンラインで手を挙げている方がいらっしゃいますので、吉川構成員、田中構成員、続いて、櫻木構成員の順番でお願いしたいと思います。
○吉川構成員 ありがとうございます。
報告書のまとめ、ありがとうございました。報告書に記載されている事柄につきましては賛同させていただきますが、「医療資源を重点的に活用する外来」のネーミングや外来医療のかかり方については、国民に混乱が生じないように進めていく必要性があると思います。また、外来機能報告の内容についてもしっかりと検討することが必要であると考えますので、引き続きよろしくお願いいたします。以上、意見です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
蛇足ですけれども、医療保険部会では既にこれは紹介状の必要な外来というように使っておりますので、それはまたどこかで調整ということだと思います。
それでは、田中構成員、お待たせしました。
○田中構成員 ありがとうございます。
私もこの名称については繰り返し話していますが、今回も言っておきます。医療資源を重点的に使うとの名称は、そうではないところは医療資源が投入されていない診療所という何かレベルが低い診療所との誤解を与えてしまいかねません。患者が集中しないための仕組みであるにもかかわらず、医療資源を重点的に投入すると書いてあるところはいい診療所だという誤解を与えるので、この名称は本当にぜひ変えていただきたいです。修文の依頼ではありませんが。ここに書いてあるように今後検討すべきである。ただし、先ほど別の構成員からも御発言があったように専門的意見だけではなく、使う側の人々の意見も拾えるように検討したほうがいいでしょうね。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、お待たせしました。櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
7ページのところで精神科の問題点について触れていただいて、どうもありがとうございました。外来医療計画の協議ということですけれども、それぞれの地域の調整会議になかなか精神科の関係の先生が出られていないというような実情がありますので、その点も配慮していただければと思います。
それから、外来機能の明確化ということで議論が進んできたわけですけれども、いわゆる紹介状を受けるほうのいろいろな議論というのは本当に丁寧にしていただいたと思うのですが、かかりつけ医ないしはかかりつけ医機能といったほうの議論、これからしていただけるということですが、そこもよろしくお願いしたいと思います。紹介状の目的地の議論だけではなくて出発地、これの議論も必要かと思います。
今回の外来機能の明確化の議論の本筋というのは、患者さんというか受診者の方に正確な情報をいかに多くスピーディーに与えるということによって、患者さん、受診者が賢く受診をするという。これは本来、患者さんの権利でもありますし、こういった社会保障制度の中では義務でもあるというように考えます。初診とか再診に選定療養を設定して受診を抑制するとか、あるいは将来的に例えばホームドクター制というような制度を新たにつくってしていくというのは本来、議論の本筋ではないと考えますので、この外来機能を明確化していくという中で議論を進めていただければというように考えています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、またオンラインに戻りまして、幸野構成員、お願いいたします。
○幸野構成員 音声、大丈夫でしょうか。
○遠藤座長 大丈夫です。
○幸野構成員 修文ではないのですが、取りまとめの段階に来ていますので、自問自答して分からないところがあるので確認しておきたいのですが、今回、無床診については任意の手挙げで外来機能報告を行うということに整理されていますが、無床診が手挙げで外来機能報告をするインセンティブが分からないので事務局から何かご説明いただけないでしょうか。
○遠藤座長 ちょっと声がまた途切れ途切れになっておりますので。
○幸野構成員 すみません、手挙げで外来機能報告を行う無床診のインセンティブは何かということを事務局にお聞きしたいのです。
○遠藤座長 ありがとうございます。
無床診が外来機能報告に手を挙げるモチベーションについて、あるいはインセンティブについて、ということですね。
○熊木総務課長 今後の専門的な検討の場における検討の仕方にもよる部分は大きいかなというように思います。
他方で、無床診療所に限らず有床診も病院も同様の状況かと思いますけれども、基本的には今回の整理というものは患者の側にとって分かりやすい役割の明確を図るということでございます。そういう趣旨に賛同されるといいますか、地域の医療の役割分担というのを明確化していくということについて議論する中で、各医療機関で御判断するものと思いますので、そういう意味では、今後、何かそれを後押しする仕組みというのは考え得るというようには思いますけれども、現時点で整理はしてございません。今後の議論ということと、基本的には連携をしていくという大きな姿に向かってそれぞれの医療機関の御判断だというように考えてございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 もし無床診が外来機能報告によって、紹介状が必要な外来と認められると、患者さんが来なくなるのではないかということを懸念していまして、無床診にとってディスインセンティブになるのではないかと思うのですが、その辺はどうお考えですか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○熊木総務課長 また同じ答えを申し上げて恐縮なのでございますが、紹介患者に対する外来だということを明確化すること、今、ネーミングもどうするかもございますし、いずれにせよ今後の検討次第だというように思いますけれども、そのほか、ある特定の領域に非常に優位な医療を展開されているということを明確化することによって患者さんがそういうことを理解して来られるということを考えられるということはあろうかというように思います。
これからの仕組みの作り方によっていろいろ変わり得るので現時点で何とも言えませんけれども、必ずしもディスインセンティブだけではないのだろうというようには考えてございます。
○遠藤座長 幸野構成員、どうでしょう。
○幸野構成員 分かりました。やはり違った形、意味でのインセンティブを与えないと外来機能報告は広がらないと思うので、これは今後の検討課題というように捉えたいと思います。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、岡留構成員、お待たせをいたしました。
○岡留構成員 先ほどから「医療資源を重点的に活用する外来」というキーワードみたいなキーフレーズになっていますけれども、例えば今、医療保険部会で定額負担制度が議論されていますが、非常にこちらの事項と密にこれから関連してくる事項ではないかなと病院団体として私たちは思っているのです。ですから、定額負担制度あるいは定額負担を取れる病院はどういう病院でどういう外来を持っているか。これは恐らく「医療資源を重点的に活用する外来」イコール紹介型の病院ということになるかもしれませんけれども、そういった明確化といいますか、その辺のところをこれから事務当局としては今後の検討課題で入ってくる可能性、あるのでしょうか。その辺をお聞きしたいのです。
○遠藤座長 よろしいですか。質問の御趣旨、よろしいですか。
では、事務局、どうぞ。
○高宮医療政策企画官 医療保険部会のほうでも、今回の外来機能の明確化・連携の議論を踏まえて、紹介状のない大病院の受診時定額負担の議論が進められていると承知しています。それに当たっては、今回の外来機能報告で、地域で協議をして明確化していこうとしている「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関というもの、このうちの一定のものについて定額負担対象だというようなもので議論は進めているというように聞いています。
○遠藤座長 岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 この辺をきちっと明確化しておかないと、例えば紹介状なしで病院を訪れた患者さんへ、2,000円、また増額させるというのは、ある意味でペナルティーですね。その辺の国民の方々の了解が得られるだろうかというちょっと心配があるのですが、いかがでしょうか。
○遠藤座長 それは名称の問題でしょうか。
○岡留構成員 名称といえば名称もそうですけれども、その辺の明確なプリンシプルといいますか、何かあったほうがいいかな。
○遠藤座長 おっしゃるとおりだと思うのですが、ただ、基本的に、私、医療保険部会の部会長でもありますので、この話はどちらかというと保険のほうの話と絡むものですから、むしろそちらのほうが中心で、今の議論というのは、ある一定以上の病床数で、なおかつ、ここで言うところの「医療資源を重点的に活用する外来」というものを定額の対象に拡充しようというようになっているわけです。
と同時に、それに伴って保険給付を少し下げていくという形がドッキングしている話、これが新しいところなのですが、それはそれとしましてただ、これまでも選定療養という形で病床数が一定以上の大病院では同じようなことがされていたということです。今回はそれが少し拡大するということです。これまでは特定機能病院と地域医療支援病院で病床数一定以上ある場合が対象となっていたわけですが、ここに外来機能の新しい概念が入ってくるので、確かにその点はアナウンスする必要はありますけれども、全く新しい仕掛けができたわけではないのです。いずれにしても、誤解のないような対応は必要だということですね。
○岡留構成員 そうですね。私も一番大事なのはその点だろうと思います。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。
それでは、山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 今の岡留構成員のことについてですけれども、もうかなり前から200床以上の病院については紹介状なしの初診は特別料金が請求されることが請求されると一般の人たちの中でも当たり前になっていますし、さらには今、特定機能病院と200床以上の地域医療支援病院では最低5,000円ということもやはり知っている方が増えてきていますので、その辺りはある程度理解している方が増えているのではないかなというように私は思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
大体御意見、よろしゅうございますか。ありがとうございます。いろいろと御意見を承りましたけれども、基本的に事務局が作られましたこの内容につきましてはおおむね御了解を得ているというように私は今、認識いたしました。ただ、個別については修文の必要性等々ございますので、修文も含めて微調整はさせていただきたいと思いますが、これは最後、座長預かりということにさせていただければありがたいのですけれども、よろしゅうございますか。ありがとうございます。
それでは、途中で修文等々については、また御発言をされた先生にいろいろとお伺いすることもあるかもしれませんので、その際は御協力のほどをどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは、もう一つの議事に移りたいと思います。
第2の議題です。医療計画・地域医療構想でございますけれども、こちらにつきましても、これまでの議論を基に新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた考え方(案)を用意してもらっております。
事務局から御説明をいただいて、その後、これに基づいて議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小川課長補佐 事務局でございます。
資料2-1に沿って御説明させていただきます。
先日、11月19日の本検討会におきまして、医療計画の記載事項の追加、新興感染症等対応の追加につきまして御協議をいただいたところでございます。その際の御意見を踏まえまして、また11月25日には、その医療計画検討会の議論の状況も含めて地域医療構想に関するワーキンググループにおきましても地域医療構想も含めて御協議をいただいている状況でございます。11月19日、11月25日の様々な御意見を踏まえまして資料2-1として整理をしておりますので、御説明をさせていただきたいというように思っております。
まず、1ページをおめくりいただければと思います。
まず「1.はじめに」ということでございます。
1つ目の○でございますが、地域の実情に応じた医療提供体制の確保に関しまして、各都道府県におきまして医療計画の策定、また、地域医療構想の策定を通じて取組を進めていただいているという現状を記しております。
2つ目の○でございますが、こうした中、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、我が国の医療提供体制に多大な影響を及ぼし、また、地域医療の様々な課題が浮き彫りとなっているというように整理しております。
3つ目の○でございますが、厚生労働省におきましては、まずは足元の新型コロナウイルス感染症対応に引き続き全力を注ぎつつ、この対応により得られた知見を踏まえまして、今後、新興感染症等が発生した際に円滑かつ効果的に対応できるように新興感染症等対応に係る体制を確保していく必要があるとしております。あわせまして、引き続き進行する人口構造の変化を見据えた上で、質の高い効率的な医療提供体制の構築に向けた取組を着実に進める必要があるというようにしております。こうした観点から、本検討会、また、その下に設けます地域医療構想に関するワーキンググループにおきまして議論を重ねてきていただいているという状況を記しております。
続きまして、2ポツのところでございます。「新型コロナウイルス感染症対応の状況」ということでございます。
まず1つ目の○でございますが、今般の新型コロナウイルス感染症、当初でございますが、当該感染症への対応に関する知見がない中で、医療現場におきましては多くの医療資源を投入しながら感染防止対策を講じつつ、入院患者の受入れや疑い患者に対応するなど、患者数が増加する前から医療提供体制には大きな負荷がかかってきたというところでございます。
また、感染拡大により患者数が増加した段階におきましては、入院医療を原則とせざるを得なかった状況の中で、感染症病床だけではなく一般病床の活用による対応が必要な状況となり、入院医療体制に大きな影響を及ぼしてきたところというように記しております。
こうした中で一般病床を活用した感染症患者への対応に関しまして、ゾーニング等の院内感染防止策、また、マンパワー確保等の取組、地域の医療機関の間での感染症患者を受け入れる医療機関とそれ以外の対応する医療機関との役割分担など、感染症患者の受入れ体制構築を弾力的に行うための知見も明らかになってきたという状況でございます。
こうした状況を踏まえまして「3.新興感染症等の感染拡大時における体制確保(医療計画の記載事項追加)」ということでございます。
まず「(1)医療計画上の位置付け」ということでございます。
今般のコロナウイルス感染症対応で得られた知見を踏まえまして、今後の新興感染症等の感染拡大時に広く一般の医療提供体制にも大きな影響が及ぶことを前提に、必要な対策が機動的に講じられるよう、基本的な事項について、あらかじめ地域の行政・医療関係者の間で議論し、必要な準備を行うことが重要というようにしております。こうした枠組みとしましては、医療法に基づく「医療計画」というものがございます。
しかしながら、3つ目の○でございますが、現行の医療計画におきましては、新興感染症等への対応は位置づけられていないということでございます。3行目にございます厚生科学審議会感染症部会におきましては、感染症法に基づく予防計画との整合性の確保に留意しつつ、「医療計画」における対応の必要性に関して見解が示されているという状況でございます。
おめくりいただきまして3ページ、上から7行目のところ、※3というようにございます。感染症部会におきます10月28日の見解について抜粋を掲載しております。
こうした現状と課題を踏まえますと、広く一般の医療連携体制にも大きな影響が及ぶ「新興感染症等の感染拡大時における医療」につきましては、医療計画の記載事項として位置づけることが適当と考えられるというように整理しております。
今回の記載事項の追加でございますが、様々な感染症の中でも広く一般の医療連携体制に大きな影響を及ぼし得る新興感染症との感染拡大時の対応を記載することを想定しております。今後、実際に発生する新興感染症等につきましては、発生時期や感染力などを事前に予測することが困難であるということでございます。これを前提とした上で、新興感染症等の発生後、速やかに対応できるようにあらかじめ準備を進めておくことが重要であるということでございますが、こうした点が災害医療というものと類似していることから、いわゆる災害医療も入っております「5事業」のほうに追加することが適当ではないかというように整理をしております。
今後、この新たな記載事項を追加していくということに当たりましては、厚生労働省におきまして「基本方針」(大臣告示)や「医療計画作成指針」(局長通知)の見直しなどを行う必要がございます。
こうした状況を踏まえますと、次の第8次医療計画、2024年度から2029年度を計画期間とする第8次医療計画からこの「新興感染症等の感染拡大時における医療」に関する記載を盛り込むこととしまして、各都道府県におけます計画策定作業を進めることが適当ではないかというように考えておるところでございます。
その際、医療計画の策定主体である都道府県におきましては、円滑かつ適切に検討作業を進めることができように、厚生労働省における様々な検討状況につきまして、逐次、情報共有、周知することが重要と考えられるというようにしております。
続きまして、(2)「新興感染症等の感染拡大時における医療」に関する記載項目(イメージ)でございます。
具体的な記載項目でございますが、これまでの厚生科学審議会感染症部会における議論、また、地域医療構想に関するワーキンググループにおける議論等を踏まえまして、例えば以下のような項目を医療計画に記載することが想定されるというようにしております。
なお、引き続き厚生科学審議会感染症部会等におけます議論の状況を踏まえながら記載項目の詳細、また、施策の進捗状況を確認するための数値目標等につきまして、具体化に向けた検討を進めることが適当というようにしております。
小見出しで2つ記載しております。
まず1つ目【平時からの取組】ということでございます。
まず感染拡大に対応可能な医療機関・病床等の確保ということでございます。感染症指定医療機関(感染症病床)の整備に加えまして、感染拡大時にゾーニング等の観点から活用しやすい病床、また、感染症対応に転用しやすいスペースの確保に向けた施設・設備の整備が考えられるかというところでございます。この点、重症例、また、疑い症例等を想定した整備というものも含まれてくるということでございます。
また、感染拡大時を想定した専門人材の育成確保といったところでございます。感染防止制御チームの活用や感染管理の専門性を有する看護師の育成、また、重症患者に対応可能な人材といった御意見をこれまでいただいているところでございます。
また、医療機関における感染防護具等の備蓄、院内感染対策の徹底、医療機関内でクラスターが発生した際の対応方針の共有、医療機関における検査体制の整備といったものも御意見をいただいているところでございます。
2つ目の小見出し【感染拡大時の取組】ということでございます。
まず個々の医療機関における取組の基本的な考え方ということでございます。感染拡大時にどういった医療機関が受入れ候補というようになるかといった点。また、こうした医療機関におきまして患者が入院する場所の確保に向けた取組。さらに、次のページでございますが、感染症患者に対応するマンパワーの確保に向けた取組といったところも重要になってくるかということでございます。
また、医療機関間の連携・役割分担の基本的な考え方ということで、救急医療など一般の医療連携体制への影響にも考慮した受入れ体制に係る協議の実施。具体的には、感染症患者の受入れ医療機関とそれ以外の患者に対応する医療機関の役割分担といったところが考えられるかと思います。
また、感染症患者受入れ医療機関への応援職員の派遣や感染管理の専門人材による指導等の実施といったことも考えられるかということでございます。
また、感染症法など他法に基づき講じられることが想定される各種措置につきましても、情報共有といった観点から記載しておくことが考えられるかということでございます。
最後に、外来体制の基本的な考え方といったところも記載項目となってこようかと考えております。
なお、医療計画の記載項目につきましては、感染症法に基づく予防計画の記載項目と整合性を確保していく必要がございます。感染症部会におきましても引き続き感染症法に基づく基本指針等の見直しについて検討を進めるよう求めていくことが適当ではないかというように整理をしております。
最後に「(3)医療計画の推進体制等」というところでございます。
医療計画の推進体制や圏域設定の考え方につきましては、現在、以下に掲げるような取扱いというようにしております。「新興感染症等の感染拡大時における医療」につきましても、こうした取扱いに沿って感染症対応に係る医療資源の状況など地域の実情に応じた計画の策定、また、具体的な取組を促していくことが適当というように整理をしております。
【医療計画の推進体制】でございますが、まず1つ目の●、医療法におきましては、都道府県は、あらかじめ都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。また、他の法律の規定による計画との調和が保たれるように努めなければならないというようにされております。
さらに細かい点でございますが、医療計画作成指針におきましては、5疾病・5事業、在宅医療につきまして、それぞれに関する作業部会を設置するということ。また、必要に応じて圏域ごとに「圏域連携会議」を設置するということ。
さらに次のページでございますが、作業部会、圏域連携会議、地域医療構想調整会議において、関係者が必要な情報を互いに共有するといったことが書かれておるところでございます。
さらに【圏域設定の考え方】というようにございますが、これも医療計画作成指針におきましては、5疾病・5事業、在宅医療ごとに従来の二次医療圏にこだわらずに地域の医療資源の実情等に応じまして弾力的に圏域を設定するというようにされておるところでございます。
最後でございますが、「なお」としまして、今回追加する「新興感染症等の感染拡大時における医療」というものは、5疾病・5事業、在宅医療のそれぞれとかなり密接に関連することが考えられます。各都道府県におきましては、第8次医療計画の策定に当たりまして、作業部会間の連携、また、作業部会や圏域連携会議において実態を踏まえた効果的な議論が行われるよう配慮するなど、実効的な医療計画として機能するよう積極的に取り組むことが重要というように整理をしております。
最後、4ポツとしまして「今後の地域医療構想に関する考え方・進め方」というようにしております。こちら、ペンディングというように記しておりますが、引き続きこの検討会の下にあります地域医療構想に関するワーキンググループにおいて議論いただきまして、その内容をこちらのほうにまた報告させていただきまして御協議いただくということを考えておるところでございます。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの報告につきまして、御意見、御質問等あればいただきたいと思います。
それでは、今村聡構成員、お願いいたします。
○今村(聡)構成員 ありがとうございます。
まず3ページ、災害医療と類似しているので「5事業」に追加することが適当であるという、これについては私も賛成であります。それを踏まえて4ページですけれども、「感染拡大時を想定した」という文言がありますけれども、この感染拡大時の定義というのは何か具体的にあるのですか。どのレベルを言っているのか、それをまず教えていただいた上で次の御質問にしたいと思うのです。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○小川課長補佐 御質問ありがとうございます。
感染拡大時の定義でございますが、具体的にはかなり広いものだと思っていまして、感染拡大してからではなくて感染拡大するおそれがあるときからこれは当然射程に入ってきますし、それに備えた平時からの取組についても記載することとしておりますので、そういった観点で書いておるところでございます。
○今村(聡)構成員 ありがとうございます。
とても大事な視点だと思いますけれども、現状を見ていると、地域的にはもう医療崩壊に近い状況になっている地域があって、これから広がっていく前にこういう体制をしっかりと都道府県が計画として持っておくというのは、もうまさしくそのとおりなのですが、そうはいっても、コントロールできないということがあり得る可能性がある。そういったときに、では、それはどういう対応をしていくのだということで、現状、今、どうなっているか分かりませんけれども、もう具体的な名前を出すと旭川地域では本当に医療崩壊が起こっていると言っても過言ではない状況で、自衛隊の出動を求めるみたいな話になっているのですが、なかなかそれがもうスムーズに進んでいないと現場が悲鳴を上げているというような話も伝わってきているのですが、これは例えば災害医療ということになると自衛隊の出動というのが割と速やかに行われるように思いますが、これは感染でもそういう本当に現場が医療崩壊を起こした状況で、災害と同様に自衛隊が出動できるような体制になっている、理屈としては同じだという理解でよろしいのでしょうか。
自衛隊法の中にはしっかり災害という言葉はありますけれども、感染症という言葉はありませんね。だから、これは事業として入れたときに、もう最悪のことを考えたときに、同じような対応が取れるのであればこのままでいいと思うのですけれども、そうでなかったとしたときにどうなのかというのはちょっと疑問なのですが、その辺、事務局としてどんなお考えなのか教えてください。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○小川課長補佐 詳細について私からお答えできるかあれなのですが、現在の足元のコロナ対応について見ますと、実態としては都道府県からの災害派遣要請として活動いただいている実態はございます。ただ、今般の対応を踏まえて、これからも恒久的にといいますか、同じような枠組みとなるかどうかといったところにつきましては、もしかしたら防衛省等々でまた検討があるのかもしれないと考えております。
○今村(聡)構成員 なかなか難しい御質問だと思っていて、厚労省だけで対応できないというのは十分分かるのですけれども、自衛隊が今回のコロナで早期に出られた地域もあるというのもよく理解しているのですが、あるところはちゃんとできたが、そうではないところはスムーズに進んでいないみたいなことがあるとすると、それはやはり都道府県の計画の中にしっかりその最悪のことまで考えて計画に位置づけておかないと、そういう都道府県による対応が変わってしまうというおそれがあると思っていて、災害は災害、感染症は感染症という医療計画は別のものにしてしまっていることになるわけですが、その辺もちょっと考えていただければありがたいなというようには思っています。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○間審議官 今村先生から今、御指摘のありました点については、結局、都道府県で区々になってもいけない部分なのだろうというように思います。それは今後、私どもが作成する指針などの中でそういったものもあらかじめどこまで織り込むのか、関係省庁ともよく相談していきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインで山口構成員、よろしくお願いします。
○山口構成員 ありがとうございます。2つ意見がございます。
まず4ページのところで前回も私、申し上げたのですけれども、これは2024年からの医療計画ということは2023年に作成しないといけないということになると、新しい内容ですので今から準備しないと計画に盛り込むのはかなり難しいのではないかと思っています。
この文章を拝見しているとその辺りのところ、もう少し都道府県の担当者へのアピールが書かれてもいいのかなというように思いまして、例えば4ページの上から4行目、その上の行に「その際」で始まる行ですけれども、「円滑かつ適正に検討作業を進めることができるよう」の後に、今般、新型コロナウイルス感染症対応で得られた知見や課題を抽出し、現段階から準備を進める必要がある、そのため、と後をつなぐようなことも入れていただくとよりアピールになるのではないかなということを感じたことがまず1つです。
それから、どこというわけではないのですけれども、医療計画は各都道府県の住民向けの働きかけという意味合いもあると思います。そう考えたときに、今回の報告書を拝見すると、住民に向けた発信の視点が入っていないのではないかなと感じました。今回の新型コロナのことを見ていても、例えば感染が拡大したときに受診の仕方が変化するというようなことも私たちは経験したわけです。だとすれば、例えば新興感染症によって国民が理解しておく必要があること心構えであったり、そういったことを盛り込む必要があるのではないかと思います。そういうことをどこかに触れていただくと住民への視点ということも入るのかなというように思いました。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。貴重な御意見として承りました。
それでは、続きまして、岡留構成員、お願いいたします。どうぞ。
○岡留構成員 11月19日の23回の医療計画の見直し等に関する本検討会で、今日提示されました3つの論点が出されたのはもう承知しておりますが、実はこの3つの論点につきまして、先週、日本病院会理事会を開きましていろいろな意見を聴いてみました。
まず1点目の医療計画上の位置づけについて5疾病・5事業に追加するということは問題ないだろうということでございましたが、記載項目のイメージにつきまして幾つかの点が指摘されました。
まず平時からの取組についてどう考えるかということなのですが、今回のコロナ対応を見たら、感染症専門医だけではもうさばき切れないだろうと、専門医以外、例えば病院総合医とか総合診療医を使ったそういう一連のサポート体制をつくっておく必要があるのではないかというような意見もありました。それから、もちろん認定看護師、ICNがまだ日本には少ないなというような意見もございましたし、老人保健施設など老人施設での感染症教育が非常に大事になってくるのではないかというような指摘がありました。
そして、平時から感染拡大時の取組につきましては、地域で感染症を対応するサポート体制をつくるシステムをつくっておかないといけないのではないか。例えば平時に増員するのは効率的ではなくて、これは一部の先生方からの意見でしたが、公立病院と保健所で平時から人事交流を行うなど有事に対応できるシステムをつくったらどうかというようなこともありましたし、患者さんが入院する場所の確保につきまして、これは地域医療構想のワーキンググループとも関係しますが、地域医療構想では、例えばダウンサイジングしたような医療機関がかなりありますので、そこで使われていない空いた病床を例えば予備病床として新興感染症対応の病床として使えるような仕組みはできないかというような意見もございました。
圏域設定については、二次医療圏だけでは、これはもう対応できないだろう、三次医療圏として対応することが基本だろうというような意見でございました。
そして、先ほどの山口構成員が御質問されましたように、今、ちょうど第7次の医療計画の中間見直しの段階に来ているのに、この新型コロナウイルス感染症、この第7次の中では具体的に検討あるいは考慮しないのかというような意見もございました。人材育成が非常に大事だということは皆さんも同じように言っておられましたし、感染症専門以外のドクターの協力も必要だろうということで、今後は災害ドクター、公衆衛生ドクターのほかに総合診療医の育成にも力を入れるべきであろうというようないろいろな意見が出ました。一応これは御意見として述べさせていただきました。ありがとうございました。
○遠藤座長 貴重な御意見、ありがとうございます。
もし事務局として何かコメントがあればお願いいたします。個別にということでなくても結構なのですが、何かございますか。
○小川課長補佐 貴重な御意見、ありがとうございます。どういう形で今回のこの取りまとめに反映できるか、少し医療計画の関係というところで申しますと射程が広い御意見もあったかもしれませんが、なるべく取り入れられるようにということで検討してみたいと思います。
あと第7次医療計画の関係、中間見直しの関係がございましたが、現在、第7次医療計画、ただ、今回、コロナの対応がございますので、そこは都道府県の状況に応じて柔軟に対応いただきたいという形で示しておるところでございます。そうした中で、一部中間見直しをしていく中で、やはり今回のコロナの経験、オンゴーイングでございますけれども、そういったものも踏まえるべきではないかといった形で検討されている都道府県もあるとは聞いております。ただ、今回はそういう形で都道府県の状況に応じてということでございますが、第8次から各都道府県でやはり一定共通の認識の下で医療計画の中に記載していただくということを進めていきたいということでございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
○岡留構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 ほかに何かございますか。
では、城守構成員、その次に加納構成員でお願いいたします。
○城守構成員 ありがとうございます。
今回記載していただいたこの内容に関しては、その記載のとおりなのですが、感染症法に基づく予防計画と、そして、医療法に基づく医療計画がございますね。それぞれにこれは議論をしているわけですが、これは一番最初のときにも議論として出たと思いますが、両部会、両計画のすみ分けに関して分かりにくいところがあるのでお聞きしたいのです。
例えば3ページの予防計画に関しましては、マル2に関して、感染症に係る医療提供する体制の確保に関する事項とか、マル3の感染症発生時の医療の提供のための施策に関する事項というのも予防計画に入っているわけですが、これは結局、感染症部会において議論していただく内容というのは、例えば4ページに書いてある感染拡大時における要するに医療の記載事項。例えばその記載事項の内容であるとか感染が発生ないしは拡大したときの病床の確保の考え方とか、そういうことを感染症部会で一定程度決めていただいて、それに基づいて医療計画の検討会といいますか、医療計画の策定に生かしていくというように考えてよろしいのでしょうか。
そして、先ほどからお話に出ていますように地域医療構想ワーキンググループで地域医療構想の議論をしていますけれども、これは平時の従来の病床の需要と供給のバランスを取るという議論だろうと思います。先ほども岡留先生もおっしゃっておられましたけれども、そこにおいてのベッドの変動に関して、それを感染症にあてがう、あてがわないという議論も含めて、それはワーキンググループではなくて、やはり医療計画の見直し検討会で議論する。その辺りのすみ分けが見えにくいので、その辺り、もう一度、御説明いただければと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いいたします。
○小川課長補佐 ありがとうございます。
まず医療計画とその予防計画との関係で、もう一つが感染症対応、医療計画と地域医療構想との関係と大きく分けて2つあるのかなと思っております。
1つ目でございますが、やはりこの検討会でも様々御指摘ありまして、これまでも御指摘がありました、感染症法と医療法では少し見ている観点が違う部分があろうかと思います。最終的には、あまりお互いの仕切りを気にし過ぎますと抜け落ちる部分が出てきますので、お互いに少し記載は重なり合うといいますか、少しというのは重なり合う部分がかなり大きくなってくるのではないかと思いますが、一応感染症部会では、やはり感染症患者にどういうように対応していくかという観点が非常に強くなってこようかと思います。
一方で、医療法は、その感染が蔓延している際に感染症患者以外の患者さんをどうしていくかという視点も非常に強いところが必要なのかなというように思っております。そういう観点で、一定、議論というのはどうしても各部会のほうで健康局側、医政局側のほうで少し観点が変わってこようかとは思いますが、最終的にはそこをうまく調整しながら医療計画のほうにもしっかり盛り込んでいくということなのかなというように思っております。
その上で、感染拡大時の対応につきましては、医療計画でしっかり検討する、この計画検討会で議論いただくということかと思っておりますが、それを踏まえた上で中長期的な医療提供体制の在り方につきましては、むしろ構想ワーキンググループのほうで引き続き詳細な議論をいただくという頭の整理かなとは思っております。どうしてもそれぞれ関連してしまうところがございますので、明確に切り分けるのはなかなか難しい部分はあろうかと思いますが、そういう考え方かなというようには思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 そういう形だろうなとは思うのですけれども、なかなかそうしますと医療計画の見直し検討会において、感染症拡大時において、要するにベッドの在り方も議論するということになるわけでしょうか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○小川課長補佐 ベッドの在り方、感染拡大時における医療提供体制、感染症患者のみならず、いつも城守先生からいただいています、それ以外の患者さんの受入れ体制も含めて、どういうようにフォーメーションといいますか、連携体制をそのとき、短期的に見直すか。弾力的に変えていくかというところの議論をこの計画検討会で。ただ、感染症の専門的な知見が必要ですので感染症部会のほうの議論も当然踏まえながらということになろうかと思いますけれども、そういうイメージかなとは思っております。
○遠藤座長 城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ということになりますと、かなり守備範囲が広いというか。ワーキングからの意見も聴きながら、でも、恐らく今のお話ですと地域医療構想ワーキンググループではさほど感染症病床に関しての議論を具体的に向こうで煮詰めて、一定程度、要するに医療検討会に上げてくるという話ではなくて、どちらかというと平時の議論に特化した形で議論を進めていかれるというように理解はしていますので、そうしますと、それ以外の感染症の病床のありようと連携、これは人材も含めてなのですけれども、極めて守備範囲が広い状態になると、やはりこの検討会だけでその議論をしていくとのはなかなか難しいかなと、一定程度、作業部会なりワーキングなりが何か必要になるのではないかなと思うのですが、その辺りはどのように考えておられますか。
○小川課長補佐 今、具体的に正直、事務局のほうで固まった考えがあるわけではございませんが、どういうように議論を進めていくのが他部会との連携とかワーキンググループとの連携、どのように議論を進めていくのがいいのか、新たな検討会を立ち上げることも含めて、いろいろな可能性を含めて、少しまた座長とも御相談させていただきながら進めていきたいというように思います。
○城守構成員 了解しました。
○遠藤座長 よろしいですか。
それでは、加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
今の城守構成員の話に準ずる話なのですが、これは資料2-1の4ページ目には記載項目のイメージという形で厚生科学審議会感染症部会の意見が明記されているわけですが、これも平時からの取組、また、感染拡大時からの取組等々、細々と見てみますと、いわゆる病院が対応しなければいけない内容等でございます。これは前々回のときから申し上げていますが、この部会のほうには実は健康局管轄のせいなのか、病院団体が入っていないのです。肝腎要の現場である病院団体をぜひともこの感染症部会の段階から議論に加えていただくようにお願いしたいかなと思います。その点が一点でございます。
それと、もう一点ですが、やはり先ほど城守構成員もおっしゃっていただいた5ページ目で例えば一番上の●のところに書いてありますように、今回、コロナの感染が起きましたが、辛うじて現在においてもまだ日本が医療崩壊しなかった理由は、今回、コロナを受けた病院と受けなかった病院、これがうまく今のところまでは何とか役割分担をして、コロナの患者さんの約10倍はいらっしゃるであろうという急性期のいわゆる急患の患者さんをしっかりと診ながら、今、日本の医療、地域医療を守っているわけなので、そういった配慮がある感染症の事業として成り立つようにお願いしたいかなと思います。そのことは6ページ目の一番最後に5疾病・5事業のそれぞれに、特に救急と災害には今回の感染で立ち上げる事業に関してと非常に密接に関連するのは明らかでありますので、その点についてしっかりと形づけていただきたいかなと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 御要望として承りました。ありがとうございました。
それでは、オンラインで幸野構成員、お願いいたします。
○幸野構成員 音声、大丈夫でしょうか。
○遠藤座長 今は大丈夫です。
○幸野構成員 記載項目のイメージについて、5ページの3つ目の●に「外来体制の基本的考え方」と書かれているのですが、ここでどのようなことを期待するのかというイメージが湧かないのです。これは感染拡大時の病院の外来患者の動線とかゾーニングとか、そういうことをイメージされているのですか。
○遠藤座長 では、事務局、お答えできますか。確認ということです。
○小川課長補佐 現時点におきましては、詳細についてはこれからの議論かというように思っております。ただ、この上の部分に書いてありますのが、入院患者の受入れが非常に多くなってきている中で、外来の考え方というものもやはり一定記載していく必要があるかなということで、ここには一言、外来体制の基本的考え方というように触れております。詳細はこれからかなというように思っております。
○遠藤座長 幸野構成員、どうぞ。ミュートになっております。
○幸野構成員 すみません、失礼しました。その病院の外来の在り方のことを指しているということなのですが、患者の視点からは違った視点がありまして、前回も申し上げたのですが、感染拡大時に自分に疑われる症状が出た場合の。
○遠藤座長 幸野構成員、また音声が途切れ途切れになっております。申し訳ありません。今、取りあえず聞こえます。
○幸野構成員 大丈夫ですか。前回の検討会で、患者の視点からすると、感染拡大時に自分に疑われる症状が出た場合にファーストアクセスとなるかかりつけ医の役割も重要だと申し上げました。この外来の在り方というのは、基本的に外来の在り方だけではなくて、感染の拡大時にかかりつけ医とどう連携するかというような観点も重要になってくると思います。今後、かかりつけ医機能の在り方とも絡む話ですが、第8次医療計画の検討を行う際には、感染症拡大時の外来におけるかかりつけ医の役割と連携についてもしっかり検討しておく必要があるのではないかと思いますので、そういったところも検討できるようにしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○遠藤座長 後段のほうがまた途切れ途切れになりましたけれども、辛うじて理解ができるので、最後、何かコメントを事務局に求められましたか。いかがでしょう。
○幸野構成員 はい。外来の在り方に、かかりつけ医との連携についても記載していただければありがたいなと思ったのです。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それについては何か事務局としてコメントはありますか。
○小川課長補佐 今回の報告書に記載ということでございましょうか。
○遠藤座長 幸野構成員、どうぞ。
○幸野構成員 はい。そういうことです。
○小川課長補佐 御意見として、また修文のほうにつきましては御検討させていただきたいと思います。
○遠藤座長 そのように対応させていただきます。
ほかにいかがでございましょうか。
今村構成員、どうぞ。
○今村(聡)構成員 ありがとうございます。
こういった入院できるような病床をしっかり確保するのはすごく大事だと思うのですけれども、もう一つ重要なのは、やはり人材で、ここに人材について感染拡大時を想定した専門人材の育成等と書いていただいているのですが、当然のことながら県が育成するということもあるのだと思うのですが、これは例えば医療関係団体だとか学会だとか、それぞれ、あるいは国が養成している数というものがあって、それを県がしっかりと必要数を把握した上で、その県の中で配置をするということが県の多分役割なのだろうと。
だから、養成から配置まで全部県でやりなさいというのはなかなか県ごとに差が出て難しいのかなというように思っているので、ここの書きぶりが専門人材の育成という書き方になっているのですけれども、県に育成しなさいというのは、ちょっとそれだけでは酷な感じがして、どれだけ必要であって、この地域だったらこういう医療計画の中で人数がこのぐらい必要だというようなことをまずしっかり県は計画をつくった上で、県もそうだし、いろいろな団体と協力して、特に国がやはり支援していただくということが必要なので、育成は「等」に入っているのかもしれないですけれども、育成をしなさいと県に言うのはちょっと厳しいかなというように思いましたので、何か表現ぶりを考えていただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、オンラインで織田構成員、お願いいたします。
○織田構成員 4ページの【平時からの取組】については、一応網羅されているのではないかと思います。ただ、これをいかに具体的に進めるかということなのですけれども、地域医療構想のワーキングで5つの病院に具体的に話を聞きました。結果的にはまず即応病床。平時から拡大時に即応病床の問題。そして、人材の問題。人材は結局、ほかの病棟を潰してそこに人材を集中させたということ。あと、コロナを受け入れる病院、コロナ以外の一般の救急を完全に請け負う病院というような、そういう点を平時から話し合っておくというのが非常に重要だということでした。
それと、あと1つ、拡大期になったときに今、問題になっているのは多分高齢者の施設だろうと思います。高齢者の施設に関してはクラスターで30名、40名、さらにはもっと多くのクラスターが発生しているところがありますから、先ほど今村構成員もおっしゃっていましたように、やはりこれは災害とどういうようにオーバーラップしてDMATを派遣するのか、そこら辺、具体的なものも必要かなと思います。これで平時からの取組に関してはいいと思うのですけれども、拡大期のときに災害とある意味では共同し相互に協力できるような形のものが書き込めたらいいのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
事務局に確認ですが、ここでの考え方というのがまとめられているわけですけれども、これは様々な御意見がありますが、中には考え方としてまとめるレベルなのか、いろいろなところがあるのですが、その考え方の位置づけ、これは報告書と同類のものという理解でよろしいのでしょうか。どういう位置づけでしょうか。
○小川課長補佐 ありがとうございます。基本的には報告書と同じような位置づけということで考えております。
○遠藤座長 そうすると、いろいろと御意見あるものについては、反映できるものについては積極的に反映していくという理解でよろしいわけですか。
○小川課長補佐 はい。
○遠藤座長 そのような対応ですので、今、織田構成員からいただいた御意見等も対応できるものについては対応させていただければと思います。
○織田構成員 あと1つよろしいですか。
○遠藤座長 どうぞ。
○織田構成員 それと今、問題になっているのは、やはり国民への情報がいろいろ錯綜していて、医療機関や医療従事者が風評被害に遭っているというのが大きな問題だと思います。ですから、国民へどういうように情報を伝達していくかということはある程度考えておいたほうがいいのではないかなというように思います。
○遠藤座長 重要な御指摘だと思います。ありがとうございます。
それでは、今村知明構成員、お願いします。
○今村(知)構成員 今回の考え方、全体としては今までの議論を踏まえてしてもらっているのでこれの方向でいいと思うのですけれども、4ページ目の【平時からの取組】のところで私からも重症病床について取組が重要だということを言わせていただいて、こういう形で、特に最初の●の形で書いてもらっているのですが、大分表現に苦しさがにじみ出ているようなところがあって、私、スペースとしての確保というのは非常に重要だと思うのですが、例えばICUを確保しようと思うと空調がしっかりしていなければICUとしては機能しないわけですね。
特に空気感染の場合は、普通、ICUは陽圧管理ですから、空気を外に出すのです。だから、空気感染の場合だと今のICUはそのまま使えないのですよ。だから、丸ごと陰圧にできるようなICUがなかったら空気感染とかの場合はなかなか今のICUを今のコロナのような場合、同じように使うことは難しいのです。ですから、スペースとしての確保は重要なのですけれども、スペースに見合うだけの施設整備がある程度必要になってくると思いますので、いずれにしろ、今後整備していくときに、特に私はエアコン、空調が施設整備では問題になると思います。
ICUのエアコンは普通の階高の建物に収めることができないのです。ですから、もう少し1メートルか2メートルぐらい高い建物でないと入らないので、普通のICUを普通の病棟につくるというのはなかなか難しい。初めからICUの空調というのは陽圧管理になるようにできていますから、初めから陰圧管理できるようにしておかないとなかなか難しいということがあって、スペースの確保、非常に重要で、それを書いてもらっているのは大きな進歩なのですけれども、今後の課題としては、そのスペースで重症患者さんを診られるようにするための施設整備という面も今後、イメージとして書いてもらっていますが、実際にしていくときにはそこは一番お金も手間もかかる部分になっていくと思うので、その辺のところはぜひ御検討をいただきたいというように思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかにいかがでございましょうか。
櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
報告書という位置づけということでお話をさせていただきたいのですけれども、4ページのところの記載項目で、平時から感染拡大に対応可能な医療機関、病床の確保ということが書かれています。今回も感染が拡大する移行するような時期に厚生労働省のほうから都道府県に例えば人工透析の患者さんであるとか、あるいは妊産婦さんであるとか、精神障害を持っておられる方、これらの病床を確保するための話合いをするようにというようなお話があったようですけれども、なかなか現場ではそのことが進んでいません。拡大したときに、やはり特に私が承知をしているのは、精神障害をお持ちの方のいわゆる感染症の専門機関への転院、これはなかなか進んでいない。
クラスターが起こった場合には、なかなか精神科の病院で対応するしかないというようなことは我々も承知をしているのですけれども、例えば精神科救急の外来段階でそういう疑いの患者さんが来たときに非常に困ってしまう。そもそも対応できるような病床であるとか医療機関というのが十分に備わっていないというようなことがありますので、平時からの取組ということでそういったことも十分に留意して検討していただければというように考えています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、オンラインで尾形構成員、お願いいたします。
○尾形構成員 ありがとうございます。
実は先ほど確認したいと思ったのですが、座長のほうからこの資料2-1の文書の性格についての確認がされて報告書だという理解でよろしいということだったと思います。その上で申し上げたいと思うのですが、そうだとすると、これは「はじめに」になるのか、あるいは「おわりに」を設けるのか分かりませんけれども、この考え方を踏まえて厚生労働省として必要な措置を検討されたいといったような文言がどこかに必要なのではないかというように思います。これは意見として申し上げておきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思います。
ほかにございますか。よろしゅうございますか。
事務局にお尋ねさせていただきますが、この考え方についての議論は、基本的に本日が最後ということでしょうか。それとも、修文したものをもう一度議論するというような時間的余裕があるのかどうか、その辺のスケジュールを教えてください。
○小川課長補佐 少なくとも6ページのところにございます4ポツのところで地域医療構想の関係につきましては、現時点でペンディングという形になっております。なので、今日の御指摘を踏まえて修正したもの、さらにこのワーキンググループの議論を踏まえて追記したもので、いずれかのタイミングで御議論いただくということかと思います。
○遠藤座長 分かりました。
ということでありますので、まだ御意見をいただくチャンスはあるということであります。
それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村(知)構成員 今後のことということでぜひお聞きしたいのですけれども、第8次医療計画に向けて。
○遠藤座長 もう少し近づけたほうがよろしいかもしれません。オンラインの方が聞こえない。
○今村(知)構成員 第8次医療計画に向けてこの計画をつくっていくことになると、5疾病・5事業の事業のほうに1つ立ち上がるわけですけれども、結局、今、櫻木構成員から御指摘のあったように精神科についてどうしますかというような部分も各医療計画のほうに反映させていく部分があって、各医療計画のほうにコロナをどう反映させるかということと事業としてのコロナとしての部分のすみ分けということをやっていかなければいけないと思うのです。
ですから、事業として立ち上げるのはいいけれども、ほかにコロナを入れないということになると、この事業はほかの事業と疾病の集合体になってしまうので、そういうようには多分できないと思うのです。だから、多分全部に入れる部分と事業として固める部分というのにちゃんと分けて議論をしていく必要があるので、今後の議論として組み立てるときにはぜひそれは御留意をいただきたいというように思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかによろしゅうございますか。ありがとうございました。非常に活発な御発言をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、事務局におかれましては、ただいまいろいろと御指摘をいただいていますので、それに基づいて修文等の措置をお願いしたいと思います。また、このペンディングになっております地域医療構想に関するところ、これはワーキンググループのほうでいろいろと御議論されているわけですので、これも議論の集約を図るような方向でぜひ進めていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日用意した議題は以上でございますけれども、特段何かございますか。ないようであれば、本日の会議、これにて終了したいと思います。どうも積極的な御発言、ありがとうございました。
また次の検討会につきましては、詳細が決まり次第、事務局から連絡をさせていただきます。どうもありがとうございました。
 

(了)
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