ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医療計画の見直し等に関する検討会> 第22回医療計画の見直し等に関する検討会 議事録

 
 

2020年10月30日 第22回医療計画の見直し等に関する検討会

医政局

○日時

令和2年10月30日(金) 13:00~15:00

 

○場所

一般財団法人主婦会館 プラザエフ 9階 スズラン
東京都千代田区六番町15
 

○議事

 

○渡邊課長補佐 ただいまから、第22回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、出席くださいまして、誠にありがとうございます。本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
 まず初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。
 御発言の際には、手を挙げるボタンをクリックして、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、発言をするようお願いいたします。また、発言終了後は、再度マイクをミュートにするようお願いいたします。また、座長から議題などに賛成かどうか、異議がないかを確認することがあった際、賛成の場合には、反応ボタンをクリックした上で賛成ボタンをクリックするか、またはカメラに向かってうなずいていただくことで、異議なしの旨を確認させていただきます。
 本日は今村知明構成員、田中滋座長代理が御欠席、今村聡専門構成員の、野原勝構成員は遅れての御出席と御連絡をいただいております。
 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 上から議事次第。
 座席表。
 開催要綱。
 構成員名簿。
 資料1。
 資料2。
 資料3となっております。
 資料の不足等ありましたら、事務局へお申し出をお願いします。
 報道の方で冒頭カメラ撮り等をしておられる方がいらっしゃいましたら、ここまででお願いいたします。

(カメラ撮り終了)

○渡邊課長補佐 それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 皆さん、こんにちは。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 本日の進め方でございますが、まず、議題1であります外来機能の明確化・連携・かかりつけ医機能の強化等につきまして御議論いただいて、その後、事務局から地域医療構想、医療計画関係の報告というものがあるそうですので、報告を受けたいと思います。
 それでは、早速、議題1「外来機能の明確化・連携・かかりつけ医機能の強化等について」を行いたいと思います。
 実はこの議題につきましては、本年2月から3月にかけまして、本検討会でも3回にわたって御議論いただいたわけでありますが、その後、新型コロナウイルス感染症の拡大もありまして議論が中断しておりました。今回から新型コロナウイルスの感染症を踏まえた外来医療の課題等も踏まえながら検討を再開したいと考えております。
 それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○高宮企画官 医政局総務課の企画官でございます。
 私のほうから資料1、資料2を説明させていただきます。
 まず、資料1ですが、こちらのほうが課題と論点を整理したものになります。資料2のほうがデータを集めたものです。3月の検討会で、データに関して様々な御意見をいただいていましたので、その意見を踏まえたデータの修正、それから、追加的な分析を行っています。
 それでは、資料1を御用意ください。「外来機能の明確化・連携・かかりつけ医機能の強化等について」でございます。
 1枚めくっていただいて、新型コロナを踏まえた外来医療の課題について、まず整理をしています。
 まず、3ページ、8月の医療部会に新型コロナの地域医療への影響例と課題について、資料出して議論いただいています。
 1つ目の○のとおり、新型コロナに対する対応を最重要の課題として、全力を注ぐことが重要であるということ。
 2つ目の○、私が国の人口減少と高齢化は引き続き進行する。感染症対策も踏まえ、効果的・効率的な医療提供体制を構築するための取組。この中には医療計画、それから、かかりつけ医機能の普及等の取組は着実に進めるべきではないかということ。
 3つ目の○ですが、様々な課題に対応できる柔軟性ある医療提供体制、外来については、かかりつけ医機能の強化、それから、外来機能の分化・連携、構築を目指すべきではないかということでございます。
 資料の5ページをお開きください。
 日本医師会のほうで、本年の7月に行った「第7回 日本の医療に関する意識調査」の資料でございます。
 コロナの影響で医療機関の受診が不安と回答した方が、約7割に上ったというものです。
 続いて、6ページ、これも同じ意識調査ですが、本年4月から5月で受診の必要があった方のうち、対面での受診を控えた方の割合が約15%おられたということでございます。
 それを、7ページ以降、レセプトの件数で見た資料を集めています。
 レセプト件数の前年比で見ると、4月以降、医科、歯科、調剤、いずれにおいても減少が見られると。ただ、6月には下げ幅がある程度の回復が見られています。
 次の8ページ、以下のうちの入院と外来別になります。
 入院、外来ともに減少している。外来の減少幅のほうが大きい。双方とも6月には下げ幅がある程度回復が見られています。
 次の10ページ、医科診療所の診療科別になります。
 診療科別に見ますと、4月、5月はいずれの診療科も減少している。小児科、耳鼻咽喉科の減少が顕著。6月にはある程度の回復が見られましたが、診療科ごとにばらつきがある状況でございます。
 12ページをお開きください。新型コロナ踏まえた外来医療に関して、指摘などをまとめたものでございます。
 本年の4月の当時、新型コロナ感染症対策専門家会議のほうの分析・提言です。この当時は、帰国者接触者外来を中心に体制を整備するということで進めていたところですが、帰国者接触者外来の体制が十分確保されていないという御指摘。
 5月、本会議における総理の答弁ですけれども、感染症に適切に対応するためにも、かかりつけ医を持つことが重要だというようなことを答弁されています。
 一番下、8月のコロナ対策の本部の決定、今後の取組ですが、これを見ますと、インフルエンザ流行期に備えて、発熱患者が、かかりつけ医等の地域で身近な医療機関等に相談・受診し、必要に応じて検査を受けられる体制を整備するというようなこととしています。
 13ページから、9月10日の感染症部会の資料を集めています。
 インフルエンザの流行を見据えて、発熱患者などについて、地域で身近な医療機関において相談・診療検査を行う体制を構築していこうという、その体制を図式化したものでございます。それが13、14、15ページと続いています。
 17ページで、そのような発熱患者の診療・検査を行う医療機関において、検査に必要なPPE、必要な個人防護具を無償で配付しようという取組を進めております。
 次の18ページからは、今度は一次補正、二次補正、それから、予備費において、医療機関などへの支援を講じてきている資料になります。
 一次補正、二次補正、医療機関支援、1.78兆円に加えて、インフルエンザ流行期に備えた医療提供体制確保のために予備費を活用した支援を行っています。
 一番右側の真ん中ぐらい、③のところにインフルエンザ流行期の備えとして、発熱外来診療体制の確保支援というようなものを、今、行っているところでございます。
 その体制整備支援の資料が、19ページと20ページにあります。
 次の21ページと22ページ、こちらが新型コロナウイルス感染症を踏まえた外来医療の課題を2枚でまとめたものになります。
 まず、21ページの1つ目の○、新型コロナへの対応を最重要の課題として取り組むことが必要であると。
 2つ目の○で、インフルエンザ流行を見据えて、多くの医療機関で発熱患者などの診療・検査を行う体制の整備にまず取り組むと。さらに、地域の医療提供は複数の医療機関が連携して面で対応していますので、医療機関全体として感染防止措置を講じながら、必要な診療を継続、地域の医療提供体制を維持していく必要があるということです。
 3つ目の○で、患者の受診控えとありますので、国民の健康への影響などを注視しながら、国民に必要な受診を行うなどの呼びかけが必要ではないかということ。
 4つ目の○、新型コロナの対応を行う中で、医療機関などからの円滑な報告の重要性が指摘されております。新しいシステムの導入をしていますけれども、システムの改善を図りつつ、データに基づく体制を進めていくことが必要ではないかということ。
 一番下の四角に書いていますが、新型コロナに対応する外来医療体制、具体的な体制の在り方については、関係審議会、感染症部会において議論をいただくというような整理をしてはどうかと考えています。
 続いて、22ページ、コロナを踏まえた外来医療の課題の2枚目になります。
 1つ目の○で、新型コロナによる影響、短期的なものか継続的なものか注視する必要がありますが、中長期的には人口減少や高齢化など「担い手の減少」と「需要の変化」という課題に直面をしていると。また、これまで入院で提供された医療が外来でも提供されるようになっていって、外来医療の高度化も進展をしています。
 2段落目で、コロナの対応の中でも、地域の医療機関が役割分担・連携をして、必要な医療を面として提供することの必要性が改めて明らかになったところです。地域で限られた医療資源をより効果的・効率的に活用していくため、外来機能の明確化・連携を進めていくということが課題ではないか。
 2つ目の○、高齢化の進展によって、複数の慢性疾患を抱える高齢者が増加しますので、予防、生活全般に対する視点を含めた、継続的・診療科横断的に患者を診る、必要に応じてほかの医療機関に紹介するなどのかかりつけ医機能の強化をしていくことが課題になっているのではないか。
 その次の段落ですが、患者の視点から見れば、医療機関の指定に当たり、外来の十分な情報が得られる状況にあるとは言えない。また、患者に、いわゆる大病院志向がある中で、再診患者の逆紹介が十分進んでいないことなどによって、一定の医療機関に外来患者が多くなり、勤務医の外来負担、待ち時間の長さなどの課題が生じているのではないか。
 3つ目の○、外来について、これまでデータも含めて議論の蓄積は少ない。外来医療に関するデータを収集する仕組みを構築するとともに、今後、議論を深めていくことにより、外来機能全体を明らかにしていく必要があるのではないかということです。
 一番下の四角でまとめています。新型コロナ感染症の影響にも留意しながら、外来機能の明確化・連携・かかりつけ医機能の強化などについて検討を行う必要があるのではないかということで、こちらの2枚の課題について議論いただきたいと考えています。
 次の23ページ以降、外来機能の明確化・連携などの個別の論点のほうに移っていきます。
 24ページ「医療資源を重点的に活用する外来」で、御議論いただきたい論点の①になります。
 1つ目の○で、人口減少や高齢化などにより「担い手の減少」と「需要の変化」が進む。外来医療の高度化なども進んでいく中で、入院医療とともに外来医療についても議論を進めていくことが必要ではないか。
 その際、まずは「医療資源を重点的に活用する外来」に着目をして、外来機能の明確化・連携を図るとともに、かかりつけ医機能の強化を併せて議論することが、外来医療全体の在り方の議論を進めていくために必要な第一歩ではないかということ。
 2つ目の○「医療資源を重点的に活用する外来」として、基本的に次のようなものが考えられるのではないかということですが、具体的な内容は、今後さらに専門的に検討を進める場において検討することとしてはどうかと。
 下に3つポツがありますけれども、後ほど資料2のほうでこれは説明をいたします。
 その下に、ちょっと小さい字で、3月18日、前回外来の議論した検討会における主な意見と、それへの対応を参考までに書いております。
 次に26ページ、議論いただきたい論点の②「外来機能報告」です。
 1つ目の○、地域において外来機能の明確化・連携を進めていくに当たって、データに基づく議論を進めるために、病床機能報告を参考に、各医療機関から都道府県に外来の機能の報告を行うこととしてはどうか。
 2つ目の○ですが、制度趣旨や負担などの観点から、外来機能報告を行う対象となる医療機関の範囲についてどのように考えるか、御議論いただきたいと思います。
 次が27ページで、議論いただきたい論点の③「地域における協議の仕組み」です。
 1つ目の○で、都道府県の外来医療計画において、外来に関する機能の明確化・連携を位置づけるということ。それから、地域における協議の場において、外来機能報告を踏まえて必要な調整を行うこととしてはどうか。
 2つ目の○で、協議を進めやすくする観点、国民・患者の分かりやすさの観点から「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関を明確化する仕組みを設けると。その方法として、外来機能報告の中で報告することとしてはどうかということ。
 3つ目の○、その基幹的に担う医療機関の報告に当たっては、国の示す基準を参考にして、地域の協議の場で確認することによって、地域の実情を踏まえることができる柔軟な仕組みにしてはどうかということです。
 3月の検討会で、この点に関して、地域によっては1つの医療機関で一般的な外来や重点的な外来を行うこととせざるを得ないような地域、医療機関が少ないところではそういうところもあるのだというような御意見、地域性が反映できるようにする必要があるだろうというような御意見を多くいただきました。なので、今回、この国の示す基準を参考にして、医療機関の手挙げによって地域の協議の場で確認するということで、地域性を反映できるような仕組みとしてはどうかということでございます。
 4つ目の○です。都道府県知事の権限について、外来機能の明確化・連携に関してはどのように考えるかということについて御議論いただきたいと思います。
 次に28ページ、参考までの、この主な意見への対応なのですが、3つのポツの後の1つ目の矢印に「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関を明確化することで、こういうことが期待できるのではないかというものを整理しています。
 地域の医療関係者において、紹介患者への外来を基本として、状態が落ち着いたら、逆紹介による、地域に戻す役割となる医療機関についての認識の共有が図られるのではないかということ。
 それから、患者において、どの医療機関が紹介を受けて受診し、逆紹介で地域に戻ることになるのか分かりやすくなる。あと、自治体、保険者においても周知・説明がしやすくなるということで、地域における患者の流れがより円滑になり、勤務医の外来負担軽減、働き方改革、待ち時間短縮に資するのではないかということでございます。
 29ページ以降は、かかりつけ医機能の強化、多職種の役割、国民の理解の推進についての資料をまとめています。
 30ページ、日本医師会の本年7月に行った医療に関する意識調査の中で、かかりつけ医の有無について聞いています。
 かかりつけ医がいる人が全体の55%で、高齢者ほど高い割合で、これは従来から大きな変化は見られなかった。しかし、かかりつけ医がいないが、いるとよいと思う人の割合が18.1%で、前回の調査よりも増加をしているということです。
 次の31ページで、その世代別に見たもので、特に若い世代、20代、30代などで、いるとよいと思う人の割合の増加が見られるということでございます。
 32ページ、かかりつけ医がいない理由です。
 かかりつけ医がいない理由は、あまり病気にならないので必要ないなどが一番高い理由になっていますけれども、一定の割合で、どのような医師が適しているのか分からない、あるいは、かかりつけ医を選ぶための情報が不足しているなど、情報不足というものが理由になっているというのが示されています。
 次は34ページ、こちらは令和3年度の概算要求で、今、財政当局に予算要求をしているものになります。
 かかりつけ医機能の強化、活用に係る調査・普及事業というものを要求しています。かかりつけ医に関する好事例の収集、横展開などを取り組むための予算を、今、要求をしているところでございます。
 続いて、35ページ、医療機能情報提供制度について、全国統一システムの構築に向けた整理を、「医療情報の提供内容のあり方検討会」のほうで、今、検討している資料になります。
 36ページが、上手な医療のかかり方に関して、令和2年度については、コロナの影響がありますので、受診控えを踏まえて、医療機関での感染防止の取組の周知とか、必要な受診や健診・予防接種を呼びかける、そのような広報に取り組んでいこうというところでございます。
 その関係の資料が続いて、39ページからがかかりつけ医機能の強化などについて、論点のペーパーになります。
 3つ目の○、外来機能の明確化・連携を進めていくに当たっては、紹介患者への外来を基本とする医療機関の明確化とともに、かかりつけ医機能を強化することで患者の流れをより円滑にしていく必要というので、以下の方策が考えられるのではないかというので、3つ、①、②、③を挙げています。
 ①が、かかりつけ医機能について、日本医師会・四病協合同提言、あと、実践事例などを踏まえて、どのような役割を担うことが求められているかの整理が求められているのではないかと。このために、かかりつけ医機能を発揮している事例の調査研究。先ほど、今、予算要求をしている事業において、調査研究、好事例の横展開を図るというものでございます。
 次の段落、これは3月の検討会で、精神科において患者が救急受診したときに、精神科のクリニックの主治医の先生と連絡が取れずに困ることがあるというような御意見をいただきました。これについて、外来医療計画の協議の場で検討することを、ガイドラインにおいて促してはどうかというものでございます。
 ②、今度は医療関係団体によるかかりつけ医機能の強化のための研修、あるいは養成プログラムなどを、今行っていているところでございます。これの情報収集を行い、研修の内容やその実践事例、かかりつけ医機能を発揮している実践事例を国民に周知することによって、国民の理解を深めるという取組を行ってはどうかというものでございます。
 ③は、医療機能情報提供制度について、統一的で分かりやすい検索システムの検討というものに取り組んでいくというものです。
 続いて、40ページ、多職種の役割についてです。
 3月の検討会議で委員の先生に報告をいただいた内容をまとめてものになります。地域や医療機関、薬局等で多職種が連携をして、それぞれの専門性を発揮して、チームとして役割を果たしていると。以下のような役割・連携が重要であり、これらを推進していく必要があるのではないかということです。歯科、薬剤師、看護師、それぞれについてこういう取組を行っている、こういうことを推進していこうというのを整理しています。
 続いて、41ページ、国民の理解の推進についてです。
 3つ目の○で、外来機能の明確化・連携を進めていくに当たっては、国民・患者においても外来の医療のかかり方に関する理解を含めることが重要であると。以下の取組を行っていくことが考えられるのではないかということで、①と②です。
 ①が、国において上手な外来医療のかかり方のポイント、かかりつけ医を持つことのメリットなどを整理して、関係機関などが周知・啓発に活用できるツールの作成、それから、どうやって周知・啓発をやっていけばいいのかという好事例を示すなどの取組を行うということです。
 ②は、前のほうで書いていた医療資源重点活用外来、基幹的に担う医療機関を明確化する仕組みで、患者に分かりやすくというものでございます。
 最後、検討の進め方が43ページになります。
 これまで1月の医療部会から、2月、3月の検討会、まず、3月に医療部会の報告を行ってきました。今回、本日から議論を再開して、11月にまた医療部会のほうに検討状況の報告。検討会においても、論点についてさらに整理をして、12月に一定の議論の集約というものに向けて検討を行ってはどうかということでございます。
 続きまして、資料2、データ集になります。
 資料2の4ページをお開きください。前回までに示していたデータについて、若干の修正を行っているというのが最初になります。
 4ページで、まず、修正をした点、一番上の四角の中の2行目に、精神科病床のみの精神科病院を除いた分析と修正をしています。
 それから、下のほうの点線の中の一番下「特定の領域に特化した知見を有する医師・医療人材を必要とする外来」について、2つの矢印がありますけれども、こちらの指導料、管理料の算定のところを落とした上で今回は分析をやっております。
 3月の検討会のときに、この2つの指導料、管理料などについて、医師の専門性の観点からなかなか切り分けは難しいというような御意見がありましたので、今回はこれを落として分析をするように修正をしています。いずれにしましても、この「医療資源を重点的に活用する外来」の具体的な項目、内容については、引き続き専門的な見地から別途検討していくというようなこととしたいと考えています。
 5ページ以降で、修正を反映したデータですけれども、3月までの分析と大きな傾向は変わらない結果になっています。5ページの外来に占める医療資源重点外来の割合も、病床の規模が大きくなれば大きくなるということ。
 それから7ページ、地域医療支援病院における外来に占める「医療資源を重点的に活用する外来」の割合の分布を見ると、30%から35%のところに山が来るということ。
 8ページ以降、外来に占める「医療資源を重点的に活用する外来」の割合が25%以上とか、9ページになると、30%以上、35%以上、それぞれの医療機関の分布について、この割合が大きくなれば、該当する医療機関の数というのは減っていくということになっています。
 12ページ、追加的な分析の1つ目で、3月の検討会で初診と再診を分けて分析をしたほうがいいのではないかという御意見をいただきました。
 13ページ、まずは、初診の外来に占める「医療資源を重点的に活用する外来」の割合になります。
 外来全部で併せて見るよりも、病床の規模が大きくなることによって、医療資源重点活用外来の割合が大きくなるという傾向がより顕著になるとなっています。
 他方、14ページ、最新のほうで見ると、傾向としては病床数が大きくなれば「医療資源を重点的に活用する外来」の割合も大きくはなるのですが、初診ほど顕著ではないということです。
 地域医療支援病院とか特定機能病院でも26%ということで、再診で、まだ地域の医療機関に戻っていかない患者というのが一定数いるのではないかと思われます。
 15ページが、地域医療支援病院における初診の外来に占める医療資源重点外来の割合の分布で、55%のところにピークが来ています。
 16ページはそれを再診で見たもので、25%から30%にピークが来ています。
 18ページからは、初診と再診、それぞれで「医療資源を重点的に活用する外来」の割合が何%以上である医療機関の分布をそれぞれ出しているものを、資料をずらっとつけています。
 次に29ページ、これも3月の検討会で、診察及び処方のみの外来についても分析をしたほうがいいのではないかというものです。30ページに、特定機能病院で外来診療料、それから調剤料などだけ、診察と薬のところしか算定していないというような外来がどれぐらいあるかというようなものを分析しています。
 そうすると、特定機能病院のうち43%の病院が、外来診療料、処方箋料のみを算定している外来が12%、15%ぐらいになっています。それ以上の割合の特定機能病院というのも右側のほうにあるということです。
 地域医療支援病院になると、同じようにピークは12.5から15%なのですが、右側に、それ以上というような病院もあるというのがまた出てきます。
 次が32ページ、これは3月の検討会で、眼科と耳鼻咽喉科については、ほかの診療所と外来中心にしているという点で異なるのではないかと。眼科と耳鼻咽喉科と考えられる外来を除いた分析をしてはどうかという御意見いただきました。これをやって、分析を追加で行っています。
 34ページで、眼科、耳鼻科と考えられる外来を除いたものと除いていないものを並べていますが、傾向としては変わらないというような結果になっています。
 最後、38ページ、追加の分析で、地域医療構想調整会議で外来機能含めた議論がどれくらい行われているかというのを都道府県に確認をしました。ですけれども、外来機能を含めた議論について、行われていないというものが全体の9割というので、まだ、外来について十分な議論が行われていないという状況になっています。
 資料の説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、早速、御議論いただきたいと思うのですけれども、非常に多岐にわたる内容でありますので、議論は少し分けてやっていきたいと思います。
 3つぐらいに分けたいと思います。
 1つ目が、1の新型コロナウイルス感染症を踏まえた外来医療の課題という、新型コロナの影響に対する総論的なところであります。それについて御議論いただいて、続きまして2でございますけれども、ページ数で言うならば23ページから28ページになります。外来機能の明確化、連携ということでありますけれども、ここのところはある意味非常に重要でございまして、事務局も論点を幾つも出しております。したがいまして、ここのところ、2番目にありますが、少し時間をかけて丁寧な議論をさせていただきたいと思います。最後は残りというところで、この3つに分けて御議論いただければと思います。
 それでは早速、最初の新型コロナウイルス感染症を踏まえた外来医療の課題というところです。ページ数で言えば22ページまでですけれども、それについて御意見等をいただければと思います。いかがでございましょうか。
 では、山口構成員、お待たせしました。
○山口構成員 ありがとうございます。
 13ページのところから、発熱症状のある患者に対しての受診の流れが変更になるということが書いてあるのですけれども、いつから変更になるのかという具体的な日程がどこにも書いていなくて、まだ決まっていないのか、もう既に決まっているのだとしたら、いつからになるのかお聞かせください。
 といいますのも、これについては、やはり国民への説明といいますか、周知をするのに一定の時間が必要ではないかなと思います。ですので、そのあたりのところで、もし決まっているのであれば教えていただきたいということと、そういったことを国民に対して説明をするときに、21ページのところに書いてある受診控え対して必要な症状は受診しましょうとか、それから、健診とか予防接種を呼びかけるということも同時にやっていかないといけないのではないかなと思いますので、もし、今、分かっていることがあれば教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、事務局、コメントをお願いいたします。
○熊木総務課長 医政局総務課長でございます。 
 今の御指摘ありました発熱の外来につきましては、まず、国から都道府県にお願いをしてございまして、県ごとに体制の構築をしていただきたいということでございます。そして、10月中に一定の体制を整えていただきたいと。それをまた報告いただきたいということでございます。
 それぞれの都道府県、地域で相談をしていただいておりまして、実際に数多くの診療所が、この発熱の外来を担うという体制をつくっていかなければなりませんので、それらについて各都道府県において御検討いただいています。現在のところ、一定程度その回答が少しずつ集まってきているというところでございますが、10月中ということなので、今日がそういう意味では締め切りということでございまして、その状況は確認をしていきたいと思います。
 受診の呼びかけにつきまして、やはり同時に、並行してといいますか、しっかりと呼びかけていくことが重要だろうと思います。これは資料には少し掲載をさせていただいておりますけれども、まずは国においてもTVCMや政府広報といったようなこととか、あるいはイベントの開催といったことを通じて行うとともに、自治体にもそういったことをお願いしているという状況でございます。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 山口構成員、よろしゅうございますか。
○山口構成員 はい。どうもありがとうございます。
 地域によって、そのあたりはかなり違いがあるということなので、地域に合わせた実情ということをお伝えいただけるのだと思います。
 受診も戻ってきているということが、先ほどの御説明の中にあったのですけれども、やはり、まだまだ正しい情報というのが行きわたっていないこともありますので、どんな対策を医療機関が取っていらっしゃるかということも併せて、国民が安心して受診できるように、ぜひ呼びかけていただきたいと思います。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、佐藤構成員、お待たせしました。
○佐藤構成員 ありがとうございます。
 前回の第21回の検討会においても、新型コロナウイルスの影響というのは、疾病・事業、在宅医療、それぞれの場で少し違うのではないかという発言をさせていただきました。
 今回も、いわゆる専門委員会のほうから幾つかの意見が出た上で、21ページ、22ページにまとまった形で出てきたのですが、例えば、引き続き関係審議会における検討等がございますが、具体的に審議会がどのような役割を持つのかということも、もう少し明確にしてもいいのかなと思った点が1点。
 それから、もう一点、今の山口構成員と少し重なりますが、今はちょうど都道府県では、地域の医療計画の見直しが進んでいる過程にあります。例えば、ピーク時の問題であれば、流行シナリオも出されたような具体的な指針等が示されていって、地域違いをどう示すかということが出されていますが、今後、この問題について、そのような地域における指針の出し方というものが検討があるのかどうか、この2点についてお伺いしたいと思います。
○遠藤座長 では、事務局、答えられる範囲でコメントお願いします。
○熊木総務課長 
お答えが完全にできるかどうか分かりませんけれども、まず、関係審議会においてということでございます。この21ページ、22ページに書きましたのは、全体的に言いますと、外来機能についての議論がこれまで少し中断をしてございました。そして、その間に新型コロナウイルス感染症が発生したということで、それを踏まえて、この外来機能について改めてどう考えるかというときのキックオフのためのまとめのシートでございます。
 結論的に言いますと、外来についても、コロナの影響が非常にあったということで、他方で、その議論については、基本的には正にコロナという感染症の影響、ここに書いてあるように、具体的に言うと個人防護具の話、帰国者接触者外来の話、あるいは発熱患者の検査を担う医療機関の話、そして、インフルエンザをどう考えるかということでございますので、そういう意味においては、感染症対策を主につかさどる感染症部会等において、しっかりとした議論をしていただくということが重要なのではないかと考えてございます。
 その上で外来機能についてということで言えば、22ページになりまして、人口構成の変化とかニーズの変化というものが中長期的にありますので、この課題についてしっかりと対応していくことが重要ではないかということで考えているものでございます。
 また、医療計画に関する指針についてはさまざまな検討が必要かもしれませんが、流行シナリオについては、今の時点で何か新しいものを出すという検討をしているものではございませんが、こうしたものはいろいろな状況の変化に応じて日々考えていくことだと思いますので、現時点においてしないということであり、今後のことを否定して申し上げるというものではございません。今後の課題だろうと考えます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 佐藤構成員、よろしゅうございますか。
○佐藤構成員 はい。ありがとうございます。
○遠藤座長 ほかによろしゅうございますか。
 では、加納構成員、お願いいたします。
○加納構成員 ありがとうございます。 
 21ページでしょうか、新型コロナウイルス感染症の、今、話が出た外来医療の課題の2つ目の○についてです。多くの医療機関で発熱患者さんの診療・検査を行う体制に取り組みました。前回も言わせていただいた通り、やはり地域の医療を守ったのは、医療機関全体として感染防止を講じながらしっかりと外来を継続しましたが、いわゆる新型コロナ関連の患者さんは、救急患者さんで言えば1割弱だったわけです。残りの約9割の一般急性期患者さんを地域医療を守るという意味で、新型コロナを受けなかった病院がしっかりと受入れをしたことで医療崩壊しなかったということが一つあるかと思います。
 このことにおいて、実は医療現場で、今回の新型コロナに関して非常に役立ったのがCT検査だったかなと思うのです。これは高額医療機器の問題なので、また次の議題にも関連するのだと思うのですけれども、この状況でPCR検査ができなかったり、また、検査キットは今でこそ普及してきていますが、それがなかった中で、これは本当に有用だったかなと思っております。こういった意味での評価の検証というものをぜひともしていただきたいかと思っておりますが、どうでしょうか。○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○熊木総務課長 
 新型コロナウイルス感染症の影響や医療機関への影響、そしてそれの対応、それらは、さらに今後ともきちんとした総括的な議論させていただいて考えていくということが重要だろうと思います。それは、この検討会の場なのか感染症部会などか、いろいろな局面があろうかと思います。
 先生がおっしゃいましたCT検査が非常に役に立ったということにつきましては、例えば本年5月4日の専門家会議の中で、検査数が非常に小さい中でCT検査機器等が日本にはあったので、重症例の見過ごしが非常に少なかったというような総括をいただいているかと記憶をしてございます。それぞれの局面で、今後とも総括的な議論はしていきたいと考えます。
○遠藤座長 荻野構成員はカメラに向かって手を挙げておられますけれども、それは発言の御意思ですね。一応、手を挙げるボタンを押してくださいというのが事務局からあったのですが、御発言の御意思ですね。分かりました。では、荻野構成員、どうぞ。
○荻野構成員 申し訳ございません。ありがとうございます。
 1つ意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 新型コロナを踏まえた外来医療に対してですが、検討の進め方につきましては、御提案のとおりでよろしいかと考えてございます。
 その上で、外来医療におきましては、薬がきちんと患者に提供されて適正に使用されるまでを含めての医療提供でありますので、コロナ禍においても平時においても、薬局を含めた外来医療体制を御検討いただければありがたいと存じておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 それでは取りあえず一通りお話を承ったので、次の議題に移らせていただきます。
 こちらが、多分、本日の主たる議題だと思います。2番目、ページ数で言うなら23ページから28ページになりましょうか。外来機能の明確化・連携。それから資料2についても重要なデータでありますし、説明がありましたので、資料2も含めて御意見、御質問等をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 幸野委員、どうぞ。
○幸野構成員 ありがとうございます。
 24ページの、まず、第1の論点について、意見を申し上げます。
 先ほど説明にもありましたが、地域医療構想会議の中で、外来医療が全く議論されていないというのが4割ほどあったというような説明がございましたが、まず、この地域において、外来機能の明確化・連携を議論するための仕組みがないということが大きな課題だと捉えています。
 入院医療のほうは、地域医療構想調整会議がコロナでちょっと停滞しているのですが、議論は進んでおり、結果も出ているところもあると聞いております。でも、実は入院医療は、多くの地域で10年後にピークを迎えるのですが、外来医療のほうはもう既にピークを迎えているところが多くの医療圏の中で発生しているということを考えると、やはり入院医療と同じというか、入院医療以上にこの外来医療についても、地域の中で議論していく必要あるのではないかと思います。
 今後も少子高齢化は加速するのですが、この中長期的な構造的な課題でもあって、地域の病院だけでなくて診療所の存続自体にも関わる大きな問題でありますので、入院医療と同様に外来医療についても地域ごとの対応を検討する必要があると思います。
 本来であれば議論の仕方としては、かかりつけ医機能を含めた外来医療全体の在り方を議論していくということが重要だと思うのですが、かかりつけ医機能については様々な考え方もあって、国民のイメージもまだ様々であるということで、議論には時間とデータの蓄積が必要だと思います。
 まずは、24ページに書いてありますように「医療資源を重点的に活用する外来」に着目して取り組むことについては、これまでの外来のデータ分析や議論があまり行われてこなかった中で、医療資源投入量が大きく、先行して取組を行っている入院医療と関連が深いところからまず着手していくということは、一定の合理性があると考えています。
 この24ページの論点1のところにありますように「医療資源を重点的に活用する外来」として3類型が示されているのですが、専門の先生方からすれば、いろいろ、これに関しては御議論もあろうかと思いますが、人口減少待ったなしという状況を踏まえれば、まずはこの大枠を議論することは重要だと思います。具体的な内容については、別途、専門的な観点から御検討いただいて、今後、データや議論の蓄積に応じてよりよいものにしていけばいいのではないかと思います。
 特に論点1についての意見を申し上げました。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、お待たせしました、城守委員、お願いいたします。
○城守構成員 ありがとうございます。
 半年ぶりにこの外来機能の明確化の議論をするということで、ちょっと頭の整理をしているところなのですけれども、今回の外来機能の明確化の目的というのは、外来の機能とは何かとか、外来の本質的な議論をするということではなくて、一定程度の専門性の高い外来というものを見える化をすると。そして、患者さんの受療行動を変容させ、大病院への患者さんの受診の集中を軽減していくということが目的と。そして、その手段として一つ「医療資源を重点的に活用する外来」というものを一つの切り口、区分けにしているという理解で、今日、改めて臨んでおります。
 その中で、何点か意見、そして、要望と若干の御質問をしたいと思います。
 まず、先ほど幸野委員もおっしゃっていたように、外来の医療機能、ないしは外来医療とは何かということを議論するということは、これまでもなかったわけですが、それに関して、今回のこの会議では、この12月、あと1か月ちょっとで一定の取りまとめするということですので、先ほど話したような形で進むことになろうと思いますけれども、その後、同じように、この外来の議論は、この検討会ないしはまたどこかでされるのかどうかということが、1点、御質問としてございます。
 その中において、やはりこの外来機能の明確化という、資料で全て名乗っているタイトルに関しては、正確には外来機能の「一部を」明確化すると記載しないと誤解を招きかねないと思いますので、なかなか変更は難しいでしょうけれども、そういう内容であるということはどこかに明示をしていただきたいと思います。
 その中で、論点1に関してですが、その2つ目の○に「医療資源を重点的に活用する外来」の判断基準として3つの例示というか、でも、一定程度説得性もある例示でございますが、これの内容がどうであるかどうかということに関して、これまで議論を積み重ねてこられたと思います。今後さらに検討を進める場というものを設けて、そこで項目立ても含めて検討するというお話ですが、要するに、この項目立て、内容によっては、対象となる医療機関というものが大きく変わる、ないしは変更を受けるということがございますので、そこは慎重な項目選定をお願いしたいと思います。これは要望でございます。
 26ページ、論点の2番目でございますが、その2つ目の○にございます対象医療機関の範囲ということですが、基本的に国の判断基準というものが決まれば、全ての医療機関に適用するということは当然可能なわけであろうと思います。しかし、そこにも書いてございますが、今回の制度の趣旨が、病院の患者集中を軽減するということであるということが一つ。さらに、判断基準として入院医療と関連する項目が非常に多く、また、地域医療構想と一定の関連を出していくということ。さらには外来機能報告の業務分担の問題等から、やはりこれは病院が対象ということでよろしいかと思っております。
 また、今回の制度設計が、紹介患者さんを基本とする医療資源を重点的に活用する医療機関というものを明示するということになりますから、診療所を対象とした場合は、紹介状がないと受診できないのではないかと誤解を招く可能性もございますし、それによって受診患者の患者行動というものが、目的とするものと真逆になって受診患者の減少等が起こる可能性もあります。医療機関への影響の大きさというものを考えますと、制度設計の詳細が現在不透明な段階におきましては、対象はやはり病院からスタートするべきであろうと思っております。
 そして、論点の3つ目でございます。ここには大変重要な記載が多くございますが、国の示す判断基準だけではなくて、その医療機関の病床数にかかわらず、その地域においては、かかりつけ医機能も持っている、先ほどもお話が出ておりましたが、そういう医療機関もあります。地域によってその実情は様々、その関係も様々でございますので、そういう意味においては、総合的な評価を協議の場で行って、外来医療計画に反映させるということでよいかと考えております。
 そういう意味で、先ほど事務局のほうから御説明がございました、地域において調整ができるということに関しての手挙げ方式ということには、大変私は賛成をしております。
 そして、論点3の一番下の○のところございますが、先ほどから申していますように、その制度設計の詳細が不透明ですので、制度設計のあり方による患者さん受療行動の変わりかたまだ見えないという不確定要素が非常に多いという現状がございますので、都道府県知事の権限の内容というか範囲というものに関して、現在、突っ込んだ記載をするということはまだまだ時期尚早であろうと思います。制度がスタートして、検証を積み重ねていただきながら、今回の問題点を明確にして、その後のことでよろしいかなと思います。
 最後に1点だけ簡単な質問です。資料2のデータを見ても、やはり特定機能病院、そして地域医療支援病院もそうなのですが、特に特定機能病院においては、再診の患者さんにおいて、恐らくこれは普通の外来患者さんなのではないかなというデータが示されているわけですけれども、患者さんの受療行動を変容させるという意味においては、こういう外来機能の明確化とともに、現在の選定療養の適切な運用もしっかりしていただきたいという思うわけですが、その中において、地域医療支援病院と、現在、議論をしている、医療資源を重点的に活用する医療機関というものが非常に近いという類型になっているわけです。これは、今後、また別のワーキング等で、その類型化をされていくのか、それとも、特にそういうことではなくて、紹介型の医療機関であるという程度に収めておこうと思っておられるのか、これは質問ということで、質問は2点です。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、事務局、質問が出されております。いろいろと御質問がありましたので、それ以外のコメントがあれば、また追加していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○熊木総務課長 ありがとうございました。
 医政局総務課長でございます。
 まず、広範な御意見をいただきましたので、きちんとよく咀嚼させていただきまして、また各委員の御意見をさらに賜った上で議論を進めていきたいと思います。
 今、御質問という意味におきましては、今後、検討会等々でどういう点を議論するのかということがあったかと思います。
 もう一度改めまして申し上げますが、今回、12月までに一定の集約をする必要があるだろうということではございますけれども、それはやはり外来機能全般というよりも、その一部ではないかという御議論もございました。
 申し上げたいのは、今回は、患者がどこに行けばいいのかということについて明確化して、より円滑な患者の流れというものをつくるためにどういう仕組みがあり得るだろうかという議論をしているということであり、そのときに、仮称ではございますが「医療資源を重点的に活用する外来」というものに着目し、かつ、それを基幹的に担うような医療機関というものを明確化することで、患者の選択に資する仕組みを考えてはどうかということです。
 その上で、それを進めるためには、データが非常に不足していて、この分野での議論がまだ緒に就いたばかりだということがございますので、データをいただくということで、外来機能報告といったものをつくると。さらに、地域において非常に実情が異なる、状況が異なるということがございますので、自主的な医療機関の取組をちゃんと地域で議論する、そういう協議の場をつくろうと。
 言わば、今、申し上げたようなことが今回の全体の仕組みの議論ではないかと考えた上で、その後、その他の事項、例えば、どういった診療行動を取っている場合に、あるいは具体的にどういう点数を算定しているときに、そういった重点的な外来ということに当たるのかどうかという、細かい、さらに言えば技術論的なことにつきましては、25ページとか、その他、26ページ等にも記述があるかと思いますけれども、今後さらに専門的に検討を進める場において検討していくということを考えてはどうかと思っています。さすがに12月までにそこまで議論するのは難しいのではないかと事務局としては考えてございます。なお、その際に、分かりやすい名称みたいなことについても引き続き検討課題だと考えてございます。
 その他、いろいろな御議論いただきましたので、一つ一つ詰めていきたいと思います。
 地域医療支援病院との関係だけ申し上げますと、今回の資料では、28ページの一番下のところに、前回も御議論がございましたので、私どもの今の考え方だけ述べてございます。
 かいつまんで申し上げますと、それぞれ目的がある仕組みでありますので、一部重複する面もございますが要件が異なる面もあると考えておりますので、今のところはそこに記載したとおりの整理でございます。さらに、この議論については、深めていただければと考えています。
○遠藤座長 城守構成員、いかがでしょうか。
 どうも。
○城守構成員 ありがとうございます。
 現在、議論している「医療資源を重点的に活用する外来」というものに関してのスケジュールというのは理解をさせてもらったわけですが、そもそも外来機能として、外来というのは何ぞやという根本的な議論に関しては、また別のところで行う予定ことも考えているという理解でいいのかどうかということと。
 それと、今回のこの取組というのは、医療資源を非常に重点化した外来をしている医療機関を明示化していって、そして、そこは紹介型に近いですよという形を考えておられるのだろうと思いますが、これはこれまでの議論でもよく皆さんからお話が出たように、これがよく見えるようになれば、なるほど、今の患者さんというのは大病院志向がもともとございますので、逆に目的とは真逆の方向に患者さんが行動されるということもあろうと思いますので、患者さんの受療行動をどのような変容をしていただくのかということに関しては、患者さん側、そして、医療機関側、両方に仕組みをつくっていかないと、なかなか思ったような効果が出てこないと思いますので、そのあたりを重ねて御検討のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。
 今の城守構成員の御意見と少しかぶりますが、今回のこの外来の機能の明確化ということについては、実際に、今、既に医療機能の分化がどんどん進んでいっているにもかかわらず、国民の理解がなかなか追いついていかない。連携自体も漠然と進んできていることをより明確化しようとされていることだと受け止めています。
 そうしたときに、先ほど資料の2の中にもあったように、この「医療資源を重点的に活用する外来」というところが、ほぼ特定機能病院と地域医療支援病院に重なる部分が多いのではないかと思います。なので、資料2の中でも、グラフとして出てきたときに、そこを例として出されていたのではないかなと思います。
 患者から見ても、一般的に大きな病院というときに、紹介状がないと特別料金が最低5,000円になっているのが、特定機能病院と200床以上の地域医療支援病院ということからしますと、そういうところだということはある程度認識ができているわけです。ところが、今回、この「医療資源を重点的に活用する外来」ということになると、また新たなカテゴリーが出てきて、そもそもこの名前自体は患者には全く理解できない名称だと思いますので、名称自体は考えていく必要があると思うのですけれども、この「医療資源を重点的に活用する外来」というときに、特定機能病院と地域医療支援病院以外に、どういうところを想定できるのか。あるいは、それを具体化できるのかどうか、あるいは、具体化するために報告制を取ることで見える化しようとしていくのか、そのあたりにポイントを置いて質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○熊木総務課長 
 先ほど、城守委員の御指摘で、この議論は外来機能全部ではないということではないかということで、私どもも24ページのところで、これは外来医療全体の議論を進めていくための必要な第一歩ではないかと整理しています。要するに「医療資源を重点的に活用する外来」というものに着目して、その明確化を図り、さらにそれをかかりつけ医の強化と両輪で進めるということが第一歩ではないかと考えておるところでございます。引き続き議論をしていくということだろうと考えています。
 その上で、山口委員からの御質問でございますが、医療資源を重点的に活用する外来について、どういうコンセプトで、どういう医療機関が対象となり、そして、それはどういう名称で呼ぶのか。いずれも、それは患者にとってどのように選択を増やすためにいいことなのかということだと思います。もう少し、どういう医療機関なのかというのは、できれば整理をさせていただいて、事務局としてもさらに、できるだけこの場でもお示しできるように考えてみたいと思います。
 いずれにしても、今の時点では、特定機能病院、地域医療支援病院に加えて、一定の紹介型のもの、あるいは高度な医療機器を有している医療機関、そして、入院前後に必要な外来というものの3つぐらいは一定程度あり得るのだろうということを、今回提示させていただいた上で、そういった医療機関については、いきなり初診で行くということではなくて、かかりつけ医機能の強化とセットで患者の円滑な流れになるように組んでいくべきではないかという提案でございます。
 もう少しどのような説明、どのような理解を深めるためのやり方があるか、あるいは名称というものについては整理をしていきたいと思います。ぜひ、名称につきましては御意見をいただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 山口構成員、よろしいでしょうか。
○山口構成員 内容がもう少し具体化しないと、適切な名称を考えることもできないと思いますので、そのあたり、ぜひこれは患者に分かりやすくしないと全く意味がないと思いますので、具体化したところを見せていただいて、名称も御一緒に考えられればと思っております。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 それでは、お待たせいたしました、櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 日本精神科病院協会の櫻木です。よろしくお願いいたします。
 先ほどから城守先生が御指摘になっている誤解、これに私自身がとらわれてしまっているのかもしれませんけれども、今回の外来機能の明確化というお話と、後で出てきますかかりつけ医、これの議論というのが、やはり対の議論になっているのではないかと考えています。これについてどう考えかお聞かせいただきたいと思います。
 つまり、外来機能の片方に、いわゆる「医療資源を重点的に活用する外来」というのを配置して、もう片方にかかりつけ医の機能を持ったものを配置すると。「医療資源を重点的に活用する外来」という中身を見てみますと、24ページのところで示していただいているのですけれども、医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来、それから、高額等の医療機器設備を必要とする場合、それから、紹介患者に対する外来、まさにこれは専門性とか、あるいは機能の高度化というものに基づいている外来のように見えます。
 つまり、片方にこういったものを配置をして、もう片方に、例えばかかりつけ医というようなものを配置をすると、片方は非常に専門的な外来、もう片方は一般的な外来、スペシャリティーとプライマリーというような配置になって、前回の3月の議論のときに、私は、専門性であるとか、あるいは高度化というようなことを中心に議論をすると、新たに患者さんの受診行動に変化を起こして、新たな偏在というのが起こるのではないかという心配を申し上げたのですれども、そういうことにはなっていないのだろうかということを改めて心配に思いました。その辺についてもお教えください。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 そういうお考えがおありになるということなので、事務局として何かお考えがありますか。
○熊木総務課長 まさにこの検討の場で御議論いただきたい事柄であろうかと思います。
 事務局として申し上げる点があるとするならば、ここの
「重点的に医療資源を活用する外来」というもの、言わば、紹介される側の外来を明確化するとなれば、当然その紹介する側、かかりつけ医というものの機能強化ということを車の両輪として考えていくということは重要だろうと思います。
 その際に、先生がおっしゃられたように、重点的な外来が専門的なのか高度なのかといったところの議論に立ち入って、患者に何か誤解を与えるような議論になってはいけないという御議論があると理解していますので、そういう意味ではもう少しコンセプトと私どものほうで明確化し、そして、また先ほど出た呼び名ということについても、同様に並行して考えることが必要なのだろうと理解をしてございます。
○遠藤座長 櫻木構成員、よろしいですか。
○櫻木構成員 そういったところで、これからの議論を期待したいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 お待たせしました、続きまして、吉川構成員、お願いいたします。
○吉川構成員 ありがとうございます。
 1つ質問と、2点、意見を述べさせていただきます。
 最初の論点1「医療資源を重点的に活用する外来」に関して、細かいことになりますが、資料1の24ページ、医療資源を重点的に活用する外来の例に挙げられている「紹介患者に対する外来」の定義について御質問します。
 資料2の4ページに、「診療情報提供料Ⅰを算定した30日以内に別の医療機関を受診した場合、該当『別の医療機関』の外来」と定義されていますが、例えば、退院後に地域のかかりつけ医に診療状況に関する文書を添えて患者の紹介を行った場合にも、現在、診療情報提供料Ⅰを算定できますが、そのような場合、かかりつけ医機能を有する施設も「紹介患者に対する外来」に該当するのでしょうか。
「紹介患者に対する外来」について、定義をしっかりしないと混乱を招く可能性がありますので、その点を教えていただきたいという質問と、定義をしっかりする必要性があるという意見です。
 次に、26ページの外来機能報告制度に関しての論点2ですが、データに基づく議論を進めるためにも、病床機能報告制度を参考にした外来機能報告を行う方向性に賛同いたします。ただし、その上での意見ですが、病床機能報告制度では、現在、外来部門の看護師の数等は把握できますが、専門性の高い看護師の配置状況、療養指導や相談対応などの実際の看護の機能は分からない状況となっております。ぜひ、外来の報告制度を作る際には、領域別の専門看護師と認定看護師の配置数や、看護の機能についても、項目の中に含めていただきたいと思います。
 29ページ以降で、外来医療においての多職種の役割なども記載されており、専門性を発揮することの重要性や、外来医療のかかり方について国民の理解を推進していく必要性が述べられています。外来における看護の役割や機能についても国民に周知する必要がありますので、外来機能報告を活用して、看護に関するデータ収集や情報提供の仕組みをつくっていくことが重要と考えます。
 最後に論点3の地域における協議の仕組みについてですが、外来機能と入院の機能を一体的に議論することは非常に重要です。都道府県の外来医療計画に、外来機能の明確化と連携を位置づけるとともに、外来機能報告を踏まえて地域における協議の場で調整を行うことに関しても賛同いたします。ただし、外来医療に係る医療提供体制の確保に向けた調整では、病院や医療機能の明確化はもとより、入院と外来、また、在宅への切れ目ない連携が重要になります。
 地域のあらゆる場で活躍している看護職同士がつながり連携していく、看看連携というものを私たちは進めていますが、このような取組が医療機関同士の連携、また、外来での重症化予防に効果があるということが、厚生労働科学研究などで報告されております。一方で、今、このような取組は自主的な取組となっておりまして、継続が難しいことも課題とされています。厚生労働省の「外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン」には、協議の場の下にワーキング・チームや専門部会の設置をしてもよいということが記載されているので、ぜひ、看護提供体制に関する議論と調整を行う場として、看護に特化した協議の場の設置の向けた、国からの働きかけをお願いしたいと思います。
 以上、意見2つと、紹介患者に関する御質問をさせていただきました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、事務局、お願いいたします。
○渡邊課長補佐 お答えいたします。
 紹介患者に対する外来ということですけれども、こちらは分析についての事実関係ですが、NDBというデータの中で分析を行っておりまして、その中で紹介患者というのをどのようにカウントするかということで、このように分析しています。
 事実関係としましては、診療情報提供料Ⅰを算定したという医療機関について特に制限を設けておらず、算定した場合に、30日以内に別の医療機関を算定したときに、その別の医療機関の外来を数えているというものでございます。
○遠藤座長 吉川構成員、いかがでしょうか。
○吉川構成員 そうなると、紹介されたかかりつけ医機能を有する診療所なども、「紹介患者に対する外来」に該当すると考えられるということでしょうか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○渡邊課長補佐 おっしゃるとおり、診療情報提供料Ⅰを算定された後であれば、診療所でもカウントはされるという分析の仕方になっております。
○遠藤座長 吉川構成員、どうぞ。
○吉川構成員 分析に関する説明は分かりましたが、定義が本当にそれでいいのかどうかは、少し疑問に思っております。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 では、お待たせしました、加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
 26ページの○の2つ目、先ほどの疑問の中にありましたが、外来機能の明確化というのは、あたかも専門外来の在り方の明確化に言葉が変わっているようなところと、かかりつけ医の在り方についてどうするのかなということを疑問に思っていたわけなのです。その中で、ここで書かれてありますように、医療機関の範囲ということについて、資料2の8ページ目にあるのですけれども、このデータによれば、ここには割合としてパーセントが書かれています。これを単に絶対数だけで掛け合わせをしますと、例えば、無床診療所の場合、数がたしか10万ぐらいあるのですよね。病院の数と言えば、今、八千三百幾つかだと思います。そういった絶対値で行くと、物すごく多い施設が重点的な外来を持っているということになりますので、これは単に病院だけの話ではなくて、そういった重装備している診療所の話もしっかりしないことには、高額機器の話をするにせよ、実際の施設数の問題から明らかに間違った方向へ行くのではないかと懸念されます。
 かかりつけ医の在り方をどうしていくかとか、また、いわゆる専門外来をどうしていくかということを大きく考えていかないと、病院だけに限定するというのはどうかなという意見ですが、どうでしょうか。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、事務局の考えをお聞きになられていますので、お願いいたします。
○熊木総務課長 これは、まさにここでの御議論いかんということになります。私どもとして、まず、26ページに紹介させていただいていますように、
外来機能報告の対象についての論点は挙げてございます。外来機能報告の対象をどうするのかということで、少し小さい字で書いたところの中に、入院と一体的に議論する観点から、病床のある医療機関報告対象として、無床診療所は報告制度の対象外とすべきという意見が前回あったということであります。
 あるいは、病床機能報告制度と同じするならば、有床診療所が報告対象になるということでありますし、他方でそれについては手挙げとすべきではないかという御議論があったと承ってございます。
 加えて今、診療所も対象としていくべきではないかという議論であったと思いますので、そのあたり、少し御議論を聞かせていただいた上で、また集約化が必要だろうと考えます。
○遠藤座長 ここでの議論というお話でありますが、加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 割合では無床診療所が3%、病院が27%ですが、10倍以上診療所の数があることからすれば、施設数でいくとほぼ病院と同じような数になってくる可能性があるかなと思うのですけれども、その点を踏まえて議論をすべきではないかなと思います。あくまでも、我々、スタートした時点では、診療所を含めた外来を病院とともに考えていくというのがスタートだったと思うのですが、いつの間にか病院における外来という形になってしまっていたのであれば、それまでかなという話になってしまいます。しかし、やはり重装備している診療所に関してもしっかりと議論をしていかないと、日本の医療資源をどうするかと考えるに当たっては、不十分ではないかと思うのですが、どうでしょうか。絶対数がかなり多いわけで、もしかしたら病院より数が多い可能性まであるわけなので、その辺りはやはり議論対象になるのではないかと思うのです。
 ○遠藤座長 ですから、その辺も含めた議論を当部会でということでしたよね。そういう返事が出たと思います。加納構成員のお考えは了解いたしました。
 あと、今、お手をお挙げになった今村専門構成員ですが、今村専門構成員は、この問題と絡むと思いますので、順番を繰り上げて御発言いただければと思いますので、今村構成員、どうぞ。
○今村(聡)専門構成員 どうもありがとうございました。
 まず、私のほうから、今の議論に関わることで1つ意見と、もう一つは御質問させていただきたいと思います。
 まず、6か月以上前のこの検討会でも申し上げた記憶があるのですけれども、もちろん、地域によっては診療所がなく、病院しか医療提供をするところがなくて、病院の外来がいろいろな患者さんを診ているという事実はあると思うのですけれども、一般的に、病院はそれぞれの診療科というのは、かなり専門性がはっきりしていて、患者さんごとの、様々な疾患を中心に見ていくということが多いのだと思います。疾患というか、内科なら内科、小児科なら小児科と。
 しかしながら、診療所の場合には、それぞれ専門性を持った上でかかりつけ医機能を発揮しているわけでして、眼科や耳鼻科というような科を除くと、例えば、内科・外科・小児科など、非常に多岐にわたった科に関わる診療をひとつの診療所でしておりますので、こういった外来の機能というのは、多分、病院と診療所では性格が少し違っているのではないかなと思います。
 こういった報告制度を、これから病床と同じようにやって実施していくという場合に、例えば、診療所の場合であると、一つの医療機関として出ているレセプトというのはもう分かっているわけなので、報告をしなくても、レセプトから分析すれば、どういった医療を行っているということは、すぐに明々白々分かるわけです。けれども、病院などは、入院の患者さんもいれば、いろいろな診療科の外来からレセプトが出ていて、報告をしていただかないと、外来の機能がなかなか明確にならないというようなこともあります。まず始めるということであれば、病院から始めていただいて、先ほど加納先生から御指摘いただいたような診療所でも、現在は、都市部などではかなり特化した医療を行っておられるところもあるのは事実だと思いますので、今後の議論として、少し時間軸をずらして報告制度をよいものにしていけばいいのではないかなと思っています。これは意見です。
 2点目が、この機能の話と外来の医師の偏在対策の話というのは、どのように関わってくるのかということを事務局に御質問したいと思います。
 資料2の38ページに、先ほど、幸野委員から地域医療構想調整会議における外来機能を含めた議論がされていないというお話がありましたけれども、これはある意味当たり前の話で、そういう立てつけに今までなっていないと。今まで地域医療構想調整会議等で行うのは、外来の医師多数地域において、新規開業をそこでされる方たちに対する情報提供と、医師多数地域で開業される場合に、新たにその地域に不足している医療を求めていくというような立てつけになって議論をすることになっているわけで、それぞれの地域の外来機能を議論するようなことというのは全く想定されていないので、これは今までの状態であれば当たり前の話だと思います。
 今後、外来のそれぞれの診療科の医師の偏在の話と、この機能の話というのは、何らかの形で議論する場所というのは同じところですから、リンクして今後進めていくというような方向性で考えられているのかどうかというのを事務局に教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、事務局、よろしくお願いします。
○熊木総務課長 今、御指摘の偏在の関係への対応と、この外来機能の議論とのリンクでございます。結論的に申し上げますと、まだそこまで、私どもの中でも整理ができていませんので、改めてよく考えた上で、可能であればお話しできるときにしていきたいと思います。
 ただ、現時点で率直に申し上げますと、先生がおっしゃられたとおりで、現時点において、この外来についてはほとんどデータがなく、議論がそれほど行われていないという中で、今回は患者の円滑な流れの強化ということで議論をして、第一歩を踏み出そうという段階ですので、今の時点では将来像については少しオープンな感じがいたします。まず、この第一歩を始めた上で、だんだん議論が深まっていって、次の展開はどうしますかというようなことがあり得るのだろうと思いますが、繰り返しますけれども、現時点において、私どもにおいてもまだ整理ができておりませんので、もう少しお時間をいただければと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ほかの方にさせていただきたいと思いますが、増井参考人が先ほど来お手を挙げになっておりますので、増井参考人、お願いいたします。
○増井参考人 全国健康保険協会の中島の代理の増井と申します。よろしくお願いします。
 私から論点1から3に沿った形で、意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、論点1についてですが、地域において医療全体を議論する際には、入院と外来を一体的に議論することが重要と考えております。今回の「医療資源を重点的に活用する外来」に着目して、その外来機能の明確化・連携に取り組むという提案につきましては、1つの考え方として理解できるところでございます。
 このような仕組みにおきましては、国民・患者にとって「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関を明確にすることによって、紹介を受けて受診すべき医療機関がどこかということが分かりやすくなると考えられます。
 保険者としましては「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関は、かかりつけ医から紹介を受けて受診するものであって、状態が落ち着いたら逆紹介を受けて、かかりつけ医に戻ることになると、被保険者に対して周知・説明していくこととなると考えております。
 次の論点2の外来機能の報告の仕組みについてですが、医療機関の自主性を尊重する必要があると考えております。この仕組みにつきましては、病床機能報告や地域医療構想と同じように、医療機関の自主性を尊重する形で検討されているものと評価できます。この外来機能の報告の手法につきましては、病床機能報告と同様でございますので、既存の制度との連続性を考えますと、既に病床機能報告の対象となっている一般病床、療養病床を有する病院と、有床診療所を報告の対象から外す理由はないと考えております。
 この外来機能の報告の仕組みが定着して、効果が出てくるまでには一定の時間を要すると考えております。新型コロナへの対応については重要な課題ではございますが、新型コロナの対応によって、議論が遅れるようなことはあってはならないと考えております。まずは早急に制度の大枠を固めた上で、詳細はワーキンググループなどで検討していけばよいのではないかと考えております。
 論点3の、地域における協議の場についてですが、以前申し上げたことでございますが、地域医療構想の調整会議におきまして、医療関係者を中心とする別の会議で具体的な議論が終わってしまって、調整会議は報告のみというケースがあったり、都道府県のイニシアチブが弱くて、しっかりと議論が行われていないという声を、私どもの支部から聞いているところでございます。
 外来機能に関する協議の場につきましても、都道府県においてしっかりとイニシアチブを取っていただいて、保険者も交えて実質的な議論が行われるようにしていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 続きまして、野原構成員、お願いいたします。
○野原構成員 ありがとうございます。
 地域での医療連携等を進めるために、外来の機能について分析し、活用するという方向性については異論があるものではございません。
 まず、1点質問でございますが、27ページに知事権限が記載されております。多分、今後議論を深めていく中で、この論点が明確になっていくものと理解はしているところでありますが、現時点で事務局として想定しているような点があれば御紹介いただければと思います。
 その他、意見になります。
 28ページに「医療資源を重点的に活用する外来」という、今後の新たな名称が示されたわけでございます。この名称のほかにも、やはり、28ページにメリットも記載されておりますけれども、住民や患者さんにとって理解をきちんと進めていく必要があると思います。
 やはり、住民や患者さんは、この新しい概念、新しい名称が出ることによって混乱しないように、きちんとこういうような患者さんや住民にとってメリットがあるということを丁寧に説明していく必要があるものと考えております。
 また、地方における構想区域は、やはり人口が少なく、外来医療機関も都市部のように多くない地域も多くございます。この重点医療機関の数とか、そういった数に着目したような議論、行動等をされますと、やはり、地方のほうでは混乱等も想定されますと、そうした医療資源が少ない地域でも配慮した議論を進めていく必要があると考えております。
 また、地域医療構想調整会議を運営している都道府県の立場で申しますと、やはり、いろいろ各地域で議論をしていくと、やはりミクロな議論にどうしてもなってまいります。資料の中でも診療科の点はなかなか難しいと書いております。このとおりだと思います。
 例えば、精神科や周産期など、患者の受療動向や連携体制など、診療体制が異なる場合もございます。こうした診療科の特性なども、やはり地域ではどうしても意見としては多く出てまいりますので、こうした点についても分析を進めていただければと思います。
 いずれ、今後、調整会議で建設的な議論ができるよう、分析結果の提供と論点設定をお願いしたいと思います。
 また、医師多数地域、分析結果には医師多数地域がないので、外来機能に着目した議論はまだこれからということになります。こうした地域は都道府県でも多くございますので、都道府県との担当との意見交換の機会を十分取っていただくようにお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、幸野委員、お願いいたします。
○幸野構成員 ありがとうございます
 外来機能報告の対象となるところについて、手を挙げていたので、これについて意見を申し上げて、あと、質問を1件したいと思います。
 本来、この外来全てを議論するに当たっては、かかりつけ医機能というものと、病院の外来というものを全体で議論していかなくてはいけないので、データをどうするかということになるのであれば、事務負担の観点も分かるのですけれども、入院と外来というのを一体的に議論できるように、無床診療所も含めて全ての医療機関を対象にするのが本来であると思うのですが、まずは「医療支援を重点的に活用する外来」というのを明確するところから始めようという事務局の意図もあるので、病床機能報告については、今、対象となっている病院と有床診療所を対象にすべきだと思います。
 それから、先ほど、今村先生のほうからあった無床診療所のほうの機能については、レセプトを見れば分かるのではないかという御意見があったのですが、これは事務局のほうにお聞きしたいのですが、無床診療所のNDBというのは、全て即座に把握できるものなのでしょうか。
○遠藤座長 では、事務局、どうぞ。
○渡邊課長補佐 今回行った分析については、日本全国全ての無床診療所も含めて、対象にして分析を行っております。NDBの中には、無床診療所も含めてデータとしては入っているという形になります。
○遠藤座長 幸野委員、どうぞ。
○幸野構成員 分かりました。
 それだったら、本来的には全ての医療機関から報告するというのが理想なのですが、議論をまず早く進めるためには、やはり病院と有床診療所を優先して報告制度を取り入れていくべきだと思います。
 以上、意見です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、お待たせしました、織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 ありがとうございます。
 先ほどから議論がありますけれども、この外来機能報告は、基本的にはどういうことを問うのか、ある程度骨格が決まっていますか。ちょっとお答えいただきたいと思います。
○遠藤座長 では、事務局どうぞ。
○高宮企画官 外来機能報告のイメージですけれども、資料2の4ページ、「医療資源を重点的に活用する外来」の項目の、これは仮に設定をして分析をしたものに使ったものですが、こういうような例で出している診療報酬点数の算定の回数、医療機関ごとに、どれぐらい算定をしているのか。また、その医療機関で外来全体の回数に対する、この医療資源重点外来の割合がどれくらいなのかというものを、NDBで国のほうで医療機関ごとに分析をして、それを医療機関のほうにお示しをすると。それを医療機関で確認をいただいて、都道府県に報告をしていただくのですけれども、そのときにNDBでは把握ができないようなもの、事項について、例えば、外来に関する人員体制がどうなっているかなども考えられるのかなと思いますけれども、具体的な報告の項目については、また、別途議論いただきたいと考えています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 続けて、どうぞ。
○高宮企画官 その外来機能報告の中で、併せて論点の○の3で書いている「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関である場合には、その旨の報告というのを併せてやっていただくというようなイメージでございます。
○織田構成員 分かりました。
 病院は、基本的に診療科によってかなり専門性が高い医療をやる診療科と、かかりつけ医機能的なことをやる診療科もあります。そこら辺をどのような形で見るのかということです。
 特に、先ほど有床診療所の話も出ていましたけれども、有床診療所の中にも非常に専門的なことをやっているところもあれば、地域包括ケアシステムの窓口的な役割、本当にかかりつけ医的な役割をしているところもありますから、外来でもいろいろですよね。ですから、ここら辺は、有床診療所は手挙げ制みたいな形で、自分らが専門性の高い医療やっているところは、自主的にやってもらう。
 また、一方、病院のほうも診療科によっていろいろな違いがありますので、そこら辺を十分加味して、病院として、医療機関として見ていくのであれば、やはり加味した議論にならなくてはいけないのだろうと思います。
○遠藤座長 御意見として承りました。ありがとうございました。
 では、お待たせしました、岡留構成員、お願いいたします。
○岡留構成員 ありがとうございます。
 事務局に2点について確認をしておきたいのですが、この外来機能の明確化は、何を目的としてこういう一連の作業をしているか。そもそも論になると思いますが、これについて分かりやすく説明をいただきたいということと、もう一点は、かかりつけ医というのはどういうものか。これは3年前、日医と四病協でかかりつけ医の提言を出したことがあるのですが、その当時、私も少し関与していたのですが、僕の勉強不足かもしれませんが、今もってはっきり理解し得ない部分があって、特に、国民の若い人たちの間では、半数近くがかかりつけ医というのは何なのというような疑問を持っているのです。ですから、この辺の、かかりつけ医とはどういうものかというところの御説明をいただければいいと思うのですが、高宮君、いかがでしょうか。逆指名ですみません。
 外来は、この前も私は言ったと思いますが、現在も8割方は紹介、逆紹介のシステム。これは私どもの二次医療圏の話かもしれませんが、きちんと明確化されているわけです。これ以上に外来機能の明確化をして何の得があるだろうかと。そして、どこが、誰がメリットはあるのかなと、いつも私は不思議でしようがなかったのです。よろしくお願いします。
○遠藤座長 どうぞ。
○高宮企画官 まず、今回の外来機能明確化、連携の議論の目的ですけれども、地域における患者の流れをより円滑にしたいということを考えています。ですので、今、岡留委員がおっしゃられたような、地域によって外来の機能の連携体制というのもやっている、取り組んでいる、その方向性を何か違う方向性にしたいとかそういうものではなくて、それを後押しするような仕組みをつくりたいという趣旨でございます。
 その際に、地域で議論・協議をするに当たって、データに基づく協議を行うために、外来の機能を報告するような仕組みというようなものをつくって、それに基づいて地域で協議をいただくというようなこと。
 それから、患者のほうからも、どの医療機関が、紹介患者に対する外来を基本とする医療機関なのか分かりやすくするという観点から、この「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関を明確化するような仕組みをつくれないかというようなことでございます。
 また、地域で基幹的に担う医療機関を明確化する際には、その地域性を考慮する必要もあるので、国の基準を参考にしながら、医療機関が協議の場で確認することによって手挙げというような仕組みにできないかというものを考えてございます。
 もう一点、かかりつけ医はどういうものかですけれども、先ほど岡留委員がおっしゃられたように、平成25年に日本医師会と四病協のほうで合同提言をまとめられていて、その中でかかりつけ医の役割というのが書いてあるのですけれども。役所として、かかりつけ医の役割がこうだというものを整理しているものというのは、今ありません。
 これについて、39ページの①で書いていますけれども、日本医師会、四病協の合同提言、それから、地域における実践事例などを踏まえて、どのような役割を担うことが求められるのかということの整理、それから、かかりつけ医機能を発揮している事例の好事例の収集と横展開を図って広めていくというようなことができないかということを考えております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 岡留委員、よろしゅうございますか。
 どうぞ。
○岡留構成員 国の広報は、見る人は見るけれども、見ない人は全く見ていないです。これはホームページもそうだし、ネット感覚でいきますと、見る人は見るのですけれども、特に年寄りは見ない。要するに、周知・広報の仕方をもう少し考えてみたらどうかと。
 国民の方々、特に、これからの若い世代の諸君に訴えられる、何かそういう周知活動が必要なのではないかなとちょっと思っているところはあります。
 以上です。
○遠藤座長 重要な御指摘、御意見をありがとうございます。
 では、織田構成員がお手を挙げておられますので、織田構成員、よろしくお願いします。
○織田構成員 ありがとうございます。
 今みたいな趣旨であれば、地域医療支援病院ができたとき、多分、同じようなことだったのだろうと思うのです。それに加えて、また、今回、重点的な高度な医療やっているところをやりたいということであれば、これは地域医療支援病院自体を、もう少し分かりやすくして、制度設計を変えたらいかがかなと思います。それに当たっては、基本的に手挙げ制みたいな形で、自分ところは、どちらかというと高度医療をやっていくのだということで、紹介型になっていくという病院が自主的に手を挙げていくような形にすれば、より分かりやすいのだろうと思います。
 それにいろいろルールを決めてしまってやると、基本的に地域によって合うところと合わないところがありますから、ある意味ではもう手挙げ制にして、地域医療支援病院をもう少し柔軟な形に変えていけばいいのではないかなという気がしますけれども、いかがでしょうか。
○遠藤座長 それも問題提起ですので、事務局に言っても答えとしては一つの議論の対象ですという答えしか多分ないだろうと思いますけれども、御意見として承ります。
 大分時間が押しておりますので、まだお手を挙げておられる方がいて、まだ、アジェンダが大分残っていますけれども、ちょっと長引いてしまうかもしれませんけれども御覚悟ください。
 それでは、加納構成員ですか。
○加納構成員 ありがとうございます。
 今の織田構成員に追加という形になるのですが、基本的に地域支援病院が、本来、そういう形で定義されたものであって、かつ、外来をしない分だけ保険点数もつけてあるわけですし、そういう議論もなしで、また違う形のものをつくるのならどうするのかなという話になってくるかと思います。それも踏まえて、今後、考えるべきではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 地域医療支援病院は、特定機能病院と並んで、それのまた要件を考える検討会というのがございますので、そこでの議論ということになるのかどうか知りませんけれども、そういうお考えがあるということを承知いたしました。
 それでは、もう時間もありませんので、この議題はこれぐらいにさせていただきまして、次に、残りました資料の最後のところです。29ページから43ページまで、かかりつけ医機能の強化とか外来医療のかかり方に関するとかいろいろあるわけですが、そこのところで何か御意見はございますでしょうか。
 櫻木構成員、お願いいたします。
○櫻木構成員 櫻木です。よろしくお願いします。
 39ページのところに、かかりつけ医機能の強化ということが挙げられているわけですけれども、あえて「かかりつけ医」とせずに「かかりつけ医機能」とされたというのは、ここに挙げられていますように、かかりつけ医の機能というのは、かなり多岐にわたっていますので、一般にイメージする、私のかかりつけ医はこの先生ということではなくて、いわゆる面的に支えていくというお考えなのでしょうか。
 ここにあるように、例えば、予防や生活全般の視点とか介護と地域との連携とか、あるいは、これは一番大事かもしれませんけれども、休日・夜間の連携というようなことに関して言えば、これは1人の先生が担うというのはかなり大変かなと。働き方改革のこともありますし、私は開業医の息子だったので、その辺の大変さというのはよく分かっているつもりなのですけれども、そういうお考えなのでしょうか。
 そうだとすると、今度、41ページのところで「外来機能の明確化・連携を進めて行くに当たっては」はという3つ目の○のところですけれども「国民・患者においても、かかりつけ医をもち、日常的にはかかりつけ医を受診して」云々とあります。これだと、私のかかりつけ医はこの先生という考え方になろうかと思うのですけれども、イメージとしては、どちらのイメージでこのかかりつけ医を考えておられるのかというところです。
 付け加えると、先ほど医療部会の議論で、夜になると全く連絡の取れない精神科診療所があって、例えば、自殺企図とかオーバードージングなどがあったときに非常に困るという問題提起を我々のほうでさせていただいたのですけれども、今回のいろいろな分析からは、精神科は外して分析しているということですので、精神科における外来機能、あるいは精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの検討というのを今されているわけですけれども、その中で精神科かかりつけ医という言葉も出てきます。その辺のことと、今回の外来機能の話とはどのように連携しているのかということをお教えください。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 2種類の質問が出ておりますけれども、答えられる範囲でお願いしたいと思います。
○高宮企画官 39ページの資料の中で、かかりつけ医機能ということで「機能」をつけているのは、まさに求められる役割、機能というのを議論していただきたいということで「機能」とつけたと。
 41ページのほうで「かかりつけ医をもち」さらっと書いてしまったのですが、今、櫻木委員の指摘を踏まえて考えると「かかりつけ医機能を担う医療機関をもち」というような表現のほうがもしかしたら適切だったのかなと、発言を聞きながら考えました。
 あと、精神科の外来について、今、別の精神の担当部局のほうの議論は進んでいるということでありますので、そちらのほうの議論の状況も踏まえまして、関係性がどうなるかというのを考えたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 櫻木構成員、いかがでしょうか。
○櫻木構成員 一般の国民、住民の方から考えると、いろいろな機能を面的に支えるところを、かかりつけ医として自分は持っていますというよりは、この先生が、私のかかりつけ医で何でも相談しますというほうが本当はイメージしやすいのだと思うのですけれども、それはかかりつけ医のことを考える上でちょっと工夫がいるかなと考えました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、荻野構成員、お手を挙げておられますので、お願いいたします。
○荻野構成員 ありがとうございます。
 いろいろ、かかりつけ医やかかりつけ医機能について意見を賜りましたけれども、私どもの理解の中でのかかりつけ医ということで、少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 かかりつけ医機能の強化の推進に当たっては、外来医療における多職種の役割が重要と考えておりまして、これまでにも意見を述べさせていただきましたけれども、薬剤師薬局の役割や、業務についてはスライド40にまとめていただいたとおりですが、特に、かかりつけ医と連携して患者の薬物療法をサポートしていく上で、かかりつけ薬剤師による役割は不可欠だと考えております。
 また、地域住民への安全、安心な薬物療法、治療において、医師、歯科医師との連携はもちろん、看護師、医療機関の薬剤師、また、在宅医療においては訪問看護師や介護職など、地域の様々な専門職との連携を図ることも重要と考えております。
 外来医療のかかり方に関する国民の理解促進も、これもまた重要な課題だと考えておりまして、我々もここで議論をいただいたことをともに取り組んでまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかにございますか。
 加納構成員、お願いいたします。
○加納構成員 ありがとうございます。
 かかりつけ医を考える中で、今、周りを見ますと、高齢化が進むことによって在宅専門の医者が出てきまして、それも多くのメンバーでこなしていますから、1人の患者さんを多数で診ているという現象があります。それが本当にかかりつけ医なのかどうかという議論も、この際しっかりとやらなくてはいけない時期になっているのではないかと思いますので、この点もしっかり皆様方と意見を合わせていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかによろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 本日はこのテーマに関しまして、非常に多様な御意見を積極的にいただきまして、どうもありがとうございます。
 様々な御意見、御提案が出ておりますので、事務局におかれましては、それらを整理していただきまして、今後の当部会での議論に資するような資料をつくっていただきたいと思いますので、よろしく準備のほどをお願いしたいと思います。
 それでは、最後に、これは報告事項になりますが、地域医療構想医療計画関係の報告ということで、事務局から報告をお願いしたいと思います。
○小川課長補佐 地域医療計画課でございます。
 資料3に沿って、地域医療構想に関するワーキンググループ等における議論の状況について、御報告をさせていただきます。
 まず、資料3の2ページでございます。10月1日の医療計画検討会の議論、新型コロナウイルス感染症を踏まえた地域医療構想に関する詳細の議論につきましては「地域医療構想に関するワーキンググループ」におきまして検討を進めるということで御議論いただきました。
 これを受けまして、10月21日に「地域医療構想に関するワーキンググループ」を開催しまして、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた地域医療構想の考え方について議論を行っていただきました。
 2ページでございますが、論点につきまして、3つ設定をしております。
 感染拡大時の受入体制確保について、どのように考えるか、公立・公的医療機関等に対する「具体的対応方針の再検証」等の取組にどのような影響があるか、今後の人口構造の変化を踏まえ、どのような工程で議論、取組を進めていくかというところでございます。
 まず1点目「感染拡大時の受入体制確保の在り方」についてでございます。
 2つ目の○にございますが、感染症患者の受入体制を確保するためには、病床スペースや医療機器など、また、必要な資質を備えた人材などを確保しつつ、新興・再興感染症以外の医療連携体制への影響を考慮の上、医療機関の間で役割分担・連携を進める必要がございます。
 感染拡大時に機動的に物的・人的資源の確保を進めるために、平時からの備えとしての取組、また、感染拡大の取組として、どのような取組が必要か。
 また、3つ目の○にございますように「地域医療構想」を進めていくに当たりまして、その基本的な考え方、また、枠組みに関しまして、新興・再興感染症の感染拡大に備えた取組を踏まえまして、どのような点に留意が必要かという論点で御議論いただいております。
 3ページ「具体的対応方針の再検証」などの取組への影響ということでございます。
 3つ目の○にございますが「地域医療構想」の実現に向けた「具体的対応方針の再検証」などの取組を進めていくに当たりまして、新型コロナ感染症への対応状況、また、今後の新興・再興感染症の感染拡大に備えた取組の検討状況を踏まえまして、どのような点に留意・配慮が必要かという論点で御議論をいただいております。
 最後に「今後の人口構造の変化を踏まえた工程」ということでございます。
 こちらにつきましても、3つ目の○でございます。
 地域医療構想の前提である2025年、また、その先も続く人口構造の変化を見据えまして、新型コロナウイルス感染症への対応状況、また、新興・再興感染症の感染拡大に備えた取組の検討状況を踏まえまして、今後の議論・取組の工程、スケジュールにつきましてどのように考えるか、このような論点で御議論をいただいております。
 4ページから6ページにかけまして、実際にワーキンググループにおいていただきました御意見を簡潔に整理しております。今日は少しかいつまんで少し御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず「議論の前提」という小見出しがございます。
 新興・再興感染症というのは、今般の新型コロナだけではございません。未知のものへの対応が必要ではないか。
 また、2つ目の○にございますが、そういう中で、今後起こり得る様々な感染症流行に対応できるようにすべきといった点も含め、議論の前提を整理する必要があるのではないかといった御意見をいただいております。
 2つ目の小見出しは「感染拡大の受入体制確保について」でございます。
 1つ目の○にございますように、新興・再興感染症には余裕がないと対応ができない。このような余裕をどの程度の範囲で収めながら中長期的な人口減少、また、病床必要量と整合性を確保していくかということが今後の課題といった御意見をいただいております。
 また、3つ目、5つ目の○にありますように、重症例、疑い症例への対応というところも非常に重要な論点という形で御意見いただいております。
 また、6つ目の○にありますように、医療従事者の支援、また、コロナ患者以外の入院患者を他の病院にお願いするというような地域での連携体制についても考えていく必要があるといった御意見をいただいております。
 下から2つ目でございますが、そうした中で、予防計画の見直し、また、医療計画の疾病・事業にどのように位置づけていくかということも非常に重要。
 一番下にありますように、医療資源の少ない地域の地域性に配慮した視点も必要といった御意見もいただいております。
 5ページにおきましては、地域医療構想との関係で、1つ目の○でございますが、病床必要量、また、病床機能報告といったものに感染症の対応というものを反映させるとした場合に、どのような課題があるかといったような御意見もいただいております。
 また2つ目の○でございますが、新興・再興感染症への対応は、都道府県が策定する医療計画と予防計画でしっかりと対応していく。その上で、地域医療構想は粛々と進めていくことが必要ではないかといったような御意見もいただいております。
 次の小見出しは「公立・公的医療機関等に対する『具体的対応方針の再検証等』の取組への影響」というところでございます。
 今般の再検証が必要な公立・公的医療機関の中には、感染症医療を担っている公立・公的医療機関の役割をどのように位置づけていくのか。また、今般のコロナ対応で担った役割をどのように反映させていくのかといったところにつきましても、論点整理が必要ではないかといった御意見をいただいております。
 6ページ、小見出しで、今後の工程、スケジュールでございます。
 1つ目の○にありますように、医療需要の減少がますます加速・進行する中で、当面の目標、2025年を見据えて、一歩踏み出して新たな工程をつくり、具体化に向けた検討を再開すべきではないかといった御意見。
 また、5つ目の○にありますように、コロナ対応で非常にばたばたしている中で、感染症に対する対応にめどがついたということを踏まえてから、じっくりと話し合ってもよいのではないかといったような御意見をいただいておるところでございます。
 このように多様な御意見をいただいている中ですので、こうした議論を踏まえながら、さらに各論点につきまして議論を深めていくといった形で進めていきたいと考えております。
 最後に、10月28日に厚生科学審議会感染症部会におきまして、新興感染症の感染拡大時における医療提供体制の在り方について議論されまして、医療計画の記載事項に新興感染症等の感染拡大時の対応を加えることにつきまして、社会保障審議会医療部会で議論するように提案されております。
 76ページ以降に、その関係の資料をおつけしております。こちらにつきましては、まずは今後開催されます医療部会におきまして、感染症部会の事務局である健康局のほうから報告を受け、協議を行っていただく予定としておるところでございます。
 事務局のほうからは以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 基本的にはワーキンググループで、これまで新型コロナ等の対応も含めて地域医療構想について御議論いただいておりましたので、それについての御報告をいただきました。何かございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 最後のほうで、事務局が医療部会についてのお話もされましたけれども、今後のここでの議論の仕方を少し整理をさせていただきますと、この医療部会の下に当検討会があって、さらにその下に地域医療構想のワーキンググループがあるという構造になっているわけでありますが、先ほどの話ですと、健康局の感染症部会から医療部会に対して、感染症等を考慮した形の医療計画についての審議依頼というものが来るそうなので、そこでまずは議論していただいて、それを今度、当検討会に下ろしていただくという形になるという位置づけることお話しされたと。
 一方で、地域医療構想と新型コロナとの関係で、新型感染症にどう地域医療構想を絡めるかというような話につきましては、既にワーキンググループで着手して、議論されているわけで、本日御報告がありましたけれども、これを進めていただいて、ある一定程度話がまとまった段階で、また当検討会で御説明をしていただくという段取りだと思うわけでありますが、尾形座長、いかがでございましょうか。
○尾形構成員 そういうことだと思いますが、前回も申し上げましたように、これは事務局への要望ですけれども、ぜひ、検討会とワーキンググループで検討事項をきちんと整理をしていただいて、もちろん重なるところは当然出てくるわけですけれども、その辺はきちんと整理をしていただければということを要望として申し上げておきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 こちらだけでも医療部会があり、当検討会議があり、ワーキンググループがあり、さらには感染症部会もあるということで、ステークホルダーがいっぱいありますので、少し整理をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日用意した材料は以上のとおりでございます。
 それでは、これをもちまして、本日の検討会は終了したいと思います。長時間、どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

医政局総務課
直通電話:03-3595-2189

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医療計画の見直し等に関する検討会> 第22回医療計画の見直し等に関する検討会 議事録

ページの先頭へ戻る