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2020年10月1日 第21回医療計画の見直し等に関する検討会
医政局
○日時
令和2年10月1日(木) 13:00~15:00
○場所
一般財団法人主婦会館 プラザエフ 9階 スズラン
東京都千代田区六番町15
○議事
○板井計画係長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第21回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
初めに、発言の仕方などを説明させていただきます。御発言の際には「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、発言をするようお願いいたします。また、発言終了後は再度マイクをミュートにするようお願いいたします。
また、座長から議題などに賛成かどうか、異議ないかという確認がありましたら、賛成の場合には「反応」ボタンをクリックした上で「賛成」ボタンをクリックするか、もしくはカメラに向かってうなずいていただくことで異議なしの旨を確認させていただきます。
続きまして、委員の異動がありましたので、御紹介させていただきます。
藤井康弘構成員、本多伸行構成員が退任され、新たに、健康保険組合連合会理事の幸野庄司構成員、全国健康保険協会理事の中島誠構成員が就任されておりますので、御紹介させていただきます。
次に、本日の構成員の出欠状況について申し上げます。
本日、今村聡構成員は御欠席されるとの御連絡をいただいております。
次に、資料の確認をさせていただきます。
事前に、議事次第、開催要綱、構成員名簿、厚生労働省出席者名簿のほか、資料、参考資料1から4を送付させていただいておりますので、お手元に御準備いただきますようお願いいたします。
前回の検討会以降、事務局におきましては異動がありましたので、配付させていただいた厚生労働省出席者名簿により御報告させていただきます。
なお、冒頭のカメラ撮りについては、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 遠藤でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
まず、このフロアでございますけれども、今日はスクール形式になっているのですが、これはディスカッションをする上で非常によくないと思いますし、私自身も事務局の顔も見えないという状態ですので、次回以降はコの字形につくっていただくように事務局にお願いしましたので、本日はこれで少し御対応いただきたいと思います。
それでは、まず議事に入る前に、代理出席につきましてお諮りしたいと思います。
本日の会議につきましては、中島誠構成員の代理としまして、全国健康保険協会企画部長、増井英紀参考人が御出席されておりますが、お認めいただけますでしょうか。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、議事に入らせていただきます。議題1「新型コロナウイルス感染症を踏まえた医療提供体制について」でございます。
事務局から関連資料の説明をお願いします。
○小川課長補佐 医政局地域医療計画課の小川と申します。よろしくお願いいたします。
資料に沿いまして、御説明をさせていただきます。
まず、1ページをおめくりいただきまして、8月24日に開催されました社会保障審議会医療部会における議論につきまして御紹介したいと思います。
3ページ、骨太の方針2020について、抜粋して御紹介をいたしました。まず、上のブロックでございますが、総論の部分でございます。1行目から2行目にかけまして、当面の最重要課題としまして、感染症の影響を踏まえ、新規感染者数の増大に十分対応することができる医療提供体制に向けて万全の準備を進めておく必要があるとしながら、下から3行目でございますが、骨太の方針2018、骨太の方針2019等の内容に沿って、社会保障制度の基盤強化を着実に進めていくということが書かれております。
また、下のブロック、各論の部分でございますが、下から5行目の部分でございます。感染症への対応の視点も含めて、質が高く効率的で持続可能な医療提供体制の準備を進めるため、可能な限り早期に工程の具体的を図るとされておりまして、キーワードとしましては、地域医療構想調整会議における議論の活性化、また、医療機能の分化・連携を推進するといったことが書かれておるという状況でございます。
続きまして、4ページでございます。医療部会の中で「新型コロナウイルス感染症の地域医療への影響例と課題」という形で、事務局のほうでたたき台を整理しまして、お出ししているペーパーでございます。
1つ目の○にございますが、今般の新型コロナウイルス感染症の流行は、我が国の医療提供体制に多大な影響を及ぼしているという状況でございます。地域医療におきましては、様々な課題が浮き彫りとなっているということでございまして、下に幾つかの課題を例示しております。行政の課題としまして、例えば病床数の問題、医療機関の間の役割分担・連携体制の問題、また、感染防護具や医療用物資の確保・備蓄の問題、また、右側は医療現場の課題としまして、医療機関への受診控えなどの課題を列記しております。
また、2つ目の○でございますが、これと併せまして、我が国の人口減少と高齢化は引き続き進行するとした上で、効果的・効率的な医療提供体制を構築するための取組、例えば、医療計画、地域医療構想など、こういったものにつきましては、着実に進めるべきではないかといった形で提起をさせていただいています。
こうしたコロナウイルス感染症への対応、また、人口減少、高齢化への対応、こうした課題も含めまして、様々な課題に対応できる柔軟性ある医療提供体制、入院、外来双方にわたってでございますけれども、こういったものの構築を目指すべきではないかという形で論点を提起させていただいています。
こうした上記の方向性、課題を踏まえつつ、各検討会、医療計画の見直し等に関する検討会や、その下に置かれました地域医療構想に関するワーキンググループなどで具体的な検討を行うべきではないかという形で整理をさせていただいております。
このペーパーに基づきまして御協議いただきまして、主にいただいた御意見、5ページに整理させていただいています。1つ目の○が、医療計画に関する内容でございます。今般の新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえますと、医療計画の中に5疾病・5事業というものがございますが、それに加えまして、新興・再興感染症対策の追加をこの医療計画の中に盛り込むべきではないかといった御意見。
また、2つ目以降の○でございます。地域医療構想に関するものでございます。感染症の流行も踏まえながら、改めて地域の医療提供体制をどう構築していくかといったところが重要だという中で、患者・住民の受診行動がどういった形で変化したか、そういったものを分析し、地域医療構想の検討に活用するべきではないかといった御意見。
また、3つ目の○でございますが、医療施設の最適配置の実現、また、地域医療構想の連携を進める必要性が、今回のコロナウイルスへの対応で逆に明らかになったのではないかといった御意見。
また、最後の○でございますが、コロナに関するいろいろな診療機能の実態をもう一度調査しまして、それを構想の中のデータとして示していく必要があるのではないかといった御意見。こういった御意見をいただいている状況でございます。
続きまして、6ページ以降、今、話に出てきました医療計画、また地域医療構想につきまして、簡単に御紹介したいと思います。委員の皆様、御承知のところかと思いますが、簡単に御紹介ということでございます。
まず、7ページ、医療計画制度の概要ということでございます。医療計画制度は、都道府県が、地域の実情に応じまして、医療提供体制の確保を図るために策定するものということでございます。記載事項としまして、主なものを載せておりますが、例えば医療圏、二次医療圏、三次医療圏の設定、また、基準病床数の算定、右側に移りますと、5疾病・5事業及び在宅医療に関する医療連携体制の構築に関する事項、こういったものを記載していただくということになっております。
8ページ、まず、基準病床制度でございます。こちらにつきましては、医療計画の中で、一般病床及び療養病床、また、精神病床、感染症病床、結核病床と、病床種別ごとに基準病床数を算定して記載することとされております。一般病床・療養病床のくくりと、感染症病床、別枠で算定しているということでございます。
9ページは、医療計画における疾病及び事業の考え方、いわゆる5疾病・5事業の考え方ということでございます。5疾病につきましては、広範かつ継続的な医療の提供が必要と認められる疾病ということで、がん、脳卒中、心筋梗塞、また、糖尿病と精神疾患を記載している状況でございます。また、5事業につきましては、医療の確保に必要な事業、特に政策的に推進すべき医療ということでございまして、救急医療、また、僻地医療、災害医療、周産期医療、小児医療といったものを記載しているという状況でございます。
それぞれの疾病及び事業につきましては、厚生労働省のほうで示しております医療計画作成指針の中で必要となる医療機能や数値目標、必要な施策、また、各医療機能を担う医療機関等の名称、こういったものを記載するように求めている状況でございます。
続きまして、10ページ以降、地域医療構想に関する概要資料でございます。
11ページ、地域医療構想の概要でございます。地域医療構想は、2025年に向けまして、病床機能の分化・連携を進めるために、二次医療圏を基本とした構想区域ごとに、また、高度急性期、急性期、回復期、慢性期といった医療機能ごとに、2025年の医療需要と病床の必要量を推計し、定めるものということでございます。
これと、病床機能報告がございます。医療機能の現状と今後の方向を毎年度報告いただいております。こういったものを併せ持って、右下にございますが、病床機能分化・連携につきまして、構想区域ごとに置かれました地域医療構想調整会議の中で議論いただき、また、調整いただくということになっております。
12ページ、2025年の医療需要と各医療機能の必要量の推計の基本的な考え方ということでございます。医療需要、1日当たりの入院患者延べ数というものを高度急性期、急性期、回復期、慢性期ごとに算出しまして、それを病床稼働率で割り戻しまして、病床の必要量を推計しているということでございます。
病床稼働率につきましては、中ほどのところにございますが、高度急性期であれば75%、急性期であれば78%、回復期であれば90%、慢性期は92%ということで設定をしておるところでございます。
続きまして、13ページでございます。これは最近の直近の動きということでございます。今年の8月31日付で医政局長通知ということで発出しておる文書でございます。今般、骨太の方針、先ほど御紹介したもの、また、社会保障審議会医療部会におきまして、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた今後の医療提供体制に関する議論を開始したという状況でございます。昨年度実施しました、公立・公的医療機関への再検証等の期限、また、地域医療構想に関する取組の進め方につきましては、こうした議論の状況、また、地方自治体の意見などを踏まえまして、厚生労働省において改めて整理の上、お示しするといった旨の文書を発出しておるところでございます。
続きまして、少し内容が変わりまして、新型コロナウイルス感染症対応の状況につきまして、簡単に御紹介したいと思っております。
まず、15ページは、感染症法におきまして、どういった感染症対策が講じられているかというところの資料でございます。各都道府県でございますが、感染症法に基づきまして、国が定める基本指針に即しまして、予防計画というものを定めることとされております。下側にございます、左側が厚生労働省大臣が定める、国が定める基本指針でございます。赤い線を引いておりますが、例えば項目の4つ目のところ「感染症にかかる医療を提供する体制の確保に関する事項」など、医療とも関係のある記載内容があるところでございます。
右側の予防計画、これが都道府県が定める予防計画ということでございます。左側の基本指針に即しまして定めることとされておりまして、赤枠で囲っておりますように、地域における感染症の医療提供体制の確保に関する事項等々が記載されることとなっております。
続きまして、16ページでございます。今般、新型コロナウイルス感染症につきましても適用対象と整理されておりますが、新型インフルエンザ等対策特別措置法の概要ということでございます。
この法律の中でも下のほうの赤い囲みでございますが、2.「新型インフルエンザ等緊急事態」が発生した際の措置としまして、3にございますように、医療提供体制の確保、具体的には、臨時の医療施設の開設等々に関する規定が置かれているということでございます。
17ページ、こうした中で、今般の感染症の発生状況ということでございます。右上にありますように、9月24日時点のデータということでございますが、これまでの累積の陽性者数は8万497人ということでございます。「入院治療等を要する者」として現在おられますのが、5,465名ということになっております。
18ページ、この間の国内の感染症患者発生動向ということでございます。4月を中心に一つの大きな山があり、2つ目、7月末をピークとした山もまたあるという状況で動向がございます。
19ページ、その中の重症者数の推移ということでございます。上側の2つのグラフがECMOの状況、下側の2つが人工呼吸器の状況ということでございます。4月のピーク時の状況には至っていないということで整理をしております。
20ページ以降でございますが、20ページが、今後の感染拡大を見据えた医療提供体制の整備、特に病床の確保というところでございます。緑の枠のところにございますが、時間軸を踏まえたフェーズに応じた病床確保を実施していくということ。また、感染拡大防止のための社会への協力要請(自粛要請等)を行う時期の違いによって、患者数、医療資源などは変わってくる。また、収束するまでの時間にも影響を及ぼす。こうしたことを基本的な考え方として、各都道府県におきまして推計の上、病床確保の計画を策定していただいている状況でございます。
一番下にございますが、現在、各都道府県、全都道府県におきまして、策定が完了しているといった状況でございます。
その中で、21ページでございますが、今回は入院等が必要な患者の中で、入院で対応する部分に加えまして、宿泊療養で対応する分ということもしっかりと見込んで対応していく病床確保計画を作成いただいている状況でございます。
また、下のほうにございますけれども、特に医療資源を必要とする重症者につきましても、しっかりと推計をした上で対応を検討している、各都道府県で検討いただいている状況でございます。
22ページは、外来、また検査体制の関係の資料ということでございます。
23ページが、防護具の確保の関係の資料、医療機関等への医療用マスクの優先配布事業ということでございます。
24ページは、こうした医療提供体制の確保、また、マスク等の物資の供給に活用する必要な医療提供体制を確保する観点から、各医療機関から情報を集約する、収集する、把握するというものでございまして、いわゆるG-MISでございますが、こちらの概要資料もおつけしておるところでございます。
続きまして、25ページから28ページにかけまして、新型コロナウイルス感染症の医療提供体制の整備に関する事務連絡を6月19日に発出しております。
25ページのIとあります入院医療体制は、先ほど御紹介した病床確保計画の関係でございます。これに加えまして、IIのほうでございます。救急・搬送体制とございますが、救急患者の受入れ体制の整備ということで、新型コロナウイルス感染症疑い患者の救急対応ももちろんでございますが、2つ目の○にございます新型コロナウイルス感染症以外の救急患者の受入れ体制につきましても、しっかりと明確化をして関係者で共有していくといったことが書かれております。
少し飛ばしまして、27ページの一番下のほうでございますが、周産期・小児医療に関する記述もございます。
また、28ページに参りますと、下から2つ目の四角でございますが、がん患者・透析患者への医療というものもございます。新型コロナウイルス感染症の対応におきましては、救急や周産期・小児、また、がんといった各疾病、また、一般の医療提供体制にも大きな影響が及んでいる、それに対応していかなければならないといったことがお分かりいただけるかなということでございます。
最後に、29ページが、今後の論点ということで、事務局のほうで御説明させていただきました資料を基に整理したペーパーということでございます。
30ページ、「新型コロナウイルス感染症を踏まえた医療提供体制構築に関する現状・課題」ということでございます。まず、現状でございます。地域の実情に応じた医療提供体制の確保につきましては、各都道府県の中で2つございまして、まず、医療計画を策定しまして、疾病・事業ごとに医療連携体制の構築に向けた取組を進めていただいています。
もう一つは、地域医療構想を策定いただきまして、2025年の医療需要と病床必要量を推計した上で、将来の医療需要を見据えた病床機能の分化・連携に向けた取組を進めていただいているところでございます。
また、※印にございますが、外来医療に関しましても、本年2月以降、本検討会におきまして、外来機能の分化・連携に向けた議論を進めていただいている状況でございます。
こうした中、一方、感染症の医療提供体制の確保につきましては、各都道府県におきまして、感染症法に基づく予防計画を策定いただきまして、感染症指定医療機関の整備など、お取組を進めていただいている状況でございます。
こうした中、3つ目の○でございますが、今般の新型コロナウイルス感染症の対応に当たりましては、同種の感染症への対応に関する知見がないという中で、例えば、感染症指定医療機関のみならず、その他の医療機関(一般病床)におきましても多くの感染症患者を受け入れていただいていると。こういったこれまでの医療計画、また、予防計画の中では想定されていない事態が生じているということでございます。新型コロナウイルス感染症以外の一般の医療連携体制につきましても、大きな影響を受けている状況でございます。
こうした現状を踏まえまして、「2.課題」でございます。足元の新型コロナウイルス感染症対応にまずは引き続き全力を注ぎつつ、この対応により得られた知見を踏まえまして、今後、特に新興・再興感染症が発生した際に、行政や医療関係者が連携の上、円滑・適切に対応できるように、新興・再興感染症以外の医療連携体制の影響も勘案しながら、新興・再興感染症対応に係る医療連携体制を構築していく必要があるということでございます。
2つ目に、あわせまして、引き続き進行する人口構造の変化を見据えた上で、新興・再興感染症が発生した際の影響にも留意しながら、入院医療・外来医療双方におきまして、質の高い効率的な体制確保に向けた取組を進める必要があるということでございます。
こうした現状・課題を踏まえまして、31ページでございます。医療提供体制構築に関する論点ということで、3点整理させていただいています。まず1つ目が「医療連携体制の構築(医療計画)」に関する内容でございます。新興・再興感染症対応に係る医療連携体制に関しまして、感染症法等における今後の対応、例えば基本指針、予防計画などでございますが、こうした今後の対応を踏まえつつ、医療計画、例えば疾病・事業ごとの医療連携体制の在り方などとの関係につきまして、どのように考えるかという論点があるかと考えております。こちらにつきましては、関係審議会・検討会等におきまして、新興・再興感染症対応の課題について整理をいただいた上で、本検討会におきましても必要な検討を実施することとしてはどうかと考えております。
2つ目、「将来の医療需要を見据えた病床機能の分化・連携(地域医療構想)」に関する内容でございます。地域医療構想は、平時の入院医療体制を想定したものでございますが、こうした構想に関しまして、新興・再興感染症対応の内容を踏まえつつ、今後の取組についてどのように考えるかということでございます。3つほど例示をさせていただいていますが、感染拡大時の受入れ体制の確保についてどのように考えるか。また、公立・公的医療機関等への具体的対応方針の再検証などの取組にどのような影響があるか。また、今後の人口構造の変化というものを踏まえまして、どのような工程で議論・取組を進めていくか。こういった詳細な論点が想定されるのではないかと考えています。これらにつきましては、詳細につきまして、地域医療構想に関するワーキンググループにおいて検討することとしてはどうかと考えております。
最後に「外来機能の分化・連携」ということでございます。こちらは本年2月から本検討会において検討いただいておりますが、引き続き本検討会において検討いただくこととしてはどうかと思っております。次回以降の議論になるということでございます。
以上が資料の説明でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、早速ディスカッションに入りたいと思いますけれども、事務局の資料の中に論点として幾つか絞っておりますが、この辺を踏まえまして、幅広の議論をいただければと思いますので、御発言のある方はお手を挙げていただきたいと思います。いかがでしょう。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。山口でございます。
今回、新型コロナが大きく影響を及ぼしている中で、実は私たちはボランティアスタッフが中心になって電話相談を受けているのですけれども、緊急事態宣言が発令されたときにはボランティアの活動を休止しましたので、約2か月にわたって私ほぼ一人で百数十件の電話相談を受けておりました。
そんな中で特に痛感しましたのが、とても情報にあおられてしまったり、非常に感情的に恐怖心を抱いて過度な受診控えをしている方がとても多かったことです。その経験から、やはり各都道府県が地域ごとに住民に対してどういう感染症対策を取っているのかということを、今回のことを踏まえてこれからは知らせていく必要があると感じました。特に、突発的に行政、都道府県レベルで出される方針、対応などに、結構混乱していた住民の方も多かったのではないかと思っています。
そういうことからしますと、医療計画の中の5疾病に加えて感染症を加えていく必要があるのかなと考えていたのですが、15ページで、感染症法による各都道府県で予防計画を立てているという御説明がございました。そのことについての課題ということで、30ページに、それだけで十分なのかということが書いてあるので、事務局に質問させていただきます。この感染症法による予防計画で、どういうことが対応できて、どんなことが不十分だったのか、さらに、どんなことが必要なのかという整理はどれぐらいできているのか。そういった資料を見せていただきながら、医療計画の中にどれを盛り込んでいくと考える必要があるかと思ったのですが、現時点でその辺りの整理がどれぐらいできているかということを教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょう。
○小川課長補佐 ありがとうございます。
委員御指摘のとおりかと思います。まず、現在どこまでが対応できていたのか、また、できていないのかというところをしっかりと整理するところが重要かと思っております。
そうした意味で、31ページの論点にありますように、感染症法における今後の対応、基本指針や予防計画、今後の対応をどうしていくのかを、まずはしっかり課題を整理していただいた上で、この検討会でもそれを踏まえまして検討を進めていくことが重要かと思っております。
○遠藤座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 そうすると、整理をした上で、今後医療計画の見直し検討会に資料として出していただいて、私たちの議論ができると受け止めてよろしいでしょうか。
○遠藤座長 事務局、どうですか。
○小川課長補佐 そういった方向性で考えております。
○遠藤座長 よろしいですね。ありがとうございます。
それでは、遠隔でお手をお挙げになっておられる方がいらっしゃいますので、櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。櫻木です。よろしくお願いします。
私は精神科病院協会の立場で幾らかお願いや御質問も含めて行いたいと思います。
そもそも精神科の病院というのは、構造上、閉鎖的な環境が多いということ。そのために飛沫ないしは空気感染、これが蔓延しやすい。それから、非常にドアが多いのです。そういった意味では、接触あるいは交差感染が起こりやすいということで、感染制御が非常に困難な環境にあると。
それから、入院の患者さんの精神状態であるとか、あるいは自己の衛生管理の問題があって、病棟に一旦ウイルスが持ち込まれると、ほかの患者さんあるいは職員に対する感染、暴露、これのリスクが高いということで、非常にウイルスが持ち込まれること自体の水際作戦も大事ですし、一旦院内で感染が発生するとコントロールが非常に難しいということで、常々そのことは苦慮しているわけです。
感染の患者さんが入院などで発生した場合に、精神医療と感染症治療、これをバランスよく治療していくためには、専門医療機関への転院ということも考えざるを得ないということがあるわけですけれども、これが先ほどの医療体制の整備に対する事務連絡にありますように、精神症状の軽重、感染症の軽重というマトリックスをつくってそれに対応しなければいけないということになるわけですけれども、なかなか進んでいません。
今回、新型コロナウイルス感染症でかなりそういったことが注目をされるのですけれども、それ以前から精神障害を持っている方の身体合併症に対する連携体制がかなり問題であると言われています。連携体制に関しては医療計画で定めていくということになっていますけれども、なかなかこれは実態として進んでいないということが現状にあります。全国で様々な精神科の病院の院内感染なども発生していますし、精神科救急で受診する際に発熱あるいは具体的な症状があって、その患者さんをどういうふうに治療を進めていくかということで、かなり混乱も起こっています。実態として、そういった状況をどの程度把握されているかということと、身体合併症を含めて、これから医療計画の中で、なかなかこれは今まで進んでいないのですけれども、一般医療と精神科医療の連携体制、これをどう進めていくと考えておられるか、この辺のこともお伺いしたいと思います。
一つ残念というか、この事務連絡を見ていても、例えば周産期であるとか、あるいは透析の患者さんについては項目立てをして対応していただいているのですけれども、精神のことはどこにあるのかなと探していましたら、障害児あるいは障害者への医療というところの「3.その他」というところでようやく出てくるのですね。これは非常に残念に思いましたので、感想として付け加えたいと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、事務局に対するお考えを求めたところがありますので、よろしくお願いします。
○鈴木地域医療計画課長 御質問ありがとうございます。地域医療計画課長の鈴木でございます。
先生の御指摘のとおり、今回のコロナの関係でございますけれども、様々な医療機関で起こっております。御指摘のとおり、精神病院でも起こっておりまして、そういった精神病院の難しさというところも浮き彫りになったところでございます。
そういったことで、コロナと精神、コロナとその他の疾病、いろいろな形での考え方は今後示していかなければいけないと思いますが、まず、今回のコロナウイルス、通常の感染症ではなく、いわゆる突発的に分からなかった感染症が起こったときに、どういう体制をまず感染症として取っていただくのか。それから、その後に合併症ですとか、そういった基礎疾患があるような方々、それについてどういう対応をしていくのかというのを併せて考えていかなければいけないと思っております。
そういった中で、今回の医療計画の中に位置づけるか位置づけないか、どういうふうに位置づけるかということにつきましては、それぞれ関係課、厚生労働省の中でも感染症を行っているところ、精神障害をやっているところ、いろいろな課がありますので、そういったところと連携を取りながらやっていきたいと考えているところでございます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
櫻木構成員、よろしいですか。
○櫻木構成員 よろしくお願いします。なかなかそこのところの連携が今まで十分に取れていないところがありますので、今後ますますそこのところを考慮していただければと思います。お願いします。
○遠藤座長 それでは、先ほど来オンラインで手を挙げておられました野原構成員、お願いいたします。
○野原構成員 野原でございます。
論点を2点お示しいただきましたので、それらについて意見を述べさせていただきます。
まず、医療計画における新興・再興感染症対応の位置づけでございます。岩手県も医療計画の3年目の中間見直しの議論を始めたところですけれども、審議会委員からは、感染症対策に関する記載が不十分であり、今回の中間見直しにおいて記載の充実を図るべきとの意見が出ているところです。
世界的な公衆衛生上の課題となっている新型コロナウイルス感染対応のような新興・再興感染症対策を計画に盛り込むことは必要と考えます。各都道府県では、医療計画の中間見直しの議論や検討を行っていますが、今年度中に実施予定と3年度中に実施予定としている自治体で約半々に分かれている状況です。新型コロナウイルス感染症対応は現在も行っているところであり、整理すべき課題は多々あり、今後、厚生科学審議会等で検討が進められるものと理解していますが、この医療計画中間見直しの検討の中で感染症対策の反映を行うのか、それとも、第8次計画策定に合わせて検討を進めるのかといった、今後の医療計画への反映についてのスケジュール感を自治体に早めに示していただければと考えております。
2点目、地域医療構想における位置づけでございます。昨年度、再検証が必要な424の公的・公立病院が公表されたわけでありますが、その中には感染症指定医療機関など、今般のコロナ対応を行っている医療機関が大きく含まれております。岩手県でも第一種感染症指定医療機関や専門的な結核医療を担う病院が含まれております。地域医療構想の入院医療体制計画には、感染症や結核病床を対象としていないためでありますが、そもそものところで、政策医療としての感染症病床をその中でどのように位置づけるかの整理が必要と考えます。
資料30ページの現状で示されているとおり、今般の新型コロナウイルス感染症対応病床については、感染症病床にとどまらず、多くの一般の急性期機能を担う医療機関で対応していただいています。国からは重点医療機関を中心とした体制確保が求められておりますけれども、地方では重症者を受け入れる医療機関は医療圏で1か所しかないことが多く、地域での役割分担が難しい場合もございます。
また、こうした医療機関は、がん診療や救急医療など、地域での一般医療の中核を担っていることが多く、院内感染等で医療機能の一時的な制限を行わなければならない場合、地域の医療提供体制に与える影響は極めて大きなものとなります。
こうした医療資源が少ない地域にとって、一般医療の確保と感染症拡大時における病床確保のバランスをどのように取るのかは大きな課題であり、そういった地域にも配慮した検討が必要と考えます。
また、感染症指定医療機関についても、感染症法や予防計画に基づいて整備を行っていますが、平成19年の感染症法改正による類型見直しで、それまで二類感染症であったコレラや赤痢などが三類に移行いたしましたが、感染症指定医療機関の機能の現状としては、以前のこうした消化器感染症を想定したものとなっており、今般の新型コロナウイルス感染症への対応についても、地域によっては例えばECMOや人工呼吸器対応など、重症患者は他の高度医療機関での対応となるなど、重症呼吸器感染症に十分対応できるものとなっていないのではないかと考えます。こうした感染症指定医療機関の機能や確保すべき病床数についても、国において検討を進めていただければと考えております。
また、今後の議論の工程でありますが、2024年からの第8次医療計画の策定に向けて、2025年を目指した地域医療構想の位置づけが議論になると思われます。次は2040年を目指すのかなども含めて、ポスト地域医療構想の工程等もお示しをいただければと考えております。
長くなりましたが、以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
御意見の部分もありましたけれども、事務局コメントを求めているものもあったと思いますので、回答できるものについてはお願いしたいと思います。
○小川課長補佐 ありがとうございます。
大きく分けて2点あったかと思います。まず一つが、感染症対策、現在医療計画の中間見直しに取り組んでいただいている中で、そういうことも含めてどういったスケジュール感で議論を進めていくのかということかと思います。現時点におきましては、31ページに記載のとおり、我々事務局としましては、何か具体的なスケジュールを想定しているものでは正直ございませんということで、まずは関係審議会等々におきましてしっかりと課題を整理いただいた上で、我々の本検討会におきましても必要な検討をしていくということかと思います。スピード感を持って検討していくことも重要かと思いますが、まずはこういった形で検討を進めていきたいというのが現状でございます。
続きまして、地域医療構想の関係でございますが、今後地域医療構想に関するワーキンググループにおきまして詳細の議論をいただきたいということで考えておりますが、その際、おっしゃっていたとおり地域性を踏まえた議論ということは非常に重要かと考えておりますので、御指摘を踏まえた形での議論を進めていただきたいと思っております。
また、ポスト地域医療構想、2025年以降のことについてどうかということでございますが、31ページにも、今後の人口構造の変化を踏まえ、どのような工程でということがございます。2025年までの工程、また、それ以降の工程、幅広い観点で地域医療構想ワーキングの中でも議論を進めていただきたいということを考えております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
野原構成員、いかがですか。
○野原構成員 了解いたしました。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
今度は少しフロアで行きたいと思います。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ありがとうございます。
この感染症に関しましては、本来は医療計画に以前から組み込まれているべきものであったと思いますが、これまで幸いにして我が国では重大な感染症が広範囲に蔓延しなかったということで、それに対して、今回このコロナが広範かつ持続的に蔓延をしている状況を踏まえますと、論点の最初、医療計画に組み込むという事務局の提案は賛同したいと思います。
その中において少しお伺いしたいのは、この検討会でどの程度まで内容を検討するかという点についてお聞きしたいと思います。先ほどの御質問にもございましたが、基本的にこの医療計画、例えば5疾病・5事業に組み込むということになりますと、5疾病ですと、これは省令で規定されているものですし、5事業になりますと、これは法で規定されているということになります。そうしますと、先ほども御質問にございましたが、議論をするスケジュール感に影響を及ぼしてくるということがございます。ですので、どこに組み込むのかという議論をするのかどうかという点がこの会で明確にすべきものかどうかということ等について、まず御質問したいと思います。
○遠藤座長 以上でしょうか。
○城守構成員 取りあえず、今のところを。
○遠藤座長 では、事務局、ただいまの質問について御回答をお願いします。
○小川課長補佐 ありがとうございます。
31ページのところに書いてあるとおりでございまして、まず、新興・再興感染症対応について、医療計画との関係についてどのように考えるかということかと思っております。仮に医療計画の中に盛り込んでいくということになりますと、当然、委員御指摘のとおり、疾病・事業、どういう形で位置づけていくのかといった議論も必要になってくるかと思いますが、まず、関係審議会におきましてしっかりと課題を整理いただいた上で、それをもってこの検討会でも検討を進めていきたいということを考えております。
○遠藤座長 城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 了解しました。
ということは、基本的には関係審議会、感染症の検討会が開かれることになるのかなと思いますが、そこの検討会で議論をしていただいて、予防計画と医療計画の整合性、その整理をしていただいたり、その他の審議を積み重ねていっていただいたものが上がってきた段階で、この検討会でさらにフレームワークを決めていくという認識でよろしいのでしょうか。
○小川課長補佐 事務局でございますが、おおむねそのような形を考えております。
○城守構成員 了解しました。
○遠藤座長 よろしいですか。
それでは、佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤構成員 ありがとうございます。
先ほど来のお話のように、感染症予防、感染症対策、これは各都道府県の医療計画の中に書き込まれているのは確かとは言いながら、今回の新しい新興・再興感染症についてはほとんど触れられていないはずであって、ここの部分の充実は重要だと思いますし、先ほど、城守構成員からのお話も、野原構成員からのお話も、そのとおりだと思います。ここは間違いなく新たな部門として充実させるべきだと思います。
一方で、疾病・事業、在宅医療を見ていきますと、例えば疾病であれば、糖尿病であればこの新型コロナの重症化に関与することが分かっている一方で、事業の場合で見た一例として考えれば、例えば災害医療の場合、今回、台風があった際に避難所運営に大きな問題があったというふうに、全くステージといいますか、取組方が異なっています。
また、在宅医療においても、施設における在宅医療は厚労省からの二度ほどの通知がしっかりと行き届いている部分もあって、計画的に行われる在宅医療に関して全くそれが阻害されることが少なかったという報告がある一方で、居宅関係のほうは、必ずしもそれが順調に行ったかというとまた違う要因があって、つまり、新型コロナの影響というのは、疾病でも事業でも在宅医療でも、それぞれ異なる影響を持っているのだということがありますので、その中心になるのは、感染症予防と感染症対策をしっかり出した上でそれを考えていくということが必要ではないかと思っています。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
それでは、先ほど来、お手を挙げておられる方が何人かおられますので、順番を決めさせていただきます。次が加納構成員、それから、オンラインの織田構成員、そして、今村構成員の順番でお願いしたいと思います。
それでは、加納構成員、お願いいたします。
○加納構成員 ありがとうございます。
医療計画というものは地域医療を守るということが至大の責務だと思います。今回、日本で幸いにして医療崩壊が起こらなかった一番の原因は、病院の8割は民間病院なのですが、その民間病院の多くが実際にはコロナ患者を受け入れた病院と受け入れなかった病院と分かれ、受け入れなかった病院のほうがかなりの数を占めているということがあったのですが、実はこれがよかったと私は認識しております。一つ、欧米との違いは、やはり欧米の病院というのは急性期医療は巨大病院に集約化されているというのが実態でありましたし、普段でさえERの救急入り口で、もちろんトリアージはされているのですが、ストレッチャーに乗せられたまま並んで廊下で順番待ちしている姿を見ていますと、そこに今回のようなコロナの感染者が次々と搬送されれば一気に医療崩壊が起こると思いました。
実際にそれが現状だと思うのですが、日本はそういう形ではなくて、今回は後でも議論があるかと思うのですが、PPE等の備蓄等の問題がありまして、一般の民間病院では備蓄が全くない、マスクも消毒薬さえない状況下で、今回コロナ患者を受け入れなければいけなかったわけです。多くの民間病院は、それぞれの判断で患者様を守る、また、職員を守るために受け入れをしないという決断をなさった民間病院が9割方いたかなと私は認識しております。
その結果、何が起こったかといいますと、コロナを受け入れた病院と受け入れなかった病院でしっかりとした役割分担ができたことで、救急搬送、例えば大阪ですと、今年4月は約1万5000件の市内の救急搬送があったわけですが、昨年4月は約2万件あったそうなので、昨年比ちょうど25%減少しています。今回不要不急の外出も少なかったし、疾患等も減ったわけなのですが、これでも約1万5000件の救急搬送があった中で、コロナの患者さんは1割弱なのです。あとの9割の患者さんは一般の救急を要請する急性疾患の患者さん、つまり急を要して治療が必要な患者さんであったわけで、そこをどこが受けたかといいますと、欧米と違って、先程申しましたコロナ患者を受け入れなかった民間病院がしっかりと活躍しました。大阪市内ですと、普段から8割方民間医療機関が救急を受け入れていますので、コロナを受け入れなかった分、しっかりと一般の地域医療の急性期を守った。それが医療崩壊を起こさなかった大きな理由であります。
また、致死率等も、恐らくコロナを受け入れた病院の中で、今回重症を受け入れた病院は大阪市内ですと総合医療センターなど、幾つかの病院はあるのですが、そちらは一般の急性期を全部断って、急患も断って、重症患者に専念して治療を行った。その結果、よく言われているように、ECMOの成績が欧米の50数%と比べて70数%に上がった。それは、その現場は大変だったと思うのですが、しっかりと重症患者に専念して治療が行えた。そういう環境が日本ではあったから医療崩壊しなかったと。ファクターXは実はしっかり頑張った民間病院の存在だと私は認識しておりますので、今後、地域医療計画の中で感染症というものを考える上で、そういった要素を考えながら、単に感染だけを見ていますと、そういったところがついついおざなりになって計画が立てられますと、実際に動かなくなってしまう。そういったことも含めてしっかりと練るべきではないかと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、織田構成員、お願いいたします。
○織田構成員 ありがとうございます。
今までの議論で大分言い尽くされた部分ではあるのですけれども、実際、これまで医療計画と地域医療構想の議論の中で、感染症の拡大というリスクマネジメントがなかったというのは事実だろうと思います。そういう意味では、医療計画の5疾病・5事業の中に付け加えることは必要だろうと思います。
先ほど、加納構成員もおっしゃいましたけれども、我々佐賀県では、救急医療に関してコロナを受け入れる病院とコロナを受け入れない病院を分け、受け入れない病院は受け入れる病院の従来の救急も受け入れるという特別二次救急医療機関という県内独自の指定をしました。それによってコロナを受け入れる感染症指定病院は県内の高度急性期を担っていましたが、それを何とか他の二次救急病院でカバーするような体制ができました。こういうものは日頃の地域医療構想調整会議での議論が進んでいたおかげだろうと思います。
ですから、これからさらに進めるためには、5疾病・5事業の中に正式に入れて、感染症法だけだとこれまでなかなか議論の中に入ってきませんでしたので、感染症予防計画に並行して医療計画の5疾病・5事業の中にさらに加えて進めるべきだろうと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、今村構成員、お待たせしました。
○今村(知)構成員 それでは、意見と質問を。医療計画の中にこの感染症を加えていくということは賛成です。今回のコロナ対策、私も前線で体制の整備をさせていただいて思うところは、急性期の大きな病院でかなりこのコロナの患者さんを受けてもらったので何とかもったということがあります。そのときにしみじみ感じたのは、余力がないとこれを受けることができないということなのですね。それに対して、今、医療構想などでやっていることは、急性期からできるだけ慢性期にシフトしていこうということで、余力をそぐ議論に近いと思うのです。
この2つを両立させようということをこの会議で議論しようとしているのですけれども、余力が必要だということが今回の31ページの資料で言うと医療計画の体制の整備のほうの議論で、余力はできるだけそごうというのがこの医療構想のワーキングのように見えてしまうので、この2つを違うところで議論して、ここの会議でそれを調整ができるのかというのは疑問であります。少なくとも何らかの形で途中で意見のすり合わせをしていかないと、この両立は難しいのではないかと思います。
その上で、今後医療計画とこの感染症法による医療体制の整備を考えていくと、もともと医療法の中には感染症病床の指定があります。先ほど、精神の議題もありましたけれども、精神は医療法の中で精神病床の指定があるわけで、もともとの二重支配という構造があると思うのです。ですから、落としどころとして、感染症でやるべき部分とこの医療計画、医療法の中でカバーする部分の二重支配で対策を考えていかないと、別々につくってもうまくいかないのではないかということを危惧します。
質問としては、議論の進め方と、議論の最中での情報共有をどうするかということで、事務局にお答えいただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
2つ御質問が出ましたけれども、いかがでしょうか。
お願いします。
○小川課長補佐 ありがとうございます。
まず、医療計画の中の議論と、医療計画に関連してという形の議論と、地域医療構想に関連しての議論をどういうふうに整合性といいますか、一体的にやっていくかというところかと思いますが、いずれにしましても、地域医療構想に関するワーキンググループも医療計画検討会の下に置かれたワーキンググループということでございますので、その辺、例えば検討状況をこの検討会の中に報告するなど、進め方につきましては検討させていただきたいと思っております。
また、感染症法に基づく施策に関してと、医療法に基づくといいますか、医療計画、地域医療構想に基づく施策との整合性というところでございますが、ここは同じ厚生労働省内ということでございますので、関係部局でよく連携して、よく情報、状況を共有しながら取組を進めていきたいと思っております。
○遠藤座長 今村構成員、どうでしょう。
○今村(知)構成員 私は両方の施策に携わったことがあるので、発想がもともと違うのです。ですから、発想の違う2つの政策を、最終的には局も違うと思うのですけれども、その政策をどう一本化するのかというのは、なかなか難しい作業なのだと思います。ですので、ぜひそこら辺をよく連携を取ってもらって、矛盾がないように進めていただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 重要な御指摘だと思います。
それでは、先ほど来お手を挙げている田中構成員、それから、幸野構成員の順番でお願いしたいと思います。
○田中座長代理 ありがとうございます。
在宅医療について質問いたします。先ほど、佐藤構成員が触れてくださったように、在宅医療の患者数はすでに多くなりましたし、これからも増えます。論点の真ん中、地域医療構想のところにも「今後の人口構造の変化を踏まえ」と書いてあります。人口構造の変化を踏まえれば、在宅医療を受ける患者数は現在1日20万人に近づいているはずですね。在宅医療は病床機能とはまた別の課題になるはずです。これは次の外来機能の分化・連携のところで取り上げられるのでしょうか。在宅医療の中で、コロナ疑いの方については対応が取られていますが、新型コロナ感染者が増えると、在宅医療の提供が不足するおそれもあります。これは外来機能の分化の中で扱うという理解でよろしいのでしょうか。事務局、お願いいたします。
○遠藤座長 事務局、重要な質問です。
○鈴木地域医療計画課長 御質問ありがとうございます。
田中構成員のおっしゃるとおり、今回のコロナにつきましても、施設系で受け入れる場合と、一部在宅のところでも受け入れるケースがございました。今回の医療提供体制の構築の中で考えておりますのが、一つは在宅も含めて感染症対策をどうやって、特に通常の感染症ではなくて今回のようなコロナという観点から、新興・再興感染症のいわゆる在宅も含めた医療提供体制をどうやってやるのかということについては、一度検討していただかなければいけないと思っています。それにつきましては、先ほど、今村構成員もおっしゃいましたが、いわゆる感染症のほうからどういう形で考えるのかというものも踏まえて、こちらの検討会の中で議論していただきたいと思っています。
それとは別に、医療計画の中にはいわゆる病床というものがございますので、感染症の病床につきましては、基本的には今回の地域医療構想のいわゆる病床の中の枠外にはあるのですけれども、コロナウイルス感染症につきましては、その感染症病床だけでは収まらないという中で、一般病床も含めて、いわゆる地域医療構想で検討されている病床の範囲の中も含めてやられておりますので、そういった中で特別に少し今後どうしていくのかということについて別途ワーキングチームのほうで考えていただきたいという整理でさせていただきたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
田中構成員、いかがでしょう。
○田中座長代理 ありがとうございます。それで結構です。
なお、地域医療計画、5疾病・5事業に感染症を加えるのは私も賛成いたします。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしました。幸野構成員、お願いいたします。
○幸野構成員 本日から参加させていただきます、健保連の幸野でございます。よろしくお願いします。
この論点の新型コロナウイルス感染症と医療計画、地域医療構想をどう考えるかということで、いろいろな意見を伺っていますが、私は他の構成員の方と違いまして、今般の新型コロナウイルス感染拡大は、我が国にとっていまだかつて経験したことのない未曽有の事態であり、患者の状態が軽症、中等症、重症にかかわらず、受入れ可能な病院への入院が原則ということがあったことから、特に4月、5月、局所的に医療提供体制を圧迫する事態が生じたというのは確かに事実だと思います。
しかしながら、感染拡大から半年以上経過して、PCR検査の可能数も一定程度増え、感染者の状態も無症状の方から重症まで様々であることが分かってきたところです。先般、9月4日に発出された厚労省からの事務連絡ですが、この資料では22ページにあります流れのとおり、今後の対応としては、コロナ患者を検査・診療ができるかかりつけ医や小規模病院を増加させて、例えば患者の状態に応じて、軽症者は宿泊施設、中等症以上の方や重症化ハイリスクの高齢者の方たちは入院といった切り分けのできる体制を確立していくことによって、病床数の不足は一定程度回避できるのではないかと思います。
そのためには、この資料にもありますが、都道府県ごとが策定する予防計画で、各フェーズにおいてどのような病床をしっかり確保するかということを、病床確保計画で定めて各都道府県のフェーズに応じた対応をしていくべきこと、そういうことが大切だということが分かったのではないかと思います。
感染症拡大時の対応病床の確保という突発的、臨時的、短期的な対応と、将来の医療需要を踏まえた中長期的な医療計画や地域医療構想については、関係がないとまでは言いませんが、逆に、コロナ禍の教訓を機に、各都道府県が予防計画の中でしっかりと感染拡大時の病床確保計画を定めることによって、5疾病・5事業に加えるべきだという御意見が多数でしたが、両者については、切り離してやることは可能ではないかと考えております。
地域医療構想もしかりであり、今後、少子高齢化という人口構造の基本的なトレンドをどう対処していくかということを議論するところではあり、2025年までの残された時間を考えれば、新たな工程の具体化に向けた検討を行っていくべきだと考えます。
以上、意見でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、先ほど手を挙げておられた吉川構成員からお願いいたします。
○吉川構成員 ありがとうございます。
まず、31ページの論点についてですけれども、基本的にこの論点及び今後の検討の進め方につきましては賛同いたします。
その上で、今回の新型コロナウイルス感染症を踏まえた医療提供体制の構築に関しまして、感染拡大時の病床確保は必須と思いますが、それに加えまして、看護師をはじめとした医療従事者の人材確保が非常に重要になると思います。
新型コロナウイルス感染症で大変であったことの一つが、人材の確保でした。病棟の閉鎖や外来診療の縮小など、言わば、通常医療をやむを得ず犠牲にするような形で看護師配置の調整を行ったり、高度急性期や急性期医療を担う病院の中でも特に平時より入院基本料の配置基準を超えて看護師を加配しているような医療機関では、集中治療室や病棟、外来間で柔軟に看護師の配置を調整するなどし、多くの新型コロナウイルス感染症患者の受入れに対応してきました。
さらに、今回は対応が長期化したことで、医療従事者がかなり疲弊するという問題も生じました。医療従事者が疲弊しないような勤務時間や交代勤務体制、休憩や勤務間のインターバルの確保など、労働環境の整備も含めた人材確保が今後非常に重要になると考えます。
一方で、新興・再興感染症から地域医療を守っていくためには、医療機関のみならず、介護施設も含めた地域全体で感染対策をどう考えていくかという視点が非常に求められてくると思います。認定看護師等の専門性の高い人材の育成と配置を医療計画でしっかりと推進していただくことも重要だと思いますし、それを含め、所属を超えて地域で活躍できる仕組みをしっかりとつくっていく必要もあると考えます。
病床の確保に加えて、人材の確保、それは量的な確保と専門職などの質的な確保の両方に重点を置いた検討が必要と考えますので、意見として述べさせていただきます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、尾形構成員が先ほどお手を挙げておられましたので、尾形構成員からお願いします。
○尾形構成員 ありがとうございます。尾形です。
31ページの論点整理についてですが、全体としては異論はないのですが、2点要望、1点意見を申し上げたいと思います。
まず、要望ですが、ここには医療計画の検討会、あるいは地域医療構想ワーキンググループで議論すべき論点ということで整理されていますが、先ほど、今村構成員もおっしゃっていたように、ぜひ検討事項を整理していただいて、2つの検討会あるいはワーキンググループのデマケーションというのでしょうか。そこは明確にしていただきたいと思います。地域医療構想といっても、あくまでもこれは医療計画の一部ですし、先ほど事務局からお話があったように、ワーキンググループというのも当検討会の下に置かれているものであるということですので、ぜひ両者の機能分担と連携を十分に取っていただきたいというのが要望の1点目であります。
2点目は、先ほど、新型コロナウイルス感染症に関して、非常に誤った情報が流布している面があるというお話がありました。確かにそうだろうと思いますが、実は地域医療構想についても私は結構誤った情報が流布していると思っています。例えば一例を挙げれば、地域医療構想というのは病床数の削減を目的としているといった報道も見られるところですけれども、これは明らかに誤りだと思います。ぜひこういった誤解については払拭されるよう、もちろん我々も努力しますけれども、行政としても粘り強く説明していただきたい。これが2点目です。
3点目は意見になりますが、地域医療構想は当面の目標年次2025年ということですけれども、考えてみますと2025年まであと4年半でありまして、もう間近に迫っているわけです。もちろん2025年に向けて地域医療構想を進めていくということは当然なのですけれども、一方でそろそろ高齢化のピークである2040年代を展望した新しいビジョンを検討すべき時期が近づいてきているのではないかと思います。
もともと、地域医療構想の原型となったのは、振り返ってみると、2008年にシミュレーションというものが出され、さらに2011年にいわゆる2025年ビジョンというものが出て、それを踏まえて、2014年の法改正によって今の地域医療構想が制度化されたという経緯だったと思います。何を申し上げたいかというと、地域医療構想のアイデア自体というのは、実はもう十数年先の世界を見越してつくられていたものだということが一つ。それから、アイデアが出てからそれが実現されるまでにはさらに数年かかっているということですので、もうそろそろ次のビジョンを検討する時期が近づいているのだと思います。これは意見として申し上げたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
質問はございましたか。
○尾形構成員 ありません。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、先ほど手を挙げておられた荻野構成員、どうぞ。
○荻野構成員 ありがとうございます。
薬という視点から少し意見を述べさせていただきたいと思います。私は特に薬局の薬剤師でありますけれども、次の医療計画の見直しの検討に当たりまして、幾つかの視点を、特に忘れていただかないようにしていただきたいということで意見を申し上げさせていただきたいと思います。
31ページの論点につきましては、私どもはおおむね問題ないものと思っております。
意見でございますけれども、医療提供体制の中で薬物治療、すなわち、医薬品の提供は患者にとって不可欠なものでありまして、薬剤師並びに薬局がその重要な使命を担っているということは言うまでもありません。外来機能の分化・連携での医療提供体制の中では、かかりつけ薬剤師による薬物治療上、必要な医薬品提供の役割を担っているわけでありまして、薬局についても、ぜひ忘れずに位置づけをしていただきたいと考えております。
しかしながら、法律の立てつけによるものかもしれませんけれども、しばしばその役割が忘れられてしまうことがあるように感じているところがございます。医政局だけではなくて関係する省内の、特に私どもにとりましては医薬・生活衛生局を含めた各局とも連携をして、国民、患者のため、よりよい医療提供体制の構築となるようお願いをしたいと思っているところでございます。
また、医薬品の提供に当たっては、薬剤師、薬局だけではなくて、医薬品を製造するメーカー、そして、それを物流という側面から確実に医療現場に届ける医薬品卸も重要なプレーヤーであるということが言えると思っています。
つい先日でございますけれども、医療用医薬品の安全確保策に関する取りまとめが公表をされたところであります。医療計画、医療提供体制の構築に当たっては、医薬品の安定確保という土台がなければ実現できないところでありますので、このようなことも念頭に置いていただいて、計画を作成していくということが求められるのではないかと考えております。
さらに、新型コロナ禍での医療提供体制において、薬剤師、薬局は、医療機関と連携をし、患者さんに確実に薬を届けるとともに、安全・安心な薬物療法を提供するという使命を担ってございます。その手段の一つとして、対面での実施が基本である医療において、薬機法の改正により本年9月から実施となりましたオンライン服薬指導は、対面を補完するツールとして活用していくことが考えられます。医療提供体制においては、患者さんが安全に薬物療法を受けることができるよう定められたルールにのっとって、かかりつけ薬剤師として適正、適切に対応していくことが求められると考えております。
こうしたことを踏まえて検討が必要と考えてございますので、よろしくお願い申し上げて、意見とさせていただきます。ありがとうございました。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
それでは、オンラインで御参加の織田構成員が手を挙げておられますけれども、よろしくお願いします。
○織田構成員 今回のコロナで大きな問題になっているのはやはり御高齢の方で、特に介護施設や居宅のグループホームなどでクラスターが出てくるところにどう対応するかということだろうと思います。
そういう中で、この医療計画の中に在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループもございますので、田中先生もいらっしゃいますけれども、ここでもやはり議論が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょう。
それでは、城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 1つ意見と1つ御質問をしたいと思います。2つ目の論点の地域医療構想に関して、先ほどからもお話があったように、この疾病構造はコロナを経たからといって大きく変わったということはありませんので、基本的にはこの地域医療構想というのは粛々と進める形になろうとは思いますが、先ほどもお話にございましたように、例えば424病院、いわゆる再編統合になった医療機関であったとしても、コロナに大変重要な役割をしていたという病院等もあるとお聞きをしております。この辺りはしっかりと実態を把握した上で、なおかつ、その病床というものをどう考えるのか。感染症として増やすのか、それとも休床にしておいていざというときに使えるような状況にするのか等の議論は、先ほどワーキンググループで議論すると事務局からお話をいただきましたので、その辺りをしっかりと議論していただきたいと思います。
そして、3つ目の論点の外来機能の分化・連携に関して、引き続き検討するという事務局からの提案がございますが、これはここにおられる先生方、皆さんお感じになっておられると思いますが、前回、全世代型社会保障の検討会の記載の意向を踏まえて、事務局からの提案で出された内容に関して議論を重ねましたが、結果的になかなか収れんするには至らないというよりは、まとまらなかったと記憶をしておるわけでございます。この引き続き検討するというのは、その検討を引き継いで検討するのか、それとも新たな論点として事務局から何か提案があるのか。もしお答えができるようであればお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、事務局、質問が出ておりますので、お願いします。
○高宮医療政策企画官 医政局総務課の企画官でございます。
外来の機能分化・連携について、引き続き本検討会で次回以降御議論いただこうと考えています。その際、3月まで集中的に議論いただいた内容を踏まえまして、またそれに対して、新型コロナで様々な外来に関しても患者の受診控えなども起こっているという話、それから、発熱患者に対して検査、相談、診療を行う体制を確保していかなければいけない、あるいは一般の医療も継続して感染防止措置を講じながら提供していただくということもございますので、それらを含めて、また論点、データもお示しして議論いただこうと考えております。
いずれにしましても、また次回以降、座長とも相談しながら資料をお出しして、御意見をいただきたいと考えています。
以上です。
○遠藤座長 城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ありがとうございます。
前回もそうだったのですが、テーマとしてこの外来の機能の分化・連携という、その目的ですね。それがもう一つ明確でなかったと記憶しておりますので、その辺りも明示をしていただきながら提示をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
幸野構成員、今のお話と関連するということですか。
それでは、お手を既に挙げている方は何人かいらっしゃいますが、まずは幸野構成員、お願いいたします。
○幸野構成員 今日、発言しないでおこうかと思ったのですけれども、外来の話が出ましたので意見を申し上げます。
今回のコロナ禍で少し学習したことは、かかりつけ医があまり対応できなかったというところかと思います。外来機能の分化・連携については、今回起こった新型コロナの患者が受療行動に大きな影響を与え、受診控えも起こったということがありますが、そういったところをしっかりと検証して、その上で外来機能はどうあるべきか、この姿、方向性について検討していくべきだと思います。その上では、全世代型社会保障検討会議の中間報告の内容も踏まえて、本検討会で検討を行っていくべきだと思いますので、意見として言わせていただきます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
山口構成員も関連ですか。では、手短にお願いいたします。
○山口構成員 私もこの外来のことについては、3月までの議論というのは本当に降って湧いてきたような、全世代のことがあったので議論するという展開になったと思っております。ですので、今後これを継続してやっていくとすれば、本当に必要なことをきちんと議題として絞り直したうえで、今回、この間に必要となってきたことに限定して議論するような方向で進めていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、オンラインで先ほど来、お手を挙げている方に戻りたいと思います。
増井参考人、その後に岡留構成員でお願いしたいと思います。
増井参考人、どうぞ。
○増井参考人 全国健康保険協会の理事の中島の代理の増井でございます。
意見を2点言わせていただきます。31ページの論点につきまして、関係会議で議論していく進め方には異論はございません。また、医療計画や地域医療構想について、新興・再興感染症対応を踏まえた見直しを行うことは必要であるとは思いますが、そもそも地域医療構想は2025年を見据えた地域の医療提供体制を構築していくために策定したものであって、地域医療構想調整会議における議論のスピードが大きく遅れるようなことがないようにしていただきたいと思います。
また、今後、関係会議で議論を進めていく際には、コロナ禍における実情や医療現場の実態を把握するための具体的なデータが必要と考えますので、事務局におかれましては、議論に資する資料をしっかりと御準備いただくようお願いいたします。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、岡留構成員、お待たせしました。
○岡留構成員 31ページですね。ここについて少し意見みたいなことを述べさせていただきたいのですが、2月、3月の最初にコロナ禍のイタリアの実情を、皆さん、非常にショッキングなニュースとして捉えられたのではないかと思います。どうしてこういうふうになったのか。その大きい一面が、医療資源、社会保障をかなり縮減して削減した結果がイタリアに出てきたのではないかと。医者を減らして、看護師さんも減らして、非常に厳しい状態でこういう感染状態に陥ったのではないかと僕は認識しております。
ですから、今度の地域医療構想に関するワーキンググループでもそうですが、その辺の考え方といいますか、従来の病床云々という考え方ではなくて、今後はパラダイムシフトして、物の視点を少し変えた見方で検討する必要があるのではないかと。どうしてもそちらのほうにならないと、従来のベッドを増やす減らすということだけに終始すると、先ほど今村構成員と尾形構成員もおっしゃいましたが、同じような繰り返しになるのではないかと。ですから、災害とも言えるようなこの感染の場合は、思い切って大胆な考え方、見方を変えていくような視点が必要ではないかと考えております。意見として言わせていただきました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
先ほど、今村構成員から余力というお話が出ましたけれども、それに類似のお考えですね。関連もありますので、今村構成員、どうぞ。
○今村(知)構成員 今、岡留構成員のおっしゃったことに私は全く賛成で、実際、今回余力があった大きな病院が受け入れたから何とかなったということがあると思います。そこはぜひ医療構想の中でも、どう両立させるかということを考えるべきかと思います。
それと、先ほど来の議論の中で、感染症の対策と医療の体制の議論の根本的に違うところが、感染症は事件なのですね。それに対して体制のほうは基本的には平時なのです。ですから、今、こちらの医療法関係であまり考えていない部分は、初動対応ということだと思うのです。初動で一気にアウトブレークしたときに、そのときに医療として受け止められるかというところが議論としても抜け落ちている部分で、その初動は、本当に受けられるかどうかということは分からないのですけれども、その後の安定期ぐらいまでは受けられるように体制をつくっておくべきではないかというのが、今回新しく出てきた面だと思うのです。平時ならばこうだけれども、事件が起こったときにはこうだということを、医療計画の中でどこまで読み込むかというところが一番の議論なのではないかと思います。
もう一つ、感染症のことなのかもしれませんけれども、次に起こるのはコロナではないです。10年に一遍ぐらい同じような感染症が起きますけれども、そのときには違いタイプの感染症が起きます。ですから、今、コロナ対策ですごく目が奪われていますけれども、次はコロナが起きるわけではなくて、また違うタイプのよく似た新感染症が広がるということが10年置きぐらいに必ず繰り返されています。今までは新型インフルという言葉で言われてきましたけれども、今回はコロナが出て、また同じような、今度はインフルでもコロナでもないものが出るかもしれない。それに対しての対策だと考えてやっていただく必要があるのではないかと思います。意見です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
ほかに御意見はございますか。
岡留構成員、挙手されておりますけれども、いかがでしょうか。
○岡留構成員 先ほどの件でございました。
○遠藤座長 分かりました。
一通り、皆さんのお話を承りました。ほかの構成員のお話も聞いて、また一言何かコメントしたいという方がいれば承りたいと思いますが、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。本日は大変活発な御意見を頂戴いたしました。事務局におかれましては、本日のもろもろの御意見を踏まえて各部会等々で議論することになると思いますので、資料の整理あるいは検討の仕方、こういったことを本日の御意見を踏まえて決めていただきたいと思います。また、私とも相談させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日用意した案件は全て終了いたしましたので、これにて終了したいと思います。
次回の日程につきまして、事務局、何かございますか。
○小川課長補佐 次回の検討会につきましては、詳細が決まり次第、御連絡させていただきます。
また、本日、座席の配置が議論いただきにくい形式でございましたので、次回、また見直しをさせていただきたいと考えております。
また、本日は一般傍聴の制限をさせていただいておりまして、議事録につきましては、可能な限り速やかに公表できるように、事務局としまして、校正作業を進めていきたいと考えております。構成員の皆様方におかれましても、大変御多忙の中恐縮でございますが、御協力をいただきますようお願いを申し上げます。
以上でございます。
○遠藤座長 チェックは早めにしてくださいということです。よろしくお願いいたします。
それでは、長時間どうもありがとうございました。これにて本日の検討会は終了したいと思います。
<照会先>
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