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2020年3月18日 第20回医療計画の見直し等に関する検討会

医政局

○日時

令和2年3月18日(水) 16:00~18:00

 

○場所

全国都市会館 第2会議室
東京都千代田区平河町2-4-2
 

○議事

 

○渡邊課長補佐 ただいまから、第20回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、今村専門構成員、野原構成員は御欠席との御連絡を頂いております。
また、櫻木構成員におかれては、遅れての出席との連絡を頂いております。
続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
上から、議事次第、座席表、開催要綱、資料1となっております。
資料の不足等がありましたら、事務局へお申し出願います。
報道の方で、冒頭、カメラ撮り等をしておられる方がいらっしゃいましたら、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。
○遠藤座長 本日も、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日でございますが、議題は1つでございます。「外来機能の明確について」を御審議いただきたいと思います。
それでは、資料1の説明を事務局からお願いいたします。
○高宮企画官 医政局総務課の企画官でございます。
資料1を御用意ください。外来機能の明確化です。
最初のスライドの2枚目については、2月28日の検討会の【検討の方向性】をそのままつけています。
3ページも、前回の論点をそのままつけています。
4ページ以降、前回の検討会における主な意見を事務局で整理しています。
5ページ、【総論】に関してです。前回の検討会でも同じような意見がございましたが、これまで外来医療は機能分化・連携の議論が不十分で、外来の機能分化・連携の議論を進めていく必要。患者の大病院志向がある中で、紹介を受けて受診すべき医療機関を明確化していくことが必要である。その2つ下で、地域ごとの特性を踏まえて議論する必要がある。外来を議論する趣旨は、大病院への患者集中を防ぎ、かかりつけ機能を強化することだと思うという御意見。その下が、病院・診療所が連携できている中で、外来機能の明確化により、うまくいっている連携を破壊することを懸念しているという御意見。その下も、同様、地域や顔の見える関係で連携しており、文壇するようなルールをつくるのは危ないなどの意見を頂いています。
6ページは、【論点①:「医療資源を重点的に活用する外来」の類型・範囲について】の意見です。NDBによる医療資源投入量を基にしたデータは、患者から見ても分かりにくいのではないか、「医療資源を重点的に活用する外来」は外来機能の一部だという御意見。その2つ下、診療所のデータ、病床規模別のデータが必要。今回、そういうデータを出しております。その次のところ、今回、実数は出していますが、精神科病院を除いたデータについては、現在、集計中です。本日の資料には入っていませんが、次回以降、お出しできるように準備を進めています。地域ごとの分布も、今回、出せるものは出しております。その次、初診だけの分析も必要ではないか。これも、今、集計を行っているところです。本日は間に合いませんでしたが、次回以降、お出しできるように進めたいと考えています。その下、エコーや内視鏡を活用する外来あるいは高額薬剤を処方する外来など、「医療資源を重点的に活用する外来」の中の個別の項目に関する御意見も幾つか頂いております。これについては、後ほどの論点のところにも書いていますが、ワーキンググループなどで引き続き検討という整理でいかがかということを考えています。
7ページ、論点②、診療所も含めて、地域でどのような外来機能があるか見える化し、地域の状況を把握して、地域においてデータに基づいて議論していく仕組みは必要という御意見がある一方、その下では、診療所を報告対象とすることについては、報告が相当な負担になるので現実的ではないという御意見がございます。その2つ下、報告の基準を明確にするなどの工夫が必要だという御意見。論点③については、地域において協議する場は必要、適切な議論のプロセスが確保されるような工夫が必要だという御意見。一番下、知事の権限については、外来についても知事権限を設ける必要があるという御意見を頂いています。
8ページから、論点になります。前回お示しした論点とほとんど変わりませんが、少しだけ変更しているところがございます。
9ページの論点①、「医療資源を重点的に活用する外来」の類型・範囲をどのように考えるかですが、検討会では「医療資源を重点的に活用する外来」の大枠を議論して、具体的な項目の詳細は引き続き専門家などの入ったワーキンググループで検討していくこととしてはどうかということです。その下の類型①、②、③は、「例えば」ということで設定をしているものですが、前回と同じものをここも記載しています。前回の検討会で「医療資源を重点的に活用する外来」は多様な外来の一部ではないかという御意見がございましたが、今回提案をしている案は、多様な外来機能の中で、まずは、医療資源を多く活用しているもの、先行して機能分化・連携に取り組んでいる入院医療に関連の深いものという観点で、この「医療資源を重点的に活用する外来」から機能分化・連携の取組を進めてはどうかという考え方になります。
10ページ、論点②については、前回の検討会と同じ資料の論点をおつけしています。病床機能報告制度を参考にして、各医療機関から「医療資源を重点的に活用する外来」に関する医療機能の報告を行うことが考えられるのではないかということです。
11ページ、論点③も、前回と大体同じですが、2つ目の○で、地域の協議の場で、各医療機関の自主的な取組の進捗状況を共有し、地域における必要な調整を行うことが考えられるのではないか。ここは、前回と同じです。その次の○、「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関を明確化する仕組みについてどう考えるかというところに、①、②、③を追加しています。前回の検討会で、報告の基準を明確にすべきという御意見を頂いています。それに関して、①、地域で基幹的に担う医療機関を明確化するに当たって国で一定の基準を示す、その国の基準を参考にして地域の協議の場で確認することによって地域の実情を踏まえることができる仕組みとすることが考えられるのではないか。②、これも前回の検討会で、この案で何をやろうとしているのかあるいは「医療資源を重点的に活用する外来」は患者に分かりにくいのではないかという御指摘を頂きました。今回、「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関を明確化することによって、地域の医療関係者において、紹介患者への外来を基本として、状態が落ち着いたら逆紹介によって地域に患者を戻す役割となる医療機関についての認識の共有を図ること。患者においては、どの医療機関が紹介を受けて受診して、逆紹介で地域に戻るという役割を担っている医療機関なのかというのが分かりやすくなるのではないか。自治体・保険者においては、患者に対して外来医療のかかり方を周知あるいは説明しやすくなるのではないか、これによって地域における患者の流れがより円滑になるのではないかと考えています。③、この患者の流れがより円滑になることによって、勤務医の外来負担の軽減、働き方改革、外来患者の待ち時間の短縮にも資するのではないかということを出しています。
12ページ以降は、追加で出すべきという御意見も踏まえて、追加のデータを出しております。
14ページからが、まずは全国的な実施状況についてのデータになります。
15ページ、「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況について、類型①から③を全部含めたものになります。前回は、全医療機関、病院、地域医療支援病院、特定機能病院という医療機関の類型だけでしたが、そこに診療所と病床数別の類型でお示ししています。この病床数については、許可病床数になります。精神科病院を除いたものについては集計中になります。こちらを見ていただくと、病床数が少ない病院よりも、病床数が大きくなると「医療資源を重点的に活用する外来」の割合も大きくなるという傾向になってございます。
16ページは、同じ医療機関の類型で一医療機関当たりの「医療資源を重点的に活用する外来」の回数を示したものになります。濃い青が「医療資源を重点的に活用する外来」で、点線の斜線部分は外来患者の総受診回数になっています。こちらも、病床数が大きい医療機関ほど受診回数が多い傾向にございます。
17ページからは、今度は、類型①について、重点的に活用する入院前後の外来の実施状況です。入院前後ですので、無床の診療所は当然0%になります。傾向としては、病床数が大きくなるに従って割合が大きくなるというのは全体の状況と変わらないというものです。
18ページは、類型②について示したもの。
19ページは、類型③について示したものになります。いずれにしても、病床数が大きくなるほど割合が大きくなるところは変わりません。
20ページからは、外来に占める「医療資源を重点的に活用する外来」の割合が20%以上である医療機関がそれぞれの医療機関の類型でどれぐらいの割合を占めるかというものです。20%以上の場合は、地域医療支援病院、特定機能病院はほぼ100%に近い数字になっています。全病院では、32%。こちらも、病床数が大きくなるに従って割合が大きくなるということです。
21ページは、それを25%以上で切ったものになります。25%でも、地域医療支援病院、特定機能病院は100%に近いところになります。
22ページが、今度は30%以上で切った場合になります。地域医療支援病院は82%、特定機能病院は48%まで下がって、病院全体では17%、20-99床が11%、100-199床12%、200-299床になると16%まで増えて、300-399%だと31%、400-499%だと42%と、病床数が大きくなるに従って割合も大きくなることになります。
23ページは、35%で切った場合で、地域医療支援病院が45%で5割を切るという水準になります。
24ページが、40%以上。
25ページが、50%以上で切った場合になります。
26ページからは、今度は人口規模別の二次医療圏でその状況を分析したものになります。
27ページが、人口10万人未満の二次医療圏で「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況の割合を出しているものです。こちらについても、病床規模が大きい医療機関のほうが割合が高い傾向があることは変わりませんが、200床以上の医療機関であまり割合が増えていかない傾向になっています。
28ページは、それを一医療機関当たりで示したものです。
29ページが、今度は人口10万人以上100万人未満の二次医療圏で分析をしたものです。ほぼ全国の状況と同じような水準になっています。
31ページが、それを人口100万人以上の二次医療圏で分析をしたものです。こちらも、ほぼ全国状況と同じような数字になっています。
33ページからは、今度は地域医療支援病院における「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況を分析したものです。現在ある医療機関の類型で、紹介患者に対する医療を行うものとされている地域医療支援病院を取り出して分析したものになります。
34ページ、これが地域医療支援病院全体での分析です。横軸が外来に占める「医療資源を重点的に活用する外来」の割合で、縦軸が地域医療支援病院全体に占める割合となります。30-35%のところに山が来るというグラフになっています。
35ページは、人口規模別の二次医療圏ごとに分析したものになります。まず、35ページが人口10万人未満の二次医療圏で見たものです。全国状況と同じように、30-35%の割合のところに山が来ることになります。
36ページは、それを人口10万人以上100万人未満の二次医療圏で分析したものです。こちらも、30-35%のところに山が来るというのは同じです。
37ページ、人口100万人以上の二次医療圏の場合です。これも、30-35%のところに山が来ているのは同じことになっています。
38ページ以降は、地域医療支援病院が実施する「医療資源を重点的に活用する外来」の地域シェアを分析したものになります。横軸がその地域医療支援病院が所在する二次医療圏における「医療資源を重点的に活用する外来」全体に占める当該地域医療支援病院が実施する「医療資源を重点的に活用する外来」の割合になります。これを見ますと、0-5%の地域シェアが一番高くて、地域シェアが大きい地域医療支援病院はどんどん少なくなっていくという全体の状況になっています。
39ページは、また人口規模別の二次医療圏ごとに分析をしたものです。39ページは、人口10万人未満の二次医療圏になります。医療機関数が少なくなるので、地域シェアが5%以下のところが4.2%と少なくなっています。他方、地域シェアが30%を超えるところもかなり多くなってくるということです。
40ページは、人口10万人以上100万人未満の二次医療圏で分析をしたものになります。地域シェアが、0-5%、5-10%のところが28%ぐらいありますが、それ以降、地域シェアが大きい医療機関は減っていくということです。
41ページ、人口100万人以上の二次医療圏で分析したものになります。医療機関数が多くなるので、地域シェアは小さくなるということが出ています。
引き続き、必要なデータ分析を進めてまた議論いただきたいと考えていますので、御意見があれば、できる限りデータを出していきたいと考えています。
説明は、以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございます。
前回の御意見を踏まえて、資料の修正等が行われたことの御説明でした。
御意見、御質問等を頂ければと思います。
岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 分析は非常に複雑で難しいだろうと思うのですが、そもそも高度な外来とは何だろうかという疑問があるのですね。初診があるし、再診があるし、いろいろな見方があるのでしょうけれども、僕は今までに出されたデータから3つぐらいの疑問点があるのです。
1つは、高度な医療を実施しているという報告があるのですが、ほかの外来は効率的にやっているのかどうか、そういう部分が地域の基幹病院と言えるのかどうかという疑問があります。例えば、オペだけをして、高度な医療を与えて、経過観察だけで外来をフォローしている病院をどう捉えるか。あるいは、外来に来たはいいけれども、逆紹介はほとんどやっていない病院もあるだろうと思うのですね。そういうデータがここにははっきりと出ていないのではないかと私は思います。
2つ目ですが、「医療資源を重点的に活用する外来」を地域で基幹的に担う医療機関は、医療資源を活用していない外来の割合が少なくないとおかしいということになると思うのですよね。ですから、例えば、本日の資料、パワーポイントの22から24の辺りに出されたデータなのですが、特定機能病院で地域医療支援病院より高度な外来の割合が低い医療機関がある。その外来とは何をしているのだろうか。その中身が分からない。見えてこない。
例えば、初診と再診に分けて、あるいは、紹介と逆紹介、これは診療情報提供料をくっつけてありますからレセ電から取れると思うのですが、そういったデータを見れば、本当の外来、この医療機関は医療資源を外来に非常に投入しているあるいは投入していないということがはっきり分かってくると思うのです。もちろん、診療所の職務として高度な外来を実施している医療機関に紹介して、高度な医療機関がきちんとそれに対応して診療所にお返しするという、一つのこういう連携が、今、ほとんどのところで非常にうまくいっていると思うのですが、今も言ったような疑問点がいつも頭に残るので、データ上、その辺のところをどういうふうに考えておられるか。その辺の返事をお聞きしたいということであります。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
事務局、コメントをお願いします。
○堀岡保健医療技術調整官 御指摘のとおり、今回は、要は、分析の一つのイメージとして、9ページのとおり、「医療資源を重点的に活用する外来」としてもし考えられるようなものがあるのであればこういうものではないかというものを設定しているわけでございます。
御指摘のような、逆に医療資源を重点的に活用しているわけではない、例えば、再診料と処方料だけといったものが大病院にどれぐらいあるのかというのは、どこまで出せるか分かりませんが、特に特定機能病院などについて、分析できる限り、いろいろやってみようと思います。初診と再診も分けたほうがいいということでございますよね。
○岡留構成員 そうですね。
○堀岡保健医療技術調整官 分かりました。
どの程度できるか分かりませんが、特定機能病院や大病院のそういったところがどれぐらいあるのか、まさにおっしゃるとおりで、地域医療支援病院や特定機能病院のほうがむしろ「医療資源を重点的に活用する外来」の割合が少ないと出ていますので、その辺りの分析をしてみようと思います。
ありがとうございました。
○岡留構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 よろしいですか。
ほかにいかがでございましょうか。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ありがとうございます。
今回お出ししていただいたこの資料ですけれども、まず、この9ページの論点①の1つ目の○のところにありますが、本検討会では、その医療内容の大枠を議論することになるわけですが、基本的には、その考え方、今回の外来機能の明確化としての基準としては、この「医療資源を重点的に活用する外来」ということでいくということの確認。
この類型①から③まで、最初の1回目からこのように考え方が出ていますが、仮に設定したものという形にはしてはおられますが、この類型の考え方、範囲、内容によって、15ページ以降のデータもさま変わりもしてくるでしょうし、そういう意味においては、この類型はあくまでも仮ということであるかどうかの確認。
ワーキンググループですね。本検討会は、基本的には4月いっぱいぐらいか中頃ぐらいで中間まとめをしたいということを1回目のときにお聞きしたような気がするのですが、このワーキングはどういうタイムスケジュールで考えておられるのか。
まず、その3点をお願いできますか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○久米課長補佐 今の質問につきまして、まず、この「医療資源を重点的に活用する外来」に着目して類型化していくのかという御質問について、我々としましては、前回も御説明したかもしれませんけれども、かかりつけ医のようなところからこういったところを中心的にやっているところに紹介なりで患者さんの流れをつくっていくという観点からは、こちらのほうがあまり明確になっていないという観点はありますので、そういったことにしてはどうかと思っておりますが、もちろんそこについても御意見を頂けたらとは思います。
その上で、こういったところを明確化していくとなったときに、今、類型①、②、③となっていますが、先生におっしゃっていただいたように、こんな類型もあるのではないかとか、もしくは、この類型の中でもこういうことがあるのではないかということは、もちろん御意見を頂ければと思っていますので、仮に設定したというところはそのとおりでございます。これは御議論いただきたいという提示の仕方をしております。
また、ワーキンググループにつきましては、こちらもまだ具体的にどうというところまで考えることができておりませんので、こちらについては、中間まとめでどこまで決まったのかというところと何を決めなければいけないのかというところを踏まえて、また御相談をさせていただくことになるかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 了解しました。
この外来機能の明確化という命題は、本来、患者さんから見て医療機能が分かりにくいというところからこの検討会で検討するという建て付けになるのが一点、もう一点は将来的に人口が減少していく中においての医療資源の効率的な活用という観点という御説明であったとは思います。そういう意味においては、第18回と第19回検討会のときにもお話ししましたが、なかなか外来機能の本格的・本質的な議論がなされない中においての一つの切り口として、この「医療資源を重点的に活用する外来」は別にないわけではないと理解はしております。
しかし、前回も申しましたが、外来医療は外来だけで完結できるもの以外は入院と連続しているという流れがあろうと思います。その中において、論点②や③にも、今回、「医療資源を重点的に活用する外来」に関する機能分化・連携は入院医療と一体的に議論するという観点で話を進めると。要は、地域医療構想の外来版とも捉えられますし、そういう意味において病院の機能を考えてみると、病院の機能とは、今、類型的には特定機能病院と地域医療支援病院がございます。その2つの機能は、ご存じのとおり、特定の機能、紹介患者さんを受け入れていくという機能、それは、高度な医療の必要性の是非、それに対する対応を流れとしては意味しておいて、一定程度、患者さんへの流れができていることになるわけですよね。そういうくくりの中において、高度な医療、イコール、高額な医療、高コストな医療、医療資源が非常に必要になる医療と、一致するわけではないですけれども、一定程度の相関関係はあろうと思いますので、そういう意味においては、今回、もしこの「医療資源を重点的に活用する外来」という基準で一つの基準を設けるというのであれば、様々な観点を考えても、基本的には入院に連動する外来をそのくくりにされたほうがよいと私は思います。
例えば、類型③とは、特定の領域に特化した知見を有する医師という形になるわけですが、御存じのように、同じ専門領域、同じ専門医といわれる人たちであったとしても、それぞれに持っている知見と技術には濃淡があります。グラデーションが非常にあるわけですね。それも、変動、日進月歩をするわけですから、そういう意味においては、それを切り分けることは、一般的な外来と専門的な外来の切り分けがなかなか難しい、できないということと同じく、非常に難しい、言ってみれば不適であろうと思いますので、類型そのものの考え方を好ましくないだろうと私は思いますので、それは御検討していただきたいと思います。
論点①、②、③とありますけれども、座長、全部言ってよろしいですか。
○遠藤座長 よろしいですよ。
○城守構成員 分かりました。
論点①に関しましては、今、お話ししたように、入院ということで基準を一つ設けられることが妥当であろうと思いますし、それに対してどのようなNDBデータを使ってこの内容を精査していくかということはワーキンググループの仕事になろうかと思いますが、本検討会における大枠の議論としては、私はそこがよろしかろうと思います。
その考え方でいきますと、論点②ですが、外来機能を報告する仕組みになっていますけれども、この外来機能の報告においては、2つ目の○の②に「入院医療と一体的に議論する観点」という記載もございますが、基本的に、一番最後の③、検討の仕組みの対象の医療機関ですが、これは入院と連動すると考えますと病床のある医療機関になると思います。1回目、今村専門構成員も御発言されておられましたが、無床診療所を今回は対象から外すべきだろうと思いますし、また、有床診療所に関しては、いわゆる地域医療構想における病床機能報告制度と同じ枠組みの中であれば、無床診療所ではなくて、有床診療所はベッドを持っているという意味合いから入ることはあるのかなと思いますが、診療所でございますので、ここは手挙げという形でその対応をしていただいたほうがいいのではないかと思います。
論点③も結構問題が多いのですが、ここにも2つ目の○の①のところに、「医療資源を重点的に活用する外来」に関する機能分化・連携に入院医療と一体的に議論するという観点から同じような切り口でお話しすると、基本的には一定規模の病院ということになろうかと思いますが、ここで問題になるのは、2つ目の○の②のところですが、地域医療構想においては、「調整会議での協議を踏まえた自主的な取組だけでは機能分化・連携が進まない場合、都道府県知事の権限が制度上設けられている」と書いてありますが、ここは、正確には地域医療構想においては不足する医療機能に関しては自主的な取組だけで機能分化・連携が進まない場合という意味合いになっていたはずですので、整合性を取るということであれば、この外来機能の明確化における地域において協議する仕組みという論点③においても同じ形で記載していただきたいと思います。
1点、確認ですが、充足している機能を減らすという意味ではありませんよね。その確認だけ、お願いできますでしょうか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○久米課長補佐 こちらは、地域医療構想並びでということであれば、そういった権限もあるのですが、それはこちらの御意見をまずは伺いたいという趣旨ですので、それを我々がやりたいとかやりたくないとかということはこの資料上は載せていないということになります。
○城守構成員 了解します。
もうちょっとだけ。
○遠藤座長 どうぞ。
○城守構成員 論点③の3つ目の○、①ですけれども、「国で一定の基準を示すとともに、国の示す基準を参考に、地域の協議の場で確認する」ということで、現時点においては、基準を満たさないと手挙げができないとか、そういうことではないのかどうかということをもう一度お答えいただきたいなと。
②などにおいては、ポツが3つありますが、このポツは内容的には基本的にほとんど地域医療支援病院の話ですよね。この協議の場において、この書きぶりがございますが、現時点において、重点的な外来をする病院群というものを新たな類型として何か考えておられるのかどうかということがもしあれば。
その2点をお願いします。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○久米課長補佐 まず、1つ目、この基準につきましては、まさに我々はここに「参考に」と書いておりますが、地域によっては、仮に我々が何か一定の何割ぐらいやっている病院みたいなことを示したときに、具体的に、この基準にぎりぎり当てはまらないけれどもそこはそうだとか、当てはまるけれどもそこはそうではないというのは地域でどうしてもあると思いますので、それは地域の実情を踏まえて決めていただくことが現実に合っているのではないかということだと思っています。
もう一つ、地域医療支援病院みたいなものではないかという御意見がございましたけれども、確かに、地域医療支援病院の資料も、幾つか、55ページ、56ページの辺りにつけておりますが、そういったやり方もあるとは思いますし、もしくは、明確化というところで何かそういった機能を持っていると報告していただくとか、いろいろな方法があると思いますので、それも御議論いただく上で、我々として方策をどういうこととしていくかという議論をしたいと思っています。
○遠藤座長 城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ありがとうございます。了解しました。
いずれにしても、この外来機能の明確化は、本来の患者さんが分かりやすいという意味での外来機能の明確化には程遠い議論になる内容ではあるわけですが、もともとが本質的にこの議論を今までしてこなかったということですので、こういう切り口からスタートをするということで理解します。
ポイントは、9ページの考え方、医療内容の大枠の議論が全てになると思いますので、先ほど述べました入院に連動する基準をしっかりと考えていただきたいと思います。
以上です。長くなって、すみません。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
山口構成員、加納構成員の順番でお願いします。
○山口構成員 ありがとうございます。
この議論が降って湧いたような議論なので、なかなか頭の整理がつきにくいなと思いながら、ずっといろいろ考えておりました。
今日の論点③のところに、3つ目の○の②のところ、またそこにも3つポツがあって、「患者において、どの医療機関が紹介を受けて受診し、逆紹介で地域に戻ることになる医療機関か分かりやすくなること」とか、「地域における患者の流れがより円滑になるのではないか」と書いてあることを考えたときに、恐らくどのようなときに高度な医療機関の外来を利用するのかということが患者により分かるようにするということなのかなと解釈をいたしました。なかなかその辺りの使い分けができていない患者さんがいらっしゃって、例えば、本来ならばかかりつけの医療機関でいいところを大学病院の外来に行っている方もいらっしゃることなどを鑑みて、見える化をしていこうとする考え方なのかなと理解しております。
そんな中で、この「医療資源を重点的に活用する外来」の言葉をいかに国民が理解できる言葉に変えていくのか、変換作業が必要ではないかと思っております。それはおいおい私も考えていきたいと思っているのですけれども、そうなったときに、報告制度を今回は挙げていらっしゃるわけですけれども、特に診療所については、今回、データを少し出していただきましたけれども、かかりつけ医機能を持っているような診療所については報告する必要はないのではないかと思います。診療所でもかなり専門的なことをやっていらっしゃる外来がございますので、そういうところに関しては、どういう基準をつくるかということは別ですけれども、きちんと報告していただくことで、例えば、非常に専門性の高い診療所なのだということが国民の目から見て分かるような報告になるのかなと思いました。ただ、気をつけていただきたいと思っていますのは、始まって6年がたつ病床機能の報告制度すら、住民に分かりやすく報告することが最初から言われていたにもかかわらず、いまだもって全然私たちに分かりやすい報告の在り方を都道府県がされていないのが現状ではないかと思っています。今まで、医療機能の分化を考えるときに私たちは入院のことで考えてきて、それでも国民の理解が追いついていけていない現状があると思いますので、その辺りも視野に入れて、外来・病棟を一緒に、分かりやすい報告の在り方をぜひ考えていただきたいと思っています。
先ほど城守構成員から御質問があったことにも関係して、今、私が分からなくなっているのが、今回はワーキンググループをつくるということが、1文、論点①の中に出てきています。4月末までの中間取りまとめまでに、何を目指していくのか。外来機能を今後も継続的に考えていくことをこの検討会の中でするとすれば、大きく、ゴールは何で、その途中段階でどういうことをやっていって、そもそも中間まとめまでに何を私たちは考えないといけないのかということが見えにくいのではないかと思っています。そこにワーキンググループの位置づけと絡めてスケジュール感みたいなものをお示しいただくと、議論するときに、とりあえず4月までにはここのことを考えなければいけないのだな、その後のことはその後に継続してまたやっていくのだなということが見えるかと思いますので、その辺りを事務局に少し明確化していただきたいということをお願いしたいと思います。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○佐々木総務課長 先ほど来の事務局のワーキンググループの段取り等々につきまして、まだ決まっているわけではございませんので、構成員の先生方にもお諮りしながら進めていきたいと考えています。
まず、城守先生からもございましたけれども、あくまでも、イメージ、仮設定ということで、こういう「医療資源を重点的に活用する外来」という概念を仮設定して、それに一定の割り切りの下でこういった資料を出させていただいておるわけでございますが、この指標自体の是非につきましても御意見を頂きたいと思っております。
4月までのイメージでございますけれども、こういう一定の切り口、メルクマールとして、ネーミングはともかくといたしまして、そういう切り口で外来機能の一定の区分けをすることにつきまして、現在、御議論中ではございますけれども、その大枠につきまして4月ぐらいに御意見を頂いた上で一定の取りまとめを賜れればと思っております。ただし、実際の具体のメルクマール、今は仮にこういう形で設定いたしておりますけれども、具体の診療点数とか、診療内容とか、診療内容をより明確にする上での基準の詳細につきましては、今後はその子細につきましてワーキングのような別の形で御議論を賜れるような形のほうがよろしいのではないかということで御提案申し上げている次第で、詳細なところにつきましてはワーキングということで、4月以降、4月あるいは場合によっては夏に、最終的には医療部会としての御審議を賜ることになりますので、その後になるかもしれませんが、いずれにしても整理をさせていただいて、また改めて御相談したいと思います。
○遠藤座長 関連で質問の回答ですね。
○久米課長補佐 少しだけ補足をさせていただきます。
今、総務課長からは、「医療資源を重点的に活用する外来」とは何かというところについてどういう検討をしていくかというところのスケジュールについてお話ししたと思います。加えまして、我々として、中間まとめに、論点②、論点③についても、「医療資源を重点的に活用する外来」とは大体どういうものかというものを決めた上で、論点②で掲げておりますような大体の仕組みのフレームについても中間まとめまでに御議論いただきたいと思っております。そういうことで、論点②、論点③として掲げさせていただいているということでございます。
要は、明確化を地域でしていくに当たって、その方策としてどのようなことがあるかというのが論点②ですし、その詳細についてもここに書かせていただければと思います。論点③については、地域でどう協議をしていくか、基幹的な病院についてどう明確化していくか、その辺りまでを御議論いただきたいということでございます。
○遠藤座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
大体のスケジュール、方針は分かりましたので、前半に述べたことが今回の私の意見でございます。
○遠藤座長 お待たせしました。加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
今、山口構成員がおっしゃったことと少しかぶるのですが、まず、先ほどからの議論でいきますと、これは外来機能の明確化ということで議論しているということで、59ページを開けていただくと、病院での外来の割合が明示されているかと思います。さらに見ますと、無床診療所の外来の数は多くて、外来機能という話で議論をするなら、ここをなしで話をしてしまっていいのかどうかということは、一つ、非常に疑問に思います。
もし今回の切り方として医療資源を重点的に持っているところを切り口ということであれば、これを見ますと、その診療所の数は明示されているような気がするのですが、これはこの数でいいわけなのですか。その数であれば、十分報告してもらえる数ではないかと思うのですね。オール10万ではなくて、先ほどもありましたように、かかりつけ医という概念での診療所は出さなくていいにしろ、重装備している診療所を我々は検知していますので、そこもしっかりと入れていかないと、病院の外来機能を議論するだけの話になってしまっていいのかかどうかということも、一点、非常に疑問に思います。
また、先ほど城守先生からもお話がありましたように、地域医療支援病院の在り方そのものの問題も議論していかなければなりません。重装備をしてどうのこうのであれば、地域医療支援病院とは何であるかということも少し整理しないと、イメージしてくる状況が、地域医療支援病院であれば、大きな点数で、例えば、DPC等では3%という非常に高額な診療報酬がついて、ああいう機能を担っていることと認識しています。そういったものとリンクしてくるような、つまり報酬にリンクしてくるような状況を考えながら我々は議論していかなければいけないのかどうかとか、そういったことも少し疑問に思います。確認という形で、それが質問です。
もう一点、これは2回前のときに戻るのですけれども、我々にとりまして非常に大きな問題といいますか、入院の機能があと10年ぐらいでピークアウトという話が出ているかと思います。ページでいきますと、73ページに、以前に提示していただいた数を整理していただいているかと思うのですが、これをどのように解釈したらいいのかとは少し思います。
まず、前々回のときに、70ページの外来医療のピークという形で、ほとんどのところの色が青くて、赤いところが所々入っていて、赤いところは、2040年、これからまだ20年間はしっかりとやっていかなければいけないところはあるのですが、ここのところの人口を出していただきたいということなのです。次の71ページがそれであったのであれば、こうやって推移しますと、2015年とか、2020年辺りは、最下部のところはどんどん減っているのですけれども、上部のところは何ら変わっていないので、これをどう判断していいのか。これだと、多くのところ、言い換えれば、日本の人口の5割を超すようなところが、2040年頃でも必要なのか。73ページのところでは、特に入院患者推計のピークでいきますと、この下の一番濃いブルーのところはどんどん縮小しているかと思うのですが、ほかのところは縮小した分が下がっただけで全体的な量は変わっていないということですから、まだピークアウトをしているというイメージではなくて、やらなくてはいけない仕事が残っているということなのでしょうか。そこのところも少し教えていただきたいと思います。
多くの質問になりました。
 
○遠藤座長 事務局、よろしくお願いします。
○久米課長補佐 まず、後者の今の御質問ですが、前回、今村構成員からもいろいろと御指摘いただきましたけれども、これから人口が増えていく、患者さんが増えていくところはございますので、そういったところも、外来機能を明確化していくことでこれからそういうところを充実させていかなければいけないという地域も医療機関もあるという認識でございます。それをどこでやるのかということについてしっかりと協議をしていただくということを提案させていただいております。
もう一つ、地域医療支援病院の御質問をもう一度お願いできますか。
○遠藤座長 もう一回、お願いします。
○加納構成員 地域医療支援病院には、今回の議論のスタートになりましたいろいろな形での特定療養費の支払いもしているわけでありまして、本来はそこの部分の議論の話はいろいろな形で、今回は切り口として医療資源の重点化というところでいくわけなのですが、最終的に地域医療支援病院の在り方との齟齬は出てくるような感じがするのですが、そこのところをどう考えているかということをお聞きしたかったのです。
○遠藤座長 どうぞ。
○佐々木総務課長 地域医療支援病院につきましては、別途、先行する検討会で御議論を賜っておりまして、具体的には、地域医療支援病院につきまして、これまでは紹介・逆紹介ということを中心に担うという機能を行っているところではございますけれども、医師の派遣・環境整備・医師不足の調整についても基幹的な役割を担うべきではないかということで、昨年、検討会の御報告を頂いております。その報告に沿った機能を今後は実現していくことと、外来機能の明確化ということにつきましてはその後に出てきている議論でございますので、地域医療支援病院以外の外来機能の明確化を図る際の医療資源を重点的に行う病院について、地域支援病院との関係につきましても併せて議論が必要だと思っております。
○遠藤座長 加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 もう一点、先ほどの冒頭に言わせていただきました、外来機能の中で、重装備をしている診療所に関して、今回は議論しないという話になってしまうのでしょうか。その在り方もしっかりと議論しておかないと、先ほどの割合でいきますとそちらの割合のほうが多い場合もありますし、今回はどういう形で進めていくかということです。
○佐々木総務課長 そこは、事務局というよりもこの場において御議論を賜りたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございました。
関連だと思いますので、まず、城守構成員、それから、今村構成員の順番でお願いします。
○城守構成員 これは、先ほどもお話ししたのですけれども、外来医療になると、先生がおっしゃるとおり、診療所の役割も含めて、外来機能とは本来は何なのか、どういう形で関係性があり、その構築がされているのかということの議論がこの検討会の本来の目的であろうと思いますが、残念ながら、外来とは何かとか、外来機能とは何かという議論が、これまで厚生労働省の中を含めて本格的に行われてきたことがなかったという経緯はあろうかと思います。その中において、このタイムスケジュールの中で、外来ないしは外来の機能という議論をするには時間が足りないであろうということで、事務局としてはこの「医療資源を重点的に活用する外来」の類型を恐らく出してこられたのだろうと思います。一つの切り口としては、ないわけではないです。
ですから、そこにおいて、その類型をどういう範囲にするのかとか、そもそもを言えば、この類型の考え方、大枠に関して、どういう基準をもってこの外来の機能の一つとしての話に持っていくのかと考えた場合、これは、先ほども申しましたように、外来は外来だけで完結するものもありますけれども、入院と連動しているものもある中において、今回、特に医療資源を重点的に活用するとは高度な医療ないしは高コストな医療という形になるということで、入院と連動するという意味においては、今回は病院を中心として議論をする切り口が一番分かりやすいし、後の制度設計を考えたときに、論点②、論点③につながっていく。論点①の決まり方によって、論点②、論点③は変わってくるわけですから、もちろんこれから皆様方との御議論になると思いますが、そういう意味で、入院に関連する「医療資源を重点的に活用する外来」という基準を基にして類型化ないしはその内容を詳細に決めていくという形にすればよいのではないかという意見を、先ほど最初に述べさせていただいたわけです。
先生がおっしゃるような外来の本来の基本的な考え方に関しては、先ほど山口構成員もおっしゃいましたけれども、どこかで議論するのか、今後はしていくのかということは、また別の話かなと個人的には思っています。
以上です。
○遠藤座長 お待たせしました。今村構成員、どうぞ。
○今村(知)構成員 まず、今の御議論に対しての意見と、もう一つ、外来そのものについての意見ということで、2つ、申し上げたいのですけれども、まず、今の地域医療支援病院の定義にだんだんかぶってくるのではないかという御意見に対して、これは25年ぐらい前に総合病院から地域医療病院に移ったときの議論に非常に似ていまして、総合病院とはどんな診療科でも診られるという話があって、眼科・耳鼻科があってという話から、紹介患者さんを入院医療に集めるような病院にするべきだといって出来上がってきたものが地域医療支援病院だと思うのですね。ですから、その地域医療支援病院の話は、今の議論を煮詰めていくと、そのときの議論をそのままなぞっていくような形になって、恐らく地域医療支援病院と同じような定義に陥っていくと思います。ですので、その最終的な回答としては、紹介率や逆紹介率が地域医療支援病院の定義になっていったと思うので、そこに集約していくと多分同じものにだんだんなっていって、この2つの区別は何ですかということがあるのだと思うのです。そういうことがあるので、まず、この議論の行く末として、地域医療支援病院との違いをちゃんと明確にしていく必要があると考えます。
2つ目の論点として、今のこととも関係するのですけれども、外来とは本来何ですかということの定義をせずに議論をしているのが非常に危険です。そもそも総合病院から地域医療支援病院にいったときに、外来主導の診療科と入院主導の診療科があって、それをちゃんと区別しましょうよという議論があったと思います。その代表たるものとしては眼科・耳鼻科があって、基本的には外来の患者数が物すごく多くて、先ほどの地域支援病院と特定機能病院が一部逆転するという状況が発生すると思うのですけれども、特定機能病院の大半は昔でいう総合病院なのですね。ですから、外来を大量に診ている診療科をたくさん抱えているという現象がそれを物語っていて、それは昔の定義でいう総合病院の範囲だと思うのです。ですから、その外来をこの議論の中に含めるのかということが一つ大きな論点としてあって、それを含めないというのであれば、そこの部分は外来の分母から切り離して議論をしていかないと、数字をミスリードすると思うのですね。そこも入れるということであれば、外来を主導とする診療科もこちらの議論の中に残すという意味になってくるので、外来を主導とするような、入院とあまり関係なく外来だけでやっているような診療科もしくは医療行為を入れていくことが必要になると思います。ですから、今、医療資源を重点的にする外来という分子側の議論をしていますけれども、本来、最初に、分母側の外来とは何ぞや、この議論の対象となる外来とは何ですかということをもう少し整理しておかないと、だんだん議論が厳しくなってきて、入院に特化すればするほど地域医療支援病院の定義に近づいていくと思いますので、今後の議論のためにはそこの整理をぜひしていただきたいと思います。
可能なら回答をしてもらえれば。
○遠藤座長 事務局から、今のことに関してコメントを頂きたいと思います。
○久米課長補佐 地域医療支援病院について、先ほど総務課長からもお話ししましたが、そういった経緯、今、制度改正みたいなものの議論は進んでいますが、先生方がおっしゃられているように、確かにその整理をどうするのかということは非常に大事な論点だと思います。今、地域医療支援病院は幾つかいろいろな要件がついていまして、どこでもなれるというものではないこととして認識をしております。今回の観点で我々がお示ししておりますのは、まずは「医療資源を重点的に活用する外来」を中心的にやっているところで、確かに紹介みたいな話でいくとそうだと思いますが、例えば、病床の区分けやほかのいろいろな検証をやらなければいけないといったところまで、こういったところにそういった機能を持たせるのかどうかという話は一つあろうかと思っています。要は、これから、人口が増えるところもありますけれども、減っていくようなところで基幹的なところはどういうところかという議論も必要になるかもしれませんし、そういったときに、地域医療支援病院まではなれないけれども紹介型みたいなところはあるのかなということを考えています。ただ、確かにその整理は一定程度必要なのかなとは思います。
外来、分母の議論をするためにということでありますが、こちらは我々としても考えたいとは思いますが、それをここでやるのかワーキングなり専門家の研究班なり細かい議論をするところでやるのかについては、そういうことも含めて考えさせてください。
○遠藤座長 お願いします。
○今村(知)構成員 分母側の議論を先にしておかないと、多分ミスリードをすると思うのですね。さっきの特定機能病院が入院連動型のものを見ていないという話は、恐らく外来ばかり診る診療科があるから、そこを除いてあげると数字が変わると思うのです。そうすると、議論の根拠になっている数字と理由がひっくり返ってしまう可能性があるのです。そういったことの数字としての確認も必要ですし、議論として、昔でいう総合病院から地域医療支援病院に移ったときの議論の総合病院まで入れるのかどうかということの議論に近いと思うのですけれども、そこを最初にやっておくべきかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
先ほどお手を挙げられた順番でいくと、櫻木構成員、本多構成員の順番でお願いします。
櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ありがとうございます。
前回、私は、外来機能の明確化という議論の方向性が外来医療でより専門性を追求する方向性になっているのではないか、そのことによって医療の連携あるいは連続性といったものが阻害されるのではないか、また、医師、特に若い世代の医師がより専門性を追求する方向で研修を行うことになれば医師の偏在はより進行するのではないか、さらには、患者さんの受診行動がより大病院志向になるのではないかということを申し上げました。
今日、事務局の説明を聞いていて、外来機能の明確化の中でも特に「医療資源を重点的に活用する外来」を取り上げていて、これではどんどんより専門化・細分化してしまう議論になっていると考えます。当初、外来機能の明確化ということとかかりつけ機能の強化が並列的に取り上げられていましたけれども、今日はその外来機能の明確化に特化した議論になっている。
今村先生も分母・分子という表現で取り上げられていましたけれども、私は川の流れに例えるとすると、今日の議論はうんと川下のほうの各論的なタコつぼに入ったような議論になっているのではないかと。むしろここは、根源的な川上のほうからの議論、例えば、かかりつけ医の機能をどういうふうに考えるか、地域の中でかかりつけ医がどういうふうな機能を持っていて、ここまではかかりつけ医が担えるけれどもここから先はより専門的なところに任せなければいけないのではないかという議論とか、そのことを明らかにすることで患者さんの受療行動をどういうふうに変えていくか。それについては、もちろん、かかりつけ医の機能が、我々医療提供のサイドにとっても、あるいは、医療を受ける患者さんの立場にとっても、より魅力的である必要があって、そういうふうにするための方策は何かという議論も欠かせないとは思いますけれども、こういった視点がないと、なかなか細分化された議論では全体像が見えてこないということを考えます。
最後に1つだけ、私の立場からいうと精神科医療について言及しないわけにはいかないのですけれども、第1回のときにもお話ししましたけれども、現在の精神科医療では、いわゆる地域のファーストタッチのかかりつけ医の先生からだんだんより専門化した病院へという流れ、いわゆる川上から川下へとはなっていません。日中のみ診療をしておられて、例えば、コメディカルの配置もされていなくて社会福祉活動もあまりされていないという、いわゆるメンタルクリニックがただ点として地域に存在している。それが散在的にあって、連携もしていない。特にそういう状況が都市部でははっきりしているので、精神科医療に関していえば、外来機能については、そういったところも含めて重点的に議論しなければいけないのではないかと思っています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 ありがとうございます。
前回の議論も踏まえて意見を述べさせていただきたいと思います。今、議論がありましたとおり、論点①は、我々素人にはなかなか切り分けは難しいので、城守構成員がおっしゃったとおり、議論の切り口として、4月までに中間まとめという観点では、ここは専門家で議論をしていただくという形でいいかと思います。
ただ、外来機能の明確化という中で、前回も出ていたと思いますけれども、我々が感じたのは、一般の患者、国民から見て、外来医療は何かといったら、最初、自分が病気になったときに、ファーストタッチでゲートキーパー的にかかって、病気の原因が何かといろいろ調べていただき、あなたはここへ行ったほうがいいですよとか、そういった機能がそもそもの一般的な外来なのかなと思っております。このような診療科横断的に診ていただくような外来機能と、医療資源を重点的に活用する外来機能を分けることは確かに必要だと思いますし、患者が医療機関にかかる際に、ここは専門なのか、診療科横断的に診ていただける医療機関かを明確化するという意味では、事務局の示した論点を切り口の一つとして議論を進めていただくことには賛成したいと思っております。
もう一点、ただ、山口構成員からも先ほどありました通り、「医療資源を重点的に活用する外来」と言われても、患者に具体的なイメージが伝わりにくいため、そこは基準をどうするのか分かりませんけれども、分かりやすいネーミングにする必要があるとは思います。当然ながらネーミングだけでなく、最終的には医療機能情報提供制度への反映も含め、国民に分かりやすく情報提供していく工夫が必要ではないかと思っております。
また、前回、診療所の機能報告につきまして日医の今村先生から反対の御意見がありましたけれども、先ほど加納構成員からもありましたが、適切なデータがない中で議論を進めていきますとかえって遠回りになることも予想されますし、この医療資源を重点に活用する外来だけではなく、今後、外来機能全体を議論していくためには、一定のデータなく議論していくのは難しいと思っております。
また、先ほどから申し上げているとおり、医療機能情報提供制度に反映させて国民に分かりやすく周知していくことも見据えますと、御負担については重々我々も承知しておりますけれども、報告に当たりましては、国においても、病床機能報告のような既にある枠組みを活用する等、専門的な見地から検討していただいて、報告するデータは議論に供する必要最低限のものに限定し、できるだけ負担にならないような工夫をしていただいた上で、無床診においては、当面は協力していただける診療所だけでも出していただくように、再度、お願いしたいと思っております。
一方、前回、織田構成員から、既に地域においては病診連携が既に構築されていて、今般検討されている外来機能の明確化によって、かえってそういった連携を壊すおそれがあるのではないかという御意見もありまして、私も地方においてそういったことがあるということは理解できますが、連携ができていない地域もありますので、今後、医療機能情報提供制度の中で、国民に共通化した情報提供等を行っていく観点も踏まえると、客観的なデータによって機能を明確化する必要があると思っております。当然、うまく機能しているところは参考として受け止めていただいて、そのまま進めていただければいいと思っております。しかし前回、今村構成員から御指摘があったように、地域によっては人口減少が顕著なところも既にあるということで、現在連携がうまくいっている地域においても、将来を検討するにあたって一定のデータは参考になると思われます。そういう意味でも外来機能に関する客観的なデータは一定数必要だと思いますので、ぜひとも進めていただければと思います。
さらに、これまでの議論においても、前回、藤井構成員から、地域医療構想調整会議が十分に機能していないところもあるとご指摘があり、我々もそういった声も聞いております。入院機能の議論の状況からしましても、いずれは都道府県の負担軽減の観点も含めて、協議の活性化に向けた国の支援が必要ではないかと思いますので、その点もあらかじめ検討していただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございました。
お待たせしました。織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 この議論が、かなり細かいことに入ってしまっているのだろうと思います。本来は2ページ目の○の2つ目、①、②、③の観点が全てなのだろうと思います。
多分、皆さんも分かっておられるように、大病院、特定機能病院と地域医療支援病院は、紹介で行く専門外来で、地域に密着した中小病院と診療所の外来を一緒に話し合っても難しいのだろうと思います。ですから、外来だけを切り取って話をしてしまうとなかなかうまくいかないので、先ほど城守構成員が言われたように、入院機能と外来機能をある程度考慮しながら進めないと、多分診療科によってもまちまちですから、分かりづらいのだろうと思います。ですから、入院機能と外来機能をどういうふうにしていくかという観点から話したほうが、スムーズに話が進むのではないかと思います。
地域医療構想W.Gの議論でもそうだったのですけれども、基本的には病床機能報告は定性的に報告するのですがあまりに定量的な基準を作るところばかりに目が行き過ぎて、結果的になかなか議論が進まない。いつも今村構成員が言われるように、都会と地方では全く違いますから、定量的基準は幾ら使っても当てはまらないのですね。ですから、そのために地域医療構想調整会議をつくっていますので、各県で大方の目安みたいものを出して、あとは各調整会議でやっていく。そこで、お互いの外来機能を話し合っていく。調整会議は顔の見える関係がありますから、そういう意味では、ここで議論にならないようなことがいっぱい出てきます。ですから、この検討会では基本的にあまり細かく決めないで、おおよその流れを決めれば、それはそれでいいのかなという思いがしています。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 ありがとうございます。何度もすみません。
今村構成員がおっしゃる分母・分子の分母、その外来とは何かという定義を明確にまずはすべきだというのはそのとおりなのですけれども、実際、これだけおられる先生方の中でも、外来のイメージはそれぞれが全く違うわけですよね。実際、かかりつけ医も含めて全て、今の日本の診療所の先生なども、専門家として一定程度病院で勤務をして、開業して、ゼネラリストになっていくという経緯の中で、専門性は持っておられますよね。でも、その専門性の程度も、先ほど言いましたように、人によって違いますし、それによって、ここまでのことは自分でするけれどもここから先はこの分野に秀でたこの先生にしてもらおうというのは、言ってみれば、データには出せない連携が既にあるわけですよね。それで紹介をして、高度な医療をしていただく。ですから、各専門家の先生方といってもその専門性の濃淡が非常に多いということで、その外来は専門的な外来や一般的な外来とはなかなか今は決められないよねという難しい問題をはらんでいます。これを、事務局は先ほどワーキングか何かで検討してもらってと。そう簡単な話ではないと私は思うのですよ。ここをしっかりと議論するのであれば、本当に腰を据えて、しっかりとした研究会でもしてもらって、長年にわたってしないと私は無理だろうと思います。そこまでこの議論は待てないということで、こういう一つの基準を事務局は出してきているのだろうなと。
ですから、先生がおっしゃることはおっしゃることで、何らかの検討をしていただくことは正しいことだと思いますけれども、事務局がそれに呼応するのであれば、安易なワーキングや検討会をつくって安直なことをしてもらったら非常に困ります。何が困るかというと、先ほど言いましたように、今の医療提供体制は連携ができているわけですよね。制度をつくってしまいますと切り分けが発生しますから、前回も言いましたけれども、それによって連携が分断されることは間違いがないし、現場は混乱します。ですから、そこは大きく切り分けた形で議論をしていただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
今村構成員、どうぞ。
○今村(知)構成員 このまま議論を進めると現場が混乱するというのは、よく分かります。ですから、それは避けるべきだと思います。外来の総合的な議論をしている時間もないのも分かるのですけれども、今、極端に言うと、眼科・耳鼻科の外来・再来の数字を入れて議論するのは非常に異なった見え方をする数字になるので、少なくとも外来中心の診療科の入院を連動するような議論にするならば、外来を専らとする診療科を分母から外すことが、議論の数字としては必要ではないかと思います。そういった数字のつくり方での整理という形でも結構なので、それはぜひ考慮していただきたいと思います。
○遠藤座長 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 多分、定量的なものをいろいろつくろうとしたら、ますますおかしくなると思うのですね。先生がおっしゃるように、外来中心の診療科は、耳鼻科にしろ、皮膚科にしろ、いろいろあります。外来の診療所でも、かなり専門的なこと、例えば耳鼻科では手術をどんどんやっているクリニックもあります。そういう意味では、自主的に、自分らはこういうことをやっていくと地域で分かるような仕組みをつくっていけばいいのではないかと思います。また、先ほど山口構成員も言われましたように、クリニックでも専門的なことをやっているところはちゃんと自主的に報告するという形で行い、それを診療所全部に義務化したりするとますます混乱しますから、今やっていることを素直に出していただいて、その上でみんながまた議論できる土台をつくっていけばいいのではないかと思います。
○遠藤座長 ほかにいかがでしょうか。
藤井構成員、どうぞ。
○藤井構成員 今日、先生方の御意見をお伺いしていて、今回の議論の基本は、地域医療構想で入院の機能分化・連携の議論を進めてきているわけですけれども、地域医療全体のあるべき姿を検討する上では、入院と外来の連続性もあり、外来も含めて医療全体で一体的に地域ごとに協議をしていくことが重要です。その中で外来についてはデータに基づく議論がなかなか進んでこなかったので、今回、これをきっかけに進めていくというのが基本と思っています。
したがって、今回事務局からも提案がありますような診療報酬の項目に沿ってデータに基づいて議論していくというやり方は一つのやり方なのかなと思っていますし、そういう前提に立てば、外来の定義の在り方はいろいろとありますが、できる限り幅広く外来医療を捉えるべきだと思います。したがいまして、例えば、先ほどの報告の対象という意味では、私も診療所も含めてできるだけ幅広く対象にするべきだと思います。ただ、全部の診療所から報告をしていただくことは現実的にはなかなか難しいと思いますから、そこは何がしか絞った形でやるということなのかなと思います。
基本は私もそう思うのですけれども、さはさりながら、今回の事務局の提案で、「医療資源を重点的に活用する外来」というものを一つの施策として打ち出そうとしているわけですから、これをどういうふうに考えるかという段になりますと、今村先生がおっしゃるように、分母というか、どういう対象で外来を捉えるかというのは、確かに改めて整理をする必要はあるのかなと思います。そこも整理をしていこうと思うとかなり細かい議論にもなっていくのではないかとも思いますから、そこはワーキングなのかどんな場になるのかは分かりませんが、もう少し詰めた議論ができるような場でやっていくというのも一つのやり方だと思います。
以上です。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○堀岡保健医療技術調整官 今まで、3、4回続いている議論があるので、次回以降はデータを整理するということで、例えば、初診・再診、また、最初に岡留先生から御意見を頂いたようなデータの分析の仕方は、今回の外来の医療資源を重く使うものの一環でやってみようと思いますが、先ほどから話題になっている、例えば、外来が中心で多い診療科があるというのは確かにそうだとは思うのですけれども、特定機能病院とかで眼科・耳鼻科などで外来中心だったとしても、果たしてその機能を外来で抱えるべきなのか。たとえ外来で診療科としてあったとしても、その病院の機能でその外来を持つべきかどうかというのは、一つ指摘があるところだと思います。例えば、少なくとも外来中心の診療科であっても入院とつながっているものを中心に見るべきではないかという意見もあると思いますので、なかなか診療科ごとの分析はデータ上も難しいところがあると思います。
ただし、例えば、初診と再診とか、先ほど頂いたとおり、白内障とかだと、最近だと日帰り手術をやったりしていて、9ページの論点①、事務局で今の時点で出している例の中でも、医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来の中で、短期滞在手術等基本料を算定と切っていますので、そういう意味で、初診・再診、診療情報提供料の算定、短期滞在手術等基本料を算定しているものという観点では切れると思いますので、そういうものではデータを整理して、できるものをやってみようと思っております。
○遠藤座長 田中構成員、どうぞ。
○田中構成員 まず、その外来機能の明確化をきちんとするのはワーキングではないという城守構成員の発言に賛成です。これはもっと根本的な話ですので、ワーキングに委ねる話ではなくて、もっと国民会議的なレベルの話です。それが一つ。
山口構成員の言われた名称は考えないと、利用者には分かりにくいです。出口として、「医療資源を重点的に活用する外来」がいい名前に変わったとして、それが一般の市民に伝わったときに何をイメージさせたいのでしょうか。ここは高度な外来であると誤解を与えかねません。この名前がついたところのほうがいい外来であると思われてしまったら、かえって患者が殺到して、医療資源の配分の間違いが起きます。逆に、この名前がついたところには初診患者はあまり行ってはいけないとなると、織田構成員がいつも言っていらっしゃる地元の中小病院、有床診療所はもとより、無床の診療所でこういう名前がついたところには、初診では行ってはいけないと取られると、これもとんでもない誤解ですよね。この名前をつけることによって、患者に、ここに行けというインセンティブを与えるのか、あまり行くなというインセンティブを与えるのか、どういう影響があると考えられますでしょうか。
○遠藤座長 事務局、何かコメントはありますか。
○佐々木総務課長 ネーミングにつきましては、まさにおっしゃるとおりで、患者さんの受療行動に反映するということに関して、適切なネーミングかどうかということについて分かりにくいという御意見はございます。それについては、事務局でも、複数の御意見を頂いておりますし、考えてみたいと思います。
櫻木先生からもお話がありましたが、これは専門特化した外来の機能を進めるというよりも、むしろ、かかりつけ医との関係もございますけれども、かかりつけ医との関係も含めて連携をして、全体の地域で患者さんが最適な医療を受けるための体制として外来の連携をするという観点でこういう一定の切り口があるのではないかということで、事務局としては提案をさせていただいております。
その上で、受診を抑制するという観点はございませんけれども、専門的といいますか、高度かどうかとは別といたしまして、医療資源を重点的に投入する外来というところにいきなり行っていただくのがいいのか、あるいは、かかりつけ医的なところでもって紹介いただいて行ったほうがいいのかということを、まずは見える形にすることを意図して、一定の切り口としてこういう考え方があるのではないかということで御提案させていただいているものでございます。
○遠藤座長 田中構成員、どうぞ。
○田中構成員 御説明をありがとうございます。
「医療資源を重点的に活用する外来」の中小病院や診療所は、かかりつけ機能も担っています。そこには紹介がないと行けないとなってしまうと、患者さんは困ります。20ページ、21ページ辺りの統計を見ますと、「医療資源を重点的に活用する外来」の割合は、そうした患者さんの割合が2割以上であるところから5割以上まで分布しています。5割以上になっている医療機関は大した数ではなく、5%未満です。多くの医療機関にとって、来院者の2割から5割程度が重点的な資源を使う患者さんで、残り5割から8割はそうではない患者さんも来ているわけです。「医療資源を重点的に活用する外来」で、特定機能病院のようにはっきりしているなら別ですけれども、中小病院や診療所まで重点的な外来だから紹介がないといけないと、そんなふうに議論が進むことを恐れています。
○遠藤座長 重要な御指摘をありがとうございました。
ほかにございますか。
今村構成員、どうぞ。
○今村(知)構成員 ちょっと各論的なことを幾つか指摘させていただきます。
数字のつくり方の部分で、幾つかお願いというか、確認があるのですけれども、現在、「医療資源を重点的に活用する外来」ということで、医療資源という面で見たら、一番病院がお金を使っているのはお医者さんですよね。ですから、専門医がどれだけいるかということは物すごくその病院の機能に影響してきて、専門医の先生1人の人件費は2年分でCTを何台でも買えるという状況ですから、まず、今はどれだけ医療行為をしているかということもそうですけれども、数字をつくっていく上では専門医の数は大変重要になってくると思うので、今、そういったことは全く観点に入っていませんから、そういった観点を加えていくことが必要ではないかと思っています。
それと、先ほどの議論の中でワーキンググループをつくって項目を議論するということで、織田構成員からも御指摘いただいた点なのですけれども、議論を進めていくと、あるべき数字を集めるべきだという、理想の数字を集めるという議論になっていくのですけれども、現実にその数字をつくるというのは大変な作業になって、集められる範囲で数字を集めようということになって、後から定量的な基準をつくろうとするのですね。地域医療構想のときも定量基準を後からつくろうとして無理だったということもあって、報告の内容で全てが分かるような数字をもらうことはもともと無理だとも思いますので、そういったことを踏まえて、あまりワーキングに過度な目標を与えないようにしてもらいたいということがお願いであります。
3つ目、さらに各論なのですけれども、今回の入退院の前後の数字をつくるときに、退院の定義が結構難しかったと思うのですけれども、この場合に退院とは何ですかということをどう定義を切ったかということがぜひ知りたい部分で、例えば、大きな病院からほかの病院へ転院した場合は退院として扱っているかとか、その場合は1か月ほかの病院に入院していたら絶対に外来は行っていないわけで、同じ病院内でも入院基本料が変わるような地域包括に移った場合とか、外来が包括される老健施設に移った場合とかは外来がないわけです。ですから、どこが退院ですかというところは、数字をつくっていく上では、入院は割と考えやすいのですけれども、退院が難しいということがあって、その辺のところはどのように考えておられるかというのはぜひ教えていただければと思います。
いかがでしょうか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○渡邊課長補佐 事実関係として、退院をどのように判断したかということでございますけれども、入院が途切れた日という形で退院を判断しております。入院が途切れた日から30日以内に発生した外来を数え上げているということでございます。
○遠藤座長 追加ですね。お願いします。
○堀岡保健医療技術調整官 先に頂いた専門医の数などの分析というところでございますけれども、物を置いているかどうかというだけではなくて、類型②のところでは手技のものを入れています。例えば、KコードやDコードを入れていて、Dコードも550点以上が正しいかどうかというのは別ですけれども、それはワーキングで議論していただければと思いますけれども、つまり、そういった行為の考え方で医療資源を重点的に活用できる外来の考え方の中で、きちんと包含されて、その概念についても入れているというか、そういう考え方をしています。逆に言うと、例えば、資格というのは必ずしも全員が取らなければいけないわけでもないものですので、きちんと高額等の医療機器・設備を必要とする外来の中に行為といったものも入っていて、そういったもので包含された考え方でやっていると考えております。
○遠藤座長 今村構成員、どうぞ。
○今村(知)構成員 Kコードでそれを見ようとしているのは分かるのですけれども、逆に専門医を持っていなくてもKコードでできるということがあって、お医者さんの数が多いとか、研修病院とかではどうしても数字が大きくなっていってしまって、そこが本当に紹介患者さんを受けていますかというと、なかなか一概に一致しないですね。専門医の数だけで考えろということではなくて、そういう数字を集めるという観点が必要ではないでしょうかということですね。
退院の定義のところで、入院料が途切れるかどうかというところが重要で、同じ施設から途切れただけだと、ほかの病院に転院した場合には、それは入院の継続なのですよね。ですから、そこの外来に来るはずもないことになりますし、特に介護保険で行くような施設で外来が普通はない施設に行ってしまうと、外来医療を持っていないという状況になりますから、そこら辺の定義のところはきっちりしてもらう必要があるかと思います。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○堀岡保健医療技術調整官 今のお話でいいますと、確かに、おっしゃるとおり、介護施設とか、医療保険で見えない施設に行ってしまうと、入院レセプトがつながらないので分からなくなってしまうのですけれども、医療保険の中でどこかで転院した場合には、入院レセプトがつながっているので、私どもは全ての人の全ての月のレセプトを縦につないでいるので、そこは拾えているはずです。
○渡邊課長補佐 基本的には、同一の医療機関で重点的に活用する入院が生じて同一の医療機関にかかった外来について、カウントをしております。こちらについては、前回の資料におきまして説明させていただきましたが、「医療資源を重点的に活用する外来」という考え方の中に、外来で医療資源を使っていなかったとしても、入院で医療資源を使っている、それについてフォローアップなどを同一の医療機関ですることはあろうと。そういった中で、そういうものは医療資源を活用する外来と言えるのではないかという考え方に基づいてしておりますので、そういう意味では、ほかの医療機関で外来が生じたときにはちょっと違うのかなということで、そういう定義で分析させていただいております。
○遠藤座長 今村構成員、どうぞ。
○今村(知)構成員 NDBそのものはうちでつくらせていただいているので、そのNDBの限界はそれなりには分かっておりますけれども、ほかの医療機関に移った場合に連続して入院しているかどうかというのは今のNDBでも分かるのですよね。その場合に、その退院した人たちがどんなふうになっているのかというのは、カウントをする・しないという定義をもう一遍ちゃんと考えてもらう必要があると思うのです。
ですから、介護機関に行く場合には難しいというのは分かるのですけれども、同じ診療報酬の中で追いかけられる医療機関に移った場合は、最終的な退院は医療機関から出たときだと思いますので、そういった観点で考えてみていただければと思います。
○遠藤座長 事務局、何か追加でありますか。
○渡邊課長補佐 分析方法については、検討させていただきたいと思います。
○遠藤座長 ほかにいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
城守構成員、どうぞ。
○城守構成員 先ほど田中構成員がおっしゃったことは本当に重要だと私も思っております。この制度は、特に類型②などでもそうなのですけれども、病院が一生懸命頑張って設備を整えて一定の基準を満たすということになると、選定療養がかかってペナルティーを食らうという制度設計になる。でも、それがあるので、そこの医療機関は高度な外来をやっている医療機関ですよという形で、診療報酬上のインセンティブをつけるような形の手当てをする。そうすると、また患者さんがそこに集中する、ないしは、その基準を医療機関が満たすために、7対1基準のときもそうでしたけれども、専門の看護師さんが要るとか、いろいろな基準等を事務局がつくってしまうと、その後に争奪戦が起こって、また現場が混乱すると、様々なことが起こる可能性がありますので、ここの制度設計はよほど慎重にしていただかないと、患者さんの動線も大きく変わるし、医療機関に与える影響もすごく大きくなりますので、そのことは重々よく認識をした上で、一回考えていただきたいと思います。
意見です。
○遠藤座長 ほかにいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
大変活発な御意見をありがとうございました。
今後、これをどう議論していくかということですが、今日のお話は、事務局の原案としては、「医療資源を重点的に活用する外来」というものを機能として分けようという一つの基準を考えたわけですが、それについては類型も含めてその基準はもう少し多様なものがあるのだという基準についての議論があって、それに対してはどうも事務局はワーキングで細かくやりますとお答えになっているように思います。ただ、そもそもこの外来の機能をこのような医療資源の投入量で分けるというのは短絡的に過ぎるのではないかという議論も、一方ではある。そこら辺の議論はまだ数々に幾つかあるということですね。それから、対象としてどこの医療機関まで報告の対象として入れるかということについても、意見の統一はまだ得られていないということであります。
そういう意味では、まだ議論は必要だと思うのです。ところが、問題は、もしこれが全世代型の社会保障の検討会議等々で要求しているような内容と絡めてこの議論があるとするならば、それなりに締切りがあるということになります。そうすると、あと何回もできないわけでございますね。
つまり、この4月にまとめると言っておられる中間まとめではどの程度のことを要求していて、今後、本検討会ではどういうことを議論して、ワーキングにはどういうことを議論させるのか、少しその辺が分かると皆さんも安心した議論ができるのだと思います。そこが分からない。全てそれはワーキングでやりますと言ったら、それはどう考えたって逃げだよね。
私は、入院医療の地域医療構想については、病床機能報告制度や地域医療構想の検討会の座長をずっとやってきましたけれども、あれは結構長い時間で議論したのです。それから考えますと、4月にまでまとめろというのは拙速です。
したがって、4月までにまとめるのはどの領域なのか、少しはっきりさせていただいて議論をしていきたいと思うのですが、次回、その辺も含めて事務局案を出していただけますか。
○佐々木総務課長 分かりました。先生方には、スケジュール感あるいは議論の射程につきましてお示しをした上で、御議論をしていただきたいと思います。
○遠藤座長 ぜひそういう視点で少し議論いただいて、締切りがあるというならば、その段階までにある程度の意見をまとめないことにはしようがありませんので、御協力いただくという形にさせていただきたいと思います。
そういう段取りでよろしゅうございますか。
(首肯する構成員あり)
○遠藤座長 ありがとうございました。
事務局、大変ですけれども、その辺をよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議論はこれまでとさせていただきます。
議事進行に御協力いただきまして、どうもありがとうございました。
最後に、事務局から何かございますか。
○渡邊課長補佐 次回の検討会については、詳細が決まり次第、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、これをもちまして本日の検討会を終了したいと思います。
どうもありがとうございました。
 

(了)
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