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2016年11月25日 歯科医師の資質向上等に関する検討会(第3回)

医政局歯科保健課

○日時

平成28年11月25日(金)15:00~17:00


○場所

経済産業省別館1107号会議室(11階)


○議題

1.これまでの検討経過について
2.今後の議論の進め方について

○議事

 

○和田歯科保健課課長補佐
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「歯科医師の資質向上等に関する検討会」第3回を開催いたします。

 構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

 まず、構成員の交代につきまして御報告いたします。

 日本歯科医師会副会長の柳川構成員、同じく日本歯科医師会専務理事の村岡構成員です。

 なお、日本医師会の羽鳥構成員につきましても、役員改選に伴い新たに構成員として委嘱をしていますが、本日は所用により欠席との連絡を頂戴しています。

 続いて、構成員の出欠状況ですが、山口構成員は所用により欠席との連絡を頂戴しております。

 なお、南構成員におかれましては、約15分ほどおくれる旨の御連絡を頂戴しております。

 伊藤文郎構成員は、一身上の都合により本年7月20日付で委員を辞職しています。

 本検討会では、オブザーバーとして文部科学省医学教育課の寺門課長に御出席をいただいております。なお、寺門課長におかれましては、所用により中座する旨の御連絡をいただいております。

 今回の検討会につきましては公開となっておりますが、カメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。

 続きまして資料確認をお願いしたいと思います。お手元に議事次第、座席表、構成員名簿、このほか資料は1-1、1-2と資料2、また、参考資料は1~4をお配りしております。

 その他といたしまして、これまでの当会議あるいはワーキンググループでの資料をファイルにつづっておりますので、御参考までにお目通しをいただければと思います。

 乱丁、落丁などございましたら事務局までお知らせいただければと思います。

 それでは、以降の進行につきまして江藤座長、よろしくお願いいたします。


○江藤座長
 それでは、議事に移らせていただきます。

 久方ぶりの会議でございます。そうでございますから、これまでの議論の経過等につきまして、先生方に思い出していただくということで、再度御認識をいただくということでございますから、各ワーキングの座長から資料1-1、資料1-2に基づきまして、それぞれ5分程度で御報告をいただきたいと思ってございます。

 まず、このワーキングの座長の報告に先立ちまして、資料1の位置づけにつきまして事務局から説明を願います。


○和田歯科保健課課長補佐
 資料1でございますが、お手元に配付しております資料1-1、資料1-2がございます。いずれも各ワーキンググループにおける議論を踏まえた現時点の論点整理といたしまして、資料1-1が抜粋版、資料1-2が全体版とお配りをしてございます。なお、資料1につきましては、これまでのワーキンググループにおける各構成員からの御発言あるいは関連資料などに基づき文章としてまとめたものでございます。あくまで現時点版の整理という考え方でございまして、これをベースにいたしまして今後議論される内容などを踏まえまして、加筆・修正などを行っていきたいと思っているところでございます。

 資料1につきましては以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 それでは、歯科医師の需給問題に関するワーキンググループの座長の森田構成員から御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


○森田構成員
 わかりました。森田でございます。報告をさせていただきます。

 歯科医師の需給問題に関するワーキンググループは、平成27年2月24日から始まりまして、翌年4月12日まで5回にわたり議論を行ってまいりました。お手元の資料で申しますと資料1-2の1~6ページが需給ワーキンググループの論点になります。各論点からかいつまんで報告をさせていただきたいと思います。

 まず1ですけれども、歯科医療の需要についてでございます。1つ目の○でございますが、今後の人口動態との関係を考慮して検討を行う必要があることという御意見がございました。そして次に3つ目と4つ目の○になりますけれども、若年層はう蝕等の疾患の軽症化に伴う予防や管理の充実について需要があるということですが、今度、高齢者層は当面在宅歯科医療の需要が増加すると考えられます。これに伴いまして、在宅歯科医療のさらなる環境整備と財源措置が必要であるというまとめでございます。

 最後の5つ目の○ですけれども、多様化する患者のニーズに対応するため、歯科医療機関や歯科医師がどの程度の経験や専門能力があるのかなどを患者に周知する必要があること。これらの点について整理をしているところでございます。

 次に、今度は歯科医療の供給についてでございますけれども、一部、需要とも重複いたしますが、2ページ目に入っていただきまして1つ目の○でございます。提供体制を考える上で今後予想される女性歯科医師の増加や、歯科医師の多くを占める50代以上の歯科医師のリタイヤ等によっても、状況が大きく左右されることを考慮しなくてはならない。また、2つ目の○でございますが、歯科診療所の受診患者のうち、高齢者の占める割合が増加していることから、かかりつけ歯科医機能が重要となってくる。引き続き診療報酬改定等を通じて方策を検討すべきである。3つ目の○でございますが、基礎疾患があり口腔内に問題を抱えた患者に対して口腔管理を進めるには、医科歯科連携が重要であるということから、医科歯科連携の窓口を病院内に設けることも選択の1つであること。このように整理をしているところでございます。

 次に、歯科医師の養成及び確保についてですが、3ページ目の1つ目の○の歯科大学の入学定員に関してです。1つ目のポツの人口動態も踏まえた入学定員の設定が必要であるということ。2つ目のポツで、歯科医師国家試験合格率等の大学間の格差が生じていることによる入学定員の削減。また、2つ目の○の歯学教育については、2つ目のポツになりますけれども、医学部で既に導入されているいわゆるスチューデントドクターという制度の導入、こういうものについて整理をしているところでございます。

 4ページ目の需給推計につきましては、後ほど事務局より詳細な説明をしていただきたいと思いますが、まず1つ目の○です。歯科医師数の需給推計で示される数字は、社会が歯科医師に何を求めるのか。歯科医師としての働き方によって数字の意味合いが異なってくるので、数字で示すこと自体、限界があるという指摘もなされました。特に影響が大きい係数につきましては、幾つかのパターンをつくって推計を行ったという整理にしております。

 続きまして、歯科医師のキャリアパスについては、次世代を担う歯科医師が学生時代に臨床研修終了後の歯科医師像や、その後の歯科医師像について現状と異なる多様なキャリアパスを描けるような対応が必要であると整理しているところでございます。

 その他(2)~(4)は、主な内容について簡単にまとめて申し上げますと、進級や卒業を認めない学生については、早い時期に異なる選択を考えさせることが必要である。また、歯科大学卒業時の選択肢をふやすことも重要である。司法試験制度や法科大学院制度に関しても御発言がございましたが、今後の方向性を検討する上で大変参考になるものと考えられます。

 簡単ですが、私の報告は以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 続きまして、女性歯科医師の活躍に関するワーキンググループの座長の三浦構成員から御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。


○三浦構成員
 女性歯科医師の活躍に関するワーキンググループの取りまとめを行っておりました三浦です。よろしくお願いいたします。

 お手元の資料1-2、7~9ページをごらんになっていただければと思います。女性歯科医師の活躍に関するワーキンググループは、平成27年3月18日から翌年2月19日まで、計4回にわたり意見交換を行いました。その結果、お手元の資料の7ページからお示しをしますように、大きく3つの方向性から議論を進めてまいりました。

 具体的に申し上げますと(1)でお示ししている女性歯科医師の活躍等を初めとした歯科をめぐる課題解決のあり方について、そして(2)女性歯科医師の働き方やキャリアパスについて、そして次のページに移りますけれども、(3)女性歯科医師の活躍に関する支援のあり方について。以上、大きく3点についての討議を行ってきたところでございます。

 7ページ目に戻っていただきまして、各論点から主なものを述べさせていただきます。

 まず(1)女性歯科医師の活躍等を初めとした歯科をめぐる課題解決のあり方についてでございます。最初の○の部分に該当するところでございますが、女性歯科医師の働きやすい環境づくりは、女性だけではなく男性歯科医師の働きやすい環境づくりにもつながるという意識を業界全体で共有することが非常に重要であるというところ。そして2番目の○につながりますけれども、日本歯科医師会、学会、大学等が一堂に会した協議の場を設定する必要があること等を整理いたしました。

 引き続いて(2)女性歯科医師の働き方やキャリアパスについてでございます。最初の○に関係するところでございますけれども、継続して就労するための体制、環境を整備し、女性歯科医師のキャリア形成につなげていくためにはライフイベントに合わせたさまざまな働き方、働く場所等のフレキシブルな勤務形態を認めるという業界全体の考え方の転換が必要であるということでございます。女性は結婚、出産、育児等、そのようなライフイベントの影響を非常に受けるということで、この部分は非常に重要な観点かと考えております。

 次のところにつながるところでございますが、結婚、出産等に伴う離職や復職に対する体制の整備について、キャリアを伸ばすための最適な時期に継続して就労を図る、両立支援等助成金などの公的な制度の使用について、利用促進を図るということも非常に重要な視点かと考えられます。特に若い歯科医師が多様なキャリアパスを描けるように、学部教育、臨床研修において企業、研究機関、行政等の見学研修や外部講師による講演等の積極的な活用や、大学、歯科医師会等におけるロールモデル研修会の開催などの機会増加が非常に求められるというところでございました。

 最後の項目についてです。8ページのほうに移っておりますが、(3)女性歯科医師の活躍に対する支援のあり方についてであります。働き方に関する情報について、大学の同窓会誌や業界新聞等を通じての好事例の情報共有が取り組みのきっかけになり得るという指摘がございました。また、次の○につながりますけれども、女性歯科医師に期待される活躍の場について、地域歯科保健活動への従事や小児歯科、歯科麻酔等の専門領域に加え、今後ニーズがさらに高まる歯科訪問診療等における活躍が期待されるところでございます。このあたりは需給ワーキンググループでの御指摘と重なるところがあろうかと考えております。

 また、そのような場で活躍するために、多職種連携のスキル向上を図る必要性があるのではないかということと、あわせまして復職を支援する者を対象とした研修等では、臨床経験の浅い者にスキルアップラボ等の活用を通じた技術研修やe-ラーニング等を活用した研修等の充実が必要であること。そして世代間で働き方に関するギャップも大きいことを踏まえて、管理者、開設者に対するリーダー研修等の開催が強く望まれるということを整理いたしました。

 このように女性歯科医師の活躍に関するワーキンググループにおきましては、向かうべき方向性についてある程度集約できたかなと考えているところでございますが、今後は女性歯科医師の活躍を初めとした歯科をめぐる諸問題の解決について、これらの論点整理をもとにより具体的な対策について、関係者が一堂に会した情報共有の場を持ち、さらに推進する取り組みが極めて必要ではないかと考えているところでございます。

 私からの御報告は以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 最後に、歯科医療の専門性に関するワーキンググループ座長の西原構成員から御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。


○西原構成員
 ただいまから歯科医療における専門性についてのワーキンググループのまとめをお話させていただきます。

 このワーキンググループにおいては、歯科医師、さまざまな大学であり、学会であり、あるいは歯科医師会であり、いわゆる歯科医師側からのグループと、それ以外の職種の方々との意見交換ということで、まず国民が求める歯科医療の多様性、それに軸を置いたとしても安心・安全な歯科医療を提供するという観点からの専門性という観点での議論を展開いたしました。

 一方で、医学において専門医制度という制度が動いている中で、歯科においてはそれ以前の問題として専門性を広く捉えて、今、申し上げた安心・安全あるいは国民が求めるものはという観点で、さまざまな意見が展開されております。

 そして、今、申し上げた点に関して、まずそもそも歯科医師が国民に対して安心・安全な歯科医療を提供するという前提に立って、自己研鑽あるいは生涯研修の必要性についてさまざまな観点から意見が出されましたので、それを1つのまとめとして取りまとめたところでございます。

 そのようなことを考えたときに、では歯科医師の研鑽の場はどうなのかという、これも現状分析をしていく中で極めて多岐にわたり、さまざまな質的あるいは内容的に差が見られるような団体等での研修が行われている中で、このことに関しては一定の担保がとられる内容のものを提供するための施策が必要ではないだろうかというようなことが、語られたところでございました。

 これもそもそもでございますけれども、10ページ目の下段から、歯科医師は生涯研修を務めていくことになるわけですが、地域で歯科医療をしている先生方の中には、スタッフと歯科医師という小さな関係で終結してしまっている先生方も少なからずいるという中で、そのような歯科医師にどのような専門性という点から考えて、一定のレベルに達する研修をどのような形でしていったらいいかというような意見も交換されたところでございました。

 さらに、このワーキンググループでは11ページの(2)にありますが、歯科医療の中で既に位置づけられている専門医についても意見が交わされました。すなわち専門医が国民にとってわかりやすい形で情報が提供されていないのではないか。これはさまざまな問題点がありまして、これまで専門性の詳細について歯学、歯科界が余り開示という観点で積極性に欠くところがあったというようなところも含めて、さまざまな意見が交わされ、そして改善策について一つ一つ詰めてきたところでございました。

 次に12ページに目を移していただきますと、今、申し上げた(3)になるのですけれども、専門性についての情報のあり方についてというところで、そもそも(1)にございますように、歯科分野における広告が可能な医師等の専門性に関する資格についてという部分と、(2)の歯科分野における広告することができる診療科名についてという、この2点についてワーキンググループの中でも統一性を持った意見交換をするためにということで、5回行われてきた中の第2回目だったと記憶してございますけれども、専門官に来ていただき、説明を受け、その上でこの点について混同がないように、混乱がないようにしながら丁寧に議論を進めてまいりました。

 そして、12ページの下段の(4)でございますが、さまざまな分析を重ねれば重ねるほど、長年この専門性についてアカデミアが展開する専門性もそうですし、これから先、医療が変革していく中で、歯科医療が変わっていく中で求められる新たな専門性という、この2点を議論するにしても、これまでオートノミーという形で果たしてどの程度歯学が作業を行ってきたのかという議論が1つ出てまいりまして、逐次このワーキンググループでは各団体から資料を出していただきながら検討してきました。歯科医師会並びに歯科医学会から提供された文書が第4回ということで遅かったということもございまして、さらに10年来この問題については両組織において議論が展開されてきたが、これまでの進展は何かという、そもそも原点に立ちかえる意見が出されました。そこで、私どものほうから関係団体による協議を速やかにお願いしたいということで、歯科医療の専門性についての議論が深まるにつれ、より詳細に検討すべきことが提起されたということをもって、日本歯科医師会、学会、大学の三者を交えた協議の場を設定し、1年をめどに結論を得る前提で協議を願いたいということでお願いをしたところでございました。

 私もその一部の報告会に出ての理解で申し上げますと、歯科医師会がまとめるような形で第1回目の協議会が開催されて、現在、1つの方向性に向かって、すなわちこのワーキンググループで議論をされたところを軸にして今、次に向けての準備をされていると私としては理解をしているところでございます。

 以上が私からの報告のまとめとさせていただきます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 ただいまの3人の先生方の御報告で大体、議論の概要を思い出していただけたかと思います。ただ、かなり間隔があいてございましたので、ただいまの御報告につきまして追加ないしは修正、確認の御意見がございましたらお伺いしたいと思います。

 伊東先生、何かございますか。


○伊東構成員
 需給問題でも女性の歯科医師の問題でも専門性の問題でも、歯科医療の供給体制を少し深く突っ込んで考えないと解決できないのではないかと思います。例えば女性の問題では歯科医療の一般的な経営形態が小規模だということで、女性の働く場の確保が困難になっているのではないかと思います。歯科医療の供給体制をどういうふうにすればいいかまだわかりませんが、いろいろなモデルがあるだろうと思います。そういうモデルスタディーを通じて、そういったことが2ページに少し出ておりますが、これをもう少し具体的に膨らませていただくといいなと思います。専門性の問題もやはりそういうことが言えます。専門医が専門医として働ける供給体制、職場の確保が必要です。

 需給問題では、歯科の施設数と歯科医師の数が連動すると思います。高齢社会ではむしろ歯科治療も時間がかかったりとか、難しかったりしますので、歯科医師が診れる数というのは少なくなっていくと思います。さらに、1人の院長でやれるかというとやれないところが出てきます。医療安全を推進したり、全身管理をしたり、感染制御したりとか、訪問診療に行くとなると、どうしても小規模な診療所では、現行の一人院長体制では無理なケースが出てくることになります。高齢社会での需要の変化に合わせた歯科医療供給体制をもう少し深く検討していくと歯科医療の質の向上とともに歯科医師の資質向上につながるのではないかと思います。

 以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 ほかにございますか。井上先生いかがですか。


○井上構成員
 今、伊東先生がおっしゃったようなことはもちろんなのですけれども、医科の先生はきょうおられないようですが、医科と歯科を必ずしも一緒には考えられないのかなというのが、この3つの問題にあるのかなと感じています。歯科の特殊性というものが医科の先生にはなかなか理解できなかったのかなという印象もございますので、その辺で歯科独特のと申しますか、歯科の本当の女性のニーズ、それから、需要、専門性についても、もう少し深く突き詰めていく必要があるのかなという感想を得ております。

 以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 では順番ということではないのですが、川添先生、何かございますか。


○川添構成員
 一言言わせてもらえれば、11ページの専門性の点について、この切り口の中で(2)(2)で国民が求めている専門性と歯科医師が求めている専門性を分けて議論すべきであるというのは非常に当たっているのではないかということです。ただ、どのようにこれをまとめていくか、二本立てにするか、一本にできるのかという点のまだ突っ込みが、この時点ではできていないのかなという気がいたします。

 もう一点は、第三者ではなくて三者の大学と歯科医師会と学会という点が、それぞれ目指しているところが異なることが多いようで、これを話し合いで分化するのか、どちらかを議長というか優劣をつけて指導的リーダーシップをとっていって、それにある程度合わせて統一するかという点を留意すべきで、専門医というものができた場合も2つできたり、あるいは3つできたり、あとになって国民が戸惑うという結果になるのではないかと思います。

 以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。


○水田構成員
 みんな消極的ではないかなと思うのは、結局、自分たちでどういうふうにしていくかということをしない限り、社会にどうしてくれ、こうしてくれと言っても一緒ではないかと思うのです。女性医師が働くところをどうかしてくれと言っても、それは女性歯科医師が考えることであって、私はどんどん出ていけばいいのではないかと思うのですけれども、じっと口をあけて待っていても誰もしてくれないから、やはり闘いなさいと言わざるを得ないということと、今、1人の診療所では、訪問歯科はできないので、それ以上増やすようにということをニュースで見たのですが、それは例えば自分のところの病院でも診療を続けて、それから、外の訪問診療もしたいと思うならば、そこの管理者がグループをつくってやっていこうというふうに集まらない限り、上のほうから1診療所に1.4とか、2くらいにしなさいと言うのもおかしいのではないか。それは自由でしょと言いたくなるのです。私は詳しい内容はどういうふうに皆さんが思っているかよくわかりませんけれども、外から見ていてそういうふうに感じます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 どうぞ。


○高梨構成員
 高梨でございます。簡単に3点ほどお話させていただきます。

 まず1個、女性のほうのワーキンググループに参加していなかったのですが、我々の業界でもライフイベントの関係でアメリカの、弁護士の世界にはgo to mommy's trackという言葉があるのです。あなたはママになったのだから、普通の人の競争するレーンとは別のところに行くんですよという意味の言葉だそうです。いわゆるずっとフルタイムで仕事をしている人に比べて女性が不利な立場に立たされているというのは、多分、業界を問わずの問題であって、それに大変真摯に取り組まれて、ここまで取りまとめられたことにまず敬意を表したいと思います。

 2つ目が、在宅医療に対する財政措置の必要性を取り上げていただいたのは非常にありがたいと思います。我々も新しい業務分野をつくるときに、つくったけれども、財政措置がないから結局それが機能しないという問題に常に直面。成年後見人なり子供の手続代理人、内容は御説明しませんけれども、そういう制度はつくるのですが、財政措置がないので結局やる人がいないという状況で非常に苦しんでいますので、そのことは非常によかったのではないかと思います。

 3点目が、専門性に対する情報のあり方で、これは喫緊の課題ではないかと考えています。もう少し緊急性とか歯科独特の規制のあり方を考えていただきたいというのが率直なところでございます。

 現在でもガイドラインはありますが、これによる規制に実効性がないことは明らかではないでしょうか。国民に誤解を与えるような表示、宣伝をしている歯科医院のホームページは散見される状況です。法規制が難しいのであれば厚生労働省のほうでモニタリングが開始されたとも伺っていますので、例えば公表だけだったら不利益処分にはならないはずなので、指導に従わない場合は公表するとか、できる範囲で取り組んでいただきたいです。喫緊専門性についての情報のあり方については、緊急性を求められている状況ですので、もう少し強調していただければありがたかったなと思います。


○江藤座長
 では西原先生、どうぞ。


○西原構成員
 今の問題は、ワーキンググループで幾つかの診療科に関しては出てきておりましたし、厚生労働省としてもこれに関してはその場での答えで申し上げますと、真摯に取り組むということでしたが、1つさらに喫緊性、緊急性ということが高梨構成員から出ましたので、これはまた次の課題かなと思っております。


○江藤座長
 寺門医学教育課長、中座されるということで何か別の観点から。


○文部科学省寺門医学教育課長
 オブザーバーなのに御発言をお許しいただいて済みません。

 前回以降の動きで申しますと、全29歯科大学・歯学部に対しまして意見交換をこの夏に行いました。この検討会で御真摯に検討なされた現時点での教育の質に関する問題については全て取り上げまして、全ての歯科大学と相当程度御議論いたしました。総じて歯科大学・歯学部の先生方、学部長等の責任者に来ていただきましたけれども、より一層の質の向上を進めるとともに、従前の閣議決定についても遵守するという形で今、お取り組みいただいてございます。

 そういう意味で、これから、いろいろな厚労省の中の動きを踏まえて、さらにこの検討会で御議論が深められると思いますけれども、そういった動きを見ながら引き続き文科省としても歯科大学等と協力しながら、教育の一層の充実について努めていきたいと思ってございます。

 以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 それでは、柳川先生、お願いいたします。


○柳川構成員
 需給につきましては、森田先生から先ほどお話がありましたが、医療の問題がさまざま地域へシフトするという中で、全国の総数で議論するのは、というお話がございました。まさにそのとおりであります。また私どもからも提案をさせていただいて、試算の係数も3種類取り上げていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。

 女性の活躍につきましては、まさに水田先生のお話がそのとおりだと思うので、もう少し自律的な検討というか取り組みが必要だろうと思います。ただ、先ほどお話があったフレキシブルな勤務形態というか、働き方については私どもの職種以外の問題、皆さんの問題だと思いますので、参考にしながら取り組むべきと思います。

 最後に専門性ですが、西原先生から少し日本歯科医師会、学会からの提案が遅かったという話がございましたが、ワーキングが5回あって、私が出たのが4回目からでございまして、5回目に日本歯科医師会としての現状の考え方という試案を示させていただいたわけです。今、実はこの親会議の開催を待って学会と日本歯科医師会と各団体と協議を始めようと思っていたのですが、なかなか検討会の開催がおくれているということで、実際には、学会連合と日本歯科医師会が集めて関係団体との協議会を立ち上げました。今は単科である歯科の専門性の考え方であるとか、あるいは国民から見えやすい歯科の専門医制、さらに若い歯科医師が目指すところはどこなのか、最後に、これは設置をまだ前提としておりませんが、第三者的な機能のあり方などについて議論を始めたところでございます。

 以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 森田先生、お願いいたします。


○森田構成員
 需給関係については先ほど申し上げましたし、また御議論あろうかと思います。それ以外のところで印象に残った点だけ述べさせていただきますと、これは女性医師に限った形で書かれているのかもしれませんが、多様なキャリアパスといいましょうか、歯科医師の方も歯科医療だけではなくて、いろいろな形での社会的な働き方があるのかなという気がいたしまして、これは医師のほうも同じことが言えるのかもしれませんけれども、そうした意味での検討をこれから進めていくことも必要ではないかと思いました。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 それでは、村岡先生。


○村岡構成員
 私は今回から参加でございますけれども、何年か前のときにもありましたので、少し出させていだたいておりました。今これを拝見していて需給についてはいろいろな角度から、いろいろな検討が今までされてきましたし、今回このまとまり方というのは、いわゆる数だけでくくっていたことが少し変わってきたということで、私は大変結構な方向に来ていると理解をしておりますし、そういった中で歯科医師の資質向上にさらに資するものになっていけばと思っておりますので、ありがたいまとまり方だと拝見しています。

 また、女性については私も歯科医師会の中で女性問題、女性の歯科医師の活躍ということでいろいろと考えているところでございますけれども、なかなか今回の取りまとめも大事な視点で書いてございますが、どこかちょっと最終的に男性の視点で見ているのかなというところもございますので、女性らしきというふうな社会的な視線から、例えば小児歯科だとか歯科保健教育という形で、何かやわらかなところにというふうになっている気もいたします。そういったことを考えることも大事ですけれども、どの分野でも活躍していただけるような女性歯科医師という観点で見ていただきたいということも感じるところでございます。

 また、専門性につきましては、国民が求める専門性と歯科医師が求める専門性ということでございますけれども、そもそも専門性に何を読み取るかというところが視点から違ってくるので、そういったことがあるとなると、ここで語る専門性というのはどういったものなのかということを少し考えながら、この先、進めていきたいと思ったところでございます。

 以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 それでは、南さん、お願いします。


○南構成員
 読売新聞の南です。

 私は専門性の議論と需給の議論に参加させていただいたのですが、順不同で感想みたいなことを申し上げます。

 3つのワーキンググループがそれぞれに独立して論じられることは、かなり限界があって、相互に不可分の課題が多いわけです。論点をそれぞれ洗い出したので、このあとは総合的に何が求められていて、何ができるのかという議論をこれから深めるのかと思います。

 各ワーキンググループ別のことで申し上げれば、需給に関してはこれは医師の需給やその他、医療職である看護師などの需給についても全く同じことが言えるのですけれども、国民がその専門職、職能の方に何をしていただきたいのかということによって、足りるとか足りないとか、もっと必要だとかいうことは全く事情がちがってくるわけです。そういう意味では歯科医の需給も、社会が歯科医にどういう仕事をしていただきたいのか、何を求めているのかということが大前提にならざるを得ないのかと思います。

 専門性ということを考えますと、専門性ワーキングのところでも何度となく出された意見ですが、歯科医が追求していく歯科学の専門性ということは、それはそれでいいとしても、国民が求める歯科の専門性ということで言えば、感染防御とか全身との関連などを十分に配慮した、日常的歯科口腔ケアを、きちんとした質で提供してくださる「かかりつけの歯科医」というものが現状では全く国民に判るように示されていないということが、国民から見ると非常に大きな不満だということです。これは専門性と言うべきかどうかわかりません。全ての歯科がそういうことは本来、歯科教育の中でそういう能力を担保するというのが基本であるとともにゴールでもあるのかもしれませんけれども、そういう普通の歯科の能力といいますか、歯科診療能力といいますか、そういうことを国民は求めているのではなかろうかということが再々言われました。私も同じような印象を持っております。そういう意味で専門性は国民の望むものと、歯科医学として追求されるべき専門性というものは、ある程度分けて論じられるべきではないかということになると思います。

 女性という問題についてはきょう初めてワーキングでの論点を伺ったのですが、かなり議論は尽くされている印象で、あとはほかの職業とも同じく多様なキャリアパスが示されていくことがさらに必要ではないか。最初に申し上げた国民が望む歯科医療のあり方というのを考えれば、女性が活躍できる場は多様にあるはずだと思います。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 

 それでは、三浦先生。


○三浦構成員
 異なる3つのワーキンググループからの取りまとめでございましたけれども、非常に重なって問題点が指摘されたところもあろうかと考えています。具体的に申し上げますと、超高齢社会における新しい歯科ニーズにどのように対応していくのか。どのように専門性を磨き、そして多様な働き方を認めつつ、よい人材を供給できるのかというところは共通の課題であったかと考えております。

 いずれにおいても、関連する関係者が一堂に会して議論するべきであるという言葉が、どのワーキンググループからも論点の取りまとめとして出てきたというところは、次につながるステップとして非常に重要な視点かと思います。

 さまざまなアプローチをもって、特に今後、歯科医療を担っていく若い世代に多様なキャリアパスを提供できるような体制づくりと、今までの中で御指摘があったそれだけではなく、環境面も整えつつ、自らがより高みを目指して専門職として極めるという姿勢を打ち出す方向性、それと、そういったものを育成していく教育、研修の機会。そういったものを踏まえて、より具体的なところへ次に進むべき段階に来たのかなというのを強く感じております。

 私が担当した女性歯科医師ワーキングでは、ある一定の方向性を提示できたかと思っておりますけれども、次のステップにどういうふうに向かっていくのか、次の具体的な制度にどのようにいくのかというところが、実際に定着させるかどうかというところにつながってくるので、そこについてより議論を深めていく必要があると思っております。

 以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 先ほど3人の先生方の御報告と、ただいまの御議論でもって一応、今までの議論の振り返りができたのではないかと思っております。ありがとうございました。

 続きまして、資料2及び参考資料に基づきまして、今後の進め方について御説明を事務局からお願いいたします。


○和田歯科保健課課長補佐
 それでは、お手元の資料2及び参考資料1~3について御説明をしたいと思います。

 まず資料2に先立ちまして、まず参考資料1~3について簡単に御説明をいたします。

 参考資料1という資料をごらんいただきたいと思います。これまでの考え方に基づく歯科医師数の需給推計でございます。参考資料1は、歯科医師の需給問題に関するワーキンググループにおける構成員の資料などをもとに、事務局で整理を行った資料でございます。歯科医師数の需給推計につきましてはスライドの1枚目にありますように、必要歯科医師数と供給歯科医師数に分けて整理を行っております。算出根拠等については次のスライドの2~12にお示しをしてございます。

 個々のスライドについて簡単に御説明をさせていただきたいと思います。まず必要歯科医師数につきましては、歯科診療所に従事する歯科医師の方と、歯科診療所以外に従事される歯科医師の方、分けて整理をしております。歯科診療所に従事する歯科医師については、スライド3、4にお示しをしておりますけれども、それぞれスライド3におきましては歯科診療所を受診された推計患者数、スライド4でございますが、こちらは歯科診療所に従事する歯科医師1人1日当たりの患者数をお示ししております。スライド4につきまして、この患者数ですが、需給ワーキングでの構成員等からの御意見を踏まえまして、(1)(3)の3パターンを御用意しております。

 1つ目は、平成20年の患者調査及び医療施設調査をもとにしたもの。2つ目はNDB、レセプト情報をデータベースしたものでございますが、平成27年度NDBデータと平成26年度医療施設調査をもとにしたもの。3番目でございますが、日本歯科医師会で実施されている歯科医業経営実態調査。これらの3つのデータをもとに、3パターンを示しているところでございます。

 その下のスライド5になります。今、申し上げた推計患者数を歯科診療所に従事する歯科医師1人1日当たりの患者数で割り算したものが、スライド5にお示ししている数値になってございます。

 続きましておめくりいただきましてスライド6、7になります。今ごらんいただいている資料が歯科診療所以外に従事する歯科医師の方の数でございます。こちらのデータにつきましては、これまでのトレンドなどを加味いたしまして、トータルとして1万5,000人で固定いたまして、先ほど御説明した歯科診療所における必要歯科医師数と、今、申し上げたデータとを足し合わせた数値がお手元の参考-8となります。足し合わせた数値から研修歯科医の2,000人分を除いた数値を必要歯科医師数としてお示しをしています。

 一方、供給歯科医師数については、スライド9以降になります。スライドを1枚おめくりいただきましてスライド10になりますけれども、供給歯科医師数につきましては、推計生存歯科医師数に推計稼働率を掛け合わせて算出しています。推計稼働率の算出につきましては、さらにスライドの下の11でお示しをしている厚生労働科学研究の結果をもとに、女性歯科医師の稼働率、仕事量0.9という係数を乗じています。こちらが今、申し上げたところが現役の歯科医師の方の数でございまして、それに加えまして新規の参入歯科医師数。スライド10にお戻りいただきまして、右の参考3というところになりますが、これまでのトレンドをもとに2,000名というデータで固定をいたしまして、それを足し合わせた数が供給歯科医師数でございます。その数値につきましては参考-12にお示しをしてございます。

 結論としてどうなったかというところなのですが、参考-13のスライドをごらんいただきたいと思います。スライド13でございますが、歯科医師数の需要と供給の関係ということでございまして、必要歯科医師数については実線の部分になります。上から青、緑、赤となってございまして、供給の部分が点線の茶色の折れ線グラフになります。仮に(1)をベースとして考えますと、2017年の時点で需要がプラス3,100人ということで、歯科医師が3,100人足りません。一方で、緑あるいは赤の部分をごらんいただきたいのですが、こちらにつきましては供給が需要を上回っている関係ですので歯科医師が過剰であるということになります。したがいまして、係数の取り扱いによって考え方が随分変わってくるということがおわかりいただけるかと思います。

 この資料の表題にございますように、あくまでもこれまでの考え方に基づく推計でございますので、今後は本推計に必要な要素を追加するなど、さらに検討を行っていきたいと思っています。

 続きまして、参考資料2について簡単に御説明をいたします。こちらは医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会の中間取りまとめでございまして、本年6月に取りまとめられたものでございます。

 おめくりいただきまして3ページ目の下段から、将来の医師需給推計についてということでまとめられております。医師に関してもかなり精緻にこれまでも推計されてございますが、その中で4ページ目の上から4つ目の○のところでございますが、医師の働き方、勤務状況などに関して現状を正しく把握するために調査を行うこととしたということでございます。さらに本年中に各都道府県が策定する地域医療構想、あるべき医療の姿を踏まえ、新たな医療のあり方を踏まえた医師の働き方ビジョンを策定し、その上で必要な医師数を検討するというふうにされてございます。ですので歯科医師におきましても先ほど来、話が出ておりました働き方あるいは供給体制の部分を中心に、需給推計について今後さらに精緻に分析を行っていきます。

 最後の資料になりますが、参考資料3についてごらんいただきたいと思います。こちらにつきましては御存じのように今、医師、看護師を中心にいたしまして、働き方に注目をしたいわゆる「働き方ビジョン検討会」が設置されております。ここでお示しをされておる検討課題が中ほど2ポツに書かれておりますけれども、我が国の医療を取り巻く状況の変化を踏まえた新たな医療のあり方、また、(2)といたしまして、新たな医療のあり方を踏まえた医師・看護師等の働き方及び確保のあり方につきまして、議論が継続的に行われているところでございます。

 こういった状況を頭に入れておいていただきながら、資料2について御説明をしたいと思います。今後の議論の進め方についてお諮りができればと思っています。

 1つ目の○でございますが、先ほど来、御説明をさせていただいたように、本検討会につきましては昨年1月に設置いたしまして、以降、各ワーキンググループにおいて精力的に議論が行われたところでございます。この間、医師・看護師におきましても需給に関する議論が継続的に行われていたわけでございますが、10月3日から働き方ビジョン検討会が開催されまして、医療を取り巻く環境の変化を踏まえ、医療従事者の新しい働き方の検討が行われているところでございます。

 歯科におきましても、お話が出ておりますような高齢化の進展あるいは歯科疾患の構造の変化等々によって、歯科医療を取り巻く環境も変化し、歯科医療の需要自体が既に変化が生じているところでございます。また、提供体制につきましても外来中心であった提供体制が、国民の方が求める在宅歯科医療あるいは医科の入院患者に対する歯科医療等、さまざまな提供体制が必要とされているところでございます。

 こうした変化に伴いまして、南先生からもお話がございましたが、歯科医師の求められている働き方、役割ないしはそのキャリア形成ということに関しても、考え方が随分変わってきているのではないかと思ってございます。

 こうした視点あるいは働き方ビジョン検討会での検討結果を踏まえつつ、本検討会におきましてはこれまでの議論に加えて、下記について具体的検討を行い、まさに国民が求める今後の歯科医療あるいは働き方といったものを含め、あるべき歯科医療提供体制を提示できればと思ってございます。

 今後の検討事項といたしまして、ざっくりとしたものでございますが、幾つか列挙してございます。大きくは2つ、歯科医療の新たな需要について、2つ目が歯科医療の供給体制についてでございまして、需要につきましては各ライフステージにおける新たな歯科医療の需要、2つ目が歯科医療が必ずしも十分に提供されていない患者の需要という大きな2つに分けて整理をしてございます。

 一方、供給体制につきましては、歯科診療所あるいは歯科医師における歯科医療の提供という部分と、歯科診療所以外における歯科医療の提供。また、近年注目されているいわゆる医療ICT等を念頭に置きました地域連携。こういったところも歯科医療がかかわってくる部分もあるのではないかと思ってございます。

 今後の議論の進め方については以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 まず御説明の順番で参考資料1でございますけれども、これまでの考え方に基づく推計が示されたわけでございますが、いろいろな考え方があるのでございますけれども、やはりNDB、ナショナルデータベースのデータが全数で現状に近いものではないかと考えられます。この点につきまして、需給ワーキング座長の森田先生の御意見をお伺いさせていただきたいと思います。


○森田構成員
 この需給推計につきましては、需要も供給もそうですけれども、いろいろなファクターが絡んでおりまして、これはいずれにしましても将来にかかわることですから、その数字を変えることによって非常に幅のある推計が出てくると思います。

 そうしたことを議論いたしましたけれども、いろいろな変数の中でも一番大きく影響するのが歯科医師1人1日当たりの患者数ではないか。そこで、これにつきましては一種の感度分析という形で、これまで出されておりました幾つかの数字、ここにございますように平成20年の患者調査及び医療施設調査に基づく数字あるいは平成27年度のNDB及び医療施設調査、また、27年度の歯科医師会の経営実態調査、そうしたところから出ている数字に基づきまして、3つの可能性というものを調べてみたということでございます。

 この数字はさらに変えることによって、必要な需要の線が上がったり下がったりするところでございますけれども、その中で何を根拠に1つの決めるといいましょうか、基本的な線として考えるかということになりますと、これは今も座長がおっしゃいましたが、統計的に見ますとできるだけ多くのサンプルに基づいているという意味では、全数をベースにしておりますNDBデータが、1つの根拠になり得ると思いますし、これは非常に新しいデータですので、そういう意味で言いますと、この13の図でも少し線が太くなっているようですけれども、これをベースにして考えるというのが1つの考え方ではないか、一般的な考え方ではないかと私自身は思っております。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 需給につきましては女性歯科医師も関連するところでございますので、三浦先生、何か補足がございましたらお願いいたします。


○三浦構成員
 今、御指摘がありましたとおり、推計を正確に行うというのは非常に難しいところでございまして、何をもってよしとするかという決めをするのは、実は大変学術的には難しい作業になろうかと思います。

 そのような前提において、森田構成員からのご発言にありましたとおり、サンプル数ができる限り多いデータソースを用いるということと、一番直近の値を使うという方向性で良いかと考えます。全数データであるNDBは、近年になって政策にも使えるようなデータ提供体制が整ってきましたので、より蓋然性が高いものではないかと私も考えているところでございます。

 以上です。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 ただいまの議論を踏まえて、資料2でございますけれども、改めてこれは医療従事者の働き方のビジョンと、それに基づくグランドデザインを構築し直した上で、再びこの委員会で取り上げました問題について検討していくという方向でございます。資料2の今後の議論の進め方でございますが、こういった方向でよろしいかどうかお諮りをしたいと思います。いかがでございますか。


○水田構成員
 何かで書いてあったのですけれども、あと10年もしたら週休3日か4日になって、みんな週5日~6日も働かない世の中になる。そうしたら、歯科医師の数はもっともっと足りなくなる。その分を考えて、人数でカバーしなければいけなくなるのではないかなと思うのですが、今までどおり日本人が物すごく勤勉に働いているようにはいかないのではないですかね。それは考えなくてもいいのですか。


○江藤座長
 ただいまの御指摘のことを含めまして、大きなビジョンのもとで再度、需給、専門医、ならびに女性歯科医師について考えてみようではないかということでございます。

 いかがでございますか。


○高梨構成員
 この中に含意として示されているのだと思いますが、先ほど伊東構成員から御指摘があったように、これから歯科の病院型をふやしていく中で、そういう働きかたの選択肢をつくるべきことをもう少し明確にしたほうがいいのかなという印象を受けました。全体としては賛成でございます。


○江藤座長
 多分、今おっしゃったことは、地域包括ケアという政策が2025年をにらんで施行されているわけでございます。そういったいわば医療・歯科医療の形態が変わってくるのではないか。形態が変わってくれば、それに基づく需給があるのではないかというただいまの御意見でございます。そういったことを踏まえて議論が進むと考えております。

 ほかにございますか。それでは、この資料2に基づく「今後の議論の進め方」で今後は進めていきたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、こういった方向で進めるわけでございますが、日程等につきましてはまた御通知を申し上げます。この辺で議論を終わりにしたいと思います。事務局のほう、何か御連絡はございますか。


○和田歯科保健課課長補佐
 次回の検討会の日程につきましては、追って連絡をします。

 事務局からは以上でございます。


○江藤座長
 ありがとうございました。

 それでは、本日の検討会はこれにて閉会といたします。構成員の皆様、貴重な御意見どうもありがとうございました。

 


(了)

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