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2016年7月28日 第14回医療機器・体外診断薬の承認審査や安全対策等に関する定期意見交換会

医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課

○日時

日時 平成28年7月28日


○場所

場所 イイノホール&カンファレンスセンター 4階 RoomA1+A2+A3


○議事

○藤沼(MHLW) 定刻となりましたので、ただ今から「第14回医療機器・体外診断薬の承認審査や安全対策等に関する定期意見交換会」を開催いたします。本日、前半の進行役をさせていただきます医療機器審査管理課長補佐の藤沼と申します、本日はよろしくお願いいたします。

 最初に行政側、業界側代表者の皆様に一言ずつ御挨拶をいただきたいと思います。最初に厚生労働省を代表して武田局長からお願いいたします。

○武田(MHLW) 皆様、今日は大変お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。6月に医薬・生活衛生局長に就任をした武田です。

 本日お集まりの皆様方には、厚生労働行政に多大な御協力・御支援をいただきましてありがとうございます。私ども医薬・生活衛生局としても、この医薬品・医療機器の分野につきまして非常に大事な分野だというように考えております。今、様々な行政課題がありますけれども、やはり私ども行政の側と、実際にそのものをつくり、運用し、提供されている関係業界の皆様方とが忌憚のない意見交換・情報交換を通じ、お互いに同じ理念を共有し、同じゴールを目指して頑張っていくということが非常に大事だと思っております。

 私どもも逐次体制を強化しております。本日隣におりますが、医療機器も医療機器審査管理室が「課」と昇格いたしました。磯部課長が今日来ております。こういう形で逐次体制強化も努めているところです。様々な課題があるとは承知をしておりますけれども、是非、今日の意見交換を実り多いものとして、明日以降の行政につなげていければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします、ありがとうございました。

○藤沼(MHLW) ありがとうございました。続いてPMDAの近藤理事長から御挨拶をお願いいたします。

○近藤(PMDA) PMDA理事長の近藤です。皆様方には平素からPMDAの事業の推進につき、御指導・御鞭撻いただいておりますことを改めて感謝申し上げたいと思います。

 これまでPMDAの審査体制を強化するとともに、適切な進捗管理を行うことにより、審査期間の短縮に取り組んでまいりました。また、昨年10月には審査相談体制の再編成を行い、専門性の高い審査体制を確立してきたところです。この結果、医療機器の審査ラグは解消されたわけではありますけれども、これはPMDAの努力だけでなく、間違いなくこれまでのアクションプログラムや協働計画で皆様方とタッグを組んできたたまものであると強く認識しております。また、これまで皆様方と築き上げてまいりましたこういったものは、今後も大切にしてまいりたいと思っております。

 国際関係の取組については、更なる国際貢献に向けて「PMDA国際戦略2015」を昨年策定いたしました。この戦略に基づき、本年4月にアジア医薬品・医療品機器トレーニングセンターを設置、アジア諸国の規制当局に対し日本の規制の理解を促す等の研修を通じ、アジア全体の医療機器等に関する規制のレベルアップに貢献してまいる所存です。

 このほか科学委員会の活用、特区医療機器薬事戦略相談の創設、関西支部でのテレビ会議システムの設置、アカデミアとの包括的連携協定締結、それから先駆け審査指定制度の運用協力等も取り組みながら、更なる革新的な医療機器の実用化を目指してまいりたいと思っております。

 本日は皆様方から忌憚のない御意見・御提案をいただきながら実りある意見交換ができればと思っております、どうぞよろしくお願いいたします。

○藤沼(MHLW) ありがとうございました。続いて医機連の中尾会長から御挨拶をお願いいたします。

○中尾(医機連) 医機連の中尾です。今日はありがとうございます。いつもこのように定期意見交換会を開催してくださり、本当に助かっております。

 もう1つのお礼は、この意見交換会の通知を見た時と今日の意見交換会の感じがちょっと違っていて、1か月ぐらい前に頂戴した時は薬事規制に関する定期意見交換会となっていたものが、どなたかがいろいろなことを慮って、承認審査や安全対策等に関する定期意見交換会ということで、「薬事」という名前を外してあるなと思い、これについて非常に嬉しくなっております。これからも定期意見交換会だけでなく、そろそろ「薬事」という言葉とお別れのタイミングが来ているのかと思います。ありがとうございます。

 もう1つ、これは御報告ですけれども、医機連は今まで19団体でやってきましたが、ここ1か月、2か月前に新しく2団体が加わりました。1つは、今日出席されていますが、臨薬協が1つの団体として医機連の中に加わりました。もう1つは、コンピュータのネットワーク、MD-Netが加わりました。特に流通だけのコンピュータではないのですが、やはりこれからシステム、ICTは非常に重要になってきますので、業界としても力を入れていきたい。少しずつ拡充していますので、これからも御支援をよろしくお願いしたいと思います。今日はよろしくお願いいたします。

○藤沼(MHLW) ありがとうございました。続いて、AMDDの加藤会長からお願いいたします。

○加藤(AMDD) 皆さん、お疲れ様です。本日は厚生労働省、それからPMDAからたくさんの皆様に御出席いただきまして、例年どおりこのような場で意見交換できることを非常にありがたく思っております。

 私どもで10年以上にわたって切望してまいりました医療機器審査管理課が誕生いたしましたこと、本当に嬉しく、またありがたく思っております。1年前の薬機法施行と合わせて医療機器への着目、それから取組が確実に具現化されていることを感じている次第です。

 私ども、産官学が一緒になって医療機器産業を推し進めていこうという中で、いろいろあったネックの法規制に関する様々な官民一体の取組が確実に進みつつあることを大変に感謝しております。引き続き、実務レベルでの適切な運用を定着させることをきっちりやっていくということで、私どもも今の協働体制を進め、バランスの良い議論を加速化して、会員企業が1つでも多く、早く最先端の医療機器及び体外診断薬を日本に持ってこられるよう、努力してまいりたいと思います。今日はよろしくお願いいたします。

○藤沼(MHLW) ありがとうございました。続きましてEBCのリスバーグ委員長からお願いいたします。

○リスバーグ(EBC) 今日は、どうもありがとうございました。今、EBCの会長とEBCの医療機器委員会の委員を務めておりますリスバーグと申します。今日は大切な時間をいただき本当にありがとうございます。

 今、中尾会長の話にありましたが、何人かといつも話していますが、医機連の中でITシステムなどいろいろなものをつくっていて、ITの進み方は非常に速いです。今の話題ですが、毎日ニュースを見ながら、ポケモンブームで急にこの3日間ぐらいで社会が変わっているみたいな感じです。医療も全部そのまま速く動きます。我々が一緒に対応しないと、日本は本当に遅れてしまう。それがすごく心配です。システムという考え、1つの部分だけでなく、全体の流れを一緒に考えながらというのが非常に重要かと思います。是非よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。

○藤沼(MHLW) ありがとうございました。続いて臨薬協、寺本会長からお願いいたします。

○寺本(臨薬協) 先ほど中尾会長から御紹介いただきましたが、今回医機連に加入いたしました臨薬協の寺本です。本日はこのような意見交換会で発言させていただく機会をいただきありがとうございます。また、常日ごろから、体外診断薬に関しても行政の皆さんに種々検討いただいております。この場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。

 本日の提言につきましては、私ども臨薬協だけではなく、AMDDIVD委員会及びEBCの臨床検査機器・試薬委員会との協働提言ですのでよろしくお願い申し上げます。

 また、本日の提言には含まれておりませんけれども、現在OTC検査薬のガイドライン化、それから市販後アンケート調査、リスク区分、広告等について医療機器審査管理課はじめ各課の皆さんに御検討いただいております。引き続き対応をよろしくお願い申し上げます。以上です。

○藤沼(MHLW) ありがとうございました。ここで本日配布しております資料について確認させていただきます。まず議事次第、座席表、本日御出席されている方々のメンバー表になります。

 合わせて資料1、最近の医療機器・体外診断用医薬品行政の取組について。資料2として、医機連からの資料。資料3として、AMDDAdva MedEBCからの資料。資料4として、臨薬協からの資料になります。

 このほか、議事次第の配布資料には記載はしておりませんが、協働計画実務者会議の報告資料として、審査の迅速化のための協働計画実務者会議資料(一部改編)を配布しております。こちらは医療機器及び体外診断用医薬品の迅速化のための協働計画について、本年、平成28210日に体外診断薬、219日に医療機器と、それぞれ第2回の実務者会合を開催いたしました。本日はその報告として、意見交換会資料とは別にして実務者会合の資料を配布させていただきました。以上になります。資料の過不足等はありませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 続いて、昨年度の開催以降にメンバーに交代がありましたのでここで新たなメンバーについて御紹介いたします。お名前を読み上げますので、呼ばれましたら、お手数ですが皆様に分かるよう、その場で御起立いただければと思います。

 まず、業界側の新メンバーを御紹介させていただきます。まず医機連、森副会長です。同じく医機連、清水法制委員会委員長です。続いてAMDD、加藤会長です。

 続いて、PMDAの新メンバーを御紹介いたします。まず赤川理事です、赤川理事は本日欠席との連絡をいただいております。同じくPMDA、森総括調整役です。宇津安全管理監です。稲川審議役です。野村審査マネジメント部長です。高江医療機器審査第一部長です。本間審査業務部長です。広瀬信頼性保証部長です。

 厚生労働省側を御紹介いたします。まず武田医薬・生活衛生局長です。森大臣官房審議官です。木下監視指導・麻薬対策課監視指導室長ですが、本日は御欠席との連絡をいただいています。続いて、柳沼医療機器審査管理課再生医療等製品審査管理室長です。小池医療機器審査管理課長補佐です。以上です。

 本日の代理出席の方を紹介いたします。本日はEBC医療機器委員会の豊福副委員長の代理として、EBC医療機器委員会薬事部会有泉部会長が出席しております。監視指導・麻薬対策課、木下監視指導室長の代理として同じく、監視指導・麻薬対策課から江野課長補佐です。以上です。

 続いて確認事項があります。本日の配布資料ですが、原則配布資料は公開になります。そして、協働計画実務者会議以外の資料については、後日厚生労働省のホームページに掲載する予定とさせていただいております。また、本日の議事録については後日事務局で案を作成いたしますので、各発言者の確認を得た上で、メンバーの方々に配布させていただきたいと思っています。以上になります。

 ここからは本日提出いただいております資料について行政側、業界側からそれぞれ御説明をいただき、その後意見交換に入りたいと思っています。以降の進行を磯部課長からお願いいたします。

○磯部(MHLW) それでは、私から進行させていただきたいと思います。まず、本日提出された資料について、行政側と業界側からそれぞれ説明をいただきたいと思っております。なるべく意見交換、質疑応答の時間を取りたいと思いますので、よろしくお願いできればと思っています。

 最初に私から全体的な行政側のほうの話をさせていただきたいと思います。配布している資料1、パワーポイントの資料があります。資料1「最近の医療機器・体外診断用医薬品行政の取組について」です。

 資料の2ページ、まず審査期間の状況について、もう御承知の部分ですが、簡単におさらいをしたいと思います。こちらはPMDAの中期計画における平成27年度の審査期間(承認コホート)ベースです。見方としては、左側が医療機器、右側が体外診断用医薬品になっています。オレンジのラインが平成27年度の総審査期間の目標値、下のほうに書いてあります。水色が平成27年度の総審査期間の実績です。概ね良いところまで来ていますが、改良医療機器(臨床あり)、後発医療機器について、若干目標値に至らなかったという点があります。

 3ページを御覧ください。これも協働計画です。平成26年度申請分の審査期間で、申請コホートの80%タイル値となります。実は報告させていただいているのが昨年9月の時点、若干古い時点で大変申し訳ありません。一応目標値は、協働計画においては平成30年度までに80%タイルの標準的審査期間を目標とするということです。それに比べての話ですので、現在の状況ということになりますが、これも御覧いただきますと、似たような状況ではあります。改良(臨床なし)、後発(新規)(一変)ということで、実績のほうが平成30年度までに達成する目標に対して見ると、若干オーバーしているということです。体外診断用医薬品については、平成30年代までの目標に対しては少し超えているという状況ですので、平成30年度末に向け、何とか目標に近づけていきたいという努力をするということです。

 4ページを御覧いただきたいと思います。ここでは特に、今後どのようなことをやっていくのかという議論が大事だと思っております。共通的な事項、医療機器、体外診断薬、その他と分けまして簡単にいろいろなことが書いてあります。

 共通事項ですが、開発段階の支援強化ということで、特にイノベイティブなものを日本から早く出していきたいということで、アカデミア発のシーズやベンチャー発のシーズ、また企業の中でも新規参入企業のシーズもいろいろあろうかと思います。そういったものに関して、薬事戦略相談を充実させていただき、何とか開発段階、特にこれから伸びていくだろうものについて重点的に対応していきたい、ということで薬事戦略相談の充実ということをまず掲げさせていただいております。

 医療機器はいろいろございます。特に今後新しく考えていきたいものとして、最初の■に市販前・市販後の規制バランスの最適化と書いてあります。世界的にもイノベイティブが今なかなか出にくい、出てこないという状況があろうかと思います。そういう中で、特に我が国の場合、市販前のデータの要求に若干ウエイトをかけてきたかなと思っております。その点について、市販前のデータの要求事項の問題と市販後のフォローアップの問題について、この規制バランスをリバランスをして最適化していこうということで、市販前のウエイトを少し下げ、市販後に重点を置いていけないか。少しというか大胆にというか、いろいろなものの特性に応じてだと思います。それにより良いものを早く出せるように、特に開発コスト、それから開発期間というものも何とか短縮し、良いものも早く世に出せるようなことに取り組んでいきたいということです。それをどのように具体的にやっていくのか、特に臨床試験の問題が非常に大きくなってくると思います。これについても治験症例数のガイダンスの策定と書いてありますが、今、研究班を設け、医療機器センターの中野専務理事に班長をお願いし、業界代表の方、またPMDA代表の方、いろいろな臨床の先生方にも入っていただき、過去の状況をレビューさせていただいて、どの程度治験の症例数が要るのかについて、今後の方向性を出していきたいと思っています。またCIN(Crinical Inovation Network)の中でレジストリの構築も進められております。そういったものから市販後の情報の収集ということですが、そこからまた次の開発サイクルにつなげていくような仕組みも考えていきたいと思っているところです。

 そのほか、医療機器審査の一層の合理化ということで、先ほど臨床試験の必要性や一部変更承認申請、軽微変更届の判断について一層の合理化を考えていきたい。

 また、先ほど近藤理事長からもお話がありましたが、アジア医薬品・医療機器トレーニングセンターの活動を核にした積極的な国際展開、また国際活動としてのIMDRFなどの強化、業界でも積極的に取り組んでいただいておりますUDI(Unique Device Identifier)の医療機関への普及についても、私どもとしても協力をしていきたいと思っているところです。

 新しい課題、世界的な動向として単回使用医療機器(Single Use Device)の再製造の問題にも的確に対応していきたい。これについても、国際医療福祉大学の武藤先生に班長をお願いし、業界の代表の方にも入っていただき、海外の状況調査を踏まえ、今年度、再製造の課題を整理いたしまして、承認審査などのガイダンスを作っていきたいということです。

 体外診断薬の関係については、先ほど寺本会長からもOTC検査薬の話をいただきました。OTC検査薬についても、なかなか今まで進んでいなかった分野ですので、私どもとしても十分リソースを割いて、何とかこれについて努力をして、なるべく早く良い形で世に出せるよう努力をさせていただきたいと思います。その過程で様々な、いろいろ議論がありますが議論をさせていただければと思います。

 そのほか、体外診断薬に関し、特にブレイクスルーの問題として、ゲノムの問題が挙げられると思っています。特にDNAシークエンサーの解析能力の大幅向上、そのスピードが何千万倍にも上がっているということです。そういうことで、いろいろな遺伝子変異がたくさん見つかってまいりまして、それが結局言ってみれば病気のなりやすさといいますか、リスクといいますか、そういったものとの関係が分かる前から、どうもこうだ、ああだという段階からどんどんいろいろなものが見つかってくる。こういったものにどのように対処していくのか。特にシークエンサーと体外診断薬を組み合わせた遺伝子検査システム、こういった状況下にあるものについて、そういう特性に合わせた承認審査のやり方、考え方について、新しいイノベーションへの対応として考えていきたいと思っているところです。

 一方、大分レベル感が違うのですが、承認前試験ということで、古来ずっとやっている制度ですが、これについても今、実施手順や必要な期間の明確化をして何とか審査の改善を図っていきたいと思っております。

 それから、先ほどの遺伝子検査システムの話にまた該当しますが、臨床的な病態の判断と遺伝子変異の見つかるスピードにまだギャップがあります。遺伝子変異の検出ができるものについて、例えば分析的妥当性に関し、分析的妥当性だけですと薬種の承認というのはなかなか難しいところがあるわけですが、任意で製品としての品質・精度を確保するような仕組みができないだろうか。そういったことについても御相談をさせていただいていますし、何とか取り組んでいきたいと思っているところです。

 そのほか、先ほどの承認前試験と関係してくるわけですが、現在体外診断薬については信頼性確保の基準というものがまだ存在していない状況です。若干、全般的にいろいろな法改正は経てきているのですが、いろいろな部分でちょっと古くさいと言うと言葉は悪いのですが、昔からのことがずっと来ているものがいろいろあるかと思います。そういったことについて洗出しをし、優先順位を付けて、今のやり方にマッチしたようなやり方を考えていきたい。

 その中で問題意識を持っておりますのが、この信頼性を確保する仕組みをどのように考えていくのかということもあろうかと思います。そういう意味で、全般的な議論が体外診断薬にはあるのだろうと思っているところです。

 最後になりますが、医療のイノベーションを担うベンチャー企業の振興に関する懇談会での検討結果を御紹介いたします。これについては塩崎大臣のイニシアティブもあり、何とか医療保険ベンチャーを日本で活性化したいということで、今、いろいろ懇談会をさせていただいているところです。大分まとまりつつあります。

 その中でもお話が出ておりますのが、先ほど医療機器の市販前・市販後の規制バランスの最適化というお話がありましたが、特に革新的な医療機器でなかなか治験がやりにくい。治験をやろうとすると非常に時間がかかってしまうというものについて、治験を省略する、治験症例数を大胆に少なくするような形での審査が進められないかということも含め、早期承認の制度というものを考えられないかということも提案させていただこうと思っております。いわゆる薬事の規制から保険へうまくつなげていくために、薬事と保険の連携の相談が作れないか。そのほか、ベンチャーの特性に応じた評価ということがありますが、国際展開もベンチャー企業はなかなか難しい。ここにお集まりの企業の方々はいろいろな国々の制度をよく御存じだと思いますけれども、なかなか分からない方々にどの国はこういうような制度になっていて、このようなことが議論されているというようなことをなるべく丁寧に、事業者の方にもお伝えするような、一応我々も国際薬事相談というようなものを作ろうかという話もさせていただいています。我々もない知恵を絞りながら、どういうことをやっていけるのかを考えているところです。この点についても近々オープンになるような話です。

 我々も、医療機器・体外診断薬というのは非常に大事な分野ですので、いかに今の時代にマッチしたイノベーションに対応した、また合理的な規制の仕組みを特に前向きに考えていきたいと思っております。いろいろ一緒になって議論させていただければと思っているところです。説明は以上です。

 私から御説明させていただきました。また、私の説明に対する質疑や意見については後ほど伺うことにさせていただきます。続いて業界からの要望事項などについて御説明をお願いしたいと思っています。最初に医機連の中尾会長からお願いできればと思っています。

○中尾(医機連) 資料に沿って御報告したいと思います。まず2ページ、最初のところは皆さん御承知のとおりなので詳しくはここでは説明しません。

 次にイノベーションの推進です。各企業、新規参入のところでもいろいろな取組がなされていると思っています。一方、業界としてはまだまだ推進しなければいけないということで、1つは大学講座を去年の10月から3大学で始めました。今週の金曜日が第一期生の卒業式です。3チームですが、内容はいろいろあり、なかなかというものからまだまだというものまであるのですが、一定の成果を挙げつつあるのではないかと思っています。

 また、イノベーションとグローバルと両方なのですが、日本だけでなく今、アジア全体でAPACというか、バイオデザインの会議をやろうということで、オーストラリア、韓国、インド、シンガポール、もちろん日本もですが、それからアメリカ等々が入って一層推進するにはどうしたらいいかというような会議を来月開催する予定です。

 グローバル化については先ほど、近藤理事長からトレセンとか、いろいろリーダーシップを取ってくださっていますので一緒に推進していきたいと思います。コンプライアンスについてはもう皆さん御存じのとおりです。

 さて3ページ、課題認識です。これは医療機器だけの話ではなく全体の話、全体のトーンをどのように考えたらいいかということで3つ挙げました。医療の質の向上はこういう機会ごとにしゃべっております。やはり、どうしても財政中立の話がほとんどといいますか、そこだけに目が行っているというか議論がそこだけに集中している。それはそれで必要なことだろうと思います。一方、是非、もう少し「質」の議論をいろいろな形でしてほしいと思います。皆さんも御存じのようにいろいろな統計などあります。典型的なのは、例えば標準治療というものがあって、標準治療はどの程度それが守られているのか。この間、ちょっとレポートを読んでいて「えっ」と思ったのは、AMIでやった時、標準治療をほとんどしていないという病院が結構ありました。もちろん患者ですから、標準治療が100人中100人に適用はできないのですが、ある病院では90%の患者に標準治療が行われていないというのがあるのです。もう少し、こういうようなことを底上げをするということで私は医療の質につながると思います。これは決して財政中立論やベッド数、何名に対してどうこうするという話とは全く別の切り口だと思います。この辺については、多分中心になるのはどうしても厚生労働省になるのだろうと思います。

 もう1つよくあるのは、同じ医療のアウトカム、要は治療成績に対してお金をたくさん使っているところが必ずある。なぜ、同じ治療成績なのにこれほどお金を使うのかというのは、御存じのように県単位でもあるし、病院単位でもあるし、お医者さん単位でもある。こういうことがまだまだ、本当は医療の質の話を掘り下げる項目ではないかと思います。私も業界に関わってきて、こういう話は今までほとんど出てきていないというか、一回も出てきていないと思います。是非、この辺の話をやることが全体を底上げするというように考えています。

 次にITの徹底活用です。先ほどEBCの方から御発言がありましたように、私もITが日本の医療の質を向上させて、医療費、今40兆でしょうか、その抑制の切り札だろうと思っています。にも関わらず、個人の医療ID2018年、この間政府の健康医療で担当の方とちょっとお話していたら、いや、それは徐々にこういうステップを踏んでいったらいいという話になりました。ただ、それはちょっと違うのではないでしょうかと。まだまだ、ITを使った医療の質の向上に徹底的に取り組まなければいけないという話をしました。

 例えば、医療機器に関して言うと、UDIということをこれから推進していくわけですが、私が入っているところはUDIトレーサビリティー協議会となっています。このトレーサビリティーはいいのですが、もともとは特にヨーロッパ、アメリカの偽の薬に対してどうするかという発想です。しかし、医療機器のUDIにおけるトレーサビリティーは多分全体の10分の120分の1の役割なのです。やはり医療機器のIDそのもの、いかにITシステムを乗せるかが本当は本来の話だろうと思っています。その意味では是非医療機器・医薬品だけではなく、この間もちょっとPMDAの会議でお話しました疾病コードの標準化もあるでしょう。それから病院のID、医師のID等々の標準コードというのはコンピュータをやる人にとってはもう基礎の基礎なのです。にも関わらず、この間の健康・医療戦略参与会合(以下、参与会合)では、レセプトがあって、DCPがあって、データの宝庫なのですという話で終わっている。ちょっと待ってください、データの宝庫を使うためにはそれなりの標準化がないと使えない、これはもう釈迦に説教です。その話を後でやろうということになったので、それはちょっとということで意見を述べました。ITについては日本の医療の質と医療費の抑制の切り札だろうと考えています。この辺はまだまだ議論をさせてもらえるとありがたいと思っています。

 PMDAの財源についてはもう何度もお話しています。ここで言うというよりもPMDAの皆さん、厚生労働省の皆さん、それから関係の議員の先生方も入れて是非、財務省に対する要望になるのだろうと思います。余りにも国の拠出、パーセンテージが低過ぎる。ちょっと低いのではなく余りにも過ぎる。もともとPMDAの成り立ちはあるのですが、今はもう成り立ちだけの話ではなく、審査何とかという仕事をど真ん中でやられているわけです。そうしたら、国は9%ではなくて、まだまだ持つべきだろうと思っています。是非、この辺は協働して運動できればと思っています。

 最後、4ページをお開きください。これは先ほどのお話から幾つかダブッた話があります。1の一変、2,3,4はもう皆さんも御存じのとおりです。5、6、それから7の話は先ほども出てきました。8の手続等いろいろあると思います。これもまた、11つ潰していきたいと考えています。

 2.についても先ほど既に言及がありました。やはり、参与会合でも「いろいろな事件があったから」との話でした。でも、そのことがあるからこのようにやるといった時、余り振り子を触れさせて、非常に窮屈なシステムには、という話が大学の先生、お二人ぐらいからありました。我々も臨床は非常に重要なので、是非、実質的に良いものができるように協議をしながら進めることができたらと思います。以上です。

○磯部(MHLW) ありがとうございました。続きまして、AMDDEBCから御説明をよろしくお願いします。

○大竹(AMDD) よろしくお願いします。資料3になります。1枚おめくりいただきまして、「はじめに」と書いてあるページをお願いいたします。AMDDAdvaMedEBCから共同で出させていただきました資料の半分です。「はじめに」と次のページについて、私から説明させていただきまして、その後、EBCさんにお願いしたいと思っております。

 「はじめに」のページですが、先ほどからお話が出ていますが、薬機法が施行されてから18か月たっています。当初のコンセプトのとおり、医療機器の特性を反映した運用を目指して、現在も継続的に改善が進められていることに改めて感謝申し上げます。また、改善結果が出ていなくても、改善検討が継続的になされている状況です。このまま引き続きどうぞよろしくお願いしたいと思っております。

 前向きに実際に良くするための試みを実直にやっていこうとしているところが、あちらこちらに見られて、すごく嬉しく思います。具体的には、資料の中ほどの四角で囲ってある部分です。これは例で挙げているだけですが、例えば、協働計画実務者会議において、表面的な発表会に終わることなく、本音の話合いを持つことができていると実感しております。例えば、治験データのない申請区分、先ほどありましたが、改良(臨床なし)と後発、こちらについてはまだ課題が見られて、今後の改善策が必須だといった意見交換も真っすぐなされているところです。

 また、QMS関連、PMDAの調査官のトレーニングとして、企業での現場体験をしていただくということで、PMDAの中において勉強されているルールブックからでは分かり得ないギャップ、そういったものを学んで、その距離を縮めて、より良い調査を実現したいという目的において、アプローチしていただいたりしています。とても素晴らしいと思っています。今後、私どもにおいても、可能な限りの協力をさせていただきたいと思っています。また、MDSAP Pilotの調査結果の試行的受入れは、今年いっぱいまでの限定ではありますが、試しながらでも進めてみようとする、グローバル動向も踏まえた積極姿勢について、とてもよいと思っています。

 その下、前回も要望させていただいておりましたが、やっとになりますが、臨床評価報告書及び相談資料作成の手引きは、公開でありました。若干時間は掛かってしまいましたが、ありがとうございます。有効に活用させていただければと思っております。

 次世代医療機器評価指標検討会にて開発ガイドライン、こういったものによって、これは一例ですが、従来治験が必要だったものについて、非臨床試験で担保できるモデルの確立とか、そういったものが進められるとかいうことであれば、非常に望ましいと思っております。ただ、いつも言っていますが、ガイドラインと必須の要求事項は、apple to appleではない。慎重に考えなければいけないところではあると思いますので、適切な運用方法を常に意識しながら、実際に価値のあるものにするために、今後も工業会との連携をよろしくお願いしたいと思います。

 法改正の後、今の時期、運用ルールを定めていくときだと思います。議論の積重ねを11つの案件において重ねていくと、意図せずとも、どうしてもミクロの話になってしまって、一方、引いて見たら、全体的として見ると厳し過ぎたかなとか、細か過ぎたかなといった話になっている可能性もあると思います。ですから常に森を見ながら、無駄のない運用を定着させていく時期だと思いますので、ここは意識合わせを常にしながら協働させていただければと思っております。

 下のほうのページをお願いします。「法改正から1年半を過ぎた今、すべきこと」というタイトルにさせていただきました。簡単に申しますと、審査迅速化のための協働計画について、大きく書かせていただいております。質の向上と審査期間の2大柱になるわけですが、よく結果が出ている所もありますが、そうでない所もあると思います。ここについては、これからもまだまだ検討していかなければいけないと思っています。

 これは例えばですが、どこの工業会にも属していない企業も申請をなされるわけですし、若しくは、属していても、こう言うと何ですが、前向きでないと言いますか、その企業にニーズがないといった場合も実はあると思います。この影響は無視できない可能性があると思うのです。そうであれば、例えば、特に治験データなしの申請区分、先ほど申しました所の審査期間への影響を追加で検証したりとか、そういったことをする必要があるかと思っています。

 ただ、申請の運用ルール、細かなオペレーション上のルールは、申請者全体に関わるものですが、ある企業には役立つかもしれないのですが、ある企業にとっては無駄に厳しいということになっている可能性もあると思います。これは質の向上にも影響することになるかもしれないので、是非、このレベルの話を一緒に検討させていただく、Ad Hoc会議のようなものを設けていただきたいのがお願いです。その課題、それをまず共有させていただいて、その影響度合いを情報共有して、さらには解切策を共に検討していくことを進めさせていただければと思います。ここはお願い事項です。

 あと1点、「市販後安全確保におけるステークホルダ間での協働歩調」と書いてありますが、これは市販後安全についても、先ほど中尾会長から、この定期意見交換会のタイトルが変わっていると、承認審査と安全対策が表に出ていると思いますが、「安全対策」とも入っていますので、市販後関係、安全確保に関する関係者の協働も引き続きお願いできればと思っております。我々も前向きに視野を広げながら協働させていただきたいと思っていますので、是非、引き続きよろしくお願いいたします。

 続きまして、EBCさん、お願いいたします。

○有泉(EBC) 私から既にリスバーグ委員長、中尾会長からもお話がありました、今後ますます重要となるベースデータの取扱い、eHealthに関する御提案ということで、少しお話させていただきたいと思います。現在、ヘルスケアIT eHealth ヘルスデータについては、欧米のみならずグローバルで議論が活発になってきています。

 米国においては、eHealthIT部門のみの課題ではなく、ヘルスデータが患者の予防、診断、治療、ホームケアというように、一連の流れの中で取り扱われるものと議論されています。また、欧州においても、ヘルスデータの取扱いにおいて、ヘルスデータは患者のものであり、患者中心に考えることが重要という議論が活発に行われています。

 日本においても、AMEDにおいて議論が開始されておりますが、今後、この分野で日本がリファレンスカントリーになるためにも、日本国内において薬機法の括りのみならず、もっと全体的に省庁間、部門間を超えた議論を、関連するステークホルダと一緒に行っていくことが重要だと思っております。

 具体的な提案としては、イノベイティブな、例えばeHealth関連製品を海外等から本邦への導入に当たり、ワークフロー、インターフェース、日本語化等の本邦の医療環境に適合することを確認する企業主導の実証実験が行えるフレームワーク等を、関連するステークホルダーと協働で構築し、これらを通してeHealthの議論を皆様と一緒に活発に行えたらいいという提案をしていきたいと思います。

○リスバーグ(EBC) 今、安倍総理は、ヘルスケア産業は重要な産業だと、それは明確に1つのこととして掲げております。その中で、グローバルイノベーションという話はよく聞きますが、グローバルというのは、国際企業として、できるだけ早めに日本に良いものを持ってきて、それは患者のために非常に大切なことかと、我々はずっと思っております。

 日本政府の場合は、それをやるために、我々はいつも話をしていますが、国際整合化であると。国際整合化があれば、もっともっと早くできるようになるし、そうすると、FDIとか、実際の外資系の投資も増える。いつも経済の話と医療の話を別々にしなくてはいけないけれども、実務的に一緒にすることは社会的に1つの大きな問題です。だから、なるべく早くものを持ってきて、日本の経済をよくすることが大きな1つの目的であります。我々は、実際にそれが開始されると、それは必要になるかと思っています。それでないと、続けることができない。続けることができなくなると、必ず患者、あるいは医療、施設で働いている皆さんの迷惑だけになります。それは一番やってはいけないことだと、我々はいつも思っております。

 日本で早めに導入するために、特にイノベーションの医療機器の日本の導入については、政府、民間、会社の3つの話合い、そういう場を用いてとか、時によっては特別なことへの対応が必要になるのではないかと思います。それは1つの考え方です。なぜかと言うと、イノベイティブの医療機器、外資系のものになると、まだほとんど持ってきてないのです。それを持ってくると、全く新しいものになるので、10年前のルールでやりなさいと言われてしまうと、全然直らなくなってしまう。それではなかなかできない。それを話し合うことが導入の1つの大切なプロセスだとは思っておりますが、非常に多い。明確になっていない。是非、そういうところを一緒に考えて前向きにやりたいと思います。

 私の例で申し訳ないのですが、フィリップスが新しいものを日本に持ってきたいと。でも、ずっとどうすればよいか分からなかったということで、実は我々はこの場で話合いをするはずでしたが、どちらかと言えばJETROと一緒に話をして、JETROの協力により、いろいろ教えていただいたり、実際、特別なものを選んでいただいて、2種類の機械を日本に持ってくる許可が下りました。我々がお金を出したり、大学もお金を出したり、JETROのお金だったり、いろいろな話合いをしました。それはイノベーションという意味で、まだ、開発は終わっていないのです。日本の施設と一緒に開発したいのですが、持ってこられないと開発はできない。

 これは1つの良い例かと思いますが、政府の中でいろいろな考え方になっているのだけれども、それをイノベーションとして、どういう方法で日本に持っていけるのか。実は、その中で前に私は言っているのですが、医療ITの関係、これからの医療機器と一般の家電は全てITにつながることになりますので、それを考えないと、機械を持ってきても、半分の機能しか使えないから減らしましょうとか、使わないということになってしまう。そうすると、日本に持ってくることは、ほとんどやめましょうと。5年先、ルールが決まっていれば、そのときに考えましょうと。そうするとPMDAは、今まで一緒に業界と同じディバイスラグを短くしましょうと。皆さんのお陰で実際に期間は短くなっているのです。だけれども、一方で、結果的にディバイスキャップが増えているのではないかということが心配です。このギャップの問題について、これからは対応しなくてはいけないのではないかと思います。EBC会長を通して、その後は医療機器委員会で、是非そういうところを考えていただき、一緒に頑張りたいと思います。

 最後に1つの重要な所ですが、先月、ヨーロッパでは、eHealth weekを行いました。ヨーロッパの全ての国が集まりました。そういう所でヘルスケアITの話合いというカンファレンスですが、その会議は、欧州のみならず米国、カナダも参加したり、政府と行政の人が参加して、活発的な会話とカンファレンスを行いました。残念ながら、日本は民間から参加する人はありましたが、行政から参加することは1人もいなかったです。だから、グローバルで言えば、ヨーロッパのルールが100%と決まっていないので、是非一緒に考えながら、ヨーロッパのルールを日本に合うようにしたいと。逆に、ヨーロッパは良いことをやっていて、もともと日本にも支援したり、一緒にやりたいと。これは非常に重要なことかと思っています。これからは日本のヘルスケア、患者のためにずっと一番重要かと思っています。それもヘルスケアITとかグローバル、ビッグデータになると、データだけになります。使えるためには何が必要か。使い方のためにはどんなルールにすればいいか。誰のものなのか。ヨーロッパの場合は、データは、患者、自分自身のものです。opt inopt off。患者は必ず自分で決められるようになるのではないかと、我々は思っています。是非そういう会話と考え方を、一緒に参加しながら、将来、日本の一番良い医療の考え方で、日本の患者に提供したいと思います。是非、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○磯部(MHLW) どうもありがとうございました。続きまして、臨薬協からお願いします。

○繁田(臨薬協) 発表させていただきます。本日私どもは、臨薬協のみならず、AMDDEBCの方々も含めて、いろいろ御検討させていただいた結果として発表させていただきます。

 1ページを御覧ください。本日、提案させていただきますのは、実務的な課題がほとんどです。私どもは体外診断薬の業界としましては、多くの課題を抱えていると考えております。その中でも比較的早急に進めなければいけないものとか、あと、特筆的に、精力的に進めているものといったものを、紹介させていただきたいと考えております。

 2ページに移ってください。本日、大きく3つの課題について、説明させていただきたいと思います。そのうちの1つとして、1.「現行の規制制度の運用改善」です。1つ目として、一般的名称通知・告示改定プロセスです。新規の体外診断用医薬品が承認された折には、新しい一般的名称が創設されるわけですが、それは早急に公表していただいて、次の後発品の開発のときに、その一般的名称を使っていただくことがあるのですが、なかなか体外診断用医薬品において、その承認後、新しい一般的名称の公表に至るまでの期間は非常に長いことがあることです。あと、そういった承認については、リスクに応じてクラス3である承認基準品目、クラス2である臨床基準品目といった、それぞれの基準品目として取り扱われるべきものですが、そういった基準品目としての通知もなかなか出てこないといったところで、適正な運用がされていないといった課題があります。

 ですので、私どもからも、昔、一定のルールでこういった通知・告示を発出していただきたいという要望はさせていただいているのですが、なかなか実現に至っていないといったところがありますので、そういったルールに従って速やかに通知・告示を発出していただきたいと考えております。

 4ページをお願いいたします。添付文書については、前回の薬事法改正において、一定の条件を満たすといったところを前提に、紙の添付文書の省略を可能にしていただいたということについては、心より感謝申し上げます。ただ、一方、業界内でいろいろ聞いておりますと、添付文書の省略はまだまだ進んでいないといった話を多く聞いております。ですので、私どもとしましては、何が問題なのかといったところをまず調査研究しまして、よっていろいろな提言をさせていただきたいことがあろうかと思います。そういったときには、いろいろ御協議を一緒にさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 5ページを御覧ください。2.「承認審査のプロセスにおける質の向上」、これも2つ目の課題ですが、これは厚労省とPMDAと私ども業界三者で設立しました審査迅速化のための協働計画の一環の話です。この中で2つ、審査員の増員と承認前試験の実施プロセスの明確化について、発表させていただきます。

 6ページを御覧ください。審査員の増員については、これは強く要望させていただくというよりは、協働計画の申合せの中で非常に重要な課題だと考えておりましたが、この度、このゴールである「少なくとも6名」の審査員を実現したと聞いておりますので、この件についてはPMDAの方々の御尽力に感謝申し上げたいと思っております。

 ただ、せっかく6人という体制ができましたので、この体制の維持、更に増やすことも含めたこともしていただきたいことがあります。今回、新しく入ってこられた方々もいらっしゃるとお聞きしておりますので、審査員の協力、こういうこと等々を通じて審査の迅速化・質の向上を期待したいと考えております。教育という観点においては、業界側からも会社の工場見学をしていただくことで、体外診断薬とはというところの御理解の向上を努めさせていただいておりますし、今年もその計画をさせていただきたいと思っております。そういった面では、私どももいろいろ御協力させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 7ページに移らせていただきます。審査迅速化の観点での2つ目の課題ですが、これは冒頭、取組の方向性についてといった所で、磯部様からの御発表もありましたように、承認前試験について、その運用の改善を図ることで、審査期間の短縮化を図っていきたいと考えております。現在、この通知を見直すことで、運用の改善を進めているところですので、そういった議論の中で更なる運用の改善に進んでいければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 8ページ、3つ目の大きな課題です。「将来に向けた課題」としましては、2点、臨床性能試験に関するガイドライン整備とバイオバンクの利用について発表させていただきます。

 9ページに移らせていただきます。第1に、臨床性能試験に関するガイドラインの整備があります。これは昨年から、行政の方々とこのガイドラインの発出についていろいろ具体的に協議を進めさせていただいている課題です。この協議の中で業界側のメリットとしては、臨床性能試験を行っていただく医療機関の方々とのルールの共有化が図れると。今までは、なかなかルールの共有化が図れないので、どういったルールで臨床性能試験をすればよいのかといった医療機関側の方々の戸惑いとかがありました。なかなか進んでいないといったところがあったのですが、このガイドラインによっては、ルールの共有化といったところで臨床性能試験の迅速化が図れるのではないかと考えております。業界側の方々としましては、このガイドラインに沿った臨床性能試験等々を行うことで、そのデータの信頼性の向上を図れるといったことのメリットがあるのではないかと。両者のメリットがあるといったことが明確になってきたこともありますので、早期のガイドラインの発出に向けて、今後とも検討の継続をお願いしたいと考えております。

 これで最後ですが、10ページです。先ほど審査期間の短縮といった観点でのお話をさせていただいたのですが、私どもは、言わば開発を始めてから承認を得るまでのトータルの時間としての短縮という観点でも、いろいろ考えております。そういった面では、開発の期間の短縮という観点で、今、バイオバンクの利用といったところを検討させていただいております。

 と申しますのは、臨床性能試験を行うためには、どうしても臨床検体の入手が重要ですが、昨今、臨床検体の入手が非常に難しくなってきているといった事実があります。その中で、当初、私どもは臨薬協の中でバイオバンクといったものを創設して、会員様が入ることができる体制がとれないかといったことを考えていたのですが、なかなか実現には難しいといったところがありました。そういった協議の中で、AMDDの方々との交流の機会を得たといったところがありました。そのAMEDの方々から公的なバイオバンクの活用について、いろいろ御協力いただけるといったお話がありました。今、バイオバンクの活用の検討を進めさせていただいているところです。

 この話が進みますと、実際に臨床性能試験等々でバイオバンクの検体を使わせていただくことになろうかと思うのですが、そういったことを実施するときに、バイオバンクの検体を使った臨床性能試験のデータの信頼性とか、あと倫理面等々について、AMDDの方々等々とも、いろいろ議論をさせていただけなければいけない時期が来るのかと考えておりますので、そういった時期にはいろいろの御協力を頂きたいと考えております。以上です。

○磯部(MHLW) ありがとうございました。質疑応答、意見交換に入ります。最初は武田局長から少しコメントさせていただきます。

○武田(MHLW) 様々な御意見、御要望を頂きまして、どうもありがとうございます。順次担当から御回答を差し上げますが、一番最初に中尾会長から、非常に大きなテーマを頂きましたので、その点について、私からコメントさせていただければと思います。

 医療の質の向上の視点が大事だというお話でした。ちょっと話が長くなるかもしれません、お許しいただきたいのですが。今の政府全体の政策の方向性というのが、例えば患者の負担増に頼らない、それから医薬品・医療機器について言えば、何でもかんでも価格で勝負をつける、値段の引下げで押さえ込むということに頼らない、それで質を高めながら全体的な医療費の伸びの抑制を図っていくという方向であることは間違いありません。それを具体的にどうやっていくのかという非常に難しいテーマを、私ども厚生労働省に投げかけられていると思います。

 昨日も中医協で議論がありまして、特に医薬品の話ではありますけれども、非常に高額な薬剤が出てまいりました。この使用の最適化を医薬局として考えていきたい、そしてそれを医薬局と保倹局でセットで、この実施を図っていくということで、御説明をし、一定の合意も得られたのではないかと思っています。しかし、私どもも考えていきますと、このイノベーションの評価ということをずっと言ってきたのですが、イノベーションの評価ということが段々実現してまいりますと、イノベーションの評価というのは実は最適使用と表裏一体だったということに段々関係者が気付いてきたということではないかと思います。そして、これは私自身が前から言っていることなのですが、結局質の高い医療を追い求めることが、最終的には効率的な医療の提供につながる。逆に言うと、必ずしも質に面が当たっていないがゆえに、非効率な部分が今の医療の中にあるのではないかという問題意識です。

 先ほど中尾会長から、例えば標準治療、例えば統計、例えば組織間比較、アウトカム評価というような話がありましたけれども、正にこれからそういうことをやっていかなければならない。何が標準治療なのかを明らかにして、どういうデータを取っていくのか、そして施設間比較をやりまして、これで医療の質を高めながら、医療費自体も適正な規模を実現していって、それをやることによって、更なるイノベーションの評価も認めていただけるようになっていくのではないかと思うのです。

 そのためには、まず1つはデータの話があります。医療ITの話も出ておりましたが、臨床現場のデータをきちんと把握し、そして施設ごとの比較に踏み込んで、それを学会として自主的に施設間比較をやっていただくこと。こういうことを我々役所がどこまでできるかは分かりませんが、臨床の先生方と一緒になってやっていかなければいけない課題なのだろうと思いますし、保険の面から何とかそれを後押しできるようなことをやっていかなければいけないのではないかと思います。

 それから医療ITについては、これまでなかなか進んでいないような認識が皆さんの中にあると思いますが、御承知のとおり医療等IDの方向性が固まりまして、マイナンバー制度とセットでこれを普及させていくことが厚生労働省の方針として固まったところです。そんな話は何度でも聞かされていたという方もいらっしゃるかと思いますが、どこが違うかというと、今年の概算要求で相当程度の規模、私どもの簡単な試算でいうと2,000億を超える規模の予算をお願いして、全ての医療機関とその審査機関を結んで、マイナンバーの仕組みとセットで整備を図っていく、すなわちインフォメーションのハイウェイが医療機関とその中央とに張り巡らされる形で、これがうまくいきますと、恐らく世界最高水準のセキュリティーと番号制度、利活用の仕組みが構築されるインフラが整うのだと思います。そのインフラの上に立って、これまで見ないような医療におけるIT化が図られていくのではないかと思います。

 どなたか先ほどおっしゃっていました、中尾さんだと思いますが、レセプトが宝の山だとか宝庫だとか、そういうことの話があったけれども、本当なのかというと、レセプトデータは決して宝の山ではないのです。情報という意味では非常に不足をしております。検査データが分からない。検査データが入っていないということは患者さんの容体が分からない。患者さんの状態が分からないということをアウトカム評価はできないです。そこまで踏み込んだIT化をやらないといけないし、それについては近日中、8月中にまとめたいと思っています。医療ITの大臣直轄のレポートをまとめますので、そういった中で方向性を出していきたいと思います。

 いずれにしましても、一番最初に非常に大事な点、医療の質の向上の視点、ITの徹底活用という御指摘を受けましたけれども、是非それに応える形で、いろいろなことをやっていきたいと思っています。そこだけ最初にちょっとお話をさせていただきました。

○中尾(医機連) そのとおりだと思うのですが、多分ITの専門家に言わせるとというか、我々も会社でいろいろなことをやって痛い思いをしているのは標準コードです。患者さんのIDはもう決まってこれからやるのですが、もともと疾病だとか何とか何とかというところがないと、使いようがない。だからくっつけることはいいのですね。そこにデータはあるけれども、それをどうやって分析しようかというと、こっちは違う疾病コードで、こっちが疾病コードだと今度はまた返還マスターをまた作ってやるとか、とんでもないことになるのです。

 この前の参与会合でそのことについて、くっつけた後で利用者が困るからもうちょっと標準コードを作ろう、と言ったところ、「またそのときにやればいい」という話になったのです。ちょっと待ってくださいよと。普通は国が主導で標準コードを作れば活用はいろいろできるのですが、活用したいという人がコードを作ればいいというのです。これは内閣官房の方がおっしゃっていて、私は申し訳ないけれど、システム専門家に言わせると全く逆の話。逆にいうと、くっつけただけでやっていると、それを整理するのにまた10年かかります。これは間違いなく。我々も会社でそう言う痛い思いをいっぱいやっているのです。にもかかわらずどちらかというと個人情報の話が9割なのです。それはそれで大事だけど、個人情報の話が終わった後、次はどうするのですかと。いや、全部つなぐのです、つなぎました。でも、分析しようと思ったら全然分析できない、となる。欧米ではeHealthがどうのこうのと書いてありますが、よく調べてみるとうまくいっている国はほとんどないのです。申し訳ないけれど欧米でも、ほんの数箇国。日本はたまたまというか、皆保険をやっていますから、もうやりやすい立ち位置にいるわけです。私だったら、なぜこれをやらないのか、というぐらい一番いい立ち位置にいると思っています。

 そのことについてこの前も話があって、個人情報の話がわあっと出て、誰かが言ったのは、もう個人情報の話ばかりやって、それはそれでやらなければいけないけれど、個人情報の話はオンゴーイングでやればいいので、むしろデータを使う話、ここが一番大事ではないですかと。それはそうですよね、データを入れてコンピュータに処理させても、それを使うことが一番大事なので、その使い方の話になかなかならないのです。是非ここでお願いして、世界に見てみろと、日本のこういう所はすごいだろうというようになってほしいなというのが私の個人的な思いです。

○武田(MHLW) この話だけでもいくらでも時間をかけてできるのですが、要は、例えばコードの標準化というのは平成13年頃から始めて、もう15年ぐらいたって逐次コードの標準化をやってきたけれども、例えばPMDAMID-NETでつなごうと思ったら依然としてバラバラなところが見つかってくるわけです。この問題の1つは、医療保険で請求に使わないコードについては現場での標準化がやはり遅れるのです。それは統一フォーマットでデータを集めるということで、そこに対応したシステムを組んでもらわないとできない。医療保険で使うかどうかはともかく、今度打ち出すのが国として統一フォーマットを個人ごとに作り、ちゃんとデータを出させることを打ち出して、そこに向けてそれぞれのシステムはちゃんと標準化を進めてもらう。そういうことをやることによって、そこにデータを送れないのはアウトということになりますので、標準化を何とかもう一歩進められないかなと。

 もう1つは最近流行のAIが多少使えないかと。これは私の独自説ですけれども、コードの標準化というのは全てのデータを数字に置き換えて標準化をするという発想です。数字に置き換えられないものは標準化もできない。集計も分析もできなければ、使えないということになっている。今、膨大なテキストデータその他については一切集計も何もできない状態なのです。まず標準化をやってください、その番号を付けてくださいというようなことができない。ところがAIを使うと揺らぎがあっても、まとめるこどかできるので、ある意味ブレイクスルーになってくる可能性があります。

 個人ごとの統一フォーマットにみんながそれを使うことを目指していくということと、AIの活用とか、幾つかのブレイクスルーで今まで全然駄目なところについて、前に進めるチャンスがきているのではないかということで、是非、またいろいろ教えていただきながらやっていきたいと思います。

○中尾(医機連) 今、おっしゃったようなことを頭に置くと、例えばUDIだけではないと思うのです、薬にしても医療機器も。どちらかというと国が、お前たちなぜやらないのだと、やらないと強制するよというぐらいが私は普通だと思うのです。ですから民間主導で何とか、でもそろそろやろうと。私もいろいろと調べてみましたが、日本の病院と卸さんのコードはぐしゃぐしゃになっているのですね。これを統一するのは多分10年以上かかるでしょう。でも、誰かが始めない限りは絶対標準化できない。ですからこれは行政が、職権乱用と言ったらちょっとおかしいですけれども、国のためだと、みんな患者のためだと言って、これは言いすぎかもしれませんが、本当そう思います。調べれば調べるほどぐしゃぐしゃです。

○磯部(MHLW) これも大事な視点なので、ありがとうございました。これだけでは尽きないので、一応、ほかの案件もやりたいと思います。なるべくまだ御発言されていない方の御発言も頂きたいと思っておりますので、うちのほうから頂いた御意見について、掻い摘んで、どちらかというと担当ベースで話せば終わるようなものもありますので、数分でお願いして、またここだけは是非というのは言っていただければと思いますので、よろしくお願いします。

○小池(MHLW) 医療機器審査管理課から、既に議論のあったところ以外の重要なポイントについて簡単に御説明させていただきます。まず、医機連から頂いた資料3ページ目のPMDAの財源の所について、既に御存じのとおり、PMDAの財政基盤について受益者負担による審査等の手数料、更には安全対策等に必要な拠出金につい大部分を占めさせていただいているところです。一方で、開発支援とか国際案件とか国として進める事業については、厚労省から必要な予算を補充させていただいており、今後も引き続き必要な事業について、予算獲得に尽力していきたいと思っている次第です。

 次に同じ資料の5ページですが、先ほど中尾会長から個別のところは簡単にしていただきましたので、必要なところだけ簡単に御説明させていただきます。5ページ目、一部変更申請不要範囲については、既に御存じのとおり、厚労省、PMDA、業界で協議を重ねており、通知等を随時発送させていただき、一変の承認申請数が減る一方で、軽変届の数が年々増加をしている状況になっております。現在も業界と行政で個別の事例を踏まえつつ、協議を整理させていただいておりますので、引き続き御協力のほどよろしくお願いいたします。

 次に、1-2の承継以外の登録認証機関の変更の話についてちょっと触れさせてください。認証品目において、医療機器の認証を受けた後に、別の登録認証機関に企業の判断で切り替えたいというような御要望かと理解しておりますが、これについて審査内容を移行した後の認証機関側も適切に把握して評価をしなければいけないので、変更の登録認証機関が責任を持って引き継ぐための枠組みというのが必要であろうというのが1つ。更には過去の引き継ぐ前の機関が行った審査の記録を、引継ぎ後の機関が適切に機関間で情報を移管しなければいけないというような仕組みが必要になろうと考えております。ですから直ぐにこのような仕組みを民間の登録認証機関に作っていくというのは、なかなか難しい課題ではないかなと私ども思っているところです。

 医機連の方々から頂いた資料はこの辺りにさせていただき、続いて、AMDDAdva MedEBCの方から頂いた資料を御確認ください。まずは3ページの協働計画について御議論をいただいているところですが、この協働計画については定期的に会合を開催して、順次進めさせていただいてきたところです。正に個別の重要な課題の掘り起こしの要因分析と解決方法の検討のため、Ad Hocでということは非常に重要だと思っております。実務者会合に先立ちまして、課題ごとに必要に応じて、官民担当者のレベルで意見交換する場というのを設けさせていただきたいと考えているところです。

 続いて5ページのイノベーションの日本の導入のところです。例に挙げていただいたとおり、私ども規制の国際整合化とか、対日直接投資推進タスクフォースにおける企業担当性における選定された企業への対応等については、適切にさせていただいたところです。今後必要な対応について進めさせていただきたいと思いますが、先ほどありましたように、イノベイティブな観点から事業が前向きに進んでいる案件について、ブレーキがかかるようなことについて懸念されているというようなお話がありましたけれども、当然一定の規制は必要だと考えつつも、過度な対応にならないように日頃から企業側の方々と十分に情報を共有し、対応してまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いをいたします。

 最後に、体外診断薬関係の業界の皆さまから頂いた資料について御説明いたします。まず、3ページ目の一般的名称通知・告示改定プロセスについて、正に御指摘のとおり、特に新規品目の承認に合わせて、速やかに一般的名称の通知をというところについて、少し私どもとして対応が遅れているところがあり、非常に申し訳なく思っております。これについては早急に体制を改善して、対応させていただきたいと考えております。ただ、その一方で承認基準、認証基準に新たに承認された品目を導入していく話については、品目の特徴を踏まえ、個別にその検討をしていく必要があろうかなと考えているところです。従前、一部ルールチン的に基準にさせていただいたところがないわけではないと思っているのですが、告示とか認承基準とか、承認基準に入れるためというのは、基準の内容のそのものに当てはまるのかどうかを個別にルール化して検討していく必要があろうかと思っておりますので、今後は事業者側の皆さまと御協議させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 最後に、頂いた資料10ページ目のバイオバンクのことについて簡単に触れさせていただきます。業界団体にAMEDからバイオバンクの活用について御連絡があったようにお聞きしております。私どもとしても、バイオバンク検体を使った試験データの収集は非常に重要なことだと思っており、今後の体外診断薬の実用化促進の重要な課題の1つだと認識をしております。その一方で、バンク検体を用いた試験結果をどうやってデータに活用するのか、更には1回作った検体が、長時間たっているようなことにより品質がどうなっているのかみたいなところについて課題があろうかと思いますので、AMEDPMDAと含めて議論を進めていきたいと考えております。個別については以上です。

○磯部(MHLW) ありがとうございました。あと監視指導・麻薬対策課と安全対策課から、特にいいですか。

○江野(MHLW) 監視指導・麻薬対策課の江野でございます。医機連さんから頂きましたページ7及び8QMS調査に関することについて、本当に簡単に触れさせていただきます。QMS調査の定期更新の集中問題について、調査時期を調整していただくなどの御協力をいただきまして、大変ありがとうございます。頂きました御質問につきましては、QMS調査、基準適合証について、なるべくシンプルに1つでできないかというような話。もう1つはMDSAPと同等に取り扱って、要するにそれを取ればいいというようなシステムにできないかという御提言かと思っております。MDSAPの確認をする範囲とQMS調査の範囲が若干異なっているようなことから、現時点で直ちに同一と取り扱うことはなかなか困難だということです。しかしながら、なるべく業界さんの負担を減らすような運用ができないかということで、今後も議論を続けさせていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○磯部(MHLW) 続いて、PMDAはまだ全然ないので、少しその他のことというか、全体的なことがあればお話いただければと思います。よろしくお願いします。

○佐藤()(PMDA) PMDAの上席審議役佐藤でございます。まずは、臨薬協ほかの方々から御提示いただいた現状及び問題点について触れさせていただければと思います。資料46ページ目、審査委員の増員について御指摘を頂いたところです。この中で、現時点での体外診断薬審査室は、6月時点で6名体制となったところです。医療機器の審査部門の中では、体外診断薬の審査室は非常にこぢんまりした所ではあります。逆に、先ほど冒頭で磯部課長からもお話がありましたが、体外診断薬審査室に今きていますいろいろな業務が非常に多くなっているという状況であります。具体的に申し上げますと、治験相談の数が段々と増えており、これは御要望に応じていろいろと対応をさせていただいております。それ以外に、先ほどありました一般要検査薬の関係ですけれども、ガイドラインの評価や実際の個別の品目の審査、こういうものについて今業務が増えているところです。また更に次世代シークエンサーをはじめとした、体外診断薬だけではない、新たな医療機器とコラボレーションしたものとか、ほかの部門とのいろいろな関係も増えてきているところです。PMDAの中でも横断的なプロジェクトチーム、こういうところを活用しながら、新たな技術について、迅速に対応案を我々からも積極的に御提示をさせていただきたい。幾つか厚労省の動きと協力しながらやっております。この提言の中で、審査員、特に新人の教育に触れさせていただいていますが、先ほど申しましたように、非常にこぢんまりとしておりますので、この6名が一丸となって室長以下パワーアップをしながらやっていくことが重要です。単なる新人の教育にとどまらず、室全体がいろいろと向上していきたいと思っております。その中で業界にもいろいろと御協力を頂くことがあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それ以外にも、医療機器の審査関係を含めて、いろいろな新しい技術というのが刻々と出てきておりますので、そこについても各業界の方々と積極的な議論をさせていただきながら、良い医療機器を早く世の中に出すと、ここはPMDAの絶対使命ですので、これを認識しながらいろいろと対応していきたいと思っております。

○磯部(MHLW) そのほかの御意見などを頂きたいと思いますが、特に業界側で、まだ御発言を頂いていない方々もおられますので、何かありましたら言っていただければと思います。

○小松(医機連) JIRAの小松と言います。お願いばかりでちょっと何なので、お礼を1つと、提案を1つ。まずお礼ですが、薬機法が施行され、規制対象になりました医療機器プログラム、これは今日現在で130を越える品目が認証され、承認されております。また更に新規参入者向けの承認申請に関するガイダンスも御通知いただきまして、大変業界としても有り難く思っております。これらの御努力に対してお礼を申し上げたいというのがまず1つです。

 それから提案ですが、先ほど、AIの話が出ました。恐らく厚生労働省の将来ビジョンの中にも、あのスパンではAIとか人工知能に関する何らかの記述も多分必要になってくるかと思うのですが、こういうものが、早晩医療分野で、特に診断あるいは治療の計画、この辺に使われることは想像に難くはないと思います。この医療機器としての該当性とか評価基準とか、あるいは医療機器としての概念の形成をする必要があるのではないかというように思いますので、関連する産業側も積極的に御支援させていただきますが、知的、横断的な産官学あるいはこの辺りの連携を期待したいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○磯部(MHLW) それについて少しだけ。AIについて、先ほど武田局長もいわゆるビッグデータといいますか、IT活用としてのお話をされました。それから別途、医療機器としてどのように取り込んでいくのか、ブレークスルーがある分野でありますので、どのように考えていくのかと非常に大事な問題だと思います。
○小松(医機連) 合意形成が大事だと思うのです。
○磯部(MHLW) そうですね。ほかには。

○松本(医機連) 御礼は今、小松さんがおっしゃったので、これ以上申し上げるとお世辞になってしまうので、お礼は控えさせていただきます。常々思うところをざっくばらんにお話させていただきます。薬の場合には引き算があるというか、先ほど局長がおっしゃったように、今朝の新聞を見ますと、高額医薬品の抑制というのですか、これは私もいろいろなことを感じました。もう1つ薬の業界では、これはちょっと言う機会が外れますけれども、自分が患者の立場として、医薬分業というけれども、残薬が年間500億とよく言われています。いろいろな薬局から同じような薬をもらうと、副作用を自分で心配する以前に、このお金って随分無駄ではないかなというようなことを感じられることがありますので、医薬品の場合には、もっともっと引き算があるのだろうなという気がいたします。

 医薬品のほうはともかくとしまして、しからば医療機器の場合には、イノベーションあるいはグローバルゼーションは全て足し算になってくると思いますので、これは当然どこの企業、団体としても言えると思うのです。医療機器の場合の引き算とは何だろうなと思うと、薬の場合はジェネリックとかいろいろありますが、医療機器の場合にはここにもありますけれども、いわゆるSUDというシングルユースの再製造ということ。これをやはり真剣に考えていく必要があるのではないかなということ、ストライカーさんとか、JJさんとか、あれだけ熱心にやっておられて、年間数百億、やはり引き算になっているのではないかなと思いますので、日本もそこら辺のところを、一概に流通の方にお聞きしても、その本旨を理解すると、なるほど売り上げが減るわけではないというようなことで、その辺の理解を深める必要もあるのではないかと思います。それにはUDIもありますが、バーコードのみならず、RFIDもあるでしょうし、方法論はいろいろあると思うのですが、ちょっとSUDというものをこれからもう少し研究したらいかがかなと思います。それが1つ。

 アメリカでもどこの国でも大体スモールエンタープライズという中小企業が8割、9割占めて、日本でもよく言われますけれども、安倍内閣の成長戦略でも、2言目には中小企業・ベンチャーという表現が出てきます。しからばどのように具体的にそれを考えておられるのか、例えば中小企業の海外展開というと、CEマークとか、あるいは規制をクリアするのに時間とお金がかかるというときに、お金以外にどういう助成の方法があるのだろうかというようなことを考えていただくと、ベンチャーの場合には、余計にそこら辺がいろいろ出てくるのではないかなという気がします。これは官民一体になってとは思いますけれども、お金の問題以外にもいろいろあるのではないかという気がします。是非そこら辺も一緒に考えていきたいと、私は思います。

○磯部(MHLW) 清水さんどうぞ。

○清水(医機連) 先ほど小池補佐から、承継以外での登録認証機関の変更ということで回答を頂きました。この制度は平成14年改正、平成17年施行のときから、こういう問題が出るのかなということでずっと問題になったところです。今の回答で、今後とも継続的にこれを一緒に検討していただきたいのですけれども、そういう形で解釈してよろしいですか。それとも、これは全く制度的にはできないというような回答だったのでしょうか。

○小池(MHLW) 私どもとしては、検討を続けられるというよりは、現時点ではなかなか難しいのではないかと思っています。ただ、登録認証機関の側が、先ほど御説明させていただいたような仕組みを作ることに対して、かかるコストについて折り合いが付くというような形で、もし登録認証機関側が乗っていただけるのであれば、検討の可能性はないわけではないかと思います。私どもと業界の方だけではなくて、登録認証機関を加えて、業界側はこういうことを考えているのだけれどもどうだろう、ということをまずさせていただくのが一番重要ではないかと思います。

○清水(医機連) コストも1つ重要なのですけれども、こちらに書いてある登録認証の番号、認証番号に変更がないというのが、私ども大型機器を扱っているメーカーだと、バージョンアップ、グレードアップ、アップグレードということがあります。そこで同じ認証番号の形態にしておきたいというのがあります。確かにコストのことは民民の話なので了解はあると思うのですけれども、そういうことが私どものお願いとして1つあります。

○磯部(MHLW) 番号ということであれば、もうちょっと議論しましょうか。つまり、ある機関のやったものを、うまく引き継ぎさせる仕組みというのはどのようにできるかというのは、結構仕組みが難しいと思ってはいます。番号をどうするかは、もう1つ議論してもいいのではないですか。

○小池(MHLW) 番号は手続論なので、もしそういうのが可能であればというのがあるのですが、ただ認証機関の固有番号が入ってしまっているので、あれが移行後に他人の固有番号を入れるのか、入れないのかという話はあろうかと思います。それは、番号については御議論の余地はあろうかと思います。

○清水(医機連) もう1つは、認証をこれだけやってきて、だんだん認証機関の力量も分かってきて、ここはちょっと危ないぞという場合に、自己都合でお金はかかっても、1つの所に集約したい、それからQMS調査を一緒にしたいというのがあります。企業にとっては非常にお金の問題もありますので、そういうところで一緒にしたい。あとは(認証)番号の継続性というセットでこれから検討をしていただきたいということをお願いいたします。

○磯部(MHLW) その他にありますか。佐藤さんどうぞ。

○佐藤()(AMDD) AMDDIVD委員会委員長代理として本日は参加させていただいています佐藤です。私ども、医療機器と体外診断医薬品と両方を持っている業界のメンバーです。そこで薬事の実務を担当している人間の肌感覚としては、医療機器ほど建設的なディスカッションがまだ体外診断薬の所はできていないかな、というのが正直なところです。これは業界側にも責任があると思っています。業界側の人数が少ない中で、行政も人数が少ない中で、先ほど佐藤上席もこぢんまりとした体外診断薬審査室とはおっしゃっていましたけれども、それでも一緒に医療機器審査管理課も、小池さんの所で仕事を全部背負っていただいているのも分かっています。行政と業界が、どこを突破するともう少し建設的なディスカッションをより効率的にできるのか。まずそこの解決策を見付けて、そこからこの波々とある課題を、本当にスピードアップして解決していきたいと思っています。

 先ほど磯部さんも、古くさいものを近代的にというブレイクスルーの話もありました。上に乗っていくシークエンサーの話とかをどんどん進めていただいているのは非常に感謝しております。ただ、審査のベースラインになる、審査の部分の迅速化がなかなか進まない。上からどんどん重要なものが積み重なっていくだけで、かなりベースラインが苦しいと思っています。残りの2年半でこの協働計画がゴール達成できるように、業界のほうも力を込めていきたいと思っていますので、是非建設的な話合いを継続させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○磯部(MHLW) その他にありますか。林さんどうぞ。

○林(EBC) 引き続いて、体外診断薬のEBCの委員長をさせていただいている林です。先ほどから高額治療薬という話になっていますけれども、そういう面では全体の医療費の抑制という点で、体外診断の役割というのはすごく大きいと思います。コンパニオン診断薬をはじめ、患者さんの層別等で体外診断薬が貢献できる部分というのはすごく大きいと思うのです。

 一方で、そういう希少疾患等の治療薬、その検査となると非常にマーケットが小さい。やはり費用対効果と言いますか、どれだけのお金をかけて、どれだけの売上げがあるかという点で、売上的には大きくないところに対して、いかに導入を早くするかという点では、やはり先ほどリスバーグ委員長からもお話がありましたけれども、規制の国際整合化というのはすごく大きな要因で、日本だけのために、そういう追加のスタディをする、あるいは追加のお金がかかるということをできるだけ避けて、国際化というところを進めていただければ本当に有り難いことだと思います。是非それを進めていかないと、全体的なプライオリティの中で日本だけ後回しになってしまうということが起きかねないので、我々企業の立場からも、日本でも海外に遅れることなく、1日も早く市場導入したいという観点からは、是非その辺を進めていただきたいと思います。

 今回は臨薬協のほうからも協働で提案させていただきましたけれども、バイオバンク等の活用という点では、やはり臨床検体が非常に入手しにくくなっているという点から考えても、是非そういった活用というところを進める議論をさせていただきたいと思います。

○磯部(MHLW) その他にいかがですか、蓮見さんどうぞ。

○蓮見(Adva Med) Adva Medの蓮見です。資料3Adva Medのロゴも入っています。この資料の中で一番気になっていることは、大竹さんが説明された、「法改正から1年半を過ぎた今、すべきこと」というページに載っている、標準的審査機関、それも改良臨床なし・後発カテゴリー、ここの部分が磯部さんが説明された資料13ページに載っています。これは昨年9月のデータなので、今年の9月のデータが出れば、また実務者会議で詰められると思うのですが、ここで傾向が分かっています。数字が、改良医療機器(臨床なし)から右側が目標値から離れている。

 実務者会議で分かったことは、工業会自身はいろいろタイムクロックサーベイとかやって、どうしてそういう数字になっているかというのを把握しているのですが、実務者会議で、PMDAの高江さんから話を聞くと、その情報の半分ぐらいは私たちもつかんでいるのですが、半分ぐらいはつかんでいないです。そうすると、企業側がこっちよりこっちを優先してくれとか、そういうことでタイムクロックの足を引っ張っていることもある。これは1例ですけれども、そういう話があったので、先ほど大竹さんからも提案のあったAd Hoc、小池さんもやりましょうと言ってくれている。

 結局我々が知らない所の状況も含めて、本当に特定のメンバーでいいと思うのですけれども、話し合って解決していかないと、この数字が達成できないのではないか。フィルエグレスもすごく心配しています。そういうことで、是非この点に注目して解析していきましょう、お互いにやりましょうということをお願いします。

○磯部(MHLW) その他にはいかがですか。寺本会長からお話を頂いていないので、もしよろしければ。

○寺本(臨薬協) 先ほども林さんからお話がありましたが、医療の効率化には体外診断薬がもっともっと使えるのではないかと私どもは思っております。業界もその点については十分考えておりますので、是非協力をお願いいたします。審査の迅速化についても、先ほどから私どもから要望しております、臨床性能試験のガイドラインの整備等も、質の向上も当然上がるのですが、迅速化にもつながるのではないかと思っています。是非この辺は早急に行政と業界サイドでガイドラインの制定を早くしていたただければ、迅速化にもつながるのではないかとも考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○磯部(MHLW) 私は、体外診診薬はやることが山ほどあると思っています。確かに先ほど佐藤さんからもあったように、こぢんまりとやっていて、アットホーム感が満載なのです。去年も同じようなことを言っていて、余り進展ができなくて私は非常に悲しいのです。自分の問題でもあるのですが、どうしても優先順位とか、優先順位の中でも特にこれをとか。寺本会長からもお話がありましたし、うちもいろいろありますので、業界としての話をぶつけ合って、どれをどのぐらいのタイムスパンで考えていくかをやっていかないと、にらみ合いというわけではないのですけれども、やるのだよね、やらなければいけないんだよねと言うだけで止まってしまっている感じがあるので、そんな話をまたAd Hocにさせていただいて、どのように進めていくか相談させていただければと思います。

○寺本(臨薬協) 是非お願いいたします。

○磯部(MHLW) 近藤理事長お願いいたします。

○近藤(PMDA) 一言話をさせてください。中尾会長から、医療の質の向上について御提言を頂きました。武田局長からもしっかりお答えを頂きました。私はずっと長い間医者をやっていてずっと感じていたことです。薬事と言っていいのか分かりませんけれども、薬事でICH GCPが導入されて、医療の世界の中がかなり変わりました。これは、コンプライアンスをしっかり求められる形になってきて、非常に改善したことはよく感じています。

 それから、この度のイノベーション、このイノベーションで医療の環境の中で、改めて臨床研究の重要性が強化されました。恐らくこれも大きな医療の質の変化になっているだろうと思います。最後に来るのは、薬事で求めている品質・有効性・安全性の確保です。これを求めているのは医療そのものです。中尾会長、武田局長がおっしゃられている、最終ゴールは薬事が求めていることそのものなのです。ですから、必ずそういうときが来るだろうと思っています。国民がみんなそう思っているだろうと思うのです。だから、近々これは実現されるかなと期待しています。

○中尾(医機連) 近藤理事長もおっしゃるとおり、私も是非そこをと。例えばHTAを医薬品・医療機器でやります。よく考えると医薬品・医療機器はいいのですけれども、医療行為そのもののHTAというのはどうなっているのだと。分かりやすく言うとですよ。ここはやはり手が付いていないのです。今の皆保険制度だと、ややこっちにこれだけお金をあげるよというプライスリストがあって、ベッド数が幾らとか何とかという規制があるけれども、そこが私は一番大きく抜けているような気がします。

 ここは専門家の皆さんなのでAIの話も出てきましたけれども、ITの世界が出てきたので、今まで言われていた医療というのは情報の非対象性ということは経済学の本を読むと出てきますけれども、それはITによってものすごく状況は変わったと思っています。これは関係者といろいろな国へ全部行ったわけではないのですけれども、松本さんもエストニアへ行かれたと思うのですが、徹底してITを使っています。合理化というのは、ただ単にお金をけちるとか言っているのではなくて、最終的には医療の質を上げるところにつながる効率化と効果をより大にする。この話がもうちょっと出てくるとうれしいという気がします。これを話すとまた長くなってしまいますが、近藤理事長の思いは一緒だと思いますので、是非推進役によろしくお願いします。

○磯部(MHLW) 他に何かありますか。リスバーグさんどうぞ。

○リスバーグ(EBC) 中尾会長が言っている、エストニアでは全てIT化になっています。パーフェクトとは言えないけれども、日1日進んでいます。このITが重要かという話なのですけれども、近藤理事長が言っているような、安全性がないとしょうがないし、そのために我々はやっているはずです。今の世の中・社会を考えなくてはいけないのは、今は急性化から慢性化になっている。どうしても高齢社会になっている。我々はよく、患者が高齢社会になっているから大変だと。医者も大変です。ずうっと延々と若い医者ではないのだから、なかなかお互いに難しいところです。

 全部明日からやりましょうという意味ではなくて、集中治療には非常に重要な患者を持っていくのだけれども、今は全部専門性になっています。数字は間違いないかなと思っているのだけれども、今の認定になっている救急医療の先生は1,000人しかいないのです。1,000人しかいないのに、これからどうするのですかと。だからITが必要なのです。どういう使い方にするのか、正直私はITが専門ではないから分かりません。だけど使わないと、とてもではないけれども、人間は毎日24時間頑張りましょうになると、後で医者も倒れることになるので、是非将来のためにお互いにやってみたり、全部やりたい放題ではないけれども、何かピックアップして、これをやってみましょうとか、協力したり、改善したり、いろいろやらないと、だんだん遅れていきます。

 安全を守りながら、もっと大きく考えてやってみるという気持ちがないと、本当にいつの間にか何もできなくなってしまいます。その辺の考え方で頑張りたいと思います。私は個人的に重要で、そろそろ病院に行かなくてはいけないかなと。そんなに若くないので、自分のためではないけれども、是非個人的に、皆1人ずつ助け合いましょうというのが一番いいかと思いますので、よろしくお願いします。

○磯部(MHLW) ほぼ時間ですが、何かこれを言い残したというのがありましたらお願いします。よろしいようでしたら、最後に森大臣官房審議官に、全体のコメントも含めて総括をお願いいたします。

○森(MHLW) 最後になって発言の機会を頂きました。私は、医療機器の業界の皆さんとお付き合いすることよりも、どちらかというと不具合とか、安全対策とか、バックヤードの、大体余り具合の良くないときにお話することが多いわけです。そうではありますが、安全をきちんと確保して、患者さんたちに信頼してもらって、いざというときに本当に頼りになるものがデバイスだということをしっかり作り上げていくことも大事なことだと思います。

 そこに関して本日の御発言の中でも、やはり安全がなければということが随所に出てきているので、この業界がその患者さんに信頼される、そういう産業になっていくということ、これを皆さんしっかり御理解なさっていることが非常に大事だと思っております。ペイシェントセントリックという言葉が、本日の業界からの御意見の中にも出ております。それは本日の話題の中には特に出ませんでしたけれども、患者申出療養に関連した人道的見地からの治験の話というようなことで、医薬品のほうから始まっていましたけれども、医療機器でもそういうお話を磯部課長から業界の皆さんにお願いしたりしているということもあります。

 ここは患者視点なのです。患者さんの視点に対して、医療機器の業界がどう応えていくのか、どのように患者さんの理解を得ていくのかという観点もまた大事な話だと思います。どのような形で患者さんたちの声を聞き、あるいは患者さんたちに理解を頂けるような形で、それぞれ医療機器の業界の皆さんがなさっていることをお示ししていくかということについても、これは大事な観点だと思います。そういう意味でも、ここで議論しているようなことの中で、外に向けてちゃんと見せていけるようなことは是非オープンにして、透明性の高い形でやっていければとも考えております。

 それから体外診断薬の話は、私も30年近く前に、今の体外診断薬、昔は成分分量で一生懸命審査していたのを、性能ということで審査するようにころっと変えたのです。それを変えるのは、僅か1か月ぐらいの集中的な議論でそこまで踏み込んで切り換えることができたということを記憶しています。やればできるのです。そのためのきっかけのマグマが今溜まってきているような状態にあるというお話だと思います。それを次のステップで転換をするということを、本日はお互いにその思いを交換したのではないかと思います。やはり検査薬と言っていますけれども、検査があって、診断があって、それで治療がというようにつながってくる。医療の質を変えるということに関して、非常に大事なきっかけがここで話し合われているのではないかと思います。

 そういう意味で本日のような議論を、別にこうやって年に1回集まらなくても、必要なときにはいつでもお互いに意見を交換して、その上で新しい知恵を開いていくということを是非やっていければと思いました。本日は本当にたくさんの御意見、たくさんのサゼスチョンを頂きました。私のほうもそれに応えて、こちらからも新しい問題点について、皆さんはどう考えていますか。それではこうしましょうというように、議論を建設的に進められるようにしていきたいと強く思いました。本日は本当にありがとうございました。

○磯部(MHLW) 森審議官、どうもありがとうございました。若干時間を過ぎましたけれども、本日の定期意見交換会は、薬事でなく承認審査、安全対策等の定期意見交換会ということですので、今後もその名称でいきたいと思いますので、また引き続きお世話になります。よろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。


(了)

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