ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会食品規格部会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会議事録(2017年2月23日)




2017年2月23日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会議事録

○日時

平成29年2月23日(木)
10:00~11:00


○場所

厚生労働省共用第6会議室


○出席者

委員

大前委員(部会長)、明石委員、浅見委員、阿部委員、畝山委員、小川委員、苅田委員、阪口委員、下村委員、寺嶋委員、二村委員

事務局

山本基準審査課長、黒羽室長、青木補佐、新井専門官、柳澤係員

○議題

1 清涼飲料水の成分規格の改正について
2 その他

○議事

○事務局 ただいまから、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ本部会に御出席いただき、誠にありがとうございます。審議に入るまでの間、事務局にて議事を進行いたします。

 初めに委員の出席状況です。本日は堀端委員、渡辺委員から欠席の御連絡を頂いております。部会委員 13 名中 11 名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、当部会が成立していることを報告いたします。

 次に、平成 29 年1月に部会委員の改選があり、改選後初めての食品規格部会ですので、新たに委員になられた先生を御紹介いたします。国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長の畝山委員です。また、国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部第三室長の渡辺委員についても委員に御就任していただいておりますが、本日は欠席との御連絡を頂いております。

 これから議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。以後の進行については、大前部会長にお願いいたします。大前部会長、よろしくお願いいたします。

○大前部会長 おはようございます。本日の審議、どうぞよろしくお願いいたします。まず、最初に事務局から配布資料の確認をお願いします。

○事務局 お手元に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会の議事次第という紙があり、その裏に資料の一覧がありますので、そちらも併せて御確認いただきながら配布物について確認いたします。

 本日、配布している資料として、資料1 - 1「清涼飲料水の成分規格の改正について」、資料1 - 2と資料1 - 3が非常に似通った資料で、資料1 - 2はミネラルウォーター類の殺菌除菌なしの成分規格設定等の検討項目の資料、資料1 - 3はミネラルウォーター類の殺菌除菌ありの成分規格設定等の検討項目の資料、資料1 - 4「ミネラルウォーター類中の含有濃度実態調査」、資料2 - 1「豆腐中の微生物に関する試験検査」はパワーポイントの資料を印刷したものでスライド 16 まであるもの、資料2 - 2「豆腐中の微生物に関する試験検査」は先ほどの資料の一部差し替えということで1枚のものを御用意しております。また、参考資料として、参考資料1 ( 別冊 ) という中に参考資料1 - 1~1 - 8までをまとめているもの、参考資料1 - 9~1 -15 として、食品安全委員会の今回の議題に関する食品健康影響評価の評価書をお付けしております。この参考資料1 - 9~1 -15 の食品健康影響評価書については、机上配布としてお配りしております。本日、配布している資料は以上ですが、乱丁、落丁等がありましたら事務局までお申し付けください。事務局からは以上です。

○大前部会長 よろしいですか。本日の審議に入る前に、本日の部会の審議事項に関する利益相反の確認結果について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 本日の部会においては利益相反の確認対象はありませんでしたので、退室の必要な委員又は議決に参加できない委員がいないことを確認しております。事務局からは以上です。

○大前部会長 それでは、今日の審議を開始します。「清涼飲料水の成分規格の改正について」事務局より説明をお願いします。

○事務局 資料1 - 1を御覧ください。1.経緯です。清涼飲料水は昭和 34 年に「食品、添加物等の規格基準」の第1食品の部D各条において規定され、必要に応じ所要の見直しが行われてきました。平成 14 年、コーデックス委員会におけるナチュラルミネラルウォーター等の規格の設定及び我が国の水道法の水質基準改正の動きを受け、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会、当部会となりますが、こちらにおいて清涼飲料水の規格規準の改正について審議し、平成 15 年の内閣府食品安全委員会の発足とともに、化学物質 48 項目等について食品健康影響評価を依頼しております。

 その後、平成 21 年より食品健康影響評価の結果が得られた物質等について、順次、当部会において審議し、平成 26 12 月に、それまで審議された物質等について成分規格を改正したところです。このとき、食品健康影響評価が未答申であること等から、当部会で審議しなかった物質について食品安全委員会からの答申状況を踏まえ、規格基準の改正を行うこととしております。今般、新たに食品安全委員会から答申があった物質に係る清涼飲料水の規格基準の改正について、厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会長宛てに平成 28 11 21 日付けで諮問されております。

 2.審議事項です。食品安全委員会での評価が終了した別紙の4物質のフッ素、ホウ素、マンガン、アンチモンについて、「ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないもの」と「ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行うもの」について、平成 22 12 14 日開催の部会で決定した「ミネラルウォーター類における化学物質等の成分規格の設定等について」を考慮しつつ、別紙のとおり設定するという内容です。こちらの詳細な説明については、後ほど説明いたします。

 3.今後の対応です。上記の成分規格の改正案は、食品健康影響評価を踏まえていることから、当部会で了承された成分規格については、他の物質もあるので、ほかの物質の今後の部会の審議を踏まえて、パブリックコメント等の所要の手続の終了後に告示の改正を行いたいと考えております。

 続いて、別紙に入る前に、参考資料1 - 2「ミネラルウォーター類における化学物質等の成分規格の設定等について」を御覧ください。 11 ページです。これまで、殺菌、除菌ありのミネラルウォーターについては、 II の設定方針を踏まえて、水道法及び WHO の飲料水水質ガイドラインの基準を原則として設定しております。殺菌、除菌なしのミネラルウォーターについては、 13 ページの III の設定方針を踏まえて、コーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格に準拠する形として基準値設定を行ってまいりました。

 これまで審議いただいた項目については、水道法の基準値とコーデックスの基準値が同じ値であるものや、消毒関連のもので殺菌、除菌ありのミネラルウォーターのみが関係するものについて、これらのルールを適用し、その案を踏まえた審議を頂いたところですが、今後、本日を含めて審議いただく項目については、水道法等の基準値とコーデックスの基準の値が必ずしも一致していないものがあります。その場合については、水道法等の基準値やコーデックスの基準値等を確認しながら、実態調査の結果等を踏まえて事務局で検討し、今般、資料1 - 1の別紙のような改正案を提案いたしました。

 資料1 - 1の別紙を御覧ください。本日、御審議いただく4物質を記載しております。ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌なしの物質となりますが、こちらの化学物質等の成分規格となります。

 まず、物質としてフッ素は、現行基準値は2 mg/L となっておりますが、改正案として同じ数字ですが2 mg/L としております。ホウ素は、現行基準値がホウ酸として 30mg/L が設定されていてホウ素に換算すると約 5.2mg/L となっておりますが、改正案は5 mg/L としております。マンガンは、現行基準値について2 mg/L が設定されておりますが、改正案は 0.4mg/L としております。アンチモンは現行基準値がないという状況ですが、改正案は 0.005mg/L としております。改正案に下線が引かれているものが、現行の基準値と異なるものです。下段です。ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行うものです。殺菌、除菌なしと同じ改正案です。

 続いて、実態調査の結果です。資料1 - 4です。ミネラルウォーター類中の含有濃度実態調査、平成 25 年度の結果です。対象としては、流通する国内外の 115 銘柄を調査しております。外国産が 107 銘柄、国産が8銘柄の調査結果です。

 フッ素は、定量下限値として 0.004mg/L 115 銘柄のうち 97 銘柄で検出しており、最小値として 0.014mg/L 、中央値として 0.055mg/L 95 パーセンタイル値として 0.48mg/L 、最大値としては 1.2mg/L が検出されております。中央値の部分ですが、食品安全委員会の食品健康影響評価から得られた TDI をもとに TDI の占有率を求めており、フッ素については 4.4 %が検出されております。同じく、ホウ素、マンガン、アンチモンについて各検査結果がありますが、この後の説明の中でも触れていきたいと思います。

 本日、御審議いただく4物質以外について状況を説明いたします。アンチモンの下にニッケル、バリウム、ウランがあります。ニッケルについては、現在、水道法にて管理目標設定項目として 0.02mg/L の目標値が設定されておりますが、 WHO で新たなガイドライン値が提案される予定であり、それに合わせて目標値見直しの検討を予定していると聞いております。バリウムは、現在、水道法において要検討項目となっていることと、コーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格においてペンディングという扱いとなっております。ウランは、現在、毒性の評価が不十分ということで、 WHO が暫定値の取扱いとしております。また、コーデックスのナチュラルミネラルウォーターの規格は設定されていません。

 これらの状況を踏まえ、ニッケル、バリウム、ウランの3項目について、国内外の議論の進捗等を踏まえ、改めて当部会で御審議いただきたいと考えております。なお、平成 25 年度に実施した実態調査の結果を見ても、直ちに規制を行わなければいけないという状況にはないものと考えております。

 資料1 - 2と資料1 - 3について説明いたします。それぞれ殺菌、除菌ありのものと殺菌、除菌なしのものとなりますので、比較しながら御確認いただければと思います。

 資料1 - 2の殺菌、除菌を行わないものについて説明いたします。フッ素は、食品安全委員会の評価結果で、非発がん性について、ヒトの疫学調査における斑状歯出現の NOAEL から評価するということで、 0.05mg/kg 体重 / 日の TDI が設定されております。続いて、骨への影響ですが、疫学調査の結果、フッ素の総摂取量が 0.28mg/kg 体重 / 日の場合、骨格への有害影響の過剰リスクが明白であり、 0.12mg/kg 体重 / 日の場合、骨格への影響リスクが高まることが示唆されております。

 フッ素の水道法水質基準等の評価結果です。平成 25 年3月、生活環境水道部会で他の食品からのフッ素の摂取量が不明であること、我が国における基準の継続性及び斑状歯発生防止の観点から評価して、 0.8mg/L の水質基準値が設定されております。これは、国外、国内の疫学調査から、昭和 33 年の水質基準に関する省令で 0.8mg/L と定められ、平成 15 年の水質基準の見直しにおいても、食物からのフッ素の摂取量に関する不確実性が残っていること、及び斑状歯発生防止の観点から評価値を継続することが妥当とした経緯があります。

 フッ素のコーデックスナチュラルミネラルウォーターの規格の状況です。現在、フッ素については、基準値がないという状況です。基準値はありませんが表示規制はあり、製品が1 mg/L 以上のフッ化物を含む場合については「フッ化物含有」という表示が必要となっております。加えて、 1.5mg/L を超えてフッ化物を含む場合については「本製品は幼児及び7歳未満の児童に適しません」という表示をすることが必要となっております。こちらについては、参考資料1 - 7にナチュラルミネラルウォーターの規格の資料を添付しておりますので、御参考までに御確認いただければと思います。

 食品衛生法の現在の基準値です。括弧の中が現在の基準です。現在は2 mg/L の基準があり、消費者庁による表示規制があります。表示規制の内容は、製品が 0.8mg/L 以上のフッ素を含む場合について、7歳未満の乳幼児は、このミネラルウォーターの飲用を控えてくださいと、フッ素の濃度を何 mg/L と記載する必要があるという規制があります。 TDI の占有率です。中央値は 0.055mg/L TDI の占有率は 4.4 %となっております。

 続いて、資料1 - 3です。右から3つ目にある WHO 飲料水水質ガイドライン以外は、資料1 - 2と同じとなっておりますので、 WHO のガイドラインの値を紹介いたします。 WHO では 1.5mg/L が設定されております。これらの状況を踏まえて、事務局として、フッ素については現行と同じ2 mg/L の値を維持して、現行と同じ表示規制を維持してはどうかという案としております。

 ホウ素に移ります。ホウ素の食品安全委員会の評価結果では、非発がん性としてラットの妊娠0~ 20 日間の混餌投与試験における、胎児の体重減少及び胎児の骨格変異の NOAEL から評価されております。 TDI は、 96 μ g/kg 体重 / 日の値となっております。種差 10 と個体差 10 ということで、不確実係数 100 が適用されております。水道法の水質基準値の結果です。平成 25 年3月の生活環境水道部会で TDI の寄与率が 40 %として評価されております。海水淡水化の場合を考慮して 1.0mg/L の水質基準値が設定されております。コーデックスのナチュラルミネラルウォーターの規格ですが、現在は5 mg/L の基準が設定されております。

 資料1 - 3の WHO のホウ素の飲料水水質ガイドラインの値です。現在は、 2.4mg/L の値が設定されております。食品衛生法の現行の基準値については、現在、ホウ酸として 30mg/L 、ホウ素に換算すると約 5.2mg/L となり、こちらの値を5 mg/L にしてはどうかとしております。 TDI の占有率は中央値として 0.013mg/L TDI の占有率は 0.54 %となっております。

 3ページのマンガンです。食品安全委員会の評価結果では、非発がん性として、成人の食生活調査に基づく耐容上限量の NOAEL から評価されており、 0.18mg/kg 体重 / 日という TDI が設定されております。水道法の水質基準値の評価結果です。平成 25 年3月の生活環境水道部会で、非発がん毒性の TDI の寄与率 20 %として評価すると 0.9mg/L となっておりますが、平成 15 年度の水質基準の見直しの際、毒性で問題となるレベルの濃度よりも利水障害の観点から、黒水障害の発生防止として平成4年の評価値である 0.05mg/L が水質基準値と設定されております。ただし、この値については性状関連項目とされており、健康関連としては上記に申し上げた 0.9mg/L となります。

 また、水質管理目標設定項目として、マンガンについては除マンガン設備が適切に管理された場合に満たすことのできるレベルとして、平成4年に設定された水質管理目標設定項目として 0.01mg/L が管理目標値として設定されております。

 コーデックスのナチュラルミネラルウォーターの規格は、 0.4mg/L が設定されております。資料1 - 3の WHO 飲料水水質ガイドラインの値ですが、 WHO については現在ガイドライン値なしとしております。こちらについては、飲料水では受容性の問題を起こすレベルではないということで、健康影響はないとして設定されておりません。食品衛生法の現在の基準値は2 mg/L が設定されておりますが、新たに 0.4mg/L に設定してはどうかとしております。 TDI の占有率です。中央値として 0.00015mg/L 、この場合の TDI の占有率は 0.0030 %となっております。

 4ページのアンチモンです。食品安全委員会の評価結果では非発がん性として、ラットの 90 日間の亜急性毒性試験の摂水量減少、摂餌量減少、体重増加抑制及び肝線維症等の肝臓の器質的変化の NOAEL から評価されております。 TDI 6.0 μ g/kg 体重 / 日の値となっております。こちらは、種差 10 、個体差 10 、亜急性毒性試験のデータから外挿として 10 ということで不確実係数 1,000 が適用されております。

 アンチモンの水道法の水質基準値の評価結果です。平成 25 年3月の生活環境水道部会で TDI の寄与率が 10 %として評価されており、 0.02mg/L の管理目標値が設定されております。平成 15 年度の改正時の基準値 0.015mg/L からの緩和として、平成 26 年4月1日から施行されております。この理由については、 WHO 水質ガイドラインにおける有効数字の取扱いということで整理されております。

 続いて、コーデックスのナチュラルミネラルウォーターの規格です。 0.005mg/L の値が設定されております。資料1 - 3の WHO 飲料水水質ガイドラインの値ですが、 0.02mg/L の値となっております。食品衛生法の基準としては、現在、基準値なしということですが、事務局の案は 0.005mg/L です。 TDI の占有率は、中央値として 0.00024mg/L 、その場合の TDI の占有率は 0.16 %となっております。

 以上が、本日、御審議いただきたい物質となっております。その他の物質については、現在、食品安全委員会からの評価を待っているものや、評価が戻ってきて、現在、実態調査中のもの等がありますので、準備ができ次第、改めて当部会で御審議をいただきたいと考えております。事務局からは以上です。

○大前部会長 どうもありがとうございました。今、資料1 - 1~4に基づいて説明をしていただきました。内容といたしましては、今までは水道法あるいはコーデックスの値を踏まえて基準値を決めていましたが、それが適用できない場合があるので、それをどうしようかという話と、それから、ニッケル、バリウム、ウランにつきましては、国内外の評価等が決まってから改めて提案するという点と、あとは今の 4 物質ですね。この 4 物質の基準値の案が、これでいいかどうかという点、 3 つの説明がありました。

 まず、ニッケル、バリウム、ウランについては、現段階ではまだ提案できる段階ではないということなので、これはこれでよろしいですね。状況が整ったら、この部会にかかってくることになろうかと思います。それから、ルールの適用の話につきましては、 4 物質でそれぞれ各論が違っておりますので、 4 物質ごとに審議していく中で御議論いただきたいと思います。

 まず一番最初、フッ素です。フッ素について、資料1 - 2、資料1 - 3、それから、実態調査、資料1 - 4の説明がありまして、それから、資料1 - 1の別紙で、案として、現行基準値の2をそのまま改正案として提案するという説明でしたが、先生方の御意見はいかがでしょうか。

○浅見委員 フッ素に関しましては、水道法の水質基準よりもちょっと緩めの値に見えることは見えるのですが、もともとの毒性評価から斑状歯のことと、あと、疫学調査の結果で、フッ素の総摂取量に対して骨格の過剰リスクが考えられるというようなものがあるのですが、こちらももうちょっと値が大きいものですので、今回御提案の値で大丈夫なのではないかと思います。少しだけ気になりますのが表示ですので、表示がまた引き続き行われることと、7歳未満の方についてミネラルウォーターの飲用を控えてください、フッ素濃度何 mg/L ということがちゃんと理解していただけるように表示を続けていただければと思います。以上です。

○大前部会長 ありがとうございました。これは、先ほどのコーデックスでは基準がないとか、水道水法の基準とは違うということで、今までのルールを少しずらした状態で2 mg/L という数字だということ。それから、今おっしゃった表示規制を当然つけると、必ずつけるということですが、そのほかの先生方、御意見いかがですか。特にないようでしたら、今、浅見先生の御意見もありましたし、事務局の原案の2 mg/L ということでよろしいですか。


                    
               (
「異議なし」と声あり )


○大前部会長 ありがとうございました。それでは2番目の物質、ホウ素です。現在はホウ酸として
30mg/kg ということで、これをホウ素換算すると約 5.2 mg/L で、今回、その数字を丸めたのか、5 mg/L にしてはいかがかということですが、先生方の御意見はいかがでしょうか。これの、海水淡水化の場合を考慮というのはどういう意味ですか。説明をお願いします。

○事務局 こちら、水道法の検討におきまして、日本国内で水道水を作る際に、原水となる水につきまして、単に地下水だけではなくて、海水を淡水にして飲用としている地域がありまして、それを考慮して、寄与率等を 40 %に設定して評価しているような現状です。

○浅見委員 若干補足させていただきます。実はこれ、海水にたくさん含まれている物質でして、特に島しょ地域とか水が足りない所で処理をしますと、普通のアロケーションだと 10 %というのは水道で設定したいところなのですが、それを守るには非常に費用がかかることもありまして、摂取量の調査を行ったところ、 40 %ぐらいのアロケーションを取っても大丈夫だろうということで、 10 %ではないアロケーションを使って設定されたようなことになっております。健康影響上の観点からいきましても、正直言うと、少し厳し過ぎるかなという感じもあるのですが、現状では海水淡水化で丁寧な処理を行うことで守っているというような状況です。

○大前部会長 ありがとうございました。島しょ等、特殊な地域を考慮して、厳しめに作ってあるということです。ほかの先生方、御意見いかがでしょうか。

○二村委員 このホウ素につきましては、頂いた資料から単純に計算をして、最大の量で取った場合、摂取量に対してかなり多めの割合になってしまうことと、それから、この基準値案が5 mg/L という値なのですが、私は、コーデックスの規格は暫定的には決まっているが暫定のままになっていると理解しています。また、今回の基準は WHO の飲料水の水質ガイドラインと異なっています。そういう状況ですので、今回の基準をどう考えるのか、その考え方は整理しておいたほうがいいかと思います。実際には最大でも、ほとんどのものは多分大丈夫だと思われます。ただし、一部特定のものを長期間、それなりの量で飲用した場合、全く影響がないかと考えると、やや特殊な条件ではありますが影響がある可能性もある、ととれる推計ですので、どういう考え方でもってこの基準にするのか、少し整理しておいたほうがいいかと思いました。説明いただいた資料の計算だけでみると、これで大丈夫ですよと説明がしづらいなと思いました。

○大前部会長 事務局、いかがでしょうか。

○事務局 まず先ほど、資料1 - 4で説明をしておりますが、平成 25 年度の実態調査の結果です。繰り返しになりますが、ホウ素につきましては、現状 115 銘柄の中の中央値で見てみると、 0.013 mg/L というような濃度で、 TDI 占有率は 0.54 %という結果です。 95 パーセンタイル値で見てみても 0.65mg/L という値で、水道の基準と比べても、下回るような状況にはあります。ただ、右側にあるように、最大値としては 4.5mg/L というものがありまして、また、この 115 銘柄のうち、仮に水道の基準の1 mg/L を参考に考えると、1 mg/L を超えているものは非常に限られた銘柄ということになります。あと、銘柄ごとに、実際の消費量までは私どものほうでデータが取りきれませんでしたが、販売量、消費量から考えると、これら一部の限られた銘柄で、今のところは国内で大量に消費をされているような状況にはないと思います。

 ただ、委員の考え方はどうするのかという話と、仮に一番高いもので摂取し続けた場合のリスクをどうするのかということもあろうかと思います。例えば、ホウ素につきましては、現状平成 25 年の状況としてはお示しさせていただいたとおりですが、今後も、ほかの物質も含めて、実態調査を継続しているものもありますので、その中にホウ素も入れた上で、引き続き濃度の実態をフォローすることとさせていただいてはどうかと考えております。

○大前部会長 二村委員、それでよろしゅうございますか。モニタリングはこれからも続けるということです。

○二村委員 今、ご説明頂いた、モニタリングを引き続きしていただくことは非常に重要だと思いました。それともう1つは、コーデックスの基準とか、それから、飲料水質のガイドライン等設定がまた始まるなど新しい動きがあった場合については、報告を頂ければと思います。

○事務局 そのように対応させていただきたいと思います。幾つかの物質がありまして、例えば、資料1 - 4の中で説明したバリウムはコーデックスで議論がペンディングになっている状況ですし、ニッケルとかウランについても諸外国の状況等を踏まえて、今後また検討させていただきたいと思います。ホウ素につきましても、コーデックスの状況など、今のところ一応、数字はこれで置かれているような状況かとは思いますが、委員の御指摘もありますし、引き続き諸外国の状況を確認しながら、もし何らか変更があれば、そういった状況等も踏まえ、当部会の先生方に報告したいと思います。

○浅見委員 引き続きよろしくお願いしたいと思います。ミネラルウォーターというのが、少し特殊な食品というか性質がありまして、これが好きとなると、結構それを集中的にというか継続的に摂取される方もいらっしゃると推測できます。もしも、販売量が多いとか、継続的に、かなり習慣的に取られているような方がいらっしゃるようなことであれば、より一層注意をしなければいけないという可能性もありますので、販売量の情報提供とか、あと、摂取の形態というか趣向の形態に関しても、是非情報収集をお願いしていただければと思います。

○事務局 できる限り、販売量も含めて把握できればいいかと思いますので、事務局のほうでも、委員の御指摘の内容も踏まえまして、どのようなものが調査可能かどうかも含めて検討したいと思います。いずれにしましても、ホウ素の国内で流通しているものの濃度の実態については、引き続きフォローさせていただきたいと考えております。

○大前部会長 そのほか、よろしゅうございますか。ちなみに、 115 銘柄中、外国産が 107 銘柄で、検出が 114 銘柄なのですが、高い濃度というのは、どちらかというと外国産なのですか、あるいは、国産にも結構あるのですか。その辺りの情報はありますか。

○事務局 今回調査は、国内産のものが非常に限られたものということで、どれがなにかというところは特定の銘柄になってしまいますが、ホウ素につきましては、国外のものに少し高いものが幾つかあるという状況です。

○大前部会長 そのほか、先生方から御質問、御意見はございますか。それでは、今日の段階では、先ほどのモニタリングの話とか、新しい情報が入ったら改正等の可能性があるとかを含めて、事務局の原案の、 5.2 mg/L を5 mg/L にするということでよろしいですか。


 
                                  (
「異議なし」と声あり )


○大前部会長 ありがとうございました。そうしましたら、3番の物質、マンガンでございます。マンガンに関しては現行が2
mg/L で、それを 0.4 mg/L にするという事務局の案です。先生方の御意見あるいは御質問はいかがでしょうか。

 現行の水道法は、健康の面と性状の面とを併せて、今は性状の面がメインになって、 0.05 mg/L となっているということです。特に御意見がないようでしたら、事務局の案の現行の2 mg/L 0.4 mg/L に改正するということでよろしいですか。


                                  
(
「異議なし」と声あり )


○大前部会長 ありがとうございました。そうしましたら、最後、アンチモンです。現行の基準値はありません。新たに作るということで、非常に低いと思いますが
0.005 mg/L にしたいというのが事務局の案です。コーデックスのナチュラルミネラルウォーター規格が 0.005 mg/L です。それで、多分これに倣おうという意図だと思いますが、先生方の御意見あるいは御質問はいかがでしょうか。特に御意見、御質問がなければ、この原案、現在は基準がないのを 0.005 mg/L ということでよろしいですか。


                                  
(
「異議なし」と声あり )


○大前部会長 どうもありがとうございました。非常にスムーズに進みまして、審議事項が終わってしまいました。それでは、2つ目の「その他」でございます。豆腐の規格基準の改正につきまして、事務局のほうから説明をよろしくお願いします。

○事務局 昨年 11 29 日に開催した食品規格部会において審議した豆腐の規格基準の改正につきましては、参考人として国立医薬品食品衛生研究所の朝倉部長に御出席いただいて、豆腐に係る試験検査について御説明を頂きました。このときの資料については、お配りした資料2 - 1のとおりですが、その中の5、6ページ目に訂正が2点あります。訂正内容については資料2 - 2を御覧ください。

 まず1点目ですが、資料2 - 1の5ページ目の左側の欄になりますが、こちらの豆乳製造殺菌工程の中の「加熱滅菌」の箇所を「加熱殺菌」と訂正いたします。続いて2点目ですが、6ページ目の表の「検体」という列です。こちらの、「加熱殺菌凝固前」としていた箇所ですが、 A については「加熱殺菌後凝固剤添加前の豆乳」と訂正し、 B については「加熱殺菌前凝固剤添加前の豆乳」と訂正いたします。

 上記の訂正につきましては、当時の部会では訂正前の資料に基づいて議事が進行しており、既に議事録では当時の発言と併せて、訂正についてもお知らせしておりますが、この場で資料の訂正内容を御連絡させていただきます。なお、豆腐の規格基準の改正については、現在、食品安全委員会への諮問の準備を進めております。以上です。

○大前部会長 前回の豆腐の審議の資料に一部修正があるということで、その修正も説明していただきました。規格自体に関しては特に変更等はありません。よろしくお願いします。これは報告事項のようなものです。そうしましたら、今後開催する部会での審議状況を踏まえまして、本日の審議事項に関して了承いただいた基準案と併せまして、事務局のほうで必要な手続をよろしくお願いします。どのような手続になるでしょうか。

○事務局 まず清涼飲料水の関係ですが、こちらについては、既に今回御審議いただいたものは、食品健康影響評価の内容を踏まえて答申が返ってきているものですので、今後、パブリックコメント等の手続を進めたいと思っております。その際、前回の、昨年 11 月に開催した部会でご審議頂いた物質や、現在、実態調査をしているものもありますが、今後の部会の審議の状況も踏まえて、ある程度まとまった段階でそういった手続に移りたいと考えております。

 豆腐につきましては、できるだけ速やかに食品安全委員会のほうに諮問をしたいと考えておりますので、事務局のほうで準備を進めさせていただきたいと考えております。

○大前部会長 ありがとうございました。今後、そのような手続で進みますので、どうぞよろしくお願いいたします。最後に、事務局のほうから何かございますでしょうか。

○事務局 次回の部会の開催ですが、こちらについては議題の内容等を踏まえまして、事務局のほうから日程調整をした上で、開催を決定させていただきたいと思います。事務局からは以上でございます。

○大前部会長 ありがとうございました。2時間の予定が 40 分ぐらいで終わりましたが、会議が早く終わる分には非常にいいことですので、本日の会議はこれで終了でございます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課規格基準係

(03-5253-1111 内線4280)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会食品規格部会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会議事録(2017年2月23日)

ページの先頭へ戻る