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2017年2月17日 第九回医療計画の見直し等に関する検討会
医政局
○日時
平成29年2月17日(金)9:30~11:30
○場所
中央合同庁舎第5号館 厚生労働省省議室(9階)
東京都千代田区霞が関1-2-2
○議事
○坂上救急・周産期医療等対策室長 おはようございます。それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第9回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
本日、藤井構成員から御欠席との御連絡をいただいております。
なお、私どもの医療介護連携担当審議官の濱谷につきましては、別の公務のため欠席とさせていただきます。
また、私どもの医政局の神田局長につきましては、別の公務のため、途中退席させていただきますので、御容赦ください。
それでは、初めにお手元の資料の御確認をさせていただきます。
お手元に、議事次第、座席表、開催要綱のほか、本体資料が資料1、2、3とございます。参考資料につきましては、参考資料2が2-1、2-2、2-3とございますが、1から4までございます。
不足等ございましたら、事務局までお知らせください。
よろしいでしょうか。
報道の方で冒頭カメラ撮りされている方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
それでは、以降の進行は遠藤座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 皆様、おはようございます。2カ月ぶりの開催ということですので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に移らせていただきます。本日は、「その他」を入れて4つ議題がございますけれども、まず初めに、1つ目の議題、「地域医療構想調整会議の役割等の整理」について、これから議題としたいと思います。
事務局から資料が出ておりますので、説明をお願いいたします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
年末に本検討会におきまして意見のとりまとめをいただいたところでございますが、今後さらに医療計画、地域医療構想を進めていくに当たりまして、残された課題として幾つかございますので、それにつきまして本日御検討いただきたいと思って資料を用意しております。
まず、お手元の資料1を御用意ください。後ほど各県の地域医療構想の策定状況等は御説明いたしますが、今年度中に全ての都道府県で地域医療構想の策定は終える見込みとなっております。それを受けまして、さらにその中身を詰めていくという形で、各構想区域ごとにこの調整会議の開催をお願いすることとなりますが、その中でどういった議論を行っていただきたいかということで、こういった進め方をしてはどうかということについて本日整理させていただいているものでございます。順次説明してまいります。
1ページ目をお開きください。まず、1ページ目につきましては、地域医療構想調整会議の医療法もしくは策定ガイドラインにおける位置づけを確認させていただいております。医療法におきましては、三十条の十四におきまして、関係者との連携を図りつつ、医療計画において定める将来の病床数の必要量を達成するための方策その他の地域医療構想の達成を推進するために必要な事項について協議を行う場とされております。また、議論する内容につきましては、そちらにありますように、ガイドラインの中におきましては、以下のような項目を想定しているということが記載されているところでございます。
続きまして2ページに進んでいただきますと、年末におとりまとめいただきました意見の中におきまして、この調整会議での議論、どのように進めるかという方向性を一定程度明確化していただいているところでございます。まずは、構想区域における医療機関の役割の明確化というところで、将来の医療提供体制を構築していくための方向性を共有すること、また、地域における救急医療や災害医療といった各医療機関がどのような役割を担うかということを明確化した上で将来の方向性を確認するといったことをまとめさせていただいているところでございます。
3ページをお開きください。さらには、それに加えまして、構想区域における他の医療機関の役割の明確化というところで、上記以外、ここで言いますと先ほどの救急や災害医療といったもの以外ですけれども、それらの医療機関が担わない、もしくは地域の多様な医療ニーズを踏まえて役割を明確化すること。さらには将来の病床機能の転換ということも、病床機能報告でいただいておりますので、将来、医療機能の転換が見込まれるというような場合につきましても御議論を優先的にやっていただきたいということを提示しているところでございます。
また、それ以外の事項といたしまして、地域の住民が望む医療のかかり方といったことの把握も調整会議の中でやっていただきたいということを御提案いただいたところでございます。
さらには4ページに行きまして、さらなる医療機関、新たな医療機関でありますとか増床等を行う場合の医療機関への対応ということもおまとめいただいているところでございます。
5ページをお開きください。5ページは、昨年末、12月末現在の各都道府県の地域医療構想の策定状況をまとめたところでございます。既に策定を終えていただいているところは39で、残りが8となっております。残りの8につきましても、私どもが今把握している範囲におきましては、年度内に策定が終わる見込みと聞いているところでございます。
また、6ページをお開きください。6ページは、昨年の10月に御報告いただきました3回目の病床機能報告の速報値をお示ししているところでございます。11月15日までに報告があった医療機関の中でさらに不備がなかった医療機関を対象としておりまして、病院で6,333、有床診療所で4,555、おおむね8割強、9割ぐらいの医療機関の集計結果となっております。
中段の構成比を見ていただきたいのですけれども、今、御報告いただいているものを4機能別に構成比を見ていただきますと、高度急性期、急性期につきましては、昨年2015年と大きく変化はしておりませんで、回復期につきましては1ポイント程度、慢性期につきましても1ポイント程度、数が増減しているという状況が見て取れるかと思います。
続きまして7ページをお開きください。地域医療構想の策定を終えて実際に調整会議での議論が進んでいる事例として、青森県の調整会議における検討内容をこちらで御紹介したいと思います。
青森県におきまして、津軽構想区域におきましては、現在、具体的な検討が進められているところで、特に新たな中核病院の整備による医療資源の集約と、それによりまして救急医療体制の確保を行うこと。それ以外の医療機関につきましては、病床の稼働率といった状況を踏まえまして、規模の見直しや機能の転換ということに向けて関係者で、今、議論が進められているところでございます。
具体的には下半分を見ていただければわかるかと思いますが、左下にありますように、国立病院機構弘前病院と弘前市立病院、この2つの病院を統合いたしまして新たな中核病院を整備し、そこに救急センターでありますとか災害拠点といった政策的な機能を集約すること。また、それ以外の黒石病院、大鰐病院、板柳中央病院、これら公的な性格の病院がございますが、これらにつきましては、今の機能の状況とか稼働状況も見まして、病床規模の縮小、もしくは医療機能を回復期、もしくは慢性期へ転換していくという方向で具体的な検討が進められているところでございます。
続きまして8ページをお開きください。8ページに岐阜県の地域医療構想の概要をおつけしております。こちらは構想会議の中で議論するに当たりまして、現行の地域医療構想の中に具体的な方向性が記載されている事例としてお持ちしております。
右の四角囲みが地域医療構想の抜粋になりますが、ポツの2つ目になりますが、岐阜大学医学部附属病院が県全体の急性期医療、いわゆる高度急性期を想定していると思いますが、県全体の急性期医療の中心を担い、岐阜県総合医療センター、県立の病院でありますが、岐阜市民病院、これは市立の病院で、次の松波総合病院は民間病院になりますが、これらの病院が大学と連携することによって岐阜圏域の急性期医療の中心的役割を担うということ。また、特定の診療分野や政策医療分野で岐阜赤十字病院が災害の中心、長良医療センターで周産期、村上記念病院におきまして脳卒中、岐阜ハートセンターで心疾患というところで、診療分野や政策分野ごとにそれぞれの特性に応じた対応をやっていくこと。さらには、最後のポツになりますが、上記の急性期を担う医療機関以外につきましては、救急医療体制の確保に配慮した上で回復期へ移行するといった具体的な記載が盛り込まれている事例でございます。
9ページにお進みください。これらの地域医療構想の策定を終えた県のうち、平成29年の9月30日まで、今年度の上半期までに策定を終えた16の都府県に対しまして、策定後、調整会議がどのような状況ですかということを事務局においてヒアリングを行った内容を以降3枚程度まとめております。
策定後に調整会議を1回以上開催しているというところにつきましては、対象が112の構想区域がございまして、うち94につきましては1回以上開催しているという御報告をいただいております。
具体的にどのような議論を行ったのかということをまとめておりますが、まずは各医療機能の分担という観点からは、高度急性期の機能を有している病院の取組と今後どうするのか。また、先ほどのような、疾病ごとの入院医療を担っている医療機関の現状がどうなのか。さらには救急体制の再編をどうしていくのか。公立病院等の公的な病院の役割をどう位置づけていくのかといったところを議題としているところでございます。
また、具体的な病床機能の転換という観点におきましては、大規模な、急性期をやっているような病院の中で一部回復期を転換することについて地域全体でどう考えるか。または急性期を今担っている病院が今後回復期に転換していくことにつきまして、病院長の先生から説明を受けたりといったことが議題とされているところでございます。
それ以外には、調整会議の協議をどう進めるのか、また調整会議以外の場をどうするのか、また各機関から県への要望といったことも調整会議の中で議論いただいているところでございます。
10ページにお進みください。各県の御担当の方から、その調整会議の議論を進めるに当たって、うまくいった点、こういう点がよかったというのをまとめております。一方で、11ページにつきましては、調整会議で議論を進める際に少し困った点というものをまとめております。
まず10ページを御紹介いたしますが、大きく3つの視点でまとめておりまして、データの利活用という観点におきましては、大学等の研究者の協力を得たりすることによって、そもそもの地域医療構想のデータについての客観的な分析、解釈を有識者の方にやっていただくということを経まして、医療関係者の方にとってもさらなる議論の活発化につながったこと。
2つ目としまして、病床機能報告のデータに加えまして、診療報酬に関するデータ、今後どのように診療報酬がなっていくのかといったことも共有したところ、医療関係者の方から関心が高まり、また、急性期から回復期への転換という中で実際に動いていることを認識してもらえたというところで議論がうまくいったというようなご意見がございました。
また、調整会議以外の場の活用という観点におきましては、調整会議の場だけではなくて、その開催に向けて、地元の医師会や大学病院、中心となる病院等の病院長の先生方と意見交換して、県の考え方を説明して理解を得るようにしたところ、実際の調整会議での課題の共有がスムーズであったこと。2つ目といたしましては、県の医師会を中心に関係者の方で協議を事前にやっていただいて、関係者の情報の共有、議論を行うといったところで、調整会議の議論が大きくぶれることなく議論が進んだこと。3つ目としまして、上記とも重複いたしますが、調整会議以外の場でいろいろな意見交換を行って、丁寧に議論を重ねていくことがうまく議論の進行につながったというようなご意見がございました。
また、3つ目といたしまして関係者の参加という点におきましては、医療関係者のみならず、介護の関係者の方々にも御意見を伺うことによって、現場の課題等を共有することによって、今後の退院移行に向けた取組の必要性の共有ができたといったような御意見がございました。
11ページにお進みください。11ページは、一方で、その議論を進めるに当たって今後工夫、改善が必要な点をまとめております。先ほどのデータの利活用に関しましては、やはりそのデータを出したいというところでいろいろデータブックを駆使しているところではございますが、なかなか自信を持って会議に出せないでありますとか、診療報酬のデータ等につきましては、やはり専門性が高く、県庁だけのパワーでは足りないということで、有識者の協力も得たいという御意見もございました。
また、議論の進め方におきましても、調整会議だけではなかなか、それぞれのお立場を超えた議論が深まらないでありますとか、会議を引っ張ってリードしてくれる方がいないとなかなか本音が引き出せないとか、将来の方向性については賛同が得られやすいけれども、個別の各医療機関、各地域ごとの議論になってくると具体的な意見が進みにくいとか、さらには4つ目としまして、広く意見を募ろうということで幅広に入ってもらったけれども、人数が多過ぎてなかなか議論が進まなかったといったような御意見もいただいております。
また3つ目としましては、関係者の理解の促進ということで、今回の地域医療構想の趣旨がなかなか伝わらないということで、病床の必要量であったり、構想イコール病床削減というように、そういった委員の御意見で話が引きずられることもあるということがなかなか現場で議論が進まない課題として県のほうから御意見としていただいたところでございます。
12ページ以降、これらの県の職員に対しまして、私ども、国のほうで国立保健医療科学院において平成26年から毎年研修を行っているところでございます。12ページから3枚程度、今年度の研修の内容について掲載しているところでございます。こういった形で、県の御担当の方が地域での議論をサポートできるようということで研修会を行っておりますし、次年度以降も引き続き研修を行っていく予定としているところで、その御紹介になります。
15ページにお進みください。以上のような現状を踏まえまして、15ページは、次年度、平成29年度にこういった形で各地域ごとの調整会議での議論を進めていただいてはどうかというのを御提案させていただいている資料になります。まず一番下の調整会議の段を見ていただきますと、おおよそ3カ月に1回程度の開催というスケジュールで組んだらこのような形になるのではないかということをイメージしているところでございます。
まず、策定を今年度中に終えられた県におきましては、まずは年度の一番最初の会には、今年度の病床機能報告の内容でありますとか、今後の医療計画の策定に当たりましては、データブックを速やかに私どものほうから各県に配布したいと思っておりますので、それらを活用いただきまして、各医療機関の役割の明確化をまずしていただくこと。さらには、病床機能報告、データブックからどういうことがわかるか、また確認いただくこと。それを踏まえまして、地域で見た場合の不足する医療機能は何であるか、まずは1回目で確認いただくこと。
さらには、2回目に対しましては、そういった不足する医療機能などを補うためには具体的にどういった整備が必要かということをやっていただければと思っておりますし、また、2回目のタイミングが恐らく7、8、9のあたりということであれば、10月に来ます次回の病床機能報告に向けて各医療機関がどういった方向で病床機能の報告を見直していくのかといったこともこの2回目の中で御議論いただければと思っております。
さらには3回目におきましては、そういった各医療機関ごとの具体的な医療機能をどうしていくかということがわかってきますれば、それを実現していくために次年度以降の基金をどう活用していくかといったような視点での議論も行っていただければということを想定しております。
さらに4回目は年度のとりまとめということで、その1年間を振り返った場合の進捗状況の確認でありますとか次年度どうしていきましょうかということの1年間の振り返りと、次年度に向けてとりまとめということを4回目あたりにしていただくことを念頭に置いているところでございます。
さらには、中段を見ていただきまして、都道府県全体というところがございます。横矢印の中に書いてございますが、こういった取組を進めていくに当たりまして、病床機能の分化・連携に向けてうまくいっている事例、もしくはこういったところで困っている事例ということにつきましては、私ども、国のほうにおいて各県から情報収集させていただきまして、各県、各地域ごとにそういった情報のフィードバックをさせていただきたいと考えております。
また、地域の住民の方々に対しましては、議事録の公開とか説明会の開催ということをそれぞれの県のほうで取組をお願いしたいと思っております。
また、一番上のところに書いておりますが、それらの各県の取組状況につきましては、私どものほうから各都道府県へ進捗状況の確認を定期的にさせていただきながら、一緒に地域医療構想の実現に向けた取組を進めていきたいと思っております。
最後、16ページにおきましては、都道府県知事の権限ということで、これまでお示ししている資料をおつけしておりますが、今後、調整会議の議論がなかなか進まないというような場合には、こういったプロセスがその後控えているというところの御紹介でつけております。
資料1の説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございました。
調整会議の議論に関連して今後どうするのかということも含めて、いろいろな関連資料を説明していただきました。ぜひ皆様に忌憚のない御意見をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
それでは、市川構成員、どうぞ。
○市川構成員 今回の各地域における病床機能等の区分けで、そのポイントとなるのはデータブックということがあると思いますけれども、データブックはどういう内容か、ちょっと御説明いただけますでしょうか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○木下課長補佐 データブックの内容につきましては、構想区域ごと、二次医療圏ごとに、どういった各病院の機能があるかについて、具体的には、NDB、ナショナルデータベースの結果を構想区域ごとに分けたデータとなっています。さらに、今の医療計画の5疾病・5事業と関連の深い指標につきましては、数値化した形で構想区域ごとで現状がどうなっているかということが確認できるようなデータをお配りしているものと、そのデータブック、ナショナルデータを活用してどういう分析ができるかといった内容も盛り込まれています。
○市川構成員 要するに、そのデータブックがもとでいろんな計画をつくっていくという理解でよろしいでしょうか。
○木下課長補佐 地域医療構想、医療計画をつくっていく際に活用いただくということを趣旨として各県に配布させていただいているものになります。
○市川構成員 それで、私は、どういう内容かということで、事務局のほうにデータブックをちょっと見せてくれないかと言ったら、医師会等にないということですけれども、今どのようにデータブックが各分野に配られているのかということですが、その辺のところはどうなっていますか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○木下課長補佐 事務局でございます。
データブックに関しましては、ナショナルデータベース、いわゆる診療報酬のデータを活用しているということで、その使用に当たりまして、一定程度使用範囲を制限することとなっています。
また、使用いただける方に関しましても一定の条件を満たした方ということに限定されており、主には県の職員と研修を受けられた関係者の方々ということで、県の医師会の方もその研修を受けていただいて、誓約書を交わすことによって活用いただけるという状況になっています。
○市川構成員 そうしますと、調整会議で議論したときに、各構成員がその部分を承知してないとなかなか前に進まない可能性も出てくると思いますけれども、その辺の対応はどのように。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○木下課長補佐 事務局でございます。
データブックそのものを直接は扱えないですが、事務局に対しまして、このような分析ができないのかとかこういったデータはないのかというお問いかけをいただき、その最終的な成果物としての表もしくはグラフという形で、調整会議の場には県から提供するという対応になります。
○市川構成員 よくわかりました。ただ、データブックを、先ほどございましたように、問題点としてどうも理解しにくいとか使いにくいとかいう議論が出ておったのですけれども、基本となる資料がそういう段階で果たして調整会議でうまくそれが活用され、しかも実際の計画に反映できるかという辺のところはどのようにお考えでしょうか。
○遠藤座長 地域医療計画課長、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 今の御指摘に関しましては、ナショナルデータベースをどの範囲で活用できるかという議論もちょっとありますので、今のところは公的な機関で、かつ、その使用範囲を限定すると。要するに、全面的に公開している情報でないものですから、それを制限してやっております。ですので、それを加工して会議に使っていただくというのが1つ、これは大体の原則なのですが、地域によっては、例えば関東のある県では、医師会で地域の専門家と協力して独自に、各病院が持っている色々なデータがございますので、そういうものを出していただきながら、むしろ県のそういったデータに対して医師会から、我々としてはこういうデータを持っているということで議論に供されるようなケースもあるということです。我々がお配りしている資料もあくまで県のレベルで調整会議での議論に参考になる資料ということですので、それは例えば地域の医療機関や関係団体のほうでいろんなデータを集めて、それを対案という形で提供されて議論されると。いろんな形があると思いますので、そういう好事例も今後御紹介しながら、地域で調整会議の議論を円滑に進めていただけるように我々も支援してまいりたいと思っております。
○遠藤座長 市川構成員、どうぞ。
○市川構成員 わかりました。それで、例えば14ページに都道府県職員に対する研修(後期)についての1月の、これはもう行われた分ですかね。平成28年度ですから。「データブック等について」と、厚労省がここで説明を1時間ぐらいかけてやっています。このときはどのようなお話が。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○木下課長補佐 事務局でございます。
データブックの活用方法を研修会で説明をさせていただいています。
○市川構成員 よくわかりますけれども、具体的に1時間かけて。
○木下課長補佐 はい。データを、いろんな分析はあると思いますので、その中で、各県の先駆的な事例、こういう分析をやっていますよという事例を取り上げてやっていただいています。この1月の際には、福岡でのデータの具体的な活用方法というものを出していただきました。
○市川構成員 要するに好事例をここで発表してということでございますから、各県でもよろしくという、そういう感じということですか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
各地域で活用して、具体的なこういう計画づくりとか、このような再編につながるための解釈とか、そういうことを地域ごとの事例を取り上げながら御議論いただいていると。
○市川構成員 確かにそれはそれでいいのでしょうけれども、ただ問題は、今までの御説明の中においては、データブックを活用することが今回の地域医療構想における計画の基本をなすものだと思うものですから、やはりもう少し、しかも課題として活用がよくできないという、ここのところはもうちょっときちっとやるような工夫と、関係機関にも、データブックをある程度、確かにいろんな情報入っていますから広く出すのは問題かもしれませんけれども、調整会議もそろそろ始まっているし、現実的に経過も出ていますから、ここのところの基本となるデータブックの活用方法はもう少し丁寧にやっていただければと思います。
○遠藤座長 地域医療計画課長、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 先ほどの説明に少し補足でございます。木下から申しましたが、都道府県医師会の方でも、研修を受けていただいている方もいらっしゃいます。その方には当然この研修の際にデータをお渡しもしております。ただし、管理については、一定の使い方は守秘義務的なものをかけさせていただいて使っていただいておりますが、ある意味、各県医師会レベルでもそういったデータを誰か、担当の方もしくは、そういう研修を受けられて、アクセスされて内容を理解されて議論に参加されているという例もあります。先ほど申し上げた好事例ございますし、研修の受講自体は妨げているわけではございません。今の枠組みをまだご存じない方がいらっしゃるかもしれないので、そこをしっかり周知してまいりたいと思っております。
○市川構成員 日本医師会といたしまして、各県の医師会に、このようなデータブックの活用方法等の講習会に参加するようにということをさせていただきます。ありがとうございました。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 今、青森県と岐阜県の例も出ていて、既に病院単位で機能分化というのが進んでいるように思うのですが、そもそも今回は病棟単位での報告から始まっているはずですね。病院単位ではないはずです。基本的に地域医療構想というのは。それで、病棟単位で機能を見るということだったが、報告も、今まではレセプトにコードがついていないのでできなかったと。28年になって初めて、病棟にコードをつけることによって、病棟単位で具体的な医療の内容が報告制度としてできるようになったのです。このデータは既に都道府県に行っているのですか。
○木下課長補佐 28年度から入りました、病棟コードにつきましては、まだ集計の途中ですので、各県には病棟単位のデータというものはまだお配りできている状況ではありません。
○遠藤座長 西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 であれば、そもそもそこから協議が始まるということで今まで進めてきたと思います。病院単位ではなくて、病棟単位で。病院の中で、例えば病棟が5つあれば、コードにより、この病棟は急性期で報告した、これは回復期で報告したとわかります。それと、そこにおける具体的な医療の内容をつけて、それを表に出すことによって、例えば、報告では急性期だったが、この病棟は急性期と言えるのかということを一つ一つやると。結果として、その病院における病棟単位で急性期とか分ける。そういうデータをもとにしてこの調整会議で協議すると、私はそういう解釈でいたのですが、そのようなデータが全くまだ出ていない中でこのように、この病院は急性期を全部担うとかいうやり方は今回のこの地域医療構想の考え方と違うと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○遠藤座長 事務局、何かコメントはありますか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
西澤構成員から御提案いただきました病棟ごとのデータを活用しながらの分析は非常に重要と思っております。今あるデータの中でやれることと、今あるデータに基づいて議論できるという内容もございますので、さまざまなデータを活用いただきながら地域ごとに御議論いただくことが重要と考えておりますので、理想としては全部のデータがそろったものに基づいて議論するということが考えられるところではございますけれども、地域ごとに見た場合に、いろんな議論のやり方ということはあろうかと思っております。
○遠藤座長 西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 もう一度ガイドラインをしっかり読んでいただきたいと思います。やり過ぎだと思います。まだきちっとした病棟単位のデータがなくて、例えば青森でも岐阜でも、この病院は急性期ですと決めつけていいのですか。例えばその病院の中に回復期病棟を持っているところもあるはずですよ。病棟単位で、小まめに見ていくというところから始めようということだったはずです。これがされないで、そういうデータがまだ都道府県に行ってない前に、このような結論を、各病院はこの機能ですと結論づけているのは行き過ぎだと思います。結果的にこうなるかもしれませんが、今の段階でこれをやるのは、私も今までずっと議論に参加してきて、違うなと思いますが、いかがでしょうか。
○遠藤座長 地域医療計画課長、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 西澤構成員がおっしゃられている大原則、方向性としては全くそのとおりだと思いますが、このように具体的な名前が出てきているということは、これは県が勝手に書いているということではないと思います。ですので、少なくとも病院の設置者が全て参加され、地域医療構想をつくる会議の中で合意されたものがまとまって出てきておりますので、これはおのおのの地域での話し合いの結果と。そういう意味では、ベストかどうかということではありませんが、こういう形で議論が進んでいるという御紹介ですので、今すぐこういう形で進めるべきであるということでなく、進んでいるところはこういうやり方でやっているということで、データが十分出てから、しっかりと各地域で調整していただくというやり方も当然あるのではないかと思っております。
○遠藤座長 西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 ぜひもう一回ガイドラインを見てやっていただきたいのですが、病棟単位できちっと報告をして、そしてそれに基づいて、その病棟ごとに具体的な医療の内容がデータとして出て、結びつけて、そして、報告ではこうだが実際はどうなのかということを調整会議で議論して、お互いにその情報を共有化しながら、この病院は全てが急性期ですねとか、一部はこうですねということでやっていくはずです。その中で急性期の病床が幾つ、回復期が幾つ、病院単位で決めるのではなくて、病棟単位で決める進め方なのです。
今回のこれは全部病院単位で決めてしまって、この病院は全て急性期ですねとした書き方です。恐らくもっと細かい議論はされているとは思うのですが、この両方の報告は非常に誤解を生むと思っています。最初から病院単位で、この病院は急性期にしましょうとか、そういうやり方は今回の考え方とはかなりずれていると。
しかも、考え方としては、ボトムアップといいましょうか、各医療機関が協議するところから始まると。お互いの病院がどのような機能かというのを共有して協議して、そこから積み重ねると。その協議する材料は、コードがついている病棟がどういう機能かというのをみんなが理解してからだと思います。それをされてない中でここまで言ってしまうのはスピード違反だと思いますので、そのあたりはもう一回きちんと都道府県のほうにも理解していただいたほうがいいと思っています。
私は、実は今までは試運転で、レセプトにコードがついて、そういうデータをもとにして、そういうものが都道府県の調整会議に出て、初めてそこから具体的な議論が始まると思っていたので、意見です。
以上です。
○遠藤座長 御意見として承りました。
医政局長、どうぞ。
○神田医政局長 病床の機能分担・連携というのは、基本、病棟単位ですので、おっしゃるとおり、データはこれから活用できるようになるということだと思いますけれども、青森の特殊性としては、構想にも書いてありますけれども、この政策医療を大方公的な病院が担っているということで比較的議論が進んでいたということがあると思います。それから、各公立病院が非常に赤字経営になっていて、ここの右のほうにある病院というのは、一般病床は大方、病床利用率が60%というような状況になっています。
それで、総務省が言っている公立病院改革でも、3年連続で70%を下回るようなところについては、その機能についてしっかり検討するようにという公立病院の改革プランの指導も出ているという中でかなり先行的に議論がされていたという、この地域の特殊性というのもあるのだろうと思います。したがって、既に赤字が出ていて、非常に病床利用率も低いようなところにおいて、地域で議論が進んでいるということについては、今後出てくるデータで確認しながらということはあると思いますけれども、それはそれとして、そういった議論の進め方もあっていいのではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 事情はわかりました。であれば、これがモデルだとか、このように非常に進んでいるところがあるから、皆さんも早くやってくださいというやり方はやめてほしい。地域ごとにいろんな事情ありますから、きちっとそこでの実情に任していただきたいと思います。
それともう一つですが、大病院であろうと小病院であろうと、一病院は一病院としての代表が出る場というのは必要だと思います。病院団体の代表が出ていて決めていいではなくて、全ての病院が集まる場というのを、調整会議で無理であれば、どこかにそういう場もつくっていただいたほうがスムーズだと思いますので、そのあたりも指導していただければと思います。
○遠藤座長 御意見として承りました。
では、お待たせしました。野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 15ページに「地域医療構想調整会議の進め方」という形で案をお示しいただきましたが、年4回開催と示されておりますが、これは例示と理解してよろしいのかということでございます。地域医療構想については、先ほど資料でお示しいただいたとおり、都道府県によりまして策定時期が異なっておりますし、また、各地域によってそれぞれの地域の特殊性を踏まえて論点を設定して、今、議論していると理解しております。そういった現在進められている議論を踏まえてそれぞれの都道府県で進め方を今検討しているところかと思いますので、会議の進め方についても柔軟に設定できるように御理解いただければと考えてございます。
また、地域医療構想調整会議につきましては、2025年を見据えた議論を行っていく場と理解してございます。資料3でお示しいただいておりますけれども、今後の医療計画の策定でありますとか療養病床の新類型の動向、また診療報酬や介護報酬の改定なども踏まえて今後議論を進めていくものと理解しておりますので、長期的な視点での会議の進め方につきましても整理をいただければと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見として承りました。
それでは、加納構成員、今村構成員の順番でお願いします。
○加納構成員 ありがとうございます。
先ほどの西澤先生の議論に戻るのですけれども、今回事例等を出されている青森県、岐阜県の例というのは非常に偏った事例だというイメージがあるかなという感じがしますので、ぜひとも、先ほどの議論どおり、検討内容を代表する事例として出すのには少し注意していただきたい。特に調整会議で一番大事なのは、ガイドライン等でも明記していただいているように、公私の公平さというものが担保されることだと思っておりますし、各病院の意見がちゃんと反映された流れの中で決めていくという形で開催されるようにお願いしたいと思います。
また、例として挙げるなら、今回、調整会議で問題になってくるであろうと思われるのが恐らく、都会での色々な形での今後の病院のあり方、またその点における調整会議での議論だと思っております。ですから、両方出すならば、都会の例がそろってからモデルとして幾つか出していくというのはありかなと思っておりますので、現時点でこの2つの例だけをモデルケースとして出すのは危険なことではないかと逆に懸念するところであります。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。これは先ほどの御意見と同じということでありますので、事務局はそういう御対応をひとつよろしくお願いします。
それでは、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 先ほど市川委員からあったデータブックのお話で、データブックのユーザーとしてちょっとお話をさせてもらいたいと思います。
まず、自分自身がデータブックを使わせてもらうのに、やはりかなり壁がありました。県から検討依頼を受けたのですけれども、依頼を受けた上で見せられませんという話から始まって、そこから見ることの段取りを踏んでいくのにまず時間がかかって、見せてもらえる範囲がすごく限定されているので、一番核心の部分を見せてもらうようになるまでは随分ステップがあって、つくっている側の人間にいるのですけれども、実際なかなか見せてもらえないという段階があったので、そこを協力してくれる方々にできるだけデータをスムーズに見せてもらえるように、厚労省からも進言してもらったほうがいいと。
現実にデータブックを使っていく中で幾つか、NDBの問題点にぶつかっていまして、例えば急性心筋梗塞とかであれば、実際の在院日数は物すごく短い。そうしたら、NDBは10人以下の数字を出せないという問題があって、奈良県のような100万人ぐらいの都道府県だと、二次医療圏に分けると4区分の患者数がほとんどブランク、バーになってしまうのですね。すると、全部バーの表を見て議論するというのがなかなか難しいですね。
だから、NDBを使っていることで入院期間の長い脳梗塞とかは割ときれいに数字が入ってくるのですけれども、入院期間の短いものとかは数字が入ってこないので、せっかく、本当は入っているはずの数字があるのですけれども、見られないと、小さな都道府県、小さなといっても真ん中ぐらいから半分以下の都道府県だとそういうブランク問題というのが結構あって、議論のときにも恐らくそれは物すごく問題になっていると思うので、そういったところも何とか解決する方法を考えてもらえればと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。これは御意見として承りますか。事務局からコメントもらいますか。
○今村構成員 もし可能であれば。
○遠藤座長 それでは、地域医療計画課長、お願いします。
○佐々木地域医療計画課長 この件に関しましては、ブランク問題、いろいろな御意見をいただいております。基本的には、今申し上げたように、ナショナルデータベースの関連のデータというのは、やはりどうしても患者さんの個人情報にかなり近い。で、珍しい疾病であればほぼ患者さんが特定されるのではないかという議論があって、一定のルールを設けているところでございます。
ですので、そのルールで運用しておりますが、例えば具体的にこういう議論をする際にどうしてもそういう細かいデータが要るのだということであれば、とりあえず全部数字を入れてほしいのだというオーダーだとなかなか突破できないと思いますが、こういう議論をするのにそういう細かいのが要るのだということを少し各地域なりから具体的な御提案があれば、それをもとに有識者会議に少し例外の運用というのを協議すると、こういう形はできると思いますので、ぜひ具体的にどういう場合にそういう困った議論が起きたかというのを、各都道府県に対して意見を聞いてみることもしてみたいと思っております。
○遠藤座長 よろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。
では、西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 先ほどちょっとお尋ねして、回答もらうのを忘れたのですが、今、報告制度で、各病棟単位の報告はもうしていますが、それが今、コードがついて、具体的な医療なりと病棟が結びついたデータ、これがいつごろでき上がって、都道府県の調整会議で出されるのか教えていただければと思います。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
委託業者で作業を進めていただいているところでございます。恐らく年度末になろうかと思っております。
○遠藤座長 よろしいですか。
西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 わかりました。2つ意見があるのですが、1つは、11ページですが、この地域医療調整会議における議論についてのところで、「関係者に多く参加してもらうために、広く病院関係者に委員に入ってもらったが、人数が多すぎて」と。病院関係者が多く入ったので議論が円滑に進みにくいと見えます。これは、地域医療構想は、先ほど言ったように、全ての病院が参加しなければだめだと思います。ですから、構想区域の全ての病院が参加するのが理想だと思います。
ただ、その区域内に病院が例えば100もあるとかいうことは無理だと思います。だとしたら、調整会議の中に、小さく分けて、医療圏を決めて、そこで病院が集まってお互いに、いろんなデータを共有して議論できる場、病院同士が議論できる場というのをそこにぶら下げていただければと思います。そういう場があれば、こういうことも全部スムーズにいくのではないかと思います。
それからもう一つですが、15ページ、29年度の進め方なのですが、4月に、さっき言ったデータが出て、それから、調整会議等々でいろいろ情報共有化して議論していくということになると思うのですが、10月のところから「機能ごとに具体的な医療機関名を挙げたうえ」となっているのですが、この時期でもうこれできますか。29年度で。2025年に向けて徐々に情報を共有しながらやっていくのであり、29年に既に、名前を挙げてこの病院は転換すべきではないかとか、そういう議論というのはここからできるのでしょうか。私は疑問に感じていますが、いかがでしょう。
○遠藤座長 これは事務局のコメントを求めておられますので、お願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
全ての地域でということではなくて、こういった手順を踏むことによってできるところもあろうかということで御提案させていただいているところです。ですので、できるところであれば、先ほど言いましたように、具体的な基金の活用という視点を持った取組をする上であれば、どこの医療機関に対してということが必要になってきますので、可能なところにおいては、こういった具体的な医療機関名に対してという地域もあろうかと思って、こういう例示を挙げさせていただいておりますので、そこはちょっと誤解いただかないようお願いできればと思っています。
○遠藤座長 西澤構成員、よろしいですか。
○西澤構成員 わかりました。であれば、さっき言ったように、全ての医療機関がある程度お互いに納得した上でこれが出てくると思いますので、ここでそういうことをやるのであれば、その前にもかなり中身の濃い調整会議の進め方というものをぜひお願いしたいと思います。
それと、早く決定も大事なのですが、将来の25年で人口が減るからということで早く病床数を合わせ過ぎると、現状で足りなくなるということも考えられますので、そのあたりは、転換の意思があっても、いつごろ転換していくかとか、それは基金の使い方含めて、そういうあたりはしっかりした対応をぜひお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
相澤構成員、どうぞ。
○相澤構成員 私は、データをもとにいろんなことを決めていく、議論するのはすごく大事だと思うのですが、もともとデータが不完全であるにもかかわらず、データがあたかも全てをあらわしているように考えてやっていくのは、すごく危険ではないかなと思っています。
例えばナショナルデータベースでは、病院の診療圏分析をしようと思っても、残念ながらできません。患者さんの住所が入ってないからです。なぜなら、地域包括やケアを考えていく場合に、病院の診療圏というのは私はすごく大事だと思っているのですが、見ようと思っても、そのデータが入ってなければ見られません。そういう中で、あたかも現在のデータが全てだということでいろんなものを進めていくのは、私はちょっと疑問を感じているところです。
私が全てのデータを見させてもらってないので偏見を持っているのかもしれませんが、私はまだまだ不完全なデータだと思っています。病床機能報告制度でいろいろ集められたデータを見せていただいても、正直、うちの分析をやっている人たちは、あんなもの、使いものにならんと言います。ですから、ぜひもう一度、どういうデータが本当に必要なのか、分析していくのか、そこをしっかりとしておかないと、私は大変なことになるのではないかと思っていることが第1点。
そして、もしデータを使ってもらうのだとすると、もう少し幅広くいろいろな人のアイデアといろいろな人のその考え方をぜひたくさん集めて、これからの日本の医療に役立つものに私はしていっていただきたいなと心より願っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
○遠藤座長 御意見として承る形でよろしいですね。
○相澤構成員 はい。
○遠藤座長 まだ御意見あるかと思いますが、ほとんど1時間ぐらいたってしまいましたけれども、まだ2つ、かなり大きな課題も残っておりますので、どうしてもというのであれば。
では、市川構成員、簡潔にお願いいたします。
○市川構成員 お願いですけれども、6ページのグラフ、これは現状の病院機能のあれを出してあるのですけれども、こういう数字と医療計画との差が、削減でないということは、日本医師会、盛んに言っているのですけれども、こういうデータが出ますと、やはり削減イコールというような誤解を招くものですから、これは余りお出しいただかないほうが我々日本医師会としても会員にお話ししやすい。よろしくお願いいたします。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。非常に積極的な御意見に感謝申し上げます。
それでは、時間もございますので、議題の2つ目、医療・介護の体制整備に係る協議の場の役割等の整理、こちらに移りたいと思います。
事務局から資料の説明をお願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。資料2をお手元に御用意ください。
1ページ目をお開きください。こちら、昨年末にとりまとめが行われました「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針」、いわゆる総合確保法に基づく基本的な方針でございます。この中で、今後、医療計画と介護保険事業計画を整合的に進めていくという観点から、今後の方針として幾つか御提示があったところでございます。それを受けまして、では実際に医療と介護の整合性という観点でどのような議論を進めていくのかというところにつきまして、資料2を御用意させていただいております。
まず、1ページに書いてありますが、大きく、今申しました医療と介護、その中の医療計画と介護の計画が今後6年サイクルということで、介護のほうは3年サイクル×2という形になりますが、サイクルが一致するということで、計画の整合性を確保することが求められております。
その中でまず1つ目としまして、一体的な作成の整備ということで、2行目になりますが、「都道府県や市町村における計画作成において、関係者による協議の場を設置し、より緊密が図られるよう」ということが求められております。この具体的な関係者による協議の場をどうするのか、またその場でどういった議論を行っていただくのかということにつきまして、資料をまとめております。
また、2ページをお開きいただきますと、医療計画の見直しに関する検討会のとりまとめの中におきましても、この協議の場の設置、またその整備目標という観点におきましては、特に在宅医療の中で医療と介護サービスが、地域の実情に応じて補完的に提供されるよう、協議の場を設置して、介護保険事業計画等における整備目標と整合的な目標を検討するといったことがとりまとめの中に盛り込まれているところでございます。
3ページをお開きください。具体的なその協議の場の位置づけについてでございますが、それぞれ医療計画、介護保険事業計画の作成に当たりましては、医療計画であれば医療審議会の場におきまして意見を聞くこととされております。また、介護の計画におきましても、介護保険事業計画作成委員会等といったそれぞれの協議の場というものがございます。
では、この医療と介護の体制整備に係る協議の場の位置づけでございますが、四角囲みの中の○の1つ目でございますが、この協議の場については、上記のそれぞれの審議会で議論をする前段階として、自治体が地域医師会等の有識者を交えて、計画を策定する上で必要な整合性に関する協議を行う場という形で位置づけさせていただければと思っております。後ほども御説明いたしますが、この協議の場につきましては、二次医療圏単位での設置を原則といたしますが、二次医療圏と老人福祉圏域が一致してない場合でありますとか、二次医療圏単位が非常に大きかったりして開催が適当でないという場合には、都道府県が適当と認める区域でも可能としたいと思っております。
また、実際に会議を開催するやり方といたしましては、二次医療圏単位ということであれば、地域医療構想調整会議の枠組みの活用ということも考えられるだろうと考えておりまして、例えば、あくまで運営のやり方の一つとしましては、地域医療構想調整会議の下に関係者を集めていただいたワーキンググループというような形で設置してやるということも運用の方法としては考えられるのではないかと考えております。
次ページ以降、実際にどういう議論をその調整の場においてやっていただくかということをまとめております。今申しましたように、医療と介護の計画の中の整合性を確保するという観点から、四角囲みの中で調整すべき事項として3つほど挙げさせていただいております。
まずは、医療計画と介護の計画の中で対応すべき需要がどの程度になるのかということを見込んでいただくことが重要かと思います。2つ目といたしまして、その需要に対してどう整備を進めていくのかというその見込み量、整備目標のあり方について御議論いただこうと考えております。また、その2つ目の固まりでございますが、例えばということの例示で、訪問看護ステーションというものの地域の偏在があった場合には、市町村を超えた整備ということもあろうかと思いますので、その際には都道府県が積極的に広域的な調整を行っていただければと考えております。
また3つ目といたしまして目標の達成状況ということで、それらの進捗状況の確認ということも必要かと思っておりますので、医療計画であれば第7次の計画の中間見直しと、それ以降の8期の介護保険事業計画の策定に当たっては、それぞれの進捗状況、達成状況を適宜この場で共有していただければと考えております。
続きまして、5ページをお開きください。この調整を行う区域の単位につきましては、先ほど申し上げましたように、二次医療圏単位を原則とするということを御提案させていただいております。あと、ただし書きのところは先ほど御説明した内容と同じでございます。
続きまして、6ページをお開きください。第7次の医療計画・第7期介護保険事業計画の策定に向けたスケジュールのイメージ案をおつけしております。昨年末に総合確保方針の告示が出たところで、まず医療計画のほうを見ていただきますと、3月末を念頭に置いていますが、策定指針の通知を私どもから発出することを予定しております。
一方、介護の保険事業計画につきましては、おおよそこの時期に基本指針案の提示というものがあろうかと思います。それら2つの指針が出たのを受けまして具体的にサービスの見込み量、医療計画におきます整備量というもののある程度の議論が進むということで、それ以降に、この協議の場におきまして、どういう需要があるのか、整備どうしていくのかという具体的な議論を進めていただきまして、年末にパブリックコメントを経て最終的な整合性を確保していただくというスケジュール感を考えているところでございます。
最後、7ページになりますが、協議の場の位置づけといたしまして、あくまでこれは医療計画の全体の手順の中に位置づけておりますが、協議の場というものを設けていただきまして、最終的には、親会に当たります医療審議会のほうで御報告いただいてとりまとめいただくというような関係性を概念図的にお示ししているところでございます。
資料2の説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございます。医療・介護の連携に関する協議の場についての御報告・御説明でしたけれども、御意見を承りたいと思います。
田中構成員、お願いします。
○田中構成員 4ページの箱に書いてある調整事項(1)について見解を申し上げますので、事務局がどのように回答されるか期待しています。
ここに書いてあるのは、将来の医療需要について、在宅での医療が全部訪問診療であるように読めます。在宅者に医療提供する方法は、訪問診療だけではなく、通院できるなら通院もあるし、それから、少し動きにくければ送迎サービスつき通院なども考えられます。全て訪問診療でドクターが動くと、大変時間の非効率になり得るので、全て対応する必要はない。退院後のサービス提供形態が全て訪問診療だけではないです。
2番目、この文章、日本語ですが、医療需要について、訪問診療で対応する部分と介護サービスで対応する部分との調整を行うと書いてあります。このニュアンスは、調整を行うと言うと、重複しないように分けろと読めるのですね。取り過ぎかもしれませんが、本来は両方が連携をとって協働していくと書いてほしいですね。調整より、もっと踏み込んで。医療サービスと介護サービスは在宅者にとって不可分だからです。
最後、在宅医療について書くのでしたら、訪問診療だけでは在宅医療はできないです。当然、歯科、薬剤師、栄養、看護等々のチームで対応するのであって、訪問診療というと、診療所のドクターだけが対応するように読めるので、全体に書き方としては、「在宅医療等」とか書かないと、おっしゃりたいことはわかるのだけれども、地域包括ケアで広く目指していることに比べるとよろしくない書き方であると感じましたので、事務局のお答えを期待します。
○遠藤座長 ありがとうございます。事務局、コメントをお願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
今、御指摘いただきました、訪問診療だけでなくて、訪問診療以外のサービスということも当然必要と考えておりまして、そこは今後表現の適正化ということで、「等」といったような用語を適切に追加させていただければと思っております。
また2点目になりますが、「調整」という表現の適正化というところは、後ほど資料3でも御説明いたしますが、調整的な要素がある部分と、それ以外にまさに協働でやっていく部分ということはあろうかと思いますので、そこにつきましても表現の適正化を考えていきたいと思っております。
○遠藤座長 適切な添削をどうもありがとうございます。ほかにございますでしょうか。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 同じ4ページの「調整事項」の医療計画と介護事業計画の調整の内容についてなのですけれども、実際にこういう計画をつくるのに協力している中で物すごく問題点があると思うことは、医療計画は県がつくっていて、介護事業計画は事実上市町村がつくっているというところなのですね。県の介護事業計画というのは市町村が出してきた数字を足し合わせてつくるので、では、この市町村が、医療計画、現在、このように医療の世界から介護の世界に行ってもらいましょうということを知っているかといったら全然知らなくて、今それを知らずに、今までどおりの需要に合わせて計画をつくろうとしているわけですね。
すると、まず県から市町村の介護保険のところに、今、例えば医療区分1の7割の人が医療の世界から出ていこうとしているのですけれどもということを言ってもらって、でも、市町村は二次医療圏単位で出ていく数はわかるのですけれども、自分の市町村が一体どれぐらい出てくるのかというのがわからないのですね。わからないから、わからないままつくると、今までどおりつくってしまって、足し合わせると十分足りますとかいう話になってしまうのですね。
だから、今のまま進めていくと、各市町村が今これの趣旨を十分に理解をしてもらえずにすると、やはり全て在宅で訪問診療で診てもらうしかないですという話になってしまいますので、そこら辺の議論の進め方をぜひもうちょっと丁寧に書いてもらって、市町村単位で医療需給から見込まれる介護需要を考えてもらって、その上で足し合わせた数字も合っているかどうかということを確認してもらうということを段取りとして書いてもらう必要があると思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。これについて、事務局、何かコメントございますか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
今村構成員から御指摘あった内容を資料3で、次の議題として整理させていただいておりますので、後ほど御説明させていただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。それでは、次のときにまたぜひ御議論いただきたいと思います。
市川構成員、どうぞ。
○市川構成員 若干今村先生の御意見と似ているのですけれども、3ページですかね。四角の中の○の2番目のところで、「また、地域医療構想調整会議の枠組を活用し、同会議の下に関係者によるワーキンググループ形式で設置する等」ということで、調整会議の下に介護部門、医療部門でワーキンググループをつくるという理解でよろしいのでしょうか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
調整会議の下につくってやってもいいですよという趣旨で書かせていただいております。
○市川構成員 ですから、構成員の内容としては介護と医療がそれぞれ入ってくると。
○木下課長補佐 当然ながら、医療と介護の協議の場でございますので、それぞれの関係者が入っていただくことを想定しております。
○市川構成員 それはそれでいいと思うのですけれども、そもそも調整会議自身は医療の、特に病床等に関する部分が非常に多いものですから、この下の後半は在宅を念頭に置いているということで、在宅で特化したワーキング、しかもそれに医療でなくて介護の方が入ってきたときに、組み立てとして果たして調整会議の意味合いというものがどうなってくるかということをどのようにお考えか、ちょっとお教えいただければということであります。
○遠藤座長 では、事務局お願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
協議の場の位置づけとしまして、○の1つ目に書いておりますように、それぞれ最終的な決定と医療計画の中でどうしていくのか、もしくは介護の計画をどこでやっていくのかということにつきましては、医療であれば医療審議会が最終的な決定の場であろうと考えておりますので、その前段階として医療と介護の関係者の方々に入っていただいたような場で、どのように今後やっていくのかということをやっていただく場と想定しています。ですので、調整会議の枠組を利用するということにつきましては、あくまで地域ごとで、実際に会議をやるときに会議体が複数もあって大変だということもあろうかと思いますので、運用上このような形でやるということも地域の特性で地域ごとに決めてもいいですよということの趣旨で書いているところでございます。
○遠藤座長 市川構成員。
○市川構成員 よくわかりましたけれども、大丈夫だと思いますけれども、やはり調整会議は医療のみの部分ですので、それに介護を持つというのはちょっと話が違うのではないかなと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 御意見として承りました。
加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 今のところの議論は、この後のところで多分議論になるかと思いますが、在宅への移行等のところでは、我々医療関係者、例えば私どものような医療法人協会であれば、施設の中でそのような在宅や介護を担っているところもありますので、しっかりと議論はできるかなとは思うのです。そういう面で、少し確認なのですが、この協議の場はいわゆる行政間だけでなくて、今の話ですと、医療と介護からも出してくるという形でよろしいのですか。
それの確認と、協議の場という言葉が何回も色々なところで出ますので、1つは調整会議という形になったのかもしれませんけれども、ここで出ている協議の場も正式名を決められたほうが、つまり、迷わずに、内容がもっとわかる名称で決めていただいたほうがいいかなと思いますが、どうでしょうか。
○遠藤座長 いかがでしょうか。2つの御意見でしたけれども、コメントお願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
構成メンバーにつきましては、○の1つ目の後ろに書いてありますように、有識者の方を交えてやる場という位置づけにさせていただきたいと思っております。また名称につきましては、なかなかいい名称がまだ浮かんでないところですけれども、区別ができるように、医療と介護の協議の場につきましても何らかの名称を考えていきたいと思っております。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
西澤構成員、それから野原構成員の順番でお願いします。
○西澤構成員 今回の提案に関しては全面的に賛成です。というよりも、医療と介護がうまく連携できない、それから、都道府県と市町村がうまくやってないというのは前からあった問題で、いまだに解決してないということで、これは行政の問題だと思います。行政がしっかりしてくれないとそのあおりは全部我々現場に来ているということで、協議の場をつくるのは賛成です。更にもっと踏み込んで、医療と介護が都道府県においても市町村においても壁がないような組織をつくってもらいたいし、都道府県と市町村の間の壁もなくしていただきたい。もっと強く言えば、国と都道府県との壁もなくしていただきたいと思います。せっかく国のほうでは医療、介護の連携施策の課をつくって、今までの老健局と医政局と保険局と、すぐにやっていこうとしているので、これをぜひ都道府県、市町村まで広げていただければと思います。このようなことでいつもあおりを受けるのは我々現場ですので、ぜひ行政改革、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、野原構成員、どうぞ。
○野原構成員 4ページでございますけれども、医療計画と介護保険事業計画の整合の必要性は十分に承知しております。今村構成員からも御指摘があったとおり、一方で、例えば医療計画の在宅医療の整備目標と介護保険事業計画の介護の見込み量といいますのは、その性格や位置づけというのは若干異なっておりますので、その点、十分留意して調整する必要があると考えております。そのため、協議の場につきましては、介護保険事業計画の策定者でもあり保険者でもある市町村からの意見を十分に聞いて設定していただければと考えております。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
櫻木構成員、どうぞ。
○櫻木構成員 ここで御説明になったのは医療と介護ということですけれども、30年度は医療計画と障害福祉計画もやはり立てられるということで、そこのいわゆる整合性というか、それについては今後ここで整理されるのでしょうか。
○遠藤座長 では事務局、お答えできるかどうかわかりませんが、どうぞお願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
その整合性をとるべきサービスとして障害福祉計画も入っておりますので、その中でサービス量として、今回の医療計画の中でも特に精神医療につきましては医療でやっている部分と障害福祉計画でやっている部分との整合性をとるということが盛り込まれておりますので、その中で含まれていくと理解しております。
○遠藤座長 よろしいですか。
ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、3番目が少し議論が必要な内容かもしれませんので、3番目の議題に移らせていただきたいと思います。議題の3番目は在宅医療等の新たなサービス必要量に関する考え方の整理ということで、事務局から資料が出されておりますので、説明をお願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
資料3を御用意ください。「在宅医療等の新たなサービス必要量に関する考え方の整理」という資料をまとめさせていただいております。ただいま、資料2で御議論いただきました医療と介護の協議の場におきまして具体的にどういう話が盛り込まれてくるのかという際の一つの要素としまして、このサービス必要量というものがあろうかと思っておりまして、こちらの資料を用意させていただいております。
まず1ページ目をお開きください。先ほども御提示いたしました総合確保法におきます基本的な方針の抜粋になります。その最下段にございます「3 基礎データ、サービス必要量等の推計における整合性の確保」というところがこの資料の主題になっております。
2行目のところから御説明いたしますが、今後の在宅医療・介護を利用する者の推計について、整合性を確保する必要がある。特にですが、病床の機能分化・連携に伴い生じる在宅医療等の新たなサービス必要量に関する整合性の確保が重要。市町村が作成する計画と都道府県がつくる医療計画における在宅医療の整備目標とを整合的なものとして整備していく必要があるということがとりまとめられているところでございます。
具体的に次以降、2ページから進めてまいりますが、この在宅医療等の新たなサービス必要量というのはどの部分になるかということをまず整理させていただければと思っております。上のほうのグラフでございますように、【現状】といたしまして、療養病床で対応していただいています医療区分1の7割の方、さらには地域差解消を今後行っていく場合に生じる方、さらには一般病床の中のC3の基準未満の患者さんにつきましては、今後、入院外での対応も可能な方ということが一定の仮定をもとに推計が行われているところでございまして、ボリューム感といたしましては、その一定の仮定を置いておりますが、そこにありますように、赤で囲っております29.7万人から33.7万人程度、おおよそ30万人程度、ここにボリュームがあるということになります。このボリュームにつきまして今後どうしていくのかという議論になります。
3ページをお開きください。今申しました3つの構成要素につきまして少し詳しく書いているところでございます。現行の一般病床にいる患者さんのうちのC3未満、いわゆる医療資源投入量でいうところの175点未満の方が一つの要素になります。それ以外に、療養病床の中で言いますと、療養病床の医療区分1の7割相当の方、さらには療養病床の入院受療率の地域差を解消することによって生じる在宅医療で対応が必要な方といったこの3つの要素について今後どのように見込んでいくのかということを今後御議論いただきたいと考えております。
また、4ページにつきましては、今、御説明しました3つの要素以外に、在宅医療に関しましては、今後ふえていく需要、また医療計画の中の整備目標を見込む必要がございますが、今回につきましては、今、資料3ページで御説明した3つの部分についての整理をお願いしたいと思っております。
5ページに全体的なイメージをおつけしていますので、ここでまずイメージの共有をお願いできればと思っております。どの部分で整合的な目標、もしくは見込み量を設定するのかということになりますが、一番上にございますように、計画期間といたしましては、医療計画が6年、介護の計画が3年×2というサイクルになっております。地域医療構想のおしりとしましては、平成37年、2025年がここに設定されているところでございまして、この2025年に向けまして、この在宅医療等の新たなサービス必要量、以降、30万人と言わせていただきますが、こういった形でどう見込んでいくのかということの整理が必要かと思っております。
その中で医療での対応部分と介護での対応部分というのが大きく要素として分かれているかと思います。先に医療の対応部分の御説明をいたしますと、こういった新たに生じるサービスをどこで受けとめるのかという要素としましては、大きくは外来で受けとめるのか、もしくは訪問診療等におきます在宅医療で受けとめるのかというところがあろうかと思います。
一方、介護のサービスで見ますと、訪問医療、在宅医療で重複する部分としましては、介護におきます居宅サービス、さらには施設サービス、今後、医療療養、もしくは介護療養からの転換が見込まれる部分、こういった要素で介護のほうで対応するものが想定されまして、このトータルとして、いわゆる30万人に相当する部分のサービス必要量をどう受けとめていくのかということが課題になろうかと思います。
6ページをお開きいただきますと、今お示ししました医療と介護のサービス量を計画の中に落とし込むということであれば、介護の3年サイクルの計画期間、第7期であります30年、31年、32年という枠の中に、今申しました要素を入れる必要がありますし、次の第8期の中にも今の要素を入れていくということが必要になってくるかと思います。
それをイメージ図としてつけていますのが下半分になりますが、現行の病床で対応している医療需要につきまして、それを年次計画の中で徐々に移していくことによって、2025年の病床の必要量と新たなサービスの必要量ということで整合性を持ってはめていく必要があると思っております。
いずれも、これにつきましては、基本は構想区域ごとの医療ニーズというものに合わせて積み上げていく形になろうかと思っております。
7ページへお進みください。これらの新たなサービスの必要量を推計していく、もしくは見込んでいくという作業におきまして、今、基本的な考え方としてあることを整理させていただいております。
現行の今回の地域医療構想を策定する際に用いたデータといたしましては、平成25年のレセプトデータをもとに将来の人口構成の変化を反映させた推計となっているので、あくまで現行の医療提供体制でありますとか疾病構造、患者の受療動向を前提としたデータで構築がされているところでございます。
一方で、今後の在宅医療等の新たなサービス必要量の見込みに当たりましては、今わかるデータとしましては、現在の医療提供体制を踏まえるという観点からしますと、退院する患者さんの状態がどうなっているのか、退院後にどのような医療・介護サービスを使っているのかという、あくまでも現行の医療提供体制を踏まえた分析と、一方で次の将来の医療提供体制を今後構築していくという観点からは、将来こういったサービスがどうなっていくのかということも見据えつつ考えていく必要があろうかという2つの視点をまず整理させていただいております。
8ページ以降、今申しました一般病床から来るサービス量と療養病床から来るサービス量の大きく2つに分けて整理させていただいております。まず8ページから、一般病床から来るサービスの必要量についての御説明になります。
9ページにお進みください。9ページは、一般病床における退院する患者さんの状況についてまず整理しております。平成26年の患者調査のデータに基づきまして資料を整理しておりますが、まず一般病床から退院する患者さんの行方ということにおきましては、8割の方が通院を退院後されておりまして、在宅医療もしくは施設を利用されている方は非常に割合として少なくなっているところでございます。
また、これらの患者さんの構成といたしましては、右にありますように、半分以上が65歳以上の高齢の方が占めておりますし、また、後ほど御説明いたしますが、平均在院日数という観点からは15日、16日という非常に短いサイクルでこれらの患者さんが退院されているという状況にございます。これをちょっと頭の中に入れていただきまして、後ほどの療養病床との比較というときにもこの資料を使わせていただきたいと思っております。
10ページにお進みください。入院されている入院患者さんの年次推移というものをおつけしておりますが、こちらにつきましては、現行、高齢化が進んでいるという状況にある一方で、入院患者さんの数は年々減少をたどっているという状況にございます。年齢階級で見ていただきますと、中間にあります35~64歳の年齢層が大きく減少しているところでございますが、65歳以上、高齢化が進んでいる一方で、ここの入院患者数、大きくはふえていないという現状にあることが見て取れるかと思います。
さらには11ページにお進みいただきますと、この入院患者さんが減っている要素の一つといたしましては、ここにありますように、一般病床の平均在院日数が年々減少傾向にありまして、現行16.5日となっております。一方、療養病床につきましても年々減少傾向は認められるところではございますが、現行で158日ということで、平均在院日数に関しましては一般病床と療養病床で大きく様相が異なっているということが見て取れるかと思います。
また、12ページにおきましては、今申しました推計を行ったときの地域医療構想における病床の必要量の算定の関係の整理を再度させていただいておりますが、地域医療構想の将来の医療需要を見込む際には、あくまで現行の2013年度の性・年齢階級別の入院受療率に将来の人口構成を掛けまして、さらには病床稼働率につきましても一定の値を据え置いているという状況ではございますので、四角にありますように、入院受療率、病床稼働率は一定とした上での仮定を置いた推計を行っているという確認をさせていただいているところでございます。
13ページにお進みください。御説明いたしました一般病床から生じる追加的なニーズをどこで受けとめるかということをこちらで整理させていただいております。現行、今お示ししましたように、直近の6年間におきましては、平均在院日数は約1割程度減少しているほか、今後さらに地域医療構想に基づきまして地域ごとの病床機能分化・連携の取組が推進することが進められる必要があろうと考えております。
その結果、一般病床の医療需要がどうなるかといいますと、恐らく今後高齢化がさらに進むということはあろうかと思いますが、一方で、病床機能の分化・連携によって入院外での対応が進むのではないかということが現行の流れから想定されると思っております。
そういうことで、総体として入院の需要が減少することが想定されますし、その受け皿としては入院外の対応が進むということを考えております。
先ほど、一番最初のスライドでお示ししましたように、では入院外、退院された方がどうなっているかということにおきましては、多くの方が外来医療で受けとめられているという状況を踏まえまして、四角の囲みにございますが、一般病床から生じる新たなサービスの必要量につきましては、原則、外来医療で対応するということで見込んではどうかと考えております。
ここまでが一般病床で生じる医療需要でございます。
14ページは、参考までに今回の基準病床の算定式の平均在院日数の短縮等の考え方をおつけしているところでございます。
16ページにお進みください。16ページ以降は、今度は療養病床から新たに生じます必要量についての考え方の整理を進めているところでございます。先ほど申しました一般病床から退院される方との比較ということで、まずは退院患者さんが療養病床の場合どうなっているのかという資料を16ページにつけております。
こちらも同じく平成26年の患者調査を用いておりますが、医療療養、介護療養それぞれ分けているところでございますが、まず医療療養で見ていただきますと、先ほどは8割が外来という状況でございましたが、医療療養の場合はここで約4割、介護療養の場合は、通院のところは23%、2割強という状況になっております。さらにはピンクのゾーンがございますが、死亡退院される方が相当数いらっしゃるという状況がございます。
ここで1点御留意いただきたいところは、あくまでこれは退院ができた方、退院された方の状況ということで、現に入院されている方の退院時はどうなるのかという点が異なることと、もう一点といたしましては、先ほど申しましたように、平均在院日数という観点で見ますと、一般病床は約2週間程度で患者さんが入れかわっているところでございますが、療養病床に関しましては平均在院日数が約160日程度ということで、入院している患者さんの像というものが根本的に異なっているのではないかということがございます。そういった点を留意いただきながら比較いただく必要があろうと思っております。
17ページにお進みください。これら、今の療養病床で対応いただいている方々が今後入院外に移っていくという観点で見た場合に、現行の入院時点の状況というものは一定程度こういう形でなっているというものを2ページつけております。こちらはこれまでも何度か御紹介させていただいている資料かと思いますが、入院患者さんの医療区分を見ていくとこのような、それぞれの医療療養、20:1、25:1、介護療養という形で大きく異なっているということは御承知いただいていると思います。
さらには、その次の18ページに行きますと、入院されている患者さんの要介護度につきましても、ここにあるように大きく異なっているというところもございますし、医療療養で入院されている方について言いますと、未申請、もしくは申請中という方が一定程度いらっしゃるということで、こういった方々が今後、医療療養、介護療養から外の入院外での対応ということになった場合には、どういう医療サービス、介護サービスが必要かということについては現時点においてなかなか十分な精査等ができている状況ではないということになります。
19ページ以降、ではそういう方々をどういうサービス形態で支えていくのか、受け皿として考えていくのかということにつきましては、あくまで現行のサービス形態、サービス類型をもとに現状をお示ししているのがこのページになっております。
さらには、20ページ以降でございますが、年末に特別部会で意見のとりまとめがされたところではございますが、現在、療養病床のあり方に関しましては、新たな施設類型というものの検討が進められているところで、現行の介護療養病床が果たしている機能に着目しつつ、今、受けている利用者さんは引き続き受けとめることができるような体系ということで新たな類型の検討が進められておりまして、今後こういったものの整備というものもサービス量という観点からは必要だろうと考えているところでございます。
21ページ、22ページにつきまして、その新たな施設類型の説明の資料になりますので、割愛させていただきます。
ここまでの議論をまとめまして、新たなサービスの必要量、どのように考えるかというところをまとめております。まず、療養病床から退院する患者さんにつきましては、先ほどの御説明と重複いたしますが、一般病床と比較した場合に、通院等の外来の割合というものは低く、施設で入所される患者さん、もしくは自宅において在宅医療を必要とする患者さんの割合が当然ながら高くなっているところでございます。
また、療養病床につきましては、先ほども申しましたが、平均在院日数を比べた場合に、当然ながら、長い傾向にあるところでございますが、その長期療養に至っている背景でありますとか医療の必要度、退院後の介護環境といったようなさまざまな要因があって、今、こういった状況にあろうかと思っております。
さらに、新たなサービス量を見込むに当たりましては、需要に加えまして供給という観点からは、新たな施設類型の創設によってどういうことが起こるのかということも視野に入れた検討が必要であろうと考えております。
それをまとめたのが四角の中でございますが、療養病床から在宅医療等の新たなサービスの必要量の受け皿の検討に際しては、入院中の患者さんの状態や退院後の行き先、新たな類型の創設による転換の動向といったものを踏まえる必要があろうと考えているところでございます。
では、実際そのサービス量をどのように考えていくのかというのを次の資料からまた御説明していきたいと思います。
まず、24ページにつきましては、先ほどの再掲になっておりますので、こういった医療サービス、介護サービスの部分をどう見込んでいくのかということが具体的な作業になってまいります。
25ページをお開きください。その整備量、見込み量の関係がどうなるのかを概念的にお示ししているところでございます。一番右を見ていただきますと、2025年の段階におきまして、いわゆる在宅医療等のサービス量としまして、一般病床から来る部分と療養病床から来る部分として30万程度が想定されております。その一番上につきましては、いわゆる一般病床から来る部分につきましては外来というところで受けてはどうかと考えております。残りの医療区分1の7割と地域差解消部分につきましては、受け皿の選択肢として在宅医療等になる部分と介護施設、さらには新類型で受ける部分というものがございまして、横軸の年次の目標で見ていただきますと、介護保険事業計画の3年サイクルに合わせた形で第7期もしくは第8期の中で、こういったものがどのようになるのかということを見込んでいく必要があろうかと思いまして、真ん中に整備目標と書いているところでございます。これが全体的な概念を整理した図になっておりまして、この整備目標をどうしていくのかということになります。
さらには26ページをお開きいただきますと、医療計画の療養病床の算定式におきましても、今後、在宅医療で対応が可能な数につきましては、療養病床の算定式の中から除くということを今回の基準病床数の算定式の見直しの際に御検討いただいたところでございまして、そこに当たる部分というのはどういうところかといいますと、下で書いておりますような第7次の医療計画の中で整備する部分につきましては、今後、他の機能で受け皿の整備が進むということであれば、療養病床の算定式から除くという関係になっているところでございます。
27ページにお進みください。現行、手元にあるデータ等を活用した場合に、こういった量の見込みというものがどの程度できるかというところについて整理させていただいております。今申しましたように、地域医療構想に関しましては、今、各県のほうで作業いただいているデータの中には、当然ながら、構想区域単位のデータしかございませんで、今後の介護の計画をつくる際に必要となる市町村単位のデータというものは今ない状況でございます。今後の在宅医療等の新たなサービスの必要量を見込むに当たりましては、療養病床からどのぐらい来るのか、一般病床から来るのかといった要素の区分けも必要となってくるという状況にございます。
四角の囲みにございますように、介護保険事業計画と整合性のとれた整備目標を検討するに当たっては、これらの構成要素のそれぞれの必要量、さらには市町村別のデータが必要となります。しかしながら、現在の必要量を推計するに当たりましては、詳細に退院の患者さんにどの介護サービスが必要かというようなデータがさらに必要になりますけれども、現時点において分析可能なデータには限界があるというところで、それを今後市町村別のデータに切り分けるということにおきましては、一定の仮定を置いて案分、さらには補正ということを行うしかないのではないかと考えているところでございます。
それをイメージしたのが、下にありますように、一番左の在宅医療等につきましては、一つの固まりで、今、御提供させていただいているものを、まずは構想区域ごと、二次医療圏ごとに切り分けて、さらには市町村ごとに切り分けるという2段階の作業が必要になろうと考えております。
28ページは、それをこのような形になるのかなというものを、数字に意味はないですけれども、イメージ図としておつけしているところで、構想区域ごとに、いわゆる一般病床から来る部分と療養病床から来る部分のボリューム感、さらには訪問診療で受ける部分というものを整理いたしまして、それを市町村ごとに切り分けていくというような作業になろうかと思っております。
訪問診療部分をつけています趣旨といたしましては、一体的に整備が必要なものとしては、訪問診療がどのようになっていくかというのの整備量の設定も必要ということで、こういった部分につきましても一体的に推計、さらには市町村のほうで御検討いただく際の数値として提供していければと考えております。
29ページにお進みください。今、御説明いたました医療計画における目標、介護のほうの見込み量の設定のまとめをさせていただいております。第7次の医療計画の計画期間内におきましては、第7期及び第8期の介護保険事業(支援)計画がありまして、それぞれの計画期間、6年と3年の中で整合的な整備目標・見込み量の設定が必要となります。
また、目標の設定に当たりましては、地域医療構想の在宅医療等のサービス量を踏まえ、計画的な目標・見込み量の設定が求められるほか、今後実現するための施策を遂行するに当たって、医療、介護それぞれの主体的な取組によってどのように受け皿の整備が進んでいくのかということも明確にする必要があろうかと思っております。
それらに当たりまして、より実効的な整備計画を立案するに当たりまして、計画における整備目標は、介護の計画期間と同様に、医療の計画の中間年(3年目)で見直しが必要と考えております。
これまで御説明いたしましたように、現行得られるデータ、サービス量といったものにつきましては、一定程度やはり制約がございますので、今後さらに医療計画における中間見直し、さらには介護の8期の計画策定に当たっては、今後、介護サービスの整備により受けとめることとなるサービス量について、より精緻となるような検討を行っていくことも必要であろうと考えているところでございます。
資料3の説明は以上になります。
○遠藤座長 御苦労さまです。
それでは、ただいまの説明につきまして御意見等承れればと思います。
安部構成員、その次、加納構成員でお願いします。
○安部構成員 御説明ありがとうございました。
9ページの資料で意見というか質問でありますが、一般病床で退院した後、通院が8割という整理をされておりますけれども、これは全年齢で8割という整理がされています。
ただ、この資料の中で本来重要なのは、全年齢で8割という数字なのか?例えば65歳以上とか75歳以上の退院患者の行方と全年齢とを比較すれば、多分、大きく傾向が違ってくると思います。そういった意味では、地域で高齢化率が違っていたり、今後高齢化が進むスピードが早い地域などでは、65歳以上、75歳以上の一般病床からの退院患者の行方というのが非常に重要かと思います。データはとれると思いますので、そういう整理もしていただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。事務局、御対応をお願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
御指摘ありがとうございます。恐らく2つ、今の観点で要素があろうかと思っておりまして、年齢が高い方で見たらどうなるのかという方と、一般病床であっても入院期間が長い方というのもある程度いらっしゃるので、そういう方々がいわゆる退院が困難な方ということも想定されますので、どうなるのかというような2つの視点での検討が必要かと思っております。
まず、高齢の方、65歳以上だけとったらどうなるのか、75歳以上だったらどうなるのかということにつきましては、事務局である程度データは持っているところで、次回以降お示しすることもできるのですけれども、当然ながら、通院の方の割合は減るということは見て取れるのですけれども、大幅に減ることもないというところもございます。
また、もう一点の入院期間が長いケースはどうなのかということにおきましても、通院の方の割合は減るという傾向はあるのですけれども、大きくは動かないというところで、全体のボリュームとして見た場合はこういう傾向にあるということは見て取れます。
また、さらに地域ごとの違いということはありますので、都道府県別、構想区域別、さらに市町村別で御検討いただく際には、その点も留意事項としてはお伝えする必要はあろうかと思っております。
○遠藤座長 ただいま口頭でお話しされたようなことをデータとしてもし把握可能であるならば、適当なときにまた会議に出していただきたいと思いますので、御対応をお願いします。
それでは、加納委員、どうぞ。
○加納構成員 1点お聞きしたかったところは同じところなのですが、一旦退院した後で通院になるといった形であっても、その年齢層によってすぐにまた色々な施設に入ったりとか、もう一つ、通院イコール外来という形の関連で考えていかれるとどうかと思います。先ほどもちょっとあったのですが、在宅医療というのは訪問診療だけであって、外来医療は在宅でないのかという話です。外来へ来られる方には、家族が連れてこられる方、またヘルパーさんが連れてくる方でかなり重症な方、在宅医療にほぼ近い状態で来られる方も入っていますので、そこの区別をどのように考えるのか、ということをちょっと明確にしなければいけないのかなというのが1点です。
それから、C3未満という考え方なのですけれども、C3未満というのは、今回の急性期に入っていらっしゃる中で175点以下の方という形ですけれども、その方々は退院直前の方であって、どの段階の患者さんでも、最後の退院する直前はそういう状況になるわけなので、その状態をこのように数字で必要量の中に入れるべきなのかどうかということはちょっと疑問に思うのですが、どうでしょうか。
○遠藤座長 これは事務局のコメントが求められていますね。
それでは、事務局、お願いいたします。
○木下課長補佐 1点目については、今お示ししている資料の9ページでございますけれども、この中で通院の割合が8割で、在宅医療が必要な方につきましては、左にございますように、0.8%ということで分けては提示させていただいておりますが、ヘルパーさんが連れて外来に来ている方をどう見込むのかという、そこまではこの資料からは読み取れないというところで、一定程度、調査の限界はあろうかと思っております。
2点目の御質問、御趣旨がちょっとまだ。
○加納構成員 2点目はC3未満の考え方ですけれども、C3未満というのはあくまで、今、急性期にいらっしゃる方の退院直前の方の医療需要だと思うのですが、これをもって外来というカテゴリーへ全て組み込んでしまって、そういう考え方でストーリー的には合っているのかどうか、私はちょっと疑問かなと思ったのですが、どうでしょうか。
○遠藤座長 事務局、よろしいですか。
○木下課長補佐 今回の地域医療構想の推計の際のC3未満の考え方、退院直前ということではなくて、あくまで推計上、医療需要の少ない方ということで、退院直前に限らず、175点未満の方のボリュームを推計しているということでございます。恐らくそういう方が出現するところというのは、退院直前ということも想定されますし、場合によっては、入院中で、例えば土・日のようなケースもあろうかと思いますが、その精査が十分できていないというところではございます。個々の患者の状態がどうなっているか、どういう入院像、もしくはどういう医療需要かということは精査できてないのですけれども、一般病床から退院される方の行き先としましては、今、9ページでお示ししているように、多くは外来の方、要は、退院した後にいきなり介護ニーズが生じることはないであろうということをこのデータから類推することで、多くは外来で受けてはどうかという御提案をさせていただいているところでございます。
○遠藤座長 加納構成員、いかがでしょう。
○加納構成員 わかるようなわからないところが少しあるお話ですけれども、それと、外来へ行かれても、先ほどの年齢層によっては、64歳以下は43%で、その方々はほとんどまた通院もなくなってしまうというパターンがあるかなと思われます。そういうことで、数字についてはもう一度、年齢的な分析、先ほど座長がおっしゃっていただいたように、必要かなと思っております。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
それでは、まず、野原構成員、西澤構成員の順でお願いします。
○野原構成員 今、加納構成員がお話しになった内容と重なるかと思いますけれども、資料9ページの部分で、一般病床の退院患者の状況を根拠にC3未満の患者さんの医療需要としておりますけれども、その妥当性につきまして、なかなか技術的に難しいのかなとは思いますが、いわゆるC3未満の患者さんの病態像でありますとか年齢構成、退院後の状況などもお示しして説明いただけると少し説得力があるのかなと思われますので御検討いただければと考えております。
また、質問になりますけれども、25ページに次期医療計画と介護保険事業計画の整備量等の関係について、そして26ページには在宅医療等対応可能数を示しておりますが、例えば33年度、36年度に向けて、この両数字、このボリューム感、どの程度なのか、もし推計されているのであればお示しいただければと思います。
○遠藤座長 それでは、前半はC3の詳細についての検討の要望ということでありますので、対応できることについてはお願いしたいと思いますので、後半の質問について、いかがでしょうか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
今、ボリューム感という御質問をいただいたところでございます。25ページの資料に基づいて御説明させていただきますと、中間年のボリューム感、やり方も含めて今後検討が必要かと思っているところでございますが、一番右端のいわゆる在宅医療等の受け皿の30万人のところで、上の部分のC3未満と下の部分の医療区分1の7割等々の部分でどのようなボリューム感を考えているかということで、一定の仮定を置いて推計する必要はあろうかと思っておりますが、今の一般病床で受け入れている患者さんが2025年まで、現行と同じぐらいのボリュームで減っていくといった場合には、このC3未満、いわゆる外来で対応が必要なボリュームとしてはおおよそ10万人程度になるのではないかという一定の推計は持っているところでございます。
ですので、差し引きということで、下の部分、医療区分1の70%と地域差解消部分に相当する部分がおおよそ20万人程度ではないかという推計の試算を持っているところでございます。
○遠藤座長 野原委員、よろしいですか。
では、西澤構成員、お待たせしました。
○西澤構成員 2つ質問と1つは意見ですが、質問のほうは、例えば16ページの図ですが、通院(家庭)、在宅医療(家庭)、それから枠の中、その他(家庭)、あえて(家庭)と入っているのはどういう意味なのでしょうか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○木下課長補佐 患者調査の表記を用いているので、その中身は詳細にわからないのですけれども、施設ではなくて御自宅という趣旨で(家庭)という表現を使っているのではないかと類推するのですけれども、もし詳細にわかりましたら、次回以降、改めて御報告させていただければと思います。
○遠藤座長 そうですね。それでは、対応は次回お願いします。
西澤構成員、どうぞ。
○西澤構成員 わかりました。逆に(家庭)を削ったほうがわかりやすいと思います。意見です。
それともう一つは、5ページの真ん中の赤ですが、2025年の云々のところ、構想区域(市町村)と書いています。構想区域と市町村は違うと思います。それから、その下の6ページは構想区域(二次医療圏)と書いています。これは非常に誤解を受けるので、この表現は変えていただきたい。恐らく構想区域の中での市町村単位でという意味だと思いますが、そのあたりはわかりやすく書いたほうがいいと思います。
それからもう一つ、13ページですが、サービス必要量、「一般病床から在宅医療等で対応する新たなサービス必要量については、基本的には、外来医療により対応するものとして見込む」。これはさらっと読んで、きょうは詳しく説明を聞いているのでわかるのですが、こういう資料が出たときに、ここだけ見ると非常にわかりづらいので、もう少し説明を加え、わかりやすい表現にしていただいたらありがたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。御要望として承ればよろしいですね。
○西澤構成員 はい。
○遠藤座長 では、事務局、必要な対応をお願いいたします。
それでは、市川構成員、それから今村構成員の順でお願いします。
○市川構成員 要望ということでは、3ページのところで、在宅医療に移行する3つの要素が下の表に書いてあると思うのですけれども、C3の基準に関しては、今、先生方から、どういうものだという話が出たのですけれども、あと残りの医療区分1の70%と入院受療率と地域差の解消、ここの部分がどのような要素、要因で在宅に持っていこうかというところが、今まで、もうこれは当たり前のことというふうに流れは来ておったのですけれども、こういう理由だとかこのような要素だとかこのような要因で行うということをきちっと一度お話し、きょうでなくても結構ですが、していただければと思います。
○遠藤座長 地域医療構想ガイドラインをつくるときにこういう議論をしたわけですけれども、日を改めてで結構ですか。
では、改めてまた説明をお願いしたいと思います。
では、今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 この推計方法、非常にきれいにおさまっているので、これ自身には異存はないのですけれども、現実に起こる問題として、死亡の患者さんを、亡くなる患者さんをどこで受け入れると考えているかということは、もし今整理できていれば教えてもらいたいし、今後整理してもらいたい。これは単純に読んだら、例えばC3の部分は平均在院日数がどんどん短くなっていくだろうから、そこで死亡の人はあいたところで面倒見ますよとも読めるわけですね。
でも、現実に、今、120万人亡くなっていて、恐らく170万人にふえる50万人をどこで吸収するのですかといったときに、そういうところで本当に受け切れるのですかということや、今、市川構成員から御説明いただいた地域差の解消という部分でも、その部分は非常に大きな問題になるはずなのですね。だから、死亡患者さんをどう受け入れるかということは、今後この制度の先としてぜひ御検討いただきたいし、今、検討している内容があったらぜひ御教示をいただければと思います。
○遠藤座長 事務局、何かコメントございますか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
貴重な御指摘ありがとうございます。そもそもボリューム感として言いますと、一般病床で死亡退院される方は5%程度、先ほど10万人程度と全体ボリュームを申しましたが、5,000人程度になろうかと思っております。一方で、療養病床につきましては、やはり相当数のボリュームがございますので、その方をどう今後受けとめていくのか、またさらに在宅医療のニーズが増えるのに伴って生じる受け皿の整備ということもございますので、そこにつきましては引き続き課題として対応させていただきたいと思います。
○遠藤座長 ではよろしくお願いいたします。
ほかにいかがでしょう。
田中構成員、どうぞ。
○田中構成員 先ほど西澤構成員が言われた退院先(家庭)は私も違和感があります。グループホームであれ、サ高住であれ、有料老人ホームであれ、特定施設であれ、ここに入りますので、家庭という何かソフトな、温かい場所をイメージさせすぎです。したがって、家庭という言葉はここにはふさわしくない。同感であります。
質問は、24ページ、これの小さい形の図はほかのページにもありましたが、24ページの図の読み方がよくわかりません。横軸が、上には年度が書いてありますね。それから、青い点々で下に来ている。しかし、下は年度とは関係ないですね。37年度に外来がふえるわけではない。そうすると、上下は関係ないと思いますが、この横軸は何なのでしょう。オレンジのところと緑のところの横軸の関係がわかりません。何かこれは対応性があるのでしょうか。例えば外来受診の方は居宅サービスを受けてないのでしょうか。そんなことはないですね。退院した方は、自宅で、通院しながら訪問介護や通所介護を使っていらっしゃる方、幾らでもおられます。外来受診の人は居宅サービスを使ってないと示す図になっています。この点々がつないでいるものだから。この横軸は何なのでしょう。
○遠藤座長 では事務局、コメントをお願いします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
御指摘の部分ですが、正直申しまして、一枚の絵で説明しようとすると限界も多少ございまして。ちょっと25ページを見ていただきますと、今、田中先生から御指摘いただきました、当然、外来の人とか在宅医療の中にも介護サービスを受ける人がいるということは御指摘のとおりで、25ページでいきますと、左の※で書かせてはいただいているのですけれども、この部分が24枚目に十分反映できてないという御指摘かと思います。
また、その横軸との関係はどうなのかというところも、医療と介護のサービス量として分けるとこういう24枚目になるし、ボリューム感をどう見込んでいくのかということにしますと、25枚目くらいに、将来の2025年に向けて今後ふやしていくボリュームとしてこうふえていくと。これはあくまで直線的に引いていますけれども、このようになるわけでもないですし、地域ごとの整備ということにおきましてはでこぼこしてくることも想定されるのですけれども、正直申しまして、それぞれの概念図として事務局なりに工夫した限界というところはございますが、さらなる改善と工夫ができるかについては頑張っていきたいと思います。
○田中構成員 限界を打破してください。
○遠藤座長 それでは、相澤構成員、どうぞ。
○相澤構成員 臨床現場としては、9ページの「一般病床における退院先等の状況」というのは非常に違和感があります。なぜかといいますと、これは厚生労働省の患者調査でも10歳刻みで統計が出ているのですが、それを分析しますと、74歳未満の方々と75歳以上の方ではもう明らかに退院をしていく率が違います。その理由は、やはり生活障害が御高齢者には多く起こるからです。
2025年の一番の問題は、75歳以上の方がふえるということではないかと思います。日本全国ではありませんが、日本全体をマクロに見た場合はふえてくるわけです。この75歳以上の方を分析しますと、やはり生活障害を負ってしまう。生活障害を負ってしまうと、どうしても家で見られない。今、核家族化で見られないという事態が非常に強く起こっています。これが恐らく2025年の大きな問題で、この年齢区分を考慮せずに退院先で見てしまうと、私は、大きな誤りをするのではないかなあとちょっと心配をしております。
25ページに将来の必要量の見込みがありますが、恐らく、私はこれ以上にふえるのではないかと心配しているところなので、少しきめ細かに年齢を分けて見ていただくことと、非常に難しいかもしれませんが、生活障害イコール介護度とすれば、介護度もやはり加えながら見ていただくことがすごく大事ではないかなと考えておりますので、ぜひよろしくお願いできればと思っております。
意見です。
○遠藤座長 ありがとうございます。先ほども年齢に関しての検討について事務局に対応をお願いしたところでありますので、同様の御意見だと思いますが、事務局、何か御意見ありますか。
よろしゅうございますね。
では、よろしくお願いします。ほかにございますか。
○齋藤構成員 9ページの図と、7ページに記載されていることで質問です。退院後ほぼ通院されているということはわかるのですけれども、この7ページの四角囲みの、現在の医療提供体制を踏まえ、退院する患者さんの状態がどうなっているのかとか、あるいはどんなサービスがその退院後に入っているのかということは、今の段階でも全くデータはないのでしょうか。
○遠藤座長 事務局、コメントありますか。
○木下課長補佐 現行で、全くないというか、このような議論にたえ得るデータとしてなかなか御提供できるものがないかなと思っているところでございます。当然ながら、まさに退院時においてどういう行き先ですかというところまで聞けるのですけれども、その後、退院後にどういうサービスを使っていますかというところはなかなか現行で議論にたえ得るデータというのは持ち合わせないというところでございます。さらに2カ月後、3カ月後どうなっているのかということにつきましてはもっとさらにないという状況でございます。
○遠藤座長 齋藤構成員、どうぞ。
○齋藤構成員 新たに生じてくる医療機能分化、病床機能分化の状況で新たに在宅医療で受けとめなければいけないというのは30万人前後くらいということは、計算上はわかるのですけれども、こういったデータを使いながら、今度は介護保険サービスがどのぐらい需要が出てくるのかということもあわせて考えていくことになりますと、通院の方で、先ほど他の委員の方からも御指摘があったように、介護サービスがどの程度入ってくるのか、あるいは、このほかに訪問診療の自然増というのが当然出てまいりますので、そのあたりも含めて介護保険でのサービスはどこまでどう受けとめるのか、医療ではどうするのかが検討されなければいけないと思います。資料2の議題にも言及させていただきますが、市町村と都道府県の関係者がそれぞれの市、町にどんなことが起こってくるのかを想定した上で、在宅医療の計画や介護保険の事業計画等々を立てていかないと、結局困るのは、介護保険を利用するであろう、あるいは通院する高齢者等の住民の方々がサービスを使いたくてもサービスがないということがあってはいけない。確かにデータがないことは今わかりましたけれども、例えばいろんな事業所のヒアリング等々も踏まえて、利用者さんが困らないようなサービス計画をきちっとつくっていくことが必要なのではないかなと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見として承りました。ほかにいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、本日用意いたしました3つの議題は以上でございますけれども、全体を通してもし何かあればお伺いいたしますが。
よろしゅうございますか。
それでは、本日の議論はこれまでにさせていただきたいと思います。
最後に、事務局から何かありますか。
○原澤課長補佐 次回第10回「医療計画の見直し等に関する検討会」に関しましては、詳細が決まり次第御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、本日はこれまでとさせていただきたいと思います。本日は朝早くから、大変お忙しいところ、どうもありがとうございました。
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