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2016年12月15日 第5回 理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会 議事録

医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全部 生活衛生課

○日時

平成28年12月15日(木)10:00~12:00


○場所

厚生労働省19階共用第8会議室


○議題

1.意見の取りまとめについて
2.その他

○議事

○吉岡課長補佐 湯田先生が遅れて来られるようですが、定刻になりましたので、ただいまから「第5回理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会」を開催いたします。構成員の先生方におかれましては、大変御多用のところ御出席を頂き、誠にありがとうございます。本日、遠藤構成員は御欠席です。また、当部の部長と長田企画情報課長については、他の会議に出席しており少し長引いているということで、途中から出席をさせていただくという連絡がありましたので、御承知おきいただければと思います。
 本日の検討会の議事、資料については、ともに公開となっておりますので、よろしくお願いいたします。冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの方は御退室をお願いいたします。
 それでは、資料の確認をお願いいたします。議事次第、座席表、構成員名簿、資料1「規制改革実施計画」を踏まえた理容師・美容師の養成のあり方について報告書(案)です。また、これまで同様に参考資料として紙のファイルを置いておりますので、適宜御参照いただければと存じます。不足等ありましたら、事務局までお知らせいただければと存じます。よろしいでしょうか。
 それでは、以降の議事進行については原田座長にお願いしたいと思います。原田先生、本日はよろしくお願いいたします。
○原田座長 本日も、12月の一番お忙しいときにお集まりいただきまして、本当にどうもありがとうございます。前回に引き続き大変恐縮ですが、議事進行役をさせていただきます。
 本日は、本検討会でこれまで議論並びに検討を重ねてまいりました「理容師・美容師の養成のあり方」について、本検討会としての報告書を取りまとめたいと思っておりますので、何とぞ御協力のほどよろしくお願いいたします。
 まず事務局から、これまでの皆様の御意見等を基にして報告書(案)を準備していただいておりますので、それを読み上げていただき、その後御議論いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○事務局 「規制改革実施計画」を踏まえた「理容師・美容師の養成のあり方について」報告書(案)。
第一 はじめに
理美容サービスは、国民生活に欠かせないものの一つであるとともに、その時代に応じたサービスの提供が求められる。我が国においては、理容師法もしくは美容師法に基づいて業を営む必要があるとされているが、昨今、その規制が事業者や就業者の利益又は利用者の利便性に合っていないという声が政府への要望として寄せられた。このことについて「規制改革会議」において規制の内容やその必要性が議論され、今後取り組むべき規制改革項目の一つとして「理美容サービスの利用者ニーズに応える規制の見直し」が挙げられ、平成27年(2015年)6月16日に「規制改革に関する第3次答申」がとりまとめられた。この答申を受けて、同年6月30日に「規制改革実施計画」が閣議決定されたところである。(規制改革実施計画の抜粋は別紙1参照)
具体的には、「理容師又は美容師のいずれか一方の資格を持った者が他方の資格を取得しやすくする」こと及び「国家試験及び養成施設の教育内容について、現場のニーズにより即した理容師・美容師を養成する」ことの2点については、検討の場を設けて検討を行い、結論を得た上で所要の措置を講ずることが求められた。
この「規制改革実施計画」を踏まえ、厚生労働省は、本検討会「理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会」(座長:原田一郎・東海大学・早稲田大学・中央学院大学 講師、検討会委員は別紙2参照)を平成27年(2015年)11月に立ち上げ、本年12月までの間、検討を重ねてきた。今般、その結果を取りまとめたので、これを報告書として公表する。
第二 理容師・美容師に係る制度の概要。
1.理容師・美容師制度の概要について
(1)理容師・美容師の資格
理容師・美容師は、理容師法(昭和22年法律第234号)、美容師法(昭和32年法律第163号)に基づく業務独占の国家資格であり、理容や美容を業として行うために不可欠な資格である。理容師・美容師が行う業務については、理容とは「頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えること」とされ、美容とは「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされている。(図1参照)
(2)理容師・美容師の資格取得の流れ
理容師・美容師免許は、理容師法(昭和22年法律第234号)、美容師法(昭和32年法律第163号)に基づく国家資格であり、免許を取得するためには、高校を卒業後、都道府県知事が指定した理容師養成施設・美容師養成施設で必要な学科や実習を修了後、国家試験に合格しなければならない。(図2参照)
なお、免許証については、国家試験合格者が申請を行うことにより、理容師名簿、美容師名簿に免許に関する事項が登録され、交付される。
(3)理容師・美容師の国家試験
理容師試験及び美容師試験については、それぞれ都道府県知事の指定する養成施設において、厚生労働省令で定める期間(昼間課程・夜間課程:2年、通信課程:3年)以上理容師又は美容師に必要な知識及び技能を修得しなければ受けることができないこととされている。
なお、試験については、筆記試験及び実技試験の2つに分かれており、筆記試験及び実技試験の両方に合格しなければならない。(図3参照)
なお、国家試験の試験事務については、理容師法第4条の2及び美容師法第4条の2の規定に基づき、厚生労働大臣の指定する者(指定試験機関)に行わせることができることとされており、現在、平成12年4月3日付で指定した「公益財団法人理容師美容師試験研修センター」が実施している。
第三 理容師・美容師にかかる制度の見直しの方向性
理容師・美容師にかかる制度の見直しに当たっては、本検討会の検討課題である丸1理容師又は美容師のいずれか一方の資格を持った者が他方の資格を取得しやすくすること及び丸2国家試験及び養成施設の教育内容について現場のニーズにより即した理容師・美容師を養成することの2点についての議論・検討を行うため、次の5つの項目に分けて議論を進めることとした。
(検討項目)
1.理容師・美容師の養成のあり方に関する基本的な考え方について
2.養成施設における教科課程について
 3.理容師又は美容師のいずれか一方の資格を持った者が他方の資格を取得しやすくするための養成課程のあり方について
 4.国家試験の内容等について
 5.その他
 各項目にごとの検討結果については、次のとおり。
1.理容師・美容師の養成のあり方に関する基本的な考え方について
高度化かつ多様化する顧客ニーズに応えられる人材を育成することを目的として、養成のあり方を検討することを基本的な考え方とすること。
2.養成施設における教科課程について
教科課程の内容及び範囲のあり方等については、丸1各必修課目の必要性、内容、必要時間(単位数)、丸2実習の内容、必要時間(単位数)、丸3選択必修課目のあり方、丸4編入を容易化するためのカリキュラムのあり方の4点を軸に検討を行い、以下のとおりとした。
・ 全体を通じて、理美容業に特化した内容の重点化を図り、別添1及び別添2のように再編を行うこと。
・ 選択必修課目については、名称を分かりやすくする観点から「選択課目」に名称を変更すること。
・ 選択必修課目のうち、一般教養については、理容業・美容業に必要な接客等実践的な能力を高める内容に重点化すること。
・ 選択必修課目のうち、専門教育については、各養成施設における独自性を尊重しつつ、技術・実践を重視した内容とすること。
・ 必修課目の年次ごとの履修内容の取扱いについては、養成施設の実態を把握し、標準的なガイドラインを示すこと。
・ 通信課程についても昼間課程・夜間課程と整合した履修時間となるよう見直すこと。
3.理容師又は美容師のいずれか一方の資格を持った者が他方の資格を取得 しやすくするための養成課程のあり方について
理容師又は美容師のいずれか一方の資格を持った者が他方の資格を取得しやすくするための養成課程のあり方については、丸1理容、美容の共通課目等の取扱い、丸2実務経験を考慮した実習や選択必修課目の取扱い、丸3養成施設での修業期間の3点を軸に検討を行い、以下のとおりとした。
・ 必修課目のうち、現在、履修免除することとなっていない「運営管理」及び「文化論」について履修を免除すること。(図4参照)
・ 理容技術と美容技術については、一部に共通部分はあるものの異なる技術の習得であるため、「技術理論」については免除しないこと。(図4参照)
・ 選択必修課目(選択課目)については、技術の高度化を図る観点から、全部を免除するのではなく、修業時間の見直し(短縮を含む。)を行うこと。
・ 実習については、類似した部分を免除すること。なお、免除に当たっては、理容師又は美容師のいずれか一方の免許を有することを条件として免除するものであり、実務経験は問わないこと。
・ 修業期間については、1000時間程度短縮することとし、技術理論を120時間、実習を690時間、選択科目210時間の合計1020時間とする。これにより、昼間・夜間の場合は1年、通信課程については、昼夜間課程における取扱いと整合するよう1.5年とすること。(図5参照)
4.国家試験の内容等について
理容師・美容師の国家試験の内容等については、丸1養成課程の見直しに対応した見直し、丸2必修課目と試験課目との関係、丸3理容師又は美容師のいずれか一方の資格を持った者が他方の資格を取得しようとする場合における理容、美容に共通する部分の取扱いの3点を軸に検討を行い、以下のとおりとした。
・ 理容師・美容師の養成課程の見直し後必修課目となる課目すべてを国家試験の出題対象範囲に入れること。(図6参照)
・ 理容師又は美容師のいずれか一方の資格を持った者が他方の資格を取得しようとする場合については、実技試験と筆記試験(技術理論のみ)を行うこととし、試験の効率的実施に留意すること。
5.その他
・ 毛染めやまつ毛エクステンションなどに関しては、理容師・美容師養成課程に既に組み込まれているところではあるが、消費者安全対策上の観点から、必修課目において十分な教育が行われるよう、その充実を図ること。
・ 今回の制度見直しに当たっては、本年度中の措置として必要な制度改正を行うこととなるが、その施行にあたっては、理容師・美容師養成施設における体制整備等に必要な期間等を考慮し、十分な期間を設けること。
第四 むすびに
平成27年(2015年)6月に我が国政府が閣議決定した「規制改革実施計画」においては、「規制改革に関する第3次答申」を踏まえ、また、「『日本再興戦略』改訂2015」(同年6月30日閣議決定)の推進に当たり阻害要因を除去するため、「健康・医療」、「雇用」、「農業」、「投資促進等」及び「地域活性化」を改革の重点分野とするとしている。
このうち、「投資促進等分野」では、規制改革ホットラインなどに寄せられる事業者等の意見を十分に踏まえ、幅広い産業における規制を見直すことが肝要として、「理美容サービスの利用者ニーズに応える規制の見直し」をその中の一つに掲げている。
このような状況を踏まえ、本検討会では、我が国における理容師・美容師に関する規制の状況を確認しつつ、「規制改革実施計画」を踏まえた理容師・美容師の養成のあり方について議論・検討を行った。
理容師法・美容師法は、それぞれの法律において資格を定めるとともに、それぞれの業務が適正に行われるよう規律し、公衆衛生の向上に資することを掲げている。つまりは衛生水準の維持・向上を前提としており、その目的が達成されることを担保しなければならない。
一方で、政府の成長戦略の一環として「規制改革実施計画」が示されたことから、理容師・美容師のあり方の検討に際しては、その内容を尊重しなければならない点にも留意が必要である。
これまでも理容師・美容師の養成制度に関する運営等に関する見直しは、適時適切に行われたところであるが、近年の国民ニーズの多様化や技術の高度化などへ対応できる理容師、美容師を養成することが求められている。
国民の多様なニーズに応えつつ、衛生面、安全面に十分配慮した見直しを行うことは、国民生活に必要不可欠な理容業・美容業全体の振興を図ることとなり、その結果、より一層の国民生活の質の向上を図ることが可能となるものと考える。
厚生労働省においては、本報告に基づき関係制度の見直し、引き続き、制度の適正な実施により、次代の理容師・美容師の人材育成に一層尽力されることを期待する。以上です。
○原田座長 今、読み上げていただきましたが、本日はこの報告書(案)を皆さんに御検討いただき、(案)を取って報告書として取りまとめていきたいと思っておりますので、それぞれの御専門の立場から何か御意見等がありましたら、よろしくお願いいたします。
○吉岡課長補佐 事務局から資料の一部の訂正と補足の説明をさせていただきます。
 まず訂正の部分からです。6ページの中ほど辺りの「各項目にごとの」ということで「に」が余分に入っていますので、これは最終的な報告書の編成の際に削除させていただいて、正しく表記させていただきます。
 補足の説明ですが、読み上げの際は図表の説明を省略させていただいておりますが、こちらに使わせていただいている図1~6と別添1、別添2については、これまで検討会で使用しました資料を適宜必要な加工をして使わせていただいています。
 まず、(図1)については、お手元の紙ファイルにも入れている部分から必要なものを抜粋しております。理容師・美容師のそれぞれの業務の定義、また、業務の独占の規定が設けられていること、理容師・美容師が行う衛生措置について、どういったものがあるのかということ、働く場所である理容所・美容所についての衛生措置がどういったものが必要なのかということ、資格を得るために履修すべき課程の履修課程及び講習内容・講習時間等についても簡単にまとめたものを使わせていただいております。
 3ページの(図2)については、説明文にありますとおり、「理容師・美容師の資格の取得の流れ」ということで、理容師・美容師については、国家資格を取得していただくためには、まず、高校を卒業後、都道府県知事が指定する理容師・美容師養成施設で必要な学科や実習を修了後ということで、図にも、昼間課程(2年以上)、夜間課程(2年以上)、通信課程(3年以上)ということで、現行の流れを書かせていただいており、理容師・美容師試験を受けていただいて、厚生労働大臣の免許を取得するという流れです。
 その後の管理理容師・管理美容師については、参考に入れさせていただいておりますが、将来的には、複数の理容師・美容師が働く理容所・美容所においては「衛生の管理者」ということで責任を持って対応していただく者を置くことになっていますので、そういった資格が将来的にはありますということで資料として入れております。
 4ページです。国家試験に特化した内容ということで(図3)を入れております。「試験を受けるために必要な修業期間」ということについて、先ほど来の図にも書いておりますが、理容所・美容所における規定や、理容師法施行規則における規定を抜粋しております。図の中ほどから下、「試験課目」で施行規則の第十二条ということで、それぞれに必要な筆記試験・実技試験というものがそれぞれ現状の制度として位置付けているものを書いております。最後の枠ですが、「試験の免除」ということで、筆記試験又は実技試験については、両方に合格しないと国家資格を得ることができません。片方合格しない場合がありますので、その際の免除規定があるということでこちらにも入れております。
 5ページは試験機関の指定の根拠を抜粋させていただいておりますので、御参考までということです。
 今回の見直しの方向に当たっての(別添1)(別添2)が8、9ページにありますが、(別添1)については、これまで御検討いただいた中でお示しもさせていただいているところですが、「理容保健・美容保健」については、学習内容を体全体から皮膚や毛髪などの皮膚付属器官や関連する神経等に特化するということで、まとめて「保健」ということで見直しをさせていただくということ。「理容の物理・化学」「美容の物理・化学」については、内容的には香粧品に特化した内容に編成を変えるということと、器具の取扱い等については「技術理論」へ移行するということです。「理容文化論」「美容文化論」については、デザイン・色彩等については、「技術理論」へ移行するということで、教科書は1本化しつつ、それぞれ必要な内容はきちんと書き分けるということで、「文化論」としてまとめていくという方向性です。「技術理論」については、先ほど申し上げた器具の取扱いやデザイン・色彩等に関するものが「技術理論」の中に入ってくるということです。
 9ページは、編成を変えた際の修得する単位ないし時間数ということで見直しをさせていただくということです。まず、「関係法規・制度」については現状どおりということですが、内容的には理美容業務に特化した内容に重点化するということです。「衛生管理」についても、時間数等は変わりませんが、これも理容美容業務に特化した内容に重点化をするということです。
 「理容・美容保健」については、先ほど申し上げたように、学習内容を体全体から皮膚や毛髪などの皮膚付属器官や関連する神経等に特化した内容に見直すということで、この内容の見直しにより、現状の4単位・120時間以上というものが3単位・90時間以上ということで、若干時間数が短くなるということです。
 「理容・美容物理・化学」については「香粧品化学」に名称を変更して、内容についても見直しをするということで、香粧品に特化した内容に見直す。器具等の取扱いについては「技術理論」へ移行しますので、現状3単位・90時間以上ということですが、2単位・60時間以上ということで見直しをさせていただくという内容です。
 「理容・美容文化論」は、デザイン、色彩等について、技術理論へ移行しますので、現状の3単位・90時間以上が2単位・60時間以上ということで短くなるということです。
 「理容・美容運営管理」については、「運営管理」として見直した上で、理美容業務に特化した内容に重点化をするということで、現状の2単位・60時間以上から1単位・30時間以上ということで見直しを行うことになっております。
 繰り返しになりますが、「理容・美容技術理論」については、器具の取扱い、デザイン、色彩等を追加する関係がありますので、現状の4単位・120時間以上から5単位・150時間以上ということで時間数が増えております。
 「理容・美容実習」については、実習内容の充実を図る観点から、現状の27単位・810時間以上から30単位・900時間以上ということで時間数を伸ばすことにしております。
 (選択必修課目)で「選択課目」となる課目については、現状と同じく20単位・600時間以上ということで、内容的には一般教育は接客等の重点化を図るということと、専門教育は技術・実践を重視した内容に見直すということで、内容的な見直しはしますが、時間数は変わらないということです。
 トータルの単位数・時間数については、現状の67単位(2,010時間以上)というものは維持をするということです。
 続いて、10ページの(図4)です。こちらも10ページに文章で書かれている内容を図式化したものですので、内容的には一方の資格を持たれている方が他方の資格を取る場合の養成施設で履修する場合の取扱いについて、現状としては必修課目の中で免除が可能な課目については、「関係法規・制度」「衛生管理」「理容保健・美容保健」「理容・美容の物理・化学」の4つになっていますが、右側の「見直し案」ということで、必修課目については、その4つに加えて、現在免除をしない課目として「文化論」「運営管理」についても免除を可能とする見直し案です。現状で免除をしない、残りの「技術理論」「実習」については、課目としては免除しないのですが、内容としては「見直し案」の※に書いていますが、「履修時間については、理容・美容に共通する内容」ということで、例えばシャンプーやカラーリングの一部分などの内容の共通する部分を免除するというような形にしております。「選択課目」については、免除はしないのですが、時間数については減免をするということで図式化したものです。
 次のページの(図5)です。こちらが全体的な今回の課目の見直しと、それに伴う片方いずれか一方の資格を持った方に対する履修課目免除の考え方を図式化したものです。左側の表が現状の課目ごとの時間数で、課目見直し後の表が真ん中の列です。それに伴って「技術理論」の部分を除いた、いわゆる座学の部分については免除するということで「-」にしております。残りの「理容・美容技術理論」については120時間以上、「理容・美容実習」については690時間以上、「選択課目」については210時間以上ということで、トータル1,020時間以上ということを図式化しております。
 12ページの(図6)です。こちらは参考資料ということで、現状、「必修課目」の中で「文化論」と「運営管理」の部分については、国家試験の出題の対象になっていないということで、見直し後は試験の対象範囲に加えるということです。現状は入っていないということで、「試験課目(現行)」という所と「試験問題問数(現行)」という所は「-」になっていますが、こちらが今回、試験の対象として入れさせていただくということで、課目の所を赤枠で括っております。
 14ページ以降が、そもそものこの検討会で御議論を頂くに当たってのきっかけになっている「規制改革実施計画」や「規制改革に関する第3次答申」の内容を抜粋したものを15ページにお入れしているということと、最終の16ページについては、当検討会の構成員の皆様方のお名前と所属・役職について入れさせていただいております。以上です。
○原田座長 ありがとうございます。とりあえず、まず文章を読み上げていただいて御確認いただいた上で、図表に関しての説明を、補足説明という形でやっていただきました。何か御質門等ありますか。
 図表に関しても、既に皆様に御了承いただいたものを改めて確認という形で出させていただいておりますので、特に皆さんにいろいろと御検討いただいて、見直しの方向で御検討いただいたのは6ページから12ページぐらいまでのものが特に対象となる表記になるだろうと思うのです。その辺りに関して、御指摘も含めて、何かあれば有り難いのですが、よろしいでしょうか。
 特に御指摘がないとするならば、この(案)を取って、「報告書」という形でお認めいただいたと判断させていただきたいのですが、それでよろしいでしょうか。

(各構成員了承)

○原田座長 御了承いただいたということで、大変どうもありがとうございました。
 それでは、皆様には御意見その他たくさんあるかもしれませんが、とりあえず代表して、美容業の連合会の理事長でいらっしゃいます吉井様から何か一言ありますか。
○吉井構成員 規制改革実施計画を踏まえた中で、「理容師・美容師の養成のあり方」について検討をしてきたわけです。特に先ほどから言われていますように、実際に美容師の現状として、お客様のニーズにまず合った授業をやっていっているという意味であろうと。それから、片一方の免許を持っている人はもう一方の免許を取るときに、また一からやらないと駄目というのも、少し時間的にも無理があるのではないかなどといったことを重点的に検討されたと思います。
 実質はこれからやっていかないと分からないとは思いますが、特に顧客のニーズに応える。養成校が行っている授業が実際に現場に出たときに、お客様にどれだけ応えることができる授業を行うのだろうかと。そうなると、ここで実習の時間が増えております。その実習時間をいかにして使っていくかということが、これから各養成校の課題になってくるのだろうと考えています。
 また片一方では、編入をする場合において、そういったことがどのように調整されるのだろうか。それに対するガイドラインをお作りいただくというふうになっていくとは思いますが、是非ともその辺りも早くお示しいただいて、実務に向けて進めるようにお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○原田座長 それでは、理容業の連合会の理事長をされています大森様のほうからよろしくお願いいたします。
○大森構成員 原田座長さんを中心として、構成員の皆さん方に、理容・美容に関して、長くこのように審議を頂きましたことについて誠にありがとうございました。
 顧みまして、昨年の1月だったと思いますが、内閣府からヒアリングをしたいと話が舞い込んでまいりました。その後3月にワーキンググループのヒアリングということで、美容さんもでしたが、時間を変えて受けたわけです。思い出し、持ってもきましたが、「岩盤を崩す」などという見出し、もっとひどいのは「お馬鹿規制の責任者出てこい」などというような、大きくこのような見出しで載るようなことで、私ども業界としましても大変心配いたしました。誤解もあったのだろうと思っております。
 私はむしろ、理・美容のあり方のうんぬんなどという問題ではなく、これからは国際社会において競争力を付けるといった大事な、高度な理容・美容、特に衛生的な世界に誇るものを発信していかなければいけない。
 それとともに、これからどうあるべきかということですが、“これが全て完璧とは思っておりません”むしろ将来に向けて、今後、今回のあり方の答申を進めていく中で、気付いた点については、やはり勇気を持って“時代に合った改革”を。先ほども申し上げましたように、衛生的な日本の高度な理容技術を世界に発信できるような方向で、私どもも頑張っていきます。
 それぞれの構成員の皆様方には御協力いただきましたが、今後とも、どうぞ御指導賜って、誤解のないよう私も努力をしてまいる所存でございますので、今後ともよろしくお願い申し上げまして、御礼とさせていただきます。
○原田座長 ありがとうございます。本日この場が本検討会の最後となりますので、構成員の皆様で何か一言、コメントでも結構ですが、おありの方はいらっしゃいますか。
○坂元構成員 私ども、現場において理・美容師さんと日頃からお付き合いさせていただいている自治体としましても、今回のことは非常に歓迎すべきことかと思います。ただ、今後、この通知を出されるに当たって、恐らく両方の資格を取られる方が増えてくると思いますので、その辺りの周知を自治体側にしないといけないと思います。片方だけの免許の確認しか行わないなどということが起きないようにしないといけないと思います。自治体にも改めて、その辺りに対しての留意をお願いするということを強調していただきたいと思います。
○原田座長 ほかにどなたかいらっしゃいますか。
○西島構成員 私からも、今回このような検討会に参加させていただきまして、いろいろな情報を得たということが大変勉強になりました。そういう中でいろいろ御意見をいただけて、本当に感謝しております。
 私からは、この学習の内容についてなのですが、今般、今までとは違って、理容師さん、美容師さんに非常に適切な方法での教育をするということで、体全体ではなくて、皮膚や毛髪のような所に限るということです。また、理論については、実際に使うものについての理論を学ぶというようなことで、非常に大きな改革がなされたと思っております。これはとても良いことだと感じております。
 今後は、このような方向に従って、非常に適した教科書を作ることが大事だということを思っておりますので、これが順調に進むように、私としては期待しております。以上です。今回は、どうもありがとうございました。
○原田座長 ありがとうございます。ほかにどなたかいらっしゃいますか。
○湯田構成員 美容誌の編集長をしております湯田と申します。全くの素人で参加させていただいたのですが、本当にありがとうございました。全くの感想になってしまうのですが、理容と美容の内容が分かれているということは、一般のユーザーの方も知ってはいると思うのですが、これから理・美容の両方の資格を取る方が増えるということで、店舗のあり方も変わっていくのかなと思います。
 特に、女性の理容師さんが増えていくのかなという気がしまして、シェービングというと、またブライダルに行かなければいけないとか、その資格の方を探さなければいけないということで、受けてはみたいのだけれども、理容室に行くのがなかなか敷居が高いという方も、これからは、例えば行きつけの美容室でシェービングが受けられるとか、男性も美容院に行っているのだけれども、また違うサービスをいつもの所で受けられるみたいなことで、すごく広がりがあるのかなと思います。
 また、今回の検討会の内容にありました教科の課目見直し、そして時間の見直しということで、今までの一般教養を大事にしてきた内容から、より専門的な学びが得られるということで、そこも非常に実践的で、ユーザーにとってはすごくいいのかなと思いますので、その濃い内容を生かしたカリキュラム等に、これからの理・美容のあり方というものに大変期待をして応援させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○原田座長 ありがとうございます。ほかにどなたかいらっしゃいますか。私も個人的な見解と言ったら申し訳ないかもしれませんが、類似した産業が規制緩和をしますと、ゴチャゴチャになってしまう可能性があるのです。その中で、今回、理容業と美容業がこういう形できちんとした線を引かれた。これは正に、これから先、規制緩和に関連して、更なる、新たなる発展をするときに、1つの方向性を示すガイドラインになるのではないかと思いますので、皆様の御協力を頂けまして大変良いものが出来たのではないかということで自負しております。有り難いと思っています。
 そして、ここで譲ってはいけないのはやはり衛生の問題だと思います。そうすると、やはりきちんとした制度の下において、相互に協力して新しい産業を作るみたいな感覚ですよね、それがこれから先、ものすごく大事になってくるだろうと。そして、それが新しい経営機会を生み出すということになる。昨日、テレビで「ザ・バーバー」というものをやっていたと思うのですが、私は9,000円を払うのはきついかなという気がしますが、何かそういう新しい動きが、これをきっかけにして出てきて、そして、両方の資格を持っている人が更なる高度なサービスを提供していくと。日本人はおもてなしが非常に上手ですから、非常に大きく発展して、それがオリンピックとうまく結び付くと、世界中に知らせることもできるのではないかと思いますので、その土台が出来たということで、御協力、大変有り難いと思っています。
 それから、これをきちんとした軌道に乗せるためには、やはり体制整備のための期間をちゃんと取らなければいけないと思います。その辺りを、例えば教科書を変えなければいけないとか、試験制度を変えなければいけないとか、実習の中身のカリキュラムそのものを見なければいけない、選んでいかなくてはいけない。それを追っ付け仕事でされたら意味がないと思いますので、やはり、そこである程度十分な期間を、長すぎてもいけないと思いますが、事務局の指導の下に確保して展開していくということが大事になってくると思いますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 ほかに何かありますか。なければ、事務局から何かありますか。
○吉岡課長補佐 部長から御挨拶をさせていただければと思います。
○北島部長 本日は遅れてまいりまして、大変申し訳ございませんでした。閉会に当たりまして一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 構成員の先生方におかれましては、昨年11月から5回にわたり熱心な御議論を頂きまして、心より厚く御礼を申し上げたいと思います。この検討会につきましては、昨年6月に閣議決定されました「規制改革実施計画」を契機にスタートしたものではありますが、本日、熱心に御議論いただき、まとめていただきました内容につきましては、消費者の選考の多様化などの時代の変化に応じて、理容師・美容師が今後とも満足度の高いサービスを国民に届けていくためにはどうあるべきかという大目標につながっているものと確信しております。
 また、合意された報告書の内容は、今後の理容業・美容業の発展に必要な人材育成というだけではなく、それによりもたらされる国民生活の向上に資するものと考えております。今後、報告書に基づきまして、本年度中に省令改正等に向けて手続を進めさせていただきたいと考えておりますが、一方で、施行に当たりましては、教科書の見直し、養成施設の体制整備、国家試験への対応等に必要な十分な期間を考えております。また、関係者との調整を図りながら、一方では、なるべく早く施行できるように努めてまいりたいと考えております。
 最後になりますが、これまでの皆様方の御協力と御支援に御礼を申し上げるとともに、施行に向けて、引き続き一層の御高配を賜りますようお願い申し上げまして、お礼の御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
○原田座長 どうもありがとうございました。特に構成員の皆様におかれましては、1年間の長きにわたって御協力を賜りましたことを大変有り難く思っております。そしてこういう形で報告書が出来ましたが、それは実現していかなければ意味がないと思いますので、実現に向けて、事務局がきちんとリーダーシップを取りながら、今御説明がありましたように、適切なる期間を設けて、そして、実際に動き出すことができるように、そして広報活動も含めて、啓蒙活動も含めて、幅広く知らせて、美容業・理容業がこういう新しい動きをしているのだということを国民にきちんと分からせるということが大事だと思いますので、どうぞその辺りは、うまくお願いしたいと思います。
 本日は大変お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。お陰様で、(案)を取って、報告書として公にし、ホームページ等で明らかにしていきたいと思っております。本当にありがとうございました。本日はこれで閉めさせていただきます。


(了)

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