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2018年9月21日 第46回社会保障審議会児童部会議事録

子ども家庭局

○日時

平成30年9月21日(金)13時00分~15時00分

 

○場所

厚生労働省省議室(9F)

○出席者

委員

秋田部会長 相澤委員 小國委員 大塚委員
小川委員 久保野委員 権丈委員 新保委員
松田委員 山野委員
 

事務局

濵谷子ども家庭局長 藤原内閣官房内閣審議官 本多大臣官房審議官
長田総務課長 竹林保育課長 田村子育て支援課長
成松家庭福祉課長 度会家庭福祉課母子家庭等自立支援室長 平子母子保健課長
森田総務課少子化総合対策室長 宮腰家庭福祉課虐待防止対策室長  

○議 題

(1)  社会保障審議会児童部会専門委員会の議論の状況について
(2)  最近の子ども家庭行政の動向について
(3)  その他

○配布資料

資料1 社会保障審議会児童部会専門委員会の整理について
資料2 社会保障審議会児童部会専門委員会の議論の状況について
資料3 最近の子ども家庭行政の動向について
資料4 都道府県社会的養育推進計画の策定要領について
資料5 児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策について
資料6 平成29年度の児童虐待相談対応件数について
資料7 法制審議会特別養子制度部会における検討状況について
資料8 幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等
に関する検討会報告書について
資料9 保育所等利用待機児童数調査結果について
資料10 保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会について
資料11 新・放課後子ども総合プランの策定について
資料12 子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る検討について
資料13 平成31年度概算要求・税制改正要望の概要(子ども家庭局)
参考資料1 子ども・子育て支援法の改正及び児童扶養手当法の改正の概要について
参考資料2 経済財政運営と改革の基本方針2018(抜粋)について
参考資料3 社会保障審議会児童部会委員会名簿
 

○ 議 事

○秋田部会長 それでは、定刻前でございますが、御出席御予定の方、皆様お集まりということでございますので、ただいまより第46回「社会保障審議会児童部会」を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多用のところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
会議に先立ちまして、前回の児童部会以降、事務局に異動がございましたので、その御紹介をお願いしたいと思います。また、委員の皆様の出欠状況についても、あわせて報告をお願いいたします。
○長田総務課長 総務課長の長田でございます。私自身は、引き続き担当させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、前回の児童部会以降に事務局の異動がございましたので、異動した者につきまして御紹介させていただきます。
まず、子ども家庭局長の濱谷でございます。
○濱谷子ども家庭局長 よろしくお願いいたします。
○長田総務課長 審議官の本多でございます。
○本多審議官 よろしくお願いします。
○長田総務課長 同じく審議官の藤原でございます。
○藤原審議官 よろしくお願いいたします。
○長田総務課長 保育課長の竹林でございます。
○竹林保育課長 よろしくお願いいたします。
○長田総務課長 子育て支援課長の田村でございます。
○田村子育て支援課長 よろしくお願いいたします。
○長田総務課長 母子保健課長の平子でございます。
○平子母子保健課長 よろしくお願いします。
○長田総務課長 少子化総合対策室長の森田は、遅れて出席させていただきます。失礼いたしました。
以上でございます。
また、本日の委員の出欠の状況でございますが、草間委員、山縣委員、松田妙子委員におかれましては、所用のため御欠席の連絡をいただいております。
なお、委員の皆様に事前にお伝えしておりますが、前回の児童部会と同様、審議会等のペーパーレス化の取組といたしまして、本日の資料はタブレットを操作してご覧いただくことになりますので、資料の配付はございませんが、お手元に議事次第、タブレット、「タブレット操作説明書」を用意してございます。
配付物に不足等ございましたら、事務局にお申しつけください。
これからお手元の資料「タブレット操作説明書」を見ながら、タブレットでの資料の確認方法及び資料のめくり方につきまして担当の方から御説明させていただきます。
○事務局 それでは、事務局からタブレットの操作説明書に沿って説明いたします。
まず、タブレットを見ていただきますと、皆様の画面の方には今日の議事次第が表示されているかと思います。その画面の左上にあるマイプライベートファイルを選択していただきますと、本日の資料がタブレットの中に一覧で入っているという形になっております。別の資料を表示する場合には、この一覧の中から表示したい資料を出していただく形になります。
表示を拡大・縮小する場合につきましては、2本の指を使っていただいて表示の拡大・縮小することができる形になります。また、ページをめくっていただく場合は、上の方へスライドさせていただく形になっております。その他の操作につきましては、お手元のタブレット操作説明書の方をご覧いただければと思います。
また、その他、御不明点がございましたら、適宜事務局の方へお申しつけいただければと思いますので、本日はよろしくお願いいたします。
○秋田部会長 ありがとうございました。
それでは、議事に入りますので、カメラは退室をお願い申し上げます。
(カメラ退室)
○秋田部会長 最初の議題としまして社会保障審議会児童部会専門委員会の整理について、事務局から御説明をお願いいたします。
○長田総務課長 それでは、資料1をお開きいただければと思います。
表紙をめくっていただきまして、1ページ目、社会保障審議会児童部会の整理についてということで書かせていただいております。児童部会の所掌につきましては大変広うございますので、その時々の行政課題に応じて児童部会のもとにさまざまな専門委員会を設置いたしまして、御議論いただいております。そういった中で、設置趣旨に係る事項の調査審議が終了したもの、または他の専門委員会と所掌が重複するものについて、この機に一旦整理させていただきたいという提案でございます。具体的に整理したいと考えている専門委員会が、この1ページに掲げてある、全部で5つの委員会ということになります。
まず、認定こども園保育専門委員会につきましては、平成27年4月に子ども・子育て支援法が施行されて以降、幼保連携型認定こども園の所管が内閣府になりましたので、この部分に関しましては内閣府の担当となりましたのでで、厚生労働省としての役割が一区切りついたという趣旨でございます。
それから、2つ目以降、社会的養護のあり方に関する専門委員会、新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会、児童虐待防止のための親権の在り方に関する専門委員会、児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会ということで、児童虐待の問題であるとか社会的養護にかかわる各種の専門委員会がございます。
これらは、もちろん今日的な非常に重要な課題でございますが、1枚おめくりいただきまして、昨年9月開催の児童部会で新たな設置をお認めいただいた専門委員会でございます社会的養育専門委員会におきまして、3の主な検討事項というものがございますけれども、(1)から(9)に掲げたようなことを検討事項とするということで、今、御紹介しました4つの専門委員会の所掌を包含する、かなり幅広い御議論をいただく専門委員会として設置されたことから、冒頭見ていただきました1ページの各専門委員会につきまして、全てこの社会的養育専門委員会に集約するという趣旨で、一旦整理させていただきたいという趣旨でございます。
事務局からの説明としては、以上でございます。
○秋田部会長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの御説明について、委員の皆様から御質問や御意見がございましたら、お願いいたします。
よろしゅうございますでしょうか。それでは、特に異議なしということで、本部会として、資料1の報告については了承するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○秋田部会長 ありがとうございます。
それでは、次の議題に移ります。社会保障審議会児童部会専門委員会の議論の状況について、事務局から御説明をお願いいたします。
○長田総務課長 それでは、引き続きまして、資料2「社会保障審議会児童部会専門委員会の議論の状況について」というファイルをお開きいただければと思います。この間、各種の専門委員会でさまざまな検討課題について御議論いただいておりますので、その活動状況につきまして御報告させていただければと思います。
まず、表紙をおめくりいただきまして、1ページでございます。まさに今、申し上げました社会的養育専門委員会におきましては、過去2回の児童部会でもいろいろ御指摘をいただきました、平成28年の児童福祉法改正を踏まえました、今後の社会的養育推進の在り方につきまして、各都道府県でどういった形で取り組んでいただくかということについて、昨年の秋から今年の1月末にかけて御議論いただきました。それらの議論の結果も踏まえました都道府県の計画策定要領を今年の7月に発出しております。これについては、後ほど担当課長から御説明させていただきたいと思っております。
その後、今年の8月3日に24回目の委員会を開催させていただいておりますが、その際に、平成28年改正児童福祉法附則第2条第3項の規定に基づく検討について、ワーキンググループの設置というものを決めており、そのワーキンググループの議論を9月12日にキックオフをしたところでございます。
具体的に何を議論するかということでございますが、2枚ほどめくっていただきまして、通しページ3ページというところになります。先ほど申し上げました、平成28年に行いました、かなり抜本的な改正と言われております児童福祉法改正でございますが、その改正法附則の第2条におきまして、施行後2年以内に幾つかのある意味積み残された課題について検討を加える。その結果に基づいて、必要な措置を講ずるとされているところでございます。
その具体的な内容につきましては、「3.主な検討事項」というところを見ていただければと思いますけれども、1つ目は、これまで児童虐待による死亡事案などの際に、繰り返し指摘されていることでございますけれども、児童相談所は権限を持って介入していくという機能と、寄り添いながら援助していくという支援の機能、この2つの機能を使い分けることの難しさということが長らく指摘されておりまして、その機能分化の在り方を主とする児童相談所の業務の在り方について、どう考えていくのかということ。
2つ目は、要保護児童の虐待通告でございますが、今、法律上は、市町村も児童相談所も通告の窓口ということになっているわけでございますけれども、どこに通告するべきなのかということについて、何らかトリアージをする機関なり機能というものを考えていく必要があるのではないかといった御指摘をいただいておりまして、この通告の在り方。
それから、3点目といたしまして、児童相談所の児童福祉司でございますとか、市町村の児童相談対応職員など、職員の専門性を向上させていくということは非常に重要な課題となっておりますので、これら職員の資質の向上の在り方。主には、この3点について、何らかの方向を見出していこうということで、今年の9月から議論を始めているものでございます。
なお、この法律で言われている施行後2年以内のタイミングが今年度末ということでございますので、2枚ほど戻っていただいてスケジュールを書かせていただいていますけれども、このワーキンググループといたしましては、年内を目途に一定の議論のとりまとめをしたいと考えているというものでございます。
引き続きまして、4ページまで進んでいただきまして、児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会における活動状況の報告でございます。いわゆる虐待死亡事例等にかかわる検証につきましては、回を14回重ねておりまして、毎年度、年次報告という形で死亡事例の検証結果のとりまとめをいただいております。
時間の関係上、ポイントを絞って御説明させていただきますけれども、今回の検証の対象となりましたのは、(1)にございます死亡事例67例を対象に、また、死亡には至らなかった重症事例については、14例を対象としたところでございます。
それで、5ページ以下が分析の内容になっております。全体的な傾向といたしましては、過去の検証結果とほぼ相違ない傾向でございますけれども、これまでも指摘されているとおり、(1)の一番上にございますように、死亡した子どもの年齢は、0歳が65.3%と、相当程度を占めている。その中でも月齢0カ月児が16人(50%)と高い割合を占めているといったことは、従来と傾向が同様のものでございます。
(1)の5つ目の○に飛んでいただければと思います。実母が抱える課題ということでございますが、これは先ほどの特に0歳児、とりわけ月齢0カ月児が高い割合を占めているということとも一定の相関があろうかと思いますけれども、「予期しない妊娠/計画していない妊娠」が49%、次いで「妊婦健診未受診」が46.9%等の傾向が見られたところでございます。
こういったことも踏まえまして、ここ数年、検証について、一つのテーマというか、特集を組んで検証していただいているのですが、その内容が8ページになります。先ほどもございましたような、若年妊娠ということがリスク要因として非常にクローズアップされておりますので、妊娠期・周産期における問題として若年妊娠があるとされた事例は、分析が可能であった5次報告から14次報告の間で、心中以外の虐待死99人、心中による虐待死12人、日齢0日児が25人、その他86人というものを対象としております。
考察にちょっと飛ばしていただきますけれども、こういったケースについては、多くの場合、養育能力が不足しているといったことを踏まえまして、不足している部分を補っていけるような適切な支援を行っていく必要があるといった指摘。また、周囲の協力が得られにくい場合もあるため、孤立しないような対応・注意が必要だといった点。
2つ目の○でございますけれども、なかなか周囲に相談できないという事例も多く見られておりますので、若年層についても妊娠に関して相談できる体制を身近な場所に整備する。また、そもそもそういった窓口を若年層に周知することが重要であるといったこと。
それから、4つ目の○でございますけれども、日齢0日児事例では、妊娠中からまず相談機関へつなげる。日齢1日以上の死亡事例では、つながった相談を適切に継続的な支援へ移行させることが重要といった考察、御指摘がなされております。
そういったことなども踏まえまして、次の9ページでございますが、6.課題と提言ということを、地方公共団体・国、それぞれにいただいております。
例年と繰り返しの内容も多うございますけれども、特に今回、加えていただいたところで言いますと、今の若年妊娠対応の話も関連いたしますが、1のマル1で、女性健康支援センターのSNS等による広報といった内容でございますとか、2の関係機関の連携及び適切な引継ぎによる切れ目のない支援という中のマル2、転居事例に関する地方公共団体間での情報共有と継続支援の実施といった内容などが新規に盛り込まれております。
また、今の話に重複いたしますが、国への提言の中では、6といたしまして、地域をまたがる転居事例の関係機関の連携・協働及び検証といったことなどが御指摘をいただいているところでございます。
そして、10ページで、これらの教訓を踏まえた、子どもの虐待による死亡事例を防ぐためのリスクとして留意すべきポイントということで、これも従前から書き加えた内容といたしまして、養育者の側面のところの下から5つ目ぐらいでしょうか、家庭として養育能力の不足等がある若年妊娠といったこと。
また、生活環境面の側面として、経済的問題等、生活上に何らかの困難を抱えているということを明記いただいたところでございます。
簡単でございますが、死亡事例検証としては以上でございます。
なお、この検証委員会におきましては、目黒区で起きました女児の虐待事案につきまして、本年7月30日以降、個別の検証を進めているという状況でございます。
続きまして、11ページでございます。ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会についてでございます。このひとり親家庭の施策に係る専門委員会につきましては、前回の児童部会の際に、1月10日に開催した旨を御報告させていただいたかと思います。その後の具体的な開催実績は、今のところないのでございますけれども、来年度から再来年度にかけまして、ひとり親施策あるいは子どもの貧困対策に係る、さまざまな施策のレビューの節目の時期を迎えるということもございますので、この専門委員会におきまして、秋以降、今後のひとり親家庭支援対策の在り方について御議論いただきたいと考えているところでございます。
続きまして、13ページに飛んでいただきまして、放課後児童対策に関する専門委員会でございます。この専門委員会につきましても、児童部会で、従前ございました放課後児童対策の基準の策定のための専門委員会を改組することにつきまして、お認めいただきまして、本年1月29日以降、放課後の児童を取り巻く環境変化を踏まえた今後の在り方について御議論いただきまして、去る7月27日に中間的なとりまとめ、御提言をいただいたところでございます。
その中間とりまとめの中身につきましては、15ページ、16ページのあたりに概要を整理させていただきましたが、まずは子どもたちの放課後生活の在り方を考えるに当たっての理念をしっかり共有していこうということで、子どもの主体性を尊重した育成、子どもの「生きる力」の育成、地域共生社会を創出することのできる子どもの育成という3つの理念を掲げて、私どもが主に担当しております放課後児童クラブという範疇のみならず、子どもが育つ場が多様に用意される必要があるという観点から、総合的な放課後児童対策の展開について、おまとめいただいたものでございます。
それで、16ページでございますけれども、放課後児童クラブの今後の在り方ということで、1つは、量的な問題といたしまして、待機児童の解消ということで、そのニーズを踏まえて、新たな整備目標を設定して、受け皿整備を着実に進めるべきといったこと。
それから、従来、放課後子ども総合プランというものに基づきまして、この放課後児童クラブと、文部科学省で対応されています全児童対策としての放課後子供教室との連携・一体実施について、学校のみならず、多様な子どもの居場所を確保していくという観点も踏まえまして、児童館や社会教育施設の活用といったこと。
また、放課後児童クラブについては、平成27年度の制度改正以降、4年生以降の利用も認められるようになったわけでございますけれども、特に高学年児童は必ずしも放課後児童クラブという範疇に限らず、多様な居場所を提供する中で、待機児童解消を考えていくという方向性があっていいのではないかといった御提言などをいただいております。
また、質の確保につきましては、単なる預かりの場ではない、子どもの育成支援の場であるということは、これまでと変わりないわけでございますが、そのことを改めてしっかりと確認する。すなわち、放課後児童クラブ運営指針の内容をしっかり浸透させていく。また、それを評価していくといったこと。そして、それを担う放課後児童支援員の専門性向上のための研修の在り方などについて御提言いただいたところでございます。
なお、この提言内容につきましては、これも後ほど御報告させていただきますけれども、去る9月14日に新・放課後子ども総合プランという形で、その内容を受けとめさせていただいているところでございます。
最後になりますが、遊びのプログラム等に関する専門委員会でございます。実は、これにつきましては、ほやほや、昨日に専門委員会の方で報告書のとりまとめをいただいております。資料が用意できておりませんので、口頭で内容を簡単に報告させていただきたいと思います。
18ページに移っていただければと思います。この専門委員会のミッションでございますけれども、1つは、御案内のとおり、渋谷にございましたこどもの城の閉館に伴って、いろいろな遊びのプログラムを今後どういった形で情報収集し、また全国に発信していくのかというのが課題になっていたところ、そこについてどう対応していくのかということと、あわせて全国の児童館の在り方というものを改めて見直していこうということで、平成23年に策定した児童館のガイドラインの見直し案について御議論いただいたものでございます。
それで、資料がなくて恐縮でございますが、まず児童館のガイドラインについて、大きくは3つの視点から見直しの御提言をいただいたということでございます。
1つは、平成28年の児童福祉法改正におきまして、子どもが権利の主体であるということが明確に位置づけられました。そのことをしっかり取り込んで、子どもが権利の主体であるということを念頭に置いたガイドラインの在り方というものをレビューしていただいたということが1つ。
2つ目といたしまして、今日的課題としての虐待の問題であるとか貧困の問題に対しても、児童館という地域資源が積極的にかかわっていく必要があるのではないかということ。
それから、3つ目といたしまして、この遊びのプログラムの普及ということに関しては、各自治体における大型児童館の機能・役割が期待されるということで、従前なかった大型児童館についての章立てをして、しっかりガイドラインに盛り込むといったことなどを御提言いただいております。
また、この遊びのプログラムの普及啓発については、引き続き、この専門委員会がその中心的な役割を担っていくことを御確認いただいたところでございます。
少し長くなりましたが、以上でございます。
○秋田部会長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの御説明について、委員の皆様から御質問や御意見がありましたら、お願いいたします。
松田委員。
○松田(茂)委員 中京大の松田です。
御説明ありがとうございます。いろいろ難しい課題に対する検討ですとか、そうしたものが進んでいるというのは非常によくわかります。その上で、子どもの虐待による死亡事例等の検証結果についてのところで、3点ほど意見と質問をさせてください。
1つ目は、これは非常に詳細に分析された結果であると思います。その上で、現在分析されているものは死亡事例と重症事例で、ここから学ぶことも非常に多いのですけれども、現場の人がどうしたら改善できるかを考えるときには、別途、好事例のようなものがあってしかるべきなのかなというのが感想です。それは、実際、児相さんとの連携がうまく働いて、重症にも死亡にも至らず救うことができた事例等ありましたら、それを対比させて見せることが、現場の方に新しい動きのヒントを与えるのではないかというのが1つ意見でございます。
2点目は、これは10ページですけれども、質問と少し意見になります。留意すべきポイントとして、非常に説得的な内容であると思います。そして、左下ですか、家庭における養育能力の不足等がある若年、10代の妊娠に対する注目といいますか、非常に重要だと思います。
その上で質問と意見ですけれども、家庭における養育能力の不足というのは非常によくわかるのですが、それは特に何が重要なのかというものが、もしこの検証結果からわかっていれば、少し踏み込むことができるのかということです。具体的には、経済的な不足であれば、後ほどの資料で未婚の子どもを持つ方に対する税制措置などの要望があるようですけれども、そうした経済的な支援ができる。一方、社会的ないわゆる子育ての能力の問題であれば、何か別の提供方法があるかもしれません。等、考えられますので、この養育能力というものがブレークダウンされているものかどうかという質問と、あと、もう少ししたほうがいいのではないかという意見です。
最後に1点ですけれども、これは提言であります。問題の背景に人員不足があると思います。それは、国への提言にも書かれておりますが、現場の人たちが余裕を持って、こうした対応に当たれるだけの人員配置を、予算要求も含めて国に要望していく。それは大事だと思います。
その際に、1点質問ですけれども、ではどのぐらい人員配置が必要かという、何か数値的なものをお持ちであるかどうかというのが質問でございます。
以上です。
○秋田部会長 どうもありがとうございます。
事務局の方でお願いします。
○宮腰虐待防止対策推進室長 虐待防止対策推進室長でございます。
御質問ありがとうございます。
まず、1点目の好事例のお話については、これまでそのような観点で、このケースがこういうふうにうまくいったという形を国の方でとりまとめたということは余りございませんので、自治体での取組の好事例みたいなものは、国の方でも集めたりしておりますので、その際にはそういう観点も持ってできればと思いました。
2点目の養育能力の不足の部分についてですが、資料の8ページをご覧いただければと思います。これは若年妊娠に関してになるのですけれども、御指摘のとおり、実際に養育に関する知識がないといいますか、そういったソフトの面での支援が必要な場合と、経済的に非課税世帯であるという場合と、それぞれ別のものとして、両方、実際に能力がない場合もありますし、経済的な問題がある場合もございます。
この報告書の中では、具体的に、例えば養育の知識がない場合であれば、保健師が訪問して伝えるですとか、養育支援訪問事業といったサービスを入れることが必要だということになりますし、経済的な支援の場合ですと、例えば具体的に手当とか、そういうものも受給できていない場合もございますので、そういったものも含めて窓口につなげていくということが必要であろうという形での分析をさせていただいております。
それから、3点目の人員の話でございますが、この後、7月20日の緊急総合対策の中でも御説明させていただければと思っておりますが、児童相談所の人員体制につきましては、児童福祉司については配置標準という形で、現在ですと人口4万人に1人、プラス業務量に応じた配置という形での基準を設けておりまして、まだ全自治体でそこに達しているという状態ではないのですけれども、そうした形での人員を配置しようということで進めておりますし、今後、さらにそうした人員をふやしていこうという取組を考えているところでございます。
○秋田部会長 どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
山野委員、お願いします。
○山野委員 御説明ありがとうございました。
今の虐待の関連のところですけれども、10代の妊娠とか養育能力の関係で、10代ということは、かなり学校年齢に近い、高校生のあたりで、これを見る限り、私がしっかり見れていないのかもしれないですけれども、教育委員会とか学校等の要保護児童対策地域協議会にはもちろん関与されているのですけれども、それはここで出されているように、妊娠前の支援だったり、妊娠初期の支援だったりというところでは、教育委員会とか学校との連携、つまり文科省を抱え込んだ形というか、抱き合わせたようなプランという御意見がなかったのか。あるいは、そういう方策というものが今後、検討されているのかというあたりを知りたいなと思いました。
未然防止という、10代の妊娠というところを広い意味で、虐待とか特化していない部分も含みますけれども、予防という観点では、学校教育とか文科省との連携というあたりをお聞きしたいと思います。
○宮腰虐待防止対策推進室長 虐待防止対策推進室長でございます。
まず、今回の若年妊娠の事例は第5次からになりますので、過去の10代で妊娠して、お母さんが10代のときに子どもが亡くなられている場合もありますし、もう少し大きくなってから亡くなっている場合もありまして、そういった幅広いケースを含んで検討させていただいております。
関係機関のかかわりという点では、児童相談所とか市町村の担当部署とのかかわりを中心に分析しておりまして、具体的に学校とのかかわりという面で、今回の分析の中で着目しているということはないのですけれども、この専門委員会については、文科省にも一緒にオブザーバーとして参加していただいておりまして、例えば妊娠をした場合に、高校ですと学校をやめなければいけないという話がございまして、その点について文科省さんの方で実際に調査していただいて、妊娠したということを理由に学業を諦めなくてもよいような形での対応をするという通知も、既に出していただいております。そういった点では、文科省さんとも協力しながら、若年妊娠のところは取組を進めているところでございます。
○山野委員 1つだけ、ごめんなさい、意見として、多分、事後の手立てのお話だと思うので、これからなくしていくためには、予防的な視点で教育と一体化したり、この虐待問題をもっと厚労省さんが音頭をとって、教育的な意味で引っ張っていただけたらなと思いました。
以上です。御回答ありがとうございました。
○秋田部会長 ありがとうございます。
それでは、次に大塚委員、お願いします。
○大塚委員 上智大学の大塚と申します。
15ページの総合的な放課後児童対策について、質問あるいは御意見を言いたいと思います。ここに、子どもの放課後生活の重要性とその理念ということで、地域共生社会を創出するということになっておりまして、子どもが育つ場を多様に用意していくということはもちろん大切で、地域共生社会の条件かと思います。それだけではなく、地域共生社会というのは、多様な子どもさんたちがそれぞれ交わりながら社会をつくっていくということを考えると、例えば障害のある子どもたちがきちんと放課後児童対策の中で位置づけられて支援されるべきかなと思っています。
障害の方も放課後のデイサービスがあるのですけれども、非常に右肩上がりで、閉じられた中での支援ということなので、一義的には一般の放課後児童対策の中でやるべきだと。その中において、配慮が必要な、ここの部分については障害の部分でやるというところが、連携とか役割分担がちょっと明確になっていないかなと思っています。特に、中間とりまとめには、障害のある方の受け入れみたいなものはほとんど書いていないと思いましたので、今後、この辺のことをどうしていくかということも含めて検討していただきたいと思います。
以上です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
どうぞ。
○田村子育て支援課長 子育て支援課長です。
確かに、この中間とりまとめの中には、具体的な障害との連携という御提言はいただいていないところでございます。一言、放課後児童クラブの対応の中には、障害のお子さんを受け入れる体制づくりという形で、専門職員の方の加配という形で、これまでも何とか充実を図ってきているところでございます。そこは、これからも引き続き対応させていただきたい。一言、それだけお話しさせてください。
○秋田部会長 ありがとうございます。
久保野委員、お願いします。
○久保野委員 東北大学の法学研究科の久保野と申します。
御説明ありがとうございました。
それで、質問及び意見ですけれども、虐待死亡事例の若年妊娠の話に戻るのですけれども、未婚ということに少し触れられている部分がありますが、婚姻しているか、未婚か、婚姻の有無という要素で何か注目すべきことがあるかないかということを教えていただきたいというのが質問ですが、主に申し上げたかったのは意見の方です。
と申しますのは、女性の婚姻年齢が成年年齢の引き下げに伴って16歳から18歳に引き上げられるということがありまして、そのことがこの若年妊娠の問題との関係で、場合によってはマイナス方向に働く影響を与え得るのではないかということが指摘されているかと思います。今後に向けて、そのような点に対する注目といいますか、分析といったようなものをお願いできればと思います。
以上です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
御担当から。
○宮腰虐待防止対策推進室長 若年の妊娠の分析としては、8ページ目にもございますが、未婚の方が割合として一番多いという分析になっておりますけれども、具体的に未婚の方とそうでない方で、それぞれどういう違いがあるのかというところまで、ちょっと分析できていないところでございます。
○秋田部会長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。
それでは、次に進めさせていただきたいと思います。最近の子ども家庭行政の動向について、事務局から御説明をお願いいたします。
○長田総務課長 それでは、資料3「最近の子ども家庭行政の動向について」という資料をお開きいただければと思います。
表紙をめくっていただきました1ページ目に、基本的には、この後、順次御説明、御報告をさせていただく、前回児童部会以降の主な動きについて一覧整理したものでございますので、個別に私からの説明は省略させていただきますけれども、1つだけ説明させていただきます。前回の児童部会で法案提出の検討段階ということで御説明いたしておりました、一番上に書いています子ども・子育て支援法の一部改正につきまして、3月30日に成立いたしております。また、児童扶養手当の支給回数を年3回から年6回に増やすという改正内容を含みます生活困窮者自立支援法の一部改正法につきましては、6月1日に成立いたしております。
資料については、参考資料1という形で掲げさせていただいておりますので、後ほど御参照いただければと思います。
以降、順次、担当課長の方から各テーマにつきまして御説明させていただきます。
○成松家庭福祉課長 それでは、家庭福祉課長でございます。
私の方からは、お手元の資料4と、少し飛んで資料7について御説明させていただければと思います。
まず、資料4の方をお開きいただければと思います。「都道府県社会的養育推進計画の策定要領について」という横紙をお配りさせていただいてございます。
ページをめくっていただいて、1ページ目をご覧いただければと思いますが、先ほど総務課長からも御説明させていただいたものにかぶりますけれども、社会的養育に関しては、平成28年の児童福祉法改正、あるいは昨年8月の社会的養育ビジョンというものを有識者の方からいただいて、各都道府県の体制とか取組について全面的に見直すという形で、その策定要領というものを今年の7月6日にお示しさせていただいたというところでございます。
今回の計画の位置づけというのは、そのあたりのことを書いてございますが、いずれにしても、全ての子どもが健全に育成される権利を持っているということを押さえた上で、作っていただくことになりますし、各都道府県においては、2019年度末、来年度末までに計画をお作りいただくということで、国として、その策定要領をお示ししたものがこれでございます。
策定要領の基本的な考え方を簡単に御説明させていただきます。今回の見直しの対象というのは、下の3ポツにも書いてございますとおり、非常に幅広く全体的な視点を持って、一体的に進めていく必要があるということを書かせていただいています。また、各都道府県においては、各地域の実情を踏まえつつも、子どもの権利などについては、どの地域においても実現されるべきものであることを踏まえていただく。あるいは、国で設定している目標も十分念頭に置いていただいた上で、各都道府県において、計画期間中の具体的な数値目標・達成期限を設定していただく。
その上で、国において、毎年、各都道府県における取組状況あるいは評価のための指標をとりまとめて、しっかりモニタリングあるいは評価して公表する、あるいは進捗の検証を行って、国としても取組の促進を図っていきたいと思ってございます。
一方で、この姿を達成していくためには、財政支援の在り方が課題になってくるということで、厚生労働省としても来年度以降の予算について、引き続き、しっかり検討して最大限努力していくということを、基本的な考え方として書かせていただいてございます。
時間の関係で、各項目を少し簡略化して御説明させていただきます。2ページ以降でございます。
まず、書いていただくことが11項目ございますけれども、1つ目は、都道府県における基本的な考え方、全体像。
2つ目として、当事者である子どもの権利擁護の取組について記載していただく。
(3)としては、市区町村の子ども家庭支援体制というものは、これからますます重要になってくるということで、その構築に向けた都道府県の取組を記載していただく。
(4)としては、この10年間の計画期間における代替養育を必要とする子どもの見込み。あるいは、その中で、里親等委託が必要な子ども数を見込んでいただく。この里親等委託が必要な子どもについては、現状の委託可能な里親数にとらわれずに、子どもの状況を見て、その数を見込んでいただくという形になってございます。
次のページをめくっていただきまして、(5)としては、里親等への委託の推進に向けた取組ということでございますが、里親等委託を推進するためには、里親養育を包括的に支援していく体制が大事だということで、マル1、フォスタリング業務の包括的な実施体制の構築ということで、各都道府県において、2020年度までにこういう体制を構築していただくということを書いてございます。
マル2といたしまして、里親やファミリーホームへの委託子ども数の見込みということでございますが、2つ目のポツにも書いてございますとおり、国においては、「概ね7年以内(3歳未満は5年以内)に乳幼児の里親等委託率75%」、「概ね10年以内に学童期以降の里親等委託率50%」に向けて、国として取組を推進する。
都道府県においては、先ほども申し上げたとおり、これまでの地域の実情を踏まえて、あるいは踏まえつつも、子どもの権利などについては、どの地域においても実現されるべきものであること。この国の数値目標を十分に念頭に置いていただく。あるいは、個々の子どもに対する十分な説明等を行っていただいた上で、各都道府県の数値目標と達成基準を設定していただくという形にしてございます。
(6)としては、パーマネンシー保障としての特別養子縁組等の推進のための支援体制の構築ということで、特別養子縁組、後ほど御説明しますけれども、パーマネンシーを保障するための一つの有力な方策でございますので、それの推進に向けた体制を都道府県に構築していただく計画をつくっていただくということ。
ただ、その中でも、書いてございますとおり、実際の縁組とかマッチングについては、単に数値を見るだけじゃなくて、十分なアセスメントをした上でやってくださいということを書かせていただいてございます。そういうことをしていただいた上で、国としても、現状は500件ですけれども、概ね5年以内に1000件以上の縁組成立を目指して環境整備を図っていく、あるいは周知を図っていくというものでございます。
そして、4ページ目、施設の関係でございます。家庭養育をしっかり進めていくということで、施設の役割というのは変わっていくということでございます。
特に、マル2、施設の小規模かつ地域分散化、高機能化、多機能化・機能転換ということでございますが、施設の高機能化につきましては、これからの施設というのは、里親等の養育がなかなか困難、あるいは年長のお子さんを中心に担っていただくという形になってくると思いますので、そういったお子さんに対応できるように、そういったお子様の養育を担えるような高機能化を図っていく。
あるいは、多機能化・機能転換につきましては、家庭養育というものを、これまで施設は施設の中のお子さんを中心に見ていただいておりましたけれども、今後は、さらに家庭における養育、家庭で支援という機能を持っていただくというふうに機能転換していくこと。あるいは、施設の中に有効なものを、小規模かつ地域分散化された施設の中で、地域の中で育てていただくということが大事になってくるのではないか。それを目指していくという形で、そういうベクトルでしっかり取り組んでいくということが、この中で書かれてございます。
そして、次のページ、おめくりいただいて、(8)としては、一時保護改革に向けて、しっかり取り組んでいく。あるいは、今、施設にいるお子さんがしっかり自立を図れるような取組を、各都道府県においても行っていただくということ。
あるいは、(10)として、児童相談所の強化等に向けた取組ということで、中核市・特別区の児童相談所設置に向けた取組などを図っていくという形になってございます。
(11)は留意事項でございます。先ほどスケジュールを申し上げました。2019年度末、来年度末までに、新たな計画の策定を行っていただきたいとしておりますが、一方で、子どもの権利のために、できることは計画の策定を待つことなく、しっかり取り組んでいただきたいということで、2018年度からできるものはしっかりやっていっていただきたいということをお願いするというものでございます。
資料4につきましては、以上でございます。
資料をちょっと飛ばしていただきまして、資料7でございます。法務省の法制審議会特別養子制度部会の検討状況ということで、特別養子縁組制度、民法上の制度でございますが、こちらの方の見直しのための議論が法務省で行われておりますので、その関係の御報告をさせていただければと思います。表紙にありますとおり、これまで3回、法務省の方で御議論していただいているということでございます。
2ページ目が委員名簿ということで、久保野先生もこの法制審の中に御参画いただいておりますし、あるいは、我々厚生労働省の担当の方もこの検討の中に入らせていただいているということ。あるいは、民法上のそれぞれの御専門の方々に入っていただいている部会の構成でございます。
何を議論しているかというところでございますが、第1回目の資料で論点というものが大体出ておりますので、そこで簡単に御説明させていただければと思います。資料の3ページ目からでございますが、見直しの視点ということで、先ほども申し上げたとおり、特別養子縁組制度というのは、永続的な家庭を保障するという意味で、その方策の一つとして非常に大事な方策だということで捉えられますけれども、一方で、さらに利用を進めるべきだということで、民法上の制度面の検討が今、求められているということで、そういった視点での検討が行われています。
主な論点として、3つ御紹介させていただければと思いますが、まず3ページ目の下の方でございますけれども、養子となる者の年齢要件というものが一つの論点になってございます。現行法では、特別養子縁組の成立というのは原則6歳未満となってございますが、この6歳未満という年齢をどこまで要件を見直すべきかという論点が1つ目でございます。
ページをめくっていただいて、4ページ目の下の方に書いてございますが、第3の養子となる者の父母による同意の撤回制限ということで、実親の同意の撤回というものが審判成立まで可能だということで、そういう仕組みが養親希望者、新しい親となろうとしている方が試験養育を開始することを躊躇する場合があるということでございますので、そういった意味での同意の撤回制限というものができるかどうかという論点が2つ目でございます。
3つ目の論点といたしましては、次のページをめくっていただきまして、5ページ目、第4の特別養子縁組成立の審判に先立って養子となる者の父母の同意を要しないことを確定するということでございます。今でも父母の同意が不要であるかどうかというのは、審判成立時に判断するということになりますけれども、一方で、そこまで父母の同意が不要であるかどうか自体を特定できないということは、そういう意味では、養親となるものが特別養子縁組の利用を躊躇する場合があるという指摘がございます。こういう父母の同意を要しないことを確定する方策についても、この特別養子制度部会の中で御検討いただいているところでございます。
引き続き、この特別養子制度部会における議論というのは続いていきますけれども、またその時々の状況をこの部会でも御報告させていただければと思ってございます。
以上でございます。
○宮腰虐待防止対策推進室長 続きまして、資料5、資料6の御説明をさせていただきます。
最初に、資料5をご覧いただければと思います。「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策について」と書かれている表紙でございます。この緊急総合対策につきましては、今年の3月に目黒区で女の子どもさんが児童虐待によって亡くなられたという、大変痛ましい事件がございました。この事案も受けまして、6月15日に児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議が開催されまして、総理大臣より緊急に対策を講じるよう指示がございました。これを受けまして、今、お手元にある資料になるのですけれども、7月20日に関係閣僚会議において児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策が決定されております。
この緊急総合対策ですけれども、大きく2部構成になっておりまして、表紙の次のページ、1ページ目が、まず緊急的に講ずる対策と書いてございます。6つ項目がございます。
次のページに進んでいただきますと、2ページ目に児童虐待防止対策のための総合対策となってございまして、1ページ目の緊急対策と2ページ目の総合対策をあわせまして緊急総合対策という形で呼ばせていただいております。
そうしましたら、本日は緊急対策の部分について、主に重点的に御説明させていただければと思いますので、1ページ目に戻っていただきまして、緊急的に講ずる対策というところをご覧いただければと思います。
まず、Iで、転居時の児相間の情報共有の徹底についてでございます。こちらは、児童相談所間の転居時に引継ぎを行いますので、その際のルールを見直すということを書かせていただいております。引継ぎの際に、ケースに関する緊急性の判断を行いますけれども、この判断内容を移管先にきちんと伝えること。緊急性が高いと判断された場合には、原則、対面等で引継ぎを行っていただくこと。この対面には、移管元と移管先の児相が一緒に家庭訪問することも含まれております。また、3つ目といたしましては、引継ぎが完了するまでの間は、従前行っていた援助を解除しないようにすることでございます。
2つ目が、子どもの安全確認に関する対応の徹底でございます。これまでも48時間ルールということで、安全確認のルールがございましたが、こうした形で安全確認できない場合には、立入調査を実施するようにということを書かせていただいております。
3つ目が、児童相談所と警察との情報共有でございます。従来から、児童相談所と警察との情報共有につきましては、刑事事件としての立件の可能性があると考えられる重篤な事案、保護者が子どもの安全確認に強く抵抗を示すことが予想される事案、こうした形で通知してございましたが、具体的にわかりにくいという御意見もございましたので、今回、明確化をさせていただいております。
具体的には、そちらにございますような、マル1、マル2、マル3という形で書かせていただいておりますが、マル1について申し上げますと、虐待による外傷、ネグレクト、性的虐待があると考えられる事案等の情報と書かせていただいておりますが、こちらは具体的に通知では、一時保護決定を検討する際に使うアセスメントシートがございまして、このアセスメントシートに準拠して、緊急性のあるケース、あるいは重篤なケースについて警察と情報共有するという形にしております。ここに書いてある記述につきましては、そのアセスメントシートの中から例示として引かせていただいたものを書いてございます。
また、こうした情報共有につきましては、警察と連携して子どもの安全確認を確実に行うとともに、必要な支援の実施につなぐために、情報共有後の児童相談所、警察、それぞれの対応、連携方策について、あらかじめ児童相談所あるいは都道府県警察との間で協議を行っていくことによって、連携体制強化を図っていくということが非常に重要であると考えてございますので、こうした連携体制の強化についても通知をさせていただいているところです。
また、警察との情報共有の在り方につきましては、今後、自治体における取組や調査研究、こうしたものによって実態把握を行うとともに、警察庁とも相談しながら、連携方策について、引き続き検討していく予定としてございます。
続いて、IVの一時保護や施設入所等の措置の実施、解除をご覧いただければと思います。一時保護をする際、解除時、それぞれの段階におきまして、客観的に情報を把握の上、判断すること。また、解除後の在宅支援については、継続して支援を行うほか、進捗状況を関係機関で共有して、リスクが高まった場合には再び一時保護する。こうした対応について書かせていただいております。
Vになります。虐待の早期発見、予防に関連する観点になります。乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急把握の実施についてでございます。乳幼児健診未受診、未就園、未就学、こうした形で福祉サービスを利用していないなどの、関係機関が安全確認できていない子どもさんにつきましては、市町村の方でリストアップしていただきまして、情報確認いただき、その上で支援が必要な家庭があれば支援につなげていく。こうした取組を行っていただきます。
続いて、右側にありますVIの欄をご覧いただければと思います。これまでも児童相談所の体制強化というものを図ってきたのですけれども、2016年度から2019年度までの計画期間としておりました児童相談所強化プランに基づいて行ってまいりました。今回、新たに市町村の体制強化を盛り込んだ、2019年度から2020年度までを期間とする児童虐待防止対策体制総合強化プランを年内に策定することとしてございます。
今回は、このプランの骨子を定めさせていただいております。ページをおめくりいただきまして、2ページ目が総合対策になりまして、その次の3ページ目をご覧いただけばと思います。児童虐待防止対策総合強化プラン(骨子)と書かれているものでございます。大きく2つ定めてございまして、上の方にございますのが児童相談所の体制強化、それから、下の方でございますが、市町村の体制強化、この2つを定めております。児童相談所の体制強化につきましては、児童福祉司について、現行の3200人程度に加えて2000人の増加を図ります。子ども家庭総合支援拠点あるいは要対協の調整機関の職員の配置促進、こうした形での市町村の体制強化を図るという内容にしてございます。
次のページ、ご覧いただきまして、4ページ目でございますが、こちらは先ほど児童福祉司を2000人増やすと申し上げましたが、そちらの考え方になってございます。
大きく2つございまして、マル1にございます人口当たりの配置標準の見直しになります。そちらに業務量を書いてございますが、現在、業務量としては、1人当たり50ケース相当になっているものを40ケース相当までに減らす。こうした形で減らせるように人員を増やすことを考えておりまして、現行4万人に1人当たり児童福祉司を配置するとなっております配置標準を、3万人に1人となるような形に見直していきたいと考えてございます。
2つ目が里親養育支援担当の児童福祉司、市町村支援担当の児童福祉司、この2つの児童福祉司についても、追加して配置するという2つを大きく見直しまして、2000人の増員が必要となるという予定でございます。こちらは、具体的には地方交付税措置を講じていくことになりますので、年内に具体的な骨子をプランにしていくという作業をして、引き続き進めていくということになります。
資料5については、以上でございます。
続きまして、資料6をご覧いただければと思います。「平成29年度の児童虐待相談対応件数について」でございます。毎年8月に速報値を公表してございまして、その数字がこちらになります。
表紙の次のページをご覧いただければと思いますが、児童相談所での児童虐待相談対応件数とその推移ということで、グラフの一番右側になりますけれども、速報値で13万3778件、対前年度比109.1%ということで、過去最多という数字になってございます。
主な増加要因といたしましては、心理的虐待の増加、警察等からの通告の増加ということが挙げられております。
自治体からの聞き取りでも、子どもが同居する家庭における配偶者からの暴力、いわゆる面前DVと呼んでございますが、それに関しまして、警察からの通告が増加している。こうしたことが大きな増加要因として挙げられているということでございます。
その後ろに種別、経路別という資料もお付けしてございますので、時間の都合上、省略させていただきますが、ご覧いただければと思います。
以上でございます。
○竹林保育課長 続きまして、保育課長でございますが、お手元の資料8、資料9、資料10について御説明させていただきます。
最初に資料8でございます。今年の5月31日に報告書がまとまりました「幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置の対象範囲等に関する検討会報告書」について、御説明いたします。昨年12月8日に閣議決定されました新たな経済政策パッケージにおきましては、3歳から5歳の全ての子どもたちの幼稚園、保育所、認定こども園の費用を無償化するということと、それ以外の無償化の対象範囲については検討の場を設け、30年夏までに結論を出すということが盛り込まれておりました。これを受けて、元総務大臣の増田寛也元先生が座長をされまして、できた検討会でございます。
その検討会の報告書の概要でございますけれども、例えば対象者といたしましては、保育の必要性があると認定された子どもで、認可保育所などを利用していない方。
そして、対象サービスにつきましては、幼稚園の預かり保育。それから、一般的に言う認可外保育施設のほか、自治体独自の認証保育施設、ベビーホテル、ベビーシッターなどを対象とする。指導監督基準を満たすものが原則ですが、5年間は猶予措置を設けることになっております。
また、上限額につきましては、認可保育所の保育料の全国平均額、3~5歳の場合は月額3.7万円を上限とする。
支払方法につきましては、償還払いを原則とする。
また、認可外保育施設の認可への移行を支援するといったことが盛り込まれております。
また、実施時期につきましては、消費税の10%への引き上げとあわせまして、認可、認可外を問わず、2019年10月から全面的に実施するということとされております。
その他、制度設計に当たって、自治体の意見を十分聞くとか、自治体の負担が軽減される場合には、その財源を子育て支援に活用するよう求めるといったことが盛り込まれておりまして、こうした内容につきましては、本年6月15日に閣議決定されました、いわゆる骨太方針2018にも盛り込まれているところでございます。
この資料の説明は以上でございます。
続きまして、資料9をご覧いただけますでしょうか。本年9月7日に公表いたしました保育所等利用待機児童数調査結果等について御説明いたします。
1ページ目でございますけれども、上の枠囲みの部分でございます。2013年度から17年度までの5年間の計画でございました待機児童解消加速化プランにつきまして、市区町村と企業主導型保育事業による保育の受け皿拡大を合わせますと、5年合計で約53.5万人となりました。これは、政府目標である50万人を達成しているものでございます。その内訳は、市町村で47.6万人、企業主導型で6万人ということでございます。
また、今後3年間、2018年度から20年度末までの計画であります子育て安心プランにつきましては、現時点の市区町村等の計画を積み上げますと、2017年度末までの子育て安心プランの前倒し分も含めまして、3年間で約29.3万人分が拡大できる見込みでございます。
それから、その次の部分でございますけれども、保育の申込者も年々増加しておりますが、2018年4月時点の待機児童数は1万9895人ということで、10年ぶりに2万人を下回る結果となっております。
下のグラフの赤い折れ線グラフが近年の待機児童数の推移でございます。
次に、2ページでございますけれども、もう少し詳しい数字を載せております。先ほど申し上げたとおり、まず待機児童解消加速化プランの実績につきましては、5年合計で53.5万人となっております。これは、昨年9月に公表した時点では、見込みで59.3万人としておりましたけれども、平成29年度の実績が出まして、土地の確保のおくれ等によりまして計画どおり開設できなかったものがあったり、あるいは統計上の重複計上の整理をしたりといったことによりまして、結果的には53.5万人ということになっております。
また、次の段でございますけれども、今後の3年間の子育て安心プランにつきましては、右側に参考を載せておりますけれども、昨年6月時点で、国として女性の就業率80%に対応できる保育の受け皿の整備を進めるには、残り32万人分の受け皿が必要であるという推計をして目標を立てておりますけれども、現時点での市町村の計画の積み上げは29.3万人となっております。ただ、この年度別の数字をご覧いただければわかりますように、すぐ近い将来である30年度は約13万人の拡大予定がありますけれども、少し先になりますと整備の計画量が落ちている。
これは、過去の計画にも見られたことでございまして、市町村としては、目の前の保育ニーズというものは把握しやすいけれども、少し先になってきますと、潜在ニーズの把握もなかなか十分にできない。ただ、これは毎年、同じような作業をやっておりますので、来年度になりますと、後ろの方の年度の数字は積み上がってくるものと考えているところでございます。引き続き、市町村をしっかり支援してまいりたいと思っております。
続きまして、4ページをご覧いただきたいと思います。市町村別の待機児童の状況でございます。
上の枠囲みでございますけれども、待機児童につきましては、全国の市区町村のうち、約8割においてはゼロになっており、都市部で多く見られる状況にございます。
3つ目の○でございますけれども、表にも載せておりますけれども、待機児童数が100人以上減少した自治体の傾向を見ますと、例えば全国で一番減ったのは大分市さん、去年に比べて450人減らしておられますが、申込者数に比べて大幅に上回る利用定員数の増加、保育の受け皿整備をしっかり取り組んでいただいているということで、大体そういう保育の受け皿整備をしっかり取り組んでいただいたところが待機児童数の減少につながっていると考えております。
その次の5ページでございますけれども、全国の待機児童マップを載せております。右側に都道府県別の表を載せております。一番右の欄に増減と書いてございますけれども、昨年4月に比べまして、全国で6186人、待機児童が減っておりますが、このおよそ半分に当たります3172人は東京都さんの各市区町村の頑張りで減ってきたものでございます。ただ、東京都さん以外でも、ほとんどの都道府県で三角が立っておりますので、全国的に待機児童の解消に向けた取組が進んできていると考えております。
また、続く6ページでございますけれども、年齢別の状況などをもう少し見ますと、1歳児、2歳児の待機児童が多いということで、右下の表に赤く囲っておりますが、全体の待機児童数の約4分の3に当たります1万4758人が1・2歳児の待機でございます。
しかし、その上のグラフにございますように、各市区町村の受け皿整備計画におきましては、1・2歳児童につきましても申込者数の予測を上回る利用定員の増加を計画されておられるところでございます。
この資料についての説明は以上でございます。
続いて、資料10をご覧いただければと思います。本年5月に設置いたしました保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会について、御報告させていただきます。
御案内のとおり、保育所等における保育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培うものでございます。保育の質を確保・向上させていくことが重要でございます。
2つ目の○でございますけれども、本年4月から保育所保育指針が改定されて適用されていることを踏まえまして、学識経験者に参集を求めて具体的な方策を検討していただきました。左下に構成員がございますけれども、白梅学園の前学長の汐見先生に座長を務めていただいております。
2番の検討状況の部分でございますけれども、保育の質に関しましては、主に内容・環境・人材の3つの観点が考えられますが、このうち主として保育の内容面から幅広く多角的に方策を検討しているところでございます。
5月の設置以降、ヒアリングなどを通じて計5回開催してまいりました。構成員や関係者の方の意見発表、自由討議をやっております。今後、9月26日に開催予定の第6回検討会におきましては、中間的な論点の整理というものを行いたいと思っております。その上で、適宜、実態調査あるいは調査研究を行いながら、引き続き中期的に検討を進めてまいりたいと考えております。
私からの説明は以上でございます。
○田村子育て支援課長 続いて、資料11について御説明させていただきたいと思います。新・放課後子ども総合プランでございます。
1ページ目、放課後児童クラブの概要でございます。これにつきましては、共働き家庭など留守家庭の小学校に就学している児童に対して、学校の余裕教室とか児童館など、放課後等に適切な遊び、生活の場を与えて、その生活を支援するということでございます。詳細については、省略させていただきます。
済みません、ちょっと飛んで3ページ目をご覧いただきたいと思います。これは受け皿の整備についてでございますけれども、現行、放課後子ども総合プランというものを平成27年度から平成31年度までの5カ年ということで、約30万人分を整備するという形になってございます。昨年の閣議決定を受けまして、これを1年前倒しするということで、今年度まで4年間でこの目標の受け皿30万人を達成するという形になっております。ちなみに、30万人の達成の見込みでございますけれども、これまでの実績等を踏まえれば、この30万人は4年間で達成する見込みではないかと踏んでいるところでございます。
一方、整備はある程度順調に進んできているものの、この下の方にございますけれども、待機児童が、昨年29年5月時点で1万7000人いるということ。それから、女性の就業率がどんどん伸びてきているということもございます。結果、保育の利用率も伸びておりますし、放課後子供教室の方にもその影響が出て、また利用ニーズがふえてきているという状況がございますので、さらなる受け皿の整備が必要だということで、このたび、先週金曜日、9月14日でございますけれども、新・放課後子ども総合プランを公表させていただいたところでございます。
この新しいプランでございますけれども、来年度からの5カ年で30万人でございますけれども、単純に均等にふやしていくということではなくて、まず最初の3年間で加速的に受け皿を25万人整備して、待機児童ゼロを目指すということでございます。その後も、女性の就業率等の伸びを踏まえまして、5万人をさらに整備していくという計画になってございます。
2ページに1枚戻っていただきたいと思います。真ん中に新・放課後子ども総合プランに掲げる目標ということでございます。
4つの大きな柱がございますけれども、今、1つ目の説明をさせていただきました。
2点目でございますけれども、全ての小学校区で、これは言い忘れましたけれども、文科省と私ども厚労省での共同のプランということになっております。文科省所管の放課後子供教室と放課後学童クラブということでございます。その両事業を連携して実施していくと。そのうち、小学校内で一体型という形で、教室、それからクラブが連携して行うものを1万カ所以上で実施することを目指していくということでございます。これは、現行のプランでも同じ目標を立ててございます。1万カ所がまだ達成できていないという状況もございます。また、引き続き1万カ所を目指して推進していくということでございます。
それから、3つ目の柱でございますけれども、放課後クラブ、子供教室、両事業とも、新しく作る場合には学校施設を優先して活用していくことを目指したいと考えているところでございます。具体的には、放課後児童クラブに関しましては、新たに開設するクラブのうち、8割相当を小学校内で実施するということを目指していきたいということでございます。これも現行プランと同じような目標を立てて進めているということでございます。
それから、4点目でございます。これは、新しく今回のプランで設けさせていただいた目標でございます。これは、量ということではなくて、質の確保ということでございます。本来ある放課後児童クラブの役割というものを徹底していただいて、地域によって一生懸命やられているところ、そうでないところ、多少ばらつきが見られるところがございますので、それぞれ支援の質の内容というものを底上げしていくという意味合いでございます。
こういった4点の柱でございますけれども、このような内容のものをこれからの新しいプランということで、先週の金曜日に各自治体の方に通知という形で発出させていただいているところでございます。
以上でございます。
○長田総務課長 長くなって恐縮でございますが、引き続きまして資料12をご覧いただきたいと思います。子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る検討についてということでございまして、この具体的な検討につきましては、内閣府に設けられております子ども・子育て会議という審議会にて議論が開始されてございます。
具体的な中身でございますが、少しページをめくっていただいて、3ページまで飛んでいただければと思います。先ほど児童福祉法の改正については、法律の附則におきまして、施行後2年以内に検討という規定があると申し上げましたけれども、子ども・子育て支援法、それから、長い法律名が書いてありますが、いわゆる認定こども園法でございます。これらの法律の附則におきまして、5年を目途に検討という規定がございまして、これを受けました制度の施行状況を勘案した検討の議論が開始されているということでございます。
それで、検討の進め方ということに幾つかの論点が書いてあります。多岐にわたりますけれども、1つは、もともと平成27年4月にスタートしました子ども・子育て支援新制度というものがかなり抜本的な改正内容も含んでおりましたので、実態も踏まえる形で、本来の基準に対して5年間の経過措置を置いている事項というものが多数ございまして、そういった経過措置が5年の期限が到来することを踏まえて、その経過措置をもともとの想定どおり、そこで終了するのか、あるいは何らかの形で継続していくのかといったことを、実態も踏まえて整理していく必要があるということ。
それから、先ほど保育課長から御説明いたしました幼児教育・保育の無償化など、これまでの新しい経済政策パッケージ、その他閣議決定された事項に対応した制度改正を検討していくこと。
それから、そもそも現行の子ども・子育て支援法あるいは認定こども園法の施行状況において起こってきている課題というものを分析し、それに対して制度改正をする必要があるのかどうかといったことについて、今後、検討を加えていくということでございます。
中身につきましては、時間の関係もございますので、省略させていただきますが、そのような議論がスタートするということだけ御報告させていただければと思います。
引き続きまして、資料13でございます。これまで申し上げたようなことなども踏まえまして、当然、さまざまな施策を展開するためには、必ず予算というものの裏づけが必要になるということで、こういった政策のプランでございますとか、各方面からいただいた提言等を踏まえまして、私どもなりに緊急的あるいは重要課題への対応を概算要求という形で盛り込んでいるつもりのものでございます。
まず、1枚めくっていただければと思います。予算額というものがございまして、2019年度概算要求額としては4991億円、これは子ども家庭局要求分の額ということでございます。
この数字に関しましては、2点ほど注釈が必要かと思っております。
まず1つは、直感的に皆さん、少子化対策、非常に重要な中で、額が小さいという印象があるのではないかと思いますけれども、平成27年4月、繰り返しになりますが、子ども・子育て支援新制度がスタートしましたときに、その全体のとりまとめが内閣府に移管されまして、従来、厚生労働省で予算をしておりました保育所の運営費など、いわゆる保育給付費とかについては、内閣府で予算計上。また、児童手当につきましても内閣府計上ということでございまして、実は保育給付費関係で約9000億円程度、児童手当については1兆4000億円程度ということで、これだけで2.3兆円規模がございまして、そこも含めて子ども関連予算ということでご覧いただければなと思っております。
それから、2点目でございますけれども、これは国の概算要求上のルールということで、かなり技術的な話になってしまうのですけれども、例えば年金とか医療とか介護の経費というのは、国が必ず負担しなければならない、いわゆる義務的な経費という区分をされております。実は、保育所の運営費でございますとか、ほかに児童養護施設の措置費なども、同じく義務的な経費という形で位置づけられております。
これらの経費につきましては、毎年、いわゆる政策的な増を行わなくても、予算が高齢化に伴って、どうしても増えていくということで、概算要求上のルールとしましては、基本的には高齢化に伴う増分だけが上乗せで要求できるというルールになっておりまして、政策的に増やしていく予算について、具体的な額を計上して要求できないというルールになっております。ただ、当然ながら、政策的な課題に対応していく必要があるものというのは幾つかございますので、それについては、事項要求という言い方を政府の中ではしておるのですけれども、具体的に何千億円という額の要求にはしないのですけれども、こういったものについて事項として要求したいという、いわば表明をするというルールになっております。
実は、今回の子ども家庭局関係の予算要求では、その事項要求に該当するものが非常に多くございまして、2ページの括弧書きに縷々書いておりますけれども、先ほど言いました幼児教育・保育の無償化の関係でございますとか、子育て安心プランに対応する経費の関係。
それから、下の2行に書いておりますけれども、児童虐待防止対策、社会的養育の推進につきましては、先ほど担当室長から申し上げましたとおり、虐待の緊急対策等を踏まえまして、相当充実させていく必要があるわけでございますけれども、児童養護施設の措置費などについては、ルール上、実額を積んだ要求ができないということがございまして、これも事項要求という形にして、年末の予算編成過程で検討するという整理になっているということでございます。
ちょっと前置きが長くなって恐縮でございますが、具体的な中身について幾つかポイントを御説明させていただきたいと思います。
まず、4ページでございます。子育て安心プランをはじめとした総合的な子育て支援ということでございますが、保育対策につきましては、先ほど言いましたように、全体の運営費については内閣府計上ということになっておりますので、厚生労働省予算としての主なものとしては、大きくは2つ。
1つは、子育て安心プランを実現するための保育所整備等、受け皿を確保していかなければなりませんので、その整備費。また、これは箱だけ作っても、人をきちんと手当てしていかなければいけないわけでございますので、保育人材を確保するための総合的な対策をこれまで講じてきておりますけれども、保育人材確保対策。これらの対策を併せて1000億強の概算要求ということでございます。
また、放課後児童対策につきましても、先ほど子育て支援課長から御説明いたしました、新・放課後子ども総合プランに対応した所要の予算要求をしているところでございます。
続きまして、6ページでございます。(5)幼児教育・保育の無償化への対応ということでございます。基本的には、無償化の費用部分につきましては、先ほど言いました事項要求という形の整理でございますけれども、この無償化については、いわゆる認可外保育施設を利用された方についても対象とすることとされており、認可外保育施設について、質の確保というのがあわせて重要な政策課題として求められておりますので、その質の確保・向上のための指導・助言等にかかわる費用について予算要求してございます。
それから、3.子どもを産み育てやすい環境づくりでございますが、従前から取り組んでいる施策に加えまして、先ほど虐待死亡事例の特集でもございましたが、若年妊娠対策というところで、そういった方を早く発見し、早く必要な支援につなげていくことが非常に重要だということで、(1)の2つ目のポツでございますが、女性健康支援センターにおいて、特定妊婦と疑われる者を把握した場合に、早期からの支援が受けられるよう、医療機関等へ確実につなぐ体制を整備ということで、例えば職員が同行して医療機関に訪問するといったことの費用などを要求しているところでございます。
それから、7ページ、虐待・社会的養育の関係でございますが、大きくは家庭養育優先原則を徹底するために必要な予算確保、そして7月にとりまとめました緊急総合対策を実現するための予算を確保していくということが大きな課題ということでございますけれども、その中で特に御紹介させていただければと思いますのは、8ページの(2)市区町村の体制強化という部分でございますけれども、児童相談所の体制強化と同時に、身近な市区町村の役割を強化し、支援の裾野を広げていくことが非常に重要でございますので、引き続き、市区町村子ども家庭総合支援拠点の設置を促進ということで、従前の支援策を充実していくということ。
また、相談を受けるだけではなくて、具体的な支援をあわせて提供できるということが効果的な支援につながるという観点から、当該拠点を通じたレスパイトケアなどのサービスを提供できるような予算についても、要求させていただいております。
続きまして、いわゆる家庭養育優先原則の実現の関係でございますが、大きくは2つございます。
1つは、里親委託を推進するためには、里親養育を支援する体制を大幅に強化しなければいけないということで、先ほど家庭福祉課長からも説明させていただきましたとおり、フォスタリング機関と称しておりますが、里親養育を包括的に支援する機関の体制を拡充するということで、既存の里親支援事業というのが現行でもございますが、これを大幅に拡充する予算要求を行っているところでございます。
もう一つの柱としては、施設の高機能化・多機能化・機能転換、小規模・地域分散化というのもあわせて図っていく必要がございますが、施設に係る費用につきましては、先ほど言いました政策増要求が認められない経費という整理になってございますので、事項要求という形で年末の予算編成過程で充実確保に努めてまいりたいと思っております。
最後でございますが、10ページで、ひとり親家庭の自立支援及びDV対策等の推進につきましては、従前の取り組みに加えまして、10ページの柱書きのところでございますが、地域の民間団体の活用等によるひとり親家庭等へのきめ細かな相談・支援の充実といったことでございますとか、法律としてはもう成立しておりますけれども、児童扶養手当の支払回数を年3回から年6回にするというのは、来年度からスタートするということでございますので、それに必要な予算を確保していくということでございます。
駆け足になりましたが、説明としては以上でございます。
○秋田部会長 どうもありがとうございました。
これまでの事務局からの御説明について、委員の皆様から御意見や御質問がありましたら、お願いいたします。
小国委員、お願いいたします。
○小国委員 鎌倉女子大学、小国と申します。
保育の待機児童の取組で、予算もつき改善しているという説明を受けて、大変よいことだと思いましたが、病児保育に関しては、どのような見解あるいは、これからどういうふうに展開していこうとお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○秋田部会長 お願いします。
○竹林保育課長 保育課長でございます。
特別なペーパーは用意しておりませんけれども、病児保育も子ども・子育て支援法に基づく13個の市町村の行う事業の一つとして、平成27年度から31年度という5カ年の計画を各市町村で立てて、根っこのところは事業主の拠出金でございますけれども、今後、充実していく部分については消費税の財源も注ぎ込んで拡充を図っているところです。
ややテクニカルでございますけれども、病児保育については、もともと事業主の拠出金をいただいて運営している部分と、どうしても利用児童数に変動があるものですから、利用児童数にかかわらず支払われる基本分と、それから利用児童数に応じて払われる実績払いの部分。それから、消費税の財源で基本分を補うものとして、利用児童数にかかわらず保障される部分と3つあったのです。
けれども、そのあたりが使い勝手が悪いということで、せっかく消費税の財源で新しく基本分も充実して運営をやりやすくしたはずなのに、うまく使われていなかった事情がございまして、今年度の予算より、そういうところは見直して、事業主の拠出金の部分も消費税財源の部分も一体的に基本分として運用できるような工夫もしておるところです。それによって、どれぐらい箇所数が伸びたり、運営が改善されたのか、まだ実績は出ておりませんけれども、そういうところも既に改善措置は講じておりますので、その効果がどれぐらいあったのかということもしっかり確認していきたいと思っております。
予算そのものは、内閣府の予算にはなるのですけれども、制度設計には私たちも絡んでおりますので、引き続きしっかり充実に努めてまいりたいと思っております。
○小国委員 女性の働き方改革ではないですけれども関連事項として、女性が働くためには、待機児童の解決だけではなくて、病児保育もないと働いていかれませんので、ぜひそちらの方も充実させるようによろしくお願いいたします。
○秋田部会長 ありがとうございます。
では、権丈委員。
○権丈委員 私も、保育所整備・待機児童のところです。そちらが比較的順調に進んでいるという報告をいただいて、まずは保育ニーズへの対応について評価したいと思います。その上で、特に今後、保育の無償化も踏まえて、保育の受け皿拡大が引き続き必要となるということですので、しっかり取り組んでいただければと思います。
それで、特に保育士について伺いたいのですけれども、計画を立てられて進めていくということではあるのですが、これまでの試み、取組等も踏まえて、保育士の確保の状況をもう少し詳しく教えていただければなと思います。保育士の確保については、大括りで3つの分野に分けられるかと思います。現在在職されている保育士の就業継続の支援、そして保育士資格の新規取得者の確保、さらに離職者、潜在保育士の再就職支援ということで、そのうちどれが一番効果を上げていて、また、これからの効果が見込まれるのかといった点が1つです。
もう一つ、保育士の賃金についてです。保育士の賃金を民間企業の賃金の実態を調べている賃金センサスを確認しますと、確かに上昇しておりまして、処遇改善のこれまでの試みが全体として役立っていると言えるかと思います。ただし、その伸びを見ると、28年から29年の伸びが大きく、保育士の人手不足対策によるところもかなりあるのではないかと思われます。
そうすると、結局のところ、これまでやってきた処遇改善の効果をどの程度調べられているのか。例えば、キャリアを積んだ保育士の処遇改善のために勤続年数加算などもしておりますが、そういったところの効果が見られるのかということを確認させていただきたいと思います。保育士の賃金上昇に関する、より細かな状況、地域別であるとか、認可・無認可、あるいは正規・非正規、年齢別の状況などが、おわかりであれば教えていただきたく、またそうした検証をぜひしっかりされて、次の取組につなげてほしいと考えております。
特に、現在の経済状況を見ますと、他産業でも人手不足が生じておりますので、保育士、放課後児童クラブの支援員等についての人材確保も難しくなると思われますので、しっかりとした取組をお願いしたいと思います。
○秋田部会長 ありがとうございます。
保育課長。
○竹林保育課長 保育課長でございます。どうもありがとうございます。
今の権丈委員からの御質問の中で、まず保育士確保対策として、新規の保育士になる方を増やすというものと、今、働いていらっしゃる方の就業継続を進めるということと、資格を持ちながら、一旦おやめになっている方を、また保育士の職場に戻ってきていただくという、従来、3つの柱で進めてきております。その中のどれが効果を上げていて、どれを伸ばしていくのかというのが最初の御質問だと思うのですけれども、定量的にそのうちのどの対策がどう効果があったのかというのは、きちんとした分析はできておりません。
正直、さまざまな対策の中で、幾つかの柱にまたがるものもあります。例えば、保育士の処遇改善などは、我々、保育士確保対策の中でも最も力を入れておりますけれども、新規に保育士になる方にとっても、処遇改善で魅力的にするというのは効果があると思いますし、今、お勤めになっている方がやめないようにする効果もあると思いますし、おやめになった方が戻っていただくという意味でも、処遇改善というのは効果があると思います。そういうふうに、一つの対策が幾つもの側面で効果が発揮できる場合もあると思います。
今の保育士の確保の状況で言いますと、保育士になる方、あるいは保育市場にいらっしゃる方の数自体は増えているのですけれども、保育の受け皿自体も毎年ふえていますし、これからもまだまだ伸ばしていかなければいけないということを考えますと、有効求人倍率などは高止まりをしておりまして、正直、綱渡りの状況は続いていると思います。したがって、あらゆる手を尽くしてやっていく。もちろん、どの政策がどれぐらい効果があるかということの検証も、確かにしていかなければと思いますけれども、今は思いつく、あらゆる限りの対策をしっかり全力を挙げてやっていくということで、まず取り組んでいるところでございます。
そういう意味で、賃金等の状況につきましても、近年の処遇改善の仕組みは処遇改善加算という形で、基本単価とは別につけておりまして、あらかじめ処遇改善の計画を出していただき、あと実績もチェックしていて、加算としてつけた分は全て賃金のアップに使う。逆に言うと、使っていなければ加算をとめるという仕組みですので、単に保育所にお金が増えているというだけじゃなくて、確実に保育士のお給料のアップにつながっていると、仕組み的にもそういうふうにしておりますし、現実問題として、例えば有名な賃金構造基本統計調査などによりましても、年収ベースで見ますと、平成25年度の310万円から、最新の29年度の統計では342万円という形で上がってきております。
この後、さらに技能・経験によりまして、1人当たり4万円の加算といったものも、まだ29年度の統計には入っておりませんけれども、今後の統計にはその効果も出てくるのではないかと思っておりますし、昨年12月に閣議決定されました、新たな経済政策パッケージにおきましても、まだ追加で1%の処遇改善というものがうたわれているところでございます。
このあたりも、正直、権丈先生がおっしゃったような、さまざまな詳細な分析ですね。正規、非正規別でありますとか年齢別であるとか、その辺、十分し切れていないところがありますので、その辺はまた御指摘も踏まえて、もう少しきめ細かく、どこに、どう効果があらわれているのかというのは検証していきたいと思っておりますけれども、全体の予算がなかなか増えない中で、この保育士さんの処遇改善の部分というのは、この国全体の行政の中でもかなり力を入れてやってきている部分ではないかなと思っております。
以上です。
○秋田部会長 どうもありがとうございます。
では、松田委員、お願いします。
○松田(茂)委員 中京の松田です。
待機児童対策について2つ意見と、税制要望について1つ質問させてください。
まず、待機児童対策については、今、御説明ありましたとおり、私も政府、そして厚生労働省様が非常に力を入れて対策をされてきたおかげで、多くの方が保育を利用することができるようになってきていると思います。また、待機児童数がなかなか減っていかない背景には、就業率が上がってきたことに加えて、定義を少し広げているということがありますので、実態はもっと保育が多くの方に浸透したのだと思います。
その上で2つですけれども、一方、量的な拡充に関しては、これまでも私、この部会で申し上げましたが、冷静にもう少し考える視点も必要ではないかと思います。それは、子育て関係の予算というのは我が国で少ないですから、どんどん要求すべきものですけれども、財政事情を考えると、効率的に運用できる部分があればやったほうがいい。その上で申し上げることは、既に保育園に空きが出ている。そうしたデータがあるということです。そして、報道ベースでも、企業主導型保育園はたくさん作りましたけれども、かなり空いているという批判もなされている。
それを踏まえまして、前回も申し上げたかもしれませんが、資料9の5ページと6ページの資料なのですけれども、それぞれの定員が空いている数というものを全国から集計して、あわせて情報を見せるという、それをしてはどうかというのが私の意見です。それによりまして、空いている施設があれば、それを有効に使うことができるという視点も出てくるかと思います。あわせて、認可外も少し空いていると思いますので、その情報も合わせると、もう少し知恵を使ってやるということができるのではないかと思います。それが1つ。
2つ目ですけれども、この待機児童に関して、最近、報道されているものとして、待機児童にわざとなっているというものが、私のところにも取材が来たのですけれども、これは1社2社の報道ではなくて、かなりの数の報道がなされているということを私も認識しております。その実態が把握されていないので、これはヒアリングベースなのかもしれませんけれども、自治体様から吸い上げて、どのくらいが実際の待機児童ではない数となっているのか。それは、数として持ったほうがいいのではないかと思います。
言いたいことは何かというと、いっぱい待機児童がいる保育園にしかウエーティングリストに申請しなくて、待機児童にわざとなる。その方を批判するのではなくて、その方たちも働きやすくする、預けやすくする仕組みがないかということの検討も必要かと思います。
これが待機児童対策についての2つの意見です。
1つ質問は、税制要望についてさせてください。済みません、来る前に私、資料を拝見したときにあったもので、どこか、すぐ出てこないのですけれども、厚生労働省様の税制要望として、仕事と家庭の両立を支援する観点から、0歳から2歳の子どもを持つ世帯において、認可保育所への入所の希望がかなわず、やむを得ず、公費の支援のない認可外保育施設等を利用する場合に、その費用の一部を税額控除する。これを税制要望に出しているということがあったと思います。
質問ですけれども、認可外保育施設等にはベビーシッターも含まれているのですか、そういう要望なのかというのが1点。
もう一つは、保育所を利用していながらベビーシッター等を利用する方は多いと思います。今の税制要望の文面からですと、それが除外されてしまっているように見えるのですけれども、そのあたりはどうなのかが2点目です。
以上です。
○秋田部会長 お願いいたします。
○竹林保育課長 最初の先生の御発言、御意見ということでしたけれども、少しだけコメントをさせていただきます。
今日、お持ちした資料では、そういう細かな空きの状況までは書いてございませんけれども、本当は全国レベルでの待機児童の数が増えているか、減っているかということじゃなくて、そういう定員に空きがあるかどうかも含めて、しっかり効率的に保育サービスを展開していかなければいけないというのは御指摘のとおりだと思っております。ただ、通勤しながらというか、働きながら、通いの施設でありますので、地理的にすごく遠いところに空きがあっても、それはなかなか有効に使えない。
そういう意味で、各市町村に保育提供区域という、市町村よりも少し小さな単位で生活圏のような区域ごとの計画も作っていただいていまして、そこでの需要と供給がマッチングするように、市町村全体での需要と供給がマッチングするというのでも、まだ粗いと思います。そういう生活圏域での需要と供給が一致していかないと、最終的に待機児童がゼロになっていかないと思いますので、そのようなところも計画を作っていただいた上で、待機児童のいる市町村につきましては、それを全部厚生労働省のホームページで保育提供区域ごとの今の状況と今後3年間の見通しについて、全部公表する形にしております。
一部の自治体では、特に東京都の中の区部などは、全体としては待機児童が多いけれども、保育所ごとに見たら少し空きがある。そこはなぜかというと、交通の便が少し悪かったりするということなので、駅前に1回、お子さんが集まるステーションみたいなものをつくって、そこからバスで、その区の中だけれども、空きがある認可保育所にお連れして、夕方になると逆の動きがあるわけですけれども、そういった形で世田谷区さんなどが熱心にやっておられて、その区の中の定員の空きなども有効に活用するというのを既に始めておられるところがございます。
あと、待機児童にわざとなっている例があるのではないかということで、私どもも、報道ベースで基本的に知っている話ですけれども、保育所に申し込んで、それで無理だったときには、育児休業が1年ではなくて2年とかとれるし、その間、育児休業給付が出るということもあって、逆に言うと、そういう仕組みをうまく使うような動きをしている保護者さんもいらっしゃるのではないかという話も、確かに聞いているところです。ただ、具体にそれが何人ぐらいいらっしゃるかとか、そのあたりもまだよくわからなくて、市町村の現場の方が一番お詳しいと思いますので、引き続き、市町村のそういう実態について把握して、それから何らかの対応があり得るのか、考えていきたいと思っております。
○森田少子化総合対策室長 少子化総合対策室長です。
税制ですけれども、資料13、予算の資料の15ページに、松田委員が御指摘いただきました税制改正の要望の内容を挙げさせていただいております。
まず、ベビーシッターについては要望しております。これは、認可外保育施設という言葉が読みづらいという御指摘だと思いますが、児童福祉法上は認可外保育施設にベビーシッターは該当しますので、対象として要望させていただいております。
この要望自体は複数年、要望しながら継続検討という形になっているものですが、メインのターゲットは特に1歳、2歳の待機児童となっていて、本当は認可保育所に入りたいけれども、やむを得ず認可外に通っている方がメインのターゲットと考えております。御指摘のあったケースについては、詳細をこれから財政当局と調整していきますので、どういう形にするのが一番適当かは議論していきたいと思っております。
○秋田部会長 では、相澤委員、お願いいたします。
○相澤委員 大分大学の相澤でございます。
私は、この予算は大変すばらしく、努力され確保されている概算要求だなと思います。ただ、難しいのは、恐らく自治体の2分の1負担とか、そういうことで、食いついてくれるかどうかというのは課題ではないかなと思っております。これから、先ほど大塚委員が言ったように、地域共生社会の実現に向けてということで、子どもだけではなくて、高齢者・障害者を含めた対策を、私、大分県内のある市の総合計画をつくる委員もさせていただいておるわけですけれども、そういう意味では、高齢者とか子どもの対策を一緒にやるようなことを、今後きちんと考えていかないと、なかなか難しいのではないか。
先ほどの人材確保が難しいということですけれども、例えば保育士の確保などでも、高齢者の方の子育て支援員とか、そういう方を活用するとか。それから、児童虐待の問題でも、先ほど面前DVということで家庭内暴力ということですけれども、障害者虐待とか高齢者虐待を目撃した子どもに影響がないかといったら、そんなことはないわけでございます。そういう意味では、児童虐待と高齢者虐待と障害者虐待、それぞれ分けて考えるのではなくて、一緒にして考えてみるとか。
それから、先ほどの遊びのプログラムなどについても、子どもだけのプログラムではなくて、高齢者の方と障害者の方と子どもが一緒に遊ぶようなプログラムを考えるとか、そういう創意工夫をしていくようなことを子ども施策の中でも考えていくべきではないかと思ったものですから、発言させていただきました。
以上です。
○秋田部会長 どうもありがとうございました。
それでは、小川委員、お願いします。
○小川委員 大妻女子大の小川でございます。
保育課の課長さんから御説明があったのですが、東京都は非常に待機児童が少なくなった、東京都は大変努力されているとおっしゃったのですが、東京都が始めたのでということで、実は大変困っていることがあります。それは何かといいますと、勤務されている保育士さんたちに住宅手当が出るようになりました。毎月8万円です。こんなに高い住宅手当を出しているのは東京都だけです。それでどういうことが起こっているかと言いますと、東京都に近い、もう既に保育園で働いている保育士さんたちが、ごそっと東京都に移ってしまうのです。それが1人2人で移るのではなくて、どうも相談するらしくて、5人とかでどっと移られてしまう。
そうすると、移られたほうの園は大変なわけです。私、どこかと今、忘れてしまったのですが、それで8万2000円の住宅手当を出すと決めた行政が1か所あるそうです。そういうことで考えていきますと、行政が東京都のようにお金があるところはそういうことができる。確かに私の知り合いで、8万円の住宅手当が出たから、今までよりもいいアパートに引っ越しましたという保育士さんもいらっしゃるわけで、それはありがたいことなのですが、地域で行政ごとの財政によって、とても格差が出つつあるのではないか。働いている人も給料がいいほうに流れますし、4万円の話が出ましたが、4万円が園でとても問題になっているというか、人間関係がうまくいかなくなっていくという事例も多々あります。
1つは、私は国が考えていくとしたら、都道府県の格差をどうしていくかとか、そういう人材確保は、いないので、みんな本当に欲しいのです。ですから、今は住宅手当だけじゃなくて、東京都のある区は、保育士養成の学校に入ったら、その授業料も全部貸しますよ。そのかわり、出たらうちにちゃんと勤めてねというところもあります。手を変え、品を変えで大変なことになっていますので、保育士不足はまだまだ続くかもしれないですけれども、保育所をつくれと言ってもなかなか現実にならないというあたり、あと格差が余りないような。日本のどこにいても子どもが幸せなものはないのかなと考えています。
以上です。
○秋田部会長 どうもありがとうございます。
山野委員、お願いいたします。
○山野委員 済みません、時間がないところ、大阪府立大学の山野です。先ほど名乗るのを忘れました。失礼しました。
簡単に無償化の話のところです。今、皆さんがおっしゃっている保育士不足の話が出ているのですけれども、大阪に限らず、保育関係の団体さんでも無償化に反対せざるを得ないという状況になっているかと思います。例えば、預かり保育でいらっしゃった親御さんが、みんなが申請することでしなければと申請されていく。今まで必要でなかったと言ったら語弊がありますけれども、申請をどんどん増えていくことになるのではないかという不安感が施設側から出ています。それに対して対応できないという自治体からの不安感も出ているかと思いますので、そのあたりの何か対応を想定されているのかという、無償化にまつわるいろいろな課題が1つと。
それから、もう一点は、子育てする権利というのか、子どもとしっかり向き合って楽しく過ごしていくことの大事さを示していくこと。待機児童対策だったり、どんどん預けましょう、みたいな流れに見えてしまうので、一方で、子育てする楽しさとか大切さを打ち出して両輪でいくみたいなことも、ぜひ御検討いただけたらなと思いました。もう考えておられるのかもしれませんけれども、以上です。
○秋田部会長 ありがとうございます。
はい。
○竹林保育課長 どうもありがとうございます。
無償化に伴って保育需要がふえるのではないか、ますます待機児童の問題などが深刻になるのではないかという御指摘は、各方面からいただいているところです。そういう影響が全くないと申し上げる材料もないのですけれども、1つは、今回の無償化につきましては、基本的には3歳から5歳の子どもたちを対象とするものであって、特に4歳、5歳の方については、ほとんどが幼稚園か保育所か認定こども園か、あるいは認可外保育施設、障害児の施設に通っていらっしゃるということで、御家庭にずっといらっしゃる方というのはほとんどおられないのかなと考えております。
また、幼稚園に通っておられる方でも共働き家庭の方はいらっしゃいますので、預かり保育という形で、さらに教育時間が終わった後、預かっておられる部分もございますけれども、そこも保育の必要性がある子どもについては無償化の対象にするという制度設計をしておりますので、一部先行して行った自治体では、そこが無償になっていなかったので、幼稚園から保育所への移行というものが見られましたけれども、今の国の制度設計では、手を打っていると思っています。待機児童が多い0歳から2歳の部分につきましては、市町村民税非課税世帯に限定した制度設計になっております。
あと、もちろん子育てする楽しさといったものも、これは費用面での対応ではございませんけれども、引き続きしっかり訴えていきたいと思っております。
○秋田部会長 どうぞ。
○大塚委員 時間がないところで済みません、1点だけ意見ということで。
都道府県の社会的養育推進計画の件ですけれども、これからこれをどういうふうに着実に進めていくか、いろいろな課題があると思っています。その中で、家庭養育優先原則は理想で、方向性としては全然間違っていないのですけれども、どのような家庭において行うか。特に、児童養護施設の職員の方たちについては、今までの仕事をどういうふうにしていくか、これはパラダイム転換だと思います。否定されるのではなくて、新しい機能の中で、こんな仕事に向かっていってください、希望を持って仕事ができるような体制。
それから、この人たちこそマンパワーなのだから、これからは里親や特別養子縁組の広報として、地域で支援できるような方向性を持っていただきたいということを思いました。
以上です。
○秋田部会長 どうもありがとうございました。
それでは、時間若干を過ぎましたけれども、ありがとうございました。
本日は、これで閉会といたします。
どうもありがとうございました。
(了)
 
 
 

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