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2016年12月2日 第4回 地域高齢者等の健康心を推進する配食事業の栄養管理の在り方検討会議事録

健康局健康課栄養指導室

○日時

平成28年12月2日(金)13:30~15:30


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

構成員<五十音順・敬称略>

江頭 文江 (地域栄養ケアPEACH厚木 代表)
迫 和子 (公益社団法人日本栄養士会 専務理事)
新開 省二 (東京都健康長寿医療センター研究所 副所長)
高田 和子 (国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所栄養教育研究部 栄養ケア・マネジメント研究室長)
武見 ゆかり (女子栄養大学大学院 研究科長)
田中 昌枝 (福岡県田川保健福祉事務所健康増進課 健康増進係長)
新田 國夫 (一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会 会長)
早瀬 一彦 (日清医療食品株式会社営業本部食宅便事業推進部 課長)
平野 覚治 (一般社団法人全国老人給食協力会 専務理事)
松月 弘恵 (日本女子大学家政学部食物学科 教授)
松本 吉郎 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
宮入 知喜 (株式会社ファンデリー 常務取締役 MFD事業部長)

事務局

福島 靖正 (健康局長)
正林 督章 (健康課長)
河野 美穂 (栄養指導室長)
芳賀 めぐみ (補佐)
塩澤 信良 (補佐)

○議題

(1)ヒアリング等を踏まえた配食事業の栄養管理の在り方について
(2)その他

○議事

○河野栄養指導室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第4回「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理の在り方検討会」を開催いたします。

 皆様方には、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。

 なお、今回より、担当者配置がえのため、日清医療食品株式会社の構成員に変更がございますので、御紹介させていただきます。

 日清医療食品株式会社営業本部食宅便事業推進部課長、早瀬一彦構成員でございます。

○早瀬構成員 日清医療食品、早瀬と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○河野栄養指導室長 なお、本日、堀江構成員におかれましては、御都合により御欠席です。

 続きまして、資料を確認させていただきます。

 議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、資料1として、「地域在住高齢者における栄養の特性と課題」。後ほど新開構成員に説明いただく資料となります。

 資料2といたしまして、「地域高齢者の健康支援を推進する配食事業の栄養管理の在り方について(骨子案)」。参考資料としまして「第3回検討会までの議論やヒアリングにおける構成員及び参考人の主な意見の概要」。

 また、机上配付資料としまして、新開構成員御提供のリーフレットを配付しております。

 以上ですが、よろしいでしょうか。

 なお、皆様方には水色のファイルとして第1回から第3回までの検討会資料を配付しております。このファイルは検討会終了後に回収させていただきますので、お手元に置いたままお帰りいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 これ以降の進行につきましては武見座長にお願いいたします。

○武見座長 それでは、皆様、今日もよろしくお願い申し上げます。

 前々回と前回の2回にわたりまして、配食事業者、在宅医療・介護領域の実務者、自治体関係者の皆様に対して、「配食事業の栄養管理の在り方」に関してヒアリングを行ってまいりました。

 今回は、これまでのヒアリングや御議論を踏まえて、検討会報告書や事業者向けガイドラインを見据えながら、栄養管理の在り方の具体について考えていくことになります。

 ただ、その具体を御議論いただく前に、まず地域高齢者における栄養課題をよく踏まえておく必要があります。この点については、前回第3回の検討会で皆様方より御了承いただいた点です。

 そこで、今回はまず初めに、地域高齢者における栄養の特性と課題について、新開構成員に御説明をお願いしたいと思います。

 それでは、新開構成員、どうぞよろしくお願い申し上げます。30分ほどでということで、どうぞよろしくお願いします。

○新開構成員 では、資料1「地域在住高齢者における栄養の特性と課題」というパワーポイント資料を御覧ください。この資料は、主に私どもの研究所で高齢者の栄養疫学を勉強する栄養疫学研究会が総力を挙げてまとめさせていただきました。今日は、同行人として、研究会のメンバーである横山と本川が参加しております。

 いろいろデータを集めまして、今日は5点整理をさせていただけたらと思います。

 1点目は、地域在住高齢者の栄養摂取状況です。

 2点目は、栄養状態の健康への影響というところです、主に医学的な側面です。

 3点目は、高齢者に多い低栄養に対して、良好な栄養状態を保つための食事とはどういうものが提案できるかという点です。

 高齢者の栄養状態は、身体的には口腔・嚥下機能に大きく左右されますし、家族形態、買い物、調理等の食環境にも影響されますが、その点に関してどんなエビデンスがあるか、現状はどうかといったところをまとめ、最後にガイドラインに向けた提言をまとめさせていただきます。

 では、めくっていただいて、まず栄養摂取状況を概観してみたいと思います。お示しのデータは、2003年から2011年の9年間の国民健康・栄養調査で対象となった65歳以上の高齢者合計2万2,692名についてのものです。

 4ページに男性の年代別・栄養素等摂取量をまとめております。年齢階級は6569歳といった5歳階級ごとに分け、80歳以上は一くくりです。

 まず、栄養素等の摂取状況は、当然といえば当然なのですが、年齢階級が高くなるほど、ほとんど全ての栄養素等の摂取量は低下するという実態がございます。

 どういう食品群の摂取が低下するかをまとめたのが5ページでございまして、芋類あるいは乳類を除くほとんど全ての食品群の摂取量が少ないということになります。

 6ページが女性です。男性と同じように年齢が高くなるに従ってエネルギーあるいは栄養素等の摂取量は低下する傾向が見てとれます。

 7ページ、男性と同様に食品群で見ましたところ、芋類では加齢変化はないのですけれども、男性は乳類では差がございませんでした。女性の場合、卵類は差がないということですが、そのほかの食品群の摂取量はやはり加齢とともに少なくなる傾向がみられております。

 この結果、どういった栄養状態の特性があるのかということで、低栄養傾向を示す高齢者の頻度を8ページに示させていただきました。低栄養傾向の定義は、ひとまずBMI20以下、アルブミンが4.0以下とし、2003年から2011年までの5歳階級ごとの出現頻度の推移をあらわしております。左がBMI、右がアルブミンです。

 この間のトレンドとして、BMI20以下の出現率はあまり変わっていません、アルブミン4.0以下の出現率は、2009年までは各年齢階級とも増加、それ以後は減少ということになっております。共通するのは、65歳、70歳、75歳、80歳以上になるに従ってそれぞれの出現頻度がかなり上がってくることで、低栄養傾向を示す者の割合が加齢とともに確実に増加するということが言えると思います。

 9ページです。以上をまとめますと、国民健康・栄養調査の結果から、高齢者では年齢階級が高くなるほど低栄養傾向の出現率が高くなる。エネルギー摂取量を始め、多くの栄養素や食品群の摂取量が低下するという傾向がございます。したがって、高齢期は数多くの食品群や栄養素の摂取不足が問題となる可能性がある。その予防・改善に向けては、特定の食品群や栄養素が不足するというものではないので、食品摂取の質、つまり多様性に着目していく必要があると考えられます。

 次に、こうした高齢期の栄養状態の高低がどういった健康アウトカムに影響するのかをまとめさせていただきました。資料は11ページ以降になります。典型的な健康アウトカムというのは、死亡に及ぼす影響、これは余命ということになります。それと健康余命に及ぼす影響、この2つがあろうかと思います。

 データソースは、まず余命につきましては、私どもが老人総合研究所と言われていた時代に調査しました1990年代の長期疫学研究データから採用させてもらいました。健康余命に対する栄養状態の影響というのは、2002年以降の群馬県草津町での縦断調査研究データを採用させていただきました。それぞれの概要論文はここに記載されているところに発表されております。

 まず、余命に対する影響ですが、対象地域は12ページに記載がありますが、東京都小金井市と秋田県南外村の在宅の一般高齢者を対象として調べました。用いた栄養状態というのは、BMIと血中の栄養指標3つ、合計4つの指標を用いまして、これと余命との関係を追跡調査から見たということです。

13ページ、4つの指標を最も高い第4四分位から最も低い第4四分位に分け、つまり対象者をそれぞれ25%ずつの人数で区切ったわけですが、そうしますと、男性、女性、それぞれ記載どおりの数値で区分されます。

 注目していただきたいのは第1四分位です。ここに低栄養状態の方がかなり含まれるのですが、これがどうかということです。

14ページは、BMIと生存率の関係を見たものです。横軸が追跡期間で8年まで、縦軸が累積生存率を示しています。これは単変量解析ですので、年齢等の交絡要因は調整しておりません。BMIが最も高い群、ここでは男性24、女性25以上の群に比べまして、少し太い群、少し細い群、この3群の間では生存率に差はありませんが、細い群、つまり赤い線の群の生存率が他の3群よりも低い、つまり死亡率が高いと言えます。

 次に、重要な栄養指標の一つであります血清アルブミンの数値と生存率の関係です。ここにおきましても、3.9とか4を下回ってくる低い群の集団が他の3群に比べて生存率が低く、死亡率が高いという結果です。

 同様に、総コレステロールも高い群よりは第1四分位の低い群の死亡率が高い。

17ページ、ヘモグロビンにおいては、これは若干線形の関係があるようで、ヘモグロビン濃度が一番高い群に比べますと、濃度が薄くなるほど、そして貧血傾向が出てくるような低い人の群では、生存率が低くなってきます。

 栄養状態と余命との関係では、年齢や既往歴など多くの交絡の影響を受けます。そこで、さまざまな交絡要因の影響を除いて分析することが必要になります。

18ページのようなモデルをつくりまして、赤い部分の交絡要因を調整してみました。その結果が19ページの図です。4つの指標それぞれについて、最も高い群すなわち第4四分位を基準としたときの最も低い群すなわち第1四分位の死亡のリスクをあらわしたものです。BMI、アルブミン、ヘモグロビン、コレステロールとも最も低い、ここには4人に1人の高齢者が該当しますが、そのグループの死亡リスクが5~6割高いということがわかりました。

 最終的にどういう死因と結びついていたのでしょうか、それが20ページでございます。これは単変量解析の結果ですが、がん死亡、循環器病死亡、その他の死亡、通常死因はこのメジャーな3グループに分けることができるのですが、それぞれと高栄養、中栄養、低栄養群に分けた3群との関係をみてみました。3つの群は、先ほどのBMIからヘモグロビンまでの4つの指標をもとに総合栄養スコアを算出して、この三分位に基づいて対象者を3群に分けました。

21ページは、多変量解析をした結果です。交絡要因を調整したところ、統計的に有意であったのは循環器病による死亡リスクです。低栄養群では2.5倍高い。したがって、低栄養は、主に循環器疾患死亡リスクを通じて総死亡リスクを上げると考えることができます。

 次に、もう一つの重要な健康指標であります健康余命についてです。これは2000年代に群馬県草津町の高齢者健診を受診した合計1,600人を約7年間追跡したデータでございます。用いた4つの栄養指標は同じものでございまして、数値の分け方については時間の関係上省略させていただきますが、資料のほうに掲載しております。

23ページに健康余命の定義を掲載させていただいております。群馬県草津町では、介護認定を必要な方の9割ぐらいが受けております。ですので、介護認定情報をサロゲートマーカー、健康余命の代替指標として使うことが可能です。

 追跡期間中に新規の介護認定が284例ございましたので、介護認定の有無を従属変数にして、先ほどの4つの栄養指標との関係を見たところ、低栄養傾向の群で介護認定、すなわち自立喪失が多く発生しました。つまり、低栄養状態ですと健康余命が短縮するという結果です。

 データは6066ページに掲載しております。

 以上をまとめますと、1990年代の小金井・南外コホートから、4つの栄養指標とも数値が低いことが、循環器疾患を通じて総死亡リスクにつながっている。男女ともそういう傾向でございました。

2000年代の草津の研究では、男性、女性で若干違うのですけれども、ほぼ同様なことが言えて、健康余命が短いリスクにもなっているということであります。

25ページに行っていただいて、この4つの栄養指標の数値が低いことから考えられるものは何かということです。BMIは、長期的なエネルギーのバランスを反映するので、BMIが低いということはエネルギーが不足のほうに傾いている、これは長期的な少食傾向が背景にあるだろう。アルブミンは主にたんぱく質、コレステロールは主に脂質、ヘモグロビンはたんぱく質や鉄を含めた栄養素が必要な指標です。つまり、高齢者の栄養の特性でありましたいろんな食品群、栄養素が不足するということが、こういう栄養指標にも反映して、その結果、これら数値が低いことがネガティブな健康アウトカムにつながっていくということです。直接的な栄養学的背景では、全体の食事量が少ない、さらにその中で栄養素密度が低い食事をされている、これを粗食と言えるのかもしれませんが、それが背景としてあろうかと思います。

 さて、そうした高齢期の栄養の特性を踏まえて、良好な栄養状態を保つための食事とは何だろうかということを考えてみました。

27ページです。1食の中で主食、主菜、副菜というバランスをとる食事ということが基本だろうと思います。3食のうち最低2食あればいろいろな意味で栄養管理上いいのかなというデータがほかで発表されております。

 主食、主菜、副菜で足りなくなるのが牛乳、乳製品、果物と言われております。こうしたものを三度は無理でも、1日1回は欠かさず食べるということで、1日のトータルの栄養バランスが保てるという考え方が1つあります。

 もう一つ、学術領域では、食品摂取の多様性を評価して、これを高齢期の栄養状態の改善につなげようという動きがございます。

 ここで御紹介するのは食品摂取の多様性得点というもので、私どもの研究所で働いておりました熊谷が2003年に論文を報告しております。10の食品群について過去1週間の摂取頻度の状況を把握して、多様な食品摂取をしているかどうかを評価するものでございます。そのほか、11項目の多様性スコアが京都大学のほうから出ておりますが、週1回以上食べる場合を1点とカウントしております。この辺が違いますが、考え方はよく似ています。

 私どもの食品摂取の多様性スコアを29ページの図で紹介しています。ここにある10の食品群について、最近1週間のうちほぼ毎日食べていると回答した場合を1点、そうでない場合を0点として合計点を算出するというものです。

 この10の食品群をなぜ使ったのかということに関しては、巻末の資料のスライド74から89に少し詳しく載せております。なぜ穀類が入っていないのかということです。芋類は炭水化物ですけれども、穀類が入っていない理由ですが、このスコアが開発された1990年代初頭、当時の高齢者は三度穀類をとっていたわけです。御飯にしろ、麺類にしろです。そのため差がつきにくいので、それ以外のおかず類でいいだろうと考えたという経緯がございます。ただ、最近、穀類の役割が見直されておりますので、私どもは新たな指標の開発をめざした研究を今、進めているところです。

 この10の食品摂取の多様性スコアを使った研究がいろいろ増えてきております。多様性スコアの栄養学的な量的な側面も検討しようと、私どもも現在いろいろ検討していますが、それが30ページ、31ページ、32ページにあります。3日間の食事調査との対応でみまして、どういう栄養素、どういう食品群のスコアが増えてくるのかというのをみております。

30ページは、緑黄色野菜、果物、大豆製品については、多様性得点が高くなるほど、ほぼ毎日食べる者の割合が高くなるのですけれども、海藻、芋類、肉については、多様性得点にかかわらず、ほぼ毎日食べる者の割合は低い傾向。そのようなことがあります。

31ページ、食品摂取の多様性得点が高くなると、たんぱく質や種々の微量栄養素量が増加する傾向が見られます。これはかなり差があるところです。得点が0-3点、4点、5-6点、7-10点というふうになりますが、全体のエネルギー量は増えないのですが、中に占めるたんぱく、脂質、炭水化物、エネルギー比率が変わってきまして、体重当たりのたんぱく質量が1.2から1.31.4というふうに増えてまいります。

 逆に穀類のエネルギー比は減少傾向にあります。

 その他、微量な栄養素は全般的には増えてくるという傾向がございます。

32ページは、食品摂取の多様性は、加齢や体格との関連性は見られないという結果が得られていますので、そういうものを考慮せずに使える指標であるということです。

 まとめますと、33ページのイメージ図として捉えることができます。多様性得点が高くなるほど右のほうに向かいます。つまり、炭水化物がやや減少しておかずの品数が増えます。トータルとしては、たんぱく質が増えますし、ほかの栄養素が含まれるということで、同じ量、同じエネルギーであってもその中の栄養素密度が高いというふうに考えることができる。これは高齢期の食事を見る上で非常に重要な概念ではないかなと思っております。

 食品摂取の多様性に着目した研究は少しずつ確実に増えておりまして、これが34ページでございます。栄養素密度を適正に維持するというのは、特に後期高齢期のフレイル・サイクルを回さないという意味では非常に重要なところでございまして、フレイルティの中核をなしているサルコペニア、筋肉あるいは身体機能にも食品摂取の多様性が関係しているというデータが、私どもの横山らの研究によって明らかになりつつあります。その研究の一端を35ページ、36ページに御紹介させていただきました。多様性得点が高い高齢者ほどサルコペニアの予防ができるという研究データでございます。

35ページは体組成です。うち骨格筋量は、多様性得点が高い食事をしている人ほど多いということです。36ページは、身体機能、握力、通常歩行速度なども多様性得点が高い人ほど他の交絡要因を調整しても高い傾向にあるということです。

 つまり、栄養素密度の高い食事をしておると、体重はあまり変わらなくても、その中の脂肪を除く除脂肪体重がしっかり維持されて、それと関連して身体機能も維持されてる、ということでサルコペニア、フレイルの予防にも重要だと考えております。

37ページは、4年間追跡して体組成あるいは身体機能の変化をベースライン時の多様性得点、食生活の特徴から類推したものです。多様性得点が高い食事をしている高齢者ほど低下リスクが少なかったということでございます。

 なぜそういう結果が得られるのか、それに関して38ページにまずはたんぱく質がしっかり摂取されている、これは筋たんぱく合成に重要です。そのほか野菜、果物もとられているということは、サルコペニアには筋たんぱくだけではなくて、抗酸化ビタミンなどの酸化ストレスや炎症を抑制する栄養成分も非常に重要で、いろいろな栄養素の複合的な効果によって筋量や身体機能の低下が抑制されるという可能性が考えられます。

 そうした結果から、高齢期のフレイル、サルコペニアの予防に関しては7点以上あれば、そうした目標に近づけるのではないかと考えております。

 4点目。とはいえ、高齢期は、いろいろな食環境が低栄養に結びつきやすい、いわゆる環境面の課題が出やすい時期です。

41ページです。高齢期の栄養状態に影響する食環境要因はいろいろあるのですが、まず身体的なものとして口腔機能。これは非常に重要なので、触れさせていただくということと、あと、食環境です。いくつか課題を指摘させていただきたいと思います。

42ページは、私どものお達者検診を受診された地域在住の高齢者の口腔機能です。かたいものが食べにくいと答える人が2割、むせるという嚥下の問題を持っている方が2割、口の渇きが3割程度、それぞれいるということで、これらは意外と高齢期ではコモンな症状です。

43ページです。その中で特に噛む力が食事摂取に大きく影響してくることを示すデータです。これは咀嚼力判定ガムで「噛めない」という1~3点の人と「噛める」という4~5点の人の、左側は栄養素等摂取量、右側は食品群別摂取量を比較したもので、噛める群を100とした場合に噛めないグループの相対的な摂取の割合を示しております。噛めないグループは、多くの栄養素、食品群別摂取量で低値を認めます。特に10%以上低値を認めるのがたんぱく質、脂質、鉄、ビタミンA、Cであり、食品群別摂取量では芋類、緑黄色野菜、その他の野菜、海藻、豆類、魚介類、肉類、種実類ということで、先ほどの低栄養とかフレイル、サルコペニアに結びつきやすい栄養素が不足傾向になります。噛む力は非常に重要なポイントです。

44ページは、こういう食品はかなり咀嚼が必要だ、こういう食品は噛めるということで、こんなデータもございまして、噛む力があれば多様な食品が摂取できるということは事実であろうかと思います。

 噛む力だけではないのですけれども、口腔機能が低下すると、それをきっかけに低栄養、それからフレイルティ・サイクルが回るということで、オーラル・フレイルからフレイルティに結びつきやすいという概念がかなり確立されつつありますが、それを45ページに御紹介させていただきました。

 次に、食環境の問題です。46ページに整理してみましたが、今日は、その中で独居の問題とライフイベント、買い物の困難性、そういった課題を少し紹介させていただきたいと思います。

47ページは「食品摂取の多様性低下を予測するリスク要因」です。食品摂取の多様性が重要だと言いましたが、8年間追跡して、多様性が低下するリスクに関連したものは、配偶者の死別、これがかなり強く影響して相対的な危険度が2.8倍。配偶者の死別を経験すると多様性スコアが2点以上低下します。これも環境的な要因として重要と思います。

48ページは、買い物の困難性です。特にひとり暮らし高齢者はこの問題がかなり深刻だと思います。

 買い物に困難感を持つ独居高齢者の割合については、座長の武見先生たちのグループの調査です。これは埼玉県ですか。

○武見座長 いや、これは全国のものでした。5県のデータです。

○新開構成員 わかりました。

 男性15%、女性21%ということで、女性での出現率がやや高いのですが、買い物の困難性とかかわる要因です。足腰の問題とか、目の問題とか、あるいは買い物を頼めるような人の存在とか、スーパーマーケットまでの距離、こうしたものが買い物の困難感に関連していることがわかっております。

49ページです。もう一つ、ひとり暮らし高齢者は、ふだんは単独で食べることが多いのですが、友達等が多いと共食の機会が一定程度あろうかと思います。共食の頻度がほとんどない独居高齢者は、男性が非常に多くて47%、女性は24%ということです。共食の頻度が一定程度ある人は、主観的な健康感がやや高いとか、食品摂取の多様性得点が高いとか、いい傾向がございます。肉の摂取頻度、緑黄色野菜の摂取頻度も若干いいということです。こういう独居高齢者の共食の課題をどうしていくのかということも配食サービスを考える上では一つ配慮が必要なのかなと。これは民間というよりも自治体レベルでの対策が必要なのかなと思い書かせていただきました。

50ページは、共食の頻度が非常に少ないことの関連要因です。解釈が難しいところがございますが、基本的にひとり暮らしの高齢者でネットワークが小さい人ほど共食の頻度が少ない、これはなかなか難しい問題も抱えているかなということです。

51ページは、一般の高齢者の食料品アクセスの問題で、農林水産政策所からこういう推計がございます。今後、食料品へのアクセスが困難になる方は、特に都市部を中心にかなり増えてくるということが、2010年から2025年、こういった推計としてなされています。食料品へのアクセスが困難になってきますと、結果、52ページのように、食品摂取の多様性得点が低くなってくるというリスクを抱えてきますので、こうした食環境も大きくは低栄養状態に関連する要因の一つだということであります。

53ページです。以上、地域在住高齢者の栄養の特性と課題をまとめますと、まず低栄養に陥りやすいということ。低栄養の頻度は推計の根拠を示しませんでしたが、高齢者人口の2~3割に見られると推計されます。これは余命や健康余命の独立したリスクであるということがわかっております。予防・改善に向けては、栄養素密度の高い食事、多様な食品摂取を心がけることが重要で、そういう意味では、今後配食サービスに期待される部分が非常に大きいのではないかと思います。その際に、栄養摂取にまつわる身体的、高齢者の生活状況というものに配慮していくということも必要と思います。

 最後に、こうした研究、高齢者の栄養特性と食環境の課題ということから、ガイドラインに向けた提言として、私なりに必要と考えるところをまとめさせていただきました。

 身体状況に配慮が必要ということ、それから栄養学的な配慮も当然あろうかと思いますし、対象者の生活状況に配慮するという視点も必要だろうと思います。

 そういうところから、アセスメント項目として55ページのような項目を提案させていただいております。このうち※印については、継続時のフォローアップのときに、配食サービスの対象者の健康とかその辺の変化を追うことが必要ではないかということで、※印をつけさせていただきました。

 ただ、低栄養が疑われる者や在宅療養者等のアセスメントについては、やはり専門職の関与が必要かなと考えます。

56ページ以下は参考資料としてつけさせていただきました。

575859ページは、低栄養の定義の関する根拠でございます。

 それから、先ほどのアセスメント項目の中に「体重の変化」というものを入れさせていただいたのですが、その根拠をスライドの67から73に挙げさせていただきました。

 さらに、たびたび出てきました食事摂取の多様性のスコアの開発の経緯と特徴をスライド74から89にまとめさせていただきました。これについては、何か質問があったら、その際にと思っています。

○武見座長 ありがとうございました。大変たくさんのデータをおまとめいただき、本当にありがとうございます。

 では、今の新開構成員の御説明につきまして、御質問、コメント等をいただきたいと思います。いかがでしょうか。お願いいたします。

○田中構成員 先生、貴重なお話、本当にありがとうございます。私は、保健所の立場で国民健康・栄養調査を実施しておりますものですから、そういった調査でやってきたことをこんなにまとめていただいて、ありがたく思っております。

 また、国民健康・栄養調査というのは11月が実施時期になっておりまして、私もこの11月に県民栄養調査を実施してきたばかりでございます。そうしますと、先生がお出しいただいた今日の結果がそのまま地域の個別事例と一致するなと思いながら見させていただいたところなのですけれども、ひとり暮らしでありますとか、買い物が不自由でありますとか、収入のところも大きく影響しているかなと思うのですが、地域の高齢者の方で少食とか粗食とかが見られる方が確かにある程度いらっしゃるという状況が地域にございます。

 また、肉、魚、卵、牛乳、果物、生鮮食品、それから比較的値が張るというか、安価ではないもの、こういったものがなかなか購入されず、摂取されていないという実態が少なからず見られております。

 その一方、地域でデイサービスなどを利用されている方も結構いらっしゃいまして、そういった方の食事を見ていきますと、栄養素密度の高い食事が1食入ることで結構な栄養摂取の増加が見られて、基準のいいところに入ってくるということも私たちの調査でたびたび経験しておりますので、そういう意味で、先生おっしゃられた配食サービスが地域の高齢者の中で広がることで栄養の改善、健康支援というところに寄与できるのではないかなと私も期待しております。

 先生が今日お示しいただいたアセスメントの項目についてでございますけれども、民間の配食サービスでどこまでアセスメントをするのかというところはありますが、少なくとも公的な配食サービスで栄養改善を目的とするものについては、こういった項目があると望ましいなと思っておりまして、こういった項目が国のガイドラインの中で具体的に示されると大変参考になるのではないかなと思いました。

 ありがとうございました。

○武見座長 コメントということでよろしいでしょうか。

○田中構成員 はい。

○武見座長 ありがとうございます。

 そのほか、今のようなコメントも含めて、あるいは短い時間で御説明いただいたので、御質問もあるかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。迫構成員、お願いいたします。

○迫構成員 先生、ありがとうございました。

 詳細にわたる説明をいただきまして、特に、低栄養が疑われる者または在宅療養者へのアセスメントというところのお話の中で、先ほど田中構成員からもあったのですが、公的なところについては、このアセスメント項目が多分がっちりと提案できるのではないかと思います。

 そこで、今後、民間の、特に小規模事業者も含めてなのですが、配食サービス提供事業者をどうやってふやしていくのか。その辺のところを考えていったときに、このアセスメント項目の中でこれだけは絶対必要だというところをお教えいただけると非常にありがたいなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。

○武見座長 55番のところでですね。

○迫構成員 そうです。小規模なり民間なり、なかなかアセスメントをしづらいところでの項目としてですが。

○武見座長 それでは、まず新開先生から御意見を伺って、あと、事業者の側からも御意見をいただきたいと思います。

○新開構成員 現時点ではこういうものが必要では、というものを列挙させていただきました。実現可能性のことも考えていかないといけませんので、そこはやはり優先順位が必要かと思います。個人情報であってどこまで把握すべきかと難しい点はあろうかと思いますが、あればいい情報だと思います。それから、身長・体重。体重の変化というのは非常に重要ですし、またスタート時には疾患の現病歴とか食事療法の有無は最低限押さえておく必要があると思います。あと、フォローです。入ることによって、どんなふうにその方の健康がサポートできたかという意味で言えば、先ほどのような体重があまり減っていかないというのは一つの目安ですし、主観的な健康感とか、食欲とか、おいしく食べられているかというのも非常に重要なことだと思います。そういったあたりかなと思います。それから、分けて食べるという人も多いので、喫食率は把握できたらいいかなと思います。

○武見座長 ありがとうございます。

 そうしましたら、もう既にアセスメントを一部取り入れてやっていらっしゃることも含めて、事業者様のほうから御意見をいただきたいと思います。現実的に実現可能とかそういうことも含めて。いかがでしょうか。どなたからでも。では、宮入構成員から。

○宮入構成員 当社は配食サービスということで、「ミールタイム」の中で管理栄養士が対応している部分もありますので、エビデンスも含めて、例えば数値で出ているものであれば、はっきり明確にそれだと認識することができるのですが、例えばガイドラインに向けた提言のところで言いますと、口腔機能を、例えば問いであるとか簡易的な質問によって的確に、その方の主観でなく、状況として評価する方法が何かあるのかなというのが気になりました。

○武見座長 今、実際にその辺については何か。

○宮入構成員 さすがにお客様がむせるとか、噛むのが大変であるとか、そういったことであれば、少しやわらか目にしているものを御紹介して差し上げるのですけれども、あなた様はやわらかいほうがいいですよとか、そういったところまではできていないのですね。

○武見座長 ありがとうございます。

 では、新田構成員、お願いいたします。

○新田構成員 とても貴重な報告だと思って聞いておりました。

 実は日本医師会で9月にかかりつけ医研修というのがありました。そこの中で「栄養と健康」という問題で同じようなことを私が発表したわけでございますが、今の日本の常識が完全に覆る常識がここに出ていて、例えば4ページ、エネルギーが年齢とともに落ちてくるということ。常識というのは、先ほど新開先生の発表の中で、粗食、少食は高齢になったら当たり前だという健康概念なのです。

 ところが、前も話したことがありますが、基礎代謝率はそんなに変わらないにもかかわらずそういった常識がある中で、さらに環境要因が加わってこうなってくる。結果として低栄養になるという話だろうなと思っています。

 その意味で、日本人の高齢者の健康概念を根本的に変えるということがとても重要だろうなと思って聞いておりました。

 さらに言うと、これから10年後は85歳以上の死亡率が半数を占める中で、残念だけど、85歳以上の健康概念、いわゆる食事に対する概念の研究がほとんどできていないので、これも75歳とか、限られているわけでございます。さらに85歳以上、どうやって生きたらいいのか、どうやって栄養を摂取したらいいのかということも含めて、引き続きデータがあればお示しいただければと思っています。

 その中で健康パラドックス、例えばコレステロールが高ければ、もともと循環器障害になって、悪いからコレステロールを低くしようということで、皆さん、高脂血症の薬をいっぱい飲んで下げていたわけです。でも、このデータで言うと、コレステロールと生存率あるいは循環器疾患は、高いほど逆にいいというデータが出ております。そういったことも含めて常識を変えていかないと、なかなか次の配食も含めての話にならないのだろうなということが一つあります。

 もう一つは、先ほどのガイドラインに向けた提言の中でアセスメントという話もありましたが、今回厚労省が恐らく見える化システムの中で介護予防と健康システム、40の各市町村に質問項目を送っているはずでございます。見える化の中で各市町村が把握するようなことできる。何を言いたいかといいますと、今、地域包括ケアという中で、2006年の介護予防、次の総合支援事業をどうするのだということが各市町村で考えられている。その中に今の食の問題と多様性のスコア等を入れ込んであげる。入れ込んであげることによって指標化すれば、そうすると、市町村で、では、新しい総合支援事業は何をやるか。参加システムとかいろいろやられていますが、食という問題、食べるということをその中へ入れ込む作業が必要で、入れる中で配食という問題が入ってきて、トータルの中で一つ入れていかないと。配食は配食であるわけではない。そこだけ入れてしまうと、先ほど先生から共食という話がありましたが、共食という問題が欠けてしまう。個別で、配食だけやっていると、一方で孤食になって、低栄養になることもあります。多様性のDVSを明確にして入れることで何かガイドラインでやっていく方法はないかと考えておりましたが、いかがでしょうか。

○新開構成員 ありがとうございます。

 確かに総合事業の中に食を入れていくというのは非常に重要なことで、現状ではちょっと弱いかなと思います。食も何を食べたらいいのかということだけでなくて、かなり年齢の高い人、ひとり暮らしの方が増えてくる中で、どういうシチュエーションで食べていくか。だから、地域の中で共食をというソーシャルイーティングの考え方も非常に重要なことで、超高齢社会の中ではそういうことも考えていかないといけないと思います。

 総合事業の中で、今、活動とか参加といった視点が非常に強いので、身体活動というのは皆さん、受け入れやすいのですが、しっかり栄養素密度の高い食事を高齢期でとらないといけないのだという具体的なメッセージを入れていくことが必要だろうと思います。その意味では、DVSなども参考になる指標と思います。

○武見座長 ありがとうございます。

 そのほか。では、松本構成員、お願いいたします。

○松本構成員 何回か出ている口腔機能というのは本当に重要なことだと思いますけれども、ここでは咀嚼のほうを詳しくいただきましたが、嚥下機能のほうはデータがなかったのですけれども、これについてはいかがなのでしょうか。咀嚼と嚥下というのはかなり関係してくると思うのですが、ちょっと教えていただければと思います。それが1点。

 もう一つ、16ページ、総コレステロールと生存率のデータをいただきましたが、この中でHDLnon-HDLを分けたデータがもしあれば教えていただきたいと思います。

○新開構成員 では、2点目のほうからですが、1990年代は別々に測定されていなかったので、ございません。

2000年代のデータ、私どもは草津以外でもやっているのですけれども、LDL75歳以上の後期高齢期になってくると低いほうがより問題になってくるので、総コレステロールでみてもLDLコレステロールでみても、低いほうを注意していくという考え方が必要だと思っております。

○松本構成員 わかりました。

○新開構成員 嚥下につきましては、栄養疫学研究会は、歯科医あるいは歯科栄養という立場から渡邊、本川という者が入って、その辺で今日のデータもまとめさせていただいたので、本川さんのほうから嚥下と栄養ということについて、どうでしょうか。同行人です。

○本川氏 今回は咀嚼機能と食品群別摂取量、栄養素等摂取量についてのみ解析をさせていただいておりまして、そちらは先ほど見ていただいた43ページのデータになります。今回嚥下の力という点では解析をしておりませんが、今後必要があれば、RSSTなどで唾液を飲み込む検査なども同様の研究で実施しております。

42ページを見ていただきますと、基本チェックリストの「お茶や汁物でむせることがありますか」という質問項目で20%以上の方、とても元気で来場型健診に来られるような方なのですが、それでも2割の方がお茶や汁物でむせると答えていらっしゃいます。8020運動は、来年は50%超えるだろうと言われて、歯が残っているが飲めない現状があるということで、先生の御指摘のとおり、検討してまいりたいと思います。次は嚥下の力と栄養素等摂取量、食品群別摂取量を解析してまいりたいと思います。今日はそのようなデータがなくて申し訳ありません。

○武見座長 そのほかの先行研究とかではどうですか。今回、先生方のデータだけでなくて、もう少し広い範囲で何か補足があれば。

○本川氏 口腔で栄養アウトカムとした研究は進んでいるところで、私たちは先進的だと自負しておりますので、出していきたいと思います。このようにわかりやすい指標で出ているというものは、私の知る限りではまだございません。

○新田構成員 恐らく東大の飯島さんが柏のコホート研究で舌圧とか咀嚼というのをやっていると思いますから、また参考にしたらどうでしょうか。

○本川氏 はい。東大の柏研究ですね。

 食品の摂取、どのように評価するか。高齢者の栄養素の摂取、食品の摂取の方法の把握がとても難しいので、柏研究とも一緒にさせていただいておりますので、そちらのデータも使って解析していきたいと思います。

○武見座長 両方の側面をどう見ていくかということですね。

○本川氏 はい。両面から解析していきたいと思います。

○武見座長 そのほかいかがでしょうか。先ほどアセスメントの話があって、これは後段のところにも入ってくる内容ですけれども、平野構成員とかから何か。先ほどアセスメントでこういう項目をやってほしいみたいなことがありました。大手さんではある程度行っている部分もあるかと思いますが、いわゆる地域活動型的なところでということで言うと、どうでしょうか。もし御意見があれば。

○平野構成員 気になった点、多分難しいなと思うのが、身長・体重をはかるというのは、在宅高齢者の場合は難しいのではないかなと思います。通所介護だとか施設に通うならば、それはできるのですが、業者の方がそれを負って在宅の状態を見るのは難しいと思われます。

 それと、先生のおっしゃられた配食サービスというのは、全体からすると、1日1食で、こちらのデータでも週に3~4日しかとっていないということですので、今回先生がお示しされたデータをもとにして、食べる目安を示すということが多分重要な役割になってくるのかなと。

 もう一点、ソーシャルサポートというのは、健康情報とともに地域情報とか、本人の主観的な幸福度とか、そういうものも出てくると思いますので、フレイルになる高齢者の前から社会に参加するということをあわせて配食サービスとか食の支援で取り組んでいければいいなと思いました。

○武見座長 ありがとうございます。

 今の新開構成員の御発表と関連の議論に関して、そのほか御意見、いかがでしょうか。何か。よろしいですか。

 後段、これからガイドラインを検討していく中でも今のいろいろなことが絡んでまいりますので、そうしましたら、次のところに進めていきながら、また必要に応じて今の内容にも触れていきたいと思います。

 では、次に「地域高齢者の健康支援を推進する配食事業の栄養管理の在り方」ということで、まさに本丸にだんだん入っていくという感じですが、事務局のほうから説明をお願いしたいと思います。

 議論については、事務局から資料説明を一通りいただいた後、いくつか区切りながら進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 では、よろしくお願いいたします。

○塩澤補佐 それでは、御説明させていただきます。お手元にあります資料2を御用意いただけますでしょうか。こちらが「配食事業の栄養管理の在り方について(骨子案)」という資料でございますが、順を追って御説明させていただきたいと思います。

 最初にもございますとおり、この資料は、本検討会におけるこれまでの議論やヒアリングを踏まえ、検討会報告書及び事業者向けガイドラインに記載する標記の内容は、以下のように考えてはどうかというものでございます。

 これまでの議論、ヒアリングなどに関しましては、今日御用意しております参考資料も適宜御参照いただければと思います。

  まず、1ページ目に構成(案)がございます。大きい柱といたしまして、1つ目が「地域高齢者における栄養の特性と食環境をめぐる課題」、そして2つ目が「地域高齢者の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」という具体の内容となっており、大きい見出しとして、「1 商品管理」「2 利用者の状況把握等」「3 配食を活用した健康管理支援等」「4 配食の事業内容に係る情報発信」となっております。

 具体的な内容については、2ページ目から御説明いたします。

 まず、1つ目であります。こちらは、今、新開構成員からもお話がございましたが、1回目の検討会で高田構成員からも御説明をいただいたところでございます。ポイントのみお話しいたしますと、低栄養は健康余命の短縮や総死亡のリスクであるということ。また、高齢者では低栄養傾向の方が多いという実態。そして、ちょっと飛びますけれども、生活状況、生活因子といたしまして、買い物や調理が困難である者もみられ、配食は日々の食事の支える手段の一つとして重要であるということ。こういうこともありますので、配食が重要になってくるというのは、先ほど来からお話があったとおりでございます。

 そして、「2 地域高齢者の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」についてでございます。1つ目が商品管理で、献立作成についてお示ししております。1つ目として、どういう体制で献立作成を行えばいいのかという考え方でございますが、例えばコントロール食。これは「エネルギーやたんぱく質等の量を調整した食種」とさせていただきますけれども、コントロール食や嚥下調整食の献立の作成については、管理栄養士または栄養士が担当することとしてはどうかと考えております。

 2献立作成の基本手順としていくつか考え方を載せております。まず、対象者の決定と特性を把握するということ。そして、食種、給与栄養目標量を設定していくということ。おめくりいただきまして、食品構成についても設定し、次いで献立作成基準というものも設定して、献立作成基準というものについては定期的に見直すこととしてどうかなどの考え方を盛り込んでまいりたく思っております。

 3といたしまして、栄養価のばらつきの管理についても一定の範囲内に管理してはどうかといった考え方をお示ししたいと思っています。

 4メニューサイクルの設定でありますけれども、これも定期利用者の飽きがこないように、一定のサイクルを設けてみてはどうかなどの考え方をお示ししたいと考えます。

 続きまして、(2)コントロール食への対応というもので基本的な考え方を載せておりますけれども、大規模事業者を中心にコントロール食を取り扱う配食事業者の増加に期待するということや、コントロール食は、エネルギー量、たんぱく質量、食塩相当量を1つまたは複数調整した食種とするという考え方などをお示ししたいと思います。

 (3)嚥下調整食への対応でございます。1ポツ目にもございますとおり、事業者の実行可能性も踏まえまして、調整食への対応の広がりも期待したいということも載せてまいりたいと思います。

 (4)調理でございます。こちらは、厨房施設を設けて調理を行う事業者であって、以下のいずれか、すなわちコントロール食または嚥下調整食を提供する事業者、あるいは継続的な提供食数が1回100食以上または1日250食以上の事業者に該当する調理については、調理師または専門調理師が担当することを検討することとしてはどうかと考えております。

 (5)その他といたしまして、これは当然の話でございますけれども、食品衛生法等の関係法令を遵守していくべきだということなどをお示ししたいと思います。

 衛生管理に関しては、事業者のみならず、利用者サイドでもいろいろ留意すべき事項がございますので、こういったものについてもお示ししていきたいと考えております。

 続きまして、4ページ目に「利用者の状況把握等」という見出しがございます。まず、注文時のアセスメントでございますけれども、1、2、3とあります。先ほども御議論いただきましたが、どういう体制でどういう項目を確認するかということも含めまして、次回までに考え方を整理したいと思っております。

 3留意事項といたしまして、アセスメントの結果、必要に応じて関係機関に相談できる体制づくりにも配慮するということをお示ししたいと考えております。

 (2)継続時のフォローアップでございます。これは今、申し上げました注文時のアセスメントとも重なってくる部分もあろうかと思いますが、継続時のフォローアップとして外せない項目があるとすれば、それもお載せしたいと思っておりますし、また、3にもございますとおり、フォローアップのスパン等についても何らか考え方をお示ししたいと考えております。

 続きまして、「3 配食を活用した健康管理支援等」でございます。まず、事業者が行う事項としてもろもろの記録などもあると思いますし、利用者の情報提供ということで、食種の説明資料を利用者の方に提供していくことや、必要に応じて事業者から利用者を介して、食種の情報提供書を医療施設等の専門職にお渡しいただくこととしてはどうかということなどを考えております。

 (2)利用者の適切な選択を支援するための事項ということで、1注文時の留意事項をお示ししたいと考えております。注文時に利用者の方にもいろいろ注意していただくような点などありますので、そういった点について周知していくということなどを挙げております。

 次のページでございますけれども、国及び自治体は、配食サービスの適切な選び方、活用法などについて普及啓発していくべきといったことなども載せてはどうかと考えております。

 喫食時の留意事項として、これもお話がありましたけれども、例えばその食事というのは利用者個人が1食分として全量摂取するということを前提に調整されたものであることも周知していく必要があるということと、こういうことも含めて、国、自治体は、配食が食事の教材としても活用されるよう普及啓発を行う必要があるということもお示ししたいと考えております。

 また、継続時の留意事項ということで、何かあったら速やかに事業者に相談するということを改めて周知いただくということや、国、自治体は、配食サービスの適切な選び方と活用法について、先ほどの点も含めて普及啓発していくこととしてはどうかと思っております。

 また、相談先の確認についても載せておりますが、配食に関する相談があったときに、必要時にそれがちゃんと行えるように、利用者が事業者に相談先を聞かれた場合、事業者から情報提供できるようにしてはどうかと考えております。

 4番目は配食の事業内容に係る情報発信というところで、配食を自主的かつ合理的に選ぶ際の一助になるよう、国は、必要な配食の情報を取りまとめて、広く発信する仕組みについて検討していくこととしてはどうかといったような内容について、ガイドラインや報告書に載せていきたいと考えている次第でございます。

 以上です。

○武見座長 ありがとうございました。

 ということで、今日は、この骨子について議論をして固めていき、具体にしていくということになります。

 資料2の1ページ目は全体の構成ですので、その後、具体的に入っていきますので、2ページ目をお開きいただきたいと思います。2ページ目の「1 地域高齢者における栄養の特性と食環境をめぐる課題」というのは、先ほど前半の新開構成員のところで議論いたしましたし、1回目の高田構成員のところでも議論してまいりましたので、具体的にはその次の「2 地域高齢者の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」から議論を始めたいと考えております。たくさんの項目がありますので、順次区切りながら進めていきたいと思います。という進め方でよろしいでしょうか。

(首肯する構成員あり)

○武見座長 では、まず「1 商品管理」というところで、2ページから3ページの途中まで。「献立作成」というところで一つ切っていきたいと思います。そこの内容に関して御意見などをお願いしたいと思います。高田構成員、お願いいたします。

○高田構成員 個別の議論に入る前にお伺いするほうがいいのかと思いまして、1つお聞きしたいのですが、対象となる利用者さんの設定が、先ほどから出ている、例えば介護認定を受けているような方でありますと、市町村の生活総合事業支援にかかわってきたり、ケアマネさんがある程度いろんな情報を把握していらっしゃるので、市町村であったりケアマネジャーさんと連携をするということでかなりの部分がいくと思うのですが、それよりも手前の高齢者の方も配食をかなり利用されているのですね。そうすると、そういう方々向けのものと介護認定を受けている方々が利用する配食というときに、中身として共通する項目、例えば衛生管理みたいな絶対あるべきものという共通するものもあるかと思うのですけれども、少し扱いが違うものもあるような気がするので、全体を一律に示してしまうと、うまくいかない部分が出てくるのではないかと思うのです。イメージしている配食の利用者さん像であったり、その示し方というものをどういうふうに考えたらよろしいのでしょうか。

○武見座長 どうしましょう。では、事務局のほうからまず。

○塩澤補佐 特に公的サービスとかそういう切り口ももちろんあるとは思うのですが、例えば民間の事業者さんが配食を出すという場合、公的サービスとして出される場合もあると思うのですけれども、公的サービス外というものもあると思います。ですから、制度で分けるという考え方よりも、その食品を事業者さんが何らかの形でお届けするものについては基本全部対象になり得ると思っています。

○武見座長 よろしいですか。

 制度によって分けないという話は、今までも何度か質問にも出てきて、議論してきていますが、まずは配食、食事を届けるということについてガイドラインをつくり、その中で書き込む必要があるものは、制度ではないかもしれないけれども、対象によってという書き込みが入るかなという、そういう意味ですね。

○河野栄養指導室長 少し補足させていただくと、恐らくコントロール食とか嚥下調整食というものは、全ての方に対応になるものではなく、当然その手前の、そういったものが該当しない、通常の一般のお食事ということもあるかと思います。そういった意味では、(2)とか(3)のコントロール食、嚥下調整食だけを捉えているわけではなくて、逆にこういったところに対応が必要な方々というのが、先ほど先生がおっしゃったような介護等の必要なケアが必要な方々も含まれるということで、基本的にはその手前の方々が当然この中には存在するという形になります。

○武見座長 よろしいですか。議論。どうぞ。

○高田構成員 一番懸念したのは、介護認定を受けている方に対して市町村の補助が出ているような、かなり公的なものももちろんあるとは思いますし、そうでなく、今、公的サービス外と御指摘があったように、同じレベルの方でも完全に実費でやっている、別にやっているという方もいるとは思うのですけれども、特にアセスメントとか、いろいろな細かいことになってきたときに、もう要介護状態にあるという人であったり、かなり在宅医療に近い、それのためにコントロールが必要だという方に対してのアセスメントであったり、ほかの職種との連携という状況と、そこまで行かない方に配食をするときに求められるものが少し違うのではないかと思うのです。それを一律にしてしまうと、逆に民間サービスや全老協さんがボランティアベースでやっているようなものがやりにくくなる部分が出てくるのではないかと思うので、部分的にはここはこういうときに特に求められるというような記述があってもいいのかなと思ったのです。それは個別のところで議論すればいいのかもしれないのですけれども。

○武見座長 むしろそういう考え方ではないかと。中で必要なところについてはという、そういう考え。どうぞ。

○河野栄養指導室長 ですので、先ほど御議論いただいたアセスメントの項目内容についても、当然対象者の状況あるいは商品管理でどこまでの職種をお選びになるかで異なってくると考えています。

○武見座長 迫構成員、今のことに関してでしょうか。

○迫構成員 今、高田構成員がおっしゃった内容というのは私も危惧しているところで、配食サービスが本当に地域の中に広がっていくといったときに、あまりに条件を厳しくしてしまうと難しいだろう。だからといって、基本的にあるべき姿を追求しないというのもいけない話になるだろうし、2以降のところについては、基準として置くことはいいと思うのですが、その運用をどうするかというところをきちんと書き込んでいく必要があるだろうということ。

 その前の段階で1のところに、今、求められている配食サービスの姿、現状とどういう配食サービスが捉えられているのかというあたりと、それから今後の展望も含めて、その辺のところをきちっと組み込んでいかないといけないのかなと思いました。

 特に、どこに入れるのがいいのかなと思ったのは、制度への組み込みのところの中で、先ほど新田構成員でしたか、DVSを制度の中に組み込んでいったらどうかというふうな御提案が確かあったかと思うのですが、そういうところも派生する範囲として、アセスメント項目の基本的なところがそこで押さえられていきますので、そういうことも提案としてはあってもいいのではないかと思いました。

 以上です。

○武見座長 貴重な御意見だと思います。

 ということで、いずれにしても具体を進めていかないと煮詰まっていかないというところもあります。その対象によって、どこをそういうことについて配慮すべきだというということも含めて御意見をいただきながら、骨子を固めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 では、もう一度戻りまして、2ページの2番、商品管理のところについて御意見をいただきたいと思います。商品管理(1)献立作成。切ろうかなと思っていましたけれども、2ページから3ページ、まとめてでもいいかなと思います。ここに関連していかがでしょうか。どうぞ。

○平野構成員 気になったのが、「1 商品管理」の献立作成の1対応体制のア、コントロールはいいのですが、「イ 継続的な提供食数が1回100食以上又は1日250食以上の事業者における献立作成」で、管理栄養士や栄養士の資格を持つ方の配置が必要だというふうに区切ってしまうと、先ほどの1に書いてある「買い物や調理が困難である者もみられ」ということで、生活環境が整備されていないから食事が必要だというところに対するニーズを配食が支援している実践がありまして、なおかつそれが会食だとか配食だとか、地域の人が参加しながらやっている。担い手は、主に70代の方が生き生きと活動していらっしゃいますので、その方たちに資格を持つこういう人たちを配備しろとなると、今の提供体制が整わないということで、衰退する可能性がある。だから、小規模な団体に対する個別的な配慮が必要だと思われます。

 もう一つありまして、3ページの(4)調理の「厨房施設を設けて調理を行う事業者であって」というくだりなのですが、地域で厨房施設を自前で持っているところもありますし、公民館とかを使ってやっているところもあるのです。特に食事支援というのは、年に一度でなくて定期的に行われることこそ意義があると考えて皆さんが活動されていますので、そうすると、継続的な提供食数が1回100食を超えることもある。そこに関して、同じく「調理師又は専門調理師」となってしまうと、地域の家庭の主婦とか地域住民が今、参画している活動の意欲を阻害することになるから、これは意図するものではないと思われますので、少し個別的な配慮が必要かなと思いました。

 以上でございます。

○武見座長 ありがとうございます。多分一定規模以上ということを示すためにこの表現が出てきたのかなとは思うのですけれども。どうぞ。

○塩澤補佐 ちょっと補足なのですけれども、例えば2ページのところに献立作成の対応体制について書かせていただいております。今、平野構成員からも御指摘ございましたが、こちらはあくまでも献立作成ということです。例えば先ほど配置というふうに話されましたけれども、それと必ずしもイコールという話ではございません。

 例えば献立作成も、事業者さんによっては、もちろん社員という形で雇うというのも一つはあるかもしれませんが、それ以外に、地域にいる管理栄養士などに協力あるいは監修をお願いするとか、何らかかかわりを持つというやり方など、いろいろあると思います。そのあたりの実行可能性など、いかがでしょうか。

○武見座長 どうぞ。担当の意味ですね。

○平野構成員 そうです。なぜならば、地域によっては、現在配食サービスを自治体から受けている団体、NPOセクターの団体に都道府県の指導で「管理栄養士を雇用すること」という個別指導が入っているところもあるようです。ガイドラインが出ることによってさらに規制が強まるおそれがあります。それは、そういう団体が個別的に1回100食以上、100食なのか、103食なのかというのはありますが、国がこういうものを出すときには、やはり個別的な配慮を必要とされるのではないかと考えます。

○武見座長 今の点に関してですか。違うお話ですか。

○松月構成員 違います。

○武見座長 今のことに関してもうちょっと御意見をいただいておいたほうがいいかなと思うのですが、いかがでしょうか。献立作成も調理のところもだと思うのですけれども、その解釈の仕方ということで、雇用みたいな置くとかということは現実的ではないと思うのですけれども。では、関連するということで、松月構成員。

○松月構成員 この文章の書き方を見ますと、「以下の献立作成については」というところで限定されていて、そこで「コントロール食(エネルギーやたんぱく質等の量を調整した食種)」という言葉が入っているということは、いわゆるコントロール食ではなくて、ある意味バランス食だとか健康食的な、細かい制限のないようなものに関しては、栄養士、管理栄養士が監修しなくても、今やっている体制でもできるというふうに解釈してもよろしいのでしょうか。

○塩澤補佐 そのように考えています。この検討会を進めるに当たって、事業者さんの実行可能性を考えるべきだというのが基本線としてあったと思いますので、そういう意味では、献立作成は原則としてスキルがあればどなたでもいいと思うのですけれども、ただ、ここに挙げているようなものについてはもうちょっとレベルアップした体制として、例えば管理栄養士とか栄養士が何らかかかわるようにしてはどうかという話でございます。御認識としては松月構成員がおっしゃるとおりでございます。

○武見座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○新田構成員 私も今、平野構成員が言われたことを懸念するのですが、そもそも過疎地も含めて、栄養士、管理栄養士は足りているのでしょうか。私が入っている町は8,000人の町ですけれども、栄養士がいないのです。住民のボランティアのお母様方がつくっているのですが、その実数値とかそういうのは、全国に配備されているのですか。これは質問でございます。

○河野栄養指導室長 管理栄養士、栄養士数につきましては、それぞれ年間1万人ずつ輩出されておりますので、数としては毎年かなりの方々が免許を取って出ておりますので、トータルで言っても、栄養士のほうは100万人を超えておりますし、数的としては、いるということが現状でございます。ただ、一方、先生がおっしゃるとおり、地域偏在がないということではないので、そのあたりに対しての対応は必要かと思います。

○新田構成員 ありがとうございます。

 そうすると、文章の書き方というふうに思います。

○武見座長 そうですね。「担当」というのも、必ずしもその場にいるということを求めているわけでもないですから、あくまで献立作成の、「監修」みたいな言葉が先ほどありましたけれども、そういう状況に応じたやり方という意味でのこの記載なのかなと思いますが。どうぞ。

○松月構成員 例えば保育園などを例にとると、配置されていない場合には保健所の管理栄養士さんに助言を求めたりする制度があるかと思うのですが、こういうものに関しても、地域にいて雇用されている方、例えば保健所であるとか自治体の栄養士さんから指導を受けるとか、何かそういうことも考えられるわけでしょうか。

○河野栄養指導室長 確かに保育所についても配置がないところはあるのですが、一方で、保育所のほうについても規定上、調理員しかございませんが、実質今、かなりの割合、1万施設を超えて栄養士が配置されているという状況もありますので、あくまでも施設側で栄養管理をしていただくというのが原則になるかと思います。ただ、一部そういった技術支援を保健所なりが特定給食施設という観点で指導するというケースはありますが、指導することを前提にこういったシステムが動いていくわけではないということがまず1点あります。

 あと、先ほどの話に戻るのですが、管理栄養士または栄養士が担当することについても、どのあたりがこのガイドラインで最小限の要件として書くことが望ましいかというところが論点になろうかと思います。事業者さんがもっと丁寧な支援をということで、ここに書いてある以上に、先ほど先生から御質問があったバランス食あたりでも管理栄養士を置くことを妨げるものでもありませんし、むしろ必要な質を担保するために、どのあたりまで先ほどの個別的配慮も踏まえて記述をする内容としてふさわしいかということが最終的な方向性ということになるのではないかと考えております。

○武見座長 具体については、ここで書きぶりが決まるわけではなく、次回もやりますので、ここが非常に懸念されるとか、そこはもう少し議論が必要だとか、丁寧な書き込みが必要だという形で今日のところは御意見をいただくことが大事かなと思います。どうぞ。

○平野構成員 もう一つございまして、1回100食程度となりますと、食数が少ない施設、高齢者の老人施設だとか、障害者施設だとか、あるいは児童施設というのは、多分野にわたる施設が対象になるのかもしれませんが、かつて国の制度改正により個人の負担は、調理費用も含めた個人負担であるというふうに改正されました。ここの記述が出ることによって、その負担が増すということになると、それはかなり厳しい話になりますので、確かに書き方もございますので、それは工夫していただいて。

 もちろんこういうのは連携したほうがいいことは私もわかっておりますので、どうすればそれがうまく伝わっていくのか。本検討会の趣旨が伝わるように。かといって、各施設の負担が重くなると、回り回ってそれが利用者負担の増となります。そこは避けるべき事態だと思いますので、御配慮が必要かと思います。よろしくお願いいたします。

○武見座長 ありがとうございます。

 そのほかの御意見。江頭構成員、お願いします。

○江頭構成員 確認なのですけれども、今の対応体制のイの「継続的な提供食数」の「継続的な」という概念というか、例えば配食サービスというと、恐らく週1回とか週に何回という継続的な配食サービスをイメージされてずっと御議論されてきていると思うのですが、自治体とかいろんな活動の中には例えば年に1回とか3か月に1回、年に数回ということで、長い目で見ると定期的にはなるのですけれども、独居老人への配食支援とか、そういったことを事業としてやられている施設等もあるのですが、どこまでを「継続的な」というものと捉えるかということを確認させていただきたいです。例えば食生活改善推進員さんあたりが独立した事業とか活動の中で工夫されて、先ほどの公民館の調理室とかを使いながら、実際には120ぐらい出るような数で、年に1回とか何か月に1回といった活動等もあるのですけれども、そういったものもここに当てはまってくるのか、そういったものはイレギュラーとして除外されるのか、そのあたりの確認をさせていただきたいと思います。

○武見座長 それについて。どうぞ。

○塩澤補佐 2ページ目のところにありますとおり、「継続的な提供食数」ということでありまして、これは不特定多数ではなくて、特定の人にある程度コンスタントに、例えばここにございますとおり、1回100食あるいは1日250食以上提供するという考え方でありまして、先ほど挙げていただいた例のように、年に1回とか月に1回しかないみたいなものは、ここではあまり想定しておりません。中には毎日頼むという方もいれば、週に2回、3回という方など、いろいろな方がいらっしゃると思いますけれども、それなりの利用頻度の方に対して継続的に1回100食または1日250食以上提供しているような事業者さんの場合、こういう体制にしてはどうかという考え方でございます。

○武見座長 それでは、そこもきちっと書き込まなければいけないということだと思います。

 そのほかのところでいかがでしょうか。2ページ目、3ページ目に関連したところ。迫構成員、お願いします。

○迫構成員 3ページ目の(2)コントロール食への対応というところでございます。例えば地域の診療所との連携等を考えていったときに、「大規模事業者を中心に」という言葉が本当に必要かどうか疑問に思います。地域の中でも本当に地道な活動をされているところも対応ができる形にできればと。これはそれなりの要件が必要だとは思いますけれども、そういう書きぶりのほうがいいのではないかと思います。

 以上です。

○武見座長 確かになくてもいいかなという感じですね。

 そのほかいかがでしょうか。早瀬構成員、いかがでしょう。今日からということで、すみませんけれども。

○早瀬構成員 私どもは病院給食ですとか施設給食を母体にしている事業をやっておりますので、ここに書いてあることは割とすんなり入ってくる。ただ、地域との連携ということを主眼に置きますと、多少ハードルが上がっているのかなというところ。病院給食、施設給食を行う者であれば、ある意味当然と言われる書きぶりだと思うのですが、地域の配食となると若干ハードルが高いのかなという所見でございます。

 以上です。

○武見座長 ありがとうございます。

 そのほかいかがでしょうか。高田構成員、お願いいたします。

○高田構成員 献立作成の中で給与栄養目標量の記述がどこまでできるのかなというのが実際疑問に思っていて、先ほど85歳以上の方も増えてきているという話が出ているときに、現状の例えば食事摂取基準をもとにしてこのあたりの話とか、咀嚼機能、嚥下機能を考慮した食品群の選択みたいなことがどの辺まで書けるものなのかというのがちょっと気になるのですが、ほかの構成員の方々も含め、何か情報があれば教えていただきたいと思います。

○武見座長 対象の設定をどういうふうに決めるかということですね。決めにくいですね。非常に個人差がある。

○高田構成員 実際には先ほどのように管理栄養士がすぐに献立を立てられない場合に、ここの部分をかなり参考にされる場合が多いと思うのですけれども、だからといって、あまり具体的に数値を1食何百カロリーと書けるものでもない感じはしますし、咀嚼機能、嚥下機能を考慮した食品選択というのもすごくシンプルに、きれいにまとめたものがつくれるという感じでも。今だとそこまでのネタがないような感じがするのですけれども。でも、それがないと、考慮しましょうというすごい大ざっぱな一文に終わってしまう感じがして、その辺がどこまで書けそうなものか、何か情報等がありましたらと思ったのですが。

○武見座長 恐らくこの時点でこうしましょうという答えはないと思います。むしろこういうところこそ今後ガイドラインにどう書き込むかということ。それこそ先生とか松月先生とかの御意見を受けながら、どう書き込むことが適切かということは、項目によって個別に議論、検討しなければいけないところが出てきます。今日の段階ではとても大事なところという御指摘と受けとめておいていいでしょうか。多分答えはないと思います。

○高田構成員 はい。もちろん、答えは求めていないです。

○武見座長 どうぞ。

○新田構成員 恐らく今の話は、2の2のイ、給与エネルギー及び栄養素の話だと思いますけれども、その後のモニタリング、アセスメントといった問題も含めてやっていかないとなかなか難しい話だろうなと。そうすると、事業者にそこまで任せるのか、そんな負担を負って配食をやってもらうかなと。そういった問題も出てくるだろうから、そういったものは別の、例えば先ほど言いましたが、地域包括の事業の中で入れるような形で保健師さんがやる等々も含めて、そういったことをやっていかないと、とても難しいなと。

 もう一つ、先ほど言われた例えば総合支援事業というのは、健康状態の人たちも対象になっておりますので、それは間違いですので。健康者の高齢者です。御存じだと思いますが。

○高田構成員 そういう制度の中に乗っているかどうかという意味で使いました。

○新田構成員 わかりました。結構でございます。

 そこと一体としてやらないと目標設定というのはなかなかできない話だろう。例えば1,500カロリーで先ほどのDVSを入れ込んで、3か月してどうなっているか、その人にとってどうなのか。それが適切なカロリーかどうかよくわからないではないですか。これは新開構成員の話を聞きたいのですが。ここはそういった一人一人の個別性に応じたものをやりたいわけですね。恐らくそうだと思うのです。そこまでは要求していないのですか。目標値設定というのはそういう話ではないですか。そこのところは今できないと思うのです。Aさん、85歳、何カロリー、体重いくつということでは絶対あり得ない話でございますので、そこはとても難しいかなと思って、発言は控えようかなと思ったのです。

○高田構成員 逆に言えば、とても個別対応を期待されると大規模事業者のほうが困るような気もするのです。この方は700カロリーで、この方は750カロリーにしてくださいと言われても、逆に無理なので。だけど、ここをあまり書かな過ぎる、項目があるのにお任せしますみたいな書きっぷりだとちょっと困るかなと思って、難しいなと思っています。

○武見座長 この項目で考えられているのは、個人に対してどう対応させるかではなくて、提供する食事としてどのぐらいのものを出すかについて、ある程度の基準を決めていく。そういうことだと思うので、それは後半のアセスメントをした結果どうするかということとは必ずしもイコールではない。とはいえ、先生がおっしゃるように、つながった話かと思いますし、いずれにしてもここはかなり吟味が必要ということは今の議論で確認されたかと思います。

 そうしますと、先も絡みますので、もしよろしければ先に進めてもよろしいですか。では、松月構成員。

○松月構成員 もう一つ気になっているのが嚥下調整食のところです。かなり苦労して「対応に期待」という言葉になったのかと思うのですけれども、地域の中で複数の配食を利用されている方は多いのだと思うのです。そうすると、A社の刻み食とB社の刻み食が違うということは当然あるわけで、ガイドラインの共通性ということで考えるとすごく難しい部分で、あまり難しいことをすると、事業者の方が対応できないかと思うのですが、ミニマムの部分での共通項を何か示していっていただければありがたいなと感じました。

 以上です。

○武見座長 では、意見ということで受けとめて、今後にしたいと思います。

 それでは、4ページ「2 利用者の状況把握等」ということで、「注文時のアセスメント」「継続時のフォローアップ」ということが出てまいります。この項目立てについて、御意見、お気づきの点があればいただきたいと思います。前半の新開構成員のお話とも重なってくる部分かなと思いますが、いかがでしょうか。中身に何を書くかはこれからという感じで、要は、対応体制、確認項目、何とかという感じなので、逆に意見も出しにくいのかなと。具体の中で前半との話で、もしこういうことはというのがあれば、今日の段階で言っておいていただいて、もっと具体の内容が出てきたところで議論ということもあるかと思います。いずれも1、2、3のところは同じ項立てになっているのですけれども。では、宮入構成員。

○宮入構成員 対応体制の中で個人の身体の状況とか個人情報に近いところがございますので、当社の場合、アセスメントをする側の対応はできていても、利用者様のほうで個人情報の提出を拒否される方がいるので、必ずしも入手できる状況にはないということがございます。

○武見座長 そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。

 これは中身を見てみないと、どこまでが例えば「望ましい」なのか、「できれば」なのか、そういうことによっても大分ハードルが変わってまいりますし、現実的なことが違ってきますけれども、そこによって恐らくもっと意見が出るのだと思うのですが。大枠としては、対応体制と確認項目をきちっと例示を出していく、あるいはどういう形でというのを示していく、あと留意事項を書くという大きな柱立てはよろしいですか。どうぞ。

○新田構成員 これも厚労省の縦割り行政の弊害が出て、ちょっと心配しているのですが、栄養なら栄養ということではなくて、地域包括という中でこういったものが一つ踏み込んでいないと、配食というのは重要な項目で、そうすると、例えば3か月、半年に1回はアセスメントが必要だという感じですね。何をやるのかというと、介護予防も含めて、現在の要支援者が重度化を防止するとか、いろんなことがかかわってくるのだろうなと。先ほど高田構成員が言われましたけれども、それはそのとおりでございまして、全体像の中で見ていかないとこのアセスメントもつかまえられないのかなと思っていますので、ぜひ全体像の中でこれも重要だということで入れていただきたいなと思います。

○河野栄養指導室長 今、御指摘いただきましたように、健康局の栄養指導室が中心になって議論はさせていただいておりますが、当然高齢者の事業に関する政策は他局ともまたがるものですので、十分に他局の方々の御意見も伺いながら進めてまいりたいと思います。

○武見座長 ありがとうございます。

 そのほかよろしいですか。平野構成員、お願いいたします。

○平野構成員 新開先生がお出しになられたアセスメント項目例、55ページなのですが、在宅高齢者の社会的な関係ということで、ソーシャルサポートとか、買い物・調理の状況とか、生活指数というものも少し見ておかないと、食品の摂取状況の把握が、お弁当、配食だけで全部考えるのか。それともほかの食品の調理等も考えていくのか。複合的な要因があると思いますので、そこは少し御配慮いただいたほうがよろしいかもしれません。

○武見座長 ありがとうございます。貴重な御意見だと。そのことは、まさに次にある健康管理支援でどんな情報を出しているかなども絡んでくることだと思いますので、大事なところかなと思います。

 先へ進めてよろしいですか。また戻っていただいても結構だと思います。

 時間も大分押してきていますので。そうしましたら、その次、4ページの3分の1ほど下「3 配食を活用した健康管理支援等」につきまして、御意見をいただきたいと思います。5ページにかかっているところです。いかがでしょうか。既に先ほど新田構成員がおっしゃってくださった全体、地域包括とかそういう中での位置づけということにここも絡んでくる部分かなと思いますし、それは全体としてそういう方向性でガイドラインの中にわかりやすくしていくということかと思います。あるいは実際もう既にこういう方向でやっていらっしゃるお立場から何かコメントがもしあれば。田中構成員とか、いかがですか。

○田中構成員 地域ケア会議についても、今、やっとまさに自立支援という方向で始まったところでございまして、そうした中で配食サービスの情報が地域ケア会議とかで活用されたり、ケアプランの中に活用されていくというのは非常にいいことかと思うのですけれども、これもまだ始まったばかりのところでございまして、実際に始められているところもまだ少ないのかなというところでございます。

○武見座長 ありがとうございます。

 そのほかいかがでしょうか。高田構成員、お願いします。

○高田構成員 意味合いが理解しにくかったのでお聞きしたいのですが、健康管理支援等の(2)の1、事業者が対応など、注文に当たって、利用者を含む関係者で共有できるように周知というのが、公的サービス絡みで使っている場合はシンプルだと思うのですけれども、勝手に利用者が個人的に民間さんに申し込んで利用している場合に、どういうイメージの文章なのかなというのが理解しにくかったのですが。

○塩澤補佐 3の(2)の1についてということでよろしいですか。

○高田構成員 はい。

○塩澤補佐 一応、事業者さんは通常広告などを通じて、こんな食種を扱っていますよ、こういうサービスですよというのを紹介されていて、それを見て利用者さんは、では、ここに電話してみようというふうになると思うのです。そのときに、その広告に例えば病院にかかっている方あるいは栄養食事指導を受けている方に対しては、そういう情報もお伝えしてくださいということをガイドラインにお示ししたいと考えております。いろいろな注意事項が広告にちゃんと記載されていれば、利用者さんの周りの方々、例えば御家族もいらっしゃると思いますし、専門職の方もいらっしゃるかと思いますが、そういった方が見たときに、こういうことをちゃんと事業者さんとしてもやっていて、こういう点に留意する必要があるということを、御本人も含めていろいろな方々が気づくことができると思います。そういうことをガイドラインにお示ししていってはどうかと考えております。

○武見座長 いいですか。

○高田構成員 今の意味だと、広告内にきちんと自分がかかわっている人に相談してくださいねと記載するというようなことですか。

○塩澤補佐 それもありますけれども、例えば栄養食事指導などを受けている場合は、病院から食事上の留意点などが記載された紙が配付されていると思いますので、そういう紙を見て、注文のときにそれを踏まえて注文しましょうとか、あとは、例えばお医者さんにかかってかなりの時間がたっている場合でも、健康に不安が生じているような場合については、ちゃんとかかりつけ医などに相談をして、アセスメントをしてもらってから注文してくださいねとか、もろもろの注意事項があると思うのですが、そういったものが必ずしも整理されている状態ではございませんので、それを整理した上で、改めて周知を図っていってはどうかと考えております。

○武見座長 それを事業者にやれというよりは、そういう情報をきちっと利用者様に提供するということについてということですね。

○塩澤補佐 そうです。事業者さんももちろん広告などにそういうことを書いていただきたいですし、あと、実際に電話で注文が来たときにもそのあたりを確認していただきたいということもあるのですけれども、ただ、配食を選ぶ際の注意ということで、事業者さん以外、例えば自治体などにも注意喚起いただく必要があると思いますので、そういった点を見える化していくという意味合いでございます。

○武見座長 よろしいでしょうか。

○高田構成員 はい。

○武見座長 そのほかいかがでしょうか。江頭構成員、お願いします。

○江頭構成員 今の1つ上の(1)の2利用者への情報提供の下のポツです。「必要に応じて専門職用の食種情報提供書を用意」とあるのですが、これは事業者が行う事項としてなのですけれども、配食を提供している利用者さんにかかわる例えばケアマネジャーさんであったり、今、言われた介護関連施設であったり、ヘルパーであったり、そういった周りの方にどういった配食が提供されていますよというものをわかるような形で準備できるとよいというようなニュアンスでよろしいのでしょうか。

○塩澤補佐 そうです。その方々が見られる専門職用の情報ということで何らか用意していただいてはどうかということなのですが、ただ、特に公的外サービスの場合ですと、事業者さんが例えば病院の専門職に直接お渡しするというのは多分無理だと思いますので、例えば利用者さんからこういった情報が欲しいと言ってもらった場合に、必要に応じて事業者さんから利用者さんにその紙を渡して、利用者さんが病院に行ったときに病院の専門職に渡すといったようなイメージでございます。直接というのはなかなか難しいと思います。

○江頭構成員 これは「情報提供書」という書面という形で書いてあるので、情報提供というのはいろいろなやり方があるのかなと思っていまして、利用者さんを介してだと、どうしても書面にはなると思うのですけれども、例えば私が訪問栄養指導に行っている方の利用があって、そこにもし民間の配食の事業者さんが入っていったときに、利用者さんを通さず、直接業者さん宛てにそういう情報提供みたいなやりとりができる。個人情報の問題が出てきてしまうかもしれないのですが、そういったものをイメージされていますか。

○塩澤補佐 それはなかなか難しいのではと思います。ガイドラインは、こういうふうにしてはどうかという、考え方の一つをお示しするものでして、あまりきつい、レベルの高いところに基準を置くというよりは、最低でもこのぐらいはできるといいですねという内容をお示しするものでございます。もちろん、事業者さんによっては、今、江頭構成員がおっしゃったようなことも対応できる場合もあるかもしれませんけれども、ガイドラインに示すものとしてそこまでの話を入れていくというのは、ちょっと難しいかなと思っています。

○江頭構成員 今のは具体例が過ぎたのかもしれないのですが、逆に「書」と書いてあることで、何らか書面、書式を用意しなければいけないとか、逆に情報提供ができるとか、する必要があるとか、書きぶりはあれですけれども、情報提供のやりとりというところが必要だということが多分あって、書面の「書」が入ることで逆にハードルが上がってしまうのかなと思ってしまったので、そういった意見でした。

○塩澤補佐 これは御提言いただきたいのですが、「書」というものが入っていないと、いろいろなものがあり得て、逆にどこまでやらなければいけないのか分からなくなり、大変だと思うのです。でも、ある程度決まった食種であれば、あらかじめその食種の情報、これは事業者さんが整理されていると思いますので、例えばそれを自動的に紙に打ち出すということはできるのではないかと思うのです。逆に我々としては、「書」という文字があったほうがハードルが低いのではないかと思っております。

○江頭構成員 多分規模によって、大きいところはコンピュータ一つである程度データがまとまっているのかなと思うのですけれども、小さいところとなったときに、「書」がついていることでどう対応するかなというのが一つあるのかなと思いました。

 以上です。

○武見座長 そういうことも含めて、今後具体はどこまでどう書き込んでということになっていくということで、一つ大事な留意点として受けとめておきたいと思います。

 そのほか、よろしいですか。新田構成員。

○新田構成員 今の「書」の話と、3の食種の変更が必要な場合、誰に相談するのかというのと、最後の4の相談先をあらかじめ確認するというのは、微妙に全部かかわり合ってくる話だと思うのです。地域によっては、栄養士ももちろん入って摂食支援チームというのがきちっとできているところがあるので、そういったところも相談先になるだろうし、あるいはないところは一体誰に相談するのか。「書」は、誰のためにどのように使うのか。

 先ほど高田構成員が言われたかかりつけ医というのは重要な位置を占めるのだけれども、そこにきちっと入ってくることができるかどうかとか、この辺のところがあまり書き過ぎるとなかなか難しいし、この中だけではなかなか見えないものがありますので、さらに検討していただければなと思っています。

○武見座長 ありがとうございます。

 よろしいですか。

 もう一つ項目がありますので、5ページの「配食の事業内容に係る情報発信」。これは国がそういう仕組みをつくるということで、その点についてということですか。ここの主語は国なので、国の立場でこういう制度ができたことについての情報発信をどうしていくか。それについての御意見ということになります。もちろん、どんどんやっていただいてということにはなるのでしょうが。どうぞ。

○宮入構成員 これはマークであるとか、例えばこのガイドラインの特別な呼称ができるとか、そういったことはお考えなのですか。

○塩澤補佐 そういうことはまだ何も考えておりません。現状はインターネットですとか、紙媒体とか、広告を中心にいろいろな事業者さんのサービスがわかるということになっていますね。それはそれで全然いいのですけれども、ただ、利用者さんももちろんですし、利用者さんにかかわる専門職の方々もそうですが、同じ軸でその地域で使える配食の情報、例えばどういう食種を扱っているかなどの基本情報が一覧になっていれば、もちろん広告は広告としてあっていいのですけれども、広告とは違う形で、スピーディーに、的確に配食選びができていいのではないか、その辺の仕組みみたいなものもあったほうがいいのではないかという考え方です。ですので、マークとセットで何かの認証制度を作るといったようなイメージは今のところ全くございません。

○武見座長 そのほかいかがでしょうか。では、高田構成員、その次に平野構成員、お願いいたします。

○高田構成員 今の件ですが、たまに相談の電話がかかってきたときに、その地域でこういう種類の配食がある事業者さんを一生懸命探さないとわからないので、一覧があるのは非常に助かるのですが、「国は」と書いてあるということは、国がそういう一覧のホームページをつくっていただくつもりがあるという解釈でよろしいのでしょうか。

○武見座長 どうぞ。

○塩澤補佐 ここの文章は、国はそういう仕組みを検討とあるので、例えば厚生労働省のホームページにどうとかそういうことを今、ここで言っているわけではありません。国としてどういう在り方がいいのかということを検討していってはどうかということです。

○武見座長 どこが、どこで、どういうものをつくっているかという仕組みを考えるということですね。

○塩澤補佐 そうです。

○武見座長 平野構成員、お願いいたします。

○平野構成員 事業者に対する支援の観点で、私どもが以前お話をさせていただきましたが、地域の献立を作成するときの作成のポイントとかを教えてくださったり、あとはある程度の周期を見ての栄養調整が必要ならば、そのときの考え方を地域の栄養士とか食事サービス提供団体に教えてあげたり、あるいは事業者の方にアセスメントあるいはリアセスメントの中で見るべき点、あるいはつなぐべき先。例えばそれは地域包括センターなのか、あるいはケアマネジャーなのか、福祉機関なのか、そういうものを具体的に教えてあげると、事業者からすると、ああ、行政は応援してくれているのだなと思いますので、ぜひともそういう支援の観点も入れていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○武見座長 ありがとうございます。そういう内容も盛り込んでということだと思います。

 そのほかいかがでしょうか。大丈夫ですか。

 そうしましたら、ほぼほぼ終了の時間に来ているのですけれども、今日たくさんの御意見が出ましたので、その内容を踏まえ、整理していただいて、次回までに事務局で本検討会報告書の案と事業者向けガイドラインの案を作成していただいて、次の検討会で議論を行っていくという流れになります。よろしいでしょうか。

 たくさんの御意見ありがとうございました。

 では、事務局から連絡をお願いいたします。

○河野栄養指導室長 次回は来年2月8日水曜日の午後を予定しております。時間や場所については、調整後、開催案内をお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○武見座長 ありがとうございました。

 では、ほぼ3時半ジャストということですね。皆様、たくさんの御議論ありがとうございました。以上で本日は終わりにさせていただきます。

 どうもありがとうございました。


(了)

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