ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会)> 第6回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会 議事録(2017年2月10日)




2017年2月10日 第6回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会 議事録

健康局健康課

○日時

平成29年2月10日(金)16:00~18:00


○場所

厚生労働省 省議室


○議事

○大林室長補佐 定刻になりましたので、第6回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会を開催します。本日は御多忙のところ御出席を頂き、誠にありがとうございます。本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。

 続いて、委員の出欠状況について御報告いたします。原委員から急遽、御欠席の連絡を受けております。天候悪化の影響で、航空便が乱れているせいだとお聞きしております。現在、委員8名のうち7名に御出席を頂いておりますので、厚生科学審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。

 なお、本日は参考人として、ファクトシート作成の関係で国立感染症研究所感染症疫学センター長の大石和徳参考人、国立感染症研究所ウイルス第一部部長の西條政幸参考人、国立感染症研究所細菌第二部第五室長の蒲地一成参考人、また、予防接種推進専門協議会からの御推薦で、福岡歯科大学総合医学講座小児科学分野教授の岡田賢司参考人をお呼びしておりますが、岡田参考人については天候悪化の影響で、やや遅れて御出席されるとの御連絡を受けております。さらに、国立感染症研究所副所長の脇田隆字参考人に御出席を頂いております。申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

 議事に先立ち、配布資料の確認をいたします。まず、座席表と議事次第、配布資料一覧、委員名簿が一体となったもの、資料1-1、資料1-2、資料2-1、資料2-2を御用意しております。また、審議参加に関する遵守事項の申請書も御用意しております。配布資料一覧を御確認いただき、不足の資料等がありましたら、事務局にお申出ください。ここからの進行は倉根委員長にお願いいたします。

○倉根委員長 皆様、御出席ありがとうございます。今日もどうぞよろしくお願いいたします。まず事務局から、審議参加に関する遵守事項等についての報告をお願いいたします。

○大林室長補佐 本日、御出席いただいた委員及び参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄付金等の受取り状況、申請資料への関与について申告を頂きました。各委員・参考人からの申告内容については机上に配布しておりますので、御確認いただければと思います。

 本日の審議事項は、帯状疱疹ワクチン 一般財団法人阪大微生物病研究会、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン 一般財団法人阪大微生物病研究会を予定しております。本日の出席委員の申出状況及び本日の議事内容から、今回の審議への不参加委員及び参考人はいないことを御報告いたします。

○倉根委員長 まず、議題1の帯状疱疹ワクチンに入りたいと思います。阪大微研が製造する水痘ワクチンについて、50歳以上に対する帯状疱疹の効能・効果が追加されたことを受け、前回のワクチン評価小委員会において、ファクトシートを作成の上、それに基づいて審議を行うこととなりました。今回、ファクトシートが完成したので、審議を行っていくことになりますが、まずは事務局からその経緯について説明を頂きます。それからファクトシートについて多屋委員から御説明を頂き、その後、事務局からの論点を示した上で、各委員から御意見を頂くという形で進めていきたいと思います。まず事務局から、資料1-1の前半部分の御説明をお願いします。

○芳川室長補佐 平成283月に、阪大微研が製造する乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」について、「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」という効能・効果が追加承認されたことを受け、平成286月の第4回ワクチン評価小委員会で、帯状疱疹ワクチンを定期接種で使用することの是非に関する検討について、国立感染症研究所に帯状疱疹ワクチンに関するファクトシートを作成いただき、その上で定期接種で使用することの是非について検討することという審議を頂きました。この度、平成2812月に国立感染症研究所によって、帯状疱疹ワクチンに関するファクトシートが作成されております。ファクトシートについては、これから国立感染症研究所で作成いただき、また、今回の部会の委員でもある多屋委員から御説明を頂くという状況です。

 なお、本日お配りしたファクトシートについては、一部修正点があります。委員の先生方のお手元の資料には、修正が反映されたものとなっておりますけれども、傍聴の方に配布している部分は、修正の反映が間に合っていないという状況です。ホームページに公表する段階においては、その修正を反映したものを公表するという形にさせていただければと考えております。

○倉根委員長 続いて帯状疱疹ワクチンファクトシートについて、多屋委員に御説明をお願いいたします。

○多屋委員 今回、ファクトシートを作成するに当たり、文献をたくさん準備して作成いたしました。その数字で一部修正点があります。大変申し訳ないのですが、内容については修正がありませんので、ホームページに掲載されるほうで、御確認を頂ければと思います。それでは、要約の部分に内容の骨子をまとめておりますので、要約に沿って適宜、本文のページ数を御参照いただきながら説明したいと思います。よろしくお願いいたします。

 最初に、疾病の特徴です。帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染後、脊髄後根神経節(知覚神経節)、脳神経節に潜伏感染しているVZVが再活性化することによって生じる病態です。神経支配領域にある皮膚に時に疼痛を伴う水疱が集簇して出現する疾患で、VZVの再活性化にはVZVに対する特異的な細胞性免疫の低下が関与しております。本文では2ページにかなり詳しく記載してありますので、また後で御覧いただければと思います。

 予防接種法に基づく感染症流行予測調査によりますと、成人のVZVに対する抗体保有率は、酵素抗体法での測定が全国いくつかの地方衛生研究所でなされています。90%以上、成人のほとんどがVZVに既感染で、帯状疱疹の発症リスクを有していると考えております。それは本文の1ページの28行目辺りにある、図1のグラフの青い部分が抗体を持たない人ですので、大人については多くの方が既に抗体を持っていることが分かります。

 要約に戻ってください。85歳以上の方の約半数が、既に帯状疱疹を経験されていると報告されており、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されております。帯状疱疹の治療は外来でなされることが多いのですが、国内の前方視的な観察研究では、3.4%が入院を要したと報告されています。帯状疱疹の合併症の1つである帯状疱疹後神経痛(PHN)は、クオリティー・オブ・ライフに非常に支障を及ぼす痛みが続く病気です。発症頻度は年齢や症例定義、報告、文献によって異なりますが、帯状疱疹を発症された患者の1050%に生じるとされております。加齢に伴ってPHNが発症する頻度が高くなり、加齢は重要なリスク因子とされています。

 また、帯状疱疹発症時の疼痛の程度、あるいは皮疹の数なども関与すると言われています。国内外でも様々な疫学調査が実施されています。発症から3か月以上持続する疼痛を「PHN」と言うのですが、壮年層で発症した帯状疱疹では1020%程度に認められるとされています。これ以外にもRamsay Hunt症候群や眼合併症、髄膜炎や脳炎、血管炎や脳梗塞、横断性脊髄炎や運動神経炎、内臓播種性VZV感染症など様々な合併症が存在しますので、帯状疱疹の疾病負荷というのは大きなものと考えられます。

 免疫不全を有する方では、帯状疱疹の発症あるいは重症化のリスクが高まるとされております。さらに水疱病変にはVZVウイルスそのもの、感染性のあるウイルスが存在しておりますので、感染源となります。周りにいる感受性者にとっては帯状疱疹を発症するのではなく、VZVの初感染像である水痘を発症する可能性があります。これは8ページ辺りに記載してあります。合併症については68ページに、1つずつの疾患について現在のファクトを基に調べた内容が書いてありますので、また後で御覧いただければと思います。 

 次に、要約の21行目です。帯状疱疹の患者は、抗ウイルス薬を投与することでウイルスの排出期間の短縮や新規皮膚病変の出現を抑制したり、早く治すといった効果があったり、疼痛期間を短くしたり、重症度を低減したり、PHNの発症頻度を減少させるという効果が認められるのですが、抗ウイルス薬は皮疹が出てから3日以内に投与されることが望ましく、遅くとも5日以内に投与を開始することが望ましいとされています。ここまでに受診されていない患者もいらっしゃるようです。PHNは知覚神経の損傷による病態ですから、より早期に抗ウイルス薬を投与することが、PHNを予防するためにも重要ですが、このほど20163月に一般財団法人阪大微生物病研究会から、乾燥弱毒生水痘ワクチンの効能・効果に、50歳以上の者に対する帯状疱疹予防が追加され、帯状疱疹ワクチンとして国内で初めて接種できるようになったということで、このファクトシートが作られる経緯となりました。

 疫学情報です。帯状疱疹は感染症発生動向調査の届出疾患には含まれていませんので、全国的な調査はなされていません。国内で実施された大規模な疫学調査としては、大きくは宮崎スタディと、小豆島で行われたSHEZスタディがあります。宮崎スタディについては全体でで、罹患率は4.38/千人・年で、年齢別・性別の罹患率は50歳未満は3.0/千人・年以下ですが、50代で上昇して70代になってピークを示します。その辺の詳しい情報は、本文の1315ページに記載しておりますので、後で御覧いただければと思います。SHEZスタディのほうにいきますと、罹患率は10.9/千人・年で、帯状疱疹患者の19.7%がPHNを発症しました。年齢別では80代が32.9%、60代が13.6%でした。帯状疱疹後神経痛の罹患率は全体で2.1で、男女差はありませんでした。

 また、海外でも疫学調査が行われており、イタリアの調査が本文の20ページにあります。人口10万人当たりの入院率(/10万人・年)にしますと、50歳未満、50代、60代、70代と年齢が高くなるに連れ、どんどん数字は高くなっていることが分かります。スペインでも同様に50歳未満、50代、60代、70代、80代以上というように比較しますと、入院率はどんどん高くなっていることが分かります。いずれの研究でも加齢に伴って入院率が上昇しています。ドイツでは死亡率に関する調査がなされています。ドイツでは50歳以上で帯状疱疹に関連した死亡例は、年間平均66人で、死亡率0.21/10万人・年と報告されています。オーストラリアでは、50歳以上の死亡例で帯状疱疹が診断名として記録されていたものが129人で、死亡率は0.27/10万人・年と報告されています。スウェーデンでも同様の調査が行われ、男性で0.26/10万人・年、女性で0.67/10万人・年と報告されています。これは本文の20ページに記載があります。

 次に、予防接種の導入により期待される効果、安全性、医療経済学的な評価に移りたいと思います。まず効果です。本文では21ページに詳しい内容を記載しております。帯状疱疹ワクチンの目的は、帯状疱疹の発症率を低減させ、重症化を予防することとされています。国内で認可・使用されている帯状疱疹ワクチンは、阪大微研製の乾燥弱毒生水痘ワクチンで、その有効性は同じOka株を元に作られたZOSTAVAX ® と同等であると考えられています。60歳以上の38,546人を対象に行った、ZOSTAVAX ® の帯状疱疹発症予防効果を調べた研究があります。接種後3.12年のサーベイランス期間で帯状疱疹発症、帯状疱疹後神経痛の発症、疾病負荷がそれぞれ51.3%、66.5%、61.1%減少したという報告があります。また、50代の22,439人を対象とした別の研究では、ワクチン接種群の帯状疱疹発症阻止効果は、69.8%と報告されています。

 次に、効果の持続性です。ZOSTAVAX ® 接種後の発症阻止効果の持続性は、接種後47年での帯状疱疹発症とPHNの発症は、それぞれ39.660.1%減少し、疾病による死亡や損失した生活の質を示す疾病負荷は50.1%減少することが明らかにされています。これは23ページに記載があります。また、接種後711年を見ますと、帯状疱疹発症とPHNの発症はそれぞれ21.135.4%減少し、疾病負荷は37.3%減少したと報告されています。さらに、60歳以上の176,078人を対象とした研究では、ワクチン接種後1年以内の帯状疱疹発症阻止効果は、ワクチン非接種者と比較して68.7%、接種8年目ではその効果は4.2%と報告されています。

 次に安全性です。安全性について、特段の懸念が報告されているファクトはありませんでしたが、国内で臨床治験の結果が公表されていました。それが23ページにあります。50歳以上を対象とした国内臨床試験では、主に接種局所の副反応の発現頻度が高く報告されていました。また、OxmanらのSPSでは、60歳以上を対象とした大規模研究があります。ワクチン接種群はプラセボ群と比較して、接種後の有害事象に有意差は認められなかったと報告されています。それ以外にも北米や欧州で行われた、50代を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照比較研究では、ワクチン群では63.9%に局所反応が認められています。全身反応は頭痛が最も多いのですが、この中でワクチン関連と考えられたものは3%未満で、頭痛を除外しますと、ワクチン関連の全身反応はプラセボ群と比較して有意差は認められておりません。

 帯状疱疹ワクチンに関連した有害事象はまれです。VAERSというワクチン接種後の有害事象を報告するシステムが米国にありますが、この米国のVAERSによる調査では、帯状疱疹ワクチンの被接種者では、破傷風トキソイド含有ワクチン被接種者と比較されていて、関節炎と脱毛症の発症率が高かったと報告されています。帯状疱疹の既往のある50歳以上の方に帯状疱疹ワクチンを接種しても、局所反応は若干多いものの、重篤な有害事象は認められておらず、2回接種法による検討でも、重篤な有害事象の増加は認められておりませんでした。医療経済学的な評価は、池田先生にお願いできればと思います。

 最後に、諸外国での導入状況です。これは本文の38ページの表を御覧いただいたほうが分かりやすいと思います。米国、カナダ、オーストラリアでは、帯状疱疹ワクチンが推奨されています。さらに費用補助も実施されています。201610月現在、EU加盟27か国のうち、帯状疱疹ワクチン接種を推奨しているのはオーストリア、チェコ、英国、フランスの4か国です。このうちオーストリアとチェコは、50歳以上の人に接種を推奨しておりますが、公的補助はありませんでした。それより新しい資料が公表されていませんので、この時点での資料の引用となります。

WHO20146月の週報で、ほとんどの国では疾病負荷がはっきりしない部分のある新しいワクチンなので、現時点で定期接種化に関しては推奨していません。しかし老齢者人口を抱える国や高齢化にシフトしている国々では、やはり疾病負荷の重要性が認識され、プログラムが有効と考えるならば、帯状疱疹ワクチンの定期接種化の導入を決めてもよいだろう。帯状疱疹ワクチンプログラムを推進しようとする国々では、最適な接種年齢と接種スケジュールを決めるに際し、年齢依存的に疾病負荷が増えていきますので、そういうことやワクチンの有効性、防御期間、費用対効果を考慮すべきであるという見解を示しております。これが大体の要約です。あとは本文にある図表などを御覧いただければと思います。

○倉根委員長 それでは池田先生、医療経済学的評価の御説明を頂けると、有り難いと思いますが。

○池田委員 本文では2935ページ辺りが、医療経済に関する記述です。最近10年間に報告された医療経済評価の文献が、こちらで概要を示しており、全部で14件です。おおむね費用対効果は良好という結果が示されております。ただ、それぞれの研究の分析のモデル、あるいはワクチン効果の持続期間等の設定が異なっております。当然コスト、費用に関してはワクチンの価格も含め、諸外国と日本では違うので、日本でどういう結果が出るかというのは、改めて分析する必要があるのではないかと思います。罹患率が高い年代であれば、費用対効果は良くなりますが、有効率も年齢によって違うようですので、その辺りの考慮も必要かと考えます。

○倉根委員長 それでは検討に入る前に、論点について資料1-1の後半の部分というか、裏の部分の説明を事務局からお願いいたします。

○芳川室長補佐 資料1-12ページを御覧ください。先生方に御議論いただく前に、論点を6つ書かせていただいております。1つ目が、帯状疱疹の疾病の特徴や帯状疱疹後神経痛、その他の合併症等をどのように考えるか。これは予防接種法の対象となっている、他の感染症と比較した場合にどうかといった観点でも御議論いただければと考えております。2つ目が、国内の帯状疱疹の疫学状況について、帯状疱疹の罹患、帯状疱疹後神経痛、重症例、入院例、死亡症例の疾病負荷が十分に明らかとなっているか。3つ目が、帯状疱疹ワクチンの有効性について、帯状疱疹の罹患や帯状疱疹後神経痛へ期待される効果が十分に明らかとなっているか。4つ目が、年齢依存的な罹患率やワクチンの有効性を踏まえた場合、国内で導入していくに当たって最適な対象年齢が明らかになっているか。5つ目が、帯状疱疹ワクチンの安全性について、特に留意すべき点があるか。6つ目が、国内で帯状疱疹ワクチンを導入した場合の医療経済学的評価について、十分に明らかとなっているか。こういった観点で御審議を頂ければと思います。よろしくお願いします。

○倉根委員長 ここに6つの論点が提示してあります。もちろんほかにもあるかと思いますが、まずはこの論点に従って、その順番で皆さんから御意見を頂きたいと思っております。今、多屋先生と池田先生にファクトシートの要約を御説明いただきました。議論に入る前に、何か質問をしておきたいことがありますか。書きぶりと言いますか、ここはどういうように読めますかということもあろうかと思いますが、特にそこはよろしいですか。

○金川委員 池田先生、ちょっと教えてください。費用対効果で、接種率が20%と75%というところで、かなりの接種率の差があるのですけれども、ダリーを下がるというのが余り変わりないのです。QALYですね。QALYの低下というか、費用がかかるのが余り変わらないのには、これは経済効果として評価するものがかなり違うから、こういう変化になるのでしょうか。

○池田委員 接種率の違いです。

○金川委員 接種率として、75%打っていても20%打っていても、効果としては同じぐらいという形で出ているのですが、これがどういう評価の違いなのかを教えていただければと思います。

○池田委員 同一の研究の中で接種率を変えたものはほとんどなくて、研究が違うと分析モデルが違うのです。つまり長期的な予後予測をしますから、そのときのモデルが異なってくるので、横並びの比較はなかなか難しいかと思います。今後、日本のコストや日本の罹患率などのいろいろなデータを入れたときに、接種率を変えた場合のシナリオ分析とかハンド分析を行うことで、その辺が検討できればと思います。

○倉根委員長 それでは、おおむねこの順番で少し考えていきたいと思います。帯状疱疹の疾病の特徴、あるいは帯状疱疹後の神経痛、その他合併症等をどのように考えていけばいいかです。何か御質問、御意見はありますか。では、私から1つ多屋先生に、まとめとして伺います。死亡する人がいますよね。死亡率がこのくらいだということを先生は示したのですけれども、亡くなるときに何で亡くなるかというのは書いてあるのですか。もちろん帯状疱疹で亡くなるのですが、最終的に臓器というか、どういう病態で亡くなる方が多いという、何か直接的な原因は書いてあるのか、教えていただければと思います。

○多屋委員 もともと帯状疱疹という病気は、高齢になられてから発症されることが多いので、帯状疱疹を発症されて、その後に亡くなられた場合に死亡ということになっているかと思うのです。ただ、明確に帯状疱疹の発症により何が悪かったからという記載は調べ切れておりません。

○菅沼委員 亡くなるという例だと、多分免疫不全の患者とか、帯状疱疹の悪化、あるいは日本では脳炎の発症の頻度は余り高くないのですが、1回起こすと脳の血管が破壊されるような感じの脳炎を作りますので、そういった重篤な状況、免疫不全者が多いのではないかと思います。

○多屋委員 免疫不全の方であれば、もちろんそうです。それから、8ページにある内臓播種性VZV感染症などはかなり重篤で、致死率も高い病気ですし、脳炎や血管炎から脳梗塞になることも報告されているので、先生のおっしゃるとおりかと思います。

○倉根委員長 まずは合併症等、病気の話ですよね。ここら辺をどういうように理解するかということで、何かありますか。

○菅沼委員 多分、合併症で一番ボリュームが大きいのは、先生がおっしゃったその後の神経痛が、とても問題が多いのです。その方々のQOLがかなり下がってしまうというのが非常に問題で、ボリュームも大きいわけです。先生方に示していただいた本文の6ページにある、帯状疱疹から疼痛までの期間というグラフが出されています。臨床期間と、疼痛を伴う患者の割合と、帯状疱疹の発症期間を見ると、ある一定のところで痛みが頭打ちというか、改善しない例がどうしても一定数残ってしまいます。その方々が年余にわたって治療介入を要するという場合がずっと続くということで、後々までかなり尾を引いてしまうというのが、非常に問題ではないかと思います。

○倉根委員長 先生の今の御意見からすると、死亡することを防ぐのも大事だけれども、年余にわたる疼痛がある方の率を下げることも、非常に重要な期待されるべきものではないかという御意見ですか。

○菅沼委員 むしろ、ボリュームとしてはそちらのほうが圧倒的に多いと考えていいかと思います。

○大石参考人 ここはやはり致死的な状態になるということと、もう1つはQOLを落とすということが、大きなポイントだろうと思っています。ペインクリニックで疼痛をどうコントロールしていくかというのが、なかなか実態の分からないところかと思うのです。それで菅沼先生がおっしゃるボリューム、医療負荷がかかっているということだと思うのです。池田先生が読まれた、医療経済の評価の中でもその辺にかなり医療負荷がかかっているというのが、海外では示されているのでしょうか。そうであれば日本の状況はどうなのか、その辺も今後、もうちょっと明らかにしていく必要があるだろうと思います。

○池田委員 レビューした文献は、全てQALYという単位を使っています。つまり生存年を延ばすための介入ではなく、QOLを改善するほうを主眼に置いて分析しているものが全てですから、QOLに与える影響のほうが大きいと考えます。

○倉根委員長 この点でほかに何か御意見はありますか。そうしたら、次に我が国における帯状疱疹の疫学的状況、帯状疱疹の罹患、帯状疱疹後神経痛の話、重症例、入院例、死亡例など、いろいろな切り口があろうかと思うのですが、そこら辺の疾病負荷というのが、どのくらいきちんと分かっているかということについて、多屋委員はいかがでしょうか。

○多屋委員 本文の19ページに、PHNの罹患率を示しております。香川県の小豆島でのスタディでは、帯状疱疹の患者の中で約2割がPHNを発症したと報告されています。2割ということは、5人に1人がPHNを残しているというのは結構大きい。また、85歳の方では半分が経験者であったり、80歳までに3人に1人が経験するということも、罹患率としては多いものだと思います。20ページの表7に、発生頻度をまとめております。今のが日本の小豆島のスタディで、年齢が高くなるとPHNの発生頻度も高くなっていくのが分かります。あと、米国やドイツ、オーストラリアでもこのようなファクトが掲載されておりましたので、罹患率について言えば、比較的多い合併症の1つであろうと思います。

○倉根委員長 小豆島のデータはデータとして、これに対してほかに比較すべきものはありますか。ほかの地域でやっても、同じようなデータになるということはあるのですか。

○多屋委員 日本では小豆島の調査と宮崎での調査が、比較的大きな調査です。海外でもPHNの罹患率というのは、たくさんの論文も出て調べられております。19ページの539行目から540行目にまとめているものとしては、米国、ドイツ、オーストラリアでのPHNの罹患率(/千人・年)にしますと1.38とか、1とか、1.45とか、結構多い数となっております。

○倉根委員長 特に臨床の先生が何人かおられますが、帯状疱疹の患者さんを御覧になっているときの数値というか、先生方の印象というか、先生方の各施設のデータだと、やはりこれはリーズナブルなものでしょうか。いかがでしょうか。

○菅沼委員 なかなか難しいのですが、先ほどもお話したように、ある一定の層がガッチリという感じはありますので、この数字はリーズナブルではないかと思います。

○金川委員 病院でデータを取っているということは、ほとんどないようなので、ここの疫学的なデータがどうかと言われると、そういう調査はしていないのでなかなか分からないのですが、ワクチンを打っていると、年齢の高い方もおられて、話を聞くと「帯状疱疹になりました」と言う方は結構おられるのです。しかし疼痛がずっと残っておられる方というのは、旅行などのいろいろなところでのアクティビティがそんなに高くないので、余り分からないのです。一般的に考えて帯状疱疹になられた方というのは、かなりの数に上ると思います。

○大石参考人 先ほど菅沼先生もおっしゃったように、小豆島での疫学的な情報から患者さんの罹患率、入院率は分かります。しかし、QOLを改善するためのペインクリニック等で、どのぐらいの医療負荷がかかっているのか実態が分からないので、今後も、このような点をを明らかにしていく必要があるかと思います。

○倉根委員長 そうですね。

○菅沼委員 ペインクリニックもですが、地域によって、かなり差がありペインクリニック自体が、それが、なかなか使えないと言いますか。あるいは治療法も医療者によっても統一じゃない部分があり、そのあたりが多様性ではありませんが、バラバラになっているのは地域差や医療者側の治療に対する知識、そのようなものでも先生がおっしゃるように、ばらけている部分があるかと思います。

○金川委員 それとですね、割と、総合病院などで入院される方は、年齢がそんなに高い人と言うよりは、若くて、顔面とか目にかかるような所という意味で、早め早めに入院する方は若い方が多い。それから今、言われた7080になると施設に入っている方で、そこで発症しているので、病院に来られなくて、そこで、そのまま治療している可能性が非常に高いので、統計の取り方で病院でやっていると偏りがあるかもしれないし、どのようなところのデータを取るかでかなりバイアスがかかるのではないかとは思います。

○福島委員 倉根先生、先ほど海外データのことをおっしゃいましたが、これは多屋先生にお聞きしたほうがいいかもしれません。海外のデータは、既に国にあるデータベース等を使った罹患率の推定値のような読み取り方をしたのですが、理解は、それで合っているでしょうか。

○多屋委員 海外では、福島委員がおっしゃるようにレセプトデータのようなものから取られてきたり、あとは保険会社から疾病名で選ばれてきたり、いろいろな形で疾病情報が集められていると思います。

 先ほど言いそびれましたが、もう少しイメージを湧かせて理解していただくものとして14ページの宮崎スタディのグラフを紹介します。患者数という形でグラフ化されているので、イメージが湧きやすいと思いますが、宮崎県で毎年4,000人~5,000人、5,500人ぐらいの患者さんが発生しているグラフが載っており、このように年齢分布も50代ぐらいから増えてきて60代、70代と高くなっていくグラフですので、イメージを持っていただきやすいのではないかと思います。

○福島委員 事前にこのファクトシートを大変興味深く拝見し、膨大なデータをまとめていただいたことに本当に感謝申し上げます。その中で、疾病負担に関する日本のデータは、先ほどサマリーの所で触れられた宮崎スタディ、それと小豆島のSHEZスタディ。そして、北海道のデータもあるようですし、あるいは重症例に関しては、多屋先生ご自身が厚生労働省の研究班で全国調査をしたような記述も、どこかにあったと思います。その4件ぐらいということで理解はよろしいでしょうか。

 全国調査では複数の診療科を対象に非常に大変な努力をされたと思いますし、SHEZスタディに関して言いますと、私は、この論文が掲載されたJournal of Epidemiologyという日本疫学会の英文機関紙の編集委員をしており、投稿されたときに論文を見たのですが、非常にクオリティーの高い、いい論文でした。この論文、あるいは、ほかのデータから得られる知見は、一定のレベルを満たした非常に貴重な知見だと思います。ですが今、検討事項となっている4つの研究で我が国全体の疫学状況が十分に明らかになっているかと言われると、私はクエスチョンではないかと思います。

 サマリーに書いているWHOの見解で、各国で高齢化が予測され、あるいは高齢化が進んでいる場合は、疾病負担が十分に明らかになっている状況下で定期接種化を考えなさい、という意見は非常に重要なことだと思っており、やはり、全国レベルで見たときに、どれぐらいの疾病負担があるかというのは1つ考えておかなければならないと思うのです。その場合に帯状疱疹は、病気として非常に分かりやすい。一般の内科であったり整形外科でも、高齢者の方がかかりつけ医に相談して、診断され、アシクロビル等、特異的な薬を処方されることから、一度レセプトデータ等を使って、ざっくりした傾向を見ることは考えてもいいと思っているところです。

 新規ワクチンが出てくる度に毎回疾病負担は問題になり、その度に新しい研究班や新しい調査を立ち上げるのは、かなり無理があると感じていました。帯状疱疹は、我が国が持っている既存データを使って傾向を見るには良い疾患だと思っています。長くなり、申し訳ありません。

○倉根委員長 ありがとうございます。ほかに、御意見いかがでしょうか。

 やはり、我々もここでワクチンを議論するときに、多くの疾患について、我が国においてどのような状況であるかに関し、データとして使えるもの、あるいはデータとして我々が考えられるものがあるのですが、帯状疱疹については、それぞれのスタディはありますが、我が国全体としてどうだと言われると余りないのが現状だと思うのですが。

 ほかに、いかがでしょうか。そうしましたら、また戻るかもしれませんが、帯状疱疹ワクチンの有効性について、帯状疱疹の罹患や帯状疱疹後神経痛に期待される効果が明らかとなっているかどうか、考え方ですが、ここはいかがでしょうか。

 多屋先生、先ほどの疫学の状況のあと、3つ目の項に「導入により期待される効果、安全性」とありますが、持続性の所で、ワクチン接種後1年以内の帯状疱疹発症阻止効果は68%7割弱であると。「8年目では」と書いてありますが、どのように評価した数になるのでしょうか。

○多屋委員 本文だと23ページに、調査についてはZOSTAVAX ® の長期の研究になるのですが、論文などに書かれてあるものとしては、60歳以上の176,078人を対象として研究が行われており、ワクチンを接種した人と接種していない人で比較されており、接種している人で1年以内だと68.7%の減少。8年目で4.2%の低下でした。ワクチンを接種している人と接種していない人で発症率を比較した論文がZOSTAVAX ® で載っていました。

○倉根委員長 質問は、8年目でというのは、接種したときから8年目まで総和で比べていくとそうなるというのか、あるいは8年目の1年間を考えると、このようなことだということですか。どのように理解すればいいのかと思い質問したのですが。

○多屋委員 そうですね。多分この比較は、ワクチン接種者と非接種者を比較し、どれぐらい差があるかというような比較だったと思いますので、8年目まで見たときには4.2%の差という結果だったと思います。

○倉根委員長 原著を見ないで、この質問をして大変申し訳ありません。これが8年目になると、余り効かないという理解でいいのですか。

○大石参考人 効果が弱まるという理解です。

○倉根委員長 弱まると。効果が、そこまで免疫というか防御と言っていいのか、何という言葉を使えばいいのか分かりませんが、帯状疱疹の発症を阻止するという意味では、8年目ぐらいになってくると、帯状疱疹の発症を阻止する免疫はほとんどなくなっている。そのようなことでしょうか。

○福島委員 ワクチン接種後の効果減弱に関連して、38ページ目にまとめておられる諸外国における帯状疱疹ワクチンの導入状況について御存じの範囲内で教えていただきたいのですが、公費補助を60歳以上で行っている国もありまして、恐らくこの方たちに対してワクチンを打ったときに、10年後の発症阻止効果というのは著しく減弱しているだろうと先ほどのエビデンスからは推測されるわけで、この方たちに対して、70歳で、また公費補助で打つとか、そういうことはこれらの国ではされているのでしょうか。あるいはそこから先は自費で打ってくださいということになっているのか、御存じの範囲内で教えていただければと思います。

○多屋委員 2回接種のときも公費補助があるかどうかは調べ切れておりませんので、また調べてみたいと思います。

2回接種法については、安全性のところで論文を引っ張っていまして、28ページなのですが、2回接種の方で60歳以上の成人を対象とした2回接種、70歳以上の成人を対象とした2回接種という報告があるので、こちらのほうから調べてみると、こちらには書き切れていないのですが、効果の分が掲載されているかもしれませんが見付け切れていないのかもしれません。公費補助があるかどうかは、すみませんが調べ兼ねております。

○菅沼委員 同じ話で2回接種の場合ですが、その場合の期間はどのような形で海外のものはやっているのでしょうか。

○多屋委員 28ページの751行目にあるのですが、いろいろな間隔でやっておられるようで、1か月間隔で接種された場合、3か月間隔で接種された場合というのがあるようで、2回接種と単回接種の抗体価の上昇は同程度と。抗体価は余り帯状疱疹の発症には関与せず、むしろ細胞性免疫だと言われているのですが、間隔はこのような間隔で、一番上の136の文献については6週間間隔で2回接種が行われているので、長くたってから2回接種をしたというものではないようです。

○倉根委員長 通常だと感染を防ぐ、ものによっては感染してもいいけれども発症を防ぐというワクチンもあると思うのですが、この場合は、ウイルス自体はすでに感染していて、再活性化を防ぐということだと思うのですが、機序としては、先生は「抗体ではなく細胞性免疫のほうが大事ではないか」ということをおっしゃったけれども、そこに関しての考え方というのは確立されているのでしたか。

○多屋委員 それについては、たくさん論文がありまして、最初のほうの疫学の所や症状の所に記載しています。小豆島のスタディや宮崎のスタディでも大規模な調査がされていて、小豆島のスタディでは日本で使われている水痘抗原皮内テストというものを用いて、VZVに対する細胞性免疫についての検討をしたスタディがあります。それによると、皮内テストが陰性であったり、皮内テストの反応が悪かった人について、発症率が高かったというようなデータがあって、液性免疫、いわゆる抗体価には関係がなかったというのは、国内で調査が行われています。

○倉根委員長 そうすると、遅延型過敏症の反応が陽性であるということが、細胞性免疫をある程度反映するものとして見て、帯状疱疹を発症させないということの間に相関があるだろうという話ですかね。

○多屋委員 そうです。細胞性免疫検査については10ページに記載していて、幾つか方法があるのですが、日本では市販の「水痘抗原」液を皮内注射して、発赤の径によってVZVに対する細胞性免疫の程度を評価する方法によって判断されているかと思います。

○倉根委員長 皮内抗原についても検定されていて、使い得るということであります。

 今、有効性あるいは効果が十分に明らかになっているか、あるいは導入に適切な年齢はあるかか、あるいは回数であるとかの議論なのですが、ほかにございますか。

○岡田参考人 2回接種の根拠をお尋ねします。私は小児科医ですが生ワクチンで細胞性免疫を立ち上げたときに、、加齢により、このように細胞性免疫をどんどん落としていって、78年ぐらいで切れていくと考えるのでしょうか。

○倉根委員長 どなたか答えられますか。多屋先生、いかがですか。

○多屋委員 もう一回お願いできますか。高齢化によって細胞性免疫が落ちていくというのは既に報告されていまして、生ワクチンを接種することによって細胞性免疫を不活化させますので、水痘の患者と頻回に接触する職業の人は、細胞性免疫も比較的高くて、帯状疱疹の発症率も低いというデータもありますし、海外では水痘の流行が落ち着いてくると自然感染のブースター効果が減ってくるので、帯状疱疹が増えてくるということが心配されているということもありますので、加齢によって細胞性免疫が落ちて帯状疱疹の発症が増えるということとともに、VZVによるばく露の頻度というのも、発症には関与しているように思います。その辺が複雑に絡み合っている部分があるのではないかと思います。

○岡田参考人 加齢に伴い、細胞性免疫がどんどん落ちていくのでしたら、細胞性免疫を常に活性化しておくためには、少なくとも複数回のワクチン接種でないと、ワクチン効果が出てこないことになりますが、世界的に見て、複数回接種をして効果があるという報告はあるのでしょうか。

○多屋委員 まずは1回接種して細胞性免疫を不活化させて、帯状疱疹の発症頻度を減らすというところから始まっているところが多いのではないかと思いますので、これから10年、20年たったときにどうするかというところまでは、まだ出ていない国が多いのではないかと思います。

○金川委員 現実に臨床をやっている現場で、例えば麻疹でも風疹でも全部なのですが、接種したかどうか、免疫がないかどうかが分からないのを抗体検査をしてからやりましょうということは、余り積極的にはできないです。どうしても分からないときには、「1回やってから接種しましょう」と勧めるのですが、多くの方は要らないと。問題ないのだったら打ってほしいという形で打つのですが、今回のこの問題でいくと、皮内反応をやってからやるのかどうかという話なしでやるわけですよね。

 そうすると、その方が細胞性免疫が落ちているか落ちていないかというのを問わずに実際に打つということになると、活性化されたかどうかというのもなかなか分からない状況かもしれないということがあるのですが、打ったことの効果を何で見るかというと、結局疫学データで、減りましたとか負担が減りましたということで見るしかないのです。今までのほかのワクチンだと安全性や効果を見るのに、抗体が上がったということで見ているのですが、これの場合はそういうことの対応はできないと思うので、評価が非常に難しくなるとは思います。

○多屋委員 細胞性免疫を見てから接種するということではないのですが、スタディの中ではワクチンの接種前後に細胞性免疫を見たという研究もあって、ワクチンを接種することで皮内抗原の発赤が大きくなるというのは見られていますので、その形で見ることもできます。

 もちろん、患者が少なくなったという効果で見ることもできますが、なかなか何年も見ないと数が少なくなったという効果は分かりにくいので、細胞性免疫を不活化させたかどうかという方法での調査はあります。

○福島委員 先ほど金川先生が言われた御意見は、大変貴重であり、ありがとうございます。帯状疱疹はサーベイランスでカバーされていない病気ですので、もしこのワクチンを推奨するとなった場合に、その前のデータがないとワクチンが導入された後のインパクトがどのぐらいあったかというのは全く分からないわけです。

 そういうことが今までも複数の疾患で問題になってきて、ある疾患に対しては急遽サーベイランスで追加したりしたわけですが、そのときどきでこのような問題が起こってきていることを考えると、真のワクチン先進国を目指すのであれば、公費で接種可能なワクチンの数を増やすだけではなくて、ワクチンのインパクトあるいは効果をきちんと評価できるような体制を整備しておくというのは、非常に大事なことだと認識しています。

 そのようなことから、今回のこの帯状疱疹の疾病負担について、新たに大規模な研究をするというのではなくて、既に日本にあるデータで何とか評価できそうな疾患でありますので、1つトライアル的に、前向きに検討してみるのはいいのではないかと思った次第です。

○倉根委員長 1つのアイディアとして、そういう形で効果を判定できないだろうかという、サジェスチョンです。

○岡田参考人 そのことに関してですが、現在水痘は入院例全数が感染症法で調査対象になっています。その結果をみていると、小児で入院することはこれまでありますので理解できますが、高齢者の水痘での入院例も小児例と同じくらい報告されていています。小児科医としては、すこし理解しがたい結果と思います。

 現行の水痘の入院例サーベイランスの中で、帯状疱疹か水痘かというのがある程度区別できるような様式を考えていただけると、現在のシステムでも帯状疱疹の入院サーベイランスはある程度はできると思うのですが、いかがでしょうか。

○大石参考人 帯状疱疹ワクチンを評価するサロゲートマーカーというものがないということなので、サーベイランスはすごく重要だと思うのです。先生がおっしゃるとおり、入院サーベイランスが水痘で走っているわけですが、高齢者においての入院が帯状疱疹がどのぐらい含まれているのかというのは、現状ではまだ把握できていないところなので、サーベイランスでより詳細な情報を取っていくということは、我々としても努力してやっていくべきなのだろうと思っています。

○倉根委員長 安全性、帯状疱疹ワクチンを導入した場合の医療経済学的評価について、既に議論が入っている部分もあるのですが、この辺りについてはいかがでしょうか。安全性について報告を見ると、特段の問題があるという報告はないようですが、いかがでしょうか。

○多屋委員 おっしゃるとおりで、局所反応の報告が多い以外で、重篤な全身反応の報告は国内外でほとんどありませんでした。

○倉根委員長 医療経済学的な評価についてはいかがでしょうか。これまでに明らかになっているかどうかということで、池田先生に詳細に調べていただいているのですが、いかがでしょうか。

○池田委員 追加で申し上げます。先ほどの35ページの表の14番の文献ですが、これは年齢を書き損ねていましたので、口頭で補足させていただきます。

 我々が調べた中で一番新しい費用対効果の論文でして、35ページの14番です。これは50歳の男性と女性、あるいは男女にした場合の費用対効果で、値が大きければ大きいほど費用対効果は悪いということで、50代では費用対効果は良好ではないという結果が出ているものです。この論文の中では、アメリカではACIP60歳以上を推奨としており、それはこの費用対効果の点からも、それをサポートするという結論になっています。

 したがって、日本でも適正使用を議論する場合には、各年齢ごとに罹患率や有効性、更にはワクチンの効果の持続期間といったものを考慮した上で、年齢などを検討していくべきかと考えています。

○倉根委員長 この点は、近藤先生はいかがお考えでしょうか。

○近藤委員 池田先生がおっしゃるとおりだと思いますが、国内でということですと、たまたまうちの研究室で検討をしておりまして、昨年の公衆衛生学会で基本的なところだけは御報告させていただいております。まだまだ学会報告の中ですので取扱いは難しいところなのですが、おおむね65歳以上などの幅で見ても、費用対効果が優れているのではないかという感触は得ているところですが、引き続き多面的に検討していかなければいけないという段階だとは思っております。

○福島委員 池田先生や近藤先生に教えていただきたいのですが、素人の目から見ますと、帯状疱疹ワクチンの効果が、今8年あるいは10年ぐらいまでしか検討されていない中で一生涯続くというような仮定を置くのに若干違和感はあるのですが、高齢者対象のワクチンということで、これはリーズナブルな仮定なのでしょうか。

○池田委員 実は海外の文献ではワクチンの効果が7.5年、あるいはそれ以上にわたり継続するという前提で分析をしているものが大半で、そうなりますと費用対効果はよい方向で出てくるわけです。ただ、実際にエビデンスが十分でないということになりますと、持続期間が短い場合にはどうだというようなシナリオの分析も必要になるかと思います。当然ワクチンの効果の持続が短ければ費用対効果は悪くなります。

 もう1つは、先ほど御紹介したアメリカの論文では、追加接種を行うという想定の費用対効果も分析しています。例えば50歳に1回打って、55歳でブースターあるいは60歳でブースターという分析もしていて、これはブースターをやったほうが費用対効果はよいという結果にはなっています。ただ、ブースターをやった場合の効果というのが、初回の接種と同じだけの有効性や安全性という仮定の下でやっておりまして、そのデータも不十分だという断りの下で分析がされています。

○近藤委員 私どもの所の研究でも、その点は認識しておりまして、一応接種効果が8年間でどんどん落ちてくるということまではモデルに入れた分析になっています。

○倉根委員長 そうすると、何年持続するのか、何年効果があるかというのは、非常に重要なファクターではあるけれども、そこは余りよく分かっていないということなのでしょうか。データはあるにしても、どのぐらい続くと仮定するのがいいのか。ただ、急に皆さんが免疫が落ちるわけではなくて、徐々に割合が減っていきますから、そういうときにどういう評価をするのかというのは、医療経済学の中で何か方法というのはあるのですか。徐々に有効な免疫を持っている人の数が減るでしょうから、そこをどのように評価していくかというのはできるわけですね。

○池田委員 どういうスロープで下がっていくかということを、まず1回それを仮定すれば、それに基づいた計算はできるのですが、実際のところはどうかということは分からないので、様々な落ち方のパターンを考えて、結果がどの程度変動するかということをやるしかないと思います。

○多屋委員 効果が持続という意味では、自然のブースターというのもすごく維持には重要なポイントかと思うのですが、水痘ワクチンの本当に素晴らしい効果で患者は激減してしまっているので、自然感染のブースター効果というのはこれからどんどん少なくなってくるということを考えることも、ワクチンの導入の議論には必要かなと感じています。

○倉根委員長 いろいろありがとうございます。時間も考えつつ進めなければいけません。

 今回、6つの論点を提示しまして、いろいろと御意見を頂きました。帯状疱疹ワクチンが他のワクチンと少し異なる、ある意味では潜伏感染しているウイルスが再活性化するというのを防ぐという意味で、ほかのワクチンとは少し違う、ユニークな形であるということがあります。また、過去の罹患だけではなくて、帯状疱疹後神経痛あるいは入院での死亡例というのも一定程度あると。しかし、そういう疾患であることは分かるけれども、全国レベルでどうかというデータはないのかなと。調査のやり方はあるということ、福島委員からも、こういうやり方はいかがかという御意見も頂きました。

 それから、予防接種を進めたとした場合、費用対効果の観点をどのように考えるか。データとしてはいろいろ示していただきました。一方、国内でどうかということ。ただ、そのためには、もう少し基盤的な、免疫学的なデータも必要ではないかというような意見が出たところです。いろいろな意見を頂きましたので、これを少し厚生労働省のほうで論点を整理していただいた上で、専門の先生方に、今の議論に基づいて、また更に調べていただいて、改めて委員会で議論するというのはいかがでしょうか。そのような方針でいかがかと思いますが、よろしいですか。ありがとうございます。

○多屋委員 誤解を招くことを言ってはいけなかったのだと思うのですが、水痘ワクチンを接種した方というのは、普通に水痘にかかった方よりも潜伏感染しているウイルスは少ないので、今、多くの子供たちが受け始めていますが、その子たちが高齢者になる頃は、恐らく潜伏感染しているウイルスは少ないと思うのですが、今の高齢者の方は自然にかかった方で潜伏感染しているウイルスは多いということです。そこの誤解があってはいけないと思いましたので、補足です。

○倉根委員長 多屋委員からの確認コメントでした。ありがとうございます。それでは、今の議題1の帯状疱疹ワクチンについては、また事務方で一定の整理をしていただき、改めて議題としたいと思います。ありがとうございました。

 次に、議題2「沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンについて」に入ります。こちらも阪大微研が製造するDPTについて、1113歳で接種が可能となる用法の追加がされたことから、前回の評価小委員会で、ファクトシートを作成の上で、それに基づいて審議を行うということになりました。今回ファクトシートが完成しましたので審議を行っていくということになりましたが、先ほどと同様に、事務局からその辺りの経緯についても説明を頂いて、ファクトシートを蒲地参考人から説明いただくと。それから論点を事務局から示していただいて、御意見を頂くとしたいと思います。事務局から経過の説明をお願いします。

○芳川室長補佐 資料2-11ページについて御説明いたします。経緯としては、平成227月に予防接種部会で、百日せきワクチンに関するファクトシートというもので、一番最初のファクトシートを作成いただき、御報告を頂いております。その後、しばらく期間が空いていますが、今回平成282月に阪大微研が製造する『沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン「トリビック」』について、1113歳、DT2期における接種が可能となる、いわゆる追加接種が可能となるような用法・用量の変更が承認されたところです。

 平成286月の第4回の本小委員会において、このワクチンの定期接種で使用することの是非に関する検討について、先ほどの帯状疱疹ワクチンと同様ですが、国立感染症研究所においてファクトシートを、改めてアップデイトという形で作成いただくこと、それに基づいてこの小委員会で検討いただくことという形でお諮りいただいたところです。昨年12月にこのファクトシートが作成されておりまして、今回御報告を頂く形になっております。

○倉根委員長 それでは、蒲地参考人からファクトシートについての御説明を頂きます。よろしくお願いします。

○蒲地参考人 百日せきワクチンのファクトシートの要約に沿って説明いたします。

 背景です。百日咳はワクチンで予防可能な疾患のVPD1つです。現在、多くの先進国で百日咳の再興が認められており、日本でも2000年以降、青年・成人患者の報告数が増加しています。また、局地的、散発的な発生も確認されています。現在、多くの先進国では百日咳対策として、青年・成人層への百日せきワクチンの追加接種が行われております。また、妊婦への接種が実施されている国もあります。

20162月に、一般財団法人阪大微生物病研究会が製造する『沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン「トリビック」』の製造販売承認書の変更が行われ、乳幼児期に3回又は4回接種された1113歳未満の小児、さらに青年・成人層における追加接種が可能となっております。

 百日咳の疾患の特性です。百日咳の主な原因菌は百日咳菌です。乾性咳嗽や発作性の咳を引き起こします。百日咳の類縁菌も同様な症状を引き起こすことが分かっていますが、パラ百日咳菌などの類縁菌の症例は、国内では少ないとなっています。百日咳は、特にワクチン未接種の乳幼児が罹患すると重篤化しやすく、米国の報告によると、0歳で発症すると半数以上が呼吸管理のために入院加療となっていると報告されています。また、百日咳は家族内感染により、小児から母親、また兄弟などの同胞に容易に感染します。国内では、特異性の高い遺伝子検査法として、百日咳菌LAMP法が開発されて、早期診断に有用とされ、201611月から健康保険適用となっています。

 次に、国内の疫学情報です。百日咳は感染症法に基づく感染症発生動向調査の定点把握疾患であり、全国約3,000か所の小児科定点から、毎週、年齢別・性別に患者数が報告されています。国内では、1981年に現行のDTaPが導入されましたが、1982年~1983年の4月~5月、また8月~9月に患者報告数が増加しました。このデータは10ページの図5です。

 要約に戻ります。25行目です、患者報告数はその後減少し、2001年以降は流行を示す季節性のピークは不明瞭になりました。2007年前半には、毎週の定点当たり報告数が0.03未満となり、1982年~1983年の約10分の1にまで減少しました。これは12ページの図6に、報告患者の年齢分布として示されています。2000年代の初期は、0歳が約45%を占め、5歳以下では全体の約85%を占めていました。その後、乳幼児の報告割合が減少し、2010年には20歳以上が48.2%と最も多くなり、その後減少して2015年の20歳以上の割合は25%となっています。2005年~2015年の0歳の患者報告数は、年平均530人です。現行の感染症発生動向調査の届出は小児科定点からであり、成人の患者数を正確に把握できていない可能性があります。また、臨床診断による届出のため、百日咳以外の病原体による患者が含まれている可能性もあります。

2009年~2013年に実施された15歳未満の百日咳入院例についての後方視的調査では、0歳が86%で、死亡例の報告はありませんでした。また、入院率は5歳未満で、年10万人当たり11.8であり、全国の年間入院患者数は618人と推定されています。推定感染源は兄弟などの同胞が21.9%、母親と父親がそれぞれ12%となっています。

 感染症流行予測調査では、5年ごとに国民の百日咳の防御抗原(以下、PTFHA)に対する血清中のELISA抗体保有状況が調査されています。これは、本文中14ページの図8に示されています。このデータによりますと、2013年度調査では百日咳の発症防御レベルである抗PT抗体10EU/mL以上の保有率は、0歳後半で最も高く90%以上でした。ただし、その後5歳頃までに漸減し、その後は徐々に上昇しております。

 次は海外の疫学情報です。世界保健機関(WHO)によると、過去20年間の患者数の推移は2005年頃からやや増加傾向にあります。米国では、6歳までに百日せき含有ワクチンを5回接種することが推奨されてきましたが、2004年頃から百日咳患者の年齢分布が10代以降へとシフトし、青年・成人層における百日咳患者が増加しております。百日咳に対する免疫増強効果を目的として、米国では、2005年に成人用の百日せきワクチン(Tdap)の使用を認可し、同年に米国予防接種諮問委員会(ACIP)が1118歳への接種を推奨しました。しかし、接種23年後には患者数の増加が認められております。ACIPは、ハイリスク者である乳児を守るために、妊婦、乳児の世話をする機会がある成人、また医療従事者へのTdapを推奨しております。

 次に、予防接種の目的と導入により期待される効果、安全性等です。免疫原性ですが、阪大微研製のDTaP0.5mL11歳以上13歳未満の健康小児233人に接種した臨床試験データでは、ブースター反応率はPTFHAに対して、それぞれ91%、91.5%でありました。国産のDTaPは米国のTdapと比べ含まれるジフテリア抗原量が多いため、小児接種量0.5mLを成人に接種すると、局所反応が強く出現する可能性があります。成人にDTaP0.2mLを皮下接種し、接種前及び接種後約4週後に抗DTFHA抗体価を測定した結果では、共に有意な上昇が認められております。また、11歳以上13歳未満の小児に国産のDT0.1mLDTaP0.2mLDTaP0.5mLを接種したところ、0.2mL0.5mLの接種群において、百日咳抗体価の有意な上昇が認められております。このデータが23ページの表6です。

 要約に戻ります。111人の若年成人を対象として、DTaP0.2mL0.5mL2群に分けて接種したところ、接種4週間後の抗体上昇は0.5mL接種群が有意に高かったという結果が得られています。ただ、追加効果率は共に100%でした。接種後長期間経過した場合の抗体価の減衰の有無や、また減衰し始める時期などについては、今のところは評価できておりません。11歳~12歳及び青年・成人層でDTaPを接種した場合、次回の追加接種の必要性については、現時点では評価されていないということです。

 次に、期待される効果です。年長児・青年・成人に百日せき含有ワクチンを接種することで、被接種者の発症予防が期待されるとともに、集団免疫効果により致死率の高い生後3か月未満児への感染抑制が期待できます。日本では、近年百日せき含有ワクチンの接種開始月齢が早く、かつ接種率が高いことから、0歳で初回免疫3回、また12歳で追加接種を1回受ける小児が多くなっております。そのため、3歳以上で百日せき含有ワクチンの接種を受ける機会がなく、百日咳発症予防に必要とされるPTの抗体価10単位以上の保有率は、5歳になると20%台まで低下します。年長児・青年・成人の百日咳は、周囲の乳幼児への感染源となることから、年長児から成人における百日せき含有ワクチンの接種の必要性が指摘されています。近年、海外では妊婦にTdapを接種することで、乳児百日咳の予防効果が報告されております。ただし、日本ではまだTdapが導入されておりませんので、第2(11歳以上13歳未満)の現在接種されているDTトキソイドに代わり、DTaPを用いることで年長児から青年の百日咳予防につながることが期待できます。また、DTaPの追加接種には年齢制限が設けられていないことから、定期接種対象年齢以外での接種が可能となっております。

 安全性です。第1期として、34回のDTaP接種歴がある11歳~12歳児445人をDTaP0.5mL接種群とDT0.1mL接種群にランダムに割り付け、接種から28日後あるいは48日後までに発生した副反応・有害事象の頻度を比較したデータがあります。これは阪大微研が行った臨床試験データとなります。それによると、接種部位の局所反応の発現頻度は、0.5mL接種群でやや高かったが、両群で大きな差は認められておりません。これは24ページの表7に示されています。重症度別に見ると、両群とも軽度か中等度が多く、DTaP0.5mL接種群では、高度な紅斑、腫脹、硬結がDT0.1mL接種群より多く認められました。これは25ページの表8に示されております。全身反応に関しては、DTaP0.5mL接種群では39度上の発熱が1人に認められましたが、それ以外は両群とも軽度あるいは中等度であり、自然軽快となっています。死亡や重篤な有害事象は認めておりません。国内外で実施されたDTaP0.5mL接種後の検討では、局所反応と発熱が中心で、いずれも自然軽快となっておりました。

 最後に、諸外国の導入状況です。2014年に発行されたWHOの百日せき含有ワクチン専門家会議資料、30ページの表12となりますが、調査された10か国では10代及び成人でのDTaP接種は行われておらず、全てTdapが使用されておりました。私からは以上です。

○倉根委員長 ありがとうございます。事務局から論点に関してお願いします。

○芳川室長補佐 資料2-1の後半部分、2ページですが、御議論いただく前に事務局から論点を示させていただいております。1つ目として、日本の百日咳の疫学状況をどのように考えるか、2つ目として、諸外国での疫学状況や百日せきワクチンの使用状況、これらをどのように考えるか、3つ目として、12で御検討いただいた内容を踏まえて、沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド(DT)の代わりにDTaPを用いる場合に、期待される効果やその安全性についてどのように考えるか、このような3つの論点を挙げさせていただいております。よろしくお願いします。

○倉根委員長 ありがとうございます。今、ファクトシートについて御説明を頂いて、また、論点についても示していただきました。もちろんこれ以外の論点も出てくるとは思いますが、まず日本の百日咳の疫学状況についてどう考えるか、御意見を頂ければと思うのですが。

○多屋委員 百日咳は、先ほどの帯状疱疹と違って感染症法に基づく発生動向調査が行われているのですが、小児科定点から報告していただいている関係で、大人の患者さんの把握が非常に難しいということ、それから、昨年、都内でも集団発生を経験したのですが、小児科定点以外の先生の所に受診された患者さんは、サーベイランスでは見つかってきにくい点があるので、重症例の把握と成人例の把握という部分については、現在のサーベイランスでは不十分な部分があるのではないかと感じています。小児科定点の報告で見るだけでも、大人の割合が増えてきているのが見えるのかと感じています。

○大石参考人 日本における百日咳の発生動向調査は、これまで臨床診断を基準としていたということで、課題は多いと思います。とりわけ、今御指摘の成人の領域の百日咳は、呼吸器内科医ですら実態がよく分かっていない状況です。まずは確かな百日咳の症例を診断することが大事です。病原体診断として、幸いLAMP法が導入されましたので、こういったものを取り入れて、しっかりしたサーベイランス体制を構築することがまずは大事かと。もちろん、臨床症状プラス病原体診断、そして一部血清診断、とこれらを組み合わせる形がいいと考えています。

○倉根委員長 いかがですか。私から蒲地参考人に伺いたいのですが、確かに臨床診断での報告はあるけれども、その中で病原体検査をすると、大体どのぐらいが正しいか、どのくらいが陽性であるというようなデータはあるのでしたか。

○蒲地参考人 感染研のデータがあります、7ページの図4になります。これは感染研で遺伝子検査を行い、年齢別に陽性率をまとめたものですが、3か月以下の乳児でしたら、約5割ぐらいの患者から遺伝子が検出されています。10歳代でも陽性率が30%近くになっております。

○倉根委員長 でも、高いというか、半分、50%以下だということですね。

○蒲地参考人 はい。

○倉根委員長 ということは、このポジティブというのは、これはPCRのですよね。

○蒲地参考人 はい。

○倉根委員長 感度というか、PCRでポジティブにならない人で実際には病原体を持っているという人は、通常は余り考えられないということですね。

○蒲地参考人 百日咳菌の感染量は年齢によって大きく変わり、赤ちゃんでしたら多量の菌量を持っているので、遺伝子検査で必ず陽性になると考えていいと思います。大人は逆に菌量が少ないので、遺伝子検査でも検出できない場合があると考えております。

○倉根委員長 あと、もう1つ伺いたいのですが、例えば、抗体の調査で見ると、先生は先ほど言ったけれども、5歳で10ユニット以上の人が20%ぐらいになってしまうと。これを見ると、小児で非常に下がっている。一方、年齢分布を見ると、大人のほうが増えてきていると。でも、抗体の陽性率を見ると、大人は比較的高いと。この10ユニット以上の抗体という所で見たら、子供のほうが患者がもっと増えるというか多く出てもいいようにも思うのですが、そこら辺はどうなのですか。

○蒲地参考人 最近、Hibと肺炎球菌の定期接種化に伴い、4種混合ワクチンの接種完了時期が早まっています。早期にワクチンの接種が完了するため、5歳くらいで保有率が落ちてしまうと考えらます。その後、抗体価が上がってくるのは、不顕性感染によるものだろうと考えております。

○大石参考人 先ほど国内の疫学情報の中で後方視的調査がされて、小児、0歳児が大半を占めているということで、年間600人程度の症例が推定されたということでした。このデータは、岡田参考人のほうでまとめられた入院例のデータと思うのですが、外来の百日咳の乳児例は結構あるものなのでしょうか。

○岡田参考人 正確には把握できていないと思います。先生が言われるように、現行の報告基準は、ご承知のように臨床診断のみです。入院例も把握できていません。

○大石参考人 この入院例は、検査診断をされていたケースでしたよね。

○岡田参考人 これらケースは、後方視的な調査でしたが、検査診断が3分の1、臨床診断が3分の1だったのです。今年度、10県でやった調査では、LAMPで検査診断されていた割合が約8割でした。入院率も後方視的な調査とほぼ同じぐらいの入院率で、5歳未満人口10万人当たり10くらいだったと思います。

○倉根委員長 ほかに何か、この点、疫学状況の考え方というか、いかがですか。

○金川委員 もともと小児科ですが、小児科で問題になるのは1歳未満で打てないということで、想定として、もしかしてというのは、いつも頭に百日咳はあることはあるのですね。5歳ぐらいになると、咳が続いていますねと言うと、ぜんそくとか、そういうのと紛れ込んでいて臨床で薄れてしまう。まして成人になると、最初から百日咳を想定してみられているというのは非常に少ないのではないかと思います。つい最近も何人か咳が続きますという成人の方をワクチンとかの所で見ていたのですが、可能性としても百日咳の可能性があるので1回検査してくださいと言うと、「いや、私、大丈夫ですから」という形で、すごい重症感がないので、少し咳き込んで、回復してしまうということで、検査にも行っていただけないという形です。ですから、成人とか年長者の数は非常に抜けていて、どういうときに百日咳を疑って検査しましょうという指針がないと、すごく正確なデータは出ないのではないかと私は思いました。ですから、今後そのチェックをする場合には、想定するところが必要ではないかと思っています。

○岡田参考人 そのことに関しては、小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017に、新しい診断基準を踏まえて、小児だけではなくて成人も、それから病原体診断としてLAMP、あるいは血清のIgMおよびIgA抗体などで病原体診断をしっかりして、小児から大人まで同じ診断基準でやるようにということを提案しています。これが将来的には発生動向調査の届け出基準に盛り込まれれば、病原体診断を用いて少なくとも小児科の定点の中では、百日咳の疾病負荷が評価できるようになってくることが期待されます。。これは多屋委員が言われたように小児科の定点だけですから、あとは大人をどのように評価していくかは、今の定点把握だけではなかなか現実が見えてこないのだろうと思います。

○金川委員 どこで調査するかは1つですが、大人の方で調べてくださいというのが、最近、アメリカ、オーストラリアへお孫さんの面倒を見にいくために、Tdapを打ちたいという方がかなり増えてきているのです。大学の学生で留学する方もTdapを打たないと入学が許されないということで、皆さんはなぜ打つかということを結構分からずに、ただ打てと言われるから打っているのですが、私は日本国内で、例えば咳をしている人とか、2030代の人に「もし、あなたに赤ちゃんがいたら危ないんです」、それから、「奥さんが妊娠していて、今度生まれてくる子供がワクチンを打つまでに、もしもかかると命に関わります」と。「大人は大丈夫ですが、子供にとって非常に問題があるので、是非、検査してください」というようなことを言うと、割と納得していただけるので、そういうのは小児科の観点で話をしているので、一般的に皆さんにその話が通じているかどうかは、私は少し疑問には思っています。

○大石参考人 呼吸器内科には慢性咳嗽外来というのがあって、そこで積極的に病原体診断を検討している先生もおられるのですが、PCRでは百日咳菌遺伝子をほとんど検出できないと、いうのが実態です。

 一方では、先日のAMED研究班の中での報告では、小児の百日咳患者がいて、その原因となった家族からは、百日咳菌が培養陽性になったという事例があり、驚きました。このように、金川先生がおっしゃるように、子供と大人の関係でそういう百日咳が問題になっているケースもあるのだと思います。

○倉根委員長 ありがとうございます。それでは、少し次に進んでいき、例えば外国での疫学状況、それから百日せきワクチンの使用状況について、どう考えるか、理解したらいいのかということですが、いかがですか。

○福島委員 ファクトシートの30ページですが、表12に諸外国における百日せき含有ワクチンの接種スケジュールをまとめていただいております。ありがとうございます。ここでお尋ねしたいのが、これはもしかしたら岡田先生にお尋ねしたほうがいいのかもしれないのですが、例えば米国では、初回接種としてDTaPを接種していて、成人追加接種のときはTdap、これがほかの国でも標準的なものだと思います。ファクトシートのほかの部分に書いている、米国での歴史等を読ませていただいて私が感じたことは、例えば青年・成人の追加接種の時期に、DTaPを少し減量して打つという選択肢も国としてはあったのではないかと思うのですが。それをせずにジフテリアと百日咳の抗原を減量したTdapを打つことになったのは、DTaP0.5mLそのまま打つと、副反応が大きいので減量する必要があって、でも、減量すると打ち間違いが起こるからとか、そういう背景があったのでしょうか。

○岡田参考人 日本ではDTaPを減量するというのが、先ほど蒲地先生から紹介していただいたようにあるのですが、0.2mLという製剤がないこともあって、もう10.5mLの治験をさせていただきました。アメリカは百日咳の抗原量を減らす目的でTdapを導入しました。DTaPの量を減量するのではなくて、ワクチン含有量で百日咳および破傷風の抗原量も減らそうというのがTdapの考え方だったと思います。海外ではTdapの効果がファクトシートの中にも書かれているように、今、持続が余りよくないとされています。今から考えると、抗原量を減らしたために、抗体の持続が短くなっている可能性があるのではないかと思います。そういう意味では、今の日本だったら、むしろ百日咳の抗原量を減らさずに、せっかく日本で開発したDTaPですから、これを乳幼児にやっているだけではなくて、成人層にやっていくという戦略は、今の流れからすると理に適っているのかと思いました。

○倉根委員長 ありがとうございます。今、岡田先生には副反応の部分にも少し触れていただきました。今日の議論の中でもう1つ先生方の御意見も頂きたいのは、比較的局所の腫れとかの率が高いということですが、DTaPを用いる場合に効果として何を期待するかという部分と、現実的に恐らくそれなりに高い局所における反応が出るかもしれないという辺の兼ね合いというか、先生方はそこをどうお考えになるか。少し御意見を頂ければと思うのですが。何を目的としてやるかという部分と、そのときの副反応の部分と。

○岡田参考人 正に3番の所になるのだろうと思いますが、先生がおっしゃるように、シーソーのバランスの中で百日咳の抗原を加えることで、百日咳の疾病負荷を少しでも減らせる。一方で局所反応が出るかもしれないけれども、DT0.1mLDPT0.5mLだと、当然、接種量が違いますから、局所反応はある程度は出てくると思います。ただ、局所反応は、接種方法によってかなり変わってきます。浅く打つと腫れるし、深く打つと腫れないこともありますから、局所反応のために百日咳の抗原を入れないというデメリットよりは、局所反応はあるけれども百日咳の抗原を入れて百日咳の疾病負荷を少しでも減らせるというほうが、シーソーのバランスの中ではメリットが高いのかと思います。

○大石参考人 ワクチンのメリットとして、対象となる症例の発生が、就学前の小児と小学生が主体であるということが、最近の実地疫学調査(アウトブレイクの調査)から正確に把握されています。しかし実際の百日咳患者は、中学生も、小学生よりは少ないのですが、一定数は中学生が含まれているので、その部分の症例を減らすということは期待できるので、それなりの意味はあるのかと思います。

○金川委員 1つ疑問があるのですが、12歳というと、兄弟で赤ちゃんがいる可能性は低くなってくる年齢で、45歳という年齢のほうが接触する可能性はあるのではないかと思うのです。あえて12歳というところで、2種に替わって百日咳を入れるという意義をまず考えなくてはいけないのが1つと、もう1つ考えているのが、Tdapは筋注だったと思うのですが、DTaPは皮下注になっていて、その深さによってということと、明らかに今までよりはその副反応が出る可能性があることを考えると、年齢の分布で言うと、子宮頸がんと同じ年齢層に打つということで、十分な説明をして打っていないと、迷走神経反射が起こりやすい年齢ですし、いろいろな不定愁訴を言いやすい年齢なので、打つほうが十分な注意を相手にしておかないと、「はい、定期ですから」と打っていると、また大変な訴えが出るリスクも考えなくてはいけないのかということは思いました。

○福島委員 金川先生の今の御意見に付け加えて、私も1113歳に打つ場合に十分に議論しておく点として、ファクトシートの14ページの抗体価の推移が少し気になっています。私の勉強不足かもしれないのですが、11歳とか13歳で抗体価の下がりが一番低いような思い込みを持っておりましたので、これは不勉強によるところですが、意外と就学前で一番落ち込んでいるわけです。現状では1113歳でDTを打っているわけですから、それに併せて新たに年齢として適用が承認されたDTaPを打つことで、日本として独自の非常によいスケジュールを組めるという岡田先生の御意見にも、もちろん賛同しますが、14ページの抗体価のデータがありますので、1113歳の抗体がどうでしょうかね、周りの自然感染のブースターで上がってきているのかもしれませんが、そこでもアセルラーの百日咳が入ったものを接種することが非常に有効なのだという議論を十分しておく、そういう点が重要かと思いました。

○倉根委員長 ありがとうございます。福島委員からそういう御意見を頂いておりますが、今日、ほかに百日咳については、ここで論点を3つだけ挙げておりますが。

○近藤委員 3つの観点とも関連はあるのですが。

○倉根委員長 他でも結構です、どうぞ。

○近藤委員 費用対効果の面で言うと、実はこれは国内で文献があり、イタタニ先生という方が学術誌に発表された2013年の論文があり、同じことを指摘されていて、1番と関連があるのですが、結論としては、インシデンスがすごく効くのだということが主たる結論で、それによってかなり費用対効果が変わってくるということですので、1番の観点に近いところであれば、インシデンスのデータをしっかり、どう信用できるデータなのか、ここでの検討としてはそういうインシデンスだということでモデルにしたほうがいいということが定まらないと、なかなか費用対効果の観点から難しいところだと思います。

○倉根委員長 そうすると、患者さんが臨床的な症状で報告された中で、実際にどれだけの方が百日咳だということが、ある程度きちんと分からないと費用対効果を出せと言われてもそれは難しいですねと、そういうことですね。

○近藤委員 はい。そういう形での報告になっており、そうかと私も思っておりました。

○池田委員 その文献は、今回のDTの代わりにDTaPを用いた場合の費用対効果ですか。

○近藤委員 はい。

○池田委員 両方のワクチンの値段によりますよね。値段が同じだったら、多分、先ほどの副反応以外で費用対効果が悪くなるようにはならない。

○近藤委員 はい、そこがこの文献でははっきり書かれていなくて私も困るのですが、一応同じ値段でやっているようです。確かに、これはこの文献の問題点があるのです。

○池田委員 同じ値段でやって費用対効果が不確定だというのは、どういう理由ですかね。有効性は僅かでも上がり、あとは副反応の問題だけです。

○近藤委員 副反応の問題が、主にドライブになっていると。

○池田委員 副反応をコストで計算しているのですか、その硬結とか、そういう皮膚の。

○近藤委員 副反応に対する治療価格とかが入っているようです。

○倉根委員長 よろしいでしょうか。先生方からいろいろ御意見を頂き、疫学状況については、百日咳は一定程度の報告があると。しかし、このサーベイランスが臨床診断によるものであるので、現在の基準に基づく報告では、疾病負荷、あるいは、実際、そのうちのどのくらいが本当の百日咳であるのかということがわからないと、疾病負荷がなかなか十分に評価されていないのではないか、難しいのではないかということを意見として挙げていただきました。

 仮にDTを切り替えた場合には、局所ではあるけれども、腫れ、痛みといったものが増えるという懸念もある、あるいはデータとしてそういうことも示されていると。切り替えた場合に、期待できる効果、何に対して効果を期待するのか、どのような効果を期待するのかも十分明確にしなければいけないと。そういうところかと思うのですが。

○岡田参考人 百日咳の研究者の1人として、委員長のおっしゃるとおりですが、やっと百日咳対策の一つとして、10歳代でも接種できる体制が整いつつあります。まず、現行のDTを百日咳抗原の含まれるDTPに換えていただく。疾病負荷の評価の観点からも、病原体診断を基本として評価できるようになりました。提案ですが、まず2期をDTPに換える。同時に現行ののサーベイランスを、より病原体診断に基づいた基準に改訂していただき、とくに就学前の接種は、疫学データを参考にもう1回考えていくという流れにしていただければ有り難いかと思います。

○倉根委員 岡田参考人からそういう意見を頂きました。ですから、疫学状況を見つつ、もう少しデータを集めてきちんと考えるということでしょうかね。そうしますと、今、岡田先生がおっしゃったことも含めて、今回のまとめになるだろうと思います。これも先ほどと一緒ですが、今日、ここの議論で出た御意見をもう一度まとめていただいて、それについて情報の整理を頂いて、また各委員あるいは参考人からの御意見、更にデータも頂き、整理して、またここの俎上に載せるということで進めたいと思いますが、そういうまとめでよろしいでしょうか。

 それでは、そのようにしたいと思います。3番として、事務局報告事項がありますが、よろしくお願いします。

○芳川室長補佐 事務局から報告事項という形で、前回、感染研から御報告を頂きましたヴァクセムヒブ、武田薬品工業から承認されたヴァクセムヒブについてのファクトシートの御報告を頂いたところですが、前回は12月の小委員会の直前に筋肉注射の用法が追加される見込みであるということから、それらを合わせて検討を行っていくという形で、ファクトシートは御報告を頂いて、今後検討を行っていくという形にしていました。

 しかしながら、販売元である武田薬品工業から、この製剤の供給の見通しについて、供給元であるGSK社側の事情から、供給について調整中であるという連絡を受けていまして、今後、国内での供給や販売の計画について、きちんと見通しが立った場合には御検討をこちらの小委員会でお願いすると、このようにさせていただければということで考えております。

○倉根委員長 ただいまのは報告事項でした。この件で何か御質問はありますか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは、議事としては終了したいと思いますが、事務局から何か報告はありますか。

○大林室長補佐 次回の開催については、追って御連絡をさせていただきます。事務局からは以上です。

○倉根委員長 それでは、第6回ワクチン評価に関する小委員会を終了いたします。委員の先生方、参考人の先生方には、本当に活発に御議論いただきまして、大変多くの御意見を頂きました。また、これを基に次に進めていきたいと思っております。ありがとうございました。これで終了します。


(了)

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