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2016年11月16日 第5回データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会議事録

○日時

平成28年11月16日(水)14:00~16:00


○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター(14階ホール14A)


○議題

1.審査・支払効率化ワーキンググループの議論について
2.ビッグデータ活用ワーキンググループの議論について
3.データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会における今後の検討について

○議事

○西村座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第5回「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」を開催いたします。

 きょうは、お忙しい中、全員御出席ということで、ありがとうございます。

 それで、本日は参考人として、まず健康保険組合連合会から白川副会長、全国健康保険協会から吉森理事、社会保険診療報酬支払基金から伊藤理事長、国民健康保険中央会から原理事長、病院関係者として、日本病院会から大道副会長に御出席いただきました。

 これから議事に入りたいと思いますが、特に写真はないですね。

 きょうのテーマは、7月に第4回有識者検討会において設置をお願いしました2つのワーキンググループの討論の内容について、それぞれ御報告をお願いしたいと思います。

 議事に関しては、まず最初に「審査・支払効率化ワーキンググループの議論について」を神成構成員から御報告いただき、次に「ビッグデータ活用ワーキンググループの議論について」、尾形構成員から御報告をいただくという順番で考えてまいりたいと思います。

 その後、年末までする予定の本有識者検討会における取りまとめに向けた、「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会における今後の検討について」というものを事務局から説明いただいて、そして皆様に議論していただきたいと考えております。

 議事に入ります前に、きょうの資料について、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○保険課長 本日の資料でございますが、西村座長からお話がありました議事に沿いまして、まず資料1といたしまして「審査・支払効率化ワーキンググループでの主な御意見」、別紙といたしまして「審査・効率化ワーキンググループにおいて調査検討された内容について」。

 資料2といたしまして「ビッグデータ活用ワーキンググループでの主な御意見」。

 資料3といたしまして「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会の今後の検討(論点)について(案)」。

 参考資料として「今後の検討会のスケジュール(案)」をお出ししているところでございます。

 また、本日は、林構成員から「『診療報酬の審査の効率化と統一性の確保』に関する意見(平成281115日規制改革推進会議)』が提出されております。

 以上でございます。

○西村座長 資料の確認、よろしゅうございますか。

 それでは、審査・支払効率化ワーキンググループでの議論の状況について、神成構成員から資料1に基づいて説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○神成構成員 神成です。

 審査・支払効率化ワーキンググループは、9月1日から1111日まで全6回ということで、入っていただいた皆様、どうもありがとうございました。最後のほう、大変集中的なスケジュールになってしまい、非常に大変だったと思うのですが、最後まで、皆様、よく御議論いただきまして、今回、資料1「審査・支払効率化ワーキンググループでの主な御意見」と、それから別紙といたしまして「審査・支払効率化ワーキンググループにおいて調査検討された内容について」という2つを用意しておりますので、こちらに基づいて説明させていただければと思います。

 それで、内容の理解のために、別紙のほうから先にごらんいただくほうがよいと思いますので、ごらんいただけますでしょうか。パワーポイントでつくりました横書きの「検討された内容について」という、大変分厚い資料なので、飛ばし飛ばしやらせていただきたいと思います。

 めくっていただいて、最初は目次になっておりますが、目次の後、2ページ目、まず調査いたしました内容といたしまして、現状の基金がやっておりました今後のシステム計画というものを調査検討いたしました。それについては、平成33年1月の更新時のシステム効率化の内容として、概算で234.1億円が計上されたところでございますが、これは現状ではシステム構築見積もりが高額であることを理由に、根本的な業務改善及びそのシステム改修を断念しているという状況がわかりまして、これに基づいて、別紙で、現状での計画をやめて、新たに計画を立てる必要があるということを後ほど申し上げます。

 その下に書いてありますが、実際、保険者を含めたどのような承認プロセスをしたかということについては、明らかにされておりません。

 その次のページ以降、今回、審査業務の中身、国保中央会、支払基金のほうからデータを御提供いただきまして、現状についてさまざまな分析をいたしました。それについて御説明申し上げます。

 まず、4ページ目、審査業務の説明でございますが、支払基金における電子レセプトによる審査の流れを書いております。御存じの方も多いと思いますが、オンライン請求があったものが、真ん中にコンピュータによるチェックというものがございます。今回、主なワーキングの議論は、このコンピュータによるチェックについてやっております。ここで、電子付箋の貼付とございますが、電子付箋がコンピュータチェックで引っかかったものに関しては、付箋が張られます。その付箋のことをよく覚えておいていただければと思います。その後、職員による審査、審査委員による審査、それぞれ審査がありまして、最終的に審査委員会による決定というプロセスになっていることをあらかじめ御確認ください。

 済みません、最初だけちょっと丁寧に説明しますが、次のページ、審査業務でございますが、これも御存じの方も多いと思いますが、左側がレセプトのイメージを出しております。このレセプトにはさまざまな診療行為が書かれており、それに基づいて付箋登録コード、点数が具体的に記載されておりますが、今回、ワーキングにおきまして、この診療行為ごとにまとめて比較することをきちんとやっております。

 また、その次のページ、審査業務の説明と書いてありますが、この項目のうち、請求品目番号は、診療行為とか、その他の行為、診療とか診断の話がここに入っておりまして、それごとにまとめているという話でございます。

 この後、どういうデータを使ったという話で、8ページに提出されたデータはどういう違いがあるかと書いていますが、これにつきまして、申しわけないですが、15ページをまず見ていただければと思います。今回、実際にどのようなデータを比較しているのかということを簡単にまとめてございます。

 支払基金は左側ですが、まず本部(中央会)設定というものがございますが、マル1、マル2、マル3が支払基金の本部のほうで設定して、全国一律に提供しているものでございます。その下、支部設定、これが支払基金の支部ごとに設定されているルール。それぞれの総数が書いてございます。

 一方で、国保連合会のマル4、マル5に関しましては、それぞれ国保中央会が設定しているものでございます。そして、マル1とマル4というのは、ここに書いてありますように、診療報酬点数表から策定されたコンピュータルールで、マル2、マル3、マル5というのは、ここに書いてあります医学的な見地等の理由で策定されるコンピュータルールでございます。

 なお、国保連合会のほうのその下のマル6というのは、各支部ごとに構築しているコンピュータシステムでして、こちらに関しましては、今回の期間ではデータを取り出すことができなかったために、今回の資料では、この後御説明します24ページの東京都に関するデータを除き、そのほかの全てのデータはマル6を除いた対象としたデータ分析となっております。

 その次、16ページは、審査機関ごとにどういうデータをやっているのか。それをどういうふうに公開、非公開しているかをまとめたものでございます。

 それで、最初に具体的に見えてきたものといたしまして、17ページ以降を見ていただきたいのですが、まず国保連でございます。15ページを見ていただくとわかるのですが、国保中央会が設定した全国に提供するルールのうち、マル4がSランプと申しまして、診療報酬点数表から策定したもの。それから、Vランプというのは医学的な見地等の理由で策定されたものでございます。このSランプ、Vランプのうち、幾つ採用するかということは各支部ごとに定めております。これをまとめたのが18ページ、19ページの図でございます。

18ページは何かというと、ちょっと見にくいのですが、一番右側、47というのは、47全ての都道府県支部において採用されたルールの数でございます。薄い緑のSランプは47からずっと少なくなってきまして、最後、3あたりまでちょっとずつあるのがわかりますが、3にあるものは、この数だけが採用されているということです。Vランプのほうは、緑のほうでございますが、これはそれぞれのルールが幾つの支部で採用されているかというグラフでございます。

 その次の19ページは、それを各県別にまとめたものでございまして、北海道から沖縄まで、各支部がSランプ、Vランプのうち、幾つ採用しているかということを示しておりまして、書いてありますように、それぞればらばらに採用している状況がわかってまいりました。

 その次、20ページでございます。

 国保と支払基金、両方の審査機関で適応しているコンピュータチェックルールそのものが大きく異なっていますが、それをこの際、ルール分類ということで、回数・用量からその他まで説明しておりますが、それぞれのルールをこの分類に基づいてマッピングしまして、それがどのぐらいお互い一致しているのかというのを示したものが21ページでございます。

 これは、右上に書いてありますが、それぞれの支部独自設定を除くものの一致状況でございますが、見ていただくとわかるように、一致率が高いもの、低いものがありますが、ルールの考え方が違うので、支払基金と国保では同じようなルールを当てはめていないものが幾つかあるという状況が明らかになっております。

 それをもう少し細かく見たのが22ページのグラフで、回数・用量、背反といった項目ごとに、支払基金、国保連のルールが不一致したものがどの程度あるかというコード数をまとめたものでございまして、それぞれ支払基金、国保連で異なったルールが適用されている状況がわかってきております。

 続いて、24ページは、今回、限られた期間の中で、東京都に関しましては、東京都国保連合会さん、支払基金東京支部さんに御協力いただきまして、このページだけは、東京都の支部ルールを含めた形で支払基金と国保連合会の比較をしたものでございまして、支部ルールを含めた場合でも、支払基金と国保連で幾つかの大きな差があることがわかってまいりました。

 続いて、26ページは何かというと、国保連は先ほど申し上げましたように、支部を抜いたものでございますが、中を請求コードの有無に限って分析した結果、全請求コード2万8,645項目のうち、基金のみがチェックしている項目は2,972。つまり、この2,972に関しては、国保はチェックしておりません。逆に、国保のみがチェックしている項目は11項目。この項目については、基金はチェックしていないという項目の差異があることがわかってまいりました。

 ここまでは、支払基金と国保連の差を大きく見たものでございます。

 なお、28ページ以降は、付箋貼付数の差異を、国保連の張りつけた枚数が多い項目から、項目の多い順にソートしたときに基金の項目がどのようになるかを見たところ、基金の多い順にした場合においても、支払基金の場合の付箋の貼付数の傾向とは全く異なる傾向を示すということがわかってまいりました。

 次に、30ページは支払基金の分析をしていますが、支払基金の都道府県別の差異を見てみましょうということで、ここで見ていただきたいのは、棒グラフの薄い緑と濃い緑でございます。右上に凡例がありますが、薄い緑は貼付率ということで、全請求件数のうち、どのくらいの割合で付箋が張られていないかということを示したものでございまして、北海道の場合は7%ということになります。

 それから、見ていきますと、例えば埼玉県や東京都は3%弱、2.5%が張りつけられている。濃い緑は査定率でございまして、何件査定しているかという意味では、北海道や大阪はかなりのパーセントですが、一方で、秋田県などは非常に低い査定率であるところがわかります。

 それを国保さんの支部ごとにまとめたのが31ページでございます。

31ページも同じように、薄い緑、濃い緑を見ていただきますと、県ごとに非常にばらばらであることが明らかになると思うのですが、一方の2つの国保と基金の30ページ、31ページのグラフを見ていただきますと、県ごとの傾向というのは必ずしも一致しているわけではないということがわかってまいりました。

 次に、33ページを見ていただければと思います。

 これは、支払基金の支部の中で行われている条件項目数。このページが、一番最初に申し上げた15ページの数とちょっと一致しないのですが、これは数え方が違うということでございます。従来、114,969という33ページのものを使っていたのですが、これを支払基金の本部設定に合わせた分類にし直すと15ページの数になるということで、ちょっと数が違っていますが、そういうことだということで御認識ください。

 その上で33ページを見ていただきますと、支部点検の条件項目の114,969のうち、全医療機関に適用するのが4万1,365あるのに対し、各病院ごとに設定されたルールが7万3,604あるということがわかっております。

 その後、35ページ以降を参考にしておりますが、支払基金、国保の付箋貼付の差異を、各診療項目別に比較したのがそれぞれのグラフになって続いておりまして、最初が初診料・再診料で、いずれも国保連合会の付箋の多い数に相当したときに、支払基金がどのような傾向を示すかということを示したもので、いずれの項目においてもかなり大きな違いがあることがおわかりいただけると思っております。

 それで、これで1回見ていただいた上で、もう一回戻っていただきまして、最後に御確認いただきたいのは、10ページを見ていただければと思います。これは、支払基金の話でございますが、冒頭に付箋というものを申し上げましたが、付箋というものをコンピュータで張られた後に、それを職員がチェックいたしまして、付箋を剥がすということをしておりますが、それぞれの県でどの程度の割合で剥がしているのかということを調べたところ、平均して90%前後。つまり、コンピュータの付箋貼付の9割ぐらいを職員の方が剥がしているという事実が出てまいりました。

 以上、我々ワーキンググループにおきまして具体的に検討された事実として、お示しさせていただきます。

 これに基づきまして、済みません、ようやく資料1に戻りまして、こういった認識を踏まえまして、私どもワーキングのほうでは資料1のほうをまとめさせていただきました。

 もう時間もないので、簡単に飛び飛びに申し上げますが、改革の方向性といたしまして、下記の3点に包括します。A、B、Cございます。

 まず、Aというのは、今後の業務改革、システム改革においては、コストパフォーマンスが高く最適なアーキテクチャによる業務・システムの実現をしなきゃいけない。そこには、抜本的な業務改革、業務改革に基づくシステム全体のアーキテクチャのゼロベースからの検討、ベンダーコントロールによるコスト適正化、業務の重要性を踏まえたセキュリティーを検討すべき。これが1点目でございます。

 2つ目が、審査プロセスの見直し・効率化というわけで、審査プロセスにおける課題の抽出、業務の効率化、コンピュータ適用範囲の拡大。

 3つ目として、審査業務における情報支援ということで、コンピュータルール・チェック状況の見える化、過去の審査情報等の活用を挙げております。

 2つ目として、ちょっと簡単にいいますが、日本の医療保険制度では、社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」)と、国民健康保険中央会及び国民健康保険団体連合会(以下「国保連」)による改革の検討を一体的に進める必要がある。

 ただし、その次にありますように、支払基金については、システム刷新の時期が差し迫っていることなどを踏まえまして、まず率先して支払基金による改革の取組みを加速させるべきであるとまとめております。

 その下のポツでございますが、今回構築されるシステムとしましては、保険者機能の強化、医療機関の負荷軽減、審査の事務職員・審査委員の負荷軽減、審査基準の統一化など、業務改革を踏まえ、PDCAの回る医療情報分析が可能なスケーラブルなデータベースを有するシステムとなるべきである。このためICTの専門家によるタスクフォースを設置するなど、既存システムに囚われることなく、ゼロベースでアーキテクチャを検討することが求められるということで、その次、(2)に幾つかのことが書いてございます。

 重複する部分がございますが、重要点だけ申し上げますと、1つ目は、業務運営体制の抜本的見直しについて言及しております。

 2つ目は、発注側のガバナンスが著しく不足しており、業務遂行に資するアーキテクチャではない利便性を欠くシステムに対して、今まで非常に高額な費用が費やされてきたということを指摘してございます。

 また、情報セキュリティーへの対応の不足についても抜本的な見直しを要求しています。

 そして、この状況を抜本的に改革するために、支払基金内に専任のCIO、並びにそのCIOを支援するチームとしてICTの専門家によるタスクフォースの設置を要求しております。こういったことをやることで徹底的な効率化を図るべきであるということを書いてございます。

 具体的に、2ページ目、一番下のポツから、支払基金については、先ほども少し冒頭で資料1の別紙で申し上げましたが、支払基金が自身の改革を目指した「システム刷新計画」というものは十分な検討が不足しているので、3ページ目にございますが、ワーキンググループの議論に基づきまして、現在の「システム刷新計画」を止め、全面的に見直しを行うことが必要であるということを提言してございます。

 それから、その次は、どういう構築が必要であるかということを書いてございます。

 また、3つ目として、今までの「システム刷新計画」は、業務改革及びシステム化の計画段階にあたり、外部契約を行う場合に準委任契約の形を取ることが一般的であり、品質責任は支払基金にあることを明示した上で、残念ながら現行において、支払基金は、業務改革及びシステム化の計画の品質責任者としての役割を十分に果たしていないということを指摘しておりまして、その次のポツで、前述したように、専任のCIOICTの専門家によるタスクフォースを、まず支払基金に置くべきだということを提言させていただいております。

 それから、少し飛ばしまして(3)審査プロセスの見直し・効率化及び審査業務における情報支援でございます。

 こちらに関しましては、手続の簡素化にあたり、医療機関等や保険者の負担が減少することを念頭に、審査プロセスを構築しなきゃいけないということで、審査プロセスの見直しを求めているとともに、診療報酬の点数表の曖昧な解釈の明確化。

 それから、最後のポツでございますが、審査におけるコンピュータチェックのルールについては、医療機関等並びに審査支払機関の効率化に資するものについては、原則として公開すべきということを提案しております。

 それから、医療機関等に関する点に関しましては、審査支払機関で行っているコンピュータチェックについては、レセプトの返戻数の減少、審査支払機関の職員が行っている審査共助事務の軽減化が期待されることから、原則としてそのルールを公開すべきである。

 また、再審査については、原則電子化を行うべきである。

 それから、レセプト形式についても、コンピュータチェックで判定可能な形式に見直しを行うべきであるということをいっております。

 その次の項目は再掲なので、飛ばさせていただきます。

 それから、コンピュータチェックのルールに関する点でございますが、審査プロセスの継続的な見える化と継続的な見直しのための仕組みが必要であるといっていまして、これについては後ほど申し上げます。

 5ページ目、具体的な改善。ここで具体的なことをいっております。

 まず、コンピュータチェックを医療機関等において行う仕組みでございます。これについては、一番下の図に描いてございますが、現行のフローは、医療機関等がレセプトの作成・申請をした後に、審査支払機関側でコンピュータチェックルールによる電子付箋の貼り付けをして、それから職員の共助事務があった後に審査となっておりますが、新しいフローといたしまして、上のポツの3つ目に書いてございますが、コンピュータチェックを審査支払機関が一元的に構築して、医療機関等がレセプトの請求前に活用できるようにすべきである。

 このことにより、各医療機関でのシステムの構築・保守コストの効率化およびチェック内容の一元化、各医療機関及び審査支払機関におけるレセプト返戻に伴う事務負担の軽減等が図られるということで、審査支払機関が一元的にシステムを構築することを提言させていただいております。それを提供するということを書いております。

 それから、次の6ページ目でございます。

 レセプト形式の見直しに関しましては、まず1つ目のポツとして、レセプト項目の変更でも義務でもないのでございますが、今までコンピュータチェックで該当となった診療行為。うち、詳細記述項目内容。詳細記述に関しては、大体文章で記述されておりますが、テキスト解析等を行って、頻繁に記述される項目を優先して、例えばチェックリストの形で、選択項目を選ぶことで、記述することがないような形で見直してはどうかということを書いております。

 ただし、その2つ下の「なお」に書いておりますが、全ての項目を選択式にしようとしますと、選択項目ばかりふえてしまいますし、実際には不可能であるということもありますので、ある程度、付箋の多い請求項目から選択式にして、記述は残すべきということを考えております。

 それから、上記の点を進めつつ、抜本的にはレセプト形式の見直しは、別の親の会、中医協等に対して要望していくべきということも書いています。

 次、コンピュータチェックルールや付箋貼付状況の継続的な見える化でございます。

 最初に、今回、2カ月かけて分析を行ったのですが、まだわからないことが多くて、継続的にやらなきゃいけないということを書いてございます

 また、2つ目として、国保連についても、各都道府県の外付けシステムも含めたシステム全体の処理状況を継続して把握、分析して整合性を図る必要があるということです。

 そして、3つ目が非常に重要なことでございまして、こういうチェック結果等の差異に係る把握・分析や統一化等については、厚生労働省・医師会等・支払基金・国保連に加え、関連政府機関並びにICT関連の有識者等が集まって、具体的にこれらの議論をしていく場を設け、そこでPDCAを回して継続的に議論するべきであるということで、具体的な議論の対象としては、次の四角の中に書いております。

 それから、この検討の場において明確化された内容、点数表の解釈や地域の差については、当然、医療機関と地域の保険者に共有すべきである。

 新しく出てきた医療技術等についても、順次検討していかなきゃいけないということをいっています。

 それから、7ページ、マル4でございますが、こういった分析は必要ですが、今回は大変な労力がかかりまして、今回つくるシステムにおいて、標準機能として、こういった分析を搭載させ、さまざまなレポーティングが自動的になされる。このような分析プラットフォームを整備したり、分析を行う人材も含めた整備が必要である。

 そして、そういった意味で、こういう検討の場はエビデンスベースドで行うことが必要であるということを書いてございます。

 あとは、飛ばさせていただきます。

 最後、審査プロセス全体のオンライン化ということで、特に、1つ目に書いてありますのは、再審査の申し出や返戻再請求は、紙媒体でやることが多いのですが、こういったものが効率化を著しく阻害していることが今回のワーキングでも指摘されております。

 これに基づきまして、その下に、オンライン化を原則として行っていくような、いろいろな方策をとるべきであるということを書いてございます。

 最後に書いてございますが、医療の現場を尊重したうえで、審査プロセス全体を見直して、返戻再請求や再審査の申し出のコンピュータ化を含め、さらなるコンピュータ化、オンライン化を、CIOやタスクフォース等が中心になり、主体的に推進していくことを求めていくべきであるということとしてまとめさせていただきました。

 長くなりました。以上でございます。

○西村座長 どうもありがとうございました。短期間の間にここまで精力的に努力していただきまして、関係団体の皆さん、構成員の皆さん、深く感謝したいと思います。

 それでは、これに対して御質問をお受けしたいと思います。どちらかというと、こっちのワーキングに参加されなかった方の御質問を優先したいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○山本(雄)構成員 ありがとうございました。本当にこの短期間ですばらしい資料になって、びっくりしなから読ませていただきました。ありがとうございました。

 主な御意見ということで、資料1のほうで質問ですが、1ページ目の一番下のポツに「新たに構築設計されるシステムは、保険者機能の強化、医療機関の負荷軽減」等が書いていまして、その詳細については、それぞれそのページ以降に書いてあって、非常によくわかったのですが、1点、冒頭の「保険者機能」が指す保険者機能とは何を意味しているのかというのがちょっとわからない。

 それ以外は、レセプトの作成をもっと医療機関側は楽にしましょうとか、審査を効率化しましょうということだというのはわかったのですけれども、保険者機能と一口にいっても、支払にかかわる給付のところから、保健事業や加入者の適用情報等、幾つか業務がある中で、ここでいう機能の強化というのは、個別保険者さんの話なのか、あるいは広く一般に支払側の何らかの機能を指しているのか、どのぐらいの意味を持っているのか。

○神成構成員 保険者機能の強化に関する議論は、ワーキングでは詳細なことはできませんでしたという形で、ここで保険者まで入れさせていただいているのは、全体のアーキテクチャ、プロセスの中で、BPRを図って効率化していくべきであるという形で入れさせていただいていて、当然、内容の見える化等により、そういったことの議論の詳細を詰めていくという段階で、まだおりまして、2カ月の議論では、具体的なこの部分を強化しようというところまでの議論はいたしておりませんので、そういったことがあるのではないかということになります。

 ただし、3ページ目の(3)の2つ上「支払基金のシステム刷新について説明を受けた上で同意をする立場である保険者についても、ITリテラシー、発注能力等について向上させる必要がある」ということがございますが、そういった形では、保険者機能の強化ということの一つとして出されたのは、発注側のほうも、こういうシステムをつくるべきだという具体的な提言、あるいは内容のシステムに関する精査ができる体制をという意味での強化という話は出ましたけれども、具体的な機能については、済みません、議論がそこまで行かなかったというか、6回やったけれども、それどころではなかったということで終わりました。

○山本(雄)構成員 ありがとうございました。くどいようですが、資料が余りに充実していたので、そこまで議論が行かなかったというのは想像にかたくないのですが。

 それに関連すると、6ページの一番下にコンピュータチェックのルールとかチェック結果の差異に関する検討ではこういった主体が集まるべきという記載の中で、保険者そのものが明示的に書かれていないというのは、細か過ぎるだろうと指摘をされたら済みません。ついそういう頭で見ていたときに、支払基金、国保連さんもそうですけれども、保険者側の要望というのは、この2つの団体で代表されるだろうという理解なのか。

○神成構成員 深い意味はないです。済みません、ここはまだ意見ですので、そういった意見を踏まえて、今後、最終的な報告書の中で入れるべきであれば入れるということで、よろしいかと思います。

○山本(雄)構成員 ありがとうございます。

○西村座長 きょう、今後の議論を重視したいと思っていますので、その場でまた御発言いただくといいかと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○山本(隆)構成員 詳細な報告、ありがとうございました。

 少し教えていただきたいのですけれども、資料1の別紙のほうで、支払基金と国保連との比較が結構出ているのですけれども、そもそも対象とする患者の分布が全然違うとか、単純に比較していいのかどうかというのはよく考えないといけないと思います。例えば、年齢をそろえているとか、対象疾患をそろえているとか、そういう工夫はあるのでしょうか。

○神成構成員 比較した多くのものはルールですので、付箋はありますけれども、あくまで今回は単純にルールをベースに診療項目ごとにまとめたということで、さまざまな比較分析をするとわかりますが、今回は冒頭に申し上げたように、コンピュータシステムの内容がテーマでしたので、コンピュータのルールの主体に分析した結果、こうであったということでございます。

○山本(隆)構成員 それはよくわかるのですけれども、例えば多剤出ているのをどうチェックするかみたいな話というのは、圧倒的に国保のほうが多いと容易に想像できるわけですし、そういう意味では、国保のほうで採用しているルールがそこに偏るとか、そういうのも起こり得ると思うのですけれども、それは特段、単純に比較しただけということでよろしいですか。

○神成構成員 はい。逆に、現状では、我々はこの資料で具体的に何かをいっているわけではなくて、このような差異が見られたということを報告させていただいたということです。

○山本(隆)構成員 わかりました。

○西村座長 よろしゅうございますか。

 それでは、時間もございまして、この後、実はもう一つ、ワーキングに報告いただき、さらに、それから今後の方向について、きょう御議論いただきたいものですから、これで最初のワーキングの報告についての質疑は終了して、次のワーキングの報告に移りたいと思います。当然、今までの御意見については、この後、また議論になると思っております。

 それでは、もう一つ、ビッグデータ活用ワーキンググループでの議論の状況について、尾形構成員から御説明をいただきたいと思います。資料2でございます。よろしくお願いします。

○尾形構成員 尾形でございます。ビッグデータ活用ワーキンググループにつきましては、10月6日から1026日まで、合計3回開催いたしました。そのワーキンググループでの主な意見を取りまとめたものが、この資料2でございます。

 資料2の説明に入ります前に、そもそも私どものワーキンググループに対しては、本検討会から4点の検討課題をいただいておりました。この机上のファイルを見ていただきますと、第4回検討会の資料4で座長提出資料というものがございます。そちらをごらんいただきますと、検討事項(2)にマル1からマル4がございますが、最初が、保険者機能の推進のため、具体的なデータの活用方策。マル2として、地域包括ケア推進のための具体的なデータの活用方策。マル3が、データの活用を進める上で、審査支払機関の役割。マル4として、データ活用を進めるための方策と課題といった4点をマンデートとして頂戴したところであります。

 これらの点を中心に議論を行った結果をまとめたものが資料2ということになります。詳しくは資料2をごらんいただくこととしまして、時間の制約もありますので、私からは、そのポイントについて、以下、簡潔に御報告させていただきます。

 まず、資料2の1ページ目をお願いします。

 1の(1)でございますが、議論に当たっての基本的な方向性に関する御意見を記載しております。

 1つ目の黒丸です。ビッグデータ活用の議論を進めるに当たっては、ビッグデータの収集や連結そのものが目的ではなく、質の高い医療の実現に向けてデータを活用していくという基本方針を再確認すべきという意見が書かれております。これは、こういったデータ関係の議論におきましては、ともするとデータを収集すること自体が目的となってしまうおそれもありますので、基本的かつ重要な御指摘だと思っております。

 続きまして、その下の2つの黒丸の部分ですが、どちらもほぼ同じような問題意識に基づく御意見だと思います。ビッグデータの収集あるいはプラットフォーム化を進めるに当たって、トップダウンで1つのものをつくり上げていくことには限界がある。民間の自立・自走の取り組みや、現場レベルでの連絡・共有が重要になるという御指摘であります。この点も、ビッグデータの収集、プラットフォーム化を議論する際には、人によってイメージするものがさまざまですので、重要な指摘かと思っております。

 次に、1ページ目の(2)データの質の確保。それから、2ページ目の(3)、下段のセキュリティーの確保に関する部分でございます。このあたりについては、いずれも重要な御指摘ですが、多少技術的な意見が多くなっておりますので、これらの点について、ここで一つ一つ御紹介いたしませんけれども、ワーキンググループの議論の中では、特にデータの質の確保、すなわちデータクリーニング等の重要性について、指摘する意見が多数出ておりましたということを御報告させていただきます。

 続きまして、3ページに行っていただきまして、2.データ活用方策についてです。このあたりが本ワーキンググループの主要な検討事項でございますが、この関連では大きく2つの議論があったものと理解しております。1点目が、データ連結に関する議論。そして、2点目が、5ページ以降のレセプトデータの評価に関する議論であります。

 まず、データ連結につきましては、3ページの最後の黒丸と、次の4ページの冒頭の黒丸に記載しておりますが、健康な時期の健保等のデータから、高齢になってからの国保あるいは後期高齢者のデータ、さらには介護保険のデータまで、これらを連結することによって、何歳の時点で、どういう人に対して、どういう保健事業をしたら、将来の後期高齢者の医療費あるいは介護費用がどのようになるかといった分析が可能となるということであります。こうしたデータ連結により、国保のデータの価値が飛躍的に高まっていくといった御意見が多く出されておりました。

 データ連結によりまして、先ほど出ておりました保険者機能の強化あるいは地域包括ケアの推進を含む、生涯を通じた最適化が図られる可能性があるということかと思っております。

 また、4ページ、(2)といたしまして、データ連結に当たっての留意点ということが記載されておりますが、データ連結につきましては、技術的に高いハードルがあること、費用対効果の観点を忘れてはならないこと等、さまざまな留意すべき点についての指摘がございました。

 続きまして、5ページに行っていただきまして、(3)レセプトデータの評価というところでございます。

 レセプトデータの活用については、1つ目の黒丸にございますとおり、レセプトはすぐれた医療情報であり、その活用を促進していくべきだという御意見が多かった一方で、レセプトはあくまで請求書であって、その分析には一定の限界がある点に留意が必要だという御指摘もありました。この点については、多くの意見が交わされたところでございます。

 続きまして、7ページでございますが、3.審査支払機関の役割という部分でございます。

 ここまで御紹介してきたようなビッグデータの活用方策を前提にして、審査支払機関の役割をどう考えるかという点についても御意見があったところでございます。具体的には、2つ目の黒丸に記載しておりますとおり、ビッグデータを保険者で活用するといっても、保険者の規模にはばらつきがあり、全てを保険者が担うことは現実的ではない。このため、支払基金や国保中央会などがその特性を生かして、国民全体の健康を増進させる取り組みを行っていくことも重要ではないかという御意見があったところです。

 最後に、7ページの一番下の4.その他の部分にまとめさせていただいた御意見です。

 幅広い観点からさまざまな御意見を頂戴したところですが、その中から若干御紹介させていただきますと、データ分析によって得られた知見を積極的に現場に還元していくべきといった趣旨の御指摘が幾つか出されていたところであります。冒頭にも申し上げましたとおり、ビッグデータの収集・分析というのは、それ自体が目的ということではなく、あくまでも質の高い医療の実現という目標に向けて、データを活用するということが基本的な考え方であります。このような観点から、こうしたデータの分析によって得られた知見を現場に還元していく仕組みまで含めて検討を行うということは、重要な視点ではないかと考えているところであります。

 以上、ごく一部ではございますけれども、本ワーキンググループの議論、それから意見の御紹介をさせていただきました。時間の関係で直接紹介できなかった御意見もいろいろございますので、本ワーキンググループの委員の方で、この意見はぜひこの検討会でも明示的な形で共有したいといったものがございましたら、本検討会の議論の中で御紹介していただければ幸いでございます。

 簡単ですけれども、私からは以上でございます。

○西村座長 どうもありがとうございました。

 今の尾形構成員の最後の話も含めて、これに関する御質問を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○金丸構成員 今、御説明のあった資料2の7ページの4.その他の一番最後の黒丸で「フランスの医療保険では、支払いはそれぞれの保険者がやっているが」ということですけれども、例えば日本でやっているようなレセプトそのものの審査というのは、どんな場所で、どんな方がやっていらっしゃるのでしょうか。フランスのことに詳しい先生がいらしたのではないかと思います。参考にお聞きしたいのですが。

○西村座長 どなたかフランスの事情を御説明いただける方、おられませんか。お願いします。

○保険システム高度化推進室長 事務局からお答えさせていただきます。

 この意見につきましては、外部から有識者をお呼びして、いただいた御意見ですので、この中でお答えできる方はいらっしゃいません。事務局も知見を持ち合わせておりませんので、申しわけありませんが、そうお伝えさせていただきます。

 以上です。

○西村座長 これは、次回までにはっきりさせるようにお願いしたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。今回のほうは、ワーキングの方の補足もお受けしたいと思いますが、いかがですか。よろしゅうございますか。

 どうぞ。

○林構成員 ありがとうございます。

 ビッグデータ活用ワーキングでは、保険者機能というものを正面から御議論なさっていたと思うのですが、こちらのワーキングでは、保険者機能というのは具体的にどういう点に焦点を当てて議論されていたのでしょうか。保険者機能の強化といった場合には。

○西村座長 それは尾形構成員からお答えいただけますか。

○尾形構成員 そもそも審査・支払というのは保険者の権能であるわけですので、それを効率化していくということ自体が保険者機能につながることだと、まずは思っております。

 それから、ここに書いてあるビッグデータの活用という意味では、このまとめの中にもありますように、今後、かなりいろいろな可能性を秘めている分野だと思いますので、そういったことを活用することによって、将来的に保険者機能をさらに強化できるのではないかというのが大方の委員の方々の感じではなかったかと思います。もし間違っていたら補足していただきたいと思います。

○西村座長 機能の具体的なイメージはどうですか。林構成員はそういう御趣旨かと理解していますが。

○尾形構成員 具体的なイメージは、もちろん質の高い医療を効率的に提供するということが、まさに保険者が果たすべき機能だと考えております。それでお答えになっているでしょうか。

○林構成員 ありがとうございます。

 審査・支払は保険者の権能であって、それを現状では委託しているという、そもそも論について認識を共有していると思っております。その中身として、効率化というのがまず第1に出てきていますが、統一化という点はいかがでしょうか。効率化はもちろんなのですけれども、統一化ということも保険者機能の観点から要請されますか。

○尾形構成員 そこは、このワーキンググループで特に議論したということではないので、私の私見だと思っていただきたいのですけれども、日本のような皆保険体制をとっている国の中では、一定の共通性というものが当然要求されてくるのではないかと思います。ばらばらにやっていていいということではないので、一定の基本的なところについては統一性が図られるべきだと考えます。ただ、これはあくまで私の個人的な意見でございます。

○林構成員 ありがとうございます。

 私も効率化だけでなく、統一化も重要なポイントだと思っており、今後も議論を続けさせていただきたいと思っております。

○西村座長 今の御指摘は、保険者としての機能の統一化という趣旨でございますか。

○林構成員 審査・支払の基準の。

○西村座長 了解しました。

 どうぞ。

○宮田構成員 構成員の宮田でございます。

 今、尾形構成員にお話ししていただいたことで、全く間違いないのですけれども、少し補完させていただきますと、効率化と統一化の中には、先ほどお話いただいた質の高い医療をいかに後押しできるかというところが、このワーキングの基本になってくるので、そのときに各現場における質をいかに高めるかといったときに、それぞれの個々の違いに配慮しながらもサポートしていくというところで、その統一化という言葉は明示的に使わなかったのですけれども、その根拠となるデータの質、ばらばらの基準でやることはもちろんですし、データの正確性、信頼性、いろいろな基準がありますが、これをさらによくするということは間違いなく必要だろう。

 さらには、もう少しクオリティーに踏み込んで、適切でない診療といったものをできる限り少なくしていくということも、こういったデータを使っていって、必ず訴求することができる部分であろうということが、この活用ワーキングの趣旨でありますし、そういったデータ分析の観点、クオリティーの観点以外にもう一つ出てきたのが連結ですね。

 保険者だからこそ、複数の医療データ、ばらばらになっている、散らばっているデータというものを連結して、それを保険者機能で使うだけではなくて、さまざまな現場がより主体的に使っていく、新しい、これまでの機能とはまた異なるものを今後持っていくことが期待されるだろう。それが機能という意味においての、またちょっと違った観点からの整理かなということです。

○西村座長 先に飯塚構成員。

○飯塚構成員 ビッグデータの構築という言葉が何度も出てきますが、イメージがいま一つわかないのですが。今、直前にお話があった、保険者が持っているデータを連結するのがビッグデータという意味なのか、それとも支払基金や国保連合会の持っているデータを連携するという意味なのか。ビッグデータの中身の御説明をいただきたいと思ったのです。よろしくお願いします。

○尾形構成員 特にビッグデータとは何かということを最初に整理したわけではありませんが、今おっしゃったことでいうと、私は両方入っていると考えております。

○西村座長 よろしゅうございますか。

○飯塚構成員 両方だとして、今後ビッグデータの構築に向けて、どういう道筋をたどっていくのか。両方といっても、アプローチの仕方はいろいろあると思うのですが、いかがですか。

○尾形構成員 具体的な道筋まで、ここで踏み込んで検討しているわけではなくて、将来像として、どんなことが考えられるのかということを出していただいたので、それについては、むしろこれから親委員会のほうで、これを踏まえて、さらに検討していただければと思っております。

○西村座長 今の御指摘は、後でぜひ話題にしたいと思います。よろしくお願いします。

 佐藤構成員、よろしくお願いします。

○佐藤構成員 こういう議論があったかどうか、まず伺いたいのですけれども、7ページの審査支払機関の役割というところにかかわるのですが、役割は基本的にはデータベースの構築をサポートするというのが1つあったと思います。

 では、誰が分析するのかというところで、最後はデータ分析しないといけないので、その分析のところで、例えば第三者機関的なもの、我々みたいな研究者も含めて、そういう外部の機関もまさにビッグデータにアクセスできる。匿名化とかセキュリティーとか、いろいろな課題を克服した上でだと思うのですが、分析の主体としては、そういう外部機関というのが念頭にあるのか、あるいはこれはあくまでも審査支払機関の分析による分析を前提にした議論だと思ったほうがよろしいのか、そこの確認です。

○宮田構成員 これについても両方ですね。当然、集めたデータを、支払基金、国保中央会だからこそ、もっと積極的に使えるという視点もあるので、特に情報を一次的に使う集団が設計しないと価値のあるものは生まれないので、そこに分析を念頭に置いた集団がいるということは絶対必要ですし、一方で、この黒丸で書かれているところは、そこだけをやるのではなくて、例えばそこを機関が連携して事業を行っていけば、例えば予後の情報を連結して既存のデータベースを収集することはできるかもしれない。

 そういったときに、先生がおっしゃったように、セキュアな環境というのは当然必要なのですが、個々の研究者であったり、あるいは第三者であったりがこのデータを分析していくということも念頭に置いて設計すべきだろうというのは、当然だと思います。これは、今はされていないと思うのですが、今後、期待される大きな役割の一つかなと、私は個人的に思います。

○西村座長 神成構成員、どうぞ。

○神成構成員 今の佐藤構成員の話にちょっと近い連結の話でもあるのですが、そういった分析を行うときに、結局、データは誰のもので、誰がそのデータを分析することを許諾するのかという議論がどのようにされたのか、お伺いできたらと思います。特にデータ連結の話が出てきますと、さまざまな主体の情報が入ってきます。それで、さまざま連携しますと、一概にセキュリティーを高めるといっても無理な場合もあると思いますが、それは置いておいたとしても、連携されたデータに対して、誰がどう責任を持つか、責任分化の議論が絶対必要だと思いますが、その点についてはいかがでしょう。

○宮田構成員 これもまさにこれからの議論だと思うのです。ただ、この検討会に先立って、3週間前、森田構成員が提案されたICT活用推進懇談会においては、患者さん、住民、個人個人が自分自身のデータを使える環境というものをつくるということも視野に入れながら、情報共有を行っていく。ただ、例えばこれは医療機関だけが持つとかだと、病院が潰れたときにどうするのかとか、いろいろな議論がございまして、そこではその議論がたくさんされました。そのときに、これはまだ一案ですが、例えば保険者、皆保険というところで、そこがデータを補完というか、サポートするような役割も果たすことができるのではないかという議論は、そっちの懇談会ではありました。

 ただ、それをどうするかは、ここでは全くディスカッションされていないので、今後、例えば分散管理のようにしていくのか、病院が持つのか、個人に帰属させるのか。あるいは、EUのように、例えば個人がデジタルの形で返してもらう権利を法的に保障するという国もありますので、これはここでどうするべきかだけではなくて、今後の制度的な枠組みを含めて、恐らく見通しを立てていく必要があるかなと。

○神成構成員 ありがとうございます。

 私もここで結論を出すとかどうかではなくて、議論されたかという話で伺ったので。おっしゃったのは、PDS、パーソナル・データ・ストアの話だと思っていますが、私自身の質問は、集めたビッグデータは誰のものかという議論をされたのかというと、今回、そこまでされたわけではないという理解でよろしいですか。

○宮田構成員 そこもとても重要な問題で、民間のデータを連結したときに、それを全部公的なところだけが所有すると、それはそれでさまざまな警戒心も生み得るので、これもこの検討会のワーキングではなくて、森田先生の懇談会でディスカッションした話なのですけれどもね。

○神成構成員 していなかったら、していなかったで、オーケーですので、いいです。

○宮田構成員 ただ、重要な話なので、お伝えします。どこかが一元管理するというよりは、各データを生み出す組織というのは日本にもたくさんあるので、そこが切磋琢磨して、一義的な利活用の権利は持ちつつ、必要なときだけつながれるとか、持ち方に関してもかなり工夫しないと、データをつくるというところのモチベーションにつながらないので、こういったことも重要なのですけれども、先ほど尾形構成員に整理していただいたように、我々のワーキングのミッションではないので、当然、それは話し合っていないということです。

○西村座長 どうぞ。

○金丸構成員 追加で。4ページの(2)のデータ連結に当たっての留意点の1番目の丸ポツの文章が読み切れないので、ちょっと解説してほしいのですけれども、最初の文章が「システムのアーキテクチャは、ベンダーに発注する際に、各組織で決めるのではなく、ベンダーが独自に決定することが通常」といっているのは、これは肯定しておっしゃっているのか。そうすると、肯定しているがゆえに、そうだから、「各組織にそれぞれの製品群を適切に組み合わせられるようにする『システムアーキテクト』を」、それぞれ組織にばらばらに置けということをおっしゃっているのでしょうか。この背景と意味合いをどう読めばいいのでしょうか。

○西村座長 後者はそういう理解ではないと思いますが、御理解が違うといけないので。

 葛西構成員。

○葛西構成員 もちろん違いますので、御安心ください。変な感じかもしれないですけれども、文章の感じだけで、ベンダーが決めてはいけないのではないかというだけでございます。

○金丸構成員 そうですね。

○神成構成員 これは肯定じゃなくて。

○西村座長 おっしゃるとおりで、ここはちょっと修正してもらうほうがいいですね。ちょっと文章を修正していただきましょう。

 今の、どこが責任を持ってという話は、こっちのワーキングが、森田先生の報告書が出たばかりで、それを踏まえて自由に御意見という話をされたと聞いております。ですから、この後、厚労省・事務局のほうから、この後の検討をどういうふうにするかという御提案がございます。その中に、今のかなりの部分の話は、まだ具体化はされていないと思いますが、ありますので、この後、今までの検討会の結論をこれからどういうふうにまとめていくといいか。そして、今、出た御意見を踏まえて、次の議題に移らせていただいて、資料3について保険課長から説明いただきたいと思います。その後に、今の議論の続きもぜひやっていただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

○保険課長 保険課長でございます。

 資料3をごらんください。あと、参考資料で「今後の検討会のスケジュール(案)」というのを出しておりますので、一緒にごらんいただければと思います。

 まず、資料3の1ページですが、審査・支払効率化ワーキンググループ及びビッグデータ活用ワーキンググループの議論を踏まえ、当初からの検討事項について、年末の取りまとめに向けて、以下のとおり審査支払機関の組織・体制の在り方を中心に、精力的に議論をお願いしたいということで、まず1のほうが、保険者機能の強化と医療の質の向上についてということで、主にビッグデータワーキングで御議論いただいたほうのテーマでございます。

 その(1)保険者機能の強化のために求められる新たなサービスの在り方ということにつきましては、ビッグデータ活用ワーキンググループにおいて、以下のような意見をいただいたということで、その中で、ビッグデータのプラットフォームをつくって、それを保険者にデータを返していく。そういったことで、質の高い医療、あるいは質の高い介護、あるいは医療・介護の効率化あるいは健康づくりということにつなげていくという御議論があったところでございます。

 また、(2)ビッグデータの活用における保険者のガバナンスの在り方という論点を第1回目でお示ししております。ビッグデータを活用するに当たっては、保険者がビッグデータを読めるような能力を持つ必要があるということでございまして、これについては、まだビッグデータワーキングの中で具体的に議論されているわけではございませんので、そういったビッグデータの活用における保険者、あるいは審査支払機関側の組織・体制の在り方ということについて、さらに本会議で御検討いただければと考えております。

 (3)保険者機能強化に必要なインフラの在り方という論点がありますが、それにつきまして、今、ビッグデータ活用ワーキングにおいて、データのプラットフォームをつくる。それを保険者あるいは医療機関、いろいろなところに戻して、強化、医療の質の向上を図っていくということで、ビッグデータのプラットフォーム等についての御提案がありましたので、こういった議論を踏まえて、さらに議論を深めていただければと考えております。

 それから、2番目の審査・支払の効率化につきましては、審査・支払の効率化・統一化の推進と組織体制についてということで、(1)ICTを活用した審査業務の効率化や民間サービスの活用方法という論点がございました。

 審査の効率化という点につきましては、審査・支払効率化ワーキングのほうで、神成先生から御説明がありましたように、コンピュータチェックの寄与度を大きく向上させて、徹底的な業務の効率化をするということで、支払基金の現行の「システム刷新計画」については、全面的に見直す。あるいは、コンピュータチェックを医療機関等で事前にやっていただく仕組み。あるいは、コンピュータチェックにおける、コンピュータに適したレセプト形式の見直し。あるいは、チェックルールや付箋ルールについて差異があるという点については、継続的な見える化とPDCAサイクルを回していくという御提案があったところでございます。

 2ページ目に参りまして、組織・体制の在り方という論点をいただいております。

 審査の効率化の在り方を踏まえまして、医療費の円滑で適切な審査・支払を維持しつつ、社会全体として効率的な組織・体制の在り方を追求する観点から、現行の支払基金を前提とした組織・体制の見直しではなく、診療報酬の審査の在り方をゼロから見直すために、以下のマル1からマル3について具体的に検討するという論点をいただいております。

 マル1といたしまして、審査・支払効率化ワーキンググループの議論を踏まえ、現行の支払基金が担っている各業務(特に職員による点検事務及び適切な診療・レセプト請求のための審査結果やルールの説明・指導)の要否を検討し、不要・非効率な業務を削除することという論点がございます。これにつきましては、先ほどと同様、審査・支払ワーキングの中で審査・支払の事務処理やコンピュータシステムの抜本的な改革ということについて、御意見をいただいたところでございます。その中で、職員の業務については、なるべく少なくしていくということが提案されているところでございます。

 マル2といたしまして、マル1で必要とされる業務のうち、効率的な運営を図るため、支払基金以外の者(民間企業を含む)を保険者が活用することが適切な業務の有無を検討し、当該業務がある場合の具体的な活用の仕組みを構築することという論点がございます。これについては、まさに支払基金以外がやる。あるいは、保険者の直接審査等の問題だと思いますが、こういった支払基金以外がやる業務について、何をしたらいいかということについては、まだ両ワーキングでは議論されていないので、この本会議において検討を進めたいと考えております。

 マル3といたしまして、マル1で必要とされる業務の内、マル2の検討を経て支払基金が担うことが適切な業務がある場合には、その具体的な組織・体制の在り方(業務拠点も含めた職員及びシステムなどの体制、業務範囲、法人形態、ガバナンス体制、事務費負担の在り方等)を検討することということでございまして、これについては、審査・支払ワーキングで業務の効率化の在り方が出ましたので、まずは支払基金の47都道府県の支部の在り方について。2つ目としては、今後、ビッグデータも含めて、支払基金が業務をやっていくために必要なガバナンスの在り方について。これはまだワーキングで議論しておりませんので、本会議において精力的に御議論いただきたいと考えております。

 (2)審査の地域間格差を解消するために、ビッグデータのインフラを活用した新たな審査システムという論点でございますが、これについては、審査・支払効率化ワーキングで差異の見える化ということが提案され、それにPDCAサイクルを回していくという議論がされております。それを踏まえて、さらに議論を深めていただければと考えております。

 以上が、ワーキングにおいて触れられている論点と、ワーキングにおいて触れられておらず、今後、本会議において議論していただきたい論点という説明でございました。

 それで、参考資料のほうをごらんいただきたいと思います。今後の検討スケジュール(案)ということでございますが、第5回目、本日の会議においては、それぞれのワーキングの議論についての御報告をいただいて、今後の論点について御議論いただくということでございます。

 6回目につきましては、まずビッグデータの活用という観点から、保険者は現状がどうであって、保険者が今後、ビッグデータを活用していくに当たって、どういう組織体制を持っていればいいかということについて、少し御議論いただきたいと思っております。

 それから、審査支払の組織・体制の在り方ということにつきましては、先ほど申し上げましたように、審査において支払基金以外の者が行う業務、いわゆるアウトソーシングや民営化というものについて御議論いただければと考えております。その後、支払基金の47都道府県にある支部の在り方。それと、支払基金に今後必要なガバナンスの在り方ということについて御議論いただきたいと考えております。

 また、これは同じことになりますが、ビッグデータを活用するという観点からの、保険者・審査支払機関の組織・体制の在り方ということについても御議論いただきたいと思います。

 こうした検討について、第7回も引き続きいろいろ御検討いただきまして、第8回目で取りまとめ(案)の素案を提出いたしまして、第9回まで、2回をかけて取りまとめてまいりたい。今後、あとの5回、年末までに何とか結論を得たいと思っておりますので、この5回のスケジュールを仮にこのような形で置いておりますので、また御議論いただければと思います。

 私のほうからの説明は以上でございます。

○西村座長 今、説明があったように、この会議はことし中に結論を出して報告ということになっておりますので、今のスケジュールをごらんになりながら、どういうテーマ。今の資料3の説明を受けて、ここに挙がっていないけれども、こういう話もやるべきだと。あるいは、ここの内容のこれはどういう意味かといった御質問を主にここでしていただいて、事務局がそれを参考に、7回、8回あたりのテーマを設定します。できましたら、6回目に関しては、そこの参考資料にあるような内容で行きたいと思いますので、この点の御了承と、さらにそれ以降の話題をどういうふうにするかということを、御質問、御提起いただくとありがたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○葛西構成員 全体の話をちょっと聞いていく過程の中で、私が1個気になっているのは、私のほうで出しているIT系の話もそうですし、私は参加しませんでしたけれども、審査・支払効率化ワーキンググループの中でも当然出てきているのですが、公的機関のこの手の業務改革系というか、業務改善系。特にITが絡んでくると、有識者とか専門家というのがちょっとしたマジックワードというか。いろいろな人がどんどん入り込んでいく過程の中で、なかなか先に進まなかったケースとして、うまく行っているものもありますし、うまく行っていなかったというケースもあるのですが、国のほうでやっている、いわゆる最適化計画です。業務・システム最適化というのをやっているのです。

 そちらでやっていて、うまく行かなかったケースはどういう問題があったか。僕は実は、当初そっちにも入っていたことがあるのですが、さまざまな有識者が入ったり、よくなかったケースと取り上げられてしまったので、ちょっとがっかり感もあるのですが、実際うまく行っていなかったところもあると思うのですが、特許庁のケースとか人事・給与のケースとか。いわゆる国がやったシステム改革という中で、同様にある種の有識者が入って、ある種の違う思想を持った人たちが入っていく過程の中で、プロジェクトがスタックしてしまうケースがあるのです。そういった課題をもう一度おさらいしたほうがいいのではないかというのが1つです。

 もう一点が、ちょっと気になっているのが、これは支払基金さんのほうでもそうなのですが、もともとコストが高くて、次期システム調達ができないというコストの問題というのは結構大きな課題で、私も現場で調達するので、それをいきなりやれるとは全然思わないです。

 誤解のないようにいうと、それを勧めているわけでもないのですが、最近ですと、例えばソーシャル・インパクト・ボンドみたいに、僕、情報処理推進機構なので、ちなみに、別に経産省と関係があっていっているわけじゃないですよ。ソーシャル・インパクト・ボンドは経産省もやっているので、全く関係ないです。いわゆる民間資金を利用するとか、全て国費とか特別会計を使って全部つくり上げようというのは、ちょっと無理があると思います。

 そういった意味で、どういう資金を使っていけば、より効率的に物がつくれるかという議論、原資の議論をしておかないと、とにかく全部国費で何もかもやれと、どんどん膨らんでいくと、絶対破綻してしまって、現場で調達される方は、結局、ベンダーさんに見積もりを出すと高くてできないねで終わってしまう。この問題は解消したほうがいいのではないかというのが2つ目です。

 3つ目の議論として、ちょっと気になっているのが、どちらかというと、基本方針として、ここの議論、ずっとデータヘルスという言葉が幅広に捉えられ過ぎている。データヘルスというと、僕の解釈ですと保険者機能というところです。保険者機能というのは、保険者還元という機能としてデータを利活用するという、いわゆるデータヘルス計画と、各保険組合さんを含めて書かれていると思います。そういった話に論点をまず絞っていかないと、僕もHTAとか医療技術評価の話をワーキングでさせていただいているので、それを無視しろとか、リアル・ワールド・データの重要性を無視しろとか、そういうことは全くないのですが。

 あくまでデータヘルス時代のということが先についているので、そういったことを実現するためにクイックにできることは何なのかということに少し議論をまとめ上げていくというか、収れんしていかないと、ちょっと拡散するだろうなということがちょっと気になっているという、その3点でございます。

○西村座長 ありがとうございます。3つとも正面からやると、とても時間がかかりそうな話ですが、事務局で今の3点に対する対応の仕方をぜひ考えていただきたいと思います。

 皆さんの御意見をさらに伺う前に、きょう、林構成員から「『診療報酬の審査の効率化と統一性の確保』に関する意見」の御提出がございますので、この段階で林構成員から資料の説明を伺いたいと思います。

○林構成員 ありがとうございます。本日付で林提出資料として出させていただきました「『診療報酬の審査の効率化と統一性の確保』に関する意見」について、簡単に御説明させていただきます。

 昨日、1115日の規制改革推進会議の本会議において、私どもの医療・介護・保育ワーキンググループ意見を報告し、本会議において了承され、本会議意見となりました。この意見の趣旨といたしましては、この有識者検討会において、ことしの12月末までに確実に規制改革実施計画の内容に沿ったゼロベースの検討が行われ、結論が得られますようにというエールでございまして、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 特に取り上げましたのは、今、委員からもお話ありましたように、時間の点や、議論が拡散しないという観点を考えますと、まず第1に、当面は支払基金の問題に焦点を絞って検討すべきであるということ。

 第2に、神成先生のところのワーキングでもいろいろ事実を出していただきましたので、原則としてコンピュータチェック項目の情報開示は行う。それから、統一性の観点で、合理的根拠の不明確な支部のチェック項目設定は行わないといった原則を確認していただけないかということ。

 第3として、レセプト形式を見直すということを方針として立てられないかということ。

 第4として、支払基金の現行業務の機能分解と担うべき組織・体制でございます。人手による業務をコンピュータチェックに置きかえる取組が、ワーキング等で調べたところではできていないという事実が判明しましたので、人手による業務を最小化するという方針のもとで、具体的に今、行われております職員による点検事務や、審査委員のドクターへのサポート業務といわれているものの在り方の見直し。今の後者の点は、効率化ワーキングのほうではそこまで入っていなかったと思いますので、その点、この残された時間の中で方針を立てる必要があると思っております。

 第5ですが、これがまさに、保険者等がレセプトデータを積極活用できる仕組みの構築という点でございます。保険者等が、支払基金に蓄積されている貴重なレセプトデータを積極的に分析・活用できる仕組みが、今はできていないということが、すでにはっきりしたと思いますので、これは基金のみならず、厚労省においてもICT体制を強化していただく必要があるという意見でございます。

 最後の第6として、持続的なPDCAサイクルの構築。これは、この議論、過去十数年続けられていながら動いていないことでございますので、このサイクルを今回の検討会の中でぜひ打ち立てていただきたいと思っており、最終的には法改正を含めて検討を速やかにしていただきたいということです。

 よろしくお願いいたします。

○西村座長 どうもありがとうございます。

 今の御説明に対して、何か御質問等がございましたら、お受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○森田副座長 副座長の立場で発言していいかどうかわかりませんが、今の御説明も含めて、先ほどの資料3の検討の論点について、少し気になった点があります。審査・支払の在り方を検討している場合に、途中から支払基金に焦点が当たっているのですけれども、これは審査・支払ワーキンググループのほうでも、支払基金をまず優先的にという話であったと思いますけれども、論点の整理の仕方として、そこのところの混乱といいましょうか、整理が少し必要ではないかと気がついたということです。

 少なくとも、1.保険者機能強化と医療の質の向上については、ビッグデータのほうかもしれませんけれども、これは別に支払基金に限ったことではない、全体のことだと思いますし、まして、そのデータの連結という場合には、国保の人と健康保険組合を行き来する人がいらっしゃるわけですから、これは共通の論点ではないかと思います。

 次に、審査の効率化・統一化の組織体制に入ったときに、ところどころで「支払基金の」と書いてありまして、後のほうに行きますと、2ページ目のマル2以下は支払基金をほぼ念頭に置いていらっしゃるようですけれども、そこのところはどうするか、少し整理しておきませんと、議論が混乱するのではないかと思います。

 林構成員のペーパーですと、一番最初のところですけれども、同時並行的に議論しようとする意見があったというのは、私もそういう意見を持って発言したかなと思うのです。それはともかくといたしまして、支払基金を優先すべきだということだと思います。そうだとしますと、この審査支払全体を考えるときの、ある意味で支払基金の体制の話に限定されてしまう。そこのところの整理というものをもう少しする必要があるのではないかというのが私の意見でございます。

○西村座長 なかなか難しい問題が出ました。

 今の件について、どなたか御意見ございますか。どうぞ。

○佐藤構成員 今のことに関連してといいますか、大きく柱が3つあるような気がして、1つは、まさにビッグデータをどう活用するか。その中には、介護との連結とか保険者をどう巻き込んでいくかということがかかわってくる。これは、決して支払基金と国保連という組織の話ではなくて、データの話をしているわけですね。

 もう一つは、平たくいえば、どうやってコンピュータチェックを拡充させるかということであり、それをやる上においては基準の統一化は必要だし、本来であれば国保と歩調を合わせたいところですけれども、現実的なステップとしては支払基金が優先ですねという話。このどちらも、実は支払基金という組織は、直接かかわってこない話だと思うのですね。前者はデータ分析の話だし、後者はシステムの話。

 それを踏まえた上で、支払基金はどうあるべきか。ビッグデータに彼らはどうかかわるのか。新しいコンピュータチェックが進んでいったときに、統一化を進めていったときに、残された仕事は何なのかというところが、次、初めて支払基金のガバナンス、組織構造の在り方の問題になってくると思うので、多分、2本柱と考えるよりは3本柱で考えるほうが素直かなという気がします。

○西村座長 貴重な御意見、ありがとうございます。

 今の話でも、もう一回、森田さん、どうお考えですか。どういうふうに整理するかですね。

○森田副座長 いずれにしましても、これは我が国の健康保険システム全体の改革の話だと思いますので、かかわってくると思いますけれども、まず、この場で何を整理するかということについては、1つは、今、佐藤先生の整理ですと、ビッグデータをどう活用していくかというのと、コンピュータチェックの仕組みをどうしていくかということだと思いますし、それを動かしている組織のガバナンスに関することについては、まずは支払基金からという整理がよろしいのではないかと思います。ですから、国保のほうのチェックとかはいいというわけではないのですけれども、この限られた時間の中で、また当初の問題提起からいいましても、そこが焦点になるのかなと思います。

○西村座長 ありがとうございます。今の整理で、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 どうぞ。

○松原構成員 また同じ話をしなければならないので、うんざりしていますが、皆さん、その3つで、健康保険制度の全てという話をされますけれども、これはあくまでも国保と社保の話であります。そして、随分検討しましたら、かなり特殊性があることがわかりました。例えば、データにおいては、国保が持っているデータと基金が持っているデータは全く違うということがわかりました。特に介護保険のデータを国保は持っております。それと、健診のデータも持っているわけであります。そこをどうやってうまく突合して、そして国民のデータとして、それを分析して、役に立てていくかということを議論すべきであります。

 2番目は、国保と社保で行き来するとおっしゃるけれども、そうじゃなくて、行き来していない人が多いのです。国保の人は国保の人、社保の人は社保の人。なぜならば、働いている人と働き終わった人の仕組みですから、いつまでも国保と社保は同じだといって議論していたら、現実問題、そうではありません。両方のワーキンググループに出ておりました。まず、いろいろなことをワーキンググループで検討して、データにおいては国保のデータの突合が先と思います。

 それから、社保においては、基金の在り方、そしてデータ処理の仕方、審査の在り方において、確かに法律がいろいろなものができているので、次々と重なって、外から見たらかなり乱雑なものになっていた。それも仕方のないことでありますが、また同じように乱雑にするのではなくて、統一化してきちんとしよう。これだけでも大きな仕事であります。

 そういったことをやっている中で、システムをどう動かしていけば審査の効率化が上がり、また医療機関にとっても、健康保険組合にとっても、かなりのメリットが出るというのがワーキンググループの結論であります。そういったことを踏まえた上で、やるべきことをやっていただきたい。何もかも最初の話に戻ってやるのだったら、ワーキンググループで議論する必要はなかったのではないでしょうか。

○西村座長 今、御指摘のように、先ほどから出た提起が全部ここでやれるとは、皆さん、誰もお考えになっていないと思います。松原構成員の御意見を踏まえて、さっきの整理で、この後、議論をやってまいりたいと思います。

 佐藤構成員、どうぞ。

○佐藤構成員 それで、実は私たちがいた支払効率化のワーキンググループは、正直ベースにわかっていることとわかっていないことをちゃんと峻別しましょうというのを整理したのです。ですから、今、この段階でできていること。データの突合はできていないので、できていないことは何ですか、できていることは何ですかということです。あとは、工程表が必要で、いつまでにやりますか。時間を区切るのが難しければ、どういう条件のもとで、どこまでやりますかということ。こういうことをステップを踏むということで、いきなり理想論をぶつことはない。

 あと、一言だけ。健康保険組合と市町村国保の間は、これから行き来がふえます。これは税制の大課題でもあるのですけれども、フリーランスという人たちが出てくるので、むしろ、被用者保険と地域保険の二元化自体、これから大きな問題です。これは済みません、税制上の大問題です。私の専門です。

○西村座長 ありがとうございます。

 ですから、今の方向で。ただ、1つちょっとお願いがあって、後で問題提起しようと思っていたのですが、この会議では基本的に保険者の御意見を余り詳しく聞いておりません。そういうこともあって、次回、第6回にあるように、保険者ヒアリングというものをぜひやらせていただきたいと考えております。それを踏まえて、もちろん松原構成員の御意見、みんなもっともでございまして、どこまで工程表を精密にできるか、ちょっと難しいと思いますが、できたら、今、佐藤構成員、森田構成員がお話になったような方向で、規制改革会議の意見を踏まえて進めてまいりたいと思います。

 それで、ほかにこういう問題もやるべきではないかという議論がもしございましたら、ぜひ伺っておきたいと思います。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○山本(雄)構成員 ビッグデータ活用ワーキングの意見の冒頭にも書いてあるのですけれども、この資料3がどうしてもやることありきの検討になっているように見えて、一番気になるのが保険者機能強化という言葉で、これは何ですかという話です。

 保険者機能の定義がないと。業務効率化は多分皆さん、納得すると思いますし、業務の統一で透明性を担保する、これはいいことだというのはわかります。ただ、機能強化で何を目指すのかという議論自体をすっ飛ばして、データ活用ありき、あるいはプラットフォーム構築ありきで、その具体的な手順はどうしますかという話ばかりしても、まとまるものもまとまらないですし、でき上がったもので何を実現したいのかと後から話しても、みんなばらばらのことをいうことになると思います。

 ですから、保険者機能強化とは何ぞや、あるいは何を目指しての保険者機能の強化なのかという議論が、それはそれでやり出したら切りがないのですけれども、一定程度ないと、あるいはこの検討会の中では、この方向性で行くぞという方針がないと物が決まらないだろうと思っていますので、そこはちょっと考慮いただきたいなと思います。

○西村座長 ありがとうございます。今の御意見は、ぜひ後に反映と思いますが、それで私、さっき申したように、保険者の御意見を聞かないで保険者機能の強化ということはありませんから、次回、保険者の皆さんのお考えを伺って、それから今の話を詰めることにしたいと思います。よろしゅうございますか。

 どうぞ。

○尾形構成員 資料3について、2点確認ですが、1の(2)ビッグデータの活用をはじめとする保険者のガバナンスの在り方という表題で、この表題と次の2行の内容が必ずしも一致していないように思うのです。

 1つは、「ビッグデータの活用をはじめとする」と書いてありますけれども、ここに書かれているのはビッグデータの活用の話だけです。ですから、その他のものが何かあるのかということを確認させてください。

 それから、保険者のガバナンスといっていて、「保険者・審査支払機関の対応体制の在り方について検討」と書いてある。多分、今の保険者機能の話とも絡むのですけれども、保険者の権能の一部を外部に委託している委託先が審査支払機関なので、それをあわせて保険者のガバナンスと考えているのか。その2点、確認です。

○西村座長 それは、事務局のほうはお答えいただけますか。

○保険課長 「ビッグデータの活用をはじめとする」というのがございまして、これは第1回目の論点でしたので、まだどういうところが議論の範疇になるのかわからなくて、「はじめとする」という書き方をしましたが、もう今、議論が詰まってきた段階におきましては、ビッグデータの活用という観点から、保険者はそれをどう受けとめるのか。多分、ビッグデータというものを保険者が受けとめるだけの体制がなければ、なかなか保険者機能の強化にもつながらないだろうということで、今、ビッグデータの活用ということに対しての保険者の受けとめということを考えてございます。

 それから、もう一点は何でしたか、済みません。

○尾形構成員 保険者のガバナンスと書いてあって、下は「保険者・審査支払機関の対応体制の在り方」と書いてあるので、これは保険者のガバナンスというのは、審査支払機関の在り方も含めてガバナンスということでいいのかということです。

○保険課長 これは、保険者の対応体制も含めて、いわゆるビッグデータに保険者が対応する、あるいは保険者がビッグデータの分析ということができなければ、審査支払機関がビッグデータをつくって、それを保険者に提供するということをした場合に、そうした保険者の在り方と審査支払機関の在り方をどう考えたらいいかということでございます。○西村座長 今の説明ではっきりしたと思います。最初の御疑問は、私も同じように感じました。今の説明でよろしゅうございますね。

 飯塚構成員、よろしくお願いします。

○飯塚構成員 事務局にお願いしたいのですが、資料3の2ページ目で、組織・体制の在り方ということで、マル1からマル3までありますが、私たちのグループのところで、ある意味で一番生産的な議論ができたと思っているのは、医療機関等における事前のコンピュータチェックという部分です。つまり、支払基金や国保連合会に出す前に、医療機関がコンピュータチェックをしていこう。そうすると、一手間、医療機関のほうで負ってくれることになりますので、支払基金のほうの業務の効率化がかなりできるだろうと思い、全員が賛成して、きょうに至っているわけであります。

 そういう意味で、この組織・体制の在り方を論じるときには、この医療機関における事前のコンピュータチェックというものの将来的な工程表、つまり、どこまでの範囲で医療機関にデータを渡して、いつから事前チェックということをやらせていくのか。そのことをきちんと工程的・将来的なものとして議論しておかないと、将来の支払基金の体制をどうすべきかという議論ができないだろうと思いますので、ぜひこの事前のコンピュータチェックの将来的な展開の仕方をよく御検討ください。

○西村座長 今の御提案は、事務局のほうは検討しますということでよろしゅうございますか。

○保険課長 審査・支払ワーキングの中でも、支払基金のシステム刷新をとめて、全面的に見直す。それは、33年を支払基金は予定していて、それをおくらせないでやっていくということでありました。だから、具体的にはシステム刷新の中でいろいろな業務のやり方を抜本的に変えていくということになると思います。今、決まっているのは、そこのシステム刷新の中でどういうことをやっていくか。その中の一つとして、医療機関が事前の審査に活用できるような仕組みを一元的につくるということもございますので、そういったものをまとめていく中で、明らかにできる部分については明らかにしてまいりたいと考えております。

○西村座長 飯塚構成員、よろしゅうございますか。

○飯塚構成員 そうすると、今の論点での議論というのは、33年までできないということになるのですか。

○保険課長 大きなものはシステム刷新の中で行っていくことになると考えております。というのは、システム刷新をやるために、いろいろなことをその前にやらなければ、いきなりシステム刷新ができるわけではないので、そういうことを考えて業務の具体的な工程表をつくっていくことになると考えています。

○西村座長 どうぞ。

○神成構成員 うちのほうのワーキングでも、私が責任を取るわけじゃないはずと、座長が突っ込まれたのですが、大事なことは、予定の計画をおくらせないためにはかなり時間がないということで、現実的には、設計を早急にやって、33年まで議論しないのではなくて、33年に稼働させなきゃいけないということがあります。そういった意味では、迅速にスケジュールを切ってやっていかないと、既に私的にはぎりぎりですが、ワーキングで提言する以上、やりましょうねといってしまったので、33年に間に合わせるように、今後、全力を尽くすという形で、時間はないので、待っているわけではないということは申し添えておきます。

○西村座長 この会議は、ことしいっぱいということが求められております。そこで、どういう答えを出すかという話と、今、おっしゃった、33年までにどういう工程でやるかという話は、セットで考える必要があると思っていますので、事務局がそのあたり、できるだけ詰めた方向で、こういうふうにやっていきたいという提案をしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。

 ほかに御意見ございませんか。

 どうぞ。

○金丸構成員 1130日に保険者のヒアリングとありますね。これがどんな方をお呼びになるのか。そして、「ビッグデータ活用について」だけ書いてあるのですけれども、それ以外のことも、保険者から見て、保険者機能の強化とかという、さっき山本さんが御質問されたようなところも、どんな御意見があるかを、ぜひヒアリングさせていただければと思います。

○西村座長 今の御意見に対して、事務局、対応できますか。

○保険課長 そのような方向で検討したいと思います。

○西村座長 では、そういうことでよろしくお願いします。

 どうぞ。

○山本(隆)構成員 33年のリプレースに向けて、早く決めないといけないことがあるというのはそのとおりだと思うのですけれども、例えば林構成員が出された中でも、例えばレセプトの様式の再検討というものがございます。

 それから、この審査のロジックの中で、恐らく最も基本的で、最も大事なのは点数表だと思うのですけれども、内閣官房で2007年ぐらいに、点数表の電子化を推進すべきという提言は出しているのですけれども、いまだに不十分です。コンピュータできちんと扱えるロジックになっていないというところがあります。その点数表の本当の意味での電子化、ロジックを電子的に表現するという電子化と、それから、レセプトの様式に関していうと、これはきょう、明日には多分できない話で、大きな方針を決めて着実に進めていかないといけないということがいえると思います。だから、そこはぜひこの会議で進めるべきだということだけは決めていただけたらありがたいと思います。

 よろしくお願いします。

○西村座長 今のお話は、皆さん御意見がありますか。

 林構成員、どうぞ。

○林構成員 私も、この12月まででレセプトを変えられるとは全く思っておりません。方針を立てること、これだけはきっちりと。何を原則として、どういう工程表でやっていくかという、その方針だけは12月中にきっちりと結論を出したいと願っております。

○西村座長 どうぞ。

○森下構成員 林構成員と同じ意見で、これだけの時間で詳細を決めるというのはもともとできない話ですし、そこまでの話を最初からこの検討会でする予定じゃなかった。ですから、原理原則のところを明確にして、あとはまた、厚労省内で別の委員会をつくるか何かわかりませんけれども、されればいいだろうと思います。大事なのは、あくまでも原理原則として外れないところを12月までに取りまとめて、それに従って粛々とやっていただくという点ではないかと思います。

○西村座長 どうぞ。

○松原構成員 このような形でコンピュータのチェックシステムがオープンにされれば、当然そのチェックシステムを医療機関でかけると、どこに問題があるのかが明らかになります。つまり、単純なミスであれば、例えば数字の間違い、その他であれば修正できますし。逆に、どう考えても、このチェックのほうが間違っているとなれば、そのデータを新しい会議でいろいろと議論して適切な形になります。一遍に全てをやるのは私は無理だと思いますし、やっていけば、そのうちに医師が書かなきゃいけない項目もコンピュータ化したほうが便利なものが出てきますから、中からそういう意見が上がってくると思います。

 ですので、こういう方向でやろうというところで、十分ではないかと思います。実際に動かし始めたら、きれいな形になって、保険者さんも医療機関も基金も、時間あるいは労力もかからないものができます。その方針を立てるということでいろいろな議論をしたいと私は考えておるところであります。

○西村座長 ありがとうございます。

 今の議論は、恐らく試行錯誤を経ながら、だんだんという面と、原理をはっきりするという側面、両方ございます。そういう意味で、できたら原理をここでしっかり提起し、その後、1回決めたら、変えちゃいけないという発想ではない形でやっていくというのがいいかと思います。中医協の前会長もおられますので、何か御意見ございましたら。

○森田副座長 実際の診療報酬の仕組みを考えると、松原先生の御意見、もっともだと思います。

 それとは別ですけれども、今までの議論を聞いていて思いますのは、この会議のタイトル自体が「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者会議」という、とんでもなく大きなテーマをやるということで、それを限られた時間の中でやらなければいけないということです。しかも、具体的に支払基金のコンピュータシステムをどうするかという話もあるものですから、ここはある意味で山本雄士先生がおっしゃったような保険者機能の強化とは一体どういう意味かとか、そのためにコンピュータシステムがどういうふうに使い得るかという、将来の方向性の話と、それと、その次のステップとして、コンピュータチェックを全面的に入れていくという2段階目と。

 そして、当面、支払基金も含めて何をすべきかという、3段階ぐらいに分けて論点を整理していただけると、議論が錯綜しないのではないかと思っております。

○西村座長 ありがとうございました。

 そろそろ時間が来ました。さっき申したように、参考資料にあるように、次回は審査支払機関の組織体制の在り方、あるいはビッグデータ活用における保険者・支払機関の組織体制の在り方というものも含めて、保険者ヒアリング、さっき金丸構成員から御発言があったものを含めてヒアリングをしたいと考えております。そういうことでよろしくお願いします。

 さらに、もし皆さんの御了解が得られましたら、私のほうから、次回、複数の保険者が存在するアメリカにおける審査の現状の功罪というか、そういう話も、ちょっと資料を提示し、説明させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○西村座長 はい。

 それでは、以上のことを御了解いただいて、本日、参考人として来ていただいております健保連、協会けんぽの方、きょうのお話を聞いていただいたと思いますので、これを踏まえて、次回、ぜひプレゼンをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 あと、次回以降の議事については、先ほどのような内容で事務局に考えていただきますが、それでよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○西村座長 それでは、きょうはここで終了したいと思います。きょうの議論をぜひ反映するように、事務局と打ち合わせをしたいと思います。

 次回以降の話について、事務局から説明をお願いします。

○保険課長 次回検討会の開催日は、1130日水曜日、13時からを予定しております。開催場所や、その他詳細につきましては、追って御連絡を申し上げます。

 以上でございます。

○西村座長 「第5回データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」を終了いたします。

 どうもありがとうございました。


(了)

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