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2016年9月14日 厚生科学審議会疾病対策部会 第45回難病対策委員会 議事録

○日時

平成28年9月14日(水)15:00~17:00


○場所

労働委員会会館講堂(7階)


○議事

徳本難病対策課長補佐 それでは、まだ来られていない方がおられますが、定刻となりましたので、ただいまから厚生科学審議会疾病対策部会第45回難病対策委員会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日の委員の出欠状況です。小幡委員と本田麻由美委員から、欠席の御連絡を頂いております。また、事務局の福島健康局長は所用により遅れての参加となりますので、御了承くださるよう、よろしくお願いいたします。

 カメラの撮影はここまでとします。傍聴される皆様方は、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。以降の議事進行は千葉委員長にお願いいたします。

○千葉委員長 それでは、まず資料の確認をお願いします。

徳本難病対策課長補佐 本日の配布資料は資料1、第44回難病対策委員会での主な意見です。続いて資料2、難病の医療提供体制の在り方について(報告書案)です。続いて参考資料として、難病の医療提供体制の在り方について(参考)です。資料の欠落等があれば、事務局まで申し付けください。

○千葉委員長 よろしいでしょうか。では、議事に入る前に、まず前回での主な意見について、事務局からお願いします。

徳本難病対策課長補佐 それでは資料1に基づき説明します。第44回難病対策委員会での骨子案についての主な意見です。まず総論として、拠点病院、分野別拠点病院などについて、相互コミュニケーションの構築が重要との御意見を頂きました。続いて、都市のパターンは多様であるということで、具体的な説明を記載したほうがよいのではないかという御意見を頂きました。続いて、都道府県の圏域を超えた広域的な連携を考慮したほうがよいのではないかという御意見を頂きました。

 拠点病院については、がん・AIDSなど拠点病院はいろいろあって、その内容について比較表などを作ると役割などが分かるのではないかという御意見を頂きました。これについては、次のページで参考として、三次医療圏単位の拠点病院の比較(難病、がん、肝疾患、エイズ)について、まとめたものがあります。こちらを御参考ください。続いて、拠点病院の推進体制、補助金制度を含め、運用の仕方を検討してほしい。拠点病院の役割など具体的項目を記載したほうがよいとの御意見を頂きました。また、拠点病院でも、その疾病、疾患は診療していないという場合もあるので、名称に配慮してほしいという御意見を頂きました。続いて、「より身近な医療機関で適切な医療を受ける体制」に、「専門医との連携で」という言葉を追加してほしい。流れについても双方向の矢印にしたほうがいいのではないかという御意見を頂きました。

 就労・就学支援、療養環境整備について、療養環境整備の支援に関する記載が少ないという御指摘がありました。就労支援、ハローワークに携わる人への研修が必要ではないかという御意見を頂きました。

 その他として、特定機能病院との連携を強調してはどうか。病院の診療に関する情報や研究成果の情報を共有するシステムを作ることなど検討してはどうか。実際にシステムを動かす人材育成についても明示してほしいという御意見がありました。

 この就労・就学支援等について、3ページに参考として、難病患者を対象とする就労・両立支援の仕組みという形で付けております。スライドの真ん中の絵が落ちている部分があります。申し訳ありません。この絵は産業保健総合支援センター、ハローワーク、難病情報センター、難病相談支援センター、そして仮称ですが、難病診療連携拠点病院、地域の医療機関の連携で、就労・両立支援を行うというものです。また改めて御覧いただければと思います。資料1については以上です。

○千葉委員長 説明にありましたように、前回出された意見についてまとめていただいています。その2ページ目はそれぞれの拠点病院等についての4つの比較表という形で出していただいています。例えば、一番下を見ていただいても、国、厚生労働大臣が主体となって指定するものと、都道府県とに分かれております。3ページ目が就労・両立支援ですが、これについて何か特に御発言はありますでしょうか。

○益子委員 川崎市宮前保健福祉センターの益子です。3枚目の就労支援の所ですが、産業医、産業保健スタッフを支援の所に入れていただきたいです。

○千葉委員長 支援の所ということですね。

○益子委員 企業側ですか。

○千葉委員長 産業保健総合支援センターの所の企業となっている辺りですかね。

○益子委員 はい。産業医はどうでしょうか。それから産業保健に関わる保健師等々が入ると思いますけれども。

上村難病対策課長補佐 難病対策課の上村と申します。3枚目の右上に産業保健総合支援センターの絵を入れておりますが、その具体的取組として、両立支援に取り組む関係者に対する支援として、1つ目のポツに産業保健スタッフ等の専門的研修というものを入れております。産業保健スタッフの中に産業医ももちろん入れておりますので。

○益子委員 それは研修ですよね。だけど実際に就労するに当たっては、その企業の中で産業医や産業保健のスタッフが就労支援しているわけで、その辺をどのように表現していただけるのかなと思いました。

富賀見労働衛生課産業保健支援室長補佐 労働基準局の産業保健支援室の者ですが、この図にもありますように、私どもの方では、難病患者さんも含め、病気を抱えながら働いている労働者の方が治療と仕事と両立するために、企業はその支援にどのように取り組むのかについて、ガイドラインを今年の2月に出しました。このガイドラインにおいても、当然どの事業場にも産業医はいるのではなく、法令では労働者が50人以上いらっしゃる事業場に産業医の選任義務があるわけですが、

 主治医と事業場をつなぐ方法をガイドラインにお示しする中で、当然、委員が御指摘のとおり、産業医がいる事業場の場合は、やはり主治医のおっしゃる内容を事業場で消化して、事業場の中での配慮、措置につなげるには、産業医の力を借りると効果的である側面がございます。ですので、このガイドラインにおいても、産業医がいる所では、産業医もこのガイドラインに沿った取組に事業場の対応として関与することを謳っております。

 ですから、この図にも、「企業」という所に必ずしも産業医がいらっしゃるということではございませんが、何らかの工夫をしながら産業医の存在を書くことはよろしいのではないかと思います。

○千葉委員長 今の御意見は、右上のポツに産業医の件は当然入っているわけですが、御意見としては、やはり産業医ということを、きちんと明記していただきたいという御要望だったと思いますので、十分に御考慮いただくようお願いします。よろしいですね。

○西澤委員 同じく3ページ目の就労支援に関するものですが、難病相談支援センターに関する記載ですが、提言ではピアができる人材を養成してということが書き込まれていたと思うのですが、ここの文章では、むしろ相談員の資格の厳格化という形で、機能強化とうたわれているわけですが、もともとの方針との違いがどこからきたものか、お尋ねしたいと思います。

○千葉委員長 今のに関連しての話ですか。

○西澤委員 はい。

○森委員 患者団体です。私もそのように思います。こちらの相談員の資格の厳格化と申しますと、難病相談支援センターのほうには、必ずしも保健師、看護師だけではなく、やはりピアサポーターが非常に重要な役割を示しております。特に、この就労の支援につきましては、保健師、看護師というよりは、就労経験を持ったピアサポーターが非常に有効だと思います。患者団体のほうでもそのように、いろいろと相談も来ております。また、ハローワークからの問合せも来ているところです。

 そしてもう1つは、ハローワークの所ですが、難病患者就労サポーターさんが、各都道府県に配置されているわけですので、更に充実させていただけるように、このスライドの中にも文言として入れていただきたいと思います。

○千葉委員長 今の御意見の最初のお話は、左下の2番目ですが、むしろ教育というところが意見として出ていたと思われるけれども、ここで厳格化という形になっていることについての御意見。後のほうは、看護師、保健師さんに加えてサポーターといった周りの方々の役割が非常に重要であるということで、これを明記してほしいという、大きく分けると2つの御意見だったと思いますが、いかがですか。

上村難病対策課長補佐 ピアサポーターに関しては、難病対策基本方針の第7で、難病の患者の療養生活の環境整備に関する事項として、「国及び都道府県は、難病の患者及びその家族等がピア・サポートを実施できるよう、ピア・サポートに係る基礎的な知識及び能力を有する人材の育成を支援する」と記載しておりますので、これについてはきちんと取組をしなければいけないと考えております。

 今回の就労・両立支援の仕組みに関しては、就労支援員という方を、難病相談支援センターの一部には配置することにしております。今年度から就労支援に関しては、看護師や保健師が望ましいということで、資格としてこういった医学的知識をお持ちの方のほうが、就労支援についてきめ細やかな対応ができるのではないかと、厳格化ということで、必ずそれを求めているものではないのですが、お示ししております。

 もう1つ、難病就労支援サポーターに関しては、安定局からお答えします。

西浦障害者雇用対策課地域就労支援室長補佐 職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室の西浦と申します。よろしくお願いいたします。難病患者就職サポーターについては御指摘のとおり、現在49名を全国に配置しているところです。資料にあるハローワークで行うきめ細かな相談というのは、正に難病患者就職サポーターが中心となって担っていくものです。一方で、記載できるスペースが狭いことに加え、当然、難病患者就職サポーターが配置されていないハローワークにおいても、専門援助部門という窓口がありますので、そこできちんと相談を受けている関係で、まとめて「ハローワーク」と記載する形になっています。ただ、ご要望があった難病患者就職サポーターによる支援は今後とも引き続き実施していく予定であり、具体的に記載すること自体は問題ないかと思いますので、調整したいと思います。

○千葉委員長 やはり厳格化というところが若干、誤解を生むかなという気は私もしますので、そこの人たちをしっかりと仕分けすることは大事ですが、その人たちだけというイメージがないように、ちょっと工夫願えればいいかなと思います。

 それから、最初の御意見の教育については、やはり非常に言われていましたので、何らかの形で御配慮いただければと思います。よろしいでしょうか。

○西澤委員 資格の厳格化という言葉は、やはり誤解を招くと思います。そうでなくて多彩な人材に相談支援に乗っていただくことのほうが有効だと思いますので、それを制限する方向に読める文言は、私は適切ではないと思います。保健師であっても、あるいは福祉系から来られた方であっても、あるいはきちんと研修を受けられた当事者であっても、それぞれが相談員としての資格を持って関われるという体制が望ましいと思います。

○千葉委員長 正にそういう御意見だったと思います。

○春名委員 前回に、難病患者の就労支援について、医療提供体制の中で位置付けるという意味合いで、分かりやすく説明していただきたいということで、非常に分かりやすい3ページの図になっていると思います。医療提供体制の中でこれを位置付けるという場合に、着眼点の所です。就労支援というのは治療と就労の両立の支援であって、今までは結構、仕事に就いたら無理をして体調を崩してしまって、治療の効果としても今ひとつ上げにくい状況がありましたから、この両立支援というのは、医療提供体制としても意義があるのだというところが、もっと着眼点にあると、医療体制の中での位置付けが明確になるのではないかと思いました。

○千葉委員長 御意見ですね。明確化というか、両方が関連し合ってということだと思います。

○森委員 3ページのスライドですが、これは一旦、表に出てしまいますと、私たちも非常によく使いますし、文章そのものでいろいろ説明してあるよりも、やはりスライド1枚でいろいろな研修等に使われると思います。

 先ほどの難病相談支援センターですが、看護師、保健師の資格があって、そしてそれで就労支援ができるのであれば、今まで保健所のほうでできていたはずです。そもそも難病相談支援センターが設置されることになったことは、やはりより身近な所で、敷居の高くない、私たちも非常に相談しやすい、そんな場所が欲しい。そして、病気を抱えて難病となったときに、なかなか保健所に相談するというイメージが湧きませんので、はっきりと名前のある難病相談支援センターという所に相談ができるようにと設置されたということだと思います。

 このままであれば、やはり相談員に資格が必要かのように取られてしまいます。難病患者であって相談に乗るということが、いかに重要で有効なことかは、既に皆さんもお分かりだと思います。この辺りはきっちりと修正していただきたいところですので、よろしくお願いいたします。

○千葉委員長 おっしゃるとおりですね。これはポンチ絵ですから、大事なのはむしろこれから御議論いただく内容になるわけですが、おっしゃるように多くの方々はこの絵1枚を見て、それでイメージを抱くことになります。頂いた御意見を十分考慮されて、なかなか難しいですが、この1枚でスパッとスッとするような形に、是非、再考すべきはしていただきたいということです。よろしいですか。

○本田()委員 保健師、看護師の資格の厳格化という所で、こちらの領域の者としては、この資格というところより、やはり難病を持っている人たちの就労について、看護師や保健師の資格ということではなくて、きちんとこの領域のことについて知っている者という形で取り上げていただいたほうがよく、その中で医療的なこと、治療との両立ということですので、それにより詳しい者として、基礎資格として看護師、保健師を挙げていただけると有り難いと思います。

○千葉委員長 よろしいでしょうか。

○大澤委員 この難病相談支援センターと地域の医療機関、あるいは難病診療連携拠点病院、これは1つの丸の上に載っているので、相互に連絡を取り合って協力し合うということだとは思うのです。例えば具体的には、その医療機関で、その患者さんに関して、就労とか何かそれについて、医師と看護師と福祉士と、そして保健師らを交えて実際にケーススタディみたいな形で話合いをして、就労に結び付けるというようなことは、実際には行われているのだろうと思うのです。その辺で、難病相談支援センターと地域の医療機関などは、別々の建物で載っているので、その辺の協力体制がどんな感じになるのかが、ちょっと見えないのですけれども。

○千葉委員長 何かありますか。おっしゃるとおり、どこに置くかという場所の問題と、何を扱うかというところは、具体的には非常に大事になってくるのですが、絵で描くと、今はこういう形に分かれているというところで、ここも正に今後の課題ではありますよね。

 今のお話は、この文章の最終案に、ひょっとしたら出てくるかもしれないと思うのですが、むしろそちらのほうで議論していただいたほうがよろしいかなと思います。これは大きな絵ですので、御意見は頂きますが、ここにこだわりますと、後ろの文章なしに議論していてもという気もいたしますので、3枚目についてはこの辺で取りあえず終わらせたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは次に移ります。本日は、この7月から難病対策委員会で検討を進めてきた、難病の医療提供体制の在り方についての報告書案の最終的な取りまとめとなります。これから提示していただいて、皆様方から御議論を頂きたいということです。では、事務局から説明をお願いします。

遠藤難病対策課長補佐 資料2、報告書案についてです。2ページです。はじめにという部分を事務局で作成しました。第1段落は難病の概要、第2段落は今までの難病対策の経緯、第3段落は現在基本方針に定められている、「国は、難病の各疾病や領域ごとの特性に応じて、また、各地域の実状を踏まえた取組が可能となるよう、既存の施策を発展させつつ、難病の診断及び治療の実態を把握し、医療機関や診療科間及び他分野との連携の在り方等について検討を行い、具体的なモデルケースを示す」とされているという部分を記載しております。

 最後の第4段落に、本委員会では726日、831日及び914日に医療機関や診療科間及び他分野との連携の在り方等について検討を行い、現状把握のため自治体等へのヒアリングも行った。本報告書は、本委員会での検討の結果を取りまとめ、今後の難病の医療提供体制の在り方を示すものであると記載しております。

3ページです。第1として、難病の現状並びに難病医療の課題及び目指すべき方向性です。難病の現状に関して、1つ目は、難病の定義と難病の患者に対する医療等の支援を記載しております。定義に関しては、難病法での広義の難病の定義、指定難病の定義を記載し、それぞれ現在行われている医療等の支援に関して記載しております。

 次の項です。難病の医療提供体制です。国が平成10年度以降、主に重症難病患者の入院施設の円滑な確保を目的として「難病医療提供体制整備事業」を行ってきており、都道府県が行う難病医療コーディネーターの配置に必要な経費等の一部を補助しているという現状を記載しております。下の段落は、難病法において現在、指定医や指定医療機関等を設けているということを記載しております。

 次の項です。難病の疫学です。旧特定疾患治療研究事業における56疾病では、平成26年度、難病患者は925,646人が登録されていること、難病患者は状況や必要な対応が多様であること、また、遺伝子関連検査を実施することが増えていること、小児慢性特定疾病児童等も成人期を迎える患者が多くなってきていること等を記載しております。

 これらの1番の現状を受けて、2番の難病医療の課題及び目指すべき方向性です。課題の(1)難病医療の提供体制については、従来、難病医療提供体制整備事業により、旧拠点病院及び難病医療協力病院が整備されてきた。しかし、旧拠点病院及び難病医療協力病院による医療提供体制においても、難病の多様性のため難病の診療に十分対応できているとは言えない。すなわち、難病の患者が適切な医療を受けるためには、早期に正しい診断を受けることが重要であり、難病の診断をする指定医の情報が公表されているものの、難病の多様性・希少性のため、患者はもとより医療従事者であっても、どの医療機関を受診又は紹介すれば早期に診断が付けられるのかが分かりづらい状況となっているということを記載しております。

(2)です。難病は長期の療養を必要とするものの、適切な疾病の管理を継続すれば日常生活や職業生活が可能であるものも多い。しかし、適切な疾病の管理のためには適切な治療を継続して受ける必要があるが、難病の専門の医療機関が難病の患者の身近にあるとは限らないことから、難病の患者が適切な治療を受けながら日常生活や職業生活を送ることが容易ではない状況となっている。また、在宅で長期の療養を必要とする難病の患者については、療養が長期に及ぶこと等による生活上の大きな不安を抱えていると記載しております。

(3)です。難病の患者が確定診断を受ける上で、遺伝子関連検査を実施することが増えている一方、当該検査の実施に当たっての患者及びその家族への説明が必ずしも十分でないこともあり、患者及びその家族を不安にさせることがある。

(4)です。成人期を迎える小児慢性特定疾病児童等が多くなってきているが、当該患者の移行期医療への対応に当たっては、小児期医療から個々の患者に相応しい成人期医療への移行が必要であるものの、それぞれの診療体制の医療従事者間の連携が円滑に進まず、現状では必ずしも適切な医療を提供できていない。また、成人後も引き続き小児期医療に従事する者が診療を担当することが適切な場合もあると課題を記載しております。

 それを受けて、次の目指すべき方向性です。前段において難病の医療提供体制の在り方と全体を示すと、入院や在宅も入るわけですが、今回は基本方針に沿い、取り分け以下の(1)(4)に焦点を当てて検討を行ったということを記載しております。5ページの(1)です。難病について早期に診断ができる体制とするためには、難病が疑われる患者や医療従事者を対象として、難病が疑われる患者のために相談できる窓口機能の充実・強化・明確化が必要である。当該窓口機能については、難病の患者の利便性を考えれば、都道府県内で体制を構築することを基本とし、特に、極めてまれな難病については、都道府県レベルの窓口に併せて全国レベルの窓口をうまく組み合わせて対応することや、各分野の学会、難病の研究班等の協力のもと早期の診断に取り組んでいく体制が必要である。

(2)です。適切な疾病の管理を継続すれば日常生活や職業生活が可能である難病について、治療が身近な医療機関で継続されるためには、身近な医療機関と難病の専門医療機関との連携や、診療ガイドラインの普及、難病の教育や研修の実施が必要である。

(3)です。遺伝子関連検査においては、一定の質が担保された検査の実施体制の整備と、検査を受けるのか否か、結果をどのように説明するのか等、カウンセリング体制の充実・強化が必要である。

(4)です。小児慢性特定疾病児童等に対して、成人後も必要な医療等を切れ目なく行うため、難病の医療提供体制の中で小児期及び成人期をそれぞれ担当する医療従事者間の連携体制を充実させる必要がある。また、成人後も引き続き小児医療に従事する者が診療を担当することが適切な場合は、必要に応じて主に成人医療に従事する者と連携しつつ、必要な医療等を提供する必要があると記載しております。

 第2に移ります。難病の医療提供体制の在り方の基本理念及び各医療機能と連携の在り方です。1番は今の目指すべき方向性と少し重なる所もあるのですが、難病の医療提供体制の在り方の基本理念としてまとめました。(1)できる限り早期に正しい診断ができる体制。➀患者や医療従事者にとって、どの医療機関を受診すれば早期に正しい診断が可能かを紹介できる窓口となる病院を設ける、➁専門領域に対応した医療機関による専門的かつ効率的な医療の提供を行う、➂難病医療支援ネットワークの活用により診断が難しい難病であっても可能な限り早期に正しい診断を可能とする。

(2)診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制。➀身近な医療機関で適切な医療の継続を可能とする、➁専門領域に対応した医療機関と身近な医療機関の連携を強化する、➂在宅で長期の療養を必要とする難病の患者をサポートする仕組みとして、難病対策地域協議会等の取組を活性化する、➃より身近な地域で安心して療養しながら暮らしを続けていくことができるよう、就学・就労と治療を両立できる環境整備を医療面から支援する体制を構築する。

(3)遺伝子関連検査について、倫理的な観点も踏まえつつ幅広く実施できる体制。遺伝子関連検査について一定の質が担保された検査の実施体制やカウンセリング体制の整った医療機関で提供する。

(4)小児慢性特定疾病児童等の移行期医療を適切に行うことができる体制。小児慢性特定疾病児童等の移行期医療に当たって、成人期以降に出現する医療的な課題に対しては、小児期診療科と成人期診療科が連携すると記載しております。

2番の各医療機能と連携の在り方です。前回、骨子を示した部分からの変更点を説明します。病院名を最初に書いたほうがいいと御指摘を受けましたので、(1)より早期に正しい診断をする機能の隣に括弧をして、都道府県の難病診療連携の拠点となる病院をここに記載しております。骨子で➀は目標となっておりましたが、より病院の役割が分かりやすくなるように、ここは役割として記載しております。また、医療機関が当然やるべきことは、ここの役割から外しております。変更点としては医療機関に求められる事項、診断の所で、難病の指定医のことを記載しております。また、治療・療養時の所で、難病医療に携わる医療従事者に対する研修を実施することを記載しております。

(2)専門領域の診断と治療を提供する機能です。こちらは、医療機関として難病診療の分野別の拠点病院を最初に書いております。同じように目標を役割と変更しております。治療・療養時に医療機関に求められる事項として、難病医療に携わる医療従事者に対する研修を実施することという部分を追加しております。

(3)早期診断のための広域的な連携機能です。最初に難病医療支援ネットワークと記載しております。➂に関係機関の例として、国立高度専門医療研究センターや研究班・学会、IRUDや拠点病院、難病情報センター等を記載しております。

(4)身近な医療機関で医療の提供と支援する機能です。難病医療協力病院という部分を最初に書いております。こちらの役割に関しては、従前の事業要綱に書かれている部分を中心に記載いたしました。その他、大きく変わっておりません。

10ページです。(5)身近な医療機関で医療を提供する機能です。こちらは、一般病院、診療所と書いております。(6)小児慢性特定疾病児童等の移行期医療に係る機能です。こちらは移行期医療に係る医療機関として、医療機関の例は多数含まれると思いますので、➂に列記いたしました。11ページに入っております。

3番、その他連携を推進するために必要な事項です。こちらに関しては、前回の骨子のまま大きく変更しておりません。

12ページです。最後の第3です。難病の医療提供体制構築のための留意事項です。こちらは前回の骨子では具体的な手順としておりましたが、留意事項と変更しました。難病の医療提供体制を構築するに当たって、各都道府県に参考にしていただきたい指標を、1番、現状の把握として記載しております。(1)患者動向に関する情報、(2)医療資源・医療連携等に関する情報で、➀難病患者診療機能、➁在宅療養支援機能等を列記しました。

13ページです。2番として地域の実情等に応じた柔軟な医療提供体制の構築と記載しております。本報告書で示す難病の医療提供体制の在り方は、都道府県における難病の医療提供体制の構築に当たって参考とできるよう、できる限り具体的なイメージを示したものですが、各地域において既に構築されている難病の医療提供体制の変更を一律に求るものではないと記載しております。「例えば」以下の部分は、参考資料のスライドの46ページにあるように、拠点病院の指定の仕方や協力病院等は、地域の実情に応じて構築してほしいということを記載しております。

 また、筋ジストロフィー等の難病の患者については、長期の入院を余儀なくされることがあり、これらに関しては入院先の広域的な確保の取組が行われておりますので、引き続きそれらを活性化することが考えられると記載しております。

 おわりにですが、こちらも事務局で文章を考えました。下の5段落目ですが、難病医療支援ネットワークの体制の整備の支援の在り方及び遺伝子関連検査の具体的な実施体制づくりの在り方については、引き続き本委員会で議論していくことと記載いたしました。また、成人後の小児慢性特性疾病児童等に対する適切な医療等の提供の在り方については、社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会で検討がなされることから、その検討の結果を踏まえ反映されるべきと記載しました。事務局からの説明は以上です。

○千葉委員長 かなり長文になっておりますので整理します。2ページは、はじめにということで、第1の所で1として現状について3ページで説明を記載していて、その現状に対する問題点の提示、方向性というところで、2番になっており、4ページの下から、それの解決策と目指すべき方向性を記載しています。

 第2で基本理念、在り方があります。これは、上の所の解決策というか方向性をもう少し具体化した形で(1)(2)(3)(4)に書いてあります。それについて、更にどこでということを、目標を役割に変えたということですが、それぞれ(1)(6)について、どこが対応するのかということが分かりやすくなるようにと思いますが、例えば、(1)の場合には都道府県の難病診療連携の拠点となる病院という形で、より具体的に記載しております。11ページの3、その他連携を推進するために必要な事項は、全体をまとめて行う必要がある。

 それから、12ページの第3は留意事項です。特に1の所で資料を提供していて、2の所で追加の説明がなされております。最後ですが、まとめと同時に13ページの下で、まだ残された課題について今後どのようにしていくのかということを記載されているように思います。

 非常にたくさんあるので、ばらばらに御質問いただいてもという気もします。はじめに、あるいは3ページの第1の現状については御意見があろうかと思いますが、極めて大きな論点というわけではないように思います。まず、そこら辺で何か御意見はありますか。特に23ページです。

○本田()委員 先ほども事前にお聞きしたのですが、難病の医療提供体制、中ほどの所で平成10年度以降。

○千葉委員長 何ページですか。

○本田()委員 3ページです。現状の中ほどの入院施設の円滑な確保を目的としてという所です。平成27年度から難病医療コーディネーターという位置付けをされているということだったのですが、入院施設の円滑な確保では、これまで難病医療専門員がずっと活動されてきていたということがありますので、その事実はある程度、こちらで取り上げていただいたほうが現状の正確な把握になるのではないかと思っております。

徳本難病対策課長補佐 今、御指摘いただいた点に関しては、提言等を受けて平成27年度から予算上、難病医療コーディネーターという事業を行っておりますが、この文脈からして平成10年度以降とするのであれば、その歴史的な部分も含めてしっかりと書いたほうが皆様方にとって理解が深まるということですので、その部分は対応いたします。ありがとうございました。

○千葉委員長 よろしくお願いします。ほかに何かありますか。では、3ページの下以降、目指すべき方向性です。課題という所と4ページの下の所の目指すべき方向性に分けてあって、課題というのは問題点の記載です。それに対して4ページの下からは、その問題点をどのように解決していくのかという方向性が示されております。ここからが非常に重要な所になってくるわけです。それが、更により具体的に記載されているのが、5ページの第2以降の所と御理解いただいたらよろしいかと思います。したがって、そこら辺を全部まとめて議論したいと思いますが、いかがでしょうか。

○春名委員 就労支援の所です。4ページの(2)の所です。就労の問題で、専門の医療機関が患者の身近にあるとは限らないから仕事を続けるのが難しいという問題意識で、5ページの上の(2)も、就労支援のポイントは身近な所で治療を受けられるようにすることで、そうすれば就労の問題の解決になるのだみたいなことになっています。

 先ほどの参考資料の3ページの図にもありますように、問題意識としてはもう少し広いものがあって、難病の患者は、今まで治療と就労を両立しようとするとなかなかそれが難しくて、そこが非常に困難だったと。だから、医者も患者もそれは無理だとなりがちだったところを、社会全体の取組の形で、職場、産業医、医療機関等が関わった形で両立支援に取り組むのだという位置付けを持ってこないと、その後の話につながっていかないし、先ほどの図とも整合性が取れないと思うので、そこの修正が必要なのではないかと思います。

○千葉委員長 いかがですか。確かに治療が身近で受けにくいということと、就労支援というものが、ある程度重なってきているところがあります。就労支援というと、そこが11対応みたいになっていることに違和感があるという御指摘ですね。

○春名委員 そうです。

上村難病対策課長補佐 こちらの書きぶりについては、また後ほど春名先生などと相談させていただきたいと思っております。まず、身近な医療機関で継続的に適切な医療を受けるということが、就労を継続するということの1つの大事な要素とも考えられますので、身近にないことだけが問題ではなくて、適切な医療を受け続けることが大事であるという観点を記載したいと思います。

○千葉委員長 そこは、キーワードが2つ入ってきているので、私も切り分けてもらったほうがいいのかと思います。工夫をお願いしたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○益子委員 難病を早期に正しく診断するために、難病を患っているかもしれない患者が相談できる窓口を病院に設けるということは大変重要なことだと思います。難病の患者のためには既に難病相談支援センターという窓口があるわけで、その窓口はどういう名称で、具体的にどういう人をそこに配置するイメージでいらっしゃるのか伺いたいと思います。

徳本難病対策課長補佐 窓口について、具体的な名称はまだ考えておりません。前回までの議論の中で、医療機関としての名称として、都道府県の難病診療連携拠点病院という名称を考えておりました。これについては、一部誤解があるのではないかという御意見もありますので、まずその名前は出さずに、今回の記載のところでは「都道府県難病診療連携の拠点となる病院」という形で、機能に着目した記載をしております。

 後半の質問のどのような機能、体制かです。それについては、厚生労働科学研究班の先生方に今実態調査等をしていただいておりますので、最終的にそういうものを参考にその内容をある程度お示しできるのかと思っております。今のところは明確にこれと出せる状況ではありません。

○本間委員 今のやり取りに関連してなのですが、そうすると患者側としては、例えば連携拠点病院に電話すると大代表が出てきて、難病関係の相談窓口をお願いしますと言ったら、そこへつながるようにしてもらわないと意味がないです。その辺はイメージにないのですか。

徳本難病対策課長補佐 窓口の名称が定まっていないからということと、今、本間委員からお話いただいたことは、切り分けて考える必要があるかと思っております。当然、都道府県が難病診療の連携の拠点となる病院を指定した場合、その病院の代表に電話をすれば適切な窓口の部署につないでいただけることになるかと思いますが、まだ窓口の名前は考えておりません。

○西澤委員 今、お話に出た指定班をお預りしているわけですが、そういう患者支援に関する研究班なわけです。現在、難病の制度の中でも難病医療拠点病院という制度があって、ここの一番最後の資料にありますが、現在、全国で119か所指定されております。その119か所の難病医療拠点病院が現在どのような機能を果たしているのか、どういう問題があるのかを研究班として今調査している段階です。その現状の問題点、あるべき方向性について、できる限り早急に今年中に答えを出して提言として出したいと思っております。

 現状のいろいろな問題点や、拠点病院が今果たしている役割についての情報を集めておりますので、できれば、こういう場所にできるだけ早くそれをお出しするのがいいと思いますし、その上で御議論いただければと思います。今、調査中で最終段階と思っていただければよろしいと思います。

徳本難病対策課長補佐 あと1つ、本間委員からの御質問についてです。先ほど名称等の話がありましたが、今回は医療提供体制の枠組みを報告書としておまとめいただくことになります。最終的に年度末に通知で発出することになると思います。それまでには委員の皆様方からの御意見を調整し、ある程度名称も提示しなければ、今の「都道府県の難病診療連携の拠点となる病院」という形で通知するわけにはいきませんので、ある程度それまでには名称を定めて都道府県に通知することを考えております。今この段階で窓口の名前や医療機関の名前を明示することはできないということです。

○千葉委員長 よろしいですか。窓口というとボワッとした名前に見えてしまいますので、具体性がないという御指摘についてはおっしゃるとおりだと思いますが、現時点では、まだそこまでしか言えないという説明だったと思います。ただし、西澤委員から御指摘がありましたように、実際に班が立ち上がって、そこのところをどのようにするのかというワーキングは進んでいると理解しております。

 それと、窓口と同時に具体的にやれる体制が整ってくるのかということ、名前と体制がきちんとできるのかという御懸念だと思います。これは、今課長補佐が言われたように大きな絵を書いて、その方向性をしっかり示すということが今回の作業です。そこのところを御意見としてしっかり捉えていただき、具体化していくということをしっかりやっていくことが重要ではないかと思います。そういうことを皆さんが認識された上で、この文言を認めていただくのかどうかということになろうかと思います。

 よろしいですか。ですから、今日、御意見をどんどん言っておいていただいたほうがよろしいということになりますので遠慮なくお願いします。

○福永副委員長 難病医療支援ネットワークについて、ここに関係機関の例と書いてありますが、当初、議論されていたように難病医療支援ネットワークの1つの組織としてはできないということで、結局、関係機関の所に相談するということになるわけですよね。例えば、診断不明で相談する所は、この関係機関ということになるわけで、1つの難病相談支援情報センターみたいな形の組織はできないわけですよね。

徳本難病対策課長補佐 それについては13ページの下から5行目、若しくは下から6行目、最後から5行目にありますように、難病医療支援ネットワークの体制整備の在り方については、今後この委員会で検討するという形にしておりますが、前回の御議論の中で、いわゆるどこか事務局的なおまとめ役があったほうがいいのではないかという御意見があったのは、我々は承知しております。

 そういう意味では、この今のプレーヤー、難病医療支援ネットワークの参加者は、当然、既にどこかで診療している個々の組織ですので、それを1つに集めるというよりは、どこか事務局的な取りまとめ役が必要という御意見は以前に頂きましたので、それをスタートとして今後どう在るべきかという御議論は、先生方から引き続き御意見を頂きたいと思っております。

○福永副委員長 それで、その全体の並びとして拠点病院が書いてあって、分野別、次に相談支援ネットワーク、次に協力病院、そして一般病院・診療所という並びになっております。ということは難病医療支援ネットワークは、診断の付かない例を拠点病院なり分野別の拠点病院というか、そういう所からネットワークに相談するというスキームになっているということを意味しているのですか。

徳本難病対策課長補佐 我々が思い描いている難病医療支援ネットワークのイメージとしては、言い方としては非常におかしい言い方ですが、難病の中の比較的に数の多い疾病に関しては各都道府県で、当然、診断及び治療はできるかと思いますが、難病の中には全国で100人若しくは10人ぐらいしかいないようなもので、各都道府県で、都道府県の難病診療連携の拠点となる病院や分野別の拠点病院では対応できないものもあろうかと思います。そういうものに関しては、ブロックごとと言わず全国の先生方の御協力を得て、診断及びある程度治療方針まで御教授いただいて、各都道府県の拠点病院の診療を支援するということを考えております。

○福永副委員長 そうしたらこの辺りを少し触れておかれたほうが、すっきりするというか、分かりやすいのではないかと思います。

○千葉委員長 一番最後の所に今後の課題という形で記載されておりますが、もう少し突っ込んでいただいたらいいという御指摘だったと思います。ここら辺は皆さん非常に懸念されておられるところで、正に残っている部分とも言えると思います。重要なポイントですので、よろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。

○益子委員 先ほどの窓口です。この窓口は早期診断につながるために、とても大切だと思います。ここに携わる人なのですが、希少な疾患で、あなたは、この病院に行きなさいと振り分けるのはそうとうの知識や経験もいろいろ必要で、どのような人が当たるのだろうと想像しました。やはり今後はAIの活用が必要になってくるのではないかと思うのですが、そういうことはお考えでしょうか。それから、それを盛り込んでいかなくていいのでしょうか。そこら辺を伺いたいと思います。

徳本難病対策課長補佐 AIについては、政府としてもICT活用の中で重要な位置を占めておりますので、将来的にはこういうものにしっかりと組み込まれていくものだと思います。今のところ現実的にAIで難病診療するというものが入ってきておりませんので、今ここに書き込む、今すぐAIを活用して診断するということは難しいところかと思っております。今後の見通しで書き込むということはあり得るかと思いますので、そこら辺は、また御意見を賜ることができれば調整が可能かと思います。

○本田()委員 5ページの上です。できる限り早期に正しい診断ができる体制の窓口の所です。病院の所を窓口にされていると思うのですが、現在、保健所等でも難病相談をやっていたり、保健師さんベースで専門家に診てもらう活動もあって、必ずしも医療機関が窓口ということでなくても、現在ある機能を十分いかしつつ、この体制に組み込んでいくことができるのではないかと思います。その辺りも少し加えていただけると現状の活動がよく見えてくるのではないかと思います。

○千葉委員長 これは、御考慮いただきたいと思います。

○西澤委員 今の話の前に、先ほどの質問に対してコメントいたします。現在の難病医療拠点病院の相談窓口について、どういう人員が配置されていて、どういう機能をしているのかについては、今、悉皆的に調べています。当然、難病について詳しい医師、MSW、保健師、プラスアルファで事務が要るとか、大体イメージはできると思います。どういう形が望ましいのかということについては、それぞれの自治体のこれまでの取組等も考えなければいけないことだと思います。

 現状のアンケートに基づいて、最低限こういう体制でどうかという提案ができるように今準備しております。ですから、配置について具体的なところは、これから検討されていくことになるのだろうと思います。特にコストをどこから出すのかということも含めてです。

2番目のお話は、当然、医療機関として相談ということは今までもしてきておりますが、それと、保健所がする相談や難病相談支援センターがする相談は、全くは重ならず、異質なものです。特に拠点としての病院がカバーできる範囲は非常に限定的なので、やはり福祉の面では相談支援センターが、あるいは地域に根ざしてというのであれば、これからは保健所という形で、それぞれが機能を持たなければ難しい。私は全部を拠点病院に合わせるということは無理だと思います。

○千葉委員長 そうですね。いかがでしょうか。今のお話に関連してですか。

○村田委員 はい。窓口という意味で相談される方の内容は、かなり多岐にわたると思います。自分の病気の診断が間違っているのではないか、違う病気ではないかということから、この病気でいるのだけれども療養相談といいますか、どのように生活していったらいいのかと、いろいろな種類があると思います。診断に関して言うと、御本人が窓口に直接電話して、こういう症状なのですがどこに行ったらいいのかということで、的確な診断が得られるとは到底思えません。そもそも非常によく分かる先生が聞いたとしても、診察してみると本人の訴えが異なるという場合もあるわけです。

 ということから言うと、正しい診断という意味では、やはり主治医がおかしいと思ったら、次の上のより専門的な病院に行きやすくするというルートをきちんとしていく、あるいは、専門家と称している私たちが、こういう場合にはこのように送ってくださいということを医師に伝えるということのほうがかなり重要で、それでもたまにそういうことに思いが至らない先生がいて、むしろ保健師のほうがよく分かっておられて、別の病院に行ったほうがいいのではないかと勧めて、来られる方もおられますので、そういういろいろな仕組みが必要です。

 窓口という意味で、質問されるときに、どういう内容なのかということを少し類型化しておかないと、窓口が全部のことをしなければならないとなると多分やっていかれないと思うので、そこはある程度機能分化して、こういう質問はここで受けますという形を作っていくべきかと思います。

○千葉委員長 はい、どうぞ。

○西澤委員 これまでの議論は、医療の提供体制についての議論をしているわけで、萬相談のことではないわけですよね。当然、いろいろな相談が来るとは思うのですが、もしそういう相談が来た場合には、当然、難病相談支援センターのほうがふさわしいとか、保健所のほうがふさわしいとか、そういうことを答えられればいいわけです。そこで全部のことを請け負うという意味では決してない。医療の提供がどういう体制であるべきかというのが今日の議論だと思います。

○村田委員 そこに診断の話が入ってくると、かなりの部分は正しい診断が得られていても、診断を受容できていなくて質問をされてくる、直接御連絡を頂くということがかなり多いし、難病相談もそうです。

○西澤委員 そういう相談は病院にも来ますし、相談支援センターにも実際来ます。ですから、それはそれぞれ振り分けて、より適切な所で相談を受けられればいいということだと思います。

徳本難病対策課長補佐 今、皆さんのディスカッションの中で、窓口は何する人ぞ、どんな相談ができるのという御意見で非常に盛り上がっていただいたところで、はたと気付いたのですが、やはり、たくさんの窓口があって、その住み分けをどうするのかというのが、まだまだ皆さんの中で混乱している部分もあるかと思います。

 今回、報告書をまとめるに当たって、報告書の文字面だけではなくて、参考資料を当然付けさせていただきますので、そういった意味で、今、難病患者さんにとっての相談窓口にはどんなものがあるのと、どんな相談を受けるのというのを、例えば今回準備させていただいた拠点病院の比較表のような感じで整備することで、より皆様の頭の中、そしてこの報告書を読んでいただく皆さんの頭が整理されるのではないかということが分かりましたので、そういう準備をさせていただきます。

○千葉委員長 今の議論は、(2)でも御指摘があったように、いわゆる就労とか生活の問題と、医療の問題が最初重なっているという春名委員の御指摘とよく似ていて、疾患、治療という面と、生活支援とか、そういったような面とが同じ窓口として語られているところの問題点が指摘されている向きもあったと思います。

 これは私の認識では、まだそこをしっかり仕分けるところまでいっていないと、そここそ正にこれからの問題点だと思いますが、ここで記載するときに、できるだけその辺が整理でるような形で工夫を頂く。恐らく皆さんの認識としては、私はよく似ていると言いますか、ほぼ一致していると考えます。現時点で整理できる限りで記載いただくことが重要ではないかと思います。窓口は極めて重要ですが、そこに議論が集中しているようですが、そのほかはいかがですか。

○羽鳥委員 窓口以外ということで、最後の所ですが、難病は病気の数も増えたということもありますが、同じように、希少がんとか、循環器でも珍しい病気とか、身の回りでしょっちゅう診る病気ではないものも、これからたくさん出てくる、あるいは見逃しているものもあるかと思います。例えば、希少がんとの比較とか、希少疾患、循環器でも内分泌でもいいと思いますが、そういう病気を、国として珍しい疾患については、それこそ神奈川県とか地域の県だけでは数例しかいないようなものを、全国でどう扱っていくのか、そういう仕組みを国として考えていただくことも大事ではないかと思います。

 そういう意味で、先ほど益子先生がおっしゃったようなAIを使った仕組みも、トップレベルの先生だけではなく、かかりつけ医の先生たちもある程度参考にできるような仕組みも作っていただきたい。こういう資料を見れば、もしかしたら、それこそこういう窓口に紹介できるかとか、あるいはダイレクトに専門病院へ行けばいいとか、そういうことも言えると思います。これからもっと増えてきたときに、医学部や研修医でも習わなかったという疾患も出てくると思います。そういう意味で、先ほど言った希少がん、遺伝子病、循環器、内分泌の希少疾患を比較するような仕組みを作っていただけたらと思います。以上です。

○千葉委員長 よろしいですか。これは難病以外の疾患単位との整合性、あるいは協調、連携、そういう辺りをお願いしたいという御指摘だったと思いますが、よろしいですか。

○西澤委員 5ページの(1)、先ほど補佐が年度末に通知を各自治体宛てに出すとおっしゃったのですよね。自治体に出るわけですので、そうすると今の先生のお話とも重なるのですが、極めてまれな病気等々で、日本以外の国に診断を頼まなければいけない場合とか、あるいは自分の県では対応し切れないということは、当然予想される。実際、起こるわけです。我々は既にそういうことをしているわけですが、その仕組みを作るときに、全国レベルの窓口とうまく組み合わせて対応するということだけでは、具体的にどううまく組み合わせるのだというお話になると思いますので、もう少し丁寧な書き込みを、具体的なところを書いていただいたほうがいいのではないかと思いますが。

○千葉委員長 よろしいですか。おっしゃられたように、今年末ぐらいには、一応、認定患者数の集計が上がってくる可能性があると聞いております。それが出てきたときに、現状を踏まえて、恐らく今後の問題点等々が出てくると思いますので、そういうことを踏まえた上で、今後、是非考えていくべきだという辺りの文言が入っているほうがいいという御指摘だったかと思います。少し御考慮いただけますかね。

徳本難病対策課長補佐 今頂いた御意見については、どこに入れ込むかというところがまず問題になってくるかと思います。その辺も含めて、後で御意見を賜れればと思います。

 先ほど羽鳥委員から頂いた指定難病とか、難病以外の他の疾病に関してということで、恐らく現場で診ていらっしゃる臨床の先生方、かかりつけ医の先生方からすると、そういうお悩みは多々あろうかと思います。それは先ほど益子委員からも頂いたAIの話等も含めて、どのように対応していくかというのは、うまく今後の対応として書き落とすようには考えていきたいと思います。

○千葉委員長 (3)(4)辺りいかがですか。(3)は、正に遺伝子関連検査ですが、実施体制を整備していくと同時に、患者さん、御家族の懸念であるカウンセリング体制の充実、この2つがうたわれていて、ポイントとしては正にこの2つと思いますが、何か御意見はありますか。

 それと(4)の小児慢性、小児期から成人期への移行。今回、難病として小児慢性疾患から成人、この指定難病に幾つか入ってくるということも併せての文言が書かれていると思います。この点について何か追記等々、御意見はありますか。それ以外でも結構です。

○駒村委員 数回参加できなかったので、追い付いていくのが大変です。6ページの上段の所で、「就学・就労と治療を両立できる環境整備を医療面から支援する体制を構築する」という問題意識があるわけです。これは非常に期待したいなと。特に、大きな企業でも、企業の人事部に調査へ行くと、難病に関する理解というのはかなり少ないのではないかと思っておりますので、そこはちゃんと概念図のほうにも企業の存在はあるので。少し気になるのは、7ページにも就学は出てくるのですが、学校とのコンタクトというのはどういうルートでつながるのか。大学関係者という気持ちもあるのですが、その学の部分との情報共有と言いますか、動きはどこかに入ってくるのでしょうか。見当たらないので確認させてください。

上村難病対策課長補佐 就学との両立支援に関しては、小児慢性特定疾病児童等への支援の一部として、就学と治療との両立が大事になってきますので、今後、社会保障審議会児童部会で、小児慢性特定疾病患児への支援の在り方に関する専門委員会を開催する中で考えていきたいと思います。

○千葉委員長 これは就学となりますと、正に小児慢性での対応が非常に重要になってきます。もちろん、こことの関連もあるわけです。そこで、今後検討していただくというお話でしたが。

○駒村委員 これは、全ての教育機関を対象に検討されるということでいいわけですね。

○大澤委員 今、具体的には、難病のある患者さんが就学をするときには、教育委員会へ患者さんに相談に行っていただいているのですが、教育委員会に相談に行っていただくときに、医師のほうからの診断書を付けて、こういう配慮が必要ですということをお願いしています。

 具体的に実際にスロープを付けてほしいとか、エレベーターを付けてほしいとか、あるいは夜盲の患者さんは電気を明るくしてほしいとか、そういう問題が出てきたりもするのですが、実際には、経済的なことが絡んで、1年、2年前からお願いしていても、なかなか予算の獲得ができないという問題が出てくる場合もあります。

 前回、五十嵐先生が就学とおっしゃったのは、今は成人になってというか、18歳以降、大学生になったり、専門学校の生徒さんになったりする方もいますので、そういう部分も含めてということだったと思います。ただ、大学になると必ずしも教育委員会にうんぬんということは、今はルートが全くないと思います。

上村難病対策課長補佐 御意見を頂きました。文部科学省ともよく相談をしながら進めさせていただきたいと思います。

○千葉委員長 駒村先生が言われたように、全てにということになります。ですから、子供さんのときから大学も含めてというか、そういうことでしょうね。よろしくお願いします。ほかはいかがですか。

○春名委員 6ページの各医療機能と連携の在り方の所で、個別に役割と医療機関に求められる事項が整理されているわけですが、先ほどの分かりやすい図、就労と医療支援の仕組みの図に戻ると、直接医療機関が関わると思われるようなこと、例えば難病診療連携拠点病院の早期の診断とか、情報提供の話とか、あるいは地域の医療機関での両立支援のための意見書の作成とか、あるいはハローワークの所の個々の疾病の特性を踏まえた就労支援とか、難病相談支援センターの所も医学的情報を踏まえた~とかあります。こういうところは医療機関の取組や連携がないとできないところですので、具体的な役割とか、求められる事項の所でうまく含めていただく必要があるのではないかと思います。

 改めて先ほどの図を見ますと、例えば、難病診療連携拠点病院の所で、難病・治療の一般的情報提供だけではなく、ここの段階で、例えば、就労支援の情報があるとか、ここで仕事を辞めないほうがいいとか、そういう情報提供も必要かと思います。あとは難病情報センターでも確か疾病に関する情報ではなく、コンテンツは古いのですが、就労支援に関する情報提供などもあったように思います。そういうところで幅広く情報提供をする取組もあったかと思います。

 今回、まだ十分ではなかったと思いますが、せっかく役割とか、求められる事項が具体的に書いてありますので、ここの所で明確に書いておかないとなかなか医療機関でも具体的な取組がしにくいのではないかと思いますので、よろしくお願いします。

上村難病対策課長補佐 今の春名委員の御意見に関して、報告書の「各医療機能と連携の在り方」の各医療機能については、年度末に都道府県にお示しをするモデルケースを念頭に置いて書かせていただいております。都道府県におかれましては、平成30年度の医療計画に向けて、書くときに当たっての参考となる予定になっております。

 難病の医療拠点病院に関しては、都道府県に指定をしていただくことにしているので、就労支援についても参加していただくことを1つの要件ということでお示しをさせていただいております。ただ、地域レベルの医療機関にまでは都道府県に指定をするとか、そういったことは考えていなかったので、医療機能の所には役割として書いていなかったのですが、難病の医療提供体制の在り方という全体像を踏まえたときにどうあるべきかということを考えたときに、書くことも考えさせていただきたいので、関係部局と調整をさせていただきたいと思います。また、情報の提供の在り方についても、就労支援に関するものについての関係部局と協力しながら連携させていただきたいと思います。

○春名委員 非常に重要なことですが、やはり、今まで難病医療機関としては馴染みがないというか、余りやったことがないことが多いので、そういうところをできるようにすると、全体のほかの機関も非常に取り組みやすくなると思います。そういう趣旨ですので、よろしくお願いします。

○鶴田委員 この報告書のはじめにの、国は「具体的なモデルケースとして示す」と書いてあるところに拘束されるから、この報告書の内容になっていると思います。しかし、この報告書の表題は、「難病の医療提供体制の在り方」であり、この観点からすると、書く場所としては、第3の「難病の医療提供体制構築のための留意事項」か、若しくはその前かと思いますが、この中で、国が何をすべきかを書くべきで、この報告書には国の役割が書いてない。

 私は医療提供体制を構築するのであれば臨床医育成、若しくは研究者の育成とか、臨床に対する研修とか、若しくは財政的な支援としての診療報酬上の位置付けとか、施設整備、診療マニュアル、そういうものは国でできると思います。この報告書は都道府県と病院に対してだけが書いてあり、国自らが何をするかというのが書いていないので、国として診療体制をどう構築するか幾つかのことを書くべきではないかと思います。簡単に言うと、人の育成とか、研修とか、診療マニュアルを作るとか、幾つかあり得ると思います。もちろん財政的には、財務省との交渉等があるので、ここでは書きにくいのかもしれませんが、診療報酬上、こういうものを付ければより病院として取り組みやすいとか、そういうのがあると思います。

 あとは書き方の問題です。7ページの「就学・就労」の所に「産業保健総合支援センター」が入っていますが、これは事業主と労働者を中心として相談を受ける所なので、国民みんなが受けられる施設とは違うのではないか。最近変わったかもしれませんが、基本的にはそういうふうに作られたと思います。国民の方々がこれを見て、そこに行けば相談に乗ってくれるのかというのは少し疑問があります。

○千葉委員長 最初、国の役割のお話でしたが。

徳本難病対策課長補佐 今、鶴田委員からお話があった国の役割については、従前より厚労省としては拠点病院の方に対してとか、訪問相談員に対してとか、ホームヘルパーの皆さんに対しての研修等を行ってきたところです。

 具体的に国の役割については、実はこの策定に当たる大元たる基本方針のほうで、多々書かれているので、改めてというところはあるかもしれません。そういった意味で、今、行っているもの等含めて、どこかに書き込めるかどうかは改めて検討したいと思います。

 今御説明した基本方針との関係性については、13ページの下から6行目、難病対策基本方針において国が行うとされている、難病医療支援ネットワーク体制の整備の支援の在り方等に関しては、今後、議論するということで、国の役割の部分の一部は、今後の議論の対象になっているというところです。

○千葉委員長 今の御意見は、更に考慮いただいてということです。よろしいですか。

○五十嵐委員 お願いが2点あります。まず、1つは6ページの上の(3)遺伝子関連検査の件です。これは前回の委員会でいろいろ問題があるということが御紹介されたわけですが、具体的にこれからどうするかということは、確かに時間もなくて、ディスカッションできなかったと記憶しております。13ページの下のほうに「本委員会で議論することとする」と書いてありますが、具体的にはいつぐらいに、この報告書に入れるかどうかは別として、できるだけ早く関連している方を集めて議論することが必要だと思いますので、よろしくお願いします。

2点目は、13ページの一番下のほうですが、いわゆる小児期からの患者さんが大人になったときに、いわゆるトランジション問題について、ここでは小慢への支援の在り方に関する専門委員会で検討されると書いてあるのですが、これは私どもの経験からしても、小児期、あるいは小児への医療提供体制に関係している方たちだけの議論では結論が出ませんので、できれば成人の難病の委員会と合同でやるとか、そういうことも将来考えていただいて、今回はもちろん無理だと思いますが。そういう形を取らないと、なかなかトランジション問題が改善しないと思いますので、その点について御検討をしていただきたいと要望いたします。

○千葉委員長 関連して。

○渥美委員 関連して、この報告書ということで御意見を申し上げたいと思います。11ページ、小児を全く診療しないのは内科だけということで、普段、内科医と小児科医はコミュニケーションがありません。基本的には、内科と外科はしょっちゅう合同カンファレンスをやりますから、顔が見えてお互いに意見交換をしますが、内科と小児科医はそういうものが全くありません。

 今回、この問題、10ページの終わりから書いてあります、これを担当する医療機関のことが書いてあって、読んでいくと、全部、通常、日常診療で行われていることなのです。例外が、11ページの真ん中ぐらいにある成人期の医療機関の2つ目の所で、小児慢性の状態に応じて、小児期診療科を含めた必要な診療科と連携をするのが成人期の医療機関だと。これが通常の医療機関でできていないところなので、ここだけ具体的な提案として、私の提案ですが、「小児期診療科を含めた必要な診療科と」の後ろに「合同カンファレンスの実施等を含めて」連携することと具体的な提案がされるといいかと思いました。

○千葉委員長 極めて具体的な御提案だったと思いますが、御考慮をお願いしたいと思います。関連ということですね。

○羽鳥委員 実地医家だと、内科、小児科は結構、あるいは1人でやっていらっしゃる先生もいるし、内科と小児科の合同の勉強会は多いかと思いますが、先生のおっしゃるように、病院に行ってしまったりすると、そうだなという感じがいたします。

 もう1つ、五十嵐先生がおっしゃっていた6ページの遺伝子関連は、やはりボリュームを3倍か4倍ぐらいに増やしてくれないと、前回の先生のお話が全く無駄になってしまうので。1つ参考資料として、日本医師会が2年間、昨年、一昨年とかけて、生命倫理懇談会と、日本医師会学術推進会議で行ってました遺伝子ビジネスを批判するという観点から書いた冊子がありますので、答申書を是非参考にしていただきたいということをお願いしたいと思います。

 あと先ほど鶴田先生からお話があった国のやるべきことということですが、私も学術担当ということで学生の教育、初期臨床医の教育、専攻医の教育、それから、生涯教育ということをやっているのですが、やはり、一貫性のある教育が大事だと思います。やはり、文科省の方にも参加していただいて、医学教育の初期から、是非、こういう疾患があり国のこういう仕組みがあるということを、試験に出るから一生懸命覚えるとか、そういうことはやるのですが、身近なものとして感じて、いかに臨床の場で役に立てていくかという観点から、そういうことを是非協同して、作業していただきたいと思います。

○千葉委員長 後のほうは、広く国の役割について御留意を頂きたいということだったと思います。

○本間委員 患者側から是非お願いしたいのは、11ページの一番下、情報公開の件です。ここのところは恐らく来年の4月以降、こういう形で全容が整い次第、各都道府県レベルでホームページでアップしていくことになるのではないかと思います。そのときまでに先ほどの窓口の件も含めて、具体的にどこにどのような形で連絡すればいいのか。

 それから、協力病院ですが、分野別病院ならどういう分野の診断、治療が可能なのかというところを、参考資料のポンチ絵、「難病患者を対象とする就労・両立支援の仕組み」の図に基づいた形で、病院名も含めて、連絡先、ホームページ、メールで受け付けるならメール先とか、そういう一覧表を、全都道府県に是非、義務化するようにしていただきたいのです。ただ、都道府県に任せると、相当凸凹が出る可能性があります。決まらない所はいつまでも決まらない可能性もあるので、むしろ難病情報センターから入れるような形で、この件ならこちらから入ると。そういうふうにリンクさせるような形で、とにかく全国の難病患者がどの県も見られる形で情報の透明化、いわゆる見える化を進めていただきたいということを強くお願いしたいのですが、可能でしょうか。

徳本難病対策課長補佐 まず、本間委員から御要望を頂いた案件に関しては、先送りにするような印象を与えるかもしれませんが、難病医療支援ネットワークの具体的な運用に関する内容だと今思っております。それについては、今後皆さん方の御意見を賜りながら作っていきたいと思います。事務局の思いとしては、やはり、難病患者さんにとって必要な情報提供を、ちゃんと47都道府県からお願いする形になるかと思います。だから、どういう情報が必要なのか、全ての情報を患者さんに提供すべきなのか、それとも誤解を生むので、大体この程度でいいのではないですかということも含めて、専門家から、そして患者団体の皆様からも御意見を頂きながら作っていきたいと思います。本日は大枠な話になって恐縮ですが、細部については、今後御意見を頂けたらと思います。

○千葉委員長 強い御要望ということだと思います。ここの文言に入れるかどうかは別にして。

○西澤委員 国の役割ということで1つお願いをさせていただきたいと思います。これは災害医療のことです。地方へ行きますと、現在の拠点病院は大体災害の拠点病院としても機能することになっているので、是非、そこに難病という視点を加えて文言を加えていただければと思います。

 逆トリアージという言葉が昔からあって、重大な災害になればなるほど、難病の患者さんの対応はむしろ難しくなってしまうので、そういう視点が必要だと思います。是非、加えていただきたいと思います。

○千葉委員長 重要なポイントだと思います。ですから、最後の辺りに、今後の課題という形で入れていただくなり、少し工夫をしていただくことが必要ではないかと思います。

徳本難病対策課長補佐 これまで災害について余り触れてこなかった。逆に言うと、今回はかなり議論の対象を限定してやってきたところですので、どこまで書くのが、これまでの議論と齟齬がないのかということも含めて、西澤先生と千葉委員長と相談して、可能な範囲で記述を考えていきたいと思います。

○千葉委員長 ほかはよろしいですか。

○森委員 窓口であるとか、逆紹介ですが、是非、丁寧に行っていただけるようにお願いしたいです。医療機関名だけをポンと言われて投げられても、なかなかこちらから伝えることもできませんし、うまくそれで紹介したとはなりません。

 今はまだ現状としては、紹介状すらなかなか書いていただけない所があったり、同じ病院の中で、他の科に行ったとしても、カルテだけは回っているが、どうされましたかということで、また、聞かれて、一からまた説明しないといけないというところで、目的があって紹介されて行っているのに、同じ病院の中でもそのような状態いうことがありますので、是非、詳しく。なかなか患者と医師のコミュニケーションというのはそう簡単ではありませんので、医療機関同士でその辺りはしっかりと行っていただくとか、窓口からの連絡を丁寧に行っていただけるようなシステムになっていくようにお願いしたいと思います。

○千葉委員長 今の御意見は非常に重要です。それをいかにシステム化するか、制度化するかというのが、1つは大事なポイントだと思います。それこそ、この委員会で検討すべきことでありましたし、今後、具体化していくときに重要なポイントになるかと思います。よろしいですか。恐らくまだくさん御意見はあるかと思いますが、これは大きな大方針ということで、今回取りまとめていただくところを基に、今後具体的な話を進めていただくことになるかと思います。正に窓口のところでいろいろな御懸念が出ましたように、今後、具体的にどうしていくのかということは極めて重要ですので、その点を皆さんで問題点として共有して、この会を締め括りたいと思います。

 最後の懸案事項というのは、これは今後更に議論を詰めて、進めていくことを確認したいと思います。長時間にわたり、大変ありがとうございました。この報告書の案については、今日のみならず、前回、前々回頂いた御議論を全て合わせて、委員会としての一定の整理とさせていただきたいと思います。

 本委員会で頂いた御意見などを踏まえて、報告書案についての修正等必要な点については、委員長に御一任いただきたいと思いますが、それでよろしいですか。

                                 (異議なし)

○千葉委員長 それではどうもありがとうございました。事務局から追加事項がありましたら、よろしくお願いします。

徳本難病対策課長補佐 委員の皆様、ありがとうございました。今回の議論をもちまして、委員会としての一定の整理を頂きましたので、今後、本日の委員会で頂いた御意見などを踏まえ、最終的な報告書案については、事務局で取りまとめをしたいと考えております。なお、次回の難病対策委員会の日程等については、改めて御連絡させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○千葉委員長 ありがとうございました。それでは福島健康局長から最後に御挨拶を頂きたいと思います。

福島健康局長 委員の先生方には、日頃から難病対策のみならず、健康行政全般について御指導を頂きまして大変ありがとうございます。

 この難病医療対策の御議論は43回の委員会から3回にわたって頂いたわけです。この議論のポイントは、やはりいかに早く診断が付けられるか、診断後に円滑に身近な医療機関で治療が受けられるようにするか。こういうことを中心に御議論を頂いたわけです。これを中心に報告書をまとめさせていただきたいと考えております。

 また、今日もいろいろな御意見を頂戴しましたが、この報告書、あるいはこの検討会の中でもほかの宿題事項といいますか、医療体制のことについても宿題を頂戴したと考えております。これらについてもまた引き続きどういう形でするか、この委員会にするのか、また別途専門家にお集まりを頂くのか、進め方についてはまた考えさせていただきたいと思います。そういうことも含めて宿題を頂戴したと考えております。

 今日、頂戴した御意見を含めて報告書をまとめて、先ほど事務局からも説明がありましたが、平成30年度から新しい医療計画ができますので、来年度、各都道府県が医療計画の見直しをするという時期になっております。難病についても任意的記載事項になっているわけですが、基本的には全都道府県で難病医療体制についても記載はされております。今日は、これまでの御議論を通知の形で反映させていただいて、それに基づいて各都道府県でそういう御議論を進めていただいて、実際の難病医療体制がそれぞれ各都道府県で進むように、そういう形で是非活用させていただきたいと考えております。

 いずれにしても、これまで熱心に御議論を頂きまして大変ありがとうございました。改めて御礼申し上げます。また引き続き御指導を頂くことをお願い申し上げて、簡単ではありますが、終わりに当たってのお礼の御挨拶にさせていただきます。誠にありがとうございました。

○千葉委員長 どうもありがとうございました。これで終わりということではなく、まだまだこれからですので、皆さん是非ともよろしくお願いします。ありがとうございました。


(了)

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