ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会))> 平成27年度第8回DPC評価分科会・議事録(2015年11月30日)
2015年11月30日 平成27年度第8回DPC評価分科会・議事録
○日時
平成27年11月30日
14:00~15:09
○場所
中央合同庁舎第5号館 専用第12会議室
○出席者
【委員】
小山分科会長、池田委員、石川委員、井原委員、金田委員 |
川上委員、川瀬委員、小林委員、瀬戸委員、竹井委員 |
福岡委員、伏見委員、藤森委員、箕浦委員、美原委員 |
山本委員、渡辺委員 |
【事務局】
医療課長、企画官 他 |
○議題
1.中医協への報告結果概要について
2.平成28年度改定に向けたDPC制度(DPC/PDPS)の対応について検討結果(案)
3.機能評価係数2について(その4)
○議事
○小山分科会長
定刻となりましたので、これから、平成27年度第8回「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を開催いたしたいと思います。
年末の大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
一応予定では、この第8回で28年度改定の話はできれば終了したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
委員の出席状況でありますけれども、猪口委員と緒方委員が欠席という連絡を受けております。恐らく石川委員は遅参して来られると思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、事務局より本日の資料の確認をお願いいたします。
○事務局
事務局でございます。
それでは、資料の確認をさせていただきます。
資料はD-1、D-2、D-3、D-3参考1、D-3参考2となっております。過不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
○小山分科会長
それでは、議事に入らせていただきます。
まず最初の議題は、「中医協への報告の結果概要について」を議題といたしたいと思います。
事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局
事務局でございます。
それでは、資料D-1をお手元に御準備ください。「中医協への報告結果概要について」です。
平成27年11月20日、中医協基本問題小委において、DPC評価分科会から、「退院患者調査の見直しについて(その2)」及び「中間取りまとめ」の報告が行われました。
その際に、基本問題小委でいただきました主な御意見に関しまして、御報告させていただきたいと思います。
まず、「退院患者調査の見直しについて(その2)」でございますが、1つ目の○、簡素化するA案に関して特段の意見は出ませんでしたが、一部、C案のほうがよいのではないかという御意見も頂戴したところでございました。
また、2つ目の○でございます。今回の定義見直しに伴い、以前との経年的な比較はできなくなるため、今後も真摯にDPC制度の導入の影響を評価するべきであるという御意見を頂戴しております。
また、「中間取りまとめについて」でございますが、1つ目の○、出来高報酬制度とDPC制度での診療報酬上の違いを示してほしいという御意見でございました。こちらは、いわゆる診療報酬に関する議論でございますので、事務局から別途資料を作成させていただきまして、基本問題小委のほうで直接御議論いただきたいと考えております。
2つ目の○でございますが、DPC制度においてはアップコーディングが起こりやすいのではないかという御意見を頂戴しておりました。
D-1に関しましては、以上でございます。
○小山分科会長
ということでもって、中医協に報告をしてまいりました。とりあえず中間取りまとめということで御報告させていただきましたが、ここには出ておりませんけれども、資料が多過ぎるというか、内容が濃過ぎるとか、非常にDPCはどんどん複雑化しているというような御意見もありましたけれども、全体の意見は、こういうことでもって意見を承りまして、本日もう一度再確認をいたしまして、最終案として中医協のほうへ報告したいと思いますけれども、何かこの報告の結果概要について御質問あるいは御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
○金田委員
金田です。
中間取りまとめの上の○の出来高とDPC制度の診療報酬上の違いでありますけれども、これは、出来高評価では、その病院が二次医療圏や三次医療圏で果たしている機能や役割の評価はできませんけれども、DPC制度なら診療報酬でこれが可能になります。経済財政諮問会議等での厳しい議論を見ても、各病院の果たしている機能や役割の診療報酬による適切な評価は、今後ますます重要になってくると考えます。
以上です。
○小山分科会長
ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。中医協への報告に関して何か、よろしいですか。
よろしければ、こういうことで、再度、きょうこれから2つ目の議題におきまして検討結果の検討をしていただきます。
それでは、その次、「平成28年度改定に向けたDPC制度(DPC/PDPS)の対応について検討結果(案)」を議題といたしたいと思います。
事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局
事務局でございます。
お手元に資料D-2を御準備ください。「平成28年度改定に向けたDPC制度の対応について検討結果(案)」という資料でございます。こちらを小山先生に、また次回以降の基本問題小委のほうに報告させていただければなと考えております。
内容としましては、全体的に見やすくしたということで、それぞれの対応案の概要というものを頭につけております。また、前回よりの変化、変わった部分をかいつまんで御説明させていただきたいと思います。
ページをおめくりいただきまして、9ページ目、10ページ目あたりでございます。各係数への配分についてでございますが、こちらは現在までは、対応する指数、調整を行う指数というものを明示させていただいておりましたが、事務局で検討したところ、11ページにまとめがありますけれども、保険診療指数、カバー率指数、救急医療指数に関しては標準化を行わないということでございましたが、地域医療指数に関しましても、いろいろな要素が複合的に重なった指数でございますので、標準化が難しいというところで、標準化の対象からは外させていただいております。
その他、一覧として11ページに記載してありますように、係数の標準化の対象とするかどうかということは、○として示させていただいております。また、重症度指数に関しまして、今回新しく新設するということですので、標準化するかどうかに関しましては、改定に用いるデータで検討をした上で、基本問題小委のほうで御議論いただくという形にさせていただこうと考えております。
そのほかには、19ページ「『診断群分類点数表で表現しきれない重症度の差』について」でございますが、こちらの説明内容をもう少しわかりやすくしたということと、医療機関ごとの重症度係数の計算式というものを20ページに記載させていただいております。こちらの重症度指数に関しましては、包括範囲の出来高実績の点数と診断群分類点数表との乖離が現在あるというところを評価するものでございますので、いわゆる救急医療指数で既に評価されている救急入院2日目までの包括範囲の出来高点数は除外するということで、評価の方法が二重評価にならないような方法をとるということでございます。
また、当該評価に関しまして、医療機関群別の評価とするということを記載させていただいております。
続きまして、36ページ「重症度を考慮した評価手法(CCPマトリックス)について」でございますが、01、脳血管疾患に関しましても検討が終了しましたので、今改定においては、MDC01、04、10の脳血管疾患、肺炎、糖尿病について試行的に導入をさせていただいてはどうかという御提案になっております。
続きまして、44ページ目以降でございます。こちらは全く新しい部分になっておりまして、「診断群分類の見直し」ということで、いわゆるMDC作業班のほうでの検討結果が出てまいりましたので、その部分に関して報告をさせていただこうと考えております。
「1.平成28年度改定に向けたDPC見直し作業概要」でございますが、基本的な考え方としては、以下の4項目の基本方針に基づいて診断群分類の妥当性の検証及び見直し案の作成を実施しているところでございます。
まず1つ目が、医療資源同等性が担保されているということ。2つ目に、臨床的類似性が担保されているということ。3つ目に、分類は可能な限り簡素でありまして、分類のコーディングに際して、臨床現場の負担が少ない。また4つ目、その他制度運用上の問題が生じないような基本的な考え方に基づいて検討をさせていただいております。
また、これまでの検討結果概要でございますが、MDC毎の臨床の専門家32人及び統括2人により構成されるDPC検討ワーキンググループにおきまして、配布・回収した調査票に基づきまして、下記の見直しを行っており現在も複数班で作業を並行して行っているところでございます。内容としましては、ICDコードと傷病名、DPCの上6桁と呼ばれるところでございますけれども、そこの適切な関係の検討。2つ目として、重症度、手術、手術・処置等1及び手術・処置等2の見直し。3つ目として、定義テーブルの精緻化。4つ目として、CCPマトリックスの試行的導入に向けての検討を行ってきたところでございます。
DPCの見直し作業については、平成26年7月から平成26年12月の6カ月分のデータを用いまして、退院患者調査に基づいて実施しております。平成28年度改定は平成26年10月から平成27年9月の12カ月分のデータを用いて集計を行うため、データセットが完成した後に、当該データを活用して最終的な調整を行いますというところです。
具体的な見直し内容ですが、45ページ目以降に検討結果が記載されております。見直しの具体例についてですけれども、いわゆるICD-10コードと傷病名の対応を整理したものが、以下のようなものになっております。頭頸部の悪性腫瘍の悪性黒色腫の部分を黒色腫としてまとめることができないかということで、以下のような見直しを行っております。また、見直しの具体例の下のほうでございますが、手術・処置等2の整理でございます。レジメン別分岐をふやすのではなく、主となる薬剤で対応することで薬剤の分岐を整理いたしました。
46ページ目、具体的な見直しの概要でございますが、高額薬剤として別途告示をさせていただいていたものを見直して、分岐を新設するという対応がなされております。
また、最後に、CCPマトリックス見直しの試行的導入に向けた検討結果の概要でございます。
47ページ目以降「平成28年度改定に向けた今後の検討作業方針」でございますが、点数設定方式Dの適用につきましては、引き続き検討させていただきまして、基本問題小委のほうへ報告をさせていただく、お諮りさせていただくということにさせていただいてはどうかというところです。
定義副傷病の検討に関しても、同様に、データから見て客観的に定義副傷病の設定を行う検討を行っております。
3つ目でございますが、新たな技術等の保険収載に伴いまして、定義テーブルの修正を行うということ。
48ページ目、最後でございますが、新規に保険収載や効能が追加され、出来高算定の取り扱いになっている薬剤、いわゆる高額薬剤でございますけれども、そちらのほうに関しましてもデータを見つつ、分岐として設定する、または包括の点数を設定するということで対応できないかということを検討させていただくという方針でございます。
資料D-2に関する説明は以上でございます。
○小山分科会長
ありがとうございました。
おおむねは前回とそれほど大きく変わっておりませんので、とりあえず最初から8ページの総論の手前まで、ここまでは全く前回と同じで、ただ、説明の仕方をわかりやすくするために対応方針(案)を一番上に持ってきたという経緯でありますけれども、ここについては特に御意見はございませんか。
それでは、その次の、今回ちょっとつけ加わったのが各論の11ページのところです。見直しの概要のところでもって、このような機能評価係数が1から7まであったものを、現行どおりが3つで、見直しが3つに、プラス新設が1つということでありますけれども、これについて何か御意見ございますでしょうか。
○美原委員
教えていただきたいのですが、ここのところで機能評価係数の標準化という言葉を使われていると思うのですが、その標準化というのはどのような意味なのか教えてください。
○小山分科会長
事務局、お願いします。
○事務局
事務局でございます。
こちらは、9ページにあります各係数への配分、重みづけについてでございますが、係数ごとの重みは、今回等分するというところで対応方針とさせていただいておりますが、その中での分散の均てん化を今回、標準化と記載させていただいているところでございます。
○小山分科会長
よろしいですか。では、11番の各論のところはよろしいですね。
それでは、12ページ以降、18ページまで、これは内容は前回とほとんど変わっていないのですけれども、特に御意見はよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、19ページ、重症度の差についてのところがもう少し丁寧な説明になっておりまして、隣の20ページを見ていただきますと、具体的な計算方法が出てまいります。ここについて、何か御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
金田委員、どうぞ。
○金田委員
金田です。
20ページの一番下にあるように、これは医療機関ごとでなくて、医療機関群別の評価ということでよろしいですね。
○小山分科会長
事務局、お願いします。
○事務局
事務局でございます。
ちょっと誤解を招くような記載方法になっておりますけれども、いわゆる医療機関別の設定でございますが、群ごとの評価ということになっております。
○小山分科会長
では、川瀬委員。
○川瀬委員
これを採用することによって、激変緩和というのはほとんどゼロに近づくという見通しができているのでしょうか。もしかすると、まだそういう具体例が出ていないのかもしれませんけれども、教えていただけたらと思います。
○小山分科会長
事務局、お願いします。
○事務局
事務局でございます。
激変緩和の対応に関しましては、今後、また基本問題小委のほうで実際のデータセットを見ながら議論をさせていただければなと考えております。
○小山分科会長
方向性を決めて、まだ25%残っていますので、激変緩和は25%のところで、もうちょっとできるという考え方の中で動いているという考えでよろしいですね。30年度にはなくなるので、その前段階というような意識でいていただければと思います。よろしいですか。
それでは、22ページ以降のところ、特定入院期間越えの出来高算定ルールのところですが、第 III 日、入院期間IIIの点数のところ、これはずっと前回と同じであります。
それから、検証結果です。28ページからの影響評価のところ、持参薬のところ、CCPマトリックスのところ、37ページ目の退院患者調査見直しのところ、ここら辺のところは前回と全部同じですけれども、改めて御意見がありましたらお願いいたします。よろしいですか。
どうぞ。
○川瀬委員
確認だけさせていただきたいのですが、29ページの「再入院ルールの変更」のところなのですが、分類不能コードを用いた場合という、この分類不能コードというのは、末尾9のことなのですか。それとも、MDCの2桁で言う18ということを言っているのか。済みません、この辺は勉強不足かもしませんが、教えていただければと思います。
○小山分科会長
事務局、お願いします。
○事務局
事務局でございます。
こちらで示しております分類不能コードというものは、いわゆるDPCの上6桁に結びつかないICDコードのことを示しております。例えば嘔吐であるとか、漠然とした病名でICDコードは付与されるけれども、DPCの6桁とは結びつかないIDCコードのことを指し示しております。
○小山分科会長
よろしいですか。
○川瀬委員
ということは、例えば処置・手術の合併症とか、そういうものはここには今までどおりの別の再入院ルールで言う、そのままのものということでよろしいですね。そこは変わっていないということですね。
○事務局
事務局でございます。
御指摘のとおりでございます。
○小山分科会長
ありがとうございました。
それでは、44ページ目からが今回新たに加わったところで、診断 群分 類の見直しでもって、コーディング委員会の取りまとめをここへつけ加えさせていただきました。これに対する御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。よろしいですか。
よろしければ、きょう、この検討結果(案)のところを中医協に報告に持っていきたいと思いますけれども、今お話を聞いた限りでは、特段の御意見、御要望がないですので、検討結果(案)につきましては、後日、診療報酬基本問題小委員会にこの形で報告をさせていただきますが、よろしいですか。ありがとうございます。
どうぞ。
○美原委員
ちょっとだけお聞きしたいのですが、先ほどの19ページの重症度の問題なのですが、基本的にはこれは、今までの診療報酬上で評価されたものがたくさん投下されているから重症だと、こういう意味で捉えているわけですね。
○小山分科会長
事務局、お願いします。
○事務局
事務局でございます。
名称が重症度係数ということで、評価指標の計算式でも分子に包括範囲の出来高点数ということで、医療資源の投入量が多いものが重症なのかという御指摘かと思っておりますが、確かに出来高点数イコール重症なのかということで、そこを結びつけてしまっていいのかという御指摘はごもっともだと思っております。ただ、ここの部分はある意味、診断 群分 類の精緻化をして、点数表の精緻化をしてきたけれども、その中でもどうしても出てしまうアウトライヤー的な患者さんであるとか、その方を仮に重症というふうに仮定しての重症度係数という名称にしたというところでございます。
○美原委員
よく理解しているのですが、今、くどいようですが、認知症とかは全然、診療報酬上で評価されていないのが、このままずっと行ってしまうことを少し憂慮しているわけです。つまり、今ある点数で重症だ、重症ではないと決めていくと、それが置き去りにされないようにしてほしいというのが私の意見です。
もう一つ、そのところで、医療機関別の評価というのは、具体的には、I群はそうです、II群はそうです、III群はそうですと群ごとにやるということでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
20ページの一番下の○の部分が誤解を招くような表現になっておりますけれども、群ごとの中での評価というところでございます。ただ、医療機関ごとに係数はもちろん付与されるという認識でございます。
○小山分科会長
医療機関ごとに。
○美原委員
III群だったらIII群の中の一つ一つ。理解しました。どうもありがとうございます。
○小山分科会長
では、よろしいですか。
どうぞ。
○箕浦委員
今まで全然話題になっていないのですけれども、公立病院の中では、病院の改革ガイドラインでかなり統合再編が推進されているところです。そして、II群とIII群、III群とIII群のような形でいろいろ統合されている中で、このDPCの評価というか、係数評価等々のデータはどこを使うかというのが余り明らかにされていないと思います。今まで算定ルールの中では余りこういう話はされていなかったと思うのですけれども、例えば今回ですと、1年前のということと、26年10月から27年9月という形になりますと、その間に統合がうまくいっているところは、1年間のデータが積み上げられているところはいいのですけれども、積み上げられていないところは、どのデータをもって評価をされるかというのが結構自治体病院の中では話題になっていまして、やはり新しい病院になりますと、機能が全然変わりますので、できれば新しい病院のデータで評価をしていただけないかというのが意見としてあるのですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
○小山分科会長
わかりました。今、この報告書はこれでいいかどうかというところで、それはよろしいですね。
○箕浦委員
はい。申しわけございません。
○小山分科会長
では、これはよろしいということで、事務局からお願いします。
○事務局
事務局でございます。
統合で病院の合併であるとか分割に関しまして、係数の設定方法というのは財源の話になってしまいますので、中医協のほうで直接議論をしていただくのが適切なのかなと考えておりますけれども、係数の設定方法に関しましては、中医協に御了承いただいた内容で客観的に、公平な形で行っているところでございます。
また、その部分の設定方法に関しましては、どの資料でお示ししていますということはお示しできるかと考えておりますので、別途お示ししようと考えております。
○小山分科会長
入退室は、ここではなくて中医協総会マターになってくるので、そこで議論されるので、私たちがいろいろな意見を言うのではなくて。でも今の意見はよくわかりましたので、それは一応上げるようにさせていただきます。ありがとうございます。
○箕浦委員
ありがとうございます。
○小山分科会長
どうぞ。
○池田委員
先ほどと同じ点で申しわけございません。20ページの医療機関群別の評価という言葉がやや誤解を招くところがあって、その1つ前の○を読むと、医療機関ごとの重症度指数とあって、一番最後は医療機関群別の評価となって、ごとというのと別というのは、かなり同じような意味でとられることなので、ぜひここは修正をしていただいたほうがいいかと思います。
○小山分科会長
事務局、よろしいですか。
○事務局
はい。
○小山分科会長
評価そのものは医療機関群ごとだけれども、係数は医療機関別についてくるという意味で、語句の調整をこちらのほうでさせていただくということで、この形で御報告をさせていただきます.
続きまして、「機能評価係数 II について(その4)」を議題といたしたいと思います。
事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局
事務局でございます。
資料D-3をお手元に御準備ください。「機能評価係数IIについて(その4)」でございます。
平成28年度の診療報酬改定に向けて、これまでのDPC評価分科会での議論を踏まえて、機能評価係数IIに関するさらに具体的な検討を行うということでございます。
個別事項についてでございます。
前回、臨床研究中核病院の評価についてということでお示しさせていただいておりましたけれども、幾つか御指摘いただいておりますので、また改めて新しい資料とともにお示しさせていただこうと考えております。いわゆる臨床研究中核病院というものは、平成27年4月施行の医療法上に位置づけられた病院でございます。平成27年10月時点で4病院が指定を受けておりまして、ただし、その臨床研究中核病院においては、臨床研究や治験を行う患者のみではなく、その他の入院患者に対してもメリットがあるのではないかということでございました。
2ページ目に、前回のDPC評価分科会における指摘事項を記載させていただいております。主に3つの視点での御指摘だったかと考えております。臨床研究を支える体制を保険診療上評価することの妥当性はあるのか。また、4病院しかない現状では時期尚早ではないか。実績として示すことのできるデータが存在しているのかという御指摘だったかと認識しております。こちらは事務局側の説明が不足しておりまして、誤解を招いたのかなという部分もございますので、まず改めておわび申し上げます。
まず、こちらの評価に関しましては、臨床研究中核病院という名前ではありますが、あくまで臨床研究というものを評価する趣旨ではないというところでございます。
というところで、1ページ目に戻っていただきまして、やはり対応方針(案)の中に記載されておりますとおり、いわゆる臨床研究中核病院の承認を受けるという一定のハードルを越えたというところに関しては、ほかの病院よりも高機能であることが担保されておりまして、保険診療を受ける入院患者や地域における機能においてもメリットがあるということが考えられております。
また、当該評価を行うということ自体は、いわゆる機能評価係数IIの考え方である高度先進的な医療の提供機能、高度・先進性という観点から考え方に合致すると考えられるということを2ページ目の頭に記載させていただいておりますので、機能評価係数IIで評価を行うということが妥当であるのではないかと考えております。
また、4病院しかない現状では時期尚早ではないかというところでございましたけれども、まず、この臨床研究中核病院というハードルを設定するに当たって用いられた資料というものが、参考資料2の部分になっております。また、そこの部分の抜粋をD-3の資料にも記載させていただいております。D-3の資料を用いて説明させていただきますと、3ページ目以降に【データ】として「臨床研究中核病院の承認要件に関する調査について」という資料から抜粋したデータを載せておりますけれども、論文の執筆数でありますとか、臨床研究に関する論文数でございますね。pubmedに収載されている学術論文といった部分でも、数としては大きく差が出ているというところ。また、医師主導治験であるとか企業治験の実績というものもありますので、こちら自体は直接評価するものではないのですけれども、以前より事務局側で提案させていただいておりますとおり、治験とかを行っているということ自体を評価するのではなくて、医薬品や医療機器の最新の知見を有した医療従事者が配置されておりまして、また、その専門的人材が配置されているということで、安全に最新の薬を導入することができるということでありますとか、また、診療ガイドラインの根拠となるような質の高い臨床研究論文が発表されている。先ほどの数の例でございますけれども、そういった病院は出しているということで、日常診療においてもエビデンスに基づいた診療を行えるということが機能として担保されている。また、全体的な話にはなりますけれども、病院長を中心とした強力な管理体制が構築されていることによって、革新的な医薬品などを安全に利用できる体制が整備されているという点を評価してはどうかということが、事務局側からの提案でございます。
参考資料1にも新しく資料を最後のページにつけさせていただいておりますが、今回、臨床研究中核病院の承認要件を設定するに当たって、国としてもある程度事業を後押ししていたところでございます。やはり国全体として目指すべき方向性というところで今回の医療法改正を行って、臨床研究中核病院というものを設定させていただいたという経緯がございますので、平成28年度から評価を行うことが時期尚早かどうかというところに関しましては、平成27年4月に医療法改正を行っておりますので、平成28年4月から行うことが妥当ではないかと考えておる次第でございます。
資料D-3に関する説明ですが、続きまして、6ページ目まで飛んでいただきますと、二次医療圏ごとの救急の受け入れ状況の評価についてということで、資料をお示しさせていただいております。DPC評価分科会において、救急車の受け入れ状況について病院ごと、または二次医療圏ごとに差があるのではないかとの御指摘がございました。救急車の受け入れ状況を検討するに当たって、評価の視点として考えられるものは以下のとおりとお示しさせていただいております。例えば、他の医療機関での受け入れを断られた救急車の受け入れを評価するといった視点でありますとか、医療機関ごとの救急車の二次医療圏内で受け入れ割合を評価するという視点であるとか、また、二次医療圏ごとの救急車の4回以上の断り事例数というものを評価する。これは逆の方向での評価にはなると思いますけれども、そういった観点の評価方法というものが考えられるのではないかという検討を行ってまいりましたが、一方で、一部の地方自治体では、救急医療機関の応需情報を把握してはいるのですが、多くの地方自治体では救急医療機関の応需情報を把握しておりませんので、現時点において、機能評価係数として全国規模で実運用することが困難だということが判明いたしましたので、対応方針としましては、機能評価係数として評価するに当たって利用可能な基礎データとして、直近の状況を反映するものが全国規模で運用できないため、評価を見送ることとしてはどうかと記載させていただいております。
資料D-3に関する説明は以上でございます。
○小山分科会長
ありがとうございます。
ただいまの御説明のとおり、2つの論点があります。まず1つ目のほうからいきたいと思いますけれども、臨床研究中核病院の評価についてです。前回のこの会議の中で、大分時間を割いていろいろ議論しましたけれども、賛否両論あったのですが、一応、事務局で取りまとめられたことが2ページ目の一番下のほうの指摘事項として3つ書いてありますが、さらに事務局からの提案として、その上の点線の囲みのところの○2つ、「高度・先進的な医療の提供機能」という観点から「機能評価係数 II」の考え方に合致するため、「臨床研究中核病院」の指定を機能評価係数II において評価を行うこととしてはどうかということ。また、平成27年の医療法改正を踏まえ、現行の「地域医療指数」の「体制評価指数」の考え方を以下のとおり改めた上で、「体制評価指数」において評価することとしてはどうかということ。
具体的にはどうなるかといいますと、5ページ目を見ていただきますと、今まで12項目あった地域医療指数のところに13項目めが1つ加わるというところであります。ですので、全体に対する影響はそれほど大きな影響はないのですけれども、これが指定されることの意味は非常に大きいと考えられて、再度このような提案になりましたけれども、皆様方から御意見あるいは御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。
○美原委員
前回もお話ししたのですが、やはり私はこれはちょっと抵抗があります。というのは、例えば1ページの対応方針ですが、一番上の、中核病院が他の病院よりも高機能であることが担保されておりということが本当に適切なことかどうだか、私はよくわかりません。私は全部は、どのようなものが臨床研究中核病院なのかわからないですが、例えばある大学で非常に先進的なことをやっていて、それが安全に行えていたかというと、そうでないことというのは皆さんよく御存じのところです。
マル1、病院長を中心とした云々かんぬんというのがありますが、これは中核病院だからそうなのではなくて、どこの病院でもそうであるわけです。
マル2に関しても、実際に治験に購入するのは多くの病院でやっているわけです。そこのところで新しいお薬とかが使われるわけであって、取りまとめをするのは中核病院かもしれませんが、実際に候補者に対してお薬を投与するのはそれぞれの病院で、それぞれの病院がこのようなことに対応しているわけです。
マル3、ガイドラインの根拠となる質の高い臨床研究をやって、日常診療においてもエビデンスに基づいたことが行われているという、これはそういう病院だけでしょうか。多くの病院がエビデンスに基づいて治療しているのであって、この病院だからエビデンスに基づいているというのは非常に論理的な飛躍があるように思います。
マル4、相談に当たって窓口の明確化というのもありますが、これらは治験を行う病院においてはどこでも窓口があって、それぞれの治験担当のコーディネーターがいて、このようなことは担保されているのだろうと思います。したがって、この対応方針として、私は治験はとても重要だろうと思いますし、前回もお話ししましたように、ドラッグラグとかデバイスラグを解消するという意味で非常に重要な問題だとは思うのですが、ここのところで、これにかかわるのは病院全体であるのであって、一つの病院が高機能であるというのは、ちょっと言い過ぎのような印象を持ちますという意見です。
○小山分科会長
御意見として伺います。ただ、同じ治験といっても、治験のレベルが違うと考えてもいいかと思うのですけれども、今の御意見に対していかがでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○事務局
事務局でございます。
恐らく、美原委員の御指摘というのは、それぞれの項目が担保されているということがほかの病院でも同様に起こっているのではないかと、ほかの病院でもそういった機能を担保できているのではないかという御指摘かと考えております。
今回の評価に当たっては、やはり一つ一つ、例えば院長のガバナンスの体制でありますとか、論文数でありますとか、患者窓口の設置、そういったことは恐らく各病院で取り組まれている項目かとは思うのですけれども、やはり医療法上に位置づけられているということ自体がもう1つのハードルを越えているというところで、そういう機能を持っているのであれば、もちろん臨床研究中核病院という絶対条件であるとか、ほかの承認要件のハードルを越えていただければ評価がされるということになりますので、臨床研究中核病院という枠組みを使ってはいますけれども、それぞれの個別の項目を評価するという観点ではなくて、それぞれを一斉に超えてしまっているという機能を評価するというイメージでございます。
○小山分科会長
ありがとうございます。
ほかに御意見いかがでしょうか。
池田委員。
○池田委員
池田でございます。
前回参加しておりませんので、既に十分議論されていることであれば申しわけございません。私の理解では、臨床研究中核病院、さまざまな患者へのメリットがあるということは理解をいたしましたけれども、それを直接的に示すデータ、エビデンスが、きょう御提示いただいたものだけだとしますと、やや十分ではないのかなというような印象はございます。また、臨床研究中核病院というのは、DPC対象病院が今、4病院指定されているわけですが、医療法上はDPC対象病院に限らず、その他の病院でも指定を受けることは理論的には可能ではないかと認識をしております。もしそうだといたしますと、DPCの機能評価係数IIとして評価するのではなく、すなわち地域医療支援病院であるとか臨床研修病院と同様に、入院基本料の加算という形でまずは評価をしていただき、それを機能評価係数Iという形でDPC病院に適用することが適切と考えますが、いかがでしょうか。
○小山分科会長
事務局、いかがですか。どうぞ。
○事務局
事務局でございます。
こちらは、御指摘はごもっともだとは思うのですけれども、もう既に機能評価係数IIの中で地域医療係数体制評価指数ということで、いろいろな多面的な評価を行っているところなのです。全てが医科点数表の中で評価されている上に評価するべきものなのかとか、DPC病院だけが評価されるということ自体が問題ということではなくて、それこそが、いわゆる地域医療係数体制評価指数の目指すべきところ、ポイントなのかなと事務局としては考えております。
○小山分科会長
池田委員の気持ちはわかりますけれども、基本的にこのハードルは普通の病院では絶対に受けたらだめですね。だから、機能評価係数Iというのはあり得ないと思います。もしそれが出てくるのであれば、それはその時点でもって検討すればよろしいかと思いますけれども、いかがでしょうか。基本的にはこれを評価していきたいというような考えの中で今、動いているわけですけれども。
どうぞ、渡辺委員。
○渡辺委員
細かい点で恐縮なのですけれども、1ページの対応方針のマル2の御説明と例の文章が良くわかりません。臨床治験段階から関与していることが多いため、他の医療機関と比較して使用経験が長いというのは、何の使用経験が長いのか。それから、関与していることが多いというのは、この医療従事者がということなのか、この部分の説明が足りないような印象を受けますので、少し補足されたほうがよろしいのではないかと思います。
○小山分科会長
事務局、お願いします。
○事務局
事務局でございます。
こちらはまさに書いてあるとおりなのですけれども、臨床治験の段階から薬剤であるとか医療機器というものに関与している病院というものは、もちろん新規収載されて保険適用になった段階から引き続き使うというところであるのですけれども、例えば、既に新規収載されるというところで副作用とかの情報はもちろんあるのですけれども、副作用とかが出た場合にでも、治験の段階から関与しているので、そういうところもコントロールすることが可能ではないかということで、例として取り上げさせていただいているところでございます。
○小山分科会長
ありがとうございます。
どうぞ。
○池田委員
もう一点、これも議論されたことだったら申しわけございません。
新たな革新的医薬品・医療機器というのは、基本的には入院医療において、しかも急性期の入院医療において用いられるという想定でよろしいのかどうか。例えば外来の患者さんなどにもそういったことは、もしかしたら適用になるのではないかと思いますが、すなわち、こういった革新的な医薬品や医療機器の必ずしも恩恵にあずからない入院患者さんにこういった負担がかかってくる。一方で、外来でこのようなことの恩恵を受ける方に関しては、特段費用の点での追加での負担はないと。このあたりは特段問題ないと考えてよろしいのでしょうか。
○小山分科会長
お願いします。
○事務局
事務局でございます。
あくまでこちらは、DPC制度上は、機能評価係数IIの中の地域医療係数体制評価指数というのは、病院の機能というものを評価しているものでございますので、例えばその患者さんがやるから、やらないからといった観点で評価している係数ではございません。我々といいますか、事務局の説明ぶりが、治験であるとか先進的な医療を行う対象患者にのみメリットがあるという説明の仕方に聞こえてしまったのであれば恐縮なのですけれども、そうではなくて、あくまでそこに入院される患者さん、その病院としての機能が担保されているところを表現したいということでございます。
○小山分科会長
企画官、どうぞ。
○眞鍋企画官
個別の御説明は、事務局から御説明させていただいたとおりなのですけれども、私ども、これをなぜ前回出させていただいて、今回もこのように出させていただいているかということなのですが、ちょっと資料を戻っていただく形になって大変恐縮なのですが、D-2の8ページをごらんいただきますと、機能評価係数IIの考え方については以下のとおりであるという四角がありまして、その中に○が2つございます。1、2というふうに2つ目の○が分かれておりまして、2つ目の「社会や地域の実情に応じて求められている機能の実現」の「主な視点」のマル1に「高度・先進的な医療の提供機能」です。この人に提供されるのではなくて、全体としての機能という視点がございます。次にも「総合的な医療の提供機能」というのがございます。こういう機能評価係数IIの基本的な考え方に沿って、社会的というか、これは別途、臨床研究中核病院という制度ができたとすると、診療報酬の中でも何らか一つ、こういうところをケースとして検討したらいいのではないかという考えは自然だと私どもも思っております。
ただ、その上で、私どもが前回さまざまな御指摘を受けたのは、唐突に出したのもあり、あと、私どもの十分な説明がなくて、まるでこの保険診療で治験を支えるような、あるいは臨床研修体制を、臨床研修そのものを私どもの保険財政で支えるようなフレーズに聞こえてしまった点があったと反省をしているところであります。私どもとしては、臨床研究は当然別途、それを支える補助金ですとか、研究費とか、企業のお金とかで支えるべきと思っていますけれども、それに伴って高度な医療機能の提供体制ですとか管理体制、総合性が備わっているところを、保険診療の範囲を超えないところで、ですから、当然大きな評価にはならないだろうということは前回申し上げましたけれども、そののりを越えない範囲で評価をさせていただきたいと思っているところであります。
私ども、説明をすればするほどいろいろ舌をかんでいるところがあって大変申しわけないのですけれども、そういう全体の流れで、私どもはそのような位置づけで評価をさせていただきたいということで、ぜひ御理解いただきたいなと思っているところであります。
○小山分科会長
ということですけれども、5ページにあるように、12項目が1個ふえて13項目めという視点でもありますので、瀬戸委員、何かありますか。
○瀬戸委員
やはり皆さん違和感があるのは、保険診療のDPCが保険診療ではない臨床研究を恐らくある程度は支えることになってしまうのではないかという危惧があって、それに対して今、企画官がお答えになったところ、そうではないと。そうではないとすると、それは十分理解して、今のお答えはわかったのですけれども、そうすると、この4病院と、ほかの例えばI群の病院が80幾つぐらいあると思うのですけれども、その病院で本当に保険診療を行う上でどういう差があるかというエビデンスがないと、ほかは全部エビデンスがありますね。例えば24時間体制がちゃんと敷かれているとか、そういうエビデンスがあるにもかかわらず、この項目だけは、いわゆるそういうエビデンスがはっきりあるのかなというのが素朴な、その4病院と残りの80何病院、I群で言えばです。
恐らく、先ほどどなたかも御指摘されたように、窓口はしっかりあるでしょうし、臨床試験を行う体制もしっかりあるわけですね。実際本当にそれだけの差がありますかと。要するに、臨床試験を支えるわけではないということはよく理解できたのですけれども、その次に、そうすると、患者さんのメリットになるような保険診療を受ける上での差がほかの病院としっかりある。それはエビデンスとしてはどのように考えられるのでしょうかということです。
○小山分科会長
恐らくそれは、まず事務局にお答えしてもらわなければいけないと思いますけれども、D-3の1ページの点線で囲ってあるマルで1、2、3、4の4番目にある患者相談のところでありますけれども、恐らくこの中に、いわゆる患者申出療養みたいな、今非常に、とても手のかかるような内容がここに入ってくるので、そこら辺のところをこの4病院は担っていただかなければならないというところもあっての評価だと思いますので、すごくこれは、一つの項目がぼんと出てくるのならいざしらず、地域医療係数の項目の1項目であるという位置づけであるならば、これを入れても大きな問題はないのかなと。意味はそういう意味であるのかなと思うのですけれどもね。
事務局、追加はありますか。
○眞鍋企画官
前回もそういう御指摘をいただきまして、そのとき私はたしか医政局の者がおればみたいなことを言った記憶がありますけれども、私どもとしては、この臨床研究中核病院の承認要件で、まさに医政局がどういう調査をして、どういうところに着目をして、例えば論文数ですとか医師主導治験の数、それから企業治験の数、こういったところも確かに差があって、そういうところを審査した上での体制になっております。それが法律上位置づけられたということでございますので、入れさせていただいたという趣旨でございます。
○小山分科会長
事務局どうぞ。いいですか。ややこしくなるからいい。
山本委員、どうぞ。
○山本委員
先ほど来、4病院、4病院と言われていますが、実際にはその前に15の拠点病院があって、補助金で動いているわけですが、なかなかハードルが非常に高いために、みんな超えられずにいる。瀬戸先生のところもそうですし、うちもそうですけれども、超えられない理由は、もちろん治験の数とか論文数という問題もありますが、例えばこの病院長のガバナンスに関しては、実際にサイトビジットを年に数回受けて、実態を本当に詳細な評価を受けるとか、かなりハードルそのものが、病院だからごく当たり前ではないかと言われるようなことを非常に事細かに調査されて、それが担保されるということも一つあると思います。
あと、実際にこの規定の中に明文化されていませんが、例えば検査部でISO15189をとっていることが前提条件となるとか、非常に病院の機能を高める上で重要な部分がいろいろ評価されているということは、ぜひ御理解いただきたいなと思います。
私、前回出席しませんでしたが、最初のときに私がちょっと申し上げたら、補助金がいっぱい出ているからいいじゃないかという御発言もあったかと思うのですが、これはもちろん最初だけたくさん出ますけれども、補助金の常でありまして、どんどん絞られて、最後は自分で支えなければいけないという、非常にいいのだか悪いのだかわからない苦しい状況に追い込まれるということもございますので、その辺の御理解もいただければなと。うちはまだとっていませんから何とも言えませんけれども、非常に病院の機能を高めるということには間違いなくこの制度は働いているのではないかと私は認識しております。
○小山分科会長
ありがとうございます。
石川委員、どうぞ。
○ 石川委員
今、もうエース級の意見が出たと思うのですけれども、私はやはり大きな大学病院だとか、そういうところの状況もよく知っていますし、経営的な状況ですね。特に26年改定以降の実情が大変悪化しているというのはよく存じ上げています。
それから、全体の財政が非常に厳しい中で、今、28年度の改定の議論がされているわけですね。前回も言いましたように、これは非常に、そういうところで大変なところに財政支援して、今、事務局から提案されたようなお考えのもとでやるのはいいと思うのですけれども、やはりどうしても残るのは、同じ保険財政の中でパイを分け合いするというところで、これはまたI群の上にもっと整備された高度なものをつくるような形に近いことをまたこの中で提案するのだとしたら、相当これはきちんとした論議が必要だろうということ。それで、先ほどから言っている、今の大変な状況について、ちゃんと改善できるような額を考えているかどうかなのですよ。私はもう、例えば今、山本委員がおっしゃられたようなことはすごくよくわかりますので、いいのですけれども、みんながもし臨床中核病院になってしまうとしたら、おまえたちずるいなと。ずるいなというのはおかしいですけれども、子供の戦いではありませんので、要するに財政がきちんと囲われている中で、そういった点で、どのぐらいのことをお考えになっているか、ちょっとお話しいただきたいと思うのです。財政の大きさ。
○小山分科会長
事務局、お願いします。
○眞鍋企画官
この評価による財政の大きさということが御質問だと思っております。ちょっとだけ、その前に御説明をつけ加えさせていただきたいのですけれども、決して今のI群、II群、III群の体系を大きく変えるようなものであるとは思っておりません。先ほど申し上げたように、II群の評価の基本方針の中で先進性、総合性というのがございます。それを、今の体系を変えない中で、全体の整合はとった中で、何か芽出しのような姿勢としてここを評価することができないかという提案でございます。
財政的には、実際に病院の規模によって多少多寡がありますので、それからまた、額を余り幾らですということを言ってしまうのは適切ではないと思うのですけれども、私どもとしては、例えば何とか部門をまるごと支えるような、そんな額にはならないと思っておりますし、DPCの中で大きく財源が変わるほどの財源から比べれば、わずかという言い方はおかしいですけれども、それなりのそんなに大きくない評価になろうと思っております。
○小山分科会長
ありがとうございます。
大きさという意味では、先ほどのD-3の資料の5ページ目にあるとおり、12項目が13項目になると。そのうちの10項目を満たせば、I・II 群の病院は満点がもらえるということですので、ある意味ではそんなに大きな変更にはならないと思うのですけれども、受けるほうとすると、これがちゃんと評価されたということが、恐らく山本委員は非常に有意義なのだろうというようなお考えだと思います。
いかがでしょうか。どうぞ。
○井原委員
この分科会の委員が全員反対だと思われるといけないので、私はちょっと違う視点なのですけれども、まず第1点として、医療法上でもうきちんと体制が整備されて、これが施行されていることが一つ。第2点は、確かに研究ですとか、治験ですとか、文献ですとか、論文。こういう文言にこだわってしまいますと、いろいろなここに書かれていることで、こういう場合は、ああいう場合はという話が出るのでしょうが、もう少しDPCの係数を考えるときには、以前からI群、II群もそうでしたけれども、大所から見ますと、こういった病院がそういうことだけにこだわるのではなくて、地域医療にどのように貢献するべきなのかということ目指していただく。よく、あるべき姿ということが言われますけれども、あるべき姿であるとか、自分たちがそういう評価を受けたので、研究や治験などだけではなくて、地域医療に大いにこれから貢献していかなければいけないという、そういった意識を持っていただく。そういう期待感というものもDPCの係数にはあるべきで、必ずしも全てが実績だけで評価されているわけではないと私は記憶していますので、そういう意味では考えてあげてもいいのではないかと思います。
第3点目は、先ほどから出ておりますが、これはポイント制で、I群、II群でしたら10ポイントで評価上限になります。そうしますと、恐らく今度のことでそのハードルを上げるということはしないと思いますので、既に10ポイント満たしている病院であれば、財政的な影響は残念ながらないといいますか、もう上限ポイントまでいってしまっているということになりますので、それほどの財政的影響はないだろうと思いますので、私は、評価してあげてもよろしいのではないかという意見を持っております。
○小山分科会長
ありがとうございます。
小林委員、どうぞ。
○小林委員
前回のDPC評価分科会では、反対したのですけれども、きょうの説明を伺う限りは、要するに臨床研究中核病院にお金を補填するわけではなくて、その機能を評価して、それに対して幾らかメリットを付与ということでございますので、その点に関しては、特に前回のように反対する意見はございません。ただ、臨床研究中核病院はかなり整備された病院と考えられて、それに対して機能係数IIでの評価は可能だと思うのですけれども、一方で、それと同等に整備されている病院は当然あると思うのです。
例えば、きょうお配りいただいたD-3の資料の3ページを見ましても、いわゆる臨床研究中核病院候補の15拠点(16機関)の最小値より、16機関を除く主な臨床研究機関の平均値のほうが論文数等の各評価項目のポイントは高いわけです。つまり、その15拠点(16機関)が臨床研究中核病院の候補だとすると、その最小値より、ほかの臨床研究機関のほうが平均値は高いという実態もあるので、実際に臨床研究中核病院ではなくても、それぐらいしっかりとやっている病院を評価する方法はないか、と思います。
ご提案の臨床研究中核病院に対する機能評価係数IIでの評価は実際に始めていただいても、私としては結構だと思うのですけれども、やはり検証というか、レビューをしっかりやっていただかないと、しっかり臨床研究中核病院と同等の機能があるにもかかわらず評価されていない病院が評価されずに随分残っていくと思います。さらに、臨床研究中核病院になろうとして、多くの研究機関の病院は、随分頑張っていると思いますけれど、ボトルネックとなるのは臨床統計家の確保です。2名やっとそろえても、どこか別の機関に引き抜かれたら1名になってしまいます。その場合には臨床研究中核病院をリタイアになるのか、その辺が私もよく分かりません。臨床統計家が1名のままでも1回臨床研究中核病院に認められたらそのまま続けられるのか、0名になったら、など、疑問は残るので、この制度を進めても、制度が本当に機能しているかどうかはしっかりと見張っていき、レビューしていく必要があるのではないかと思います。
以上です。
○小山分科会長
貴重な御意見をありがとうございます。
今、ちょっと賛成の意見が出てまいりましたけれども、方向性とすると、これを認めてあげてもいいのではないかと私も思うのですが、いかがでしょうか。どうしても許せないという方はいらっしゃいますか。よろしいですか。
では、済みません。いろいろな御意見があったということを含めて、これはお認めいただくということで、よろしくお願いいたします。
その次に、6ページ目の二次医療圏での救急車の受け入れ状況の評価について、これは再三出ているのですけれども、ここに書いてあるとおり、もし来るのだったら台数だけを評価するとなるといろいろな問題が起きてしまうということで、台数ではなくて、2つ目の○の下に矢印が書いてある、こういうことなら評価してもいいのではないかということですが、これの評価が必ずしも各二次医療圏ごとに全部データが出ていないということなので、対応方針としては見送るとしてはどうかという御意見ですけれども、これはいかがでしょうか。
これは福岡委員、救急ですよね。どうですか。
○福岡委員
何らかの形で具体的な数字、現状も含めた形で御評価いただければとは思うのですけれども、このような状況であれば今回は見送るという判断もやむを得ないかなとは思います。また、これで諦めずに、何らかの指標で実際に頑張っている病院をちゃんと評価するという仕組みをつくるという視点は見失っていただきたくないというのが私の意見です。
○小山分科会長
ありがとうございます。そうですね。3つ目の○の救急車の4回以上断り事例数というか、4回以上断られたのを受け入れたのを評価してほしいというプラスの方向ですね。そのようなことで、今回こういうことで見送るということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、これで本日御用意した議題は以上でありますけれども、全体を通して。
どうぞ。
○金田委員
金田です。
臨床研究中核病院を機能評価係数IIで評価するということは、国全体として、特段の機能や役割、そして体制や期待があるということがよくわかりました。それを評価することではないかと思います。
それから、II群においては、三次医療圏において果たしている機能の役割の評価は今後一層引き続き検討するということになる。そして、III群で考えてみますと、やはり二次医療圏における機能や役割の評価をもっと重要視して評価する必要があるのではないかと考えます。地域医療構想の策定が今、行われていますけれども、医療資源の適正な配分を目指すという意味でも、担っている役割の評価というのは、これからも一層重要になってくると思います。
以上です。
○小山分科会長
ありがとうございます。またこの次の改定のところでもって、この救急体制の強化は入れていく必要があると思います。
全く別のことで。はい。
○瀬戸委員
時間はまだいいですか。全然別のことなのですけれども、皆さん御承知のように、今度、新しい専門医制度が始まりますね。それで、基盤領域の基幹病院とか、2階建ての部分の機関病院というのはかなり負担がふえるとともに、恐らく医学部を卒業してから5年目までの責任を持つ。それこそ本当に地域医療も含めて、日本の医療を担っていく病院が、それぞれの領域で固まっている。今の臨床研究中核病院が日本の最先端、最先進医療を支える病院だとすれば、そういった専門医制度の基幹病院こそが、日本のあまねく裾野の医療を担う病院になると。だけれども、その場合には、実際はかなり負担が大きいのですね。今それを構築している最中ですけれども、今後の話ですが、恐らくこのDPCの中で、例えばそういう基幹病院とか、今言ったような反映させるとか、専門医制度自体が厚生労働省と関係ないと言われるとそれまでなのですけれども、そんなことはないですよね。外部機関なのであれなのですけれども、実際は恐らくかなり関連はされていると思うので、今後、専門医制度を構築するに当たって、それがどうやって評価されていくべきかというのは、厚生労働省の中では、当然保険診療の中でやるわけですから、どのようにお考えかというのを、ちょっと時間があるみたいなので、いい機会なので。
○小山分科会長
企画官、お願いします。
○眞鍋企画官
企画官でございます。
非常に難しい御質問だと思っております。ただ、保険診療で私どもはさまざまな評価を設定させていただいておりますが、先ほど負担がという話がありましたけれども、やはり今着目するのは、もちろん負担のことを考えないわけではないのですけれども、どちらかというと、やはりその医療機関で提供される機能がどうかというところに着目をすべきなのではないかというのは、今の診療報酬の全体の流れかなと思っております。
そうすると、例えば専門医を養成する病院の機能とはどういうものだろうと。それは本来、保険診療で評価するのか否かのような、そういう議論を今後していくべきものかなと思っております。
ただ、医療提供体制の中でそういう議論がされている、あるいは体制が構築されつつあるというのは、私ども、横目ににらみながら、今回は議論がまだ全然できていませんけれども、今後の診療報酬改定全体、ずっと長期的な中では議論していくことになるのではないかと思っております。
○小山分科会長
どうぞ。
○山本委員
専門医の基幹病院なり連携施設になるためには、当然、指導医がいなければいけない。それから、一定の症例数がなければできませんので、これはすなわちその機能を反映すると言えるのではないかと思いますので、ぜひそういう面で検討はしていただきたいと思います。
○小山分科会長
専門医については、まだ形がすっきり見えてきていませんので、それが見えてこないとどうも評価しようがないので。でも、項目とすると、やはり将来的には瀬戸委員あるいは山本委員のおっしゃるような形での評価は必要になってくると思いますけれども、今後の議論ということで、瀬戸委員、よろしいですか。
○瀬戸委員
ぜひお願いしたいと思います。
○小山分科会長
ありがとうございます。
ほかによろしいですか。
どうぞ。
○福岡委員
資料D-2の12ページのところの、既に議論済みのことなのですが、精神病床を備えていないまたは医療保護入院もしくは措置入院の実績のない大学病院及びII群については、それぞれ減算するということが書いてあって、これは病院が非常に全体的な機能を持っているということを評価する、非常に重要なメッセージだと私は思っているのですが、この中で、精神病床ということに限られているというのが逆に違和感を覚えることが最近時々あります。厚生労働省の調査でも、例えば小児科病床ですとか産科病床が減ってきているという現状がありますね。多分これを最初に議論したときは、I群病院、つまり大学を意識していたので精神科というのが出てきたのかもしれないのですが、もしかすると、ここにそういう政策的な意味も込めて、例えば産科とか小児科の病床を持っているということを、次の改定で評価する仕組みを御検討いただければと思い、コメントさせていただきました。
○小山分科会長
ありがとうございます。次期改定のもとになるような御意見を聞きましたので、これは記録に残しておいて、次期改定の中で、今のような御意見を入れるような形の議論を一度してみたいと思います。
ほかはよろしいですか。
それでは、きょうの議題は全部ですので、事務局より御連絡をお願いします。
○事務局
事務局でございます。
次回日程、ございましたら、御連絡を差し上げます。
○小山分科会長
それでは、平成27年度第8回 「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を終了させていただきます。
本日はお忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
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