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2016年11月18日 第19回「技能検定職種の統廃合等に関する検討会」議事録

職業能力開発局能力評価課

○日時

平成28年11月18日(金)
10時00分~12時00分


○場所

厚生労働省 専用第21会議室


○議題

(1)平成28年度の技能検定職種の統廃合等に関する検討会の報告書について
(2)その他

○議事

○事務局 定刻になりました。本日はお忙しい中、第19回技能検定職種の統廃合等に関する検討会に御出席いただき、ありがとうございます。始めに資料の御確認をお願いいたします。最初に議事次第、資料1は、技能検定職種の統廃合等に関する検討会報告書()です。最後に参考資料1、過去の技能検定職種の統廃合等に関する検討会報告書における職種ごとの結論があります。資料の不足等はありませんでしょうか。問題ないようですので、以降の議事進行は北浦座長にお願いいたします。

○北浦座長 それでは、進行役を務めさせていただきます。本日の議題は1つだけです。平成28年度技能検定職種の統廃合等の検討会の報告書の取りまとめを行います。まず、資料の説明をお願いします。

○宇野上席職業能力検定官  資料1に基づき説明をさせていただきます。1枚めくると委員名簿があり、続いて目次が付いています。1ページの1番「はじめに」ということで、例年作成していただく報告書をベースに書いてありますので、昨年度と同じ構成になっています。2番で、平成22年度から平成27年度の職種別受検申請者数6年平均値について、100人を下回っているものが記載されております。100人を下回っているものの中で、今年度の検討対象となる縫製機械整備職種が選ばれたと理由を、2ページまでに整理しました。2ページの3番で、「統廃合等検討対象職種の概要」ということで、縫製機械整備の試験の概要についてを記載しています。3ページの4「技能検定職種統廃合等に関しての第2次判断」に平成20年度に提言がなされた社会的便益に係るアンケートに関する説明を書いています。これらの社会的便益に係るアンケート結果を踏まえると、4ページの表4にあるとおり、縫製機械整備に関しては、評点が54.5となっています。縫製機械整備が分類される生産支援型・整備型の評点が52.1、それの8割値である41.7を縫製機械整備職種の評点が上回っていることから、今般ヒアリングをした上で、この職種について統廃合を判断することになりました。

 その統廃合の関係業界団体からのヒアリングの結果に関しては4ページの(2)以降に書いてありますが、業界団体としては、都道府県方式での継続を希望するという申出がありました。縫製機械業界ではリストラや廃業による人員構成の歪みなどにより弊害も見られることから、業界の技術力の維持向上のために新たな人材、スキルの高い技能者育成、高度な技術を持つ人材の高齢化が進む中、IoTやロボットを活用して、技能伝承を可能とする技術者を育成することが急務だという、これらを実現していくためには、国家検定としての「縫製機械整備作業」技能検定が必要であるということ。

 それから、縫製機械業界はミシンの他にも延丹機、裁断機、プレス機など縫製前後の工程機械もあり、これら技能検定試験に組み入れることで、販売業者や縫製事業者での縫製機械整備作業技能士としての総合的な技術力向上を図ることができるということから、業界団体としては、平成30年度以降対象機種の拡大、資格取得者の地位向上、資格取得メリットの向上、技能検定試験会場の拡大と広報活動などを行っていくということが意思表明されたところです。

 このヒアリングとは別に、パブリックコメントを平成28105日から1018日まで実施しました。その結果が、5ページの(3)に書いてあります。頂いた御意見としては4件あります。1番から3番までは、業界団体の方からの御意見で、どれも存続を要望するものです。4件目に、この方が業界の方かどうかは判断できないところですけれども、縫製機械整備職種に関しては、「時代の移り変わりを考慮すると、取りやめ対象として良いのではないか」という廃止の御意見を1件頂いています。資料11から4に関して御説明させていただきました。

○北浦座長 ただいまの説明について御質問、御意見はありますか。特にないようですので、次は縫製機械整備職種に係る都道府県方式の存続の可否について審議します。技能検定の受検状況、社会的便益における調査、前回検討会におけるヒアリングを踏まえて検討することになります。事務局から説明をお願いします。

○宇野 用意させていただいた資料は参考資料1があります。平成23年度から平成27年度までの職種別の検討結果を取りまとめた結論部分の抜粋です。過去においては、枠組壁建築、ウエルポイント施工、エーエルシーパネル、機械木工、木型製作、機械木工、製版、複写機組立て、酒造、枠組壁建築は2回目の検討ということで出ております。

 近年の結論では、職種によって廃止という結論になっているものもあれば、存続という結論になっているものもあります。これらの書きぶりなどを参考に御検討いただきたいと思います。なお、平成28年度後期試験で、縫製機械整備を実施したところですけれども、平成26年度の受検者数が80人に対し、平成28年度の受検者数は160人となっています。こちらについても、検討に当たっての参考にしていただければと思います。事務局からの説明は以上です。

○北浦座長 ただいまの説明を踏まえて、縫製機械整備職種に係る取扱いの方向性について、皆さんの御意見を伺います。

○松本委員 今の数字だと160人近い受検者数とありましたので、多分テコ入れというか、そういうものが図られたのかと受け止めています。あとは、パブリックコメントの中で、おおむね多くの方が存続の意見が書いてありました。廃止の方も、「時代の移り変わりを考慮すると」と書いてあります。実際こちらの方もその移り変わりを考慮して、いろいろ扱う機械とか、新しい人材を確保してということで、そういう新しいところに対応する意思が見て取れると思いますので、意見としては存続の方でよいのかと受け止めています。

○北浦座長 その場合に何か条件等は付けるのですか。

○松本委員 特には要らないです。

○北浦座長 他の委員の方はいかがですか。和田委員どうぞ。

○和田委員 私も存続には、こういう努力をされているということでいいのだろうと思います。平成28年度に受検者が相当増えておられます。特に東京都が増えたというお話ですけれども、その辺のところは何か理由があるのでしょうか。

○宇野 この検討会に関しては毎年実施しているものですけれども、業界によってはこの検討会の存在自体余り知られていないところがあります。昨年10月に縫製機械整備の関係業界団体を訪問したところ、廃止については困るということで、存続に向けた取組をこれから検討していきますという御発言を頂きました。その成果ではないかと思います。平成28年には160人と大幅に増えた要因として、平成26年度はディーラーやユーザーの方が半分近く、メーカーは全体の3分の1弱だったのですが、平成28年度に増えた要因というのはほとんどメーカーです。どちらかというと、メーカー側の業界団体が力を入れたというところです。

○和田委員 今後の予定として、これは実質的には隔年ということでしょうか。

○宇野 それを、本日の検討会で御議論いただきたいと思います。資料11ページに、6年平均値100人以下の職種が表1にあります。平成22年から平成27年まで載っています。平成22年の92人を除外して、平成24年、平成26年の80人に加えて、平成28年の160人を加えると平成23年から平成28年の合計で300人を超えるため、基準となる隔年実施の場合の6年平均値50人は来年度まで考慮すると各年の基準は上回っている状況になっています。

○北浦座長 ご質問だけでよろしいですか。

○和田委員 はい、結構です。

○北浦座長 柴田委員どうぞ。

○柴田委員 良い兆候だと思います。5ページの一番最初の所に、「高度な技術を持つ人材の高度化が進む中、IoTやロボットを活用して技術伝承を可能とする技術者を育成することが急務」と言って、かつ2の方では、「いわゆる対象職種を増やす」というふうに入っていて、それはすごく良いことだと思うのです。それに対して業界団体が3つの対策を打つというようになっています。実は、最初の「IoTやロボットを活用して」というようなところも入ってくると、技術の進歩がものすごいわけですから、試験の内容がいつもリニューアルされていると。これは別にここに限ったことではないのですけれども、その試験内容の陳腐化を防ぐための対策がここにもう1つあった方がいいのではないかと思いました。業界団体に要求するとすれば、それを要求したいと思います。検討する所がひょっとしたらすでにあるのかもしれませんけれども、その実効性を高めるというようなことを1つ加えていただいた上で、続ければいいのではないかと思います。

○北浦座長 事務局から何かありますか。

○宇野 頂いた御意見を踏まえ、業界団体と相談した上で、また各委員にお諮りしたいと思います。

○北浦座長 今の点は大変重要な御指摘だと思います。松井委員、いかがでしょうか。

○松井委員 結論的には形式要件を満たしていますのでよろしいかと思います。またパブリックコメントの内容を見ても、確かに意義は皆さんそれなりに指摘していていいと思います。ただ、松本委員が底入れと言われたのですけれども、今回は非常に次をよく見ていかないといけない。底入れで次が上がるのか下がるのか。もし次が下がるようなことになると、こういう事態があったから受検者が多少変動したと。やはりこの職種というのは、特にアップデートしなければいけないし、非常に魅力的なものなのだというような試験の充実化というのか、そういう現代的な対応があって、それで初めて底入れの兆候が結果として見られるわけです。受検者が増えた減ったというのは結果であって、職種が魅力的だろうかということや、試験が魅力的かということが重要ですから、次をよく注視する。特にここは注視していかなければいけないと感じました。結論は冒頭に言ったとおりです。

○北浦座長 私からですが、その意味で対象機種の拡大というのを提案されているのですけれども、これによる増加の見通しとか、見込みというのは計算されているのですか。

○宇野 そこまでは分析ができていない状況です。

○北浦座長 今の松井委員の御指摘は、やはりそういうものについて、今すぐは無理かもしれませんけれども、そういうものもちゃんと見込みをきちんと立てるということだろうと思います。

○宇野 受検者の状況の確認というのは、この検討会は今後も引き続きやっていきますので、その中で見ていきたいと思います。

○北浦座長 常にここのもとで見ていくということですね。それ以外にご質問、ご意見はありますか。

○松本委員 先ほどの松井委員の御指摘はもっともだと思います。先ほどのやり取りの中で、メーカーの方が増えましたという話がありました。ですから、ディーラーの方の推移が気になります。あくまで下部的にメーカーだけが増えて、一過性でまた終わってしまうと総数が減ってしまう。そういう意味では、ディーラーへの働き掛けというか、そういうところも引き続き必要かと思います。

○和田委員 今後の検討というか、業界団体の意向の中で、3番に技能検定会場の拡充という話がありました。これは、前回私がお聞きしたところで、要するに会場がこのぐらいでいいのかというお話だったと思います。案としてはこのように出されているのですけれども、具体的にどれぐらいの拡充計画があるのか。地域的なニーズに応える上で、どういう領域の拡充がその地域としてある見通しなのか、そういうお話は起きているのでしょうか。

○宇野 これは、平成30年度の試験に向けて検討していくという話だと思いますので、まだ現時点でここを拡充するというところまでは出ていないのではないかと思います。

○和田委員 できれば、今後拡充できる見通しというものを挙げていただければ、先ほどメーカー側とかありましたけれども、対象によってどういう都道府県ないし地域が、今後これにプラスされるのか、それともその地域の中で拡充できるのかというのがある程度指針に挙げていただければ、もっと有意義かなと。こういうテーマだけで挙げるのではなくて、そういう計画を中に盛り込んでいただければ今後いいかなと思うのです。

○宇野 その辺りはこの報告書が出た後、まだ隔年実施が決まったわけではないので、平成30年度とは決まっていないのですが、次回実施に向けて、業界の方の進捗状況等を逐次報告を聞きながら、こちらとしても関心を持って対応していきたいと思っております。

○北浦座長 和田委員、それでよろしいでしょうか。

○和田委員 はい。

○北浦座長 他にご質問、ご意見はありますか。数が満たされましたので、形式的要件は満たされているということですけれども、前回議論した内容については、まだまだ確認はしていく必要があるのではないかというのが大勢の御意見だったかと思います。その上で判断するということです。1点私からお聞きします。この対象機種の拡大というのが、1つ受検者拡大の大きな要件なのです。先ほども柴田委員の御指摘にもありましたが、対象機種が拡大するということで、もともとこれは縫製機械整備ということであるわけですけれども、その全体の試験内容とか、試験方法は大きく変わることはあるのでしょうか。

○宇野 対象機種の追加という部分だけに絞ると、試験問題の大枠自体は恐らく変わらないのですが、実際に試験をやる場において、求められる技能が機種によって若干違ってくることはあり得ると思います。それに加えて、先ほど出たコンピューター制御化が進んだというところに関しても、学科試験で問題を追加するなど、今後その対応を考えていこうと、当業界団体は申しています。

○北浦座長 これまで統廃合でいろいろな職種を議論してきたものの中とはちょっと違うのは、この職種の中を他のものとくっ付けるという議論ではなくて、もう少し対象範囲を広げることで、つまり職種の概念を少し広げることで対応するという形のケースではないかと思うので、今までとは違うケースかと思うのです。ですから、そのような意味で、それによって看板であるこの職種名は変わらないのでしょうけれども、全体の内容がどう変わるのか、その辺はよく精査していただければと思います。他にご質問、ご意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、最終的に皆様方のご意見をもう一度だけ確認したいと思います。和田委員はいかがですか。

○和田委員 今みたいなことの検討の上でオッケーだということです。

○北浦座長 そうすると、どういう条件を付けたらいいですか。

○和田委員 地域的な領域の拡大をどれだけ検討されているのかということを、できればある程度めどを立てていただければと思います。

○北浦座長 はい、分かりました。拡大のための実効ある方策ですね。

○和田委員 そうです。

○北浦座長 それが十分に検討された上で認めるということですね。

○和田委員 はい、そうです。

○北浦座長 松本委員はいかがですか。

○松本委員 存続の方向で。ここでも業界団体でということで、123の項目で、特に今回の検定試験に限らず、職種に限らずですけれども、2番目の地位向上とか、取得したメリットというのは共通のテーマだと思いますので、そこを是非取り組んでいただきたいという要望を付けておきます。

○北浦座長 松井委員はいかがですか。

○松井委員 私も存続です。一言、条件ではないのですけれども、座長が言われたとおり、拡充に向けた具体的な内容、和田委員の言われたことも含め、その辺をよく検討した上で存続に賛成ということです。

○北浦座長 柴田委員いかがですか。

○柴田委員 私も存続なのですけれども、先ほど申し上げましたように、試験問題が時代に合って、適切なものであるということが担保されるように、継続的に見直せる体制をどうやって作るかということを付け加えていただきたいということです。

○北浦座長 はい、分かりました。ありがとうございました。皆様方の御意見を踏まえると、一応存続は認めるということは共通しているようです。ただし、それに際して、幾つかの前提条件というか、要望事項というか、そういうものが付記されていたと思います。それらについて文面をどのように整理するかということですが、どういたしましょうか。

○宇野 本日の御発言内容を踏まえ、事務局で案を作った上で、後日各委員に御相談させていただきたいと思います。

○北浦座長 大筋においては、ここに提案されているような拡大の方向の努力をする、ということが大枠としての前提ということだろうと思います。もう少し具体的な話も出ていましたが、そこまで書くかどうか。それは報告書で書くのか、あるいは先ほどもありました、もし認められたとしたら要望事項ということで、業界団体の方へ御指摘いただくとか、その辺も含めて事務局と検討する形にしたいと思います。その上で、今のように持ち回りで確認させていただくということでよろしいでしょうか。

(了承)

○北浦座長 本日の審議は全て終了いたしました。あとは事務局の方で準備をお願いいたします。

○搆検定制度整備プロジェクト推進室長 能力評価課の搆です。先生方におかれましてはお忙しい中、2回にわたり足をお運びいただき、熱心に御議論いただき、ありがとうございました。この縫製機械整備職種について、一定の条件の下、存続ということで結論を頂きました。北浦座長から御発言いただきましたとおり、我々事務局の方で準備をして、持ち回りでその条件、報告書の書きぶり、今後の進め方等について十分御説明し、御理解、御了解を頂いた上で作業を進めていくようにいたします。本日は、どうもありがとうございました。

○事務局 これで、技能検定職種の統廃合等に関する検討会は終わります。ありがとうございました。


(了)

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