ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(遊びのプログラム等に関する専門委員会)> 社会保障審議会児童部会第8回遊びのプログラム等に関する専門委員会(2016年10月17日)




2016年10月17日 社会保障審議会児童部会第8回遊びのプログラム等に関する専門委員会

雇用均等・児童家庭局総務課少子化総合対策室

○日時

平成28年10月17日(月)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)
 (東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

委員

北島 尚志 (NPO法人あそび環境Museumアフタフ・バーバン理事長)
佐野 真一 (港区立麻布子ども中高生プラザ館長)
鈴木 一光 (一般財団法人児童健全育成推進財団理事長)
高松 絵里子 (北海道中標津町役場町民生活部子育て支援室長)
中川 一良 (社会福祉法人健光園 京都市北白川児童館館長)
羽崎 泰男 (城西国際大学福祉総合学部福祉総合学科特任教授)
松田 妙子 (NPO法人せたがや子育てネット代表)

事務局

野村少子化総合対策室長
田口少子化総合対策室専門官
大津少子化総合対策室長補佐

○議題

(1)「遊びのプログラム」実施児童館への視察の実施について
(2)地域の児童館等の果たすべき機能及び役割の検討に当たっての論点整理
(3)その他

○配布資料

資料1 第7回遊びのプログラム等に関する専門委員会主な指摘事項等
資料2 プログラム実施児童館への視察報告について
資料3 児童館ガイドライン(抜粋)
参考資料1 プログラム実施児童館への視察に係るポイントについて
参考資料2 プログラム実施児童館への視察日程及び担当者について
参考資料3 プログラム実施にあたって専門委員会としての共通認識について
参考資料4 アンケート及び報告書に記載する共通項目について

○議事

○田口少子化総合対策室専門官 定刻となりましたので、ただいまから第8回「遊びのプログラム等に関する専門委員会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、まことにありがとうございます。

 委員の出欠についてでございますが、本日は、植木委員と大塚委員、吉村委員が所用により欠席となっております。また、中川委員が15分ほど遅れるとの連絡が入っております。

 それでは、これより鈴木委員長に進行をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 第8回目の専門委員会になりました。きょうは生憎足元が悪くて、皆さんも大変な思いをされてお出掛けになったかなと思っております。

 きょうは1017日です。調べましたら「貧困撲滅のための国際デー」という国際的な記念日なのですね。これはフランスを初めとして多くの国で極貧に打ちかつための世界デーということで、平成11年に国連で制定されたようでございます。絶対的貧困は当然なのですけれども、現在、我々も相対的貧困、いわゆる子どもの貧困と言われるものに児童館もまともに向かっていかなければいけないことを改めて考えさせられました。

 本日は、大きく分けて2つの議題がございます。

 1つは、もう御案内のように「遊びのプログラム」の実施児童館へ委員の先生方が行き始めてくださいましたので、その7カ所の報告がございます。

 それからもう一点、「地域の児童館等の果たすべき機能及び役割の検討」ですけれども、これは結果的に児童館のガイドラインを見直すという形で結実していくのかなと思っておりますので、それを意識して、委員の議論の方向性を定めるということが2つ目の議題になろうかと思います。

 本日も、たくさんの御意見・御示唆をいただきたいとお願いを申し上げて、議事に入りたいと思います。

 その前に、事務局から資料の確認についてお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○田口少子化総合対策室専門官 それでは、お手元に配付させていただいております資料の確認を行いますが、その前に私どもの室長がちょっと所用がありまして遅れるということですので、御了承をお願いいたします。

 それでは、お手元の資料、座席表の次に議事次第。

 資料のほうが番号が右肩に振ってありますが、資料1として第7回「遊びのプログラム等に関する専門委員会主な指摘事項等」をまとめております。

 資料2が、横長の厚い資料になりますが「プログラム実施児童館の視察報告書」。各委員会からお手数いただいたものです。

 資料3が「児童館ガイドライン(抜粋)」をつけております。

 参考資料1としまして「プログラム実施児童館への視察に係るポイントについて」。

 参考資料2が「プログラム実施児童館への視察日程及び担当者について」。

 参考資料3が「『プログラム実施にあたって専門委員会としての共通認識』ついて」

 参考資料4としまして「『遊びのプログラム』実施にかかるアンケート及び報告書に記載する共通項目について」というものをつけております。

 資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。

○鈴木委員長 ありがとうございました。

 皆様、資料はありますでしょうか。

 それでは、前回の概要であります資料1でございますけれども、事務局より報告をお願いしたいと思います。

田口少子化総合対策室専門官 それでは、資料1の第7回「遊びのプログラム等に関する専門委員会主な指摘事項等」について御紹介いたします。

 大きく3つの項目についてですが、【「プログラム実施にあたって専門委員会としての共通認識」について】。こちらのほうは参考資料3に載せておりますが、主な指摘としまして、児童館の視点というところに「地域」というものがあるのですけれども、その中に「家族」という視点も加えるべきではないのかという御指摘。

 それに対しまして、「児童福祉におけるプログラム」の視点の中に既に組み込まれているのではないかということで、新たに加えなくてもよいのではないかという御意見。

 それから、「家族と地域を一つの視点とした場合、それぞれの問題点が見えにくくなるのではないか」との御指摘がありました。

 子どもの健全育成、家族が担う役割はとても重要だということで、家族を支えていく仕組み、地域への取組みの中で行う必要があるのではないか、という御指摘を受けております。この点に関しましては、参考資料3の中で2の地域のところに「また、子どもの主たる生育環境である家庭にとっても重要な場所である」という一文を加えさせていただいております。

 「3.遊びのプログラムの実施にあたっての留意事項」のところで、子どもの主体性を重視しながら子どもの参画を重視するという視点が必要ではないのかということ。

 子どもを参加させるということで、子どもの発達や意欲、主体性を重視しながらやっていく必要があるだろう。参画させることにとらわれすぎると、自由時間を奪うことになりかねないというような御指摘。

 プログラムの参加は子どもたちの自主性に任せた方がよいのではないか。子どもたちを次から次へ遊びに追い立てる意図ではない、ということをきちんと伝える必要があるのではないか、ということが指摘されております。

 この点につきましては、参考資料3の3のところで、2ページ目の2つ目のの中に「子どもの発達や意欲を考慮したうえで」といった一文をつけ加えさせていただいております。

 資料1の2ページ目ですが、【「遊びのプログラム」実施にかかるアンケート及び報告書に記載する共通項目(案)】についてもさまざまな御意見がされておりました。

 子ども用のアンケートにおいて、参加してどんなことを感じたか、保護者用のところで、保護者自らが参加できるようなことを聞けないのか。

 回収率を上げる上で、項目を絞ったほうがよいのではないか。回収方法についても、配慮をしていく必要があるだろう。

 プログラムのカテゴリーについて「劇遊び」、「ごっこ遊び」が入っていないという御指摘がありまして、これについて、また別に遊びのプログラムのカテゴリーは現在では変更しないほうがいいのではないか。

 遊びの分類に関するカテゴリーについては今後の課題としていったほうがいいだろうということが指摘されております。

 若干、アンケートの中に例として「劇遊び」などをつけ加えることとしております。

 それから、【プログラム実施児童館への視察に係るポイントについて】、プログラムの内容に関して指摘や修正はするものではないということ。行き過ぎた助言をしてしまうと、本来の研究としての視察を踏み越えてしまうのではないかということ。必要最小限の事項を確認すればよいのではないか。

 基本的に児童館の担当者から聞かれたら答えればよいだろうというような御指摘を受けております。

 これらを受けまして、参考資料1、参考資料3、参考資料4を修正して各実施児童館等にも既に配布しているところでございます。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございました。

 今、事務局のほうから資料1に基づきまして、前回議論のことについて御報告いただきましたけれども、この件については今、御説明いただいたような方向性でよろしゅうございますか。中には、少し時間をかけて精査していかないといけないような問題もあるかと思いますが、ここではこれでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、まず議題の(1)から、モデル児童館が「遊びのプログラム」の開発・改良等を効果的に実施するためにということで、各委員の皆様には各実施児童館への視察に出向いていただきました。視察前半ということで、まだ全員が行っていない段階ですけれども、ヒアリングや御指導や御提案をしてきていただきました。その状況を順次、御報告をお願いしたいと思います。

 お手元の参考資料2でございます。今回の「プログラム実施児童館への視察日程及び担当者ついて」に一覧表になっております。これに従って今回、7カ所につきまして、日付順に説明をお願いしたいと思いますが、そうなりますと早い日付で私が3カ所に行っておりますので、私からまず報告をさせていただきます。その後、視察の日付順で委員から御報告をいただきたいと思います。

 この後、会場会議日程も詰まっておりまして、きょうは12時にはどうしても終了したいという申し出もございますので、時間を突出しないように、報告も大体1人5分くらいということでよろしくお願い申し上げます。

 それでは、まずプログラムの視察報告です。

 私は秋田県と、埼玉県新座市と、それから「さぬきこどもの国」の3カ所へ行ってまいりました。日付も結構密着しておりまして、私の報告書ですけれども、プログラム実施児童館として、なぜ手を挙げたかという動機をまず3館共聞いてまいりました。

 それから、児童館を取り巻くその地域の環境とか子どもの状態とか、そういった観点からその児童館がどんな期待をされているかということを自覚しているのか、遠回りですが少し調べてみました。

 加えて、モデルプログラムの実施状況を見て感じた課題、それらを通して全体をまとめてみました。

 逐条に読んでも目で追うほうが早いので、まとめて御説明させていただきます。

 まず、資料2の「秋田県立児童館」を見ながらお聞きいただきたいと思うのですけれども、「NPO法人あきた子どもネット」が指定管理で受託をしております。ここの館長さんが受託前後の児童会館の状況を見ていて、幼児が多くて、小学生、中・高校生が非常に少なかった。それをなんとか小、中・高校生をもっと呼び込んでいきたいということから、このモデル児童館事業について県の担当者から伺って、これを奇貨として子どもの年齢幅の拡大を図りたいという趣旨で手を挙げた、という説明でした。

 それから、「プログラムへの子ども意見聴取について」は、現在、子どもが中・高校生の来館が年間507人。年間507人ということは、休みの日を差し引いても1日に2人まで来ていないということです。そうすると、この子どもたちを委員にしてある程度の数がまとまって会議を開くということが非常に難しい。それはそうだと思います。そのために、その都度、その都度、接触した子どもたちの声を反映してまとめたものだという内実を伺ってまいりました。

 実際、当日は、玄関ホール・エントランスにボランティアの大学生が3人で6~7メートルの流しそうめんの竹具をセットしまして、そこに流しそうめんを流したということと、子どもたちが、中・高校生とはいえ夕方7時前には児童会館から帰さなければいけないというので、当日8月19日でまだ明るいうちに花火大会をしました。無理やりの花火大会というような感じもございまして、全体を通して参加人数が20人弱ということでした。

 年間プログラム計画が全体を通して科学的な遊びをたくさんして、子どもの情緒を高めて、その情緒の中で友人関係をつくるということに狙いがあるようなのですが、視察した行事の印象としまして、館長が子どもたちに少し大声で声をかけ、集まった子どもたちにこのプログラムの趣旨を説明し、館長がみずからそうめんを流して、そこの人達、ここの人達と声かけして竹樋の両側に集めて「ほら、自己紹介しなさい」というような感じで進めていきまして、大変いい館長だなとは思ったのですが、20人近くいる他の職員は何をしているのだということが気になりました。やはりモデル児童館の実施に当たって、共通認識が職員全員に形成されていたのかどうか、という疑問を感じてしまいました。時々、補佐役の立場の男性職員が出てきて写真を撮ると、にこにことしてまた部屋に帰ってしまうという、そういう状況を見ているとちょっと心配になりました。

 御案内のように、秋田県は子どもの数が日本で一番少ないのです。おまけに南北に長くて1カ所に集まりにくいというのはよくわかっております。児童館は全県で93カ所ございまして、これに当初は農繁期になると開く季節型児童館みたいなものが400500あったのです。それらを逐条整理していって、現在児童館は93ということでございます。

 児童人口というのは秋田県内で11万人くらいです。秋田市だけをテリトリーとして考えても小学校が41校ありまして、児童館が42館、保育所が55館、放課後児童クラブが34クラブ。1,257人の子が児童クラブに所属しております。児童人口が平成27年で5万人弱。そのうち、今は507人が県立児童館に来ている。コストパフォーマンスで言うわけではございませんけれども、計算しましたら、竹セットとそうめん代で4万5,000円かかっているのです。それから、花火が1万円です。安いところで買ってきたと思うのですけれども、そうめんが人数割りしますと単価子ども当たり2,250円かかっている。花火が500円かかっている。大した金額ではないと見るか、これを全く児童館について興味・関心のない方が見た場合にどう感じるか、児童館がどう見えるか非常に心配になってきました。

 今後、秋田県立児童会館はこういうプログラムを7つ、秋に向かって実施しまして、子どもたちを引き寄せるということなのですけれども、この7つの効果を秋田市の児童会館としては秋田県内にどうやって広めていくのだろうか。その辺のところが非常に見えにくい部分がありまして、一層頑張っていただかないといけないなと思っております。

 続きまして、新座市の児童センターでございます。

 埼玉県の児童館というのは、初期に設置しました所沢の狭山市の児童館が、狭山市が潤沢な防衛予算に恵まれておりまして、プラネタリウムを児童センターに設置したのです。そのために後発する児童センターが全部プラネタリウムを付設したのです。それで、埼玉県に行くと児童センター・児童館というのはプラネタリウムがあるものと県民は思っているようでございまして、そのプラネタリウムもプログラムをプロから買うと高いというので、児童厚生員の星座好きな人がプログラムをつくって、それを何館か児童館がふえてくると、持ち回りで映写して楽しんでいたのです。

 その名残があると思うのですが、新座市の児童センターでも今度は子どもたちがその星座のプラネタリウムのプログラムを好きにつくって、それを子どもたちで楽しもうということをこのモデル児童館でやりたいということになりました。というのは、科学、科学と言われて、スマートフォンから始まって子どもの周りは全部電化製品に囲まれているけれども、そう科学的好奇心に目覚めているとは思えないと。しっかりと科学のベースをつくりたいと考えて、館長さんや副館長さんや周辺の方で企画案を作成したそうです。

 「あそびサイエンス」という参加対象児童を募りまして、これに参加させるのですけれども、星空観察とかプラネタリウムなどを随時やっていますので、そこに興味があって集まる子どもたち。それから大変恵まれた児童館で、資料の裏側に書いておきましたけれども、キャンプ場があって、ステージ付きのプレイルームがあって、29台停められる駐車場があって、入館に際してはバーコードによる「モリモリメンバーズカード登録シート」で、来た子どもは全部、一人一人登録できるようになっているのです。これは非常にいいシステムだと思いますが、こういうところに来ているお子さんたちに声をかけて、モデル児童館の委員を募ったと。

 当日は台風9号だったと思うのですが、私が出かける直前まですごい雨で、子どもの数が少なかったというのは非常にうなずけました。子ども会議は、アトリエと呼ばれている、小学校の教室ぐらいの広さのフローリング部屋に館長がマットの上に座卓を置いて、そこで6人の子ども会議でした。このうち、小学校3年生、中学校3年生、高校1年生がそれぞれ1名、それから高校3年生が3名で、この3名は支援学級の子どもたちでした。

 この6人でこの会議を始めていったのですけれども、私が感心したのは小学校3年生の一番小さな男の子でした。この子が「どんなプログラムがいいか」という議題に、ほとんど一人で意見を述べていました。

最初に、ギリシャ神話に登場する星座がどんな星座としての性格を持つのか、それを絵で描いていったらどうか、とか。

二番目に、惑星が消滅したら太陽はどうなるのか、重力場がどうなるのかというようなことを言いまして、地球が消滅したらどうかなんて、支援学級の高校生に混ぜっ返されたのですけれども、それも一緒に笑いながらうまく取り込んでいきました。

それから、3番目に自分の生まれた月と星座の関係等が星占いで使われているけれども、それをプログラムにしたらどうか、と。非常にそこの認知力だとか知見の深さだとか、それから上級生を笑って同調しながら自分の意見を乗せていく等、人間関係力の抜群さに感動しました。

 高校1年生の女子が、花火大会がその日はある予定だったと言うので、浴衣をきちんと着て正座しながら、その3年生と小学生の意見を調整してまとめていく。数は少なかったのですが、頼もしい子どもの姿をきちっとかいま見られたような気がしました。

 そういった中で、一緒に星座について学ばなければいけないというスタンスで児童館の職員も1人、子どもたちと同じ水平の関係で会議の中に入っておりまして、あと3人の児童厚生員の方々が手が空いたという感じのときに順次参加されましたので、ここはしっかりと合意形成されているなという感じがしました。当日は夜に星空観察会もあって、児童館もごった返しておりましたので、職員の手がいろいろなところへ取られた中では随分いい対応であったと思っております。

 ただ、私が全国の児童館を見ながらちょっと心配になるのは、科学というとみんな、ノーベル賞でいう物理、化学、生理学・医学を連想して、どうも宇宙にすぐ飛びますね、全国の県立児童館もそうですが。科学というのは、実証的にものを見たり語ったりするという学問の研究方法や姿勢ですから、どうして科学というとすぐ宇宙と結びついてしまって、日ごろの論理的な話し方だとか、物事の分析だとかということに広く裾野が広がらないのかなというのは常々、いろいろな児童館を見て感じます。さりながら、非常に悪天候の中でプログラムをうまく実施してくださったという印象は否めないで帰ってきました。

 次に、「さぬきこどもの国」(香川県高松市)ですけれども、ここは非常に県立の児童館が県内児童館をうまくリードしていました。県立児童館の使命の大きな一つは県内の児童館へ、いわゆる健全育成活動があまねく知れ渡ることです。そのために県内全部がこのモデルプログラムを熟知できるプログラムは何かということを模索しながらスタートしたようでございまして、こどもの国の館長さん、課長さん、それぞれの技術を持ったリーダーさん3人が県内の児童館に応募をかけて、27児童館が手を挙げて、その27児童館を3地域に分けて、それぞれ3地域で現実の実施プログラムがあれば実施すると。それで、中央の児童会館はその結果、「さぬきこどもの国」というのがあるのだということが県内に知れ渡ることで反射的利益をもらえる。県内を活性化させるということが非常によく伝わってくる意図と当日のモデル状況でございました。

 全体会が前半1時間行われまして、そこで熟知されているような感じでしたが、このモデル児童館の意図だとか、さぬきの取り組み方というのを課長が説明して、後半は3分科会に分かれまして、それぞれの地域に3人のリーダーが張りついて、児童厚生員相互の意思の疎通もこのモデル児童館を通じて図るのだということが非常にぴったりと理解できる展開でした。それも形式的な議論ではなくて、それぞれ3分科会に分かれたところで共通に横に貫くベースは、さぬきだからうどんだと。うどんを名産にした歴史だとかいろいろなものを子どもたちにアイデンティティーとして遊び感覚で知れ渡らせて、それにそれぞれ3地域の特色を加えようというので、3地域のそれぞれから小豆島の地域はオリーブというものをさらに加えたいとか、志度地域では忍者遊びだとか、詫間地域では楽器演奏だとかそれぞれ地域の案が出て、これもまだ経過でございますが、それぞれの地域で議論を深めて、うどんという大きなカテゴリーを外さないようにしていくという意図のようでした。

 この「さぬきこどもの国」は、御案内の方も多いと思うのですけれども、県立児童会館として非常に大きなものを造るのに県中心地にあいた土地がない。加えて県立施設は、そのときの政治状況でどうしても中央から離れた場所に立地されることが多いです。ですから、現実には子どもが日々通いにくいという状況が起こります。飛行場に直結している「さぬきこどもの国」なのですけれども、みんながあの施設は何だと思う点は効果抜群なのですが、誰もが行きにくい場所という、そういう中で集客をどうするかということを随分考えてきたのだと思います。

 県内の児童館の交流ということが一つでございますけれども、土地の離れているという意味ではディズニーランドやUSJも離れたところにしか設置はできなかったのに、たくさん人が来るようになった。目的も資金も違いますから、そこは当然なのですけれども、そこに何か意図するものだとか狙いの違いも含めまして、何が違うかという分析もやはりする必要があるのかなというようなことを感じました。

 以上、それぞれモデル児童館を実施していただいて、その結果でいいところは取捨できそうだなというような感激をもちながら見てまいりました。

 以上でございます。後でまとめて、御意見をいただきたいと思います。

 続きまして、「ももやま児童館」についてですが、植木委員がきょう残念ながら欠席でございますので、同行した事務局の田口専門官から御紹介いただいてよろしゅうございますか。

○田口少子化総合対策室専門官 植木委員がきょうは出席されておりませんので、いただいております報告書に基づきながら説明をさせていただきます。

 当日、行われたプログラムは、「第1部」「第2部」という形で「銭湯みたいな勉強部屋」として、いわゆる自習をするものと、コップに絵つけをするとか将棋などのゲーム、駄菓子屋で昔はよくあった型抜きのようなさまざまなものを用意して自分に合ったものをやっていくものが前半にあって、その後、焼きそばを中心に「みんなおいで!いっしょにたべよ!~ももやま あったか食堂~」ということで、いわゆる子ども食堂的なみんなで食事を一緒に食べるもので構成されております。

 「ももやま児童館」ですけれども、ここは建物としては特養と合築されているということで、場所は特養の食堂を使ってやりましたけれども、そこの周りのスペースは日常的に児童館の子どもたちも利用できるようになっていて、日ごろも交流はされているような児童館でした。

 プログラムに関してですけれども、たまたま隣に特養がある。また、地域のお年寄りもそこをさまざまな形で利用されておりますので、「0歳から100歳余の人々の豊かな日々の具現化」ということで、幅広い年齢の交流がメーンにしてあります。

 今回、本プログラムは「第1部」「第2部」としましたけれども、勉強部屋、いわゆる学習支援としての勉強部屋の部分、それから子ども食堂などと通じるところの「あったか食堂」としていますけれども、食事を一緒に食べるもの。これも2つでやっておりまして、これらが現代的な課題ではないかと。子どもの貧困と言われる中で、学習支援、子ども食堂など十分にきちんと食事がとれていないお子さんたちがたくさんいますので、そういったものに対応できないかということで始めているわけですけれども、児童館でいざやろうとすると、どうしてもマンパワー的に足りない。児童館の職員だけでやるというのは限られたことしかできないということで日ごろから地域の人たちの協力を得られるような関係をつくられていることです。

 プログラムについては1回限りというとお祭りみたいな単発で終わってしまう。そうではなくて、複数回実施していくことで、前回参加した子どもたちがまた参加してくれる。それによって、より多くの人の参加もふえていくというようなことがある。

 それから、プログラムの準備だとか実施についても、子どもたちの参加などを可能にしていくことが、結果的に児童館と子どもたちの長期的・継続的なかかわりにつながるのかなと見えました。

 2ページ目のところですけれども、今回のプログラムの特徴ではありますが、地域の多様な人々がプログラムに参画していることです。地域の人たちの参加、それから定期的・継続的なプログラム実施が児童館を地域全体で健全育成する。児童館だけではなくて、地域を巻き込んだ健全育成の基盤になることが見込まれるのではないかなということです。子どもたちにとっても、多様性に対応可能なコミュニケーション能力を必要とする子どもに成長していくのではないかということです。

 「児童館についての所見」で先ほどマンパワーの話、地域とのかかわりの話をしましたけれども、地域の人たちをいかに児童館に集めるかというところでは相当苦心され、またそれが結実しているのではないかなと思っております。

 具体的にどういう方たちかというと、民生委員や児童委員の方、それから母親クラブ。当然、児童館でもいろいろ育成とかやっておりますけれども、それ以外にも地域住民の会(おやじの会など)の方たちですね。多分、地域の小学校の「おやじの会」ということになりますけれども、そういうような人たちとか、老人会、近くに大学があるということで大学の職員、教授、教師も加わって、学生が一緒にいろいろ連携して参加してくれるような、日常的な交流がされていることで、幅広いですね。学生のほうは非常に若い人たちも協力してもらえているということです。

 あと、地域のニーズの把握についてもさまざまな地域との連携により把握することが十分行われているということです。

 「その他」のところで書いておりますが、地域住民、大学など、いわゆる自分たちが活動する場所、活動の拠点はみんな探している。フィールドもそうですし、そこで集まっていろいろやるというのは、お互いにとってもメリットになるというところで、児童館も活動のフィールドを提供することによって、「主体的、自主的な地域活動」を育成、支援するとともに自分たちにも協力してもらえるいい関係になるといったところでございます。

 以上が報告ですけれども、食事の「あったか食堂」について、私見としては、十分皆さんも理解していると思うのですけれども、より継続的にやっていく必要と、今回もプログラムで年数回ですけれども、お金をかけておりますが、フードバンクの利用だとか、地域の人たちから安価にいろいろ提供してもらうようなことで、持続的にやれるところが、今後の研究とか報告の中でも出てきたらいいなと思っております。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございました。

 続いて、札幌の豊平区の児童会館についてですけれども、北島委員、よろしゅうございますか。

 お願いします。

○北島委員 吉村先生と一緒に行ってまいりました。視察としてはまだ事業そのものが始まっていないというところでの会議の視察ということでしたので、どんなふうになるかなと思って行きましたけれども、目的はこの中高生を対象にした、豊平地区の8館の児童館と若者活動センターという、豊平地区にある札幌市独特の若者の児童館みたいなところがありまして、ここにありますように1534歳までをターゲットにした施設があるのですけれども、そことの連携を図っていくということを一つの大きな目的にしながら「とよ♭ステーション」という、これは1112日に行われる予定なのですが、8館の中高生の児童館の子どもたちが、その若者活動センターに行って、そこで一緒に交流をし合うというイベントに向けての会議ということで視察にまいりました。

 ここにもちょっと書きましたが、全体としては実はまだ始まっていないという印象が強くて、この会議がそのスタートの日であったという印象でした。したがって、本当になぜこの事業をするのかとか、これを通して一体何をしたいのかというところが、まだ一致されていないという状況の中で、あの日の夜の話し合いの中でそのことを詰めていく。そういう場に私たちがいたということになりました。

 ただ、現実に豊平地区の児童館では、既に中高生のこれが「とよカフェ」というタイトルで行われているのですが、まさにここが参画事業になっていまして、中高生が自分たちで企画して展開する「とよカフェ」というものを既にやられているのです。これ自体は、今回の厚労省のお金で新しくやったわけではなくて、例年やっている取り組みだそうですけれども、それを充実させていこうということで、既に中高生を対象にした事業が行われていて、その中でこの11月に向けてそれをどうつなげていこうかということになっているのですが、先ほども言いましたように、どうやってつなげていくのかの話し合いがまだできていないという状況の中で、この9月がその話し合いになっているということでした。

 例年、この事業について積み上げてきた職員と、初めてこの事業に接する職員がいるので、その辺も含めてこの事業の意味あるいは若者活動センター、この1534歳の人となぜ交流するのか、その辺の話がこの2時間の大半を占めていたと思います。

 「とよカフェ」自体は報告を受けましたけれども、各館でやっているのは本当に中高生が自分たちでやりたいという、例えばスポーツ、言っていたのはバスケット大会とか、特にクッキングが多かったです。クレープづくりとか、ちぎりパンづくりとか、手巻きずしづくりとか、各館の料理を通して中高生がということもありましたし、脱出ゲームという今風の企画をやっていたり、これはいわゆる児童館で来ている中高生たちが企画をしてやっているのだなというのはすごく伝わってきました。

 ですので、課題はやはりこの「とよカフェ」という2カ月後に迫ったこの企画がどのように、どんな意味合いでやられていくのか。目的としては、中高生がいわゆるちょっと先輩の青年たちと出会って、そこで交流を深めたい。それがつながりになっていけばいい。あるいは児童館に来ている中高生が若者活動センターのほうに今度は流れていくといいますか、そちらにまた居場所を移していくという意味でも、こんなところが自分たちでもいけるのだという意味合いでも、交流を深めていくという目的ははっきりはしていましたけれども、そこに向けてどのように取り組むのかということがひとつここから2カ月間。だから、吉村先生とは11月にも見たいとすごく思いましたし、若者活動センターのほうの館長さんもいらっしゃいましたけれども、児童館の中高生を含めた先生たちは割とそこに向かうぞという気持ちでしたが、若者活動センター側として児童館の中高生と交流する意味は何だろうというのが、なかなかまだ、そのことがすとんと落ちていないのか、あるいは全体でそのことを確認しようとしていたのか、なかなか11月本番の中身と取り組み方が最初は見えませんでしたけれども、きょうの話し合いをきっかけに、これから声をかけていくということでしたので、11月の報告に期待したいなと思っています。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 それでは、キッズランド児童館でございます。中川委員が早めに報告書を出していただいているので、中川委員から報告をいただいて、松田委員に補足していただきたいと思います。お願いします。

○中川委員 まずは本日、遅参いたしまして大変失礼いたしました。まことに申しわけございませんでした。

 それでは、南さつま市のキッズランド児童館の視察報告を行いたいと思います。私と松田委員の2人で行ってまいりました。

 まず、視察日に行われたということで、2点の取り組みをここでは書かせていただいております。

 1つは「子育て支援プログラム」です。もう一つは「おしゃべり会」あるいは「紙ふうせん」という地域の健全育成のために活動されている組織ですけれども、その皆さん方による朗読劇です。この2つが実施されておりました。

 次の項目ですけれども、実際に視察をさせていただいての所見ということで、まず、子育て支援「ハッピーママサロン」でございますけれども、これはここにも書いてございますように、アドバイザー(地域活動組織のメンバーと市子育てアドバイザー、老人会副会長の3名)の方が、子育て中の母親の皆さん方の悩みや、いろいろな思いに対して自分たちの今までの経験であったり、知見をもとにしてお話を返していくというのか、上から目線ではなくて同じように、寄り添いながらというのですかね、思いに寄り添いながらという雰囲気で開催をされておりました。車座になって、1人の母親の方がお話をされて、それを受けとめて、また、ほかの母親の方もそのことに対してお話をされたりという形で、全体で1人の母親の方から出た意見も含めてみんなで考えていこう。こんな流れで取り組んでおられました。

 実際の中身についてはここに書いてあるとおり、切実なお母さん方のお悩みがそれぞれ吐露されておりました。いつの間にか、お話が弾んでいく中で皆さんの顔がほころんでいくと、非常に温かい感じのサロンであったなと思いました。

 ただ、私ども、松田委員のほうからもございましたけれども、当事者ですね。お母さん同士で例えばお話し合いをされる機会というのはあるのかなみたいな問いかけに対して、まだ、そこはできていないということでしたので、そんなこともあるといいですねというお話もしておりました。

 それから、次のページでございますけれども、2つ目ですが「『おしゃべり会』による朗読劇『うさぎとかめ』について」。この「おしゃべり会」というのは、地域の60歳以上の方々でお始めになったボランティアグループということで、最年長が83歳の方もいらっしゃるということです。ことしで結成18年をお迎えになったということです。ふだんは子どもの遊び場の安全点検、登下校時の声かけなどをやっていらっしゃる。児童館行事があるときなどはおいでいただいて、いろいろ支援していただいている。

 皆さん方、朗読劇に取り組んでおられまして、当日は「うさぎとかめ」という朗読劇でございまして、うさぎ組とかめ組にグループが分かれてやりとりをされるのですけれども、鑑賞している子どもたちが非常に熱心にというのですか、ほほ笑ましい感じで、優しいまなざしで、高齢者の皆さんの取り組みのステージを見つめていたというのが非常に印象的でしたし、ふだんからよく交流がされているのだろうなという印象を持ちました。

 それから、3つ目の「地域活動組織『紙ふうせん』の朗読劇」なのですけれども、この「紙ふうせん」は母親の方を中心に構成されておりまして、日常的に地域の子どもたちの見守り・健全育成活動の取り組みを盛んにやっていらっしゃる。児童館だけではなくて、地域のいろいろなイベントにもボランティアで出演・参加しているということでした。

 当日披露された朗読劇というのは「さるかに合戦」ですから、これはみんなよく知っているわけですけれども、大変上手におやりになりまして、集まった子どもたちはもちろんそうなのですけれども、当日は保育園のおじいちゃん・おばあちゃんとのふれ合い交流会も行われておりまして、保護者の方もたくさん残っていらっしゃいまして、非常に皆さん方、熱心に見入っておられたというのが印象的でした。

 この朗読劇なのですけれども、大人の方だけではなくて子どもたちのコラボレーションも時折行っているということでした。指導を行っているということで、できたらば今後は子どもたちと一緒になって朗読劇が展開・実施できるような環境が整えばいいのかなと思ったところでございます。

 「取り組みに関しての視点」ということで、実際に見させていただいたのは以上のプログラムだったのですけれども、お話を聞いておりますと、宿泊活動やスポーツ活動も非常に取り組んでおられる様子がうかがえました。特に、宿泊活動時におけるスポーツ活動ということで、子どもたち、小学1年生から6年生までなのですけれども、「スポーツ鬼ごっこ」を参考にしたプログラムを取り入れたのだというお話をされていまして、この中で、子どもたち自身の思い・要望・意見などを取り入れながら取り組みを進めていきましたというお話を聞かせていただきました。

 次のページにまいりまして「児童館に関しての所見」ということで、保育園併設の民設民営の児童館ということでして、実は、南さつま市で唯一の児童館ということで大変財政的にも組織的にも厳しいというお話も聞きました。児童館を運営されている法人の役員さんがそれぞれ、地域のさまざまな活動に取り組んでおられる皆さん方で、地域の皆さん方のいろいろな考え方がこの法人の役員さんの構成の中に見てとれるなと思いました。当日も、たくさんお見えになっていまして、プログラムを熱心に見ておられました。

 そして、児童館などが地域の高齢者の施設を訪問されているというお話も聞きまして、ちょうど児童館がお持ちになっているグラウンドというのですか、ちょっとした広場がありまして、その広場のすぐ近くに高齢者の施設があって、そこと常に行き来をしているのだというお話も聞きました。

 最後の「その他」でございますけれども、先ほど申しましたように、南さつま市でただ一つの児童館ということで、組織的にも財政的にも大変厳しいなか常に児童館事業の拡充を目指しているのだと。今回、実はこの「モデル事業」の応募に当たりましても、そこのところが自分たちの応募の動機なのだと。こうした形で助成金をいただいて、日ごろの自分たちの活動を拡充させていくために、この助成金をしっかりと活用させていただきたいとおっしゃっていました。今回の「モデル事業」もまさに前向きに取り組んでいこうという姿勢が大変感じられました。今後のさらなる発展が期待できるし、期待したいという思いで帰ってまいりました。

 以上で、南さつま市のキッズランド児童館の視察報告を終わります。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 それでは、松田委員に補足をお願いします。

○松田委員 済みません。ちょっと報告が間に合わなくて大変恐縮です。中川先生が大分中心のことは言ってくださったので、少し感じたことをと思って。

 「ハッピーママサロン」についてなのですけれども、これは誕生月に呼んでもらえるシステムになっているので、誕生月で切られるので年齢がばらばらなのです。1歳のお母さんがいたり、2~3歳の子のお母さんがいたりというところで、児童館のプログラムは年齢で分けられていることがすごく多いのですけれども、この誕生日で切るという視点が面白いなと思って、そこだと今度は先生も言ってくださったのですけれども、少し先輩からの「どうだった」みたいな、全部アドバイザーの人が答えるのではなくて、「その辺はどうでしたか」みたいな、ちょっとうまい呼びかけも一部あったのですけれども、そういったやりとりもできるかなと感じました。

 あと、これには保育がついていて、その時間はお子さんは下の保育園で見てくださっていたのです。法人の運営されている保育園のお子さんとイコールに近いのかなという感じもしましたけれども、その辺を民設民営でされているというところでは、学童とか子どもたちも、乳幼児のいらっしゃるお母さんもそうですけれども、市のほうとどうやって連携しているのかなというのが余りうまく聞き取れなかったのですが、何か心配な御家庭があったときなどにどうやって連携するのかなと。密接な関係なので、その辺は上手にされているのかもしれないのですけれども、民設民営は厳しいという状況を少し何となく感じました。

 ただ、市の方がこの日予算はついていないけれども市の人が来てくれたみたいな感じのことをおっしゃっていました。

 あと、そのプログラムはあらかじめ自分が話したいことなどを、アンケートみたいなシートがあってそれに記入して、それを前もってアドバイザーさんたちが持っていて、そこで進行するというスタイルになっているので、突然飛び出るというよりは、少しかかわる支援者のほうも、こういう話をされるのだなという心構えを持って、そこについては少し打ち合わせをされてから取り込まれたのかなという雰囲気がありました。なので、それは自分たちも書いてから話すということは整理されることでもあるので、こういうのも面白いなと感じました。なかなか「御自由にどうぞ」とか言われても、自分の気持ちを言うのは難しいことなので、書いてから持ってくるというのが新しいと思いました。

 ただ、それは回収されていたので、逆にかわいい台紙とかに張ってあげたらいいのになとちょっと思ったので、そこだけは。何となく聞けなかったのですけれども、回収されていました。

 あと、そのママサロンなのですけれども、土曜日にせっかくやっているのに「ママサロン」なのだなというのが少し残念で、お父さんを巻き込むようなプログラムをほかにされているのかなというところと、土曜日だったら逆に一緒に来てもらうようなことに展開するなどもありなのではないかと感じました。

 ただ、地域の大先輩がアドバイスをしてくださる場なので、もちろんピアサポートに展開というのもあるのですけれども、地域性的には、この地域で生きてきた女の人たちはこう考えているという文脈を知る機会というか、お嫁さんでやってきたというときに、この地域の女性はこうしてやってきたのだなというのを私自身もすごく感じましたし、いいとか悪いではなく、そういうふうに家庭を持つみたいなところについても、子育ての中身だけではなく、この地域で生きていくということを感じられるプログラムというのがすごく感じました。

 そういう意味でも、地域の大人が児童館を通して家庭とか子どもにかかわるというモデルとして、少し報告の考察をしてもらえるといいのかな、どうやってその人たちを巻き込むかみたいなところが報告の中に工夫としていただけるといいなと感じました。

 あと、お話を伺っているとやはり車社会の難しさというのをすごく感じて、ここだけではないと思うのですけれども、自分が好きなときに自転車で来るみたいなことができないエリアだというお話を伺っていて、乳幼児に「ハッピーママサロン」とかいろいろな子育て支援の活動をするということで、乳幼児期に親と一緒に児童館に来るということが、その後、子どもを行かせるとか子どもが行きたいと言ったときに、親が連れて行ってくれるということのきっかけになるなというのをすごく感じています。どういう場所かがわからないでいると、何となく親のほうが足が向かなくて、子どもにその機会が得られないというハンデがあるのかなと思いましたので、親とともに来ている期間というのが乳幼児期のよさというか、それがその先の子どもの成長につながるというか、そのときに児童館がともにあるということに、ほかの地域にも参考になるのかなというのを感じました。

 上の年代の人が下の年代の人に何かをするみたいな、さっきの若者のところもそうだと思うのですけれども、やはりちょっと先に行く人たちが次の人にするという仕組みはすごくいいと思うのですが、どちらかというとしてあげたほうの人が元気になる仕組みだなといつも思っていて、これも2つともその後の母親クラブのです。「紙ふうせん」も「おしゃべり会」も。なので、この人たちが生き生きするというか、そういうプログラムだなというのは少し感じて、ここに今度は次の世代の人が入っていけるのかなとか、それはまた別につくるのかなとか。当日も、保護者とか祖父母の方が観劇にいらしていたのですけれども、こういうのがあるなら私もやりたいという人をどうやって拾うのだろうだというのは少し感じたので、その視点も少し御報告いただけるといいかなと思いました。

以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 それでは、もう一つの「たかつかさ児童館」。これもまた中川委員のほうからお願いいたします。

○中川委員 私と松本係員とで行ってまいりました。当日は、児童館における踊り、特に和太鼓の取り組みが実施されておりました。2つのプログラムがございまして、対象者がそれぞれ違うということなのですけれども、まず1つ目は、幼児の子どもさんと保護者が参加する。といっても保護者が太鼓をたたくわけではないのですけれども、保護者は周りで子どもたちの様子を見るということで、これは実は午後からの実施でございまして、一般的に児童館における乳幼児対象のプログラムというのは午前中に実施されることが多いのですけれども、たかつかさではあえて午後からの開催を考えたと。ここにも書いてございますけれども、平日の午後3時30分取り組みということで、館長いわく、児童館の一日の取り組みの中で、できるだけ空白の時間をなくしたいと。午前中は乳幼児さんのクラブが開催されていて、午後からは小学生の子どもたちが帰ってきて児童館を利用する、あるいは放課後児童クラブの子どもたちが帰ってくるというのは結構遅めになりますので、その乳幼児の取り組みと小学生の子どもたちが帰ってくるまでの間の空白の時間を埋められないかということで、こういう取り組みを考えた。対象者は幼稚園に行っている子どもさんが多いように思いました。ですから、幼稚園で昼までいて、食事を済まして児童館にやってくるということです。

 当日は、11組の親子が参加しておりました。太鼓の公演活動をされていたり、育成活動をされている団体からインストラクターを呼んでこられて、このインストラクターについても今回の予算の中で招致することができたと聞いております。

 子どもたちが太鼓をたたくわけですけれども、それはそれで音楽活動として十分楽しんでいるなというのはわかるのですが、周りにいらっしゃるお母さん方がその子どもたちの太鼓をたたくのを眺めながら、いろいろお話をされているというのですか、保護者同士の交流というのですかね、それもこの太鼓の取り組みの中で行われているのだなということ。ある意味、子育て支援の一つでもあるのかな、そうした要素もあるのかなと思いました。

 2つ目は、この子どもたちの取り組みが終わってから引き続きということだったのですけれども、障害のある児童による和太鼓の取り組みです。もともと、この「たかつかさ児童館」は、小学生対象の和太鼓のクラブがあるのですけれども、そこに障害がある児童も参加して一緒にたたくことも可能なのですが、やはりなかなか一緒にスタートしてもうまくなじんでいけないという現実があるということなので、では、障害のある子については事前に少し練習を重ねてもらって、ある時期に合流する。こんな思いを持って、この障害のある児童の取り組み、和太鼓の取り組みというのを設定したのだということでした。

 当日は10名ぐらいを予定していたらしいのですけれども、出席としては4名にとどまりましたが、インストラクターの方が非常に上手に子どもたちの思いを受けとめながら、なかなかインストラクターのかけ声に合わせてたたいてくれたりしない中で、一人一人の子どもを丁寧に見ながら指導されていた。結果的には子どもたちも楽しく和太鼓をたたいていたかなと思います。

 次のページに参りますけれども、今回のこのプログラムにつきましては、ずっとこの児童館では今までも踊りであったり、和太鼓であったり世代交流型のプログラムというのを実施はされてきたわけなのですけれども、そこをもう1歩、2歩進めたいという思いで行われたということでした。

 ほかに、小学生や土曜日の夕方を中心に中高生のプログラムも当然取り組まれておりまして、地域のお祭り、それから全市レベルでの「京都やんちゃフェスタ」というイベントがあるのですけれども、こういうイベントへの出演も今までもされてきたし、これからもしていきたいということでした。

 見ておりまして、やはり障害のある子どもさんが1時間近く、ゆっくり太鼓をたたける環境というのが整えられている。見ていたら1時間の間、ずっと太鼓をたたいているわけでもないのですけれども、折を見て言葉かけをすることによって、1時間の枠の中で太鼓をたたく時間が着実に子どもたちの中でふえていくという感じを持ちました。

 幼児から中高生までの他世代交流、これはもちろん、自分たちのたかつかさ児童館でもやっていくし、今までもやってきた。今後はこういう取り組みを近隣の児童館にも、この太鼓という取り組みを通して広げていけたらなという、自分のところだけにとどまらず、他の児童館への影響・活性化を図っていきたい。こんな思いも感じられました。

 「児童館に関しての所見」ということで、「たかつかさ児童館」は京都市の児童館でございまして、私と同じ京都市なのですけれども、京都市の児童館は放課後児童クラブを児童館で実施しております。もちろん、この「たかつかさ児童館」も放課後児童クラブを実施しておりまして、今、2支援単位の放課後児童クラブを館内で実施していると聞きました。どうしても、2支援単位あるとなりますと、放課後児童クラブが中心になってしまって、なかなかそれ以外の児童館本来の活動が難しくなっていくという傾向があるのですけれども、ここは大変そこのところはしっかり、児童館の本来的な役割・機能、地域の全ての子どもと子育て家庭を対象とするのだと。そこの観点をしっかりと持って、例えば午前中の子育て支援もそうですし、午後からの放課後児童クラブ以外の自由来館児童であったり、夕方の中高生を対象にした「夜間開館」の取り組みであったり児童館として非常に本来的な取り組みを実施しているなという印象を持ちました。

 当日も、高校生・大学生のボランティアなのですけれども、何人か館内にいてくれておりまして、子どもたちと非常に自然な形で触れ合っている姿をかいま見ることができました。聞きますと、この高校生・大学生のボランティアというのは、「たかつかさ児童館」で小学生時代を過ごしたOBOGというのですかね。その子たちが成長して、児童館を訪ねてきて年少の子どもたちに対するさまざまな活動を取り組んでくれているということで、私も書いておりますけれども、まさに「児童館において切れ目のない育成」ができるのだということを実証しているのかなという思いを持ちました。

 「その他」、最後のところでございますけれども、小型児童館ですので大きいとは言えない児童館なのですけれども、部屋のつくりがいろいろと子どもたちが喜びそうなちょっとした小部屋があったりとか、ここにも書いていますように、いろいろなところで子どもたちが狭い空間をうまく使っているというのですか、また、いろいろなところから子どもたちが出てきたりということで、子どもの視点でいろいろ工夫されて、お部屋を考えてつくっておられるなと。非常に子どもたちも生き生きしておりましたし、居心地のよさというのを感じさせる児童館でありました。

 以上でございます。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 ここで、突然で恐縮なのですけれども、北海道中標津町の児童館に野村室長が視察に行かれておりますので、ちょっと視察報告のお仲間に入っていただきたいなと思います。よろしくお願いします。

○野村少子化総合対策室長 きょうは、冒頭は週明けの局内の会議がちょっと長引きまして、5分ほどおくれまして申しわけありませんでした。

 私が参りましたのは8月下旬だったのですけれども、要は、台風がまさに接近しているというところで、ふだん私は天候に対しては中立的な人間で、行ったからといって晴れ渡るわけでもないし、ずっと雨が降っているわけでもないし、そこが全くのニュートラル。晴れたり雨だったりで一定の確率だったのですけれども、今回は中標津の滞在中はずっと基本的に雨という状態でありました。

 初日の着いた日が、町の文化センターで「こどもの城合唱団」と中標津町内5つの児童館の子どもたちがそれぞれふだんやっている、ふだんどれぐらいやっているのかという練習期間までは聞かなかったのですけれども、一輪車であったりとか竹馬であったりとか、そういったことの発表するのをコラボレーションした舞台をやるということになっていましたので、そのリハーサルのところから拝見をさせていただきました。

 「こどもの城合唱団」は当然、ふだんは東京ですので、その日に到着してリハーサルを始めたということです。前日のリハーサルということで、歌の中身であるとか、進行であるとか、舞台でのそれぞれの立ち位置とかを確認しながら、それで合唱団が歌いながら、中標津の児童館の子どもたちが、ふだんこの技を発表するというものなのですが、その歌の入り方あるいはどのタイミングで舞台の上の一輪車をやっている子が竹馬にかわるとか、そういったのがどこでかわるのかという舞台の確認が行われておりました。リハーサルというのはそういうものかなという目で見ておりましたが、そこから見させていただいたということです。

 翌日、午前中がその町の文化ホールでその合唱団の合唱と地元児童館の発表とのコラボレーション舞台で、午後からが「じどうかん祭り夏の陣」という教えられ方をしましたかね。「みらいる」という児童館を舞台にして、その合唱団の子どもあるいは地域の子どもが集まって、いろいろ交流するというような行事の日でございました。

 まず、午前中のイベントというか発表会のほうなのですけれども、前日のリハーサルの成果といいましょうか、こどもの城合唱団はふだんどおりというと、ちょっと悪いようにとられてしまう言い方かもしれませんけれども、要は、よく鍛えられた合唱団ということで、いつもながらのハイクオリティーな合唱を聞かせていただいてすごいなという感じでありました。

 一方で、後半というのですか、中標津の児童館のそれぞれの子どもたちの発表と絡めてというところでも、前日出会ったばかりの子どもたちのはずなのですけれども、子どもというのは音感がいいからなのか、あるいは度胸がいいからなのかよくわかりませんが、合唱に圧せず、当然、一輪車とかですから途中でこけてしまう子とかいましたけれども、舞台の上で最後まで自分がふだんやったことを見せようということで一生懸命に取り組む姿が非常に印象的でありました。

 さらに、それぞれの児童館は何をやるのかということも、5つの児童館ごとに子どもたちで話し合いをして、代表の子というのを決めて、その代表の子は5つですから5人出てくるわけですけれども、その子の中でまたプレゼンテーションして、誰が一番しっかりしてそうかというか、ものを考えているかどうかというのはわかりませんけれども、子どもの中で互選をしてお祭りの日の実行委員長を決めて、ずっと企画を重ねてきたというだけあって、やはり子どもたちの生き生きとした姿というか笑顔というか、そういうのが非常に印象的な感じでありました。

 一方で、見に来るほうというのはある意味、現金な人もいるなというか、親の心というのはこういう感じかなとわかったのですけれども、「こどもの城合唱団」を知っている人は始まる前から来ていて、今や遅しと舞台というか時間が始まるのを待っているのですけれども、やはり我が子が大事だというか、そちらの人というのは、合唱団が歌っている途中、つまり舞台が開いてから途中になってやってくる。しかも、大体は親御さんだけではなくて、おじいちゃん、おばあちゃんとか兄弟を連れて来るという。それはそれでほのぼのとした風景でいいのかなと。逆に、このようにしてふだんから家族のつながりというのを確認してもらえるような場という形にもなっているイベントで、それもふだんからやはり子どもたちがそれぞれ5カ所の児童館に通って楽しくしている。今度、発表会があるということが家の中で共有されるということで生まれてきている循環なのかなと思います。

 午後は、お菓子を扱うような模擬店チックなものから、缶バッジとかストラップをつくるとか、それで幾つかの部屋とかで分けて、これは合唱団の子も地元の子も関係なくやっているイベントでした。

 これまた、ふだんは生活の場が違う子ども同士ですけれども、そういう場に交ぜるとお互い元気に言葉を交わし合いながら交流しているのが見られたので、子ども同士の交流の機会というのは、ふだん児童館で、ふだんの自分の住みなれた地域で、同じ幼稚園であったり同じ小学校であったり、お隣の小学校であったり当然、地域の中で育っていくという上では大事なことだと思いますし、それがふだんの生活だと思うのですけれども、こういった機会を捕らまえて違う地域の子どもと交流するという姿も、なかなかお互いにとっていい経験にはなったのではないのかなと思います。

 あと、あの縄跳び、何と言うのでしたか。

○高松委員 ダブルダッチ。

○野村少子化総合対策室長 ダブルダッチといって、舞台のほうでの発表でもありましたけれども、午後イベントに参加している子どもたちに実際にダブルダッチをやっている立命館大学OBOGの人たちが教えていて、ふだんから児童館でもダブルダッチはやっていることがあり、中学生の子たちですか。午前中は舞台で発表し、午後はそれより小さな子、小学生の子どもたちが経験してみることもありますので、他地域から来た人も今まで経験を重ねた中学生も児童館の行事に一緒に発表する機会があるという意味では、児童館を居場所として育った子どもたちが何かをやる際に、そこに参加ができるというのもまた地域の児童館の中で子どもの縦のつながりの意味では非常にいい仕掛けと思いました。

 印象的だったのが、児童館の「みらいる」は去年オープンしたのですけれども、建物の外観とか奇をてらった建物ではありません。普通の建物ですけれども、中に入ってみると木が多く活用されてすごく温かみを感じる。何よりなるほどと思わされましたのは、個別のしつらえですね。本が置いてあるコーナーのしつらえであるとか、練習場にも展開できるようなちょっと広めの会議室であったり、そういった一つ一つに子どもたちがどういう場所というか使い方をしたいかが細かく反映されている。何でこういうしつらえになっているかという由来を聞くと、一カ所一カ所に子どもたちの声の積み重ねをふだんからやっているから、こういったイベントの際にも子どもが参画し企画会議、しかも1つだけではなくて町内5つの児童館それぞれで積み上げてきたものが披露されるという面白い関係になっていると思いました。

 それともう一つは、やはりスタッフの方々の士気の高さです。これが非常に印象的でありました。特に見学をさせていただいた日の午後の「みらいる」を舞台にした遊びの場面で、スタッフの方も子どもと同じ目線で楽しんでいる、非常に楽しそうにイベントを味わっている空気が見えましたので、イベントの前後で話しているときにも子どもたちの目線で何ができるのかとか、子どもは何をやりたいのかと考えを引き出そうとしていることを端々に感じられまして、こういった方々に支えられて児童館活用になると思いました。

 もう一つが、よく言われる地域の方々との交流、児童館としてのかかわりを考えたときには、いろいろと地域のイベントにもかかわるし、一方で児童館のことも地域にかかわっていただくということで、「お互いさま」という関係になっているのかなというところも感じられた次第でございます。

 頭の中で思い出しながらだったので、まとまりのなく取りとめのない話となりましたけれども、非常に印象的な一日だったと思います。

 ちょっと残念だったのは、外の駐車場で、昔よく子どもがドアにチョークで落書きするような場面があったりしましたけれども、そういうのを再現しようとされていたプログラムが雨が降り続けるので不発に終わった、建物の中で子どもに好きにやっているのも非常に面白かったのですけれども、外でふだんはやってはだめと言われているようなことをやれと言われたときに子どもたちはどうなのか非常に楽しみだったので。そこは天気をうらむしかない。ちょっと残念でしたけれども、非常にいい交流遊びとしてうまく回っていたのではないのかなと思います

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございます。突然失礼いたしました。

 都合8カ所視察報告を伺ったわけです。大分時間が押していまして、この点だけは視察された方に伺っておきたいというのがございましたら、意見を言っていただこうと思いますが、どうでしょうか。

 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 視察した方ではなくて、私の確認ミスかもしれませんが、この視察報告を全部した後、最終的にはこれはどういう形でまとめる予定でしたか。ちょっとそれは私は認識がなかったのかもしれませんが。

○鈴木委員長 視察報告をどのようにまとめるかということですね。

○佐野委員 はい。

○鈴木委員長 これは、これから後半に行っていただく方の視察報告と全部重ねて、その報告の中から「モデル児童館」を指定するなり考案していくときの何を抽出していくかという、もう一つ別の議論が必要になってくると思いますが、事務局のほうでは何か。

○野村少子化総合対策室長 基本的に、今回の調査研究事業は、それぞれの16の児童館でプログラムを実施していただく。そのプロセスなりプログラムそのものであったり、その反省であったりについて、どういった取り組みをするとプログラムがうまく回っていくのかを委託してやっていただいているということになりますので、事業の組み立てとして見たときにはそれぞれ16の「モデル児童館」としてやっていただいているところから、うちはこうやってこういう反省点があるとか、こういう改善点があるといった報告書を挙げていただくのがミッションになります。

 一方で、視察報告がないと研究事業としての予算の要件を満たさないということになるわけではございません。

 なお、今回はこれだけまとまった数のところでモデル事業として取り組んでいたことになっていますので、全部一通り委員の先生方にごらんいただいて、こういった気づきの点、まとめていただいたものを、まずは今年度、1516館やってみているところを専門委員としてごらんいただいた上で、プログラム当日であったり、企画会議の段階であったり、場所によっては終わった後の事後の会議に入っていただくこともあるのかもしれませんけれども、それぞれで気になった、感じたことをおまとめいただいて、ベタうちの報告書みたいな形にまとめることまでは考えておりません。視察時点でお感じになられたことをまとめて、さらに今年度の16館の取り組みを踏まえて、これからの「遊びのプログラム」の開発、実施、改善について、こういうことを気をつけてやってもらうべきではないかとか、もうちょっと抽象化した議論をする際の第1次資料みたいな形になっていくのかなと思います。いわゆる「審議結果報告」みたいなものに直ちにまとめる形には考えておりません。ただ、こういうスタイルで知見の集積をちゃんとしておきたいと考えております。

○鈴木委員長 よろしゅうございますか。

○佐野委員 わかりました。

 ということは、やはりこの中からプログラムの構築、児童館の運営という部分でこれから何が必要かという要素とか、ポイントとなるものが、今後、抽出されていくという意識を持っていったほうがいいということですね。

○鈴木委員長 はい。そうですね。

○佐野委員 そこを例えば、全部ではなくてこの中のここは先駆的だったとか、ここは注目すべき点だとか、これは追跡調査をしたほうがいいというような意識を持っていたほうがいいということですね。

○鈴木委員長 はい。

○佐野委員 わかりました。ありがとうございます。

○鈴木委員長 よろしゅうございますか。あと何か。

 それでは、議題の(2)に移らせていただきます。

 また、他の児童館についてはこれから視察に行かれる委員の先生方も多数いられますので、次回の委員会で御報告をいただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

 そこで、議題の(2)ですけれども、参考資料3に「児童館ガイドライン」というのを配付していただいております。本委員会の検討課題の一つですけれども、「地域の児童館等の果たすべき機能及び役割の検討」というのがございまして、この児童館の機能・役割については、ちょっとここでガイドラインを見ながら、自由に御発言を10分か15分いただければなと思います。この専門委員会は私の発想だとやはり2つのことがございまして、1つは今、佐野委員も指摘された「遊びのプログラム」の開発や改定をして、こんなプログラムを実施すると児童館は喫緊の課題にも児童館本来の意図にも、児童福祉法上応えられていくという案を示す、というのが1つございます。

 もう一つは、児童館を普遍的・全国的に広げていくための方針・ガイドラインを、策定から5年たっておりますので見直す際に、そのプログラムの中から概念的に意味のあるものを改定ガイドラインに反映さていくという2つの行為が終点になってくると思います。それを意図したときに、この「モデル児童館」と並行して、ガイドラインの見直しはどうあるべきか視座に入れ始める必要があると思いました。

 それで今、資料3を見ながら急といえば急なのですが、モデル視察に行かれた方、これから行かれる方、今の佐野委員のような御発想も踏まえて、ガイドラインに今まで実施してきてこんな意見が出ている、ここはどうなのだろう、ここはもう少し掘り下げてというようなことがあったらお伺いをしていきたいと思うのですが、自由に御発言をいただければと思います。

 羽崎委員、どうぞ。

○羽崎委員 ちょっとこのあたりはまだ私もはっきり認識はしていないのですけれども、児童館の機能というか、いろいろなところで話を聞いたりしていくと、どうも児童館が中高生の居場所ということが結構どこでも、私がこどもの城などでかかわったときよりもはるかに中高生の居場所というところにかなり視点が行っているような気が実はしているのです。私の認識では、児童館の午前中の活動に子育て支援という、小さな子どもとお母さんの活動というのがあって、小学生が帰ってきた、学童期の子どもたちがその後にこうつながっていくという感触です。例えば、東京あたりですと6~9時まで中高生の居場所みたいな形の児童館が結構あるのではないかと思うのです。そうすると、その児童館のこれからのあれが、例えば朝の9時ぐらいから夜の9時ぐらいまでの非常に長いスパンの活動形態というのが果たして出てくるのかどうかといった、先ほど言いましたように、私の中高生の認識がちょっと違っているのかもわからないのですけれども、中高生がいたとしても大体5時、6時には終わっているような感触を私は持っていたものですから。だから、午前中の子育て支援系の赤ちゃんとお母さんなども含めた親子であっても、大体その時間内で中高生も含まれてくるという感じに思っていたのですけれども、今はどうも中高生の居場所というのが6時、ここで夜間という話もちらっと出ていましたけれども、そういうような機能を児童館が持ち始めているというか、自然的に現場のほうがそうなっているのかどうか、私も認識がちょっとわからないのですけれども、最近いろいろなところに行くと意外と中高生の居場所として夜の時間帯というのが結構出てきているということで、このガイドラインなどにはそこまでの認識がない状態があるのかなと感じました。これから児童館の一つの大きな役割の中に中高生の居場所、それも夜の時間帯であるという。私は東京あたりを見ていると、学童のところに午前中の居場所として子育て支援の場所をもってきている。もう東京あたりはかなり入ってきていますね。そのかわり、中高生のほうを児童館のほうで夜にやる。だから、子育て支援系は学童がやるような方向がちょこちょこと見られてきている。

 児童館の全体の機能が現実にどうなっているのかというのを少し調査していかないと、これは先ほど言ったように、現場あるいは自治体がそういう形をつくっていってしまっているのかどうか、私も認識はわからないのですけれども、そういうのもちらちらと私は耳に入ってきたものですから、ちょっと気になったところです。

○鈴木委員長 この辺はどうでしょうか。時代の流れとか、子どもの課題に即して開館時間も大きく移動してきていると思うのですけれども、極端なことを言うと、24時間児童館なんて発想も出されている方が出てくるので、児童館の機能・役割はガイドラインをこれから改定にあたって重要な視点かと思いますが。まだ、漠然とでいいと思うのですけれどもね。

 松田委員、お願いします。

○松田委員 世田谷区で活動しているのですけれども、世田谷は「区民版子ども・子育て会議」というのがあって、割と頻繁に地域のほうでいろいろな活動の人たちと話し合っていると、やはり若者のテーマがあって、妊娠期からの切れ目のない支援というのは今のすごいはやりというか、取り組みがされているのですけれども、実はティーンエージャーから親世代になるというか、そこの切れ目が大きいという話が地域のほうの気づきであって、実際に大学生が運営する中高生の居場所をやってみたりとかということで、割と今は取り組みが始まっています。

 児童館は、やはり若者が発言していい会議でやると、どこも早く終わってしまう、どこもお金を払わないといられる場所がないというのが大きく2つ出ます。なので、今の世田谷区の児童館は、中高生支援館というところだけは1時間長い。それでも7時までなのですけれども、子どもたちは塾帰り、部活帰りに寄りたいとか、勉強する場所がないのでみんなでわいわい勉強したいとか、そういうことも含めていつもなじんでいる児童館がそのままいられたらなというのがすごくあります。子ども食堂の流れなどもあるので、実は子育て支援の機能も、夜シフトの子育てひろばとかがあったらいいのではみたいな話がこの間の北海道でもやはり出ていて、シングルマザーのおうちなどがということで、少し全体的に夜に着目するような感じが世田谷ではあります。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 ほかにどうでしょうか。中川委員、どうぞ。

○中川委員 京都では一応、5時から6時半が中高生の時間という位置づけで取り組んでおりまして、小学生の自由来館の子どもについては5時で帰宅する。その後は、中高生が中心になって児童館の場所であったり遊具であったりを優先的に利用できますと。もちろん、放課後児童クラブは並行して行ってはいるのですけれども、様子を見ていますと実際はそんなにたくさんの利用があるわけではなさそうなのですね。それは6時半までという時間がある意味、ちょっと中途半端なのかもしれません。ですから、先ほどもお話が出ていましたように、部活などの帰りに寄ってゆっくりしようと思うと、6時半だったらすぐにお尻を上げないといけないということもあって難しいのかなと思ったりもします。

 一方では、京都の場合は小型児童館ということですので、なかなか中高生が児童館で思い切り体を動かしたりという遊び方が難しいところもありますので、逆に中高生の、自分たちが遊ぶというところと違って、何か小さな子どもたちのために寄与できないかという、「ジュニアボランティア」という言い方をしているのですけれども、ジュニアボランティアとしての取り組みを児童館の中で中高生に取り組んでもらう。そういう働きかけというのを小型児童館ならではの苦肉の策とも言えるのですけれども、土曜日であったりとか、中学校が比較的時間が子どもたちも許す時間帯、曜日に集まってもらって取り組みを行うというのが、今は一般的なのかなとは思っています。

 先ほど、「たかつかさ児童館」の紹介の中で夜間開館の話を御紹介しましたけれども、毎日やっているわけではないのです。たしか月に何回か、曜日を決めて行っていると聞いております。なかなか、日常的に行うとなると館の運営それから職員体制等々もありまして、現実的には難しいところがあるのかなとは思っております。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 佐野委員、お願いします。

○佐野委員 港区は今、指定管理館と公設公営、直営館が半分ずつなのです。指定管理館は「子ども中高生プラザ」といいまして、児童センターとして夜の8時までオープンしています。うちの施設なんかも大体平均毎日20名ぐらいの中高生が夜にやってくるような形なのですけれども、港区全体としてもそうなのですが、他の区も私の幾つかの情報によると、やはり中高生に対する夜間開館という要望がふえてくる中で、公設公営ですと限界がある、職員の体制に関する限界があり、夜間開館の要望を受けるために指定管理館に期待していくという、そのサービスの架空代という意味で、指定管理制度を導入する自治体は少しずつふえているのかなという感触はあります。

 ですから、やはり公設公営の限界みたいなものも、そこの夜間の中に含まれているのではないかという感じはしております。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 北島委員、お願いします。

○北島委員 今のところでいくと、中高生に関してはもうかなり前から言われていて、中高生専用の児童館が建ち始めていると思うのです。

 現場は、実は12時間児童館というのが結構あって、9時から9時という児童館もありますし、私がいた練馬区も何館か拠点館みたいにして、6時から8時を中高生タイムにするというようなことは、多分今はかなりどこでもやられている。ただ、全館ではなくその区や自治体の中で幾つかという形でやられているとは思っています。

 考えてみたら、児童館は私が勤めたころなんていうのは、「子育て支援0・1・2」はやっていなかったので、その後に0・1・2歳がやはり大事だよねというところから児童館でできることはないかということで子育て支援が始まり、やがて、それは児童館の一つの大きな柱になりましたけれども、逆にファミサポや子育て支援センターという、児童館ではなく「0・1・2」の専門の子育て支援センターが必要だという形に時代としてはどんどん移り、そこに民間のサークルやNPOも入るということになります。

 でも、では児童館の子育て支援はなくなったかといったらなくならなくて、いろいろなところにこぼれたり、こぼれたりという言い方はよくないかもしれませんが、救う場所がたくさんあるという意味では必要なのだろうと。すると、中高生も結局、中高生児童館、つまりは自分が思い切り遊べる場所が必要だという一つの大きなニーズに応えていく必要性が一個あるし、先ほど中川委員も言われましたけれども、小さな児童館で育った子どもたちが中高生になってボランティアみたいな形になったりもするので、両面、実際に夜間タイムに行っても8人とか、多くて10人とかだというけれども、そのことがあることでその子たちが来て、そして、その子どもたちに対して何か還元を考えていたりするので、児童館の今後を考えれば中高生の問題は多分ふえていくだろう。同時に国の施策、自治体の施策としては中高生専用の児童館をどうこれからつくっていくかというのも大きな課題になっていくだろうなと思うのです。

 ガイドラインで戻して言うと、もともと子育て支援の一つに中高生をどうするかということは柱としてはあったので、そこのことはかなり今、大きな問題として私たちも捉えなければいけないということが一つです。

 それから、実はもう一つ、時間がないところ申しわけありません。簡単に言いますけれども、私はこのガイドラインで、時代とともに変わっていく児童館ではありますが、遊びを通して子どもを育てていくのだ、遊びを通して健全育成をするというその文言はちょっと消えましたよね。

○鈴木委員長 消えてはいません。

○北島委員 消えてはいませんか。

 でも、例えばこうやって5つ出たときに、たしか最初は、遊びを通して健全育成をするのだというのがぽんと来ていたと思っていて、何を言いたいかというと、この間に自分もいろいろなところに研修に行かせていただいたり、こういう視察をさせていただくと、学習支援も子ども食堂も含めて本当に現場で課題に対して、ニーズに対して答えようという職員が本当に手いっぱいになっていて、何が一番おろそかになるかというと、子どもと遊ばないということが一番おろそかになる。でも、遊びを通してというのは、ただ子どもに遊びを提供するという意味合いではなくて、遊びを通して子どもたちのことを知ったり、子どもの状況をそこで捉えたり、その奥にある問題に向かっていけたり、遊びを通してその子自身の性格をキャッチしたり、実はいろいろな部分があったと思うのです。

 今、障害児の問題ももう一つの大きな課題としてあって、現場に行くと障害児の研修が

物すごく多い。本当にそれは現場としては絶対に必要なことなのだけれども、でも児童館は療育施設ではないという、そこの線引きをどうするか。私はやはり遊びを通しての療育施設だと言いましたけれども、遊びを通して子どもに働きかける。障害を持っている子も普通の子も、中高生だって遊びを通して働きかける。そういう意味では、今回の先ほどの委員長の「宇宙にすぐ行ってしまわないで、もっと身近なところからないだろうか」とか、私も札幌に行ったときにクッキング、バスケットはすごくいいのだけれども、何かそこに中高生なりの遊びのエキスとかないですかといったら、いや、別に普通ですとなってしまうと、一番今、実は遊びの力を信じていないのが児童館自身ではないかという。そこを私はこのガイドライン、これからの論議の中で、遊びを通してという意味合いをこの「遊びのプログラム開発・発達に応じて」という、そこにはもちろん与えるだけではなくてですけれども、もう一度、私はこのガイドラインの中で、遊ぶということを、遊育ということをきちんとこの委員会で位置づけていっていただきたいなとすごく思っています。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 私も全く同感で、資料3の「(1)発達の増進」に「遊び及び生活を通して」と書いてあるのです。なぜ「生活」を入れたかというと、「生活」を入れないと館は要らないのではないかと言われてしまう要素があるのです。つまり、野外活動をやっていらっしゃる世田谷の活動がありますね。それから、NPOなどが子育て支援もやっている。遊びの事業だけそこらじゅうでやればいいのじゃないか、館は要らないじゃないと言われてしまうのが一番注意しなければいけないところなのです。そうすると、異年齢の子どもも幼児も含めて、生活をサポートするということを遊びと対等の地位に置いておかないと、ということで「生活」を入れたわけで、保育所のように家庭の代替機能に特化しろという意味ではないのです。

 それから「遊び」も、前回のガイドラインをつくるときにも遊びの研究を相当深くいたしまして、世界中の研究でも、遊びが発達にとっていかに大事かということは実証的に結論が出ていますので、今回もベースとしてはそこを再確認する必要があるなと考えています。そこは委員共通かなと思っております。

 あと1人ございます。では、羽崎委員、どうぞ。

○羽崎委員 「遊び」ということが一つのテーマで、非常に大事だとは思うのですけれども、ただ、私はどうしてもやはりここは遊びを考えていくときに、どうしても考えていく必要があると思うのです。遊びの変質というか、遊びというと、今の子どもたちは何を遊びというかというのは、我々のほうが相当認識しておかないといけない。言いましたように、電子の世界が入ってきて、アナログから電子にどんどん変わっていって、今の子どもたちに「遊び」と言うと、もしかしたらもう電子の世界の遊びを想像してしまう可能性があるのです。だから、その「遊び」という表現を使ったときには、我々自身が遊びの今の変質というのをしっかり考えていかないと、勘違いというか我々の目指している遊びと、受け手の子どもたちも含めた遊びのずれというのが当然出てくるのではないかなというのを感じるのです。

 よく言われているように、例えば、遊びというのが並行遊びからだんだん進んでいって合同遊びになっていくだとか、共同遊びになっていくというのがあるのですけれども、今の電子の世界というのは、極端に言えば大人でも並行遊びをするわけですね。だから、それがもう普通の発達からいけば全然おかしな、それこそ1~2歳で終わっているはずの並行遊びが、大人でも並行遊びをしているという時代にだんだん入ってきてしまっているわけですから。

 だから、遊びを考えていくときには、ガイドラインで出す場合には遊びの定義づけというとちょっと変なのですけれども、単に「遊び」という出し方だけだと非常に認識がずれてしまうのではないかなとちょっと私は危惧するときはあります。

 ただ、大事な一つのキーワードですから、やはりなくしてほしくないというのはあります。

○鈴木委員長 松田委員、どうぞ。

○松田委員 若者というか中高生とかその夜型の話がちょうど出たので。その館は要らないのではないかという話にもつながるのですけれども、実際「プレーパークせたがや」もあるし児童館もあるのですが、例えば、いわゆる部活とか試合とか、勝ち上がるみたいなことではなくスポーツがしたい子たちなどは、今は世田谷の夜の体育館開放とか、そういうインターネットで何か公民館的にみんなで場所取りがあるのですけれども、自分たちでグループをつくってそれをとって、きょうはバスケやろうぜとか、卓球やろうぜみたいなグループができているのです。だから、そういうやりたい子たちが児童館にいないのです。

 実はきのうも、児童館と併設の区民センターの夜の時間を使って、調理室に若者がみんな集まって、中高生がわいわいしながらタコパーとかをやっているのです。でも、何かそのタコ焼きが食紅でいろいろな色になっていて、私たちはうえっという感じに思うけれども、遊びながら楽しくやっていて、これなんか何で児童館ではないのかなときのうも私は思っていたのです。館があるけど、館から脱出している活動がすごくふえてきていて、それは電子だけではない。さっきの指定管理のこともあるかもしれないのですけれども、何かそういうふうにここではないみたいになってきている子どもたちが、どうやってもう一回児童館の場でできるのかなとか、そういうことをすごく感じていて、ガイドラインとつながるかどうかはわからないのですけれども、実際はそういう自分たちでやりたいと思うことをやれる人たちが出てきているなという実感はすごくあります。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 では、ちょっと切らせていただいていいですか。済みません。

 今、ちょっとお話をしただけでもこれだけ多大な議論が出てきて、それぞれのお考えもちょっとずつ違うか、根元は一緒なのかもしれません。

 それで、「児童館ガイドライン」に向けて、遊びの定義もそうですし、時間帯というものをどのように機能の中でおさめていくか、あらゆる角度で検証しなければならないことがあると思いますので、ここはこの専門委員会にワーキンググループをつくって専門的に議論を深めていきながら、定期的に専門委員の御意見を伺って修正していくという方法をとりたいと思っております。

 それで、たまたま今、厚生省から研究が出されておりまして、その研究は一般財団法人児童健全育成推進財団で受けているのですけれども、全くきょうの議題(2)と同じようなタイトルで、「地域の児童館等に果たすべき機能及び役割に関する研究」という研究グループがスタートしております。この専門委員の中にも委員としてそちらにも入ってくださっている方々がおりますので、そことコラボしながら、ここも恐らく結論はガイドラインの修正をどうするかという方向へ行くと思いますので、再度、生活・遊び、あらゆることを実証的に検証して、研究ですから結論を出していきますので、そこと意見調整をしながら、ここのワーキングでも専門委員の目を通して検討していくということにしたいと思います。そういう方向性で、専門的な議論も重ねなければいけませんので、その研究会の委員の方とか、児童館長さんとか、それから東京近郊で1回3~4時間とか時間を深めて議論をするようなことになると思いますので、そういったワーキンググループの編成に向かって事務局と検討していきたいと思うのですが、きょうのところはそういう方向性でよろしゅうございましょうか。

 是が非でも、この専門ワーキングに入りたいという委員の方がございましたら、私まで申し出ていただくと考慮させていただこうと思っております。

 それでは、差し迫ってまいりまして、次に議題「(3)その他」に移りたいと思いますけれども、事務局から何かございますか。

○田口少子化総合対策室専門官 特にございません。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 それでは予定の時間の5分前ということで、このあたりできょうは議事を終了させていただきます。

 事務局から、その後のことについての連絡をお願いいたします。

田口少子化総合対策室専門官 各委員には、これからも各モデル児童館のほうの現場に行っていただき、ヒアリングや御助言等をお願いしたいと思います。また、今後の視察状況につきましては、今回と同様、次回の委員会で御報告等をお願いいたします。

 また、次回でございますけれども、来年度予算案ができたころの1月を予定しております。委員長と相談の上、できるだけ早い時期に御連絡をさせていただきます。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 それでは、本日はこれで終了させていただきたいと思います。各委員におかれましては、大変御多忙の中、御参加くださいまして、ありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(遊びのプログラム等に関する専門委員会)> 社会保障審議会児童部会第8回遊びのプログラム等に関する専門委員会(2016年10月17日)

ページの先頭へ戻る