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2016年11月7日 第47回 先進医療会議議事録
○日時
平成28年11月7日(月)14:29~14:56
○場所
全国都市会館第1会議室(3階)
○出席者
【構成員等】 |
宮坂座長 五十嵐構成員 石川構成員 梅村構成員 柴田構成員 |
福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員 横井構成員 |
【事務局】 |
医療課企画官 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官 保険医療企画調査室長 研究開発振興課長 先進医療専門官 他 |
○議題
1 新規技術(10月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
(先-1)
(別紙1)
2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)
(別紙2)
3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
(先-3)
○議事
議事録
14:29開会
○宮坂座長
ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。
それでは、先生方の出欠状況ですけれども、本日は構成員全員に出席をいただいております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
(報道関係者退室)
○先進・再生医療迅速評価専門官
それでは、まず資料の確認をさせていただきます。
議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、先-1「先進医療の新規届出技術について(届出状況/10月受理分)」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙1-1、別紙1-2がついてございます。
先-2として「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございまして、こちらには分厚い別紙2がついてございます。
先-3として、「食道癌根治的治療後の難治性良性狭窄に対する成分解性ステント留置術(告示(従前)31))」の総括報告書に関する評価についてとしている左上ホチキスどめの資料がございます。
資料は以上でございます。資料について、不足、誤り等がございましたら事務局まで御連絡くださいませ。よろしいでしょうか。
また、本日もタブレットを使用していただきたいと思います。届け出書類等については、タブレットからも閲覧していただけます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料のページ、またはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますのでよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○宮坂座長
資料等についてはよろしいでしょうか。
それでは、今回、検討対象となる技術に関しまして、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。梅村構成員、藤原構成員、山口構成員より新規技術(10月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)の受理番号73について報告がありました。3名の構成員におかれましては、いずれも評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、新規技術(10月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分け(案)についての資料が提出をされておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。新規技術(10月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bへの振り分けについて、資料先-1に従って御説明申し上げます。
10月に受理をした技術は、受理番号73「進行期乳房外パジェット病に対するトラスツズマブ、ドセタキセル併用療法」の1件でございます。
適応症は「HER2陽性の進行期乳房外パジェット病」となっておりまして、かかる費用は資料のとおりでございます。
別紙1-2をごらんください。使用する医薬品であるハーセプチン、一般名でトラスツズマブでございますが、及びドセタキセルが適応外使用となりますので、先進医療Bとして振り分け案を作成しております。
御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの説明について、何か御質問はございますでしょうか。
(確 認)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、先進医療Bとして振り分けたいと思います。
その次ですが、事務局から、先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。資料先-2に従って御説明申し上げます。
今回、御審議いただきます技術は整理番号104の「院外心停止後患者に対する水素ガス吸入療法」の1件でございます。
適応症については「院外心停止後症候群」となっておりまして、かかる費用については資料にお示ししたとおりでございます。
整理番号104ですが、こちらの事前評価は山口構成員にお願いしてございまして、総評として「適」の御評価をいただいております。
御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、整理番号104でございますけれども、事前評価を担当した山口構成員より、技術の内容及び評価結果について御説明をお願いいたします。
○山口構成員
それでは、御説明を申し上げます。
お手元の資料の別紙2の2ページをごらんいただけますでしょうか。「1.先進医療の概要」ですけれども、これは、院外で心停止した患者さんが回復した後に水素ガスを2%含んだ人工呼吸を18時間行うという方法であります。
何でこれが効くのかというと、タブレットの142ページの下のところに書いてあるのですけれども、そもそも水素ガスというのは潜水病のときに48%の水素ガスを吸わせる治療があるのだそうです。これほど高い濃度ではありませんけれども、そういうことに着目して、お手元の資料の77ページに動物実験が載っていますけれども、低体温でやる方法に匹敵する効果が動物ではあった。つまり、ラットで実験したら有効であったということ。それから、5例ほど実際に臨床でやって、特に重篤な障害がなくて、経過もよさそうだということを根拠にこういうプロポーズがありました。
お手元の資料の3ページを見ていただきたいのですけれども、これは7月14日に第1回の審議が行われましたが、14ページからごらんいただきますと、事前のやりとりがそもそもすごく長くて、こんなに分厚くなってしまったのですけれども、かなりいろいろな点が指摘されてやりとりがありました。1つは計画自体がきちんと生物統計家の目を経ていないのではないかとか、基本的な部分でかなり不備があって、いろいろなことを指摘されています。ただ、これは非常に意欲的なトライアルで、二重盲検でこういう重篤な患者をやるというのは非常に大変な作業ではありますし、非常に絶望的なというか、かなり厳しい状況のものがこういう治療で治るのであれば大変いいのではないかと感じさせる試験です。ただ、審査に当たった先生に丹念にずっと細かく訂正していただいて、最初のときは継続審議になったわけですけれども、2回目は9月15日、74ページにありますけれども、経過はかなり長かったのですが、やりとりしているうちにかなりよくなって、最終的には委員の先生方は「適」ということでした。
1ページ目に戻っていただきますと、倫理的な問題は私もないと思います。全然普及していない我が国独自の技術のようでございます。効率性についてはやや効率的なことが期待されるということかと思います。
将来的な保険収載ですけれども、これはする必要があると思うのですが、有効性がかなり認められない限りはなかなかそのままスムーズにはいかないのではないかと。よほどよければ公知申請という手もありますけれども、基本的には次の臨床試験に進むべきものかと思います。
1つの問題は、こういう患者は非常に数が少ないですし、現場では同意を得るのが非常に大変だろうと思うので、限定された施設でしかやらないのではなく、ボンベを用意すればできるようですので、なるべくきちんとした施設をふやして、期間内に迅速に終わるようにしていただきたいとコメントをつけました。総合判定としては「適」ということでございます。
以上です。
○宮坂座長
ただいまの御説明について、何か御質問はございますでしょうか、私からよろしいでしょうか。
動物実験は非常にいい論文、サイエンティフィックによくできた論文だろうと思うのですけれども、ヒューマンのデータがないのです。78ページに「薬事承認申請までのロードマップ」がありますけれども「先行臨床研究」は5例やって安全にできたと。5例について安全にはできたのでしょうけれども、本来先進医療の性格としては、安全なだけでは本当は十分ではなくて、有効性が先行研究で何らか示唆をされて、それでいって、これは評価療養ですから保険診療に値するかどうかを評価するわけで、取りかかりが安全性だけではだめで、有効性がないといけないと思うのですけれども、この5例がファースト・イン・ヒューマンという形になるのでしょうが、これはなかなか評価が難しいと思うのですけれども、その点についての議論は何かなかったのでしょうか。
○山口構成員
これは、お手元の資料の77ページをごらんいただきますと、短期の成績ですけれども、一応5例のうち1例は亡くなりましたが、4例は評価としてはまあまあよかったということが挙げられます。ただ、非常に数が少ないので、これでデフィニットなものでは全然ありませんので、それで恐らくこれはもうダブルブラインドでやるしかないというぐあいに考えられたのだろうと思います。あと、潜水病が間接的な証拠にはなると思うのですけれども、積極的な、完全なデータはありません。この5例のうちの4例の経過がよかったということだけです。
○宮坂座長
これをよかったと読むのか、効果がなかったと読むのか、どちらにでも読めてしまうのです。
○山本構成員
保険外療養制度の中で臨床試験をしようとしているので、当然そこには高度医療として、臨床試験を保険医療の中でやることを始めたときから、それはもう何というか、哲学的な問題としてあるわけで。実際、臨床試験という形で、しかも、今までにもたくさんの先進医療Bをダブルブラインドで、無作為化比較試験のデザインをとっている限りは、試験的な治療が有効であるか無効であるかがわからないというところでしか無作為化比較試験はできませんので、無作為化比較試験を治験デザインとして許容している時点で臨床試験としてやっている。しかも、有望かもしれないけれども、現時点では有効性についてはコントロールに対しての優位性は全く示されていないことを一応前提として臨床試験を組んでいるわけですので、今回も保険医療と併用して臨床試験を行うというところで常にその問いはあるのですけれども、現実としてやらざるを得ないところはあると思います。
もう一つは、院外心停止蘇生後ですので、非常にいろいろな条件によって予後が左右されますので、単に数例ケースシリーズでやってよかったからといって、この効果があるということは全く言えない状況がございますので、これを臨床試験の形で、しかも、ダブルブラインドでやるという研究者の先生方の考え方は実にフェアであると私は思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただ、臨床試験を始めるときに全くわからないで始めるのではなくて、普通はサイエンティフィックではないけれども、何らかの手がかりがあって、マイナス面がないだけではなくてプラスかもしれないという手応えがあるから、それをサイエンティフィックに証明しようというのが本来の臨床試験です。そこがちょっと私は心配なのです。
○山本構成員
これについては、主に動物実験、非臨床試験での手がかりというか手応えを主なものとして、ヒューマンな試験に進んでおられるのではないかと思います。
○宮坂座長
どうぞ。
○福井構成員
何年か前に「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」をまとめたときに、このような救急の現場で、本人からインフォームド・コンセントをとれないような患者さんを想定した研究もできるように手順を作成しました。最初はどうしても動物実験の結果を参考にせざるを得ないわけですけれども、どこかで始めないとだめですので、手続的には倫理指針に基づいているようですので、私は認めていいのではないかと思います。
○宮坂座長
非常に患者さんがクリティカルな状態にありますから、これを何とかよくするブレークスルーがあればいい、それが今はないわけですから、そのためにそういう方法を見つけ出すためにやること自体は私自身も理解をしているつもりなのですけれども、ほかに何かこの点はございますでしょうか。
もう一つ、360例を実施する。これがすぐにできるかどうかはもちろんわからないと思うのですけれども、統計学的な数からいけば360例をやらないと有意差がなかなか出てこない、それはわかるのですけれども、一度にやる方法もあるし、途中で安全性、有効性をある程度見ながら先へ進む方法もあると思うのですけれども、そこの点は余り議論されていないですね。
○山口構成員
この症例の登録で私も感じましたけれども、やはり問題になってくる可能性はあるのですが、どれだけこれがほかの施設で同調が得られて、参加者が出てくるかにかかってくると思います。この施設でも、年間でそんなにたくさんはなかったと思います。おっしゃるとおりそこは非常に懸念されるところで、もしスピードが遅いようであれば指導しなければいけないのではないかと思います。
○宮坂座長
柴田構成員、お願いします。
○柴田構成員
今、御指摘いただきました点は、お手元の資料の67ページあたりに議論がございます。中間解析を行う設定がされていまして、本臨床試験の途中で早期に有効中止をすることは検討しないけれども、既存の治療よりも患者さんにとってデメリットを与えている、死亡率が高いなどということでデメリットを与えているような場合には、早期に無効中止を判断して停止するという基準を設けてありますので、360例登録されて、結果が出た段階で著しく劣っていたことが初めてわかることは回避されるような、倫理的な配慮はされている状況にはなっております。
○宮坂座長
ただ、患者さんの状態というのは非常にクリティカルでバックグラウンドも違いますし、明らかにこれが悪かったとわかれば別ですけれども、なかなかそこというのはわからないですね。
○柴田構成員
そこについては、通常の意味で統計学的に有意にプラセボ、無治療に劣るまで進めることではなく、ベイズ流の統計解析を用いて、一定以上の確率で劣ることが示唆されるような状況になった場合には止める形になっています。がんの臨床試験においてもそういうことが多いのですが、既存の治療に対して劣っている方向については著しく統計学的な有意差がつかない段階でも、臨床的に見て不適切であると判断された時点で、つまり、このまま進めても有効性が証明される見込みがなくなったと判断される時点で止めるという実施上のルールを導入することが一般的でして、この試験についてもそのようなものを組み込むような変更がなされているところです。
○宮坂座長
それは、内部で評価をして、ということになるわけですね。
○柴田構成員
一応、きちんとしたプロトコールに規定をしてということです。
○宮坂座長
わかりました。
ほかに御質問、コメントはございますか。
どうぞ。
○藤原構成員
これは、事務局に後で調べておいていただきたいのですけれども、78ページの薬事承認申請までのロードマップで、先進医療が終わった後に学会要望を出して、未承認薬迅速実用化スキームを経て、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で公知申請の有無を検討するスキームを皆さんは気軽に書いてこられるのですけれども、この未承認薬迅速実用化スキームは、海外での未承認の薬を早く日本に入れるというので新しく書き直したのですけれども、その中に先進医療Bというのが入っていて、先進医療Bで行った臨床試験も評価しますよ、とそのポンチ絵の中には書き込まれています。医薬局さんと研発、医療課さんとで本当に先進医療をやった後に公知申請に行く道などあるのでしょうかというのを確認しておいてほしいのです。
というのは、先進医療B制度下で行った臨床試験結果というのは「薬機法」でいくと、医薬品の承認審査時の添付資料には正式にはならないですし、海外で未承認だと、公知というのは海外で承認されていて、いろいろなWHOのガイドラインとか学会の診療ガイドラインにたくさん載っていて、その後、国内で臨床試験結果があったときにはスムーズに未承認薬・適応外薬検討会議で、そのような判断されると思うのですけれども、今回のように海外も未承認、診療ガイドラインにあるわけでもなくて、先進医療Bの結果一本で公知該当と言われると、恐らく医薬・生活衛生局サイドの反応は企業さんがもう一遍ランダム化比較試験をやってくださいねということになると思います。学会の先生たちがこのスキームで先進医療をやったら、もしかしたら公知申請できるかもしれないと思っていらっしゃる方は結構いるのです。だから、そこを事務局サイドとしては、整理しておいてあげたほうがスキームが誤解されている可能性もあるので、良いと思います。
○宮坂座長
何か事務局のほうでございますか。
これは、本来先進5カ国の治験データがあって、それが公の事実として認められた場合にこの会議に係って、学会の後押しがあれば公知申請もあり得ることです。今回の例というのは全く該当しないですね。
○研究開発振興課長
今回のケースにつきましては、先生がおっしゃるとおり未承認薬迅速実用化スキームのほうには載らないものでございますので、この辺については訂正をするように指導したいと思います。
○山本構成員
未承認薬の検討会議のワーキングのほうに入っているので、そちらでも、去年導入された未承認薬迅速実用化スキームの内容を一応確認したのですけれども、海外でも未承認のものについては、公知申請には行かないという理解と医薬・生活衛生局からは聞いておりまして、先進医療あるいは医師指導治験である程度有望な結果が出たものについては、そこからさらに治験に進めるようなスキームであるとお聞きしているので「公知申請」と書いてあるところに問題がというか、誤解があるのだろうと思います。
○宮坂座長
だから、これは多分いいデータが出れば治験には行くだろうと思うので、78ページの図は、本当は書き直していただかないといけないですね。
ほかにはございますでしょうか、よろしいでしょうか。
それでは、構成員の評価結果どおりに決定したいと存じますけれども、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
どうぞ。
○医療課企画官
お認めいただきましてありがとうございました。
それでは、毎回この先進医療会議でお認めいただいた後に私どものほうから中医協のほうに御報告をさせていただいておりますけれども、ロードマップのところに関しては、先ほどの御議論を踏まえまして、必要な修正を行った上で、報告させていただくということで御了解させていただいてよろしゅうございますでしょうか。
○宮坂座長
ちょっと待ってください、今、山口先生から御意見があります。
○山口構成員
今のことに関係して、私の回答も「あるいは公知申請を検討する」以下を削除していただきたい。それだけです。
○宮坂座長
お願いします。
○医療課企画官
承知いたしました。そこは必要な修正を加えた上で、中医協に御報告をさせていただきたいと思います。また、藤原構成員の御指摘を受けまして、事前の相談の段階で、そこは実現性もよく考えながら相談内容を充実したいと思います。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、そういうことでお認めをいただくことになります。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○宮坂座長
それでは、先進医療Bの総括報告書に関する資料が提出をされていますので、事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
資料先-3をごらんください。こちらは先進医療B「食道癌根治的治療後の難治性良性狭窄に対する成分解性ステント留置術(告示(従前)31)」の総括報告書に関する評価についてとなっております。
本技術は、2013年5月から先進医療Bとして開始され、登録、追跡期間が終了したため、総括報告書が提出されております。本年10月の先進医療技術審査部会では、主担当を山本構成員、副担当を手良向構成員が担当され、当該総括報告書について評価をいただき、審議をされておるところでございます。
「医療技術の概要」ですが、食道がんの根治的治療後の難治性良性狭窄を対象に成分解性ステント(BD-stent)を留置し、狭窄解除を目的とする治療でございます。1回の処置で長期間にわたり狭窄解除が可能であり、また、ステントが成分解性であることから抜去処置が不要というメリットがございます。
実際の効果に関しましては、ページ番号が見にくくございますが、資料の8ページの写真が載っているページで見ていただければわかるように、3カ月後、6カ月後ともに狭窄の改善を認めております。
資料の1ページにお戻りください。最下段に「有効性の評価結果」をお示ししていますが、主要評価項目である3カ月時のDysphagia Scoreの改善割合は66.7%であり、事前に定めていた有効と判断する基準に合致しておりました。
2ページをごらんください。副次評価項目の6カ月時のDysphagia Score改善割合は16.7%とあり、こちらは欧州の先行研究と比較して劣っておりました。この原因としては、本試験のほうが前治療歴の多い難治例が多かったためかもしれないという考察をされておるところでございます。
資料の5~7ページをごらんください。先進医療技術審査部会においては、山本構成員、手良向構成員ともに有効性はBの「従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である」。安全性もBの「あまり問題なし」。技術的成熟度に関しましてはCの「当該分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした体制をとっていないと実施できない」との御評価でした。
本技術の今後の方針に関してですが、9ページの「薬事承認申請までのロードマップ(医療機器)」をごらんください。本先進医療の結果を薬事承認申請の参考資料として活用される予定と伺っております。
事務局からの説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。ただいまの説明について、何か御質問はございますでしょうか、よろしいですか。
ありがとうございました。
それでは、そのようにお願いをいたします。
とんとんと進んできて、本日の議論は以上ということになりますけれども、次回の開催について事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
次回の開催につきましては、平成28年12月8日木曜日の16時からを予定しております。場所につきましては、追って御連絡をさせていただければと思います。
以上でございます。
○宮坂座長
それでは、第47回「先進医療会議」を終了したいと思います。ありがとうございま
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