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2016年10月7日 第8回重篤副作用総合対策検討会 議事録

医薬・生活衛生局安全対策課

○日時

平成28年10月7日(金)
15:00~17:00


○場所

経済産業省別館1031号会議室


○議事

○事務局 開会に先立ちまして傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たっては、既にお配りしております注意事項をお守りくださるようお願いいたします。また、本日の検討会は従来の取扱いと同様、公開で行うこととしております。カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただいておりますので、報道関係の方々におかれましては御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第8回重篤副作用総合対策検討会を開催いたします。御出席の委員の先生方におかれましては、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。本日は15名の構成員のうち、現在13名の方々の御出席を頂いております。また、まだいらっしゃっていない先生からも御出席の予定である旨は頂いております。

 はじめに、本検討会は前回第7回が平成23年の開催でありましたので、5年ぶりの再開となります。それ以降、構成員の交代もありましたので、先生方を紹介させていただきます。それでは正面右からお願いします。

○飯島構成員 飯島でございます。前回からの引き続きでございます。よろしくお願いします。

○五十嵐構成員 どうぞよろしくお願いします。

○犬伏構成員 犬伏と申します。

○今村構成員 よろしくお願いいたします。

○事務局 薄井先生はまだお見えになっておりませんが、次は上野先生。

○上野構成員 上野です。今回から参加させていただきます。よろしくお願いします。

○笠原構成員 よろしくお願いします。前回から引き続きです。

○金澤構成員 金澤です。呼吸器内科のほうでございます。

○木村構成員 木村です。よろしくお願いいたします。

○黒岩構成員 黒岩です。今回から参加させていただきます。よろしくお願いします。

○齋藤構成員 齋藤でございます。今回から参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○島田構成員 日本薬剤師会の島田です。今回からです。よろしくお願いいたします。

○滝川構成員 滝川です。今回から参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

○林構成員 虎の門病院に勤務しています林と申します。どうぞよろしくお願いいたします。日本病院薬剤師会の所属でもございまして、マニュアルに関わらせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○森田構成員 森田でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局 続いて、事務局を紹介させていただきます。安全対策課長の佐藤でございますが、本日、若干遅れておりまして、この後間もなく参る予定でございます。安全使用推進室長の上野でございます。

○安全使用推進室長 上野でございます。この度はいろいろお世話になります。よろしくお願いいたします。

○事務局 それでは、これ以降議事に入りますが、本検討会の座長につきましては、事務局といたしましては、五十嵐先生にお願いいたしたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。

                                     ( 賛同)

○事務局 それでは五十嵐先生、よろしくお願いいたします。なお、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 座長を仰せつかりました、成育医療研究センターの五十嵐と申します。どうぞよろしくお願いします。これから座って御挨拶いたします。御存知のように皆さんの机の手元に2冊のファイルがありますが、マニュアルが副作用ごとにありまして、今回はこれを見直すことをミッションとしてこの会が開かれていると理解しております。非常に重要なお役目ですので、皆様に御協力を頂きまして、完成に漕ぎ着けたいと思います。もちろんこの委員会だけでできるわけではなくて、関係する学会の全面的な御協力がないとできないと思いますので、そういう意味からも、皆で協力してやりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、事務局から資料の確認をお願いします。

○事務局 それでは配布資料の確認をします。一番上に座席表、続いて議事次第、次に開催要綱、構成員名簿、配布資料一覧となり、その後に資料が付いております。まず、資料1として、重篤副作用疾患別対応マニュアル、改定事業について。資料2は基本的なマニュアル記載項目の紹介。次の資料3、マニュアル改定の計画について。参考資料1として、重篤副作用疾患別対応マニュアル作成状況を準備しております。

 なお、今回こちらに組んでおります資料のほか、机の上に備え付けた2分冊の大きなファイルが、これまで作成された「重篤副作用疾患別対応マニュアル」となります。本日の資料は以上ですが、不足等ありましたらお申し付けください。

○五十嵐部会長 佐藤課長が来られましたので御挨拶願います。

○安全対策課長 安全対策課長の佐藤です。どうぞよろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 よろしくお願いします。よろしいですか。資料の足りない方はいらっしゃいませんね。

 では、早速、議事次第にのっとって始めたいと思います。先ほどお話いただきました、このマニュアルについてですが、最初の課題として、この重篤副作用総合対策事業そのものについて御理解いただきたいと思いますので、説明をお願いします。

○事務局 資料1を御覧ください。今回の事業は、平成17年度から平成22年度にかけて作成した、重篤副作用疾患別対応マニュアルについて、作成から10年程度経過しており、記載内容が古くなっていることもあり、一層の活用を推進するため、作成時と同様に関係学会の協力を得つつ、最新の知見を踏まえた改定・更新を実施することを目的としております。

 副作用は、臨床医の専門分野とは異なる臓器にも発生し得ることや、重篤副作用発生頻度は一般に低く、個々の臨床医によっては副作用と遭遇する機会は少ないという場合もあり得ることから、場合によっては発見が遅れ、重篤化することもあります。そのようなことから、当マニュアルの作成とその周知を図ることを通じ、副作用の予測・予防的な安全対策に寄与することを目的としております。

 過去の検討会において、副作用の重篤性、あるいは診断の困難さといったことを総合的に考慮して、先生方により作成対象となる副作用や項目について提案いただき、大きく11の分野、皮膚、肝臓、腎臓、血液、呼吸器、消化器、心臓・循環器、神経・精神、代謝、筋骨格系、過敏症に分類し、例えば皮膚の分野についてはスティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症といったものを取り上げ、各学会、日本病院薬剤師会の御協力を頂きまして、現在75種類のマニュアルが作成されております。

 これらの詳細につきましては、参考資料1にまとめております。先ほど御紹介申し上げましたが、お手元の分厚いファイルが、そのマニュアルそのものとなっております。これらのマニュアルにつきましては、厚生労働省、PMDAのホームページにもそれぞれ掲載されております。

 それでは、引き続き、マニュアルの基本的な構成について御紹介します。資料2を御覧ください。マニュアルは、「患者の皆様へ」という項目、「医療関係者の皆様へ」という項目の2つに大きく分かれております。まず、「患者の皆様へ」という部分では、患者さんや患者の家族の方に知っておいていただきたい副作用の概要、初期症状、早期発見・早期対応のポイントをできるだけ分かりやすい言葉で記載しております。もう1つは「医療関係者の皆様へ」という項目を作っております。その中は、早期発見と早期対応のポイント、副作用の概要、副作用の判別基準、判別が必要な疾患と判別方法、治療法、典型的症例、それから引用文献・参考資料といった構成で、それぞれ作成されております。

 今回の改定としては、学会の診療ガイドライン等関連文書の更新の反映や、前回作成以降、新たに登場した推定原因薬剤の追加など、既存マニュアルの時点修正の実施が基本と想定しておりますが、必要に応じ、新規作成も含めて検討を進めたいと考えております。事務局からは以上です。

○五十嵐部会長 資料12を説明いただいたのですが、何か御質問はありますか。よろしいですか。参考資料1を拝見いたしますと、一番古いのは平成1811月にできて、それから改定 していないのですね。新しいのが先ほど御指摘があった平成233月で、これも作成から5年たっているわけで、古いものは10年近くたっているということですね。結果として、改定する必要が確かにあると思うのですが、何か御質問はありますでしょうか。よろしいですか。

○今村構成員 改定するのはこれというのは分かりますが、そのほかにということはないのですね、そのほかの副作用について新しく検討するという。あるいはどれぐらいの期間を掛けて、これを検討していくのかということ。もし何かあれば教えていただきたい。

○事務局 御質問ありがとうございます。まず、先ほどの説明からは漏れてしまいましたが、期間の点につきましては、資料1に書いてあり、基本的にはこの年度より5年間を掛けて実施していこうと考えております。

 もう1つの御質問の、新たなガイドラインの作成ですが、こちらも必要なものについては新規作成することも考えてはおります。ただ、やはり、まず1つには、これまで作ったものの必要な改定というものがありますので、5年間のタイムフレームと改定しなければならないところの作業量を踏まえつつ、必要なものについては新たなものの作成を検討していければと考えております。

○今村構成員 現在、新たに作成を行うことを考えている副作用はないということですね。

○事務局 具体的にまだ定まったものはありませんが、今後、各分野の学会と調整させていただきつつ、その辺りを検討していきたいと考えております。

○今村構成員 それから、大体古いものから順に改定を行っていくという考え方でいいのですか。

○事務局 はい。これについては次の資料3で、また御意見を頂きたいと思いますが、基本的には古いものから改定していくという方向性を考えております。

○今村構成員 ありがとうございました。

○五十嵐部会長 ほかにありますか。

○飯島構成員 私、皮膚科の飯島ですが、私どもが実は平成18年にトップを切らせていただいて、スティーブンス・ジョンソンとライエル症候群をやらせていただいたのですが、そのときにやった、この私どもの学会から、 正に診療ガイドライン 2016 年版 の最新版が出たばかりなのですけれども、では、なぜこれを改定したかというと、診断基準も変えてございます。

 例えば3年前でしたでしょうか、スティーブンス・ジョンソン並びにTENの治療に、免疫グロブリン大量静注療法が薬事承認になったと。そうすると、これが治療指針に大きく 反映されてくると良いのですが 、これが10年前ですと何もなかったわけですから、逆に言いますと、私どものほうからすると、このマニュアルを見て治療されますと、実は古い治療であるということで、逆に改正していただかないと困るという実情があります。ですから、私どもの10年前のものは、まず私どもの学会からやらせていただきたいと思っているのが1つです。

 もう1つは、例えば、このスティーブンス・ジョンソンの新しい診断基準ができますと、実はこのスティーブンス・ジョンソンの鑑別といいますか、判別で大事なのは、多形紅斑という症状と区別しなくてはいけないということ。皆様方は細かいところはあれかもしれませんが、私どもからすると、スティーブンス・ジョンソンか多形紅斑かでは、天と地ほど違います。予後も違うし重症度も全然違うのですが、これが区別できることをちゃんと実は入れておりますので、逆にさっきの質問に響くわけですが、是非とも今までにない、この多形紅斑という副作用を加えていただかないといけないかなとは思っております。

 以上、改定の必要性が迫っているのが1つと、それからもう1つは診断基準その他が変わったことで対応するマニュアル増やしていただきたいと思っている実情、この2つを御紹介申し上げました。

○五十嵐部会長 ありがとうございます。各学会の専門家の先生方が今日はいらっしゃいますので、細かく伺えば似たような事例がほかにもあると思います。それはまた後で御指摘いただけるかもしれません。今後の改定作業について、個人的には5年間ではなくもっと短い期間で改定できるのではないかと思っております。

 よろしいでしょうか。ほかに質問はいいですか。それでは、資料12の説明はこれでよろしいでしょうか。では次に、マニュアル改定の計画につきまして、この資料3に沿って御説明を頂きたいと思います。お願いします。

○事務局 それでは、資料3を御説明申し上げます。本事業の進め方に関して、まずこちらの重篤副作用総合対策検討会を開催し、進めていくことは前回と同様です。もう1つ、作業の取りまとめについては、日本病院薬剤師会の御協力を頂くという形態を考えております。

 具体的には、関係学会との連携にてマニュアル作成班を組織いただき、その学会、それから日本病院薬剤師会、厚生労働省医薬品医療機器総合機構との協力の下に、作業班においてマニュアルの改定案を作成していくということを想定しております。そして、作業班において作成されたマニュアル案をこの検討会に報告し、構成員の先生方の御意見を頂いて、必要な対応を図ることを考えております。

 本検討会は、作業班の進捗も踏まえた開催ということになり、年に大体12回程度の開会を予定しております。このサイクルを繰り返すことにより、マニュアルの改定を5年間で実施していくことを計画しております。なお、先ほども御意見を頂いたところですが、改定対象となるマニュアルですが、こちらの関係学会と調整した上で、次回第9回の検討会において、5年間の計画の大枠を御提案させていただければと考えております。

 繰り返しになりますが、基本的な順番としては、古いものの更新を優先するという形を考えておりますが、本日、各先生からの御意見も頂きながら検討したいと思っております。また、先ほど飯島先生からほかのガイドラインの改正の必要性を御指摘いただいたところですが、今年度は残り半年となっていることもあり、今年度の取り掛かりとなる改定対象については、座長と事務局に一任いただければと考えております。以上、事務局から説明申し上げました。

○五十嵐部会長 少し分かったのですが、そうすると、取りまとめは林先生の御所属になっている日本病院薬剤師会が、具体的にされると理解してよろしいですか。

○林構成員 イメージとしては、学問的な医学的な改定なり学会の取りまとめについては、各学会の先生方に、以前と同様に学会内にワーキンググループを作っていただいて、取りまとめをしていただくことになると思います。日本病院薬剤師会も以前と同様に、どの学会とも共同作業ができるように、ワーキンググループを編成して、例えば、マニュアル横断的に見たり、副作用の発現頻度の調査など、作成に協力させていただくことを考えております。

 最終的に各学会内のコンセンサスをもって取りまとめられたものが、この検討会に提示される手順になります。前回は厚生労働省で全部横並びの確認など、いろいろな調整作業を全面的に実施されていたと思います。しかし、実は前回も日本病院薬剤師会のワーキンググループも取り纏め作業に協力していました。各学会の先生方の強い思いが書き込んであるマニュアルは、学会の先生方の要望としては、とてもよく分かるのですが、恐らく読者になるであろう、広い意味でいう薬剤師や医師の皆さんなど専門外の読者にとって、分かり難い概念や、補足説明が必要な点などを協議して作業する必要がありました。

 そういった横並びや表記の調整、マニュアルとしての公開時の読者を意識した調整を、私ども日本病院薬剤師会で厚生労働省の補佐としてさせていただくような役回りを担当することを考えています。この検討会に提示された段階で、学問的に医学的に、最新の知見にキャッチアップされていると同時に、一般に公開してうまく利用していただいて、国民の安全に資すということがポイントになると思います。その意味での作業を少し担当させていただいて、この検討会への報告準備として取りまとめる役割をさせていただこうと、前回同様の経緯で考えております。こうした説明でお答えになりますでしょうか。

○五十嵐部会長 あと、今のお話だと、医療関係者の方への配慮だけではなくて、患者さんへの配慮も要りますよね。

○林構成員 そうですね。

○五十嵐部会長 そこも忘れてはいけないですね。

○林構成員 前回も貴重な御意見をその場で頂いていた向きはあるのですが、今回はもう少しフットワークをよくして、前半のポイントの部分が国民の皆さん、あるいは直接服薬されている患者の皆様も気になりますので、その辺は現場で服薬指導している薬剤師の目線で、学会の先生方が作られた医学的なマニュアルを、一般国民向けのものとして編纂する補助を、私ども日本病院薬剤師会としても支援させていただければと思います。

 それと同時に、今、五十嵐先生から御指摘ありましたように、もし可能であれば事前にお送りすることなども含めて、検討会の委員の皆様に御意見を頂戴できていれば、この検討会に上がってきたときに大きな問題点を抱えなくて済むのかなと、前回より一歩進んだ作業ができるかなと思いましたが、いかがでしょうか。

○犬伏構成員 前回のときに確かにそうだったのですが、結果的には御覧になれば分かりますけれども、同じなのです。どれを見ても早く気が付きなさいだけで、早く気が付くためにどこをどう見たらいいのですかというのを何回もお尋ねしても、それは難しいという先生方のお話でした。

 高脂血症の治療薬としてリピトールという薬を飲んでいらっしゃる方が多いのですが、この薬に横紋筋融解症などという副作用を誘発する恐れがあるなどということは殆どの方が知らずに服用していると思います。コレステロールの対処療法として街のお医者様にこの薬を処方されたときそうしたお話を聞いたと覚えて居られる方も大変少ないように思います。こうした例からも、もう少し患者側の身になったきづきが書かれることをお願いします。

 林さんに期待します。

○林構成員 ありがとうございます。ちょっと厚生労働省の皆さんとも御相談して可能なものから対応します。私の認識では、同じ厚生労働省、PMDAという医療従事者、患者さん向けの情報を発信しているホームページのほうに、患者向け医薬品ガイドというものがあります。お飲みになっている薬の名前を入力すると、その薬の効果と副作用に関する説明書が割と分かりやすい言葉で記載されたものが入手できるというコンテンツがあります。医療現場でももちろん効果と同時に気を付けていただきたい副作用は、薬剤師がお話して御相談に乗っている部分もあると思います。何か不十分と感じた場合に、確かめ算で今お話ししたホームページを見ると、この薬にこういう大きな副作用がまれだけどあるという情報が入手できる仕掛けになっています。

 そうした情報にたどり着いたときに、でもそれはどうやって気付いたらいいのというところが、このマニュアルのポイントだと思いますので、そこの複合的な利用の仕方についての国民の皆様へのアナウンスすること、あるいはそのホームページがちょっと使いづらいのであれば、もっとフレンドリーに使えるようにしてほしいという御意見も、もしかしたら頂戴しながら、当局としての国民の皆さん向けの情報の開示というか、提供の在り方も、御指摘のようにバージョンアップさせていく必要があるのかなと思っています。私の気付いた点は、発言していきたいと思っています。どうもありがとうございます。

 ただ、どのぐらいホームページを改良できるかどうかというのは、また組織立った予算化も含めた対応がきっと必要だと思うので、私がコメントするよりも、厚生労働省の方かPMDAの方から御回答いただいたほうがいいように思います。私も何か国民の皆さんに安心して信頼してたどり着ける情報になっていると思いますので、その利活用を後押しするような取組はしていきたいと思っています。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。皆さん、まだちょっとキャッチアップできないというか、分からないところがあると思うのですが、具体的に、それではこのマニュアル改定作業をするに当たって、どうしてもここの委員会だけではもちろんできないので、参考資料1にあるような、領域別の学会にお願いするわけですよね。

 そうすると、その具体的なプロセスといいますか、いつ頃お願いするかとか、あるいはそのときに、先ほどあった古い順からお願いするとおっしゃっていましたし、5年掛けるとおっしゃっていたのですが。それから飯島先生がおっしゃったように、新しい副作用の新規作成も必要かどうかも含めて、お伺いしなければいけないわけですよね。それについては、厚生労働省としてはどのようにお考えなのでしょうか。

○事務局 これにつきましては、この検討会で、基本的な方針として、古いものから着手するということで御了承いただければ、その方針に沿って、参考資料1に付けているとおり、作成年月日はこちらのほうでも把握しておりますので、これを基にして、各学会に、日本病院薬剤師会と一緒に依頼調整を行っていくことを想定しており、それに向けて、それぞれ御相談していきたいと考えております。

○五十嵐部会長 いかがでしょうか、委員の先生方。

○金澤構成員 第1回ということで、ちょっと話したいのですが、今のマニュアルは、疾患別になっていて、要は診断が付いて、初めてマニュアルの選択に一般の方も医療関係者もたどり着けるというところがあります。さっきもちょっとお話があったのですが、大半は特定の薬剤を使っている人が、ちょっとおかしな症状が出たときに、どう考えるかということが大切だと思うのです。

 私は呼吸器なので、ちょっと呼吸器の立場で言わせていただきますと、呼吸器疾患の副作用というのは、ここに項目別に言うと8項目もあるのですが、同様の病態がオーバーラップされていることが1つ。それから実際に間質性肺炎とか急性肺障害を起こしてくる原因の60%は抗がん剤なのです。30%は抗リウマチ薬。ですから、分子標的薬だとか、生物学製剤などを使ったときに、どう出てくるかという視点のマニュアルも、是非一緒にあるといい。この疾患別で診断が付いてから、果たしてそれを見に行く人がどのぐらいいるのかを考えると、縦糸と横糸の両側の見方が必要で、特に一般の方には投薬内容からの導入のほうがいいのではないかと思うので、そういう視点も是非、最初ですので、御検討いただきたいと思うのですが。

○五十嵐部会長 大変貴重な御指示だと思います。

○木村構成員 木村です。腎臓の専門ですが、腎臓学会が今年、「薬剤性腎障害診療ガイドライン」というのを出しています。腎臓に関してはいろいろ概念も変わってきていますので、全体を見直したほうがいいと思います。

 今、おっしゃられたことに関係がありますが、例えば、参考資料1の腎臓学会の所に、間質性腎炎が入っています。間質性腎炎というのは、腎生検をしないと分からない病名ですので、こういうのを入れるよりは、症候から入った方が良いと思っています。急性腎不全と書いてありますが、これは今は「急性腎障害」という概念でまとめられています。それから、もう1つは、この中に入っていませんが、慢性腎臓病という概念が出ていますので、これを使った方が、開業医の先生方や、一般の方には分かりやすいのではないかと思っています。一応、私案を作りましたので、後ほど提出いたします。

○五十嵐部会長 ほかにはいかがでしょうか。

○笠原構成員 今の指摘にも関連することなのですが、このマニュアルをどう作るかというのは、個々の薬について、添付文書にはいろいろな副作用等が書いてありますが、実際に患者さんが使っていて、どういう症状で副作用に気が付くかということから、始めたような話があって、いろいろな見せ方、作り方があると思います。

 この重篤副作用検討委員会が10年ほど前に始まって以来、議論された議事録はすべて既に厚労省のホームページにオープンになっています。その後、実際にこのマニュアルがどの程度よく利用されているか、あるいは使いにくいかとかそういう意見が一般の人からの反響はありましたでしょうか。あるいは、専門の先生方がどの程度使っているかということもありますし、我々が大学にいますと、このマニュアルは、教育上も非常にいい教材としても、使えるのですけれども、そういう意味で、こういうマニュアルがオープンになって皆さんがどの程度これを利用して、どういう問題点があったかというのが、もし厚労省に入っていれば、そういうものも参考にできると思います。

 実際に今は副作用のデータベースというか、厚労省でも副作用の膨大なデータの報告を受け、収集していると思いますが、その整理の意味もあると思います。このマニュアルには、一応、2年間の副作用の件数と、薬剤名が載っていますが、それはある特定の2年間だけということで例示していますが、重篤な副作用としては症例も少ないこともあり、もう少し蓄積した症例を示した方が良い場合もあります。それから、先ほどの抗がん剤や生物製剤が、今は非常によく使われるようになってきて、そういうものの副作用を単純にこれまでの薬剤の中に加えるだけで良いのか、別の項目を立ててやることも必要ではないのかと思います。

 がんに関しては1項目だけ「手足症候群」が出ているのですが、実はいろいろな症候の中に、抗がん剤の副作用が載っています。新規の分子標的薬である抗がん剤や生物製剤は患者さんも使用していることがよく分かっており、効果に対する期待も大きいので、重篤な副作用について、このマニュアルが役に立つようにするには、どう扱ったらよいかということを議論された方が、よろしいかと思います。

○五十嵐部会長 それでは、薄井先生からどうぞ。

○薄井構成員 遅れて参りまして、すみません。私は日本血液学会に所属しておりますので、血液学的副作用ということで2つお話したいと思います。1つは、参考資料1に出ている疾患に関しては、先ほどから先生方が御指摘になられたように、症候の方が判りやすいのではないかと思います。疾患名の中には難治性疾患に相当する名称等も入っております。こうした疾患を診断するためには必ず骨髄穿刺をしなければなりません。副作用のマニュアルにこれらを含むのはいかがなものかと思いました。症候として、貧血、出血傾向、血小板減少症、白血球減少症、血栓症等から入っていくのが妥当ではないかと思います。

 2つめは、抗がん剤の副作用ですが、これらはPMDAがかなり集めている状況ですので、重複するものもあると思います。先ほど林先生から御指摘があったように、PMDAでは、抗がん剤に限らず個々の薬に対して副作用情報を出しているようですので、それにうまくアクセスするようなシステム、例えばリンクを張るとか、そういうことを考えてはどうかと思います。

○五十嵐部会長 ありがとうございます。では、黒岩先生、どうぞ。

○黒岩構成員 今回初めて出席させていただく黒岩です。私の専門は神経内科です。先ほど消費科学センターの方がおっしゃったように、日常診療でコモンに使われる薬剤で、頻度としてはまれでも、それによって重篤な副反応が起きうるという薬剤情報は非常に重要だと思います。

例えば、アスピリンを脳梗塞の再発予防のために処方するのは日常茶飯事ですが、頻度としては少ないけれども、重篤な脳出血を起こすことがあります。あるいは、一般の若い女性がヤーズという女性ホルモン薬を服用していて、極めて重篤な脳血管障害を起こし、寝たきり・植物状態になるということも後を絶ちません。そういうコモンに使われている薬であるけれども、まれとはいえ非常に重篤な障害に至る副反応が起きるのだということが、読者がさっと把握できるようなメリハリが、マニュアルに求められるのではないでしょうか。そう思いました。

それから、最近処方されるようになってきた新しい薬、例えば、消化器系の炎症性疾患に処方されるメトロニダゾールによる脳症・末梢神経障害の発症数が急激な増加傾向を示しております。このメトロニダゾール誘発性脳症では、一度見ると忘れられないような特徴的なMRI所見があり、脳室周囲の異常信号を起こすのが診断の助けになります。一見、ウェルニッケ脳症のようなユニークなMRI所見がありますので、それに医者が早く気が付き、直ちに薬を中止すると重篤な状態に至らずに済む、そこが非常に重要なポイントです。このことは、ほとんど一般医家はまだ知らない情報だと思います。ほかにも、新規抗てんかん薬のラミクタールで、添付文書に合わない投与で重症な薬疹を起こす例も後を絶ちませんし、インフルエンザワクチンで最近ではナルコレプシーという副作用が起こることも一般医家が知るべき知識でしょう。このようにコモンに処方されるごく身近な薬による副作用を知り、あるいは希少疾患に使われる新薬剤による副作用を知ることは、早く発見すれば副作用による障害を未然に防ぐことになるという観点から必要かと思います。

このマニュアルは非常に厚いのですが、重要なところと、重要でないところの重みづけを配慮した構成になるといいかなという印象を持ちました。以上です。

○五十嵐部会長 ありがとうございます。林先生、どうぞ。

○林構成員 先生方のお話を伺っていて、やはり時代が進んできたので、いろいろ、マニュアルを変えなければ追い付かないので、もっと早くこの検討会が開かれたら良かったかなと私もずっと思っていたのです。今回、開催できてよかったと思っている1人です。

 前回このマニュアルを作ったときに、取り上げる副作用の用語というのは、その時々の疾患概念に合っているかどうかとは別に、医療用医薬品の添付文書に厳然と書かれているものを取り上げることと定義していました。いろいろな医療環境で薬が取扱いされているので、副作用の重篤化回避は、分かりにくいよね、という指摘もあり、どうやったら早く専門医の所にたどり着けるかを目指していました。重篤な副作用は稀なので、多分、専門医の所にたどり着く前に相当重症化してしまっている実態もありました。私たち薬剤師もそうですし、その副作用の専門外の医師の皆様にも気付いていただくとしたら、どの初期症状や検査値を見ればいいのかと言う点が前半のメインのテーマとして書いてあるマニュアル構築と思います。このマニュアル自身が鑑別診断をしようとして作ったというよりは、何とか専門外の医療従事者に気付いてもらう、臓器別で言うと、専門外の主治医の先生や薬剤師が、患者さんのお世話をしている中で、どのような症状に気付いて、どのようなことを見付けて専門医にコンサルしたらいいかというようなことの気付きにつながるマニュアルを作っていました。多分、先生方の御要望に、おおむね沿っているものを作っていたのかと思いますが、いかんせん、古くなっている部分があるので、少しずつ変えていれば間に合わないのかと思います。今、少しでも早く、良いものにバージョンアップされたり、必要な、追加的な改定がされるといいと思いながら伺っていました。少し補足です。

○五十嵐部会長 ありがとうございます。飯島先生、どうぞ。

○飯島構成員 流れを見ている中で、古いものから順番にというのは、1つの方便ではありますが、実は先ほどから各領域をお伺いしていると、私どもそうなのですが、要するに、こういう疾患の領域分類でよろしいのかという。我々だと臓器ですと皮膚という臓器で、足し算をしたいのがあるなというのは学会の現場にいると分かるのです。ですから、これは私が思うには、次回の会議までに、役所は忙しいだろうと思いますが、ここに出ているような学会全てから、改定するときにどうすればいいかというような基本骨格をお伺いして、今までどおりでいいのかどうかとか、各学会に。林先生、これ、何でしょうか、アドミッションの委員会のようなものを作っていただくのでしょうか。アドホックの委員会のようなものを作っていただいて、各学会で受皿を作りますね。私ども日本皮膚科学会でも、マニュアル作成委員会を作ってやりましたが、そういう委員会を各学会で作ってもらって、窓口と役所に行ってもらって、一体どういう方向でやったらいいかというのを各領域別に全部意見聴取をした上で、ここにもってこないと。多分、設計図、豊洲の市場ではありませんけれども、図面が途中から変わってしまうと困るので、それを、むしろ先急いだほうがいいのではないかということを、ふっと考えましたが、いかがでしょうか。

○林構成員 私自身も薬剤師の立場で見ていても、これは新薬でこういう新しい副作用が発言しているなという情報もあり、マニュアルの新規作成の準備をしたほうがいいかと、リストを作り始めていたところです。確かに今日、先生方のお話を伺っていると、各学会で、大きく概念が変わって、クリニカルインパクトが大きい改定を要しているものというのが恐らくあれば、それはご意見を伺わないと、作成された年代だけでは、国民の皆さんにマニュアルの成果を還元し続けられないという思いで、今、皆さんの話を伺っていました。それはただ、事務局というか、本省の方と相談しながらになると思われます。

○五十嵐部会長 今村先生、どうぞ。

○今村構成員 参考資料1は疾患別の対応マニュアルと書いてありますが、今、先生方のお話を聞くと、疾患別に対応するということが、もう、ちょっと違うなという感じがしますね。

 それから、診療科と書いてありますが、これ以外にも多分、診療科によっては問題になってくるのでしょうし。ただ、そう言いながら、日本医学会加盟の80ぐらいの臨床系で、アプローチの仕方というかそういうものも、もう少し。例えば、座長と林先生と事務局ぐらいで本日の意見を取りまとめていただいて、では、こういう方向でいこうということでやっていただいたほうが。これを改定するということは、ちょっと時代に合わないという感じを持ったのですけれども。

○事務局 御意見ありがとうございます。非常に難しい宿題を頂いております。なかなか難しいということを感じております。マニュアルの作成の始まりのところについては、先ほど林先生から御説明いただいたようなところがありまして、添付文書に載っているような重篤な副作用に対して、どのように対応していこうかというところが、一つのきっかけとなってできているところです。それでもって今まで、これだけのマニュアルを作ってきたということがあります。

 他方、マニュアルの構成としては、そういった副作用に遭ったとき、むしろ早期発見をどうすべきかということもありますし、あとは、その治療をどうしていったらいいだろうかというところも含まれています。やはりその治療をどうしていったらいいだろうかということになると、これは疾患別でなければ難しいのではないかというようにも思われるところです。

 また、その実際出てきた症状からこのマニュアルの疾患に、それぞれどうつなげていくかというのは確かに、非常に重要な点であると存じますが、1つの考え方としては、薬の部分については、75のこのマニュアルを作ったときのその出版物の別冊の索引の所に、薬別でつながる、マニュアルの名前がリンクしたものを作っています。もちろん典型的なもので、ある程度絞られるところはあると思いますが、そういった索引を作って、薬からでもこのマニュアルにアクセスすることができるようなものを前回作っていました。症状になると、更に難しい部分はあると思いますが、何かそういった症状の面から、こちらの疾患別のマニュアルにつなげていくというものを補っていくような形というのも、1つの考え方としてあるのではないかと考えております。

○五十嵐部会長 まだ御意見があるのではないかと思いますが、よろしいでしょうか。

○飯島構成員 これ、林先生に確認しておきたいのですが、確か前回、10年前にこの委員会が発足したときに、結局、お薬の上流、下流というか、入口、出口という考えですが、要するに、入口のほうでは結局、添付文書にしろ、薬剤師の関与にしろ、その処方する医師の側にしろ、それは上流側からの注意ということで今まで喚起されて、すなわち、原因となる薬剤の側から今まで注意を喚起されてきているのですが、 やはり副作用を出口で 、起こった結果について、それを総括するマニュアルはなかったと。それを作ろうねということで始めたと私は記憶しております。それで間違いはございませんでしょうか。

○林構成員 はい、おっしゃるとおりだと思います。

○飯島構成員 そうですね。

○林構成員 薬の側から調べるというツールは、添付文書や添付文書の補足文書として幾つもあったのですが、患者さんが見る見る悪くなっているかもしれないのに、患者さん自身にも気付いていただくためのツールがなかったですし、専門外の薬剤師や、場合によると、専門化した先生方の医療提供体制の中で専門外の所で診て、気付いてはいるのだけれども、その副作用とは思わずにいると。例えば、飯島先生からご教示いただいた、目のまわりがただれてきたら、もうそれはSJSを疑って専門医に紹介、皮膚科にとにかく送ってくれるぐらいでいいからと助言されていました。同様に患者会の皆さんから経験を聞いても、風邪で目やにが出たかなと思っていたらいけないのだと、それは、風邪で飲んだ抗生物質が原因の場合もあるのだということも、私もお話を伺いました。何か起こっている出来事に、気付けるような医療従事者支援ツールとしてこのマニュアルがあったと思うので、その基本精神は今も変わらないのかと。

○飯島構成員 基本指針は、これは継続ということで、それは先生、確認。今まで、結局、それは国民目線で、患者さん目線でという確か姿勢で作ってきましたよね。

○林構成員 そうですね。

○飯島構成員 それを継続するということで確認させていただいていいのではないかと思います。よろしいでしょうか。

○林構成員 そういうように理解しています。

○飯島構成員 正に、犬伏先生の発想もそういうことだろうと思いますので。

○犬伏構成員 そうです。

○五十嵐部会長 笠原先生、どうぞ。

○笠原構成員 実は厚労省のホームページに、これまでのこの委員会の議事録が全て載っていまして、毎回膨大な量の議事録の中で、そういう今のような議論もされたことがあるのを、御覧になるとすぐ分かると思います。

 私の質問は、どういうものを追加するかということは、これからの議論のことだと思いますが、各学会だけでは対応できないような、横断的なものをどうするかということです。例えば、従来の感染症などは当然いろいろな薬剤、抗がん剤や生物製剤などの免疫抑制薬等がそうですが、症状としては、風邪のような、あるいは発熱などでしかなくても、重大な病気になる可能性があります。そういうものは、内科学会の領域か、感染症学会かの領域かもしれませんが、このような例は、まだ幾つかあると思います。そういうものはこれから議論されたらよろしいかと思います。

○五十嵐部会長 そうですね。そうすると、この参考資料1に挙げられている75疾患のマニュアルを、単に見直すということではなくて、もうちょっと基本なところから見直したほうがいいという、そういう御意見が多かったと思います。なかなか集約はもちろんできないのですが、いずれにせよ各学会にお願いするときに、単に対象副作用だけの見直し、あるいはその用語上の急性腎不全をAKIにすればいいとかという、そういう単純な話ではなくて、そういうことも含めた上で、項目を見直して、新たに変えなければいけないものがあるかどうか、追加すべきものがあるかどうかということを、まずお伺いすることが必要ですね。

 それから、総論というか、例えば、皮膚の副反応が薬剤で起こるのにはどういうものがあって、どういうことが出てきたらこういう病気を疑うとかという総論的なもの、皮膚とか、腎臓とかの領域の各疾患名の前に何か、例えば腎臓の症状が薬で起きてくるときには、こういうことにつながるとか、こういうことから始まるとかといった総論的なものがあると、もうちょっと助けにはなるかという感じはしました。それも含めて、学会に伺ってみるというのはどうでしょうか。それで古いのから直すというのも基本的にはいくのでしょうけれども、でも、そういう基本的な枠組みをまず各学会にお願いして。それもここにある11学会プラス8学会、3ページ目に口腔、骨と8学会が入っていますが、全部で11プラス8学会では足りないかもしれないので、今村先生がおっしゃった、他の学会にも聞いてみるということはあるのかもしれませんね。できるだけ全ての領域の学会に、今村先生、臨床系の80学会に全部聞く必要はありますか。

○今村構成員 いや、基本的には、19程度かと。

○五十嵐部会長 専門医機構の19の基本学会ですね。

○今村構成員 あれに加えて、それから消化器学会とか、呼吸器学会とか、サブスペシャリティーでも、メジャーな学会がありますね。

○五十嵐部会長 はい。

○今村構成員 会員数にすれば、1万人以上ぐらいのああいう所を加えてやってもらえれば、それほど漏れはないのではないかと思います。

○五十嵐部会長 今村先生、申し訳ありませんが、挙げるべき、伺うべき学会のリストを作っていただけませんか。

○今村構成員 はい、分かりました。

○五十嵐部会長 申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

 では、基本的に、大事な既に出版された貴重な資料ですので、踏襲するとして、バージョンアップだけではなくて、ニューバージョンも加えることを検討したいと思います。それから総論的なものも加えることも考えてもらうということで、今村先生から出していただくリストの学会にお伺いするという作業を始めるということでよろしいでしょうか。そのときに、今日お話になったこと以外に、何か御希望がありましたら、事務局にメールで御連絡下さい。林先生が中心になって作業を進める上で、助かると思います。是非、お願いしたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 では、基本的な方針がこれで決まったのかどうか、やってみないと分からないところはあります。これから各学会にお伺いし、それをまとめて、今後の方針の枠組みができます。その上で、次の会を開催することになります。いつぐらいを予定されていますか。

○事務局 かなり大きな宿題を頂いてしまいましたので、少しお時間を頂いて。

○五十嵐部会長 どのぐらいですか。

○安全対策課長 新年度に入ってからということになると思います。

○五十嵐部会長 そうですか。

○安全対策課長 来年45月ぐらいです。恐らく全体の整理と体系付けのところは少しそのぐらいお時間を頂いて。

○五十嵐部会長 半年もたってしまうと、議論を忘れてしまいそうですが。

○安全対策課長 ただ一方で、先ほど飯島先生からの御指摘がありましたが、すぐに対応しなければならない部分については並行して、今回、座長と相談させていただいて、走らせていただこうかと思っております。

○五十嵐部会長 分かりました。

○木村構成員 古いほうからという話も、やはり見直さなければということなのです。恐らくほとんどの領域で全体の概念を整理する必要があるのではないかと思います。ですから、そういう話を聞くと、またいろいろ出てくると思います。それをどうするかということは、またここで話し合わないといけないのでしょうかね。

○五十嵐部会長 全体が見えてからですね。

○木村構成員 はい。

○五十嵐部会長 そういうことをしないといけないですね。新年になったら二回目の会合を開くことはできませんか。

○安全対策課長 基本の18学会プラスの部分がどのぐらい出てくるか分かりませんけれども、全体の意見をお伺いして、恐らく意見聴取された学会のほうも、そのレスポンスにまた時間がかかると思いますので。

○五十嵐部会長 そうですね。

○安全対策課長 余り急いだスケジュールを立てないほうがいいかという感じがします。

○五十嵐部会長 はい。

○安全対策課長 可能な限りで年明け、早いほうでと思います。最悪でも新年度明けぐらいのタイミングでは開催できるように努力させていただきたいと思います。

○五十嵐部会長 分かりました。ありがとうございます。せかしたわけではありませんが、忘れてしまうので。林先生、どうぞ。

○林構成員 今の今後の作業に関連して、私どもも厚労省の皆さんと協力してやろうと思っています。確認で教えていただきたいのですが、各学会に伺うスタンスとして、ご意見を伺うコンセプトとしては、1つは、従前のマニュアルで、国民の健康の観点から考えたときに、至急改定の必要のあるマニュアルを順に理由を御享受いただいて、お示しくださいというようなこと。

 先ほど来、コメントで教えていただいているように、もう、概念が違っているというものについては、統合とか、タイトルメイクも変えないといけないのではないかという御意見を頂くということ。

 それから、新たな薬、あるいは新たな医学の進歩に伴って、新たな副作用が既に学会としては認識していて、それに対するマニュアルが必要だろうということについて、いかがでしょうかという3点ぐらいの要点で。

○五十嵐部会長 要するに症状等から副反応に結び付くような何か総論的なものが必要かどうかということも、疾患領域ごと、学会ごとに、伺ってみたほうがいいのではないかと思います。全体を総論1つでまとめるのは、難しいと思います。ですが、領域ごとでしたら、もうちょっと書きやすいと思います。

○林構成員 はい、分かりました。先生、後でもう少し教えてください。

○五十嵐部会長 総論ですよね。

○林構成員 はい。ということを伺って、安全対策課の方と相談しながら作業の打合せをするということでよろしかったですか。その設問の内容を明らかにしておいたほうがいいかと思って発言しました。ありがとうございました。

○五十嵐部会長 大変貴重な、まとめていただきましてありがとうございます。何かありますか。

○安全対策課長 あと、先ほど、事務局から紹介しましたが、このマニュアルで皆さんのファイルに入っているものは、一番出口のところの対象副作用疾患だけですが、現実はこの本で出版している部分には、医薬品名と副作用の索引が付いているので、それをもう少し活用して、入口のところからも入りやすい形にしていったほうがいいと思います。それは本だけではなくて、こういう場にもそういうものを出して、また御議論いただいたほうがいいかと思っております。そうすると、全体的な症候ベースで、まとめてここから個々の副作用に入っていくとかいうのが恐らく分かりやすい形になるのだろうと思います。

○五十嵐部会長 齋藤先生、どうぞ。

○齋藤構成員 課長がおっしゃられたことに全く賛成です。症状と薬を検索できるようなインターネットのサイトがあれば利用しやすいというように考えております。

○五十嵐部会長 ほかに御意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、議題2の論議もこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。

 では、本日予定していた討議事項は、一応、これで終了です。委員の先生方、あるいは厚労省、事務局から何かありますか。よろしいですか。

○事務局 特段ございませんが、本日の議事録については、後日、議事録()を先生方に送付させていただきますので内容の御確認をお願いいたします。御確認いただいたものについては、これまでと同様、ホームページに掲載いたします。よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

○五十嵐部会長 本日は活発な御意見が頂けましたので、今後の方向性が明らかになったのではないかと思います。

 それでは、これでこの委員会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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