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2016年9月30日 第33回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

○日時

平成28年9月30日(金)14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎5号館19階 共用第8会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2)


○議題

1.NDBオープンデータについて
2.オンサイトリサーチセンターについて
3.その他

○議事

 

○山本座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第33回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。

 構成員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、厚く御礼を申し上げます。もうちょっと涼しくなるかと思ったのですけれども、まだ少し暑いですね。

 会議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況について、事務局からお願いをいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

 それでは、本日の構成員の出欠状況について御報告させていただきます。本日は、猪口構成員、印南構成員、松田構成員、三浦構成員、棟重構成員から御欠席の御連絡をいただいております。

 棟重構成員の代理として、審査分科会の構成員である健康保険組合連合会参与の松本参考人に御出席いただいております。それから、石川構成員と藤田構成員が少しおくれておられるようでございますが、本会議の規程に基づいた開催要件は満たしておりますことを御報告させていただきます。

 また、本日は、議題1の議論に際しまして、参考人として御出席いただく先生がいらっしゃいますので御紹介させていただきます。NDBオープンデータ調査分析ワーキンググループ座長を担当していただきました京都大学医学部附属病院診療報酬センター、加藤源太准教授でございます。

○加藤参考人 よろしくお願いいたします。

○赤羽根室長 本日の会議は全て公開にて行いますが、カメラの撮影はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 会議開催要件を満たしているとのことですので、早速ですが、本日の議事に入りたいと思います。

 それでは、議事次第に従って進めていきたいと思います。

 まず、本日の議題の1つ目「NDBオープンデータについて」ということで、参考人の加藤先生から、よろしくお願いいたします。

○加藤参考人 京都大学の加藤でございます。このたびは、NDBオープンデータに関しまして、このような発言の機会、報告の機会をいただき、まことにありがとうございます。

 早速ではございますが、お手元の資料1-1「第1回NDBオープンデータについて」を御説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 お手元の資料をおめくりいただきまして、ページ番号1番から御説明させていただきます。この1番では、オープンデータ作成の背景と目的について紹介させていただきたいと思います。

 背景ですが、レセプト情報・特定健診等情報データベース、NDBと申しておりますものは、非常に悉皆性が高いレセプト情報、それから検査値といった非常に詳しい情報を有しておる特定健診等情報が含まれておりまして、国民の医療動向を評価する上で大変有用なデータだと考えられております。

 このデータベースは2009年より収集されておりまして、医療費適正化計画の策定に資する目的で利用が進められておりましたが、これが2011年度より、それ以外の目的でも利用が認められるようになりました。一方で、政策立案、データを用いた研究などといった医療費適正化計画策定以外の目的での利用に関しましては、このデータの機微性の高さに鑑みまして、利用者に対しては高いレベルのセキュリティ要件を求めることとし、有識者会議での審査を経た上でデータ提供を行うというスキームでデータ提供が行われてまいりました。

 一方で、研究者、それからNDBデータに関心のある方々、必ずしも全員が詳細な内容の個票を必要とするわけではないという背景がございます。そういうことで、多くの方々が簡単に使用できるような、あらかじめ定式化された集計データを、NDBデータをもとに作成して整備することが重要なのではないかということが、有識者会議でもしばしば議論されてまいりました。

 また、このNDBデータの民間提供に関する議論もなされてまいりましたが、これにつきましては「レセプト情報等の提供に関するワーキンググループ」の報告において、汎用性が高く、さまざまなニーズに応えられるような基礎的な集計表を作成して、それを公表することで多くの方々に利用いただく。これをもって、民間のニーズにも応えていくことが重要なのではないかということが指摘されていたところでございます。

 そうした議論を受けまして、多くの方々が容易にNDBデータに基づいた保健医療に関する知見に接することができるよう、NDBデータを用いた基礎的な集計表を作成し、公表することが重要なのではないかということで、今回、作成に至ったわけでございます。その目的は、NDBを元に提供実態、特定健診等の結果をわかりやすく示し、日本の保健医療について関心を持っておられる方に広く情報提供するということでございます。

 ページ番号2番では、オープンデータの集計対象と公表形式について紹介させていただきます。

 そもそも、先ほど申しましたような目的に沿ってNDBオープンデータが作成されたわけですが、オープンデータの内容、公表のあり方については、ヒアリング等に基づいて、ここに書かれているような集計対象、公表形式にしようということで検討が進められてまいりました。こちらの資料では触れておりませんが、詳細は、NDBオープンデータ調査分析ワーキンググループにて検討を行ってまいりました。

 このワーキンググループでは私が座長を務めさせていただきましたが、ほかにも、当有識者会議の構成員でいらっしゃいます名古屋市立大学の頭金正博先生、データビークルの西内啓さん、健康保健組合連合会、本日、参考人としてご出席いただいております松本義幸さん、それから読売新聞・高橋圭史さん、NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子さんを委員として、4回にわたりワーキングで検討を重ねてまいりました。そのワーキングでの検討結果が、こちらの集計対象と公表形式になったわけでございます。

 データの対象・項目等について御説明させていただきます。

 公表するデータは、1、2、3、4と振っておりますが、まず医科診療報酬点数表の項目、2歯科の傷病、3特定健診の集計結果、4薬剤データという4本柱を公表データとさせていただきました。

 対象期間は、3特定健診の集計結果につきましては、平成25年度の特定健診実施分、残りの1、2、4に関しましては、平成26年4月から平成27年3月の診療分、すなわち26年度診療分のデータとしております。

 これらの公表項目ですが、順に説明させていただきますと、1は診療報酬点数表項目のAからNまで分かれております、Aは初・再診料とか入院基本料、入院基本料等加算。Bが医学管理等、Cが在宅医療、Dが検査。E以降は順に画像診断、リハビリテーション、精神科専門療法、処置、手術、麻酔、放射線治療、病理診断とございます。

 2歯科傷病に関しましては、う蝕、歯周病、喪失歯に関する集計を行っております。

 3特定健診の集計結果につきましては、BMI、腹囲、空腹時血糖、HbA1c、収縮期血圧、拡張期血圧。それから、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、GOTAST)、GPTALT)、γ-GT(γ-GTP)、ヘモグロビン、眼底検査について集計結果を公表しております。

 4薬剤データにつきましては、内服、外用、注射、それぞれにつきまして、外来の院内処方と院外処方。それから、入院、それぞれ、薬価収載の基準単位に基づき、薬効別に処方数の上位30位を紹介しております。

 このように項目を並べるだけでは、なかなかイメージがわきにくいかと思いますので、お手元、机上配付の資料の第5章から始まる診療行為の算定回数等の集計グラフをごらんいただけますでしょうか。

 この資料のA、B、C、Dとございましたが、医科診療報酬点数表の項目につきまして、例えばAですと基本診療料ですが、ここで対象となっているのが初・再診料。それから、次のページに行きますと、入院診療に関する情報が出てきております。こういった項目のうち、グラフでは重要なものを抜粋しています。

 あと、ページをめくっていただいて、ページ番号36の入院基本料のところですと、これは療養病棟入院基本料が6項目積み上げて、都道府県ごとにグラフで表現されています。これは一つの例でございますが、点数表の項目、傷病、集計結果、薬剤データ等をこのようなグラフでお示ししております。

 もう一つ、傍聴の方々は少しわかりにくいかもしれないですけれども、皆様方の机にあります、分厚い大きいファイルにあるのがいわゆる「データ編」でございまして、先ほど申しました集計に関しまして、公表予定のものを全て紙媒体で打ち出したものでございます。これがウェブサイトにアップロードされるとイメージしていただければと考えております。ご覧の通り、かなりの量の情報で網羅的な内容を含んでおります。

 本編資料に戻りまして、データの対象・項目等の4ポツ目になりますが、特に1医科診療報酬点数表項目のところにございますが、今回は、医科/DPCレセプトの傷病名情報の集計を行うことはいたしておりません。その理由ですが、例えば「疑い」病名の取り扱いなど、傷病名の妥当性については相応の検証が必要と考えられたのですが、今回は十分な検証には至っておりませんので、傷病名情報の集計は実施しておりません。

 次に公表形式でございますが、先ほど抜粋版の書類では棒グラフになって説明されておりましたが、基本的には、1、2、3、4の各項目に対して、一部例外を除き、集計表とグラフを作成して公開します。その集計表が、こちらの分厚いファイルだとお考え下さい。

 次のポツでございますが、集計表では、都道府県別及び性・年齢階級別の集計を、この抜粋版のグラフでは、都道府県別の棒グラフの記載を行うということでございます。

 なお、実際、ここの資料の中では余り触れておりませんが、例えば医科のレセプトとDPCレセプト、入院患者さんの場合は出来高で算定される場合とDPCで算定される場合がございます。しかし、両者のデータ構造は異なっておりますので、それをそのまま合計するだけで数字が出てくるわけではございません。ある程度、可能な範囲で処理を加えた上で両者を合算し、最終的な公表物とするなどの整理を行っております。

 どういった処理を行ったかということにつきましては、オープンデータの中で紹介させていただいております。今後、オープンデータを利用される場合には、こうした点にも御留意いただいた上でお使いいただけると大変ありがたいと考えます。

 続きまして、もう一枚おめくりいただきまして、ページ番号3番目のNDBオープンデータ:最小集計単位の扱いについて、御説明させていただきます。

 まず、集計単位に関する問題点でございますが、NDBを用いた研究を成果物として公表するに当たりましては、レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドラインにありますように、最小集計単位の原則が定められておりまして、これを遵守する必要がございます。こちらにガイドラインから一部抜粋した事項を記載しておりますが、例えば、公表される研究の成果物においては、患者等の数が原則として10未満になる集計単位が含まれていないことが求められております。年齢区分につきましても、公表される研究の成果物においては、原則として5歳ごとにグルーピングして集計されること、とガイドラインで定められております。

 一方、NDBオープンデータは、ファイルにありますように非常に多岐にわたる項目を集計いたしますので、例えば都道府県別、性・年齢階級別の集計を行ってしまいますと、ガイドラインの原則を適用したとしても、他の集計結果に対して足したり引いたり、そういう容易な処理を行うことで、10未満という数が得られてしまうおそれがございます。

 ここに1つ例を出しておりますが、ある項目につきまして、1都道府県のみ10未満で、残りの都道府県は10以上という場合、その都道府県を空欄であらわしたとしても、全国の合計の件数から46都道府県の数を引いてしまうと、その都道府県の集計結果が得られてしまうといったことがございます。

 それ以外にも、医科診療報酬点数表項目、例えばリハビリテーションとか薬剤データに関しましては、患者1人で複数回算定されるということがございます。例えば、リハビリテーションでは算定単位数としておりますが、3単位、6単位と算定されるような事例もございますし、薬剤データですと処方数量ですから、1回1錠、1日3回の薬を30日服用すると、患者さんは1人で月に90錠服用されることになります。こうした集計に対して10未満という基準をそのまま適用するのでは、整合性がとれないのではないかという意見がございました。

 そういうことで、今回の対応は、ガイドラインを遵守するとともに、例えば総件数は表記せず、入院事例での件数と外来事例での件数を分けて表記することとしております。これは、膨大な集計のうち、総件数、入院件数、外来件数を出すことで、一方から他方を引くという処理によって、10未満のセルの件数を推定することが可能となることを防ぐためでございます。

 加えて、1項目のみ、例えば東京都のみ10未満とか、あるいは45歳から49歳という年齢階級の男性のみが10未満といった集計結果が得られた場合には、総件数をそのまま表記して、各項目は全て空欄にすることとしております。

 それから、先ほどのリハビリテーションや薬剤データのように1患者で複数単位算定される項目につきまして、最終集計単位を、リハビリテーションでは100、それから薬剤データは1,000とすることとしております。

 最後に、おめくりいただきまして、ページ番号4をごらんください。

 このNDBオープンデータでございますが、公表に当たりましては2部構成とさせていただきました。そのうち片方が、紹介いたしました分厚い集計表で、データ編としております。この各項目の集計表を厚生労働省のホームページで公表するものとしております。紙媒体ですべて置きかえると、これぐらいのボリュームになるということでございます。

 もう一方は解説編としまして、NDBの第三者提供及びNDBオープンデータに関するこれまでの議論を踏まえて、NDBの利活用に関する現況を紹介するとともに、データ編で取り上げた集計表について、項目や留意事項の解説。それから、算定回数の多い代表的な項目、診療行為等で約300項目について、都道府県別の算定回数をグラフに示して、それぞれの項目について簡単な説明を付記してございます。

 最後になりますが、このような方針に基づいて、第1回NDBオープンデータを作成させていただきましたが、国民皆保険制度下の日本におきまして、保健医療に関する非常に悉皆性の高いNDBのデータを用いた、いわゆる診療行為、薬剤等々の概要をこのオープンデータでお示しすることができたらと思っております。日本の医療の現況を把握するに当たって、関心のある皆様方にこのオープンデータを少しでも活用いただきたいなと考えている次第でございます。

 以上、簡単ではございますが、第1回NDBオープンデータの概要を御紹介させていただきました。どうもありがとうございました。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 ただいまの加藤先生からの御説明に関しまして、御意見、御質問はございますでしょうか。

 最小集計単位の扱いに関しては、前回でしたか、前々回でしたか、この有識者会議でも御議論いただいて、当面、この方向で行こうとなった部分だと思いますけれども、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○宮島構成員 大変なお仕事、どうもありがとうございます。

 それで、実際にやられてみて、実はここのところが思ったより苦労したとか、もうちょっと明確にしたほうがよかったとか、手がかかったとか、今後も続けていく上で気になったことはございませんでしたでしょうか。

○加藤参考人 御質問、ありがとうございます。

 今後に関しましては、恐らく次の議題に入っていると思いますが、私個人の意見を申しますと、第1回のオープンデータをつくる過程が非常にタイトなスケジュールとなっておりました。これは、時期がタイトだからどうこうというのではなくて、レセプト件数だけでもう100億件を超えている。一方でオープンデータを作成する期限がある程度限られていたので、手がかからないといったら変ですが、集計のためのアルゴリズムをいろいろ考えたりすることはできるだけ避けて、第1回ということで、集計を早い段階でお示しできるようにということを最優先にしてこちらの集計項目を絞った取り組みを行いました。

 それでも、関係する方々、もちろん事務局を含めまして、非常に労力と時間を費やす作業でありました。それだけのボリュームがあるということは、逆に言うと、これをさらに精緻なものにしていこうと思ったら、かなりリソースが要るのではないかと考えています。このあたりは、今回公表されますので、オープンデータに対していろいろな意見が出てくるかと思います。その意見の大きさを踏まえて、全体として底上げできたらなと考えております。

○山本座長 よろしいでしょうか。

 ほか、いかがですか。

 どうぞ。

○杉山構成員 1つ、歯科についてですが、歯科は今回、傷病だけになっているのですが、将来的な考え方の中で、これに処置行為を入れることについてはどういうふうにお考えになりますでしょうか。

○加藤参考人 御質問、ありがとうございます。

 私どものワーキングが直接オープンデータをつくる権限はないので、多分、こういう場での議論があって、それで要望がたくさん出てくるようでしたら、恐らく事務局と議論して検討されていく、ということになるかと思っております。事務局から何かありますでしょうか。

○赤羽根室長 実は、次のところでちょっと御説明させていただこうと思っていたのですけれども、次のオープンデータの作成のときに集計に関する御意見、御要望を受け付けることを考えておりますので、いただいた御指摘もそういった中で検討させていただきたいと思っております。

○山本座長 ほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、引き続き、このオープンデータの話題ですので、資料1-2について事務局から説明をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

 資料1-2「第2回NDBオープンデータの作成について」という紙をごらんいただければと思います。

 めくっていただきまして、1ページに第2回のオープンデータの考え方とスケジュールを書かせていただいております。

 第2回目のオープンデータについても、現在鋭意作成に取りかかっている状況でございます。基本的には、レセプト情報については平成27年度、特定健診情報については平成26年度を今回は集計対象にしていきたいと考えています。

 それから、第1回NDBオープンデータで集計した項目については、基本的にはそれを定型的には踏襲していくことを考えていまして、さらに、先ほど申し上げましたが、集計に関して御要望を受け付けまして、これも踏まえた上で集計表を作成していきたいと思っております。

 

 御要望を10月から受け付けを始めまして、一定期間、募集を行うことを考えています。これを踏まえて集計表の作成に入っていくということで、今年の年末、来年の頭というあたりで集計作業を行っていくことになるかと考えています。

 公表については、仕上がりが翌年度に入っていくということが予想されますので、29年度に公表していくというスケジュールで考えております。

 次の2ページ目に、今のところ、こんな形で御意見、御要望の募集を検討しているという記入シートの案を載せさせていただいております。基本的には、ウェブサイト上で募集を行うことを考えていまして、いただいたものの中で、これは集計の中に取り入れられるものについては、オープンデータの中に反映していきたいと思っております。

 あと、提出上の注意事項というのも少し付記させていただこうと思っております。

 基本的には、こういう形で御要望をお受けして、オープンデータに反映していくということを次のオープンデータでは考えたいと思っております。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの第2回NDBオープンデータの作成についての御説明に関して、質問、御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。

 どうぞ。

○頭金構成員 今後、NDBオープンデータを継続するに当たって、多くの方の要望、意見を収集していくことは大切と思います。第2回オープンデータに関しては、10月から12月という形で期限を切っていくのはいたし方ないことかと思いますけれども、オープンデータが今後も続くということであれば、意見聴取は期間を限定せずに、長い期間、できれば常時意見を収集できるような体制をつくることも検討していただければと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 事務局、何かありますか。

○赤羽根室長 まず、第2回については、作成のスケジュールもありますので、こんな形で期限を切らしていただきまして、今、御指摘のあった点については、今回、意見を募集して、どんな感じの意見が出てくるかというのを見させていただきながら、よく考えさせていただきたいと思っております。

○山本座長 武藤先生。

○武藤構成員 まず、非常に大変な作業をしていただき、本当にありがとうございました。大分前だと思いますけれども、国民にわかるような形でということを宮島構成員も私も発言させていただいて、すごい量のデータセットですけれども、出てきたということはすばらしいことだと思います。

 それで、今の御意見・御要望の記入シートの案がございました。ちょっと教えていただきたいのは、前提条件として、単純かつ基礎的な集計表に限るとあって、それを必要とする理由あるいは利用目的を書いてくださいというコーナーがあるのですけれども、単純かつ基礎的な集計とはいえ、項目が結構たくさんあるので、マニアックな依頼が来る可能性もあると思います。それで、これが公益な目的に資するものという観点で、この集計表を必要とする理由あるいは利用目的というのは、請求する者や業界団体、関係者だけじゃなくて、どう役立つと思っているのかということを書いていただいてもいいかなと思ったのです。そういうことを加えていただくと、皆様の判断に役立ちますかという質問です。

○山本座長 事務局、ありますか。

○赤羽根室長 この集計表自体、広く公開されるという性質のものなので、確かにそういう観点からの意見を書いていただくというのは、1つ大事なのかなという感じはしております。

○山本座長 時間的に、いただいた意見を全て反映できるわけではないと思います。そうすると、より説得力のある意見が優先されるので、望ましいことは望ましいですね。

 大久保先生、どうぞ。

○大久保構成員 今の御質問に関連して、単純かつ基礎的な集計表の定義といいますか。希望をとると、例えば貧血の人の医療費は幾らとか、健診データと医療費のクロスをしてくださいとか、都道府県別かつ年齢階級別とか、単純に想定されることがあります。例えば都道府県別かつ年齢階級別ということになると、これは単純かつ基礎的な集計外になるのか、それともそれはいろいろな意見を聞いた上で判断するのか。

 ある程度ルール的なもの、事例を挙げておかないと、やたらといろいろ細かいものが、先ほどマニアックという言葉がありましたけれども、先ほどマニアック的な集計表が出てくるのではないかと私は思います。それはそれで、今後の参考にするということであれば、行政側としては、必要であればいいですけれどもね。

○赤羽根室長 御指摘、ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、単純かつ基礎的と書いても、恐らくいろいろな御要望が出てくるのではないかと思っております。1つは、明らかに複雑だろうという集計表について、名寄せをして、さらにその医療費と健診データもつけてというものは、我々から見ると明らかに複雑な処理だろうということになるので、そこを例示するかどうかというのは少し考えたいと思います。

 ただ、どこまで基礎的かというのは、御指摘のとおり難しい面もあって、そこは最終的には、作業量と集計することの意味とのバランスかなと、今のところ事務局としては考えている次第でございます。

 以上です。

○山本座長 ほか、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○松本参考人 大変膨大な資料が出て、ビッグデータが目に見える形でできたことは大変いいことだと思います。ナショナルデータベースは、まさに国民の財産でもありますし、より多くの人に公表していただいて、ここにアクセスしても、なかなか自分の番が回ってこないというぐらい、多くの国民から関心を持っていただくように、広く知らしめていただきたいというお願いでございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 ほか、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○武藤構成員 今の御発言にも関連するところなのですけれども、さっきちらっとこれを見させていただいて、初診料だけでもすごくおもしろかったのです。多分、これをかみ砕いてくださるテレビ番組とかメディアがかんでいただくと、これをどう読めばいいのかというか、これだけでおもしろいことがわかるなと思って、要望というか、記者の人たちが記事を書きたくなるような、お願いできればと思います。

○山本座長 ありがとうございます。確かに何日もお酒が飲めそうなぐらい、たくさん話題がありますね。

 ほか、いかがでしょうか。

 どうぞ、藤田先生。

○藤田構成員 大変充実したデータで、ぜひ研究で使いたいなと思っているのですけれども、今後、第2回なのか、第3回以降なのかということになると思いますけれども、国際比較がいろいろできるような形も意識したデータがあるといいなと、ちょっと思いました。それはどういうふうにするのか、薬剤が違ったり、いろいろあると思いますけれども、海外の類似のデータベースとうまく比べられると、やる側はすごく楽だなと思いました。

○山本座長 ありがとうございます。これは、ホームページからダウンロードできるということは、海外からもダウンロードできるわけですから、少なくとも英訳をしてほしいと事務局には御要望を出しております。

 ほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 これは、具体的な日付はまだ決まっていないのですか。

○赤羽根室長 具体的な日付はまだ決めておりませんが、なるべく早く公表させていただこうと思っております。

○山本座長 ほか、よろしいでしょうか。

 確かに100億円を超えているのですけれども、1年分のデータですから、十数億円なので、これが本当に役に立つものであれば、NDBから最初に1年分抜き出してやれば、全く違うシステムでやれるので、それなりに集中してできると思いますけれども、予算がかかることですから、それなりに評判がよくないとできませんので、いろいろな方にお勧めいただいて、ぜひポジティブな意見をフィードバックしていただけると、これから取り組むことに対してすごく力になる。よろしくお願いいたします。

 それでは、事務局の予定どおり進めていただくということで、進めたいと思います。

 続きまして、議題の2番目の「オンサイトリサーチセンターについて」に進みたいと思います。

 資料2に関しまして、説明をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

 今度は、資料2で「オンサイトリサーチセンターについて」を御説明させていただきます。

 1ページ目でございますが、今回はオンサイトリサーチセンターに関しまして、まず模擬申出の進捗について御報告させていただいた上で、東大・京大、それぞれのオンサイトリサーチセンターから追加の模擬申出が出ておりますので、これについて審査いただきたいと思っております。その上で、最後に今後のスケジュールについてということで、御確認をお願いしたいと思っています。

 まず、模擬申出の進捗についてでございます。3ページでございます。

 こちらのほうに、今、東大・京大でそれぞれやっていただいている模擬申出を一覧で出させていただいております。いわば、オンサイトのパフォーマンスチェックということで進めていただいているものでございます。

 次の4ページ目から、具体的にオンサイトのパフォーマンスチェックからどんな報告が上がってきているかというのを、少し抜粋させていただいております。

 以前の有識者会議でも、東大・京大がそれぞれ報告しているものですので、少し簡単に触っていきますが、4ページ目で、具体的にどのぐらいのサイズのデータを抽出すると、どのぐらいの時間がかかるかというのを東大のほうで出していただいたものでございます。

 その次の5ページ目でございます。

 実際に東大のほうで使用していただいた感触も踏まえまして、それぞれのデータの解析の中身に応じて、どのくらいのスキルが必要なのかという点を東大にまとめていただいています。

 具体的には、例えば集計データだけを使うということであれば、レセプトに関する理解があればいいだろう。

 一方で、抽出済みのデータを解析するとなると、RとかSASといった統計ソフトが使えないといけません。

 さらに、大規模個票データからのサンプリングデータといったものを解析していくとなると、データベースを使うスキル、つまり、SQLを打ち込むスキルが必要になってくるだろうということでございます。

 さらに、大規模個票データ全体を使うということになると、機械学習の知識とかプログラミングスキルまで必要になるかもしれないということで、どのぐらいのスキルが必要になるかといったあたりを今回、まとめていただいております。

 さらに、6ページ目ですが、オンサイトの中に組み込まれているデータ抽出のツールとか集計ツール、それから統計解析のツールで、それぞれどんなことができるのかというのを、今度は京大のほうで見ていただいたものでございます。

 例えば、患者数の集計であれば、自由分析でもできるし、SQL Plusでもできる。そして、Oracle Rを使ってもできることがわかっておりますが、一方で、例えばデータをダウンロードするというと、SQL Plusだと長時間かかるといった制約も見えてきているという状況でございます。こうしたことも踏まえて、例えば今後、第三者提供みたいなことを念頭に置いたときに、マニュアルにこうした情報を組み込んでいく必要もあるだろうということが今のところ見えてきているという状況でございます。

 めくっていただきまして、7ページ目でございますが、これは既に御承認いただいた東大と京大のオンサイトの模擬申出でございます。これまでパフォーマンスチェックをやっていただいて、それぞれ御報告いただいた状況でございます。さらに今、こちらの4つの研究に東大・京大、それぞれ取りかかっている状況でございますので、またこれが進んで完了したら、もう少しオンサイトの状況がわかってくるだろうと期待しております。

 それから、こういった状況を踏まえまして、8ページ目からの追加の模擬申出に進んでいきたいと思います。

 こうして4つの研究に取りかかっている状況ですので、この4つの研究が済んで、その先のオンサイトのさらなる機能を検証していくという観点で、追加の模擬申出を出していただいております。

 1つ目が、No.7と書いてあるものですけれども、東大の橋本先生より出ている申出でございまして、「医療データの統合・解析による将来予測ミクロシミュレータの構築」です。要は、将来の人口推計等々の予測をするためのシミュレータですけれども、従来は人口や罹患については静的なシミュレーションがメインだったのですけれども、今回、橋本先生の申出で念頭に置いているのは、もう少し動的なものということです。

 具体的には、例えば2016年の65歳と2030年の65歳では、恐らく病気のかかり方とか生活習慣病の罹患の仕方も違っているのではないか。そういった世代の違いとか動的な違いも組み込んだシミュレータというものを開発するための研究をしていきたいということでございます。

 申出の詳細については、机上に置かせていただいている、参考資料2-1と書いてあるのですけれども、「レセプト情報等の提供に関する申出 東京大学」と書いてあるものの中に詳細が出ております。分析の対象とするデータは、2011年4月から2015年3月を考えているということでございます。

 続きまして、No.8と書いてあります京大の黒田先生の申出です。「終末期高齢患者において提供される医療に関する実態評価」と書かれているものですけれども、基本的にこれは第三者提供で申出をされて、1回提供を受けて研究されているもので、今度はこれをオンサイトで実施することで、第三者提供でやった場合とオンサイトでやった場合の比較をするような形で、オンサイトの評価をしていきたいという趣旨と伺っております。

 こちらについても、参考資料2-2ということで、申出書の本体のほうをつけさせていただいております。

 めくっていただきますと、高齢者医療全般に対する実態評価ということで、どんなことが書いてあるか。主として、高齢者に行われるような医療行為について、それぞれ評価を行っていくという趣旨のものでございます。

 それから、最後、9番目ですけれども、これも京大の黒田先生の申出になっておりますが、「高齢慢性腎臓病患者における診療の質の定量的評価」というものでございます。

 こちらも、先ほど申し上げたものと同じように、既に第三者提供で研究が実施されているもので、これもまたオンサイトで実施して比較して、オンサイトで評価していくということを考えていると伺っています。

 申出の詳細については、参考資料2-3、机上に置いておりますが、こちらに書かれております。具体的には、60歳以上のCKD関連の病名がある方について、診療の質、具体的には個別の診療行為をやられているとか、いないということを見て、さらに末期腎不全への進行ですね。透析療法の導入といったあたりを含めた評価を行っていくことを考えられているということでございます。

 続いて、今後のスケジュールについては、最後の11ページをごらんいただければと思います。

 オンサイトにつきましては、現在、各オンサイトの情報共有を毎月1回、事務局と各オンサイトで進めさせていただいていて、随時、オンサイトから有識者会議に報告をいただいているという状況でございます。こうした形で技術的課題の解決を進めていきたいと思っておりますが、一方で、いずれ第三者に公開していく第三者利用ということを念頭に置く必要があります。その際、これは御提案として出させていただいているのですけれども、第三者利用の開始に当たっては、一般に誰でも、という形ではなくて、まずは限定的に第三者利用の運用を開始できないかと考えております。

 基本的には、具体的にどうするかというところはあるのですが、今、念頭に置いているのは、例えば有識者会議の構成員など、何らか限定的な開始はできないかということを検討しております。

 もう一つが、オンサイトリサーチセンターの活用方策というのが、規制改革実施計画の中で言われているものがありますので、これについて今年度中に検討を行うというものがございますので、こういったところを今年度、それから来年度の頭にかけて進めていきたいと思っております。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 ただいまのオンサイトリサーチセンターについての御説明に対しまして、御質問ございますでしょうか。全体を通じて何かありましたら、よろしくお願いいたします。その後、新しく出てきた模擬申出に関しての御審議をお願いいたします。前半は、これまでここで御説明いただいた内容のまとめになろうかと思います。よろしゅうございますか。

 それでは、7ページの3から6までの既にお認めいただいている模擬申出に関しては、数カ月以内に完了する予定になっております。

 それで、今回、9ページ目の7番、8番、9番の追加模擬申出が出てまいりました。これを行うことによって、より具体的なパフォーマンス及び使い方の検討に資するということでお申し出をいただいておりますけれども、それぞれにつきまして、いかがでしょうか。

 橋本先生の申出は、いかにも橋本先生で、難しいですね。ずっとこういったことをやられていますので、オンサイトセンターが役に立てば、それなりにオンサイトセンターの利用法が広がるかと思います。

 それから、黒田先生のほうは、これまで特別抽出及びサンプリングデータセット等でこのテーマをやられていて、それと、このオンサイトセンターを使ったときの比較をしていただけるということです。いかがでしょうか。何か御意見ございますでしょうか。

 これは、3から6が終わってからということですか。それとも並行して。

○赤羽根室長 3から6が終わってからということで考えております。

○山本座長 はい。

 いかがでございましょう。では、お認めするということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山本座長 ありがとうございます。

 それでは、7、8、9の参考資料2-1、2-2、2-3に関しましては、お認めすることにさせていただきたいと思います。

 最後に、今後のスケジュールについてということで、第三者利用、つまり今の東京大学と京都大学で模擬的に利用していただいているところ以外の利用に関して、このスケジュールでと、事務局から御提案がございました。来年に入って申出審査。しかも対象は、いきなり誰でもいいというのもなかなか難しいと思いますので、利活用の方策の検討を行いつつ、まずは一定の経験をお持ちの方、並びにこの有識者会議のメンバー等で、模擬的といいますか、第三者利用の試行を行っていくということが御提案ですけれども、いかがでしょうか。このような方向性でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山本座長 ありがとうございます。

 それでは、事務局御提案のとおりのスケジュールで進めさせていただきたいと思います。

 皆様の御協力のおかげで、議事が非常にスムーズに進みまして、本日、この有識者会議で御議論いただく議題は以上でございます。

 何か特に御発言ございますでしょうか。

 宮島構成員、どうぞ。

○宮島構成員 このNDBオープンデータを最初に出されるのは、この後、できるだけ早くと言ったのですけれども、先ほど武藤構成員からもできるだけわかりやすくとか、国民にアピールするようにと言われたのですけれども、1つお願いというか、御提案は、ターゲットに対して、それぞれ個別の少し丁寧な、別々の御説明をされたほうがいいかなと思います。というのは、恐らくこれを見ただけで、医療の専門の方とか、そういう方々は、おっと思うところがあるでしょうし、あるいはこれをこういう形に使えるなと思われる方もいらっしゃると思うので、まずはそういうターゲットの方々があると思います。

 逆に、一般紙の、厚労省につめている担当記者は、なるほどなと思っても、自分の感想をそのまま記事にすることはしにくいと思います。自分がそれだけの見識を持っているかどうか。だから、どこまで事務局が御説明されるかは御判断ですけれども、事務局がこれを見て、何をおっと思ったのか、あるいは1回目じゃなくて、その先かもしれませんけれども、これを使ったら、今までできなかった、こんなことがわかったとか、そういうものが新たに出るときなどに御説明いただく。

 多分、これだけそのままドンと出てすぐに記事にできる人は限られると思うので、その都度丁寧に御説明いただいて、そして、これがいかに世の中の医療の役に立つかというところをアピールする形がいいのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○山本座長 よろしくお願いします。

 ほか、よろしいでしょうか。

 この解説もホームページに載るのですね。

○赤羽根室長 そのつもりでございます。

○山本座長 わかりました。

 ぜひ英訳をお願いします。

 もし、ほかにないようでしたら、本日の有識者会議の議事はここまでといたします。

 それでは、事務局から何かお知らせがありますでしょうか。

○赤羽根室長 本日はありがとうございました。

 次回の本会議の日程につきましては、また決まり次第、追って御連絡をさせていただきます。

 それから、本日は、この後、審査分科会の開催を予定しておりますが、頑張っても15時半からの開催となりそうなので、分科会の構成員をされている先生方におかれましては、少し時間があくことになりそうですので、御容赦いただければと思っております。分科会の先生方、引き続きよろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 それでは、第33回レセプト情報等の提供に関する有識者会議は、これにて閉会とさせていただきます。

 本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。

 審査分科会の構成員の皆様は、申しわけありませんが、30分ほど休憩していただいて、審査分科会に入りたいと思います。どうもありがとうございました。

 


(了)

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