ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 全国健康保険協会業績評価に関する検討会> 第17回全国健康保険協会業績評価に関する検討会(2016年9月28日)




2016年9月28日 第17回全国健康保険協会業績評価に関する検討会

保険局保険課全国健康保険協会管理室

○日時

平成28年9月28日(水)14:00~16:00


○場所

千代田区平河町2-6-3(都道府県会館 401号室)


○議事

○友田全国健康保険協会管理室長 それでは、若干定刻より早い時間ではございますが、皆様おそろいになりましたので、ただいまから第17回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。

 皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は、小島構成員が欠席でございます。

 また、全国健康保険協会からは小林理事長ほか、関係者の方々に御出席をいただいております。

 なお、大変申しわけございませんが、宮本保険課長は別の会議と重なったものですから、少し遅れての出席となります。

 それでは、土田座長、よろしくお願いいたします。

○土田座長 早速ですが、議事に入りたいと思います。

 最初に、本日の議事内容と資料につきまして御説明をお願いいたします。

○友田全国健康保険協会管理室長 それでは、議事内容及び配付資料の説明をさせていただきます。

 本日は、前回に引き続きまして、平成27年度の行政評価につきまして、「船員保険」「組織運営及び業務改革」「その他」の3点を議論していただきます。

 なお、本日の議論の進め方としましては、前回と同様でございますが、業績評価シートの内容をまとめた資料2、全国健康保険協会業績評価検討会説明資料、これにつきまして協会から各テーマの概要説明を行っていただいた後に、資料1の評価シートと突き合わせを行いながら質疑、議論を行っていただきます。

 次に、配付資料についてでございます。

 議事次第の後に、「検討会伺い定め」の後からになりますが、資料1「業績評価シート(平成27年度)」。これは、今回議論いただく3点分のみの構成となっております。

 資料2-1、説明資料「船員保険」

 資料2-2、説明資料「組織運営及び業務改革」

 資料2-3、説明資料「その他」

 参考資料1「全国健康保険協会事業計画及び予算」

 参考資料2「保険者機能強化アクションプラン(第3期)」

 参考資料3、「全国健康保険協会の平成27年度業務実績に関する評価の基準」

 以上が資料でございます。お手元に事業報告書ということで、船員保険事業と協会けんぽの平成27年度の事業報告書を机に置かせていただいております。

 過不足等ありましたら、事務局のほうにお願いいたします。

 以上です。

○土田座長 ありがとうございました。

 資料はそろっていらっしゃいますか。

 それでは、議事に入りたいと思います。第1のテーマは「船員保険」でございますが、評価シートでは4867ページになります。

 最初に、全国健康保険協会のほうから簡単に御説明をお願いいたします。

○松下船員保険部次長 船員保険部の松下でございます。

 船員保険に関しまして、資料2-1によりまして御説明させていただきます。

 まず、「保険運営の企画・実施」に関しまして、1ページ、2ページが「(1)保険者機能の発揮による総合的な取組みの推進」でございます。評価の視点といたしましては、「船員保険データヘルス計画」の着実な実施などでございますが、船員保険データヘルス計画につきましては、1ページの1つ目の○にございますように、被保険者におけるメタボリックシンドロームの保有率及び喫煙率を減少させることを2大柱としておりまして、実施初年度に当たる27年度の主な取り組みは、アンケート調査を実施し、保険事業を効率的に実施する上で課題や改善点を把握する。外部機関等の活用を含め、加入者の健診結果データ、レセプトデータ等の収集、分析体制の整備、強化を図る。「たばこの害に関する小冊子」を作成し、喫煙対策の積極的な推進を図る契機とする。この3つでございました。

 それぞれにつきまして、2ページの各ポツにございますとおり、アンケート調査につきましては、被保険者8,000人及び全船舶所有者4,158に調査票を送付する形で実施いたしましてアンケート結果等を踏まえ、健診機関を増すなど、保健事業のより一層の充実に努めております。

 なお、船員保険協議会でアンケート結果の概要を報告したほか、報告書を取りまとめましてホームページに掲載しております。

 また、健診結果データ等の分析体制の強化等につきましては、27年度に外部機関の活用に関する検討を行いまして、28年度から外部機関との検討会を設けるなど、健康課題の解決に向けて取り組むことといたしました。

 喫煙対策の推進につきましては、ホームページにおける情報発信を行うとともに、喫煙が健康に及ぼす影響や禁煙の効果等を取りまとめた小冊子を作成し、喫煙している被保険者及び全船舶所有者に配付いたしまして、一定の効果を確認しております。

 このことから自己評価はAとしてございます。

 次に、3ページからが「情報提供・広報の充実」についてでございまして、評価の視点は、わかりやすい、時宜を得た情報提供の実施、機関誌等による情報提供、メールマガジンの活用、加入者等の意見収集、アンケート等による効果検証の5つでございます。

 時宜を得た情報提供といった観点からは、1つ目の○にございますとおり、年度当初に広報実施計画を策定し、ホームページや、4ページの表にございますリーフレット及び関係団体の機関誌等による情報提供、広報を計画的に実施いたしました。

 業績につきまして、5ページをご覧ください。ホームページにおきまして、各種事務手続や制度改正、喫煙対策に関する健康情報等の掲載を行いまして、ホームページへの総アクセス件数が27年度は約1135,000件でございまして、26年度に比べまして、約30%増加いたしました。

 また、2つ目のポツ、紙媒体による広報に関しましては、「船員保険通信」「船員保険のしおり」「船員保険のご案内」による広報を行いまして、それぞれの配付数につきましては、4ページの表のとおりでございます。そのほか、28年度からの制度改正について説明したリーフレットを作成、配付いたしました。

 5ページ、2つ目の○でございます、関係団体の機関誌等に関しましては、27年度から新たに日本海事広報協会に御協力いただきまして、7つの関係団体の機関誌等に毎月延べ65件掲載いただきました。

 なお、メールマガジンにつきましては、船員保険におきましても7月以降、配信を一時休止いたしまして、今月9月から再開したところでございます。

 また、効果検証といたしましてアンケートを実施しておりまして、船員に認知度が高い広報媒体といたしましては、チラシや関係団体の機関誌など、紙媒体によるものが多いところでございます。そのことから、28年度から日本年金機構と連携して、保険料納入告知書にも広報チラシを同封するようにしたところでございまして、今後もさまざまな広報媒体による情報提供の充実を図っていくこととしております。

 このような取り組みに対しまして、自己評価はAとしております。

 7ページからが「ジェネリック医薬品の使用促進」に関してでございます。ホームページや関係団体の機関誌等を通じての広報を行ったほか、ジェネリック医薬品希望シールにつきましては、保険証の新規交付時や軽減額通知に同封いたしまして、約8万枚を配付いたしました。また、軽減額通知につきまして、8ページにございますように、通知年齢の引き下げ及び通知対象レセプトの拡大等を図りまして、通知送付者数が対前年度1.4倍の1万8,889名、切替者数が対前年度1.5倍の5,039名となりました。また、これによる財政効果といたしましては、単純推計で年間約1億950万円でございます。

 なお、数量ベースでの使用割合を9ページにお示ししております。船員保険の28年3月末の数量ベースでの使用割合は66.2%と、他の保険者と比べて高い使用率となっております。

 これらのことから、自己評価はSとしてございます。

11ページからが、「健全かつ安定的な財政運営の確保」についてでございます。1つ目の○にございますように、船員保険の直近の財政状況は26年度決算で約25億円、27年度決算で約40億円の黒字収支となってございまして、比較的安定しております。ただし、中期的収支見通しといたしましては、現行の保険料率を維持した場合、被保険者の保険料負担軽減のための準備金からの繰り入れ約15億円を除きますと、31年度以降には単年度収支赤字が見込まれるところでございます。

 このことから、中長期的に安定的な財政運営を確保していく上での大きな要素の一つでございます保険料率の決定に当たりましては、このような直近の財政状況及び中期的収支見通しとあわせまして、予期せず医療費や高齢者医療制度への拠出金が急増するリスクがあること等を明確にお示しした上で、船員保険協議会で御議論いただき、28年度の保険料率を決定いたしました。

 また、準備金の運用につきましては、12ページの○にございますとおり、船員保険の準備金のうち約300億円を金銭信託により運用いたしまして、27年度の運用益は約7,100万円、実現利回り0.233%でございました。

 なお、マイナス金利政策の影響等により、日本国債の利回りが0%以下にまで低下したことを受けまして、28年3月に償還された資金約15億円につきましては、国債の再購入を行わずに解約するなど、適切に対応いたしました。これら運用状況につきましては、毎年7月に船員保険協議会に報告しております。

 一方、支出面におきましては、13ページの1つ目の○にございますように、ジェネリック医薬品の使用促進、医療費適正化の取り組み、被扶養者資格の再確認などを通じて、適正な支出に努めたところでございまして、自己評価はBとしてございます。

 続きまして、14ページからが「船員保険給付等の円滑な実施」に関してでございます。まず、「サービス向上のための取組み」といたしまして、評価の視点はサービススタンダードの100%達成、加入者等の意見の積極的な収集、サービス向上、職員の接遇の向上、手続の簡素化でございます。

15ページ、16ページをご覧ください。1つ目の○、サービススタンダードの達成率につきましては、申請書の審査、進捗状況の管理を徹底することによりまして、25年度から引き続き年度を通じて100%を維持しておりまして、振込までの平均所要日数は5.56日でございました。また、保険証の交付につきましては、平均交付日数は2.01日、疾病任意継続に関しましては1.95日と、いずれも目標である3営業日以内でございました。

 2つ目の○、お客様満足度調査につきましては、疾病任意継続被保険者の保険証や傷病手当金等の支給決定通知書をお送りする際に、アンケートはがきを同封する方法により行いました。具体的には、27年8月から28年3月までの間に5,141名の方にアンケートはがきを送付し、828名の方から御回答をいただきました。

 満足度調査の結果といたしましては、事務処理に要した期間、手続方法、職員の応接態度、サービス全体に対する満足度について、いずれも高い割合で御満足いただいております一方で、不満として多かったのが、16ページの1つ目の○の2つ目のポツにございます、疾病任意継続の「保険証が届くのが遅い」というものでございますが、船舶所有者から資格喪失届が提出されていないと保険証が発行できないことから、船舶所有者及び年金事務所への退職手続の早期化に関する要請等を行ったところでございます。

 また、そのほかに満足度調査の結果等を踏まえまして、全職員を対象に電話応対研修を実施したほか、高額療養費支給申請書及び限度額適用認定申請書等について、記載しやすいよう見直しを行いました。

 これらに対しまして、自己評価につきましては、17ページにございますように、Aとしてございます。

18ページ、19ページが「高額療養費制度の周知」でございます。限度額適用認定証の利用促進に当たりましては、高額療養費のいわゆる現物給付化の仕組みについて説明したチラシを作成し、ジェネリック医薬品軽減額通知や医療費通知のほか、高額療養費の支給決定通知書への同封、関係団体の機関誌等への掲載など、さまざまな機会を捉えて窓口負担の軽減等、その利便性について周知を図りました。

 その結果、18ページ下の表にございますように、高額療養費のうち現物給付分が占める割合が対前年度で件数が1.3%増、金額が1.4%増、限度額適用認定証の交付枚数が7.8%増と、全てにおいて上回っておりまして、周知等の効果があらわれているものと考えております。

 また、高額療養費の未申請者に対する申請勧奨につきましては、受診時からおおむね1年後をめどに、未申請の方にいわゆるターンアラウンド方式による申請書をお送りいたしまして、27年度は1,822件送付いたしました。

 これらによりまして、自己評価は、19ページでございますが、Aとしてございます。

 次に、20ページからの「職務上の事由による休業手当金等の上乗せ給付等の申請勧奨」に関しましては、船員につきましても22年1月から職務上の事由による疾病等に対する保険給付は労災保険から行うこととされましたが、給付基礎日数の算定方法の違い等から、それまでの船員保険での給付水準を下回るケースがあることから、それを補完する形で、21ページにございます職務上上乗せ給付や特別支給金を支給しているものでございます。

 なお、支給決定及び未申請者に対する申請勧奨につきましては、厚生労働省から毎月労災の受給者情報の提供を受けて行っておりますが、22ページの1つ目の○の2段落目にございますように、22年1月から24年8月までの間における受給者情報に関しましては、情報を提供する労働側のシステム開発の関係で、26年6月に一括して提供を受けたところでございます。

27年度は26年度に引き続き、当該情報による申請勧奨を優先的に行いまして、27年8月までに終了いたしました。その後は申請勧奨のルーチン化を図りまして、毎月提供を受けている情報による勧奨を継続的に行っております。勧奨実績といたしましては、職務上上乗せ給付についてが791件、休業特別支給金等についてが451件、経過的特別支給金についてが56件でございます。

 また、関係団体等の協力も得まして、関係団体の機関誌等において制度の案内等を定期的に実施しておりまして、自己評価はAとしてございます。

23ページからが「保険給付等の業務の適正な実施」でございます。評価の視点は、給付の適正化を図る等の取り組みの実施、下船後の療養補償についての周知、柔道整復施術療養費の適正受診の促進等でございます。

 取り組みといたしまして、23ページの1つ目の○にございますように、傷病手当金等の現金給付の審査の際に、申請内容に疑義が生じた場合は被保険者本人、担当医師に照会するほか、審査医師の意見を聞いた上で支給決定しております。また、被保険者資格など、適用に関する不正請求が疑われるような案件につきましては、まずは適用業務を行っている日本年金機構に照会しておりますが、その結果、正当な届け出であることが確認できたことから、実地検査が必要と認められる案件はございませんでした。

 また、2つ目の○にございます下船後の療養補償につきましては、乗船中に職務外で発症した傷病等について、下船してから3月間、10割の療養の給付を行うという船員に対する特有の給付でございます。その制度周知といたしまして、加入者には医療費通知の送付時に、また船舶所有者には被扶養者資格の再確認のお願い時にリーフレットを同封したほか、関係団体の機関誌にも複数回掲載いただき、療養補償の範囲内で適正に受診いただくよう努めました。

 なお、下船後の療養補償を受けるためには、船舶所有者の証明による療養補償証明書を医療機関と船員保険部に提出する必要がございますが、25ページの2つ目の○の2段落目、「また」以下にございますように、療養補償証明書が船員保険部に提出されていない方のレセプト請求があった場合は、船舶所有者及び医療機関への照会、提出の督促等を行いまして、審査の適正化に努めたところでございます。

 その下の○、柔道整復施術療養費につきましては、多部位・頻回受診等に対する文書照会や、適正受診に係る広報等を実施いたしまして、27年度の支給額、件数ともに、26年度を下回る結果となったところでございます。

 これらのことから、自己評価はAとしてございます。

 次に、26ページからが「レセプト点検の効果的な推進」についてでございます。事業報告といたしまして、2610月稼働の自動点検システムを1年を通じて稼働させ、審査体制の充実と効果的な推進に努めたほか、レセプト点検員に対しましては、実務研修会の実施や査定事例に関する情報の共有化等により点検技術の底上げを図りました。

 その結果、27ページにございますとおり、内容点検における加入者1人当たりの査定効果額は26年度の113円に対し133円と17.7%増加し、目標であった123円を上回りました。

 なお、この133円には支払い基金の審査の遅れ等により、26年度に反映されたであろう査定効果額の一部が27年度の効果額となった影響が含まれているところでございます。それを修正いたしますと、26年度の査定効果額が119円、27年度の査定効果額が126円となりますが、修正後の査定効果額におきましても目標額の123円を上回ってございまして、保険者による点検の効果が出にくくなっている中、対26年度で5.9%増加しております。

 これによりまして、自己評価はAとしております。

29ページ、30ページが、「被扶養者資格の再確認」についてでございます。こちらにつきましては27年度も船舶所有者の協力を得て実施いたしまして、被扶養者状況リストの提出率は前年度とほぼ同率の93%でございました。また、就職等による資格喪失の届け出の未提出等を中心に確認を行いまして、239人の届け出漏れを適正に処理したことによりまして、高齢者医療制度への支援金等、約1,600万円の適正化が図られたところでございまして、自己評価はBとしてございます。

 続きまして、31ページからが「無資格受診者等の事由による債権の発生抑制及び早期回収」についてでございまして、評価の視点は、資格喪失者からの保険証回収の促進、及び返納金債権等の早期かつ確実な回収でございます。

 保険証の回収につきましては、31ページの表にございますように、初回催告は喪失処理より2週間以内に日本年金機構が行いまして、2回目催告を喪失処理より2カ月後に船員保険部で行っております。

 なお、船員保険の場合、回収すべき保険証は年間約5万枚でございますが、27年度の保険証回収率は95.0%で、26年度とほぼ同水準となっております。

 また、発生した債権の回収等につきまして、32ページの真ん中、2つ目の表にございますように、納入告知から1カ月後に無資格受診分の未返納者に対して、3カ月後に全ての未返納者に対して文書催告を行いまして、さらに債権額が5万円以上の債権につきましては6カ月後に内容証明郵便による文書催告を行い、その後、支払い督促等の法的手続へ移行するといったスケジュールで催告をしております。

 実績といたしましては、33ページの2つ目の○の括弧内にございますとおり、27年度は内容証明郵便による催告を32件、支払い督促等の法的手続を8件実施いたしました。

 なお、27年度に発生した債権、いわゆる現年度債権の回収率は76.9%でございまして、26年度の81.2%に比べますと4.3ポイント下回っておりますが、これは損害保険会社から協会に直接求償する形で3月に納付される約束であった約430万円の損害賠償金債権が、損害保険会社の事務手続の遅れで、4月に納付されたことが影響してございまして、当該債権が予定どおり3月に納付されていれば、回収率は81.7%となり、26年度より0.5ポイント上回っていたところでございます。

 これら等を踏まえまして、自己評価はAとしてございます。

34ページからが「保健事業の推進、強化」、「保健事業の効果的な推進」についてでございます。なお、評価の視点の一つでございます「船員保険データヘルス計画」の取り組みにつきましては、1ページの保険者機能の発揮による総合的な取り組みの推進で御説明させていただきましたとおりでございます。

 また、その内容等の見直しを28年度に向けて行い、事業計画に反映させたところでございますが、具体的には35ページの3つ目の○にございますように、28年度はメタボリックシンドローム保有率を減少させる取り組みを中心に実施することとしておりまして、27年度に実施した健康づくり支援に関するアンケートで、健康の保持・増進を図る上での課題として上位を占めていたものへの対策等を中心といたしまして、船内における食生活や運動等に関する情報提供冊子『ヘルスコンパス』を作成することといたしました。

 このことから、自己評価はAとしてございます。

36ページからが「特定健康診査及び特定保健指導の実施体制等の強化」に関してでございます。四角の中に、第二期特定健康診査等実施計画で示しております目標指標を記載してございますが、27年度の健診実施率は被保険者が36.5%、被扶養者が17.4%でございまして、特定保健指導実施率は、37ページの一番上にございます被保険者が14.0%、被扶養者が13.8%でございました。

 実施率の向上を図るための取り組みといたしましては、引き続き健診機関の拡大に努めておりまして、個別に生活習慣病予防健診委託契約の働きかけを行いまして、26年度から健診実施機関が9機関、被保険者特定保健指導実施機関が3機関増加いたしました。

 また、巡回健診に関しましては、これまで被保険者を中心にスケジュールを組んでおりましたが、駅周辺で実施するなど、被扶養者が利用しやすい場所等でも開催いたしまして、実施回数が252回と、26年度より22回多く実施しております。

 健康証明書データの収集につきましては、27年度に国への報告を行いました26年度分のデータ提供を中心に、文書での依頼のほか、新たに電話での依頼も行いまして、26年度分の取得率は25年度分より2.5ポイント上回る25.6%でございます。また、27年度分に関しましては、既に取り込みが終了しているものでの取得率が28.3%となってございまして、あと200件ほどデータに不備がないか等の精査を行っているところでございまして、これが追加のプラス要素となりますので、精査中とさせていただいております。

 さらに、広報に関しましても被保険者用と被扶養者用に分けるなど、工夫をいたしました。その結果、被扶養者の特定保健指導実施率は目標指標を上回りまして、それ以外も目標指標には達しなかったものの、実施率及び受診者数ともに年々着実に向上しておりますことから自己評価はAとしてございます。

41ページからが加入者の健康増進等を図るため取り組みの推進に関してでございます。加入者の健康増進等を図るための取り組みといたしましては、41ページ、42ページの3つの○にございますように、加入者個人の健康状態に応じたオーダーメードの情報提供冊子の送付、船員手帳健康証明書データ提供者に対する健康づくり支援、「健康度カルテ」を活用した船舶所有者への情報提供、及び43ページの1つ目の○の出前健康講座の開催を行いました。

 具体的には、43ページ、44ページの自己評価のところをご覧いただきたいと思います。オーダーメードの情報提供冊子の送付につきましては、23年度から継続して実施しておりますが、27年度は、これまで送付対象とできなかった年度後半の受診者も送付対象とした上で、特定保健指導の対象者、糖尿病等に関し受診勧奨レベルにある方、及び生活改善レベルにある方、初めて健診を受診された35歳または40歳の方に情報提供冊子をお送りしました。

 その結果、27年度に健診を受診した方のうち、約1万2,000名の方に情報提供冊子を送付したところでございまして、特定保健指導の利用や医療機関への受診等の行動変容につながったと考えております。

 船員手帳健康証明書データ提供者に対する支援といたしましては、27年度受診分のデータを提供いただいた2,187人にはオーダーメードの情報提供冊子を送付いたしまして、26年度受診分のデータを提供いただいた8,084人には、健康結果に興味を持っていただくよう、健康証明書の見方に関するパンフレットを作成し、送付いたしました。

 健康度カルテを活用した船舶所有者への情報提供につきましては、船舶所有者ごとに、そこに勤務する船員の健診結果データに基づき、生活習慣の傾向や生活習慣病にかかわるリスクなどをレーダーチャートなどでまとめた健康度カルテを40歳以上の健診受診者が20名以上いる船舶所有者を対象に作成し、120の船舶所有者に郵送で、13の船舶所有者に訪問により情報提供いたしました。そのうち喫煙率が50%を超えている船舶所有者20件には、喫煙リスクの説明を加え、喫煙対策の必要性をお伝えいたしました。

また、船員が集まる研修等に保健師を派遣し、健康づくりをテーマとして講習を行う出前健康講座については、船員災害防止協会の協力もございまして、開催件数が26年度の11回から32回へ、受講者数が367人から1,526人へと大幅に増加いたしました。

 これらにより自己評価はAとしてございます。

 最後に45ページからが「福祉事業の着実な実施」に関してでございます。福祉事業につきましては、45ページから46ページの表にございます船員労働の特殊性に対応した事業について、専門的技術、知見等を有する関係団体に委託して実施しております。

 なお、自己評価につきましては、47ページをご覧いただきまして、船員の人命に直接つながります無線医療助言事業、洋上救急医療援護事業を着実に実施したほか、保養事業に関しましては、確保室数及び1室当たりの金額を見直すなど、効果的かつ効率的な事業実施に努めたこと。神戸の船員保険総合福祉センターのリニューアルオープンに伴い、当該センターにおける宿泊助成事業を再開したこと。さらに、旅行代理店を活用した保養施設利用補助事業を含めまして、保養事業全般について「船員保険通信」及び「船員保険のご案内」等をはじめ、さまざまな機会を捉えて加入者や船舶所有者への広報に努めたこと等から、A評価としてございます。

 御説明につきましては以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見などがございましたら、どうぞお願いします。いつも最初に発言される小島さんがきょうは欠席ですので、なかなか言いづらいかと思いますが、どうぞ。

○小西構成員 

いつも小島さんの後に発言させていただいている小西でございます。

 4つほど質問がございます。質問の趣旨は、この中身を理解するための確認的質問でございます。

 順次お願いしていきたいと思いますが、まず26ページの1)の1つ目の○のところです。ここの1行目のところに、自動点検システムを1年を通じて稼働させることとございますが、これは今年度、新規といいましょうか、新たにこの取り組みをなさったのでしょうか。もしそうだとすれば、従来は例えば時期を選んで何回かやるかというような、そんなやり方をされていたのでしょうか。これは確認でございます。

 2つは29ページです。下半分にある表ですけれども、項目欄の2つ目です。「送付対象数」とございますが、この対象数というのは何らかの基準で選定した依頼先というか送付先なのでしょうか。もしそうであるとすれば、どのような基準で選定なさっているのでしょうか。

 それから、同じくこの表のその次の行です。「提出状況」ということで、93%からの提出を得ているということで、これは相当のカバー率だと思っておりますけれども、なお未提出の先はどんな先なのかなと。つまり、その7%分への対応ということもなさっている、あるいはなさるだろうと思いますが、どんな先なのかなということでございます。

 3つ目は39ページです。自己評価のAという点についてでございますが、Aがいい悪いということではございません。戻って36ページに目標指標がございます。5つ挙げていますが、この目標指標の5つのうち、達成していないのが4つ、いるのが1つということですけれども、この目標指標ということに着目しますと、その上でなぜAなのですかと。つまり、Aの理由ですね。達成している目標指標の7%、実績はその倍ぐらいの数字で達成しているので、ここは達成目標の見直しということもあるのかと思いますが、それはそれとして、目標指標に着眼した場合とこのAの評価ということの関連です。これらの指標について、実績指標はここずっと右肩上がりで改善してきているという事実がある。これは理解しております。

 4つ目は43ページです。これは内容的な確認という意味での質問です。中ほどから下に、具体的には送付対象者についてマル1~4と、こういう説明をしていただいております。その上の本文といいましょうか、文章の下から3行目の中ほどに、「年度内の受診者全員を送付対象とする」と説明していただいております。全員を対象にするということと、マル1~4のいわば属性で見ていくということ、これはどういう関係なのかなということで、何らかの選定をされているのかどうか、その辺を確かめさせていただければと思います。

 以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 ただいまの質問につきまして、どうぞ。

○松下船員保険部次長 まず、26ページのレセプトの自動点検に関してでございますが、「1年を通して稼働させることにより」という部分につきまして、この自動点検システムが2610月から稼働しているところでございまして、26年度は半年間の実施、27年度初めて1年を通して稼働させたということで、こういう表現にさせていただいております。

 続きまして、29ページの送付対象者数の基準でございますけれども、こちらにつきましては、高校在学以下の被扶養者の方を除きまして、18歳以上の被扶養者がいる方に対して送付をしたところでございます。

 また、提出状況の7%のところですけれども、一概には申し上げられないのですが、基本的には非常に人数の少ない漁船等で、いわゆる船舶所有者の方が自ら乗り込んでいるといったようなところの提出率がやはり少ないようでございまして、船舶所有者数とほぼ同じ件数の被扶養者数が未提出になっているといったところでございます。

39ページの目標指標と比べて達成できていないといったところでございますが、御指摘は御指摘のとおりでございまして、ただ、この目標指標自体が平成29年度の実施率等をまず着地点として定めているものでございまして、正直申し上げまして、実績と比べますと少し高い目標になっているといったところで、先ほど申し上げましたように、目標には達していないのですけれども、年々実施率等について着実に向上しているといったところでA評価とさせていただいたところでございます。

 もう一つ、最後の43ページの「年度内の受診者全員を送付対象とすること」についてでございますが、わかりづらい表現で申しわけございません。ここにつきまして、送付自体につきましては外部委託で行っておりますが、委託契約期間を3月末までということで区切っていたところですので、年度後半に受診された方につきましては送付ができなかった。データができるのが4月以降になりますので、送付ができなかったといったところを、委託契約の期間等を見直すことによりまして、2月、3月に受診された方につきましても、年度をまたいで送付するといったように見直しを行ったところでございます。

 以上でございます。

○小西構成員 ありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

ほかに御意見、御質問がございましたら、どうぞお願いします。

○古井構成員 ありがとうございました。

幾つか御質問を含めてですが、資料の2ページ目の2ポツ目ですけれども、健診データ、レセプトデータ等を分析されて、課題に応じた効果的かつ効率的な保健事業の提案等について外部機関を活用できないかということ、これはすばらしいと思うのですが、1ページ目の最初の評価の視点に、「レセプトデータ等の収集、分析体制の整備、強化」というのがありまして、船員保険さんでやられたのがデータの分析、課題の整理までなのか、あるいは保健事業の具体的な提案、設計というところまで外部機関を使われているのか。

 これはどういう趣旨かというと、協会けんぽも船員保険もデータヘルス計画のデータをきちんと整理をするところを外部委託するのか、あるいは設計とか事業の組み立てまで外部委託するのか、それによって内部にノウハウをどこにどういうふうにためていくかというのが異なってくるなという趣旨での御質問でございます。

 2点目が2ページ目の一番下ですけれども、アンケートでいわゆる喫煙の方が、健診結果を確認できた中では12.6%が禁煙をしていると。これはすばらしい効果ではないかなと思いました。その中で、母数として8,500人いたのだけれども、健診結果さえ確認できる、つまり健診を受けていればすごく高いのか、今後それを広げていける可能性を伺いたいというのが2点目です。

 それから、ちょっと飛びまして16ページ目の上段のほうですが、年金機構を通じて年金事務所に要請をしたと。これは協会さんもそうだと思いますし、船員保険さんも、随分年金機構さんと協力をこの数年間でされていて、これに関しても効果が出る基盤になっているかというのを再確認したいという点。

 最後、4点目ですが、35ページ目でございます。保健事業の総合的な推進のところですが、この中でアンケートをきちんととられて、データ上で船舶所有者あるいは被保険者、これは両方のところに食生活の課題が挙がっていまして、この中身がもしわかれば教えていただきたいのです。つまり、多量飲酒などに伴う食事内容なのか、あるいは食事のタイミングとか間食の問題なのか、この辺によってまた対策が変わるなと思います。

 データに基づき、たとえば沖縄県の働き盛り世代の健康問題の背景に多量飲酒があるといったことがわかって参りまして、船員さんの場合に食事に特徴があるのか気になった次第でございます。

 以上、4点でございます。○土田座長 どうもありがとうございました。

 いかがですか。どうぞ。

○松下船員保険部次長 まず、1ページ目の健診結果データ、レセプトデータの収集、分析体制の整備といったところでございますが、27年度につきましてはどういった形で分析体制の強化等を図っていくかというのを検討したところでございまして、その検討の大きな柱といたしましては、まず分析システム等を開発してみずから分析するといった視点が一つと、もう一つは外部機関を使用いたしまして、外部委託としてデータ等の分析を行っていただく。どちらが効果的かといったところを中心に検討したところでございます。

 その結果といたしまして、やはり外部委託をして検討したほうが効果的だという結論に至りまして、28年度から外部委託をして分析を始めたところでございます。

 その委託の内容の中に、効果的な健診事業等の助言事業も含めておりまして、そういった専門的な知見等に基づいた助言をいただくといったところで、そういった助言をもとに外部委託と一緒に検討会を設け、外部機関も含めて一緒に検討していこうということでの委託を始めたところでございます。

 2ページのほうの健診結果が確認できた中での435名の中の55名といったところで、実はこれは小冊子を送ったときにアンケートはがきを入れておりまして、そのときに読む前と読んだ後で意識が変わりましたかといった調査をしたところ、読んですぐだといったところでもございましたけれども、読む前は12%禁煙したいと考えていた方が、読んだ後には26%禁煙したいというふうに意識が変わったという御回答をいただいているところでございます。

 では、それがどの程度定着しているかというか、実際、どう禁煙されたかといったところにつきまして、我々として喫煙しているかどうかわかるツールが、健診を受けられたときの問診表で、喫煙されていますかどうかといったところでつかんでいるということで、この健診を受けられた方に対しての今回一定の効果があらわれているところでございまして、全体としてどの程度かというところは現在まだ把握はできていないのが正直なところでございます。

 続きまして、16ページの疾病任意継続の早期化に対しまして、日本年金機構を通じて要請をしたといったところでございますが、まず、疾病任意継続の保険証を交付するためには、強制期間の資格喪失届が出てこないとできないといったところでございますけれども、2つ要素がございまして、そもそも船舶所有者から年金事務所のほうに資格喪失届が提出されるのが遅延するというのが1つと、届け出はされていて年金機構のほうで処理が滞留して、それで私どものほうにデータが飛んでこないというところでおくれるという2つの要素がございまして、後者のほうにつきましては、やはり申し出をしたことで、滞留とかはもともとそれほどないところでございますけれども、定期的な一定期間での処理を行っていただけているものと認識しているところでございます。

 最後の食生活といったところでございますが、古井構成員がおっしゃられた飲酒というよりも、船員の場合、これもやはり2通りございまして、いわゆる供食ということで、船の中に厨房員がいて、つくって食事を出すところと、もう一つは持ち込んで食事をされているといった、大別すると2つになるのかなといったようなところで、供食の場合は提供される食事が例えば脂っこいとか、そういったものであれば、なかなか自分の健康状態に合わせたものが出てこないといったところと、持ち込む場合につきましては、やはり手軽さと申しますか、インスタント食品が多いといったところがございまして、そういったところで、手軽な自分で料理できるようなレシピではないのですけれども、そういった情報とかも欲しいといった要望が多いところでございます。

 以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

○古井構成員 1つだけ、分析の外部委託はいいのですが、助言をいただいたノウハウとか検証結果は、ぜひ船員さんの中で蓄積されるといいと思いました。

 ありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○森下構成員 幾つか質問と気がついたところを述べさせていただきたいと思います。

 まず、総論的なところで、1番の保険運営の企画・実施についてでございますけれども、私が見ておりまして、日本の海上輸送とか漁業など、必要不可欠の産業領域で働く方々にとって、この制度は大変重要なものであるのではないかと思っています。

 その中で、今後高齢化が進むという傾向にあると伺っていますが、現状では財政運営も何とかできているということでございますが、今後、多少心配なところがあるような節が説明の中でも書かれておりました。その辺についての見通しがどうなるかということが1点でございます。

 それと、当然、船員保険ですので、日本国籍の方だけではなくて、例えば外国籍の方なんかもこれに対応していらっしゃるのかどうか。それから、ちょっと話があれですけれども、諸外国の制度的にはこういうものも現実にはあるのかどうか。これは個人的な質問になるかもしれませんが、それの現況はどうなのか。ちょっと教えていただければと思ったところでございます。

 次の点ですが、広報に関しては、関連団体を通じたいろいろな情報提供ということで、非常にまめにやっておられるような気がしまして、感心をしたところでございます。ただ、一方的に通知をするだけでなくて、それぞれの関係の団体と必要なところ、ここはポイントだというところを広報することで、やはりその成果は上がっていくのかなと思います。

 あとジェネリックの点ですが、一般の保険よりもかなり成績がいいというか、60数%使用されているというようなことが報告されていますが、これはさっき言った広報の結果が出ているのかなと思っています。

 もう一点は、健全かつ安定的な財政運営のところでございますが、私もこういうことをされているのをよくわからなかったのですが、説明でいきますと、12ページのところでございますけれども、準備金の運用というところで、金銭信託を一部解約することでリスクヘッジを行ったということも報告されていますが、こういうことについては実際運用担当の理事さんがいらっしゃるのか、これは合議の上、方針を立ててやっていらっしゃるのか、もし教えていただければいいなと思っています。非常に大切な準備金でございますので、一部国の年金で今年度もいろいろな情報が出ておりますけれども、それについてもし仕組みがあれば教えていただきたいと思います。余り幾つかあっても問題ですけれども。

 あと、先ほど被扶養者の再確認の問題が出ておりましたが、これは一般のときにも御質問したのですが、やはり事業者側の協力を得ることが一番肝要だと思っております。やはり義務というものが発生しているようでございますので、より一層、事業者に対してもその辺の周知を図られるべきではないかなと思っております。

 雑駁ですが、幾つか御質問と同時に感想を述べさせていただきました。ありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございます。

 それでは、いかがでしょうか。どうぞ。

○松下船員保険部次長 まず、初めの財政見通しといったところでございますが、船員保険の被保険者数につきまして、27年度は、細かい数字はあれですが、約40何年ぶりに、久しぶりに減少傾向であったところがわずかですがふえたといったようなところがございまして、国交省と農林水産省等で、日本人船員の養成といった取り組みも行われている中で、少し増加したのかなといったところでございますけれども、まず財政を見通すに当たって2つの要素というか、被保険者数、加入者数が今後どうなっていくのかといったところと、医療費がどうなっていくのかといったところがございます。医療費につきましては陸上と同様に高額になっていくのかなといったところですが、加入者数の動向をどう見ていくかというのが今、少し課題というか、宿題のようなところでございまして、今後もう少し動向を見ていかなければいけないのかなといったところで、今後の加入者数等の見通しを立てていきたい。それとあわせて財政見通しを行っていきたいと考えているところでございます。

 もう一つが、外国人の適用ということですけれども、船員保険に関しましては、日本船籍の船に乗り組む船員といったところでの適用になりますので、日本船に外国人の方が乗り組まれていらっしゃると、外国人の方も適用になるといったところでございます。

 諸外国の船員に対する保険につきましては、申しわけございません、御回答できる程度には存じてございません。

 最後の準備金の運用に関しましては、厚生年金基金のように運用執行理事といったようなものはございませんけれども、ただ、船員保険の準備金の運用につきましては、安定的に運用するということで、リスクが極めてゼロに近い国債の持ち切り運用で行っているところでございます。こちらにつきましては、船員保険協議会のほうでも御意見を聞きながら決定しているところでございまして、その都度、売り買いをするような運用は行っていない。ただ、マイナス金利でゼロになったところですので、持ち切るよりもここで一旦解約するほうが有利であると。逆に逆ざやが出るような状況でしたので、そこについては解約をさせていただいたといったようなところでございます。

○土田座長 どうぞ、篠原理事。

○篠原理事 船員保険担当の理事の篠原でございます。

 ちょっとだけ補足させていただきますけれども、御質問のあった外国の関係ですけれども、そもそも船員さんというのは国際的に移動して働く、そういう特性がありまして、実は船員の保護に関しましては国際条約があります。その国際条約の中に、船員についてはこうこうこういうことをしましょうというのがいろいろあって、それを例えば船舶所有者の義務とか、そういった形で規定をして、船舶所有者の義務をどういう形で対応するかというのは、例えば保険としてヘッジするのか、そのままストレートにやるのか、それはやり方は違うかと思いますけれども、基本的には国際的な船員保護のためのルールがあって、それを各国で具体化しているといったところでございまして、そういう意味では条約を批准している限りは、そんなに大きな差はないと思っています。

○土田座長 どうもありがとうございます。

 ほかに御意見、御質問はございませんでしょうか。よろしいですか。

ただ、一つ気になったのは、財政運営についてBになっていることです。実際に黒字になっているということはめったにないので、それでもBをつけたら、この後、いつになったらAになるのかなという気もします。自己評価はそれとして、私たちの評価の問題ですから、それは自由に評価させていただきたいと思います。

○稼農企画部長 資料2-2でございます。お開きいただきたいと思います。企画部、稼農でございます。よろしくお願いします。

 まず、「新しい業務・システムの定着」というところですが、評価の視点はごらんのとおりでございます。事業報告(概要)の○のところにありますとおり、27年度6月に業務システムの刷新を行いまして、保険証の発行、現金給付申請書の一部の入力事務など、定型的事務のアウトソースを実施しまして、業務の効率化を進めております。

 さらに、次の段ですが、2711月から、本部職員が47支部全てに訪問して意見交換を行いまして、全支部におけるアウトソースの積極的活用の徹底を図っております。このような定着を図る一方で業務の標準化を推し進めて、さらにデータヘルス計画の推進、対外的発信力の強化など、活動範囲の拡大への対応とサービス充実に向けた取り組みを行って、見直しの検討も行っているということでございまして、自己評価はSとさせていただいております。

 私どもが業務運営を行っていく上で、平成27年に業務システムの刷新を行って、6月にサービスインできたこと、またその定着に向けた取り組み、アウトソースの活用ができたことは非常に大きな意義があることだと思っておりまして、Sとさせていただいております。

 続きまして、2ページ目に参ります。「組織や人事制度の適切な運営と改革」でございます。内容は3ページでございます。まず、「組織運営体制の強化」についてでございますが、一番上のポツにございますが、支部長会議あるいはブロック会議への本部役職員の参加によりまして、トップの意思の徹底と事業計画等に関しての意思統一を図っております。

 また、次のポツですが、階層別のブロック会議、あるいはその次ですが、運営委員会における運営委員と支部評議会議長との意見交換を実施するなど、支部評議会との連携強化というのを図っております。

 4つ目のポツの2段目の後ろからですが、27年度におきましては、業務部門と保健部門を中心に支部との意見交換を実施しておりまして、2711月以降、特に刷新後の業務の標準化を定着させることに重点を置いて、全ての支部において意見交換を行っております。

 また、組織体制につきましては、最後のポツにありますが、本部に保健部を設置する、また、システム部を設置するなど、体制を強化、整えたところでございます。

 次の○、「実績や能力本位の人事の推進」のところでございますが、最初のポツにありますように、全職員が半期ごとに目標達成シートを作成して、その期間の取り組み内容、成果を評価結果に反映する目標管理方式による人事評価を行いまして、その結果を賞与等に反映などの取り組みを実施しております。また、全国規模の人事異動、配置換えを実施いたしております。

 3つ目のポツの2行目のところからですが、これまで人事制度の改定の検討に取り組んできておりました。27年度におきましては、3行目の後ろですが、2710月から12月初めにかけて総務部が全支部を訪問して、人事制度改定の背景、新たな人事制度の内容について直接説明し、意見交換を行う取り組みを行っております。

 なお、28年4月からこの新しい制度の運用を開始しまして、役割等級制度、給与制度及び人材育成制度については、2810月から運用を開始することといたしております。

 4ページ、最初の○ですが、「協会の理念を実践できる組織風土・文化の更なる定着」でございます。これにつきましては、節目ごとに全職員に対して理事長からメッセージを発信して、協会のミッション、あるいは目標等についての徹底、共有を図っております。

 3つ目のポツですが、ミッション、目標、職員への期待すること等を研修の機会を活用し、職員へ繰り返し伝えることによって、さらなる定着、共通理解を進めております。

 コンプライアンスにつきましてです。2つ目のポツですが、平成27年度には本部コンプライアンス委員会を10月に開催いたしております。また、パワーハラスメントをテーマとしたコンプライアンス通信を10月に発行、あるいはハラスメント防止に係る研修等も実施いたしているところでございます。

 次のポツですが、個人情報の関係です。個人情報保護規程等の遵守、あるいは管理の状況の点検を定期的に実施しまして、点検結果を踏まえ必要な措置を講じたところでございます。全職員を対象とした研修等も実施いたしております。

 6ページ、「リスク管理」でございます。最初のポツですが、大規模地震等の災害が発生した際の初動対応につきましてのマニュアルを27年4月につくったということでございます。また、2つ目のポツですが、情報システムに関しましては、6月29日のサービスインの業務・システム刷新に際しまして、データセンターを東西2カ所に設置して、相互にバックアップする体制にするとともに、シンクライアント端末を導入しまして、職員が他のオフィスで業務を継続すること、あるいは支部業務の一部を他の支部で実施することを可能とする仕組みを構築したところでございます。

 さらに、支部ごとの初動対応マニュアルの作成、あるいは現在は事業継続計画、本部のBCP、これについて27年から作成に着手し、今年度中の作成に向けての取り組みをしているところでございます。

 6ページの下、「情報セキュリティー対策の強化」でございます。非常にポイントだと思っております。不審な通信事案の発生以降、最初のポツですが、協会のシステムはインターネット接続をせず、加入者の情報を保管する基幹系システムや通常業務に用いる情報系システムはインターネットから遮断された状態を継続しているということでございます。

 次のポツですが、インターネット接続するためのシステムは、基幹系・情報系システムとは分離した別のシステムとして構築を進めました。この構築に当たりましては、各種のセキュリティーに関する勧告、最新の基準・ガイドラインを踏まえた対策を実施しております。

 その次のポツですが、文書ファイルにつきましては、これは漏れなく暗号化するために、協会システム上で作成・保管する文書を自動で暗号化するシステムの導入を行っております。また、最後のポツですが、セキュリティー規程につきましては、厚労省の情報セキュリティーポリシーの改定に合わせて見直しを進めております。

 7ページに参ります。最初のポツの2行目ですが、職員に対する教育・周知の徹底を図るための情報セキュリティー教育の内容を見直ししまして、28年3月に全職員を対象に情報セキュリティー研修を実施するなどの取り組みを行ったところでございます。

 こうした取り組みを踏まえまして、自己評価はBといたしております。

 続きまして9ページ、「人材育成の推進」でございます。我々協会にとりまして、人材育成を推進していく、担う人材を高めていくというのは非常に重要なポイントでございます。まずは研修の体制と受講者数ですが、9、10ページにまたがった表をごらんください。左側が研修の種別を書いておりまして、右側が階層の段になっております。左の欄を見ていただきますと、集合研修では階層別研修を9講座、計16回開催して、471名の受講、10ページ、業別研修ですが、17講座、計35回開催、1,479名の受講と。その下、特別研修については2講座、計6回、148名ということ。そのほか、支部研修、自己啓発という取り組みを総合的に行っているところでございます。

 おめくりください。それぞれの研修で簡単にポイントだけ御説明しますが、1つ目の○ですが、「階層別研修」の2段目、各階層におきまして協会が今後さらに保険者機能を発揮していく必要があることの自覚を持たせて、未来志向で協会のあるべき姿を考察し、そのために必要な思考やスキル等を習得するためのカリキュラムとしております。

 また、「業務別研修」につきましては、2段目ですが、27年度はデータヘルス計画の評価に関する研修など、事業計画において重点項目に関する研修を実施し、各業務に必要な知識・スキルの習得につなげるということができております。

 また、「特別研修」「自己啓発」というようなことをやっております。自己啓発につきましては、通信教育講座のあっせんというのを行っておりまして、受講費用の一部を協会が負担するという形とあわせまして、開催時期や回数の見直し、周知方法の工夫によって受講者の意欲の拡大を図ったということでございまして、こうした取り組みを踏まえまして、自己評価をAといたしております。

 評価の理由は、これまで説明したとおりですが、1点だけつけ加えますと、最初の○の「また」のところです。26年度に部長、グループ長、リーダー、スタッフ研修を受講した職員につきましては、研修実施後、半年間にわたり上司、同僚、部下・後輩から多面的に行動変容を観察してもらう仕組みを設けていましたが、平成27年度にはその観察結果を研修受講者本人にフィードバックすることで、客観的な視点で自己を振り返る。自身の今後の目標設定、スキルアップを活用する取り組みを行ったところでございます。

1314ページ、「業務改革・改善の推進」でございます。評価の視点はごらんのとおりでございます。「事業報告(概要)」、まず最初の○ですが、「業務改革会議について」でございます。2段目のところです。平成27年度は、業務・システム刷新により業務の集約化を行ったことにあわせまして、審査事務手順の標準化、添付書類の簡素化について検討して、28年度より実施することといたしております。

 次の○、「事務処理誤り発生件数」についてですが、発生件数は341件ということで52件減少いたしております。その理由ですが、最初のポツにありますように、業務・システム刷新によりまして、一度に大量処理する業務を集約化・標準化したことによりまして減少したというふうに捉えております。

 また、14ページにかけまして、全支部を対象にした研修、あるいは事務所誤りゼロ月間の設定など、取り組みを行っているところでございます。

 こういった取り組みを踏まえまして、自己評価はBとさせていただいております。

 最後のところですが、「経費の節減等の推進」でございます。具体的な取り組みは一覧表にしておりまして、16ページに書いてございます。それぞれ、例えば一番上が1人当たり業務処理件数でございます。その次の段が調達の状況、消耗品のコスト削減ということで、ここに個別項目ごとに数字を出しております。

 評価につきましては、17ページに書いてございまして、年金窓口については16年金事務所の窓口廃止を行っておりまして、経費の削減を図っていること、あるいは、次の○、各種消耗品につきましては全国一括調達と、在庫管理の適正化を図っているということでございます。

 3つ目の○、事務用品等の消耗品については、ウエブによる発注システムの導入などによって、効率化、スケールメリット等を図っているということでございます。

 4つ目の○、随意契約でございますが、これにつきましては業務・システム刷新のサービスイン延期に伴う変更契約、あるいは旧システムにかかる延長契約等により、26年度と比較しまして77件増加しております。しかし、調達に当たりましては、調達審査委員会において内容、方法、金額等について、個別に妥当性の審査を行って、調達実績はホームページ等で公表して、透明性、公平性の確保を図っているところでございます。

 また、ペーパーレス化ということで、コピー用紙、トナー等の使用量が大幅に減少しているということでございまして、自己評価はBといたしております。

 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○土田座長 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、御質問あるいは御意見がございましたら。

○小西構成員 小西でございます。

質問が3つございます。まず1ページ目の自己評価Sということについてですけれども、ただいま御説明をいただきました、この説明文にもございますが、サービスインをしたこと、それに基づいて定型事務のアウトソース化ができるようになった、こういった御説明をいただきました。この新たなシステムによって、いろいろな業務改善なり、効率化だとか、あるいは従来よりもいろいろな情報がとれるとか、そういった意味の成果もあるのではないか。それを目指してのシステム改善かと思いますけれども、そのような成果という点からはいかがでしょうか。いろいろな業務、分野にわたっていることかと思いますけれども、サービスインができたということは、それでこの先はどうなったのでしょうかと、そういう意味の成果ですね。そういう意味で質問いたします。

 2つ目ですけれども、サービスインが当初予定よりもおくれたという経緯がございました。この点については、昨年の業績評価で、そのおくれたことについて原因分析であるとか、あるいは責任の負担であるとか、場合によっては金銭的な意味での請求行為だとか、そんなことも含めて、それらのことを課題に挙げた、そういった評価であったわけですけれども、その後、どんな状況なのかということをお尋ねしたいと思います。

 3つ目は、6ページのリスク管理の2つ目のポツです。これの2行目のところに、データセンターを東西2カ所に設置して相互にバックアップする体制にしたと。これは、この新しいシステムに移行したことによって新たにこの体制をつくったのでしょうか。それとも、従来もそういったある種のバックアップ体制を持っていましたということなのでしょうか。また、相互に持つということですから、データの保存・保管は2カ所でやっているということ。これは確認的な質問ですが、その辺の実情を教えていただければと思います。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○春山業務部長 業務部長でございます。1点目の御質問のいわゆる業務・システム刷新の成果はどういうものがあるかということでございます。業務部門の仕組みだけ申し上げると、やはり一番大きな成果といいますのは、保険証の作成、送付はアウトソースできるようになった。従来は年金機構のほうで資格取得の処理等をやりまして、データが協会のシステムのほうに飛んでまいりまして、これを各支部で一枚一枚カチャカチャとずっと打っていたわけです。それをまた封入、封かんして発送しておりましたけれども、これを一括してデータを委託事業者に飛ばしまして、印刷から発送まで一挙にやれるようになったということでございます。年間に保険証は600700万枚発行しておりますので、これが一括して支部のほうで作成、発送がなくなった。これが一番大きいと思います。

 ほかに支給決定通知書です。いろいろな現金給付の決定を行った際に、御本人宛てに給付金の支給決定通知書というのを、これも支部で印刷して発送しておりましたけれども、これも全部一括して集約してアウトソースでやれる。

 もう一点は、逆に入力のほうでございます。審査を行いますときに、前々からパソコンで審査を行っておりましたけれども、データを全部職員が入力して、それから審査となっておりましたけれども、SS帳票と呼んでおりますけれども、傷病手当金、出産手当金、出産育児一時金、こういう生活に密着したものについては、イメージワークフローといいまして、OCRで読ませてアウトソースの事業者に飛ばしまして、アウトソースの事業者のほうでデータ入力を行うということで、返ってきたものを今度は画面で審査する。ペーパーレスです。これによって入力の時間が非常に省力化された。あるいは、画面審査によりまして、審査の時間が減っております。業務面からいいますと、今申し上げたようなところがかなり省力化されていると思っております。

○野口総務部長 ただいま、刷新の遅れに伴う損害賠償のお話もございましたけれども、私どもで刷新遅延によって協会に生じたのではないかと理解しております損害額につきまして、現実にサービスイン遅延の原因となった事業者に対しまして請求をしております。一方、これは立場立場がございますけれども、先方のほうからも予定外の作業ということで、逆に追加請求もあるのではないかということで、双方の主張がございまして、現在、鋭意協議をさせていただいているという状況でございます。

 それから、刷新に伴います効率化、人員面でいいますと、私どもは限られた人材をいかに有効に活用して協会のパフォーマンスを上げるかということでございますので、その人員のいわば再配置ということだと思っております。したがって、業務部門で効率化できたところをこれから保険者機能の強化に向けて、企画・保健部門に人を振り向けていく、今、そういう方向に進ませていただいていると理解しているところでございます。

○大野理事 3点目のデータセンターの件について説明させていただきます。

 お尋ねの2カ所のデータセンターは、今回の刷新に伴って実現したのか、それとも従来2カ所だったのかという御質問でございますけれども、従来は関東に1カ所という状態でございました。それを今回の刷新を機に東西2カ所という体制にすることができたということでございます。

 ちなみに、データセンターにつきましては、内閣府のほうで事業継続ガイドラインというのを発行されていまして、協会のようにたくさんの加入者、事業主の皆様にかかわる重要な事業を行っている組織の場合は、データセンターが被災した場合でも迅速に復旧させるための手当てをしっかり講じるということが重要だとされておりまして、特に先ほどお話にありましたデータを相互にバックアップして、必ず2カ所同じ内容で保持する。あるいは、通信の回線、さらにはデータセンターの電源設備、こういったものもできるだけ二重化して災害に備えるということが推奨されておりまして、今回の新しいシステムではそういったバックアップ体制につきましても万全を期するということで取り組んでまいりました。

 以上でございます。

○土田座長 どうぞ。

○小西構成員 従来は東に1カ所というのは、バックアップとして持っていたのですか。

○大野理事 従来のバックアップの持ち方は、センターは1カ所でしたので、ただデータはやはり喪失すると取り返しがつきませんので、バックアップするための媒体に定期的に出力しまして、それを安全な場所、離れた場所に保管する。そういう形でバックアップをとっておりました。

 今回は、ほぼ同時にデータベースを更新するという仕組みを講じておりますので、仮に片方が停止した場合でも、数時間以内には切りかわって業務を継続することができる。そういう体制をとっております。

○小西構成員 なおかつ、東と西という。

○大野理事 さようでございます。

○小西構成員 ありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ほかに御質問は。どうぞ。

○森下構成員 4ページ目でございますけれども、今組織そのものの体制をいろいろとやられているということで、いろいろと御努力をされていると書いてありますが、自己評価Sということで、先ほど非常に自己満足型というか、例えば、当然このようなコンプライアンスとか個人情報保護の徹底というようなことがここにわざわざ書かれているということは、現実にこういう事故が起きて報告事項として挙がってきているのかどうかということも、私もちょっとこれを見ながら思ったところでございます。

 あと非常に難しいのは情報セキュリティー対策という部分だと思いますが、PDCAサイクルを回す中で、どこのどういう会社様、法人がやられても、事故なり、インシデントというものが当然つきまとうものであって、それを改良していくことでPDCAサイクルが回っていくということになると思うのですが、こういうものをどのような形でトップの方が管理されているのか。また、トップの方が全てやるわけにはいかないので、そういうあれを担当の方がおいでになってやられているとは思いますけれども、これだけの職員数がいらっしゃいますので、数がふえればふえるほどリスク管理も大変かなと思っておりますけれども、後ほど出ているような研修制度というものを非常に多く設けているようでして、逆に言うと、これを見る限り、浸透しなくて苦慮されているなというような印象を受けましたが、その辺につきましてはぜひとも御説明があればと思います。

○土田座長 どうもありがとうございました。いかがでございましょうか。

 高橋理事、どうぞ。

○高橋理事 コンプライアンスのほうですけれども、本部、それから支部でコンプライアンス委員会をやって、コンプライアンス遵守の徹底をやっていますけれども、それは現実にどれぐらいの事故があるかと。それは規程違反とか、事務処理でも決められた手順どおり処理しないとか、それはままあります。ですから、そこはきちっとやっていこうということで現在やっております。

 3つ目の全体に浸透していないのではないかというお話がございましたけれども、率直に申し上げて、ルールの遵守という意味でやや甘いところはあるのかなという感じは現実に持っています。そこは、これまで社会保険庁時代は47の支部でそれぞれが人事も全て完結していて、どうしてもローカルルール的なものがあって、そこは協会になって一本でやろうとすると、前と違うという抵抗も大分ありました。そこはだんだん一本化をしてきていますが、現実に我々は本部として妥協としてはいけないのですけれども、例えば人口の少ない、静かといってもあれですけれども、県民性が割とおとなしいようなところと、東京、大阪、北海道あたりがそうですけれども、加入者の方々にもいろいろな方がいらっしゃいますので、例えば申請書を全部書いてこないで、二、三割しか書かないで、極端なケースは名前しか書いてこないとか、そういうものもありますので、そこを相手にするところの職員の感じるものと、そこは物差しを一本にして、さあこれでやれといっても、ローカルルールにはそれなりのレゾンデートルがないわけではないですから、そこを克服しながら今やっているというところです。そこは途上だと思っております。それで、ここは自己評価としてはBにしております。Sではございません。

 あと、情報セキュリティーのほうも、昨年インシデントがありましたので、職員に徹底するというところで、特に情報面は大事ですので、そこは徹底するようにやっております。

 以上です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○古井構成員 ありがとうございました。

私は人材育成のところが印象深くて、階層的にしっかり取り組まれていると思ったのですが、12ページ目のところで、基本はコンプライアンスとか、コスト削減とか、情報管理といった取り組みが非常に重要だと思っている中で、例えばこの真ん中2ポツ目にあるデータヘルス計画の研修というのは、まだ定常化されていない新しい業務に対する研修として重要かと思います。

 私もデータヘルスの研修を拝見したときに、支部の職員の皆さんがフランクに話されて、具体的な取り組みの方法や上手くいったこと、上手くいかなかったことの情報共有がすごく大事だというのを改めて思いました。

 あとは、研修の中でも特に新しい取り組みに対する職員のモチベーションアップをしていただけるといいなと。業務も沢山ありますので、仕事で社会に役立っていると感じられる機会になるといいと思いました。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 今、御意見ということで承りましたが、よろしいですね。

 それでは、次のテーマに移りたいと思います。きょう最後のテーマとなりますけれども、その他という項目につきまして、協会のほうからお願いします。

○稼農企画部長 資料2-3、「その他」でございます。1ページ目が、「事業主と連携・連携強化への取組み」ということでございます。健康保険委員が最初の○でございます。

 これは前回の報告の中にも入っておりまして、ポイントだけ言いますと、広報に努めまして、委嘱拡大に努めたところでございまして、27年度末、増加しておりまして、10万人を超えたというところでございます。

 また、1ページの一番下のポツですが、永年にわたって御尽力いただいた委員の活動や功績に対して各種表彰制度というものを実施しておりまして、さらなる連携強化に努めているところでございます。

 また、2ページに移りますが、「事業主等の連携の強化」でございます。データヘルス計画の基本事項でもあります。事業主等の健康づくり意識の醸成を目指した取り組み、いわゆるコラボヘルスの一つの手段として、大分支部が行いました「一社一健康宣言」を全国に横展開ということで、いろいろな支部で実施をしております。また、支部・県が共同で事業所向けの健康づくりメニューをポイント化して、そのポイント上位事業所を表彰する支援事業も継続し、事業展開を図っているところでございます。

 「健康宣言事業」では、事業所だけではなくて、自治体、関係団体との連携強化を図って、取り組む事業所に対してさまざまなインセンティブを付与しているということでございます。

 2ページの一番下に主なインセンティブを書いてございますが、例えば表彰、あるいは地域の金融機関での金利優遇とか、あとは労働行政と連携して、求人票等に健康づくりを推進している事業所であることを表記していただくとか、こういった取り組みでございます。

 3ページ、「その他の取組み」ですが、社員の奥様にも健診プロジェクトと。これは愛知支部が取り組んでいる取り組みでございますが、被扶養者の方々に対して受診勧奨をするのですが、その際に事業主・支部長の連名で受診勧奨通知を送付して、健診の勧奨から申し込みまでの間について事業所さんを巻き込んでやるというような事業をやっております。

 また、スモールチェンジ活動ということで、岩手、熊本支部でやっておりますが、各事業所の業態の特性に合わせた健康づくりとして、いわゆる敷居を下げた健康行動から実践するスモールチェンジ活動というのを推進しているということでございます。取り組みの例は下の表のとおりでございます。

 自己評価でございますが、Aとさせていただいております。健康保険委員につきましては、先ほど言いましたとおり、26年度と比べて増加ということでございます。各種表彰制度の実施をやっております。

 事業主との連携につきましては、コラボヘルス、健康宣言事業の取り組みなどにつきまして、事業者のみならず関係団体との連携を強めているということでございまして、Aとさせていただいたところでございます。

 よろしくお願いいたします。

○土田座長 ありがとうございました。

 事業主との連携も非常に強化されているということがうかがわれますけれども、ただいまのことにつきまして、御意見、御質問がございましたら、どうぞお願いします。

○森下構成員 この中で2ページ目に、労働行政等と連携した求人票等に健康づくりを推進している事業所であることの表記、そういうインセンティブの施策が載っておりますけれども、これはあくまでも、ここに書いてあるような、各支部においてパイロット事業みたいな形で行われるというように解釈していいのか、それとも協会けんぽ全体として、こういうものをもっと積極的に労働行政と並行してやりたいと思っていらっしゃるのか。確認でお願いします。

○土田座長 いかがでしょうか。

 どうぞ。

○守殿保健部長 保健部長の守殿と申します。よろしくお願いいたします。

 ただいま御質問の労働行政との求人票関係の連携事業ですが、具体的にはこれは各支部の独自事業という形で実施されているということでございます。パイロットといいますか、その支部の中でこういった健康宣言事業をやっている中で、独自のインセンティブとして展開されている事例でございます。

 しかしながら、28年、厚労省さんと経済産業省さんのほうで新たな制度設計をされまして、こういった宣言事務所の認定制度という枠組みをつくっておられるのですが、その中でインセンティブというものを広げていこうという案の中には、こういったものも既に盛り込まれていて推奨されているということで、今後こういった方向を伸ばしていこうという考えでございます。

○森下構成員 まだ具体的に何か法案ができたというところまでは行っていないと。

○守殿保健部長 そういった制度というか、法案ではありません。あくまでも支部と労働基準監督署との話し合いの中で、連携事業という中の位置づけで今は動いております。

○森下構成員 今、厚生労働省の中の労働審議会等でも、このような新しい働き方の改革ということで、今、内閣自体が動かれていると思うのですが、こういう中にこういう制度を積極的に各地域で、事業所さんに対しインセンティブという言い方が適当かどうかはわかりませんけれども、働く方が積極的にいい事業所を選んで、またいい制度を採用している事業所にはいい社員さんが集まるような、今回、職業安定所の情報が各公企体でも利用できるようになりましたけれども、そのようなことと同時並行的に進めていただけるといいなと思いました。ありがとうございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ほかにございますか。どうぞ。

○古井構成員 ありがとうございました。

 4ページ目の下の段の「事業主との連携の強化」のところでございますけれども、協会と事業所だけではなくて、地方自治体、関係団体という中に、今、森下委員からもあったような労働行政との連携もあります。今、地方自治体さんが地場の企業さんの健康づくり、それに伴う人材確保に注目されていますので、協会さんの取り組みを自治体にもぜひ共有していただいて進めていただけると、自治体にとっても有用ではないかと思います。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 よろしいでしょうか。ほかにございますか。

 それでは、一応議題は済みましたが、最後に事務局のほうから今後のスケジュールについて御説明をお願いします。

○友田全国健康保険協会管理室長 本日も貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 今後のスケジュールでございますが、業績評価シートには後日各構成員の皆様に御意見及び評価を記入いただくことになりますけれども、前回と今回でこの検討会の場でいただいた御意見等につきましては、事務局であらかじめ同シートの構成員の御意見欄に反映した上で、今週末までには各構成員の皆様に送付したいと思いますので、構成員の皆様方におかれましては同シートに御意見と評価を御記入の上、1013日、2週間後でございますが、そこまでの期間に事務局に提出いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 その後、事務局におきまして、構成員の皆さんからいただいた御意見及び評価結果を集約した上で、厚生労働省として業績評価を取りまとめたものを構成員の皆様方に御確認いただきます。最終的には10月末ぐらいを予定しておりますけれども、最終的な業績評価結果を厚生労働大臣から協会理事長宛てに通知するとともに、公表したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○土田座長 ありがとうございました。

1013日締め切りということですが、よろしいですね。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上をもちまして、今年度の業績評価検討会は終わりになりました。恒例のことですが、最後に一言ずつ感想なり、御意見なりを承りたいと思います。

○小西構成員 小西でございます。

ことしも事業の取り組みはもちろん、こうした検討会への対応をありがとうございました。

 私は、言葉のあやのようですけれども、「協会けんぽ」という言葉、この言葉の前後を入れかえまして「健保協会」、つまり全国健康保険協会そのものでありますけれども、というように考えておりまして、この協会が主力商品として健康保険事業、船員保険事業を持っている。そういった商品を持つ事業体、経営体であるというふうに、ごく当たり前のことを申し上げているわけですが、考えます。そして、今、この業績評価検討会では、それぞれの商品である事業の運営について、あるいは成果について評価をしていると思います。思いますではなくて、そうなのですが、あわせて、この事業体、経営体としての協会、それがあって事業が成り立っているわけでして、経営体、事業体を見るといった観点、アプローチといいましょうか、こういったことも持っていきたいといつも思っているところでございます。

 その事業体、経営体の経営の成果という形で出てくるのが、保険収支の業務経費、あるいは一般管理費というところへ計数としてはあらわれてくるということかと思いますけれども、そういう意味では2つの事業にアプローチすること、それにあわせて経営体、事業体にアプローチすること、そんなことで考えていきたいと思っているところでございます。

以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 古井さん、どうぞ。

○古井構成員 ありがとうございました。

先ほども申し上げたのですが、協会ができて、この数年間で大変な構造改革をされたと思っています。それで、ようやくデータヘルスを含めて、攻めの取り組みができ始めてきまして、職員の方にとってのやりがいが前面に出てくるような、そういうステージになると良いと思います。

 もう一つの視点は、協会けんぽさんには支部相互に格差がありありますので、現役世代を支える保険者として一層着実な取り組みをこれからも続けていただけるとありがたいと思います。 どうもありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 それでは、森下構成員、どうぞ。

○森下構成員 森下でございます。

 今回、私は皆さんと違って、初めてこういう会に参加させていただきまして、いろいろと御説明をいただいたり、資料を多く読ませていただきまして、皆様のお仕事というのが少しずつ今わかり始めたところでございます。ある意味では、私個人的にも非常にいい勉強をさせていただいたと思っております。同時に、今の協会けんぽの組織、ここにいらっしゃる方が、今お話があったように、データヘルス計画という、ある意味では非常に攻めの姿勢で、健康そのものを考えながら、同時に新しい厚生労働省の保健行政といいますか、そういうものに大きく貢献をされつつあるなと思っております。また、それを非常に感じたところでありました。

 小規模の事業者の代表的な立場というとおこがましいのですが、我々もそういう組織の方々が一生懸命やっている中で、事業主としてどういうお手伝いができるか、また、社員それぞれに対してどういう説明、また指導ができるか、考えていきたいと思っておりますけれども、本当にいろいろと勉強させていただきまして、お礼を申し上げます。ありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 最後に、私からも一言申し上げたいと思います。

 協会の仕事は年々非常によくなってきていると認識しております。社会保険というのは、今まで組合方式、あるいは地方自治体が担うということでやってきましたけれども、協会けんぽというのはまた新しい社会保険の仕組みとして定着したなと思っております。

 一般に中間団体というふうに呼んでおりますが、国と各個人との間にあるこういう中間機能集団といいますか、そういう団体について私は非常に大事だと思っております。個人の競争に任せますと利益のみに走ったり、いろいろと問題が出てきますし、といって国のほうに任せますと、それはある意味で個人の自由を束縛してしまうというところもあるわけですから、そういう個人と国家の中間に位置しながらいろいろな役割を担っていくということで、労働組合も、あるいは経営者団体も同じだと思いますが、そういう中間団体というものの存在をもっともっと大事に思っていかなければいけないと思っております。そういう意味で、協会のあり方というのは一つの姿を示していると思っております。

 中間団体で一番大事なのは当事者自治ということだと思います。もちろん協会というのは国との関係も予算等々がありますし、個人との接触というのも直接的には濃いわけではないというところはあるのですが、そういう中においても当事者自治としての役割は非常に大きいものがあります。したがって国と対峙し、また個人とも対峙しながら、役割というものをしっかり果たしていっていただきたいと思います。

 そういう意味で、先ほどから話が出ておりますデータヘルス計画を初めとする保健活動や、地域医療構想で新しく始まった医療供給者との関係というのも協会の大きな役割になってきます。また、何よりも大事なのは、結局は財政ですから、予算面でもっと自由度を大きくしていく。それによって、自分たちの当事者自治というものの権限を強くしていくということが大事だろうと思っております。福祉国家の根幹というのは社会保障にあると思っておりますので、そういうところの当事者自治というものの役割をもっともっと強めていっていただきたいと思っております。

 ちょっと口幅ったい言い方になりますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして全て予定が終わりました。課長がお見えになっておりますけれども、一言いかがでしょうか。

○宮本保険課長 委員の皆様におかれましては、本当にありがとうございました。非常に幅広い、また高い視点から、協会の業務にさまざまな御助言あるいは評価をいただきまして、まことにありがとうございます。

 今、土田座長からお話をいただいたように、協会けんぽは10年間たって、いろいろと業務の改善をしてまいりまして、私が言うのもおかしいですけれども、立ち上がったときから見ると、かなりいろいろなことを頑張ってやってもらっていると思っています。まだまだ改善していくところは多いと思いますので、御助言いただいたところをよく踏まえて、また一緒に精進をしてまいりたいと思っております。

 本当にどうもありがとうございました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 それで、これで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 全国健康保険協会業績評価に関する検討会> 第17回全国健康保険協会業績評価に関する検討会(2016年9月28日)

ページの先頭へ戻る