ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 全国健康保険協会業績評価に関する検討会> 第16回全国健康保険協会業績評価に関する検討会(2016年9月6日)




2016年9月6日 第16回全国健康保険協会業績評価に関する検討会

保険局保険課全国健康保険協会管理室

○日時

平成28年9月6日(火)14:00~16:00


○場所

千代田区平川町2-4-2(全国都市会館第1会議室)


○議事

○友田全国健康保険協会管理室長 それでは、定刻より若干早いのですが、ただいまから第16回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。

 皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は、構成員の方皆様に御出席いただいております。

 また、全国健康保険協会からは小林理事長ほか、関係者の皆様方に御出席をいただいております。

 なお、大変申しわけございませんが、宮本保険課長は少しおくれての出席となります。

 それでは、土田座長、よろしくお願いいたします。

○土田座長 それでは、早速ですけれども、議事に入りたいと思います。

 まず最初に、きょうの議事内容及び配付されている資料につきまして御説明をお願いいたします。

○友田全国健康保険協会管理室長 それでは、議事内容及び配付資料の説明をさせていただきます。

 まずは議事内容についてですが、前回の検討会6月10日おきまして決定いたしました今年度の本検討会の進め方に従いまして、本日は健康保険関係の「保険運営の企画」「健康保険給付等」「保健事業」、この3点の事業概要及び自己評価について協会のほうから御説明していただきまして、その後、質疑に入り、議論をお願いしたいと考えております。

 なお、本日の議論の進め方としましては、業績評価シートの内容をまとめた全国健康保険協会業績評価検討会説明資料、資料2-1から2-3に基づきまして、協会から各テーマにつきまして15分程度の概要の説明をいただきまして、その後、資料1の評価シートと突き合わせを行いながら質疑、議論を行っていただきます。

 配付資料について、御確認をお願いいたします。

 「検討会」という1枚物の後の資料になりますが、資料1「業績評価シート(平成27年度)」。

 資料2-1、検討会資料。健康保険、保険運営の企画。

 資料2-2、検討会資料。健康保険給付等。

 資料2-3、検討会資料。健康保険、保健事業。

 参考資料としまして、参考資料1「全国健康保険協会事業計画及び予算」。

 参考資料2「保険者機能強化アクションプラン(第3期)」。

 参考資料3は、前回議論いただきました「全国健康保険協会の平成27年度業務実績に関する評価の基準」でございます。

 以上でございます。

 過不足等ありましたら、事務局のほうにお願いできればと思います。

 以上です。

○土田座長 ありがとうございました。

 皆様、ございますでしょうか。よろしいですか。

(「はい」と声あり)

○土田座長 それでは、業績評価の議論に入っていきたいと思います。

 最初は「保険運営の企画」でございます。業績評価シートでは1ページから19ページになっております。

 最初に、全国健康保険協会のほうから御説明をお願いいたします。

○稼農企画部長 企画部長の稼農と申します。座って説明させていただきます。

 資料2-1、1ページをお開きください。まず、「(1)保険者機能の発揮による総合的な取組みの推進」でございます。評価の視点は、ごらんのとおりでございます。

 まず、事業概要に入ります前に、保険者としての活動範囲について簡単に御説明いたします。下の図とあわせてごらんください。協会の設立を機に、それまでは外部委託とされておりました加入者の健康づくりや健診・保健指導等を協会自身の新たな業務として行うこととなりました。

 また、医療介護総合確保推進法によりまして、医療保険者が地域の医療提供体制に関与することが位置づけられたことから、データヘルスや地域医療への意見発信など、協会の医療保険者としての活動範囲は拡大しております。

 2ページに参ります。「事業報告(概要)」の最初の○のところですが、このような活動範囲の拡大を受けまして、都道府県での医療計画の策定の場や地域医療構想の会議などに委員として協会から参加するなど、地域医療体制への関与を大きく進めるという方向で取り組んできております。

 また、我々の計画としまして、保険者機能強化アクションプラン(第3期)をつくりまして、それにおきまして目標を定めて、施策を明確にして取り組んでおります。

 3ページでございます。今、申しました保険者機能のアクションプラン(第3期)は、冒頭の○にございますが、2710月1日に策定したものでございます。

 2行目にありますが、29年度までの3カ年の中期的な計画となっております。

 次の行にありますが、保険者が果たすべき機能につきまして、「基盤的な機能」「戦略的な機能」に分類することで明確化して取り組んでおるところでございます。

 次の○の中ほどにありますが、このプランでは実現すべき目標としまして3つを掲げております。「医療等の質や効率性の向上」、2番目「加入者の健康度を高めること」、3番目「医療費等の適正化」を掲げて取り組んでいるところでございます。

 3つ目のですが、27年度につきましては、このプランの取り組みについて、可能なものから順次実施をいたしております。

 最後の○ですが、各支部におきましても、この目指すべき姿を踏まえまして、「データヘルス計画」の確実な実施や意見発信等を図って、医療費適正化対策等に係る事項を強化・充実を図ったところでございます。

 4ページ目は骨子でございますので、説明は割愛いたします。

 5ページ目は、「パイロット事業」についてでございます。パイロット事業につきましては毎年度実施しておりますが、前年度、前々年度の結果の効果検証をして、その結果を展開していくということでやっております。

27年度につきましては、医療機関の窓口におきまして資格の確認を行うことによりまして、新たな返納金債権発生を防止する資格確認業務について全国展開を行いました。なお、このパイロット事業につきましては、資格喪失後のレセプトの請求件数が減少するといった一定の効果が認められたことから、全国展開したものでございます。

 2つ目の○ですが、25年度の大分支部の取り組みを参考といたしまして、多数の支部で事業所とのコラボヘルスを実施いたしております。

 3つ目の○でございます。26年度に実施したパイロット事業のうち、GIS、地理情報を活用したデータヘルス計画の推進、あるいは事業所ごとの疾病リスク特性に応じた保健事業の取り組みにつきましては、28年度中の全国展開に向けた取り組みを進めるなど、取り組みを進めているところでございます。

 続きまして、7ページ「関係方面への積極的な意見発信について」でございます。冒頭申しましたとおり、保険者としての能動的な役割の範囲が広がってまいっております。協会ではさまざまな場で意見発信を積極的に行っているところです。

 具体的には、2つ目の○でございますが、271118日には「平成28年度の診療報酬改定に関する要請」といたしまして、健康保険組合連合会などとの共同で、診療報酬改定についてマイナス改定とすべき旨の要請書を大臣宛てに提出させていただいたところです。

 結果的には第27年度末には決定されまして、改定率は全体でマイナス0.84%となっております。

 続きまして、「地域医療への関与」でございます。協会としましては、都道府県が策定する医療計画策定に関する会議に参画をしております。そのほか、地域医療構想の構想区域、全国で333区域ございますが、このうち167の地域医療構想調整会議で委員になるなど、関与を拡大させてきたところでございます。

 8ページ「地方自治体等との連携推進について」でございます。○の2行目の後からでございますが、27年7月に高知支部が高知県と協定を締結いたしました。これによりまして、27年度で47支部全てにおいて都道府県または市区町村との間で健康づくりの推進に向けた包括的な協定・覚書が締結されました。

 なお書きのところですが、27年度末時点で43の都道府県、168の市区町村との間で協定等が結ばれております。

 1枚おめくりください。9ページ、自己評価はSとさせていただいております。理由につきましては、これまで御説明した内容のとおりでございますが、このページの一番最初の○のところでございます。27年度は、協会の保険者としての活動が大きく広がりまして、その結果、保険者機能のさらなる発揮に向けて大きく飛躍する1年となったと私どもとしては考えております。

 また、一番最後の○ですが、保険者として業務が拡大していく中で、限られた陣容で積極的な対応に努めてきたところでございます。

 続きまして、10ページに参ります。「(2)地域の実情に応じた医療費適正化の総合対策」でございます。評価の視点は、ごらんのとおりでございます。

 取り組みでございますが、下から2番目の○でございます。まず、レセプト点検に当たりましては、各支部において数値目標の設定を行うとともに、行動計画を策定して取り組んでおります。また、ジェネリック医薬品についても、使用促進に向けてのサービスを実施いたしております。

 また、下ですが、現金給付の審査過程におきましては、必要に応じて年金機構と合同で事業所への立入調査を実施するなど、取り組みを進めてきました。

11ページをお開きください。先ほども申しましたが、一番上は、パイロットでもお話ししましたが、「医療機関における資格確認業務」でございます。これにつきましては、28年3月から35支部において運用を開始いたしております。

 続きまして、「各種協議会等への参画及び意見発信」ですが、これにつきましては、このページの下の○でございます。協会では、先ほどの計画の関連もそうですが、その他の医療費適正化計画に関する検討会、あるいは後発医薬品使用促進協議会への参加といったことをやっておりまして、12ページの図にありますとおり、それぞれ昨年度と比べましても参加支部数が増加して、取り組みを強化しております。

 続きまして、12ページの下「地方自治体との連携・協働について」でございます。ここにつきましては、先ほど説明したので省略いたします。

12ページの一番下ですが、自治体のみならず、医師会等関係団体、あるいは大学、経済団体などとの連携の強化にも努めてまいっております。

 続きまして、13ページ「都道府県単位保険料率に関するインセンティブ制度について」でございます。これにつきましては、厚生労働省で設置している検討ワーキンググループに参加し、あるいはその検討状況などを運営委員会に報告する取り組みを行っております。

 自己評価のところでございますが、Sとさせていただいております。これにつきましては、一番上にありますように、支部ごとに適正化の取り組みの実施、レセプト点検、ジェネリック医薬品の使用促進など、地域に応じた事業を実施するなどやっておりますし、先ほど申しましたように、自治体あるいは医師会、関係団体等との取り組みを強めてまいったところでございます。

 続きまして、15ページ「ジェネリック医薬品の更なる使用促進」でございます。これにつきましては、16ページのところで27年度の実績について書いてございます。28年3月時点での使用割合は65%となっております。医療保険全体の使用割合が61.5%でございますので、これと比べまして3%ポイント上回る水準で推移しております。

 また、2710月には全支部で使用割合が50%を超えておりまして、底上げも図られております。

 御参考に、都道府県支部別の使用割合と医療保険全体の都道府県別使用割合を比較したものを18ページに載せてございます。1つの県を除いては全体が上回っておりますが、傾向としては同じような傾向にあるということが見てとれるかと思います。

 続きまして、19ページは「ジェネリック医薬品軽減額通知について」でございます。これにつきましては、毎年度お知らせする対象者の基準や実施方法の見直しを行っております。これまで通知を送付した加入者のうち、おおむね4人に1人の方がジェネリック医薬品への切りかえを行っておりまして、切りかえに伴う財政効果は、単純推計のベースではございますが、約603億円ということで、実施コストを大きく上回る成果を得ております。

27年度は、具体的な見直しとしまして、ここにありますように、通知する際の可能額の下限の引き下げを行うとともに、通知の件数も増加させて取り組みを強めたところでございます。軽減額と取り組みの枚数について一覧表にまとめておりますので、御参照いただければと思います。

 続きまして、21ページ「ジェネリック医薬品希望シール等の作成・配布」でございます。これは引き続き行っておるものでございますが、27年度の実績は、26年度を上回って1,260万枚を配布いたしております。

 また、22ページではジェネリック医薬品使用促進セミナー等のことを記述しておりますが、特に本部におきましても、ジェネリック医薬品学会学術大会等に協会理事がパネリストとして出席して意見を発信する等の取り組みを行っております。

 また、都道府県のところにおきましても、促進協議会への参加、積極的な意見発信に努めておるところでございます。

 また、23ページ「国に対する意見発信」といたしまして、2つ目の○ですが、27年6月に厚生労働省医政局長等に対しまして要請書を提出したところでございます。

24ページでございます。自己評価はSとさせていただいております。理由は御説明した内容をまとめたものでございますが、いずれにしても積極的な取り組みを続けておりまして、成果も上がっているということで、私どもとしてはS評価をつけさせていただいたところでございます。

 続きまして、25ページ「地域医療への関与」でございます。評価の視点は、ごらんのとおりです。

 2つ目の○ですが、協会では地域医療構想の策定、実行に当たって十分に役割を発揮できるように、27年5月に健康保険組合連合会と連名で要請書を厚生労働省に提出いたしております。

 また、26ページの下の○でございますが、各支部においては保険者協議会等を通じて連携をして、地域医療構想調整会議に参画できるように働きかけを行っております。

 下の表にありますとおり、地域医療構想調整会議への参画についても、数は先ほど述べたとおりでございます。

27ページ「意見発信にあたっての取組み」でございます。これにつきましては、本部といたしましても、27年3月に全支部の幹部を集めた会議を開催しまして、今後の基本方針等、具体的な発言例を説明するということで、バックアップをするなどの取り組みを行っております。また、二次医療圏ごとの患者のデータについての分析を行ったりしております。

 これらを踏まえて、各支部では意見発信を行ったというところでございます。

28ページ、自己評価のところですが、Sとさせていただいております。理由はこれまで述べたとおりでございますので、省略させていただきます。

 続きまして、29ページ「(5)調査研究の推進等」でございます。「事業報告(概要)」のところですが、26年度から学識経験者をアドバイザーとして設置する取り組みをやっております。

 また、2つ目のポツですが、特定健診や特定保健指導データの分析報告書を本部で作成して、支部に配付し、データ提供を行っております。

 また、各種文献の調査等を行いまして、知見の集積を行ったところでございます。

30ページ「協会の取組みの内外へ発信」ということにつきまして、27年5月には第2回協会けんぽ調査研究報告会を開催しまして発表等を行ったところでございます。

 続きまして、34ページになります。自己評価はAとさせていただいております。本部としましても、地域医療構想のための準備として、各支部に対して調査研究の結果あるいは分析の結果等を配付する等の取り組みを行うということをやっておりまして、自己評価はAとさせていただいております。

 続きまして、35ページ「広報の推進」でございます。

 広報につきましては、36ページの下のところでございますが、特に28年度の都道府県単位の保険料率につきましては、27年度と同様に保険料率の改定が引き上げ、引き下げと各支部によって異なったということがありまして、丁寧な広報に努めております。

 3パラ目に「さらに」とありますが、全国紙、主要地方紙に新聞広告を掲載しました。後日実施した効果をはかった調査では、広報を見た人では6割、広報を見ていない人では約3割ということで、認知度の差があったということで、効果があったものと考えております。

 続きまして、37ページ、ホームページ等、アクセス件数ですけれども、ホームページの年間アクセス件数、平日、休日における1日当たり平均アクセス件数とも増加しております。

 また、メールマガジンにつきましては、昨年6月以降、インターネット環境からの遮断ということで、一時休止することになりましたが、今年の8月より再開をして、順次再開を支部で取り組んでいるところでございます。

38ページ、加入者からの御意見ということで、加入者を対象とした意識調査を実施いたしております。

 2)の自己評価でございますが、全体としましては自己評価をAとさせていただいております。一番下の○のところですが、年度当初6月にインターネット環境からの遮断という影響があったものの、加入者の視点を意識して、わかりやすい積極的な広報を実施したということで、私どもとしては評価していただけるのではないかと思っております。

 最後になりますが、39ページ「的確な財政運営」でございます。2つ目の○でございますが、毎年度保険料率の決定に向けて議論をしながらやっているところでございますが、昨年度につきましては、27年9月から「保険料率に関する論点」ということで議論をスタートいたしました。合計5回にわたる議論を尽くした上で、保険料率を決定しました。

 4行目あたりにありますが、28年度については協会設立以来、初めて平均保険料率の引き下げが議論の俎上に上るという状況でありまして、運営委員会でも議論がわかれるというような状況がございました。

40ページの箱の下ですが、そういった中、運営委員会から最終判断を託される中、中長期的に安定的な保険財政を見通せるということ、加入者、事業主、国民全体にその理由を御理解いただける保険料率とするということで、理事長のほうから平均保険料率の維持ということをお示しし、その判断が尊重されるという形になっております。

 また、関係方面への意見発信ということでございますが、これにつきましては引き続きやってきておりまして、厚生労働省大臣に「骨太方針2015」への意見の提出などを行ってきているところでございます。

 最後、41ページですが、自己評価はAとしております。先ほど申しましたが、保険料率の決定までのプロセスにおいて、5回にわたり十分な議論を尽くした上で、多くの方に御理解いただくための判断軸を示しての決定であり、財政運営主体としての責任を果たしているものと考えております。

 少し長くなりました。説明は以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして、あるいはお手元の資料も含めまして、御質問、御意見ございましたら、お願いします。どうぞ。

○小島構成員 4点、5点ほど意見を述べます。

 まず、保険運営の企画で、評価の一つであります「保険者機能の発揮による総合的な取組みの推進」についてです。全体的な取り組みについての評価については、先ほども御説明がありましたように、本部でアクションプラン(第3期)を策定しております。その中では目指すべき目標を具体的に示しており、それに従って、本部、支部の連携で取り組みが進められております。支部段階では「データヘルス計画」によるコラボヘルス、あるいは重点予防対策といったような取り組み、さらには支部独自のパイロット事業の推進ということも行っております。

 それから、地域医療への関与については、自治体との健康づくり推進の協定締結といった取り組みを積極的に取り組んでおりますので、全体的に評価できると思っております。

 今後とも本部、支部との連携強化をぜひ進めていただきたい。あわせて事業所あるいは加入者との連携、協力推進ということも積極的に進めていただきたいと思いります。 

 2つ目の点は、ジェネリック医薬品の使用促進についてです。ジェネリック使用に向けて、軽減額通知の年2回の送付、それからシール等の送付等も積極的に取り組んでおり、結果的にジェネリックへの切りかえ者数も軽減額も着実に増えております。

 それから、都道府県のジェネリックの利用促進の協議会に積極的に参加しており、27年度は35支部が参加するなど、支部段階での取り組みも積極的に進んでおり、これらについて評価できると思います。

 しかし、27年度に掲げた利用率目標65.1%には届いていない。27年度は年平均で62%だったと思いますので、その辺は課題があるのではないか。今後、引き続きこの目標達成に取り組んでいただきたいと思います。

 そのためにも、支部間格差がまだありますので、せめて各支部段階、60%を超えるようなことを目指すために、支部間格差の要因分析を通じて格差是正に積極的に取り組んでいただければと思っております。

 3点目は地域医療への関与についてです。これは総合的な取り組みでも触れましたけれども、都道府県レベルでの医療計画策定の場合の参画、あるいは都道府県レベルの協議会への参画についても積極的に取り組んでいますが、引き続き各都道府県レベルの各種段階での参加に取り組んでいただきたい。

 それから、地域医療構想の策定の場合の参画について、都道府県レベルから今後は地区段階、全国333地区での地域医療構想の策定への積極的な意見反映が必要になってくると思います。

 これについても、27年度は167の地域での意見反映を行っておりますので、それについて評価をしたいと思います。28ページの自己評価のところで、333地区での意見反映の場のところで167にとどまっているのは、支部段階の幹部職員が対応しているので、333全部に対応し切れないとあります。そのため、今後は、各支部段階での人材育成を通じて、より広く参画、意見反映ができるようにすることが必要ではないか。

 場合によっては、支部評議員の皆さんにも協力いただくことも検討していいのではないかと思います。これらについても今後取り組みをお願いしたい。

 4点目は、調査研究の推進についてです。本部、支部段階での積極的な調査研究を行っており、これを公表、発表していることについては高く評価をしたい。今後、その調査研究の結果を具体的なヘルス事業にどう適用していくかが課題ではないかと思います。その中に、先ほども言いましたように、ジェネリックの支部間格差の要因分析といったことを通じて、格差の是正につなげていただきたい。

 最後に、的確な財政運営についてです。財政基盤の強化の視点から、厚労省関係の関係審議会あるいは中医協などでの意見反映を積極的に取り組んでおりますので、これについては引き続き取り組みをお願いしたい。

28年度の保険料率については、全国平均10%に据え置いたということであります。運営委員会での意見は、「10%維持」と「引き下げるべき」という両論併記だったということですが、たしか昨年、私も被保険者個人の立場から保険料率について意見を述べました。最終的に、今後長期的に10%を超えないよう医療費適正化に取り組んでいくことなど、中長期的な視点から今回は10%に据え置くという判断をされたということですので、それについては理解をしたいと思います。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ただいま5点意見がございましたけれども、協会のほうでこの点につきまして何か。どうぞ。

○伊奈川理事 御意見をいただきまして、ありがとうございます。

 アクションプランの関係でございますけれども、本部、支部が連携しながらということで、アクションプランのほうも本部、支部それぞれの役割、特に支部を本部がバックアップしていくということで打ち出しておりますので、引き続き取り組みを強化し、そして御指摘いただいたように、事業所、加入者の方とも連携を深めていきたいと考えております。

 ジェネリックの関係は、私どもなりに頑張って取り組んだつもりでございますけれども、数字ということから言いますと、御指摘のような結果だったということでございます。

 先ほどの御指摘にもございましたように、やはり支部間格差がある。これは逆に言いますと、頑張ればまだ上げる余地があるということかとも思っておりますので、先ほどの御指摘にありましたように、なぜ支部間格差が生ずるのか、もう少しエビデンス、データということも含めて分析を深めていきたいと思っているところでございます。

 地域医療の関係でございます。先ほどもございましたように、地域医療構想の医療圏を初めとして、数が多いということであります。

 そういうことで、保険者同士、そして被用者保険でありますと、健保組合、健保連とも連携しながら、ここは協会、ここは例えば健保組合といったような形で役割も分担しながら取り組むといったことも支部レベルではやっておりますし、特に重点的に取り組むべき地域ということも、また支部レベルでは考えてやっているというふうに承知をしているところでございます。

 調査研究の関係でございます。今、取り組んでおりますけれども、私どもは、一種の政策研究という言葉が適当かどうかわかりませんが、やはり目的を持った研究だと思っておりますので、そういう視点を忘れないように取り組んでいきたいと思っております。

 財政の関係ございます。非常に真摯な御議論いただいて、昨年暮れに10%維持ということになったわけでありますけれども、今後中長期的にどうなっていくかということで、10%ということを意識しながら、財政基盤の強化という点に取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 とりあえず以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 よろしいですか。

○小島構成員 はい。

○土田座長 ほかに御意見。森下さん、どうぞ。

○森下構成員 森下でございます。

 先ほど小島さんのほうからいろいろとお話が出ましたので、それと重複する部分があるかと思いますが、相対的に見させていただきますと、今回のアクションプラン(第3期)につきましては、非常に順調に成果を上げているのではないかなと感じております。

 ただ、その中で、例えばパイロット事業で実施されているような医療機関における資格確認業務についての全国展開というのは、これからどこまで積極的にやっていかれるのかどうか。まだまだ効果が非常に上がる可能性があるような施策だと思いますので、この辺についてはぜひとも継続して積極的にお願いをしたい。

 ちょっと重複はいたしますけれども、社会保障審議会等への意見の発信というのは非常に大切なことだと思っていまして、協会けんぽとして実際レセプトの確認等をしていく上で、適正かつ効果的な医療が施されているかということについては、現場の立場でそういう意見を審議会に上げていただければ、非常に効果があるのではないかなと思いました。

 地方自治体との連携につきましては、今、非常に上手にいかれていると聞いていますが、ジェネリック等で、どこかの数字にありましたが、後発医薬品の使用促進協議会には、28年3月末ということで、予定でしょうが、35支部、現状では31支部ということで、先ほどからお話の出ている地域間格差といいますか、そこがまだまだ埋められる部分があるのではないのかなと思っています。

 ジェネリックの使用率を上げるということは医療費の削減にもつながるということで、非常に重大な要素だと思います。今、多少マスコミでも話題になっていますが、未使用薬品の追跡といいますか、お医者さんからもらっても使わずにどんどんため込んでしまって、無駄になるようなお薬もいっぱいあるということもいろいろと伺っておりますので、その辺についても少し追跡をされるというような仕組みがあるといいなと思っております。

 また後ほど出てくるかもしれませんけれども、メールマガジン等の再開ということで、前回伺ったときには、インターネット、いろんなトラブルがあって、8月に再開というお話がございましたが、ここで現在の各被保険者の医療機関にかかった情報等もとれるというお話がありましたが、それが現実に今、動き始めているのかどうか。1年に1回程度の医療の受診の通知だけですと、なかなか本人がそういうものを確認できないような現実があると思います。最低でも2カ月くらいのうちに本人が情報を確認できることで、例えばこんな医療にかかっていないというようなイレギュラーなケースも避け得るのではないかなということも思っております。

 まだ第1段目なので、幾つか質問事項もございますけれども、少し重複はしていますが、そういうことで、私は、小規模事業者、協会けんぽの約8割を占めるという事業者の代表的な立場として、その辺につきましてぜひとも御確認をしたい。

 事業者の位置づけというものが今、協会けんぽの中で見づらいと思っていまして、事業主がどのようなことをしたら協会けんぽに何らかの形で貢献できるのか。私もその辺をもう一度再認識したいなと思っています。

 ありがとうございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○稼農企画部長 ありがとうございます。

 まず最初のところ、オンラインの資格確認の話でございます。これにつきましては、先ほど御説明しましたが、全国展開を始めてすぐに、47のうち35支部で取り組んでいただいているということで、当初から数多く取り組んでくれたなということを思っていたところでございます。

 さらにということでございますが、業務の実施に当たりましては、当然のことながら地域の医療機関の御協力、あとは支部内における体制づくり等が必要となってまいります。御指摘もありましたけれども、今後ともそういった環境整備ができるように本部としても努めていければと考えております。

 また、自治体との連携、ジェネリック等につきましては、先ほど来話が出ておりますが、ジェネリックを初め、医療費適正化の取り組みというのは、保険者として大事になってきておりますので、さらに進めていけるよう、御意見も踏まえてやっていきたいと思っております。

 また、メールマガジンでございますが、現状をちょっと御報告いたします。先ほど8月から配信が可能となったということでございまして、それまでやっていたものにつきまして一旦中止ということでしたが、8月に開始して、8月の時点で4支部が再開をしておると聞いておりまして、恐らく9月中には全支部のほうで再開ができるのではないかということで、今、準備を進めておるところでございます。

 また、医療費の関係の医療費情報などにつきましては、協会のホームページ上で医療費情報を照会できる情報提供サービスというのがございますが、これについても現在まだストップしている状況ではございますが、年度内に再開できるように努めているところでございます。

 事業者との関係でございますが、後ほどまた保健のところで出てくると思いますが、コラボヘルス等々、事業者の協力が保健事業、協会運営に欠かせませんので、連携をとりながらやっていきたいと考えております。

 以上です。

○森下構成員 ありがとうございます。

○土田座長 先ほど森下さんからお話がありました未使用薬品、残薬の問題はいかがでしょうか。

○伊奈川理事 すみません。確認をしようと思っておりましたけれども、残薬の関係というのは、私どもだけでなくて、医療保険全体の問題として非常に大きな問題でございます。そういうことで、今年は診療報酬の改定年でありましたので、診療報酬制度の中で対応してきている部分もあると思っておりますし、私どものほうからもお薬の適正な使用ということは唱えてきているところでございます。

 ちょっと確認しようと思っていましたのは、支部レベルでそういった薬の適正使用、何かあったような気がしたものですから、ちょっと確認をしております。もしこれはというものがあれば、後ほどお伝えしたいと思います。

○森下構成員 ありがとうございます。

○土田座長 よろしいですか。

○森下構成員 はい。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。どうぞ。

○小西構成員 小西でございます。3点ほどございます。

 1点目は、23ページの上のの2行目の後段のところです。これは質問というよりも、注目したということを申し上げたいのです。「安定供給等に対する医療機関関係者の不安を払拭する等」というところですけれども、ジェネリック医薬品ということですと、「使用割合」という言葉が象徴するように、使っていただくというところに力が入っている、着目しているわけですが、今度はここにありますように供給側から着目して、そして全体を見ていく。このことに注目いたしました。

 2つ目は34ページです。上から3つ目のパラグラフ、「支部においては、3支部で」という書き出しのところの1行目の後段、「3支部で研究機関との医療費分析に関する協定・覚書を新たに締結し」。したということですが、これは新しい取り組みと受けとめましたが、新しい取り組みでしょうか。

 その場合に、これらの研究機関は、各支部の当該地域の研究機関と理解しましたけれども、こうした医療費分析、分析の内容についてもいろいろな観点なりデータなりのとり方があると思うのですが、それは置いておきまして、この分析の結果、成果をどのように活用なさるということでこの施策、方針を取り上げておられるのか。あるいは当該支部で一定の成果物を得れば、ほかの支部でまたこれを利用するということもあろうかと思いますけれども、そういった点について、新たな取り組みについてどんなふうに考えていらっしゃるかということを教えていただきたいと思います。

 3つ目は37ページのメールマガジンのところです。先ほどの森下構成員の御発言に関連いたします。これは、昨年のいわゆる外部からの不審な通信を原因として、メールマガジン、そのほか、森下構成員も取り上げておられますけれども、幾つかの項目が中断していたということかと思います。再開の時期なのですが、きょうの三部作の説明資料を見ながら、ざくっとした印象なのですけれども、1年ぐらい再開までに時間を要しているのでしょうか。

 これはどうなのだろう。私もネットとかシステムの運営ということはよくわかりませんが、1年近くというのは長過ぎませんか。いや、そうでなくて、それなりの積み重ねの期間ですということなのか。その辺のことを教えていただければと思っております。

 よろしくお願いします。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 協会の方、いかがでしょう。

○稼農企画部長 ありがとうございます。

 まず、23ページのところにつきましては、御指摘ありがとうございます。供給者、提供者両方の安心というのが必要でございまして、先ほど紹介いたしましたが、地域地域でも各種セミナー等を開催する中で、保険の関係者が多いセミナーもありますが、中には支部で創意工夫をして、一般の参加者で薬の飲み方とかも含めて、そういった全体の薬の話を交えて、あるいはメーカー、製造業者の方も入れてセミナーをやって、全体的な薬の話をした中でジェネリックの推進について考えるという取り組みもやったりしておりまして、双方向が大事かなと思っております。

23ページのほうにつきましては、我々保険者だけの取り組みではなかなか難しいところもありますので、行政のほうにも要請を出したというようなことでございます。

 2番目のところでございますが、各支部で調査研究等、連携しておりますが、この3つは今年度新たに結んだということで、新たな取り組みです。

 システムの管理につきましては、済みません。

○高橋理事 インターネットの切断ですね。これは昨年、私どものシステムが外部から攻撃を受け、外部とのインターネットを遮断いたしました。その回復に1年ほどかかるというのは、先ほど森下委員のほうからもお話が出ましたが、例えば自分の医療費を確認したい、インターネットを使って見るというのはまだですけれども、これは幾つかのいろんなもの、外部との話がありますが、それは順を追って今、再開している途中です。

 なぜ時間がかかるかといいますと、私どものシステムは物すごく大きいのと、非常に機微にわたる情報を持っています。機微にわたる情報というのは個人の病歴ですので、風邪を引いておなかを痛めましたくらいならさしたることはないでしょうが、知られれば非常に困るような病気というのが実際あります。そういったレセプトを私どもは抱えていますので、昨年はそれは出ていませんが、昨年、あの不審通信事案があった後、6月の末から新しいシステムになったのですが、それを完全に外から遮断して分けてしまったわけです。通信できない。遮断したということで、外とは交信しないことを原則にしたのです。

 しかし、外と交信しないと困ってしまいますので、どうしたかといいますと、もう一つ別に外と交信ができるシステムを新しくつくりました。これは新システムの立ち上げになりますので、時間がかかります。一から全部設計しますので。その新システムを立ち上げる中で、一般のインターネット環境との接続をする。これが第一段階です。これは3月からやっております。

 その前に、不審通信の原因究明とかいろんな作業がありましたので、その作業に秋までかかっている。原因や今後の対処をどうするかということについて昨年の年末に公表して、その上で再開の作業をやっていったということです。インターネットの接続は3月の末。それから、普通のメールの更新は5月です。次にメルマガと進んでいまして、順を追ってやっています。

 時間がかかったのは、前のシステムがどうしてやられたのか把握する。その上で、どの部分が弱かったのか、これをきちっともう一回確かめる。その作業をやって、同時に新しいシステムを立ち上げるという作業をやっていますので、そこはどうしても時間がかかるということは御理解賜りたいと思います。

○小西構成員 ありがとうございました。

○土田座長 ただ、1つ、先ほどお答えいただきましたことで、医療費分析の成果をどう活用するのかということの回答がまだ出ておりませんので、どうぞ。

○伊奈川理事 先ほどの御質問、薬の関係でございます。ことしのパイロット事業ですので、これから現在進行形で進んでいくものだという前提でお聞きいただければと思いますけれども、1つは、医療機関の多受診者に対して適切な受診となるよう、薬剤師会と連携して、薬剤師さんと協会職員が協働して訪問指導するといったような取り組みを始めようとしている支部が一つでございます。

 もう一つは生活習慣病の関係なのですが、受診頻度の高い、処方日数が多い方に対してお知らせをするといったような取り組みをしようとしている支部。つまり、残薬がそれだけ発生する可能性があるだろうということで、お知らせをお送りするというような取り組みが一つでございます。

 もう一つ、今の御質問の中で医療費分析の成果をどう活用するかということでございます。いろんな活用の余地というのはあろうかと思いますけれども、先ほどの調査研究等の関係でいきますと、例えばGIS、これは先ほどのパイロット事業でも触れておると思いますが、あれでやってみてわかりましたことは、健診機関が近くにないとアクセスしにくいということで、そういう地理情報などを活用して、それで受診機関について、こういうところに受診機関があったほうがいいといったことがわかるようになってきておりますので、そういうことで早期に健診をして、そして適切な受診をしていただくようなことに活用できるなという感じは持っているところでございまして、GISについては今、パイロット事業でそれを拡大しようということでありますので、またいろいろな活用の余地が出てくるかなと思っております。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○古井構成員 ありがとうございました。

 本日の前半の資料では、1番目の「保険者機能の発揮による総合的な取組みの推進」のところで、第3期のアクションプランの着実な運営が非常に重要です。

 アクションプランのほうの参考資料2の2ページ目、「協会の理念」を拝見して、協会けんぽというのは加入者、事業主の利益のために存在していることを改めて感じました。

 その中で、データ分析について協会さんでやっていただきたいのは、47支部の地域格差とその背景というのをしっかり深掘りです。

 例えば、短命県では40代、50代の死亡率が長寿県よりはるかに高いことがわかっていますが、国保のデータですと4050代の健診データが十分にない。非常に健診受診率が低いという中で、協会けんぽのデータで飲酒や食事といったリスクの背景をしっかりと出していただく。そういうことは、地域医療計画あるいは地域医療構想の中で協会けんぽのデータでしか検証できないと考えます。

 このような支部間の格差の是正というのも公平性の観点で非常に重要だと思うのですが、2つ目は事業主の利益というところだと思っています。これは参考資料2の7ページ目に書いてあります。7ページ目の(2)データ分析の中で事業所間で比較できるようにと。これは非常に大事な視点だと、前回も指摘したとおりでございます。コラボヘルス(事業主と連携した保健事業)が構造的に難しい協会けんぽにあっては、例えば健康保険委員を置く、支部の保健師さんの指導を受ける、朝礼に来てもらう、そういう事業所は保健指導の実施率やメタボの改善率が高い。こういったデータが出ることで、あとはそういった事業所をつくっていくことだと周知・徹底ができます。そういう事業所であれば、高額療養費制度なども十分活用し、協会けんぽのありがたみがわかる。そういう支部の使い方をデータの効果検証と一緒に出していくことも有用だと思います。

 3番目は加入者個人でございまして、ここの7ページ目にも書いてありますように、保健指導の改善効果を分析するというのがあると思います。例えば、意識の高い人とやる気のない人の改善効果を比較して、資源の最適配分に生かすことも重要だと思います。

 また、レセプトとの突合分析で言うと、重症疾患が発症しているのは、薬を飲んでいる層からが多いのですが、これは薬を飲むのが遅いから、あるいは薬を飲んでいるから暴飲暴食していいだろうということもあると思いますが、薬を飲んでいる方がコントロールできているかという分析が大事です。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 伊奈川さん、どうぞ。

○伊奈川理事 ありがとうございます。

 常に忘れてはいけないことは、別の言い方をすると、お客様目線といいましょうか、加入者あるいは事業者、それぞれの方の利益ということだと痛感しているところでございます。

 先ほどの森下構成員の話とも関係するのですけれども、私どもの一つの特徴というのは、何分事業所数が多いと。最近、また加入者数が非常にふえておりまして、事業所数でいくと190万ぐらいになっているということですので、そこをどう距離を縮めていくかということが重要かなと思っております。

 別の捉え方をすると、一種のソーシャルキャピタルというのでしょうか、保険者というのは、加入者、そして事業所あっての職域保険だろうと思いますので、事業所の方との連携、そういう点でいくと、この協会というのは健康保険委員とかいろいろな資源があると思いますので、一つはデータ、もう一つは人的な資源も活用しながら進めていくということかなと思っている次第でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 よろしいですか。

 それでは、次の項目に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 次は「健康保険給付等」でございまして、評価シートの20ページから34ページに該当いたします。

 これも協会のほうから御説明をお願いいたします。

○稼農企画部長 資料2-2「健康保険給付等」でございます。

 おめくりください。まず「(1)サービス向上のための取組み」ということでございますが、2ページ目の事業の概要報告をいたします。

 サービススタンダードにつきましては、申請書の受付から振り込みまでの期間を10営業日以内に行うということとして行っております。

 マル1、達成率でございますが、平成27年度の達成率は99.48%でありまして、昨年度と比較してわずか0.51ポイント減少しているということでございます。

 また、達成率減少の要因を下に書いておりますが、27年6月に業務・システムの刷新を行いまして、業務を一定期間停止せざるを得ない状況があったということで、7月にその影響を受けたというものでございます。表にありますとおり、7月が影響を受けておりますが、そのほかの月については、年間を通じて高い水準を維持しているということでございます

 マル2の平均所要日数につきましては、平成27年度の結果は7.98日でございまして、昨年度の8.15と比較して0.17日所要日数が減少しています。

 3ページ、資格情報取得から保険証を送付するまでの平均日数でございますが、システム刷新前の状況、平成27年4~6月までは平均1.45日でありました。なお、システム刷新後、7月以降は資格取得後2営業日で発送しているという状況でございます。

 続きまして、お客様満足度でございます。これにつきましては、全支部の窓口にお客様を対象としましてアンケート調査という形で実施しております。

 マル1のところです。窓口サービス全体の満足度は96.8%ということでございまして、昨年度比0.1ポイントの低下となっております。

 マル2、お客様満足度向上に関する取り組みとしましては、応接態度向上に関する研修の実施、繁忙期に予想カレンダーを作成し、共有するなど、お客様満足度の向上に努めたところでございます。

 続きまして、4ページ、苦情・御意見等でございます。まず、マル1のところですが、「苦情の件数」「ご意見・ご要望」「お礼・お褒めの言葉」というのは、ごらんのとおりの件数となっております。幾つか具体例をマル2で書いておりますが、主な苦情といたしましては、高額療養費の計算の日付の暦日ということ、あるいは被保険者証の発送に関してということがございます。逆にお褒めの言葉といたしましては、親身な対応でありがたかったということ等、いただいております。両方参考にしてサービスに生かしておるところでございます。

 5ページをお開きください。インターネットによる医療費通知の関係でございます。医療費情報提供サービスは、過去2年分の医療費情報をインターネットで情報提供する事業でございます。これはホームページから利用申請を受けて、ID、パスワードの払い出しを行うというものですが、これにつきましては、ネットの遮断の影響を受けまして27年6月から一時休止をしているという状況でございます。

 続きまして、一番下の○、任意継続被保険者の口座振替率でございます。保険料でございますが、これにつきましては口座振替利用率が31.9%となっておりまして、昨年度末と比べまして2.6ポイントの上昇となっております。

 続きまして、6ページ「限度額適用認定証の利用促進・高額療養費未申請者に対する支給手続の勧奨の推進」でございます。これにつきましては、限度額適用認定証の発行人数ですが、下の表にありますように、前年度比でプラス9.4%の増となっております。

 また、現物給付の件数も伸びてきております。裏返しますと、現金給付の割合等が下がっているということでございます

 7ページでございます。この分野につきまして自己評価はAとさせていただいております。先ほど述べましたとおり、サービススタンダードの達成率でありますが、ほぼ前年並みであるということで考えております。

 所要日数については減少ということ。

 資格取得情報から保険証発送までの平均日数についても目標を達成しているということでございます。

 そのほかにつきましては、先ほど御説明したとおりでございます。

 9ページ、窓口サービスの展開の項目でございます。事業概要の1)でございますが、地域の実情を考慮しまして、152カ所の年金事務所に協会窓口を開設してサービスの向上に努めております。

 また、2つ目のですが、申請・届出書の郵送化をさらに促進するために、ホームページや各種広報に用いる機関紙など、同封チラシを用いた広報を積極的に行っております。

 郵送化率は、下の欄にありますとおり、81.0%となっております。

 (2)自己評価は、今、御説明したとおりですが、窓口の開設あるいは郵送化率の上昇ということで、評価はAをつけさせていただいております。

 続きまして、10ページ「(3)被扶養者資格の再確認」でございます。これにつきましては、事業報告の1)の2パラ目です。事業所に対しまして被扶養者状況リストを送付して、被扶養者資格の再確認を行う。あるいは日本年金機構と連携して扶養削除処理を行った結果、7.3万人の削除となりました。その結果、これは高齢者医療制度支援金・納付金に影響がありますものですから、負担軽減額は32億円の効果があったということでございます。

 自己評価はAをつけさせていただいております。先ほど申しましたとおり、7.3万人の削除人数がありまして、昨年度と比べて増加をしているということでございます。高齢者医療の支援金・納付金についても推計で32億円で、減少ということでございます。このような2点をもって評価をつけさせていただいております。

 続きまして、11ページ、柔道整復施術療養費の照会業務関係でございます。これにつきましては、「1)事業報告(概要)」のところでございますが、多部位受診、頻回受診、長期受診等の申請について、加入者に対する文書照会を166,500件ほど行っております。これにつきましては、昨年度に比べまして18.5%増加しております。

 次のですが、文書照会時にリーフレットを同封するという取り組みを行って周知を図っております。

 また、これらの取り組みにより、加入者数は全体で増加していると先ほど話もありましたが、申請件数が前年度より増加している中で、多部位かつ頻回の受診の申請というのはほぼ横ばいに抑えることができたということでございます。

 自己評価としてはBということでつけさせていただいております。これにつきましては、今、述べたとおりですが、平成26年度と比べて文書照会件数の増、申請件数が増加している中でほぼ横ばいに抑えることができたということで、Bということでございます。

 続きまして、13ページ 傷病手当金・出産手当金の審査の強化の関係でございます。「1)事業報告(概要)」のところでございますが、これらについて重点的な審査を実施いたしております。

 また、2パラ目ですが、不正請求の疑いのある申請につきましては、各支部の保険給付プロジェクトチーム会議にかけた後、必要に応じまして日本年金機構と合同で事業主への立入検査を積極的に実施いたしております。実施件数は、下の表にありますとおり、945件となっております。具体的には支部で立入検査をするための体制の強化を図り、目標を立てて実施した結果となっております。

14ページですが、自己評価はAをつけさせていただいております。今、説明したとおりでございまして、不正請求防止のための審査を強化し、立入検査の積極的な実施等を行ったことで、Aをつけさせていただいております。

 続きまして、15ページ「海外療養費支給申請における重点審査」でございます。これにつきましては、1)のところにありますとおり、26年度に引き続きまして診療内容明細書等の翻訳内容の再確認、あるいは海外の医療機関への文書照会等の強化のための翻訳業務の外部委託を行いました。

 あわせて、パスポートやビザなど渡航期間がわかる書類の添付を求めることや、過去の海外療養費に係る支給記録との比較審査などを実施することによって審査を強化、不正請求の防止に努めております。

 また、27年度からは新たに診療内容明細書をもとに作成するレセプト作成業務の外部委託を行っております。その結果、申請のあった海外療養費のうち6,8817,000円を不支給及び査定しておるというところでございます。

 あわせて、海外療養費の受付件数も減少いたしております。

 自己評価はAとしております。内容は今、御説明したとおりでございます。

 続きまして、17ページ「効果的なレセプト点検の推進」でございます。これにつきましては、18ページの下、中身を説明した文章をごらんください。内容の点検でございますが、平成27年度の協会における査定効果額は46億円となっておりまして、対前年度比は8%の減となっております。

 なお、支払基金における審査と協会における再審査を合わせた合計での査定効果額というのは、前年度よりも約6億円、3.5%の増加という結果になっておりました。これは内容点検ごとの査定効果額について、突合、縦覧の査定効果額は減少しておりますが、単月の点検による査定効果額が、協会における再審査、支払基金における審査ともに増加したことによるものだと考えております。

19ページ、資格点検でございます。資格点検につきましては、財政効果額が約403億円ということで、前年を上回っております。

 外傷点検については76億円ということで、前年度を下回っているという結果でございます。

 自己評価としましては、Aをつけさせていただいております。

 内容点検につきましては、今、説明したとおりでございますが、トータルの診療内容査定の合計額のほうで6億円、3.5%の増という結果が出ているということ。2つ目のポツですが、内容点検業務の一部外部委託について、28年1月から47支部で実施したということ。あと、研修を行ってスキルアップを図ったということなどを鑑みまして評価をつけさせていただいております。

 続きまして、21ページ、資格喪失後受診等による債権発生防止等の取り組みでございます。これにつきましては、保険証の回収の強化ということでございます。資格喪失者への保険証の添付を徹底すること、あるいは加入者に対しても退職日までしか使用できないことについて、さまざまな広報を行っているところでございます。

 また、文書催告を行ったり、電話等を行って実施しているということでございます。

 その結果、年金機構回収分と協会回収分を合わせて96%を超える高い水準の回収実績を上げております。特に下の表を見ていただきますとわかりますが、協会における一般被保険者分の回収枚数は、26年度に比べて3.5倍回収することができております。というような実績を上げているところでございます。

22ページ、2)自己評価はAとさせていただいております。今、申しましたとおりで、協会分につきましては3.5倍回収することができたということで、評価いただけるのではないかということでございます。

 続きまして、23ページ「積極的な債権管理回収業務の推進」ということでございます。債権の回収管理につきましては、支部ごとに回収計画を策定の上、取り組みを実施いたしております。

 結果でございますが、24ページの冒頭でございます。債権の回収率自体は57.73ということで、26年度実績を下回っておりますが、支払督促等の法的手続につきましては、全支部で強化を図りました。その結果、2,083件を27年度に実施いたしております。また、今年度より国保保険者との保険者間調整を実施するなど、債権回収に取り組んでおります。

25ページ、債権の法的手続の件数等につきまして一覧表で示しております。

26ページ、自己評価はBをつけさせていただいております。積極的に取り組んだこと、また、実施件数としましては、債権の手続、法的手続等について、26年度を上回る結果を出しているというところが評価いただけるのではないかと思ってつけております。

 最後、27ページ「健康保険委員の活動強化と委嘱者数拡大」でございます。これにつきましては、健康保険事業の推進について、全支部にて健康保険委員を対象とした研修会の実施、広報誌などにより制度の周知を行っております。

 一番上のの3つ目のポツですが、健康保険事業の推進・発展に尽力された委員に対しましては、支部長表彰、理事長表彰のほか、厚生労働大臣表彰が行われております。

 また、委員の数の拡大につきましては、ホームページや広報誌を用いた広報活動等によりまして勧奨しております。

27年度末の状況で101,461人ということで、昨年度より増加し、初めて10万人を超えたという委嘱の状況となっております。

 こういった状況を踏まえまして、自己評価といたしましてはAをつけさせていただいております。

 取り組みの好事例としましては、健康保険委員を中心とした健康セミナーとかジェネリック医薬品のセミナーの関係などで広報をしていったということがあったということでございます。

 以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問ございますでしょうか。どうぞ。

○小島構成員 2点ほど意見と質問になります。

 柔道整復の療養費については、自己評価がBということで、数少ない自己評価Bのなかの一つです。自己評価に書いてありますように、加入者に対する文書照会、あるいはリーフレットを同封したということで、その数自体は増えているということで、それなりに効果は上がっているということですので、引き続きその取り組みをお願いしたい。

 質問は、支部間格差、請求が上がってくる件数とか、ばらつきがあるのかどうか。もしあるとすれば、その要因分析も含めて、全体的な調整を図っていく必要ではないかというのが質問です。

 意見の2つ目は、効果的なレセプト点検につてです。先ほどの説明、18ページの資料の中では、支払基金における第一次審査の効果がここ近年上がっており、結果的に協会けんぽでのレセプト点検効果は、単月点検では若干上がっているが、突合点検あるいは縦覧点検では下がっているということです。支払基金と協会けんぽにおける合計の効果は、上がっているということですので、両組織の連携を強化していくことでさらに効果を上げていただきたい。さらには新規の点検の研修なども充実させて、スキルアップを図っていくことが必要ではないかと思います。以上2点の意見と、1点の質問です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○春山業務部長 業務部長でございます。私のほうから質問にお答えいたしたいと思います。

 委員のほうの御質問は、いわゆる柔整の照会について支部間でばらつきがあるのかというお尋ねでございます。これは全体を調べてみますと、多いところ、少ないところがございます。基本的には多部位、多受診ということで、一月の間に3部位、かつ15日以上の申請者の件数を目標にして照会をしなさいということで支部のほうに周知しております。これは3年前から始めておりますが、最初3部位、15日を全件やったら、非常に効果はございました。結果にもありますように、大幅に抑制が図られました。

 ところが、毎月毎月同じような方が上がってくるのです。結局、同じような方が上がってくるので、効果がないということで、ほかに切りかえていかなければいけないというところで、今、大きくふえているところは、例えば3部位、15日というのを2部位、10日に変えてみたり、あるいは新規施術所の診療所については全件照会するということで、独自でいろいろ視点を変えて照会をやったおかげで大きく伸びているというところが一つあると思います。

 まだ事務、体制の都合でそこまで手が行っていないところは3部位、15日というところで、固執というわけではないですけれども、そこを中心としてやっているおかげで件数が余り伸びていないというところで支部間の差異が出てきているというところでございます。

 これにつきましては、年に1回か2回担当部長等を呼びまして好事例を各支部に展開していますので、全体的に底上げを図っていきたいと思っております。

 もう一点、レセプト点検でございますが、委員のほうから逆に説明いただきましたけれども、何で協会全体が落ちているかと申しますと、先ほど説明資料の18ページにあったかと思いますが、18ページ、ちょっと見にくくて申しわけないのですけれども、内容点検は、この表にございます単月点検と突合点検と縦覧点検を足したものを「効果額」と呼んでおります。この表を見ていただくとわかりますように、突合点検と縦覧点検といいますのは、支払基金はそれまでやっていなかったのです。24年度から支払基金が右の突合、縦覧を始めまして、25年度以降大分充実してきたということで、見にくい表で恐縮なのですが、この矢印が上に上がっていっているのが支払基金の分です。逆に上から下がってきているのが協会の分ということで、これはイメージ的にも、今まで協会で全部やっていたものを支払基金が始めたために全体のシェアを食われているということで、協会単独で計算すると全体が下がっていっているというような構造でございます。

 ですから、ここはまさに共存といいますか、協会けんぽの医療費全体で効果が上がればいいということで、突合、縦覧まで支払基金と合わせた額で評価をしようということで今回挙げさせていただいたものでございます。

 以上でございます。

○土田座長 どうぞ。

○吉森理事 今の意見の補足でございますけれども、先ほど質問がありました柔整師等云々についての支部間格差、この辺は保険の機能のみならず、業務の機能についてもかなり支部間格差があると我々は認識しておりまして、昨年の6月29日の刷新、これを新しく入れたということを機会に、11月の後半から3月にかけて47支部全部、我々業務部、私も含めて部長以下、チームを組んで各支部の、柔整師ならば3部位、15日、出来ていないところをどうするのだとか、患者照会をどういうふうにしているのだとか、返納金の調停をどうしているのだとか、支部の今までのあり方についてきちんと問題把握をして、課題を抽出して、それをそれぞれの支部の人員並びにスキル等々、体制を含めて解決していこうということで、今、道半ばではございますけれども、そういうものを含めて、なおかつ刷新の効果、柔整師で言えば3部位、15日の患者はどれぐらいいるかというのを本部でアウトプットして、支部にして、それをどういうふうに展開していくのだということも含めまして活動したという結果が、サービス面も含めて徐々に出てきているのかなと認識しております。

28年度、これからこれの効果がかなり出てくるのではないか。さらにいろいろ努力をしてまいりたいと思っております。支部間格差について、業務面についてもかなり問題認識をして取り組んでいるというところを御報告しておきたいと思います。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○森下構成員 1つ目にお伺いしたいのは、資格喪失後の受診による債権の発生ということで、資格喪失をされた方の回収率、非常に高率であったと自己評価されているのですが、平成27年度、ただ、未回収が、例えば任意継続も含めて、実数では20万枚を超すということなのです。その20万枚の行方がどうなっているかということも我々としてはちょっと疑問なのですが、この辺につきましては、事業主の責任も当然附随してくると思うので、事業主に対して、より責任を持った対応をしていただくようなもの、強制的なものとか法的に縛るというのは難しいと思うのですが、何か対応できるのではないかなと思っています。

 例えばやめられた従業員の方に対する電話とか連絡方法も、事業主であればそれなりの方法があるのではないかなと。それ以前に当然事業主としての責任を果たしてもらわなければいけないとは思っていますが、その辺については回収率を例えば九十数%という言い方ではなしに実数で捉えていただければと思っています。

 それと似た問題なのですが、扶養に関する届け等も、まだ出されていない方、実際には15%以上が事業主としての責務を果たしていないということが統計で出されていますけれども、こちらの冊子のほうにも載っていますが、185万事業所のうち、従業員が9人以下の会社さんが約6割くらいという形ですので、こういう事務的な作業というのは、そういう事業所においてはなかなか難しいかもしれませんけれども、事業主に対して極力協力を得られるような仕組みをさらに提案していっていただけると、我々もこういう数字的な効率が上がるのではないかなと思っていまして、その辺、ちょっと気がつきましたので、お願いをするところです。

 ありがとうございます。

○土田座長 どうぞ。

○春山業務部長 御意見ありがとうございます。

 幾つか順序立てて。法律的なことを申しまして失礼なのですが、今、資格を喪失される際の被保険者証の添付というのは、厚生省令で事業主が提出するというふうに義務化されておるというところが一つございます。これは御承知かと思いますけれども。

 その中で20万という数。97%を回収していても、けしからぬではないかとまでは御意見ありませんでしたが、ちょっとお叱りと思ってとったのですが、逆を申しますと、私どもは今、年間のうち保険証の発行件数が700万枚ぐらいございます。この700万枚という数字は、新規に協会けんぽに入られた方、あるいは事業所をかわられた方、あるいはほかの制度から来られた方。出ていく方が恐らくイーブンの関係ぐらいでございますので、700万の発行に対して、700万出ていかれたと。このうち3%が回収できていないということで、20万枚ぐらいの見返しはあるというのが事実でございます。これが何に結びついているかといいますと、御指摘のように資格喪失後受診です。

 このほかにもう一つあると思っていますのは、添付はいただいているのですが、加入者の方が事業主の方にお返しになるまで被保険者証の添付、ギャップがある。例えばきょうおやめになって、保険証をお返しになったのが2週間後、あるいは1カ月までは余りいらっしゃらないと思うのですけれども、その間に喪失後受診をされるという方がかなりいらっしゃるのではないかなと。幾つか聞いてみたのですが、皆保険ということで、新しい保険証が来るまでは今の保険証を持っていていいよと事業所のほうでおっしゃるところがあるようなのです。国保に行かれても、あるいは他制度に行かれても、資格の取得から保険証の交付まで若干タイムラグがございますので、その間、協会の保険証を持っていて、使われた後に、新しい保険証が来たので返される。こういうところで喪失後受診が出てきているのではないか。2つあるかと思っています。

 喪失後受診を防ぐためには、保険証を持たせないと言うとちょっと語弊がありますけれども、年金機構のほうが資格喪失の事務を担っておりますので、年金機構と一体になって資格喪失には必ず保険証の添付が必要ですよということは、事業主の方あるいは健康保険委員を通して広報しております。

 まず、資格喪失届が出てきたときに、保険証未添付の場合には、年金機構から加入者の方に対して返してくださいねという仕組みになっております。それでも返ってこないものについて、協会のほうから督促して返していただく。

 今まで協会から督促の期間、資格喪失から1カ月後、2カ月後というふうなタームでやっているところがありましたので、ここを少し早くして、2週間以内に勧奨しましょうと。それとあわせまして、機構のほうに催告も速やかにやってくださいということをお願いしまして、機構のほうから御協力をいただいて早く催告をやっております。

 あと、当然事業主の方々が御協力いただくことが必要でございますので、返納金の発生状況とかで保険証の未添付の事業所がある程度わかりますので、これは個別にピックアップして、文書でお願いしたり、あるいは支部の職員が訪問しまして添付に協力をお願いするということをやっているというところが現状でございます。

○森下構成員 わかりました。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 どうぞ。

○吉森理事 補足ですけれども、枚数の件数というか、絶対額も大事なのですけれども、実はその絶対額での喪失後受診のいわゆる債権発生額、27年度は26億もあるわけです。26億のうち我々が努力して回収したのは半分にも満たない。ここを非常に問題視しておりまして、今、部長が申し上げたとおり、事業主の皆さんに喪失後は必ずきちっと回収してくださいねと申し上げご依頼しているところです。我々は、先ほど申しましたように全支部を訪問していろいろお話ししましたけれども、事業主を個別訪問、協会は今まで余りやったことがなかったのですが、事業主の皆様のところに行ってお願いをするということもやっているというのをつけ加えさせていただきたいと思います。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 ほかに御意見、御質問。小西委員、どうぞ。

○小西構成員 小西でございます。

 数字の増減理由という観点で2点ばかり教えていただきたいのですが、1つは先ほど既に御説明をいただいている部分で、11ページの柔整です。これのの1つ目、文書照会件数が前年度に比べて18%増加しております。先ほどは支部間格差という観点から御説明をいただきました。全体としてこのようにふえているのもそういった理由、原因、背景からふえているということなのでしょうか。これは確認のための質問でございます。

 2点目も申し上げます。22ページの下の自己評価の文章の3行目の末尾、3.5倍の回収ができたと。これほど飛躍的にふえるというのはどういう背景があるのでしょうか。これはもう少し何年かさかのぼって見るともうちょっと理解できるのかもしれませんが。

 以上の2点でございます。

○土田座長 どうもありがとうございます。

 どうぞ。

○春山業務部長 1件目の柔整のところでございますけれども、支部間差異はいずれにしてもございますが、全体の啓蒙と抑制ということから、全体的にボトムアップしたと。低いところは低いなりに上がって、高いところは上がったということで、全体的に十数%上がったという状況でございます。

 当然低いところはもっと上に追いつけということでやっていますので、そういう効果はあったかと思いますけれども、全体的なボトムアップがあったというふうに認識しております。

 もう一点、協会の保険証、何で29万が100万になったのかという御指摘でございますが、これは喪失後受診の返納金が問題でございますので、これを防止するためにはいかにやるべきかということで、発生した後に回収というよりも、まず出どころをとめようというふうに見方を変えまして、債権回収の中で保険証の早期回収に力を入れろというふうに27年度から方針転換をいたしました。その効果で保険証の回収枚数が上がっているというふうに認識しております。

○土田座長 よろしいですか。

○小西構成員 ありがとうございました。

 つまり、それだけ財源としてはと言うと失礼ですが、ターゲットとする部分があったということなのですね。

○吉森理事 おっしゃるとおりです。

○土田座長 そういうことですね。

○小西構成員 ありがとうございました。

○土田委員 ほかにございますか。よろしいですか。

 それでは、時間がちょっと押しておりますが、次の保健事業のほうの説明をお願いいたします。

○稼農企画部長 資料2-3、コンパクトに説明させていただければと思います。お開きください。

 「(1)保健事業の総合的かつ効果的な促進」でございます。

 まず、データヘルス計画の関係につきましては、この策定に当たっては本部から各支部に特定健診データの支部別の特徴を提供して、各支部において実情を踏まえ、支部ごとに計画を策定するということで取り進めております。このデータヘルス計画における基本事項を必須事項としておりまして、ごらんの3つになっております。1ページのところです。

 2ページ「支部の実情に応じた効果的な保健事業」ということで、データヘルス計画の上位目標を一覧表にしております。生活習慣病関係が36支部で、上位目標としているなど、特徴が出ております。例えば高血圧の高い地域あるいは喫煙率が高い地域、それぞれ特徴がありますので、上位目標をここで整理したものがこの表でございます。

 3ページ目「目標を達成するための具体策」ということでございますが、実質27年度は計画の実践1年目ということでございますけれども、各支部が独自の健康課題に焦点を当てた計画を実践して、PDCAを意識して事業展開を図っております。

 うまくいっているなというところの主な成功要因はここのところに書いてございますが、実施体制の構築と外部との連携強化への取り組みということで、8割近くの支部が横断的な体制づくりを実施するなど、取り組んでいるというところでございます。

 また、4ページになりますが、データヘルスの推進会議というのを本部としても設置しまして、28年2月に開催したところでございます。

 5ページ「本部支部が一体となった実施体制の強化」ということでございますが、本部と支部で共有を図るということで、2710月に保健グループ長会議を開催しました。また、年度後半には本部職員が支部を訪問して、本部と支部の情報共有、支部間格差の解消に向けた取り組みに努めたということでございます。

 次に「健診事業の推進」でございます。冒頭ありますが、健診を受けやすい環境整備に努めてまいっております。詳細、個別の健診のところは省略いたしますが、6ページの文章の後段「以上の取組みにより」というところですが、生活習慣病予防健診の結果、26年度の実施率から1.3ポイント増加しております。

 結果として被保険者の実施率は52.6%となっておりまして、27年度の目標値を達成することはできませんでしたが、数では伸びておるということでございます。

 一方、被扶養者の実施率につきましては、26年度から増加しておりまして、目標値の達成ができております。

 7ページ、8ページで特定保健指導の推進の内容を表にしてまとめてございます。詳しくは割愛しますが、27年度推進事項としまして、左の欄ですが、目標値の本部支部一体となった取り組みということで共有を図りながら進めるといったことをやってまいりました。

 また、2番目の箱ですが、外部保健指導機関への委託を推進するという取り組みを行っております。

 その下ですが、保健師の質の向上というのが非常に重要なテーマでございますので、本部研修、支部内研修を連動して取り組んでおります。

 8ページにございますが、事業主の皆様との協働というのが非常に重要となっております。

 また、支部への必要な情報の提供ということで、連携を図って取り組んでおります。

 9ページ「地域の実情を踏まえた支部の独自事業」でございます。各地域におきまして、加入者、事業主、学識経験者に加えて、保健医療関係者、行政関係者も交えた「健康づくり推進協議会」を設置して、御意見をいただきながら、支部の取り組みの参考といたしております。設置状況はごらんのとおりでございます。

 また、次のですが、各支部ではさまざまな独自の事業に取り組んでおりまして、その他の保健事業として101事業を取り組んでいるということでございます。主なものを挙げておりますので、御参照いただければと思います。

10ページ「パイロット事業」につきましては、成果について全国展開等を図っておりますが、保健指導におけるITツールの利用、未治療者への重症化予防やオプショナル健診等を全国に展開しております。

 また、大分支部のパイロット事業が契機となりまして、27年度末現在、23支部におきまして健康宣言事業が拡大して取り組まれているところでございます。

12ページでございます。自己評価はAとさせていただきました。総括的に言いますと、データヘルス計画実践の1年目でありますが、全国47支部におきまして、本部とも連携しつつ主体的に取り組んでいただいて、PDCAを意識したサイクルを回すことができているのではないかと思っております。

 続きまして、1314ページにつきましては、今まで述べたことをまとめておりますので、省略いたします。

15ページ「特定健康診査及び特定保健指導の推進」でございます。先ほど来お話がありましたが、協会けんぽの課題としましては、小規模の事業所の方が多い、あるいは山間部等に点在といろんな事情がありまして、1事業所当たりの対象者数が少ないという事情があります。このような中で工夫を凝らしながらやっております。

16ページ、それぞれ推進事項として一覧表にまとめてございます。被保険者健診では16ページにあるような取り組みを実施しております。特に一番上、受診者の受入数の拡大ということで、生活習慣病予防健診の健診実施機関が3,030機関となっております。

 また、下から2段目の箱ですが、健診機関の協力といたしましては、土・日の健診実施による医師の確保など、健診機関と協力して事業実施を図っております。

17ページは、一番左の欄にありますように、事業者健診結果データの取得ということでございまして、これにつきましては、主な施策のところで代表的なものを言いますと、地方労働局との連携、あるいは健診機関の事業所健診データの取得の勧奨、あるいは外部委託業者の活用などを行って取得の促進に努めてまいっております。

18ページ、被扶養者の特定健診につきましては、特に箱の上から2番目、自治体との連携でございますが、自治体のがん検診との同時実施の拡大に努めておりまして、結果としましては、27年度は1,120自治体で同時実施が可能となっております。

 そのほか協会主催の健診の拡充等々を行っております。

20ページ、被保険者健診でございます。40歳以上の健診実施率は48%ということになっております。26年度の実質率と比較して1.3%ポイントの増加でございます。

 事業者健診結果の取得につきましては4.6%となりまして、27年度の目標を下回っております。

 被扶養者の健診につきましては、25年度から3年連続で目標を達成しております。

21ページ「27年度保健指導の実績」でございます。これにつきましては、実施率は13%となっておりまして、目標指標を上回ることができませんでしたが、中断率が38.1%となって、前年度に比べて中断率が下がっておるという結果でございます。

22ページ「保健指導の推進方策」ということでございます。これにつきましては、中ほどにありますが、27年6月、インターネット遮断があったため、一定期間保健指導の前提となる健診結果データが取り込めなかった影響がございまして、下のグラフにもありますとおり、7月から9月の間、初回の面接実施人数が大きく落ち込んだ時期がございました。その後、見ていただきますとわかりますが、後半には前年度並みまで盛り返すことができているということと、27年度の目標値自体は大きく上回ることができたという結果となってございます。

 下のほうにありますが、マル1、外部委託の推進、マル2、特定保健指導利用機会の拡大等々に大きく分けられますが、その要因分析ごとに2324ページにおきましてそれぞれ外部委託の推進等についてまとめてございます。

 主なところだけ申しますと、契約機関数を増加しているということ。マル2のところで言いますと、公共施設や支部を活用した保健指導の実施に取り組む、マル3におきまして、事業主との協働による推進を図っているという取り組みをいたしております。

25ページ、保健指導の質と向上でございますが、先ほども申しましたように、本部支部での研修を連動して実施するなどの取り組みを行っております。

26ページ、重症化予防でございます。冒頭のところにありますとおり、生活習慣病予防健診の結果、治療が必要と判断されながら、未受診の方に対しての取り組みを2510月から実施しておりまして、27年度は一次勧奨が238,000人。このうちより重症域にある方々に二次勧奨として電話や文書等による受診勧奨を実施いたしております。

28ページのところでございます。自己評価はAとさせていただいております。被保険者健診につきましては目標の達成には至っていないものの、実施率、実施数が着実に伸びているなど、また、被扶養者健診では計画を達成したという点で評価をつけさせていただいております。

 最後、31ページ「各種業務の展開」でございます。「事業報告」のところですが、刷新システムの充実によりまして、各支部におきまして勧奨対象事業所等、規模別・受診状況等の区分により抽出できるようになりましたので、機動的、効率的に勧奨を行っております。

 また、32ページですが、自治体との連携・包括協定等を結んで、健康づくり支援事業等に取り組んでおります。

 自治体との連携・協定に関する覚書や協定の締結につきましては、下の欄のとおりでございます。

33ページ、保険者協議会や地域・職域連携推進協議会の場を通じた行政等との連携でございます。マル1にございますように、包括協定が締結されていない自治体については、保険者協議会、地域・職域協議会を通じて同時実施の働きかけを行う等の取り組みを行っております。

33ページの下ですが、重複・頻回受診者、重複投薬者への対応など、加入者の適切な受診行動を促す取り組みをやっております。1カ月に20件以上レセプトが存在する受診者を対象に、適正な受診を促す内容で実施するなどの取り組みでございます。

 これらの取り組みにつきましては、刷新システムの勧奨機能の活用等でやっておりまして、健診受診率向上につながっております。26年度を上回る受診者数となったことなどを踏まえまして、自己評価はAとつけさせていただいております。

 駆け足になりましたが、以上でございます。

○土田座長 ありがとうございました。

 時間のほうが、きょうの予定は一応16時までとなっておりますけれども、今、1553分ということで、どういたしましょうか。

○友田全国健康保険協会管理室長 多少大丈夫ですので、皆さんがよろしければ。

○土田座長 ということで、できればこの項目を終えたいと思いますので、そういう前提で御質問あるいは御意見等を承りたい。ちょっと上からの物言いで申しわけありませんが。どうぞ、お願いいたします。

○小島構成員 時間の関係もあるので1点だけ。

 特定健診及び特定保健指導の推進についてです。特定健診の被保険者の達成率は、目標までは届かなかったけれども、年々着実に実施率は上がっておりますので、引き続きここは努力をしていただきたい。

 インターネットへの遮断も若干影響しているという説明でした。

 それと、事業者健診データの取得率も目標には届かないし、前年実績よりも落ちています。これについて、20ページの説明では、事業者健診データの取得について、勧奨データが業務・システム刷新に引き継げなかったことが要因だと書いてありますけれども、これについては先ほどのシステム上の問題ということだと思うのですけれども。

28ページの自己評価のところでは、事業者健診結果の取得率が下がったことの説明として、最後の2行「依然としてデータを提供することについて躊躇または不安視する事業主や事業所があることが大きく影響しています」とあるが、どちらが今回の大きな要因なのか。確かに事業者が不安視していることはあるが、前年度提供していれば、翌年度出さないということにはならないと思います。そういう意味では、前年実績を下回った要因は、システム上の問題が影響したのではと思うのですが、そこが1つ質問です。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 今の御質問に対して、いかがでしょうか。どうぞ。

○守殿保健部長 保健部長でございます。御意見ありがとうございます。

 事業主健診データ、書きぶりが少し違うという御指摘でございますが、後段の分は、事業主健診データの取得事業が根本的に持っている課題ということで書かせていただいております。

 今年度ということに関しましては、ここに書かせていただいていますように、システムの中でインターネットが遮断されていると。保健のシステムというのは、もともとインターネットを使うというのが大前提でシステム構築をしておりまして、その大もとが閉められているということで、何もできなかったということではなくて、インターネットが使えない分、媒体を介して、一々媒体にデータを読み書きをし、それを受け渡しをしてデータを読み込むということで、当然ウイルスチェック等々も人海戦術でかけてまいります。非常に手間、非効率ということをやりながらということがございまして、そういう意味でここに書いてございましたので、事業主の同意書取得、同意をいただく部分では数はふえておりますが、受け取るデータがなかなか取り込めなかったということで、これは次年度に繰り越しているということですので、次年度の前半にこの数字がきいてくるというふうに理解しております。

 以上です。

○土田座長 いいですか。

○小島構成員 前年度より取得率が下がったのは、まさにシステム上の問題ということであり、先ほどの評価のところは、いわば目標を達成できないという基本的な要因であるデータ提供に対する事業所の不安ですので、そこは整理して書いたほうがいいと思います。

○守殿保健部長 ありがとうございます。

○土田座長 どうぞ。

○古井構成員 ありがとうございました。

 資料の8ページ目ですけれども、幹部の方を含めて事業所に訪問されているのはすばらしいと思います。先ほど吉森理事のほうからありましたように、業務系でも一件一件を丁寧にやっていくことで、最終的に具体的な業務改善に落ちていき、効果があがっていると思います。

 私も支部、事業所を訪問させていただいておりますけれども、保健指導の実績とその背景を支部間で共有するというのはすごくいいと思います。支部間でかなり格差があるのですが、その背景として、支部ごとに事業所との連携の状況や保険委員の人数は異なります。それから支部とどんな連携をされている事業所が保健指導を受け入れているか、こういう情報は有用です。

 あとは、事業所の中での特定保健指導の位置づけというのが、福利厚生的に御褒美でやっているところもあれば、社長が健康管理は仕事をやる上でのスキルなのだから、やれという場合もあるので、保健指のパーセンテージとその背景を見える化して突き詰めていくと具体策も見えると思います。

 次の9ページ目のところで、データヘルスは徐々に進んできたのですが、101事業ある中で、これからはどんな課題の支部がどんな解決策、保健事業をやっているかというのをパターン化をされることで効果検証がやりやすくなると思います。

 最後に13ページ目の保健指導なのですけれども、先ほどの調査研究と少し重複しますが、保健指導というのは、個人で成果が出る、出ないというのはもちろんあるのですけれども、勤労者の健康には職場の環境が影響するので、保健指導に行った保健師さんが面談のときに標準的な質問項目以外に、その職場の状況を詳しく聞いていく。それを保健指導で変えていくことが協会けんぽの支部単位でできる重要なことだと思います。

○土田座長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○森下構成員 28ページの「事業者健診結果の取得」という項目なのですが、「被保険者の健診情報を提供」というところで、ちょっと不勉強なのですが、私、事業主の立場としては、社員の健康というのは非常に貴重な資産なので、全員で健康診断を受けてくださいというお願いをしたときに、業務上の理由とか他の理由で受診しない方も中にはいらっしゃるというケースがあります。ただ、そこで例えば受診をしていただいた方の医療情報、当然よいものもあれば、悪いものも出てくると思うのですが、それを我々がここへ情報提供する。我々事業主自体がその情報を把握するということは、法律的な面で個人情報には当たらないのでしょうか。

 そういうことがもし可とすれば、もう少し事業主に対して説明、説得をしていくべきではないかなと思っているのですが、いかがでしょうか。

○土田委員 どうぞ。

○守殿保健部長 事業主健診データをいただくという行為なのですが、先ほどから言っています協会けんぽが生活習慣病予防健診、俗に言う「メタボ健診」ということでやらせていただいているのですが、事業主健診データというのは、労安法を根拠法律にして、事業主の義務としてやられている健診のデータを保険者が受け取ることによって、特定健診を受けたというふうにみなすということで、事業主の皆さんには義務化されている労安法によります事業主の健診データ、40歳以上の方のデータを私どものほうにお渡しいただけませんかということでお願いをしておりますので、この部分につきましては、個人情報の条項に触れることはございませんので、安心をしてということなのですが、そういったことが後半に書いてございますが、事業主の皆さんにはなかなかまだ御理解いただけなくて、渡すこと自体が個人情報に触れるのではないかという御不安を私どものほうにいただくことがあるのですが、労働局さんと今、連名でそういった通知を出しながら、そういったことはないということと、保険者が提供を願い出たときには事業主は提供しなければならないというところも周知を図っているところでございます。

○森下構成員 ありがとうございます。

○土田委員 どうもありがとうございました。

 時間は多少余裕がありますので、ほかにございましたら、どうぞ。よろしいでしょうか。よろしいですか。結果として発言を制限してしまったみたいで、大変申しわけなく思います。

 それでは、予定どおり3つの部門につきまして説明と質疑応答を終了したということにさせていただきます。

 最後になりましたが、これからの予定につきまして、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○友田全国健康保険協会管理室長 構成員の皆様におかれましては、さまざまな御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 次回の検討会につきましては、事前にお知らせをさせていただいておりますが、9月28日の水曜日、14時から、場所は変わりますが、都道府県会館で行うことになっております。また御案内をさせていただきます。

 議題といたしましては、船員保険、組織運営及び業務改革、その他の3つを予定しておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○土田座長 どうもありがとうございました。

 それでは、きょうの会議をこれで終わりにします。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 保険局が実施する検討会等> 全国健康保険協会業績評価に関する検討会> 第16回全国健康保険協会業績評価に関する検討会(2016年9月6日)

ページの先頭へ戻る