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2023年10月6日 第9回医療機器の流通改善に関する懇談会議事録

医政局医薬産業振興・医療情報企画課

○日時

令和5年10月6日(金)17:00~19:00

 

○場所

AP新橋 D+Eルーム
 

○議事

○曽我流通指導官 定刻となりましたので、ただいまから第9回「医療機器の流通改善に関する懇談会」を開催します。
 今回は、オンラインも活用した開催とさせていただいております。
 オンラインで御参加の構成員は、御発言のとき以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いします。
 また、御発言の際には挙手により合図をしていただき、三村座長からの指名を受けた後に御発言いただきますようお願いします。
 会場の構成員におかれましては、御発言内容がマイクを通じてオンライン参加の構成員に伝わりますので、御発言の際はマイクを使用いただきますようお願いします。
 加えて、御発言の際には必ず冒頭に御所属とお名前を述べていただき、資料を用いる場合には資料番号と該当ページの明示をお願いいたします。
 報道関係者の皆様の撮影は、ここまでとさせていただきます。
(報道関係者撮影終了)
○曽我流通指導官 まず、初めに事務局の御紹介をさせていただきます。
 大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官の内山博之。
 医薬産業振興・医療情報企画課長の水谷忠由。
 首席流通指導官の信沢正和。
 医療機器政策室長の鶴田真也でございます。
 それでは、内山審議官より御挨拶をお願いします。
○内山審議官 皆様、週末の遅い時間にお集まりいただき、また、日頃より医療機器行政の推進に御協力を賜り、ありがとうございます。医薬産業振興・医療情報審議官の内山でございます。
 あわせまして、新型コロナ感染症の発生以来、診断や治療に必要な医療機器、体外診断用医薬品の需要が高まるたびに、安定供給に向けて多大な御尽力を賜りまして、この場を借りて感謝申し上げます。
 私ごとになりますけれども、この7月に初めて新型コロナに罹患しましたが、療養期間中は購入していたパルスオキシメーターがどれほど心強かったか、医療機器の有用性を改めて実感させていただいたところでございます。
 さて、今般、7年ぶりに本懇談会を開催させていただきます。医療機器の流通には様々な課題があると思いますけれども、中でも自動車運送業におけますドライバー不足、それから働き方改革関連法案の時間外労働の上限規制が2024年度から適用されるといったことに伴いまして、医療機器の納品に遅延等が生ずるおそれがあると考えてございます。
 このため、関係者間で早急に課題の抽出や対応方針を検討していただく必要があると考えてございます。
 また、本日は併せて預託在庫管理や緊急対応といった業務について、依然として具体的な取決めがないまま行われているケースがあるというふうに承知をしておりますので、今般、医療機器販売協会が会員向けのガイドラインを作成したということにつきまして、関係者間で情報を共有させていただければと思ってございます。
 本日は、このような医療機器の流通上の課題について御議論を行っていただく予定ですので、忌憚のない御意見を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○曽我流通指導官 ありがとうございます。
 次に、構成員の皆様を御紹介させていただきます。
 今回は7年ぶりの開催となり、多くの構成員が交代されましたので、御出席されている構成員の皆様全員を御紹介させていただきます。
 最初に、青山学院大学名誉教授、三村優美子座長。
 中央大学商学部教授、三浦俊彦座長代理。
 続きまして、日本医療機器販売業協会、青木幸生構成員。
 日本薬剤師会、安部好弘構成員。
 日本医療機器テクノロジー協会、稲留秀一郎構成員。
 日本病院会、岡俊明構成員。
 日本歯科医師会、小野寺哲夫構成員。
 米国医療機器・IVD工業会、北野房里至構成員。
 日本医療機器販売業協会、五嶋規夫構成員。
 日本医療法人協会、関健構成員。
 日本画像医療システム工業会、曽根祥之構成員。
 医療機器センター、中野壮陛構成員。
 日本歯科用品商協同組合連合会、宮内啓友構成員。
 日本医師会、宮川政昭構成員。
 日本医療機器産業連合会、山口幸宏構成員。
 日本医療機器販売業協会、山下尚登構成員。
 日本歯科商工協会、山中一剛構成員。
 以上の皆様です。
 続きまして、構成員の先生方の御出欠について報告いたします。
 本日、15名の構成員が会場での御参加、小野寺構成員、曽根構成員がオンラインでの御出席との連絡をいただいております。
 また、日本医療機器販売業協会、阿部篤仁構成員。
 欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会、出井正構成員。
 全国自治体病院協議会、大友建一郎構成員。
 全日本病院協会、中村康彦構成員から御欠席との御連絡をいただいております。
 続きまして、本日の資料について御説明させていただきます。
 本日はペーパーレス会議としており、お配りしていますタブレットに資料を用意しております。
 「座席図」「議事次第」「構成員名簿」、「資料1」から「資料3」、「参考資料1」から「参考資料2-3」が入っております。不足等がございましたら、事務局までお声がけいただければと存じます。
 以降の議事進行につきましては、三村座長にお願いします。
○三村座長 それでは、さっそく本日の議事を開始したいと思います。
 本日の議題は、3つございます。
 「1.本懇談会のこれまでの経緯と今後の進め方について」。
 「2.2024年問題の医療機器業界への影響について」。
 「3.「適正使用支援業務に係るガイドライン」について」となっております。
 まず第1番目、議題1でございますが、「本懇談会のこれまでの経緯と今後の進め方について」及び議題2の「2024年問題の医療機器業界の影響について」、事務局から資料が用意されておりますので説明をお願いしたいと思います。
○信沢首席流通指導官・流通指導室長 それでは、まず資料1のほうを御覧ください。
 「本検討会のこれまでの経緯と今後の進め方について」です。
 まず「開催趣旨」といたしましては、医療機器の流通にあっては商習慣となっている適正使用支援業務の在り方や医療機器の価格形成などにおける問題について、医療機器の流通改善の方策を検討するということで、2番目に「これまでの議論」の経緯、それから「今回の開催理由」ということで、本日は2024年問題の関係で議論をしていただくということになっております。
 「今後の予定」についてですが、本日、各団体等からいただきました御意見等について、事務局のほうで課題の整理を行わせていただきます。そして、11月の上旬にもう一度懇談会を開催させていただきまして、それまでに事務局のほうで想定される課題への対応案というものを整理しまして、そちらについて御議論をいただく。その上で、通知の発出など、必要な対応を行いたいと考えております。
 また、本懇談会は必要に応じて今後も定期的に懇談を開催することとしたいと思います。
 資料1につきましては、以上です。
 続いて、資料2の御説明をさせていただきます。
 資料2「2024年問題の医療機器業界への影響について」ということですが、資料の内容につきまして、1から3までは医療機器についての概要や流通についての資料を添付させていただいております。
 順番を追って説明をしますと、まず4ページ目ですが、医療機器の概要ということで、医療機器業界で取り扱う製品につきましては主に大きく3つです。「特定保険医療材料」「汎用一般材料」「その他の医療機器」があるということで記載させていただいております。
 次に流通ですが、6ページになります。
 「医療機器の流通における関係者」ということで、上段の医療機関のところからまず発注がございまして、その発注業務を代行するSPDというものがございます。それが、発注を受けた販売業者が製造販売業者のほうにまたその発注をしまして、製造販売業者から販売業者のほうに品物が届く。販売業者からSPDに納品される場合、または直接医療機関に納品される場合があるということになっております。
 7ページ目に、「SPD | SPD業者の概要」ということで資料をつけさせていただいております。SPDというのは、物品の流れ、取引の流れ、情報の流れ、こうしたものを物品管理コンピューターシステムを使い、管理する「物品・物流管理システム」のことを言います。専門業者の数はあまり多くないのですが、様々な業界、業種の方がSPD業務に参入しております。
 8ページ目ですが、販売業者の役割と特徴ということで、医療機器販売業者の特徴的機能について記載させていただいております。特に医療機器の場合には、右側の青い文字の適正使用支援業務というものが医療機器販売業の特殊な業務となっております。
 詳細につきまして次の9ページですが、適正使用支援業務とはということで記載させていただいております。
 大きく「預託在庫管理業務」、これは販売業者、またはメーカーが自社資産として医療機関内に預託在庫として配置し、在庫管理を代行する業務のことです。「短期貸出し・持込み業務」、それから「立会い業務」「修理・保守」「緊急対応」、こういったものが適正使用支援業務と言われております。
 10ページですが、短期貸出し・持込み業務につきまして写真でお示しさせていただいております。
 この場合は、大腿骨頭置換術の手術の際に持ち込む機材でございますが、左側の写真のように結構多数のものを持ち込んで手術を行うということになります。
 右側のほうに移りますが、例えばインプラントにおいても大きさの違うものをこの場合は5つ持ち込んでおりますが、実際に手術ではそのうちの1つを使用したということになります。残りのもの、それから器材につきましてはその販売業者が持ち帰りまして自分のところの在庫は自分のところに、メーカーのほうからお借りしたものについてはメーカーのほうに返すという作業を行っております。
 11ページですが、医療機器の運送ということで、こちらのほうは、マル1、マル2とございますが、マル1のところはメーカーから販売業に配送されるケースでございます。全てがというわけではございませんが、こちらの配送には緑ナンバー、物流会社、運送業者を使用することが多くございます。マル2のほうは、販売業者から医療機関に配送する場合ですが、こちらは販売業者が配送しておりますので白ナンバーの車で運んでおります。
 12ページは、医療機器業界とほかの卸売業との商慣習の比較ということで記載させていただいております。
 13ページも、引き続き記載させていただいております。
 次に、「医療機器における診療報酬の概要等について」です。
 15ページですが、医療機器に係る診療報酬上の評価は大別して2種類ございます。
 具体的には、1つは技術料に包括されるもの、それから特定保険医療材料として償還価格が定められているものがございます。
 下にその図を記載させていただいておりますが、上のほうが技術料として支払われるようなもの、下が特定保険医療材料のものとなっております。
 16ページは、【参考】で、特定保険医療材料と薬価の価格の算定方法の比較をさせていただいております。算定プロセス、それから価格算定ルール、外国価格調整、補正加算の種類ということで記載させていただいております。
 17ページは「医療機器の価格決定方法」ということで、メーカーから販売業者、医療機関と移っていく中で、メーカーと販売業者の間で販売価格の交渉決定、販売業者と医療機関との間で価格の交渉決定をしております。
 ここまでが医療機器に関する御説明ということになりますが、次に本日の本題となります2024年問題について御説明させていただきます。
 19ページですが、「2024年問題の概況 | 2024年問題とは何か」ということで、「物流2024年問題」とは、自動車運転業務についても適用が開始される働き方改革関連法の「時間外労働の上限規制」に伴って発生する物流課題のことを示します。
 左側に「トラックドライバーの労働環境改善の必要性」ということで図が載っておりますが、トラックドライバーの年間労働時間は全産業平均に比べて2割程度長いと言われております。そういった状況を踏まえまして、今回、来年の4月から働き方改革関連法の適用を受けるということで、時間外労働の条件が休日を除く年960時間に規制されます。そのほかに改善基準告示の見直しということで、少し字が小さいのですけれども、1年の拘束時間、1か月の拘束時間、1日の休息期間といったものが改正されます。
 20ページですが、「誰にどの程度の影響があるか」ということで記載をさせていただいております。
 運送業者のほうで労働時間の減少が起こり、長距離区間輸送の抑制がされる。そうした中で、輸送力の不足が挙げられる中で納品回数の減少とか物流リードタイムの長期化、物流コストの増加という影響が出るのではないかということが記載されております。
 21ページは、こうした背景を踏まえまして、内閣官房において「物流革新に向けた政策パッケージ」というものが策定されております。
 左側に政策パッケージの概要を記載させていただいておりますが、その下のほうですが、「政策パッケージ」には大きく3つ、「商慣行の見直し」「物流の効率化」「荷主・消費者の行動変容」ということが掲げられておりまして、詳細については右側に記載させていただいております。
 こうした政策パッケージを受けまして、他業界でどのような取組が行われているかということが、23ページ以降に記載されております。
 まず23ページですが、「業界団体による対応策の実施状況」ということで、縦に対応策、右のほうに各業界団体が書いてございまして、何らかの対応を行っているところに○がございます。
 対応策につきましては、物流データの可視化とか、バース予約システム導入とか記載されてございますが、詳細につきましては24ページに記載をさせていただいております。
 こうした状況を受けまして本日の「論点」ということですが、26ページになります。
 医療機器は大別して「特定保険医療材料」「汎用一般材料」「その他の医療機器」に分類され、診療報酬において償還価格が定められている。「特定保険医療材料」だけでも多数の製品がございます。
 医療機器の流通におきましても、様々な関係者が関係をしております。
 医療機器業界においては、ほかの業界と比較しまして、例えば預託在庫管理といった特殊な商習慣の存在がございます。
 そういったものを踏まえまして、自動車運転業務についての働き方改革関連法が適用されることによってどのような影響が出るか。一般的には「納品回数の減少」「物流リードタイムの長期化」「物流コストの増加」といったものが指摘されております。
 既にほかの業界におきましては、「ドライバーの荷役作業の削減」「共同配送」などの取組が業界団体を中心として実施されております。
 こうしたことを踏まえまして「論点」ですが、「他の業界において、2024年問題へ対応するため既に様々な取組が進められているところ、医療機器業界においても、生じうる影響を踏まえつつ、各関係者においてとりうる実効的な方策について検討を進める必要があるのではないか。」ということで、本日議論をいただきたいと思います。
 資料の説明以上になります。
○三村座長 ありがとうございました。
 それでは、今回「2024年問題の医療機器業界への影響について」ということで御議論をお願いしたいと思いますが、その前にまず数名の構成員の皆様から資料が提示されてございます。参考資料2-1から2-3までということでございますけれども、まずそれぞれ御説明をいただきたいと思います。
 また、御説明いただきますときには、どの箇所であるかということを明示していただき、分かりやすいような形で御説明をお願いしたいと思います。
 それでは、まず日本医療機器販売業協会の五嶋さん、お願いいたします。
○五嶋委員 ありがとうございます。日本医療機器販売業協会の五嶋でございます。
 事務局の資料2について、日本医療機器販売業協会提出の参考資料2-1を用いまして、販売業の立場から補足させていただきます。
 スライド1を御覧ください。スライド番号は、スライドの右下にございます。
 医療機器の種類は非常に多く、2024年問題におきましては、特に特定保険医療材料と汎用一般材料が影響を受けると考えられます。
 スライド2を御覧ください。「医療機関からの受発注の現状と課題について」です。
 医療機関から販売業者への発注は、現在でもファックスや電話が主流です。また、用度部門からの通常発注以外にも、医師や看護師など、製品を管理している各部署から直接依頼があり、発注窓口が多岐にわたるという特徴があります。SPD導入施設につきましても、SPD対象外の製品はやはり各部署から直接依頼があります。
 このような状況の中で、課題として、医療機関からの発注・納品窓口を集約するには、医療機関と販売業間の受発注のEDI化を促進するには、医療機関から緊急の発注や依頼を減少させるためにどのような対策が取れるかが挙げられます。
 スライド3を御覧ください。
 医療機器は、その使用が少量多品種という特徴があります。また、メーカーも販売業も全国各地に小規模企業が数多くあり、大手メーカーの商品センターは全国様々なところにあります。そのため、メーカーから販売業者への輸送は一部の大手企業を除き、他の発荷主や宅配便など、一般の荷物との混載便がほとんどです。
 販売業から見ると、混載便は荷物の到着時間がばらばらで、ひっきりなしにトラックが到着することになり、トラックドライバーの待ち時間が増えたり、荷受け側の手間が増えたりするなど、リードタイム短縮のための施策が取りづらいというデメリットがございます。
 スライド4、5、6を御覧ください。これは事務局の資料2のスライド10を、より詳細に示したものです。
 スライド6を御覧ください。
 右側の表に、人工関節置換術の一症例での短期貸出し、持込みをする製品例をお示ししていますが、1回の症例で約3400万円分を準備し、そのうち使用した約80万円のみが売上げとなります。
 スライド7を御覧ください。
 上の図は、短期貸出品の流れを示したものです。短期貸出品は通常のワンウエーの製品とは異なり、メーカーと医療機関の間を往復するビジネスモデルです。メーカーから発送して販売業を経由し、医療機関で使用後、再びメーカーまで戻ってくるのに5日間を要していますが、2024年問題以降は行きと帰りのリードタイムがそれぞれ延びることにより7日間を要することになります。その結果、現在メーカーが所有する短期貸出品の在庫量では不足する事態になりかねません。
 下のチャーター便の話は、緊急対応に間に合わせるためにチャーター便の利用が増え、物流コストが大きく跳ね上がるという話です。
 スライド8を御覧ください。
 日本医療機器販売業協会で行った緊急対応の実態調査の結果です。
 右のグラフを御覧ください。全国の全ての医療機関への1年間の緊急対応件数の合計推計値です。営業時間内に約58万件、土日や夜間を含む営業時間外に約5万5000件、合わせて1年間で日本全国の医療機関に対し、約63万5000件の緊急対応を行っているという結果になりました。
 スライド9を御覧ください。
 目前に迫る2024年問題に起因する様々な課題に対処するために考えられる「短期的な対応策」です。
 課題としては、納品のリードタイムが延びる、輸送品質が低下する、緊急配送が増加する、様々なコストが増加するなどがあります。
 スライド10を御覧ください。
 根本的解決のための中長期的な対策をまとめています。
 スライド11を御覧ください。
 2024年問題に向けて、販売業として製品カテゴリーの特徴を考慮し、販売業の所有する在庫を医療機関やメーカーと調整する。積載効率を上げ、物流コストの低減に努める。販売業者間で在庫を融通し合ったり、近隣の医療機関の在庫確認を協力して行うなどの対策に努めてまいりたいと思います。
 その上で、販売業からの要望です。
 医療機関に対してはリードタイムが延びることを想定し、一日でも早い発注をお願いします。
 また、医療機関からの発注窓口は多岐にわたりますので、院内全ての部署への周知をお願いします。
 緊急対応が頻発しないよう、製品カテゴリーの特徴を踏まえ、院内の在庫を増やすことを御検討ください。
 メーカーに対しては、短期貸出品の在庫が不足しないよう、在庫の積増しをお願いします。
 商品センター等、保管管理場所をエリアごとに分散させるなど、配送リードタイム短縮に向けた取組をお願いします。
 行政に関しては、2024年問題に起因して起こり得る様々な影響と対応について、医療機関への周知徹底をお願いします。
 以上です。ありがとうございます。
○三村座長 ありがとうございました。
 続きまして、日本医療機器テクノロジー協会の稲留さんお願いします。
○稲留委員 日本医療機器テクノロジー協会、MTJAPANの稲留でございます。
 では、参考資料2-2を用いまして、MTJAPANの流通委員会のほうで課題をいろいろ検討しておりますので、それについて御紹介させていただければと思います。
 スライドの2ページ目、2枚目お願いします。
 「予想される医療機器物流への影響」ということで、ポイントを6つほど挙げております。
 まず、先ほどからいろいろなところでお話が出てきますけれども、製品の到着の遅延ということ、それから輸送品質の低下によるダメージ増というところも懸念をされます。例えば外装ダメージ、コスメチックなダメージですね。こういうものが増えるのではないかというところが懸念されるということでございます。
 今の前のスライドでも、前の資料でも御説明がありましたけれども、循環型ビジネスでの製品の在庫の持ち方と、この辺も課題になると考えております。
 それから、輸送コストが全般に上がりますので、特にボリュームが大きいような消耗品ですね。ガーゼとか、包帯とか、こういうものについてはリードタイムよりもコストのほうに影響が出るのではないかと考えておりまして、この辺は製品価格への転換というところが一つの課題になるのだろうと思っております。
 また、少し大きな課題ですけれども、過疎地域、離島とか、そういうところの物流の困難度も上昇するだろう。こういうところにもどうやって機器を届けるかというところが、もう一つ課題になるだろうと思っております。
 また、配送附帯業務サービスというのがいろいろございます。物流業者にいろんな物流上の附帯業務をお願いしておりますけれども、この辺は言語化されていないような、こういう業務についてどういうふうに対応していくかというところも一つの大きな課題だろうと思っております。
 これら6つの課題があるわけですけれども、具体的な解決方法としてどんなものがあるかというところも併せて検討しております。
 スライド3を見ていただくと、まずマル1の到着遅延というところについては、受注の締め時間の前倒しを例えば今まで5時、6時、7時といったところを3時に締めてしまうとか、そういう形で短縮することもあるでしょうし、配送頻度の削減ということで毎日配送していたものを週に1回、2回というような形で減らしていくということで、全体の物流量を減らすことによってリソースが減っていくところに対応していくということが考えられるだろうと思います。
 あとは、物流拠点の増設であるとか、在庫の持ち方ですね。汎用医療機器の在庫の持ち方というところは、対応できる課題の一つだろうと思います。
 それから、期末、年度末にはどうしても物流が集中します。こういうところに負荷がかかるということになりますと、従来は対応できていたものがこれから対応できなくなるということも考えられますので、こういうところについては発注の平準化ということが必要になってくるだろうと思います。
 輸送品質低下によるダメージについては、これはある程度許容していただく必要があるのかなと、特に安全性、有効性に影響がないようなものについてはある程度許容していただく必要が出てくるのかもしれません。
 次のスライド、4ページ目に移りまして、「製品循環型ビジネスでの製品不足」というところなのですけれども、これはサプライチェーンの中でどういうふうな在庫を持っていくのかというところです。行きと帰りのリードタイムというところで負荷も増えますので、この辺が一つの課題であるし、この辺をどう最適化するかが課題の対応のポイントであろうと思います。
 全般的に輸送コストの価格転嫁ということが起こるだろうと思っているのですけれども、1つは厚労省の説明の中で進んでいないと言われていたEDI化の推進ですね。こういうところはこの機会にさらに推進していく必要があるだろうと思いますし、あとは特別な配送サービスの費用負担ですね。こういうところは許容していただく必要も出てくるのかなと思います。
 「過疎地域への物流の困難度の上昇」については、メーカー、代理店、医療機関だけで対応できるものではありませんので、新しい技術の導入も含めてかなり大がかりな対応が必要だと思いますし、それなりに時間もかかるだろうと思いますけれども、社会環境の変化というところで必要な対応だろうと思います。
 「配送附帯業務サービスの停止」ですが、着荷主とか、そういうところでいろいろ対応していかないといけない業務というのがあるのですけれども、それが今まで表に出てこなかったところにちゃんと費用をかけていくとか、そういう対応をしていかないと、この辺の業務に対するリソースの回収ができないことになるのかなと思っています。この辺も一つの課題だろうと思います。
 いろいろ課題をこうやってまとめてみましたけれども、メーカーとしてはもちろん効率化というところでいろいろ対応していくわけですが、ステークホルダーにおいて変化への認知と、あとは許容していただくというようなところがある程度ないと、この問題について対応していくのはなかなか難しくなっていくのかなと思っております。
 MTJAPANからは以上です。ありがとうございました。
○三村座長 ありがとうございました。
 それではもう一人ですが、米国医療機器・IVD工業会の北野さん、お願いいたします。
○北野委員 北野と申します。よろしくお願いいたします。
 参考資料の2-3を御覧ください。メーカーの立場から、お二人となるべく重ならないようにお話をしたいと思います。
 まず「医療への影響」ですけれども、これは前段でお話しされたように、頻度だったり、リードタイム、それからコストの問題は輸送費のコストが上昇するだろうというのが予測されるという段階よりはもう一歩先へ進んでいて、現実味を帯びてきた。来年の1月から個々で各メーカー、物流企業から値上げの要請依頼について、はっきりとしたものが出てきて、我々はその状況を受け取っているところであります。
 「AMDDおよびメンバー企業による取組み」ということを幾つか書いてありますけれども、他業界団体同様にメーカー間、販売代理店様間とこれまで予測される物流クライシスに対していろいろな取組をしてきました。共同配送もその一つですし、整形領域を中心にしたRFIDの導入でフィージビリティーを上げていくということもその一つです。幾つかいろいろなことをやってきましたけれども、いよいよ医療機関様に対して行動変容といった側面においていろいろなお願いをしなければいけない段階にきているのではないかと考えております。
 次のページを御覧ください。3ページ目です。
 前段でもお話をされていましたけれども、「余裕をもったご発注」と書いてありますが、現在はオーダーを受けたら翌日に配送できるというネクストデリバリーができるような環境をメーカー・販売代理店と協力して提供してきましたが、これがだんだん難しくなってきたというような状況があります。 先ほどあったように、発注の締切り時間を例えば3時に締めるとか、あとは頻度を変えるとかということも今後検討していかなければいけないだろうというのが要望となります。
 2つ目の要望としては、必要な製品については今はディーラー、メーカー間でいろいろな工夫をしているような状況でありますけれども、必要なものに関しては医療機関様に買い取っていただくようなことができないかということも検討していただきたい。
 あとは、今はコスト転嫁を医療機関様に我々からしようというスタンスにはいないのですけれども、そういうことが起き得るのではないかということが今の段階では見えてきている事実です。
 これら3点のことを厚生労働省のほうから医療機関に通達をしていただきたいというのが、我々として最初の一歩としてのお願いとなります。
 以上となります。
○三村座長 ありがとうございました。
 それでは、実はお一人、今日御欠席の構成員の方から御意見が出ておりますので御紹介をお願いします。
○曽我流通指導官 事務局でございます。
 本日御欠席されました欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会の出井正構成員から御意見を預かっておりますので、代理で事務局から発表させていただきます。
 各業界団体からの要望と重複いたしますが、可能な限り早い御発注、医療機関での在庫確保並びに緊急出荷時の輸送コストの製品価格への転嫁を御検討いただければ幸いに存じます。
 さらに、医療機器としての品質を担保するには、物流革新に向けた政策パッケージのみでの解決は難しく、他の物流とは異なる点を考慮する必要があると考えます。例えば、輸送品質低下に伴う製品の劣化、輸送環境悪化に伴う製品の破損等を考慮する必要もございます。
 このような点も含め、広く御検討願えればと考えております。
 以上になります。
○三村座長 ありがとうございました。
 それでは、これから議論をお願いしたいと思います。御質問、御意見等がございましたら、お手を挙げていただければと思います。
 では、どうぞ。
○岡委員 日本病院会の岡と申します。
 いろいろな御意見で、非常に難しい問題だと思います。この中で、医療機関としてまず取り組める可能性が一番高いのはやはり行動変容であって、余裕を持った発注、あるいは受注時間の前倒しというのは、もちろん準緊急の症例とかありますので全ては無理ですけれども、ある程度予定の症例であれば可能かなと、そこはある程度ルールづくりをしていただいて、そこから病院が従っていくということはできると思います。
 あとは、やはり難しいのはコストの上昇ですね。もちろん、これはどこがどう負担するかというのはなかなか難しいんですけれども、病院としてもかなり経営が今、厳しい状況で、コロナでいろいろなものが変わってきていますので、ここをどう負担するかという議論も大事なのですけれども、今は日本医師会を中心に次の診療報酬改定においていろんな人件費等のあれで入院基本料の増大ということをお願いしていますけれども、この中にこういうのも入っていくと思うのですが、2024年では間に合わないと思うのですけれども、この価格転嫁がどの程度あるのか。これは2024年以降でもいいですし、あるいは2024年以降の推測でもいいのですけれども、実際にどの程度の価格転嫁かという具体的な数字をある程度出していただくと、我々医療団体も診療報酬改定においてこれだけのものがあるという数字が出ると非常に助かるんです。
 なかなか我々だと、どの程度、本当にコストが上昇するのかが見えないんです。ですから、数字を出すと難しいかもしれないですけれども、ぜひある程度の数字をいただけるとありがたいということが1つです。
 それから、この発注のEDI化というか、電話、ファックスということが実際にあると思うのですけれども、やはり病院と販売業者の間でいまだにそういうものがある。
 それで、これはなぜ進まないかという話をうちもちょっと聞いてみたのですけれども、これは鶏と卵の問題で、結局、販売業者が進まないから病院がやらない、あるいは逆に病院がそういう体制を取らないから販売もやらないという悪循環だと言うんです。
 ですから、ここはやはり国が主導して、医療DX推進ということなので、どこかでかじを切ってやらないと進まないと思うんです。病院がやりたくても販売業者がやらない。逆に、販売業者がぱっと全部やろうとしても、そこに取り組めない病院がある。これでは進まないので、ここはやはり主導してそういうEDI化を進めていただければということはあります。
 あとは、在庫の増加ですけれども、場所は正直言って病院の事情を話しますと、もう限界で、病院に出入りしている方はお分かりかと思いますけれども、廊下にまで物が置いてあって、これは実際には機能評価ではアウトなのですが、本当に廊下に物があふれている。こんなことを言うとあれですけれども、機能評価のときに何とか片づけて乗り切るというような現状もあります。これで、これ以上在庫というのは非常に現場としては厳しいということを一つ申し添えたいと思います。
 最後に、我々が心配なのは、私どもはまだいいんですけれども、過疎地域はやはりかなり厳しいかなと思います。下手をすると、過疎地域というのはただでさえ経営も苦しい状況で、しかも過疎地域のほうがコストがかかるようではかなり厳しいんですね。ここはやはり国がしっかりと過疎地域に対してどのように対応するかということもぜひ考えていただきたいということです。
 以上です。
○三村座長 ありがとうございました。おっしゃるとおり、過疎地域の問題は非常に重要な論点だろうと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、宮川委員どうぞ。
○宮川委員 今、岡委員から概略としてはほとんど言っていただいた形だろうと思います。診療報酬に関わってくるので、実際には皆さま方がファクトとしての数値を上げていただかないと戦えません。必ず財務省は、ファクトとしての数値を出すよう言ってきますので、概略でも結構ですので、このコストはどのくらいの増、何にどのくらいかかるのかということもしっかりと教えていただいて、それを材料にしていただかなければいけないということになります。
 それから、今お話があったように、過疎と人口密集地域ではかなり違いがあります。そこについても、そういうファクトを入れていかなければいけないという形だろうと思います。
 それから、先ほど2-1でしょうか。緊急対応の実態というところがあったのですが、その他がよく分かりませんけれども、そこにクレーム対応、情報提供というのはどれほど緊急対応内容として重要なのかよく分かりません。機器の不具合とか、急な手術の支援とか、緊急配送とかはしなければいけない、内容がよく分かるところなのですが、その部分の精緻化をしていただいて、こういうことに対しては医療機関と話をしっかりしていただいて、どこまでどういうふうに対応ができるのかということもしていただかなければいけないと考えます。
 それから、先ほど外装ダメージの話がいろいろありましたけれども、それはどこまで許されるのかということで、ぎりぎりまで考えていただきたいと思うわけです。
 それから、岡委員からお話があったように、リードタイムというのは必要になってくる。その余剰も含めてですけども、考えていかなければいけないと考えます。
 しかしながら、医療機関において先ほどもお話があったように、置き場所が確かにない。これをどのように知恵を絞って考えていくのかが大切です。
 例えば、緊急のときにお互いに在庫をきちんとどういうふうに把握していくのか。そういう意味では電子タグみたいなお話も出てきましたけども、そういう電子タグも含めて、どこに何があるのかということを分かりやすいようにして、流通の明確化というものをしっかりしていただくことが重要ではなかろうか。
 発注に対しては先ほどお話がありましたけれども、電子データの交換というのは当たり前のことになってきているので、電話というようなことではなくて、しっかりとした形をお互いに整えて、その証拠と、それから流れを明確化するということが非常に重要です。それはぜひしっかりと実現化していただきたいと思っております。
○三村座長 ありがとうございます。
 今、岡委員あるいは宮川委員から、医療現場の立場からの御意見がございましたけれども、業界の関係者のほうから何かそれに対しての御意見とかございますでしょうか。
 どうぞ。
○五嶋委員 先ほど緊急対応の件で御発言がありましたけれども、参考資料2-1のスライド8になりますが、今回2024年問題として特に関わってくるのがこの中で緊急配送の部分だけとは言わないですが、急な手術支援の中でも一部あるかもしれないですけれども、緊急配送の部分がやはり関わってくる。
 ただ、我々販売業の方に在庫があるものについてはお届けは可能かと思いますが、現実は我々も在庫がなくてメーカーさんの方にすぐ発注をして、バイク便ですとか、先ほどのチャーター便とか、場合によっては我々が新幹線に乗って取りに行くとか、そういったことも現実としてあることはあります。
 この資料では、それがこの中のどれくらいの割合を占めるかということまでは我々も把握できていませんけれども、今回問題にさせていただきたいのは緊急配送の部分ということをお伝えしておきたいと思います。
○宮川委員 そういうことが分かりますと、先ほど言った診療報酬を含めてどのように戦うのかに繋がります。皆さん方と一緒に戦わなければ仕方がないし、それでなければ解決しませんから、しっかりとしたファクトを出していただいて精緻化をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○三村座長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
 では、どうぞ。
○北野委員 米国医療機器の北野です。
 先ほど価格の転嫁においてという話があって、それがどの程度なのか、マグニチュードが分かると一緒に戦っていけるという話があったと思うのですけれども、私は一企業の話を今日はしましたので、また持ち帰って米国医療業界の中でどういうふうな動きがあるのかというのはまとめていきたいと思います。
○三村座長 では、続いて稲留さんどうぞ。
○稲留委員 やはりコストがどのくらい上がるかというところをファクトとして押さえないと戦えないということはよく理解できますので、都市部と過疎地でこれがどのくらい違うかというところまで算出していくのはなかなか難しいのですけれども、ルーチンで回しているところについてはある程度読むこともできるかと思います。
 ただ、いろんなところからの情報が必要ですので、ここは情報も収集しながらファクトをできるだけ積み重ねて使えるような情報をまとめたいと思います。
○三村座長 ありがとうございます。
 それでは、ほかにいかがでしょうか。
 オンラインで御参加の構成員の皆様からも、何か御質問、御意見ありますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
○中野委員 御質問というか、教えていただきたいということですけれども、資料2の11ページに緑ナンバーと白ナンバーというような分かりやすい資料がありますが、今回の2024年の問題というのは緑ナンバーの問題だというような捉え方をするのかなと思って聞いておりました。
 そうなりますと、資料2の6ページの「医療機器の流通における関係者」の下の「モノの流れ」というところからいきますと、製販から販売業者に来るところのラインの関係の話かなと思って受け取って聞いていたのですが、途中の企業の方々のお話は、それ以降の話に聞こえる部分が多く、特に緊急の物流のところは後ろの販売業者から医療機関のところなのかなと思えまして、その関係性が少し分かりづらかったので、この辺りをもう一度御説明いただけるとありがたいかなと思ったのですが、これは、どこが問題になってくるかというのがちょっと混在しているような気がしまして。
○三村座長 それともう一つ、先ほど御説明の中で、分野によっても問題の焦点はちょっと違いますね。その辺りをもう少し御説明いただいたほうが分かりやすいのではないかと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ、五嶋委員
○五嶋委員 先ほど三村座長の方からお話がありましたけれども、その製品カテゴリーで言いますと、やはり汎用一般材料、もしくは特定保険医療材料のような、いわゆるよく使われるといいますか、そういうものと、消耗品ではあるのですけれども、それほど使用量の出ないものとかもそうなのですが、もちろん今回の緑ナンバーがやはりテーマになっていますので、先ほどお話がありました運送業者の部分での遅延、リードタイムの延長というものがあります。
 しかしながら、販売業のほうに在庫があるものに関してはいいんですけれども、当然、今の在庫で足りなくなった場合は緊急的にメーカーさんに発注をする。それで、通常は時間帯にもよりますけれども、翌日には入ってくる場合が多いのですが、今後は例えば今メーカーさんのお話にありましたが、発注、受注の締め時間の前倒しですとかになりますと、それでプラス1日、さらに運送業者さんのリードタイムが延びるのでプラス1日ということになると、2日間ほど今よりは延びてしまうということが出てくるということが、今回すごく我々にとって緊急配送という意味では一番の問題になっているのかなという理解です。
○中野委員 ありがとうございます。
 そうしますと、考え方としてはまず幾つかフェーズが分かれているのかなと思いまして。医療機関のほうで努力してもらう、医療機関と販売の受発注のところの話と違う部分で今、一つの問題が存在しているということですよね。そこは製造販売業者と物流業者さんと販売業者さんの間の在庫と、多分、中間地点の在庫とかをどうやってお互いで持つかとか、そういうようなところの協力なども考えられるのでしょうか。
 要は、全てが政策上のというより、民間ベースでもうちょっとやれる部分があるのでしょうか。
○三村座長 非常に重要な御質問だと思いますけれども、いかがでしょうか。
 では、稲留委員どうぞ。
○稲留委員 MTJAPANの稲留です。
 難病の治療に用いられるようなものというのは、そう頻繁に使われるものではないので、例えば医療機関にそういう患者様がいらっしゃったときに、そこで緊急の発注があるという事象というのはあります。
 そういう場合に、医療機関側から直接メーカーの方に連絡がきて、メーカーのほうが直送するというような対応をすることがありまして、こういう難病に使うような非常にレアな商品等については、サプライチェーンの中で在庫を持っていくというのがなかなか難しい場合があります。特に有効期限というようなところもありますので、そういうケースがレアというよりは、より多く起こったりもしているというのが多分、現場の実態だと思いますので、そういう意味でいうと販売業者と製造販売業者の間だけではなくて、医療機関と製造販売業者、販売業者、全て含めた流通の中でどう対応していくのかというところの問題なのかなと理解をしています。
 お答えになっていますでしょうか。
○中野委員 様々なケースがあり得るので、それを含めての論点だと伺いました。
 ただ、その場合、そういったことがもうちょっと分かりやすく整理されるというのが大事ではないかということが皆さんが今おっしゃっているところで、論点を明確にしていくことは大事かなと思いました。
 ありがとうございます。
○三村座長 では、宮川委員どうぞ。
○宮川委員 今のことも含めてなのですけれども、国の流通体制そのものを全般的に考えていただきたいです。
 つまり、これは厚労省だけの話ではなくて、国そのものが考えるべきことです。医療に係る医療機器、医薬品の需要のような、全てにおいて、ある程度患者さんの都合、発症する事象、そういうことによって左右されるものと、それから通常の例えばどなたかが個人的に、いろいろなところに頼んで、10日後に来ればいいようなものを翌日配送というようなことをしてしまう。実際に流通の中でカテゴリーをつくらなければいけないと考えます。そういうものをきちんと国が考えて、カテゴリー別にこういうものはこういうふうにするというような位置づけをしない限り、この2024年問題は全然解決しません。
 それで、この医療機器、医薬品に関してはそういうカテゴリーをしっかり守っていただくというようなしっかりとした位置づけを国そのものが考えていかなければいけない。そういうところに、厚生労働省は大変ですけれども、しっかり主張していただいて、そこにかかるコストはしっかりと維持していただく。
 そして、日用品等を含めて、翌日に使わないようなものであれば5日以上と、それに関しては少し価格とか、輸送費を少なくするからというような形で、しっかりとした立てつけをつくっていただく。
 国全体として考えなければ医療の問題は解決しないと考えていただければいいのではないかと思います。
○三村座長 ありがとうございます。
 今回、論点として全体の方向性について、要するにサプライチェーンとして、例えばリードタイムの問題、あるいはできるだけ早めに発注する、あるいはできるだけ必要なところで在庫量をある程度増やしていくという具体的な御提案があって、それは全体の流れとしてとてもいいと思います。ただ、一つの問題の焦点として先ほどから何度も議論がありましたように、緊急配送という問題があります。その緊急配送がどういう分野で、どういうふうにシリアスに起こっていて、それがどういったような形で、例えばコストを増やしているのかいうことを、もう少しイメージできるような形で示していただくと、病院側の方も、対応しやすくなるのではないかと思います。
 その辺り、まだ今日の段階ですと、そこまで議論が深まっていないという感じがするのですけれども、その辺りをもう少し深めて整理していただくということはお願いできますでしょうか。
 あとは、例えば緊急という言葉と、それから過疎地という言葉が非常に重要であるということも出てまいりましたので、そこについても先ほどの宮川先生のお言葉を借りるわけではないのですけれども、厳密に出すのは難しくても、大体、概略としてこういうところに問題が起こりそうだというようなことについて、もう少し教えていただくということも可能かどうかですが、いかがでしょうか。
 もし五嶋さん、あるいは稲留さん辺りでいかがでしょうか。
○稲留委員 では、稲留からお答えします。
 確かに、緊急というものの事象というのは一体具体的にはどんなものなのか。今日の資料では、全体的なサプライチェーンをまとめて、それに対してどういう課題があるかというようなまとめ方をしておりますけれども、個別の事象で分かっていただけるような情報の整理というのは、ちょっと追加で検討してみたいと思います。
○五嶋委員 医療機器販売協会の五嶋です。
 どこまでできるかちょっと分からないですけれども、できる範囲でしっかり協会内でデータを取りたいというふうに思います。
○三村座長 問題の焦点を皆さんで共有できるような形にしていただくといいのかなということでの御提案でもございますし、お願いでもございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 中野委員。
○中野委員 もう一点、今日は少し当面の課題かなというふうに理解をしていますので、そこはこれ以上ないんですけれども、もうちょっと中長期的な、先ほど宮川先生もおっしゃっていたような国全体してどうするかというような意味のことになるかもしれません。
 先ほどから医療機関からの発注というのがファックスとか電話とかで大変だという話があって、参考資料2-1の4ページにイメージが書いてある非常に分かりやすい資料が出ていて、医療機関から〇日に△△手術をするのでというような連絡が販売業の方にあり、それを受けて販売業の方が何をどう準備するかを考えるなど、結構大変なことをされているなということが感想としてあります。つまり、電話やファックスとかという手段で販売業者の方々が注文を受けているかというところに多分御負担があるんだろうなというのが理解できます。
 一方で、参考資料2-3のAMDDの資料を見ていると、実際にどこまで実行されているかは存じませんが、スマート物流サービスとかの着手が必要ではないかとも思います。恐らくこういったところの医療機関からの受発注のところの改善を今後少し考えていくことも必要ではないかと。
 中長期と言っているのは、例えば今回で整形の製品とか途中で出てきたかと思いますけども、CTとかMRIでもいいのですが、CT画像からある程度、必要な製品のラインナップが出てきて、それである程度オーダーが自動的にできるような、AIを活用するとか、そういったところも、これは本当の中長期でいいと思うのですけれども、何かないと、なかなか販売業の方の御苦労でどうにか支えるというのも人口減少社会の中ではちょっと厳しいんだろうなと思っていまして、2024年問題だけではないところでもう少し検討の幅はあるのではないかと思って伺っておりました。
○三村座長 それでは、宮内委員どうぞ。
○宮内委員 2024年問題で、先ほどから緑ナンバーの問題とか言っておりますが、ここ2、3年、特にウクライナ戦争が始まってから宅配便だとかバイク便の値上がりは相当しています。ですから、これからどのくらい上がるのかという予測よりも、上がった数字は来年の交渉用には出て来ると思っております。
 それから、私どもの歯科医療もそうなのですが、医療を見てみると、私ども口腔は整形外科に似ておりますが、患者ごとに先生がその部所を見て治療内容が違ってくるんですね。ですから、どれを用意しておいて発注するかと、既定の在庫というのは医薬品と違って在庫を置いておくという問題ではなくて、使用する医療機器は手術部位によって千差万別出てくると思っております。
 それから、配送の問題と言いましたけれども、先週開催された医薬品流改懇ではだらだら話しましたから、今日は原稿メモを用意してきました。
 私ども歯科医療界は、皆様方の病院や診療所のように数百名、数十名のスタッフの皆さんが勤務されており、SPDや医療機器のメンテを行う保全部門まで存在するのとは違い、歯科医師1名、歯科衛生士1、2名、助手兼受付1、2名の体制が8割以上、全国6万7000の歯科医療機関があり、国民からはコンビニ以上に親しまれております。
 私ども歯科流通ディーラーの団体である日商連は全国469名会員がおり、医療機器修理業、高度管理医療機器販売業、指定卸医薬品販売業等、各種許可を持ち、平均従業員数は約5名であります。
 全国津々浦々の歯科診療所に対面で定期訪問にて器材の提供を行いつつ、不具合や回収、さらに最新情報の提供を行っております。歯科医療機関で使用する器材は延べ10万点にも上り、常備3,000点が歯科医院の中で使われていると言われております。
 歯科用ユニットは時折、水漏れや空気漏れ等の故障はつきものでありますから、その際には一時的で私どもディーラーがメーカーに代わり、メンテを担当します。故障の場所と内容により、診療時間や休日の対応も私どもの重要な役割の一つです。
 これが、私ども歯科業界で言う、2024年問題かと思っております。
 AIやIT時代に前近代的と言われれば、まさにそのとおりですが、病院等への皆様方のSPDサービス以上に、歯科医療機関における6人目のスタッフとして重宝されております。歯科医療は対面診療の典型的なものですから、関係者全員が何らかの形で、全員参加で貢献することが求められる業種であると思います。
 医機販協様は、今年8月の中医協にて、医療機器の安定供給のために2024年問題を取り上げて医療器材管理室を設置する医療機関に対して診療報酬上の加算をお願いしたいとの御要望をされておりますが、私ども歯科業界はそのような部門はなくても、来春の診療報酬改定では機材の管理費等の新設を強くお願いするものであります。
 よろしく御配慮ください。
 ですから、配送よりも私どもからすると緊急の保守メンテという業務が診療時間以外や、休日対応等が問題になるということで、皆さんの医療機器業界の場合はほとんどが修理部門は別会社を持って担当されていますから、今日その問題が全然PPTにも俎上にも上らないと思っておりますが、実情はその辺もあるのではないかと思います。医療機器ですから故障はつきものであると思っております。
○三村座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 北野委員、どうぞ。
○北野委員 北野です。
 今、メンテナンスの話が出たのですけれども、この件に関しても今メーカーだけでの対応というのがすごく難しくなるのではないかという中で、販売代理店様と一緒で機械の代替品とかを販売代理店さんのところに置かせていただいて、販売代理店さんと一緒になって修理ができる環境を整えようというような議論も一方で進んでおります。
 まだ我々はデンタルのほうは取り扱っておりませんけれども、医療機器で我々が扱っているものとしてはそういうような話が今、並行して動いているような状況です。
○三村座長 大体、御意見はよろしゅうございますか。
 今日、いろいろいただいた御要望とか御意見がございます。全体として今の業界、メーカー、あるいは販売業の立場からいろいろな形での行動変容をお願いしたいという話がございますが、これについてほぼ皆様からは御同意いただいているのではないかという感じはいたします。
 それでは、小野寺先生、どうぞ御発言をお願いいたします。
○小野寺委員 先ほど宮内様がおっしゃったとおりで、歯科業界の場合はどうしても零細企業が多いので、在庫をいっぱい持ったりすることが非常に困難だということもあるし、また発注量も少ないということで、なかなか今日の話は難しいところがあるのかなというのは感じております。
 ただ、非常に微妙な問題もありますので、できるだけ歯科もそういうところができるように、少しずつIT化なり何なりを進められるような方策は常に歯科医師会としても考えておりますので、今後また検討していきたいと思います。
 以上です。
○三村座長 ありがとうございました。
 よろしゅうございましょうか。
 事務局からはよろしいですか。大丈夫ですか。
 それでは、一つの言い方をしますと、皆さまでいろいろ問題点を共有して協力していくという流れについては恐らく一致しているのだろうと思います。
 ただ、非常に問題が多いということもありますし、中長期的にはEDI化を含めて基盤を整備していく必要もあるし、それから機器のメンテナンスの問題とか、全体として仕組みをどう構築していくかというようなこともあるのだろうと思います。
 ただ、まずは2024年問題に対して、目前にある物流コスト問題、物流コストの上昇問題について具体的な手を打つということについてまずは答えを出していただいて、それから、中長期的な課題として基本的問題点を整理していく。そして、それに合わせて少しずつ、例えば制度全体を修正していただくとかがあると思います。同時にメーカー、販売業、医療機関、薬局、あるいはその他の間で解決できることについてはまず解決していくという流れをつくるということで進めていけばいいのではないかと思います。
 それで、本日いただきました御意見とか御要望を踏まえまして、改めて次回にもう一度、今回の課題と基本的にどのように対応するか、今回の一番大きなテーマである2024年問題についてどう対応するかということについての基本的な意見などをまとめてもっと出していただくという感じでよろしいでしょうか。
○信沢首席流通指導官・流通指導室長 事務局ですが、今日いただいた御意見を踏まえて、事務局のほうで取りまとめていきたいと思います。
 今日いろいろ御意見をいただいて、短期的にできるものもあれば、皆さんの協力の下で短期的にできるものもあれば、今、座長がおっしゃったように中長期的に検討していかなければいけないような議論もございますが、2024年問題はもう4月に始まってしまいますので、そこまでに皆さんが協力して何ができるかということを事務局としては取りまとめていきたいと考えております。
 以上です。
○三村座長 では、まずそのような形で進めさせていただきます。
 それでは、もう一つ、議題3がございます。
 議題3「「適正使用支援業務に係るガイドライン」について」ということでございます。
 医療機器販売業協会から御説明をお願いいたします。
○山下委員 一般社団法人日本医療機器販売業協会の会長の山下と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 当協会の自主ルールとしまして、発出を検討しております適正使用支援ガイドラインについて簡単に御報告をさせていただきます。
 資料3ということでございますが、今、考えておりますものを描いております。
 2ページ目になります。
 「現状」のところでございますけれども、当協会は医機販協という略称を使わせていただいておりますが、日本全国47都道府県にそれぞれ販売業協会を持っております。医療機器販売業を営む1,000社ほどの会員企業がおります。
 我が国では、国民皆保険やフリーアクセスの下、僻地や離島を含む全国津々浦々どこでも高度医療が受けられる医療提供体制が整えられております。患者である国民にとっては、このアクセス数のよさというのは大変大きなメリットでありますが、その反面、医療機関当たりの個々の症例の発生頻度というものは先進諸国と比べてかなり低い状況であります。
 症例の集中度が低く、全国に散在する状況の中、医療現場のニーズに対応するために、我々医療機器販売業は医療機器の特性に由来する適正使用支援を通じて医療提供体制を下支えしております。
 既に説明されましたとおり、適正使用支援には預託在庫管理、短期貸出し・持ち込み、立会い、修理・保守、そして緊急対応といった業務形態があります。
 しかしながら、その多くは対価が取れていないというのが現状でございます。
 2番目の「課題」になります。適正使用支援につきましては、これまでの流通改善懇談会におきましてもその必要性と効率性が説明されました。2016年9月に開催されました前回の第8回流改懇においては、適正使用支援はこれまでの商習慣によって形成されたということから、支援業務の範囲やその対価の有無について、販売業と医療機関及び製造販売業の間に取引の明確な内容が契約等による書面で取り交わされておらず、公正競争規約の遵守等を十分に鑑みて、業界側としての整理が必要であるという指摘を受けておりました。
 その後、公正競争規約上、基準にあります貸出しと立会いについては、医療機関との有償契約及び規約に基づいた無償で行える範囲において、書面による確認を行うようになってきております。
 また、修理・保守に関しましては、以前から販売業と医療機関並びに販売業と製造販売業者間での契約を取り交わしてきております。
 そういう状況の中、「対応」としまして一番下のほうですが、今回さらなる取引の透明性を高め、持続可能な医療機器の安定供給を図ることを目的として、預託在庫管理と夜間休日の緊急対応を対象とした業界自主ルールとしての適正使用支援ガイドラインの策定をしております。
 協会内でガイドライン案をまとめ、この度、行政、製造販売業団体、医療機関団体の方々へ取組の趣旨、経緯及び内容について御説明いたしましたところ、一定の御理解はいただけたのではないかと考えております。
 今後、さらに各方面からいただく御意見等も十分に考慮しまして、全国の会員企業への十分な周知を行った上で、来年には発出したいと考えております。
 ここに御参加いただいている皆様及び関係団体へは適宜進捗を御報告しながら、より適正かつ透明性のある取引になるよう進めていく所存ですので、よろしくお願いいたします。
 以上、医機販協の自主ルールとしての適正使用支援ガイドラインについての御報告を終わります。
○三村座長 ありがとうございました。
 今の議題につきましては御報告、報告事項ということでございますが、何か御質問等ございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、適宜これにつきましてさらに検討を進めて、そして進捗がございましたときにぜひ御報告をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 では、議題は3つ終わったのですけれども、皆様から全体として何か御意見とか、あるいは御質問等はございますでしょうか。ございましたらお願いいたします。
 オンラインの先生もよろしゅうございますか。
 ありがとうございました。それでは、本日の議題は全て終了いたしました。
 事務局におかれましては、本日いただきました御意見等を踏まえて、2024年問題に関する課題と対応等について整理して、次回資料として提出いただきたいと思います。
 本日の議論を踏まえまして、課長から一言お願いいたします。
○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長 本日はどうもありがとうございました。
 今日の御議論でもございましたとおり、まさに行動変容のような部分については、関係者が協力して取り組めることがあろうかと思います。
 一方で、データが必要、あるいは実態をもっとつまびらかにした上で議論する必要があるといったこともあろうかと思います。
 また、2024年問題のさらに先を見据えて中長期的な議論が必要なこと、そうしたこともいろいろ御指摘があったかと思います。
 事務局としてはそうしたことについて整理をいたしまして、まず当面、取り組める範囲のことについてまた案を作成して、この場にお諮りをして御議論いただきたいと考えております。
 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
○三村座長 ありがとうございました。
 次回以降の開催予定につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○曽我流通指導官 事務局です。
 次回の開催については、追って事務局より御連絡させていただきます。
○三村座長 ありがとうございました。
 それでは、本日の会議はここまでといたします。どうも御協力ありがとうございました。
 

 

 

(了)
<医政局医薬産業振興・医療情報企画課>

大島、曽我:03-5253-1111(内2536,2598)

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