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2016年8月30日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課

○日時

平成28年8月30日(火) 9:30~12:00


○場所

航空会館 2階 201会議室
(東京都港区新橋1-18-1)


○出席者

委員

若林部会長 石見委員 井手委員 井部委員
小川委員 鎌田委員 佐藤委員 杉本委員
戸塚委員 中嶋委員 二村委員 吉成委員

事務局

山本基準審査課長 黒羽補佐 竹内補佐
中矢専門官 一戸主査 田中技官
酒井技官

○議題

(1) 第9版食品添加物公定書について
(2) その他

○議事

○事務局 皆様おそろいですので薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会を開催いたします。本日は御多忙のところ、また雨の中を御参集いただき誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず初めに、本日の委員の皆様の出席状況を御報告いたします。本日は由田委員より御欠席との連絡を受けております。現時点で添加物部会委員13名中、12名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。

 なお、本部会におきまして、今回の部会から佐藤委員が新たに就任されておりますので部会の開催に当たり、まず御紹介させていただきたいと思います。国立医薬品食品衛生研究所添加物部長の佐藤委員です。

○佐藤委員 佐藤です、どうぞよろしくお願いします。

○事務局 ありがとうございます。それでは、議事の進行を若林部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○若林部会長 皆様、おはようございます。今日は天候の悪い中を御参集いただきましてありがとうございます。最初に配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

○事務局 資料の確認をいたします。議事次第、資料一覧、委員名簿、座席表に続き、資料1として食品添加物公定書の改正に伴う、「食品、添加物等の規格基準」の改正についてということで資料1-1から資料1-6まであります。なお、資料1-3については机上配付となっております。

 また、傍聴者の皆様におかれましては、資料1-3につきましては厚生労働省ホームページ、薬事・食品衛生審議会添加物部会のホームページで資料1-3を掲載していますのでそちらを御覧いただければと思います。

 続いて、資料2として平成27年度過酢酸製剤実態調査の結果について、資料3として平成27年度マーケットバスケット方式による甘味料の摂取量調査の結果について、資料4として既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究についてとなります。

 参考資料として参考資料1、過酢酸製剤が使用された食品についての対応の一枚紙、参考資料2として過酢酸製剤に関する部会報告書となっております。本日、お手元にお配りしております資料は以上です。不足や落丁等ありましたら事務局までお申し付けいただきますようお願いいたします。

○若林部会長 資料は大丈夫でしょうか、大丈夫そうですね。資料3はこちらの厚いものです。これについて今日説明しますが時間がかかると思います。それでは、事務局から本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について報告をお願いできますか。

○事務局 本日の審議事項におきまして利益相反の確認対象はございません。

○若林部会長 それでは審議に入りたいと思います。議題1、「食品、添加物等の規格基準」の改正について審議を行いたいと思います。まずは事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 食品添加物公定書の改正に伴う、「食品、添加物等の規格基準」の改正について御説明させていただきます。主に資料1-2、1-3、1-4に基づき御説明をさせていただきます。

 資料1-2をお手元に御準備ください。最初にこれまでの経緯について御説明させていただきます。1.食品衛生法第11条第1項の規定に基づき定められました添加物の規格基準につきましては、「食品、添加物等の規格基準」において通則、一般試験法、試薬・試液等、成分規格・保存基準、製造基準及び使用基準が定められております。

 また、食品衛生法第21条の規定に基づき食品添加物公定書を作成し、規格基準の定められた添加物について当該規格基準を収載することとされております。

 2.改正の経緯について御説明いたします。平成19年に第8版を作成いたしましたが、今回、第9版を作成するに当たり、厚生労働省において第9版食品添加物公定書作成検討会を設け、既存添加物の成分規格の新規作成、成分規格の国際整合化、試験法の改良等、1ページの下にありますが2.の(1)から(6)にございます各点を改正の目的として御検討いただきました。検討会の報告書につきましては平成26年2月に取りまとめられております。

 検討会の報告書の内容に関しては、3月の本部会において御報告をさせていただいた後、検討会報告書の誤字・脱字等の修正、記載整備等を行い第9版食品添加物公定書案を取りまとめ、昨年12月に開催されました本部会で御報告をさせていただきました。今回、食品安全委員会より食品健康影響評価の結果等が通知されたことから、食品添加物公定書の改正に伴う、「食品、添加物等の規格基準」の改正について本部会で御審議をお願いするものです。

 「食品、添加物等の規格基準」の改正について概要を2ページにお示ししております、3.で記載をさせていただいております。大きく6点ありますが各点について御説明をさせていただきます。

 まず(1)、既存添加物89品目に係る成分規格(89項目)を作成し、収載するものです。対象となる品目については4ページにあります別紙1にお示ししている89品目です。

 具体的な例をここで御紹介させていただきたいと思います。資料1-3のドッジファイルのほう、405ページを御覧ください。405ページにアガラーゼという既存添加物が掲載されております。ただ、今回記載されておりますように、新たに定義・性状、確認試験、微生物限度試験等で個別の規格を作成して収載するものとなります。

 資料1-2にまたお戻りいただいて、(2)指定添加物353品目に係る成分規格(376項目)、既存添加物127品目に係る成分規格(132項目)、一般飲食物添加物3品目に係る成分規格(3項目)及び合成膨張剤の成分規格について、国際的な規格との整合性や試験の操作性の改善等を目的として重金属試験の見直し等の改正を行うものというものです。

 対象となっております品目については資料1-2の5ページにある別紙2にお示ししております。また、こちらにつきましても具体的な例を御紹介させていただきたいと思います。資料1-3の410ページを御確認ください。L-アスコルビン酸という添加物が410ページに記載されておりますが、国際的な整合性を図るため、これまで重金属の規格として設定されていたものを鉛の規格という形で設定させていただくものです。

 また資料1-2にお戻りいただいて。

○若林部会長 鉛はどこにありますか。

○事務局 純度試験の中にあります。もともと、重金属試験法を(1)ということで青字で記載させていただいており鉛試験法に変更するものです。

○若林部会長 よろしいでしょうか。今からこれを使って、事務局、長時間とは言わないけれども40分ぐらいしゃべります。途中でフォローできないような時がありましたら遠慮なく、手を挙げてストップをかけて、もう一度説明してくださいということを言ってください。よろしくお願いします。

○事務局 こちらのほうはよろしいでしょうか。続いて、資料1-2にまたお戻りいただいて(3)について御説明させていただきます。(3)ですが、添加物一般及びタルクにつき安全性を確保する観点から製造基準を設定するものです。こちらにつきましても資料1-3の1147ページ、製造基準のところを御確認ください。こちらについては、スライドでも映しておりますが製造基準の項が掲載されております。まず、添加物一般の4.にありますとおり、微生物を用いて酵素を製造する場合の規定を新たに設けるというものです。具体的に酵素を製造する場合には非病原性のものを用いること、また毒性を産生する可能性がある場合については毒素を除去することを新たに規定するものです。こちらにつきましてはJFCFAでも同様の考え方が採用されております。

 タルクについても御説明いたします。1147ページの下を御覧ください。こちらにタルクの個別基準が記載されております。原料としてアスベストを含まないものを原料とするという規定を新たに設けるものです。

 また資料1-2にお戻りいただいて、3.の(4)を御覧ください。指定添加物77品目に係る成分規格(77項目)について、試験の操作性の改善及び精度の向上、IUPAC命名法に基づく名称及び構造式、用語、用例等の統一を目的として各成分規格を改正するものです。

 対象となる品目につきましては資料1-2の10ページにあります別紙3にお示ししております。また、こちらについて具体的な例を御紹介させていただきたいと思います。資料1-3の861ページを御覧ください。こちらではまずテルピネオールという添加物が掲載されております。これまで確認試験としてにおいによる確認試験法が規定されておりました。今回、より精度の高い赤外吸収スペクトル試験法に変更させていただくというものです。確認試験のところ、赤字で消しているにおいの試験を青字で追記させていただいている赤外吸収スペクトル法に変更させていただくものです。

 また資料1-2にお戻りいただき、3.の(5)にあります第2添加物のA、B及びCについて、試験の操作性の改善及び精度の向上、有害試薬の他の試薬への代替、IUPAC命名法に基づく名称及び構造式、用語、用例等の記載の統一等を目的として、一般試験法等を改正するものです。

 こちらにつきましても具体的な例を御紹介させていただきます。資料1-3の96ページを御覧ください。

1-3の96ページにはヒ素試験法が掲載されております。具体的には次の97ページを御覧ください。97ページに装置Aに係る試験法が掲載されております。装置Aに関する試験法につきましては、有害試薬である水銀を含む臭化第二水銀紙が用いられています。こちらは有害試薬を削除、他の試薬へ代替することから本試験法を削除するというものです。なお、装置Aを用いていた方法については既に装置B又は装置Cを用いる方法に置き換えています。

 資料1-2にお戻りいただいて3.の()、第2添加物のE及びFについて用語、用例等の記載の統一等を目的として製造基準及び使用基準を改正するというものです。

 品目毎にどのようになっているかをお示ししたものが資料1-4ですので、資料1-4をお手元に御準備いただければと思います。資料1-4、食品添加物公定書の改正に関する資料に基づき御説明させていただきます。資料1-4の下に1ページと振ってあるところがありますが、1ページからが1.第9版食品添加物公定書の作成に伴う新規収載品目について、先ほど御説明申し上げた資料1-2の3.の()に該当します、新たに成分規格を作成し収載した品目の一覧及び設定をする成分規格の内容を記載しております。

 資料1-4の3ページから2-1.第9版食品添加物公定書の作成に伴う規格基準の改正についての資料となっております。こちらに該当する品目は資料1-2に対応させて申し上げますと、資料1-2の3.の()及び()に該当する品目として一覧でお示ししております。一番右の列に「評価/照会」という欄を設けております。こちらは後ほど御説明いたしますが、食品安全委員会のほうで評価又は照会をかけたものの区別を○で付けております。こちらの評価というものが食品健康影響評価を依頼させていたもの、照会としているものが食品安全委員会に評価が必要でないものということで照会させていただいたものになります。

 資料1-4の14ページを御覧ください。資料1-4の14ページから2-2として鉛試験法、ヒ素試験法の改正に係る品目であって、香料には該当しない品目を一覧でまとめております。このうち、鉛の試験法につきましては、従来の重金属試験法の検出感度が良くないこと、またJECFAでも重金属試験法から鉛試験法に切り替えられていることを踏まえ鉛試験法に変更させていただく、若しくは現行、既に鉛試験法が規定されているものについては一部改正を行うということをするとともに、規格値についても検出感度の向上に伴い規格値の評価を行っております。具体的な鉛の規格値については表の右から二つ目、鉛の規格値のところに改正前後という形で掲載させていただいております。

 なお、一部の品目につきましては規格の改正がないとなっている部分があります。こちらにつきましては、現行、JECFAとの整合性が図られているため改正は行っていないものです。

 一番右側の列にヒ素試験法の規格値の話があります。ヒ素試験法につきましては、これまで我が国では三酸化二ヒ素(As2O3)という形で規格値を設けておりましたが、JECFAにおいてヒ素(As)として規格が設定されていることから、我が国でもヒ素(As)として規格を設定するものです。このため、分子量換算を行ったものですので規格に変更があったものではございません。なお、規格の換算については14ページの上段にあります換算を御覧いただければと思います。

 また、こちらの中で一番上にございますAs2O3 として0.2μg/gについても同様に分子量換算をさせていただいておりますが、記載を小数点第一位としておりますので、Asとして0.2μg/gという形になっているものです。

 続きまして資料1-4、23ページを御覧いただければと思います。資料1-4の23ページから2-3として、香料以外の品目に関して重金属等、2-2で御説明させていただいた以外の改正内容について記載をさせていただいているものです。改正の内容については改正の内容と項目及び内容のところで記載をさせていただいているとおりです。このうち、一部の項目について、見た目上規制が緩和されているように見える品目について、27ページに脚注という形で入れておりますのでそちらを御覧いただければと思います。

 それでは、脚注それぞれについて簡単ですが御説明をいたします。まず脚注1に関してですが、23ページのアスパラギナーゼというところに規定が設けられております。具体的には記載の内容に変更させていただくというものです。我が国では酵素が酵素原体ではなく酵素製剤の形で流通していることを鑑みて、酵素原体と酵素製剤の規格を兼ね備えた規格を設定するというものです。なお、こちらについては、先ほど御説明しました新たに規格を設定する酵素についても同様の表現を用いることで統一をさせていただくという形を取らせていただいております。

 脚注2についてはアルギン酸アンモニウム、カリウム、カルシウムのところに記載がありますが、そのほか幾つかの品目に記載がされております。こちらにつきましては、微生物限度の規格から適合性試験の実施を要しない旨を追記するものです。微生物限度の規格に関しては、添加物における微生物汚染の実態を評価し、判定し、かつ安定した添加物を供給することを目的に設定される規格となっております。この際、正しく評価を行うため、事前に試料に各試験で被検出対象となる代表的な微生物を試験菌として添加、試料の非存在下と同様の試験菌の十分な発育が認められることを確認する方法ですが、こちらを試験法の適合性確認と呼んでおります。

 今回、適合性試験を除くこととした品目につきましては品目毎に主な流通製品を対象とし、予め国立医薬品食品衛生研究所からの委託研究により検証が行われております。その結果として、全ての品目において適合性が確認されたことから、微生物限度試験の適合性試験を除外するとさせていただくものです。

 脚注3につきましては資料1-4の23ページ、エステルガムのところに記載しております。エステルガムの記載が分かりにくいかと思いますので、こちらもまた資料1-3を御覧いただければと思います。資料1-3の506ページを御覧いただければと思います。こちら、前の505ページからエステルガムの成分規格が規定されております。506ページ、純度試験の中に酸価という記載がございます。現行、酸価につきましては、既に各エステルガムに対する酸価に基づき規制が行われているところです。酸価、冒頭の見出しの右側に8.0以下という規定が記載されておりますが、既に各エステルガムで規制をされていることからこちらの記載は不要ではないかということから削除させていただくというものです。

 また資料1-4にお戻りいただきまして脚注4、こちらは23ページにございますカゼインナトリウムと27ページにありますカゼインに付与されているものです。こちらにつきまして、具体的な改正内容として脂肪の規格値を上方修正させていただくというものです。こちらにつきましてはCODEXの規格との整合性を図るため、規格を上方修正し、合わせてCODEXで採用されている試験法に改正するというものです。

 脚注5ですが23ページにございますクエン酸になります。こちらは純度試験の多環芳香族炭化水素の規格を削除するというものです。こちらにつきましては、クエン酸の製造方法が化学合成法から酵素を用いた発酵法にシフトしていることを鑑み、化学合成法の不純物規格となります多環芳香族炭化水素の規格を削除するというものです。

 続いて脚注6ですが、こちらはクエン酸第一鉄ナトリウムです。具体的な改正内容ですがクエン酸第一鉄ナトリウムにあります味の規格というものを削除するものです。こちらにつきましては「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づき、クエン酸第一鉄ナトリウムが劇薬に指定されていることから、試験担当者の試験負担の軽減のために削除をするというものです。

 脚注7ですが24ページから25ページにありますタール色素のアルミニウムレーキの純度試験において一部の項目を削除するというものです。こちらについては、各アルミニウムレーキの定義において規格に適合したタール色素を用いるというように改正させていただいていることから、タール色素の規格のほうで担保ができると考えられましたので削除させていただくというものです。

 最後の脚注8ですが、25ページにありますパントテン酸ナトリウムのpHの範囲を広げるというものです。こちらも同じく「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の中で、医薬品として医薬部外品として承認されている品目が幾つかありますが、これらの製品に含まれるパントテン酸ナトリウムの規格及びこれらの製品において品質の安全性に懸念があるとの知見が認められないことからpHの範囲を広げるものです。資料1-4、2-3の部分は以上です。

 続いて資料1-4の28ページから、2-4として香料に関する改正について記載をさせていただいております。こちらも各香料について各項目がどういう変更又は削除を行ったかということと、これ以外の項目についてどういう改正をさせていただいたかを取りまとめているものです。

 この中で例えば四つ目の香料、α-アミルシンナムアルデヒドのように、規格値の含量規格が98%以上から97%以上という形で一部規格値が緩和されているものがあります。これは定量法の変更に伴い上方修正をさせていただいたものですとか、JECFAの規格との整合性を図った等の理由から改正を行うというようにしたものです。これら、資料1-4で御説明させていただいた規格の改正に伴うものにつきましてはいずれも、改正に伴って添加物の品質が従来のものと変わらないというように考えているものです。

 資料1-2にまたお戻りいただき、続きの御説明をさせていただきたいと思います。2ページ、4.の食品安全委員会における評価の御説明をさせていただきたいと思います。ただ今3.の()から()で御説明した内容のうち、()から()の改正について食品安全委員会に対し食品健康影響評価を依頼しております。こちらについて、その結果が4.の上から3行目の終わりのほうからあります。「食品安全基本法第11条第1項第2号の人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度が明らかであるときに該当すると認められる」との結果が本年6月14日付けで通知がされております。

 また、3.の()から()の改正について、評価は必要ではないものとして食品安全委員会に照会した結果については、2ページの下から4行目にございますけれども、「試験の操作性の改善若しくは精度の向上を目的とした試験法の変更、名称の変更又は用語若しくは用例の統一等による規格基準の改正であり、規格値の変更を伴うものでないことから、食品安全基本法第11条第1項第1号の食品健康影響評価を行うことが明らかに必要でないときに該当すると認められる」旨、本年6月14日付けで通知がなされております。

 以上を踏まえ、資料2-1の3ページにあります5.の告示の改正についてです。こちらについて記載させていただいておりますとおり、食品衛生法第11条第1項に基づく規格基準については資料1-3でお示ししておりますとおり改正することが適当であるという案とさせていただいております。説明は以上です、御審議のほどよろしくお願いいたします。

○若林部会長 資料1-3の第9版の食品添加物の公定書()を作成していただきました。大変な作業だったと思いますが、佐藤委員、あるいは杉本委員から何か追加すべきことなどがありましたらお願いできますか。後にしますか。それでは、ただいま事務局から説明がありましたが、各委員から何か疑問点やコメント等がありましたら、お願いできますか。

○井部委員 重金属試験なのですが、一応鉛試験に変更ということで、重金属試験はもうなくなるということでしょうか。そうすると、重金属試験は鉛だけではなくて、ほかの硫化ナトリウムで落ちる、沈澱するものを測っていたと思うのですが、その心配は安全上全く問題はないのでしょうか。その点は、いかがでしょうか。

○事務局 基本的には、これまで重金属試験法と呼んでいたもので見ていた重金属は、基本的に鉛を対象としていましたので、鉛試験法に変えても見ているものは基本的には変わらないと考えていると理解しております。

○井部委員 例えば、ほかの金属で落ちるカドミウムなどが大量にあれば、当然濁ってくるわけで、重金属試験としてはオーバーするわけですね。ですから、ほかの金属は考えていないのかが気になるのですが。

○佐藤委員 これは、JECFA規格では総量試験でありしかも検出感度があまりよくない重金属試験から個別金属の規格への切り替えが検討され、各食品添加物について、鉛やカドミウムなどを調査した結果、現在、ほとんどのものが鉛だけ規制されております。日本でも、カドミニウムなどは通常入ると考えにくいため、鉛のみを規制することにしております。

○井部委員 そうすると、資料1-3の31ページの重金属試験法は残っているのですが、これは要らないのではないですか。

○佐藤委員 重金属試験については、添加物製剤のタール色素製剤やかんすいの規格には重金属を設定しています。添加物製剤は、原体を鉛で規制しているので、製剤規格としては一応重金属を設定しておくということになり、一般試験法も残しております。

○若林部会長 その他はありませんか。資料1-4の28ページの香料に関しては、JECFAのほうで、凝固点、ハロゲン、重金属、ヒ素、乾燥重量等が設定されていないこと。それから、今までやっていたエステル値や不溶物に関しては、ガスクロ等で代替できるということで、かなり変わったと思います。香料に関しては、先ほど言いました重金属やヒ素が、JECFAで特に設定されていない理由は、そもそもどのようなことでしょうか。非常に、微量だからというようなことですか。それとも、製造工程においてそういうものが入ってくることがほとんどないからですか。

○佐藤委員 使用量が微量ということと、あとは大体蒸留法で製造しますので、ほとんど金属やヒ素が入ってくることは考えられないということで、設定していません。

○若林部会長 もう一つ気が付いたのですが、27ページクエン酸の製品が合成から酵素法になって、polycyclic aromatic hydrocarbonのコンタミがほとんど考えられないので、ここも多環芳香族炭化水素の項目を削除したということです。これは、国内ではクエン酸の合成に関しては、全社が全部酵素法になったということです。ある所では、まだ通常の方法でやっているということになった場合には、どのように対応されるのでしょうか。そこの担保はあるのでしょうか。その点は、いかがでしょうか。

○事務局 基本的に、化学合成法から酵素法に変わったのは、1つは製造しやすいというのもあると思いますし、価格の問題もありますので、価格が高いという方法に戻っていくようなことは、基本的にはないのだろうと考えています。

○若林部会長 それ以外に、何かありますか。

○石見委員 昨年、亜セレン酸ナトリウムの審議をしていたかと思うのですが、今回の改正には間に合わなかったという理解でよろしいでしょうか。

○事務局 今御指摘がありました亜セレン酸ナトリウムについては、パブリックコメント等を終了しまして、最終的な改正手続をさせていただいている段階です。第9版公定書については、当然亜セレン酸ナトリウムの指定がされた後に出ますので、そういった内容についてもこちらの中に盛り込んでいく形になります。

○若林部会長 よろしいですか。ほかに何かありますか。大変大きな改正だと思いますが。

○二村委員 内容そのものではないのですが、既存添加物のうち、成分規格がまだ設定されていないものの扱いについてお伺いしておきたいと思い、発言いたします。1995年に制度化され20年以上になるのですが、今回の収載でも未設定のものが相当数残っていると認識をしております。成分規格がなければ、品質の確保や安全性や有効性の確認も、理屈から言えばできないのではないかと思いますので、やはりここの収載をきちんと進めていただきたいと思っております。ただ、これだけ時間がたっている中でなかなか進まないということも伺っておりますので、今後の進め方がこのままのやり方でいけないのであれば、少し違う方法も考えるといったことも含めて、どのようにお考えかを伺っておきたいと思います。あまり長くかかってしまうようであれば、もともと例外的にということだったと思いますので、どこかで期限を切って、消除をするという対応も必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○事務局 御質問ありがとうございます。まず、規格の設定状況ですが、今回新たに規格を設定するものも含めてという形でお考えいただければと思います。そちらを含めて除いた形で申し上げますと、今のところ既存添加物365品目のうち、140品目程度については、まだ規格が設定されていない状況です。規格の設定に関しては、これまで厚生労働科学研究等を通じて、あるいは業界の自主基準等を踏まえて、成分規格についても先ほど御説明しました検討会で規格の設定をしてきた経緯がありますので、次の第10版でも同じような路線を取ることを考えております。

 併せて、安全性の検討ということで申し上げますと、後ほどの報告事項でもありますが、既存添加物の安全性点検を平成8年度の結果に基づいて、これまでやってきたところです。その際に、検討が必要であるとされた139品目のうち、残り4品目まできていますので、規格の制定とともに、安全性の確認も並行して進めてきた経緯があります。

 この残り140品目についても、同じような対応を取っていくことを考えております。また、これまでも流通実態のないものは消除ということをやってきていますので、そういった意味で流通実態のないものについても、引き続き消除等を図っていくことで、既存添加物の品質や安全性を確保していくことを考えています。

○若林部会長 二村委員、いかがでしょうか。

○二村委員 大まかな進め方としては理解をしておりますが、今までのいろいろな規格の設定の仕方で難しいのであれば、何か違う方法を考えることも必要なのかなと思っています。今日すぐではなくてもいいのですが、着実に1品目ずつきちんと管理をしていただければと思っております。意見ですので、回答は結構です。

○若林部会長 貴重な意見をどうもありがとうございました。そのほかに、何かありますか。佐藤委員、杉本委員、特に問題はないですか。

○杉本委員 既存添加物の方ですが、事務局から説明があったように、厚生労働科学研究の中で規格設定が難しく、成分的にも分かりにくいものについては、化学的なところで方法から含めて作らないと、できないものがあります。そういうものについては、研究的、基礎的なことから含めてやっており、ある程度できるものはできるようにしています。実際に、今回の89品目のうちの酵素以外についても、その方法が採用されているものもあります。ですが、御意見のとおり、20年たってもなかなかできないものもありますので、これらの規格設定の方法についても、迅速に進める方法を私自身も考えていますので、どのように進めるかは基準審査課と相談しながら今後検討したいと思っています。

○若林部会長 微生物関係で、鎌田委員、中島委員コメントなどはありますか。

○鎌田委員 特段ありません。

○若林部会長 よろしいですか。井手委員、特によろしいですか。それでは、一とおり御審議を頂きましたので、食品添加物の規格基準の改正については、これで認めるということでよろしいでしょうか。皆さん御了解いただいたということで、部会報告書を取りまとめ、分科会へ報告する手続を取ります。そのほか、事務局から何かありますか。

○事務局 御審議ありがとうございます。今後の手続の中で、細かい文言の変更等の軽微な修正が必要となった場合、修正内容について部会長に御確認いただき、特に問題がなければ手続を進めさせていただいてもよろしいでしょうか。

○若林部会長 このような事務局からの提案ですが、そのように進めてよろしいでしょうか。

○事務局 ありがとうございます。「食品、添加物等の規格基準」の改正については、既存添加物89品目について、新規の設定をさせていただくことになっておりますので、分科会では審議項目として進めさせていただきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。

○若林部会長 こちらもよろしいですね。では、そのようにお願いします。それでは、今後のスケジュールについてお願いします。

○事務局 今回の審議結果について、食品衛生分科会での審議のほか、パブリックコメント、WTO通報等の所定の手続を開始いたします。

○若林部会長 では、適切に手続を進めていただければと思います。それでは、本日の審議事項は以上です。次は、報告事項になります。1番目は、平成27年度過酢酸製剤実態調査の結果について、事務局より説明をお願いします。

○事務局 資料2を御覧ください。平成27年度過酢酸製剤の実態調査の結果について報告いたします。過酢酸製剤については、過酢酸等からなる6成分の混合溶液であり、過酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)等に関して、現時点では食品衛生法第10条の規定に基づく厚生労働大臣の指定がなされていない添加物が含まれている製剤です。過酢酸製剤の取扱いについては、平成25年4月3日に開催されました薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会で御審議を頂き、過酢酸製剤が添加物として指定がなされるまでの間、過酢酸製剤の残留実態調査を実施することになったものです。今回は、平成27年度に実施した過酢酸製剤の残留実態調査の結果について報告をするものです。過酢酸製剤の添加物としての指定については、平成28年1月29日に開催されました薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会及び同年3月1日に開催されました薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会において御審議を頂き、当該指定等が了承されたところです。現在、パブリックコメント、WTO通報が終了し、指定に向けた手続を行っているところです。

 実施方法を、1ページの2に記載しております。過酢酸製剤が使用されている国を含めた8か国から輸入される野菜類、果実類、食肉に関して、一般社団法人日本青果物輸出入安全推進協会等の御協力を頂き、輸入した貨物からサンプルとして提供を受けたもの若しくは購入したものを、検体として使用しています。

 分析についてです。オクタン酸については、GC-MSにより、HEDPについてはIC-MS/MSによって測定を行っています。結果については、2ページを御覧ください。表1、表2が、今回実施したオクタン酸とHEDPの検体数となります。オクタン酸、HEDPは、総数でそれぞれ96検体を実施しております。分析の結果について、オクタン酸については、野菜類4検体を除く全ての検体から検出されており、検出されているオクタン酸の含量は、野菜類で0.020.83mg/kg、果実類で0.042.0mg/kg、食肉で0.061.7mg/kgという結果になっております。HEDPについては、いずれの検体も定量限界未満という結果になっています。

 考察についてです。オクタン酸については、先ほど説明しましたとおり、ほぼ全ての検体で検出がされております。オクタン酸は、天然にも含まれているということで、実際に分析法を国立医薬品食品衛生研究所に開発していただいたときの検討では、国産のリンゴやオレンジからオクタン酸が検出されているとともに、国産の食肉からも一定量のオクタン酸の検出が認められています。併せて、オクタン酸の天然含量に関しては、海外でも検討がされており、一定程度のオクタン酸が検出されていることが報告されています。

 一方、HEDPですが、平成26年度の実態調査の結果では、食肉27検体のうち2検体から検出され、HEDPが検出された検体について詳細に解析を行ったところ、不均一に食肉の表面に付着しており、その付着量が微量であることが分かっております。今回調査した結果については、全ての検体で定量限界未満という結果でした。

 以上の結果から、今回調査した検体については、いずれも過酢酸製剤が使用されていたとしても、使用されていない食品と同程度の残留しかないか、あるいは過酢酸製剤は使用されていないものと推察されますが、平成25年度及び平成26年度の分析結果を踏まえると、後者である可能性が高いと推察されます。

 4ページ以降が、具体的なオクタン酸とHEDPの個別のデータの結果となっております。平成27年度の実態調査の結果については、以上です。

○若林部会長 過酢酸製剤については、この会及びこの上の分科会でも議論がされ、今承認に向けて進んでおります。事務局から説明がありましたように、この過酢酸製剤については諸外国で既に認められておりますので、ひょっとしてそのようなものが国内にあるのではないかということで、この過酢酸製剤の残留実態調査を行った結果です。その結果は、特に問題点はないという報告でした。何か御質問、コメントがありましたらお願いします。

○井部委員 最後の所で、これは結果から、食品の天然と同程度か、あるいは使用されていないものである。最後に、後者である可能性が高いとありますが、この根拠はどういうことなのでしょうか。実態がないとか、どうなのでしょうか。

○事務局 今回、HEDPが確認されていないということで、HEDPが使用されると均一に残っているだろうということで、今回の結果からHEDPが検出されたものは、いずれもないということが1つです。それと、HEDPは基本的に過酢酸製剤に入っているものですので、そちらから考えると使っていないということが1つと、オクタン酸についても先ほど事務局から説明いたしましたが、天然の量と変わるものではないという2つの理由から、使っている可能性は低いのではないかと考えております。

○若林部会長 よろしいですか。それ以外に何かありますか。

○戸塚委員 1点確認なのですが、今回測られた野菜、果物類は、可食部も含まれているのですか。これは表面に使うものなので表面だけを測ったのか、全部一緒くたに測ったのか、その辺りはいかがでしょうか。

○佐藤委員 これは表面殺菌なので、結局表面だけを抽出して、その液を測るという方法でやっています。

○若林部会長 それ以外に何かありますか。よろしいですね。それでは、特に問題点はないということで、次の報告に移ります。2つ目の報告事項は、マーケットバスケット調査について、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、平成27年度マーケットバスケット方式による甘味料の摂取量調査の結果について、説明いたします。お手元の資料3を御覧ください。まず簡単に、マーケットバスケット方式について説明いたします。マーケットバスケット方式とは、市場に流通しております食品を実際に購入し、その中に含まれる食品添加物の量を測定し、その結果に食品の喫食量を乗じて、食品添加物の実際の喫食量を求めるという方法です。

 本調査の目的については、実際に食品から摂取される添加物の量が、一日摂取許容量(ADI)と比べて問題ない範囲に収まっているかを確認することであり、リスク管理の一環として行っているものです。平成14年度から毎年行っている調査ではありますが、平成27年度については、20歳以上の喫食量に基づき、7種類の甘味料の一日摂取量調査を行ったところです。具体的には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、グリチルリチン酸、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア抽出物及びネオテームを対象として、加工食品群による摂取量調査を実施したものになっております。

 続いて、方法です。国立医薬品食品衛生研究所及び地方衛生研究所の機関において、マーケットバスケット方式調査用の加工食品群毎に混合した試料を調製し、食品添加物について混合試料毎の含有量を測定し、個々の加工食品群の20歳以上の喫食量を乗じ、一日摂取量を算出したものです。

 分析の結果、混合試料中の含有量が定量限界未満となった食品添加物については、当該食品添加物が含まれていないものと仮定して、混合群推定一日摂取量を算出したものです。また、今申し上げました調査とは別に、購入した食品のうち、調査対象添加物の表示がある食品については、食品毎に分析を行い、個々の食品の喫食量を乗じて、加工食品群毎に集計し、得られた結果に基づく一日摂取量を算出し、混合群推定一日摂取量と比較したものです。

 混合試料の調製の際の一日喫食量並びに、個々の加工食品群及び個々の食品の一日喫食量については、食品摂取頻度、摂取量調査の特別集計業務報告書の結果に基づいて作成した加工食品群、年齢、階級別の食品喫食量リストにあります20歳以上の一日喫食量を参考としたものです。

 結果及び考察です。混合群推定一日摂取量を、2ページの表1に示しております。各甘味料の一日摂取量ですが、アセスルファムカリウムが最も高く1.357mg//日。次いで、スクラロースの0.825mg//日でした。また、混合試料分析の妥当性を確認するため、表示群推定一日摂取量と混合群推定一日摂取量を比較した結果、何れの添加物も混合群推定一日摂取量と表示群推定一日摂取量は、概ね一致していました。また、混合群推定一日摂取量については、JECFA又は内閣府の食品安全委員会において設定されておりますADIに対する占有率(対ADI比)を、2ページの表2に示しております。こちらから、対ADI比が最も高かったものは、ステビア抽出物の0.25%、次いでアセスルファムカリウムが0.15%でした。

 さらに、群別食品中の含有量と年齢層別食品喫食量を用いて算出した年齢層別の一日摂取量を、3ページの表3に、年齢層別の対ADI比を、3ページの表4に示しております。これらの結果から、どの年齢層においてもADIを大きく下回っており、これらの添加物については安全性上特段の問題はないと考えられたと結論付けております。説明は以上になります。

○若林部会長 それでは、質問、コメントをお願いいたします。大変恥ずかしい質問なのですが、今回は7種類の甘味料をやりましたね。毎年、マーケットバスケット方式が報告されているのですが、対象食品添加物というのは年度毎に対象品目が変わってくるのですか。それとも、ある一定、それとも少しオーバーラップしているのですか。これは、どういう規格で、誰がこの7種類を選ぶことになっているのでしょうか。

○事務局 品目については、例えば各甘味料や着色料などのグループ毎に分かれており、一定年度毎に確認を行っています。昨年度であれば、例えば保存料、着色料、甘味料、これは小児に対してですが、今年度平成27年度は甘味料となっております。

○事務局 一部補足いたしますと、用途毎に経年変化を見るということで、一定サイクル毎に用途毎で見ている形になっています。それぞれの用途の中での添加物については、最近指定された添加物を入れるかどうかといったようなことも考えながら、対象となる添加物を選定しております。

○若林部会長 それ以外に何かありますか。今回対象とした7種類のマーケットバスケット方式のものに関しては、残存量など、特段大きな問題点もなかったという報告だと思いますが。

○中島委員 疑問というほどのことでもありませんが、アスパルテームはどの調査でも全く摂取されていないという調査結果になっておりますが、アスパルテームは今でもそれなりに製造はされていたと記憶しているのですが、これは実際はこういうことであったということでよろしいのでしょうか。

○佐藤委員 結局、マーケットバスケット方式では、スーパーなどで売っているものを、例えば飲料であれば、清涼飲料何本といった形で購入するときに、原材料表示を見ないでパッと自分がこれだと思ったものを手に取って、それを購入するようにしています。6地域で購入していますが、たまたま今回アスパルテームの入った製品を購入しなかったということで、アスパルテームを一切摂取していないということではなくて、シェアとしてアスパルテームの入っている製品が少し減ったという、確率論的に今回購入しなかったということです。結局、いろいろなものに入っていなければ摂取する可能性としては低くなるだろうというような形で見ていただくことになりますね。

○中島委員 そのようなところだろうと思っておりました。

○若林部会長 そのほかに何かありますか。よろしいですか。特に御意見がないようですので、3つ目の報告事項に移ります。3つ目の報告事項は、既存添加物の安全性の見直しについてです。事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 資料4に基づき、報告いたします。こちらは、表題にもありますが、ブドウ種子抽出物とラック色素という既存添加物2品目については、昨年度の本部会において、安全性点検の結果を報告いたしました。その際に、委員から検索を行ったところ、幾つかの文献が見付かったという御指摘を頂きましたので、頂いた文献に基づき、改めて既存添加物安全性評価検討会で検討いたしましたので、その結果について報告いたします。

 まず、資料4の5ページにありますブドウ種子抽出物ですが、こちらについてはブドウ種子抽出物の試験ということで、5つの文献について御指摘を頂いております。大きく分けて、ジャーナル等の文献と、アメリカの制度のGRAS申請用の資料をお示しいただいております。このうち、GRASで申請された部分については、既にこちらのモノグラフの中に記載がされていたということで、新たな追記はさせていただいておりませんが、一部現状、もともと企業秘密データという形で記載されていたものについて、具体的にそのようなジャーナル等の名前が出てきたということで、そのような名前に変更をしております。

 残る2つの文献については、昨年度の報告書に記載がされていなかったことと、安全性評価において参考になるデータであることから、追記をさせていただいております。具体的には、7ページの引用文献の中にあります5番と6番の文献について、新たに追記をさせていただいております。具体的に5番と6番については、5番は6ページの反復投与毒性試験の一番最後のパラグラフにありますSDラットを用いた混餌投与の試験という形で追記しております。6番の文献については、7ページの遺伝毒性試験の中の一番最後にあります、マウス骨髄を用いた小核試験の結果を報告しております。こちらを含めて、改めて検討結果を検討いたしましたが、5.の検討結果に記載してありますように、人の健康に対する懸念は認められなかったという結果に変更はないと考えております。

 続いて、ラック色素です。ラック色素の文献として、大きく3つの文献を頂いております。光毒性に関する内容、エストロゲンに対する作用の報告と、アレルギーに関する報告について御指摘を頂いております。まず光毒性に関する文献に関しては、光毒性そのものについてOECDでのテストガイドライン化が検討された際に、遺伝毒性の専門家会議において、擬陽性が多いといったようなことが指摘されていることから、テストガイドライン化するに当たっては推奨しないという結論が出ているということで、光毒性の試験法そのものが確立されていないと考えておりますので、今回の評価の中では用いないという形で追記はしておりません。

 続いて、エストロゲンに関する作用です。こちらについては、エストロゲン作用に関しての検討は過去のほかの添加物でもされていることや、今回御提案いただいた文献については、昨年度の報告書の中にも入っていなく、安全性評価において参考となることから、こちらのモノグラフに追記をしております。具体的な記載の中身については、9ページの()その他の試験として追記をしております。

 最後に、アレルギー性に関する文献です。こちらについて検討いたしましたが、同様にアレルギーに関して報告がありますコチニール色素との比較の観点で申し上げますと、コチニール色素ではアレルギー誘発の症例報告がされておりますが、ラック色素ではいまだされておりませんので、今回の報告については記載をしないことにしたいと考えております。ただ、今回頂いた文献の中からは、アレルギー性の可能性が否定できないとなっておりますので、そちらについてはラック色素について、情報を引き続き収集していきたいと考えております。事務局からの説明は以上です。

○若林部会長 2つの品目、ブドウ種子抽出物及びラック色素に関しての見直しの調査研究について、一般毒性や遺伝毒性、又は光毒性について事務局から説明がありました。何か追加すべきことはありますか。小川委員、もしコメントがあればお願いします。

○小川委員 頂いた意見に関しては、担当者でもいろいろ検討いたしましたが、一部追記して、一部添加物の試験としては特に記載する必要はないであろうということで、このような形にさせていただきたいと考えております。

○若林部会長 二村委員、この2件に関して何か御意見がありましたらお願いします。

○二村委員 評価を頂き、概ね理解をいたしました。アレルギーの件だけは、先ほどありましたように、引き続きウォッチをしていただければと思っております。全体としては、頂いた内容で理解をし、了解をしております。ありがとうございました。

○若林部会長 それ以外に、何かこのブドウ種子抽出物及びラック色素の安全性の見直しについて、御意見、コメントがありましたら、どうぞ。

○吉成委員 本筋には関係ないのですが、誤表記ではないかと思っている所があります。6ページの3行目から始まるF344の試験で、摂取量が雄ですと13.31291,410となっていて、無毒性量が1,400となっています。これは、多分1,410の誤記ではないかなと思います。

 もう一つは、「ともに雄」という書き方が変かなと思います。下のSDラットのように、共に2%で雄いくら、雌いくらと書いたほうがよいのではないかと思います。本筋とは関係ありませんが、確認していただければと思います。

○若林部会長 事務局、お願いします。

○事務局 御指摘を踏まえて、修正させていただきます。

○若林部会長 それ以外に、何か御意見、コメントはありますか。よろしいでしょうか。特にないようですので、以上で3つの報告を終了いたします。3つの報告と審議事項が1つありましたが、全体を通じて何か追加、発言、又は関連事項でも結構ですが、コメントはありますか。御発言がないようですので、次回の予定等について事務局からお願いします。

○事務局 お忙しい中、御審議いただきましてありがとうございます。次回の添加物部会については、現在日程調整をしておりますので、日時、場所、議題等については、改めて御案内をさせていただきたいと存じます。

○若林部会長 本日は天気が悪い中、御協力いただきましてありがとうございました。以上で、本日の添加物部会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課

添加物係: 03-5253-1111(内線 2453,2459)

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