ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(医療保険部会 治療用装具療養費検討専門委員会)> 第2回社会保障審議会医療保険部会 治療用装具療養費検討専門委員会議事録(2016年8月30日)




2016年8月30日 第2回社会保障審議会医療保険部会 治療用装具療養費検討専門委員会議事録

○日時

平成28年8月30日(火)13時00分(目途)~14時00分(目途)


○場所

全国都市会館 大ホール(2階)


○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長) 清水恵一郎 伊奈川秀和
幸野庄司 村岡晃 飯山幸雄 後藤邦正
徳田章三 高橋啓次 坂井 一浩
<事務局>
鈴木保険局長 濱谷審議官 迫井医療課長 矢田貝保険医療企画調査室長 他

○議題

治療用装具に係る既製品のリスト化について

○議事

13時00分 開会


○遠藤座長

 それでは、まだ定刻に若干時間がございますけれども、委員の皆様が御着席ですので、ただいまより「第2回社会保障審議会医療保険部会治療用装具療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

 まず初めに、委員の交代について御報告をいたします。池上秀樹委員に代わりまして幸野庄司委員、山崎岳委員にかわりまして後藤邦正委員、佐久間雅之委員に代わりまして宮澤誠也委員が当専門委員会の委員として発令されております。

 続きまして、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、新田委員、原田委員、河野委員、宮澤委員が御欠席です。

 次に、前回の「社会保障審議会医療保険部会治療用装具療養費検討専門委員会」以降、事務局に人事異動がございましたので、事務局から紹介をお願いします。

○保険医療企画調査室長

 まず、欠席しておりますが、保険局長が鈴木になりました。

 また、大臣官房審議官、濱谷でございます。

 欠席しておりますが、総務課長、城、医療課長、迫井でございます。

 高齢者医療課長、泉でございます。

 調査課長、山内でございます。

 今、医療課長、局長がいらっしゃいました。改めまして、保険局長の鈴木と医療課長の迫井でございます。

 最後に、私、保険医療企画調査室長の矢田貝でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤座長

 どうもありがとうございます。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は、「治療用装具に係る既製品のリスト化について」を議題とさせていただきます。事務局から資料が提出されておりますので、まずは、「リスト化に当たっての基本的な考え方について」の議論を行って、引き続いて「提案品目に対する検討について」は整理番号ごとに審査していきたいと考えております。

 それでは、まず「リスト化に当たっての基本的な考え方について」、事務局より説明をお願いしたいと思います。

○保険医療企画調査室長

 それでは、お手元の治-2とあります「治療用装具に係る既製品のリスト化について」の基本的な考え方の資料について御説明いたします。

 おめくりいただきまして、通し番号で2ページ、スライド番号3ページでございます。

 まず、復習でございますが、治療用装具に係る既製品のリスト化について、現状と背景でございますが、治療用装具に係る療養費につきましては、治療用装具は治療のために用いる装具で、障害のほうの補装具は障害が固定した場合につける補装具でございますが、この補装具の障害のほうの購入基準で定められた価格を基準として、治療用装具の価格は算定することとされているという前提がございます。この障害のほうの購入基準というのは、支給額を算定する場合の基準であって、治療用装具としてどこまでの範囲かというものを示したものではございません。

 3つ目のポツにございますが、保険者判断により支給することが可能なのですけれども、治療用装具の償還の対象となるかどうか、判断が分かれているケースが散見されているものでございます。特に最近、治療用装具というのはオーダーメイドで作製されたものを基本でずっとやってまいりましたが、疾病または負傷の治療遂行上必要な範囲のものであれば、既製品であっても保険者判断によって療養費を支給することが可能となってございます。その既製品の申請が増加している状況にございますが、購入基準ではオーダーメイドのものしか載っていないので、既製品に関して療養費の支給対象になるかどうか、特に曖昧になっている現状がございます。

 こうした中で、下の四角でございますけれども、療養費の支給に係る既製品の扱いについて、保険者の対応においても差があるとの指摘があることから、一定の基準を満たす既製品をリスト化することで、支給決定の円滑化に資することが期待されるのではないかということで、このリスト化を進めていこうということでございます。これは、3月のこの会議でも議論があったものでございます。

 次の3ページ、スライド4でございますが、そのリスト化の対象と基本的考え方の案でございます。

 リスト化の対象につきましては、以下の3つの要件、完成品であること、疾病または負傷の治療遂行上必要なものであること、そして、オーダーメイドで製作したものと同等もしくはそれに準ずる機能が得られるものと認められるものをリスト化していってはどうかということでございます。

 基本的考え方について、1から3までは、通知で明記するとしていますが、このリストの対象品目の追加や見直しは、随時行うこと。

 リスト収載された製品であっても、療養費としての最終的な支給の可否は、個々の患者の状況に応じて、正当な利用目的、必要性の有無、代替品の可否を鑑みて、保険者において判断することが前提であること。

 3つ目に、反対に、リストに載っていないからといって、個別の製品・事例に照らして、保険者において、療養費として支給の可否を判断することができるということでございます。

 4つ目には、その価格の設定のために、どのような方法が考えられるか、今後検討したいと考えてございます。

 次に、リストに表示する順番及び項目につきまして。

 順番につきましては、ここに書いてございます部位、機能、型式。

 そして、表示する項目は、下の四角にある製品名、メーカー名、製造品・輸入品の別、適応例、装具の機能・目的、備考というものでございます。

 めくっていただきまして、通し番号4ページ、スライド番号6にありますリスト(案)のイメージというものが、今回、御議論いただいた上で、こういうリストをつくっていく作業をしていきたいと考えてございます。

 その際、1つ御相談というか、御議論いただきたいことがございまして、それがスライド番号7、4ページの下でございますが、オーダーメイドで製作した場合の価格を表示した場合の影響ということで、3月の議論のときには、この価格を表示したらどうか。具体的には、当面の間はオーダーメイドで作製した場合の価格。それは、補装具の購入基準による価格というものを、療養費の支給対象となる額の上限額としてリスト化してはどうか。つまり、同じような商品の補装具のほうの価格というものを、それはオーダーメイドでの価格なのですけれども、それを示して、既製品のものについてもそこを超えることはできないという額を示してはどうかという議論がございました。

 それを参照して支給額の決定を行うことができるというメリットはあるのですけれども、一方でデメリットといたしまして、今回、各委員に事前の確認の際に御相談したときに、大半のケースでは、既製品の実際の購入額は、オーダーメイドで作製した場合の価格を下回ることから、適正化の効果は限定的と思われる一方で、オーダーメイドで作製した場合の額を表示したことによって、かえって既製品相互の販売価格の引き上げにつながる可能性がある。つまり、オーダーメイドでつくった場合、当然、高い価格になることが大半でございますので、その価格を示したら、既製品であるにもかかわらず、その価格に引っ張られてしまうのではないかという御指摘がございました。

 このため、一番下の四角に書いてございますとおり、適正化の効果は限定的であるのに対し、価格を表示することで、かえって価格の引き上げにつながりかねないというデメリットのほうが大きいと考えられることから、オーダーメイドで製作した場合の価格というものをリストに示すことはしないようにしてはどうかという御提案でございます。ただし、保険者のほうで、補装具の購入基準の価格というものを計算・比較して、支給額はそこまでと決定することを妨げるものではございません。

 基本的考え方の最後でございますが、通し番号の5ページ、スライド8の既製品のリスト化の流れでございますが、既製品の調査をして、マル3で提案をいただきまして、厚労省のほうで事務局案をつくって、それをこの専門委員会の各委員に事前確認をしていただいて進めていくという進め方でございまして、今回、6ページ以降にあるものが事前確認していただいた結果でございます。それをこの後、御議論いただこうと思っています。今日は、一番右側のリスト収載の決定という御議論をしていただくというプロセスで進めているものでございます。

 まず最初の基本的な考え方については、以上でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ただいまの基本的な考え方についてでございますけれども、何か御意見、御質問、ございますか。

 それでは、高橋委員、お願いします。

○高橋委員

 義肢協会の高橋でございます。第2回専門委員会の開催、誠にありがとうございます。

 それでは、単刀直入に言います。リスト化に当たっての基本的な考え方について、まず治療用装具の定義というものがございませんので、定義を決めていただきたいと思っております。定義が欠けていますと、正しい問題認識がずれるため、議論そのものが不明瞭になってしまいます。装具は定義が決まっております。義肢装具士法の第1章第2条節で、義肢装具の定義が具体例で示されております。用語としてもJIS用語で決められています。補装具の定義も決まっております。これは、障害者自立支援法施行時に決められました。

 しかし、治療用装具ということになりますと、定義は決まっておりません。定義が不明瞭にかかわらず運用していくと、制度が曖昧になってしまうのではないかと危惧しております。定義を定めた後にブレークダウンというか、さらに細分化していただきたいと思います。

 一つの例を申しますと、治療用装具はオーダーメイドで製作されたものが基本といった考え方がありますが、このような限定的な考え方は現場・現状に一致しないと思っております。実は、補装具も基本的にオーダーメイドであると定義されております。しかし、補装具に含まれる車椅子にもオーダーメイドとレディーメイドがあります。治療用装具も同様に、オーダーメイド、レディーメイドの活用の必要性があるはずなので、定義というものを御検討していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○遠藤座長

 御意見として承りましたが、何か定義について事務局、コメントがありますか。

○保険医療企画調査室長

 おっしゃるとおり、治療用装具というものは、まず法律上は療養費という、給付の制度の中で位置づけられてきたものでございますので、法律上に治療用装具というものが明確に出てくるものではございません。療養費として、この治療用装具が支給できるということで、過去、通知や疑義解釈等で、こういうものは治療用装具として支払われるものである。例えば、サポーターはどういう場合に支払われるでしょうか、コルセットだったらどういうものが支払われるでしょうか、義眼についてはどうでしょうかというように、過去、個々にこういうものが治療用装具として認められるという積み上げによって示してきているという経緯がございます。

 そうした中で、明確な定義をつくっていくということについては、今、具体的には定義がないのですけれども、また今後の議論の中でメルクマールみたいなものができるかどうかということは、今後の検討課題とさせていただきたい。今の時点では、特にそういうものがあるわけではないということですので、そういう御意見だと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございました。

 ほかに、御意見、御質問、ございますか。

 では、幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 池上に代わりまして、今回からの出席になります幸野でございます。どうぞよろしくお願いします。

 まず初めにご質問させていただきます。リスト化するということについては、前回までの委員会で決まりました。では、何をリスト化するかというと、4ページのスライドのリスト化の対象というところで、マル1、完成品であること。マル2、疾病または負傷の治療遂行上必要なものであること。マル3、オーダーメイドと同等もしくはそれに準ずる機能が得られるものと認められるものという3つの考え方が示されております。

 これらを満たすものについては療養費の支給対象であるということだと思いますが、そういうものがリスト化の対象であれば、リスト化されたものについては療養費の支給の要件を満たしているという前提で考えますが、その下に、リスト収載されたものであっても、最後は保険者判断であると書かれていて、リストにない製品でも支給対象になる場合もあるというのは、何か矛盾しているような感じがするのですけれども、そのあたりはどのように捉えたらよろしいのでしょうか。

○遠藤座長

 リスト化の製品と療養費の支払いとの関係ですね。今の御疑問について、事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 今回のリスト化の趣旨の御説明とイコールになるかと思うのですけれども、3ページに書いてございますとおり、これまではオーダーメイドで医師が必要だと言って、治療用装具をつくるというものに対して、療養費で治療用装具を支払ってくるというのが原則であったという経緯がある中で、近年は既製品の治療用装具がありまして、それを義肢装具士の方が患者さんに個別に調整して使うことによって、療養費として支払われることが増えてまいりました。

 そうした中で、どういう既製品のものであれば、この治療用装具の対象になるかどうかというところが、実は保険者ごとに個々に、この場合はどうだろう、あの場合はどうだろうと判断しなければならないという状況がございました。

 そうした中で、あまたある治療用装具になり得る既製品の中で、こういうものは通常、きちんと完成品であり、治療上使われるものであって、しかもそれはオーダーメイドで製作したものと同等、それ以上の機能が得られることが、一般的にはそうだろうということで、こういうものであれば基本的には支給するという方向で検討してもいいのではないかというものをリスト化することによって、保険者における審査の統一化、もしくは簡素化が図れるのではないかということで、今回、リスト化を検討しているというものでございます。

 ですので、このリストに載ったものが、治療用装具としてふさわしい第1候補になるというものではございますが、当然、それが基本的考え方の2に書いているものについて、個々の患者さんの状況に応じて、本当にそれが必要なのかどうか。それが正当な治療のための目的で使われているのか、違う目的のために使われているというケースもあると思います。そういうもので必要性があるか、代替品の有無。つまり、その製品を患者さんが治療上ではなくて、別の目的で使っているのではないかというときは、保険者さんがそれを支払わないこともあるでしょう。

 つまり、リストに載っていれば必ず支払わなければならないというものではなくて、そこの最終的な判断は保険者がするものであるというのがマル2でございます。

 逆に、リスト収載されていないものであっても、マル3でございますが、先ほど言ったとおり、あまたある中で、これらについては治療用装具の第1候補として考えても大丈夫であるというものをリスト化していますけれども、そうでないものであっても、保険者の判断で、これは通常の治療用装具と同じようなものであるので、支払ってもいいという判断まで妨げるものではないということを書いているものでございます。

 当然、今回御議論いただきますけれども、今後増えていきますので、入っていないからだめというものでもないですし、入っているから支払わなければだめというものではないということを、この基本的考え方に書いているものでございます。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 ありがとうございました。

 ということは、「疾病または負傷の治療遂行上必要なものであること」というのは、一般的であって、個々の患者によって違うと解釈してよろしいわけですね。

○保険医療企画調査室長

 そのとおりだと思います。治療上必要かどうかというところについての判断がきちんとなされて、治療用装具として支給されるということだと思います。もし違うのであれば、御意見いただきたいと思います。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 リスト化しても、保険者最も判断に迷うところはおそらくそこだと思っておりまして、リスト化されたものは支払うのが前提となると思ってしまうため、この製品はリスト化されているけれども、個人によって治療用であるかないかというのは、その症状により異なるということも、しっかり通知に示していただきたいと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、基本的な考え方につきましては、このぐらいにさせていただきまして、続きまして、提案品目、整理番号順で、継続審議またはその他の意見があるものについては個別に、特段意見がないものについては、まとめて事務局から説明いただいて、皆様にお諮りしたいと思います。

 事務局から、整理番号1について、まずは御説明をお願いしたいと思います。

○保険医療企画調査室長

 それでは、まず全体の状況を御説明申し上げます。

 通しの6ページ、スライド番号10と書いているものでございますが、今回、御議論いただくものは、6月21日付けで事務局宛てに提出のあった20品目のうち、書類不備等がなかった17品目について審査対象としてございます。通しページの7ページから8ページ、9ページまであるのがその一覧表でございます。

 この中で、また6ページの上に戻りますが、10品目については事務局意見、専門委員会の委員による意見が全て「適」であったものでございます。残る7品目について、「継続審議」又は「その他」の意見があったものでございますので、本日は、先ほど座長からもございましたが、一つひとつやっていきますけれども、「継続審議」もしくは「その他」の意見があったものについては、特に御議論いただきたいというもので資料を用意してございます。

 通しの10ページを見ていただきますと、まず最初の整理番号1の「ヒッププロテクター」でございます。参考資料が配られていると思いますが、1ページのものでございます。

 これにつきまして、10ページの中ほどですが、事務局意見、継続審議。専門委員会による意見でも継続審議があり、医師以外からも継続審議5というものがございます。

 それらの御意見について整理したものが、通し番号11ページ、スライド12番のパワーポイントの「ヒッププロタクター(整理番号1)について」でございます。

 この製品につきましては、スライドの専門委員会委員による意見のところをごらんいただければと思いますが、お配りした資料をもとに事前に審査していただきましたところ、既製品と比較して股関節にかかる荷重の4割を削減できるとなっているけれども、その根拠について確認する必要があるのではないか。

 治療上の有用性につき、さらなる検討が必要ではないか。

 変形性股関節症の痛みに対する効果について、エビデンスが不足しているのではないかという御意見がございました。

 ですので、整理番号1についての対応案といたしまして、変形性股関節症の痛みに対する効果について、検証データの提出を求め、その上で改めて審査すべきではないか。併せて、既存品と比較して股関節にかかる荷重の4割を削減できるとしている根拠について、検証データの提出を求め、確認する必要があるのではないかというのが、事前にいただいた専門委員会からの意見をもとにしました事務局からの対応案の提案でございまして、これについて、このような形で継続審議とすることでよろしいか、御意見をいただければというものでございます。

 実は、この整理番号1につきまして、その他のところでも共通の御意見をいただいているところがありますので、ここは整理番号1の問題だけではないのですけれども、あわせて御議論いただきたいことが、次の通し番号12ページのものでございます。これも、今回、このセクションであわせて御議論いただきたいのですが、安全性の担保について、1人の委員の方から御意見があったものでございます。

 次の13ページの整理番号2を見ていただきますと、上から5つ目に安全性のチェック欄がございます。Aが「安全性試験又は品質試験等が実施されており、安全性については十分と認められるもの。Bは「十分な販売実績があり、重大な事故についても報告されていないため、安全性については十分と認められる」とされるもの。Cが「提出された資料からは、安全性について判断できない」もの。Dが「その他」となっておりますが、今回、17品目、見ていただいた中で、Bがついたものについて、どのように取り扱うかということについて、Bがついた1番のほかに、8番、12番、18番、19番をどうするかというものでございます。

 これについて、1人の専門委員会委員の方から、Bになっているものについては、何らかのデータをもって検証する必要があるのではないかという御意見をいただいております。

 論点といたしまして、4つポツで書いてございますが、オーダーメイドでの治療用装具については、安全性の試験などは、オーダーメイドでございますので行われていないこと。もしくは装具の完成品について、JISISOなどの試験規格もないことから、安全性試験等が実施されていない既製品が多数存在する現状がございます。

 そのようなものであっても、十分な販売実績があって、かつ重大な事故の報告もないという既製品が多数ございます。

 3つ目のポツですが、既製品の装着の場合でも、医師の指示のもとに義肢装具士が安全性等も含めて身体への適合確認などを行っている状況がございます。

 一方で、既製品であっても、メーカーによっては、自社基準での安全性試験等を実施している例も見られることや、輸入品の場合、CEマーク、EUの安全マークを取得している例も見られるということがありますので、それは先ほどの安全性のAに当たりますけれども、これらとの対比において、試験を実施していないものをリストに収載することの是非について、最初でございますので、整理しておく必要があるかと思っています。

 対応案、12ページの下段でございますが、事務局としましては、Bという欄をつくったこともそうですけれども、医師の指示のもとで、義肢装具士が安全性も含めてフィッティング、身体への適合確認等も行っている現状を踏まえますと、安全性試験とか品質検査などを実施していないとしても、過去の十分な販売実績があって、かつ重大な事故の報告もない既製品、つまり市場で大分長期間、それなりの数が流通している既製品について、安全性は十分と認められるといえるのではないかという対応案を御提案しておりますが、これについても、1、8、121819の共通の項目として御議論いただければと思います。

 整理いたしますと、整理番号1、個別の問題として、これについて検証データなりのデータを求めるということで継続審議にしてはどうかということについてと、安全性の担保について、Bとなったものの取り扱いについての御意見を、このセクションでいただければと思います。

 よろしくお願いいたします。

○遠藤座長

 そうしたら、まず、この安全性のほうを先に議論いたしましょうか。12ページ、Bの扱いですけれども、事務局案では、Bであっても、つまり安全性の試験はしていなくても、販売実績が十分あって、重大な事故の報告がなければ安全性が担保されていると考えようということですけれども、これについて何か御意見、ございますか。

 お願いいたします。

○坂井委員

 義肢装具士協会の坂井でございます。

 義肢装具士は、医師の処方のもとに義肢や装具を適合する。医師は、義肢や装具の適合の判定をするということになっております。

 今の安全性のことに関しましては、2つのレベルで安全性があるのかなと思っておりまして、私ども、医師もそうですけれども、義肢装具士に関しましても、その製品が当該の患者に安全かどうかというのは、1つは、医学的な根拠、医学的なもので、禁忌ではないという安全性、これは担保できるのかなと思っておりますが、製品としての安全性というのは、例えば強度といったところまで私どもが保証できるかというと、ちょっと難しい部分もあるのかなと思っております。

 以上です。

○遠藤座長

 ということは、つまりBでは、必ずしも安全性が認められるということではないという御意見だと承っていいのですか。

○坂井委員

 実際、我々が製品を当該の患者に適合するときに、強度的なものは試験はしませんけれども、手で曲げてみたり、力を加えてみたりして、確認する項目がございますけれども、それが果たして安全性を担保しているというところにつながっているかどうかというのは、疑問であるということです。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見、ございますか。

 徳田委員、どうぞ。

○徳田委員

 日本義肢協会の徳田でございます。

 整理番号1につきまして御説明がいろいろありましたけれども、これにつきましての意見がいろいろと出ております。

○遠藤座長

 まず、1の承認よりも、共通してありますBの安全性について、どうお考えになるかということをお聞きしたいと思います。これは幾つかの項目と関連するわけでありますので、最初の坂井委員の発言は、必ずしも安全を担保するということではないのではないかというニュアンスの御発言だったと思います。

 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

 高 安全性の担保につきまして、メーカーとしての製品の材料テスト、品質テスト等、何らかの評価テストを提出する必要はあるかと思います。しかし、治療用装具としての安全面の担保というところは、義肢装具士協会と同様ですが、処方する医師によって確認されているわけです。また、義肢装具士法で定められた義肢装具士の業務として、資格要件の中にも、装具の採型・製作、適合調整、装着指導並びに保守管理を行うということを業務指針の中で決められております。言いかえれば、それが安全の担保であると協会のほうは考えております。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 技術的になかなか難しいところですけれども、ほかに御意見、ありますか。

 村岡委員、お願いいたします。

○村岡委員

 初歩的な質問ですが、「かつ重大な事故の報告もない」と書かれているのですけれども、こういったケースについて報告義務というのはあるのでしょうか。どこで重大事故というのは把握するのでしょうか。

○遠藤座長

 医薬品や医療機器のような報告義務があるのかどうかということですね。

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 そのような報告義務は、少なくとも厚労省に対して、これについて事故があったときに出せというものはございませんので、申請のときに、過去、そういう事例を把握しているかどうかということを聞くということでの確認になります。

○遠藤座長

 そういうレベルの情報の把握の仕方だということであります。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 これは、技術的な内容とも絡むのですが、どういたしましょうか。今のお話ですと、Bを自動的に安全性を担保していると考えることに対しては、若干疑義もあったということですが、一方で、安全ではないかという御意見もあったということです。これは、仮にBだということで、これが自動的に安全性が認められるということにしないとなると、Bも含めて個別に総合的に考えるということですか。事務局の考え方をちょっとお聞きしたいと思います。事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 仮にBで、過去、何年間も売られていて、かなり流通しているから、安全性について事故報告もないから大丈夫だろうという方法がだめだといたしますと、これは今、考えられる案としては、Aでなければだめだ。つまり、安全性の試験とか品質試験等を実施しなければためだ、もしくはそれにかわる何かをリスト化の提案のときに出していただかないと、そういうものがないと判断できないことになってしまう。

 事務局としてちょっと懸念しておるのは、この論点のところに書きましたけれども、実際、既製品の中では、試験規格も特にございませんので、自社の試験みたいなものをしていないもののほうが、かなりの数、あるのではないかという状況があるので、そうしたものについて、試験をするまで、試験を自社でするとか、書類が揃うまではリスト化しませんということになりますと、リストへの掲載が遅れることになろうかと思います。それでも、ここはリストに載せるからには、試験を受けさせるべきということなのか、過去にある程度の実績がある製品については、初めて売りますとか市場に出たてでないものについては、よしとするのか、そこの御判断をいただければと思っております。

○遠藤座長

 そういうことですが、それを踏まえて何か御意見、ございますか。

 それでは、坂井委員、お願いいたします。

○坂井委員

 先ほど高橋委員のほうからもありましたとおり、義肢装具士の業務の中で義肢装具の保守管理という部分にこれが該当するのであれば、義肢装具士が安全性を評価するということではなくて、安全性を確認しているという捉え方で可能かなと思っております。

○遠藤座長

 ということは、私、その辺の細かい事情は余りよくわからないのですが、同じBがついていても、そのような状況で装着させるものについてはよしとするということなのですか。それともそうでないものもあるということですか。申し訳ありません。私がよく事情がわからないので、事務局、ちょっとフォローしていただけますか。

○保険医療企画調査室長

 治療用装具につきましては、必ず義肢装具士さんがフィッティングをする。これは、既製品であっても、既製品を買ってきてつけるだけじゃなくて、義肢装具士さんがきちんと管理のもとでフィッティングをするということでございますので、その際に、その患者さんにとって安全かどうかということの確認をしていただいているというのは、高橋委員、坂井委員の御議論かと思います。

 一方で、その製品自体の安全性が確認できるかどうかということは、個々の患者さんへのフィッティングで安全性、合っているかどうかという確認はできるけれども、商品としての安全性については確認できないというのが坂井委員の御意見だったかと思います。そこの商品としての安全性の確認方法として、商品試験を受けていなくとも、過去、治療用装具として使われてきたという実績があることをもって、かつ、重大な事故が発生していないということをもって、安全性があると判断することの可否についてどうかということだと思っています。

 そのフィッティングの問題も、個々の人に対して安全確認できますけれども、商品としての安全性については、過去の販売実績ということで確認して大丈夫かどうかということの御意見をいただければということと思います。

○遠藤座長

 私が聞いた質問はそうじゃなくて、先ほど坂井委員がおっしゃった最後の発言は、結局のところ、高橋委員が言われたように、装具を装着する段階で確認しているから、そういう意味では、Bであっても製品としての安全性は担保されていると考えてもよいということをおっしゃったという理解でよろしいわけですね。そういうことですね。したがいまして、そういう意味では、Bであっても必ず義肢装具士が装着するのであればいいということで、しかも全て義肢装具士が関与することになるわけですね。ということなので、Bでも安全を担保されているという御意見だということ。

○保険医療企画調査室長

 すみません、ありがとうございます。

○遠藤座長

 ということですが、支払い側のほう、いかがでしょうか。何か特段御意見、ございますか。

 ということであれば、まずA、Bは安全だということで対応させていただくことにさせていただきたいと思います。

 それでは、1に戻りましょう。整理番号1、11ページについては、事務局の対応案が出ております。したがって、対応案のとおりの要求をして、継続審議するというのが事務局案でございますが、いかがでございましょうか。

 では、徳田委員から。

○徳田委員

 整理番号1のヒッププロテクターにつきましてですが、先生方による意見が何項目か出されております。まず、本装具を選定した理由といいますのは、治療用装具、いろいろな部位があるわけですけれども、それぞれ身体の部位で偏りが生じないということで、下肢装具の中では股関節装具に分類されております。その中の一つとして提出いたしました。

 このヒッププロテクターは、股関節の免荷を目的としております。股関節を免荷して歩行する必要がある場合は、坐骨支持式の長下肢装具、非常に大きな装具になるわけですけれども、これを使用することが多いと思われますが、大腿部だけの装具である程度の免荷効果があるということで、長下肢装具のような大きな装具を使用しなくてもよいということがメリットであって、また患者にとっても非常に装着しやすいコンパクトな装具であるのではないかということであります。

 この装具は、本来は身体に合わせて、オーダーメイドで製作する装具でありますけれども、坐骨支持式という特殊な技術が必要でありますので、規格化を行って、義肢装具士が患者の個々の状態に合わせて適合を行えることにした製品でありますので、特に義肢装具士が関与する度合いが高い製品ということで提出しております。

 荷重量という問題も出ておりますが、4割の荷重の削減といいますと、これは坐骨支持式の長下肢装具の坐骨面の荷重量と比較してということでありますので、これにつきましてはメーカーも免荷効果、また荷重量についての試験も行っているのではないかと思います。私ども日本義肢協会としましても、本委員会に提出される資料の添付につきましては、個別に詳細な臨床データの提出は求めておりませんでしたので、メーカーからも出されていないというのが現状であります。

 それと、年間の販売実績は非常に少ないということでありますけれども、対象症例が主に変形性股関節症という限られた症例でありますので、その中で保存的治療の一つとして使用されておりますので、数量としてはどうしても少なくなるのではないかと考えます。

 あと、変形性股関節症の痛みに対しての効果のエビデンスが不足ということの指摘もされておりますけれども、除痛効果にしても、効果があるという臨床データは得られているのではないかと考えております。ということで提出いたしました。

 よろしくお願いします。

○遠藤座長

 したがって、適であるという御意見だったわけでありますが、いかがでしょうか。

 飯山委員、どうぞ。

○飯山委員

 正直言いまして、私ども、今回の審査については、現物も見ていませんし、そういう御説明も受けていないので、書類だけ来て、手元にはモノクロのカタログみたいな、そういったものしかなくて、参考になるのは事務局の御見解とか、ここに書いてあることしかない。これで今回は来ちゃったものですから、自分で論理的に考えても矛盾がないかというぐらいの判断しかできなかったのですけれども、今、おっしゃったようなことで本当に審査していくことになりますと、今のやり方ではちょっと手に余るかなというのが、私個人かもしれませんけれども、正直な感想です。

○遠藤座長

 実際の現場あるいは物がわかりませんので、私も似たような立場におりまして、なかなか評価が難しいというのが現実だと思いますが。

 村岡委員、どうぞ。

○村岡委員

 先ほど飯山委員も発言ありましたように、我々としても専門的な知見というのがありませんので、ここで議論するというのは非常に難しいなと感じているところです。最終的には、リスト化されたとしても、されなかったとしても、保険者判断というところが基本的な考え方の中で出されておりますので、基本的には事務局の考え方の対応案でもいいのではないかと思っているところですが。具体的にリストに搭載するかしないかという判断については、どちらかというと、この専門委員会というよりは、もう少し知見のある方が集まった検討の場を設けて、そこで議論していただくほうがより効果的ではないかと感じているところでございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほかに、整理番号1についての御意見でも結構でございますが、いかがでございましょうか。

 それでは、坂井委員、お願いいたします。

○坂井委員 この療養費の支給対象としての適格性(評価表)という評価の項目に関しまして、ちょっと意見ですけれども、最初に医師の関与があって、AとBがございます。Aとした場合には、医師の指示の下に装着することを前提にとなります。そうした場合には、自動的に義肢装具士の関与というのもAに該当するのかなと。先ほど申し上げた義肢装具士の業務の中で、医師の処方に基づいて義肢装具を装着する、適合するというのが仕事になりますので、医師の関与がAであって、義肢装具士の関与がBであるとかCであるというのは矛盾しているところがあるということでございます。

 以上です。

○遠藤座長

 事務局、今の御意見について、何かコメント、ございますか。

○保険医療企画調査室長

 ここは、治療用装具としての確認として、医師の関与と義肢装具士の関与でつけるものかどうかということを明確に確認しているという趣旨でございます。

○遠藤座長

 坂井委員、いかがですか。

○坂井委員

 そうしますと、整理番号1ではないのですけれども、後ほどの資料で医師の関与がAで、義肢装具士の関与がBであるというのは、私、臨床上でもどうもイメージがつかないものでございます。つまりは、治療上に必要な装具ということであれば、義肢装具士が責任を持って適合するということが1つ。

 もう一つは、義肢装具士の業務というのは、適合業務だけではなくて、患者様への説明ですとかフォローアップも含めましてのトータルとしての業務だと認識しておりますので、いずれにしましても、医師の処方があった装具に関しましては、義肢装具士は関与するという認識で専門職としてはおりますので、その辺は確認させていただきたかったところです。

○保険医療企画調査室長

 先に言ってしまうと、整理番号7については、医師の指示の下に装着するものなのですけれども、義肢装具士の関与のところ、19ページですけれども、これについては、装着に当たって、義肢装具士による調整・適合を必ずしも要しない製品であると認められるということで、これについては不適という事務局案の提案をさせていただいております。提案されてきたものについて、この辺を一つひとつ確認して、例えば義肢装具士によるフィッティングが必ずしも必要ないもの、つまり、市販品と考えられるものについては、この整理番号7では不適と提案させていただいているのですけれども、そういうものもありますので、両方を聞くようにしているという趣旨でございます。

○遠藤座長

 ほかに御意見、ありますか。

 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

 既製品装具である限り、実際に調整しないケースがあるかもしれません。実際の現場において、医師より治療上必要と処方された装具は、義肢装具士が必ず適合チェックとか、後で装着指導等を行います。また、その現場に義肢装具士がおらず、医師によって装着された装具を、後日、装着指導を義肢装具士が行うというケースもあるということです。療養費扱いにするのか、治療材料費扱いか、いずれにせよ、病院で装着された装具関係は、装着確認、適合確認という医療行為は必ず必要であるということです。

 義肢装具士は、患者さんに装着された装具については、義肢装具士法に定められた業務に関する一般的業務のチーム医療の診療補助行為ということで、医師の具体的指示によって、必ず装具の装着保守、管理指導を行うということです。そういう意味合いから、治療上必要であると医師が判断されたものが外されるとなった場合、現場のほうでは結構混乱を招くのではないかと危惧しております。

 以上です。

○遠藤座長

 御意見として承りました。そういういろいろな考え方が当然あるわけでありますが、いかがいたしましょうか。整理番号1については、適ではないかという御意見もありますが、そうでないという御意見もあるということですけれども、事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 事前のあれで恐縮ですけれども、いろいろデータがあるものを私どもに見せていただいて、それで次回判断するということでいかがでしょうか。データがあるというのは私どものほうで確認できていないということで、そこを確認したいということでございます。

○遠藤座長

 徳田委員、どうぞ。

○徳田委員

 ただいまの御意見に対しましては、データ提出が今までのところされておりませんので、これは提出してもらって、また事務局のほうに後日、提出したいと考えております。その上で、また判断していけばいいかと思います。

○遠藤座長

 では、そのデータを見て、問題がなければあれするということで、そういう意味では継続審議という形になるかと思いますが、そういう扱いでよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 では、次、整理番号2に行きましょう。

○保険医療企画調査室長

 整理番号2番、3番、4番、5番までにつきましては、事前の意見照会で、皆様から特に問題なしと言われていますので、もし異論がなければリスト化を進めたいと思います。

 整理番号6、通しのページ番号17でございますが、これにつきましては、18ページに意見の概要が載っていますが、年間の販売実績が27個と少ないことから、効果検証のデータを確認する必要があるのではないかという御提案ですけれども、対応案に書いてありますのは、これはある1社の輸入事業者が提出してきて、そこが取り扱っているものが27個ということでございまして、ほかの日本国内で出回っている数はもっと多いと思われますので、数として少ないということではないので、問題ないのではないかということで、その他の委員が適としていただいていますので、これは製品として適として認めていってはどうかという御提案でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 したがいまして、2から6までは事務局案としては適ということでありますが、いかがでございましょうか。特段反対の御意見、ございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長

 では、これは適ということにさせていただきたいと思います。

 では、7番、お願いします。

○保険医療企画調査室長

 7番、19ページでございますが、これについては、先ほどちょっと出てきておりましたけれども、足関節サポーター3という製品でございます。

 通しの20ページを見ていただければと思うのですけれども、事務局意見としまして、サイズ選定のほかは個別に調整する場面が少ないと思われる。同等の足関節装具も多く市販され、必ずしも専門職による調整を要しないというものでございます。

 専門委員による意見からも、必ずしも専門家による調整を要しないという点で、療養費の対象となるか、議論が必要。

 同等の製品も多く市販されているため、このリストに載せるメリットについて整理が必要。

 装着に当たって、義肢装具士による適合確認が行われないことが多々起こり得ると考えられることから、継続して審議する必要がある。

 同等の足関節装具も多く販売されている中で、この製品の効果を検証する必要があるという御意見をいただいています。

 これにつきまして対応案としましては、この製品については義肢装具士による調整を必ずしも必要としない。先ほどの義肢装具士の関与でBがつくものでございまして、同等の足関節装具も多く市販されているため、代替性の面からリスト化するメリットを整理する必要がある。

 この義肢装具士による調整を必要とする場面が少ないのであれば、先ほど出たみたいにリストに載っているからいいじゃないかとなります。そうではなくて、この製品についてはリストに載せるのではなくて、個々の患者さんの状況に応じて、この患者さんにはきちんとフィッティングして使っているので、オーケーかどうかということの判断を保険者においてしていただくという取り扱いが適当で、多くの場合、義肢装具士さんのフィッティングのもとに使われるものではないと考えられますので、これについてはリスト化については見送って、個別の保険者による患者さんごとの判断にしてはどうかという御提案でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 いかがでしょうか。

 坂井委員、どうぞ。

○坂井委員

 この製品あるいはこれに類似した製品に関しましては、確かに調整する部分が非常に少ないので、一般的な考え方からしますと、義肢装具士の関与というのが低いのかなと思いますけれども、今、お話があったとおり、個別の患者様で、例えば足の腫れがあったり、むくみがあったり、そういったケースで調整が必要だと。それを保険者様のほうに訴えるといいますか、御報告して判断いただくと。実際に臨床上、なかなか手間のかかる手続だなということが1つございます。

 先ほど来申し上げているとおり、いろいろな義肢装具、特に装具に関しましては、治療上必要だというところでありますと、義肢装具士が責任を持って適合するということでございますので、いかに簡易的な装具であっても、治療上必要なものは責任を持って患者様におつけするという観点からも、リスト化に関しましては、これはあっていいのではないかというのが意見でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 保険者、何か御意見、ありますか。個別に判断してくださいということです。

 事務局が対応案をつくられたのですが、今の坂井委員の意見について、何かコメント、ありますか。

○保険医療企画調査室長

 事務局といたしましては、これが治療用装具の対象にならないということを言っているのではなくて、なる場合、使われ方によって、足が腫れている方とか、お医者さんがフィッティングする場合には治療用装具の対象となりますし、そうでないように使われる場合もある。しかも同じような製品も多々出ているものでございますので、少なくともその辺のことの整理をどうするかということを、この時間では難しいかもしれないですけれども、議論させていただくまで、リストに載せるということは、正直、大丈夫かなというところがございますので、ここは継続審議というか、引き続き御相談させていただけるような取り扱いにしていただけないかなと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 村岡委員、どうぞ。

○村岡委員

 リスト化に当たっては、基本的に保険者が判断に迷うケースについて簡素化するというのか大前提ですから、これこそ本当に判断に迷うケースだと思いますので、あえてリスト化するということではなしに、私は事務局判断でいいのではないかと考えております。

○遠藤座長

 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

 1つ質問ですけれども、同等の足関節装具も多く販売されている。代替性の面からリスト化するメリットの整理をする必要があるかという形での継続審議なる部分があるかと思うのですけれども、それはどういった意味なのか、教えていただきたいのですが。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 足関節サポーターが多々ある中で、今回、これを認めたら、ほかのものもだあっと認めなきゃいけないということが起こり得ると思いますので、足サポーターが幾つかある中で、これについて認めることにどういうメリットがあるのかということについて、きちんと整理した上でないと、これについて仮にいいとなっても、ほかの足サポーターも全部いいのかということになりますので、その辺の整理をきちんとしてから、掲載については考えたほうがいいのではないかという趣旨と理解しております。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 御意見、大体出尽くしたかと思いますけれども、今、そのような懸念もあるということでありますので、いかがでしょうか、原案どおり、当面は見送る形にして、その後また。これは、またどこかの段階でリストに入れるということも、先ほどの話ですと可能なわけですね。ということで、とりあえず原案どおり対応したいと思いますけれども、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 では、整理番号8に行きましょう。

○保険医療企画調査室長

 資料の21ページでございます。整理番号8のラテラルウェッジ・シリコーンゴム製というもので、足の底につける装具でございます。

 これにつきましては、ちょっとイレギュラーですけれども、事務局意見としては適ということで、皆様に御提案させていただいた経緯がございますが、めくっていただきまして22ページを見ていただきますと、この製品、靴の中につけるインソールなのですけれども、これについて、1人の委員の方から、インソールを含めた製品をリスト化するメリットの整理が必要という御意見をいただいております。これにつきましては、当初、事務局意見は適としておったのですけれども、先ほどと同じような話ですけれども、インソールの製品というのは、実はたくさん世の中にございます。

 対応案に書いてございますけれども、靴型装具の例で、保険者様のほうからお伺いしているのが、靴底の高さをフィッティングして、その人専用につくって治療用装具として使って、それを治療用装具として請求している例もあれば、単純に普通の靴にインソールをちょっと入れただけで、これで治療用装具ですと言って、結構な値段を請求してきているという、どちらかというと不適切な事例もインソールについてはあるという御指摘をいただいていることも踏まえますと、インソールを含めた既製品をリスト化するメリットを整理する必要があるのではないかということに思い至りました。

 単なるインソールを入れただけで治療用装具として高いお金を請求するものではないものがわかるような資料であったり、実際にこの製品について、義肢装具士さんがどのように調整しているのかとか、その内容がどういう効果があるのか。さらには、この製品が変形性膝関節症の痛みに対して、どのような効果があるのかというところについて、もう少しデータを集めた上で改めて審査してはどうかということで、当初、事務局としては適ということで皆様に御提案したのですけれども、お一人の委員の方も含めて、インソールの製品については、もうちょっと慎重に審査するために継続審議とさせていただけないかという御提案でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 専門委員からの御指摘を受けて、事務局としても再考したということでありますので、事務局の対応案につきまして、いかがでございましょうか。

 坂井委員、どうぞ。

○坂井委員

 インソールに関しましては、不正請求の事例が確かに多くあったということを耳にしております。ただし、インソールだからといって、既製品を全て排除するということには反対でございます。1つは、当該の製品に関しましては、シリコーンという材料を使っておりまして、シリコーンを使うメリットというのが、例えばへたりが少ないとか長い間使えるといったメリットがございます。一方で、製作所でなかなか簡単につくれない。シリコーンの扱いが非常に難しい部分がございますので、既製品は非常にメリットがございます。そういった材料的な観点が1つ。

 もう一つは、義肢装具士がこの製品を扱う際にも、実際に靴の中にぽんと入れて使うのではなくて、足にはめて使うようにベルトとかをつけるわけですが、そういった調整も必要になります。あとは、患者様の足に合わない場合には形状を修正するということもございますので、繰り返しになりますが、インソールだからといって既製品というのが排除されるべきではないと思っております。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 すみません、説明がちょっと不十分だったかもしれません。インソールだからだめということではなくて、ちょっと時間をいただきたい、継続審議していただきたいというのは、インソールの中のどういうものについて、このリストに載せるかという整理が他の製品も含めて必要だろうということで、今回は、その整理がつくまでの間は継続審議にさせていただけないかという御提案でございます。そういう趣旨でございますので、インソールが全てだめというものではございません。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 そういう微妙な状況があるということなので、いかがでしょうか、事務局の提案の対応案で御承認いただくことでよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、9以降、お願いいたします。

○保険医療企画調査室長

 あと、整理番号9、1014151617181920につきましては、先ほどの安全性の共通事項で御議論いただいたことがございますが、その他のものについては適という御回答をいただいていますので、適でよろしいのではないかということで御提案させていただきます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 これは、各委員、適ということでございますので、よろしゅうございますか。

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 リスト化に当たっての検討の仕方についてですが、リスト化の対象となる品目は最終的にどれくらい出てくるのですか。

○遠藤座長

 品目的にはどうですか。リスト化の過程で、どのぐらいの品目がどのぐらいのタイミングで出てくる形になるのか。

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 現在、私どもが把握しているものでは、最初の候補としては200ぐらい品目があるのではないかと言われていまして、もちろんその中で吟味しまして、半分にはならないと思いますので、そのうちの七、八割ぐらいは、こちらのほうでリスト化の対象として御議論いただくことになるのではないかと思っておるところでございます。今、つかみの数字で、正確にどうかはわかりませんけれども、オーダーとしては大体そのぐらいではないかということで作業を進めたいと思っているところでございます。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 スライドの8ページによりますと、日本義肢協会からリスト化対象の提案書が提出されて、これに関する意見を厚生労働省が各委員から聴取し、全ての装具について検討委員会で決裁をとるという仕組みになっておりますが、200あるうちの8割、160ぐらいの品目について、この委員会の中で決裁をとるという方法はいかがなものかと思います。リスト化されても、保険対象とするかを最終的に決めるのは保険者であります。したがってあくまで参考とするためのリストを作成するためにすべての品目ごとに意見を聴取して、それを委員会にかけるというのをどれぐらいの期間をかけてやっていくのかと懸念しております。また、私どもの場合は、医学的な判断能力がございませんので、、今後も回答保留という形で提案書に対して回答せざるを得ないと思います。

 前回の委員会でこういう方法が決まったということですが、この方法については再考すべきと思います。全品目について、委員から意見を聴取し、160ほどの品目をこの委員会で審議するとしたら、委員会を何度も開催しなくてはなりません。これは現実的な方法ではないと思います。中医協で医薬品を保険収載する場合は、薬価専門組織で8割9割ぐらい確証を得たものについて最後に了解をとっておりますが、例えば提案書の提出のところで、何か専門的な組織を作り、そこで一括して承認するといった方法も考えられると思います。

 今の方法では委員会を相当な回数開催しなくてはならないと思いますので、リスト化の方法について、再考したほうがいいのではないかと思っております。話をぶり返すかもしれないのですが、御提案させていただきます。

○遠藤座長

 専門委員会をつくるかどうかはともかくとして、今後、数も増えてまいりますし、評価するほうの、私も含めて評価能力の問題もありますから、どうするかについて事務局と検討させていただきたいと思います。

 それでよろしゅうございますか。はい。

 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。

 したがいまして、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえてリストの作成をお願いしたいと思います。

 本日の議題は以上ですけれども、次回の日程について、事務局から御説明をお願いします。

○保険医療企画調査室長

 ありがとうございました。

 今後の開催時期、また今後、どう進めていくかは検討させていただきますが、次回の開催は、決まり次第、事務局から御連絡いたしたいと思います。ありがとうございます。

○遠藤座長

 よろしくお願いします。

 それでは、「第2回治療用装具療養費検討専門委員会」、これにて終了したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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