ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会)> 第7回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録(2016年8月30日)




2016年8月30日 第7回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会議事録

○日時

平成28年8月30日(火)9時00分~10時30分(目途)


○場所

全国都市会館 大ホール(2階)


○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長) 新田秀樹 相原忠彦
高橋直人 幸野庄司 飯山幸雄 宮澤誠也 後藤邦正
萩原正和 伊藤宣人 三橋裕之 田中威勢夫 田村公伸
<事務局>
鈴木保険局長 濱谷審議官 城総務課長 矢田貝保険医療企画調査室長 他

○議題

・柔道整復療養費検討専門委員会における議論の整理(案)
・柔道整復療養費の改定について

○議事

9時00分 開会

○遠藤座長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第7回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。

 本日は、足元の悪い中、早朝より御参集いただきまして、ありがとうございます。

 まず初めに、委員の出席状況について御報告をいたします。本日は、新田委員、原田委員、河野委員、宮澤委員が御欠席です。また、飯山委員より遅れるとの御連絡をいただいております。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は、「柔道整復療養費検討専門委員会における議論の整理(案)」と「柔道整復療養費の改定について」の2つを議題としたいと思います。

 事務局から資料が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○保険医療企画調査室長

 皆様のお手元に柔-2「柔道整復療養費に関する議論の整理(案)」と柔-3「柔道整復療養費の改定について(案)」というものを用意していますので、きょうはこちらについて御議論いただきたいと思っております。また、参考資料として、これまで出したパワーポイントの資料をまとめたものも事務局のほうで用意させていただいております。

 それでは、まず柔-2「柔道整復療養費に関する議論の整理(案)」について御説明いたします。これまでの議論を踏まえまして用意いたしましたものでございます。読み上げさせていただきたいと思います。

 

柔道整復療養費に関する議論の整理(案)

 

 当専門委員会は、平成28年3月29日以降、中・長期的な視点に立った柔道整復療養費の在り方について検討を行ってきた。

 平成7年の医療保険審議会柔道整復等療養費部会における柔道整復療養費に係る意見の取りまとめから20年以上が経過し、柔道整復を取り巻く環境は大きく変化している。柔道整復療養費の支給額は、平成25年度においては国民医療費約40兆円のうち約4千億円を占めている。

 また、在宅医療・在宅介護を推進し、高齢者が住み慣れた地域で継続して生活できるよう地域包括ケアシステムを構築する中で、柔道整復師の担う役割は重要である。

 一方で、近年、療養費の悪質な不正請求事案の存在が指摘されている中で、不正請求への対策を講じることは喫緊の課題である。

 こうした視点を踏まえ、当専門委員会においてこの間行った議論について、以下のとおり整理する。

 

1.支給対象の明確化に向けた個別事例の収集

○ 柔道整復療養費の支給対象については、「柔道整復師の施術料金の算定方法」、「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」や質疑解釈によって示されている。

○ 留意事項通知において、療養費の支給対象の負傷の範囲に関して用いられている「亜急性」の文言については、医療保険の療養費として支給する範囲を見直すべきとの意見や見直しは必要ない等様々な議論があったが、「亜急性」の文言について、「亜急性の外傷」という表現は医学的に用いられることはないとの意見を踏まえ、過去の質問主意書に対する政府の答弁書の内容を踏まえた見直しを行うことを検討すべきである。

(参考)政府の答弁書では「「亜急性」とは、身体の組織の損傷の状態が急性のものに準ずることを示すもの」としている。

○ また、支給対象ついて、近接部位の該当性など判断に迷う事例が多く、統一的な運用とするために支給基準の更なる明確化を図るべきとの意見があった。

 こうした意見を踏まえ、厚生労働省は、全国健康保険協会都道府県支部及び国民健康保険団体連合会に設置された柔整審査会において判断に迷って合議が必要となった事例等を収集し、必要に応じて専門家に相談し、来年度を目途に整理した上で公表するべきである。また、整理した事例については、当専門委員会に報告し、今後、必要に応じて改訂するべきである。

 

2.不正の疑いのある請求に対する審査の重点化

○ これまで講じてきた療養費の適正化策の影響を逃れるため、同一患者について負傷と治癒が繰り返されるといった、いわゆる「部位転がし」という請求方法が新たな不正請求の手口として指摘されている。

○ こうした事例に対応するため、これまでの多部位、長期又は頻回の施術内容に重点をおいた審査の手法に加え、いわゆる「部位転がし」等の不正の疑いの強い請求を抽出し、重点的な審査を実施するなど、不正請求への対応を強化すべきである。

○ 審査の重点化に向けて、柔整審査会における統一的な審査基準を策定するため、厚生労働省は、柔整審査会の協力の下、支給対象の明確化に向けて収集した事例を基に、審査基準を策定するべきである。

○ また、来年度から、柔整審査会の権限を強化し、傾向審査や縦覧点検の実施の結果、不正請求の疑いが強い施術所は、柔整審査会からの資料の提出や説明の求めに応じることとするべきである。

○ 適正な保険請求を担保するため、現在、療養費の支給の申請にあたって、3部位目以上の施術に限っては柔道整復施術療養費支給申請書に負傷原因の記載を求めているが、1部位目から求めるべきといった意見があった一方で、全ての支給申請書に1部位目から負傷原因を記述することは負担が大きいため、重点的な審査の実施を優先すべきとの意見があり、さらに議論が必要である。

○ 著しい長期・頻回事例における療養費の算定基準に回数制限を設けることについては、長期・頻回事例における患者の状態に関するデータがないことから、原因疾患毎の長期・頻回事例に関するデータを収集し、データの解析を進めた上で検討するべきである。

 

3.療養費詐取事件等への対応の強化

○ 昨年の療養費詐取事件については、社会的問題として捉えられていることから、不正請求の疑いがある施術所に対する対応については、「2.不正の疑いのある請求に対する審査の重点化」で提示したとおり、調査を行い、調査の結果、不正請求が判明した場合は、当該施術所を管轄する地方厚生局に対して情報提供を行い、当該地方厚生局における指導・監査につなげるべきである。そのため、地方厚生局における指導・監査の人員体制を強化するべきである。

○ 地方厚生局による個別指導・監査の早期着手を可能とするため、保険者又は柔整審査会は、不正請求の疑いが強い施術所に係る的確な情報提供を積極的に行うこととし、必要な情報提供の内容や個別指導・監査を実施する際の手続の迅速化の仕組みを検討するべきである。

○ その上で、不正請求が明らかになった施術所に対しては、「柔道整復師の施術に係る療養費について」による受領委任の取扱いに係る協定又は契約に定める「受領委任の取扱いの中止」を躊躇なく確実に運用するべきである。

○ 白紙署名の問題に関し、実際に患者が受療しているかどうかを確認する患者調査を引き続き実施するべきである。さらに、架空請求を防止するための方策として、必要に応じて保険者や柔整審査会が施術所に対して領収書の発行履歴その他通院の履歴がわかる資料の提示を求めることができる仕組みを導入するべきである。

○ また、不必要に多部位・多回数を利用しているという問題のある患者については、保険者において、受領委任払いではなく、償還払いしか認めないようにする権限を与えるべきとの意見があった。この点については、問題のある患者を特定する仕組みや事後的に償還払いとする場合の取扱いなど事務的に検討すべき点があり、今後の検討課題とする。

 

4.適正な保険請求を促すための施術管理者の要件強化

○ 療養費の受領委任を取り扱う施術管理者について、柔道整復師の資格があれば保険請求の知識・経験等を問わず施術管理者になれる点や、継続的に施術管理者としての適性を確認する仕組みがない点について、見直すべきではないかとの意見があった。

○ 施術管理者が受領委任に係る取扱い全般を管理する仕組みは、適正な保険請求を担保するために導入されたものであるが、関係法令及び通達の遵守を徹底し、その適格性を担保する観点から、要件の強化が必要である。このため、「柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会」における議論を踏まえつつ、施術管理者について研修受講や実務経験を要件とする仕組みの導入に向けて検討すべきである。

○ 新たな仕組みの導入に当たっては、実務経験の確認方法、研修受講を要件とする場合の研修の内容や認定方法、研修修了者の識別方法、不正への対応、更新制の要否など、慎重な検討を要する実務上の課題が多くある。厚生労働省は、具体的な仕組みについて早急に検討を開始し、具体案について当専門委員会に報告するべきである。この場合に、実務経験の年数については、3年という議論があったことを踏まえつつ、現場への影響を踏まえて検討すべきである。

○ また、初検時相談支援料について、9割以上が初検料と併算定されている現状に照らし、より質の高い相談支援を行う者が加算を得られるよう施術管理者の実務要件や研修受講などの一定の要件を満たす施術管理者がいる施術者に限って算定可能とする仕組みへの変更に向けて検討すべきである。この検討については、施術管理者の要件に係る検討と併せて行うことが適当である。

 

5.その他

(1)療養費・往療料の在り方

○ 療養費の料金改定については、これまでの適正化の流れを踏まえつつ、適正な請求を行う施術者が正当に評価されるよう、整復料等にウエイトを置いた評価を行うべきである。

○ 同一建物の複数患者への往療については、公平性や適正化の観点から、保険者による判断や建物の形態によって往療料の算定に差異がある現行の支給基準を改め、「同一建物居住者」(建築基準法第2条第1号に掲げる建築物に居住する複数の者)であるか否かによって判断するよう改めるべきである。

○ 施術所が、集合住宅・施設の事業者等に対して金品を提供し、患者の紹介を受け、その結果なされた施術については、健康保険法の趣旨からみて不適切であり、療養費支給の対象外とするべきである。

 

(2)電子請求の導入等について

○ 支給申請書様式は、「柔道整復師の施術に係る療養費について」別紙様式第5号において示されているところであるが、実態として、施術者によって使用する様式が異なっており、審査に支障を来しているとの指摘を踏まえ、様式を統一するよう再度周知するべきである。

○ 電子請求の導入に向けて、情報セキュリティに配慮しつつ、署名・押印を求める現行の用紙による請求方式の例外として、電子請求に係るモデル事業を実施するべきである。当該モデル事業の結果を踏まえ、今後の電子請求の導入について検討すべきである。

 

(3)あん摩・マッサージ・指圧師、はり師又はきゅう師の施術に係る療養費との併給

○ あん摩・マッサージ・指圧師、はり師又はきゅう師の施術に係る療養費との併給について、保険者の協力を得て、実態把握を行うべきである。

 

 続きまして、柔-3の資料に基づきまして「柔道整復療養費の改定について(案)」について御説明いたします。

 まず、改定率につきましては0.28%。平成28年度における柔道整復療養費の改定率については、診療報酬のうち医科の改定率等を踏まえ、政府において決定したものでございます。

 基本的な考え方。療養費の料金改定については、これまでの適正化の流れを踏まえつつ、適正な請求を行う施術者が正当に評価されるよう、整復料等にウエイトを置いた改定を行う。

 3.改定の内容(案)でございますが、1つ目が、骨折・不全骨折・脱臼に係る整復料・後療料等の引き上げでございます。これについては、2ページ目、3ページ目のとおりの引き上げ案としております。例えば骨折につきましては、鎖骨の骨折、現行4,100円のところ5,200円で1,100円の差額。また、3ページ目、後療料につきましても、骨折の場合、630円が810円で180円の引き上げという案でございます。

 1ページ目に戻っていただきまして、改定の内容、2つ目の○、現行の初検料を10円引き上げまして1,460円にする案でございます。

 3つ目の○、冷罨法料の引き上げでございます。5円引き上げをいたしまして、85円にするものでございます。

 4.施行期日につきましては、平成2810月1日としております。

 その他、適正化のための運用の見直し等については、制度論の議論と合わせて別途検討する。これは、先ほどの議論の整理の案を指しているものでございます。

 事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、ただいま説明がありました議論の整理(案)及びその改定についての案でございますけれども、どちらの内容でも結構でございますので、御意見、御質問、承りたいと思います。いかがでございましょうか。

 それでは、田中委員、どうぞ。

○田中専門委員

 おはようございます。連合会の田中です。第1回目の専門委員会から参加させていただいております。業界の適正化のために、多くの議論・討議を積み重ねてきました。

 当初、会計検査院、行政刷新会議等の答申を受けて、業界の適正化を目的に専門委員会が開かれてきました。平成10年の福岡の裁判以降、柔道整復師が急激に増えて、療養費全体の増加問題、特に長期・頻回・多部位に焦点を当てられて討議されてきました。

 その結果、柔整療養費は平成22年度、4,068億円から、平成26年度推定3,830億円と、減少の一途をたどっています。減少額は238億円です。また、消費税の増加加算を除外すれば、3年間、毎年100億円の減少をたどっているところです。なおかつ、この5年間で施術所の数が3万7,997件から4万5,572件に増加しています。120%です。施術所が20%増加したにもかかわらず、柔道整復師の療養費は5.9%減少しているところです。施術所1件当たり、柔整療養費は21.5%の減少になっています。この数字をもってしても、療養費の適正化は十分完了したのではないかと思います。

 多くの柔道整復師の問題というのは、以前からこの会議で三橋委員のほうからも話が出ていますけれども、公的審査会を強化することによって解決すると思っています。また、柔道整復師の適正人数は、施術管理者の要件強化によって克服できます。詐取事件というのは、柔道整復師、業界だけの問題ではなくて、これは多くあることだと思っています。

 それから、平成25年に厚生労働省が出している国民生活基礎調査によりますと、約20%の国民が、運動器症状に対しては柔道整復師にかかりたいという申告もしています。国民にとって、柔道整復師にかかれば医療費の3分の1ぐらいに安くなるわけです。なおかつ、柔道整復師は地域に根差して、運動器の疾患のファーストステージである柔整医療です。ここに参加されている皆さん、理解していただいて、この専門委員会を進めていただきたいと思っています。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございました。

 ほかに御意見、ございますか。

 萩原委員、どうぞ。

○萩原専門委員

 ただいま資料をいただきました柔-2の2ページに記載されている内容について、少し詰めていただければありがたいと思っております。

 上のほうの○の「支給基準の更なる明確化を図るべき」という意見と、2の「不正の疑いのある請求に対する審査の重点化」の3つ目の○と4つ目の○。こちらは審査基準の策定でございますが、こちらの権限の強化ということも含めて、来年度から行いたいということで、「審査会からの資料の提出や説明の求めに応じることとするべきである」ということが書かれておりますので、この辺をもう少し詰めて、はっきり期限を決めて、またそれに向けて、今年度中に何をするべきかということをはっきり示していただいたほうがよろしいのかなと。

 それに従って審査基準も決まってきますので、全国的な統一の審査もできるようになると思っておりますので、その点、もう少し詰めた回答、もしくはそのような方向を示していただければありがたいと思うところでございますが、いかがでしょうか。

○遠藤座長

 それでは、事務局、何かコメント、ありますか。

○保険医療企画調査室長

 きょうの議論の整理(案)では、今後どうするかという具体的なところまではお示ししていないところではございますが、今、事務局で考えている今後の進め方といたしましては、この議論の整理(案)について、きょう御了解いただきましたら、これに沿ってやるべきと言われていることについて、厚生労働省のほうでどのように実施していくかということを検討したいと思っております。その検討の状況につきまして、座長とも御相談の上ですが、この専門委員会のほうにまた御報告させていただきたいと思っています。

 もちろん、やるべきと言われたものについて、早急に実施するように検討していくことは当然のことでございます。具体的には、よくある進め方といたしましては、厚生労働省のほうで検討いたしまして、例えば毎年1月、2月には全国の担当者の会議などもございますので、そこに間に合うように検討して、皆様にも御報告した上で、こういうことで実施していくということを示しながら、例えば来年度から実施できるものは実施していくという形で進めていくというのが、一般的なやり方かと思っています。

 ただ、全てのものがそうしたスケジュールでいくか。検討に時間を要するものもあります。例えば、4ポツの「施術管理者の要件強化」のところなど、現場でかなり事務が発生するものについては、それなりの準備期間であったり、経過措置であったりということの検討も必要かと思いますが、そうした具体的な進め方につきましては、冒頭申し上げましたとおり、本日の議論の整理を受けて、厚生労働省・事務方のほうで整理いたしまして、改めてこの専門委員会のほうで御報告しながら進めていくという形で、着実に実施してまいりたいと考えております。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 萩原委員、よろしゅうございますね。

○萩原専門委員

 わかりました。

○遠藤座長

 それでは、三橋委員から先にお願いいたします。

○三橋専門委員

 今、お話があったとおりですけれども、まず当初から挙げさせていただいている公的審査会の権限の強化。とにかく、この専門委員会もそうですけれども、最初に始まったのが、不正の疑いがある、不正を働いている柔道整復師をまず排除する。これが重点強化になりますので、現在、公的審査会、柔整審査会は権限がないということで、我々も審査員として非常に困っているところであります。

 ですので、返戻、患者調査、施術者調査、呼び出しも含めて、あるいは罰則の強化も加えていただいて、これを早急に文書として通達を出していただいて、準備に当たっていただいて、来年早急に、できれば4月から実施という形にぜひしていただきたいと思います。とにかくできるところからまず始めていっていただきたいという思いでございます。

 以上でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。御意見として承りました。

 田村委員、どうぞ。

○田村専門委員

 審査会の強化ということが一番大事だと思っています。ただ、統一的な基準を策定する前に、各都道府県に設置されている審査会が、審査委員会の設置要綱に沿った運営と、審査委員の資格と身分が偏っていないか。とりわけ開業整形外科医ばかりの偏りが、本来の公平・公正が保たれているのか疑問であり、検証が必要と考えています。一事例として、ある県の国保審査会では保険者を代表する委員(市町村国保、国保組合、後期高齢者)が全て開業整形外科医であり、学識経験者の中に開業整形外科医、開業柔道整復師が入っているというこのような開業整形外科医ばかりの偏りと、学識経験者の中に開業柔道整復師が入っていることに疑問があります。

 支給申請をする柔整師、支給決定をする保険者、審査において疑義が生じた場合は必要な専門的知識を持って両者から意見を聞き、それを取りまとめるのが学識経験者の役目と理解しており、審査に必要な専門的な意見を問うために医師の参入を否定するものではありません。まず、構成メンバーの検討をお願いしたいと思います。

○遠藤座長

 ほかにございますか。

○田村専門委員

 もう一個いいですか。

○遠藤座長

 はい。

○田村専門委員

 受領委任の取扱規程の中で、1,400以上の健康保険組合があります。そのうち審査会を経由しているのが100程度です。これでは、取扱規程上、第6章療養費の支払い、29において、保険者等(健康保険組合を除く。)及び健保協会支部長に審査を委任している健康保険組合が療養費の支払いを行う場合は、柔整審査会の審査を経ることとなっています。また、第7章36、再審査の申し出に関しては、健保協会支部長に審査を委任している場合に限るとあり、現規定では、支給決定において、取扱規程上、健康保険組合には申請書の審査、返戻、減額、不支給に関して、審査の委任の自由を認めています。

 しかし、その支給決定に対して、柔整審査会の審査内容に対して不服がある場合に限定されているため、さっきも言いましたが、現行1,400以上の健康保険組合のうち、柔整審査会を経由している100程度の健康保険組合を除き、柔整審査会を経ていない大方の健康保険組合の決定には、再審査の道が閉ざされた不条理な状況が続いていることを重ねて申し上げます。どうか、健康保険組合の審査に入っていない方々は、審査会に参加していただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

○遠藤座長

 ありがとうございました。

 ほかに御意見、ございますか。

 高橋委員、どうそ。

○高橋専門委員

 報告書で文字にするとこういうことになるのかもしれませんが、詐取事件の3ページの最初の○では、地方厚生局の指導・監査の人員体制を強化するべきであると言っています。私も前、この場で申し上げましたが、現実的にこの手の指導・監査人員を強化できるはずはないだろうと思います。逆に、行政のコストとして、そこまで人員をここにかけるのか、甚だ疑問があります。医療機関の監視だっていっぱいあるわけです。現実に厚生局の人数を見ても少ないし、そこを強化するといっても、これだけ詐取事件をきちんとやるというのはなかなか難しいと思います。報告書は、これはこれでそうかもしれませんけれども、実際、人がどれぐらい強化されるか、これは見なきゃいけない。

 もう一つは、地方厚生局が今までやっていることは非常に遅いです。2つ目の○で、保険者又は柔整審査会は、的確な情報提供を積極的に行うこととし。では、厚生局は何をするかと書いていないのですけれども、私どもは積極的に言ってきました。ちゃんと動いてもらったことは、ほとんどありません。いつも遅いです。反応はほぼなしのつぶて。ゼロとは言いませんけれども、非常に遅いですよ。我々が迅速にやったって、厚生局の体制が薄いせいもあるのでしょうけれども、簡単には動きませんから、書いても本当にやれるのですかという疑問は甚だ大きいです。書けばこうかもしれませんけれども、実効性には甚だ疑問があるということを1つ申し上げたいと思います。

 最初に申し上げましたが、根本的にこの制度をもう一回考えていただきたい。昭和11年の話ですから、80年前の制度を今日続ける意義が一体どこにあるのか、そこをもう一回、役所も冷静に考えていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 厚生局に対するものですけれども、何かコメント、ございますか。

○保険医療企画調査室長

 従前からこの専門委員会のほうでも、厚生局の体制の強化については、本当にできるのかということも含めて御意見をいただいておりますが、私どもといたしましては、御承知のとおり、これは国家公務員の定員に係ることでございますので、関係の部署、関係の機関にその充実を要求していくということになるわけでございます。

 できることとしては、そのような形で、今回のこれを受けて、体制の強化について我々としては要求して、その実現を図っていくよう努力したいと思っておりますし、その数の問題と、実際にどういうふうに動いていくかというところも整理して、今日のこれまでの御指摘も踏まえて、厚生局の強化が図れるように努めていきたいと考えているところでございます。では、具体的にどうするのかということが示されていないので、本当に大丈夫かということで何回も御意見いただいていると思いますけれども、現時点ではそうした考え方で進めていきたいということで、御答弁とさせていただきます。

○遠藤座長

 よろしくお願いします。

 どうぞ、高橋委員。

○高橋専門委員

 もう一つは、自分自身の経験でいけば、30年ほど前にそちらの医事課の補佐をやっていましたけれども、当時見ていて柔整師のこういう問題はなかったわけですね。結局、今、施術者の何が問題かというと、学校が増えたことですね。野放図に学校が増えてしまって、私は柔整学校に行っている若い方の将来が非常に心配ですけれども、根っこのところですね。今、蛇口が完璧に開いていて、出口のほう、支払い側でこれだけ騒ぎになっているわけですから、蛇口のほうをどうするのか。

 学校の数の制限ができるのかわかりませんけれども、昔、医者の数では、保険医の数を絞るのか、医者の数を絞るのかという議論をやっていた。ただ、医学部の定員は国がコントロールしていますので、蛇口をコントロールしているから、そもそも保険医の数の制限じゃなくて、医者の数の制限だということで、医師数の問題がずっと続いているわけですね。だけれども、こっちのほうは蛇口のコントロールが全然できていないですから、だったらこれは単なる便宜供与の、法律じゃなくて、行政指導のベースですから、行政指導ベースの便宜供与の制度だったら、例えば施術者の人数を制限する。それができないかどうか、もう一回よく考えていただきたいと思います。

 多過ぎるわけです。物すごく多い中で、誰が不正をやっているか。いくらやってもいたちごっこなので、そうだったら、管理者の数をいくら絞ったって、管理者がいっぱい従業員を雇ったら同じことですから、結局、療養費の便宜供与ができる人数のほうをどうするかという話をもう一回考えていただかないと、この会議を何度やっても無駄だと思います。そこは、もう一回根本に立ち返ってやっていただきたいと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 お手元の参考資料でお配りしました資料をめくっていただきますと、今、御指摘があったものは、スライドの5ページに学校の数・定員数の年度別の推移がございまして、めくっていただきまして、スライドの6ページに柔道整復師の数の年次推移がございます。

 この専門委員会は、保険で取り扱う療養費の取り扱いについての専門委員会ということで御検討いただいてございますが、これとは別に、柔道整復師の数もしくは学校のあり方につきましては、今日は医事課長、来ておりませんが、スライドの7ページにあります柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会というところで、学校のあり方、カリキュラムのあり方などについて見直しを検討されていると承知しているところでございます。委員がおっしゃったのは、さらに抜本的に供給コントロールのようなことも検討すべきという御意見かと思いますが、このことについては担当部局にもお伝えしていきたいと思っております。

○遠藤座長

 ありがとうございました。

 高橋委員、どうぞ。

○高橋専門委員

 話が違います。私は、もとの蛇口を言っているのではないです。学校の話をしているのではなくて、この制度は便宜供与だから、事業に携われる柔整師の数をコントロールする。それは保険局サイドの話をしている。学校は、あれだけ判決が出てもどうにもならない。だって、普通の大学だって、大学設置基準を緩めて自由になっているのですから、学校を絞ることはできない。保険のほうの関与できる人間を絞っていけと私は申し上げているわけです。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 失礼いたしました。保険請求できる方の数の管理につきましては、今回、4ページの施術管理者の要件の強化ということで検討すべきという方向性をいただいておりますので、まずこれについて検討していきたいと考えてございます。

○遠藤座長

 関連ですか。施術側、何人かお手を挙げておられましたが、三橋委員、どうぞ。

○三橋専門委員

 今、議論のとおり、柔道整復師が毎年5,000人出てくるわけですから、その中で前回、前々回も挙げさせていただいている施術管理者の強化。3年間、ここである程度の幅を持たせて経験を積んでもらい、それまではすぐに受領委任が使えない形をとって、ある程度の倫理観、モラル観を持たせていくことが非常に重要なのかなと思います。

 また、学校の話ですけれども、先ほどから高橋委員がおっしゃっているとおり、管轄も医政局の問題であって、施設基準もそうですし、教員が足りているか、足りていないか、これもしっかり調査できなかったということがありまして、30年からは県のほうに移管するということでございます。この辺は、県のほうでどういう対応をするのか、また非常に疑問なのですけれども、とりあえず、今、ずっと挙げています施術管理者の要件強化として、実務経験3年、これをぜひ早急にやっていただきたいなという思いがございます。

 以上でございます。

○遠藤座長

 それでは、ほかに今の関連でありますか。

 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤専門委員

 これに関連しないものでもよろしいですか。

○遠藤座長

 今はちょっと。

○伊藤専門委員

 わかりました。

○遠藤座長

 それでは、後藤委員、どうぞ。

○後藤専門委員

 東京広域の後藤と申します。

 今、施術管理者の経験についての御意見がございましたが、私ども東京広域にも療養費の支給申請書の書き方について、これはどう書いたらいいのかという質問がコンスタントにございます。そういった実態もあわせまして、施術管理者の方が知識を深め、またいわゆる経験を積むということは、ひいては都民・国民のためにもなりますし、適正な給付にもつながると考えてございますので、施術管理者の方の要件については、今のお話のような検討、改善が必要だと認識してございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、違う案件で結構でございますので、伊藤委員、どうぞ。

○伊藤専門委員

 先ほどの審査会の権限強化でございますが、地方厚生局も大変だと思うのですけれども、柔整審査会と公的審査会の距離をもう少し縮めていただいて、特定の県では、毎年、審査会と厚生局の監査・指導会等々を行って、いわゆる問題等々があったときに情報提供して速やかにやっていただく。そういうものを強化する。

 不正というのは、全てあるわけではなく、適正化の中で、審査会の中でいわゆる黒いものを潰していくということで十分できるわけですので、それを地方厚生局につなげていくという形づくりが少しできていないように思います。ここは国のほうにも前回、申し上げたのでございますけれども、しっかりとやることによって、できないのではなく、やっていただくことが適正化につながって、正しくやっている柔道整復師のためになろうかと思いますので、よろしくお願いします。

○遠藤座長

 ありがとうございます。御意見として承りました。

 ほかにございますか。改定についても結構でございます。

 それでは、相原委員、どうぞ。

○相原専門委員

 きょうの柔-2の3ページの一番下の白紙署名の問題に関して、患者調査を引き続き実施するべきというのは、誰が患者調査をするということを考えておられますか。

○遠藤座長

 これは事務局に対するものですね。

○相原専門委員

 事務局です。

○遠藤座長

 では、事務局、お答えをお願いします。

○保険医療企画調査室長

 患者調査というものにつきまして、すみません。裸で書いてしまいましたけれども、現在も実際に患者の方が施術を受けているかどうかという調査というのは、保険者のほうで実施していただいているところがございますので、それを引き続き実施していただくということを。

○相原専門委員

 保険者という意味ですね。

 そこでちょっとお伺いします。保険者が患者調査をするときに一番大事なのは、その通知・通達に合っているかどうかということだろうと思います。ということは、受傷をいつ、どこで、どうなさったのかという質問を、多分、保険者は組合員にするのだと思うのですが、これは国保ですけれども、国保の組合が患者調査をしまして、外傷じゃないと患者さんがはっきり答えているので、柔整審査会に10例以上、返戻しました。そうすると、原審どおりと書いてくるのです。

 その理由を問うと、1通の支給申請書はどこにも誤りがない。だから、患者調査を保険者がして、そこに患者さんがけがじゃないとまで書いてあるのに認めないのですね。そこは、いくら柔整審査会を強化しても、申請書1枚で判断することにほとんど変わりがないわけですから、大きな疑問が残ります。

 そこで、今度は3ページの一番上の2行目から、「全ての支給申請書に1部位目から負傷原因を記述することは負担が大きい」。どういう負担がどのように大きいか、具体的にお示ししていただきたい。医科の場合も同じように、最近は6カ月見ることにできましたから、レセプト1枚で決めるわけです。同じように支給申請書1枚で決めるのであれば、受傷の1部位から書くことは何ら負担が大きいわけじゃなくて、かえって混乱を防ぎ、保険者、施術者、審査会にとっても有利なことだと思いますので、これは施術記録に書いてあることをそのまま転記すればいいだけですね。それができない、負担が大きい具体的理由を教えていただきたい。

 以上です。

○遠藤座長

 これは事務局への質問になりますか。

○相原専門委員

 はい、事務局への質問です。

○遠藤座長

 では、事務局、お願いします。

○保険医療企画調査室長

 お答えいたします。

 これは、この場でも御議論があったことについて記述させていただいておるものでございますけれども、これまでの専門委員会の議論の中で1部位目から書くべきという御意見もありましたが、一方で、医科でもカルテには負傷の原因とかを書いているわけでございますが、要は保険者への請求書のほうにまで全部理由を書いてということは、医科のほうでもやってはいないという御意見もございました。

 実際に全ての請求書について、これという理由を書くことが施術者にとって負担になるという御意見があった一方で、それを書く手間をかけるよりも、その前に書いているような、例えば部位転がしをしているようなところについて重点的に審査をするとか、そういうところに手間をかけるほうが、不正の発見という意味では有効なのではないか。つまり、いただいた御意見では、多くの施術者は真面目にやっているので、その人たち全員に書かせるコストをかけるよりは、疑わしいところについて重点的に審査するというやり方をしたほうが、実際の不正の発見につながるのではないかという趣旨の御意見をいただいていたかと思います。そのことをここに書いております。

 ただし、ここにつきましては、ここに書いてございますとおり、今、先生からもございましたけれども、1部位目から負傷の原因を書くべきじゃないか。その背景には、先生がおっしゃられたとおり、実際にはけがをしていないのに保険を使っているのではないかということを確認するためにも、書かせるべきではないかという御意見もあったということも事実でございますので、ここは、今回、結論には至っていないのですけれども、ここに書いてございますとおり、今後、さらに議論していっていただきたいということで、さらに議論が必要という整理にさせていただいているというものでございます。

○相原専門委員

 継続審議ということならば、わかりました。

 もう一つ。先ほど、高橋委員がお話になりましたけれども、厚労省はやる気があるのかないのかという問題だと思います。広告1つ、何も手を出せないでいる。広告こそ規制ができるし、間違っている広告は直せというのは簡単にできることじゃないかと私は頭の中で想像するのです。これは、全国の保健所に通知すれば必ずやることであって、人員をそんなに増やす必要も、費用をそんなにかける必要もないので、まずは国民自身が、施術所に行って健康保険が使えるのはけがですよ、新鮮外傷ですということをほとんどの人がわかっていないわけですね。これを厚労省は周知する必要があるので、国民に対して周知する一つの手段として広告の規制はぜひ必要です。

 これは法律違反ですからね。例えば、道路が60キロメートル制限のところを80キロメートルびゅんびゅん走っていても、見逃しているのと一緒なのですね。事故が起きなければいいと。現実に事故に準じるようなことが、この不正請求、その他で起こっているわけですね。ですから、この広告ぐらい何とかならないかと思いますが、いかがなものでしょうか。回答は構いません。そのぐらい、まずやったらどうかと思います。

 あと、柔整審査会の基準を決める話ですけれども、既に社会保険審査会というのが厚労省の中であります。ちゃんとした機関があるので、まずはそれをベースにして話し合わないといけないのではないかと思うので、社会保険審査会の過去のデータを全部引っ張り出してきて、それをたたき台にすることが私、一番妥当じゃないかと思います。

 最後に1点。今日はもう言いませんが、私のほうで今まで、外傷というのはどのぐらいの数が1回に起きるか、エビデンスを出しました。亜急性の問題も、医学的に間違っていますよと厚労省にはこの委員会で言いました。引き続き審議されるのでしょうけれども、質問主意書にあるから、ないからじゃなくて、厚労省が通知を出すならエビデンスを見せないと納得がいかないということだと思うので、きっちりとしたエビデンスをぜひ出していただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。いくつか御意見、承りました。

 それでは、幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 全般的な意見を申し上げたいと思いますので、少々長くなるかもしれませんが、私の意見は全て事務局と厚労省への意見と質問でございます。施術者側への質問ではございません。この議論の整理(案)は全く評価していませんし、改定率についても全く理解できないのが私の率直な感想です。

 まず、整理(案)を書き直してもらいたいと思っているところがあります。前文は余りこだわるところではないのかもしれませんが、国民医療費40兆円のうち柔道整復療養費が4,000億円を占めているという状況を、国はどうしたいと思っているのか、まずそこをお聞かせいただけますか。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 その下に書いてございますけれども、在宅医療・在宅介護をする中で柔道整復師がきちんとした役割を果たしていただく。本来、果たすべき役割を果たしていただくということが必要である一方で、その下に書いてございますとおり、最近、不正請求というものも言われている。限りある保険財源でございますので、不正で使われるとか、不必要なのに保険を使うということは、保険財政のことを考えても是正していくべきことであると考えております。

 ですので、4,000億円を増やしていく、減らしていくということではなくて、必要なものには必要な保険給付をしていくということだと思いますが、そうでないものについてはきちんと適正化していく。この両方を進めていくということではないかと考えております。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 それは違うでしょう。4,000億円は、削減していくのが目標なのです。柔道整復療養費について、適正であれば増やしていくという方向に、検討されているのですか。私は違うと思います。

○保険医療企画調査室長

 すみません、増やしていくということではなくて、必要な方には必要な給付をするということを言っているわけでございます。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 前文に、地域包括ケアシステムの中で柔道整復師が担う役割は重要だと書かれているのですが、現在、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みは、確かに進んでおります。主治医やかかりつけ薬局、訪問看護等が整備された中で、住みなれたまちで過ごしていく。そういった検討がされているのですが、その中で柔道整復師の役割が重要だという議論は、どこで、どのようにされているのですか、教えてください。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 どこで、どのようにと言われるとあれですが、柔道整復師の方というのは、運動器のけがに対する専門家の方々でございます。実際に私もいくつかの施術所を見に行きましたけれども、当然、通常の施術だけではなくて、地域にけがの予防はこうしたことがいいよという教室を開いているような、柔道整復師の方が持っている専門性を生かして、地域包括ケアの中での予防という貢献も含めて実施していただいているところもあるという状況でございます。ここでは、柔道整復師の方々がそうした役割を地域の中で果たしていただくということが必要だろうということで、このような書き方をさせていただいているということでございます。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 私は、地域包括ケアシステムの議論の中で柔道整復師が果たす役割について課題に上がったということを聞いたことがありません。もしそういう位置づけをされるのであれば、地域包括ケアシステムの議論の中にきちんと入れて、どのような役割を担わせるかということを提案してください。今、おっしゃられたのは室長の個人的な考えだと思います。その点については整理していただきたいと思います。

 あと、その後に不正請求への対策を講ずることは喫緊の課題であるということが書かれており、今すぐ対応すべきことであるということなのですが、その後の整理(案)で、今すぐ不正対応を行うものはどれに当たるのか、明確に答えてください。

○遠藤座長

 事務局、お願いします。

○保険医療企画調査室長

 不正の請求の対応については、2ページの2ポツの「審査の重点化」で、例えば3つ目の○に書いてある審査基準の策定、もしくは4つ目の○に書いてございます柔整審査会の権限の強化、さらには、例えば3ページのほうの詐取事件への対応の強化の2ポツ目の○では、必要な情報提供を受けて、3つ目の○の、地方厚生局のほうで受領委任の取り扱いを中止する仕組みをつくっていくということが書かれているものでございます。

 これらについて、今後どのように実施していくかにつきましては、最初の質問でもお答えしておりますけれども、今日、このような方向で御了解いただけたならば、これを受けて厚労省のほうで具体的に、先ほど申し上げたような、どのようなスケジュールで実施していくかということを検討いたしまして、それに沿って、なるべく早急に実施していくということで進めていきたいと考えているところでございます。

 それには、例えば協定書の見直しが必要になるものもございますれば、通知の見直しが必要になるものもございますので、一定の検討準備期間が必要になると思いますけれども、可能な限り早急に実施して、年明けの全国会議なりで示して、来年度から実施するということが一つの基本と先ほど申し上げましたが、そうしたことも踏まえながら、なるべく早く実施できるものは実施していきたいと考えているものでございます。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 事務局と私との感覚に随分温度差があるように思います。早くても来年度から始めるのが喫緊の対応なのしょうか。私は、今回の改定と同時に通知を出すぐらいが喫緊の対応だと考えておりまして、この中で言えば、先ほど相原先生もおっしゃいましたが、1部位から負傷原因の記載を求めること、申請書の様式を統一すること、白紙委任の署名のために様式を変更すること、あるいは、亜急性の定義の見直しも決めの世界ですので、緊急に対応できることだと思います。今から検討を始めて、来年度ぐらいから実施していくというのが喫緊の対応と言えるのか。私は言えないと思います。

 したがって、今回の対応というのは、療養費をプラス改定にしただけで、不正事件に対する対応は何もなしということで終わる。こんな情けない事態になっているわけです。このようなことを国として本当にやっていいものかというのを、もう一度改めてお考えいただきたいと思います。

 そして、この整理(案)の書き方、言葉の使い方ですが、何々すべきと書いてあるのですが、「すべき」というのは「する」と捉えていいわけですね。

○遠藤座長

 事務局、お願いします。

○保険医療企画調査室長

 これは審議会での議論の整理でございますので、こういうことをすべきと、ここで集まっていただいている保険者の方、施術者の方、有識者の方に御意見をまとめていただいたものを受けて、私どもはそれに沿って実施していくというものでございます。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 そうであれば、整理(案)についても「する」と断定的に書いてください。

○保険医療企画調査室長

 そこは性格の問題で、専門委員会でこうすべきという御意見をいただいて、それを受けて厚生労働省が実施していくということを表現するために、この場ではこういうことをすべきと書いていただいて、私どもがそれを受けて実施するという意味で書いているものでございまして、「すべき」と書いてあるからやらないということではなくて、まさに「すべき」と書いているものを厚労省が受けて実施していくという御意見をいただくものと思っております。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 わかりました。では、「すべき」は「する」と理解いたします。

 「すべき」というのは、やっていくとお答えになりましたが、そうであれば、次回委員会までにやるべきものについては、いつまでに結論を出し、いつまでにやるというロードマップを早急に示していただきたいと思います。これは要望でございます。

 あと、改定率について触れたいと思います。前回までの案では、柔整の往療料を適正化すべきということで、見直していくべきということを提案されて、特に異論はなかったと思うのですが、今回出された改定率の案では変更されていないのですが、これは意思決定に何か変更があったのですか。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 2つの背景がございまして、1つは、前回の議論の中でも、往療料について必ずしも明確に「すべき」となっていたかどうか、よくわからなかったということで、今回、事前に御相談に回っているというところもあるのですが、私どもとして、今回、こういうことを御提案しているという趣旨について申し上げますと、2つの理由がございます。

 1つは、あるところを適正化して、あるところをプラスにするということで基本的には考えてきたわけでございますけれども、今回、実際の改定率、ここに書いていますとおり、政府のほうで決定するものでございますが、プラスの0.28という改定になった。その中で、骨折とか初検料とか冷罨法の引き上げをこのように行うという提案をしている中で、往療を削って、さらにほかのところにつけることが必要なのかということを考えたということが1点目でございます。

 2点目として、往療の問題につきましては、あん摩・マッサージのほうで議論になっておりますのは、療養費のうち6割を往療料が占めているというあん摩・マッサージの問題がある中で、柔道整復師についてはそのような問題があるわけじゃない。

○幸野臨時委員

 そのようなことを聞いたのではなくて、委員会で審議されたことがなぜ反映されないのでしょうか。では、何のための委員会なのかということを聞きたいわけです。我々は、委員会に出された論点に沿って意見を申し上げ、それに沿って事務局が案を提示するべきであると思います。しかし、その意見を聞き、異論がないにもかかわらず、ある日突然、それが違った方向で資料が提示されるというのは、委員会自体を否定するものでありますし、何のための委員会なのかということになりますので、この点に関しては訂正を求めます。

○遠藤座長

 三橋委員、どうぞ。

○三橋専門委員

 いろいろ意見が出ていますけれども、今、幸野委員から出た往療料については、下げることで決定したわけではなくて、我々、緊急往療ということで、ここができればなくなるわけですから、あはきと違って、これを下げることは反対だという意見は前回言わせていただいております。

 それから、1部位の負傷原因についても、そもそも不正請求を撤廃する、なくすのだという議論がスタートしたわけですから、多部位・長期・頻回、それぞれ負傷原因あるいは理由等を記載しても不正が減らないという事実がありますから、そこで、我々あるいは施術者側から挙げさせていただいた問題としては、審査会の権限の強化をぜひやってほしい。幸野委員がおっしゃっているとおり、喫緊にぜひやってほしいというのが我々がずっと申していることであります。

 もう一つは、今の料金の改定の問題ですけれども、例えば8月9日に保険者側から出ました料金改定に当たっての意見等を拝見させていただきましたけれども、この中で柔整の施術、あはき、治療用装具の作製等という形で、これが非常に大きく伸びているということが記載されておりますけれども、我々だけは、23年から25年の柔整療養費についてはマイナス238億円という結果が出ていまして、誤った見解をぜひ訂正いただきたいと思っているところでございます。

 それから、前回、専門委員会でこの場で議論されなかったのは、いわゆる初検時相談支援料。これは何回もお話させていただいているとおり、当初は労災保険同様に、指導管理料という名称をつけていただきたいということでお話させていただいたところが、これはだめだということで、初検時相談支援料に変わったという経緯があります。この件に関しては根拠がないということで、ぜひこれは消していただきたい。

 また、施術管理者の要件にこれを絡めるという議論もぜひなくしていただいて、即3年という形でスタートさせていただきたいと思ってございます。

 以上でございます。

○遠藤座長

 先ほどの幸野委員との議論の中で、関連という形で三橋委員からのコメントがありましたが、幸野委員、いくつか質問があるとおっしゃいましたけれども、大体よろしいですか。

○幸野臨時委員

 改定率については、我々は物申すことはできないので、これ以上は申し上げませんが、この議論の整理(案)の中で修文していただきたいのは、前文の国民医療費40兆円のうち4,000億円を占めている柔整療養費を削減していくべきとはっきり書くべきであるというところと、地域包括ケアシステムの中で柔道整復師の役割が重要であるというのは、どこで整理されたのかというところです。

 それから、「すべき」という文言を「する」と断定的に書けないのであれば、早急にロードマップを示して次回委員会に提出していただきたい。

 要望は以上でございます。

○遠藤座長

 わかりました。この整理(案)の扱いについて、後でまた皆さんに御意見を承りますので、そのときに少し整理させていただきたいと思います。

 事務局、よろしいですか。特段、今、何かコメント、ありますか。では、お願いします。

○保険医療企画調査室長

 基本的には、この場での御意見で何を記載するかというものを決めていくものでございます。例えば、4,000億円について削減していくべきと書くべきという御意見がございましたけれども、それでこの場で合意が得られるのであれば、そういうふうに書くこともあるのかもしれませんけれども、その辺、ほかの委員の方、どうなのかみたいなことも御意見いただければ。

 私どもとして御提案しているのは、こういう4,000億円を占めている中で、下に書いているとおり、柔道整復師の担う役割もありますし、不正もあるので、それに対応していくということが、これまでの議論の中で合意が得られたことではないかということで、こういう御提案をさせていただいておりますが、そこは御意見をいただければと思います。

○遠藤座長

 それでは、相原委員、どうぞ。

○相原専門委員

 今の厚労省の質問に対して、今、健康保険を使った運動器治療、外来だけです。入院は含みません。約8,000億円です。その半分が打撲・捻挫だけに使われているということを真剣に考えなきゃならないのではないでしょうか。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、田中委員、どうぞ。

○田中専門委員

 料金のところに話が集中していると思うのですけれども、その前提として、柔道整復師の治療を必要としている患者さんがいるわけです。この患者さんを中心に物事を考えないと、ただお金だけ考えてしまうと、大事なことを見失うのではないかという思いがありますけれども、どうでしょうか。

○遠藤座長

 御意見ですね。

 ほかに。

 では、村岡委員、幸野委員、どうぞ。

○村岡専門委員

 さまざまな議論があるところですが、私ども市町村国保の立場から申し上げますと、議論の前提としては患者さんの立場ということを考えるべきではないかというところもございます。患者さんのニーズの中で、療養費として柔整であったり、あはきもそうですけれども、利用されている方もおられます。そういった面では、適正にやっているところは問題ないのですが、結果的にこの間の議論というのは、不正受給の問題であったり、不正請求の問題であったり、適正にやられていないところが非常に問題視されて議論が開始されたと理解しております。

 一方で、この会議も平成23年にスタートしたと思うのですが、現実的にこれまで具体的な議論が進んでいなかったというのが一番大きな問題ではないかと思っています。このまとめにもありますように、平成7年の部会から20年以上経過して、具体的な対策というのが打たれてこなかったことに対して、保険者等からの意見も強いのではないかと思っているところです。そういった意味で、今回、書かれました整理(案)の中で、不十分なところもあるかと思いますが、方向性に書かれている項目を実施していただくということが、まずは基本ではないかと思います。

 特に審査会の権限等については、具体的にどのような権限を強化していくのかということをしっかりと方向性を示していただいて、取り組んでいくということが重要ではないかと考えています。現状の仕組みの中で、通知等で本当に強化ができるのかどうかというところもありますし、法的にきちんと整理すべきところは整理して、しっかりと審査会あるいは保険者等が調査できる権限を持たせていただくことが必要ではないかと考えているところですので、そういう点で、この方向に従って、厚生労働省・事務局においては具体的な取り組みを進めていただきたいと思っているところです。

 一方で、市町村の地元で言いますと、柔整師の皆さんには、さまざまな大会等のボランティアであったり、健康教育等でも御協力もいただいておりますし、全国的には、地域によっては、介護保険の新しい総合事業の中での機能回復といったメニューの中で、柔整師さんのサービスを活用している市町村もあるようには聞いておりますので、そういった意味での適正に行われる部分での必要性というのは当然あろうかと思いますので、問題は、不正に対して、いかに厳しい対応をしていくのかというところがポイントではないかと考えているところでございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 先ほど担当官がおっしゃった国民医療費の40兆のうちの柔整療養費が占めている4,000億円についてですが、必要に応じて、これは増えてもやぶさかではないというのは全く間違った考え方で、厚労省の中にこのような考え方があるというのは、私は驚愕するばかりです。これは、厚労省の中でしっかり議論していただきたい。

 もう1点、地域包括ケアシステムの中で柔道整復師の担う役割が重要だということが厚労省の意見だということについては驚愕しております。これは、もう一度ちゃんと議論していただきたいと思います。

 それと、今回の改定の通知を出すときに、不正への対応が全く出ず、プラス改定だけで終わってしまうと、厚生労働省は何をやっているのだと、国民は本気で疑います。この中にも今すぐ決断できることはあろうかと思います。意見がいろいろ出た中で、今すぐに対応できる事項も何点かはあると思いますので、そこは改定の通知と同時に出すことを早急に検討願います。それ以外のものについては、ロードマップを至急作成していただきたいということです。

 それから、3ページの白紙署名の問題についても、我々、施術ごとに署名すべきだという提案もしたのですが、いつの間にか削除されていますので修文をお願いします。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ただいまの幸野委員からの御要望に関連することで、お話、承りたいと思います。

 三橋委員、どうぞ。

○三橋専門委員

 先ほどからずっと幸野委員のほうから、地域包括ケア、重要だと書かれていることが問題なのかどうか、必要ないと言っているのか。既に地域包括ケア全国会議のメンバーとして、日本柔道整復師会は入っておりますし、各県では連絡協議会の中にメンバーとして入って、これからどういうふうにやっていくかという協議をしているところでございます。その中で、幸野委員の今の発言は、必要ないと言っているように我々、聞こえてくるのです。我々、非常に心外です。その辺のところはどうなのか、お聞きしたいと思います。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 いや、私は必要ないとは申し上げておりません。地域包括ケアシステムの中で、柔道整復師の地位が重要であると本当に言い切れるのか、どこでそのような議論がされているのかというところを指摘しているわけです。重要でないとは申し上げておりません。

○遠藤座長

 三橋委員、どうぞ。

○三橋専門委員

 重要かどうかというのは、これは国民が決めること、地域住民が決めることであって、これはこれから進んでいくのだろうと思います。

 また、白紙委任については、ずっと議論になっているとおり、決定したわけではなくて、我々も前々から言わせていただいているとおり、作成から提出まで1週間の間に申請書を我々はつくっているわけですから、その間に患者が必ず来院する保障がないものですから、この手続は物理的に不可能だということを申しているわけで、これに対する改善があれば我々も対応していきますけれども、今のところではこれは難しいということを述べさせていただいているところでございます。

 以上でございます。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 地域包括ケアの中で柔道整復師の話が入ってくるということでありますけれども、これまで厚労省の議論というのは、医療制度の中と介護保険制度の中でされておりましたので、柔道整復師という言葉がその議論の中で必ずしも入ってこなかったということで、非常に唐突に感じるという御意見があったと思います。その位置づけを明確にしてほしいということで、さらに重要であると書いてあるけれども、そこは価値判断が入っておるので、どうなのかという御指摘だったかなと思います。

 ほかに何か御意見、ありますか。

 萩原委員、どうぞ。

○萩原専門委員

 いくつかございますけれども、1つ目は、患者調査、いわゆる患者の照会の件で、先ほどから回答が合っていないという意見等々がございましたけれども、実は、照会する内容の記述の仕方が各保険者によってまちまちで、厚労省が示されている内容を逸脱したものがかなりあるということが原因の一つにあるのかなと。

 それと、負傷して提出してからの期間、半年後にいつ、どういうことでけがをしましたかということにつきまして、年齢によっては、高年齢の方は忘れているわけです。そういう方に対して正しく回答を書いているかどうかということもあるものですから、もし照会するならば、もう一度正しい記載の仕方、またわかりやすい照会等々の仕方をぜひ御検討願いたいということが1つございます。

 それと、療養費の件でございますけれども、1%でございますけれども、これは国民が必要とされて治療費としてかかっている内容でございますので、先ほどから不正請求という話もございました。中にはそういう方がいらっしゃることも事実でございますけれども、真面目に国民が必要とされて、今まで歴史として来ている経緯がございます。その中で、たまたま上がったり下がったりしているわけでございますので、消滅するような意見等々につきましては、我々としては全く憤慨する話でございまして、自然に出てきている内容でございますので、その中で増えたり減ったりしているということかと思っております。

 また、それも患者の調査の中で、照会にまた絡む話ですけれども、かからせないような仕方の照会をしている内容が結構多いということでございます。中には、会社の先まで電話して、家族もかかってはいけないということを言っている保険者もあるように聞いておりますけれども、そういうことまでして削減すること、また受診妨害ともとれるような内容のことをしていいのかということも含めて、私たちも協議しているところでございますので、その辺も含めて御検討願えればということでございます。

 最後にもう一つ、広告のことですが、先ほど委員のほうから言ったとおりで、広告の規制はぜひやっていただかないと、判断に迷う広告の仕方が結構ございますので、インターネット等も含めて、ぜひこれはお願いしたいと思っています。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。広告については随分議論されましたけれども、事務局からの回答は、関連部局にその趣旨は伝えるということで、ここには反映しなかったと理解しておりますけれども、それでは不十分だという御意見でございましょうか。

 相原委員、どうぞ。

○相原専門委員

 全国の厚労省関係の人たちを集めたときに、広告の話はこの数年、ずっと何度も出ているけれども、実効が上がった例を見たことないですね。市町村で一部やっているところは、効果が出ているところもあるみたいです。これは、届け出は保健所ですから、保健所にやってもらうのが一番具体的で、なおかつ成果が出ると思うので、これこそ実施してほしいと私は思います。いくら通知・通達を出しても、厚生支局は動きませんし、人も足りない。だから、保健所にお願いしてやってもらうのが一番妥当じゃないかと思うので、ぜひこれこそ、誰も反対がないようですから、やっていただきたいと思います。

○遠藤座長

 この課題につきまして、委員間で反対がないのです。

 関連ですか。どうぞ。

○三橋専門委員

 今の広告の問題ですが、前回も言わせていただいたのですが、健康保険も同じですが、今、ネットの広告で、交通事故、いわゆる自賠責が非常に問題になっていまして、ぜひこれは早急に何らかの対応。今、相原委員からも報告がありましたとおり、どこが動くのかというと、保健所しかないのです。では、実際、保健所が動いてくれるかというと、なかなか動いてくれない。現在のところ消費者庁が少しずつ動いてくれて、骨格治療とか骨盤矯正でいろいろ対応していただいていますので、これは厚労省もかんでいただいて、何らかの対応、例えば、看板を下げさせるぐらいの厳しい対応がとれるような形をぜひ考えていただきたいなと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございました。

 それでは、高高橋委員。

○高高橋専門委員

 先ほど患者調査の話が出ました。3ページには患者調査をきちんとやると書いてありますが、私ども、患者調査を随分やっていますが、実際には患者さんにいろいろ照会をかければ、かなり多くの方は、自分がかかっている柔整師さんのところへ行って、こんなものが保険者、うちの協会けんぽから来ていますが、どうしましょうかと相談しているのです。柔整師の方が代わりに書いている。実際に患者調査をやっても、はっきり申し上げて、かなり無意味だと我々は感じています。ですから、ここにいくら書いても、実際にやったって、柔整師と患者さんが結びついていたらどうにもならない。

 ですから、今の受領委任の制度だと、保険者から完全に全部調査権限を取り上げてしまって、何もさせないで、行政がやりますと言って、実際に行政は動かない。だから、私が前から言っているように、保険者が個別に加入者を調べることをもう一回きちんとやらせてくれということを申し上げているわけです。今の制度では何も動かないです。結論から申し上げれば、今日、この整理(案)が出ていますけれども、議論を整理するとこうなるのだろうと思いますが、私どもの立場としては了承とは言えません。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 まだ御意見、あるかと思いますけれども、本日はこの2つの案が出ておりますので、これをどうするかということを決めなければなりませんので、そちらのほうに話を移したいと思います。

 議論が非常に出ておるのが議論の整理のほうでありますので、まず改定案について、皆さんの御意見を承りたいのです。多々、いろいろな御意見を承りました。それはあくまでも議事録には残るわけでありますが、そのことを前提で、まず柔-3、改定案について、書かれた内容については、これでよろしいかどうかお諮りしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。改定率につきましては、政府が決めるものでありますので、そこについては御意見を承ることしかできませんけれども、他の内容についてもいろいろな御意見を承りましたが、これは明確に議事録には残るということでありますが、内容についてはこれでよろしゅうございますか。

 萩原委員、どうぞ。

○萩原専門委員

 改定率は、国で決めていることですので、やむなしですけれども、できれば上げてもらいたいのですが、我々の立場からすると減少している現状がございますので、大変苦しい柔整師、全国にたくさんおります。ですけれども、改定率がこのように示されている以上、この改定案で結構かと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○遠藤座長

 三橋委員、どうぞ。

○三橋専門委員

 今回、この改定率の内容を見させていただきまして、我々の技術力、脱臼・不全骨折の整復料、後療料について認めていただいたということ、我々は非常に喜ばしいことだと思ってございます。きちんとやっている柔道整復師が少しはプラスになるのかなという思いがございます。

 以上でございます。

○遠藤座長

 支払側、何か御意見、ございますか。

 高高橋委員、どうぞ。

○高高橋専門委員

 この会議の最初のときにいろいろお話をさせていただきましたが、根本的な問題はさっきからずっと言っているけれども、80年前からの受領委任制度をどう考えるか。何一つ役所は答えていないですね。難しいと思いますけれども、その状況の中で、この改定率はどうですか。本当は我々は賛成できないです。ただ、実態があって、全部御破算にしてだめと言ったって、どうにもならない。役所はやるのでしょう。やるのですと言ったら、我々は止めようがないから、賛否を聞かないでほしいですよ。

○遠藤座長

 では、手短に田中委員、どうぞ。

○田中専門委員

 今回はこれでいいと思うのですけれども、以前からずっと申し上げていますけれども、柔道整復師の再検料。柔道整復師といえども、その都度診断しながら治療するわけですから、せめて労災並みにしていただきたいなと。これは、今回はこれでしようがないですけれども、次回はそういったことを上げていただきたいと思います。再検することによって責任を持たなきゃなりませんから、それなりの請求ができると思います。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 私が申し上げたいのは、委員会の議論をもっと重視していただきたいということです。我々から見れば、本委員会とは違う別の場所でいろいろな件が出されていて、そこで別の提案がされているという疑念があります。これは室長だけに申し上げているのではありません。委員会の議論というのをもっと重視してください。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほか、大体よろしゅうございますか。

 では、相原委員、どうぞ。

○相原専門委員

 最後ですけれども、きょう、有識者は私1人なのです。台風のせいもあるし、いろいろ事情はあると思うのですけれども、次回からの中・長期の展望のときには受領委任払いの話も出てくると思いますし、これも既に80年前の制度、特例中の特例ですので、この話のときに有識者の中で法令関係のことを御存じの先生もいないとだめだと思いますので、ぜひ日程調整のほうをよろしくお願いいたします。

○遠藤座長

 ありがとうございました。重要な御指摘だと思います。

 それでは、ありがとうございます。柔-3の改定について。手短にお願いします。この後の要望を延々とやられますと、いつまでたっても終わりませんので。

○田中専門委員

 今、有識者の方々と保険者と柔道整復師側がいますけれども、患者さんの代表がいないのです。受領委任払いも患者さんの利便性のためにできたものですから、そういった患者さん代表もこの中に入れて話し合いをしていただいたほうがいいのではないかと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、柔道整復療養費改定案についてというのは、御意見、多々ございましたけれども、ここに書かれた内容についてはお認めいただいたということにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 もう一つの療養費に関する議論の整理(案)につきましては、修文の御要望も出ております。修文ということでございますので、アプローチは2つありまして、1つのやり方は、座長一任という形にさせていただくということと、もう一つは、もう一回、これをやるというやり方でございますけれども、それはまさに皆様方の御意見に沿う形でやりたいと思いますが、いかがでございましょうか。特に修文を求められた委員の方々にお伺いしたいと思いますけれども、幸野委員、いかがでしょう。

○幸野臨時委員

 本委員会における事務局の運営方法自体に私は不信感を持っていますので、できれば委員会をもう一度開催していただきたいと思います。

○遠藤座長

 ほかに、このことについて御意見は。

 三橋委員、どうぞ。

○三橋専門委員

 修文については、座長一任でお願いしたいと思います。

○遠藤座長

 やり方自体が分かれてしまうというのは、困りますね。

 ほかに何か御意見、ございますか。

 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤専門委員

 この件につきましては、これまで3回、十分に議論されているので、座長一任でいいかと思います。

○遠藤座長

 支払い側、いかがでしょう。

 高高橋委員、どうぞ。

○高高橋専門委員

 どう直しても、余り意味がないと思いますので、ここで終わったらどうですか。一任と言って、いろいろ言ったって、また思うようにならないし、オープンで議論をやってもこういう状態ですから、もう何も動かないですから。別に私どもはこれに賛成しているわけじゃないですけれども、議論の流れとしてはこうなのだろう。ただ、我々は全然賛成できないし、留保したい部分はいっぱいあるということは申し上げたいと思います。これ以上、いじってもしようがないと思います。

○遠藤座長

 非常に重要な御指摘は多々受けておりますので、これの扱いでありますが、公益の専門家は相原先生しかいないですが、何かございますか。

○相原専門委員

 中をとるわけじゃないですけれども、せっかくこうやって委員会をやってきて、その実がないというのは、何のための委員会かと言われる問題だと思うので、喫緊の問題だと、さっき保険者側が言った問題については、結論をある程度厚労省の中で出して、改定と同時にそういうことが反映されるような方法は何とかならないものでしょうか。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 改定につきましては、10月1日からということで提案させていただいておりますので、それとあわせてどこまでできるかわかりませんけれども、先ほどロードマップを示すべきという御意見もいただいていますので、そこも含めまして検討して実施していきたいと思います。事前に皆様方に御相談させていただきながら進めさせていただきたいと思います。

 あと、重ねて、いろいろ不手際があったとしたら、お詫びを申し上げたいと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 そのような事務局の対応も含めて、幸野委員、ございますか。お願いします。

○幸野臨時委員

 改定率は別に10月1日でなくてもいいのではないですか。

○遠藤座長

 事務局、どうぞ。

○保険医療企画調査室長

 改定の時期を遅らせるという選択肢ももちろんあると思います。そこはまた皆さんの御意見だと思いますけれども、この内容で決まりましたならば、なるべく早く実施していくべきと考えております。

 というのは、通常、毎年、これまでの改定におきましても、医科の改定、4月実施よりおくれているのですけれども、それに今回、半年遅れることになりますけれども、こちらの制度改正の議論の整理もあって遅れたということもございますので、この改定につきましては10月1日から実施させていただき、その他の今日いただいた御意見も踏まえまして、今後やるべき、すべきとされたことについては、ロードマップなども作成しながら、できるものはなるべく早急に実施していくということで、事務局としては精一杯やっていきたいと思っております。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 支払い側の委員の皆さんから、かなり厳しい御指摘を受けたと私も認識しておりますので、それを踏まえまして、また事務局がロードマップ等々についても考えるということでありますので、それを前提にして座長一任という形にさせていただくというのが私からの提案でございますけれども、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長

 はい。では、そのような対応をさせていただきたいと思います。修文の過程で、また各委員にいろいろと御相談申し上げることもあるかと思いますけれども、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、そのような対応をさせていただきます。

 本日は、どうもありがとうございました。


(了)

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