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2016年8月18日 第1回脳卒中に係るワーキンググループ 議事録
健康局がん・疾病対策課
○日時
平成28年8月18日(木)13:00~16:00
○場所
田中田村町ビル・貸会議室(8階)8E会議室
○議事
○魚谷がん・疾病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第1回脳卒中に係るワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございます。事務局を務めさせていただきます厚生労働省健康局がん・疾病対策課の魚谷と申します。よろしくお願いいたします。ワーキンググループの座長が決まるまでの間、議事の進行を務めさせていただきます。
続いて、構成員の皆様方の御紹介をさせていただきます。お手元の構成員名簿に沿ってお名前を読み上げますので、誠に恐縮ではありますが、お名前を呼ばれた構成員の方は御起立いただきますようよろしくお願いいたします。
まず始めに、奈良県立医科大学健康政策医学講座教授の今村知明構成員です。岩手医科大学理事長であり、学長の小川彰構成員です。国立循環器病研究センター理事長の小川久雄構成員です。脳卒中経験者で三井住友海上あいおい生命営業教育企画部の川勝弘之構成員です。日本看護協会常任理事の川本利恵子構成員です。山口大学医学部脳神経外科教授の鈴木倫保構成員です。徳島大学大学院医歯薬研究部療養回復ケア看護学分野教授の田村綾子構成員です。聖マリアンナ医科大学神経内科教授の長谷川泰弘構成員です。日本医師会常任理事の羽鳥裕構成員です。日本病院会副会長の宮崎瑞穂構成員です。
なお、岡山県保健福祉部長の荒木裕人構成員からは欠席の御連絡をいただいております。本日は構成員11名のうち、10名の方に御出席いただいており、定足数に達していることを御報告申し上げます。
今回、救急分野の専門家として、日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野教授の横田裕行参考人に御参加いただいております。また、本日オブザーバーとして消防庁消防・救急課救急企画室が参加しております。
続いて、資料の確認をいたします。お手元の資料の御確認をお願いします。まず、最初に議事次第、座席表、脳卒中に係るワーキンググループ構成員名簿。資料1「脳卒中に係るワーキンググループ開催要綱」、資料2「脳卒中に係るワーキンググループの進め方(案)」、資料3「第1回脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会における脳卒中関連の意見(報告)」、資料4「近年の脳卒中急性期診療の主な進歩(案)」、資料5「急性期の専門的医療を行う施設の役割分担等の考え方(案)」、資料6「長谷川構成員発表資料」、資料7「搬送体制及び施設間ネットワーク構築の考え方(案)」、資料8「急性期診療提供体制に係る評価指標イメージ」です。
参考資料としては、参考資料1「医療計画及び地域医療構想」、参考資料2「rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針第二版より抜粋、経皮経管的脳血栓回収用機器適正使用指針第2版より抜粋」、参考資料3「現状の急性期再開通療法の施設基準と医療資源」、参考資料4「消防法第35条」、参考資料5「救急自動車による平均搬送時間及び搬送人員の病院収容所要時間別割合」、参考資料6「循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会開催要綱」、参考資料7「循環器病の急性期診療提供体制構築に向けた考え方(案)」となります。資料に不足、落丁等ありましたら事務局までお申し出ください。以上をもちまして、撮影を終了しカメラを納めていただきますようお願いします。
それでは、議事に入らせていただきます。まず、議題2、座長の選任に移りたいと思います。本日は構成員の皆様方が選任されて最初のワーキンググループとなりますので、構成員の互選により座長を選任させていただきたいと思いますが、どなたか推薦はありますか。
○長谷川構成員 小川彰教授に是非お願いしたいと思います。
○魚谷がん・疾病対策課長補佐 ただいま、長谷川構成員から座長に小川彰構成員を推薦する旨の御発言がありましたが、いかがでしょうか。
(拍手)
○魚谷がん・疾病対策課長補佐 ありがとうございます。それでは御異議がないようですので、小川彰構成員に本ワーキンググループの座長をお願いしたいと思います。それでは小川座長、お手数ですが座長席へお移りいただきまして、今後の議事運営をお願いいたします。
○小川(彰)座長 御挨拶申し上げます。ただいま、座長に御指名をいただきまして、大変重責であると心引き締まる思いです。脳卒中に係るワーキンググループについては、脳卒中は循環器病の中でも、3大疾病であるがん・心臓病・脳卒中の中でも、入院受療からいたしますと、がんの1.5倍、心臓病の3.5倍を数える単一疾患では最も多い疾患ですし、恐らく、使われている医療費についても、かなり高額になっていると思います。そういう中で、いかに脳卒中で不幸な転帰をたどる方を減らすかということです。
このように入院受療が多いということは、要するに、1回罹患すると死亡しなくても大変重症な状況で、寝たきり等々で大変な状況に長年置かれるということがあるのだろうと思います。そういう中で、このワーキンググループに課せられた意義は極めて重要で、ただ、この内容を見ますと、非常に難しい内容ですので、是非、構成員の皆様には英知を振り絞って国民のために、より良い結論を出していただければと思っておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは、議事に入ります。議事次第に従い進めてまいります。まず初めに、資料1の脳卒中に係るワーキンググループ開催要綱、資料2のワーキンググループの進め方案を事務局より説明をお願いいたします。
○石上がん・疾病対策課長補佐 事務局です。資料1の今回のワーキンググループ開催要綱について御説明いたします。まずは、本ワーキンググループの趣旨です。脳卒中、心臓病その他の循環器病は、我が国の主要な死亡原因であるとともに、介護が必要となる主な原因の1つとなっております。循環器病に係る医療又は介護に要する負担の軽減を図ることが喫緊の課題となっていることに鑑み、国民の健康寿命の延伸等を図るため、循環器病に係る診療提供体制の在り方について検討することを目的に、平成28年6月「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」が設置されました。
また、検討会において、脳卒中と心血管疾患にそれぞれ専門性の異なる視点における検討が必要な項目があることから、脳卒中と心血管疾患の2つのワーキンググループを立ち上げて議論することが決定されました。これを受け、本ワーキンググループでは、脳卒中に係る診療提供体制の在り方について検討することといたします。
検討事項としては、(1)脳卒中に係る急性期診療提供体制の在り方について、(2)脳卒中に係る回復期~慢性期診療提供体制の在り方について、(3)その他脳卒中診療提供体制に関する事項についてとしております。
その他の事項としては、(1)本ワーキンググループは、健康局長が検討会座長の指名した別紙の構成員の参集を求めて開催する。(2)本ワーキンググループには、構成員の互選により座長を置き、ワーキンググループを統括する。(3)本ワーキンググループには、必要に応じ、別紙構成員以外の有識者等の参集を依頼することができるものとする。(4)本ワーキンググループは、原則として公開とする。(5)本ワーキンググループの庶務は、厚生労働省健康局がん・疾病対策課が行う。(6)この要綱に定めるもののほか、本ワーキンググループの開催に必要な事項は、健康局長が別に定める。(7)ワーキンググループで得られた成果は、「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」に報告する。以上です。
続いて、資料2の脳卒中に係るワーキンググループの進め方案に移ります。本日8月18日第1回ワーキンググループでは、第1回「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」における意見を御報告いたします。また、ワーキンググループの進め方案について御提示いたします。搬送~急性期の診療提供体制の在り方の骨子に関する検討を予定しております。9月中旬に第2回ワーキンググループを予定しておりますが、回復期~慢性期の診療提供体制の在り方の骨子に関する検討、急性期診療と回復期~慢性期診療間の連携体制の在り方の骨子に関する検討を予定しております。
10月初旬をめどに、この2回のワーキンググループにおける議論を整理し、「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」へ報告を予定しております。この議論に関し、現在、医療計画の見直しを行っております医政局とも意見を共有し、医政局でもこれを受けて引き続き議論がなされることとなっております。
第3回ワーキンググループは12月頃を予定しておりますが、搬送~急性期の診療提供体制の在り方の詳細に関する検討、第4回は回復期~慢性期の診療提供体制の在り方の詳細に関する検討、第5回は急性期診療と回復期~慢性期診療間の連携体制の在り方の詳細に関する検討を予定しており、計5回のワーキンググループの議論を整理し、平成29年春をめどに「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」へ報告する予定としております。以上です。
○小川(彰)座長 ただいまの事務局から、資料1の脳卒中に係るワーキンググループの開催要綱、資料2のワーキンググループの進め方案を御提示いただきましたが、これに関して何か御質問、御意見等ありますでしょうか。
○羽鳥構成員 2回のワーキンググループを経て、10月の初めに医療計画の見直しに関することとして医政局に報告するとのことですが、その後の修正は可能なのでしょうか。それとも、もうこれは、かなり確定的なことなのでしょうか。その後も詳細な議論はずっと続きますが、医政局へ報告されたこと自体で次の体制が決まってしまうのでしょうか。
○丹藤がん・疾病対策課長補佐 御質問ありがとうございます。まず、2回の議論で、急性期から回復期時期にかけての診療提供体制の在り方の骨子について、まずは御検討いただこうと思っております。これを今後、医政局で検討される医療計画に提示をしていき、そこでの議論に資する材料にしてもらおうと思っております。その後は医政局で医療計画が作られていき、来年度にはそれが都道府県に出されるわけですが、それと平行して、我々こちらの検討会でも詳細なものを作り上げていくというイメージになっております。
10月に挙げて以降、実はばらばらに議論されていくわけですが、内容については今後医療計画が実際都道府県の中で進められていくわけですが、そこにも資する形でこちらの検討会で御議論いただいた内容も反映させられるものと考えておりますので、そういったスケジュール感で御議論を進めていただければと思っております。
○小川(彰)座長 ありがとうございました。よろしいですか。そのほかにどなたかありますか。
○今村構成員 私、医療計画の研究班をしておりまして、ここで御議論いただいた内容を計画課に出していただくと同時に、研究班でどのような計画の原案に反映させるかという意見も出していく予定です。そういった意味では、この議論もできるだけ反映させていきたいと思っておりますし、現実に医療計画の作成を考えていきますと、平成29年1月ぐらいまでの議論を反映させることが可能なのではないかと思いますが、できるだけ平成28年10月に多くのものを提示して、特に都道府県がどれぐらいの医療を準備するかという基準や、それを進行管理していくための指標という部分については、是非、早い時期に議論の方向を示していただきたいと思っております。それを計画に反映させて、その計画は各都道府県が作っていくものですから、その都道府県が計画を作る際の基準となるようなものがここから提示できれば一番いいのではないかと考えております。補足です。
○小川(彰)座長 ありがとうございます。事務局はよろしいですか。何かそのほかありますか。議事次第の内容と今日は8月18日ですが、9月に第2回をし、10月までにある程度の報告ができるような内容を作らなければならないということですので、かなりタイトなスケジュールで、恐らく、公開のこの委員会だけではなかなか進まない可能性もありますので、是非、メールででもいろいろな審議をしていただかなくてはいけないのではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、ただいま、資料1、資料2については終わりましたので、次に第1回検討会の意見のまとめ及び急性期における医療施設の役割分担、それぞれの施設に必要な医療資源、評価指標について、事務局から資料3、4、5、8で御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○石上がん・疾病対策課長補佐 事務局でございます。まず、前回第1回の脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制のあり方に関する検討会における脳卒中関連の意見について御報告をさせていただきます。資料3を御覧ください。1枚目、表面に関しましては、脳卒中の急性期診療における課題に対するご意見を、搬送と診断と治療に分けてまとめております。1番、搬送についての課題、意見等に関しましては、総務省が都道府県ごとに救急搬送に要する時間を発表しているが、都会と地方では搬送に係る課題は異なるのではないか。また、高度な専門的医療を行う施設は地方では数が限定されると考えられ、アクセス方法の確保が必要になるのではないかとの御意見をいただいております。
2番、診断についての課題、意見等ですが、地方では、都会と同様の急性期の診療提供体制を確保することは困難であるため、テレストローク等の遠隔画像診断も必要ではないか。また画像診断、画像検査の読影法等の診断法が十分標準化されておらず、確立が必要ではないかという御意見をいただいております。
3番、治療についての課題、意見等といたしましては、現状ではtPA療法の均てん化は不十分と考えられる。また、tPA療法の普及のために、tPA療法の施行に係る制約の緩和についても検討する必要があるのではないか。tPA療法の普及のために、非脳卒中専門医がtPA療法を代替で施行する体制も視野に入れてはどうか。Comprehensive stroke center、Primary stroke centerの定義付けが必要ではないか。tPA療法実施が可能とうたっている施設においても、必ずしも24時間体制で脳卒中患者を受入可能な体制は構築されていない。tPA療法実施可能な施設の条件に、常時対応可能であることを明示すべきではないか。脳卒中診療体制の確立、特に常時対応可能なシステムの確立のためには、医療資源の集約化が必要ではないか。急性期リハビリテーションも急性期治療の範ちゅうに含めて検討すべきではないかという御意見をいただいております。
4番としまして、これらに当てはまらない事項の課題、意見をまとめておりまして、脳卒中の症状と早期受診について啓発が重要ではないか。慢性期の転帰の把握が重要ではないかという御意見をいただいております。
裏面におきましては、5番として、心血管疾患を含む循環器病全体の課題や意見をまとめております。まず、地域医療構想では、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」に位相分けした整理がなされておりますが、本検討会で示す「急性期」「回復期」「慢性期」と整合性をとることが必要ではないか。啓発や早期診断、長期フォローアップなどを幅広く視野に入れた、データ収集や診療提供体制構築が必要ではないか。また、常時受入可能で、的確に診断できる病院を確保するためには、「高度な専門的医療を行う施設」が診断をして、集中治療が必要ではない患者を「専門的医療を行う施設」に転院させるようなシステムも有効ではないかというような御意見をいただいております。これらの御意見のまとめを踏まえまして、今後の議論を行っていきたいと考えております。
続きまして、資料4を御覧ください。まず、本日の急性期診療提供体制の検討の前提といたしまして、近年の脳卒中急性期診療の主な進歩(案)についてまとめております。まず1点目として、2012年脳梗塞に対するtPA療法施行可能時間が3時間から4.5時間に延長となっております。2点目、脳梗塞に対する急性期血管内治療の科学的根拠が2014年から15年にかけて報告されております。3点目としまして、脳卒中ガイドラインが改訂されまして、『脳卒中治療ガイドライン2015』の出版がなされており、「地域連携」の項が追加になっております。以上のような点を踏まえながら、急性期診療提供体制について議論をする必要があるのではないかと考えております。
資料5では、急性期の専門的医療を行う施設の役割分担等の考え方について案を出させていただいております。まず、1枚目のスライドですが、発症から急性期診療の全体の流れのイメージを共有させていただきます。脳卒中を発症後、救急搬送により、若しくは患者さん御自身により病院へと受診されますが、脳卒中が疑われた場合には、脳卒中急性期の専門的医療を行う施設に直接受診する。また、脳卒中を疑わなかった場合等には、主に初期対応を行う施設を受診するようなイメージで矢印を引いております。初期対応を行う施設に受診した場合でも脳卒中が疑われれば専門的医療を行う施設に適切に連携する。また、専門的医療を行う施設の中でも治療適応に応じて、高度な専門的医療を行う施設と専門的医療を行う施設の間で適切に連携をとるような体制のイメージを提示いたしております。
次のスライドに移りまして、こちらでは前回検討会で議論いたしましたように脳卒中診療を行う施設を、専門的医療を行う施設と高度な専門的医療を行う施設の大きく2つに分けております。そこに主に初期対応を行う施設と合わせ、3段階の施設を提示いたしております。現時点では、高度な専門的医療を行う施設といたしまして、24時間体制で血管内治療や外科医療が可能な施設、また、専門的医療を行う施設といたしまして、24時間体制でtPA療法が可能な施設というイメージを書いております。その中に更に細かな役割といたしまして、高度な専門的医療を行う施設のほうでは、治療適応の判断、tPA療法、血管内治療、脳外科治療、また早期リハビリテーションや地域連携クリティカルパスの導入、地域教育・医療従事者教育、また専門的医療を行う施設を支援できること等の事項を提示いたしております。
専門的医療を行う施設のほうでは、治療適応の判断、tPA療法、早期リハビリテーションの実施、地域連携クリティカルパスの導入、高度な専門的医療を行う施設と連携体制をとることを項目として挙げました。また、主に初期対応を行う施設としましては、脳卒中の急性期診療を行うことができない施設をまとめて示しておりまして、こちらの施設に求められることとしては、脳卒中を的確に疑い、専門的医療を行う施設への転送が可能であることとイメージしています。
さらに、次のスライドでは、専門的医療を行う施設に必要な医療資源の項目を明確にする必要があるのではないかということで、1枚目には高度な専門的医療を行う施設に必要な医療資源イメージを提示しております。医療資源として施設、機器、人員の3つに分けて記載をしております。施設に関しましては、脳卒中ケアユニット若しくはそれに準ずる設備やICU、24時間体制の手術室等を記載しております。機器としましては、24時間体制の脳血管撮影装置や24時間体制のCT/MRI、経頭蓋ドップラー超音波。人員としまして、脳血管内治療専門医、脳神経外科専門医、その他脳卒中診療に従事する医師、リハビリテーションに従事する医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師、診療放射線技師、臨床工学技士、臨床検査技師、退院調整部門等を例として挙げております。
次のスライドでは、専門的医療を行う施設に必要な医療資源のイメージを挙げておりまして、機器に関しましては24時間体制のCT/MRI、人員に関しましては、脳卒中診療に従事する医師やリハビリテーションに従事する医師、リハビリテーションスタッフ、放射線技師、臨床検査技師、退院調整部門等を挙げております。これらの施設に必要な医療資源の項目を明確にする必要があるのではないかと考えております。
次に、資料が少し飛び、資料8をご覧下さい。前回第1回の検討会の資料の一部を参考資料の7に入れておりますが、最後のスライドで、搬送、診断、治療における課題と、医療施設に求められる役割を基に診療提供体制及び個別の医療施設の評価指標を設定することが必要ではないかという検討を行っております。それに伴いまして、資料8では、急性期診療提供体制に係る評価指標のイメージを挙げております。2枚目のスライドに関しましては急性期診療提供体制に係る指標イメージを挙げておりますが、主に本日の議論の後半で搬送やネットワーク体制に係る議論を行いますので、そこの議論に併せて検討いただければと思います。
先に裏面をご覧下さい。資料8の専門的医療を行う施設に係る指標イメージを御説明したいと思います。先ほど提案いたしました専門的医療を行う施設に係る指標イメージをストラクチャーとプロセス、アウトカム指標に分けてそれぞれ提示をいたしております。上の段におきましては、専門的医療を行う施設と高度専門的医療を行う施設に必要と考えられるストラクチャー指標を、それぞれ施設、診断機器、人員に分けて提示をいたしております。高度専門的医療を行う施設に関しましては、施設としまして、脳卒中ケアユニットの有無や手術室の有無、診断機器といたしまして、脳血管撮影装置の有無やCT/MRIの有無等、人員に関しまして、脳血管内治療専門医、脳神経外科専門医、その他の脳卒中診療に従事する医師、リハビリテーションに従事する医師、コメディカルスタッフ、退院調整部門の設置の有無等を挙げております。専門施設におきましては、診断機器としましてCTの有無、人員としまして、脳卒中診療に従事する医師やコメディカルスタッフを載せさせていただいております。
次のページでは、プロセス、アウトカム指標といたしまして、専門的医療を行う施設としては、tPAの実施件数やガイドラインの遵守率、来院からtPA治療までに要した時間、tPA療法による出血性の合併症の発症率、リハビリテーションやクリティカルパスの導入、教育等を載せております。高度な専門的医療を行う施設におきましては、それに併せまして脳血管内治療実施件数や脳血管内治療を開始までに要した時間、再開通までに要した時間、脳外科手術の実施件数等を挙げております。また、これらの事項のアウトカム指標として死亡率やmRSスコア0~2の割合を書いております。以上をイメージとして記載いたしました。
○小川(彰)座長 ただいま資料3、4、5、8につきまして御説明がございましたけれども、今、この段階で何か御発言、御意見あるいは御質問等ございませんでしょうか。
○宮崎構成員 ちょっと小さいことですけれど、この資料5の高度な専門的医療を行う施設に必要な医療支援イメージのところに、経頭蓋ドップラー超音波というのがあるのですが、これは今、余り現場では見てないような気がするのです。むしろ、スペクトとかあるいはパーフュージョンみたいなものを入れるべきと思います。小さい問題なので、取り上げるべきかどうか迷ったのですが、いかがでしょうか。決まりで載ってしまうと、病院としては必要なくても、今後、買わなきゃならないなんてことがあると医療資源の無駄にもなりますので、ちょっと思ったわけです。
○小川(彰)座長 事務局から何かございますか。
○渡辺がん・疾病対策課長 そこの辺り、これで決めるということでもないので、現実に即したより良い文言なり、機器を御提言いただければというふうに思っております。
○小川(彰)座長 これからのディスカッションにも関係するところでございますけれども。
○羽鳥構成員 この資料3の裏ページの所で、地域医療計画の「高度急性期」「急性期」を、こちらの検討会では「急性期」の1つにまとめられてしまっているのだと思います。そうすると、今日聞いてるお話だと、「高度急性期」と「急性期」を、皆さん方のイメージでいうところの、高度な専門的な治療を行う施設は「高度急性期」、そして専門的な治療を行うのを「急性期」というふうに分けていこうというお考えもあるのでしょうか。ということが1つです。
例えば脳卒中、脳外科の専門医がいらっしゃる所はほとんど複数の先生がいらっしゃるのですけれども、そうすると、実際に24時間365日の体制はできてなくても手術はしているんだという所もあるかと思います。その場合、急性期に入るのか、高度な急性期に入るのか、その辺の切り分けをどうお考えなのでしょうか。例えば、長谷川先生と私の属している川崎ですと、8つぐらいの脳外科の手術のできる病院があると思います。病院数に比べてtPAの件数は少ないとか、いろいろな問題点があるかと思うのですけど、その辺の切り分けをここで大きく決めていこうかと。高度な急性期と言う場合には、1つの医療圏に1つぐらいのイメージということなのでしょうか。その辺が気になる、それが1点です。
もう1つ、3ページ目の3の真ん中辺り、いわゆるtPA療法普及のために非脳卒中専門医についても行えるようにする。これはとても大事なことなのだと思います。例えば糖尿病についても、糖尿病非専門医についても、糖尿病の標準的な治療ができないと、今の糖尿病の患者数に比べて、治療の対象数が不足するということもあるので、tPAについても同じようなことが言えるのかと思うのです。その辺についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○小川(彰)座長 この件に関しましては事務局からも答弁していただきたいと思います。基本的にはこのワーキンググループで議論をして、どういうところに落とすかというところだと思いますので、事務局のほうでは何かありますか。
○丹藤がん・疾病対策課長補佐 先ほど御質問いただいた、この地域医療計画での「高度急性期」「急性期」と、今回我々がこのイメージの案として出させていただいている、「高度な専門的医療を行う施設」と「専門的医療を行う施設」として、必ずしも関係があるものではないというふうに理解をしています。ですから、恐らく高度急性期、急性期というのは医療計画の中でどう切り分けるかという議論になってくると思います。今回の我々の意見は意見として医政局のほうに御提示はしますが、それをどう料理するか、どうこの医療計画における区分けにするかというのは、ほかの疾患との関係の中で議論されるものと思っております。というわけで、別のものというのが1点です。
それからもう1点、御質問いただいた、非脳卒中専門医に対してどのようにそのtPAを行っていくのかというのは非常に重要な観点だと思っておりますので、この点につきましても引き続き御議論いただきたいというふうに思っております。
○今村構成員 医療計画の計画を作る側にいる者としては、ある程度はこの高度急性期、急性期という概念と、今回提起づけさせていただく施設との位置付けについては、意見としては言っていただいたほうがありがたいというふうに思います。医療計画は6年間各都道府県が、その地域で脳卒中の病院として何床、どういう病院を準備しますかということの計画を立てるものですから、各都道府県がこの3つの区分の病院をどれぐらいの人口に対して準備したらいいのですかということを、この委員会から言っていただけると、その計画としては立てやすいと思うのですね。例えば3つの概念で、高度急性期、急性期、回復期が3つの概念だと言ってもらえれば、一番ぴったりくるとは思います。いや、そうじゃないと。これは基本的に人口50万単位で1個ぐらいあればいいというふうに言ってもらえれば、そこから先は各都道府県が判断をして、それぞれの急性期、慢性期に割り振るということになると思います。
それと併せて、先ほどから出て来ている指標の部分ですね。これだけの病院を各都道府県別に設定しますと言ったときに、ではどういう指標でそれが達成されているかというのを管理すればいいのですかと。病院さえ出来ればいいのですかということではなくて、どれだけ死亡率が下がりましたかとか、どれだけtPAが実施されましたかということがその指標として出て来る必要があって。それが今病院単位で議論されていますけれども、基本的に医療計画というのは二次医療圏単位で見たときに、それがどれだけ指標として管理できるかということになりますので、この医療計画に載せるためには病院単位の議論プラス、地域全体で見たときに指標としてどんなものが適切かということをやはり議論していただく必要があるというふうに思います。補足があったらお願いします。
○丹藤がん・疾病対策課長補佐 ありがとうございます。先ほど言った先生の御指摘のような流れで、こちらでも御議論をいただきたいというふうに思っています。恐らくその地域医療計画で、彼らが高度急性期、急性期、回復期、慢性期というのは、各病院が機能報告といいますか、そちらのほうとのリンクがどうかということを御質問されたと思って、それと今回の脳卒中の診療における高度な専門的な医療と、専門的な医療ということで、分けて考えたほうがいいのではないかというふうにお答えをさせていただいたというところでございます。
○小川(彰)座長 よろしいですか。そのほかございますか。
○川勝構成員 資料5のこの絵の中に、私は患者として考えるのですけど、いわゆる町のお医者さん、かかりつけ医とかそういうお医者さんはこの中でどこに位置付けされるのでしょうか。
○石上がん・疾病対策課長補佐 事務局でございます。いわゆるかかりつけの開業医等は、脳卒中の急性期診療を行うことができないというイメージで、主に初期対応を行う施設の中に含んでおります。そちらで適切に脳卒中を疑い、専門的な医療を行う施設に適切に転院させる判断をしていただくというイメージを考えております。
○小川(彰)座長 この件に関しましては、やはり項目別にきちっと議論をしていかなければなりませんので、まず最初に、資料5で、いわゆる施設の役割分担というところが、これでよろしいのかどうかということで御議論をいただきたいと思います。今の開業医の話もございますけれども、それにつきましてもいろいろ御意見はあるのですが、一応この中では、イメージとしては高度な専門的医療、専門的医療、そして主に初期対応を行う施設ということで分けているわけでございます。この辺、役割分担のイメージにつきまして、まず御議論をいただければと思います。
○宮崎構成員 高度施設と言うと、地方ではある程度限られると思いますので、そうすると集約された所だと思うのです。そういう所は先ほどのいろいろな意見の中にありましたように、ITを使った連携で一般病院からの、例えば脳外科のない病院からの相談も受けるような、相談を受けて必要があれば送ってくれと言える様な体制が必要でしょう。最初から迷って、すぐ送られてきてしまうのは高度の病院も困ります。やはり集約とその連携ということは、私は両輪だと思うので。そういう意味では、先ほど出たITを使った画像遠隔診断とか、それぞれのものに対して機能を整備する必要があり、特に出すほうよりもむしろ受け取るほうの整備をして、ちゃんと相談に乗ってあげる。こういう状況で来ているのだけど、これはすぐ送ったほうがいいのかどうかとか、そういう相談をしてあげる。特に、高度なところにはそういうことが求められるのではないかと思うわけです。
それからもう1つは、高度の場合には特に脳卒中は高齢者が多いわけですが、高齢者ですと、どうしてもいろいろな合併症を複合的に持っていますので、ある程度の診療科が必要だと思うのです。総合病院がいいのかどうかちょっと分かりませんけれども、例えば糖尿病だとか呼吸器内科だとか、そういうものも関係してくると思いますので。高度という所になると、ある程度のほかの病院で対応できないものにも対応できるような必要があるのではないかと思います。むしろ脳外科の治療が難しいと言うよりも、患者さんを全体として見る上で、そういう患者さんが送られて来ることも結構ありますので。例えば透析装置ですが全ての病院に透析が必要とは思いませんが、透析が必要で脳卒中あると、そこへ送るというようになっていますので、高度と言うにはある程度総合的な体制も考えていかないといけないかなというように思います。
○小川(彰)座長 分かりました。今の宮崎構成員が前半でお話になった施設間の連携については、後半のほうで御議論をしていただこうと思っておりました。取りあえずは、まず脳卒中の患者さん、急性期の患者さんがいらっしゃって、そのときに、要するに地域としてどういう病院を、どういう機能を持った病院の用意をしておけば、脳卒中患者さんのアウトカムを下げないで、上げることができるかという視点で、高度専門的な医療等々を行う施設という形で、全て高度というわけにいきませんから、ですからこういう高度な専門的医療を行う施設と、取りあえず専門的医療を行うような施設を分けて考えて、それをどういうふうに配置をするのか。その後で、今度は地域の中でそういう病院があったときに、どういうふうなネットワークを組めばいいのかというふうな議論に進めていきたいと思います。基本的には、取りあえず資料5につきまして、役割分担のイメージとして高度な専門的な医療を行う施設に求められることは何だという所から、御議論を進めていただければと思いますが、いかがでしょうか。
例えば、参考資料2に、これは脳卒中学会で作ったものでございますが、tPA静注療法の適正治療指針というものの最新版が第二版となっておりまして、これの中で、次ページの11番目に、治療を行う施設のガイドラインが出ているわけでございます。この脳卒中に係るワーキンググループとしては、高度な専門的医療を行う施設にどういうことを求めるのだというところから御議論いただければと思います。例えば、24時間体制でtPAが行えなければならないというようなこととか、あるいは24時間体制で血管内治療とか外科治療も行う必要があるのかどうかというようなことも含めて、この資料5の2枚目の上のほうにございます、「24時間体制で血管内治療、外科治療が可能」、その中でtPAの治療が可能であるということにつきましては、専門的というところに位置付けられているわけでございます。この辺いかがでしょうか。
○羽鳥構成員 昨日の循環器のあれもそうだと思うのですけど、日本医師会としては、今の議論を聞いていると、地方の中小病院の切り捨てというイメージにつながるのではないかという恐れを皆感じているような気がします。やはり高度急性期と急性期を分けていく。ただ、実際には先ほども言いましたけど、脳外科の専門の先生が、ちゃんと血管を切れる先生が既に常駐しているのだけど、この高度急性期にはどうも入れないなというイメージの病院が幾つかやはりあるので、もう少しこの切り分けを明確にして。先ほど宮崎先生おっしゃっていたように、高度急性期とはその合併症がたくさんある、透析ができなくてはいけないとか、そういう条件を付与していくのなら分かりますけど、余りこのところで、高度でないから手術をしてはいけないというふうに区切ってしまうと、ちょっと苦しいかなという先生も多いのではないかなというふうに感じました。
○小川(彰)座長 事務局としてはそういう意図ではないのですよね。
○石上がん・疾病対策課長補佐 これは例えば専門的な医療を行う施設のほうでは手術をしてはいけないである等の取決めをするものとは考えておりません。
○小川(彰)座長 ただ、最低限例えばこのぐらいのものが必要で、そういうものを一応こういうふうなクライテリアに入れて、その地域、地域でいろいろな独自性がありますから、その中でどういうふうな配置があればいいのかというような、そういう観点でよろしいのではないかと思います。
○羽鳥構成員 分かりました。心臓はゴールデンタイムが6時間、7時間でよろしいですね。だけど、やはり脳卒中の場合はもっと短いと思うので、もう少しそのtPAの対応できる病院を数多くしなくてはいけないということもあるので、その心臓と脳卒中に関しては少し切り分けて考えていただきたいなというふうに思います。
○小川(久)構成員 先ほど宮崎先生からおっしゃったような余分な設備、余分っておかしいですけど、そういう必要な設備というのはやはり考えないといけない。昨日も、人工心臓がないと高度ではないと言われたのですが、人工心臓のない病院なんて、地方にたくさんありますので。そういうこと言われると、地方が全部駄目になってしまいます。そういう設備は考えたほうがいいと思うのです。
今のtPAなのですけれど、高度か非高度かなのですけれども。tPAがどうもやはり少ないと言いますのは、羽鳥先生がおっしゃったとおり、脳卒中専門医だけが、今はやるというような感じになっているから、少ないと思うのですね。私が前回言ったのですけれど、ちょっと言い過ぎかなとも思ったりしているのですけれども、実際翻って24~25年前、私たち循環器専門医はtPAを全部静注でやっていたわけですね。その頃問題となったのが2つありまして。1つは脳出血を起こす症例がやはり1%弱あったということと、もう1つは、どの病院に置くかということで、これは1つの基準となると思うのですけれども、非常に高価なお薬ですから、どの病院にも置けないですね。ですから、ある程度総合病院で、ですからそういう非専門医が打つにしても、そのtPAが置けるような病院ってある程度限られてくると思うのですね。ですから、ある程度総合病院になって、そこには脳神経外科医、脳卒中専門医、そういう所で、たまたま脳卒中専門医が足りないところでも、それがいれば、非専門医がその指示の下で打ってもいいというようなことすれば、非常に成績は良くなるのではないかなと、そういう発想で言ったので。誰でも全てtPAを打ちなさいという意味ではございませんので、そこら辺ちょっと誤解を招くといけないので言っておきます。
○今村構成員 tPAに関しては、私はできるだけ基準を緩くしてもらったほうがいいと思っています。その背景としまして、地域医療計画で今、アクセスマップというのをよく使っているのですが、例えば脳卒中を見ることのできる病院に30分以内にアクセスできますかという絵で見たら、日本中ほとんどのところが30分以内にアクセスができる。それに対して、例えばクモ膜下出血でアクセスできますかとしたら、ほとんどの地域がアクセスできないというような状況になっていまして。恐らくクモ膜下出血は脳外科があるかないかという基準で見られていて、脳卒中、脳梗塞に関しては、患者さんとして脳卒中見ているかどうかだと思います。でも、これをtPAという目で見たら、ほとんど脳外科と同じくらいしかできてないという状況で。すると恐らくtPAができない病院にかなりの患者さんが、脳梗塞の急性期の患者さんが入っていて、それを、自分の病院では見ているというふうに表現しているというのが今の現状なのではないかと思うのです。
ですから、これがtPAができる所しか受け入れることができないというふうに見れば、全然足りないという状況があって、これをもう少し広げていかないと、脳梗塞の急性期に関しては、医療体制として全然確立されてない状況になると思うのです。ただ、見ることができますというふうに各病院が、tPAができなくても宣言されていると、それは計画上は各病院が見るということになっているわけでして、そこにちょっと矛盾が出てきています。ですから、tPAやることが必須だということであれば、そうすると脳外科があるところしか見えないことになってしまって、日本中今度は脳梗塞が見られないことになるので。するとtPAそのものの適応基準をもうちょっと緩くして、一般の病院でもそれができるような体制を取って、広げていかないとうまくいかないのではないかなというふうに思います。
○小川(彰)座長 そうですね。
○長谷川構成員 今の御議論に、私も賛成でございます。それで、tPA、まずこの高度なというよりも、高度でない専門的な脳卒中医療をする所ということ自体が、実は今日本の中に定義がございません。今日の議論の中にございませんけれども、脳卒中患者というのは必ずしも救急車で行くとは限りません。歩いて受診する脳卒中の患者さんもたくさんおられます。例えば、TIAの患者さんの40%はかかりつけ医のところに行くのですね。では、その人たちが脳卒中をやっているところに、次に送りましたと言うときに、もし、そのMRIだけしかやらないような所に行くと、これは再発率が非常に高くなるわけです。心臓の中に大きな血栓がありませんか、あるいは首に大きな90%の狭窄がありませんかというところまでができるような所に、少なくとも送れるような体制がなければいけません。ですから、高度というのは、さほど今重要と言うほどでも、私はないなというふうに思っておりまして、むしろ高度でないほうを早く日本中に広めていただきたい。そして、高度であるものの一番重要な点は、先ほどおっしゃった専門的な医療を行う施設を支援すると。地域の中をどんどんICTを使ったりして支援する。あるいは、カテーテルもエビデンスが出ましたから、恐らくそういったところはカテーテルで24時間できるのに違いないと思いますけれど、そんなにたくさん要るものではなかろうなと私は思っております。ですから、基本的にはこの専門的なtPAを中心としたり、あるいは心臓の中の血栓をきちんとすぐに確認できるような脳卒中の日常的な専門的なことをやっている所を早く決めるというほうが、重要ではないかなというふうに思っております。
○小川(彰)座長 今の長谷川先生の御意見ですと、例えば、資料5の裏側の上の「専門的医療を行う施設」という所で、「24時間体制でtPA療法が可能」であると。この24時間体制でtPA療法が可能な施設を、ちゃんと地域、地域に配置をするということが極めて重要だということですね。
それを「専門的医療を行う施設」という言葉にするかどうかはまた別として、その辺に関しては米国等々でもかなり一般のお医者さんがtPA療法を実際に行っているという事実もございますから、そこの条件をこのワーキンググループとしてどういうふうなクライテリアで決めるかということになるだろうと思います。ですから、高度な専門的医療を行う施設に関しては余り問題はないとは思うのですよ。だから、これは大病院であって、そして何でもできるような病院でしょうから。ただ、その中でそれだけでは到底足りないので、均てん化をするためにはやはり脳卒中に罹患したときに、比較的早く行けるような病院で、tPAの静注療法が24時間体制で可能な施設をきっちりと用意をするということですよね。
○鈴木構成員 私も、先生方の御議論で、tPAの打てる施設あるいは医師の要件の緩和というのは、非常に大事な点だと思うのですね。もう1つ踏み込んで、この24時間という縛りが本当にうまく縛りになっている、あるいは合併症抑制効果があるのかというのは、ちょっと疑問があります。例えば、日中は放射線の技師もいる、医師もいる。それで日勤帯はtPA可能だが、夜間になると困難である。あるいは24時間できると標榜していても、放射線技師をオンコールで呼ぶのに1時間も掛かっているのでは全くtPA治療にそぐわないので、実際はこの24時間の縛りよりも、その実情を自治体でよく判断したほうが宜しいと考えます。
それから、この東京都近隣の関東圏だと、100万人単位で、この昼間人口と夜間人口が変わりますので、近隣の県での夜間のtPAの体制というのはまた別の意味で大変なのです。その意味でこの高度ではないがtPA試行可能な施設は重要で、専門的医療施設にのみ傾注することは是非ご再考いただきたいと思います。
○小川(彰)座長 地域の現状によって大分違うということですから、これはこの後、また更に議論しなければならないところであります。基本的には、皆さんのコンセンサスが得られているところは、やはりtPAの静注療法が安全、かつ確実にできる施設を増やす。その中には24時間でやれる病院もあるだろうし、日中しかできないような病院も当然あり得る話だとは思うので、そこのところは後でまた議論をします。施設間ネットワークの中で、どういうネットワークを作るのか。例えば、日中の時間帯はこういうところも入るけれども、夜間だったらこういう施設しかできませんよということで、整理をすればいいのかなとは思うのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○田村構成員 医療ではなくて、私は看護職の立場なので。資料5の高度な専門的医療の人員のところなのですが、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師が、高度なところだけに入っておりまして、専門的医療を行うところに看護職が入っておりませんので、是非ともどちらにも認定看護師である、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師さんをまず入れていただきたいと思います。看護職というのは、どちらに対しても専門看護師としても非常に数は少ないのですが、脳卒中を扱う専門看護師も少しずつ日本の国内で誕生しておりますので、その辺り、脳卒中を扱う専門看護師等を記載していただきまして、どちらに対しても看護職というのは対応しておりますので、記載をしていただきたいと思います。
○小川(彰)座長 ありがとうございます。これも非常に大事なポイントなのですが、現実的には今現在、脳卒中リハビリテーション看護に認定看護師ですが、認定看護師が全部たくさん養成されているわけではないので。
○田村構成員 今2016年の8月現在、640名、日本国内にはおりますけど、まだまだ少ないだろうと思いますので、看護。
○小川(彰)座長 ですから、それを48都道府県のたくさんのtPA静注療法ができるあれに、条件として入れてしまうと、今現在はちょっと現実的ではないのだろうと。もちろん、だからその望ましいとか、そういう認定看護師を養成配置することが望ましいというような内容にはなるのだろうと思うのですが。
○田村構成員 はい。それはそうなって、看護職であれば、その言う人員の中に一つ入れていただいていれば、十分対応できていくと思います。そんなふうに、より高度な専門的な知識等も持っている人たちもこれから作られていきますので、その辺りも考えながらということをよろしくお願いいたします。
○川本構成員 すみません、認定看護師のことなので、看護協会のほうから御説明させていただきたいと思います。先ほど田村先生のほうから説明がありましたように、640名、今認定者がございます。ただ、残念なことに、佐賀と岩手と秋田が2名しか存在しておりません、一番少ないところでそういう状況です。あと47都道府県全てに認定者は存在はしておりますが、座長がおっしゃったように、偏在しているという状況がございますので、望ましいということでは、これからも養成というか、そういうところに御尽力いただけたら非常にありがたいと思っております。是非幅広く活用していただければ、非常にありがたいなと思っているところでございます。ちょっと補足させていただきました。
○小川(彰)座長 はい、分かりました。確かどこかにありましたね、今現在は配置をするのは無理でも、将来的にそういう方向が望ましいというような言い回しをしたらいいのではないかというのが、どこかにあったと思いますけれども、なかったですか。
○岡田がん・疾病対策課長補佐 事務局でございます。こちらの施設に必要な医療資源のイメージで記載する部分に関しましては、比較的幅広く記載させていただいております。この中で、例えばこれは絶対に必要であろうという資源と、これは今御異議がありましたように、まだ数が少ない等で、望ましいような努力目標的な資源というものはある程度御意見としていただいて、またこの資源を整備していきたいと考えております。
○小川(彰)座長 ですから、一番重要なのは脳卒中に罹患した患者さんをいかに治療ができる施設へ送るかという、また、施設をどの程度用意をすればいいのかということです。それをそういうのをやっては駄目だというような、その使い方をすると、今度は全然逆な方向になってしまいますので、先ほど岡田さんのほうから、説明があったように、努力目標的な言い回しもその中にはあってよろしいのではないかと思うのですけども、その辺はよろしいですね。
○川勝構成員 すみません、ちょっとそもそも論で、厚生労働省の方に聞きたいのですけど、tPAも今投与率だと5%ぐらいというふうに言われていますよね。どうしてこんな低いのかという分析をされているか、その理由、内容を教えてほしいと。もう1つはtPAの実施されている病院の数は把握されているのですか。この2点を教えてください。
○石上がん・疾病対策課長補佐 tPAが現在5%程度だということに関しましては、前回の議論でも少ないのではないかという御意見が出ておりました。その原因といたしまして、前回の議論などで、学会の出しているtPAを投与する施設の基準等が厳しすぎるのではないかなどの御意見も出ておりますが、今後引き続き皆様方からの御意見を伺いたいところでございます。また、どのぐらいの施設がtPA治療をされているかということに関しましては、超急性期脳卒中加算を取っている施設は700台程度と把握しておりますが、実際にtPA療法を施行されている施設数はつかみきれていません。
○川勝構成員 ありがとうございます。つかみきれてないのは法律がないからつかんでないのですか、それともお仕事が忙しくてできないのですか。
○今村構成員 地域医療計画のほうでは、tPAの実施件数は、その診療報酬上の件数は把握できているので、どれだけの件数が行われているかというのは分かっています。それをやることができる病院と、実施件数が本当に一致しているのかという部分については、まだ検証ができていない。実際はやることができると言っていても、ゼロの所もたくさんありますし、やれないと言っていても、やっている病院もあるという現状があります。明らかに自称できると言う所と、やられている病院との間にギャップがあるという状況だと思います。
○川勝構成員 私の意見として、tPA投与ができる、できないではなくて、やったことがある、何件以上とか、そういう基準をここに入れてもいいのではないかと、患者目線としてはそう思います。できる、できないではなくて、私は頑張りますよと言われても困るのです。ちゃんとやっています、これだけという実績をここに入れれば、高度というよりきちんと実績のある病院・施設という基準があってもおかしくないのではないかという気がします。
○小川(彰)座長 私は、脳卒中学会の理事長を前にやっていました。脳卒中学会の理事長としての感覚からすると、tPAが導入されたときに、一番怖かったのは、出血性合併症でした。それがどのぐらい出てくるのか分からないということもあって、当初はtPAの静注療法に関しては、全例報告の義務を課しました。これは3時間が4.5時間に延びたのは、ある程度比較的安全であるということがだんだん分かってきたからです。
ただ、これについてもちゃんとした指針にのっとって、きちっと投与しないと、とんでもない合併症が起こるということで、非常に危険性のほうがクローズアップされていて、その実施の数が少ないということもあるのだろうと思います。
○宮崎構成員 この症例の数が今問題になったわけです。今はDPCでかなり数が分かるようになってきました。かつて、脳卒中の連携パスが作られたときに、管理病院はその症例の成績も管理する必要があった。自分の所の治療成績だけではなくて、自分の所から送った患者さんのデータを集めるという縛りがあったわけです。そういう点から考えると少なくとも高度と称する所は、その地域の症例の数だとか、そういうものをまとめるようなことが必要で、いろいろなところで地域連携の会を作って、一緒に勉強会をしています。そういうものの中心になるべき義務を課して、そこを財政的にでも支援をすれば各病院もやる気になるかと思うのです。
そういう地域ごとのデータをきちんと集められるような仕組みというのが今後は必要でしょう。それは高度な所は自分の所で治療を頼まれたものだけ治療をして回せばいいということではなく、その地域の責任をある程度持っていく必要があるのではないかと思います。この役割の中に、その地域の分析みたいなところも入れておいたほうがいいように思います。
○小川(彰)座長 そのとおりです。こうであれば理想だということをイメージしてこういうポンチ絵を描いくわけです。しかし、現実の医療体制と乖離をしていれば全然意味がないわけです。これは後で御提案しようかと思っていたのですが、例えば地方と都会とではまず状況が違います。その地方の中でも、ある地方とある地方では、やはり状況が違う。本日ここにお集まりの皆さんの中で、自分の県だったらば、例えば私の場合に岩手県であれば、こういう病院があってこうなっていると。そこにはどの程度の脳神経外科医と、神経内科医がいてどうのこうのだから、こういうふうな体制を組めば、1つのモデルとしてこういうのはできるのではないか。幾つかのモデルを作って持ち寄り、そこをベースにして議論をしないと、下手すると現実と全く乖離した議論になってしまう可能性があるのではないかという危惧があります。その辺事務局としてはどうですか。そういうのをやってみるというのをどうお考えでしょうか。
○丹藤がん・疾病対策課長補佐 先生が御指摘の点というのは、病院の現状という意味ですか。今議論している高度専門的医療と専門的医療と、そういう施設のモデルケースという御提案なのですか。これから長谷川構成員に御発表いただこうと思っているのですが、ネットワークというかその地域の提供体制の連携、ネットワークについての御意見というのでしょうか、岩手県ではそのような形でやるとすれば、後者の意見ということになります。そういう意味で、まずは長谷川先生からの御発表を伺ってから議論をしてもいいのかと思うのですが、いかがでしょうか。
○小川(彰)座長 そのとおりです。ですから、ちょっと話を出すのが早すぎたかとは思っています。そういう議論になってきたものですから、現実と乖離をした議論をしても余り意味がないので、後で長谷川先生のお話を伺います。この前半では、施設の役割分担として、先ほど長谷川先生からも御指摘がありましたけれども、tPA静注療法ができるような病院がどのぐらいあるのか、それを増やさなければなかなか均てん化は難しいだろうということです。鈴木構成員からは、24時間体制というのを条件にすれば、現実的にはなかなか難しい病院もあるだろうということになると、これは後で議論する施設間ネットワークとの関係の中で整理をしていくということでよろしいのではないかと思うのです。そういうことでよろしいでしょうか。その他に何かここのところで議論をしておくべきことはありますか。
先ほど資料5にあったようなイメージとして、「高度な専門的医療を行う施設」という言葉を使うか使わないかは別として、あるいは「専門的医療を行う施設」というのを使うかどうかは別として、こういうふうな超高度な病院と、一般的な病院で、そしてtPAができるような病院、そのようなことで整理をしていくということで、この辺に関してはそれでよろしいでしょうか。内容については、後で事務局のほうと十分相談をさせていただいて御相談いただきたいと思います。
資料8の「急性期診療供給体制に係る評価指標イメージ」というのは非常に難しいです。専門的、あるいは高度な専門的医療を行う施設に求められるプロセス指標と、それから最終的にアウトカムをどのように評価するかはとんでもなく難しいわけです。実は、アウトカムが現時点では全く評価されていないのです。今現在は、その死亡率ぐらいしかなくて、これは脳卒中全体の死亡率でしか議論できないわけです。ただ、脳卒中の場合にはもっと特殊で死亡率よりも、むしろ寝たきりとか、非常に重篤な状態になって社会復帰ができない患者さんをいかに減らすかというところに、アウトカムの指標がなければならないのですが、この辺はいかがでしょうか。何か御意見はありますか。
○今村構成員 こういう指標を作る研究班が、我々がやっている研究班なのです。ここに書いてあるような指標というのは、今ある情報から出せるものなのです。ただ、実際に今ある情報から出したものだけでは、現実の管理指標としては余り役に立たないのではないかというのが、検討会でも言われていることなのです。これを専門家の立場から、こういう数字なら簡単に作れて、こういう数字を使っていきましょうというのを言っていただけると有り難いのです。数字を作る立場からでは、こんな数字を作ったらいいのではないですかと言うと、それは作るのがすごく難しくて、臨床の現場では難しすぎるということがあったりします。これは、専門家の方々に提案していただかないと難しいのです。
例えば、循環器病のほうであれば、循環器病のそういう研究班が立ち上がりつつあります。専門家の中でそういう指標を積極的に作っていこうということを考えていただいています。できれば脳卒中に関しても、そういう指標を考えていただけるのが一番望ましいと思います。
○小川(彰)座長 そうですね。これは学会のほうでやらざるを得ないのだろうと思います。
○長谷川構成員 イギリスや他の国でもそうなのですけれども、例えば脳卒中を起こした人は100%24時間以内にCT、MRIを撮らねばならないというようなのは、専門家の立場でなければ出てこないことです。幾ら既存のデータから指標を取ろうと思っても駄目なのです。国によってインディケーターは違いますけれども、脳卒中のインディケーターというのは本当に信用できるものをやろうと思うと、大体8つか10ぐらいなのです。
ホームページを見ると、オーストラリアのタスマニア地方のCTの施行率は何パーセントと日本からも見ることができるのですが、日本のデータはどこにも何もないです。脳卒中の人が、1年後に口からご飯を食べていますか、お腹に穴をあけられていますかというのはどこにもデータがない。何が重要かということは、やはり専門家の立場で、これとこれとこれは重要だという指標を出して、しかもそれがある病院の細かなプロセス、ストラクチャーを言っても余りよろしくない。先ほどお話があったように、地域全体のデータとしてだんだん良くなっていく形のデータにしないと余りよくないのではないかという気がいたします。
○横田参考人 参考人の立場から、救急の立場からお話します。この指標のイメージというのは、あくまでもその施設なりシステムが良くなっていく、そのためにこういう指標を使うのだと思うのです。後で長谷川先生からお話があると思うのですが、脳卒中の特に病院前から医療施設までの状況というのは、ウォークインの患者さんは別として、救急隊の皆さんが脳卒中だと思って専門病院に搬送する。その際に、脳卒中でない患者さんも一定割合含まれるのを前提に、その応需率というか、地域で脳卒中だと思われる患者さんはなるべく専門の施設、あるいは高度の施設は受けていく。そういう努力をするために、応需率みたいなのを指標に入れておくと、地域の脳卒中体制が良くなっていくのではないかと思いました。
○今村構成員 本来、次回が慢性期の議論なのでそこかもしれないのですけれども、地域全体の、例えば退院時のMRSスコアを病院単位で見るのと、地域で見るのとは随分違います。我々の研究班の中で、熊本での事例を追いかけていると、急性期病院から出たときの、MRSが同じ方が、次の病院を経て一体どうなるかを見ていくと随分差があります。次に行く病院で、その方の予後が全然違うというのが今の現状だと思います。アウトプットとして、各病院の急性期病院のアウトプットがどうかということと、地域全体で見たときのアウトプットというのは随分格差があって、そこは慢性期医療の体制が整っているかどうかということが、最も大きな差になっているようだということが、我々の中では指摘できるところまで来ています。
でも、その体制をどうすればいいのかというのは、やはりここで議論して、提案していただく必要がある部分だと思います。次回の議論との関係もあると思うのですが、今そういう問題があるということを指摘させていただきます。
○小川(彰)座長 その他にあるでしょうか。後でまた戻っても結構ですので、この評価指標の内容としてはかなり難しいところもあります。委員の先生方にはお持ち帰りいただいて、いろいろ検討していただいて、また御提言を頂ければと思います。後でまた戻るかもしれませんけれども、先に進ませていただきます。長谷川先生から、資料6で御説明をお願いします。それから事務局から資料7と資料8の説明をお願いします。
○長谷川構成員 私の発表は、できるだけ現状に即して、先ほどからお話がありましたように、絵に描いたものではなくて現状をお話します。私が知っている、私たちがやっているところからお話をさせていただいて、御議論の参考になればと思います。
資料6の1枚目、脳卒中救急診療提供体制(tPA開始以降)の、我が国の変化について、私なりに考えているところを書いてあります。2005年10月にアルテプラーゼ、平成17年に静注療法が開始され、このときにどういう形で日本のtPAが開始されたかということです。翌年4月に脳卒中ケアユニット加算が出てきました。先ほどの議論でもありましたけれども、tPAでひょっとすると出血性梗塞が増えるのではないかという危険性を考えていましたので、日本脳卒中学会医療向上・社会保険委員会では、資料の一番最後のページのように、十分な人員をもって、そしてSCU又はそれに準ずる施設をということを、アルテプラーゼを行う方針として決めたわけです。
実はここが非常に重要な点ですので、また最後にお話をさせていただきます。我が国のtPA静注療法は、施行医には適正使用講習会の参加の義務付け、施行施設には「脳卒中ケアユニット(SCU)又はそれに準ずる設備を有すること」という2つの条件を付けて開始されました。そして、第5次医療法改正になり、どこが脳卒中の救急を受けているかといったことを分かりやすく明示されるようになってまいりました。
平成21年の消防法の一部を改正する法律は非常に重要なエポックだったと思います。都道府県に協議会が設置されて、医療機関のリストが出されて、救急隊による観察、事後検証作業、PDCAサイクルを完結しなさいという法律が出ました。もちろんこれは脳卒中に対するものではなくて全体のものですけれども、脳卒中もその中の一部として書き込まれたというのは非常に重要な点であったと思います。
5疾病5事業になっても、やはりPDCAサイクルを重視し、そして平成27年になって、脳卒中治療ガイドラインの中で、遠隔医療システムの推奨ということが初めて出てまいりました。それから経皮的な脳血栓回収機器、血管内治療の有効性が一部の症例に証明されたという流れです。
具体的に救急の搬送がどのような形で行われているかというイメージを見ていただくためにスライドを作っております。tPA静注療法施行病院は明示されるようになっています。ただし、これはtPAをやっているかどうかは、先ほどお話になったように、24時間やっているかどうかというのは全く別ですけれども、曲がりなりにもちゃんと出ております。ただし、地域ではどこがちゃんとtPAをやっているかどうかというのは、救急隊も分かっておりますので、これまでの直近主義からtPAを行っている病院へバイパス搬送するというような方法も出来上がっております。もう1つ非常に重要なのは、PDCAサイクルを回すということが行われてきているわけです。
次のスライドは我々の関東圏の話です。東京都の救急隊はシンシナティスケール(CPSS)で、川崎市や横浜市はMPSS、湘南地区はSPSSとか、日本各地でいろいろなものが行われていますけれども、それはそれぞれの地域で、救急隊がきちんと脳卒中であると判断をして、バイパス搬送をするという仕組みが出来上がっています。このバイパス搬送するときのPDCAサイクルの回し方は、救急隊のデータと救急隊が運んだ病院の脳卒中の治療のデータを突合しない限り、PDCAサイクルは回らないということです。この辺をやれるようにできたというのが、消防法の改正でした。
次に川崎、横浜で行っているシンシナティスケールをmodifyしたものですけれども、これはこんなものを使っているというだけです。問題は、救急隊には非常にたくさんの正確なデータがあります。搬送年月日、発症の時刻、病院到着の時刻、受入要請時刻とか、たくさんのデータを持っています。こういう形のデータを持った方で、脳卒中らしいと救急隊が判断した人、もちろん先ほどの話のように、中にはただのめまいだけとか、てんかんとかいろいろな人がいるかもしれないけれども、救急隊が考えられる最高のレベルで脳卒中らしいと考えてトリアージした人は、病院に来たときにどういう疾患名であったか、どういう治療をしたかというのは、各病院がデータを出せばいいわけです。そのデータを突合することによって、PDCAサイクルが回り始めます。
次のデータは、覚知-病着時間です。こういうPDCAサイクルを回し始めると、これは川崎市の例ですけれども、非常に早くなってまいりました。次の表は、事後検証作業の具体的な例です。大体150万人都市で、6か月で300例ぐらいの脳卒中らしいと救急隊が運んできた病院が、川崎市内の10~13、これは年代的にだんだん増えています。10施設以上の所に搬送されました。これは、tPAをやりますという手上げの病院です。その病院に私は、MPSSでは脳卒中ですと言って運びましたよ、その人はどうなったのですかというデータを、電子的に繋げていきました。そうすると276例、平成21年下半期に運ばれた者のうちの11%にtPAが行われました。これは、めまいだろうが何だろうが全部入っておりますけれども、そのうちの11%、大体年代的に見ても10%ぐらいです。
脳梗塞だけに対するtPAの施行率は、現在27.6%になっています。よく脳梗塞にはたった5%しかtPAがやられていないぞという議論がありますけれども、あれは統計上出される脳梗塞全体の中でtPAの数を割っただけの話です。実際の救急現場では、救急隊が運んだ人たちの約3割ぐらいにtPAが行われています。この経過を見ると、退院時の転帰、すなわち歩いて帰った人の割合は、平成21年から半期ごとに救急の病院と、救急隊と、市の方々と集まってデータを見合わせて、改善を繰り返し改善を繰り返してやっていくと、歩いて帰れる人、これはtPAを行った人だけですけれども20%台だったのが今は38.7%が歩けるようになっています。
これがPDCAサイクルということであり、非常に重要なことで、個々の病院を評価するというよりは、1つの二次医療圏全体の中が本当に良くなったかどうかというデータを出すことです。これに今度は新しい血管内治療などが加わったら、本当にそれは良くしているのか、それともかえって歩けなくなって、寝たきりばかりが増えているのかというのは、こういうことで初めてデータが出くることになります。個々の施設を評価するというよりは、二次医療圏全体が本当に良くなっているかどうかというのが重要だと思います。
そこで、現在私たちが思っている課題です。課題1は、脳卒中搬送の事後検証作業、PDSAサイクルの完結が実行されているような地域は非常に限られています。これは消防法で決められてはいるわけですけれども、我々あるいは横浜市、その他幾つかの所でこのようなデータが出されている所はありますけれども、私の知る限りほとんど日本の中でこのようなデータが出されている所は限られております。ですから、こういうことができるような形に是非広げていければと思っています。
もう1つは救急隊のデータを基にすると、救急隊というのは東京都からは横浜とか、横浜は東京とか、医療圏をまたがってやっておりますので、隣接する医療圏とのデータ交換の仕組みが確立しておりません。これを早く行うべきだと思います。急性期から慢性期に至る脳卒中ケアシステムの臨床指標の取得、PDCAサイクルの完結のシステムは非常に貧弱です。これはどういうことかと言うと、消防法という法律の中で行われているがゆえに、脳卒中かなと思って、あるいは脳卒中として受け取った患者さんの転帰を知ることが、その病院を退院するときのモディファイド・ランキン・スケールまでしか調査ができないのです。
外国のように3か月後に口からご飯を食べていますか、生きていますか、死んでいますか、1年後に何をしているのですかというデータが取れません。これは個人情報保護、あるいは法的な問題で、脳卒中患者さんの1年後のデータすら取れません。これは医療計画を立てる上で非常に重要です。脳卒中患者さんで、3か月後のモディファイド・ランキン・スケールごとに医療費が幾らかかったかということで、新しいお薬をどうするか、あるいは新しい医療計画をどうするかということは、医療経済上の視点になるわけですけれども、そのデータを取ることは残念ながらできません。
現在のところ、消防法の枠内の、この行政区内に限った評価のみということで、これは全国規模でこのようなIndicator取得をやっていくべきだろうと。これは既にデンマーク、イギリス、豪州、カナダなど全世界で行われていることです。先ほど申しましたけれども、日本のコンピューターから、オーストラリアのタスマニア地方のCT施行率、CTは何時間以内に行われたか、そこまで分かるわけです。日本では残念ながらそういうデータは出ないということになります。ここまでが、今行われている急性期医療の実態であろうかと思います。
もう1つ脳卒中医療の均てん化ということについて、我々で行ってきているところで、いろいろな問題点をお話します。次のICT利活用による均てん化の流れを見ると、2009年にアメリカの学会が、24時間365日の体制でtPAが施行できないのであるのなら、Telestrokeを導入しなさいというScientific statementsが初めて出されました。この後に出てきた各国のガイドラインでは、全てTelestrokeを推奨する形で書き込まれてます。2013年アメリカのガイドラインがこれを推奨したことにより、欧州や米国では導入が加速化して、ベンダーも多数参入して、専用機器の商品化も出ているという状況です。
日本では2015年に「脳卒中治療ガイドライン2015」で、これもグレードC1という形で、Telestrokeは有効であろうという形で推奨されています。我々も幾つか検討しておりますけれども、日本でも、その辺に幾らでも売っているようなテレビ会議用の機器、通信環境でも、いわゆる海外で言われているテレビ会議システム、Telestrokeを行うことは、直ちに行える環境にあります。
次のスライドでは、日本の中で均てん化を行う、先ほどおっしゃっていた田舎のほうの病院では、そんなことを言っても24時間体制でできるはずがないというお話がありました。私たちは、全国の人口密度別にアンケート調査をいたしました。各都道府県が脳卒中救急搬送、救急を受け入れているとホームページに載せている病院の155施設全てにアンケートを行ったところ、ある都道府県では24時間体制でtPAができていると言ったのは30%、ある都道府県では85%と非常に大きな差がありました。
その傾向というのは、年間脳卒中患者受入数が少ないlow volumeの施設で、周辺の人口が少ない所、すなわち田舎の小さい病院ほどできないのは当たり前の話です。そのようなことは、全世界でも前から議論されていて、そこで中核病院と地域の病院をインターネットで結んで、Telestrokeをやりましょうという議論が出来上がっております。
我々はそこでTelestroke実証研究を行っていました。これは、我々の大学から100キロメートル離れた人口5万人の都市、病床数110床、診療科目は内科、外科、整形外科だけで、脳外科医はいない。今までtPAをやったことがない。こういう所こそ、tPAがやれるようになるのは、Telestrokeを入れればできるだろうということで、まずtPAに大学で精通した医師2名、専門医2名をそこに派遣する。そして、そこにTelestrokeを導入する、これは約100万円です。これを導入したら、24時間体制でtPAができるようになったかどうかというと、これはなかなかできないのです。ここは非常に大きな問題です。tPA静注自体は絶対にこれでできるようになります。脳外科の先生方も、2時間以内に来ていただけるように、これもちゃんとやりました。
ところがなぜできなかったかというと、ここで大きな足かせになっているのは、tPA静注療法の施設基準です。現在の、tPA静注療法の施設基準というのは、SCUを持っていなさい、Telestrokeの専門家がいなさい、tPAの加算を取ろうと思うと、10年以上の医師がいて、薬剤師が24時間、そんな病院が地域にあるはずがないです。当然ここもあり得ません。脳卒中ケアユニット加算も取れるような状況ではありません。したがって、現在のtPA施行の基準が余りにも大規模病院、あるいは都会にあるような病院だけでしか行えないような状況になっていますので、Telestroke自身を入れたとしても、すぐには動き出せないということになっています。
どうしてこういう問題になったかということです。米国の場合には、tPAを行う2000年のときに、Primary Stroke Centerの条件を決めております。一番最初の肝の肝の所には何と書いてあるかというと、脳卒中に精通した最低医師1人と看護師1人が24時間365日、15分以内に診療開始できればいいと。特にtPAにはCareの手順書を持って、そして放射線が直ちにできて、24時間体制で血液検査ができる。ただこれだけなのです。すなわち、一番最初にお話をいたしました平成18年の頃の日本のtPAの始め方、これがSCUという非常に高度なものに偏りすぎて、その肝であるところの医師1人、看護師1人が直ちにtPAを静注できる。そして、それを安全かつ適正にできるというものを作らなかったところが非常に大きな問題であろうと思っています。
この資料の一番最後の米国の所を見てください。これは第1回のときに紹介のあった、Comprehensive Stroke Center、Primary Stroke Center、Acute Stroke Ready Hospitals、Basic Care Hospitalというようなことを米国ではやっています。これは米国の例です。ここで重要なことですけれども、彼らは保険をきちっと変えていることです。すなわちICD-10-CM、現在の病院に入院する前24時間以内に、他の施設でtPA静注が行われた状態、すなわち、よそでtPAを行った人を受け入れたときに、どれだけお金を付けますかという、保険上の対応をしているということ。
それからCPT code 0188T、これはビデオカンファレンスシステムで行ったかどうか。最初の30分から74分、これはちょうどtPAをやるときの時間です。その後、その病院が心配で、もうちょっと診てくれと言ったときには、Each additional 30分です。ここの30分で医療費がどのぐらいかかるかといったことで、インセンティブの付け方も変わっています。したがって、これから変えなければいけないというのは、先ほどから御議論がありますように、日本のどこに住んでいてもtPA静注療法が適応のある人は受けられるようになるように。それはICTを使っても結構ですけれども、24時間体制でできたいと。
そのためには、きちんとしたICTを使ってできるような、保険医療体制ということで、日常的な医療ができるようにするというところが非常に大きな問題です。これからは、先ほどから御議論になっている、高度でないと言いますか、専門的な医療を行う施設は一体どうあるべきなのかという議論を、これからこういう観点でやっていかなければならないのかと思っております。以上です。
○小川(彰)座長 ありがとうございました。事務局からの説明をお願いします。議論は後で一括して行います。
○石上がん・疾病対策課長補佐 事務局から、資料7と資料8の御説明をいたします。資料7は、搬送体制及び施設間ネットワーク構築の考え方を挙げております。搬送体制の部分について、発症から医療施設受診までの流れを案として挙げております。第1回検討会の議論にありましたように、発症後患者さんや家族が脳卒中の可能性に気が付く必要があり、特に脳卒中の症状や、早期受診等の教育・啓発が必要ではないかと記載しております。
次に来院の過程としては、救急搬送の場合と、患者さんが直接受診をされる場合があるかと思います。救急搬送の場合のほうでは、脳卒中の疑い例を適切に判別すべきでありそれには消防法に基づき都道府県により策定された基準の使用や、病院前脳卒中スケールの使用等が有効になるのではないかと考えております。また、それに伴い適切な医療施設を選定する必要があると考えております。脳卒中を疑った場合には、先ほど御議論のありましたように、脳卒中急性期の専門的医療を行う施設に直接搬送する仕組みが必要ではないかと考えます。脳卒中は緊急性かつ専門性が高い疾患群であるため、確実に脳卒中疑い例を判別し、専門的医療を行う施設に直接搬送する体制が必要ではないかと記載しております。
次のページでは、脳卒中における施設間ネットワーク構築のイメージを挙げております。先ほどから御議論にありますように、地方と都市では状況が異なると思いますので、地方型と都市型に分けてネットワーク体制のイメージを提示いたしました。地方においては、平均的な救急搬送圏内に、高度な専門的医療を行う施設が存在しない可能性も考えられますので、専門的医療を行う施設が相互にネットワークを引いて、専門施設で対応できないようなケースに関しては、適切に高度な専門的医療を行う施設と連携を取るような体制を確保することを提示しております。
都市においては、高度専門的医療を行う施設や専門的医療を行う施設が複数存在することが可能性として考えられますが、例えばベッド満床等による受入れ困難時の対応の問題等もありますので、高度な医療を行う施設と専門的医療を行う施設の連携のほか、同等施設の間でも連携を取ることができるような体制を確保する必要があるのではないかというイメージ図を載せております。
今までのお話を踏まえて、最後のスライドです。発症から急性期までの診療提供体制のイメージ図を完結させております。啓発のところでは、脳卒中の症状と早期受診の教育が必要ではないか。搬送、直接受診に関しては、脳卒中疑い例の判別と適切な医療施設の選定が必要ではないか。また、脳卒中を疑った場合は、専門的施設を受診し、脳卒中の適切な診断及び治療適応の判断、治療方針の決定が行われる必要があるのではないか。また、高度専門的医療を行う施設と専門的医療を行う施設の間には、相互に連携を取る体制が必要ではないかと挙げております。
脳卒中が疑われず、主に初期対応を行う施設に受診した場合においても、同施設で適切に脳卒中疑い例であることを判断し、専門施設へ適切に転送すること。また、脳卒中が否定された場合には、場合により初期対応施設に再転送することなどもイメージとして挙げております。
引き続き、資料8の評価指標のイメージの残りの部分に移ります。前半部に、急性期の診療提供体制に係る指標イメージを提示しております。病院到着前の体制の指標として、ストラクチャーとしては、傷病状況を確認するための観察基準が導入をされているか、受入医療機関確保のためのシステムが導入されているか。プロセス指標としては、脳血管疾患によって救急搬送された患者数や、覚知から医療機関への収容までに要した平均時間や受入照会回数を載せております。
病院到着後の体制としては、高度な専門的医療を行う施設数、専門的医療を行う施設数。プロセス指標として、病院間連携の施行数や、tPA療法実施件数、脳血管内治療実施件数、脳外科手術の実施件数等を挙げております。アウトカム指標は先ほどと同様に、死亡率やモディファイド・ランキン・スコア0~2の割合を提示しております。以上、イメージを提示いたしました。
○小川(彰)座長 ありがとうございました。先ほどの長谷川先生の御発表は、今までの日本のtPA治療に関してオーバービューしていただいたわけですが、この辺の長谷川先生の御発表に関して、何か御質問、あるいは御追加ありますか。
○羽鳥構成員 長谷川先生の米国のPrimary Stroke Centerの条件として、stroke teamには医師1人、看護師1人、24時間365日、15分、これは日本のSCUと大分異なるということですが、そのSCUの基準を、SCUの基準というか、tPA処置のできる基準を緩めることは学会としては可能なのでしょうか。可能だとしたら、どの程度のスピード感をもってできるのでしょうか。
○長谷川構成員 私は、先ほど小川座長が言われたように、最初によその国でtPAが行われて、tPAでプロトコル違反をしたらむしろ出血が増えるというデータがその頃出ていたものですから、非常に心配をしていました。かなりきつく日本ではやったのです。ですから、そのときの反省を込めて言えば、そのときに仏を作って魂を入れなかったと。本当のtPAをやる施設というのは、いかに早く、そして正確に正しく、問題なく打てるか。それだけなのです。ここに書いてあるのはそれだけのことでして、実際そういう施設を最初に作ればよかったと今、実は反省を込めて私は言っています。ですから、日本の脳卒中ケアユニットというのは、実は脳卒中ケアユニットという定義はありませんで、あれは脳卒中ケアユニット加算ということで、恐らくそれだけすごい施設であるならばtPAが24時間できるに違いないというだけですので。実際にはこの大本の、いかに早く、先ほどからいろいろ御議論がありましたが、医師1人です。専門医ではない、きちんとした、これもきちんと勉強していただかなければいけないけれども、医師1人、看護師1人が脳卒中だろうと思った人が来たら直ちにやれるという、そのことさえできれば。この肝をやる必要があると思います。ですから、今の、この一番最後のtPA静注療法の施設基準を早く変えるべきだと思います。変えられると思います。
○田村構成員 今の長谷川先生の資料6の米国Primary Stroke Centerの条件の1番の部分を、少し確認させていただきたいのです。看護師1人というのは、単なる看護師ではなくて、脳卒中に精通した看護師と解釈しなければいけないのです、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
○横田参考人 すみません、長谷川先生と事務局にお伺いしたいのです。先生がこの資料の最初のページの消防法の改正で、都道府県の各受入れのルールと、確か搬送基準というのを決めたはずなのですが、それが平成23年12月に各都道府県で、特に脳卒中とか心筋梗塞とかという受入れのルール、医療機関の公表というのができたわけですが、その脳卒中の受入れの医療機関と、先ほどの専門の脳卒中医療機関との乖離というのが実際存在しているという理解でよろしいのですね。
○長谷川構成員 これは、私も、都道府県のホームページに報告している、脳卒中を受け入れますと言って報告している病院に全て。全てではありません、5つの都道府県だけしかやっていません。これは東北の大震災があったものですから、関西圏に限られていますが、その中でも全く温度差があります。ある府県では、tPAができることをもって脳卒中を受入施設として公表している都道府県、これはたった1つだけでしたが、そのほかは、手挙げで、ともかく私は脳卒中の救急を受け入れていますというだけのものがバーッとたくさん出されているだけです。ですからそこは、tPAをやっている病院を明らかにしているものでは全くないと思います。
○小川(彰)座長 事務局はよろしいですか。
○石上がん・疾病対策課長補佐 1件、1件対応させたわけではありませんが、そのような問題があるというお話は伺っています。
○小川(彰)座長 そのほかありませんか。大変重要な御指摘です。これは、学会は学会で一般社団法人の独立した機関ですから、そこで出した一応現時点で一番新しいのは、先ほどの「rt-PA静注療法適正治療指針第二版」というのが出たわけです。確かに、この時点では、先ほど長谷川先生にお話を頂いたように、出血性合併症が非常に怖いということがあって、かなり厳しい条件を付けたと。あの当時は、tPAを保険適用にする条件として、全て患者さんのアウトカムというか、その後の経過の報告の義務があったわけで、それだけ出血性の合併症に対する危惧があったのです。それでその辺が、今現在に至っているわけです。これは、今度脳卒中に係るこのワーキンググループ、そして診療供給体制を考えるときに、また変えていただかなければならないものの1つかもしれません。これは学会のほうには私からもきちんと要請をしておきます。そのほかありますか。
○鈴木構成員 今、小川座長が言われたことは非常に大事ですね。tPAを試行するための施設の基準が、大体のコンセプトが定まらないと、私たちがやっている議論も何となく迷走しかねないという気がしますので、是非そこら辺を早く突合させていただければと思います。
○小川(彰)座長 なかなか面倒臭いのは、学会に見直しをお願いしたときに、学会の考え方と、それから時間的なスピード感と、この委員会、そして脳卒中診療供給体制の在り方に関する検討会の議論の進め方との整合性です。これはなかなかややこしいところがありまして、いずれその辺も考えていかなければならないかと思います。
○今村構成員 先ほどの医療計画との関連で言うと、今回医療計画に乗ると、このtPA、これは6年以内に多くの病院で実施できるように各県が計画を作って配置してくれるのですが、今回、この12月ぐらいを逃すと6年後に進行管理に入るので。
○小川(彰)座長 10月までと。
○今村構成員 はい。いや12月ぐらいまでだと多分いけるとは思うのです。この10月である程度tPAができる所を増やすべきだということを方針として投げ込んで。
○小川(彰)座長 なるほど。
○今村構成員 計画に、是非各都道府県でtPAができる施設を増やすように計画として乗せていくべきだということを載せると、この6年間で整備ということになるのです。そこを逃すと、計画に乗せていくという話になってくるともう次の6年ということになるので、随分遅れてしまうということがあって。
○小川(彰)座長 かなりスピード感をもってやらないとまずいということですね。
○今村構成員 はい。特にこの件、tPAを広げようと思えば今がそのタイミングなので、この時間的スケールを是非考えてやっていただいたほうがよいかと思います。
○小川(彰)座長 分かりました。その辺も含めて学会のほうには伝えておきますので。
○丹藤がん・疾病対策課長補佐 事務局からの補足です。やはり医政局のほうでは、10月でこの医療計画に関する議論を行うので、10月までにはきちんとした内容の、こちらでの議論の取りまとめを挙げていかなければならないということを、先ほどちょっと後ろから言われましたので。
○事務局(医政局) 12月に報告書を、医療計画全体の国の指針の御意見を取りまとめると。報告書としてはそういう形で。
○小川(彰)座長 12月にね。
○事務局(医政局) 12月です。
○小川(彰)座長 はい。
○事務局(医政局) それは、次期医療計画が始まるのが平成30年度からですが、その前の平成29年度に都道府県が作るので、国としては平成28年度、ですから今年度中に国に対して指針を示さなければいけない。そういうのを考えると、少し前倒しで検討会のほうは進めていかないといけない。ですから、12月ぐらいまでに報告書をまとめることになっています。医療計画の見直しの検討会を今、進めているのですが、当然脳卒中だけをやるわけではないので、いろいろなところを議論していかなくてはいけなくて、その中で、この脳卒中等については、まだ正確には未定ですが、10月頃検討する可能性があるのです。では絶対にそれを逃すと駄目かと言われると必ずしもそうではないと思うのですが、それぐらいをめどに取りまとめをしていきたいという趣旨で今回のスケジュール感が示されていると思っています。以上です。
○小川(彰)座長 そうすると、10月には大体の基本のところをまとめないと間に合わないということになるわけですね。10月にこちらから出して、そして今度は医療計画の委員会で議論されて12月頃に結論が出ると。分かりました。
○長谷川構成員 1つ、そのスピード感は分かったのですが、先ほどの臨床指標の問題で、日本の国では脳卒中になった人が1年後にどこから何をしているか、食べているかとか、胃瘻が入っているのか、寝ているのか、どこで働いているのかとかのデータがないのですが、さてこれ、本当に脳卒中で救急入院した人の1年後のデータを取れるかとなると、相当法律から変えなければいけなくなるのではないかという危惧があって、そこまで出るような国にこの国はなれるのかという心配があるのです。これは相当な大事業ですか。今、消防法で何とか追跡できるのが退院時のデータしか出ないのですが、その辺は可能になりそうなのですか。学会として恐らく提案できるのは、SCUがどういうものかとか、ここで提案できるのはそういうことはできるとは思うのですが、長期の臨床指標を得る方法は可能なのですか。
○事務局(医政局) 医政局です。多分、議論が脳卒中対策として指標をどう捉えていくのかということで、どのように長期的に把握していくのかという議論は大変重要だと思います。その辺は、多分がんの課のほうで検討していくことだと思うのです。医療計画では、都道府県が医療計画を作って、その指標、目標なりを作って進捗管理をしていくということですので、都道府県が取れないデータを指標として示しても、なかなかそれがPDCAで回せない実態があります。ですので、今、現状がどうなっているかと言うと、必須指標というのを国のほうである程度示して、国からデータを提供できるもので、都道府県としても自分たちでデータを把握できるものです。それを使ってPDCAで回していってくださいというものと、参照指標だったと思いますが、それは全ての都道府県でデータが取れるものではないのですが、各自、各都道府県でデータを調査して、あるいは調査するなり何らかの形で把握をして、それを指標として設けるというやり方のものを参照指標という形で提示しています。ですので、基本的には都道府県の労力がどうかというところはあるのですが、医療計画的には、既存の中でどういう指標が、今、プロセスとかアウトカムとかストラクチャーで作っていくのがいいのかということと、併せて、既存の資料で取れないにしても、各都道府県で努力してやればこういう指標が取れるのではないか、こういった指標を取れば、非常にPDCAを回す上で大変重要なのではないかという指標を挙げていく形になるかと思います。
一方で、個人情報うんぬんでこの指標が取れない、ですからこのように変えていくべきだというのは、言われるとおり時間的にちょっと間に合わない可能性も高いですし、少しその議論は別のものかと思っています。
○丹藤がん・疾病対策課長補佐 ただいま医政局のほうから御説明を頂きましたとおり、今回、ちょうどこの脳卒中に関して疾病対策として我々が議論するタイミングと、医療計画がちょうど正に見直しをされるタイミングが合ったというか、……合わなかったというのか、こういうタイミングでしたので、今、医療計画に合わせる形でこのような進め方をさせていただいているという現状です。我々のほうは疾病対策として、これは今回診療提供体制について議論をさせていただいていますが、それだけではなくて、恐らく予防とか普及啓発から始まって、研究をどう進めていくかとか、あるいはリハビリをどうしていくのかとか、一連の疾病対策の議論の中で、恐らく長谷川先生の言われるようなデータや研究や数字も必要になってくると思っていますので、そこは医療計画とは別に末永く御議論を頂ければと思っています。今、個人情報保護法の改正の件についても、こちらで情報を集めてどういうデータが取れるかについてはまた先生にも御相談しながら進めていきたいと思っていますので、よろしくお願いできればと思っています。
○小川(彰)座長 はい、分かりました。
○横田参考人 事務局から御説明いただいたこの資料7の裏の上のスライドです。地方型と都市型という形で分けられて、恐らくこういうイメージなのですが、大切なことは、それぞれどのぐらいの患者さんが対象になるかという、ある程度の想定が必要だと思うのです。脳卒中協会のホームページだと、確か年間30万人の脳卒中患者が発生してうんぬんとかとあるのです。ちょうど消防庁の平成27年度の救急・救助の現状、これは救急車で搬送された統計だけですが、これだとニューロ系が28万人なのです。もちろん脳卒中以外の、例えば痙攣とかというのも入るのでしょうが、一方で、実は平成24年2月の最後の週に、東京都でワンウイークスタディをやりました。これは全て病院前のデータと、医療機関を突合した1万例の検証結果ですが、ちょうど、1週間に1万例の救急搬送があって、402例の、救急隊の皆さんが脳卒中と判断した患者さんが発生しました。ということは4.2%です。先ほどの30万人というのは、救急搬送の患者さんの割合から言うとやはり5%ぐらいです。ですから、こういう数字をある程度想定してこの資料7の裏にあるような図を作っていくといいのかと思いますし、地域での目標となるような医療機関の数も出てくるのかなと思いました。以上です。
○小川(彰)座長 ありがとうございます。
○小川(久)構成員 質問とコメントです。長谷川先生に、27.6%にtPAが施行されたというのは、適応例の、27.6%は何に対しての27.6%なのですか。
○長谷川構成員 脳梗塞の。救急車で運ばれた脳梗塞の人の27.何パーセントに
tPA が行われた。
○小川(久)構成員 4.5時間とかは関係なく、4.5時間をきちんと考慮して。
○長谷川構成員 もちろん、当然です。
○小川(久)構成員 ですから、4.5時間を考慮しても3割しか投与されていなかったということになるのですか。
○長谷川構成員 そうですね、救急車で。
○小川(久)構成員 適応があった症例の3割。
○長谷川構成員 いや、適応があった人が3割だったということです。
○小川(久)構成員 適応があった人は3割。
○長谷川構成員 はい。
○小川(久)構成員 あとは適応はなかったということですか。
○長谷川構成員 適応がなかったからです。
○小川(久)構成員 分かりました。それともう1点。このtPA静注の施設基準というのは、非常にこれはそれほど急に変えることはできないと思うのですが、これはいいと思うのですが、この中に脳卒中専門医が施行することという条件はあるのですか。
○長谷川構成員 tPA静注療法の施設基準では、十分な人員、日本脳卒中学会専門医などの急性期脳卒中に対する十分な知識と経験を持つ医師を中心とするストロークチームです。
○小川(久)構成員 ですから、静注する人は、羽鳥先生も先ほどおっしゃったように、専門医しかしてはいけないという規則は書いてあるのですか。
○長谷川構成員 そこは今のところないはずです。
○小川(久)構成員 ないですね。
○長谷川構成員 はい。これは、実施担当医が日本脳卒中学会が承認する本薬使用のための講習会を受講して、講習会の講習証を持っていればという形で進んでいますから、脳卒中専門医だけではない人も、講習証を持ってtPA静注している人が日本にはいると思います。
○小川(久)構成員 きちんと専門医が診断して、遠隔でもいいから診断して、していいとやれば、非専門医でも静注してもいいということになりますね。
○長谷川構成員 きちんと、今の段階で言えば、これに当てはめようと思えば。
○小川(久)構成員 可能。
○長谷川構成員 講習証を持っていればなります。
○小川(久)構成員 可能ですね。
○長谷川構成員 はい。
○小川(久)構成員 それでしたら、それほど規則を変えなくても大丈夫なような気もしないでもないのですが。
○長谷川構成員 いや、ですから、そういうのが田舎に行くと一体どうなるかと言いますと、一銭にもならないです、今。
○小川(久)構成員 えっ。
○長谷川構成員 一銭にもならない。例えば、このtPA静注療法のストロークケアユニット加算は1日目12万円です。脳卒中ケアユニット加算は5千数百点です。これ一切田舎の病院にはないわけです。
○小川(久)構成員 ですから、そこの病院が専門医病院であれば点数になるのではないですか、ならないですか。
○長谷川構成員 あっ。
○小川(久)構成員 いや、ですから私が言っているのは、脳卒中専門医が必ずしも静注しなくても非専門医が静注しても、その施設が認定されていればきちんとした点数になる、点数として認められるのではないですか。
○長谷川構成員 問題は、脳卒中ケアユニット加算の決まりによると、経験を5年以上有する専任の医師が常時1名、神経内科又は脳神経外科のということになっています。
○小川(久)構成員 いや、ですからそれがいれば、その人がたまたまそのときにそこの病院にいなくても、救急の当番の先生がいれば打っても。
○長谷川構成員 本来はいいはずです。
○小川(久)構成員 いいのでしょう。
○長谷川構成員 本来はいいのですが、脳卒中ケアユニット等を持っている所でやりなさいとなってしまうという。
○小川(久)構成員 いや、ですからその等を持っている所でやったら。
○長谷川構成員 等を持っている所がとてもハードルが高すぎる。
○小川(久)構成員 そうですか。
○長谷川構成員 ですから常時。
○小川(彰)座長 ですからほとんどいないのです、ないのです。
○小川(久)構成員 そうですか。
○小川(彰)座長 はい。
○長谷川構成員 脳卒中ケアユニットは日本に110幾つしかないです。今は130かな。
○小川(久)構成員 それで引っ掛かるわけですね。
○長谷川構成員 はい。ゼロの県はたくさんあります。
○小川(久)構成員 分かりました。それとあと、昨日も問題になっていますが、事務局の方に、資料7の1ページの一番下のほうです。「確実に」と書いてありますね。昨日は、「確実に」が問題となりました。「確実に脳卒中疑い例を判別し」と書いてあります。この確実にというのを付けておくのは少し何かおかしいのではないかという、昨日意見が出ました。やはりこれは、確実にというのを除いておくべきではないかと思うのです、昨日と同じで。余りにも確実にと言ったら、確実に診断できるのでしたら何もそれほど心配しなくてもいいですから、確実に疑い例というのでしたら、「疑い例を判別し」でいいのではないかという昨日の話でしたが、それはそれでいいと思うのです。
○小川(彰)座長 いかがですか。
○石上がん・疾病対策課長補佐 御指摘ありがとうございます。先ほどのSCU等の条件に関して1点追加します。先ほどの議論では、恐らく日本脳卒中学会で出しているtPA施設基準と、診療報酬における超急性期加算の施設基準が混同されていたのではないかと思います。日本脳卒中学会が出しているtPAの施設基準のほかに、診療報酬の超急性期脳卒中加算というものがあります。超急性期脳卒中加算の施設基準を満たしている施設に入院されている患者さんにtPAが投与された場合に、入院初日に限って所定の点数が加算されるというものです。ですので、そちらの基準を満たさない施設で投与されたtPAに関しては加算されないということを長谷川先生は仰ったのだと思います。
○小川(彰)座長 そうですね。ですから、先ほどのtPAの静注療法適正治療指針の中で、治療を行う施設に関しては、CT又はMRI検査が24時間実施可能で、集中治療のために十分な人員、それは日本脳卒中学会専門医などを中心とする診療中チーム、及び施設ストロークケアユニット又はそれに準じる設備を有して、脳神経外科的処置が迅速に行われる体制が整備されている施設でアルテプラーゼ静注療法を行うという推奨になっているのです。
ですから、そうでない所でも打てることは打てるのですが、一応推奨ではこういうことになっています。脳卒中学会が提案する、これは提案なのですが、静注療法の施設基準は、CT、MRI検査は24時間、集中治療のために十分な人員、脳神経学的な処置ができるということと、実施担当医が、日本脳卒中学会が承認する講習会を受講してその証明を取得することになっています。ですから、この脳卒中学会で承認する講習会を受講すれば、一応やっておかしいわけではないのです。
ただもう1つ問題なのが、Telestrokeの問題もあるのです。そうやって脳卒中専門医でない方が実際に治療行為にあれしたときに、何か事故があったとき、ではどこが責任を取るのだということになるわけです。その辺が少し悩ましいところではあります。施設基準等々を緩めれば緩めるほどそういう問題も生じてくるという。
○渡辺がん・疾病対策課長 小川久雄先生が最後に言われた所の補足なのです。資料7の下の図を御覧ください。昨日、心疾患に係るワーキンググループがありまして、そこでも同じような提示を、こういうような図を出して心疾患に関して御議論を頂いたところです。「脳卒中は緊急性かつ専門性が高い疾患群であるため、確実に脳卒中疑い例を判別し、専門的医療を行う施設に直接搬送する体制が必要ではないか」ということで、心疾患、昨日の場合には、この確実にというのがちょっと厳しすぎるのではないかという御議論が多数を占めたところです。事務局では、理想とする救急搬送体制みたいな形で取りあえず文章を作ったからこうなっているわけですが、脳卒中のことに関しても、ここまで厳しいものを理想とするのかどうかに関して、そうではないのではないかという御意見も結構ですので、御議論を頂ければと思っています。
○小川(彰)座長 ありがとうございます。資料7を少しディスカッションをしていただきたいのです。「脳卒中急性期における医療施設受診までの流れ」という、これでよろしいかどうかなのです。何か御意見ありますか。
○鈴木構成員 確認を1つさせていただきたいのです。例えば、神経内科とか脳神経外科の専門医で、開業されている方は結構多くて、そこでCTやMRIを持っている方がいる。ただし入院施設もリハビリも全くない。そういう方たちは、日中あるいは夜間もその医師がその施設にいる限りtPAは打てる可能性はあるのですが、そういう方の類型というのはこの中に多分ないのではないかと思うのです。それはどうでしょうか。
○石上がん・疾病対策課長補佐 御指摘のように、そこのところも議論の対象にしていただければと思います。先ほど、開業医さんなどが初期対応施設に当たるのではないかということも議論の中で出てきました。ご指摘のようにtPAを普及させるという観点においては、tPAを投与することができる環境があれば、入院設備をもたない施設における投与も考慮する必要があるのではないか、という点も検討していただければと思います。
○小川(彰)座長 鈴木先生、どうでしょうか。例えば、無床診療所でMRIやCTを持っていて、そしてtPAを静注するぐらいの重症例が行きますか。
○鈴木構成員 Walk inの脳梗塞の人も結構多いので重要と思います。近年のtPAコンセプトでは、TIAでも軽症例でもtPA静注により再発・悪化が防止できると徐々に変わってきたので、診療所でも容認可能と考えます。それからもう1つは、今、ここで御議論なさっていることはほとんどDrip&Stayです。tPA静注点滴をして、そこにとどまってリハビリというコンセプトに従ってやっていると思うのですが、もう1つのコンセプトはDrip&Shipがあるのです。打ってそのまま点滴しながら更に高次の病院に行って、必要であれば血管内手術もするということであれば、tPAの恩恵を拡大するためには、御開業の先生でもその門戸を開いておくといいかと考えました。
○小川(彰)座長 なるほど。ですから、先ほどちょっと議論がありました、開業医はどうするのだというお話もありましたが、かかりつけ医の方とは少し違うのです。かかりつけ医の方は、脳卒中を疑っていただいてそれなりの病院に搬送していただく。そのほかに、無償診療所であっても、脳神経科専門医だとか脳卒中専門医をやっているようなところであれば、もし必要であればそういう治療をやってもいいのではないか。ただそのときに、入院が必要であれば当然病院に、tPA治療を静注した上で病院に転送するという流れです。この辺は事務局で認識していただけますでしょうか。はい。
それから、急性期の診療供給体制に係る評価指標のイメージ、その前に、脳卒中における施設間ネットワーク構築のイメージというので、地方型、都市型があるのですが、この辺はいかがでしょうか。
○横田参考人 すみません。この部分ですけれども、一般の方に是非理解をしていただかなくてはいけない部分が多分あると思うのです。というのは、どうしても先ほどお話をしたように、救急搬送される患者さんの約3~5%が急性期脳卒中で、どうしてもこういう形がイメージされるのです。何でそうするとうちの家族は最初から高度の医療機関に連れていってくれなかったのかというのが必ず出てくるのです。その場合、ちゃんと説明ができるようなそういう仕組みというか解説を、何か分かるような形で書いておかないと、やはり混乱を招くと思います。先ほどお話をしたように、3~5%ですので、地方型は特にそういう問題が発生する可能性があるので、この辺はうまく作っていただきたいと思います。
○小川(彰)座長 よろしいでしょうか。やはりこの左上のポンチ絵が、これ辺りが肝になると思うのです。実際に、これが何故肝なのかと言うと、先ほど前半でディスカッションをしたいわゆるこういう言葉を使うかどうかは別として、高度な専門的医療を行う施設、あるいは専門的医療を行う施設、主に初期対応を行う施設という、こういう施設の役割分担にも関係して、それがその間でどういう連携をしていっているのかということにも関係してくるわけですね。
本当に地方でこのようなシステムが作られているのかどうかということと、都市では先ほど長谷川先生が御説明は省かれたのですけれども、先生のところで川崎脳卒中ネットワークtPA静注連携システムというのをやられてるわけで、その辺とこの辺との整合性というのはどうでしょうか。
○長谷川構成員 私は、フレキシブルソリューションという言葉が好きなのですが、結局各地域全く千差万別で、医療資源も違うので、そこに投げるしかないのだろうなと思うのです。先ほどおっしゃったように、何で最初から高度専門医療に連れていかなかったのかという、これがものすごく大きいと思うのですね。都会で、私たちの川崎市だと13ぐらい、tPAの手を挙げる病院があります。横浜市には30幾つあります。そのうちの5つぐらいがもし高度救急になった場合に、さっと高度でないところに救急車で運ばれて、早くうちの家族を高度に移せという話が、多分出るなというのはあり得ます。ですから先ほどからこの高度のあり方、その付け方ですね。これはよく考えないと、問題が起こるのだろうなと思っています。
○小川(彰)座長 そうなのです。ですからそこが大変気になっているのですが、高度な専門的医療を行う施設という言葉が、一人歩きをしてしまうということがあるので、どういうネーミングにするのが最終的にはいいのかということで、この辺はちょっと考えないとまずいですよね。それからもう1つは、先ほど前半のほうで私がちょっと申し上げたことなのですが、脳卒中における施設間ネットワーク構築のイメージというので、都市型と地方型があって、もちろん長谷川先生はもうデータをお持ちですから、余り問題はないかと思いますけれども、もしできればこの構成員の中で、地方というと私の岩手と鈴木先生の山口があるわけで。
○小川(久)構成員 熊本は必ずできると思いますけれども。
○小川(彰)座長 できるというのは。
○小川(久)構成員 調査ですね。
○小川(彰)座長 調査というか、普通の一般的な地方で、どういうシステムになっているのかということですよね。
○小川(久)構成員 一応、地方ですから、あそこはそういうのは把握できると思うのですけれどもね。
○小川(彰)座長 やっていただければ大変結構。
○小川(久)構成員 私は脳神経専門医ではないんですけれども、脳神経専門医のグループに、恐らく長谷川先生辺りが頼めばできると思います。
○小川(彰)座長 取りあえず、こういうポンチ絵を書くわけですけれども、ポンチ絵が本当に現実と乖離をしていないで、ちゃんとなっているのかどうかということぐらいのモデルケースを検証するようなことはやったほうがいいと思います。事務局としてはどうですか。
○丹藤がん・疾病対策課長補佐 大変有り難いお話だと思っております。そういった現場の声というか、データを頂くタイミングについてはまたちょっと御相談だと思いますけれども、次回あるいは次々回、こうした議論を続けていく中で大事なデータになると思いますので、是非よろしくお願いできればと思います。
○小川(彰)座長 だとすれば、鈴木先生やっていただけますか。
○鈴木構成員 山口のをちょっとまとめて。
○小川(彰)座長 例えば、ポンチ絵のある下のほうの救急搬送、脳卒中を疑った場合に診断がどういうふうにされて、適応の判断と治療方針の決定がどうされて、どういう施設がその血管内治療、外科治療もできて、tPAができるところもあるとかですね。
○鈴木構成員 はい。
○小川(彰)座長 先ほど前半であったように、高度な専門的医療を行う施設、あるいは専門的医療を行う施設がどのように配置をされて、その中がどういう連携をされているのかということの、山口では現状こうですよというところを出していただければと思います。岩手は岩手でちょっと作ってみますので。それから都市部に関しては、長谷川先生お願いできますか。せっかく横田先生もいらっしゃっているので、先生の地域でどういう都市部の。
○横田参考人 今ちょうど東京都でやっているところなので、それでも。
○小川(彰)座長 そういうのを幾つか例示ができれば、かなり現実的に、ただイメージしているだけではなくて、現実とこの辺が乖離しているよとか、そういうことが分かって将来の議論に非常に有益になるのではないかと思うので。
○小川(久)構成員 そこまでやれば十分なのですけれども。多分長谷川先生に聞かれたら分かるのですが、熊本はそういうのはすぐできると思います。私も言いますけれども長谷川先生も言っていただいて。
○小川(彰)座長 では、そちらのほうも。
○長谷川構成員 もう1つ御議論のためにと思って、最後のほうの資料の裏から2番目に、ドイツの場合の脳卒中ユニットの2つの決め方、オーストラリアの2つの決め方ですね。ドイツの場合はFirst orderとSecond orderになりますけれども、何が違うかというと赤の部分だけで、脳卒中に精通した神経内科医が24時間勤務しているか、8時間だけかという、極めてシンプルです。
オーストラリアは、PrimaryとComprehensiveと2つに分かれていますけれども、その肝の部分は定期的なデータ収集と脳卒中に特化した質の向上をしたり、救急の評価・治療のためのtelehealth servicesを提供するというところが、Comprehensive stroke centerに与えられたもので、その他みんなPrimaryと一緒なのです。ですからその程度のモヤッとした分け方がいいのか、それとも高度医療というお墨付きを与えると、先ほどのような非常に大きな問題が、恐らく出そうな感じがします。
○小川(彰)座長 なるほど。かえってそういうお墨付きだとか、例えば高度専門などということになると、それが一人歩きすることになる。目的はどこにあるかというと、脳卒中を発症した人が、いかにちゃんとした治療を超急性期に行われて、そしてアウトカムが良く退院できる、重症例が減るというのが最終的なものです。ただ長谷川先生がおっしゃっているように、先ほど来議論になっている評価の問題は、かなり議論をしないと難しいですよね。大体コントロールがないのです。コントロールがない中で、こういう新しいシステムを作ったときに、アウトカムが良くなったと言えるかどうかということになると、かなりその辺が難しいところではあります。脳卒中登録をやっているところでも、そこまでのデータをほとんど持っていませんので、この辺りは非常に困ったところです。
○長谷川構成員 せっかく平成20何年かの消防法で一生懸命変えていただいて、そこから入口だけはちゃんと救急隊が把握して、脳卒中だと言ってくれますので、その辺のデータをひも付けられると、恐らく日本でのデータが出るのかなという気がします。なかなか1年後のデータが出ないとか、いろいろな制約があって難しいと思っています。
○羽鳥構成員 今の長谷川先生の御指摘は大事だと思います。健康局であくまでも疾病をいかに効率よく治療していくかということで、医療費適正にもつながるのだと思います。長谷川先生がおっしゃったように、発症直後は消防局でつかんでもらっている。けれども3か月後、1年後その人が社会復帰できたのか、社会的貢献ができているのかというところまでは把握できないというのは、せっかくこれだけの人達が集まっていて、新しいことが打ち出せないのはもったいないと思いますので、是非最後にはそこまで提言していただく。10月にはもちろん無理でしょうけれども、そこまで提言していただきたいと思います。
個人情報保護法のことに関しても、小川(久)先生が昨日御連絡いただきましたけれども、日本医学会のほうではもう少しゆるめて、社会的公益性のあるものについては個人情報を少しゆるめていただいて、データをきちんと取っていくという仕組みを作っていくというのが、ここでは大事だと思うので、それも併せてお願いしたいと思います。
○小川(彰)座長 あとですね、心臓のほうでどういう議論になったか分かりませんけれども、実は日本脳神経外科学会の専門医認定委員長である鈴木先生に、前にデータをまとめていただいたのですが、一番地域偏在がない科というのは整形外科と脳神経科で、地域格差が2なのです。要するに2倍対1ですね。一番地域格差があるのが形成外科で7なのです。7倍の差がある。それから神経内科、救急がちょっと問題で、4~5の地域格差があるということです。
脳卒中診療体制を最終的に作ったときに、こういう救急の、あるいは神経内科の地域偏在、多い所と少ない所、この辺が非常に問題になってくるのかなと感じています。ですからそれが参考資料の3の裏のところに、人口当たりの神経内科専門医数の多い少ないというのがあるのですが、少ない所が2で、多い所は5以上ということで、鹿児島、島根、鳥取、徳島辺りが多いのだけれども、茨城辺りが非常に少ない。脳外科は比較的これが少ないのですが。それから脳卒中SCUの病床数の地域偏在も、かなりなものがあるということで、あと血管内治療専門医の数に関してもかなりの地域格差があるということです。
それから今日は消防庁から来ていただいているので、参考資料の5ですが、前回、親委員会のときに救急搬送時間が随分場所によって違うということで、データを出していただいたわけですけれども、これを御覧いただきますと東京がワーストワンなのですね。東京が何分でしたっけ。
○横田参考人 50分超えています。ただ脳卒中に限ると東京は全国平均でした。
○小川(彰)座長 そうですか。
○横田参考人 はい、ワンウイークスタディでは脳卒中に限りますと全国平均ということです。全体の搬送時間だと、座長のおっしゃるようにワーストワンです。
○小川(彰)座長 岩手県も非常に時間がかかっているのですが、これはものすごく県土が広いという地理的な状況もありますので、ドクターヘリでないと、とてもじゃないけれど盛岡まで連れてくるのに片道3時間かかりますので、救急車で地べたを這ってくると片道3時間かかるというような地域ですので、この辺は県土が広いということで状況としては意味が違うのかなと思うのです。
○今村構成員 消防庁の現着の時間は、我々の研究班でもだいぶ分析させていただきました。救急隊の各地から病院までの到着時間というのはいろいろな因子があります。最初は距離が遠いとこの数字が長くなると思ったのですけれども、一番影響するのは現地での時間なのですね。到着してから向かい始めるまでの時間です。その中に2つの因子があるみたいで、1つは探しているという部分です。もう1つは処置をしているという部分もあるようで、これが混在して長くなっている所、短くなっている所があって、純粋に田舎だから時間がかかるということではなくて、どちらかというと田舎のほうが行く病院が1か所しかないので時間が短くなるという傾向がある。ただものすごく遠い、広い県だとこれがまた長くなるということで、複雑な因子がからんでいるようで単純に消防隊の到着時間はアウトカムにはなかなかなりにくいと思っています。
○小川(彰)座長 消防隊は収容先が決まらないと現地から動かないのですよね。
○消防庁消防・救急課救急企画室 必ずしもそうでもないと思います。搬送先が決まっていればその方向に走行しながら連絡をするというのも当然ありますし、東京のように複数の医療機関が近在している場合ですと、決まらないと違う方向に走ってしまうというのもありますので、必ずしも決まっていないから走っていないということはないと思います。
○今村構成員 田舎のほうですと、都会のほうに行っている間に見つけるみたいですね。走っている間に探している。長い距離走っているから探しきる時間があるみたいで、かえって短くなるという現象が起こる。
○小川(彰)座長 岩手県の二次医療圏で一番広い所が宮古医療圏なのですけれど、そこが大体東京都と同じ広さなのです。救急車がいる所が宮古市ですからそこから田舎まで行くのに半分かかる。総合病院は1つしかありませんので、たらい回しというのは一切ないのです。たらい回しはまったくないのだけれど、片道行くのに1時間、2時間かかって、戻ってくるのに1時間2時間かかるという状況ですから、そういう地方との違いというのはあろうかと思います。京都は田舎といっても比較的コンパクトで狭いですから。
○今村構成員 今の件で申し上げますと、平均値の妙がありまして、例えば宮古ならば遠くの急病の発生率と宮古市内での発生率を考えたら、人口分布が全然違って、2時間かかる人の割合というのは率としては少ない。すると宮古で平均を取ると割と短くなるという現象があって、なかなか各地時間で今の先生の御指摘の問題点を見ていくというのは難しいというのが、数字を扱っている者の立場としては感じるところがあります。
○小川(彰)座長 その他何か全体を通じて御発言はございませんでしょうか。
○小川(久)構成員 tPAに戻りますけれども、私も田舎の病院に勤めていた経験がありますので、それで言いますと、普通の田舎の病院、人口数万のところの病院というのは一応その辺の中核病院で、市内まで1時間2時間かかる。
その病院には一応脳外科もいるし、脳神経内科医もいるし、消化器内科、循環器内科は2、3人いることが多いのですけれども、そのぐらいの病院です。
その場合、いつもtPAを言う場合に、tPAの基準が、そのとき心筋梗塞の施設基準はなかったと思うのですが、そういう病院で心筋梗塞が来た。そのとき私に経験があるのが、たまたま循環器の先生がいなくて消化器の先生がいた。心電図を見たら間違いなく心筋梗塞で、電話がかかってきてそれは心筋梗塞だと。tPAを打っていいかと言ってtPAを打ったら、上がっていたSTがさっと下がってものすごく良くなるという例が、消化器の先生だろうがそれ以外の先生でも経験があります。例えば救急の経験もある血液内科の先生がこのようなtPAの治療というのをやっていたわけです。20数年前は心筋梗塞はそういう施設基準がなかったと思うのですけれども、そういうことで助かることがけっこうあったのです。
脳卒中の場合も、羽鳥先生は恐らくそういうお考えだと思うのですけれども、開業の先生にtPAを置いておくのは難しいのですけれども、地域の総合病院であればtPAを置いておくのはそれほど負担ではない。そういうときに、私は脳神経の専門ではないから少し語弊があるかもしれませんけれども、そのときに循環器の先生がいて、消化器の先生がいて、救急の先生がいた場合、専門ではないけれどtPAを打つということはそういう病院であれば打ってもいいし、むしろそういう病院で助かることも多いのではないかと思うのです。
心臓の場合はそうで、高度の救急医療は田舎の場合、県に何個も要らないのですね。心臓外科をバリバリやる病院が田舎に何個もあるという必要はないと思います。高度というのを超高度と普通の治療をしていいという病院を分けて考えると、高度というのは都会であればたくさんいるのですけれど、田舎の場合数個あればいいのではないかという私の考えです。
○小川(彰)座長 そのとおりでありまして、岩手県は9つの二次医療圏があって、その9つの二次医療圏には必ずtPAができる施設は1つずつはあります。ただここで言っている高度ということになると、もう盛岡地区の大学しかないという状況ですから、先生のおっしゃっているような状況だと思います。これはデータにして次回でもお出しできればと思っています。
それで先ほどお願いした、都会の長谷川先生と横田先生と、私と鈴木先生で作るのはいつまでできますか。これは時間がなかなか。
○鈴木構成員 おっしゃっていただければそれに合わせます。
○小川(彰)座長 1か月ぐらいでできますか。
○長谷川構成員 十分大丈夫です。
○小川(彰)座長 1カ月でまとめていただくということで、お願いをしたいと思います。それから先ほどの医療計画との関連からいきますと、tPAのガイドラインの改定を急がなければなりませんので、これは私の責任で脳卒中学会のほうにお話をすぐに、明日にでもしておきますので、どこまでできるかわかりませんけれど。現在のtPAの治療ガイドラインの治療指針の第2版をどういうふうに修正できるかということだと思います。あるいはこれにプラスして、こういうこともいいですよというやり方もあろうかと思います。何らかの形でリアクションしたいと思います。そしてできれば今回の医療計画の中に組み込んでいただくような方向で頑張ってみますので、時間的にどうなるか分かりませんが。
ということですが、その他の構成員、参考人から御意見がありますか。
○川勝構成員 すみません、最後に。私は実は12年前に脳梗塞になって、半身が麻痺しました。tPAも打たず血管内治療もしなくてここまで回復しました。それはやはりリハビリだったと思うのです。それは慢性期にやるものという誤解があるので、急性期治療の資料7の裏側、下の診療体制のイメージの中の、高度な専門的医療を行う施設。例えば血管内治療、外科治療の施行。専門的医療を行う施設にはtPA療法とあるのですけれども、これはいずれも急性期、早期のリハビリの実施というのも明示しておいたほうがいいのではないでしょうか。大事な治療の1つだと思います。
○小川(彰)座長 大変重要な点を御指摘いただきました。現在はリハビリテーションは発症早期からやるというのが原則になっていますから、この中にも加えていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
その他、全体を通じて御発言はありますでしょうか。ないようでしたら事務局から何かありますか。
○魚谷がん・疾病対策課長補佐 すみません、次回ワーキンググループの日程については、事務局より追って御連絡いたします。お忙しい中、恐縮ですが、よろしくお願いします。
○小川(彰)座長 石上さんよろしいですか。ということで時間がまいりましたので、今回は急性期というところですけれども、まだ議論の足りないところもあります。次回は、「回復期から慢性期の診療供給体制の在り方の骨子」及び「急性期診療と回復期~慢性期診療間の連携体制の在り方の骨子」に関して検討を行う予定です。
それから事務局にお願いですが。先ほどありましたように、医療計画との関連で非常にタイトなスケジュールになっています。先ほどの予定でも、十分な回数のワーキンググループのディスカッションは会ってできるところが足りないと思います。必要なところに関しては、メールで審議ということも考えたいと思いますので、是非メンバーの方々のメーリングリストを作っていただいて、皆様にばらまいていただければと思います。よろしいでしょうか。
○魚谷がん・疾病対策課長補佐 はい。
○小川(彰)座長 あとは、事務局よろしいですか。よろしければ先ほどの次回のワーキンググループの日程については、事務局から御連絡が行くと思いますので、よろしくお願いします。構成員の皆様には3時間にわたりまして大変お疲れ様でした。本日のワーキンググループはこれにて終了といたします。どうもありがとうございました。
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