ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 肝炎治療戦略会議> 第17回肝炎治療戦略会議 議事録(2016年6月28日)




2016年8月22日 第17回肝炎治療戦略会議 議事録

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

○日時

平成28年8月22日(月) 10:00~12:00


○場所

航空会館201会議室
(東京都港区新橋1-18-1)


○出席者

泉 並木 (武蔵野赤十字病院院長)
金子 周一 (金沢大学大学院医学系研究科恒常性制御学教授)
考藤 達哉 (国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長)
熊田 博光 (国家公務員共済組合連合会虎の門病院分院長)
坪内 博仁 (鹿児島市立病院長)
林 紀夫 (関西労災病院院長)
八橋 弘 (国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター長)
脇田 隆字 (国立感染症研究所副所長ウイルス第二部長)

○議題

(1)「肝炎研究10カ年戦略」の中間見直しについて
(2)その他

○議事

○横山肝炎対策推進室長補佐 定刻になりましたので、ただいまより第17回「肝炎治療戦略会議」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、また台風という大変な天候の中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、8名の委員の先生に御参集いただいております。

 なお、日本医師会の人事異動により、前回まで委員をお務めいただきました道永麻里先生にかわりまして、日本医師会常任理事の羽鳥先生に委員をお務めいただく予定になっており、現在手続中でございますが、本日、羽鳥先生は御欠席との御連絡をいただいております。

 なお、7月22日付で事務局のほうにも人事異動がありましたので、御紹介させていただきます。健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室長の小野でございます。

○小野肝炎対策推進室長 小野でございます。よろしくお願いいたします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 それでは、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。

 まず、議事次第がございます。その次に、配布資料一覧、出席委員名簿、座席表がございます。

 次に、資料1としまして、第16回肝炎治療戦略会議における主な発言の概要。

 資料2としまして、8ページでございますが、「肝炎研究10カ年戦略の中間見直し(案)」。

 資料3としまして、19ページでございますが、「肝炎研究10カ年戦略の中間見直し(案)(新旧対照表)」となっております。

 また、参考資料1としまして、38ページでございますが、現行の「肝炎研究10カ年戦略」。

 参考資料2として、「肝炎治療戦略会議開催要領」となっております。

 配布資料は以上でございますが、不足等はございませんでしょうか。何かございましたら、事務局へお申し出いただきたいと存じます。

 それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御退室のほうをお願いします。また、会議中に写真撮影、ビデオ撮影及び録音することはできませんので、御承知おきください。

 なお、局長の福島でございますが、他の公務のため、会議の途中で退席させていただきますことを御了承ください。

 ここからの議事進行は、林座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○林座長 座長の林でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議事は、前回も御議論いただきました「肝炎研究10カ年戦略の中間見直しについて」でございます。2が「その他」でございますので、何かそれ以外に御意見がございましたら、後ほど伺わせていただきます。

 まず、資料1をごらんいただければと思います。資料1は、前回の第16回戦略会議において行われました委員の先生方の発言の概要でございまして、先生方に一度お送りさせていただいて修正されたものでございますけれども、これでよろしゅうございますでしょうか。御自身の発言でお気づきの点が何かございましたら、御指摘をいただければと思います。

 それでは、御了解いただいたものとさせていただきたいと思います。

 それでは、次の資料2が中間見直し(案)でございますけれども、本日御議論いただきますのは、資料3の新旧対照表をもとにして進めさせていただきたいと思います。パートが分かれておりますので、まずそれぞれのパートごとに事務局のほうより概略を御説明いただきました上で、各委員の先生方の御意見をお伺いさせていただきたいと思います。

 それでは、事務局のほうから、「はじめに」の部分について御説明、よろしくお願いします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 ありがとうございます。

 それでは、新旧対照表を用いまして御説明させていただきます。

 章立てごとにさせていただこうと思いますが、まず「はじめに」というところでございます。左端のほうにナンバーが振ってありますので、番号を申しますと、ここの番号という形で御理解いただけたらと思っております。

 まず「はじめに」ですけれども、1番では、研究事業の変遷について書かれております。肝炎研究で行われている研究事業、平成26年から「肝炎等克服政策研究事業」と「肝炎等克服実用化研究事業」の2つに大別されまして、平成27年度から「肝炎等克服実用化研究事業」というものは、日本医療研究開発機構(AMED)が設立されたことによりまして、そちらのほうで実施されているということを記載しております。

2番でございますが、これは肝炎研究戦略の経緯について記載しております。平成24年度を初年度としまして「肝炎研究10カ年戦略」が取りまとめられたことを追記しております。

 3番目でございますが、平成28年6月に改正された肝炎対策基本指針において、研究については、特にB型肝炎、肝硬変の治療に係る医薬品の開発等に係る研究を促進することが明記されたことを記載しております。

 以上でございます。

○林座長 以上でございますが、何かこの部分で御意見がございましたら、お伺いさせていただきます。

 肝炎の今までのいろいろな治療戦略の変遷を中心に書いてございますが、よろしゅうございますでしょうか。

 どうぞ。

○八橋委員 3の冒頭、平成28年6月は間違いないですか。

○横山肝炎対策推進室長補佐 平成28年6月に改正されたという形につながります。

○八橋委員 わかりました。

○小野肝炎対策推進室長 確かに28年6月と23年5月の関係がわかりにくい文章かと思いますので、もう一回、細かい書きぶりは精査したいと思います。

○林座長 そうですね。

 ほか、よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、次の「研究の現状及び課題」でございますけれども、どうぞよろしくお願いします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 それでは、次の「研究の現状及び課題」というところを御説明させていただきます。

 まず、5番、臨床研究のB型肝炎についてですけれども、日本肝臓学会のガイドラインにのっとりまして、HBs抗原の陰性化について現状を追記しておりまして、核酸アナログ長期投与による副作用についても追記させていただきました。

 さらに、B型肝炎に対する新規治療法の開発が必要である旨を追記しております。

 次に、臨床研究のC型肝炎については、6番に記載しておりますけれども、治療の進歩による修正を行っております。

 インターフェロン治療においても、プロテアーゼ阻害剤を含む3剤併用療法について記載し、インターフェロンフリー治療の現状についても記載しています。

 さらに、薬剤耐性変異や治療後の発がん等の、インターフェロンフリー治療の登場による新たな課題についても追記させていただきました。

 臨床研究の肝硬変につきましては、7番に記載していますけれども、こちらについては、肝硬変そのものに関する記載のみに整理しております。

 前回は、B型肝炎由来とかC型肝炎由来といったウイルスに関する記載も書かせてもらっていましたけれども、今回は、見直しによって肝硬変の記載のみの形に整理させていただいております。

 臨床研究の肝がんについては、8番に記載しておりますけれども、こちらのほうは一部の文言の修正のみを行っております。

 基礎研究については、9番に記載しておりますけれども、現行の戦略では肝硬変や肝がんに関する記載がございませんでしたが、今回の見直しによって肝硬変、肝がんの基礎研究についての記載を追記させていただいております。

 疫学研究については、10番に記載しておりますけれども、肝炎ウイルスの感染原因について特定されていないことが多く、課題である旨を追記させていただいております。

11番になりますけれども、現行の戦略では行政研究の項目について記載がございませんでしたが、これまでも行政研究を行っておりまして、今回の中間見直しにおいて、11番のように、現状における行政的な課題を追記しております。

 以上です。

○林座長 ありがとうございました。

 前回御指摘をいただきました点を踏まえまして、一部、重複の箇所を削除してございますし、移動した部分もございますが、この部分、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。

 続きまして、「2.今後の研究における方向性」でございます。事務局のほう、よろしくお願いします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 続きまして、「今後の研究における方向性」についてでございます。

12番でございますけれども、臨床研究という形で記載させていただいております。

 臨床研究のB型肝炎については、再活性化について、発生リスクに応じた対応についての研究が必要である旨を追加させていただいております。

 次に、臨床研究のC型肝炎については、同じ12番でございますけれども、インターフェロンフリー治療の登場によって、新たな課題、薬剤耐性や治療後の肝発がん等に対する研究が必要で、さらに非代償性肝硬変患者に対する抗ウイルス療法に関する研究や、ワクチン開発に資する研究が必要である旨を追記しております。

 臨床研究の肝硬変については、同じく12番に記載させてもらっていますが、病態改善やQOL改善に資する研究が必要であるとしております。

 臨床研究の肝がんについても、同じく12番に記載しておりますけれども、発がんや再発予知等のための検査法・診断法の開発に関する研究が必要と追記させていただいております。

 臨床研究のその他について、また12番に書いてありますけれども、NAFLD/NASHに関する研究を従来より積極的に進める必要があると、今回、させていただいておりますし、経口感染するウイルス肝炎に関する研究も引き続き継続すると記載しております。

 続きまして、基礎研究につきましては、13番に記載しておりますけれども、特に肝線維化の機序の解明のための研究をさらに進めると追記しております。今回、肝硬変の治療薬の開発に係る研究というのを指針のほうで重点化すると明記させていただいておりますので、それに応じた形の対応にしております。

 B型肝炎創薬実用化研究については、14番のほうに移動させていただいております。現行の戦略では、行政研究の後ろに記載しておりましたが、今回の見直しで基礎研究の後ろのこの場所に移動させていただきまして、これまでの研究成果を追記しまして、更なる安定した実験系の確立等の基礎研究や臨床研究、また新規治療法の開発を推進する必要があると追記させていただきました。

 続きまして、疫学研究については、15番に記載しておりますけれども、ウイルス性肝炎の感染者数等の全国規模の研究を継続することを再度記載し、肝硬変の罹患者数や重症度別の予後等に関する全国規模のデータを把握する研究が必要とさせていただきました。

 行政研究については、16番に記載しておりますけれども、現行の記載に加えまして、肝炎ウイルス検査体制や陽性者フォローアップ体制、就労支援、肝炎患者の実態把握等の研究が必要であると追記させていただきました。

 以上でございます。

○林座長 ありがとうございました。

 この部分も、前回の御議論を踏まえまして、場所等を一部変更してございますし、特に、B型肝炎については、AMEDをはじめ、かなり高額の研究費を投入して研究を進めさせていただきましたが、そういう成果を踏まえながら記載させていただいておりますけれども、いかがでございましょうか。お気づきの点。よろしゅうございますでしょうか。前回の記載に比べると、かなり具体的な記載にさせていただいております。

 次に、「3.具体的な研究課題」の御説明でございますけれども、前回、この部分は直接的には議論いただいておりません。前回の戦略会議の内容を考慮して、事務局より修正案が提示されております。記載されている項目以外に、ここに挙げるべき研究課題がございましたら、御意見等を賜れればと思っておりますので、事務局のほうから御説明、よろしくお願いします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 ありがとうございます。

 「3.具体的な研究課題」というところでございます。

 まず、臨床研究のB型肝炎については、19番に記載しておりますが、HBs抗原の消失や核酸アナログ製剤の安全な中止等に係る治療法の開発に関する研究や、再活性化のリスクに応じた対策法の確立等に関する研究等を追記させていただいております。

 その他の項目は、現行の記載ぶりと変わっておりません。

 臨床研究のC型肝炎につきましては、20番に記載させていただいておりますけれども、インターフェロンフリー治療に対する薬剤耐性に関する研究や、治療後の病態変化及び経過に関する研究。非代償性肝硬変に対する抗ウイルス療法に関する研究。ワクチン開発に関する研究を追記しております。

 臨床研究の肝硬変につきましては、21番に記載しておりますけれども、こちらのほうは肝硬変の病態やQOLの改善に資する治療薬、治療法の開発に関する研究を追記させていただいております。

 臨床研究の肝がんにつきましては、22番に記載させていただいておりますが、肝発がんや再発に関する研究に対応する形に整理させていただいております。

 臨床研究のその他につきましては、23番に記載しておりますけれども、経口感染によるウイルス性肝炎の発生動向に関する研究も追加させていただきまして、E型肝炎の慢性化機序の解明に関する研究を追記させていただきました。

 基礎研究につきましては、24番に記載しておりますけれども、肝線維化機序の解明に関する研究を追記させていただいております。

 その他の項目、たくさんありますけれども、その他は現行のものと大きな変わりはないと考えています。

 B型肝炎創薬実用化研究につきましては、25番に記載させていただいておりますが、化合物の探索、ウイルス因子及び宿主因子の解析、B型肝炎ウイルス持続感染実験モデルの開発、B型肝炎根治に向けた新規治療法の開発に関する研究を進めていくことを記載させていただいております。

 疫学研究につきましては、26番に記載しておりますけれども、ウイルス性肝炎に関する長期経過や予後に関する研究については、抗ウイルス治療後についても研究すると追加させていただきました。また、肝硬変の罹患者数や重症度別の予後等に関する全国規模の研究、新たな感染防止に資する研究を追記させていただきました。

 行政研究につきましては、27番に記載しておりますけれども、ここには先日改正された肝炎対策基本指針で必要と記載されている課題を記載させていただいております。

 以上でございます。

○林座長 ありがとうございました。

 この部分、いかがでございましょうか。お気づきの点がございましたら、御指摘いただければと思いますが。

 どうぞ。

○脇田委員 まず、基礎研究のC型肝炎のところです。

○林座長 24のところですね。

○脇田委員 24ですけれども、初めのほうで、C型肝炎に関しては、ワクチン開発とか予防に関することが書いてあると思いますので、できれば大きな柱としては、中和抗体とかワクチン開発に関する研究について加えていただければなと思います。

 それから、25番のB型肝炎創薬実用化研究のほうですけれども、3.の宿主因子の解析に関する研究というところで、ここは宿主因子ということですが、自然免疫系とゲノム解析だけが挙げられているのですけれども、実際にはもう少し大きなところで宿主因子は捉えたほうがいいと思いますので、B型肝炎ウイルスの複製増殖機構に関与する宿主因子の解析と、あとはB型肝炎の病態及び病原性発現機構に関与する宿主因子の解析といったものを入れていただければ、自然免疫とゲノム解析だけではなくて、宿主をもう少し大きく捉えられるかなと考えています。

 それから、どこに入れていいか少しわからないのですけれども、SVR後の発がんに関して、具体的に記載があったかどうか。発がんのところも、臨床研究のところも、それに関してはっきり書いていないので、SVR後の発がんに関する研究というものを臨床と基礎研究で入れていただければと感じました。

 以上です。

○林座長 どうぞ。

○横山肝炎対策推進室長補佐 今の御質問についてですけれども、まずワクチンについての記載ですけれども、こちらのほうは書く場所の問題かもしれませんが、20番に記載させていただいてはいるのですが、これは基礎研究のほうに記載したほうがよろしいでしょうか。

○脇田委員 まず基礎研究のほうだと思いますので、それはよろしくお願いします。

○林座長 AMEDの評価委員会でも、これはかなり問題になって、ワクチンが必要だという考え方はよくわかるのですが、実際、日本でそれができるかという問題が議論されております。そこで、単純にワクチンと書かせていただくのは簡単なのですけれども、具体的に日本が世界的にワクチン開発にかかわるとすると、どういう分野を特にやればいいか、御指摘いただくとありがたいのですが。

○脇田委員 今、細胞性免疫のワクチンというよりも中和抗体を用いたワクチン開発というところがあるのではないかと考えていますので、中和抗体及びワクチン開発ということにさせていただければと思います。もちろん細胞性免疫を誘導するワクチン開発という面も今、動いてはいると思うのですけれども、そういったワクチンがこれまで実用化された例というのはなかなかないですから、ということだと思います。

○林座長 どうぞ。

○熊田委員 具体的な研究課題の19番、臨床研究のところですけれども、B型が1965年ですから、今、ちょうど50年たったところです。そうすると、母子感染・父子感染を含めた人たちが、ちょうど人生50年じゃないですけれども、今どうなっているかという実際の実臨床のまとめをそろそろして、それがB型の場合はCと違って自然に治ってしまって、そのままにしている人が結構いるわけです。そういうもののテーマは、今のうちにやっておいたほうが。それを受けて、実際にどういう人に治療したらいいかということの具体的なベースをつくっていくような研究を1つぐらい入れたほうがいいのではないかと思います。事前に出せばよかったのですけれどもね。

○林座長 B型肝炎、19番に入れればいいですね。

○熊田委員 そうです、19番に。

○林座長 それ以外、いかがでしょうか。

 よろしゅうございますか。

 どうぞ、金子先生。

○金子委員 疫学研究になるかもしれないですけれども、死亡数の問題で、WHOなどのワールド・ストラテジを見ると、死亡数を2030年度までに65%低下させるとか、具体的に書いてあるので、日本の死亡数というのは、肝がんの死亡数とか肝不全の死亡数は厚生の指標には出ていますけれども、本当に肝炎関連死亡数をWHOなどに求められたときに日本で出せるのかという研究が、1つ必要なのではないかなと思います。

 もう一つは、疫学研究になるのか、行政研究になるのかわからないのですけれども、自分たちで実際やっていて一番困るのは職域です。職域のデータが全く出てこないので、職域の疫学あるいは行政を進めるような研究を1つ入れていただくと助かる。すっぽり抜けてしまっているので、というふうに思います。

 以上です。

○林座長 職域というのは、若年ということですか。

○金子委員 いや、職域です。職場。

○林座長 どうぞ。

○脇田委員 職域は是永班でやっているのですけれども、全く進まないですね。ですから、重点的に進めないとそこがすっぽり抜けるというのは、確かに私もそう思います。

○金子委員 具体的にはお金の補助がないので、各職域では普通の年1回の健康診断に入れないということが多く見られるので。

○林座長 実は、それは前から議論になっているのですが、お金だけの問題ではございません。

○金子委員 そのあたりの研究をちゃんとしていただきたい。

○林座長 かなり難しい問題を含んでいるのですけれども、必要だということはそのとおりですので、それは記載させていただいてもいいと思います。ただ、実はお金だけの問題ではなくて、職域で疫学データをとるのにかなり苦労している、いろいろな問題がございまして、それも含めて検討する必要があると思います。

○金子委員 日本のデータを出されたとき、いつもここが抜けているものですから、実は議論にならないのです。ないのです。

○林座長 どうぞ。

○脇田委員 27番の行政研究のところですけれども、B型肝炎母子感染予防対策の実施状況の実態把握や効果検証に関する研究ですけれども、御存じのとおり、10月からB型肝炎ワクチンの定期接種化が始まりますので、それも含めた実施状況の実態把握と効果検証に関する研究としていただいたほうがいいかなと思います。

 よろしくお願いします。

○林座長 これはこの前も議論があったので、これはこちらに書くべきか。どこが担当するかがございまして、これも少し出てきたのですけれども、どうしましょうか。原則、ワクチンをやる課が、それに伴って、そういう調査をされているみたいです。

○脇田委員 流行予測事業ですね。わかりました。

○林座長 それは事務局で御検討いただいて。

 どうぞ。

○横山肝炎対策推進室長補佐 予防接種室というところで担当させていただいておりまして、流行予測調査という形で、現状を把握できる形とは認識しております。そちらのほうと、ワクチンの接種状況については、また御相談しながらになるのではないかと思います。

○脇田委員 あの事業は、どうしても抗体陽性率をはかっていくことだけになってしまうので、それで何がもたらされるかというところも、ちゃんと研究で把握したいなという気はしています。とりあえず現状把握ということだと思います。

○林座長 ほか、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○泉委員 先ほど脇田委員から御紹介があった、ウイルス消失後の病態、発がんも含めてということがあったのですけれども、26番の疫学研究の中には一応入っているのですが、先生がおっしゃったのは基礎研究という意味でしょうか。

○脇田委員 私のほうで考えているのは、むしろSVR後の肝発がんの分子機構とか、そういったメカニズムの解析をぜひやってほしいなと思います。

○林座長 そうですね。恐らく臨床的には放っておいてもデータは出てくると思うのですけれども、それがなぜかというのはなかなかわからないので、それがかなり大きな課題だと我々も思っています。抜けています。

 ほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、今、お聞きしたものをもう一度整理させていただいて、修正を加えさせていただきたいと思いますので、ありがとうございます。

 ほか、よろしゅうございますでしょうか。難しい点は、実は課題としてはあるのですけれども、それを日本でやっている研究者がいないという分野も既に出てきております。そういうかなり難しい点もございますので、課題は網羅できるのですが、実際、それを議論できる人がいるのかどうかという問題も、最近、もう既に出てきているということになります。よろしいでしょうか。

 では、次、「4.戦略の目標」でございまして、前回、この部分が目標としてまとまりませんでしたので、今回の議論で決めたいということでございます。事務局より提示されている案に対して、ぜひ御意見をお伺いできればと思っております。それでは、「4.戦略の目標」、どうぞよろしくお願いします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 「4.戦略の目標」について、29番ですけれども、今回の中間見直しにおいて、これまでの治療成績の目標だけでなくて、研究としての成果目標についても記載させていただいております。

 特に臨床研究のほうでは、B型肝炎では新規治療薬を開発し、臨床試験に導入する。C型肝炎では、薬剤耐性ウイルスに効果のある治療法を開発する。肝硬変につきましては、病態改善に資する新規治療法を開発し、臨床応用する。肝がんにつきましては、肝発がん、再発を予防する治療法や予知する検査法、診断法を開発する。

 基礎研究につきましては、各領域で臨床応用に資する成果を獲得する。

 疫学研究では、肝炎総合対策に係る施策の企画、立案に資する基礎データを獲得する。

 行政研究では、肝炎総合対策の推進に資する成果を獲得する。

 少しおおまかな目標としております。

 次に30番でございますけれども、治療成績についても、今回は、B型肝炎ではHBs抗原陰性化率を、次に、C型肝炎ではSVR率、非代償性肝硬変では50%生存期間、肝がんでは肝硬変からの肝発がん率を指標に変更して、それぞれの数値目標を示しております。

 以上でございます。

○林座長 ありがとうございました。

 それでは、この部分、いかがでございましょうか。

 どうぞ。

○考藤委員 これまでの記載でもあったのですけれども、治療薬と治療法のいわゆる定義めいたものですけれども、治療薬の開発というのは非常にわかりやすいのですが、治療法と治療薬をどういうふうに使い分けるかという点に関しまして、例えば戦略目標のB型肝炎に関しては新規治療薬の開発ということしか記載していなくて、C型肝炎に関しては治療法を開発するという記載になっています。例えば前回の会議でも議論になりましたけれども、いわゆるドラッグ・リポジショニングということを考えた場合には、恐らくB型肝炎のところにも治療法の開発というニュアンスも込めていただいたほうがいいのではないかと思いました。

○横山肝炎対策推進室長補佐 その御質問に回答させていただきますけれども、こちらのイメージとしましては、治療薬としますと新しい創薬という形を意識しておりまして、治療法というものに関しましては、先ほど先生がおっしゃられた、現在ある治療薬等を駆使して、新たに対応できる治療法を開発するといったイメージで書かせていただいております。

○林座長 新規の薬剤の開発は創薬で、例えば複数の薬剤を組み合わせた治療を治療法と、恐らく事務局は使い分けておられるのだと思います。注意しながらもう一遍見直してみます。

○考藤委員 B型肝炎のところには、「法」という記載は必要ない。

○林座長 必要はあります。B型肝炎、大いに必要がありますので、そこは考慮して書かせていただくようにします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 そのように修正させていただきます。

○林座長 どうぞ。

○脇田委員 基礎研究のところですけれども、各領域で臨床応用に資する成果を獲得するということになっていますので、もちろん獲得するべく基礎研究を進めるわけですけれども、各領域で基礎研究を推進し、臨床応用に資する成果を獲得するという形にしていただいたほうがいいのかなと考えます。お願いします。

○林座長 わかりました。

 どうぞ。

○金子委員 戦略の目標の肝硬変ですけれども、B型とかC型は「臨床試験を導入する」とか「治療法を開発する」ですけれども、肝硬変は「開発し、臨床応用する」と書いてあるので、「開発し」と「臨床応用」が並列ならいいのですけれども、Bからすると並列でもないとすると、臨床応用するようなものがあるのかということにもなるし、肝硬変は「臨床試験を導入する」あたりしか、なかなか戦略ではできないのではないかと思うので、臨床応用すると書かれると臨床応用というイメージがちょっと強くなり過ぎるかなと感じます。

○林座長 どうぞ。

○横山肝炎対策推進室長補佐 こちらのほうに関しましては、現状の状況を鑑みまして、このような記載をさせていただいたのですけれども、その一つの理由としましては、まず肝硬変の治療薬として、肝臓再生療法とか、今まで研究でいろいろされていらっしゃいまして、先進医療で認められている医療もございましたし、また企業治験もございますけれども、肝硬変に関する治療薬の治験も行われていると伺っておりますので、そういったところを鑑みまして、この記載にさせていただいておりますが、臨床試験を導入するものをもう少し推進するという書きぶりのほうがよければ、そのような形に修正させていただきたいと思っております。

○金子委員 イメージ的に、本当に臨床応用できるのかなというものがちょっとあるものですから。

○林座長 臨床応用を既に申請しようとしているのがあるので、恐らくこれを書かれたと思います。

○金子委員 という部分もあるでしょうし、一方では治療薬を開発する研究というのが具体的に挙がっているわけで、開発していながら、目標は臨床応用だけというのはちょっときついかなと。

○林座長 語尾の統一を図るようにいたします。

 ほか、いかがでしょうか。

 次の30番で、前回、数値を書いておりませんが、今回、数値を書かせていただいております。これは根拠のあることではございませんので、なかなか難しいことですけれども、先生方、ごらんいただいて、これは大きくずれているというのであれば、もちろん修正が必要でございますので、御意見をお聞かせいただければと思います。よろしゅうございますでしょうか。指標は前回のものと余り変わっておりませんが、数値を一応書いてございます。

 以前に比べると非常に有効率が高くなっております。以前のように何十%も改善するという範囲ではございませんけれども、違和感がなければ、それはそれで結構でございますし、何か物すごく大きな根拠があるというわけではございませんので、感覚的なところから出ているものでございます。よろしゅうございますか。

 どうぞ。

○坪内委員 (1)のB型肝炎のHBs抗原陰性化率の現状の約6%から約8%まで改善するという数値目標ですが、研究者によってもともとある程度差がある数字で、また、その差が小さいのに具体的な目標として適正でしょうか。何か、この数字に根拠がありますか。

○林座長 何か8%の根拠はありますか。

○横山肝炎対策推進室長補佐 こちらに関しましては、前回議論された中で8%という数値を先生方から挙げていただいたこともありましたので、そのように記載させていただきました。ただ、確かに将来的な目標数値という設定はなかなか難しいところでございますので、先生方の御意見を通して将来的な数値目標という形が難しいのであれば、現状の数値から可能な限り改善するという目標もあると考えます。

○林座長 一番最初にこれをつくったときも、かなり根拠のある数値ではございませんでしたので、前回お聞きして数字を除いた記載に変えた部分もあるのですが、一部数字を変えているので、原則上、数値目標を書かせていただきました。これも今のところ予測できない面もありますので、何かそれほど根拠があって、こうなるというものではないのですけれども、少なくともこのぐらいの改善効果は、今の治療方法プラスアルファで行けるだろうというところを書かせていただいています。

 これが大きく外れていると問題だと思うので、大きく外れていないのだったら、事務局の書いていただいた案をできたら数値を残したいと思っております。これは、恐らく今後の予算のこと等、いろいろなことがございまして、ある程度具体的なことを書かせていただいたほうがいいのではないかという面もございますので、これが8%が10%になれば、それはいいと思いますけれどもね。

○坪内委員 了解しました。

○林座長 これは本当に根拠のあるものではございませんので。

 はい。

○八橋委員 私の理解で補足しますと、抗ウイルス療法の5年後の陰性化率の6%は、虎ノ門病院でのインターフェロン単独療法の成績です。しかしながら、今後は核酸アナログとの併用で6%より8%のアップを目指す。Marcellinの論文ではペグインターフェロンとテノホビルが1.5年で9%と報告されています。ただ、患者背景因子が違いますので、そういうところから6%と8%の数字が出てきているかなという気がします。

○林座長 特に、欧米でもB型肝炎の新しい薬の開発がかなり行われています。そういうものも併用していくと少しは上がるだろうということが期待されておりますので、こういう数字を一応書かせていただいております。

 ほか、よろしいですか。

 どうぞ。

○金子委員 どこに入るのか、ちょっとわからないのです。B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、肝がん、みんなにかかわったり、臨床研究、基礎研究にかかわるのですけれども、免疫チェックポイント阻害薬だけではなくて、恐らくあの手の免疫系の薬というのは、がんだけじゃなくて、炎症にいいとか、線維化にも効いてくる大きな研究なのですけれども、それがすっぽり抜けていて、それをどこかにうまく、肝がんであるのか、あるいはB型肝炎、感染細胞の排除であるとか、どこかにそれを入れていただかないと、新しい研究が。

○林座長 肝がんは既に臨床研究をやっています。肝炎も入れたほうがいいですかね。

○金子委員 そうです。例えばB型肝炎とかに感染細胞の排除に関する研究といったことがないと、ちょっとついていけないかな。5年たったときにあれがなかったねということに、ちょっとなりかねないかな。

○林座長 わかりました。考慮させていただきます。

 どうぞ。

○横山肝炎対策推進室長補佐 今の話は、目標という意味ではなくて、研究の方向性とか。

○金子委員 具体的な課題に入ってきていないとまずいと思います。

○横山肝炎対策推進室長補佐 1つ前の3の具体的な研究課題というところに。

○林座長 そこに入れたほうがいいですね。目標の数字ではありませんから、前に。

○横山肝炎対策推進室長補佐 了解しました。

○林座長 それ以外、よろしいでしょうか。

 それでは、「5.上記研究を進めるための基盤整備」、よろしくお願いします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 「5.上記研究を進めるための基盤整備」でございます。

31番は、研究事業名の変更を行っております。肝炎等克服緊急対策研究費というのを肝炎等克服政策研究費と実用化研究費という形に変更させていただいております。

32番に関しましては、研究事業に携わる機関の役割について記載しております。厚労省やAMED、または感染研や国際医療研究センターの記載をさせていただいております。

33番に関しましては、変更はございません。

34番に関しましては、一部の文言修正を行っております。

 6の戦略の評価と見直しについても説明します。35番ということになりますけれども、こちらのほうは、平成33年度の状況で目標達成状況を評価して、必要な措置を講ずるという形で記載させていただいております。

 以上でございます。

○林座長 ありがとうございます。5と6、両方御説明いただきました。

 お気づきの点がございましたら、御指摘をどうぞ。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、最後に「用語集」が後ろについてございます。36でございます。一部修正はかかっておりますけれども、お気づきの点がございましたら、御指摘をいただければと思います。

 はい。

○横山肝炎対策推進室長補佐 下線部のところが前回と異なっているところと追加したところになります。

○林座長 よろしいでしょうか。

 それでは、最初に戻りまして、全体を通じて、何か抜けている点等がございましたら、御指摘いただければと思います。

 ございませんでしたら、いろいろ御指摘をいただきましたので、また事務局と相談させていただきまして、修正あるいは追加させていただきたいと思いますので、恐れ入りますが、いつものように修正については私と事務局のほうに一任いただいてもよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○林座長 それでは、そのようにさせていただきまして、事務局のほうと、今、賜りました意見を踏まえて修正を加えさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、「その他」でございますが、これ以外に何か御意見等がございましたらお伺いできればと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、事務局、よろしくお願いします。

○横山肝炎対策推進室長補佐 本日は、長時間にわたり御議論、ありがとうございました。

 今回の議論を踏まえまして、「肝炎研究10カ年戦略」の見直しの最終案を取りまとめさせていただき、委員の先生方には最終的な御確認をいただこうと考えております。その後、パブリックコメントを経まして、年内には策定する予定と考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 以上です。

○林座長 以上ということで、それでは、きょうは台風で、遠方からお越しの先生方、たくさんおられます。非常に御迷惑をかけたと思いますが、どうもありがとうございました。

 これで本日の会議を終了させていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。


(了)
<本件に関するお問い合わせ先>

健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室

高橋  代表電話:03-5253-1111(内線:2948)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 肝炎治療戦略会議> 第17回肝炎治療戦略会議 議事録(2016年6月28日)

ページの先頭へ戻る