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2019年8月30日 
第8回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会

子ども家庭局家庭福祉課

     ○日時

        令和元年8月30日(金)18:30~20:30
 

 

     ○場所

       厚生労働省内 専用第22会議室(18階)


     ○出席者

   構成員

                          
大谷構成員 戒能構成員 近藤構成員 新保構成員    
菅田構成員 野坂構成員 堀構成員 松本構成員    
村木構成員 横田構成員 三木構成員      
       



    事務局

             渡辺子ども家庭局長
           依田内閣官房内閣審議官(子ども家庭局併任)
           宮本子ども家庭局総務課長
           成松子ども家庭局家庭福祉課長
           度会子ども家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室長
           笹田子ども家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室長補佐
           原田子ども家庭局家庭福祉課長補佐

       

         オブザーバー
           内閣府
           法務省
           警察庁
       
       
        ○議題
           困難な問題を抱える女 性への支援のあり方について
           (「これまでの議論の整理(たたき台)」について)           
 


        ○議事

 

○ 度会母子家庭等自立支援室長
それでは、定刻になりましたので、只今から「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会第8回」を開催いたします。構成員の皆様には、ご多用のところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の出席状況ですが、本日は、加茂構成員、高橋構成員、橘構成員、田中構成員、仁藤構成員から欠席のご連絡をいただいております。また、大谷構成員につきましては、少し遅れての出席となります。次に、松岡構成員につきましては、今回が初めてのご出席となりますので、改めてご紹介いたします。名古屋市子ども青少年局子育て支援部子ども福祉課主管の松岡構成員です。
 
○ 松岡構成員
宜しくお願いいたします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
宜しくお願いいたします。
次に、前回の検討会以降、事務局に異動がございましたので、異動した者につきましてご紹介いたします。子ども家庭局長の渡辺です。
 
○ 渡辺子ども家庭局長
渡辺でございます。どうぞ宜しくお願いいたします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
審議官の依田です。
 
○ 依田内閣官房内閣審議官
依田です。宜しくお願いいたします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
総務課長の宮本です。
 
○ 宮本総務課長
宮本です。宜しくお願いいたします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
家庭福祉課長補佐の原田です。
 
○ 原田家庭福祉課長補佐
原田です。宜しくお願いいたします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
それでは、第8回検討会につきましては、第7回に引き続きペーパーレス会議で行います。本日の資料は、タブレットを操作してご覧いただくこととしております。なお、同じ資料になりますが、資料1のみお手元に用意させていただいております。
また、そのほか座席表、議事次第、構成員名簿、タブレット、タブレット操作説明書のほか、パイプファイルにある前回までの資料、それから、婦人保護事業等における支援実態等に関する調査研究報告書を配布しております。配布物に不足等ございましたら事務局のほうへお申し付けください。
それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の厳守をお願いいたします。また、開催中はお静かにお願いいたします。
それでは、これより先の議事は、堀座長にお願いしたいと思います。宜しくお願いいたします。
 
○ 堀座長
それでは、議事に入ってまいりたいと思います。本日の議題の「これまでの議論の整理(たたき台)」については、婦人保護事業の見直しに向けた基本的な考え方の議論を行うために、私と、私のほうで指名させていただいた構成員の方々とたたき台を検討してまいりました。それを基に、事務局において我々と相談しながら整理していただいたものがそれになります。
本日は、この内容についてご議論のほうをいただきたいと思いますが、その前に本検討会におきましてご議論いただいた婦人保護事業の運用面につきまして、運用面の見直しにつきまして、厚生労働省の取り組み状況、事務局のほうより説明いただきます。お願いいたします。
 
○ 笹田母子家庭等自立支援室室長補佐
はい。それでは、お配りをしております資料によりまして、婦人保護事業の運用面の見直しと婦人保護事業関連の直近の動きについてご説明をさせていただきます。
まず、参考資料の1をご覧ください。前回、第7回の検討会におきまして、婦人保護事業の運用面における見直し方針の案につきましてご議論をいただきました。その結果を踏まえまして、6月21日付で見直し方針を公表させていただいております。参考資料1の通知につきましては、この見直し方針を踏まえた運用改善のための通知の第一弾として、7月18日付で発出をしたものでございます。内容としましては、関係通知の一部改正と併せて婦人保護事業の実施にあたっての留意事項を取りまとめたものとなってございます。
通知の内容についてご説明をいたします。2ページをご覧いただければと思います。第1で規定しております内容が、関係通知の一部改正になります。なお、運用面における見直し方針本体につきましては、こちらの参考資料1の9ページから13ページに掲載をしておりますので併せてご覧いただきながらお聞きいただければと思います。一部改正の内容といたしましては、(1)および(2)は、見直し方針の1番で掲げております「他法他施策優先の取扱いの見直し」こちらを踏まえまして、5ページおよび6ページの新旧対照表のとおりDV法施行時の平成14年に発出をいたしました局長通知。こちらと、平成26年に策定をいたしました婦人相談所ガイドラインの婦人保護事業の対象者の範囲に関する規定につきまして、それぞれ左側の改正後の内容のとおり改正をいたしまして、関係機関との連携・調整の下で婦人保護事業による支援が適切に提供されるよう改善を図るものでございます。
続いて(3)になります。こちらは見直し方針の2「一時保護委託の対象拡大と積極的活用」を踏まえまして、7ページの新旧対照表のとおり平成23年に発出をいたしました婦人相談所が行う一時保護委託の取扱いに関する通知。こちらの対象者の範囲に関する規定を、改正をいたしまして、定員を超えた場合のみ一時保護委託を可能としていた対象者について、本人のご意向あるいは状態等を踏まえて、支援が可能となるよう改善を図るものでございます。
続いて第2の内容で規定しております内容は、婦人保護事業の実施にあたっての留意事項を規定しております。内容といたしましては、(1)については、運用面における見直し方針の2「一時保護委託の対象拡大と積極的活用」を踏まえまして、一時保護委託にあたっての留意事項、こちらを示しております。①では、若年被害女性に対して、ご本人のご意向を踏まえた適切な支援を進めるため、民間支援団体への一時保護委託を積極的に活用するように促すとともに、3ページの②では、一時保護委託契約施設における一時保護の開始手続き。こちらにつきまして、被害者の方が委託契約施設に直接来所して一時保護を求めた場合の婦人相談所における速やかな対応の徹底を求める内容となっております。
続いて(2)については、見直し方針の3「婦人保護施設の周知・理解、利用促進」を踏まえまして、「一時保護施設から婦人保護施設へ入所する場合の取扱い等について」といたしまして、①では、一部の自治体では対応がなされておりませんでした民間シェルター等の一時保護委託先から直接婦人保護施設への入所に移行することにつきまして、被害者の負担軽減を図った上で適切に支援につながるよう柔軟な対応を求めるものとなっております。②につきましては、十代の若年妊婦等の支援にあたりまして婦人保護施設への一時保護委託が適切な場合には、婦人相談所と児童相談所が密接に連携を図った上で対応されるように求める内容となっております。
続いて4ページご覧ください。こちらの(3)につきましては、見直し方針の10「母子生活支援施設の活用促進」を踏まえまして、「母子生活支援施設の活用について」として、前段の内容としましては、配偶者のない女性とそのお子さんに対して母子生活支援施設による支援が適当と判断される場合の婦人相談所長による対応を徹底するものとなっております。後段の内容につきましては、妊婦の方を対象としまして、妊娠段階から出産後まで一貫して母子の支援が可能となる母子生活支援施設への一時保護委託の積極的な活用と、母子分離となって退所された場合の関係機関連携の下での母子への支援を求めたものとなっております。第一弾の通知の内容としては以上でございます。
運用面における見直し方針を踏まえました今後の対応といたしましては、このあとにご説明をさせていただきます令和2年度予算の概算要求におきまして必要な予算を要求した上で、具体的な対応につなげていくというのと合わせまして、見直し方針の4「携帯電話等の通信機器の使用制限等の見直し」こちらと「6、SNSを活用した相談体制の充実」に関しましては、今年度実施をいたします調査研究の結果を踏まえて、運用に反映することとしております。
また、5番の「広域的な連携・民間支援団体との連携強化」また9番の「婦人保護事業実施要領の見直し」につきましては、別途通知を発出することとしております。
また、7番「一時保護解除後のフォローアップ体制等の拡充」と、8の②「婦人相談員の処遇について」に関しましては、今年度実施をする実態調査の結果を踏まえて、必要な対応を検討することといたしております。参考資料1の内容としては以上となります。
続きまして、参考資料の2「令和2年度婦人保護事業関係予算概算要求の概要」についてご覧いただければと思います。令和2年度予算の概算要求につきましては、本日財務省に提出をしております。参考資料2は、今般提出をいたしました概算要求に盛り込んでおります婦人保護事業関連の予算要求の内容を取りまとめたものとなっております。下線を引いている事項が、新規または拡充の要求内容となっております。これらの主な事項を、説明をさせていただきます。
本年3月に、児童虐待対策に関する関係閣僚会議におきまして決定をされました「児童虐待防止対策の抜本的強化について」を踏まえまして、児童虐待防止対策との連携強化に向けた予算要求をしております。内容としましては、大きな項目の2の3つ目の○の「婦人保護施設における保護・自立支援に必要な経費」といたしまして、同伴児童のための学習指導員の配置、あるいは学習の環境整備に必要な予算を、新たに要求をするのと合わせまして、生活支援員が同伴児童の通学に同行するための予算を、新たに要求をしております。
また、4つ目の○の「心理療法担当職員の配置」のための予算といたしまして、心理療法担当職員の配置に係る加算要件の緩和を図ることを盛り込んでおります。
さらには2ページをご覧ください。大きな項目の4の、一番下の○になります「DV対応・児童虐待対応連携強化事業」におきまして、婦人相談所と児童相談所等の関係機関が連携するための、児童虐待防止対応コーディネーターを新たに配置するための予算を要求しております。
続いて、6月に公表いたしました婦人保護事業の運用面における見直し方針を踏まえた要求内容といたしましては、婦人相談員の専門性の向上を図るという観点から、2ページ目の大きな項目の3の「婦人相談員活動強化事業」におきまして、研修受講環境の整備に必要な予算でありますとか、大きな項目の4の5番目の○の「婦人相談所等職員への専門研修事業」におきまして、研修実施主体を従来の都道府県に加えて、婦人相談員を配置する市区まで拡大するための予算を要求しております。
また、アフター支援に関連する予算といたしまして、大きな項目の4の2つ目の○の「婦人保護施設退所者自立生活援助事業」におきまして、退所した方が立ち寄って悩みを相談できる集いの場の提供支援を新たに実施するための予算を要求しております。
また、同じく大きな項目の4の下から2つ目の○の「地域生活移行支援事業(ステップハウス)」におきまして、生活支援員を婦人保護施設に新たに配置して、退所に向けて施設近隣のアパート等で地域での生活体験等を、実施をしている入所者の方の見守り支援を行うのと合わせまして、生活支援の自己管理に係る訓練を実施するための予算を要求しております。
さらには、大きな項目の6の「DV被害者等自立生活援助事業」につきましては、モデル事業としての位置付けから、本格実施に移行するための予算を要求しております。
最後に「SNSを活用した相談体制の充実」に向けた予算といたしまして、大きな項目の4の下から3つ目の○の通り、SNSを活用した相談窓口の開設準備、あるいは運用を行うための予算を要求しております。
以上が参考資料の2の内容となります。事務局からの婦人保護事業関連の動き等についての説明は以上となります。
 
○ 堀座長
ありがとうございました。只今の事務局からの説明につきましてご質問のある方は挙手をお願いいたします。近藤構成員お願いします。
 
○ 近藤構成員
ご説明ありがとうございます。今の予算要求の中で質問がございます。今ご説明いただいた、「DV被害者等自立生活援助事業の拡充」のところの予算でございますが、これまでモデル事業だったものを本格実施するということで、予算措置が講じられていますけれども、実はこのモデル事業を続けてきたときにですね、私たちもご一緒にこの仕事をやってきたんですけれども、一番大変だったのは、自治体の負担がネックになるわけですね。二分の一、二分の一というふうになっておりまして、自治体によっては、「応援したいけどとてもその予算措置ができない」っていうふうに、まあ、わずかな金額ではあってもかなりな抵抗がございました。それで、数箇所しかモデル事業を実施できなかったっていう経過がございまして、今回本格実施っていうことになりますと、そういう意味では私たち今70近い団体を抱えていますが、すべての民間シェルターが、相談から自立支援までの長い過程を、本当に一所懸命仕事をしておりますので、ここに予算がつくっていうことはすごく有難いことなんです。是非これが自治体の懐事情で上手くいったりいかなかったりするようなことがないように、できれば二分の一ずつではなく、二分の二、全額を厚生労働省の予算から出していただけますようになんとかここは財務と戦っていただきたいと思います。宜しくお願いします。
 
○ 堀座長
それは質問というより要望ということで宜しいでしょうか。はい。
 
○ 近藤構成員
すみません、ごめんなさい。
 
○ 堀座長
いえいえ。そのほかにございますでしょうか。じゃあ、松本構成員お願いします。
 
○ 松本構成員
すみません、予算のところで、「婦人相談員の活動強化」っていうところの婦人相談員が研修に行ったときの代わりの要員。職員の配置に必要な経費を補充ということが書いてありますけど、どういう人をいうんでしょうか。婦人相談員の仕事って、ちょっと簡単に相談業務ができないと思うんですけど。これは職員の代わりの相談員さんを置くっていうことなんでしょうか。どういう意味なのかちょっとわからなくて、お尋ねします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
はい。事務局のほうからお答えします。今検討している内容としましては、婦人相談員を経験されたOBの方とか、そういった方を代替として置いていただけるような形を取りたいというふうに考えております。
 
○ 松本構成員
はい、わかりました。ありがとうございます。
 
○ 堀座長
そのほかはいかがでしょうか。じゃあ、村木構成員お願いします。
 
○ 村木構成員
資料の中に「若年被害女性等支援モデル事業」が入っていて、その記述では2年目と違う記述がないんですけども、わざわざ、何ページ目ですかね、これ。8ページ目に、こうポンチ絵として特出しをされている。これは何か、従来のものと少し変えるご予定があるのか。それとも、全く同じことを考えているのか。そこを教えてください。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
はい。この事業ですけれども、基本的には平成30年度から始まりましたので、まだモデルという形になっておりますので、内容的には同じ内容という形になっております。
 
○ 堀座長
はい、宜しいでしょうか。それでは、横田構成員、どうぞ。
 
○ 横田構成員
「婦人保護施設の退所者自立生活援助事業の拡充」というところですけれども、「新しく退所した者が気軽に立ち寄って悩み相談をできる」これはよくわかり、また民間団体への事業委託も可能だっていうことはわかったんですけど、その上に「婦人保護施設に生活援助指導員を配置し、対象者の来所等への対応」って、これは現行の、今援助事業の中で、実際退所者自立生活援助事業は施設でしているんですけれども、とても生活援助指導員という位置付けを置けるほどの予算措置ではないんですけれども、これは「生活援助指導員を配置し」ということは、新たに配置がなされるということのご理解で宜しいんでしょうか。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
集いの場の提供支援を今回行うという形になっておりますが、この集いの場の提供の支援における費用というのは、そちらに集まっていただいて、相談を受けていただくために必要な経費という形で計上しております。
また、この事業は、これまでも既存の職員の方に事業を行っていただいているという形になりますが、現状では既存の職員の方のうち一人を配置して行っていただくという形になっております。そこは、職員を新たに追加するということではなくて、必要な運営経費という形で考えていただければと思います。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。それでは、本日の議題の「これまでの議論の整理(たたき台)」についての議事に入っていきたいと思います。事務局より資料の説明のほうをお願いいたします。
 
○ 笹田母子家庭等自立支援室室長補佐
はい。それでは、本日ご議論いただく議題についての資料について、ご説明をさせていただきます。資料1をご覧ください。
1ページから2ページにつきましては、「婦人保護事業の現状と課題」といたしまして、売春防止法に基づく事業として始まった事業の成り立ちから、本検討会において見直しに向けた議論を行ってきていただいたところまでの内容を記載をしてございます。
現行の婦人保護事業における課題といたしましては、「婦人保護事業が現に様々な困難に直面をしている女性の方々の保護・支援に大きな役割を果たしているという一方で、根拠法である売春防止法については制定以来基本的な見直しが行われておらず、法律が実態にそぐわなくなってきているのではないか」という点でありますとか、「近年は婦人保護事業の対象として想定をされていなかったAV出演強要、JKビジネス問題、性暴力・性被害に遭った10代の女性への支援といった今日的な新たな支援ニーズへの対応が求められている」といったこと等に触れた上で整理をしてございます。
3ページに記載をしております「運用面における見直し」につきましては、先ほど説明をさせていただいた内容と重複いたしますので、説明は割愛をさせていただきます。
4ページからが、婦人保護事業の見直しに関する新たな制度の基本的な考え方といたしまして、座長と、座長にご指名いただいた構成員の方々とご相談をさせていただきながら、これまでの検討会でいただいたご意見等も踏まえまして、基本的な考え方ということで、座長・座長指名構成員の方々とご相談させていただいて事務局において整理をしたという内容になってございます。
まず、1番の「困難を抱える女性を支援する制度の必要性」といたしましては、「女性は男性に比べ、性差に起因して社会的に様々な困難に直面をする場面が多い。このことによって、心身面及び社会的な面で複合的な課題を抱えることが多い。」「女性がこのような状況にあることは、国際的な共通認識であり、各国において専門的な支援サービスの提供をはじめとした様々な対応が取られてきている。また、我が国においても、婦人保護事業が様々な困難に直面している女性の保護・支援に大きな役割を果たしてきた。」「人権の擁護と男女平等の実現を図ることの重要性に鑑み、様々な困難に直面する女性を対象とした包括的な支援制度が必要ではないか。」という内容で整理をしてございます。その下には、これまで検討会等でいただきました主なご意見を記載させていただいております。以降、同様の資料の構成で整理をさせていただいております。
続いて5ページになります。「2、新たな枠組みの必要性」といたしまして、「婦人保護事業の根拠法である売春防止法の規定については、制定以来、基本的な見直しは行われておらず、法律が実態にそぐわなくなってきている。」「また、女性が抱える困難な問題は、近年、複雑・多様化、かつ、複合的なものとなっており、売春防止法を根拠とした従来の枠組みでの対応は限界が生じている。」「このような認識のもと、女性を対象として専門的な支援を包括的に提供する制度について法制度上も売春防止法ではなく、新たな枠組みを構築していく必要があるのではないか。」という内容で整理をしております。
続いて7ページの「3、新たな制度の下で提供される支援のあり方」になります。「売春防止法に基づく『要保護女子』としてではなく、様々な困難な問題を抱える女性を対象として、相談から保護・自立支援までの専門的な支援を包括的に提供できるようにすることが必要ではないか。」「行政・民間団体を通した多機関における連携・協働を通じて、支援が行き届きにくい者も対象とし、早期かつ切れ目のない支援を目指すことが必要ではないか。」「現行の婦人相談所、婦人相談員及び婦人保護施設については、若年女性への対応、自立後を見据えた支援を図るなど時代に即した役割を果たせる仕組みにしていくことが必要ではないか。その際、利用者の実情に応じた柔軟な運用を図るべきではないか。」「多様なニーズに対応し、一人ひとりの意思を尊重しながらその者の持つ潜在的な力を引き出しつつ、本人の状況や希望に応じた伴走型支援を目指すことが必要ではないか。」「同伴する児童についても、関係機関との連携の下で支援の対象として位置づける必要があるのではないか。」という内容で整理をしております。
続いて9ページになります。「4、国及び地方公共団体の役割の考え方」になります。「困難を抱える女性に対する必要な支援がどの地域でも受けられるよう、支援の実施に関する国及び地方公共団体の役割を明確にすることが必要ではないか。」「その際、困難を抱える女性に対する支援を提供する体制が、基本的な方針のもと地域の実情に応じて計画的に構築されることが必要ではないか。」という内容で整理をしております。
10ページの「5、民間団体との連携・協働のあり方」になります。「地方公共団体等が、困難を抱える女性への保護・支援を行うに当たっては、これらの女性に対する相談、保護・自立支援等の支援を行う民間団体の特色や経験を活かしながら、これらの団体との連携・協働を推進していくことが必要ではないか。」という内容で整理をしております。
11ページの6になります。「教育啓発、調査研究、人材育成等」になります。「国及び地方公共団体は、困難を抱える女性への支援に関する教育及び啓発に努めることが必要ではないか。」「国及び地方公共団体は、困難な問題を抱える女性への支援方法等に関する調査研究の推進や、支援等に従事する人材の育成及び資質の向上に努めることが必要ではないか。」という内容で整理をしております。
最後に12ページの7になります。「関連する他制度との連携等のあり方」になります。「DV防止法、児童福祉法、児童虐待防止法をはじめとする他法に基づく他制度やそれらに基づく支援との連携や調整等を推進していくための仕組みづくりが必要ではないか。」という内容で整理をしております。以上が本日ご議論いただきます資料1の内容となります。宜しくお願いいたします。
 
○ 堀座長
ありがとうございました。只今の事務局からの説明を踏まえ、意見交換のほうをしていきたいと思いますが、その前に今後のスケジュールにつきまして事務局より説明のほうをお願いいたします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
本検討会におきましては、これまで7回に亘ってご議論をいただいてきたところです。今後、検討会としての議論の取りまとめについては、9月中に再度議論の場を設けつつ、9月末を目途に行っていただきたく考えております。宜しくお願いいたします。
 
○ 堀座長
ありがとうございました。それでは事務局からの説明を踏まえ、これまでの議論の整理についてたたき台について、意見交換のほうをしていきたいと思います。ご意見のある方は挙手のほうをお願いいたします。戒能構成員お願いします。
 
○ 戒能構成員
取りまとめとご説明、本当にありがとうございました。えっとですね、基本的なところで、内容ではなくてですね、ちょっとご質問なんですが、確認というんでしょうか。この、「これまでの議論の整理」括弧して「たたき台」。で、9月末にはまとめるというお話だったんですが、この議論の整理という文書の、性格ですね。どういう性格を持つのか。あるいは言い換えれば、その目的ですね。それをご説明いただくと大変助かります。
 
○ 成松家庭福祉課長
はい、ありがとうございます。家庭福祉課長でございます。この議論の整理というのはですね、これまでの7回に亘る検討会の議論の整理ということでございますけれども、そのうち特に基本的な考え方というのを、3番目で「新たな制度に関する基本的考え方」というのを作らせていただいてございますが、この中でも、検討会の議論にもございますし、この中にも書いてございますとおり、新たな枠組みの必要性というものを書かせていただいてございます。これから、この基本的な考え方をこの検討会でご議論いただくことになりますけれども、こういう新たな形で、新たな枠組みを構築していく必要があるということを、お取りまとめいただけるようであれば、それを基本的な考え方全体としてお取りまとめいただいて、それを実現すべくですね、我々としても受け止めて、それを実現すべく進めていきたい。精力的に進めていきたいというふうに思ってございます。
 
○ 堀座長
はい。では、大谷構成員お願いします。
 
○ 大谷構成員
今の回答でほぼ言い尽くされてると思うんですけれども、すでに運用面の改善はなされてる。それを、運用面だけではなく制度化するということは、何らかの形で法律化するということで、現状は運用面だけであったけれども、制度を変えていくという趣旨で伺って宜しいわけですよね。そうすると、法律にするにあたって、こういうことを盛り込んでもらいたいということが取りまとめの内容であると伺って宜しいでしょうか。そうすると、この法律が、網羅的ではあって嬉しいんですけれども、いわゆる基本法なのか、そうじゃなくて、やはり制度設計なので、かなり踏み込んだ、このような制度とを規定するべきであると、細かく規定することまでも可能かどうかということなんです、が、どちらかなのかがはっきりしない。全体のこの提案が、非常に基本法に沿ったような、基本法の体裁に沿うようなものと、そうではなくて、やはり制度はこうあるべきだというような形、少し踏み込んだものもあり、この両面があるように思うので、その点のイメージはどこまでできているのでしょうか。私たちは最大限主張したいところではあるんですけれども。
 
○ 成松家庭福祉課長
はい。基本的な考え方でございますので、それをもって我々もしっかりと、先ほど申し上げたように調整等、関係者間調整等に進んでいきたいというふうに思っています。
ただ、一方でさまざま、皆さんのほうでもご意見、具体的なところとかですね。こういうふうにすべきだというご意見がありましたら、またおっしゃっていただいて、それをどう取りまとめて、どう反映していくか。どういうふうに整理していくかっていうのは、ちょっとまた、今日のご議論を踏まえて整理を考えたいというふうに思っています。
 
○ 堀座長
はい。それでは、松本構成員お願いします。
 
○ 松本構成員
すいません。新しい制度の枠組みということで、とても、聞こえませんですか。すいません。実はこれを見て、ひとつびっくりしたんです。実は、売春防止法の根本的な見直しというところで、この中に私たちが今までこう言ってきた、こう、分断しない。女性を分断しないっていうところの文をどこで入れてもらえるのかなって。これは、その売春防止法の保護のところだけを取り出してやられるのか。じゃあ売春防止法の中で罰則があった部分。女性たちに、支援ではなくて罰をというところの部分を置いたままにして、新しい制度ができるとしても、売春防止法はそのままそういうのを置いたままにして先に進むということなんでしょうか。ちょっとそこが、ちょっとすごく疑問のところです。
 
○ 堀座長
事務局のほうから、では、こちらもお願いします。
 
○ 成松家庭福祉課長
はい、ありがとうございます。さまざまなご意見あると思いますので、受け止めたいと思いますが、この今の婦人保護事業のですね、根拠法が売春防止法であることのさまざまな今の制約とか、あるいは、ということが主に議論の中心だったというふうに思いますので、そういったことを念頭に、我々も、構成員の皆さんと相談しながら、この基本的な考え方のたたき台というのを作らせていただいているということでございます。ご意見として、そういうご意見が、ということであればまた、我々としてもどう整理していくかというのを考えたいというふうに思います。
 
○ 松本構成員
宜しくお願いします。
 
○堀座長
はい、三木構成員お願いします。
 
○ 三木構成員
はい、ありがとうございます。全国婦人相談所長全国連絡会の三木と申します。制度のことについての、私もご質問と要望をさせていただきたいと思います。
今、何名かの委員の方からもご発言があったように、この制度設計をするということであれば、その法の性格が、いわゆる理念法なのか。要はその考え方の基本法を示すに留まるのか、それとも具体的なその実体法として、つまりその実施機関であったり、国の財政負担であったり、そういったことを、制度を取りまとめたものとして制定していくというところまで踏み込んでいただけるものなのかということを、現時点でのご回答が難しいようであれば、9月の次回のときまでにご回答をいただけると大変有難いと思っております。婦人相談所といたしましては、やはり単なる考え方を示したもの、いわゆる理想を示した理念法ではなく、制度を運用するために実効的な法体系にしていただきたい。たとえば障害者の自立支援法。さまざま批判はありましたけれども、身体、それから、知的、精神含めた総合的な支援をするということで、法的にはさまざまな問題があったかもしれませんけれども、それらを統合する実体法として制度を設計されたことと思います。ここには国や各都道府県、それから、市町村の権利・義務。それから、何よりもまずその利用者が主体であるということ。当事者が主人公であるという考え方が示されていたと思います。今、松本委員のほうから、売春防止法についてのご指摘もございましたが、既存の法律を変えていくことが難しいのであれば、その、これまでの過去の解釈をきちっと修正できるような、そういったものにしていただきたい。そこにはまず、女性の権利としての主体性。それから、国と都道府県。それから、地域福祉の要である市町村の役割。そういったことをきちっと明記された、実体法としての制度設計を強く望みたいと思います。その中で、この基本的な考え方に加えていただきたいものとして、先ほど予算要求の中でのご説明もございましたが、婦人保護事業の中に、是非これまでの入所施設型のパッケージサービスだけではなく、地域で暮らすための福祉につながるようなサービス。たとえば、今、居場所ということもありましたが、たとえばそれが通所であったり、アウトリーチであったり、それから、婦人保護施設の退所者だけではなく、ちょっと相談したい。婦人相談員さんにも相談したんだけれども、たとえば婦人保護施設であったり、民間団体ともいろんなところでつながって相談したい。ハードルを下げた形でのいろいろな通所型のようなサービスが受けられるように、そういった制度設計を是非お願いしたいと思います。それにあたっては、たとえば利用者本人が、たとえば私は障害とこのようなサービスを合わせて支給してほしいとか、あなたはここで受けているんだからこちらは駄目というような選択型ではなく、ご本人のニーズに応じて法律を横断し、そこが、多少重複があったとしても、ご本人のニーズに照らした、そういった適切なサービスが受けられるようそのような制度設計を強く求めたいと思います。宜しくお願いします。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。では、大谷構成員お願いします。
 
○ 大谷構成員
まさにその点がすごく気になるのです。この、理念法の部分っていうのが、4、5ということで、新たな制度設計に関わるところっていうのは3ぐらいしかないんですよ。この3のところに、もう少し、たとえば具体的には丸3、3番目の○。「若年女性への対応、自立後を見据えた支援を図るなど、時代に即した役割を果たせる仕組み」という形で総括されてるんですけれども、ここをもう少し具体的に、取りまとめの中にも入れていただかないと、まさに理念しか残らなくなって、基本法の形だけになってしまうのではないのかなと思うのです。それで、この取りまとめになるこの3にまとめられた、これまでの検討会の主な意見という形で出されてるところで、拾い上げられてないこともまだ多々あるので、これを、もう少しより具体的に、「時代に即した役割を果たせる仕組み」とは何なのかということが、いろいろ意見出てるので、例示でもいいので、ここは要求するべきじゃないかと思います。具体的には多様なニーズに対応した、多様な施設制度、施設設計、入所のあり方も含めて、いろいろな意見が出されているので、そこを、もう少し書き込んでいただけないだろうかと。そうしないと、せっかくできた法律も、ただの理念に過ぎなくなってしまうこともありますので。たとえば、これまでの検討会で主な意見として出された、8ページ目に出されてる4番目。「対象女性が広がれば、ニーズが多様になる」と。とすれば、多様な入口と多様な生活が保障されて、決して収容ということではない、そこでの生活と自立が保障されるということが必要だと、かなり具体的な意見が出たと思います。ここをもう少し、上の3の○のほうに挙げていただけないだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
 
○ 堀座長
では、事務局のほうお願いします。
 
○ 成松家庭福祉課長
はい。今日ご意見いただきますので、今ここでイエスノーというわけではなくて、皆さんのご意見聞いてよく整理をしたいというふうに思います。
 
○ 堀座長
まずは、この主な、今までの意見のほうについては、もう少し拾い上げていただくことは十分可能だと思います。そちらのほうの作業は次回までに是非していただければと思います。
戒能委員もお願いします。
 
○ 戒能委員
まあ、拾い上げると同時にですね、たとえば先ほどの売春防止法については、かなり意見として、将来的な課題としてでもですね、売防法そのものの見直しを図るべきではないかっていう意見が、極めて頻繁に、私の印象では出ていたような気がいたしますが、主な意見の中にはそれが書かれていないので、少なくとも主な意見には書かれるべきであろうというふうには思います。
それから、7ページなんですけれども、えっとですね、○の3つ目のところなんですが、婦人保護事業から、売防法に根拠を持つ婦人保護事業から、新たな、そこからちょっと飛び立ってですね、新たな枠組みを設定していくという方向を示されているんですが、それにしても、従来の婦人保護事業を中核にして、その女性支援の事業は組み立てざるを得ないわけですね。そのときに、この○3だけしか記載がないと。むしろその3の次がどこになるのか、大きな柱立てとして、婦人保護事業の、なんていうんでしょう。婦人相談所、それから、婦人保護施設、婦人相談員の機能の見直しとかですね、それぞれの機関ごとの関係性の見直しとか、それからやはり強化をしていかなければいけない。専門性を持ったその女性支援の専門機関として強化をしていかなければならないっていうところが、なんかスポッと抜けてしまっているので、そうするとそこから出ていかないと、出発しないとですね、具体的にじゃあどんな枠組みにしていくのか、どんな支援をしていくのかっていう議論に進んでいかないような、ちょっと気がしておりますので、それも意見として申し上げたいというふうに思っております。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。では、横田構成員お願いします。
 
○ 横田構成員
はい。5ページの、「新たな枠組みの必要性」というふうに書かれておりますけれども、ここを拝見して、私たちは新しい法律がこれによって作られていくんだというふうに受け取りましたけれども、そういう解釈を持って宜しいのでしょうかということと、それから、実は与党PTでですね、性犯罪性暴力被害者の支援体制のためのPTが提示され、その中で婦人保護事業の抜本的な見直しということが、盛り込まれました。このことともうひとつ、被害が顕在しにくい若年女子の被害者支援というのも同時にありましたけれども、この婦人保護事業の抜本的な見直しということの提示が、この動きに、この検討会の動きにつながっていったと私は理解しております。ただ、そう考えるとですね、その中にもうひとつ、性暴力被害者の中長期の支援。それですね。それについても、提言の中に盛り込まれておりましたけれども、この性暴力の被害に対しての取り組みというものが、具体的なところでは何も提示されてない。
それから、2ページに、そのことを踏まえてですね、2ページに、○の2ですけれども、「近年、婦人保護事業の対象として想定されなかった云々」と書いてございますけれども、この中に「性暴力・性被害に遭った10代の女性への支援といった今日的な新たな支援ニーズ」というように書かれておりますけれども、もちろん10代の女性ということを限定して今日的なニーズと書かれているのかもしれませんけれども、私たちが性暴力被害者回復支援センターを立ち上げてほしいというのは、もう言い出してから実際全婦連でも十数年経ております。そういう意味では、今日的な課題ではないんですね。もう長く、このことを整理していかなきゃいけないというのは現場から声を上げているということの実態です。それで、このことを踏まえてですね、また新たな法律ができるということを考えますと、やはり先ほど松本構成員や、今戒能構成員がおっしゃられたように、売春防止法に則って、今まで婦人保護事業をやってきた者としてはですね、このことの整理なしにしては、新法にはなかなか取り組むということも辛いものがあります。なぜかというと、現存する限り、第2章の刑事処分、第3章の補導処分は残るわけなので、一方では女性たちのもっと前向きな支援に立ち向かうという反面、売防法で刑事処罰を受けるようなものが残っているということに関しては、ここは法務省の所管かとも思いますけれども、このへんのことをですね、是非考えていただきたい。
それから、もうひとつ。先ほど流れについてのご報告がありましたけども、9月にもう1回検討会が行われ、そのあとに報告書みたいなお話がありましたけど、私としてはですね、やっとここで、この婦人保護事業が見直されて、新たな新法制定の動きが出ている。これを、もっともっときめ細かに丁寧にですね、現場サイドに、そして一番法律が、弱者のところにきちっとした形で届くような、そういうことを考えますと、この議論、この検討会はものすごく重要だというふうに思います。ですから、是非ですね、9月で検討会、9月の末終わりとかではなくて、できればこのメンバーで、もう少し具体的なものが生かされていくまで続けていただきたいというふうに思います。特に具体的なことが、なかなか出てこない。私たち現場の者からいいますと、たとえば職員の配置基準の問題もですね、50人以上、50人以下も、国基準では2名ということなんですね。この刑務所の監視のような中の職員配置のこと。このことも含めてですね、やはりきちっと見直していかなきゃ。そのことについても議論が必要だと思いますし、それから、複雑化・多様化・複合的な課題を抱えた女性たちの支援。このことはいろんなところで言葉としては出てきますけれども、私たちが今向き合っているのは、対象者は、本当にそのとおりなんですね。ただ、職員の資格基準も曖昧。「人格高潔で温厚な人」みたいな感じでしか提示されてないことを踏まえますと、やはり専門職としての位置付けをきちっとしていっていただきたい。それは相談員も含めてですけれども、そういう意味では、まだまだ議論するべき余地はたくさん残っています。今やっとスタート地点に立ったなという感じがしております。ですから、ここまで本当に漕ぎつけていただいた厚労省には感謝ですけれども、この大事な機会をですね、このままで終わらせたくないと、私たちとしては長い間の願望でもありますので、是非ですね、このことをきちっと捉えていただいて、もうちょっと具体的なことで、まだまだ出てこないことがいっぱいあるかと思いますけれども、そのことをきちっと整理した上で、新しい法律に移行していくような、大事なことは、一番弱い人にその法律がきちっと生かされているかということだと思います。そこを議論なくしては、とてもできないというふうに思いますので、是非宜しくお願いしたいというふうに思います。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。それでは、松本構成員お願いします。
 
○ 松本構成員
今横田構成員が言われたように、私たち現場の相談員、現場で働く者にとって、本当に売春防止法の下で働いているっていうところで、再度お願いしたいことがあります。第5条と、第3章。執行しないように、執行停止を再度お願いしたいと思います。それは何回も言ってきてるんですが、この記録には全く載っておらずに、そういうふうに売春防止法の執行停止をお願いしたいというふうに今まで言ってきたんですが、そのとおりに再度お願いしたいと思います。
それから、婦人相談員の専門性。婦人保護事業に関わる者の専門性とか、この事業をやるにあたって私たちが今すごく要望してきた身分の保障。会計任用制度で、私たちはもう一年雇用のパート職のような形になるというようなことで、厚生労働省からも、配置の促進のところに書いていただきましたけれども、全国で聞きますと、なかなか特別、非常勤特別職はなくなって、専門職としては見られずに、パート職ということの状況なんですね。ですから、今後のこの婦人保護事業を担っていく、今後も担っていく三本柱のひとつとして、ここにひとつの機関として置いて、今後もそれで業務をやっていくということであれば、やはり私たちが安心して働けるような形で、今後も制度、それから市町村の基本的な役割みたいなところも、ここに入れていただけたら有難いなと思います。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。近藤構成員お願いします。
 
○ 近藤構成員
この検討会の基本的な方向が、ジェンダー平等法としての新たな女性支援の枠組みを作るということになるとすればですね、これまで散々ここでも論議されてきて、与党のPTとかほかのところでもいろいろ論議が重ねられている売春防止法の見直しっていうことは、これはどうしても避けて通れないことだと私たちは思います。そういう意味では、これまでの売春防止法にこだわならいというとおかしいですけれども、売春法、売春防止法自体とは別のところで、新たな女性支援立法というのを考えていただく。むしろその、そちらのほうに考え方をきちんと明確にして、売春防止法を廃案にして、新たな立法の下で、これまでさまざまな機能を果たしてきた婦人相談所を、新たに女性支援センターとして位置付けるとか、あるいはその婦人相談員っていうふうに呼ばれてきた人々を、女性支援員というふうに新たに位置付けるとか。そうしてその専門性を付与して、雇用の形態から、研修の形態から、一から総合的に規定をし直すということが、どうしても必要だというふうに思います。
私は民間サポートシェルターの立場から申し上げると、10ページの5のところ「民間団体との連携・協働のあり方」これは大変抽象的に書かれているというふうに思います。実際にその相談から自立支援までの長い道筋を、女性支援の専門機関である公的な機関同様、あるいは違う理念。そこを超えた理念で仕事をしてきた民間の仲間の考え方からしますと、連携・協働のあり方を、むしろその公的な機関の側から考える。連携・協働を推進するということではなくて、むしろ女性支援の重要なプレイヤー、パートナーとして、位置付けをやっぱりし直す。諸外国がそうしているようにですね、民間のその多様な経験を生かして、そこにむしろ支援事業を一括委託するっていうふうなこともあってもいいというふうに思いますし、今実際にいくつかの自治体で、民間の支援団体が、DVセンターの役割を一括受託して仕事をしています。むしろこれまで婦人相談所というふうに言われてきたところの仕事を、丸ごと民間支援団体がオーガナイズしていくということも私はあってもいいんではないかというふうに思うんですね。
だから、どのような機関、どのような団体、どのようなプレイヤーであっても、女性支援に関わるさまざまな分野の領域で、そこに必要な公的な資源が投入されて、一人でも多くの女性の支援に、国を挙げてといいましょうか、いろんなところがこぞって力を注いでいけるような仕組みを、今回なんとしても新たな支援立法の中で位置付けていただきたいというふうに思います。私たちも、必要であれば「こういう条文を作ってほしい」「こういう定義をしてほしい」というふうに提案をしたいというふうに思いますので、そこは是非時間をかけて取り組みいただきたいと思います。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。村木構成員お願いします。
 
○ 村木構成員
この間、私も座長指名構成員の一人として、事務局の皆様と議論を重ねてきましたんで、ちゃぶ台返しするっていうのはちょっとルール違反だろうと思いますけれども、それにしても今までの皆さんのお話をお聞きする中で、ちょっと感じる点が3つほどありましたので、述べさせていただきたいと思います。
1つは、大体共通してますのは、やっぱりどこまで今回のことで具体的な施策に落とし込んでいけるかと。これは、国なり自治体の役割、権限もそうですし、それから、予算的な面もそうですけれども、そうしたことについてできるだけ具体化をしていきたいと。していくべきであるということが、言われていた。それは誠にそのとおりだろう。この検討会の、いわば結論になっていくことについても、さらにできるだけ具体的なものを盛り込んでいただきたい。その際に、私共何人かで「こういうのがあると、こう、非常にいいよね」という、いわば理想論のようなものも作ってお示しをいたしておりますので、そうしたものも是非参考にしていただきたいということと、それから、横田さんが言いましたように、9月の末に以降「提言を出して良かったね」で終わりではなくて、これからさらに具体化していく上で、現場の声を吸い上げていく、その仕組みを続けて作っていただきたいということが1つであります。
それから、民間の立場でいいますと、確かに先ほど近藤さんがおっしゃったように、民間をもうちょっと主体的に活用していただきたいというのはあります。たとえば、7ページ目の3番の2つ目の○では、「行政・民間団体を通した多機関における連携・協働」ということで、全く両方とも進めていくという形なんですけれども、10ページ目の5のニュアンスは「民間団体との連携・協働」ということで、やっぱり主力というか主体は公的な団体で、それと民間が、言ってみれば民間にどう手伝わせるかというようなニュアンスが少し感じられるんで、これらについてはもう少し民間が力を持てるような体系ができないのかというのが2つ目であります。
それから、3つ目は、7番の「関連する他制度との連携のあり方」のところで、この間どうもですね、ここに書いてあるDV防止法、それから児童関係の法律というのは、もう当然なんですけれども、これに加えて、いわば他の福祉諸制度。たとえば障害者関係の法制度、あるいは生活保護なり、生活困窮者の制度との関連といいますか、それらを含めて本人中心主義でどう進めていくということが大変大事だなというふうに思っておりまして、この「はじめとする」という例示にはなっておるんですけれども、少し障害者関係なり生活保護なりといったことも、具体的な例示としてお出しいただけると有難いなという3点であります。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。そのほかまだご発言なされていない方、いかがでしょうか。では、松岡構成員お願いします。
 
○ 松岡構成員
名古屋市の松岡でございます。議論が進んだ段階での初参加で恐縮しておりますけれども、こうした機会をいただけたことは感謝しております。これまでの皆さんの発言とかなり重複する部分もあるかと思っておりますけれども、住民に近い市の立場からも改めて申し上げることも意味があるかと思いますので申し上げたいと思います。
まず、今回のまとめでも記載されておりますけれども、市町村の法的な位置付けということを明確にということを書いていただきましてありがとうございます。前任、私の前任の水野も申し上げてたことだというふうに思っております。
ただ、実際の規模の違いだとか、置かれている状況の違いがありますので、一律に難しいということもあろうかというふうに思うんですけれども、今ご意見出されておりましたように、地域のさまざまな福祉サービス、市町村が実施機関となっていることが多いというふうに思います。例えば本市の場合ですと、区役所が障害者の福祉だとか生活保護だとかも含めまして、もちろん児童福祉も含めまして、福祉事務所である区役所が担っているということです。そういった中で、区に配置されている相談員というのは、本当に本人の主訴をしっかりと聞き取って必要な解決するべき課題というものを見極めて、気持ちも汲み取りながら本当に婦人保護事業だけじゃなくて、他の福祉的な施策、いろんなものを組み合わせて被害者支援を行っているなというふうに感じております。本当にそういう意味では、それだけのことをしていくための専門性というのは本当に高いなというようなことも感じております。
ただ、市の、本市の課題でもあるんですけれども、庁内でもこの仕事についての理解というのは高いとはいえないなということも感じていまして、なかなか何をしているのかわからないということを言われていたりだとか、組織的な協力がちょっと得られにくいという状況があるのではないかと思っております。やはりそういった意味でも、市の位置づけというものがあって、福祉的支援のつながりの中に、こういった女性の支援というものもあるといいなということは感じます。
また、先ほど処遇についてのお話もありましたけれども、そういったものがなかなか理解されてないということもなかなか改善が進まないということと無関係ではないのかなと思っておりますので、今後どのような形で示されるかはあるんですけれども、こういった業務の専門性であるとか、困難性、重要性というものを示していただけると有難いなと思いますし、そうすることによって、名古屋市のように婦人相談員が配置されているところでも、今のような申し上げたような状況ございますので、配置されていない市町村も含めて配置を進めていくという点では、そういったことも大事になってくるのではないかというふうに思いました。
すいません、あともうひとつだけ。民とのというようなお話もありましたけれども、これもやはり実感として重要なことかなというふうに思っておりますけれども、実際にこの数年で名古屋市の中でも活動が休止になったところもございます。活動しているところからもなかなか体力的にも財政的にも困難だというような声も直接聞いておりますので、支援が持続的な、持続可能なものになるという視点も重要になるのではないかと思いましたので申し上げさせていただきました。以上でございます。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。では、野坂構成員お願いします。
 
○ 野坂構成員
昭和女子大学の野坂洋子と申します。宜しくお願いいたします。私はDVの被害者支援における二次的被害の防止に関する研究をずっと行ってきておりまして、その研究をしている者の立場として、また、大学で学生の支援者、社会福祉士や保育士の資格取得の養成を行っている者の立場として意見を述べさせていただければと思います。
私はこの分野に関してのクライアントの特性として、かなりニーズが本当に多様であるなと。ほかの福祉分野のクライアントの方たちもいろんなニーズを抱えていらっしゃいますけれども、特にこの分野に関しては、本当にこの資料の、たたき台の資料の中にもありますように、想定を超えるような状況になるくらいの多様なニーズを抱えているクライアントを対象に、支援や援助を行っていかなくてはいけないというような分野であるというふうに考えております。それの中で、今回の資料を、たたき台を拝見した際に、これが実現できたら本当にすごく有難いなと、すごく変わっていくんじゃないかなと思ったと同時に皆様からご意見が出ていたように、本当理念法になってしまわないかというところが、すごく心配になってしまったなというところも正直ありました。それで、私はどうしても支援者側のトーンにも焦点を当てている者なので、そうなってくると私が学生指導などもしていますと、この分野の職員として働きたいっていうふうに思っている学生さんたちって、正直あまり会うことができなくていることもありまして、現場の職員さんたちも困っていらっしゃる。困りながらどのように対応したらいいのかというのをすごく戸惑われながら対応されているご様子も、私、調査研究の中で把握してきておりますけれども、それなので、ご意見も多数出ておりますが、専門性の強化。職員の方たちの専門職の位置付け。そういったところは必須であるのではないかなと。わからない中でその場その場で支援をするのではなくて、きちんと専門的な根拠に基づいて、的確な支援・援助をしていくためには、不可欠であるなというポイントだと思います。
また同時に、具体性、具体的にどのような動き、運用をしていくべきかというところの議論も不可欠であるのかなというふうに考えました。以上です。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。はい、では、菅田構成員お願いします。
 
○ 菅田構成員
全母協の菅田です。資料の最初の2ページですかね。2ページじゃない、3ページですね。7月18日に局長通知が発出されて、10の今後見直しを行うという項目の10のうちの、1番と2番と3番と10番が今回局長通知の中に入っていると思うんですね。それは大変有難いなと思っております。この歴史っていうか、これまでの経過の中で、最後の下から3行目ですか。他法他施策優先の見直し、一時保護委託の対象拡大、積極的な活用の見直しに関する通知が発出されたっていうところに、母子生活支援施設の活用が書いていただけたら有難かったかなという思いです。はい。
あとですね、やはり今いろいろ構成員の皆さんから意見がありまして、私自身もこの5ページの「新たな枠組みの必要性」ということで、ここまで踏み込んでね、書いていただけたっていうことは、すごく効果が高いというか、画期的なことじゃないのかなと思って読ませていただきました。一応私はそのぐらいです。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。では、新保構成員お願いします。
○ 新保構成員
新保と申します。この検討会では、本当に、これまでですね、長らく女性の支援に携わっておられて、当事者の方に一番身近なところにいらっしゃる皆様が、実態と課題ということを挙げてこられる中で、ここまで歩を進めてきたということにとても大きな意義があるのではないかと思っております。
まずは、まず今何が起こっていて、これから何が必要なのかということをきちんと示して、これは他領域のところのさまざまな方たちにも、まずは認識をしていただくっていうことも、とても大事ではないかと思っております。先ほど村木構成員が「他分野の、障害や生活保護や生活困窮といったような他制度との連携のあり方を検討するということも重要である」というご指摘がありましたけれども、地域共生社会の実現ということで取り組みが進んでおりますけれども、その中ではやはり、分野による縦割りということではなくて、いっそう包括的な支援をしていこうという流れにあるかと思います。今の地域共生社会に向けたという中では、たとえば介護・障害・子ども・生活困窮というような領域が出てきていますけれども、そこにまた女性ということも、いずれにもつながってくることだと思いますので、少しこの女性の領域が地域共生社会の実現の中にですね、また大切なひとつの領域として、また、包括的な支援の担い手として、挙がってくると良いのかなというようなことを思っております。以上です。
 
○ 堀座長
はい、私のほうからも一言話をさせていただければと思いますが、この婦人保護事業の見直しに関しては、もう売春防止法ができて10年ぐらい経った。昭和40年ぐらいからもう長らく法律の部分も含めて、見直しの必要性というのはいわれていたところかと思います。そうした中で今回新たな法的枠組みというところで整理されたというのは、非常にこう、まあ、心強いというか期待を持てる部分があったかなというふうに思います。それに関しての皆さんの意見、先ほどから出ていますように、その法律の性質として、理念的なところと、具体的な制度・施策のところがどのようにこうバランスよくのめり込んでいけるのかというところに、まだまだご意見たくさんありましたように、修正や検討していただく部分として出ているのかなというふうに思われます。村木さんのほうも、先ほどまとめていただきましたけれども、そうした、たとえば例示を入れますとか、そういった部分もあります。検討していただくということで要望ありましたし、戒能構成員のほうからもありましたように、3機関というのが、この一行の中ですべてまとめ、婦人保護事業の3機関ですね。ひとつまとめて、一行にまとめた形での整理でいいのか。ここをもう少し丁寧に書く、検討するべきではないかというのは私も常々思っているところでもあります。
それから、専門職。この検討会のところでも専門職について、あるいは専門性についてということがかなり意見としても出ていたかと思いますけれども、最後のところで人材育成というところで、最後ではないですね。触れられていたかとは。6、6番のところで、人材育成というところで触れられていたかとは思いますけれども、もう少しここらへんに、婦人保護事業の専門性をどういうふうに考えるのかということも含めて、新たな枠組みの支援制度の枠組みのところで、3番のところですね。検討いただくということも議論の流れとしてはあるのではないかというふうに考えているところもあります。そういう意味では、本日の意見、幅広く出ておりますこの部分につきまして、事務局のほうでもう一度ご検討いただければというふうに思っております。
そのほか、まだ追加のご発言等がございましたら、時間ありますのでもう少し。じゃあ横田構成員お願いします。
 
○ 横田構成員
私はすごくこだわってるのは、やはり性被害の問題なんですけれども、売春防止法ができた昭和31年ですけども、その頃からの入所者の記録を読みますと、かなりの方が近親者から性暴力を受けているという事実があるんですね。ただ、そのときに、性被害者という視点はほとんどなかった。どういうことかというと、売春防止法によって婦人保護施設に辿り着く女性たちは、婦人保護要綱、古くは婦人保護要綱の中には、「闇の女」という表し方をされていますように、売防法ができた当初も、売春婦だったんですね。そういう視点から、被害者という視点はおよそなかったんですね。それが、現代に至って、DV防止法ができてですね、暴力の被害というときに、暴力、いわゆる性暴力の被害ということが、私たちの支援の中核になってきております。というのは、生活の中で、当時子どもだった頃に被害を受けてきた女性が、私たちの生活施設に入所してくる。その実態を通じて、支援の難しさは、もう本当に困難性を極めているところです。ただ、じゃあ、今現代はどうかというと、父からの虐待、性虐待、性暴力。これが、社会に蔓延しているんですね。私は先だって、今日は若年のBONDもColaboもおいでになってませんけれども、ちょっと私も視察というか、顔を見に寄らせていただきました。18代、18歳の女子が3人おりましたけれども、その中で、皆さんが父親からの性暴力なんですね。これからこの子たちが、どうやって自分を確立して自分を生きていくんだろうかというときに、その女性たちの責任ではなくて、やはり私は社会の責任だというふうに、大人社会の責任だというふうに思わざるを得ないんですけれども、そう考えたときに、婦人保護事業、抜本的な見直しの中に、与党PTが立ち上げてくださったように、この性暴力の被害の問題をなくしては、この事業の中核に居座ることはできないと私は思っておりまして、先ほど申し上げましたように、回復支援センターですね。私がイメージする、また、近々イメージしてみてることにはですね、この被害者支援に対しての連携ですね。を考えたときに、どなたかがこの児童虐待の問題にしても、コーディネートする力を持った人あるいは機関が必要だと思ったときに、たとえばですけど、そういう性暴力被害者回復支援センターのように、統合的にいろんな被害者をとりまとめる。それから被害実態を分析する。それから整理する。それから客観的なことと照らし合わせていく。今後の方向性を見出していくみたいなところで、統合的に関わるところができていかないかぎり、連携といってもですね、コーディネートをする力がなければなかなか難しいだろうというふうに思っています。
繰り返しになりますけれども、私たち婦人保護事業の一番の中核にあるのは、性被害に対しての支援だと思っています。これは、ひとつこんな話をしていいのかどうかわかりませんけれども、かつて性被害を受けた女性がですね、私のほうに、「夜、怖い夢を見る」というふうに言ったことがあります。それはどういう夢かというと、手で引っ張り出しても引っ張り出しても、膣の中から黒い虫が次々と湧き出してくる。「怖い怖い」って言って、「助けて」って叫んでも、誰も助けてくれない。それを、私に「助けてほしい」と言われたんですね。私は、「あなたの夢の中にまで入って助けることはできない。だけど、見たら、夢を見たら、次の日に必ず言いなさい」と言って、何日間か毎日同じような夢を見て、毎日私はその話を聞きました。私は、性被害が皮膚感覚的に、私たちが、女性たちが受けているということの当事者性を持ってですね、関わる必要があるというふうに思いますし、そうやって被害を受けた方たちが、そういう怖い夢をですね、夢の中で体験しているっていう実態を、私は体験した、自分が体験したことがあります。そう考えると、そのことをですね、なかなか口に出しては言えない。性被害ってそうだと思いますけど、そのことをですね、きちっと、やはり国が責務を持って、他者からの侵害を、他者からの侵害なわけですから、立派な人権侵害ですよね。このことに対して法的にですね、是非新法ができた際には、回復支援のセンターをですね、作るというようなこともですね、一緒に考えていただきたい。そのくらい、私たちが支援している利用者ですね。対象者の中にそういう実態が、これはきっと、お話しなさらないですけど、婦人相談員も相談所も、そういう事実をたくさん掴んでいらっしゃると思います。母子生活支援施設も同じだと思います。さらに、子どもに至って、性虐待を受けるということの傷の深さに対して、DV防止法ではシステム化されてないために、緊急一時を経たあと、何の支援も受けないまま生活を送ることになります。そのことによって、どれほどの子どもたちが、同じような、PTSDを繰り返しているようなことがあるかということもですね、知っていただきたい。なんとかそのことをですね、やはり国がきちっと、性的な侵害に対する、女性たちを守る、あるいは子どもたちを守るものを、法制化につなげていただきたいというふうに切に思います。できれば新法の中にそういうものをきちっと法律で位置付けて、国が責務を持って作っていくということをですね、考えていただけたらというふうに思います。宜しくお願いしたいと思います。
 
○ 堀座長
はい、三木構成員お願いします。
 
○ 三木構成員
はい。先ほどこちらの議論での継続のこと、また、市町村の役割のことについてもですね、名古屋市の構成員の方からもご発言いただいて、大変心強く思っております。
一点こちらもお願いで申し訳ございません。一言だけ付け加えさせてください。この婦人保護事業の見直しや強化というのが、やはりこう、マスコミやいろんなところで注目されてきた要因のひとつに、大変残念な、野田市や、あるいは東京都の目黒区で起こった児童虐待による死亡事件というもののインパクトというのが非常に強かったのではないかと考えております。児童相談所や、また児童虐待の取り組みについては、日々大変な皆さんの努力によって、世間的にも周知され、またその相談や、それから保護もどんどん進んでいく一方、現場の疲弊という声も、問題もあるのですが、それに比較して、やはりその婦人相談所であったり、婦人相談員の地位あるいはその役割についての、世間やマスコミからの認知、またこれはシェルターということもあって難しいものもありますけども、世間的なそういった認知度というものは、児童虐待の分野と比べても非常に低いですし、また、体制的にも、また、身分の面でも、児童虐待への取り組みに比較して見劣りがするというふうに、残念ながら思わざるを得ないところもございます。不幸の事件がきっかけになって、この一過性の見直しとか、そういうことで終わらないよう、是非継続的な、女性支援を支える立場として、婦人相談所、それから婦人相談員、また婦人保護施設の体制強化に結びつけるような、そういった制度の構築を是非お願いしたいと思います。以上です。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。はい、宜しいでしょうか。大谷構成員お願いします。
 
○ 大谷構成員
今さらながらで恐縮ですが、売春防止法と、もし新法ができるなら新法の関係です。要するに「性行又は環境に照らして売春を行うおそれのある女子」と、この要保護性で括られているこの女子の定義を、売春防止法でしてるんですが、この売防対象者の女子を切り捨てるなというのは、もちろん最低限の要請です。「売春を行うおそれのある女子」という形で定義付けられた女性も、困難を抱えた女性であることには間違いないので、この人たちももちろん対象だよと。ただし、この人たちは、罰を受けに来るんじゃなくて、困難を解消してもらうために、もしくは何か立ち直りをするために来るんだということがわかるような内容じゃなければいけないと。でも、率直に申し上げて、売春防止法を全部変えるためには、きっと法務省の管轄になるらしくて、きっと厚生労働省だけのこの委員会ではできないということであるならば、少なくても、ここで関わる保護更生のところも、方向性としてこの「性行又は環境に照らして売春を行うおそれのある女子」と、この括りだけは、もうやめるんだと、これを明確化することは可能なんでしょうか。いや、それを含めた、それを対象として、たとえば売春や、売春してなくても風俗で働いている人が、困難だと思ったときに、保護を求めてくるときに、ここに居場所があるよということも、視野に入れてますというような建て付けが可能な法律ができるのかどうか、ということは私自身も考えているのですが、どうなのでしょう。いずれにしても、売春防止法は早急に改正してもらいたいと思います。ただし、それを改正するのにずっと足踏みをさせられて、この保護事業が頓挫してしまうのも、私は避けていただきたいと思っています。早急に、法律は作っていただきたい。尚且つ売春防止法も抜本的改正を求めたいけれども、せめて、「売春を行うおそれのある女子」というような定義に関しては、今回の法律では、「こういう形で位置付けていくんですよ」ということがわかるような形で、売春防止法の改正を視野に入れて、ここから変えていくという形のものをなんとか工夫できないかと思います。そこも含めてご検討いただけれきたいと思います。もちろん今横田さんが言ったように、性被害の女性が、本当に筆舌に尽くしがたい困難を持ってるっていうのはもちろんそうなんですけれども、しかし現に売春をし、売春をせざるを得ない女性たちも、なかなかの困難にあるので、「この人たちを切り捨ててないよ」というようなことがわかるものも、是非視野に入れていただきたいなというふうに思います。。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。はい、では、松本構成員お願いします。
 
○ 松本構成員
すいません。現場で働いている私たちのところに、やはり売春を、「毎日10人のお客を取っていた、嫌で嫌でたまらなかった」という女性も来ます。
それから、性暴力の被害者すごく多いんですよね。婦人相談員のところも。つい最近まで、私は障害のある女性の性暴力を受けた被害者の方を、まあいろんな、ここには包括的な支援っていうのでいろんな関係機関と連携していくっていうふうにしてありますが、実際に婦人相談員たちは、関係機関と連携しながら支援をしています。
つい最近、実父からの性暴力の被害を受けた18歳の女性ですけれども、ずっと父親と裸で暮らしていたというふうなんですね。そういう方に対して私たちが、まず来たのは、住民票の支援措置のところから入ってきたんですけれども、そういうふうに相談員のところには本当に性暴力の被害者、それから売春をしてきて、もう本当に自分の自己肯定感が、もうすっかりなくして、自信をなくした女性が来ているんですね。そういう実態の中で私たちは、本当にどこに専門性を置きながら、そして包括的な支援をコーディネートしながらやっていくっていう仕事の役割を持っています。実際やっています。ですから、ここの見直しのところで、児童虐待のところじゃなくて、「婦人相談員」という別枠をちょっと設けていただいて、やはり婦人保護事業の3機関の別枠できちっと見直しの部分をしていただきたいなというふうに思います。はい、宜しくお願いします。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。横田構成員からも松本構成員からもありましたが、女性の性被害、性暴力につきましては、今後の女性支援を考えるときに非常に中核的な部分になっていくところかと思います。その部分につきましても、こちらのほうにどう盛り込めていけるのかということ、特に強調できるような形でご検討、またこれは、して、まあこちらのほうのたたき台のほうに盛り込んでいただいて、次回以降もまた引き続いて検討のほうをしていただければと思います。
はい、それでは宜しいでしょうか。なんか電気も消えたところではありますので、そろそろじゃないかというふうな連絡が来てるのかもしれませんが。本日幅広いご意見のほういただきました。まだまだご意見あるかと思いますので、追加のご意見がありましたら、事務局のほうにどうぞお寄せください。
最後に事務局のほうから、次回の日程などについての連絡のほうお願いいたします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
はい。皆様ありがとうございました。追加のご意見につきましては、来週4日水曜日を目処に、事務局のほうにお知らせいただきますようお願いいたします。
次回の日程につきましては、調整の上後日ご連絡いたします。事務局からは以上です。本日はどうもありがとうございました。
 
○ 堀座長
はい。それでは、本日の検討会はこれにて閉会といたします。遅い時間にもかかわらず、ご出席の皆様どうもありがとうございました。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 第8回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会(2019年8月30日)

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