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2018年10月24日 
第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会

子ども家庭局家庭福祉課

     ○日時

        平成30年10月24日(水)15:00~17:00
 

 

     ○場所

       中央合同庁舎4号館共用第1208特別会議室(12階)


     ○出席者

   構成員

                          
大谷構成員 戒能構成員 加茂構成員 近藤構成員    
新保構成員 高橋構成員 橘構成員 仁藤構成員    
野坂構成員 堀構成員 前河構成員 松本構成員    
水野構成員 横田構成員 和田構成員  


    参考人
  
      廣瀬参考人   


    事務局

                   濵谷子ども家庭局長
           藤原内閣官房審議官(子ども家庭局併任)児童虐待防止等総合対策室長
           長田子ども家庭局総務課長
           成松子ども家庭局家庭福祉課長
           度会子ども家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室長
           菅子ども家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室長補佐

       

         オブザーバー
           内閣府
           法務省
           警察庁
       
       
        ○議題
           困難な問題を抱える女性への支援のあり方について
            (中間的な論点の整理に向けた議論)
 


        ○議事

 

○ 度会母子家庭等自立支援室長
定刻となりましたので、只今から「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会第4回」を開催いたします。構成員の皆様にはご多用のところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、菅田構成員、村木構成員から欠席のご連絡をいただいております。なお、欠席された菅田構成員より、全国母子生活支援施設協議会の廣瀬常任協議員を参考人として参加させたいとのご希望があり、参加いただいております。
それから、加茂構成員、大谷構成員が遅れて出席される予定です。また、仁藤構成員、高橋構成員につきましては、本日途中で退席されるという形になりますので、宜しくお願いいたします。
また、事務局としまして、濵谷子ども家庭局長、長田総務課長が、公務により遅れて出席となります。
今回の第4回検討会につきましては、第3回に引き続きペーパーレス会議で行います。本日の資料はタブレットを操作してご覧いただくこととしておりますが、タブレットの機能の都合上、ふたつのファイルを同時に参照することができませんので、参考資料につきましては、紙媒体で机上のほうに配布させていただいております。タブレットのほうでは資料1のほうをご覧いただきながら、参考資料を適宜ご活用いただければと思います。
また、この参考資料につきましては、次回以降の検討会でもご活用いただけるように、事務局においてファイルに編纂しますので、会議終了後はそのまま置いておかれますようお願いします。
それでは、参考資料以外のお手元にお配りしたものですが、座席表、議事次第、構成員名簿、タブレット、タブレット操作説明書のほか、ファイルにあります前回までの資料、それから、婦人保護事業等における支援実態に関する調査研究報告書を配布しております。配布物に不足等ございましたら、事務局にお申し付けください。タブレットの操作方法については、お手元のタブレット操作説明書をご参照ください。
それでは、タブレットのほうですが、皆様の画面のほうにマイプライベートファイルというところが開いてると思いますが、議事次第、それから、資料の1、参考資料の1-1から1-3、参考資料の2から参考資料の5までの全部で9点という形でファイルが格納されていると思います。よろしいでしょうか。
それでは、次に、ご発言される場合の注意事項ですが、お手元のマイク、こちらのほうの真ん中のボタンを押していただき、ご発言をお願いいたします。なお、マイクの構造上聞き取りにくい場合がございますので、なるべくマイクを近づけてご発言いただきますようお願いいたします。説明は以上となりますが、タブレットの操作方法、マイク等につきまして、ご不明な点がございましたら、適宜事務局のほうでサポートいたしますのでお申し付けください。
それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の厳守をお願いいたします。これより先の議事は、堀座長にお願いしたいと思います。宜しくお願いいたします。
○ 堀座長
それでは、さっそく議事に入ってまいりたいと思います。本日は困難な問題を抱える女性への支援のあり方について、中間的な論点の整理に向けた議論。こちらを行いたいと思います。
これまでの検討会における様々な意見交換を踏まえつつ、事務局において資料1のほうに、事項ごとに主な意見をまとめてございます。後ほど事務局より資料の説明があると思いますが、本日はこれまでに言い足りなかった点ですとか、議論が不足していると思われる点、そういったことなどについて自由にご意見をいただきまして、今後の論点整理のほうに向けまして、議論を深めていきたいと思っております。それでは宜しくお願いいたします。
まず、事務局より資料1の説明のほうをお願いいたします。
 
○ 菅母子家庭等自立支援室室長補佐
はい。それでは、ファイル資料1。これまでの意見(案)。こちらのほうをお開きください。
本日資料はこの1点でございます。あとは参考資料ということになりますけれども、これまで3回の検討会でいただいたご意見を、項目ごとにカテゴライズをして整理をいたしております。
資料全体の構成でございますけれども、まず開いた1ページ目。大きく3つの項目、事項に大きな柱を立ててございます。1ページ目から、1といたしまして、対象となる女性の範囲とニーズに対応した支援について。
左側に項目とございます。こちらの項目が、中柱として、全体で7本に整理をさせていただいております。
まず、1点目が対象となる女性の範囲について。おめくりいただきまして、その次に若年女性や性暴力被害等のニーズに対応した支援について。それから、下に下っていただきまして、大きく2つ目の柱といたしまして、8ページからでございます。各実施機関における役割や機能について。
こちらの項目として3本立ててございまして、都道府県と市区町村の役割について。下へいきまして、10ページから支援の実施機関に求められる役割・機能について。さらに降りていただきまして、14ページからが民間シェルター等の関係団体との連携について。この3つの項目で整理をいたしております。
続きまして17ページからが、大きな3本のうちの3本目。他法他施策との関係や根拠法の見直しについてとしております。こちら項目といたしまして、他法他施策との連携の推進について。それから2ページ下っていただきまして、売春防止法の見直しについて。
大きく3本柱、7つの項目に意見を整理させていただいております。これまでにそれぞれプレゼンテーションいただいた内容、それからその後の質疑応答、さらには意見交換でいただいたご意見を、整理をいたしております。
1ページに戻っていただきまして、まず対象となる女性の範囲についてでございます。それから、赤字で書かれておりますのが、お手元に紙媒体でも配布をさせていただいております参考資料。各ご意見に関連する通知でありますとか、各種データ。こういったものを参考資料として整理をしておりますので、適宜こちらのほうもご活用いただきながら、見ていただければと思います。
まず、対象となる女性の範囲についてでございますけれども、
「DV防止法の改正に合わせて業務内容が見直されることなく、次々と発出される通知により単に業務が加えられているのが現状である。」それから「一人の女性として一貫した支援ということが現行の婦人保護事業実施要領の中では掲げられていない。」「緊急の保護又は自立の援助を必要とする女性及びその者の監護する児童ということで、そのときの背景がどのようなことであっても、その時々の保護の必要性や支援の内容に焦点を当てた支援というのが、対象女性というふうに考えていいのではないか。」「包括的な定義としては、対象は困難な問題を抱えるすべての女性とし、その人権を擁護し、一人ひとりの問題に関して総合的な支援、社会支援を行うとしてはどうか。」「具体的な定義については、あらゆる暴力の被害者、日常生活を営む上での困難な問題を抱える女性を範囲として、生活上の様々な困難を抱えた女性やその子どもたちの一人ひとりの事情に合わせ、再出発のために社会資源をコーディネートし、問題解決及び女性の自己決定権を支える等の支援を行うとしてはどうか。」「他法他施策優先については削除すべき。」「性的被害を中核として侵害を受けたすべての女性を対象に支援をしている。」こういった意見が出されておりました。
続きまして、若年女性や性暴力被害等のニーズに対応した支援について。まず、若年女性の関連では、「本来は婦人保護事業が取り組むべき対象であるにもかかわらず取り残されている。」「法律の狭間にあることが支援の困難さを増幅させており、通常の婦人相談員の資源やスキルでは対応が困難。」「困難を抱えた少女たちが自ら公的な機関に助けを求めることは、かなり高いハードルがある。」「公的機関の問題として、開所時間や一時保護に至るまでの時間等の問題で、使いたいと思っても利用することを諦めてしまう少女たちが後を絶たないのではないか。」「一時保護の同意が得られないということは、つまり使いたいと思われていないということ。」「売春防止法の枠の外にいる女の子たちは、気軽に立ち寄れる居場所づくりが必要。」「婦人相談員の年齢が高く相談しづらい現状があるのではないか。支援に当たっては、未成年の場合に保護者の同意がなければ自立に向けた支援が非常に困難という現実がある。」「若年女性への対応スキルの向上、児童虐待に適切に対応するための心理的ケアの充実が必要。」「行政機関や警察署などに、若年女性に特化した問題に詳しい担当者の配置が必要。」「相談先が若年女性のニーズに合っていない。」「根拠法の想定と実態が違うというところがあるわけで、ある意味カバーしきれないのは必然的な問題である。」「児童福祉法が想定していない女性性の問題が出てきていて、逆に婦人保護事業の場合は母親役割が登場して、16、17 歳の方々への本当に適切な支援にはなっていないという状況があぶり出されている。」「性関係の問題や性関係があれば妊娠、出産の問題が不可避的に出てくる場合が多いというところをきちんと把握して、どういう支援が必要なのかということを考えていかないといけない。」「公的な保護を求めない相談者に対しても、障害の診断やトラウマ治療の専門家などの医療につなぐサポートをしてもらえたらいいと思う。」「違法行為の主体としての責任を問う意味でのおそれと、被害から保護するという意味でのおそれ。そこが重なっている 10 代の少女の、そのおそれをなくすことを優先すべきではないか。」といった意見が出されております。
続いて、児童を同伴する女性とその同伴児童の関係でございます。「同伴児童への対応が的確にできていない。」「本人や同伴児童への心理的ケアについては、母子の回復プログラム・並行プログラムのシステム化を提案したい。」「一時保護に入り通学できない期間が1~2か月に及ぶ場合もあり、学習権の保障はどうなっているのか。」
続きまして、性暴力被害の関係です。「医療と心理的ケアは本質的に必要であり、これは連携ではなく内在的な機能として必要。」「婦人相談員が二次受傷する場合も多いことから、スーパーバイザーの体制が必要。」「性虐待や性被害を取り扱う専門的スキルが、女性支援に関わる人たちの中にも確実に必要である。」「女性支援を考える上で性教育をやっていかないと根本的な解決にはつながらない。」「ある意味命を大事にするからこそ、中絶する権利や中絶できることの選択肢が困難な状況にある人たちにもうちょっと何か支援が展開されてほしい。」「性被害のことは、本来であれば婦人保護事業が取り上げてこなければいけなかったが、やれてこなかった。」「女性支援として取り上げるべきは、性被害・性搾取の問題だろうと深く思う。」
続きまして、支援システムとして整理をさせていただいております。「DV被害者への支援は法律等で示されているため、そこに向けての支援は行いやすい。」「同じ暴力でも、配偶者と親からでは支援措置やサービスが異なり非常にやりにくい。」「精神科医、心理の人間が効率的にサポートしていくシステムをぜひ議論すべき。」「女性福祉においてもDVによる影響を克服し、連鎖を絶つための回復的支援の領域に力を入れていくことが必要。」「当事者中心の支援システムに、措置から権利の考え方へ変えていくべき。」「女性ゆえに予期せぬ妊娠、不安定な雇用、様々なことが、女性が抱えている大きな問題、女性性の困難である。」「今回は若年女性の性暴力、性搾取の問題が、非常に緊急性があり重要な問題なので集中的に議論されるべき。」「一方で、障害のある方、外国籍の方、高齢の方などに対する支援の問題も落ちないように議論していくべき。」
続いて支援の専門性。「これだけ複雑・複合的な課題を抱え、しかも暴力、性暴力を受けた女性たちに、支援に専門性があって当たり前。」「婦人保護施設の支援員は、一人ひとりのステージにともに歩みを進めている。売春防止法にはない支援が求められている。」「運用上の研修やスーパービジョンも重要だが、新たな仕組みを、失礼、職員の専門性を担保するためには、運用上の研修やスーパービジョンも重要だが、新たな仕組みを考えていく必要があるのではないか。」
それから、先ほどの説明で漏れましたが、各項目の最後に、7ページの下にありますとおり、当該項目の関係で昨年度の実態調査、これの総合考察を参照いただければと思っておりまして、関連の項目を枠囲みで書かせていただいております。
続きまして、大きな2つ目の柱でございます。各実施機関における役割や機能について。
1つ目の項目といたしまして、都道府県と市区町村の役割について。
まず、婦人相談員の設置義務の関係の意見が多うございました。「婦人相談員の市区町村への設置義務がポイントではないか。」「市区への婦人相談員の設置を義務としてほしい。そうすることで、他法他施策優先を削除することも可能ではないか。」「婦人保護事業の位置付けを市区町村の責務とし、婦人相談員について設置義務とするとともに、専門職として位置付けるべき。」「配置された専門相談員が孤立せず、有効な相談が行えるよう組織として相談業務を支える仕組みが必要。」「法整備や財政措置を国に求めていく必要がある事項として、婦人相談員の全市区町村への必置義務化等々である。」
続きまして、ページを跨ぎまして市区町村の位置付けの関係です。「他の福祉サービスのネットワークの中に入れて、市区町村の契約ということも考えられるのではないか。」「女性支援を市区町村の中に位置付け、その上で婦人相談所が専門性を強化し、女性を支援する様々な関係機関の連携のコーディネーターとして広域的な役割を持っていくということではないか。」「婦人保護施設の利用に当たって、母子生活支援施設と同様に福祉事務所からもストレートに入所依頼ができれば上手くつながっていくのではないか。」「女性支援を市区町村の責務として、在宅福祉サービスのネットワークの中に位置付けるべき。」「一方で、婦人相談所は、より専門的な支援を担い、その時々に求められる新しいニーズへの対応を先駆的に検討していくという役割分担ではないか。」「措置入所制度のために、ニーズがあってもたどり着かない制度の仕組みはとても大きな問題。」「市町村は住民に近い部門、都道府県は広域的な行政サービスを担っており、自立支援については市町村のほうが様々な選択肢を持ち合わせている。そういったお互いの強みを生かした効率的な役割分担を考えたい。」「遠方に避難することが必要ないケースでは、例えば市が直接一時保護などの調整ができれば、わざわざ都道府県に1か所しかないような遠くの施設まで行かなくても済み、ケースの個別性に応じた支援が提供できると思う。」「一方で、市町村といっても規模や地域の状況は様々で、市によっては一律に法的な位置付けを与えられてもリソースがないので困るといったところもあり、柔軟な考え方も必要。」
国と地方の責務。「国に実態に応じた十分な運営指針がない。支援の地域格差が大変大きい。」「大事なことは国及び地方公共団体の責務を明確にすること。」
次の項目、支援の実施機関に求められる役割・機能について。まず婦人相談所の関係でございます。「女性支援を市区町村の中に位置付け、その上で婦人相談所が専門性を強化し、女性を支援する様々な関係機関の連携のコーディネーターとして広域的な役割を持っていくということではないか。」再掲でございます。以下、2点ほど、先ほど出た意見で再掲してございます。
11ページの2ポツ目でございますけれども、「せっかくよい施設があっても、婦人相談員や婦人相談所が入所のハードルを上げている。」「特に性的搾取や性売買に関わった少女たちは、一時保護所や児童福祉施設で受け入れるのが難しいとはっきり言われてしまうこともたびたびある。婦人保護施設の入所のハードルがものすごく高く、結局なかなかそれだけの受け皿がない。」「婦人保護施設に、直に入れれば一番いい。」「保護を要する女性のニーズと提供される一時保護の枠組みにミスマッチが生じており、また、市町村に向け一時保護の共通理解の熟成を図ることが必要。」「児童虐待では法改正により児童相談所から市町村への送致が始まり、リスクアセスメントに基づいた連携が行われるようになってきている。女性福祉においても同様に、DV等で加害者からの避難が必要なケースとそれ以外の自立支援につなげていくケースに分ける方策が必要。」「一時保護委託制度を抜本的に見直すべき。出来高払いではなく、シェルターの継続的運営に必要な経費補助がなされるべき。」「障害や高齢の方を受けるのは設備的に難しいので、婦人相談所がまずは相談を受けた後、専門性を持ったシェルターに一時保護委託ができたらと思う。」「ホームレス、売防法の方は一時保護委託ができない。ここは背景に関係なく、必要な方がどこにでも行けるような仕組みは必要。」「一時保護所については、プライバシーに配慮したユニバーサルな環境を整えていくことも必要。例えば民間団体等の資源がある地域によっては、民間委託による一時保護先の確保に重点をシフトしてはどうか。」
続いて婦人相談員の関係です。「婦人相談員の業務は多岐にわたり専門性を有する相談業務だが、所属する都道府県、市区が婦人保護事業の一機関である婦人相談員の業務を理解しているかという点については、なかなかこの婦人保護事業のわかりにくさというところがあるのではないか。そのことが、婦人相談員の雇用の不安定な状況と重なる。」
続いて婦人保護施設の関係でございます。「婦人保護施設を必要としている人が利用できない婦人保護施設になっている。」「立ち直りから生活の再建、自立していくというプロセスを、一貫して息長く寄り添って支援をしていくということが大事。」「私たちがすべきは、たくさんの被害を受けた、虐待を受けた女性たちに対して、きちんと心の回復支援を主軸にするべきだと考えている。」「市の立場からは、婦人保護施設は非常に縁遠く、県を通して間接的にしか関われない。」「売春防止法を根拠とすることの限界がある。24 時間 365 日、婦人保護施設は対応している。支援する職員が足りない。」
続きまして、3つ目の項目。民間シェルター等の関係団体との連携について。「民間シェルターに特徴的なことは、シェルターを退所した後のお付き合いが長いということ。様々な問題に向き合いながら、当事者は一歩一歩新しい生活を固めていくが、その本格的な自立回復支援を担っているのは、多くは民間シェルターである。」「特に民間支援団体は財政的支援が薄弱。緊急一時保護から回復支援までの長いスパンをカバーする事業委託を請けることができれば、支援の専門領域に応じた様々な財政措置を受けることができるのではないか。」「今後シェルター機能は特化・専門化されていくであろう。そのときに、公的なDVセンターが相談から自立支援までを行うのは無理なことで、支援に特色を持った、スキル・経験のある支援団体に役割を渡すことが重要。」続きまして財政的支援の関係。「民間シェルターの課題は何をさて置いてもお金の問題。お金がないので優秀なスタッフを抱え込むことができない。次世代の育成に問題がある。」「民間団体の活動費に是非とも予算をつけてほしい。」「自立支援に関しては、民間団体の資源の積極的な活用と財政的支援をセットで考えていくことが必要。」「民間団体は大変基盤が脆弱である。それだけでなく、管理運営面のスキル不足、人材育成、こういった基盤がきちんとできていないというところがある。」
16ページにいきまして、「とにかく少女たちに足を運んでもらいやすくして、その団体の雰囲気や活動を知ってもらって、連絡先を伝えて、顔の見える関係性になるということをしていきたい。」「性被害を受けてからの保護では遅い。そのおそれがある段階で事前の保護をきちんとするということが重要。その意味で民間支援団体の活動はとても大事で、これを制度上きちんと位置付けることが必要。」「支援の流れ全体について公民の対等なパートナーシップにより進めていくこと、民が公の下請けにならないということが必要。」「新たな支援の仕組みを作る際には、様々な民間支援団体を重要な社会資源として、対等な機能と役割をもった存在として位置付けることが重要。」
17ページにまいりまして、大きな3つ目の柱でございます。他法他施策との関係や根拠法の見直しについて。1つ目の項目、他法他施策との連携の推進についてとしております。支援ネットワークの構築の関係。「婦人保護事業の支援ネットワーク連絡会議の設置が必要。児童相談の分野において要対協があるように、婦人保護事業においても関係機関連携会議の設置が望まれる。」「女性福祉は本人の意思尊重が支援のベースとなっているため、周りからは支援の姿勢や方針がわかりづらい。要対協と同じようなしっかりとした仕組みづくりは必要。」「大変関連の深い医療や福祉、こういったところと連携が不足している。」
続きまして、母子生活支援施設の関係でございます。「母子生活支援施設に緊急一時保護して、出産してから通常の入所手続きを取る方法で支援をしている。特定妊婦の母子生活支援施設などへの入所が、普通の入所措置として、制度として作られていくといいと思う。」「母子生活支援施設は市町村事業で、婦人相談所、児童相談所は都道府県事業。ここがつながらない理由のひとつで、何とかこれをつなげていきたいと思う。」
児童福祉法との関係でございます。「子ども期の保障をするというところは、今度はまた児童福祉法がしっかりこの子どもを、この子を子どもとして守っていくということも大事かなというのがある。」「婦人相談所には調査権がないため、性虐待を受けた、その客観的事実を児童相談所からもらえない。」
その他。「関わる切り口、場面が、それぞれの福祉法によって散りばめられ分解されている。そこをどうつなげて、どう情報共有して、一貫したその女性の支援ができていくかということは非常に大切。」「様々な福祉法が乱立していて、様々な危機感があって、それぞれのファクターで専門性がある機関や仕組みがあって、そこをコーディネートするのはどこなのか。」最後に売春防止法の見直しについてでございます。「売春防止法はそもそも第4章の問題ではなく、第1章から第3章もすべて含めて、何を目的としてどういう建て付けでという、基本のところが非常に本当は問題である。」「売春防止法の第1章について、ここは女性の人権擁護を明確に位置付けてほしい。」「第2章第5条、第3章を廃止することで、被害女性を転落女性とみるなどの差別的な表現を削除して、性の侵害を受けた女性の人権を擁護する法律となるよう改正を望む。」「売春防止法の、女性差別や支援が書かれていないところを変えていくべき。」「売春防止法の基本的なところを見直すことより、緊急にやることがある。」「婦人相談所の名称にしても、女性という文言に変えてほしい。」「第 35 条の2の『婦人相談員を委嘱することができる』を、都道府県と同じ『委嘱の者とする』と改正してほしい。また、第 35 条の婦人相談員の要件について、人権意識が高く、女性の支援に必要な経験、熱意を持ち、男女共同参画社会の実現を妨げる女性への暴力についての識見を備えた者のうちから委嘱するものとすると改正を願う。」「用語の見直しについては、婦人を女性、収容を入所、保護更生は自立支援、収容保護は入所支援、指導は支援、要保護女性は要支援女性と直せるのでは。」「結局は今の状態が売防法を根拠にしているが故に、いわゆる犯罪者としての面と、要保護として被害者としての面を有している女性を一緒に扱っている。これはすごく矛盾している。」「売防法全体を改正すべきだが、そこまで検討しないというなら、婦人保護施設にいる人たちは犯罪とは一切関わりないという安心感を与えるような、建て付けの検討が必要。」「売春防止法には人権保障の概念がない。自立をさせられる支援の仕組みがない。専門性がない。そして何よりも、一人ひとりを支える個別性が必要。」「女性自立支援法、いま仮称と称しているが、新しい法律が生まれていくべき時。」「総合支援法、生活困窮者自立支援法などの考え方を取り入れた法整備を望む。」「回復支援のサービスを受ける権利主体としてきちんと位置付けられる、そういう法制度がどうしても必要。損害された人権を確立するための支援法が今、最も求められている。」「困難な問題を抱える女性への支援ということを考えるときに、売春防止法を根拠法令とすることは、もうこれは全くそぐわない。」「性被害を受けた人たちの保護、それから立ち直り、生活の再建、自立支援。こういったことを進めていく包括的な対策が必要だとすると、売春防止法第4章の保護更生では、性被害からの立ち直りや自立の支援はできない。ここは、こういう趣旨に合った新しい法律が、売春防止法とは別に必要。」
資料の説明は以上でございます。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。
それでは只今の事務局からの説明を踏まえ、資料1の項目ごとに意見交換のほうをしていきたいと思います。
はじめに1、対象となる女性の範囲とニーズに対応した支援についてという部分。1ページから7ページ目までの部分になりますが、こちらのほうに関しまして、意見のある方は挙手のほうをお願いいたします。戒能委員。
 
○ 戒能構成員
戒能です。
1ですけれども、対象の範囲と、それからニーズに対応した支援という括りになっておりますが、さらにもうひとつですね、そのニーズに対応した支援というところで、これ何回も申し上げていることですが、着地点が未だに不明だということがあります。それを考えるときに、議論はもうそれを超えて進んでいるのが今の整理でも理解できると思いますが、そのときに、現行法の運用改善で留めるのか、それから法改正も4章だけ部分的にできるのかということもありますし、それからさらに、もうそれでは限界だというので、売防法の改正に留まらず、最後のほうに新法というお話が出てきましたが、新法の制定を少し構想しながらこの議論を進めていくかどうかというのが、未だにはっきりしませんので、ちょっとどういうふうに議論するのかについて、少なくとも私は戸惑っております。しかしながら、3つに分けていただいた最初の支援ニーズというところが大変大事だと思います。そしてそれは調査のことに関わってまいりますが、これも何度も申し上げていることですが、調査結果は、大変重要だと考えております。残念ながら、調査報告書その抜粋には出てこないのですが、大事なポイントは、支援が必要にも関わらず、支援が届けられないと。支援まで到達できない、あるいは支援が届けられないという表現のほうが適切だと思うんですが、そういう女性や子どもに対してどういう方法があるのか。どんなことを考えていけばいいのか、今の婦人保護事業の最も大事な問題のひとつではないかと思っております。
それで、支援が届かない女性が多く潜在化している。例えばですね、若年女性の支援をしていらっしゃる団体からは、アウトリーチのお話がありました。これはもう厚生労働省が事業として展開をしてらっしゃいます。アウトリーチとかですね、それから、いきなり一時保護ということは、とても抵抗が強いというお話もあって、そうすると中間的な支援のシステムが必要だとか、居場所づくりとか、そういうアイデアも既に出していただいているわけですね。そこで支援に辿り着けないっていうところで、3つ要因があると考えているんですが、その点についてもう少し議論を深めたほうがいいんじゃないかなと思っております。
第一にそれはやっぱり一時保護の問題です。一時保護の問題は、あまり今回取り上げられておりませんけれども、まず一時保護制度自体をどうするかということはありますが、現行の制度の下で、一時保護のハードルが高いということがひとつあります。
それから2つ点目は、これはもう出てきておりますが、しかしまだ十分に深められていない論点として、他法他施策優先の運用ということですね。廃止したほうがいいという意見も出ておりましてた。
それから3番目が、「同意」って本人が同意しないんだと。これは集団生活とかいろんな規則などが出ておりましたけれども、その同意をどう捉えるか、本当に同意なのか自己決定なのかっていうところですね。一時保護になかなか辿り着けないというところの要因分析っていうのを、もう少し深めて議論したほうがいいんじゃないかっていうのが1点目です。
それから2点目はですね、若年女性の支援ニーズへの対応が中心になってここでは議論されているんですが、そのときに婦人保護事業の従来型の支援のあり方が、固定観念といいましょうか、制度としてそうなっているからそうせざるを得ないといえばそれで終わりなのですが、それをもう一度考え直したほうがいいと。言い換えれば集団生活型、収容型っていうんでしょうか。売防法でいうと収容型の施設支援のみの支援のあり方からの脱却をもう考えないといけない段階にきているっていうことが一つです。
それから2つ目は、既に申し上げましたけれども、これも同じで、保護をして、安全を確保して一時保護をするが、今の売防法だとそのあとがないという感じなんですけども、一時保護の前段階の中間的な施設とか支援のあり方が必要ではないか。それから、ほとんど議論されてないのが継続的支援の問題だと思います。DV法でも、それから婦人保護事業でも継続的視点が必要だと問題提起されている。
それから3番目、全部で4つ申し上げますけれども、3番目が支援内容の点がまだ議論不十分であると。それは私の感想ですが、ここにもいくつもの団体が参加してくださっていますけども、民間から学ぶことが非常に多いんではないかという視点が大事かというふうに思ってます。
4番目が、やはり居場所づくりとか、先ほど申し上げましたように中間施設もあるんですが、これは例えば、これも話に出てきましたが、ボンドのイエっていうところがありますが、そういう婦人保護施設、中長期的な支援施設でも、若年者向けの施設が必要だろうと思っています。
それで、あと2つだけ申し上げますが、多様な支援ニーズということで、問題としては出てるんですが、必ずしも議論が十分でないのは性暴力被害者支援です。黄色い分厚い冊子の後半部分ですが、その調査研究の成果はどうなるのでしょうかということです。どういうふうに生かすのでしょうかということです。
例えば、予算措置を取って、プログラムを作成するとか、モデル事業をやるとか、いろんなことが考えられるけども、その具体的な施策の問題と、性暴力被害者支援にあたる際の、こっちのほうが重要だと考えておりますが、視点の問題です。どういうスタンスで支援をするかが非常に重要だと考えておりまして、いろんな領域の専門家がいらっしゃいますから、ここで十分議論すべきだと思っています。
それからもうひとつが、支援の専門性というところで、専門性が必要なことは共有されていると思いますが、その専門性って一体何なのか、専門性の吟味ですよね。婦人保護事業、女性支援における専門性を、もう少し深めていく必要があるだろうと。
専門性に関しては、資格要件とか、経験とか研修、それから民間からの登用などとかっていっぱいいろんな方法があると思うんですが、専門性を保障する仕組みとしてどういうものを作っていくかという議論も必要なのかなっていうふうには思っています。以上でございます。
 
○ 堀座長
はい。戒能構成員のほうから、今非常に丁寧にまとめていただきましたので、沿いながら、議論のほうをしていただきたいと思うんですが、その前に戒能構成員のほうから最初にありました、この検討会の着地点をどう考えるのかということにつきましても、簡単で構いませんので事務局のほうから少しご説明いただけると次に進みやすいかと思います。
 
○ 成松家庭福祉課長
家庭福祉課長でございます。この検討会の設置要項にも書いてございますとおり、この売春防止法以来ですね、制定以来抜本的な見直しが行われていない売春防止法の規定を含めて、婦人保護事業の在り方を見直すべきというご指摘があるということが、この検討会での、検討会開催の趣旨でございますので、例えばこれまで3回にわたりヒアリング内容を通じてですね、今いろんな実態、新しい課題ですとかいろんな実態、あるいはそもそも実態の裏にある課題みたいなものをいろいろと皆さんのほうからご紹介いただいたと思いますし、今日もまた様々なそういった実態、課題というのがご提案いただく、ご提案というか、ご紹介いただけるというふうに思ってます。おそらくその課題とですね、あるいは実態を踏まえて、それをどう解決していくかっていうとこに、行政的に考えたときにですね、おそらく法律改正を要するもの。あるいはその他、制度、政省令改正を要するもの。あるいは予算の関係だとか、あるいは人材的な、人材を育成していかなきゃならない。そのための予算とかですね、制度がありますけれども、そういったことに仕分けていく作業っていうのがおそらく必要になってくると思います。
さらには時間軸で考える必要もございまして、時間がかかるものとか、人材育成とかってなるとおそらく時間がかかってくるというふうに思いますし、法律改正のそういったことも片やあるんですけれども、早めにできるものも、おそらく運用上とかでですね、早めにできるものもおそらくできるだろうということで、先ほども戒能構成員からお答えいただいたようにですね、様々な課題あるいは実態がある中で、それをどう解決していくかっていう中の仕分けっていうのを、今後ですね、中間的な論点を、整理を行った後にしていかなきゃならないなっていうふうに思ってございますので。着地点はどこだと言われてしまうと、全てっていうかですね、全てを視野に、全てのことを視野に入れながら、これから考えていくということになろうかと。
ただ一方で、いろんな財政上の制約っていうのも事実としてございますし、様々なそういうことを考えながら、一番いい、あるいは現実的な解決策っていうのを、この検討会を、我々の場でもいろいろご議論いただきたいと思ってますので、そういったところで、すみません、ちょっと漠然としたお話になりますけれども、そういったことを考えてやっているところでございます。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。それでは、先ほどの戒能委員のほうから重要なことがありましたので、今の1番の支援ニーズのところ、対象となる女性の範囲とニーズに対応した支援というところで、それらに関して議論が特に足りていないというふうに思われる部分についてご意見いただければと思います。
最初に出ましたのが、辿り着けない女性、つまり一時保護のほうになかなか届かない。そこには同意ということも含まれているのかもしれませんが、そうした一時保護のほうの在り方と関連させまして、辿り着けない女性をどう捉えていくのか、あるいはどう考えるのかということに関して、民間のほうのご意見ですとか、実際に皆さん関わっているところからのご意見いただければと思います。近藤委員お願いします。
 
○ 近藤構成員
近藤恵子です。
先ほどの戒能さんのお話にもございましたけれども、実際に支援を必要としているけれどもなかなか支援に辿り着けない、相談できない、逃げられない、訴えられないという状況を命からがら生き延びている方々と、たくさんお会いしていますので、そこはすごく大きな問題だと思っています。
今ちょっとご紹介したいと思っておりますのは、本当に様々な困難を抱えた女性たちが、支援につながるまでの大きなハードルというところです。特に民間サポートシェルターなどが苦慮しておりますのは、一時保護所、つまりDVセンター、婦人相談所との関係の在り方が、民間シェルターが当事者支援をしていくときに、当事者共々大変大きな、困難を抱えさせられている問題なんですね。
それで少し補足させていただきますけれども、これは私たちの団体のある県の民間シェルターが、一時保護委託、当事者の緊急保護を巡って、県の相談センターと丁寧な対話をいたしました。その際に相談所の側からですね、ペーパーを示して、基準ですとか、それから保護の対象ですとか、「うちはこうやってやってるんだから協力してほしい」というものを示されたわけですね。いわば公的な書面を出されたんですけれども、その県の一時保護の判断基準というのは、まずDV被害女性であること。それから緊急性があること。そして本人の意思がはっきりしていること。これが一時保護としてその人を受け入れるかどうかの基準だとて仰るんですね。
しかし、国が出した婦人相談所が行う一時保護の委託についてというものを見ましても、これは私たちがいつも手引きにしているものですが、配偶者からの暴力の防止、つまりDV防止法の対象である一時保護の対象者と、それからもうひとつ。売春防止法に基づく要保護女子であるとか、人身取引対策の行動計画に基づく対象者であるとか、恋人からの暴力の被害者、それからストーカー被害者というふうに、6つの項目があってですね、様々な対象者を一時保護委託しなさいというふうに書かれているわけですね。
さらに、婦人相談所において、定員を超えて保護を行わなければならない場合があったら、その方々も対象になる。だからつまり女性支援の対象になる人は、みんな一時保護委託の対象になりますよっていうことが示されているわけなんですが、ここの県の方々はDV被害女性じゃなくちゃ駄目と。また、緊急性が高い人じゃなきゃ駄目。緊急性っていうのはどう判断するかというと、保護命令が出てるかどうか。それから、加害者が逮捕拘留されてるかどうか。このことによってですね、逆なんです。保護命令が出てる人は安心だ。つまり相手が近づかないんだから安心だ。それから、加害者が逮捕拘留されてる、つまり凶悪な暴力傷害等でですね、逮捕拘留されてる人は、今刑務所に拘留されてるんだから、出てこないから安全だ。だからあなたを保護する必要がないというふうに断られてしまったわけですね。
それから逆に、保護命令を申請していないような人は緊急の危険性が判断できないから、保護命令を申請しなくていいっていう人は、うちは扱わないというふうに言うところもあります。
こんなふうにですね、緊急性の判断も、どうかなと思うんですね。保護命令を出さなきゃならない。あるいは逮捕されている。そういう凶暴な加害者であるからこそ、安全な場所に身を隠す必要がある、保護される必要があると私たちは思いますけれども、そういう判断基準を示されました。
また、本人の意思ということについても、どういうところで保護されたいかというのは、委託先の決定はセンターが権限を持っているので、あなたの希望は通らないと。またそのことを巡ってあれこれ言うんだったら保護はできないというふうに、はっきりと断られたそうです。
ここの民間シェルターは、当事者が是非支援をしてほしいというふうに言われたケースを、県の保護委託なしに8ケース今対応しています。
それから、ここの相談所はですね、保護できない対象者についてもはっきりと文書で示しました。ひとつは身辺自立ができない人。介護が必要な人。感染症などの病気を抱えた人。どうもよくわからないんですけれども、身辺自立ができないというのはどういう内容か具体的にはわかりませんが、介護が必要な人、援助が必要な人、混乱していてなかなか自分の状況がはっきりと把握できない人がたくさんたくさんやって来るわけですから、そういう混乱の只中にある人こそ、センターが引き受けるべきだと私たちは思いますが、特にまた感染症などの病気を抱えた人というふうにも特記されていました。
で、民間サポートシェルターに委託するときにはこういう基準を持っていますと。委託するときには婦人相談所が満室であること。つまり一杯じゃなかったら委託しません。それから、中学生以上の男児を同伴している方。これはよくあることだと思います。それから、婦人相談所入所後に感染症に罹った場合。そういう場合は委託しますと言ってるんですね。これも、当事者の安全な保護と、その後の回復支援に役立つ基準とはとてもとても思えないわけですけれども、こういう判断基準で当事者を受け入れたり追い返したりしているということが、明らかになってしまったわけですね。
民間サポートシェルターは、できれば県の委託を受けて、財政措置も安全な上で当事者を支援したいというふうに思っているわけですけれども、なかなかそういうことが上手くいってない。で、ここの民間シェルターは、県に対して、少なくとも当事者が危険な場合、不安で恐怖で怯えている場合、ここで支援を受けたいという当事者の意思に沿い、当事者が回復支援の権利行使をする主体だという、位置付けできちんと当事者を受け入れてもらいたいと主張しています。そして民間シェルターや婦人保護施設、他の民間支援団体と県のセンターが、対等な立場で委託連携、協力をしてもらいたいと。で、委託対象もきちんと国が示してあるとおりに対象を拡大して、必要な人をいつでも受け入れてもらいたいという要望書を出してですね、まだその協議は続いているんですね。
これはこのある県の事例だけではございません。最近特に民間シェルター、委託先と、それからセンターとの関係が大変指示的になり、形式的になり、尚且つ拒否的になってきている。全体の委託件数がかなり軽減傾向にございますし、それから被害当事者にある程度の制限や条件を付けて委託を断る。あるいは保護受け入れ、入所を断るといういうケースが大変増えてきています。なぜこういうことが起こるのかということなんですけれども、例えば婦人保護の実施要領がございますし、それから国が作ったDVの基本方針もございますし、それから対応のマニュアルも作られていますし、ガイドラインもできましたし、この間できましたし、相談員の指針もできました。基本的ガイドライン、マニュアルスタンダードが法律に基づいて作られているわけなんですけれども、それを守らなくても、あるいはそれに則らなくても、誰からも批判指摘されないという状況が、アクセスのハードルを高くしているのではないかと思います。
私たちは、そういった公的な支援機関や民間の支援団体同士の広域的な連携をやっておりますので、ここで公表は差し控えますけれども、命を脅かされるような大変悪質な犯罪行為とも思われるような加害行為が起こっていることも知っています。
なぜそういうことが起こるのかということについて、私はやはり売春防止法をひとつの根拠法としてきたことに問題があると思います。、これまで作られてきた女性支援の有り様というか枠組みが、今大きな転回点にきてるんじゃないかと。これでは本来の困窮する女性たちの人権回復の手立てにはならないという限界が、いろんなところで明らかになってきているのではないかというふうに思います。
で、この検討会の議論がですね、本当にその当事者のニーズに沿って、理不尽な暴力被害から人として回復できるような長期的な回復支援に責任を持つ。そういう新たな支援の枠組みを一から作り出す、そういう検討会になっていただきたいと心から願っています。昨日も今日も明日も、たくさんの人々が、シェルターの一時保護を求めてやって来るわけですが、その窓口が公的な機関であれ、それから民間の支援機関であれ、どういうところであれ、そこに辿り着く人々が最低限の支援を同じように過不足なく受けられるような仕組みを、何としても作っていただきたいと思います。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。民間のほうを仁藤さんから。
 
○ 仁藤構成員
すみません、私この後厚労省のアウトリーチのモデル事業の活動があるので、もうすぐ出なきゃいけないので先に一言お話しさせていただければと思います。
公的機関に繋がれていない若年女性たちに対して必要なことということですが、そもそも「助けて」と言えない方が多いので、そういう子たちに対して「出会いに行く」ということと、婦人保護施設やシェルターなどへの入所のハードルを下げて今ある支援を使えるものにしていくということが必要だと思っています。正直、今日この論点整理の資料をいただいて、先ほど家庭福祉課長さんがおっしゃっていたように、行政にできることは何か。民間ができることは何か。時間のかかるものは何で、すぐできるものは何かということが整理されてない状態で、私たちがこれまで問題提起したことをそのまままとめたような形で出されても、次のステップに進めないというのが正直思っているところです。
今日あるそのモデル事業の活動は、若年被害女性等支援モデル事業というもので、厚労省が、困難を抱えた若年女性の支援に対するアウトリーチの必要性を認識して始まった事業でありますが、予算も1団体1千万円程度しか出ません。その中でやるように、民間の委託先に求められていることが、少女たちへのアウトリーチと緊急時の保護。しかも夜間の見守りはあるようにということと、自立支援も行う、関係者連携会議にも参加するということです。ColaboやBONDさんも、この事業の委託を受けていますけど、元々そういう活動している団体だから、そこに少しお金が付くような形で、ないよりはやれることも増えるかもしれないというような程度の予算になっています。この事業には、結局東京都しか手を挙げませんでしたけど、全国にそういうふうに困ってる子どもたちはいますし、やりたいなと思っている支援者もいるんですけれど、たった1千万円では、人2人雇って、シェルターをどこか借りたらなくなってしまうような金額で、とても2人でできるようなことではないのにと思います。全国に広げるためにも、ちゃんと予算を付けてほしいと思っているんです。
ただですね、そのためにはどこからお金を採ってくるのかとか、制度や法律、法改正のことも必要だし、人材育成もっていうお話が課長からありましたが、その仕分けというものを早くしていただいて、何に時間がかかるのか、すぐ、今すぐにでも変えられることは何なのかをはっきりして検討していかないといけないと思います。これまでも、別の婦人保護事業などの課題に関する検討会や、支援の実態に関する調査研究の報告書で、「課題は何か」ということは既にわかっているのに、それを同じことを「課題だ課題だ」って繰り返し確認していてもしょうがないかなというのが、正直今日思っているところなんですね。
私としては現場で支援している中でも、出来る限り早く変えていきたい。同じことを今までも課題だと言われてきたんじゃないかと思いますので、どのようにそれを改善していくのか、そういうところまでこの会で検討できないと、議論できないと意味がないかなと思っています。
なので、第1回目の検討会で検討スケジュールをいただいたときには、論点整理のところまでという案が出ていて、今後も続けていくつもりだというお話はあったんですけれど、じゃあ実際これをどうやって変えていくのか、その部分までちゃんと話ができるようなものにこの検討会をしていきたいっていうふうに思っています。
今日はちょっと先に出なければいけないので申し訳ないですけど、それだけお伝えしたいなと思いました。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。はい、高橋委員、お願いします。
 
○ 高橋構成員
すみません、私も途中で退席になってしまうので、意見というか思いというか。
今、近藤さんと夢乃さん仰っていただいた意見にも、200%も同意だっていうのと、あとですね、今から1週間ぐらい前に、ゆずりはに、ある女の子から相談がありました。親から虐待を受けていて、今21歳の女性なんですけど、養護施設保護されてから、18歳で出たあと、全国いろんなところを転々としてきて、奄美大島とか天草とか、あと北海道も行ったりとか、今東京に辿り着いて、それで今どこにいるかっていうと、ネットで知り合った女の子のおうちに居候させてもらっている。だけどそこでの生活がもう限界だから、いろいろネットで調べてゆずりはを知った。相談に乗ってほしい、助けてほしいっていう連絡が来ました。
困っている人が辿り着けないっていう問題があるとは思うのですが、辿り着けない中だけど、ゆずりは辿り着いてくれて、先週その子に会ってきたんですね。で、その子が言ったことが、一度もう東京のある区の女性相談のところ行きましたって言ったんですね。行ったけれどそこで言われたのが、携帯まず持てないよって。一時保護所で携帯持てないからねっていうことと、あとその子はアニメが大好きで、アニメの動画を見ることで苦しいときもずっとなんか、それがあってなんとか生きてこれたのですが、携帯持てないよって言われて、携帯なんとか持たせてくださいって言ったんだけど、それが嫌だったら保護できないということを言われたと。
あと、その保護している期間の間にどうしても行きたいイベントが1日あって、それに保護してる間行くことできますかっていうふうに聞いたら「とんでもない」みたいな。保護している間にアニメのイベントに行くなんてみたいなことを言われて。その場に私は同席してなかったので、どんな言われ方したかわからないんだけれど、その彼女も別に好きで公的な機関に相談してるわけじゃなくて、どこにも居場所がない、生きてく道がないっていうところで、二十歳まもない女の子が頑張って女性相談の窓口に行ったのに、「携帯持てますか」「イベント行けますか」って言ったら「持てないよ」「行けないよ」って。それが嫌だったら出直して来いっていうか、嫌ならいいのよっていうので終わりなんですよね。
私は専門性って何か問われたら、今パッと言えないんだけれど、嫌なら帰ってくださいっていうのは、少なくともそれは女性相談の窓口に立ってる人が、専門性があるとはとても思えないと思いました。そんな「嫌ならいいのよ。この制度の中で、この仕組みの中でしか、あなたが我慢できないんだったら、もう一度考え直して」とか、「その転がり込んでるお友達のおうちの家でもうちょっと頑張って」っていうような言葉をかける人は、とても女性相談の専門性があるというふうには思えないということを思いました。
これ、言っていいのかあれなんですけど、その女の子がネットで知り合ったおうちにいるって言って、もっと驚いたのは、そのネットで知り合ったおうちの子も一人暮らしの女性で、生活保護を受けてるんですね。本当はそんな転がり込ませたらいけないんだけど、なんとそこに4人の女の子が住んでるって言ってて、簡単にそうやってネットで繋がって、今、本来だったら家も家庭も頼れない。頼れない、友達のところにも行けないってなったときに、じゃあもう公的な機関を頼るもんかってなる。今はSNSで本当に個人同士が簡単につながることができて、生活保護を受給している女の子のおうちに4人、ワンルームに4人そこに転がり込んでいるっていう状況。そういうの初めて聞くってわけじゃないけれど。私今こういう会議に出ていますが、結局10年前とずっと同じ、10年前よりもしかしてひどくなっている。その一人の、誰も今日初めて繋がったっていう人の家に4人も5人も人が転がり込んで、その生活が成立するっていうのは、個人でどんどん繋がれるツールが今できている中で、こういう制度を変えていく緊急性は、本当にもっと高まって緊迫しているっていうのも、困難な状況にある女の子が助けを求めてくれて、いろんな話を聞かせてくれたときに改めて気付きました。
今ジュンさんに空きはないかってさっき聞いちゃったんだけれど、携帯持つことも多少我慢してみようは説得できなかったんですね。彼女に改めて会ったときに、私が同行しても、結局受けられる制度は同じで、あなたが支援を受けるためには、そこをなんとか我慢しなきゃいけないんだっていうことは伝えました。「それだったらもう1回彼女の家に戻ります」ってなりました。私は嫌なら帰れ、嫌なら、その制度を受けたくないんだったら、嫌ならいいのよっていう言い方はしなかったんだけど、じゃあ私がそこで代替案っていうか、提案できたかっていうと、できなかった。ビジネスホテルに1週間ぐらい泊まらせたりとか、そういうことはやろうと思えばできたんだけれど、それは望まなかったし、彼女は長期的な支援と保護を求めているのだけど、結局はいろんな制約、我慢して当たり前が足枷になってできないっていう現実が、今、当たり前に毎日の支援の中で私たちは直面しているっていうことを伝えたいと思いました。
 
○ 堀座長
ありがとうございます。ちょっと今の、高橋委員のご意見のほうは、まあ従来型の施設で良いのかという、そこの部分にも繋がるかなあという。集団型の従来型のものでいいのかということと、同意とは何かというところを伝えていただいたかと思いますし、近藤委員と仁藤委員のほうからは、委託の要件ですとか入所のハードルというものが、現状と相応しくないのではないかということ。
それから、もうひとつ大事だと思ったのは、ガイドラインなどができているんだけれども、それが本当に活用されて、それに則られているのか。少しそれを補足していえば、例えば一時保護についての第三者評価だとか、そういう仕組みというのを入れていくという、そういったことにつながる話だったかなという部分もありますが、それ以外であるいはありましたら、はい、松本委員お願いします。
 
○ 松本構成員
全国婦人相談員連絡協議会の松本です。第1回から第3回まで、今回も通してですが、民間の支援者の方から婦人相談員の窓口での対応について苦情の言葉があり、心が痛いです。これはやはり婦人相談員には権限がないということが大きいと思います。売春防止法の第4章で明記されているのは、市区に婦人相談員を置いていいということのみで、法的な後ろ盾がない状態で、確実に婦人相談員が支援を実行ができるというふうにいえるものがないからだと思います。権限というのは、婦人相談員の役割として、困難を抱える女性への支援の必要性、要支援性といいますか、要支援性を判断していますが、その判断への権限がないということです。
また、その判断の客観性を示す基準もない。あるとないのとでは大きな違いが出てくると思います。一機関としての役割、婦人相談所、婦人保護施設と同等のものを考えて、支援者として動きやすい形にすることが、これまで出されてきた問題の解決につながるのではないかと考えます。支援の現場で婦人相談員が必要とする権限。要支援と判断する事柄については、次のようなことがあげられると考えます。一時保護するための権限、施設入所のための権限、関係機関を招集し、ケース会議を準備できる権限、それから、生活保護申請を決める権限。継続して面接することを決定できる権限。広報活動ができる権限。同行支援、家庭訪問などを、自分の判断でして出かけることができる権限。それから、継続的に研修を受ける権限。言っていけばきりがないんですが、これらの事についても検討をお願いしたいと思います。
また、権限がないために庁内や関係機関などと如何にして社会資源をつくるか、特に根拠となる法律がない場合に、相談員の個人のネットワークを駆使して動くしかない状況があります。
婦人相談員が周知されていないところに個人のネットワークを作るには、婦人相談員としてやはり経験や協同して支援をした実績がないと難しいと思います。
支援の対象ですが、前回プレゼンのときも話したのですが、対象を困難な問題を抱える全ての女性というふうに言いました。これは婦人相談員指針に「対象は全女性とされる」というふうにあります。私たち全国婦人相談員連絡協議会では、女性の人権を明確にする婦人保護事業の抜本的見直しと売春防止法改正に向けての要望を出しております。そこで第1章の「女性の人権を明確にする」、それから、第2章5条の「勧誘罪」及び第3章の「補導処分」の廃止を求めていますが、これを進めていくにはなかなか難しいようです。今回も抜本的見直しがされるのかどうかということの議論まで辿り着くかどうかわかりません。
このことから、売春防止法第2章5条違反で逮捕と起訴、裁判所での有罪判決、婦人補導員への補導処分などについて、警察、検察、裁判所などを所管とする関係部署に対して売春防止法の改正まで凍結する、執行しないとする指示が出されるように働きかけを要望したいと思います。これは犯罪の、対象となる女性と、ならない女性を分断しないように全女性を支援する対象とするとしていただきたいと考えるからです。
それから、一時保護についてですが、婦人相談員に対して、基礎自治体の実態調査をしてほしいと思います。実は私たちは、DVの事件を1件扱って、その人が何回来ても裁判所へ同行する、保護命令の作成を一緒にする、それから相談を聞く。そういう全部全てひっくるめても1件なんですね。件数としては1件としてしかできません。それで一時保護も件数が減ってるといわれても、一時保護所だけではなくて、いろいろな形で一時保護をお願いしてます。母子生活支援施設や宿泊所、それから民間シェルター、借り上げのホテルとか、例えばうちの市だと、市で一時保護住宅を持っております。そういうふうなところに一時保護しても一時保護所に行かない限りは数字として上がってこないわけですね。ですからそういうふうなことも実態調査としてやっていただき、実数を上げていただければと思うのです。昨年の実態調査で、民間との連携状況については、婦人相談員からはですね、自治体としての支援方針を民間団体と共有・連携しているという回答は約5割民間団体との連携はあまりできていないというのが3割民間団体がほとんど活動していないというのが約1割あって、民間団体とは半分以上、半分が連携できていると思います。この調査で、主管課も婦人相談所も婦人保護施設も婦人相談員も、やっぱり一番問題なのは若年女性であるというふうなことが結果として出ています。ですから若年女性に対しての支援が今回検討していただく大きな課題だと思います。以上です。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。流れで、婦人相談所のほうから少し言っていただいたほうがいいと思いますので。
 
○ 和田構成員
婦人相談所長全国連絡会議の和田です。お世話になります。近藤委員から非常に厳しいご指摘をいただいたので、少しご説明をさせていただきますけれども、基本的に、非常にですね、私も全国の所長の方々とお会いしながら、全国の婦人相談所との、互いに違いが非常にあると思っています。なんでそんなに違うのかっていうのが、やはり売春防止法の設置の根拠しかないということと、それ以上細かいおっしゃったとおりのいろんな基準が定められてないっていうのは、本当にあると思います。
例えばですね、先ほどDVですとおっしゃったっていうことが、おっしゃった婦人相談所があるということだったんですけども、私本当に今回この厚労省の婦人保護事業関係通知、これを見せていただいて、一番最初に載っているのが、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の施行に対応した婦人保護事業の実施」なんです。これが一番最初に載ってるんです。本当は4番の婦人保護事業実施要領じゃないんですかと。1番目に載るのが。それがここのいわゆるDV防止法の施行に則った婦人保護事業の実施だと。そこにスタートを厚労省のほうも置いてるんだなと。結局私のプレゼンのときもお話しましたけども、どちらかというと本当にDV法の支援がわかりやすくて、そのわかりやすい支援のほうに婦人相談所が流れているなっていうところは本当に思ってますけども、まさにそういうふうに厚労省も思ってるというふうに思ってしまった次第なんですが、先ほどの近藤委員がおっしゃった保護の基準についても実はどこにもなくて、ガイドラインの中に一時保護のところがありますが、それは入所会議をそれぞれで行ったときに決定しなさいと、そういう文言しかない。あとはちょっと、いろいろ見ていただくと、一時保護というのは緊急性に基づくというのが、やはりどこかの文言にあるということ。
それと、先ほどおっしゃった一時保護委託のことなんですけども、先ほどの51ページにありますかね。今の関係通知になりますと。その51ページのところに、「婦人相談所が行う一時保護の委託について」。これをお話しになったと思うんですけども、これも私もプレゼンのときにお伝えしましたが、基本的にどのような女性でも一時保護をしなければいけない。それは婦人相談所には一時保護所を併設するということが売春防止法に書かれているのですが、それプラス一時保護委託。近藤さんのおっしゃったような民間施設に一時保護委託できる人たちはこの人たちですよっていうのがこの通知で、この51ページにある(2)。この中に含まれてないのが、まさに性暴力とか性被害とかありますけども、すんなり5条違反の人。この売春防止法に基づく要保護女子であって、次に掲げる要件なので、すっきり売防法の要保護女子だけでは一時保護委託はできない。読んでいただくと、ホームレスの女性も一時保護委託できないんです。だから全ての人は網羅されてないんです。一時保護委託できるっていうのを。それは婦人相談所長全国連絡会議でも、いつも要望書として出してます。どんな人でも一時保護委託させてくださいと。でも、そういう売春防止法に係る人とか、そういう人たちは、婦人相談所の責任持って保護すべきだから、そういう人たちは委託の対象じゃないというのは言われて、もう何度も言われてるという状態だっていうことはご理解いただきたい。そのような中身なので、誰でも一時保護委託できるものではないというのはあります。
それとですね、31ページを。今の通知の31ページをご覧いただきたいんですけども、本当に一時保護所の問題っていうのはあると思います。先ほどからハードルが高いってお話があって、集団生活の問題、スマホの問題、お話があって、スマホのことは本当に最初のプレゼンでもお話ししましたが、ここに掲げているように、本当にDV防止法が前提になってるだろうみたいなところでは、本当に今のスマホを、持ってるだけで、どれだけ追跡が可能で、追跡をされたら他の人も、その人がどこにいるかある程度考えられてしまう。その危険性っていうのは、やはりDVの被害女性を支援してる私たちにとっては本当に厳しい問題です。
だから、なかなかスマホを持たせるのは厳しい。それは今の現状の保護所がどんな人でも同じところで支援しなきゃいけないといったところの問題っていうのがあって、そういう意味でもですね、今一時保護委託の中にホームレスとか、これに入らない人は、一時保護委託できない。その一時保護委託できないところを一時保護委託できるようにして、本当にBONDとかColaboの、そういったところ、ごめんなさいね、財政措置の問題があるからあまり軽くは言えないけども、そういったそういうところ、民間シェルターとかに、スマホが持てるところに委託できるような、そんなふうなフレキシブルな一時保護の形を考えてほしいというふうなことは思いますし、この、31ページにご覧いただいたように、婦人相談所の職員配置基準というのがあります。下をご覧いただくと、婦人相談所の一時保護所の職員配置基準です。ここで指導員、いわゆる直接処遇の職員は50人以下で2名。51人~100人以下でも2名です。これはですね、ほとんど婦人保護施設も同じですよね。婦人保護施設でも、このような人数の中でこれしか職員の配置が予算上ないんです。だから、いろんな地域の問題、地方の問題があって、その中で各地域行政のほうで、それだけ予算をちゃんと付けようと、課題であると思って認識して、婦人相談所にちゃんと予算措置をして、保護所に人を付けようと、そういうふうにならなければ、なかなかやはり、近藤委員がおっしゃったような、いろんな方の保護ができないっていうのは正直なとこです。
だからそういう意味では、もう少しナショナルスタンダードっていう言葉を使うのがどうかですけども、全国的に婦人相談所っていうのはこういう仕事をすべきだと。人員配置もこうだと。配置基準はこのぐらいだと。それは婦人保護施設も同じだと思います。婦人保護事業に関わるところ、施設なり我々の機関にどれだけ配置基準がないか。少なすぎるか。現状にあっていないか。そういったところも含めて、全国的な、本当にどこの婦人相談所に行ってもどこの県に行っても同じだけの支援が受けられる。そのようなスタンダードな法律なり何なり、決まりごとなり、それはきちんと作っていただきたいっていうのがお願いです。近藤委員からの話からの、ちょっとお話しさせていただいたことです。失礼しました。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。今の話で出ていたような、例えば一時保護の要件を今後どうするか、あるいは委託の要件、そういったことを今後の議論の中でさらに詰めて使いやすいもの、辿り着けるようにするというふうな話になっていくのかとも思いますし、一時保護の今のような形の一時保護ではなく、本当に緊急な方と、そうでない方を分けるようなそういったあり方が可能かどうか。これも今後の検討課題かと思います。
それから、人員配置などにつきましては、2番のほうで議題に、今日のまとめのほうにも出てきていますので、少し時間が押してきてますので、2番のほうにうつらさせていただきたいんですが、その前に事務局のほうからあるそうですのでお願いします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
事務局、母子家庭等自立支援室長の度会ですけども、本日用意しました参考資料の順番についてですが、これは先ほどお話がありました、いわゆるDVの方を中心に厚労省がみてるから1番になってるというわけではなくてですね、資料1のそれぞれの項目に対して、資料を並べていって参考資料として位置付けたと。全ての対象となる女性の範囲について、どういったところでわかりやすい通知が出ているかというのが、平成14年のDV法の施行に関して婦人保護事業の実施についてという通知が出ましたので、そのときに2番の、2番というか2ページのところですね。そこに範囲が示されているというような形で資料を順次付けさせていただきましたので、そういう形で見ていただければと思います。宜しくお願いします。
 
○ 堀座長
はい、事務局の補足ありがとうございました。
1番に関しましても、おそらくまだまだご意見あるかと思いますが、少しちょっと時間が押してますので、またご意見はメールなどで、あとで事務局のほうから紹介がありますので、寄せていただくことにさせていただきまして、2番のほうの各実施機関における役割や機能というところに進ませていただきたいと思います。
こちらに関しましても、和田構成員ですとか松本構成員のほうから先ほど、あるいは高橋構成員のほうからこちらに関わるようなことも提案されまして、述べられましたけれども、ちょっと時間もありますので、それ以外のところで。どうしてもという場合はそれに含みませんが、できればご発言いただければと思います。
では廣瀬参考人お願いします。
 
○ 廣瀬参考人
全国母子生活支援施設協議会から参加しております廣瀬です。資料1の主な意見(案)の2番目というところですが、先ほど1番目のニーズのところでは、近藤委員のご発言に本当に同感です。
支援で着目するところは人であり子だと考えております。一人の女性として一貫した支援であったり、女性やその子どもたちの一人ひとりの事情に合わせ、人と子に着目した支援に取り組むべきと考えております。
そこで主な意見(案)の4ページですが、児童を同伴する女性とその児童、同伴児童というところでもあげておりますように、同伴児童も支援対象の主体と考えます。主体として取り組む、捉えるべきというところも、本当に同感です。この点では婦人保護事業のみで議論に載せるのではなく、母子生活支援施設の利用や、活用を、是非考えてほしいと思っております。
母子生活支援施設は、本当に困りごとを抱える女性の支援を行っており、この支援を俯瞰しあうことができるという存在です。規定に囚われず、その人に着目して支援に取り組むべきということで、考えております。
2番目のところにいきまして、各実施機関における役割や機能について一点お伝えしますが、10ページの支援の実施機関に求められる役割・機能についてこの点も人に着目した支援をどう展開するかが重要で、婦人相談、市や福祉事務所、児童相談所の繋がりが本当に重要ではなかろうかと思います。そこではそれぞれが繋がるシステムの構築が必要ではないかと考えています。例えば、婦人保護施設や母子生活支援施設、一時保護所の空き状況などが、各機関で見えることができるようになれば、そのときその人に相応しいところの場所で支援できるのではないか。こういうシステムもご検討いただきたいと思います。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。
橘構成員お願いします。
 
○ 橘構成員
橘です。うちは今BONDのイエと、大谷先生と一緒に若草ハウスを若年女性のための自立を目指す生活の場所として運営しています。制度を使って、一時保護してもうこともあります。若年女性の子の中には学生の子も多いので、学校に通いながら保護は可能かってことも考える点だと思うし、保護されたあとも本人が望む生活、学生生活を安全に送れるっていうことも大事な事。婦人保護施設とか入ってしまうと、学生は学校行けない。保護などが必要なのに本人も、「ああじゃあ、そこは無理だ」ってなってしまう。「それならば自分たちで探さなきゃ」っていうふうになるんですけれども、選択肢もなく、受け皿も足りない。これだけいろいろ皆さんが、既存の制度だけでは問題があるっていうことで議論してくださってるので、じゃあそういった女の子たち「声上げていいんだ」と思って相談くれて、BONDが実際保護して、その後、彼女たちが暮らせる場所っていうのが、用意できない状況で相談を受けること自体がきついなって思います。
ある女の子も、10代の妊婦さんで、パートナーからDV受けていたので今保護してるんですけれども、保護する前に行政と相談してやり取りしました。そのやり取りにすっごい時間かかって、もうなんか状況的に待ってられなくて、とりあえず彼女のことを保護しようというっていうことで、未成年である彼女の親と連絡をとって、許可をもらい、それで許可しました。担当の方に「じゃあ制度使わなくていいんだね」って言われて、「そういう言い方ってないんじゃないかな」って思ったし、今後どうしていくかを一緒に考えていきましょうって言葉が欲しかった。まず、彼女を保護して安全を確保することが一番だと思って、私たちは先にちょっと動いちゃったんですけど、行動的にはフライングだったんでしょうね。どこを優先すべきかっていうことも皆さんでもう一度考えていただけたらいいなと思います。現場としては選択肢を増やして欲しい、受け皿がほしいです。
すみません、今日はこの2点についてお話しさせてもらいました。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。そういう意味で一時保護後の中間的な施設ということにもなるでしょうし、あるいは婦人保護施設とはまた別の、使いやすい居場所づくりということをもう少し制度化できないかというところですね。
はい、大谷構成員。
○ 大谷構成員
はい。大谷です。私も、この会は、もう3回目です。一番最初に戒能先生が言ってくださいましたが、この着地点は一体何なのかということに関してご答弁いただいたんですけれども、それでもなんかよく分からない。
大体もう、既に論点出尽くして、問題点はもうほぼ出てると思うのです。そうするならば、私たちとすると、その方向性を見極めた形で具体的にどんなものが欲しいのかっていうことを積極的に、前向きにしたいと思います。あそこが駄目だ、ここが駄目だっていうのは、もうかなり出てるし、お互いここで、民間から、本当に私も思うんですけれど、行政のあのやり方は固すぎるとかいう不満を言い出したらきりがないぐらい出てるので、どうしたらいいのかということを、私は方向性を出したい。出していただきたいと思います。それを受け止めてくださるかどうかは、行政にボール投げるしかないかなって。我々のこの委員会としたら、最初から言ってるように売防法でやるのはもう無理だと。新法にするのか4章の抜本的改正か、何らかの法的建て付けを変えてもらいたいっていうことは一致してると思います。それを新法にするか、それとも4章を独立するのか。4章と、4章だけをいじればなんとかなるかっていうのは、これはもうちょっと技術的な問題でもありますから、そこは技術屋さんにお任せするなりして、これはこういうことをやってもらいたいっていう議論を前向きにしたいなっと、私つくづく思ってます。
その意味で、全てに関わることで、1で発言したかったんですけれども、対象女性をどうするかということは、困難な課題を抱える全ての女性っていうのは、全て本当にそうなんだけど、ただし包括的な言い方をするとですね、事態がまた見えなくなるという意味で、困難を抱える女性とは何なのかということが明確になるように、性暴力被害者であり、性被害者であり、それから私は性搾取の被害者であると。その性暴力と性搾取の被害者。そしてそれにまだ満たないけれども、そのおそれのある者ということでカバーできる言葉を我々が考えて、その人たちを全ての対称にする保護施設なり、支援を、法律なり、あるいは施策で提示するという形で、明確にするべきだと思います。
そうすると、対象の女性が広がれば広がるほど、ニーズと支援は多様になるのはこれ当然のことなんです。ですから、その施設も今一本の婦人保護施設しかないということを、それこそ民間を借り、そして保護、収容の程度も多様性がある。しかも場所もですね、私はつくづく思うんですけれども、性搾取の被害者、若しくは人身取引の被害者を対象にするということになると、どこか隠れたところにこっそりあるような婦人保護施設じゃなくて、秋葉原とか、渋谷とか新宿のど真ん中に、ちゃんとここに逃げ込んでおいでっていうようなものがないとですね、人身取引の被害者や性搾取の被害者ってなかなかそこまで行かない。そして一時的に入ったら、もう駆け込み寺に入ったように、そこからどこか居場所を民間でも探すよというように受け皿をもうけ、入口を広く、受け皿を深くというかですね、そういうような施策をもう提案していただくしかないんです。
で、私は、これはそのための委員会だろうというふうに思ってたんですけど、残念ながらそれを受け止めていただけるだけの行政が、決意がないんだったら、少なくても私たちは、この形やこんな形にしてもらいたいということを提案して、いつかきっとこれは実現してくださいねっていうボールを投げ続けるしかもうないんじゃないかなというふうに思ってます。
そういった意味では、全ての困難な女性というのは、今はもう挙がってるわけですよ。法的に。DVと人身取引とストーカーと、そして売防と。そして売防未満ということで、あらゆる意味ではもう法的には挙がってるので、これを全部まとめて、そしてその人たちを必ず居場所と支援につなげるよといった形での支援のシステムが、一体できるだろうかと。
そうすると箱は、厳重なDV被害者を保護するという意味での厳重さと、それから性被害、性搾取未満の、それこそJKビジネスをやってる女の子たちを、「そこいちゃ危ないよ」って言ってるBONDの人たちやね、仁藤さんたちがキャッチしてくれた人の受け皿になるような広い居場所とかね。そういうように幅がある居場所も提供する。そして支援もニーズも、その必要性に見合った形で提供するという形でですね、非常に幅広くなるんですけれども、これだけの人が集まってれば、私はもう論点も出てるし経験も出てるし、実績もあるだろうから、まとめられるんじゃないかと思うんです。是非そういう方向で、前向きに、こういう形なら、今までの蓄積とノウハウと、こういう形で散らばった法律を、ひとつ束ねるという意味合いも含めて、可能だというようなことを想定してみてもらいたいなと思いたいし、私も是非、せっかくの会議を、そういうものがなんか出来上がりそうだなという希望と期待を持ってきたいので、是非、戒能さんの最初の意見を引き取るならば、それはもう行政に、逆に「やってよ」という感じで突きつける形でですね、一歩進める議論をしていただきたいとつくづく思います。
今日はその第1回目だというふうに思えば、今まで出た意見からするならば、やっぱし全ての人、そして多様性のニーズに応えるだけの支援、そして民間と行政が連携するような、幅の広い、底の深い、箱物と支援体制を作っていく。売防法4章ではもう無理っていうんだったら新法を作るという方向性を出していただけたら、少しやる気出るんだけどなあ、と思います。宜しくお願いします。
 
○ 堀座長
はい、委員ありがとうございました。皆さんやる気を出していただけるような形で進めさせていただきたいと思いますが、今手が挙がりました。どうぞ。
 
○ 前河構成員
3番目のところにちょっと内容が入ってしまうんですけど。あ、そしたら後で。
 
○ 堀座長
すみません、ちょっと3番目は後にさせていただいて。2番目のところでは、横田委員お願いします。
 
○ 横田構成員
はい。全婦連の横田といいます。売春防止法は、制定されて62年ですけれども、私は、35年間売春防止法の中で仕事をさせてきていただきました。そして、これだけ切実に、しかも皆さんの思いが、ある一点にまとまってきていることってかつてなかったんですね。思いとしてはありましたけど、具体的な形での動きはありませんでした。先ほど課長も言っていただきましたけれども、この検討会の目的は売春防止法の見直し。そして、法改正につなげることも含めて、婦人保護事業のあり方を考えると仰っていただきました。
そして、運用上ですね、運用上早くできるところは速やかに進めていただきたいです。いかにこの売春防止法が、実施要領も含めてですけれども、使いづらいかという事です。全国の婦人保護施設、今、ものすごく空いているんですね。この年度過ぎて30年度集計すれば、もう26%割るんではないかとビクビクしているところです。そのぐらい利用率が低下している。
私たちは措置権者に、苦情を申し上げているところでございますけれども、ただそれだけの問題ではないと最近思うようになりました。やはり、大きくこの制度を見直していく時期だと思います。
婦人保護施設、入所の期限がないんですね。ずっと継続的にその人の人生のステージに応じた支援ができる。しかも今、国のほうが退所者自立生活援助事業という補助事業を付けてくださっているために、施設を出てからも支援が続けられているんですね。こんな素晴らしいことはないと思うんですね。ただ、その中でいつも付きまとうのは、制度の規定、「何人いなければいけない。こういうことをしなければいけない。こうあるべき」が強調され、せっかくあるものが実態に生かされてないんですね。
具体的なことになりますけれども、つい数日前に、私のところに元いずみ寮を出た利用者から「死にたい」という電話が入ってまいりました。そして、一昨日は、「夫から暴力を振るわれて逃げたい」という電話が入ってまいりました。そのことに私はすぐに応えたい。「すぐにいずみ寮に逃げてらっしゃい」「すぐいらっしゃい」と言ってあげたい。でも、制度の狭間の中で、きちっとそこに即対応できるかというと、難しい部分があるんです。ただ、措置機関からは「過っていずみ寮を利用した人たちは利用していい」と言われてるから今すぐいらっしゃい。と声をかけました。死にたいと言った女性は数日後いずみ寮を訪れてきました。
私たちの仕事はエンドレス。それはエンドレスがいいというわけではないけれども、エンドレスに女性たちの人権の保護と、それから生活実態の支援と、具体的なところまでこの法に基づいて支援してるんですね。ただ、もうこの売春防止法による婦人保護施設での支援はもう限界だと、35年間関わって、しみじみ思います。
今のこの時期をなくして、これを新しい形に変えていくことは、難しいと思います。売春防止法に基づいて、要保護女子の範囲は少しずつ拡大されてきました。現に売春をしている者、そして売春をするおそれがある者、それから、そのほか社会でいろんな事情があって行き場所のない者というようなことに広がっております。売春防止法の第5条で、法律に則った法令遵守のことが、当たり前のように行われてしまっているっていうことも、この売春防止法の大きな問題点だと思います。
また、私事になりますけれども、このところ5条違反の方が立て続けに3人入ってまいりました。でもその方たちは、本当に5条違反という犯罪者としてレッテル貼られる対象者であろうかと思うとですね、どの方も福祉的な支援が必要な女性たちです。しかも、その5条違反としての逮捕は、おとり捜査なんですね。こんなことがまだ現実に、この売春防止法によって行われているっていう、これが非常におかしいことですよ。私たちは、何が一番必要かというと、支援が必要な、そして居場所のない、行き場所のない女性たちの支援です。まさに、若年女子を支援している目の前にいる女性たちを保護している女性、BONDやColaboや、そして今日お帰りになりました、ゆずりはの高橋さんたちですね。そうやって、目の前にいる対象者を、本当すぐにでも保護しなければいけないというところで活動している女性たちに対して、私たちがこの法律ではない、新しい法律でですね、きちっと対応ができるようなものに変えていかなければいけないと思っています。そうでなければ、「ニーズに対応した」ということなんか言えないと、私は思っています。
それともうひとつ。せっかく調査をいたしました婦人保護事業の支援実態に関する調査。そして画期的だったのは、性暴力を受けた被害者に対する調査研究も行いました。この件について、国が、主導権を取っていただいて、実態をきちっと整理し、何が欠けていて、何が課題で何が必要なのかということを、整理していく必要があるのではないかと思います。今、しみじみ実態との乖離を感じます。是非、今までの報告を踏まえて、そのことに繋げていただけたらと思います。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。今のお話、売防法の枠組みではなく福祉的な法律の枠組みの中での新しい支援の構築という話だったかと思います。特にこの2番に関しましては、昨年の報告書のほうで、各実施機関における役割や機能ということについては、かなり詳細に報告のほうで調査もされていますので、こちらをまた参照していただきたいという部分あるんですが、私のほうからもちょっと3点ほど、ここについては是非話をしたいなと思っているので、お話しさせていただくと、それぞれのプレゼンテーションの中でも、専門職の位置付けというの、こちらのほうにも出てきておりましたし、先ほどの戒能委員のほうでも、専門性とは何かというところも出ておりましたが、そういった専門性とはどういうことかというのを踏まえつつ、やはりそれぞれの実施機関にきちんと専門職を配置していく。資格的なところも含めてこれは考えていくべきでしょうし、今までにそういった専門職が置かれてないという問題が、やはりこの領域はありますので、そこについての検討を是非していただき、していかなければいけないというふうに感じてるところです。
もう一点が、こちらの8ページのとこからでも、たくさん出てきますが、市との関係ということの、特に婦人保護施設は、市や婦人、福祉事務所からの依頼ができると良いという、そういったこう、支援のスピードを上げるためにも、そういったこと必要じゃないかというのも出てましたが、つまり福祉事務所も措置権者になっていくというところかと思います。そうした措置権者を変更するという部分という形もきちんと明確に議論していただきたいというところと、3つ目が、先ほどからの、特に民間の橘委員からもありましたけども、なかなか時間がかかると。つなげていくのに時間がかかるというのがありましたが、特に婦人保護施設に入所する際には、婦人相談所の一時保護所を経るだとか、そういった仕組みが今できていて、それが本当に必要なのか。これもプレゼンテーションとかにも少しあったかと思いますが、そういった今の枠組みではない、特にそういったことが必要じゃなければ早急につなげていく、婦人保護施設に措置するということも可能な、可能として是非ね、していくような検討になっていければというふうに、すみません、私のほうからの意見も出させていただきました。
というところで、次に進んでよろしいでしょうか。本来は5時までなんですが、申し訳ないですが30分程度の延長ということで、皆さんあとの予定もあるかもしれませんが、させていただければと。
それでは、3、3つ目の項目になります。17ページのほうの3番。他法他施策との関係や根拠法の見直しについてというところで、ご意見がおありの方お願いします。
では前河構成員お願いします。
 
○ 前河構成員
第2回のプレゼンの際に、大阪府の女性保護支援等検討専門部会でいただいたご提言を中心に報告させていただきましたが、今回の論点整理の議論の中で、私が主に児童福祉分野ですとか、直近3年間は生活保護法や生活困窮者自立支援制度といったセーフティネット法制にも、少し携わっていた関係で、やはりみなさんが本日かなりご意見もされていたように、法制上の課題について意見を述べておきたいと思います。
現在の売春防止法においては、売春に関する規制と、売春を行うおそれのある女性の保護といった、今日的にはかなり異なるふたつの内容を目的としており、この保護の部分の方で婦人相談所の設置、婦人相談員の配置、婦人保護施設の設置が位置づけられている形になります。この保護の部分が、今日かなり対象が広がって、売春のおそれのある女性に加えて、DV被害者、人身取引被害者、生活困窮や傷病、障がい、若年といった様々な要因があって自立が困難な女性全般に法や支援の対象が広がっていて、時代やニーズの変化に応じた保護や支援を効果的に実施することが可能な法制にしていく必要があるのではないかと思います。
具体的な方法として、これは技術的に可能かどうかわかりませんが、第2回検討会で横田構成員も女性自立支援法(仮称)をご提案されておられましたが、どうしても規制と保護の主者との両立を、同じ法律の中で一緒にやっていくのが、非常に難しいと考えますので、保護の部分を売春防止法から切り離して、売春防止以外の対象者も含めた形で女性の保護や自立支援について包括的に対応するための法律を別に作っていく必要があるのではないかと考えます。その際に、他の福祉法や今回改正された生活困窮者自立支援法のように、基本理念や対象者を明確化するとともに、関係機関や民間団体との連携、支援体制の整備について謳いつつ、売春防止法から切り離した個々の部分に加えて、国、都道府県、市町村の責務や実施する事業、それから情報共有や提供についての規定、他法他施策との関連といった内容が盛り込まれる構成にしてはどうかと思います。これらの法制上の課題に向けた対応を行った上で、支援体制の充実ですとか、先ほど座長のほうからも出ていた専門性の確保や。社会資源についても議論をしていくことが必要ではないかと考えます。
また、その中心的な受け皿となる婦人保護施設のあり方に加えて、実際に同様の対象者が利用する母子生活支援施設や、局は異なってしまうのですが、救護施設、それから民間シェルターについても併せて議論すべきだと考えます。以上です。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。では、水野委員お願いします。
 
○ 水野構成員
はい、名古屋市の水野です。宜しくお願いします。
今回の私の立場としては、先ほど堀座長さんも仰られましたけど、福祉事務所を措置権限にというようなところ。少なくとも市も法的な位置付けを与えていただいて、一時保護の権限、財源。これについては最低限押さえておきたいなというところがあります。その上で、今ちょっと法改正の部分ですね、先に第4章部分の改正が限界領域だというようなお話も事務局のほうからございました。その点については先ほど大谷委員のほうからも、本当にまとめられたので、それ以上言うことはもうないとは思うんですけれど、それでも例えば本当に第4章の改正だけでどの程度まで可能なのかというようなことも、現実的なところとして、やっぱり考えていく必要もあるのかなというふうにも思いますので。
例えばその第4章に、これはもう法律的に可能なのかどうかという部分はわかりませんけれど、第4章の保護更生、まあこれは「保護及び自立支援」とするというような過去の検討がありましたけど、第4章に係る部分の基本的な考え方というのを条文として、福祉的な観点から一貫とした支援を行うというようなことを加えることが可能なのかどうかですとか、そういった部分を次回論点整理のときにやはりお出しいただきたいなというふうに思います。
また、第34条から36条に婦人相談所だとか婦人相談員、婦人保護施設が規定されておりますけど、そこの中に民間団体というのを位置付けて、財政的負担に関する条文が並んでおりますけれど、民間団体も包摂した内容も盛り込むことは可能なのかどうか。あと相談窓口とかですね、一時保護所のハードルの高さ、圧迫的な対応という部分についてはですね、例えばDV防止法の第9条の2に、苦情処理の規定というのがあります。そういったものをここに付け加えるということで当面の対応を考えていくというようなこともできないのかということは、是非ちょっと考えていきたいなというふうに思います。
あと、一点、ちょっと話が1番に戻ってしまうんですが、是非埋もれたくない視点というようなところで、この6ページのですね、支援システムの下から3つ目ですね。これは加茂委員のほうから以前仰られた部分かなと思うんですが、精神科医、心理の人間が効率的にサポートしていくシステム。こちらについてなんですけど、今年度名古屋市のほうが、親と子どもを同じ時間帯にですね、それぞれ分かれて個別に別室で臨床心理士がカウンセリングを行うという、心理的ケアというのを始めております。まだまだ模索しながら行っている段階で、大学の教授に依頼する形のもの、あと民間団体に委託する形のもの。そういったものを並行して行っておるんですけれど、なかなかやはり枠が限られておりまして、現状DVだけを対象にしても枠がすぐ埋まってしまうというような状況があります。性暴力、性被害というような部分も出てくると、やはり息の長い支援が必要だということで、連鎖を断つというような回復的な支援というところを考えると、非常に大事な部分だなというふうに思います。やはり医療分野の支援が必要だと。かつ、こういった女性福祉ですとか、そういった分野について理解がある方のご協力がやはり必要だというふうに思いますので、職能団体といっていいのかわかりませんけれど、そういったところの協力を得られるような仕組みというのが欠かせないのではないかなと。そういった視点をやはり持ちたいなというふうに思います。以上です。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございました。戒能委員、お願いします。
 
○ 戒能構成員
戒能です。最後のところなんですけども、売防法については、今も水野委員からもご指摘あったんですが、その婦人保護事業の法構造もう一度見直す必要があるということです。
売防法の規定をご覧になると、大変簡単です。簡単すぎるぐらい。具体的なことは行政の裁量に委ねているわけですね。それが通知やとか、そのトップにある婦人保護事業実施要領に書かれていて、大変複雑なことは和田委員がご指摘になったところです。ですから、そういう構造のままでは、多分当事者が主体となるというような法構造にはならないということなんですね。
売春防止法だからこそ行政裁量を非常に大きくしたというところがあると。だからそこの考え方を根本から変えていかないと、新しい支援の在り方っていうのは実現できないんじゃないかと考えています。
それで、先ほど成松課長から今後の展望をお話しいただいたんですが、その際にいくつか前提とすべき点がありまして、今もご指摘があったように、売防法の4章だけ変える。これ一番最初のスタートがそうだったんですね、この議論の。2013年の最初のときのスタートが、4章だけスポッと抜き出しちゃうと。これは、今日も法務省の方いらっしゃっているけども、大変難しいということでした。スポッと抜き出して、それだけ独立した法律を作ればいいんではないかということが、むしろ厚生労働省の側からそういうお話があったりなんかして、その方向で考えていったんですけども、それも難しいと途中でなったと思います。
それでそのときに、今日いろいろ出ているニーズに対応できない要因として、いろんな問題が指摘されていますけども、例えば、措置ひとつ考えても、売防法にはそんな規定はひとつもないわけです。一時保護についても、何もそんなことは書いてない。通知の中でも、解釈してそういうことになるだろうっていうことで、大変そういう意味では法律的に非常に問題のある法律だと言わざるを得ない。
そうすると、例えば措置ということで婦人保護施設の措置入所は問題ですよね。一時保護を1回経過しなければ入れない。大変時間もかかるし、必ずしも一時保護の措置入所の、措置の基準に当てはまらない人もいっぱいいるわけですよ。そういう人はじゃあ長期的な支援が必要でも婦人保護施設には行けないのかという問題も出てきている。
そうしますと、出てくるのが、実施要領なんですよね。これは厚生労働省に何度もお伺いしてるんですが、実施要領の改定ができないのかっていうことです。売防法を改正しないとできないというお答えがあったり、そうではないというお答えがあったり、統一しません。もしその根本的な法改正まで道のりが長いとしたら、さっきの成松課長の仰ってるようにですね、できることからやっていくっていうようなスタンスを取りたいと思うんですよね。そうすると措置の問題とか、それから、一時保護についてはそういう規定が残念ながら、明確な文言が実施要領にもないということですよね。だからそれは新たな基準を作るとか、そういうことが必要になります。
それと、婦人保護事業の3機関の関係性ということがあって、公的な機関と民間との関係性の前に、3機関の間の関係性が対等ではないとうことが文言として実施要領にちゃんと書いてあるわけですね。婦人相談所長が婦人保護施設を指導するという関係が書いてあるわけですね。それはずっと問題にされている。
それから、これは前に和田所長が、もう次から次へと、そのたびに、一貫性があるのかないのかっていうようなですね、通知が次々と出されていって、それに翻弄されるっていうような現場の状況があると。だから、それをまず整理することが必要だって前に仰ったんでよく覚えているんですけども、そういうところをまず行政としてはできることではないかと思うんですね。
それからもう一点。その4章だけ抜き出すっていうことが、最初はそういうスタートをしたってお話ししましたけども、そういうことは可能なんでしょうか。売防法の主要な管轄は法務省だと思うんですよね。だから法務省との関係はどうなっているかなど、また議論の最初に戻っちゃうっていうような感じもしますけども、そういうところをきちんと整理しながら進めていかないと説得力を持たないということは感じています。
また、やはり売防法抜きにしては、この新しい女性支援の法構想はないのではないかと思うんですね。売防法に人権保障を書き込んだとしても、売防法の思想ですよね。考え方そのものを変えていくのが、もし新法を作るんであれば、その新法構想だと思うんです。だからそのあたりをきちんとしないといけない。だから、この検討会はかなり大きな作業だってことです。そういうことも申し上げたいってふうにですね、差別と分断の売防法をそのまんまにして、4章だけポコッと抜かして犯罪を犯した人と保護を受ける人が並存してるおかしな法律ですけども、そういう矛盾は解決できないだろうと。そこは、基本的な認識として申し上げたいと思いました。以上でございます。
 
○ 堀座長
はい、それでは大谷委員お願いします。
 
○ 大谷構成委員
ちょっとその関連してです。前河委員が発言されたときに「ああ、いけない」と実は思って。私は売防4章だけ独立させたらなんとかなるかとの発言をしましたが、売防4章の保護だけを抜き出してなんとかなるんじゃないかっていうご意見を前河委員が仰って、私はそれ以外のところは全て同意してるし、それから、戒能委員の意見も全部同意なんですね。ただ、4章は、保護更生になっているんですね。この更生っていうのは、まさに悪いことをした人の、あれを、歪みを正すという意味での更生で、この更正処分があるから、収容という言葉もあまり違和感なく使われてしまっている。この中で、保護と更生を切り離して、保護だけをするというようなことをするのは、これは不可分一体となってるので、かなり難しい。それを可能なんですかっていうふうに、法的に可能なんですかって言われたら、普通の人はこれ無理ですって言うと思うんです。
ざっと条文読んだだけでも、ここから保護部分だけ抜き出せと。こう言ったって保護と更生が一緒になって、まさに違法行為をして逮捕された人に対する更生措置を保護的にやりましょうと言ってるだけですから。そしてまた虞犯という、おそれのある者が入ってるので、非常に難しい。予防的に保護更生させるなどというのは、法的に疑問があって、1956年だからできたんだろうなと思うんです。これを抜本改正して、保護部分だけ抜き出して更生部分、要するにおそれのある人に対する更生もこの売防法に残すということは、これはもう不可能。だから4章は廃法削除して売防に対する保護に関しては、別法で決めますとかね。そういう形にしない限りは、今後の全体の、体制として、難しいんだろうな、一目読めばわかるような感じなんです。
ですから、それは、法務省は是非そこも、今日は戒能委員の質問に答えていただけるならば、そういうことも含めて可能なのかどうか、是非検討していただきたいし、答えていただきたいと私は思います。実際5条が一番問題だし、3章は全然いらないし、これ実際使ってないし。使ってない条文このままにして、時々おとり捜査で5条捕まえてですね、保護更生処分するっていうのは、ありえないことが今現に行われてるわけです。だから、この現実をどうするのかということに関して、法務省が本気でやってくださるかどうか、それ抜きにはもう進まないということなのかどうかに関しては、最初から疑問を呈させていただいているんだけど、まあここは法務省管轄の委員会じゃないからと言われればしょうがないのかなっていうふうに思いながらなんですけど、質問は是非疑問としてですね、委員から挙がって、そういう乱暴な法的な議論ができるのかどうかも含めて、是非ご回答いただきたいと思います。
 
○ 堀座長
事務局のほうからありますか。それに関しまして。課長。
 
○ 成松家庭福祉課長
どういう立法形式を取るかとかですね、この法律っていうのは、仰るように法務省さんも管轄してらっしゃるっていうこともありますので、我々も所管しますけれども、少し問題意識を持ってですね、法務省さんのところへ我々としてもお話ししたいと思います。おそらくすぐできますとかですね、すぐできませんっていうのはですね、いろんなとこと調整がありますので、ちょっとお時間いただくと思うんですが、このご議論と並行しながらも、少し法務省さんとも相談していきたいというふうに思ってございます。
 
○ 戒能構成員
実施要領については。
 
 
○ 成松家庭福祉課長
先ほど申し上げたとおりですね、このご議論の中身で進展次第ではございますが、論点を整理して、そのうちご議論いただいているようなことをご議論いただいて、当然遅滞なくやるべきものっていうのが出てくるのであれば、それはやらせていただくということにもなりますし、一方で根っこの部分が変わらない、今日のご議論にもありましたけど、根っこの部分が変わらないと、先というかですね、枝の部分を変えてもこうなかなかっていうことであれば、そこはちょっと個別具体に判断していくことになろうかとは思いますが、実施要領になるかどうかもわかりませんけど、そういう様々な見直しを先行させるっていうことはあり得るものだというふうに考えてございます。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。
この婦人保護事業実施要領のことは、いろいろ変えなければいけない、あるいは変えたいという部分があるかと思うんですが、特にこの第一の目的のところ、婦人保護事業の目的というのは、元々売防法だということで、やはり要保護女子についての転落の未然防止と保護更生を図ることという、この文言がやはり最初に入っておりまして、そのあと暴力の防止及び被害者の保護という形に入ってます。
やはり、社会環境の浄化ですとか、早期発見ですとか、今の実態にそぐわない、あるいは婦人保護事業はそもそも何なのかというところに問わなければいけない非常に重要な部分だと思います。この部分が対象者だとかっていうことも当然つながってくるし、婦人保護事業自体の専門性とは何かというところにも当然関わってくるので、この婦人保護事業の目的という部分は特に丁寧な検討というのが必要で、ここをやはりベースに考えていかなければいけない。もちろん個別の実態的なところから考えることはとても重要ですが、それと共にこの目的は何を置くのかというところを、特にこれはドラスティックに変えていく必要があるのではないかというふうに感じているところです。
そのほかで、どなたかありますか。加茂委員お願いします。
 
○ 加茂構成員
加茂でございます。皆さんの議論の中で、本当にいろいろ売防法の問題とかあるわけなんですけど、私が皆さんにお伝えできることっていうのは、長年こういった患者さんを拝見してきて、実際この人たちが、ぶっちゃけ良くなるのかどうなのかっていうのは、皆さんすごい、一番思うところじゃないかなと思うんですね。保護するのはいいんだけど、結局そのままグルグル具合が悪くてずっと働きもしないでっていうようなこと心配されてる方は割と多いんじゃないかなと思うんですけど。そこのところはですね、前回もお話ししましたけど、過去10年20年ぐらいでかなり、やれる人は少ないっていう問題はありますけれども、いろんなプログラムができてきて、良くなってるんですよね。だからきっちり関わることができれば、相当数の人がもっといい人生を送れる水準まで、医療とかメンタルの面でもきてると思います。それを実行化するには、様々、まだハードルはあると思いますけれども、保護をして、じゃあこれで良かったねで終わらない水準に、世間っていうか世界中がもう動いてるんだっていうことは是非理解した上で、この支援のあり方を考えていただきたいなというふうに思います。
実際特にDV被害にせよ性暴力被害にせよですね、お子さんを持たれて、小さいうちに現場から、暴力被害から離れてきた人っていうのは、まさに介入すれば全然違う人生を送れるんですね。もうそういうところまできているので、是非そういった視点からのご議論もお進めいただければと思います。
 
○ 堀座長
ありがとうございました。
では和田委員お願いします。
 
○ 和田構成員
加茂委員の、仰ってくださったことを、どう実現するかというのが、やはり緊急的な窓口である婦人相談所で、緊急的な保護の女性相談所のあとに、婦人保護施設、そして民間シェルター、そのあと市区町村っていう地域が、どれだけやっぱり連携していくか。先ほど近藤委員も仰ったように、本当に息の長い、加茂先生が仰ってくださったように、回復するには本当に医療の力も得なきゃいけないけども、本当に私たちも息の長い支援が必要だと思うんですね。
私たちも婦人相談所の電話相談としてお受けしてても、本当にDVで傷ついて、離婚したけど、離婚して10年経ったけど、やっぱり辛いというような電話がやっぱりかかってくる。そういうふうなことを本当にいつも受けているとやっぱり緊急保護のあとの婦人保護施設、そして民間シェルターの方が先ほど、もっと本当に身近なところでってお話があったから、そこと、市区町村のほうの婦人相談っていうか女性支援を、本当に責務として位置付けていただいて、もちろん財政措置もしていただいて、民間シェルターにも財政措置していただいて、一貫して民間の力も地域の支援も活用した、一貫した息の長い支援っていうのが本当に必要なのかなと思っています。
そこはちょっと2のところにも戻ってしまうんですけれども、9ページのところに、市町村のところ、市町村のほうで、下の○ですね。身近な住民に近い部門ができるんじゃないかっていうお話もありますし、それから12ページのところ、12ページ13ページのところに、婦人保護施設自身も長い支援ができる。それで14ページのところの民間シェルターのところにも、地域に近いところでの息の長い支援ができるっていうような、ここがもう揃っているので、婦人相談所も入れて4点揃ってるので、ここは、この書いてあるとおりに、そのままもう生かしていただける、それを何らか、何かすごく公的なものじゃなくても、通知とは言いたくないんですけどね、いろんなことでできるんじゃないかなとすごく思います。
もう一点が、本当に早めの介入が、子どもにとっても女性にとっても非常に重要だっていうところでは、多分、他の施策との関連で、児童福祉法との関係が18ページのところにありまして、ここは若年の、本当に18未満のところの、ギリギリのところの、女性のことが書かれてるんですけど、実は4ページのところに、同伴児童のことが書かれていて、この同伴児童もやはり児童福祉法の本当に範疇の方で、本当にプレゼンのときにもお伝えしましたけれども、一時保護所に同伴児童ということで、女性と同じ本当に人数の子どもたちがいて、その子どもたちが婦人保護事業の中での支援になるから、本当に児童福祉法の下と同等の支援が受けられてないだろうというのは本当に思っています。だからそこは児童福祉法の管轄されてる方も、婦人保護事業で何らか支援する方についても、児童福祉法の範疇として、きちんと同等の支援をするんだと、そういうふうなことを、ちょっと一言入れていただけるというのは、割と早くしていただけることではないかなと思って、この2点。なるべく早くできることとして、加茂先生のお話もありましたし、関連で思ったのであります。お願いしたいと思います。
 
○ 堀座長
はい、ありがとうございます。時間も僅かになってまいりましたので、さらにご発言等ありましたら、はい、では横田委員。
○ 横田構成員
はい。また同じことの繰り返しになったりもするかもしれないんですけれども、婦人保護事は、女性を支援する日本で唯一の公的な事業なんですね。この女性を支援する唯一の事業の中で、第5条で女性が手錠を掛けられて引かれるんですね。一方では女性を支援する事業だと言っておきながら、売防法の中では刑事処分等の処分があるのです。その中で、福祉的な支援が必要な女性たちが手錠を掛けられるんですね。まさに犯罪者なんですね。やっぱりその矛盾について、私は声を大きくして言いたいなと思います。私たちは24時間365日利用者と一緒に生活をしています。その婦人保護施設の規定も、売春防止法の中にはたった1行。そして実施要領の中でもたった2行ぐらいです。このような中で重篤な被害状況に置かれる女性たちが生活しているんですね。国はこの婦人保護施設をどのようにみているんだろうかと。私たちは婦人保護施設が、本当に決して豊かなところではないと思っています、でも、豊かにしようとものすごく努力をしております。かけがえのない場所なんだということを、真正面から捉えていただきたいなという思いがあります。もう一度振り返って、そこのところをみていただきたいと思います。
 
○ 堀座長
それでは廣瀬参考人、お願いします。
 
○ 廣瀬参考人
児童福祉が家族全体を視界に入れた家族福祉を充実させていくためにも、現在の女性福祉を推進していくための法律の見直し等の検討を是非一緒にすすめていきたいと思いますので、宜しくお願いいたします。
 
○ 堀座長
まだご意見、ご発言したい方、いらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ありがとうございました。本日は幅広いご意見いただきました。まだまだ追加のご意見等あると思いますので、後ほど事務局のほうに寄せて、お寄せいただければと思います。
最後に事務局からの次回日程などの連絡事項のほうお願いいたします。
 
○ 度会母子家庭等自立支援室長
皆様ありがとうございました。追加のご意見等につきましては、今週末までに事務局のほうにお知らせいただければと思います。
次回の日程につきましては、調整の上後日ご連絡いたします。また次回は本日のご議論を踏まえ、一旦中間的な論点の整理として、具体的な検討事項をまとめたいと考えております。
また、それ以降の検討会で、各検討事項ごとの議論も続けていきたいというふうに考えておりますので、宜しくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○ 堀座長
それでは、本日の検討会はこれにて閉会といたします。ご出席の皆様、ありがとうございました。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 第4回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会検討会(2018年10月24日)

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