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2018年7月30日 
第1回困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会

子ども家庭局家庭福祉課

○日時

  平成30年7月30日(月)10:00~11:55
 

 

○場所

中央合同庁舎4号館共用第108会議室(1階)


○出席者

構成員

大谷構成員 戒能構成員 近藤構成員 新保構成員  
高橋構成員 橘構成員 仁藤構成員 堀構成員  
前河構成員 松本構成員 水野構成員 村木構成員  
横田構成員 和田構成員  
 

参考人
   
   廣瀬参考人
   

事務局

               吉田子ども家庭局長
       山本内閣官房内閣審議官
       長田子ども家庭局総務課長
       成松子ども家庭局家庭福祉課長
       佐々木子ども家庭局家庭福祉課長補佐
       度会子ども家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室長
       菅子ども家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室長補佐
       

    オブザーバー
       内閣府
       法務省
       警察庁
       
       
○議題

(1)座長の選任について

(2)今後の進め方等について

(3)婦人保護事業の現状について

(4)その他

○議事

 

○度会母子家庭等自立支援室長

 皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」第1回を開催いたします。

 構成員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 開会に当たりまして、吉田子ども家庭局長より御挨拶を申し上げます。

 

○吉田子ども家庭局長

 おはようございます。この検討会の事務局を担当させていただきます、厚生労働省子ども家庭局の局長をしております吉田でございます。

 構成員の皆様方には、本当にこのお暑い中、また、皆様方それぞれお忙しい中、このように御参集いただきましてありがとうございます。また、今回この検討会を立ち上げるに当たりまして、構成員の御就任をお願いしましたところ、御快諾をいただき、重ねて御礼を申し上げたいと思っております。

 改めて申し上げるまでもなく、今回、この検討会は困難な問題を抱える女性への支援とうたわせていただきました。このような女性への支援という問題では、従来から基本的な制度のたてつけといたしましては、昭和31年につくられました売春防止法に基づく中で、婦人保護事業という名称で展開させていただいております。

 幾つか制度に基づくもの、予算事業で行っているものなど、幸いにして現場で、そして第一線で支えていただいている関係者の方々の御努力によりまして、その支援、保護というものについては、いろいろな意味で大きな役割を果たさせていただいていると思っておりますが、改めて申し上げれば、この間、売春防止法というたてつけで進めながらも、DV被害者の方々、人身取引被害者の方々、ストーカー被害の方々など、その時々の支援のニーズが多様化するのに対応してやりくりをさせていただいてきた、対応させていただいたという状況でございます。一方で、課題も幾つか見えてきていると私どもは認識しております。

 そういう意味では、社会の変化、ニーズの変化というものを踏まえて、この婦人保護事業を見直すべしということで、与党の方々からも御提言いただいておりますし、きょうお集まりの方々を含め、支援現場の方々からのいろいろな御要請をこれまで受けとめてまいりましたので、それを踏まえた上でのこの検討会の立ち上げということでございます。

 その中には、婦人相談所長全国連絡会議、全国婦人保護施設等連絡協議会、あるいは全国婦人相談員連絡協議会など、本日構成員として加わっていただいた方々や、有識者の方々からの御要請、御提言というものもいただいておりますので、そういうものも踏まえた上でこの検討会で御議論いただければと思っております。

 そういう意味で、この構成員の方々にお願い申し上げましたのは、日々そういう形で実際に取り組んでいただいている方、現場の感覚、現場のニーズをよく受けとめていただいている方にお願いさせていただいたつもりでもありますし、この分野で長らく研究を進め、知見を持っておられる先生方にお願いをしたつもりでございます。

 そういう中で、大変お忙しい中でございますが御議論いただきたいと思いますし、加えて、政府といたしましても、私ども厚生労働省としても当然受けとめさせていただくと同時に、内閣府、法務省、警察庁という関係の方々にもオブザーバーとしてこの議論に参画いただいて、ここでの議論が政府全体として受けとめる入り口になればいいなと事務局としても思っております。

 これから、この検討会での議論を十分御展開いただきまして、私どもはしっかり受けとめて次なる施策へ結びつけていく、次なる動きにつなげていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 

○度会母子家庭等自立支援室長

 ありがとうございました。

 それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

 

○度会母子家庭等自立支援室長

 また、傍聴される皆様におかれましては、あらかじめ傍聴時の注意事項をお示ししておりますので、その厳守をお願いいたします。

 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 配付資料につきましては、議事次第のほか、右上に番号を付していますが、資料1~7の7点。それから、机上配付資料として調査研究報告書。少し厚い冊子になりますが、1冊の冊子となっております。この冊子につきましては、次回も事務局のほうで用意させていただきますので、こちらのほうにそのまま置いていただければと思います。

 資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。

 なお、本検討会は原則として公開で開催し、資料及び議事録も公開することとしていますが、特別な事情がある場合には非公開とすることもあります。

 申しおくれましたが、本検討会の座長選任までの進行をいたします、母子家庭等自立支援室長の度会と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最初に検討会の開催の趣旨について御説明いたします。

 資料1の「1.趣旨」にありますように、この検討会では婦人保護事業に関しての検討をしてまいりますが、婦人保護事業は昭和31年に制定された売春防止法に基づき、売春を行うおそれのある女子を保護する事業として発足しています。

 しかし、その後の支援ニーズの多様化に伴い、家庭関係の破綻や生活困窮等の問題を抱える女性に事業対象を拡大し、また、関係法令により、平成13年からはDV被害者、平成16年からは人身取引被害者、平成25年からはストーカー被害者が、それぞれ事業対象として明確化され、現に支援や保護を必要とする女性の支援に大きな役割を果たすようになっています。

 このような経緯から、関係者からは、制定以来抜本的な見直しが行われていない売春防止法の規定を含め、婦人保護事業のあり方を見直すべきとの問題提起がなされています。こうしたことを踏まえ、今後の困難な問題を抱える女性への支援のあり方について検討するという形になっております。

 構成員については、2枚目の別紙のとおりでございます。後ほど、構成員の紹介とともに、開催要綱に基づき座長の選任を行わせていただきます。

 「2.検討事項」ですが、本検討会では「対象とする『女性』の範囲・支援内容について」、「他法他施策との関係や根拠法の見直しについて」、「婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設の役割や機能について」を中心に御議論いただき、取りまとめをお願いしたいと考えています。

 本日は第1回ですので、構成員の御紹介をさせていただきます。お手元の資料1の別紙により、順次御紹介をさせていただきます。

 アリエ法律事務所の大谷構成員です。

 お茶の水女子大学名誉教授の戒能構成員です。

 NPO法人全国女性シェルターネット理事の近藤構成員です。

 明治学院大学社会学部教授の新保構成員です。

 アフターケア相談所ゆずりは所長の高橋構成員です。

 NPO法人BONDプロジェクト代表の橘構成員です。

 一般社団法人Colabo代表の仁藤構成員です。

 城西国際大学福祉総合学部教授の堀構成員です。

 大阪府福祉部子ども室家庭支援課長の前河構成員です。

 全国婦人相談員連絡協議会会長の松本構成員です。

 名古屋市子ども青少年局子育て支援部子ども福祉課主幹の水野構成員です。

 一般社団法人若草プロジェクト理事の村木構成員です。

 全国婦人保護施設等連絡協議会会長の横田構成員です。

 婦人相談所長全国連絡会議会長の和田構成員です。

 本日、加茂構成員、菅田構成員、野坂構成員から欠席の御連絡をいただいております。なお、欠席された菅田構成員より、全国母子生活支援施設協議会の廣瀬常任協議員を参考人として参加させたいとの御希望があり、御参加いただいております。

 次に、本検討会のオブザーバーとして関係省庁にも御出席いただいておりますので、あわせて御紹介いたします。

 内閣府男女共同参画局推進課暴力対策推進室課長補佐、山口様です。

 法務省刑事局公安課局付、髙井様です。

 法務省矯正局成人矯正課企画官、森田様です。

 警察庁生活安全局生活安全企画課長補佐、坂本様です。

 次に、事務局の職員ですが、お手元の座席表にて紹介を省略させていただきます。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 最初に、座長の選任を行わせていただければと思います。本検討会は、構成員の互選により座長を選任することとなっております。構成員の皆様から御推薦いただきたいと存じますが、いかがでしょうか。

 戒能構成員、どうぞ。

 

○戒能構成員

 堀構成員を御推薦したいと思います。長らく婦人保護事業を研究なさっていますし、この前の支援実態調査の座長も務めていただきましたので、適任かと思います。

 

○度会母子家庭等自立支援室長

 ありがとうございます。

 戒能構成員から堀構成員の御推薦がございましたが、異議はございませんでしょうか。

 御異議ありませんので、堀構成員に本検討会の座長をお願いいたします。恐れ入りますが、座長席まで御移動願います。

(堀構成員、座長席へ移動)

 

○度会母子家庭等自立支援室長

 それでは、堀座長より一言御挨拶をお願いいたします。

 

○堀座長

 この検討会の座長を務めさせていただきます、堀でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 皆様の御協力をいただきまして、この検討会の円滑な運営を進めてまいりたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。

 初めに、座長代理を指名させていただきたいと思いますが、新保構成員に座長代理を務めていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。

 

○新保構成員

 よろしくお願いいたします。

 

○堀座長

 皆様、御了解いただいたと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは早速、議事に入りたいと思います。

 まず、本検討会の今後の進め方についてでございます。資料2をごらんください。こちらのほうに今後のスケジュール案が示されておりますけれども、本日は、婦人保護事業の現状などにつきまして事務局より御説明いただいた上で、構成員の皆様から御自由に意見をいただきまして、御議論させていただきたいと思っております。

 また、2回以降ですが、2回、3回は構成員の方からプレゼンテーションを行っていただいて、それ以降の4回、5回につきましては論点整理という形で進めさせていただきたいと思っております。

 こちらの今後の進め方につきまして、よろしいでしょうか。

 5回以降につきましては、議論の状況につきましてまた検討していくという形になります。

 

○戒能構成員

 よろしいですか。

 議論の状況によってという御説明があったので、それでよろしいとは思うのですが、きょう御提示いただきました案は、プレゼンテーションが終わるとすぐに論点整理案の提示で、その次の回は論点整理ということになっておりますが、これはスピーディー過ぎると思います。

 それで、きょうも傍聴の方がいっぱい来ていらっしゃいますが、これだけ関心を集めているということが1点ですし、局長のお話にもございましたが、やはり議員の積極的な動きを引き出したのは現場の声だと思っております。ロビーイングなどを一生懸命やっていらっしゃいました。現場がせっぱ詰まっている、こういう今の体制では支援が非常に困難であるという現現状認識を持っていらっしゃると思うのです。民間団体も含めて、どの機関もそうだと思います。

 ですから、この検討会は非常に重要だと考えております。本当だったら2年ぐらいかけてやっていただきたいと私は個人的に思っておりますが、任期は3月末まででございますので、もう一度この5回の組み直しを御検討いただきたいと思っております。

 一番大事だと思うのは、婦人保護事業全体としての支援実態調査は初めてなのですよね。そこに、プラスの面も今後改善しなければいけない点も含めて、婦人保護事業の全体像があらわれていると私は見ております。大変貴重な調査だと思っております。ですから、それは今後どういうふうに女性支援を進めていくかの際の大事な資料だと思っておりますので、それを少なくとも1回は議論をしないと、分厚い報告書がでんとあってもなかなか読み解くのは大変なことだと思います。そういうものを生かしながら議論をぜひやっていただきたいと思っておりますので、そこは御検討いただきたいと考えております。

 

○堀座長

 貴重な御意見をありがとうございます。

 今の戒能構成員の御意見を踏まえまして、もう一度事務局のほうで進め方を検討していただいて、その中で、きょう少し説明はあるようですが、もう少し丁寧な調査研究の報告ができるような、あるいはそれを踏まえて議論ができるようなことにつきましても、どうぞもう一度御検討いただいて、次回以降御提示という形で進めさせていただければと思います。

 ほかにはよろしいでしょうか。

 それでは、次に事務局より婦人保護事業の現状や課題などにつきまして、資料に沿って御説明を伺いまして、その後、構成員の皆様から御意見を伺えればと思っております。

 事務局のほうから、資料3~6につきまして説明をお願いいたします。

 

○度会母子家庭等自立支援室長

 説明の前に申し上げますが、吉田子ども家庭局長、長田総務課長につきましては、業務の都合上、ここで退席をさせていただきますので、御了承をお願いいたします。

(吉田子ども家庭局長、長田総務課長退室)

 

○菅母子家庭等自立支援室室長補佐

 それでは、資料に沿って、時間が短いですので、かなりかいつまんだ説明をさせていただきますので、その点、御了承ください。

 私、家庭福祉課で室長補佐をしております菅と申します。よろしくお願いいたします。

 まず、資料3、横書きのこれまでの経緯という資料をごらんください。

 1ページ、《これまでの経緯》でございます。本検討会の開催に至りました、ここ5~6年の経緯でございますが、平成24年度に調査研究事業におきまして、婦人保護事業等の課題に関する検討を行っております。これにつきましては、2ページ目に概要がございます。

 この検討会では、幾つかの項目を検討課題として整理いただきまして、運用上の対応で可能なものから着実に検討を進めるということにしまして、3ページ目でございますけれども、25年度以降、婦人相談所のガイドラインでありますとか、予算面での対応、婦人相談員の指針の策定、婦人保護施設の実態調査、さらには、近年では婦人相談員手当の国庫補助基準の引き上げといったことを、この間、改善ということでしてきておるところでございます。

 4ページ目でございますが、こちらが平成28年の12月にまとめられました、与党の性犯罪・性暴力PTのほうで10の提言というものがなされております。この10の提言のうちの5番目の項目といたしまして、「婦人保護事業の抜本的な見直し」が提言されております。下線の一番下ですけれども、「こうした実態を踏まえ、婦人保護事業を法的な措置を含め抜本的に見直すこと」。こういうような提言が与党からもされております。

 このような経緯の中で、本日この検討会の開催に至っているということでございます。

 続きまして、資料4でございますけれども、先ほど戒能構成員からもお話がございました、昨年度、平成29年度に厚生労働省が行いました、「婦人保護事業等における支援実態等に関する調査研究」、今後の検討のために改めて婦人保護事業3事業が行われている支援の内容、実態を、全体として把握しようという目的で、昨年度調査を行いました。ワーキングチームの構成員でもございますが、本日、構成員として参画されている先生方にも御協力をいただきながら、昨年度まとめをしたものでございます。

 左側に<調査対象・調査項目>とございますが、4つの調査票で調査を行いました。まず、都道府県の主管課にも今回は聞いております。それから、婦人相談所、施設、婦人相談員、それぞれごとに調査票を作成いただきまして、調査を行い、一定の調査結果からの考察もいただいておるところでございます。

 2ページ目でございますけれども、調査結果の概要となってございます。

 スペースの関係で、主管課票のまとめが入っておりませんが、左側が婦人相談所・一時保護所、右側に婦人保護施設と婦人相談員、それぞれ調査結果の概要を整理させていただいております。

 婦人相談所でありますと、1点目にまず「心理的ケアの状況」ということで、約半数が心理的ケアを実施していないというような結果が出ております。

 それから、今後、対象として支援の強化が必要だというようなところでありますと、「若年女性」とか「同伴児童」といったところが多かったということでございます。

 相談終了後に行っている支援、アフターケアでございますけれども、「基礎自治体との情報交換」が最も多かった。一方で、「実施していない」というところが3割強あったということでございます。

 また、一時保護所の退所後の支援となりますと、相談終了後と比べても全体に支援を行っている割合は高いという結果が出ております。

 さらに「民間団体との連携状況」でございますけれども、全体の75%が民間団体と支援方針を共有して連携していると回答がありました。一方で、余りできていない、民間団体がほとんどないというような回答が合わせて約2割ございました。

 「婦人相談所からみた支援につながらないケース」といたしましては、ケース属性としては「若年女性」「同伴児のいる女性」「障害(児)者」「高齢者」が比較的多く、支援につながらない理由としては「本人の同意が得られなかったため」が比較的多く、他法他施策で支援することが適当というような回答も多かったということでございます。

 また、一時保護の同意が得られない理由としては、「仕事や学校を休みたくない」「携帯電話やスマホが使えない」「外出が自由にできない」「同伴児が転校又は休校しなくてはいけない」が多かったということでございます。

 右に参りまして、婦人保護施設票の結果でございます。

 こちらについて、「支援ニーズに対する課題」ということで見ますと、施設では十分対応ができていないという支援内容を見ますと、「心理的ケア」が最も多く、「性暴力被害」「地域生活定着支援事業」「退所後支援」「外国籍の女性」といった順で挙げられております。その理由として、「専門性の不足」「人員の不足」が多かったということでございます。

 次に、「心理的ケアの状況」でございますけれども、「心理職員の配置がない、若しくは人員数が不足しており十分な支援ができない」「施設内で心理職がスーパーバイズを受けることができない」といった回答が挙げられております。

 施設退所後のアフターケアでございますけれども、「本人への電話連絡」は約7割でされております。また、「家庭訪問」につきましても約6割、こういったところはアフターケアをされているということでございます。

 次に、婦人相談員票、個々の婦人相談員の方へ調査を行った結果でございますけれども、「電話相談」「来所面談」が最も多いということで、一方で「地域の巡回(支援ニーズの発掘)」についてはほぼなされていないという結果でございました。

 今後、「体制を強化すべき対象」としては、やはり「若年女性」が約半数、続いて「同伴児童のいる女性」「障害(児)者」の順で多かったということでございます。

 民間団体との連携につきましては、約5割の相談員の方が民間団体と支援方針を共有しているという回答でございました。

 「支援につながらないケース」といたしましては、一時保護につながらなかった場合のその後の対応ということで聞いたところ、「市区独自の支援事業につなげた」、相談員が「自身で継続支援を行った」といった回答が多かったということでございます。また、婦人保護施設につながらなかった場合のその後の対応といたしましては、「その他」が約4割ございまして、例えば「警察と情報共有し見守りを依頼した」、「個人、知人、親戚等、支援者を探す」等が挙げられております。

 ここには記載がございませんけれども、都道府県の主管課に対する調査の回答としては、まず体制面においては婦人保護の専任の職員が置かれている割合は約3割、それから、婦人保護事業に関する予算の関係でございますが、地域、都道府県によって大きな差が見られている。さらに、都道府県において婦人保護事業の実施要綱や支援方針を作成しているというところが全体の約4分の1程度というような結果が調査結果として出ております。

 駆け足で申しわけありませんが、次は3ページでございます。

 これらの調査結果から、ワーキングチームの中で考察を行っていただいております。各調査票ごとに考察いただいておりますが、それらを全体として総合考察という形で考察いただいておるものの抜粋でございます。

 大きく1~4とございまして、「運用上の課題」「制度上の課題」「連携の仕組みの構築」「根拠法である売春防止法に関する課題」、こういったことでそれぞれ今後の課題とされる項目について考察いただいております。こちらのほうは説明を省略させていただきますけれども、記載にあるようなことで今回の検討の前段階としての調査の取りまとめをさせていただいているところでございます。

 続きまして、資料5でございます。

 こちらが現行の婦人保護事業に関する法体系等ということでございます。

 まず、1ページ目をおめくりいただきまして、売春防止法でございます。この法律は昭和31年制定でございまして、全体が4つの章からなっております。このうち、婦人保護事業につきましては、「第4章 保護更生」というところで規定がされております。

 第34条以下でございますけれども、第34条で婦人相談所、こちらのほうは都道府県が設置しなければならない。また、指定都市は設置することができるという規定でございます。第35条、婦人相談員でございますけれども、こちらも都道府県知事は婦人相談員を委嘱するものとする。第2項におきまして、市長は婦人相談員を委嘱することができる。このような規定の置かれ方となっております。

 婦人保護施設は第36条でございまして、こちらも都道府県は婦人保護施設を設置することができるということでの規定となってございます。

 2ページ目以降、平成に入りましてから、DV防止法でありますとか、人身取引対策行動計画、ストーカー規制法。婦人相談所を初めとした婦人保護事業が、それぞれの法律の中で一定程度の役割を担うということで、それぞれに規定が置かれているというような現状でございます。

 続きまして、資料6-1、少し分厚目の資料になりますけれども、こちらが婦人保護事業の現状でございます。

 こちらにつきましては、最初に婦人保護事業3事業の全体の概要がございます。今、申し上げた根拠法、対象とする女性、実施機関、こういったものを整備させていただいております。

 スライドの3ページ目が婦人保護事業の全体の施策展開のフローになってございます。婦人相談員、婦人相談所、一時保護所、さらに婦人保護施設、民間シェルターといったものが、支援の全体の中でそれぞれ位置づけがされているということでございます。

 以降、婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設、さらに45ページ以降は心理判定員、外国人の保護の状況、人身取引、婦人保護関係の予算、母子生活支援施設等、家庭福祉課のほうで持っているデータをそれぞれ資料として作成してございますので、これは今後の検討いただく中で参照していただければと思っております。

 1点だけ説明を加えさせていただきたいのですが、後ろから2枚目でございますけれども、69ページに「若年被害女性等支援モデル事業」という1枚の絵がございます。これにつきましては、平成30年度、今年度に新たに予算事業として取り組みをしたいということで、財務省からお金をいただきまして始めるものでございます。特に、困難を抱えた若年の女性の方にどうしてアプローチをしていくか、支援対象として支援につなげていくかというようなことの取り組みを、公と民間団体とが連携をとりながら、ここにありますマル1の「アウトリーチ支援」を中心に、事業の組み立てをしたものでございます。これから地域でこの事業が今後展開されていくわけですけれども、1つ新しいものとして御紹介をさせていただきたいと思います。

 それから、資料6-2が縦置きの2枚紙のぺらでございますが、こちらのほうは毎年度、各都道府県の婦人保護事業の担当部局から調査結果として、厚労省家庭福祉課のほうで把握しております。これも基本的な婦人保護事業の実施状況に関するデータでございますので、こちらのほうもあわせて議論の参考としていただけたらと思います。

 駆け足になりましたけれども、資料3~6までの御説明は以上でございます。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 次に、今後の議論の参考にするために、事務局のほうが御準備した主な検討事項案について、あわせて御紹介をお願いいたします。

 

○菅母子家庭等自立支援室室長補佐

 資料最後の1枚紙でございます。資料7と振ってございますけれども、こちらは「主な検討事項(案)」ということで、本日事務局のほうで用意させていただいております。

 大きく(1)~(3)とございますのが、この検討会の開催要綱にもございました、3つの検討の項目でございます。

 まず1点目に「対象とする『女性』の範囲・支援内容について」ということで、例えば包括的な定義や具体的な定義はどう置いたらいいのか。例えば、若年女性や性暴力被害者等のニーズに応じた支援はどのようなものであるか。また、被害女性や同伴児童への心理的なケアをどう進めていったらいいのか。これは例えでございまして、例えばこういったような検討事項が考えられるのではないかということで提示をさせていただいております。

 2点目でございますが、「他法他施策との関係や根拠法の見直しについて」ということで、説明の中では省略させていただきましたが、現在、婦人保護事業の展開においては、他法他施策が優先されるという考え方がございます。このことについてどう考えていくか。それから、現在根拠法となっております売春防止法、第4章の見直しについてどう考えるか。さらには、「婦人」「収容」「保護更生」といった用語の見直しについてどう考えるかというようなことを提示させていただいております。

 3点目といたしまして、「婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設の役割や機能について」ということで、それぞれの婦人保護事業3事業について、まず支援の実施体制、都道府県を中心に行われておりますところを県と市町村の役割をどう考えるか。それから、婦人相談所、婦人保護施設の機能についてどう考えていくか。さらに、婦人相談員の配置、関係機関との連携といったところを検討いただきたいと考えて提示させていただいておりますが、あくまでもこれは事務局の案でございまして、こういったことを中心に検討を進めたらいいのではないかという検討事項案でございます。

 説明のほうは以上でございます。

 

○堀座長

 ありがとうございました。

 それでは、事務局からの御説明を含め、構成員の皆様のほうから忌憚ない意見を頂戴したいと思います。本日は第1回ということでございますので、全員の構成員の方から御意見をいただければと思います。

 特に、今、説明がありました資料7の検討事項案は、非常に重要な今後の検討の内容でもありますので、こちらについても御意見のほうをお願いいたします。

 では、近藤構成員、お願いします。

 

○近藤構成員

 主な検討事項案の「(3)婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設の役割や機能について」というところに、役割や機能というところに入るかどうかわかりませんけれども、ぜひ民間支援団体とのそれを入れていただいて、そう申し上げますのは、ドメスティック・バイオレンスの被害者、性暴力被害者、今ではさまざまな性搾取にあえぐ若年の女性たちの支援にまず手をかけて、具体的な支援の実績を積み上げてきたのは、主に民間支援団体の貢献が少なからずあったのではないかと思います。

 この検討会が日本の女性支援の枠組みを大きく転換するチャンスになると私は考えておりますので、そういう意味では、被害を抱える当事者と一緒にこの問題を発見し、その方々の回復支援にさまざまな取り組みを進めてきた支援団体の位置づけ、民間支援団体の役割というものを正式に検討課題に入れていただきたいと思います。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 民間の役割、機能、それから位置づけという形でよろしいですね。

 戒能構成員、お願いします。

 

○戒能構成員

 たびたび発言して申しわけございません。

 おっしゃるように検討事項は極めて大事でして、何をどういう柱立てで検討事項に挙げるかということなのです。

 1つお伺いしたいことは、案だとお話しになったので、あくまでも案だという理解はしておりますけれども、しかしながら、この3つの柱はどういう基本的な考え方で組み立てたのかということが第1点です。

 第2点は、この検討会の着地点がわからないと、どこまで議論していいのか、どういう議論をしていいのかということが構成員としてもはっきりしないというところがございますので、今、お考えになっているところで結構なので、それをお話しいただきたい。まずは質問です。

 意見として、今、近藤構成員のほうから、民間団体といいましょうか、民間シェルターのお話がありましたが、それはこの検討事項の3つの柱を整理することが必要なのかな思います。例えば(3)は婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設と出ておりますが、もう少し大くくりにして、支援システムですね。支援体制をどう構築していくかということは、これはきょう民間団体の方が構成員として御参加になっているように、欠かせない社会的な資源であるわけですね。そうすると、民間団体も含めて、今までの婦人保護事業からもう少し枠を広げて、どういうふうに女性を支援するための枠組みを構築していくかという議論になっていくのだと思います。

 それから、申し上げてしまいますけれども、(1)の対象とする「女性」ですが、これは先ほど私が、支援実態調査の結果、貴重な結果を生かして議論したほうがいいのではないかと申し上げましたが、その中で、先ほどの御報告にもありましたけれども、支援ニーズがどこにあって、支援ニーズがあるにもかかわらず、1つは支援が不十分なままである。もう一つは、支援ニーズがあるのに、そこに支援が届かない、支援が行かない。あるいは支援のところまでたどり着かない。それは婦人保護事業というか、現在の女性支援の非常に大きな問題点だと思うのです。現状をきちんと押さえて、どういうふうにその解決策を探っていくかということこそがこの検討会議の主要な使命ではないかと思います

 ですから、(1)はもう少し実態に即して、タイトルをどうするかは別として、支援の問題、これは心理的ケアが非常に大事ですけれども、それだけではないわけです。そういうものを入れ込むことと、順番としては(1)があって、(3)が次に、支援体制があって、最後に根拠法の問題、これは売防法だけではなくて、現場で非常に大きいのがDV法ですよね。DV法とうまくいかないわけです。ですから、そこらあたりも入れて、最後に根拠法。

 そして、そのときに重要なのが理念です。どういう理念で検討をした結果、改善策を提言していくのかという理念の問題がなければなりません。今のところの考えを言いますと、やはり利用する女性の状況、ニーズ、立場をいかに尊重した支援の枠組みがつくれるのかということだと思っておりますが、そういう根本的な議論をぜひ中に入れていただきたいと思っています。

 長くなって申しわけないのですが、「用語の見直し」とありますけれども、これについて掲げることはいいのですが、既に前回の検討会議で議論したことでありますし、改めて議論する必要があるのかなとちょっと疑問に思っております。

 以上です。長くなりまして済みません。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 

○大谷構成員

 私も関連の質問です。

 

○堀座長

 では、どうぞ。

 

○大谷構成員

 大谷です。

 関連の質問ということで、その範囲なのですけれども、検討事項の中で、これが困難な問題を抱える女性への支援のあり方ということで、婦人保護の観点からで、売防を入り口にするということはよくわかるし、そうだろうと来ました。

 ただし、それぞれのアンケートが若年女性への保護が欠落しているという視点が既に出ているとすると、児童福祉との関係をどうするのか。児童相談所との関係をどうするのかに関しては、本検討会では問題にしないとするのか、そこも視野に入れたものとするのかに関しては、最初に区切りとして決めていただきたいというか、私などは婦人相談所と児童相談所との連携、もしくは児童相談所の問題もかなり大きいと思っているところも正直あります。その辺、谷間になる問題は多々ありますので、婦人相談所と児童相談所との谷間におっこちてくる中学、高校生という若年女性が多々いて、この辺をどうするのかということに関しては、最初に決めていただきたいと思います。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 制度の狭間にある女性の問題ということですね。

 

○和田構成員

 今の大谷構成員に関連するのですけれども、若年女性ということで、18歳未満の対象になる女性もですが、同伴児童につきましても、婦人相談所、婦人保護施設の一時保護も含めて、実際に児童が主体ではなく同伴ということで支援をさせていただく立場になっていて、でも一方で児童相談所では主体となると。そこの、婦人相談所の一時保護なりで支援するときの子供の立場。それから、児童相談所にかかわっていただくときの子供の立場。その時々に、どこで支援するかによって、子供の立場なり支援の中身が変わってくるということは現状にありますので、今の関連ということで、児童相談所と婦人相談所、ほかの婦人保護事業の関連について少し整理していただけたらと思います。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 廣瀬参考人、お願いします。

 

○廣瀬参考人

 全国母子生活支援施設協議会から参加しております、廣瀬でございます。

 今、困難な問題を抱える女性になかなか支援がつながらないというところなのですけれども、母子生活支援施設は児童福祉の立場からここに参加させていただいており、婦人保護施設から母子生活支援施設につなげようとしてもなかなかつながらないのだということをいろいろなところから聞かせていただいて、ここが本当になぜなのだろうと現場では考えて、つながる命があるのにという思いがあります。そこら辺を議論の中にぜひ含めていただきたいと思っております。

 

○堀座長

 では、一旦ここで、質問に対しての事務局から今の考えをお伺いさせていただいて、戒能構成員のほうからありました、この柱立ての考え方と着地点。それから、大谷構成員、和田構成員のほうからもありましたが、若年や同伴児童も、支援、制度の狭間にある女性たち、他法との関係の中でどういうふうにこれを扱うのか、そこら辺も議論に入れていくのかというような、今、3点大きく出ていたかと思いますが、このあたりの御質問についていかがでしょうか。

 

○度会母子家庭等自立支援室長

 まず柱立てのほうですけれども、今回、開催要綱としまして、資料1のほうで「2.検討事項」として3つの検討事項を挙げさせていただいております。この検討事項を大きな柱としまして、先ほどの資料7のところで細かな点を行っていければと考えているわけでありまして、それから、柱立ての順番、戒能構成員から御意見があったように、まず1番で、次に3番で2番ではないかという点もあるかと思いますが、この順番は、最終的に取りまとめ、論点を整理していく上で変えていただければと思っております。

 それから、着地点はなかなか難しい。我々のほうは、まずは論点を整理したいという形で、秋ごろ、10月末ぐらいとして、その上で検討状況を踏まえて、まだ検討を行っていく場合は続けていきたいと思っていたわけですけれども、先ほど、しっかりと2年ほどかけてと御意見もございましたので、そこはまた整理をさせていただければと思っております。

 それから、若年女性の関係で、児相との関係という御意見もありましたけれども、婦人相談所と児童相談所、これは現状でも連携をとるようにという形で行っているところでございますが、児相との連携する部分、ここで申し上げますと(3)の一番下の「関係機関との連携」、これは関係機関として一くくりにしておりますけれども、公的な機関も入りますし、民間団体も入ってくるという形になっております。ただ、児相そのものの問題をこの検討会で行っていくという形になりますと、また趣旨が異なってくるのではないかと考えております。

 それから、同伴児童の支援という形で、特にDVの問題では同伴児童という形で児童の支援が必要になってきますので、そこも児相との連携というところから入っていくこと。それから、児童に対する支援の方法といったことを御議論いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 仁藤構成員、お願いします。

 

○仁藤構成員

 2点意見と1つ質問なのですけれども、私も任期が3月までということでは、現場に生かせるような検討会にならないのではないかということを懸念していまして、せっかくこの調査結果なども今まで出ていますから、ちゃんと現場の支援に生かされるような制度とか運用の問題も含めて、改善につながるようなことにしていきたいと思いますので、ぜひ何年かかけて議論していくような方向性にしていただけるといいなと思います。

 また、私たちは中高生世代の女子を対象に活動していまして、虐待とか生活困窮などを背景に家にいられなくて街やネットをさまよう中で、危険な人、支援につながる前に危険に取り込まれていて、特に女子の場合は性的搾取、JKビジネスや援助交際などの性売買へのあっせんという被害に遭った子たちとかかわっているのですが、そういう若年の中高生世代の女の子を支援するときに、どうしても児童相談所との連携というところで、特に性に関する問題だったり、性的搾取の被害に遭ってトラウマがあったりする女の子たちが、児童福祉の中では見切れないということを正直児童相談所の職員の方からも言われていまして、一時保護所では保護できないとか、里親さんも施設の自立援助ホームも難しいなんて言われてしまうので、そういうときに、ぜひそういう子たちも婦人保護施設を使えるようになってほしいなといつも思っています。ただ、そうなると、学校にそこから通えるのかどうか。あと、大学生も含めて、大学をやめずに安心した環境でそこから学校に通えるのかということも問題になってくると思っているのですが、長年性的搾取の被害に遭った女性たちの支援をされてきた婦人保護施設が、ぜひ若い女の子たちを扱えるようになってほしいということがお願いです。

 また、1つ質問なのですけれども、活動する中で、私たちがアウトリーチとかでつながる人の中には、重い障害とか大変な困難を抱えて中長期的な生活の場が必要な10代、20代の女性たちがいるのですけれども、私たちも活動の中で婦人保護施設の方々と関係を築いて、こんなケースで受け入れ可能ですかと相談しても、実際には入所の判断をするのは措置機関となってきますから、その相談者にも、私たちとしても実現可能な選択肢というものを具体的に示せないという状況があります。例えば、婦人保護施設でこういうところがあってねと言ったとしても、そこに措置してもらえるかということは措置機関の判断になってくるので、なかなかそこの連携が難しいなと思っています。

 また、先ほどの調査結果にもあったのですけれども、必要としている若い人たちが婦人保護施設を利用できるようになってほしいと思っても、そもそも役所、福祉事務所に相談に行くまでに高いハードルがあって、でもその婦人保護施設を利用するには、まずは役所で相談して、さらにその後婦人相談所の女性シェルターに入らなければならない。一時保護を経由しなければならないということで、携帯禁止などのルールもあるし、婦人保護施設の見学もできないということなどから、入所までたどり着けないというようなことが残念ながらほとんどということになっています。

 また、福祉事務所に相談に行っても、婦人相談員の方がこれまでの御経験から、どうしても若年女性は婦人相談所では措置してもらえないんだよねなんて思われていて、相談自体を受け付けてくれなかったり、初めから婦人保護施設への入所の可能性について否定的であったりすることだったり、利用を希望する人に対して、シェルターは窮屈なところだけれども我慢できますかというような、その利用者の女の子たちの立場からするとおどされたという言葉を彼女たちは使うのですけれども、そういうように感じるようなことを言われることが多くあるのです。

 また、最近もあったケースでは、一度女性シェルターとか一時保護を利用して、うまくいかなかったらできることがなくなってしまうんだよというような感じでかなり厳しいことを言って、入る前に覚悟を決めさせるというようなことをしようとする相談員が結構いるのですけれども、やはりそういうことによって支援の利用を断念する人が多くいるので、まずつながれないということが大きな問題だと思っています。

 婦人保護施設という施設があることも世間の多くの人は知らないと思うのですけれども、そういう中で、暴力の被害者が知らないところ、どこにあるか、どんな雰囲気で誰がいるのかということがわからないところを怖いなと思うのは当然のことだと思います。なので、特に暴力の被害に遭ったり支配の関係性の中で生活してきていると、落ち着いて考えられる場所がなければ、これからどうしたいかということも考えることができないということが多いので、入所のハードルをぜひ下げて、一旦入って考えましょうということができるようになるといいなと思っています。

 そのために、この検討事項の中にもぜひ、措置とか入所の制度の見直し、相談員の福祉事務所での運営の問題なども含めて話し合っていきたいと私は願っているのですけれども、特に婦人保護施設が見学とかお試し入所ができるようになったり、せっかく施設の方々との関係もありますから、私のよく知っている人が寮長をしているから、そこに見に行ってみないなんていう形で一緒に見学ができるなど、そういうふうに入所の仕組みを見直すための時間もとっていただければと思います。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 前回の、先ほど紹介されていた調査結果の考察のほうでも、婦人保護施設の入所にかかわる体制ということは挙げられていましたので、こういったことも含めて調査結果などの御紹介も含めて議論できればと思います。

 

○村木構成員

 村木です。

 第1回ですので、具体的なというよりは、考え方について少しお話し申し上げたいと思います。

 1つは、この検討会のタイトル自体なのですけれども、「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」ということで、婦人保護事業という名前をあえて変えて、広めのタイトルにしているということは、これは事務局のほうの意気込みがよくわかるし、我々の期待もそれだけ増しているなと感じております。

 その意味で、全体を議論する際の定義であるとか、理念であるとかということがとても大事になるだろうと思うのですけれども、大きく分けて2つ申し上げたいのは、1つはこの10年間で社会福祉の仕組み、考え方が随分変わりました。例えば、障害者についても、自立支援法以降、総合支援法の中で、支援の考え方そのものが変わっている。それから、生活困窮者支援法もそうであります。そういうところからよく学んで、その考え方を取り入れてくることが必要だろうと思っています。

 具体的に申し上げます。支援を考える際に、真ん中に支援の仕組みを置くのではなくて、真ん中に当事者を置く。その当事者をどうするのかということを中心に考える。そうすると、連携の問題というものも、その当事者をどういうふうに支援していくかということで当然出てくるし、もう一つは、一時の支援ではなくて、その当事者の一生をどう考えていくのか。まさにどういうふうに自立を支援していくのかということが出てくるということが2点目であります。

 連携という意味では、その意味で障害者もそうですけれども、全てを公がやるのではなくて、公民連携で進めていく。今、民間ですばらしい活動をされておられます。ただ、力が足りないので、そこをどうアクティベートしていくのかという視点は必要だろうし、当然ながら公民連携という視点が必要になるだろうと思います。

 もう一つ、これはなかなか難しいのですけれども、やはり措置の限界はあります。措置を、例えば障害者のように権利に変えるということは大転換になるので、すぐできることとは思いませんけれども、ただ、事務局でいろいろ検討していただく、あるいは我々が議論するときの基本的な考え方として、措置を与えるのではなくて、まさに当事者を中心にしたそこの権利なのだという考え方で議論をしていく必要があるのではなかろうかと思っております。

 それから、もう一つ大きな理念とか定義のところの考え方なのですけれども、これは私の役割でもあると思っているのですが、直接のここの支援者とか直接の当事者だけが納得する結論にしてはならないので、はっきり言えば残り半分の男にどうやって、それは大事だよね、やらなければだめだよねということをわかってもらえるような仕組みをつくっていく必要があるだろうと。最終的には、これからだからはっきりはおっしゃらないでしょうけれども、大転換になるような基礎がきちんとできれば一番いいだろうと思っております。

 1点だけ具体的なことで、そういうことを進めていく上でも、先ほどからお話がありましたこの調査研究は大事なスタート点になると思いますので、先ほど説明を省略されました、この調査結果からの考察のところは、どこかの段階で1回きちんと共通認識とさせていただくことが必要かなと思います。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 では、横田構成員、いいですか。

 

○横田構成員

 横田です。

 まず、私も村木さんと同じように、この検討会が立ち上がるということを聞いたときに、婦人保護事業のあり方に関する検討会と思っておりましたら、こういうタイトルが示された。そして、御出席の構成員のお名前を拝見して、非常に広く深く考察されていると思って、これを一体どの方向に持っていかれるのだろうかということがとても気になって、この日を迎えたわけです。

 私たちは、婦人保護事業、売春防止法の第4章に出てくる保護更生の中にある、たった1つの公的な女性を支える事業なのです。これしかないのです。この脆弱な実態の中で現場はどうしているかというと、きょう、仁藤さんや橘さん、ゆずりはの高橋さんもおいでになってくださっていますけれども、本来この婦人保護事業がアウトリーチにしなければならない事業を、長く当事者に向き合いながらやってきてくださっている現実ですよね。ということは、本来必要なことを私たちは見逃していると言ってもいいぐらいだと思うのです。

 今、現場で何が起きているかというと、売春防止法の支援では限界です。そして、この間厚生労働省からも発表がありました、平成28年度の利用率が22%です。それで、今回の検討会に臨んで大急ぎで、民営、公立民営、民立民営の施設だけでも今日中に皆さんに発表したいということで、利用率を聞きました。全く一時保護が入らない、民民だけで29.9%なのです。考えられない実態なのです。本当に危機的な状態なのです。

 では、婦人保護施設を利用する利用者がいないのか、減ってしまったのかというと、一方では、今、仁藤さんからお話があったように、婦人保護施設を利用したいという意見は多くあるのです。また、私たちもDVの方たちと出会って、このニーズは山のようにあるのです。ここが非常に乖離しているのです。この制度と実態の乖離の問題は支援しているとやり切れない。これだけの状況が起きているのに、私たちはこの数字でいいわけと心が削がれます。今でも駆け出して1人ずつ迎えにいきたいぐらいのような心境です。

 それから、これは議論もしてきた問題ですけれども、今、婦人保護施設が、売防法とDV防止法と、保護と自立の機能の2つを同じ敷地の中でしているという問題も大きいのですけれども、この根っこに女性の生きづらさと被害の実態が非常にあるので、ここは現場は踏ん張って支援をしております。しかし、どちらもそうなのですけれども、施設を利用した後の余りにも脆弱な施策の貧困です。暴力を受けた子供たちやお母さんたちの支援です。一旦一時保護を出られた後、母子たちは物すごくメンタル的にも経済的にも想像を絶するような生きづらさを背負うことになるのです。だけれども、そこから支援がほとんどつながっていないのです。システムが整備されていないのです。これが今、社会の中で生み出されている実態なのです。

 それから、性被害、暴力の問題はDVだけではなくて、売防法で入所される女性たちの中でも大きな原因になっているのは暴力です。特に性暴力です。こういう実態が明らかな数字として上がってきていますし、今回、調査研究の中でも性暴力の被害の数字も上がっておりますけれども、性被害を受けた方たちの支援の困難さは、24時間365日いる者でなければ本当にわからないと思います。それは支援が大変ではなくて、女性たちの苦しみが突き刺さるように伝わってくるからです。それが放置されていいはずもありません。もちろん心理的なケアをしておりますけれども、とても薄いです。これが一人の人の人権侵害と言わないで何だろうかと私なんかは思ってしまうわけです。それともう一つ、性被害の低年齢化が、今、社会の中で氾濫しているのです。私は急務に国が取り組むべき、解決すべき事項だとすごく思っております。

 そう考えると、そういう子供たちが傷ついて成長し、やがて居場所がなく、BONDColaboのところに、あるいは高橋さんのところにつながっていくのだと思うのです。先ほど戒能構成員からも着地という言葉が出ました。私たちは大きく声をあげて被害実態に即さない、売防法では限界と言っているのです。現場から悲痛な訴えを叫び続けているのです。このことを、きちんとこの検討会の中で、タイトルに添った多くの意見を集約して欲しいのです。何が必要なのだというところに持っていっていただきたいと思います。

 また改めて、プレゼンテーションがあるときにはもっと細かに報告をしてゆきたいと思います。着地点は、私たちとしては非常に期待すべきところと考えます。それは、背後に利用者がいるからです。利用者に対して、みんなが生きやすいような法律に今、変わっていこうとしている事をしっかりと私たちは返してあげなければいけないと思っていますし、支援者も同じことだと思います。国は決して曖昧にしているとは言いませんけれども、是非一筋の明かりが見えるような方向に向かって動いていっていただきたいと思います。

 

○堀座長

 では、和田構成員、お願いします。

 

○和田構成員

 私どもの婦人相談所も、都道府県設置の行政機関です。行政機関は、本来でしたら法令に基づいて仕事をさせていただくということが当然のことなのですけれども、そう思ってきたのですが、婦人相談所につきましては売春防止法、それからDV防止法の配偶者暴力相談支援センター。そのようなさまざまな法律、通知もありますけれども、そのようなことで仕事をさせていただいていて、もともとは売春防止法がありますから、そこにつけ足しをするようにいろいろな法律や行動計画などに接ぎ木をするようにして仕事が与えられてきているということが現状です。その中で、支援する女性が1人であるにもかかわらず、その人の主訴が何であるかによって全く支援が変わってしまう。それが現状です。

 何が言いたかったかというと、要するに私たちが行政機関として、何に基づいて仕事をするのか。そこのところの整理をしていただきたいということが基本にお伝えしたかったことなのですけれども、そのベースになること、事例をお伝えしたいと思いますのは、皆さんのお手元に配られました売春防止法と、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、1、2と書かれています。この1のところで、「第4章 保護更生」、第34条(婦人相談所)、この3に「二 要保護女子及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的及び職能的判定を行い、並びにこれらに付随して必要な指導を行うこと」と書かれています。

 一方で、DV防止法につきましては、この第2章の配偶者暴力相談支援センター等の役割になるわけですけれども、第3条の3、そして二に当たります。「被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的な指導その他の必要な指導を行うこと」になります。要するに、私どもが支援するとき、要保護女子かDV女性かというところで、細かいところに行きますと、判定するのかしないのか。では、単にDV女性であれば判定はしてはいけないのか。で、指導なのか。そういうような本当に小さなことですけれども、私たちが仕事をするときに当たって、本当に整合性がとれないさまざまなことがあります。これだけではないです。

 本当にたくさんの通知が出ていて、その通知で全部整合性をとってみても何だかよくわからないところが出てくる。そういったところも現在ありますので、私どもとしては、私どもが何にのっとって、本当に全ての支援をする女性に対してどのような支援をするのかということをまずは整理していただきたい。それが、本当にこの検討の中で、全てをということは難しいかもしれませんけれども、その視点はきちんと持っていただきたいと思っているところです。

 それから、3番目のところに、検討会題の中に婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設の役割や機能についてとお話がありましたが、先ほど村木構成員がおっしゃってくださったとおりに、この検討会のもともとの課題の名前が、困難な問題を抱える女性への支援ということであれば、この(3)に書かれているこの3つ、売春防止法ができたときから、私どもは3者で婦人保護事業と言ってきましたが、この婦人保護事業ということでよいのか。ここで役割や機能について確認していただければ、その次の段階として、では女性の支援がこの婦人保護事業でいいのか。そこに民間団体の方々と御協力しながら、全ての女性の支援をどのように構築していくのかというようなことを考えるような方向性は持っていただきたいと思っています。

 最後になりましたけれども、先ほど村木構成員、戒能先生のお話にもありましたように、この検討課題の3本柱をつくっていただくベースには、昨年のこの調査研究があると思います。これに基づいてこの検討課題をつくっていただいたのではないかと思いますから、特に調査結果に基づいてそれぞれの構成員が丁寧に考察をして、それをまとめていただいたものですから、それは丁寧に皆さんで共有させていただいて、この議論に生かしていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 高橋構成員、どうぞ。

 

○高橋構成員

 ゆずりはの高橋と申します。

 私は児童養護施設や里親家庭を使った方々の支援を中心にやっているのですが、思いがあふれてきてしまって、きょうこんなすごい場にいさせてもらって、お伝えできることは、本当に苦しい思いをしてきた女の子たち、女性たち、支援が必要なのに、居場所を求めているのに、保護されたいのにそこにたどり着けないという人たちの声をきちんと私はかわりに伝えにきた、それが役割だと思っています。

 今までお話ししてくださった皆さんの御意見であったのですが、本当にこの会議を契機にして、抜本的な見直しですよね。売防法のあり方にしても、困難な女性を本当に支えていくのだ、支援を変えていくのだと思うのだったら、数カ月でぱぱっと話して終わるような期間では絶対にできないという思いがあります。

 そして、この検討会の名前に、困難な問題を抱える女性への支援のあり方とあるのですけれども、私は困難な問題を抱えさせられた女性だと見ています。支援する根拠のところがDV法であろうが売防法であろうが、そもそものところでみんな被害者であるということを大前提として議論していってもらいたいと思います。

 少なくとも、私はもともと社会的養護の施設で9年間支援をしてきて、今、アフターケア専門で7年ぐらいやって、1718年この業界でやっているのですが、私が出会ってきた女の子たち、女性たちで、好き好んで自分の体を介してお金を得て生計を立ててきたという人は一人もいないです。自分の命をつないでいくために、生きていくために、これしか方法がないという手段で風俗で働いたり、男性からお金をもらって自分の性を売ってということをやってきた人たちです。なので、罰せられるとか指導されるという前に、まず保護されたり支援されたり、寄り添ってもらう、守ってもらうということがそもそも必要であったのに、それをされなかったから何とか生きていくすべとしてそれを選んできたということがあるので、私は今でも売防法の文言をいろいろ見ると、言葉は悪いのですけれども、虫ずが走るというか、これに関しては今までたくさん議論していただいているということなので、ここでは割愛しますが、私は売春防止法そのものが女性の尊厳を奪うような文言であったりあり方だと思っているので、この法律自体も変えていくというところでやろうとしてくださっていると思うのですけれども、そこをまずという思いがあります。

 そして、仁藤さんのお話とも本当に重なるのですけれども、困っている人のニーズは山ほどあるのです。それは多分ジュンさんのところでも夢乃さんのところでも、うちでもそうですけれども、助けてくださいという声は毎日のように届いています。私たちも、私たちが保護してお金を出して何かシェルターをつくってではなくて、今、実際にある婦人保護施設という場所、一時保護所という場所をきちんとそれを使いたい、そこにつなげたいという思いがあります。

 私がアフターケアをそもそも始めたのは、自分の施設を巣立っていった子たちが、望まない形で性産業で働くだとか、望まない状況で妊娠してしまうとか、それが中絶の時期も超えてしまって出産に至ったという人たちをたくさん見てきたので、そういう人たちが今ある支援に、女性の支援に適切につながっていくためにそこをサポートしていくという思いで、今、7年目になるのですけれども、このアフターケアの事業を始めました。

 私たちが寄り添って窓口の支援に、婦人保護施設に入れるように、一時保護してもらえるように婦人保護施設に行けるようにと、私たちが一緒に行っても交渉してもそれがスムーズにいくかというと全然いかないのです。全然いかなくて、条件つきの保護というか、これが我慢できるなら、スマホを持たなくていいのだったら、刑務所のような場所だけれどもという、これが我慢できるのだったら、保護してもらいたかったらこの条件でというようなことをいろいろ並べ立てられて、そこでもういいやとなる人もいます。そこを何とか我慢してというので一時保護につながっても、やはり先が見えない、自分が婦人保護施設につながれるのかどうかもわからない、または生活保護でアパート転宅になるかもわからないという漠然とした不安の中で、その一時保護のシェルターにいる中で飛び出してしまう女の子もたくさん見てきました。

 その数が余りにも多いので、言うのもはばかられるのですが、私たちは今、女性の相談が来たときに、正直、婦人保護施設を適切に利用するという選択肢は一番後回しにしています。それよりは、生活保護ですぐアパート転宅にしてもらえるような交渉を行政としています。婦人保護施設を運営している方にはそういう女性の気持ちがわかる心がある人たちが待ってくれているのに、その間のプロセスがごちゃごちゃし過ぎていて私もよくわからないのですけれども、何でこれがスムーズに利用できないのだとか、婦人保護施設にこれだけ空きがあるのに、これだけ専門のプロフェッショナルが待ってくれているのに、そこにたどり着けていない状況、利用できない状況があります。利用できないのは、利用したいという本人たちの甘えとかわがままではないということも知ってほしいと思います。

 これぐらいにしておきますけれども、調査研究の中、この2枚の調査の簡単にまとめてくださった中で、2ページ目で、婦人相談員のところで、「支援につながらないケース」というところで、「特に支援は行わなかった」が7.4%もあって、そもそも、相談する窓口に助けを求めにいくということだって、本当に一部のごく限られた人が勇気を持って行ったのに、そこにたどり着けない、相談できない人もたくさんいる中で、そこに相談に行ったのに、いろいろな理由で支援できないまま終わってしまったというような数がこれだけあるということに、本当に胸が痛みます。

 女性相談ってああだよとか、婦人保護のシェルターって本当にこんな場所なんだという情報だけは若い子たちの中でどんどん広まっていくので、それは利用しない、当てにしないというようなことがどんどん広がっていくことにもすごく懸念しています。

 やはり、ニーズはあるということと、私は本来支援を求めている人が適切に安心して支援が受けられる、もう一度生活が立て直せるというような仕組みをつくっていくために、抜本的にこの会を介して変えていってほしいと思います。あと、性被害や性虐待を受けてきた人たちを、私たちは生活保護でアパート転宅という支援につなげてしまっている。私たちもいろいろ病院の同行のサポートをしているのですけれども、それでは全然追いつかないのです。本当は一つ屋根の下で一緒に生活している中で、毎日寄り添っている人がいる中で、受けてきた被害を少しずつ治療していくというものが必要なのに、今、全部アパート転宅という形にしてしまっていることもちゃんと伝えなければと思ってマイクをとりました。

 取りとめもなく話してしまったのですが、今後ともよろしくお願いします。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 それでは、松本構成員、お願いします。

 

○松本構成員

 全国婦人相談員連絡協議会の松本です。

 今、高橋構成員のお話が、相談員として身につまされております。

 この主な検討事項のところで、これは検討していただきたいと思ったのが、「(2)他法他施策との関係や根拠法の見直しについて」のところです。「根拠法となる売春防止法(第4章)の見直し」とだけ書かれてあります。先ほど、村木構成員が、社会福祉の考え方で真ん中に当事者を置くということを言われましたけれども、被害女性を当事者として置く場合に、第4章だけでなくて、先ほどの法律のところを見ていただくとわかりますように、「第2章 刑事処分」、「第3章 補導処分」というものがあります。全国婦人相談員連絡協議会では、「補導処分、婦人補導院への収容」とあるここは撤廃していただきたいと思っています。売春を5条違反等で、保護処分となったときに、婦人補導院に行って、そこで半年間も収容されているということが、どれだけその方の人権を阻害するかということを考えると、やはり罰ではなくて支援をする。ですから、婦人保護施設で支援をしていただくということになるのが本当ではないかと私たちは要望書を出しているところです。きょう、ここに法務省の方も来ておられますけれども、このことは厚生労働省の管轄ではないかもしれないのですが、ここのところを検討課題に入れていただいて、ぜひとも女性たちの人権を擁護する立場、当事者を支援する立場で、第4章だけではなくて検討課題に当てていただけたらと思います。

 それから、「(3)婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設の役割や機能について」ですが、婦人相談員相談・支援指針が目的としたように、全国どこでも同じような支援を受けられるとなりたいところですが、全くそういうふうにはなっておりません。婦人相談員自身も、1年、2年、3年の雇いどめとか、不安定な雇用体制の中で仕事をしていますけれども、研修もなかなか受けられないという相談員も多くいます。それで、支援をスムーズに行うことが容易ではない状況もあります。ですから、その辺もぜひとも今後検討していただいて、実態に、支援ニーズに即した検討案ができるようにお願いしたいと思います。

 ありがとうございます。

 

○堀座長

 大谷構成員、どうぞ。

 

○大谷構成員

 私は、枠を決めてもらいたいということと、抜本的にやりたいという気持ちと両方あります。皆さんに考えていただきたいのは、売春防止法の問題はそもそも4章の問題ではなくて、法の目的から始まって、刑事、補導処分という1章、2章、3章も全部含めて、売春防止法が一体何を目的としてどういう法のたてつけでという、まさにその基本のところが、非常に本当は問題なのではないかと。

 きょう、刑事局の方もいらしているので、ここはやるのかやらないのか、要するに保護だけ、この4章の保護更生だけに手をつけて、この売春防止法の刑事、補導処分に関しては、ここはもう手をつけない。要するに、刑罰のあり方に関しては手をつけないけれども、支援のところだけはするのだということなのかどうかをはっきりしていただきたいなと思います。ただし、やはり支援を問題にするのだったら、それがいかなる事情でどういうふうな形で社会に位置づいている行為なのかどうかということは、この刑罰に値する行為なのかどうかも含めて、とても重要な問題だと私は思っているのです。それがはっきりしないまま、女性の今ある立場だけを緊急の問題として、そこだけを当面の課題としてやるのか、そうではなくてやはり刑罰も含めて、あり方そのものまで含めて問題にするのかどうかということはすごく重要な問題なのですけれども、このタイムスケジュールを見ると、そこは触らないのだなというか先送りするのだという姿勢なのかなと思ったのです。

 でも、やはり刑罰のあり方は触れないのか、要するに、法的な社会規範としてどうあるべきなのかということに関しては、抜本議論はしないのかというようなことも含めて、御意見は伺っておきたいなと思います。そうしないと、抜本的に1年2年かけてやりたいという内容と、この4章だけの支援だけに限って緊急に結論を出そうという姿勢とそごが出てきてしまうと思うのです。今回に関してはこれだけ、だけれども、もっと大きな問題もあるよという形で先送り的にしていただけるなら、いずれきっとそこでやってくれるのだろうということで4章に限った議論にすることもあり得るかもしれませんけれども、いや、そうではないのだということも、基本理念にもかかわる問題ですから、そこは姿勢を明らかにしていただきたいなと思います。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 では、事務局、お願いします。

 

 

○成松家庭福祉課長

 ありがとうございました。

 いろいろな御意見をいただいておりますけれども、この検討会を立ち上げた趣旨は、支援とか保護と言われていますけれども、女性への支援のあり方をどう考えていくかというところをまず中心に考えていただきたいというようなことを想定してこのような検討会をさせていただいています。

 そういう意味で言うと、大谷先生がおっしゃった刑罰のところを直接、あるいは児童福祉の部分を直接議論する場ではないとは理解しておりますが、ただ、議論していく中でいろいろな論点というのは、やはり密接に絡んでいるものですから、いろいろなところが出てくると思いますので、そこは否定はしませんし、言っていただいたら結構だと思いますけれども、そういったいろいろな関連する論点につきましては、きょうもオブザーバーで法務省も来ていますけれども、しっかり聞かせていただいて、そこで御意見として踏まえていただくということもあり得るのではないかと思ってございます。

 あと、スケジュール感につきまして、いろいろな方から御意見、御質問がございました。秋ぐらいに論点整理をするという言い方をしておりますけれども、その論点整理で終わりというわけではなくて、その論点整理に沿ってまた何回か議論をするということを考えてございますし、皆さんの任期が3月までということで、一応これで会計の関係で区切らせていただいているとは思うのですけれども、一方で、まだ議論をする必要があるということであれば、3月以降もそういった議論を続けていくということになりますので、必ずしも3月で全て終わらせるというつもりもございませんので、そこは安心してと言うと失礼になるかもしれませんけれども、そういった形で受けとめていただければと思います。

 一方で、先ほど、戒能先生、あるいは施設の方からも現場でなかなか切実な思いで、支援をしているのだというようなこともございますので、できるだけスピード感を持ちながら、ただ、一方で丁寧さというものをしっかり、さまざまな方々の支援に携わっていただいている方々がいらっしゃいますので、その方々の意見もしっかりと受けとめながらやっていくと、そういった意味で二律背反のようなこともございますけれども、そういった両方の視点を持って、我々としても議論をサポートしていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 残り時間も少なくなってきました。まだ御発言のない方中心にどうぞ。

 

○前河構成員

 大阪府家庭支援課長の前河と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 大阪府のほうも、今回皆さんから御意見が出ているように、大阪府内、例えばですが市町村を含めたトータルのDV相談件数は年々増加していっているところなのですが、一方、女性の保護、婦人相談所の一時保護件数ですとか、保護を必要とする女性が入所する施設の入所件数が減少傾向にあるという実情がございます。

 このような実情に対して、保護を必要とする女性に適切な支援が提供されているのだろうかという課題認識のもと、実態調査、事例検討を実施いたしました。その結果を踏まえて、社会福祉審議会のもとに、女性保護支援等検討専門部会を立ち上げまして、そこで実態調査から見た実情を踏まえて今後の御提言をいただいております。

 実態調査、事例検討につきましては、市区町村の窓口ですとか、女性を保護する施設としまして、婦人保護施設だけではなく、救護施設や母子生活支援を含めての調査を行っております。また、調査方法につきましても、アンケートやヒアリング、事例検討といった多岐にわたった調査をしておりまして、先ほど、国のほうでも実態調査の結果を踏まえてということもございましたけれども、大阪府としまして、取りまとめました調査結果を踏まえた提言内容ですが、考察といったことも一定はまとめておりますので、また次回以降に御紹介する機会をいただきたいと思っています。

 引き続きまして、もう少しそれを踏まえて実務に照らしてどうしていこうかということも現在まだ進行形なのですが、きょう参考人としてお越しいただいている廣瀬先生も御一緒にワーキング会議をもちまして、今後のあり方に向けた、できるだけ前向きな議論を進めていきたいと思っているところですので、またそのあたりも含めて御紹介させていただければと思います。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 では、橘構成員、お願いします。

 

○橘構成員

 生きづらさを抱えている10代、20代の女の子たちの支援をしている橘と申します。

 今、うちはSNSで相談を受けているのですけれども、保護とかが必要になるような女の子から相談を受けた時、その子の居住地の行政機関ではなくて、私たちみたいにたどり着いた先で行政につなぐといった場合があります。福祉事務所の人とかもそうなのですけれども、すごく嫌がるじゃないですか。居住地が違う人を連れていくと、「あっちに行きなさい、こっちに行きなさい」と言って、どこが対応するのかが決まるまでに時間がかかってしまったり、行政間の押し付け合いに巻き込まれてしまう。そういうことでいろいろ大変なのと、あと、すごく大変な状況の中で、ようやくそうやって支援につながろうと思って連れていったのに、そこで、パニックになってしまったり、過呼吸になってしまったりして、そういう状況の子に対して、「体調を治してから相談に来て」と言われたりしたこともありました。治してから相談に来てと言うなら、その後、ここに来ても保護はできないけれど、その先の選択肢があるならわかります。その後どこか行ける場所を提示してくれたら、「わかりました」と、納得できたり、違った場所の方でとなるのですけれども、それもない。ここしかないのに、窓口でまずはじき返されてしまうというのは問題だと思います。それはまだ「こういう女の子たちがいて、こういった女の子たちを保護しよう」とか「何とかしていこう」という問題意識の統一みたいなものをしていないのかなと感じます。こういったことが本当に大事なのにと思っています。あと、福祉事務所がない自治体もあるではないですか。そうすると、大変で、お金がなくて、居場所がなくて、そういう居場所をつくるためにSNSで人繋がったり、街で声をかけられて男の人のところへ行ってしまうという子に対して、すぐ生活保護という方向性になるのだけれども、やはり被害体験とかトラウマを持っている女の子たちだから、婦人保護施設とかそういう女性の問題だということをわかっているようなところで、ちゃんとそこでケアしてもらえるような、そういう支援につながってほしいのに、そこではじかれてしまうこともあります。全国の窓口の方たちが若年女性とかかわろうという気持ちで、情報などお話できる機会があればと思っています。私も現場の女の子たちの声しか伝えられないのですけれども、こうやって皆さんと一緒に考えられる機会を得て本当にありがたいなと思っています。なので、どんどん現場の声を伝えていけたらいいなと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 では、水野構成員、どうぞ。

 

○水野構成員

 名古屋市の水野と申します。

 主な検討事項の案を提示いただいているものですから、それに沿って簡単に御意見をさせていただきたいと思います。

 まず(1)のほうなのですが、特に支援内容につきましては、回復的な支援は名古屋市のほうでも力を入れて取り組んでいきたいと思っております。やはり、子供の貧困とかでキーワードになっていますけれども、世代間連鎖を断つというような視点をぜひ持った内容になるといいなと思っております。

 あと、2番の他法他施策のことにつきましては、資料6-1の婦人保護事業についての対象女性のマル4が恐らく規定の部分、家庭関係の破綻、生活の困窮等云々とあって、現に保護、援助を必要とする状態にあると認められる者というこの規定かと思いますが、実は私のほうは、この規定を逆に捉えておりまして、現場の係長とかにも、福祉事務所、最後の受け皿という矜持を持って、この規定をもってやってくれというような話し方をしております。やはり現場では、実際に他法他施策があっても、意識の問題とか縦割りというような部分でうまく事が運ばないという例もあります。

 切れ目のない支援を行っていくためには、どちらかが相互に乗り入れをする、本来の守備範囲を超えてカバーしていくということが必要になりますので、どの範囲まで見直しをするかというところはあるのですけれども、やはり最後の受け皿となるという意識に訴えるような定義が必要なのではないかなと考えております。

 (3)につきましては、特に私は市のほうということになります。市町村ということになりますと、かなり規模も違ってきますが、やはり市も法的な位置づけを明記していただきたいなと思っております。市のほうも予算、人員を採ろうとすると、やはりなかなか今、財政的にも厳しいという状況になりますと、要求の段階で、義務ではないでしょう、義務ではないのに何でそこまでやるのということで、なかなか予算、人を採りづらいというところもあります。

 また、報告書のほうにもありましたけれども、先ほどの婦人保護施設の利用等も、福祉事務所から直というような形もできるように、やはりどうしても婦人保護施設の方のお話も聞きましたけれども、入所の決定が都道府県のほうでやられる、あいて利用してほしいのだけれどもなかなかというようなところがハードルになっているというところがありますので、そんなんだったらぜひ市におろして、私たちにやらせてくれと思います。

 あと、最後に、民間団体というお話も出ております、この関係機関というところで、DV法前から活動されている民間団体もあります。高齢化してきて担い手、後継者がなかなか出てこない、これは当然財政的な部分もあるかと思います。国の基本的な方針にも、これはDVのほうになるかと思いますけれども、民間の財政的支援というところも書かれておりますけれども、もう少し踏み込めないかなと思っております。そういった部分で支援する方、担い手を育成する、持続可能なものにするという視点が非常に重要ではないかなと思っております。

 以上です。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 廣瀬参考人、よろしいですか。どうぞ。

 

○廣瀬参考人

 ありがとうございます。

 先ほどからつながらないとか適切な支援というところが出ているのですけれども、本当に胸の痛い話だと思っています。母子生活支援施設にたどり着くお母さんには、貧困や虐待が世代間に連鎖している当事者の方もいます。母子生活支援施設にたどり着かないように、何とか婦人保護施設の役割や若年の単身の女性への支援の改善が必要と思います。私も子供の民間のシェルターにもかかわっておるのですけれども、本当にそういう思いがあります。

 その中で、母子生活支援施設の入所の理由は、DV被害者が半数以上というデータが出ています。そこは複合的な課題で、貧困であったり、生活の社会的孤立であったりまさに根幹的な女性の問題ではなかろうかと思います。

 法の改正が大事な部分なのですけれども、まず早期対応というところでは、私たち現場の者の横のつながりの強化が必要と思います。いろいろやはり顔の見える関係になりまして、つながれないという実態もあるのですけれども、つなげようとする私たちの熱い思いでつながっていけるようになればいいのではないかと思います。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 では、仁藤構成員、お願いします。

 

○仁藤構成員

 私たちも今の話にすごく共感したのですけれども、やはりこれまでも例えば横田構成員などとも関係性ができて顔の見える関係になったところで、結局そこに措置できないという現実にすごく困ってきました。

 今回、今度新しく、今年度若年被害女性等支援モデル事業を厚労省も始めるということで、すごく重要なことだなと。民間との連携も強めていきたいということだと思うのですけれども、私たちもこれまでアウトリーチして、支援につながれない、公的機関につながれない女性たちにつながってきた者としては、このアウトリーチの強化は大切で重要なことなのですけれども、結局出会ったところで受け皿がないじゃないかと、そこにつなげられない、出会った女性たちへの責任をどうとるのかということがこのモデル事業の要綱なんかを読んでもなかなか見えないと思っています。結局、それも民間支援団体と連携して、民間にアウトリーチをさせる。でも、じゃあその後出会った子たちが、例えば婦人保護施設につなげたいなというような方に出会ったとしても、現状では、女性相談センターとか婦人相談所の一時保護を利用しなければならないということになりますと、どうしてもこの調査結果の概要にもありました、一時保護につながらないという、本人の同意が得られない、学校や仕事に行けないとか、スマホが使えないというようなことが問題だということは既に出ているので、どうつながって、まず支援をスタートするという部分を早急に検討していかなければ、こうしたモデル事業をやったところで、民間支援団体が出会いましたけれども、結局公的な支援にはつながれませんでしたみたいなことになってしまうのではないかなということを懸念していますし、私も実際にそういう少女たちに出会っている者として、民間支援団体だけでは限界、予算も人も専門性も不足する中で、民間だけにアウトリーチさせて出会うということだけではなくて、その先をなるべく早く、東京都は先日出た要綱を見ましたら10月からこのモデル事業をスタートさせるということだったので、じゃあ10月から民間支援団体が出会ったとして、その後どうするのかというところが現実の課題としてあると思うので、入所をスムーズにしてハードルを下げるということを早急に検討していただきたいと思っています。

 

○堀座長

 それでは最後に、新保構成員、お願いします。

 

○新保構成員

 明治学院大学の新保と申します。

 私は生活保護、平成27年度に生活困窮者自立支援法が始まりましてからは、生活困窮者の支援のあり方と、そこでの人材育成に関心を持って取り組みを進めてきています。

 きょうは大切なお話を聞かせていただいて、本当にありがたく思っています。

 自分自身は8年間福祉事務所での勤務経験がありまして、生活保護担当、それから福祉5法の担当として婦人相談員の方とも同僚として一緒に働きながら、住民の相談を受けてきた経験もあります。

 そのような中で、きょうのお話を伺いまして、調査研究や当事者の声を代弁できる皆様がここに集まっておられますので、当事者の声を大切にした検討ができるのではないかということを感じました。これはとても大きな意味のあることだと思っています。

 個人的には、直接的に女性福祉の専門ではないのですけれども、一緒に支援を考えてきている立場からこの領域の皆様が果たしてきた役割がどれだけ重要だったか、大切だったかを実感しています。また、そうしたことが必ずしも外には知られていないこともあり、これまで担ってきた役割とともに理解を広めていく必要もあると思いました。

当事者の声を大切にするということ。その人をどう支えていくか、人から始まる支援ということも何度もお話が出ておりました。そのことを大切にしながら、御一緒に検討に加わらせていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○堀座長

 では、どうぞ。

 

○村木構成員

 時間終わりがけで申しわけありません。

 きょうの皆さんのお話を聞いていて思ったことが3点あったので、改めて申し上げたいと思います。

 1つは、理念とか支援対象にかかわる問題だろうと思うのですけれども、やはりお聞きしていると性被害とか性虐待が一つの大事な中心課題になるのかなと思ったのが1つ。

 それから、2つ目は、連携不足とかあるいは従来の仕組みの機能不全ということが随分いろいろ挙がってきました。これが一番支援システムのところでは中心課題なのだろうと。その際、例えば高齢者では地域包括をつくった。あるいは、障害者でも相談支援を前提に置いて、かつ個別のケース会議が一番役割を果たしているのだろうと思うのです。抽象的な連携は幾ら言ってもこれは進まないので、個別の一人一人、まさに当事者を真ん中に置いた連携という思想が必要だろうと思っています。

 それから、3つ目は、課長がおっしゃった抜本的な課題と緊急性との二律背反というものが、これはなかなか皆さんのお話を聞いていても悩ましいところだなと思っていますけれども、ちょっと技術的な話になりますけれども、32年度の予算要求に向けた緊急提言をする部分と、きちんと議論をして法改正をする部分と、2回整理するというのも一つのやり方かなということを感想として感じました。

 その3点です。

 

○堀座長

 ありがとうございます。

 まだまだ御意見は尽きないところだと思いますけれども、そろそろ時間になりますので、皆さんの御意見、追加でもしございましたら、後ほど事務局のほうにお寄せいただければと思います。

 本日の皆さんの活発な御意見の中から、この検討会の、非常に期待というものも感じられたかと思います。皆さんの御意見にあるように、利用者のための、現場に生かせる、それから実態に即した、抜本的なものも含めた理念と仕組みの再検討、それが緊急のあるものと抜本的なものといったことも含めながら幅広く検討をしていければと思います。

 戒能構成員の御意見にもありましたように、以前の検討会でもう検討されている内容につきましては、またこれをどのようにするのかということも含めて、これはまた事務局とあわせて御相談させていただいて、場合によりましたらそちらの部分については紹介をするという形で共有するとか、調査結果につきましても丁寧な共有が必要だということはきょうの全体的な御意見だったと思いますので、そういったものも含めてまた御検討させていただければと思います。

 それでは、次回の日程などにつきまして、事務局のほうからお願いいたします。

 

○度会母子家庭等自立支援室長

 次回の日程につきましては、調整の上、後日御連絡させていただきます。

 また、次回はプレゼンテーションを予定しておりますが、内容につきましては、検討会の内容をまた座長とも御相談しながら決めさせていただきますけれども、次回、婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設の立場から、和田構成員、松本構成員、横田構成員、また、自治体の立場から、前河構成員、水野構成員からプレゼンテーションをいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○堀座長

 それでは、本日の検討会はこれにて閉会とさせていただきたいと思います。御出席の皆様、どうもありがとうございました。

 以上です。

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