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2016年5月20日 平成28年度第1回血液事業部会適正使用調査会議事録

医薬・生活衛生局血液対策課

○日時

平成28年5月20日(金)
17:00~18:30


○場所

新橋会議室 8階 8E会議室


○出席者

出席委員:(10名)五十音順、敬略省、○座長

稲田 英一 稲波 弘彦 大戸 斉 兼松 隆之
上條 亜紀 鈴木 洋史 田中 純子 田中 政信
種本 和雄 ○半田 誠

欠席委員:(5名)五十音順、敬略略

薄井 紀子 鈴木 邦彦 益子 邦洋 三谷 絹子
矢口 有乃

参考人:五十音順

牧野 茂義
松下 正

日本赤十字社:

井上 慎吾 五十嵐 茂 旗持 俊洋 高瀬 隆義

事務局:

武井 貞治(血液対策課長) 近藤 徹(血液対策課課長補佐) 金子 健太郎(需給専門官)

○議題

・「血液製剤の使用指針」の一部改正について
・「科学的根拠に基づく輸血ガイドラインの策定等に関する研究」について
・その他

○議事

○近藤血液対策課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、「平成28年度第1回血液事業部会適正使用調査会」を開催いたします。

 なお、本日の会議は公開で行うこととなっておりますので、よろしくお願いいたします。

 本日の委員の出欠状況を御報告いたします。

 薄井紀子委員、鈴木邦彦委員、益子邦洋委員、三谷絹子委員、そして、矢口有乃委員より御欠席との連絡をいただいておりますが、15名中10名の委員に出席いただいておりますので、本日の調査会の開催が可能であることをお知らせいたします。

 本日は、参考人として、日本輸血・細胞治療学会より、名古屋大学医学部附属病院輸血部教授、松下正先生、国家公務員共済組合連合会虎の門病院輸血部部長、牧野茂義先生にお越しいただいております。

 また、日本赤十字社血液事業本部より、井上慎吾経営企画部次長、五十嵐滋技術部次長、旗持俊洋経営企画部供給管理課長、高瀬隆義技術部学術情報課長にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 なお、カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。

 それでは、この後の進行につきましては半田座長にお願いいたします。

○半田座長 皆様、こんばんは。

それでは最初に、審議参加に関する遵守事項について、事務局より報告願います。

○近藤血液対策課課長補佐 本日御出席いただいた委員及び参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金、契約金などの受取状況を報告いたします。

 本日の議事に関して、「薬事分科会審議参加規程」に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、議事1に関して、松下参考人から、関連企業より一定額の寄附金・契約金等の受取の申告がなされております。意見を述べることはできますが、議決の際には御参加いただけないこととなりますが、参考人におかれましては議決権がありませんので、特段の措置はありません。また、議題2及び議題3においても、報告事項となりますので、特段の措置はございません。

 以上です。

○半田座長 それでは続きまして、議題に入る前に、資料の確認を事務局のほうからお願いします。

○近藤血液対策課課長補佐 資料の確認をお願いします。

クリップどめを外していただき、一番上に議事次第、次に座席表、委員名簿及び参考人名簿と続いております。

 次に、

資料1 「血液製剤の使用指針」の一部改正について

資料2 「血液製剤の使用指針」改訂作業の現状(松下参考人)

資料3 適正使用に関する最近の動向、関連調査について(牧野参考人)

参考資料1 審議参加に関する確認事項の追加について

参考資料2 洗浄血小板製剤の医薬品製造販売承認の取得について

参考資料3 「洗浄・置換血小板の適応およびその調製の指針(Version V)」

参考資料4 「血液製剤の使用指針」(平成17年9月(平成2611月一部改正)

参考資料5 照射洗浄血小板-LR「日赤」添付文書

参考資料6 照射濃厚血小板-LR「日赤」添付文書

あと、机上配付資料となりますけれども、参考資料といたしまして、「血液製剤の使用指針(案)」をテーブルに置かせていただいております。

 資料は以上となります。不足等ありましたら、事務局までお知らせください。

○半田座長 ありがとうございました。委員の方々、資料のほうは大丈夫でしょうか。

 それではまず最初に、審議参加に関する確認事項の追加がありますので、参考資料1を見ていただきたいと思います。事務局のほうから説明をお願いします。

○近藤血液対策課課長補佐 参考資料1「審議参加に関する確認事項の追加について」御説明させていただきます。

 本件は、審議参加規程の運用改善を図るもので、平成28年3月25日の薬事分科会で了承され、4月から適用されていますので、御紹介いたします。

 薬事分科会審議参加規程については、平成21年より運用しておりますが、独立した評価委員会で少なくとも年に1回、運用状況の評価を行うこととしております。この評価委員会の検討結果を踏まえて、昨年度、委員の先生方からの申告を、事務局が製薬企業に確認する仕組みを試行的に導入することとし、平成27年4月より運用してまいりました。

 昨年4月から今年1月ごろまでの運用状況を見ますと、実際に申告の補正があったケースが、医薬品第一部会、第二部会を中心として十数件ございましたので、一定程度の有用性があると考えられ、この仕組みを今年度より本格的に導入する運びとなりました。

 また、別添1というものが参考資料1の裏にありますけれども、本格導入するに当たり、試行的な段階では、申告対象企業のうち申請企業のみに確認していたところ、対象を競合企業まで広げ、全ての申告対象企業に確認することといたしました。具体的な、確認事項の追加の内容は別添2のとおりとなっております。

 また、手続の流れに関しては従前と変更ございませんが、手続の時間を確保できるよう、別添3のとおり、委員への申告の依頼を1週間前倒しして、開催3週間前から確認することとしております。

 事務局として、審議の中立性・公平性等の確保に努めてまいりますので、委員におかれましても、引き続き、適切な申告等への御協力をお願いいたします。

 以上です。

○半田座長 ありがとうございました。

それでは、早速議題に入りたいと思います。議題1「血液製剤の使用指針」の一部改正について、資料1を事務局のほうから説明をお願いします。

○近藤血液対策課課長補佐 事務局より、資料1、議題1に関して説明させていただきます。資料1の「血液製剤の使用指針」の一部改正案についてをご覧ください。

 洗浄血小板の製剤化については、かねてより医療機関から要望があり、日本輸血・細胞治療学会及び日本血液学会からも製造及び供給に関する要望書が寄せられておりました。洗浄血小板製剤について、日本赤十字社から平成27年3月12日に製造販売承認申請され、今年の3月28日に承認されております。

 まず、製剤については、一枚紙の「洗浄血小板製剤の医薬品製造販売承認の取得について」という参考資料2をご覧ください。承認品目は、照射洗浄血小板-LR「日赤」及び照射洗浄血小板HLA-LR「日赤」で、規格はそれぞれ10単位、約200mLの製剤となります。

 2番、製造方法ですけれども、自動血球洗浄装置を使用し、血小板保存液を用いて洗浄して、同じ液に浮遊させたものです。

 3の効能又は効果については、現行の濃厚血小板製剤と同じく、血小板減少症を伴う疾患に適応となります。照射洗浄血小板HLA-LR「日赤」についても、同様に、血小板減少症を伴う疾患で、抗HLA抗体を有するため通常の血小板製剤では効果が見られない場合に適応となります。

 有効期間については、製造後48時間(ただし、採血後4日間を超えない)となっております。

 照射洗浄血小板と現行の照射濃厚血小板の添付文書については参考資料5と6につけております。HLA製剤の添付文書についても既に公表されておりますので、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページなどを後ほどご参照いただければと思います。

 資料1にお戻りいただいて、以上、製造販売承認されたことを受けまして、当該製剤の適正使用を推進するために、日本輸血・細胞治療学会及び当事務局において、血液製剤の使用指針の一部改正を検討いたしました。

 改正の趣旨ですけれども、洗浄・置換血小板の適応及びその調整に関する項を新たに設けて、対象患者を示し、また根拠となる文献を掲載することで適正な使用を推進することを目的としております。

 そこで、参考資料3というものをご覧ください。こちらは「洗浄・置換血小板の適応およびその調製の指針(Version V)」というものですけれども、これは日本輸血・細胞治療学会が策定した指針ですが、中ほどに「適応」という項目があります。今回の指針の改正は、この学会の指針に沿って適応に追加させていただいたものとなっております。

 資料1にお戻りください。どのような患者さんが洗浄血小板投与の対象になるかというところは改正案の概要をごらんください。以下の状態にある患者さんに対して、血小板製剤の輸血による副作用を防止する目的で、血小板を洗浄した後、患者に投与することが望ましいということを項目として追加を検討いたしました。

 対象になる患者は、1)から3)をご覧ください。まず、アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用を起こした患者さん、または、2番、一度血小板製剤の輸血による副作用を起こした患者さんで、さまざまな薬剤による予防措置を講じてもなお、蕁麻疹、発熱、呼吸困難、血圧低下などの副作用が2回以上見られる患者さん、そして3番、やむを得ずABO血液型不適合の血液製剤を輸血する場合において、輸血する血小板製剤の抗体価が128倍以上の場合、又は患者が低年齢の小児の場合、となります。

 ページをめくっていただいて、次のページに「新旧対照表」というものがあります。そちらのほうをご覧ください。実際の血液製剤の使用指針の「III 血小板濃厚液の適正使用」という項目の6番、「使用上の注意点」というところに追記の予定です。

 左カラムは現行の記載になっております。右カラムが改正案となりますけれども、追記箇所は下線部となります。下線部に関しては先ほど御説明させていただいたとおりとなっております。文献に関しても、1つ追加されております。

 さらに新旧対照表の裏のページをご覧ください。こちらの4つに関しては、血液製剤の販売名変更に伴い、標記のとおり変更することを提案させていただきます。

 修正箇所が現行のものを改正案にすると多くございまして、一番上の赤血球濃厚液から赤血球液に変えますと、合計79カ所変わることになります。あと、FFP-LR-1からFFP-LR-120に変わる箇所が4カ所、FFP-LR-2からFFP-LR-240に5カ所、成分採血由来製剤から成分採血由来製剤(FFP-LR-480)に変更する箇所は3カ所となります。

 追記される該当個所についてですけれども、先ほどの洗浄血小板に関しては、現行の指針ですと、参考資料4という資料の33ページと34ページの箇所になります。テーブルの上に置かせていただいております机上配付資料においても、34ページというところをご覧になっていただければ、そこに赤字で記載させていただいておりますので、御参照ください。机上配付資料においては4つの、先ほどの製剤名変更に伴う修正部分に関しても赤字で修正しておりますので、御確認いただければと思います。

 以上となります。

○半田座長 ありがとうございました。

それでは、質疑応答に移りたいと思います。委員の皆様方、御質問、あるいは御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

どうぞ、稲田委員。

○稲田委員 2点ございますけれども、1点目は、こういった洗浄血小板が必要な患者数はどの程度いて、供給体制としてどのようになるかということ。2点目は、予定の血小板輸血の場合には十分準備ができると思うのですが、例えば、わりあい急ぎで使いたい場合、こういったときに準備が可能かという、この2点についてお伺いしたいと思います。

○日本赤十字社五十嵐技術部次長 まず洗浄血小板の必要数でございますけれども、日本輸血・細胞治療学会で輸血製剤副反応動向という調査がやられております。この中で、血小板の副作用は3%弱の割合で発生すると言われております。ただ、その中で重篤なアレルギー性の副作用となりますとかなり少ないのかなと思っております。実際にこの調査の報告の中では重症アレルギー反応は副作用の中の0.8%程度ということが出ていますので、患者数としてはそれほど多くはないのではないかなと推測しております。

 もう一つ、急ぎで対応ができるかということですけれども、この洗浄操作におおむね30分必要になります。出荷の判定とかもありますので、実際の製造は、注文いただいてから、早くても1時間半なり2時間なりは時間をいただいて、それから供給することになりますので、その間お待ちいただけるのであれば対応することは可能だと思っております。

○稲田委員 どうもありがとうございました。

○半田座長 患者数に関しては、診療報酬上に血小板洗浄術というのがあって、医療機関からの業務委託として日本赤十字社でもつくられていますね。それがどのぐらい年間使われているかというところから推測すると、例えば1,000人のレベルなのか、1万人のレベルなのか、10万人のレベルとか、そういうところはいかがですか。粗々に。

○日本赤十字社五十嵐技術部次長 医療機関で院内製造している数と我々が技術協力で調製している数を合わせますと、年間1万2,000から1万3,000程度だろうと思います。ただ、それがどれだけ同じ患者さんに投与されたかはちょっと把握していませんが、製造数としてはそのぐらいになります。

○半田座長 ということは、多分、複数回使われる患者さんが多いので、1万人はいかないということですね。現状では。

○日本赤十字社五十嵐技術部次長 はい。

○半田座長 よろしいでしょうか。

 どうぞ、兼松委員。

○兼松委員 兼松です。

参考資料2の一番最後に「4.有効期間」としまして、製造後48時間という時間が書いてあります。それに対しまして、参考資料3の一番下の欄の「洗浄・置換(調製)」のところに行きますと、血小板製剤の洗浄・置換液として云々、洗浄・置換24時間後の血小板機能には差があるということで、文献が3つ並べてあります。ここのところ、24時間で血小板の機能に差があるということと、有効期限を48時間と設定するというところに何か相反するものはないのでしょうか。この期間ということで妥当なのかどうなのか、ちょっと確認させていただきたいと思います。

○半田座長 よろしいでしょうか。

○日本赤十字社五十嵐技術部次長  参考資料3の「洗浄・置換(調製)」の「血小板製剤の洗浄・置換液としては酢酸リンゲルあるいは生理食塩水を主体とした液が使用されているが、洗浄・置換24時間後の血小板機能には差がある」というところだと思いますけれども、これにつきましては、洗浄置換液として用いる酢酸リンゲル、あるいは生理食塩水というのが血小板を保存するためのものではありません 今回我々が使用いたしました洗浄・置換液というのは重炭酸が入っていたり、血小板の保存に適した液を使用していますので、洗浄後48時間は十分品質を保てると考えております。

○半田座長 よろしいでしょうか、兼松委員。

 医療機関の中でも、血小板を洗浄するということで診療報酬がとれるのですね。その場合、医療機関の中で使用する洗浄液がある程度まちまちで、それにいろいろと差が出ていると。でも、これは日本赤十字社のほうで薬事申請している製品ですので、もう一定の基準の中におさまっていると理解してよろしいですか。

 どうぞ。

○種本委員 種本でございます。

 製剤名の変更のところでお尋ねをいたします。FFP-LR1以下の3項目に関しては量を記載しましょうということで御趣旨は理解できるのですが、赤血球濃厚液という、これは結構臨床でみんな広まって浸透している名称なのですが、これを赤血球液に変えられる理由というか、趣旨は何なのでしょう。

○半田座長 どうぞ。

○日本赤十字社五十嵐技術部次長 洗浄赤血球とかいわゆる二次製剤というのがいろいろありまして、その中で、昔は洗浄赤血球浮遊液ですとか、いろんな名前がついていました。この数年の間に、二次製剤と普通の赤血球濃厚液を大分整理してきまして、ヘマトクリットが余り変わらなくなっています。今ある製剤について、浮遊液という言葉もなくして、濃厚液という名前もなくしているという状況です。あともう一つ、濃厚液と普通に今まで使ってきてはいるのですけれども、決して血中濃度の2倍、3倍に濃縮しているわけではありませんので、そういう意味からも、「濃厚」というのは外したほうがいいだろうという判断で、浮遊液とも合わせて外してきたという経緯がございます。

○半田座長 種本委員、よろしいですか。

○種本委員 はい。

○半田座長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ、大戸委員。

○大戸委員 この適応となる年齢が低年齢の小児と書いてあるのですが、これの解釈、ある程度統一的な解釈が必要だろうと思う。常識的には1歳以下とかと思うのですが、具体的な低年齢の小児の定義というのはどのぐらいを考えているか。

○半田座長 小児の定義ということですが、いかがでしょうか。つまり、1歳以下とか体重何キロとか、そういう。

○大戸委員 これは、ABO不適合血液製剤、血漿製剤が入ったときに、今、年齢というよりは循環血液量を指していると思う。ここで年齢は、恐らく体重が小さい子供という意味だとすると、まあ1歳か、大きくとると3歳ぐらいかと。ある程度ここで線を示しておかないと現場で混乱するのではないか。

○半田座長 そうですね。ただ、これは厳格に何キロと切ることはなかなか難しいですよね。抗体価のタイターにもよるし、どのぐらい血中でその抗体価が維持されるかということもあるので非常に難しい問題だと思いますが、いかがでしょう。今なかなか答えられないと思いますが、どなたか御意見ありますか。

○松下参考人 名古屋大学の松下です。

 参考的な意見として、これは要するに、血漿中の抗体価が高い場合に、小児は循環血漿、血液量が少ないので、相対的に血漿が多く入ってしまった場合により溶血のリスクは増すということになるので、あくまでもなのですけれども、循環血漿量、いわゆる循環血液量が例えば成人の半分とか成人の3分の1とかといった目安はあるかと思うのですけれども、論文にも多分そういったものはございませんので、明確に何歳とか、あるいは体重何キロとかいったことをここに記載するのは少し難しいのではないかと思います。

○半田座長 いかがでしょうか、大戸委員。年齢とか、通常は体重ですね。あるいは循環血液量ということになると思いますが。

○大戸委員 松下先生のおっしゃるとおりで、循環血液量に相対的に強い抗A、抗Bが入った場合に副反応が強く出るのではないかということで、ただ、低年齢と言った場合に、ある程度数字を示しておかないと現場では非常に混乱するのではないかと。だから、おおむね、例えば1歳とか3歳とか5歳とか何らかの、明確でなくても構いませんけれども、目安となる数字は解釈上欲しいと思います。

○半田座長 非常に貴重な意見をいただきました。これはエビデンスとしては多分何もないと思います。それから、抗体価によってまた違ってくるのですね。これは128倍以上といっても、128倍なのか、1,000倍とか、そういう場合だったらもっとさらに影響が出てくるわけで、ですから、なかなか一概にきちんと定義はできないと思うのですね。

いかがでしょうか。一応これは私のほうでちょっと預からせていただいて、もう一度学会等々と協議して、一任していただくことはできますでしょうか。よろしいですか。

○大戸委員 それと関連してですが、赤十字社が予定している洗浄血小板は我々が思っている洗浄血小板と定義が違うのではないか。つまり、我々が思っている洗浄血小板の定義は、一回遠心して、その血漿部分を排除して別の保存液に置換したのを血小板洗浄置換液と言うのですが、赤十字社は違う方法で、かなり血小板本来の、オリジナルの血小板が残った製剤でこの名前を使っていると聞いたが。

○日本赤十字社五十嵐技術部次長 今回製造承認を取得しました洗浄血小板製剤につきましては、ACP215という自動血球洗浄装置を使って製造いたします。これは連続遠心で洗浄液をずっと流して蛋白を除去する方法なのですけれども、蛋白の除去率は99%程度コンスタントに得られるという結果が出ています。だから、通常、遠心で、上清を抜いて洗浄したものだと2~3%は残ると思うのですけれども、それよりもかなり蛋白の残存量は少なくなっています。

○半田座長 ほかにいかがでしょうか。

 よろしゅうございますか。

そうすると、今の大戸先生の繰り返しになりますが、大戸先生の御意見に関しては、当局、あとは学会のほうとまた相談させていただいて、実際にもう少し具体的な定義ができればそうさせていただきたいと思います。もちろん事前に委員の皆様方のほうにも相談させていただいて、その後、最終化は私のほうに一任させていただければ。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○田中(政)委員 産婦人科の田中です。

確認ですが、改正案の概要のところの2)ですね。いろんな副作用、薬剤の前投与で処置等が予防できない、蕁麻疹だ、発熱だ、呼吸困難、血圧低下など、2回以上というのですが、これは一般的な能書にある血圧低下とか呼吸困難とか発熱とか、そのようにとってよろしいでしょうか。

例えば産婦人科のいろんな医師のほうから、発熱というのは何度なのだとか、そんなこと言われても困るし、一般的な、常識的な37.5度以上とか、38度以上とか、そんな血圧低下もショックにならない程度に、通常よりも幾つぐらい下がったとか、これは能書ではよく、副作用としてこういう言葉がありますが、それと同じですよととってよろしいでしょうか。

○半田座長 いかがでしょうか。

 松下先生、お願いします。

○松下参考人 こちらに関しては、医師の一般的な医学的な知識として、輸血に伴う副作用はどのようなものであって、どのような発熱が起こり、あるいはどのような蕁麻疹が起こるのかということは基本的に医師が本来知っているものとまず理解できます。例えば日本輸血・細胞治療学会は輸血副作用ガイドといったものを出版しておりますので、例えばそういったものを参考にしていただいて、輸血副作用の詳細な症状はこうですといったようなことを参考にしていただければいいのではないかと考えますが。

○半田座長 よろしいでしょうか。

 それでは、当該改正案に関しましては、一部、修正点等々については座長に一任いただくということで御承認いただいたということにいたしたいと思います。それで、本件に関しましては、血液事業部会の運営委員会、それから血液事業部会にも報告をさせていただきたいと思います。

 続きまして、議題2に移りたいと思います。「科学的根拠に基づく輸血ガイドラインの策定等に関する研究について」、まず、事務局のほうから研究の背景を説明していただいて、その後、資料2について松下参考人から説明をお願いいたします。

 ではまず、事務局のほうからお願いします。

○近藤血液対策課課長補佐 事務局より、資料2について、議題2、研究の背景について御説明させていただきます。

 まず、国の血液製剤の使用指針に関しては、平成17年に改正されてから10年以上経過しております。その間にいろいろな知見が集積してきています。そういった新しい知見を時代に合わせて、この指針に関しても改正していく必要があるということで、最新の文献等を調査検討していただく研究班を立ち上げました。

 そこで、名古屋大学医学部附属病院輸血部の松下参考人が研究代表となり、日本輸血・細胞治療学会の先生方が最新の科学的根拠を集積し、輸血ガイドライン策定に向けて推奨案をつくっていただいたという経緯になります。この「科学的根拠に基づく輸血ガイドラインの策定等に関する研究」ですけれども、平成25年度、26年度は厚労科研の事業で行いました。平成27年度はAMEDに移りまして、AMEDの研究事業で行われております。この調査会では、研究概要について、研究代表者の松下参考人に御発表いただきます。

以上です。

○半田座長 ありがとうございます。それでは、松下参考人、御説明、よろしくお願いします。

○松下参考人 ありがとうございます。きょうは15分ほどお時間をいただいておりますので、私のほうから、どのようなガイドラインを策定したのかということを御説明するに当たり、後で出てまいりますけれども、現在、こちらのガイドライン案を輸血・細胞治療学会誌に投稿準備中でございます。ですので、具体的な内容は投稿準備中であることから、この会議の資料に含めて公開されることを一応慮ったということで、具体的な内容に関しましては、特に現在の指針から大きく改訂されるものに関して、2~3分いただきまして、口頭で最後に申し上げることにいたしますので、どうかよろしくお願いいたします。

 最初、事務局のほうから御説明ありましたので、資料2の一番右下の部分から御説明いたします。こちらは、血液製剤の使用指針、本日、参考資料4としてお手元にございます一番分厚いホチキスどめの資料ですけれども、この「まえがき」の部分から抜粋してございます。こちらがつくられました経緯といたしまして、もう10年以上前のことですので我々も思い出すことがなかなか難しくなっているのでございますが、自国内での自給を目指すことが国際的な原則になっている。そのために製剤の使用適正化の推進が不可欠であるといった社会的役割、背景をもとにつくられたものでございます。

 ページめくっていただきまして2ページになりますが、左上のスライドになります。どのようなあり方が求められるかということがここに書かれておりまして、これまで指針ができる前は、単なる使用者の経験に基づいてしばしば不適切な使用が行われていたことが問題になっておりました。したがいまして、指針をつくったのは私どもの輸血学の先輩方でありまして、きょうお見えの半田先生もその中に入っていらっしゃいますけれども、内外の研究成果に基づき合理的な検討を行ったものということで、この時代から既に内外の研究成果に基づいてつくられたものであるということに関しては変わっていないわけですけれども、後ほど御説明しますが、今回は、ガイドラインを作成するプロセスの方法論に関して最新のものを使用したというのが違っているところでございます。

 さらに、その一番下の赤字のところですけれども、製剤を用いた適切な療法の推進を目的とする観点から、保険審査といったことがここにうたわれておりまして、これが厚労省が製剤の使用指針を策定する一つの利点として現在も利用されているところでございます。

 次、右へ行っていただきまして、改訂に当たりましてどのようなメンバーでつくったかということを御説明いたします。ガイドラインのつくり方といたしまして、左下のスライドにございますように、プロセスといたしましては、基本的に作成グループが、どのようなものをつくるか、スコープを考えます。スコープに従って重要臨床課題、これは後ほど御説明しますが、クリニカルクエスチョンというものを設定いたしまして、それに対する答えが書いてある科学論文、エビデンスと申しますが、これをシステマティックレビューチームが収集いたします。収集したものをレポートとしてエビデンスの評価、統合を行った後にチームに返し、チームがそれを見て推奨を作成するという段取りになっております。

 私たちのグループでは、その段取りをその右のスライドのようにいたしました。基本的に作成グループは輸血学会のガイドライン委員会のタスクフォースでございます。こちらのタスクフォースが使用指針の改訂を行うに当たり、クリニカルクエスチョンを設定し、私が主宰する松下班がエビデンスの収集を、一定の資金をいただいた上で、その資金を用いて、世界各国のインターネットから収集してきたものを、メンバーで手分けいたしまして、エビデンスの評価を行った後に提案するということになっております。実際、班会議のメンバーとガイドライン委員会のメンバーはほぼほぼ同じでございますので、具体的には全員で一丸となって進めたということになります。

 では、3ページをごらんくださいませ。基本的な使用方法として参考にいたしましたのはMinds、こちらは日本医療機能評価機構がつくっているものでございますけれども、作成の手引き2014年版を基本といたしました。2年前でありますが、一番最新のものであります。米国を中心に発達しているGRADEシステムと呼ばれるガイドライン作成における標準的な方法を参考に一部モディファイしたものと理解されております。

この方法を用いてどのように行うかなのですけれども、スライド、右に行っていただきまして、使用指針の改訂プロセスについてですが、先ほど申し上げましたクリニカルクエスチョンの設定を、赤血球、血小板、FFP、そしてアルブミン、大量輸血の5つの柱に関して論文を検索すると、論文はたくさん出てくるわけですけれども、例えばこの論文はニュー・イングランド・メディスンに載っているから、すごくいいから採用しようといった評価を行うのではなく、あくまでも私たちは輸血によって何を患者さんに与えるのかというアウトカムごとに論文をまとめまして、それについて評価をするという形になっております。

 左下に行っていただきまして、タスクフォースの代表者の名前がこちらになっております。基本的に輸血学会のピックアップ現場から出ておりまして、私は2番の新鮮凍結血漿も担当いたしました。

 その右にありますアルブミン製造の使用ガイドラインに関しましては、松下班に先行する旧牧野班のほうで既に作業がほぼほぼ終わっておりまして、最終年度に松下班が追加文献の検索等の資金を協力いたしまして、既にこちらは日本輸血・細胞治療学会のほうから紹介されておりまして、最近、Mindsのホームページにも推薦させていただいているということで、私どもの研究グループでは、アルブミン以外のものに関して、今後、指針の改訂を行うという運びになっております。

 では4ページであります。「資金と利害相反」でございますけれども、本ガイドラインの作成のための資金は、先ほど御紹介ありましたように、基本的に厚労省、途中からAMEDに変わりまして、ですので、この2つがスポンサーということになっておりまして、我々は厚労省とAMEDに対してCOIがございます。

 なお、内容に関しましては、日赤さんはじめ営利・非営利団体等の利害関係が当然考慮されるべきですので、作成委員の利益相反の状況を、こちらは輸血学会が定めている利益相反委員会のほうに全員提出いたしまして、抵触しないということを確認した上で作業を行っております。

 次、上へ行っていただいて、作業の流れを簡単に御説明いたします。全部説明している時間がありませんので、ところどころかいつまんで御説明いたしますが、CQの設定、そして検索方法を確定いたします。で、ネット上で一次スクリーニング、その中から削除すべき論文を振り分けて3分の1ぐらいの数にいたしまして、選択基準を定めて二次スクリーニングを行います。さらに、これらをCQごと、クリニカルクエスチョンごとに分類いたしまして、PICOと呼ばれるものを記入してまいります。その後、論文評価シートを作成いたしまして、全員で集まって、アウトカムごとにエビデンスの統合を行い、それらがどれくらいの強さを持っているかということを評価した上で決定いたします。

 まず、CQについて御説明いたします。4ページ右下をごらんくださいませ。クリニカルクエスチョンというのは耳慣れない言葉ですけれども、診療ガイドライン等で答えるべき疑問の構成要素でございます。ですので、疾患の専門家主体でガイドラインが作成される場合、私どもの場合がそうだと思いますけれども、CQがどこの臨床のプロセスで生じるかについて十分認識されております。

 続いて5ページに行っていただきまして、クリニカルクエスチョンの絞り込みです。いろんな疑問点がありまして、こういう場合にはどういう輸血をするのかといったことに関してはさまざまな意思決定の場面が多数ございます。それを全て取り上げるのは不可能ということはガイドラインづくりにおいての前提になっておりますので、特に患者アウトカム、つまり、患者さんにとって何がいいのかということを左右する重要なポイントでCQを取り上げるということをいたしました。

 続きまして、PICOについて御紹介したいと思います。5ページ左下にありますけれども、PICOとは、patientinterventioncomparisonoutcomeのことでございます。すなわち、対象となる患者さんは何か。この場合は日本全体のガイドラインでありますので、特性は極めて不明確で、さまざまであります。地理的条件といたしまして日本がございますので、場合によっては欧米の学術論文が適合しない場合もあることを考えなければなりません。

 6ページに行きます。続いて、interventioncomparisonというのは、どのような介入、すなわち、どのような輸血、どのような治療を行ったかということになります。その右、outcome、こちらが一番重要でありますけれども、患者にとって望ましい効果、例えば死亡率が低下する、生存率が上昇する、QOLが上昇する、入院期間が減少するといった患者さんにとって望ましい効果、逆に望ましくない効果、副作用で死亡する、あるいは後遺症が残るといったことがあってはいけないという観点からですので、代替アウトカムと呼ばれるもの、例えば輸血によってヘモグロビンがこれだけ上昇しました、あるいは血小板がこれだけ上昇しましたといった代替アウトカムを重視することをあえて避けております。

 そちらの解説が左下に載っておりますので、ごらんくださいませ。

 続きまして、CQについて、大変字が小さくなっておりますけれども、ごくごく簡単に御紹介いたしたいと思います。6ページ右下、「赤血球製剤の使用指針におけるCQ」はほぼほぼこのようなものになっております。基本的に、各病態に対する赤血球輸血、そして、2番として、自己血貯血の適応について出しております。

 7ページ左上、血小板の使用指針。こちら、さらに字が小さくて恐縮ですけれども、基本的にはさまざまな病態、あるいは大量出血が起こったときの血小板輸血のポイントについてCQを立てております。

 その右、新鮮凍結血漿、FFPの使用指針。こちらは、1番、2番、3番、4番、5番とありますけれども、大量輸血の必要、あるいは必要でない患者さんのFFPの投与の方法等について議論しております。

 なお、CQ5として、FFP融解後の安定性というものを最初のに追加して研究をスタートしております。こちらに関しましては、現在、新鮮凍結血漿の融解後の使用期限が3時間となっていることに関しまして、臨床現場の実態を考慮した使用期限が実際どれだけあればいいのかといったことについて研究いたしました。本日はちょっと時間の関係でこちらは割愛させていただきます。

 左下、「大量出血におけるCQ」でありますけれども、こちらの作業に関しましては初年度行いましたが、2年目から宮田班、大量出血の専門の班が立ち上がりましたので、当班から、文献検索を行った後、データをお渡しして、以後の作業を宮田班のほうに移行しておりますので、本日はこちらも割愛させていただきます。

 最後に、小児の輸血療法について別途CQを3つ立ち上げておりますので、こちらは御参考にしていただきますようお願いいたします。

 8ページへ行きます。作業の流れの後半なのですけれども、エビデンスの統合といったことに関して御紹介したいと思います。エビデンスを統合して、エビデンス総体、body of evidenceといったものをつくりまして、それに対して評価を行って、どうすればいいのかという推奨をつくる最終段階でございます。

スライド右側にその解説がございますが、あるCQに対して収集した全ての研究報告の総体といったものをつくり上げます。基本的にはアウトカムごとに行っていきまして、強さを決定いたします。すなわち、どれぐらい強く推奨するかということをガイドラインで提示することになります。

 左下をごらんくださいませ。強さの決定に関しては、エビデンス総体の総括ということになりますけれども、基本的には、Minds2014では4段階にすることになっております。A、最強から、D、とても弱い、効果の推定値、強く確信があるから、効果の推定値、ほとんど確信できないまででございます。その4段階に対してどれぐらいの根拠を持っているのかということを「1」もしくは「2」であらわすということを御説明したのが8ページの右下でございます。

 例えば「1」が強く推奨する。「2」が弱く推奨するなのですけれども、具体的な例として、1)から4)に御紹介しているように、例えば1)ですと、治療Iを行うことを推奨する。これを強い根拠に基づいて、例えば非常に多数例の、RCTと呼ばれるくじ引き試験が複数あって、強く推奨する、1Aというものをつけます。あるいは、治療Cに比べ治療Iを行うことを提案する。つまり、推奨が提案になっているわけですけれども、それに関しまして、例えばCというものがつきます。この根拠になっている論文として、例えばRCT、くじ引き試験が余りない、観察研究が主体であるといった場合には2がつくことになります。

 治療Cも治療Iも行わないことを提案する(2D)。これは例えばこの治療Cを行っても治療Iとほとんど変わらないといった論文しかない、あるいは論文自体が少ないといった場合には、弱い推奨、とても弱い根拠に基づいて2Dといたします。

 右、4)治療Iを行わないことを強く推奨するといった表現をとることもございます。非常に強い推奨をつける場合に、ABCDのBをつけた場合に、中程度の根拠に基づくということになります。ですので、基本的には必ずこういったマークをつけて文書を表現するものがガイドラインでございますので、従来の血液の指針のように、これこれこのようにすべきである、これこれこのようにしたほうがよいといった文章の書きぶりに対する具体的な持っていき方といいましょうか、そういったものを2Aとか2Cとつけるということになります。

 今後どのようになっていくかということに関しまして、最後、9ページの左上にございます。研究班の報告書は現在ほとんどでき上がっておりまして、提出待ちになっております。学会誌の投稿もほぼほぼすぐに行う予定でありまして、パブリックコメントをとることに関しては、現在、学会の理事会の判断を待っているところであります。

 出版された後、続きまして、指針改訂に向けた作業が行われることになるかと思いますが、こちらの作業をどのように進めるかということに関しましては、血対課と現在まだ調整中でございます。

 なお、参考までに、右側に「今後の研究の方向性」といたしまして、そのように書かせていただきました。今年度から立ち上がっている松下班においては、できたばかりの製剤のガイドラインの次の再改訂に向けた作業を行うことにしております。さらに、現在、もう一つの輸血に関する指針として実施指針というのがございまして、例えば赤血球検査の方法とか院内採血の方法、あるいは供血者の選択の方法といったことに関しまして、新たに指針の改訂を行うべく作業を開始いたしました。

 資料の説明は以上でございますが、2~3点具体的に、今のですと、一体何がどう変わるのかといったことがわかりにくいかと思いましたので、口頭で恐縮ですが、2~3分いただきまして説明したいと思います。

 例えば赤血球の使用の方法といたしまして、必ずヘモグロビン濃度を測定して赤血球を入れるということを臨床医が行うわけですけれども、そのトリガーとして、従来、ヘモグロビン8とか9とか書かれてきましたけれども、例えば7を推奨するといったことを論文に基づいた形で1Aとして推奨することになりました。

 続きまして血小板輸血に関しまして、こちらは例えばお手元にあります現在の使用指針、参考資料4の中ほど、28ページあたりにございますけれども、いわゆる血小板輸血を行う場合の血小板数として1万から2万といった曖昧な形で書いてございますが、こちらも最新の研究をもとにいたしまして、1万という形で2Bの推奨をつけて発表することにいたしております。

 また、新鮮凍結血漿の使用法に関しても非常にさまざまな意見があって現在混乱しているところなのですけれども、こちらに関しましても、例えば現在の指針の40ページからFFTの指針があるわけですが、そちらに対しまして、例えば大量輸血が必要な手術、外傷の有用性に関しまして、通常、現在の指針ではプロトロンビン時間、活性化プロトロンビン時間、PTAPTTといったものを測定してからすべきだとなっていますけれども、その測定の意義に関して調査を行ったところ、極めて弱い根拠しか見出せませんでしたので、これらのマーカーの絶対的な根拠については、記述は行っていますけれども、その根拠を弱める記述を行う予定であります。

 続きまして、FFPにおいて、例えば大量輸血が必要な場合にどれぐらい投与すべきかといった用量に関しまして、41ページには曖昧な形でしか書いてありませんけれども、こちらに関しましては、FFPと赤血球の比を1から2.5分の1に調製して投与すべきであるという推奨、こちらは1Cと若干弱くなっていますけれども、落ちていることにしております。

 そしてもう一つ、FFPを予防的に輸注することに関してどれぐらいの有効性があるのかということも従来議論されてきているわけですけれども、現在の指針では、予防的な輸注に関しては必ずしも進めていませんけれども、あくまでも凝固因子以上あった場合といったことが41ページの下のほうに書いてございます。こちらに関しましては、最新の研究では、FFPの予防的な輸注は、重要な凝固因子障害を呈していない場合以外は施行しないことを強く推奨するといった書きぶりを加える予定でございます。

 この理由といたしまして、FFP輸注が益をもたらさない、むしろ害になる論文が多いことを重視して、そのような書きぶりにしております。

 以上、ごくごく簡単に現在どのようなガイドラインづくりの具体的な文章があるかということを、口頭で大変恐縮だったのですが、御紹介いたしました。私の御説明は以上で終了いたします。

○半田座長 ありがとうございました。改正の今回のガイドライン、科学的根拠に基づいたガイドラインについての概要を御報告いただきました。

それでは、新しい科学的根拠に基づいた使用指針につきまして、御意見、あるいは御質問をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○稲波委員 MindsではAGREE II で、ガイドラインの質といいますか、評価をしておりまして、これだけ作成の手引きをごらんになっているので、きっと評価点数は高いと思うのですが、点数が高ければ高いほど早くMindsのホームページに掲載されることになります。それと版権の問題の2つがクリアーされれば早く載って、皆さんの知るところとなりますので、きっと御存じだとは思いますが、ご参考まで。

○半田座長 いかがでしょうか。

○松下参考人 アグリーの掲載に関しましては、現在まだ、もちろん存じておりますけれども、具体的には行っておりません。ですので、出版の段階、最終段階になりましたら行って、もちろん、Mindsのほうにもお知らせする予定にしております。

○稲波委員 アグリーの中には、作成委員がどのような方からなっているかというのも評価の中に入っておりますので、早目にごらんになってもいいかなとは思っております。

○半田座長 よろしいですか。

ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ、田中委員。

○田中(政)委員 産婦人科の田中です。

 この資料2の9ページ、最後ですね。「指針の改訂に向けて」のところでありますが、3番のパブコメのところが括弧になっている。これはやらないという方向なのか、やる予定がないというのか。私自身としてはやったほうがいいのかなという気はするのですが。

○松下参考人 当然、パブリックなコメントをいただくという観点ではやったほうがいいと、私、個人的に思いますけれども、こちらが学術論文として学会誌に掲載されるということを考えますと、一応査読といいましてレビュープロセスがございますので、レビュープロセスを経たものをさらにパブコメによって変えてよいものかどうか、学術的なことから懸念しているという程度でありまして、ですので、具体的には学会の編集委員会等がどのような判断を下すかというところによりますので、同じように書けないということで括弧になっているという状況でございます。

○半田座長 よろしいですか。

 非常に貴重な意見なのですが、実はアルブミンのガイドラインに関しましては1年前に出版されて、その前にたしかパブコメをとったと記憶しています。ですから、アルブミンに関しても既にパブコメを学会のほうでとったということがありますので、特にしてはいけないということではないのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。

○松下参考人 学会誌に投稿する場合、ある程度プライオリティが学会誌の編集委員会に移行いたしますので、最終的に編集委員会の判断になるかと思うのですけれども、例えば一例といたしまして、編集委員会が、これはパブコメをとってくださいといったような形で指示が来れば、パブコメをとった上で、その内容を含んだ上で投稿するということも考えられます。

○半田座長 いかがでしょうか、ほかに。

 これは現在の厚生労働省の使用指針を大改訂する一つの根拠となる、そういうガイドラインになるわけですので、非常に大きなことではないかと思います。いかがでしょうか。

 1つ、ちょっと基本的なことですけれども、エビデンスレベルですね。強度と、それから推奨度というのは必ずしも相関しないと一般的に言われますね。GRADEでも、いわゆるエビデンスレベルが高くても、日本の国状に合ったような場合とか、あるいはリスクとベネフィットの観点とか、あるいは、そういう意味ではコスト等々も多分推奨度の中に入ってくると思いますが、これは純粋なエビデンスのレベルだけで推奨度も決めていると考えてよろしいですか。

○松下参考人 稲波先生の前で恐縮ですけれども、Minds2014のやり方では、例えば日本とアメリカは違いますとかといったようなインディレクトネスという概念があるのですけれども、そういうことも考慮して一応進めることになっております。ただ、外国の論文はたくさんあるのだけれども、日本の論文が少ないといったものに関しては外国のものを参考にせざるを得ませんので、ある程度インディレクストネスを考慮せずに作業を進める場合もございますので、そこのところは100%うまくいっているというわけではございません。

 いわゆる強さをどのように推定するかということに関しましては、基本的に今このシステムではアウトカムを中心に考えていきますので、当然、副作用との引き算、あるいはコストの引き算といったものとベネフィットを引き算した上で推奨するということになっておりますので、先生がおっしゃったようなポイントも含んだ上での結論ということに一応なってございます。

○半田座長 ありがとうございます。今の点で、稲波先生、何かコメントございますか。推奨度とエビデンスレベル。

○稲波委員 ございません。詳しくは先生がお挙げになっているガイドライン作成の手引きに十分書いてございますので。

○半田座長 ほかにいかがでしょうか。

実際に今の厚生労働省のガイドラインを改訂するということと、この科学的根拠に基づくガイドラインですね。この位置づけというか、どのようにして改訂するか。これから最後御説明があるのですが、先生は例えばどのように改訂したらいいか、具体的な計画等々ございますか。

○松下参考人 私の研究班は厚生労働省からガイドラインの現在の使用指針の改訂の研究をしてくださいという指示があって行っているものですので、当然、雇い主である厚生労働省の御意向に従うことになっております。ですので、現在の使用指針の版権というか、プライオリティはあくまでも厚生労働省にございますので、それを改訂する案として、私が研究した結果を学会誌に発表するというものになっているわけですけれども、ですので、それをそのまま丸のみするのか、あるいは現在の指針の中で、いわゆる学会誌に発表された状態の、こうすべきである、このようにしないほうがいいといったものを抜き出して書いていただいたものの解説は、学会誌のここを読んでくださいといったような形になるのか、いろんな形が考えられるかと思いますので、そちらは今年中に早急に話し合いをまた何回か持ちまして決めていくのかなと考えております。

○半田座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

それでは、今後の進め方、事務局のほうから説明をお願いします。

○近藤血液対策課課長補佐 事務局より、今後の進め方について御説明いたします。

先ほど松下参考人のほうから御説明がありましたとおり、改訂する必要があると当課でも考えておりまして、学会のほうで、このたび、研究班で輸血ガイドラインをつくっていただいたのですが、現在の国の血液製剤使用指針とすり合わせが必要になります。先ほど御提案いただいたように、並列させるのか、どのような形でやっていくのかというところは、学会のほうと、あと研究班、いろいろな方とコミュニケーションをとりながら決めていきたいと考えております。

輸血医療自体は、さまざまな医療現場、科を問わず、救急であったり、産婦人科であったり、いろいろな場面で使用される、また行われる医療でありますから、適正使用調査会の各委員の先生方にも御協力を今後ともいただきたいと、不可欠であると考えておりまして、この調査会にて今後も御議論いただければと考えております。

また、平成28年度からは、先ほど松下参考人から御説明ありましたように、もう一つの指針であります輸血療法の実施指針というのがありまして、こちらも同様に、平成17年以来大幅な改訂はされておりません。したがって、こちらのほうも同じく松下参考人を代表として3年計画で、AMEDの研究事業ですけれども、始まっております。こちらに関しても、今後ともいろいろな先生方と協議をしながら進めてまいりたいと思っております。本調査会においても改正作業が円滑に進みますよう、皆様の御協力をお願いしたいと思っております。

以上となります。

○半田座長 ありがとうございます。本調査会の委員の先生方には今後も何らかの形でお力をいただくということになると思います。

タイムスケジュールに関しましてはいかがですか。いつぐらいまでにどうするかというところはまだ決まっていらっしゃいませんか。これはまず学会のほうから順次ということになると思いますが、大体今年中とか、どうでしょうか。

○松下参考人 先ほど話題になっていますパブリックコメントなり、あるいは査読委員の意見といった、私たち以外からの意見というものをまず見極めてからというところになるかと思います。多分、厚労省のほうもそこを見ないとなかなか前へ進めないのではないかと考えておりますので、そこも早目にいただいて、私の頭の中では、少なくとも今年中には持っていきたいと考えております。

○半田座長 ありがとうございます。事務局、それでよろしいですかね。

○近藤血液対策課課長補佐 はい。

○半田座長 ありがとうございました。

それでは、続きまして議題3「その他」ということで、牧野参考人から資料3の説明をお願いしたいと思います。

○牧野参考人 よろしくお願いします。「適正使用に関する最近の動向 関連調査について」ということで御報告いたします。

我々が目指す輸血というのは安全で適正な輸血の実施というものでありますけれども、そのためには、今お話がありましたように、適正使用の指針、もしくはガイドラインを遵守するということが非常に大切であるのは当然なことであります。さらに、血液製剤そのものの安全性は日赤での対策で飛躍的に改善されてきました。そして、院内の輸血管理体制の整備というのも、血液製剤の使用実態調査で確認しますとかなり整備が進んできており、300床以上の施設では既に90%以上の施設で管理体制が整ってきているという現状があります。

一方、DPC導入後に在院日数が非常に短縮してきていまして、各輸血施設におきます外来輸血というのが飛躍的に増加しているという結果が輸血のアンケート調査とかでも見られると思います。それで、まず当院の虎の門病院の状況としましても、過去7年間で外来で輸血を実施するバッグ数が7倍以上にふえてきているという現状がありました。輸血製剤の安全性ということを考えた場合に、外来で輸血をして、その後帰宅される患者さんの安全性がどうなっているかというのが今までなかなか十分できなかったということで、当院では、お手元にあるかと思いますが、この輸血手帳というのをまず作成しました。

その目的というのが、1つは、外来で輸血された患者さんが帰宅後に発生した輸血に伴う有害事象が起こったときに、連絡するとか対応、患者さんへの情報提供するというのが大きな目的の一つでありますし、さらに当院では、ABO血液型不適合の造血幹細胞移植を行うことが多いので、血液型が表と裏が違いまして、輸血実施時に非常に注意深く行わないといけないというのがありましたので、患者さんの血液型情報というものを医療従事者みんなで共有するという目的もありまして、この輸血手帳に患者さんの血液型情報、移植情報を記載して、過誤輸血などが起こらないようにという目的で作成しました。

同じような輸血手帳を日本全体でどれくらい作成しているかということを血液製剤使用実態調査で調べたところ、2ページの図2というものがその結果でありまして、注意事項や連絡先が記載されたパンフレットなどを手渡しているという施設が322施設であり、輸血手帳を作成している施設はわずか17施設でありました。そのほかは、有害事象が発生したときには病院に連絡するようにと、口頭で説明しているという施設が大半を占めていました。中には、全くそういうのは決めてない施設もあるという現状が確認できました。

日赤の副作用の報告のデータを見てみましても、輸血して2時間以内に起こることが多いのですが、それ以降に起こる、例えばTRALITACOなどの有害事象、それから遅発性の溶血性の貧血などは輸血して結構時間がたった後に起こってきますので、そういう情報を医療従事者で共有しようということで、輸血手帳を作成しました。

資料の2ページ目を見ていただきますと、虎の門病院で作成しました輸血手帳の内容が書かれていますけれども、血液型情報や有害事象の説明、有害事象が出現したときの対応、それから、実際、いつ、何をどれぐらい輸血したか、それから、血液検査のデータなどを記載できるページをつくりまして、そこに何かあったときには記載していただき、医療従事者にその情報を伝えていただくというページをつくりまして、今現在運用しているところであります。

この手帳をつくりまして、かなり医療従事者、それから患者さんとの間の輸血に関するコミュニケーションがスムースにできてきているということを聞いております。この輸血手帳に関しまして、東京都輸血療法研究会のほうでその有効利用というものを協議しました。2ページ目の下にありますけれども、東京都における小規模医療機関における輸血マニュアルというのを作成しまして、その中に、この輸血手帳を有効利用したらどうかという意見が出まして、虎の門でつくりました輸血手帳を若干変えまして、赤い表紙の輸血手帳というのを作成し、その内容が次のページからありますけれども、血液型情報や、有害事象が起こったときの連絡先、その有害事象の説明、この輸血の実施の記載、最後のページには、生物由来製品感染等被害救済制度の説明と、そういうものを記載しました輸血手帳というものをつくりまして、今現在、東京都のほうで運用しているという状況です。今後、この輸血手帳をどういう形で、例えば全国への配布というものも視野に入れて考えているところであります。これが安全で適切な輸血の実施のための一つの方法ということで輸血手帳を提示しました。

あともう一つ、先ほどありましたけれども、血液製剤の使用実態調査ということを毎年国の委託事業として学会が行っております。このデータというのは現在の本邦における輸血医療の現状というものを把握するのに非常に大切なデータだと思います。昨年の10月に適正使用調査会におきましてその内容を、輸血の管理体制の整備状況と、それから血液製剤の使用状況ということで報告させていただきましたけれども、その後、幾つかの検討というか、資料の再確認をしている中で、そのデータが若干おかしいのではないかということに気づきましたので、精査したところ、全体で6施設におきまして血奬分画製剤使用量の誤記入が確認できました。1施設はグロブリンの誤記入なのですが、いずれの施設もそのアルブミンの量を、間違って小数点なしで記入したということで、1桁違いのデータを入れてしまったために、1桁違うデータで報告したということがありました。

それで、8ページ、9ページに前回の適正使用調査会におきますアルブミンの使用量、都道府県ごとですけれども、多いほうから並べてありますが、この中で5施設のアルブミンの使用が間違っていたということと、各施設が誤って入れたということがわかりまして、それを訂正したものが下の図になります。右のほうが免疫グロブリンのほうで、これは一番多かった大分県の使用量が間違っていたということが確認できましたので、それを修正したものが9ページの下のほうになります。

という誤記入の事実が今回わかりましたので、過去5年間のデータも洗い直したのですが、ほかの年にはなくて、この2014年のアルブミン、それから免疫グロブリンの使用量に関してのみ誤記入があったということで、その原因というのがなかなか同定できなかったわけですけれども、同じような誤記入がまた起こらないように、学会の調査統計委員会のほうでは再発防止の方法というものを検討し、具体的な対策を挙げまして、次の調査から、こういうものが起こらないように二重三重に防止策を立てて対応していくということを決めております。

今回のこの誤記入によりまして若干都道府県ごとの使用量の順位というものが違っていまして、間違った報告をしたために不愉快な思いをされた都道府県もあったかと思いまして、そういうところには直接説明とお詫びの言葉を出して、学会のホームページにもその内容を報告しているということであります。この誤記入の報告に関しましても今回行いました。

以上です。

○半田座長 ありがとうございました。牧野参考人から、輸血手帳の活用についてと、それから昨年度の実態調査、データの誤記入ということで訂正をしたということです。以上の御説明に関しまして、質問、あるいは御意見、いかがでしょうか。

 どうぞ、種本委員。

○種本委員 輸血手帳というのを拝見して、非常にいいなあと思って、この種の患者さんが持つ手帳で一番歴史が古いのは多分ペースメーカー手帳ではないかと思うのですね。随分昔からありますけれども、最近、高血圧の手帳もよく使われているのですけれども、いずれも、メーカー側が適正なものをつくって提供してきているという事情がございます。これは非常にいいものなので、赤十字本社としても対応される予定があるかどうかということをお尋ねします。

○半田座長 いかがでしょうか、赤十字社。

 では、その前に事務局のほうからどうぞ。

○武井血液対策課長 御指摘、本当に重要なポイントかと思っております。まだまだこの手帳を使っている施設が少ないのですけれども、今日見ていただいたように、非常に高いポテンシャルを持っているということかと思います。運用が始まったのがまだ直近なものですから、こうした使用の実績ですとか、それから、その効果のようなものが今後だんだん蓄積されてくる中で成果のレビューというのが行われるかと思います。ですので、一定の評価を得た上で、それが全国的に必要なのかどうかということも含めてこういった場で検討していく、そういったプロセスを経て、今後の運用方法ですとか必要について検討していきたいと考えておりますので、その際には日赤さんとも十分調整・検討させていただければと現段階では考えているところです。

○半田座長 ありがとうございました。非常に前向きな御意見をいただきました。いかがでしょうか。ほかに何か御質問ございますでしょうか。

この誤記入はかなり問題ではないか。再発防止策というものに関しては何か検討されているのでしょうか。

○牧野参考人 はい。数回、この調査統計委員会のメンバーでも話し合いまして、今回起こったのが、アルブミンに関して、全て小数点をつけ忘れているのですね。アルブミン製剤は、御存じのように、5%、20%、25%の製剤、そしてボリュームも20cc50cc100cc250ccといろんな規格がありまして、1ボトル当たりのアルブミンの量というものをそれぞれ計算して最終的なトータルの量を記載することになっておりますので、その段階で間違ってしまう可能性、もしくは、アルブミンというのは薬剤部で管理されていますので、このデータを記入するのは恐らく輸血部のスタッフだろうと思います。ですので、使用量は薬剤部にどれぐらい使ったかというのを聞いて、その答えをいただいて記入すると思いますので、調べるところと報告する場所が違うというのも1つあると思います。ですので、その途中での小数点の有り無しというものが今回の一番大きなミスでした。

各施設の記入した方に何で間違ったかというのも一応お聞きしたところ、やはりちょっとうっかりというのが多かったわけですけれども、それを考えまして、次のアンケートからは、グラムではなくて、本数で全て報告する、何%の何CCが何本ということで報告して、トータルの量はこちらのほうで全部計算するというふうにすれば、少なくとも小数点のミスはなかろうと思います。

それから、アラートを出しています。この量以上はないはずだという上限値がありますと、警告を出して、いいですかということでやっています。それから、昨年の量よりも1桁多いけれどもいいでしょうかという注意を出して、それで修正を促すということ。それから、回収したデータはエクセルデータで解析しますけれども、多いほうから、5施設か10施設の量に関しましては、去年のものと比較して、一つ一つチェックしていくということ。それから、最終的な都道府県ごとの使用量に関しましては、そのデータをつくった段階で合同輸血療法委員会のほうにそのデータを送りまして、自分の施設、県でのデータが、昨年、その前の年と比較して正しいかどうかを都道府県ごとに確認していただきまして、間違いがないことを確認します。最終的にできたグラフというものをコアのメンバーで確認して適正使用調査会で報告していこうと思います。そこまではしっかりやっていこうと思います。この解析のところでお金が必要になるかどうかとか、それから、具体的な方法に関しまして、今、委員のメンバーで確認しているところであります。ということで、恐らくこれらの対策を実施すれば、ある程度防げるとは思います。ただ、人が間違って記入するというのはなかなかゼロにはできないと思いますので、非常に注意深く我々見ていきまして、正しいデータを報告していきたいと思っています。

○半田座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、今年もまた実態調査があると思いますので、より正確かつ効果的な調査を進めていただくように、事務局、そして学会、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、こちらで用意した議題は以上ですが、何か、全体を通して、委員の方々、御意見等々ございますでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、次回の日程等については後日また事務局のほうから連絡させていただきます。

では、本日は御多忙中ありがとうございました。


(了)

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