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2016年3月30日 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会 議事録

○日時

平成28年3月30日(水)17:00~


○場所

厚生労働省共用第6会議室


○出席者

出席委員(16名)五十音順

 荒 川 義 弘、 小野寺 雅 史、 小 幡 純 子、◎川 西   徹、
○神 田 忠 仁、 斎 藤   泉、 佐 藤 陽 治、 杉 山   肇、 
 鈴 木 邦 彦、 津 田 知 幸、 中 島 美砂子、 新 見 伸 吾、 
 俣 野 哲 朗、 森 尾 友 宏、 森 川 裕 子、 横 田 恭 子
 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)五十音順

楠 岡 英 雄

行政機関出席者

森   和  彦 (大臣官房審議官)
山 田 雅 信 (審査管理課長)
磯 部 総一郎 (大臣官房参事官)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
梅 澤 明 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議事

○参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当) 「薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、部会委員17名のうち16名の御出席を頂いておりますので、定足数を満たしておりますことを御報告いたします。

 次に、本日の議題の公開、非公開の取扱いについて御説明いたします。議事次第を見ていただきまして、議題1については会議を公開で行います。議題2以降については、希少疾病用再生医療等製品の指定などに関する議題で、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開とさせていただきます。

 これより議事に入ります。傍聴の方によるカメラ撮りはここまでとさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願いいたします。以後の進行につきまして、部会長、よろしくお願いいたします。

○川西部会長 事務局から公開案件の配布資料の確認を行ってください。

○事務局 資料確認をいたします。本日、席上に議事次第、座席表、その裏に当部会委員名簿を配布しております。公開案件の配布資料として、議事次第に記載されている資料1をあらかじめお送りしております。

 この他当日配布資料として資料6、これは資料1関係の「動物用遺伝子組換え生ワクチン等に係る第一種使用規程の承認手続(フロー)」というものを配布しております。加えて、参考資料1、参考資料2を配布しております。資料に不足等がございましたら事務局までお申し付けください。

○川西部会長 よろしいでしょうか。それでは議題に入ります。まず、議題1の公開案件、「薬事分科会における確認事項の改正について」です。事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題1について説明いたします。資料1「薬事分科会における確認事項の改正について」を御覧ください。この議題は、カルタヘナ法の審議については、これまでこの部会でお願いしてきたところですが、その運用について改善の御提案をさせていただきたいというものです。

 1「背景」です。一つ目の○ですが、遺伝子組換えウイルス等を用いた治験を行う場合には、薬機法の治験の手続とは別に、カルタヘナ法に基づき大臣の承認や確認を受ける必要がございます。その事前の手続として機構による事前の審査、また厚生労働省薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会での審議が必要とされているところです。

 これに対して、これらの手続が煩雑であり、遺伝子治療の開発の隘路となっているのではないかという指摘を従前から頂いており、特に日本遺伝子細胞治療学会の皆様からは、平成28年1月21日付けで、治験に関する計画の調査と第一種使用規程、カルタヘナ法の審査を一括化して欲しいといった要望も提出されているところです。こういった要望を受け、今回の運用の改善を御提案させていただくものです。

 まず、現状はどういった手続がされているのかを御説明させていただきます。4ページを御覧ください。横向きの図の上のフロー、「運用改善()」です。現状として、これの上の段の「現行の手続の流れ」を御覧ください。現行の手続は、申請がありましたら機構において事前審査を行います。これは外部専門家への意見聴取、専門協議と呼んでいますが、こういったプロセスも経た上で事前審査を行っています。この後、厚生労働省にその結果を通知していただきまして、厚労省から薬事・食品衛生審議会、この部会での御審議を頂いております。第二種についてはリスクに応じて実施しない場合もありますが、第一種については全て、またリスクの高い第二種を審議いただくという過程です。この審議の結果に基づき、大臣の承認又は確認を行った上で、実際の治験を行っていただきます。こういった手続になっております。

 まずは現状の御説明をさせていただきますので、資料の冒頭に戻っていただきまして、1ページを御覧ください。2「現状とそれに関する厚労省の考え方」です。一つ目の○ですが、カルタヘナ議定書に基づき制定されたカルタヘナ法に基づき、第一種使用規程の承認にあたっては、学識経験者に意見を聴かねばならないとされております。これは現状の事実関係です。

 この規程は、参考までに2ページの下部に「参照条文」として記載しており、法律の第四条第4項の所に下線を引いております。「生物多様性影響に関し専門の学識経験を有する者の意見を聴かなければならない」を規定されています。こういった規定に基づく手続となっています。

 1ページに戻ります。2の一つ目の○です。ただ、この学識経験者について括弧で記載していますが、「厚生労働省に設置した審議会である必要はない」と解釈されており、こういった事実を踏まえて今後の検討をしていただきたいと。

 二つ目の○ですが、カルタヘナ法に係る事前審査の実績についてです。これは第一種使用等、第二種使用等のいずれにつきましても着実に積み重ねてきていると理解しております。これまで機構の専門協議の結果を含む評価の結果に対し、部会で大きな疑義が示されたことはないと承知しており、機構において十分な評価が可能であると考えております。下の表に最近の実績を件数で記載しておりますが、第一種使用等については、平成25年度は0件、平成26年度、平成27年度で3件、2件と積み重ねてきております。なお、これ以前には、数年前に1件あったのみで、その後は0件が続いておりましたが、近年着実に増えているという状況です。また、第二種使用等についても、こちらに記載した件数ということで、着実に経験を積み重ねているところです。

 なお、平成27年度については「12/31時点」と書いておりますが、第一種については現時点までも変わっておらず、2件のままです。

 次の○です。機構の専門協議では、品目に応じて遺伝子治療、微生物、感染症等の専門家に意見を聴いているところです。最近の品目の事例で、ここに掲げた先生方に専門委員として御意見を伺っているところで、こういった点からも十分な審査能力があるのではないかと考えております。

 四つ目の○ですが、そもそもカルタヘナ法に係る事前審査ですが、遺伝子組換え生物等の封じ込めや環境中での生存能力等について、例えば製造所の構造設備ですとか、遺伝子組換え生物の病原性、また有害物質の産生性等を確認するものであり、これは個別の品目の品質・有効性・安全性の薬事法の審査と比べて、評価の論点が限定的なものと考えております。こういった観点を踏まえて、運用の改善を御提案させていただければと思っています。

 2ページの「運用改善案」です。文字で並べておりますので、図で御説明いたします。先ほどの4ページを御覧ください。上が先ほど御説明した現行の手続で、下に改正案を記載しております。一つ目ですが、現行の流れを御覧いただいて、事前審査と薬食審の審議が、二つの審議が必要ということで、「この手続が煩雑で重複するのではないか」という御意見を頂いておりますので、これについて機構の事前審査については十分な実績を積み重ね、十分に能力はあるのではないかと考え、薬事・食品衛生審議会の審議を省略し、専門家の意見を聴く手続として機構の専門協議を活用してはどうかと考えております。

 手続としては、まず機構から事前の審査をこれまでどおり行っていただき、その結果をもって大臣の承認又は大臣の確認をした上で治験の調査を行うといった手続としてはどうかと考えております。ただ、右下の赤字で書いておりますが、この結果については事後的に薬食審に報告させていただくということではどうかと考えております。こういったプロセスの簡素化、合理化により、治験開始の時期の早期化が図られるのではないかと期待しております。

 また、この図の左下に赤字で書いておりますが、当面の間は事前審査、機構における専門協議の体制を強化するという意味も含め、この部会でのカルタヘナ法に関する一部の専門家の先生に専門協議の委員をお願いし、事前審査に加わっていただき、御審議いただければと思います。

 2ページを御覧ください。今、図で御説明した内容が、3「運用改善案」の所に書いてあります。一つ目の○ですが、機構における実績及び体制を踏まえ、部会における審議を行わず、機構の専門協議を十分に活用することとし、別添のとおり、薬事分科会における確認事項を改正してはどうかと考えております。

 具体的な措置として、薬事分科会における確認事項の改正というものが必要になりますので、3ページを御覧ください。別添の「薬事分科会における確認事項新旧対照表」です。これは、この分科会でどういった品目を審議し、どういった品目は報告になるかという区分を表した表です。右側が現行の表です。上が通常の再生医療等製品の承認の審査に関するもの、下の表に8-3「生物由来技術」と書いていますが、これがカルタヘナ法に関連する品目の区分になっています。

 下の表を御覧ください。現行では二つに分かれており、上の部分が第一種使用規程のものと、一部の第二種についてが部会審議の区分になっており、2となっている下の区分がそのうちのリスクの低いものの第二種が報告という区分になっています。

 この薬事分科会における確認事項を改正し、左側のように生物由来技術、カルタヘナ法に関する品目については、全ての品目について部会報告としてはどうかという改正内容です。もちろん上の表、再生医療等製品に関する審議の区分については、変更はありません。

 2ページにお戻りください。3「運用改善案」の二つ目の○です。こちらも先ほど御説明させていただいたものですが、一方、当面の間は、環境影響やウイルス学に関して高い専門性を有する一部の部会委員の先生におかれまして、機構の専門委員としてお願いしてはどうかと考えております。こちらは機構において委嘱手続が必要になるというものです。

 三つ目の○ですが、機構における事前審査の結果については、事後的に部会に報告し、御意見があれば今後の審査に反映させることとしてはどうかと考えております。

 四つ目の○です。これまでは人用の医薬品に関する手続を御説明させていただきましたが、併せて動物用の医薬品についても、同様の変更をさせていただければと思っております。併せて、動物用医薬品につきましても、必要に応じて高い専門性を有する有識者を招致する等の調査会の審査体制の強化を図り、部会での審議を行わないこととし、調査会において意見を取りまとめていただくこととしてはどうか。また、調査会における審査の結果については、事後的に部会に報告し、御意見があれば今後の審査に反映させることとしてはどうかと考えております。

 こちらの内容については、別途紙を用意しており、この資料の5ページにフロー図を描いていますが、一部記載の変更がありますので、当日配布資料の資料6を御覧ください。左側は現行の流れです。真ん中の「学識経験者への意見聴取」の部分を御覧ください。これまでは動物用医薬品については、この部会の下に設置している調査会において御議論いただき、その後に部会において御審議いただいた上で答申を頂くという流れでした。これらを右の「見直し案」の「学識経験者への意見聴取」の紫の欄を御覧ください。動物につきましても農林水産省から、分科会の動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会に直接意見の聴取をし、調査会から農林水産大臣及び環境大臣に意見の結果を報告するという流れとして、部会での審議を行わないこととしてはどうかと考えております。

 2ページにお戻りください。以上が内容の御説明になります。4のスケジュールの欄です。本日この部会で御議論いただいた後、分科会における確認事項の改正を行い、御了承いただいた上で改正の手続が必要になりますので、6月下旬に予定している分科会で御議論の上、施行する流れになるかと考えております。説明については以上です。

○川西部会長 ただ今の説明について、委員の先生方から御質問あるいは御意見がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

○小幡委員 運用の改善ということで、そういう方向でよろしいと思いますが、そうすると4ページの改正案の所で、機構の事前審査というのは、この審議会の審議があるので事前審査という位置付けになっていると思いますが、今後はここがカルタヘナ法に基づく専門家への意見聴取という事前審査というか、正に法律に基づいて必要な審査を行う所という位置付けになるということで、「事前審査」というと位置付けが違うということです。今までも機構でなさっているので問題はないと思いますが、ある程度の専門家という人数は必要かと思いますので、この部会からも少しということでやっていただければと思います。

○参事官 ありがとうございます。

○事務局 「事前審査」の文言については表現を検討させていただき、今後は機構がメインになると御理解いただければと思います。

 また、部会の委員についても御指摘いただきましたとおり、本部会の一部の専門家の委員の先生に、今後は機構の審査に加わっていただきたいと思ってお願いをしているところです。

○川西部会長 他に御意見はございますか。大まかに、今、小幡委員から御指摘いただいた点で、機構でカルタヘナ関係の事前審査を行う時に、専門委員というのは何人ぐらいの方にお聴きする予定でいるのでしょうか。

○機構 機構です。専門委員の先生方は効率化等の観点も踏まえまして、5人から10人規模、品目によって多少専門性が違う部分もありますので、品目ごとに先生方を選定させていただこうと思っております。

○川西部会長 今の事前審査のことは非常に重要なことだと思いますが、他に何か御指摘はございますか。

○小幡委員 5人から10人ということでしたが、ある程度の人数で見た方が確実、安全だと思います。よろしくお願いいたします。

○川西部会長 特に、更にないようでしたら、議題1については御確認いただいたものとしたいと思います。この取扱いですが、先ほどの2ページに「分科会で議論」と書いてありますが、最終的には薬事分科会で議論した後、施行されるということであると理解しております。

 1番目が終わりまして、以降の議題は非公開とさせていただきますので、傍聴の皆様には御退席いただきますようにお願いします。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議を開始します。

 それでは、非公開審議を開始します。まず、事務局から非公開案件の配布資料の確認と、競合品目・競合企業リストについて報告をお願いします。

○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。非公開案件の配布資料として議事次第に記載されている資料2~資料4-2までをあらかじめお送りしています。この他当日配布資料として資料5「競合品目・競合企業リスト」、また、こちらは資料4-1関連ですが、資料7を配布しております。資料に不足等がありましたら事務局までお申し付けください。

 続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告いたします。資料5を御覧ください。表面の議題2「CTL019」ですが、本申請品目は患者自身から採取したTリンパ球に遺伝子組換えを行ったものであり、競合品目はCD19・CAR遺伝子治療、また、AMG103としております。裏面の議題3「vHVT013-69」ですが、本申請品目は七面鳥ヘルペスウイルスに遺伝子組換えを行ったものであり、競合品目はセルミューンN、HVT-NDV/Fとしております。

 続いて、各委員の申出状況等について御報告いたします。議題2「CTL019」、退出委員、森尾委員。議決に参加しない委員、なし。議題3「vHVT013-69」については、退出委員、なし、議決に参加しない委員、なしとなっております。なお、本日の審議事項の申請品目については、あらかじめ寄付金等の状況を申請企業に確認したことを申し添えます。以上です。

○川西部会長 よろしいでしょうか。それでは、議題に入りたいと思います。大変申し訳ないのですが、森尾委員は別室で待機していただきます。よろしくお願いします。

 では、非公開案件の議題2「CTL019を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」ということで、まず事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題2「CTL019を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」、御説明いたします。資料2を御覧ください。資料2の機構の作成した評価報告書に基づき御説明します。名称はCTL019、予定される効能・効果ですが、CD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病、CD19陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、また、CD19陽性濾胞性リンパ腫、この3種の白血病又はリンパ種について申請があったものです。申請者はノバルティスファーマ株式会社です。まず、品目の概要について御説明します。添付資料の13ページ、Figure-2の下の図を御覧ください。本品目の治療の概略を記載しております。1の右上の部分ですが、患者さん自身からアフェレーシス(成分献血)

○川西部会長 これですね。

○事務局 失礼しました。場所が。

○川西部会長 添付資料の13ページの、□□□□□□□□□□□□□□□より抜粋という図だと思いますが、よろしいですか。

○事務局 その図です。

○川西部会長 では、よろしくお願いします。

○事務局 ありがとうございます。失礼しました。添付資料の13ページの図です。右上に . から順に御覧ください。まず、患者さん自身からアフェレーシス(成分献血)により、白血球分画を採取し、T細胞を選別、収集します。この採取したT細胞に対し、 . でウイルスベクターを用いて遺伝子導入を致します。この遺伝子はCD19を認識するようなものを発現させるものです。 . で、遺伝子導入後、T細胞は表面上にCARという、CD19を認識するものですが、それを発現し、がん細胞を捕捉できるような性質を有することになります。こういったがん細胞を捕捉する性質を有したT細胞について、 . ですが、培養により増殖させ、その後、 . 患者さんに対して投与するという流れになります。 . . の間に . として、別途化学療法として、患者さんが元々持っているリンパ球を枯渇させることも併せて治療としては行う予定です。

 そうすると患者さんの体内で何が起こるかというのが、真ん中に書いてある . 投与後、遺伝子組換えをしたT細胞は体内で増殖し、標的となるシグナルを持つがん細胞を捕捉し、がん細胞を破壊します。がん細胞の表面には、CD19と呼ばれるマーカーが発現しており、それに対して、このT細胞が特異的に結合することになり、その後、T細胞の効果によりがん細胞が死滅することが期待される製剤です。以上が品目の概略です。

 それでは、また、機構の評価報告書に戻ってください。二つ目のタグの評価報告書です。希少疾病用再生医療等製品の審議は患者数、医療上の必要性、開発の可能性の3点の観点から指定の可否を審議することとなっております。まず、1.対象患者数について御説明いたします。評価報告書1ページの下部を御覧ください。今回、三つの効能・効果で申請されておりますので、一つずつ御説明いたします。まず、CD19陽性B-ALL(急性リンパ芽球性白血病)についてですが、平成26年の患者調査の結果により、幾つか限定がありますが、計算の結果、2ページの上部、総患者数は約4,000人と推計されております。

 続いて2ページの1.2.CD19陽性DLBCL、これはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫のことですが、こちらの患者数は、平成26年の患者調査により、計算の上で、一番下の行に書いてありますが、3万1,500人以下と推計されております。また、三つ目の濾胞性リンパ腫、CD19陽性FLと書いている所ですが、こちらの患者調査の結果を踏まえ、総患者数は1万5,000人以下と推計されております。いずれの疾患においても5万人以下の患者数の要件を満たしており、指定基準を満たしていると考えております。

 2.医療上の必要性についてです。2ページの下の2.1.を御覧ください。一つ目のCD19陽性B-ALLですが、まず、既存の治療法がどういったものがあるかについてですが、一般に化学療法が使用されると考えられており、3行目に書いてありますが、副腎皮質ホルモンや、ビンクリスチン硫酸塩など、こちらに記載したような化学療法剤が用いられると言われております。また、予後不良因子などハイリスク群においては、6行目に記載していますが、同種造血幹細胞移植が実施される場合もあります。こういった治療法を踏まえても、再発又は難治性のB-ALLについては予後不良であり、新規の治療法が期待されております。

 本品のB-ALLに対する有効性について、3ページの上から記載しております。米国で実施中の再発又は難治性小児のB-ALLを対象とした試験において、その結果としては、2行目の完全寛解又は血球数回復が不完全な完全寛解 をCRiと略しておりますが、 合わせた症例の割合が90%という報告があります。その段落の下から4行目ですが、同様のB-ALLの患者に対する既存治療の全奏効率は20%という報告があり、既存治療と比較して高い有効性を示す可能性が示唆されていると考えております。

 続いて2.2.DLBCLについてです。こちらも既存の治療法としては、R-CHOP療法や放射線療法が併用されると言われており、再発又は難治例については、6行目辺りに書いていますが、自己造血幹細胞移植併用大量化学療法が実施されると言われております。それらの二次治療が奏功しない患者又は自己造血幹細胞移植併用大量化学療法後に再発した患者の生命予後は不良であると言われており、新たな治療法の開発が望まれております。2段落目ですが、現時点までの有効性について、米国で実施中の試験の結果によると、DLBCL患者における3か月後のORR(全奏功率)は、50%というデータの報告がされております。また、既存の治療法としては、過去の報告では、文献の情報によると、ORRについて14%、また21%という報告があり、やはり高い有効性を有する可能性が示唆されております。

 続いて、2.3.FL(濾胞性リンパ腫)です。既存の治療法としては、放射線治療又はBR療法と呼ばれる化学療法、R-CHOP療法、R-CVP療法という化学療法が行われておりますが、再発例では、治療法は限定的になっているというものです。再発進行期については、3ページの一番下の行ですが、自己造血幹細胞移植を併用した大量化学療法又は同種造血幹細胞移植が考慮されておりますが、全身状態が良好な患者や若年者に限られるとされています。したがって、新たな治療法が望まれております。有効性についてですが、こちらも米国で実施されている試験の結果において、FL患者7例に投与された例のうち、全例が完全寛解又は部分寛解のORRであったとされております。過去の文献の報告においては、既存治療のORRは54%程度とされておりますので、やはり高い有効性を有する可能性が示唆されていると考えております。以上の結果から、本品の医療上の要請は高い希少疾病用再生医療等製品の指定基準を満たすと考えております。

 3.開発の可能性についてです。4ページの3.1.を御覧ください。B-ALLについては、本邦において小児B-ALLの患者を対象とした国際共同試験が既に実施されております。また、成人についても今後国際共同試験が計画されており、本邦からも参加予定と伺っております。次のDLBCLですが、こちらも現在、本邦において国際共同試験が実施されております。また、FLについては、国際共同試験が□□□□□□より開始される予定であり、□□からも参加予定と伺っております。

 また、開発状況として、一番下の段落ですが、欧米における申請の予定ですけれども、今後□□□□□□□□□□に承認申請が行われる予定と聞いており、以上の情報から開発の可能性として、希少疾病用再生医療等製品の指定基準を満たす。以上3点から本品は希少疾病用再生医療等製品の指定基準を満たすと考えております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○川西部会長 恐らく予定される対象疾患は3種類あって、そのいずれの疾患についても対象患者数、医療上の必要性、そして開発の可能性、この3点から見て条件を満たしているのではないかということですが、いかがでしょうか。ただ今の説明に、何か御質問あるいは御意見はありますでしょうか。

○小野寺委員 専門家でないので教えて欲しいのですが、基本的にこの治療法は、CD19に対するchimera antigen療法ですので、CD19を発現しているリンパ腫などであればすべてがこの治療の対象となり、かなり対象数になると思うのですが。つまり、今回の場合、オーファン指定に関し疾患から見ているのか、あるいは治療法から見ているのかというところをお聞きしたいと思います。要は、ここに示されている症例数を単純に足してしまうと50,000を越えてしまいますが、今回の場合、明確に病理的に区別し、これは4,000、これは35,000、これは15,000であるから各々50,000以下であると判断し、オーファン指定の基準を満たすと決めていいものなのでしょうかという質問です。

○事務局 患者数という意味でしょうか。

○小野寺委員 がんの希少性を判断するのは難しいと思います。確かに、診断基準があるものもありますが、完全には独立していない訳で、その場合、治療法として同一の方法、つまり、今回の場合はCD19を発現しているリンパ腫に対するCAR療法ですから、CAR療法の標的疾患は5万以上超えてしまうという訳です。疾患を限定し、各々、5,000や1万5,000など5万以下であるからオーファン指定であるとの発想でいいのでしょうか。

○事務局 基本的には御指摘のとおり、疾患を区分して人数を計算することとしております。これは医学・薬学上、疾患を分類する妥当性があるかどうかという観点で、疾患の分類を行っており、開発の可能性とも関連しておりますが、治験の実施に当たってどの患者さんを組み入れるかという観点からの分類も、一つの考え方になるのではないかと思います。

○川西部会長 なかなか難しい話の部分もあるのですが、何か機構の方からありますか。

○機構 特に今の説明で、私の方から追加することはありません。

○川西部会長 よろしいですか。ギリギリしていると結構難しい話になると思うので。

○機構 御承知のようにがんの分野はどんどん進歩していて、昔は形態学的に分類していたとか、いろいろなクライデリアで分類していた指標が、刻々と変わってきています。今まで一つにまとめられていたものが、数年経つと原因遺伝子などの形での分類ができるようになってきており、分類の仕方自体がどんどん進化しているという状況にあります。現時点で見て、明確な分類の仕方があれば、それでもって疾患を規定するという形になっていると私どもは理解しています。

○審議官 若干補足しますと、CD19はそうなのですが、CD20のリツキシマブというお薬が登場して久しいのですが、これも開発していく過程で色々なタイプのリンパ腫を、それぞれオーファンの指定を受けて開発してきているということが経過としてありました。それらが直近に出ている状況で扱うとすると、適用対象がある程度、明確に定義される病型として、それが数的には5万人にいかないような状況であることを勘案すると、一応この時点では、足すと5万を超えてしまうのは確かに悩ましいのですが、一応この時点ではオーファンと指定することも可能ではないかという判断をしているところです。確かに際どくて悩ましいところにいるとは思います。

○小野寺委員 私は、基本的に、是非、オーファン指定として開発して欲しいと思っています。ただ、今、おっしゃられるように新しい診断法が出てくると、それまで同一のものと思われたものが、実は遺伝子的に別のものであり、それぞれオーファン指定になる可能性がありますので、その辺を明確にしておいた方が良いと思った次第です。ただ、どんどん開発して欲しいと思いますので、そこを是非お聞きしたかっただけです。

○川西部会長 ありがとうございます。他に何か、質問あるいはコメントはありますか。特に医療上の必要性に関して見ると、ここに上げられている数字を見れば、相当な奏功率というのでしょうか、それは高い数字も出て、期待されるところもありますので、これはプロミシングといってもいいのではないかと私は個人的に思います。本当にきちんとした臨床試験を行った時に、どういう数字が出るか期待できると見ていますが、特に追加のコメントがないようでしたら、本議題については、オーファン、希少疾病用再生医療等製品として、指定することを可としてよろしいでしょうか。では、お認めいただいたということで、指定を可として薬事分科会に報告させていただきます。では、森尾先生にまた入っていただいてください。ありがとうございます。

 それでは、非公開案件の二つ目、議題3「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第4条に基づく遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認について」に入りたいと思います。

 まず、これは農林水産省の方から説明をお願いします。

○農林水産省 では、審議事項の議題3「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第4条に基づく遺伝子組換え生物等の第一種使用規程の承認について」、御説明します。左上に黒でNo.3と書かれている厚い申請書を御用意ください。

 申請書のネズミ色で「申請書」と書かれているタグをお開きください。ここからが本申請の中身となっております。申請者はメリアル・ジャパン株式会社です。 

 次ページに、遺伝子組換え生物等の種類の名称ということで、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス由来VP2蛋白発現遺伝子導入七面鳥ヘルペスウイルスvHVT013-69株となっております。下の段に使用の内容が書かれております。本遺伝子組換え生物は、鶏用の生ワクチンの有効成分としての使用が予定されており、第一種使用の内容としては、運搬及び保管、あとは医薬品医療機器法に基づく治験、医薬品医療機器法に基づく承認申請に従った使用等となっております。

 まず、遺伝子組換え関係の疾病のことを若干御説明いたします。まず、マレック病等の病気が出てくるのですが、あとは伝染性ファブリキウス嚢病という二つの病気が出て参ります。二つの疾病とも鶏で、一般的なウイルス性疾患です。マレック病については、リンパ球の増殖性疾病で、末梢神経の腫大、増殖組織におけるリンパ腫の形成等が特徴となっています。一方、伝染性ファブリキウス嚢病については、鶏のリンパ器官であるファブリキウス嚢を標的臓器としてウイルスが増殖して、リンパ球へ増殖する際にリンパ球を破壊して罹患した鶏では免疫抑制を起こす疾病です。

 続きまして、評価の内容について御説明いたします。「生物多様性影響評価書」と書かれているタグをお開きください。ここからが評価書の内容となっており、本日はこの内容に従って御説明したいと思います。

 下に1と書かれたページをお開きください。ここから5ページにかけて、本遺伝子組換え生物の宿主に関する情報が記載されております。本遺伝子組換え生物の宿主ですが、アメリカで七面鳥群から採取された血液から分離された七面鳥ヘルペスウイルス(HVT)のFC126株を基にして、アヒルの胚細胞及び鶏胚細胞で継代して作出したものとなっております。

 HVTは非病原性のウイルスで、マレック病のウイルスと血清学的交差性を有して、マレック病感染に対して防御効果を示すことから、vHVT株の基株であるFC126株についても、鶏マレック病に対する生ワクチンとして一般的に使用されております。このワクチンについては、日本でも市販されております。米国では年間50億羽以上のブロイラーに接種されているという状況です。

 HVTですが、七面鳥に普遍的に存在するウイルスであり、HVTが鶏にワクチンとして使用されていることに伴い、鶏においても存在することが知られています。HVTは鳥類のリンパ球にのみ指向性を示し、感受性のある動物はキジ、ウズラ等の鳥類に限定されております。七面鳥以外に対する自然感染率は低いとされておりまして、霊長類を含む哺乳類では、マレック病のウイルスでは実験的な接種によって感染しないことが確認されておりまして、ヒトにも感染しないということで七面鳥ヘルペスウイルスについても他の微生物を減少させるような性質はないという報告となっております。

 七面鳥ヘルペスウイルスですが、鶏の胚の線維芽細胞等の鶏の細胞では増殖するというもので、細胞随伴性のウイルスです。自然感染は七面鳥が感染性ウイルスを吸入することにより始まり、リンパ球指向性を示して、冒頭御説明しましたように、感染初期にはB細胞、後にT細胞に感染することによって、全身の組織に運ばれて感染が成立します。感染性のリンパ球は羽包の上皮の細胞に移行して、感染性のウイルスを産生し、フケに内包されるような形で環境中に排泄されるというウイルスの性状です。

 6ページです。ここから28ページにかけて供与核酸、ベクター、遺伝子組換え生物の調製法に関する情報が記載されています。

17ページの表2を御覧ください。ここに供与核酸に関する情報がまとめられています。供与核酸であるIBDV、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスのVP2遺伝子カセットはIBDVのカプシド蛋白質をコードし、IBDVに対する防御誘導遺伝子領域であるVP遺伝子、マウスサイトメガロウイルス由来のIEプロモーター、シミアンウイルス由来のpolyA配列から構成されております。VP2蛋白質のアミノ酸シークエンスは既知のアレルゲンとの相同性はなかったとの報告がされております。

 続きまして、21ページです。中ほどにベクターに関する記載があります。ベクターにはpEL079が使用されています。このプラスミドは市販のクローニングベクターであるpBSII-KS+にHVT FC126株由来のXhoI-SacI フラグメントを挿入して改変されたものです。全遺伝子配列が決定されており、病原性、伝染性は知られておりません。

 さらに、pEL079VP2遺伝子発現カセットを挿入して、供与プラスミドであるpEL098を作成しております。pEL098については、制限酵素処理で直線状にした後、vHVTゲノムのDNAとともに、鶏の胚線維芽細胞にポリフェクションすることによって、相同組換えで本遺伝子組換え生物を作成しております。

28ページです。()から30ページにかけて本遺伝子組換え生物と宿主又は宿主に属する分類学上の種との相違に関する情報が記載されています。本遺伝子組換え生物はvHVT株の BamHI- I の挿入遺伝子座とともに、元々あったorfの発現を妨げないように伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスIBDVのVP2遺伝子を挿入しております。したがって、VP2蛋白質を発現する以外、宿主であるvHVT株と同等の性質を示すと記載されております。

31ページです。ここから38ページにかけて遺伝子組換え生物等の使用等に関する情報が記載されております。本遺伝子組換え生物はマレック病と伝染性ファブリキウス嚢病の予防を目的とする遺伝子組換えワクチンの主剤として使用される予定になっています。

33ページです。()に国外における使用等に関する情報が記載されています。本遺伝子組換え生物を有効成分とするワクチンは既に海外で承認されております。2015年2月現在の情報ですが、2002年以降、85地域で承認されており、2014年5月時点で全世界における本ワクチン接種の累計数は480億ドース以上ということが記載されております。また、本遺伝子組換え生物を接種した動物体内の挙動ですが、鶏の体内における増殖能はHVTワクチン株、通常の生ワクチン株と比較して同等で、鶏間では伝播せず、最も感受性の高い七面鳥に対しても、鶏からの伝播は非常に限定されているということで、本遺伝子組換え生物が環境へ拡散するリスクは極めて低いと考えられるとされております。また、HVTウイルス自体が垂直感染はしないことから、介卵感染もしないと考えられるとされております。

 野生動植物への伝播の可能性についても、七面鳥以外のキジ目野鳥に対するHVTの感受性は鶏より低いと考えられ、それ以外の野鳥を介した伝播のリスクは極めて低いと考えるとされております。

39ページです。ここから42ページにかけて最終的な生物多様性評価の記載がされています。まず他の微生物を減少させる性質についてですが、本遺伝子組換え生物は、他の微生物を減少させる性質に対して、宿主ウイルスであるHVTと同等と考えられることから、第一種使用規程に従った使用を行う限り、生物多様性に影響が生じる恐れはないものと判断されております。病原性についても、本遺伝子組換え生物は鶏から鶏への同居感染、介卵感染も起こらないこと、七面鳥以外のキジ目野鳥に対する感染性は鶏よりも更に低く、宿主の元株であるFC126株が、1970年代からマレック病に対する生ワクチンとして鶏で既に使用されていること、野生の動植物に対する病原性は報告されていないことから、第一種使用規程に従って使用する限り、生物多様性影響評価が生じる恐れはないものとされております。

 続きまして、40ページの有害物質の産生性についても、宿主であるHVTは非病原性で有害物質の産生性は知られておらず、IBDVのVB2についてもアレルギー性は報告されていないこと、供与核酸やベクターに有害な塩基配列を含んでいないことから、この点についても第一種使用規程に従った使用を行う限り、生物多様性影響評価を生じる恐れはないものと判断されております。また、4の核酸を水平伝播する性質については、HVTはゲノムを感染動物の染色体に組み込み、水平伝播する性質を持たず、他の血清型のMDVとの間の in vivo における自然組換えの報告はなく、ワクチンとして使用されております。また、同種ウイルスとの相同組換えによる問題も起こっておりませんので、この点についても第一種使用規程に従った使用を行う限り、生物多様性影響が生じる恐れはないものと判断されております。

 以上を総合的に評価して、本遺伝子組換え生物を第一種使用規程に従った使用を行う限り、生物多様性影響が生じる恐れはないものと判断されております。以上で説明を終わります。御審議よろしくお願いいたします。

○川西部会長 ただ今の説明に対して、委員の先生方から御質問、御意見等はありますか。鶏のワクチンといえ、いわゆるドラッグラグがあるという話なのかもしれませんが、いろいろ気付くところがあろうかと思いますが、いかがでしょうか。

 これは国外でも長年使われていて、これに関して何か問題が起きたということは特段にない訳ですね。

○農林水産省 申請者の方から特に報告を受けておりません。

○川西部会長 いかがですか。

○小野寺委員 向学のために教えて欲しいのですが、遺伝子組換えウイルスにVP2を発現させる訳ですが、このウイルスと野生型のウイルスに生存能力において違いがあるのですか。

○農林水産省 申請資料によりますと、基本的には変わらないものの、遺伝子組換えウイルスの方が、若干生存能力が下がるというデータが付いております。

○小野寺委員 鶏の生存期間はどのぐらいですか。2週間ぐらいで亡くなるようなことが書いてあったのですが。

○農林水産省 ブロイラーとかレイヤーなど卵を産む鶏によって、生存というか、生かす期間が変わりまして、肉ですと数か月で、卵だと1年とか、飼養形態によって変わりますが、数年というスパンしかありません。

○小野寺委員 お聞きしたかったことは、一生体内に二つのウイルスが同時存在する可能性があるということですね。例えば、七面鳥の中で、今回のマレックウイルスではなかったヘルペスウイルスと、IBDVのVP2を発現するヘルペスウイルスが2種類いることもあり得ますか。

○農林水産省 今回の申請自体は、鶏への使用に限定されていまして、七面鳥での利用は想定していません。

○小野寺委員 申請書には、ただ敷わらか何かで移ると書いていましたね。可能性としてお聞きしているだけなのですが、そういう時に二つのウイルスが存在するというのはあり得るのですか。そういうデータがもしあるのでしたら教えて欲しいと思ったのです。

○農林水産省 申請書では、そのような試験は実施していなかったと思います。

○川西部会長 他に何か御指摘はありますか。

○津田委員 現実的な話をしますと、家畜分野でこういったワクチンの使用というのは、なるべく省力的に病気の発生を防除するということでして、鶏の場合には一つの群、数万単位の群でワクチンを接種して、免疫を与えて、病気を防ぐということです。

 今、説明がありましたように、レイヤーとブロイラーでは生存日数が違うのですが、肉の場合には数か月後にそのまま出荷してしまう、卵の場合にはある程度産卵能力が落ちたらそこで出荷してしまうということになります。その間は一つの群で使用されていきますので、最初のうちに免疫を与えていけば、その後に複数のウイルスが侵入してくることはまずないだろうと思います。あくまで野生ではありませんので。ですから、二つのウイルスが常に存在するという状態は考えにくいというのが一つです。

 それから、このワクチン自体がマレックと同時に伝染性ファブリキウス嚢病の発生を予防するということですので、実際にウイルスがその群の中に存在するとすれば、接種後、数週間以内であろうと思いますので、ここの試験成績からすると、鶏から鶏への伝播は少ない。例え環境中に排泄物として残ったとしても、一斉に免疫されていれば、そこで防御が成立するだろうということを考えれば、ここにある申請の内容というのは、ある程度妥当かと思います。補足も含めて意見でした。

○川西部会長 貴重なコメントをありがとうございます。他に何か御指摘はございますか。四つの観点からの第一種としての使用規程の承認ということですが。特にないようでしたら、議決に入りたいと思います。本議題について、第一種の使用規程の承認を可としてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、本品目の第一種使用規程の承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。ありがとうございます。

 それでは、あとは報告事項になりますが、議題4に入りたいと思います。これは第二種の方ですが、まず機構の方から準備が整いましたら説明をお願いしたいと思います。

○機構 それでは、議題4、資料No.4-1に移りたいと思います。資料No.4-1ですが、委員の先生方が資料をお受け取りになられましてから、新たに確認された品目がありますため、当日配布資料の資料No.7を御覧ください。1枚紙で、裏に表があります。

○川西部会長 資料No.4-1の状態だと二つの品目だけですが、追加されて合計11個という資料No.7、よろしいですか。お手元でまだないという方はおられますか。それでは、説明をよろしくお願いします。

○機構 それでは、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第13条に基づく遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする間に執るべき拡散防止措置の確認を行った品目について、報告いたします。

 前回の生物由来技術部会での御報告以降、平成1711月から厚生労働大臣の第二種使用等の確認を行ったものを表にまとめております。全部で11品目ありまして、機構において専門委員と協議をいたしまして、使用区分は上の2品目がカテゴリー1ですが、これは以前の部会で既に審議済みの品目です。その他の品目においては、GILSP又はGILSP相当でして、機構において、いずれの遺伝子組換え生物についても、執られる拡散防止措置は適切であると判断したものでございます。資料No.7につきましては以上です。

○川西部会長 一応報告ですが、何か質問はありますか。ないようでしたら、次に農林水産省からお願いします。

○農林水産省 では、お手元に資料No.4-2を御用意ください。こちらは、動物用遺伝子組換え技術応用医薬品の第二種使用等をする間に執るべき拡散防止措置の農林水産大臣による確認を行った微生物等についての御報告です。

 2ページです。まず初めに、資料の訂正をお願いします。2のコナヒョウヒダニ由来Zen1遺伝子導入ダニアレルゲン産生カイコ60-6系統についてです。まず使用区分の欄の「その他」の削除をお願いします。また、その隣の確認日ですが、平成28年3月予定となっておりますが、3月24日に訂正をお願いします。

 では、内容について御説明いたします。一つ目の猫白血病ウイルス由来防御抗原蛋白発現遺伝子導入カナリア痘ウイルスvCP2296株ですが、猫用ワクチンの有効成分として用いるもので、今回は製品の品質管理試験の設定に必要となる試験及び品質管理試験の実施を目的とする第二種使用の申請となっております。使用区分はGILSPです。

 二つ目のコナヒョウヒダニ由来Zen1遺伝子導入ダニアレルゲン産生カイコ60-6系統ですが、犬のアレルギー性疾患の治療薬の有効成分を製造するための遺伝子組換えカイコです。これについては、既に大臣確認の実績があるもので、今回の大臣確認は第二種使用等をしようとする場所を追加とするものとなっております。いずれも本部会の傘下である動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会において御審議いただき、拡散防止措置の内容について御確認いただいております。御説明は以上です。

○川西部会長 先ほどの厚労省の分も含めてで結構ですが、何か御質問、コメントはありますか。ないようでしたら、御報告いただいた事項について、御確認いただいたものとしたいと思います。

 それでは、本日の議題は以上ですが、事務局から何か連絡事項はございますか。

○事務局 次回の部会につきましては、6月17()15時からを予定しております。また別途正式に御連絡いたします。よろしくお願いいたします。

○川西部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。御多忙のところ、御参集いただき、ありがとうございました。

 


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 医療機器・再生医療等製品担当参事官室 課長補佐 柳沼(内線4226)

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