ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会> 第2回 理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会 議事録(2015年11月13日)




2016年2月22日 第2回 理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会 議事録

医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全部 生活衛生課

○日時

平成28年2月22日(月)13:00~15:00


○場所

厚生労働省6階 専用第23会議室


○議題

1.主な論点(案)及び検討の方向性(案)について
2.その他

○議事

 

○厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部生活衛生課吉岡課長補佐 ただいまから、第 2 回理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会を開催いたします。構成員の先生方におかれましては、大変、御多用のところ本日は全員に御出席いただき誠にありがとうございます。本日の検討会の議事、資料については共に公開となっております。冒頭のカメラ撮りは特にないので大丈夫かと思いますが、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。

それでは、資料の御確認をお願いいたします。お手元に議事次第、座席表、構成員の名簿、資料 1 2 ということで、それぞれ机上に配布しております。また、紙ファイルで参考資料として通知等について置いております。資料の不足等がありましたら事務局まで、お願いいたします。

ないようですので、これ以降の議事の進行は原田座長にお願いいたします。原田先生、今日もよろしくお願いいたします。

○原田座長 本日もお忙しいところお集まりいただき、大変ありがとうございます。それでは、大変恐縮ですが座りながらやらせていただきたいと思います。前回お集まりいただいてからかなり時間がたっておりますが、本日もどうぞ活発な御意見を賜れば大変有り難いと思いますので、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

前回の検討会で示された主な論点について、様々な形から御意見を頂いて論議いたしましたが、その内容を踏まえて事務局で一定の整理をして資料を用意しておりますので、まず、その資料の説明から始めていきたいと思います。主な論点 ( ) 及び検討の方向性 ( ) を御論議いただきたいと思います。具体的な説明をしてから論議をしていただくという形を取りたいと思います。資料 1 です。検討に当たっての主な論点 ( ) 及び検討の方向性 ( ) に関して事務局から説明をお願いします。

○厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部生活衛生課長田課長 前回に引き続き何とぞよろしくお願いいたします。資料 1 です。表題にあるとおり前回、検討に当たっての主な論点 ( ) ということでお示しいたしましたが、前回の御議論を踏まえ、一定の論点については検討の方向性のたたき台ということで併せてお示ししたものです。また、それぞれの論点ごとに頂いた御意見は事務局の責任において、頂いた意見の概要を併せて整理しておりますので、議論の参考にしていただければと思っております。

中身に入る前に 1 ページです。検討に当たっての全体の論点の目次みたいなものです。前回にお示ししたものから若干、構成等を変えておりますので、まず、その中身について説明いたします。もともとこの検討会は、 2 の論点にあります養成施設における教科課程をどのように考えていくのかということ、 3 番目にあります理容師・美容師のいずれか一方の資格を持たれた方が、他方の資格を取得しやすくするための養成課程をどのように考えていくのかという、大きくはこの 2 大論点を議論いただくということでスタートいたしました。

こうした各論を議論いただく前提として、やはりそもそも理容師・美容師の養成のあり方の基本的な考え方をしっかりと確認する必要があるのではないかということで、実は前回の検討会が終わった後に座長からもそのような御指摘を頂いたことも踏まえまして、論点の一番上の所に「基本的な考え方について」という論点を設定いたしました。

また、 2 3 の部分ですが、前回の検討会の資料の並びとしては 3 の所が先にきていたわけですが、むしろ本日、 2 にお示しした養成施設における教科課程は、両方の資格を取るという話ではなくて、もともと根っこの養成課程をどのようにするかという議論です。まず、そこのベースがあり、その上で両方の資格を取る場合の養成課程を考えるということが論理の筋道として妥当ではないかということで、 2 3 の論点の並び順を変えております。

2 ページです。ということで、前回そもそも論点としてお示しできていなかった部分ですので、主な意見、検討の方向性という所は、いずれも空欄となっておりますが、 3 ページ以降の具体的な論点の御議論に入る前に、まず、構成や基本的考え方の部分に関して御指摘、御議論を賜ればと思っております。一旦、ここで私からの説明を区切らせていただければと思います。

○原田座長 今説明がありましたように、前回頂いた論議を事務局で少し整理して、そして、まず、基本的な理容師・美容師のあり方に関する考え方、一言で言ってしまえば非常に様々な感染症の種類が出て来た中で衛生をきちんと確保して、しかも様々な消費者のニーズ、男性、女性、特に男性はファッションの方向性が強くなるような動きの中で高度化し、多様化する消費者のニーズに応えられるような人材をいかに育成していくかということが、美容業並びに理容業にとっての基本的な方向性であろうということが多分に言えるのではないかと思います。

そういう視点を踏まえた上で、実際に教科課程に関しての中身、一方の資格を持っているが、もう一方の資格を取る上において考慮しなければならない、修正しなければならないポイント、並びにその先に存在する国家試験に関しての見直し点という形で、基本的な考え方に基づいて教科課程の中身並びに一方の資格を持っている人が、もう一方の資格を持つ上において何を考慮しなければいけないか、そして国家試験に関してはどのような問題点が出てくるのかということを、まず論議の初めにやるという形で御指摘を頂いていると思うのですが、そのような形でよろしいですか。

何か御意見はございますか。よろしいですか。それでは、基本的な本来あるべき理容業並びに美容業の姿にきちんと適合できるような教科の中身、並びに資格の問題、国家試験の問題を論じていきたいと思います。それに引き続いて、資料 1 3 ページ以降、具体的な論点に関して事務局から説明をお願いします。

○長田課長 引き続き、資料 1 3 ページ以降について説明いたします。まず、養成施設における教科課程についてということで、 (1) 教科課目の内容・範囲のあり方についてです。この点については、かなり前回、様々な御意見を頂きました。まず、その前提として 18 ページを御覧ください。現行の養成施設における教科課目については、この表の左側にあるとおり必修課目として関係法規・制度から始まって、座学の部分が理容・美容運営管理という所まで、そして理容・美容の実習があります。それに加えて、選択必修課目ということで全体が構成されております。

まず、このことを御確認いただいた上で、 3 ページにお戻りください。ここの所については、かなり具体的な御意見を幾つか頂いております。まず、保健において人体の構造についてまで学ぶ必要があるのかという問題提起、また、物理・化学については中学・高校で学んだ内容を改めて養成校で学ぶ必要があるのか、端的に物理というものは必ずしも要らないのではないか、ただ、一方で化学については香粧品化学ということで構成されておりますので、その点については理容・美容の業務においては非常に重要であるということで、そこに特化させれば良いのではないかという御意見です。

運営管理については、教科書が共通化されている。理容・美容文化論についても教科書は別になっているが実質的に共通化できているのではないかという御指摘、同じく文化論に関しては、共通化するという考え方はあると思うけれども、異なる部分については技術理論の中でうまく吸収していくなどの工夫が要るのではないか等の御意見を頂きました。

こうしたご意見を踏まえて、まず、 1 つは、教える内容を理容業・美容業に必要不可欠な内容に特化していくという重点化を考えてはどうかということを検討の方向性として書いており、具体的には次のページのような課目の再編を検討してはどうかということで、事務局から提案した内容が 4 ページです。

上の 2 つ、関係法規・制度、衛生管理については、従来どおりということですが、保健については先ほどのような御指摘を踏まえ、学習内容を体全体から皮膚や毛髪などの皮膚付属器官に特化してはどうかということです。物理・化学については、香粧品化学に特化して課目名も香粧品化学として、ただ、技術理論で対応すべき部分ということの御指摘もありましたので、今の物理・化学の中の一定部分について、技術理論の中に組み込んではどうかということです。

文化論については、 1 つはデザインや色彩の部分については、技術理論に入れつつ教科書としては 1 本化することで考えてはどうかということで、再編 ( ) を示しております。なお、参考ですが、 5 ページに今の課目と教科書がどういう形で共通化されているのかされていないのかという整理、これは前回の検討会でもお示しした内容です。

6 ページは、細かくは机上に配布しているファイルに通知集が入っており、その内容を抜粋したものです。先ほど来見ていただいた課目名の、具体的にもう少しどのような中身を教えるのかということが通知で書かれております。例えば、 3 つ目の理容・美容保健では、人体の構造機能がアで掲げられており、イ、ウ、エで皮膚関係のことが掲げられております。こういう課目名だけでは中身が必ずしもはっきりしないというものについて、少しイメージをつかんでいただくために用意したものです。

7 ページです。選択必修課目のあり方についてです。現行の養成課程においては全部で 600 時間の履修時間という設定になっており、国の通知の中においては、一般教養における課目例、あるいは専門教育における課目例をお示ししております。運用上はこの課目例に準拠するということでは必ずしもなくて、それぞれの学校の独自性を発揮していただく中で、課目の設定をしていただいているという状況です。

そういうものについて、養成施設における独自性や考えは尊重すべきではないかという御意見がある一方で、課目例を示しただけで一定の枠組みを何ら示さないでいいのかどうかという論点を前回設定いたしました。これに関しては主な意見として、中身ではない部分ですが、まず、 1 番目としては、選択必修課目という名称が紛らわしいのではないかということで、選択課目という名称にしてはどうかということ、一般教養がどこまで選択必修課目の履修の中で必要なのかという御意見、各学校が社会のニーズをうまく取り入れていけるような形で 600 時間をいかしてはどうかということ、豊かな人格形成や常識、知性を身に付けていただきたいという御意見等がありました。

そこで、検討の方向性ですが、 8 ページです。 1 つは、選択必修課目の名称を、頂いた御意見のとおり「選択課目」と変更することを検討してはどうかということ。一般教養については幅広くいろいろと身に付けるというよりは、サロン経営において特に重要になるであろう接客やマナーという部分にある程度、重点化を考えてはどうか。そもそも一般教養と専門教育という部分でいえば、技術力の向上が求められている中で、技術・実践重視の方向性を大きな考えとして打ち出してはどうかということで検討の方向性を挙げております。

9 ページです。教科課程の内容及び範囲のあり方等についてです。前回もお示しいたしましたが、資料 2 です。関連する参考資料ということで、用意したものの 1 ページを御覧ください。これは幾つかの学校が、 1 年生のときにどのような課目をどのぐらい教えているのか、 2 年生のときにどういう課目をどのぐらい教えているのかという例ということでお示ししておりますが、かなりまちまちになっております。

転校があったときうまく編入ができないという課題が御指摘されており、そういうことをできる限り、例えば 1 年のときにはどういう課目をどの程度まで教えるとか、そういう標準化が必要ではないかという課題提起です。ここについては前回、具体的な御意見を頂いていないところですので、少し御意見を頂ければ有り難いと思っております。

10 ページです。通信課程の取扱いです。今の養成課程においては昼夜間の課程とともに通信による養成課程があり、昼夜間の基本的な考え方は、ある程度整理しながら、それを通信課程で取られる場合にはどういうカリキュラムを組んでいくということも併せて当然、整理をしていただく必要があると思っております。ちなみに、年限の話だけ申し上げますと、昼夜間課程については 2 年間の修業期間ということで設定されておりますが、こちらの通信課程については 3 年間の修業期間ということで整理されているという状況です。以上が養成課程における教科課程のあり方についての論点部分です。

11 ページ以下の所が 3 として、理容師・美容師のいずれか一方の資格を持たれた方が他方の資格を取得するための養成課程のあり方についてです。主な意見です。基本的に全体を通じてあったと思うのは、養成施設での履修課目と修業期間を一定程度減じて負担を軽減することをベースにすることは共通していたかと思います。要は、そこから先に具体的にどういうものを共通的なものとして評価して、免除の対象として負担の軽減を図っていくかという辺りのことについて、更に本日詰めた議論をしていただければと思っております。

具体的に前回頂いた御意見、御提案の中では、もともと今も現行制度においても必修課目のうち履修が免除されている課目があり、それに加えて運営管理や文化論についてはかなり共通化が進んでいるということから免除してはどうか、技術理論と実習については残して、 1 年程度で履修できることとしてはどうかという具体的な御提案もありました。文化論や運営管理については、前半に出た内容と同じです。

また、一定の履修免除を認めるとした場合、単に片方の資格を持っているということで免除するのかどうか、実務経験も一定の評価として考える必要があるのではないかという御意見も頂きました。そのほか、技術の進歩に対応する知識についても対応できる工夫が必要ではないか等の御意見を頂きました。

実務経験の有無に関して、若干、参考になるかどうかですが、他制度の例を幾つか拾いました。資料 2 3 4 ページです。 3 ページは、社会福祉士と精神保健福祉士という資格について、これと似たような話として、社会福祉士の資格を持たれている方が精神保健福祉士という資格を取得する場合に一定の課目が免除されるという仕組みがあります。こちらについては、その際の免除の要件として、特に社会福祉士として何年従事したという実務経験を問うという要件は設定されておりません。 4 ページは、保育士と幼稚園教諭の資格取得の例です。こちらについても一定の範囲の試験免除があり、その免除の要件として実務経験 3 年以上という要件を課しているという例です。

資料 1 12 ページです。前回の御意見を踏まえ、検討の方向性として書いているものについてですが、運営管理と文化論については履修を免除する方向で検討してはどうかという提案です。また、技術理論については、前回もそこについてはしっかり学ぶべきという御意見が多かったということで、免除の対象とはしない方向で検討してはどうかという案を提示しております。

13 ページです。 (2) 実務経験を考慮した実習や選択必修課目の取扱いです。 (1) の部分は課目のうちの座学部分についての整理の案です。 (2) の所は、実習や選択必修課目について、どこまで履修免除を認めるのか認めないのかという内容についてです。主な意見としては、今、実習については 810 時間という履修時間が定められております。

技術の異なる面があるにしても、全く一般の純粋にこれから学ぶという学生と理容・美容で実務経験を有されている方が一から同じように学ぶ必要性は必ずしもないのではないかということで、一定時間の免除について検討の余地があるのではないか、具体的に実習時間をどの程度免除するかということを考えた場合には、理容・美容で共通する部分を積み上げてある程度考慮することが必要ではないか、選択必修課目については、 600 時間の必要はないのではないかという御意見を頂きました。

14 ページです。そういうことを踏まえての具体的な検討の方向性 ( ) です。まず、実習については以下のいずれかの案とする方向で検討してはどうかということで、 2 つほど案を示しております。 1 つは先ほどの御意見にもありましたように理容・美容で共通する部分を考慮するという観点から、これは鈴木構成員が理事長を務めておられる教育センターの御協力も頂き、幾つかの学校における課目の実例を調べていただきました。シャンプー、カラーリング、パーマ等、比較的に理容と美容と共通性の高い内容について、理容と美容の両方の兼ねられている併設校でどれぐらいの時間が当てられているのかということを調べたものです。

15 ページの右の欄の下の方に、少し大きめの数字で書かれている部分があると思います。理容の欄で見ていただきますと、比較的似たような課目の所で 250 時間ぐらい費されている。そうではない部分で、 617 時間費されております。ちなみに、理容と美容では 256 時間、 408 時間という差がありますが、例えば共通的な項目でもパーマを見ていただくと典型的だと思います。やはり理容と美容では時間のかけ方に結構差があります。

14 ページに戻ります。こういう内容を踏まえて、案の 1 ですが、大体共通的なものが 600 時間程度ということで、逆算して 210 時間ぐらい免除するということを 1 つの案として御提案できるのではないかというものが、案の 1 です。案の 2 は共通的な部分の積上げではないのですが、現行制度において通信で資格を取る方の実習時間として定められているのが 450 時間です。やはり通信で取られる方は履修をしていただいて、 450 時間程度は最低限確保していただいた方がいいのではないか、仮にそのような考え方に立った場合には 810 時間と 450 時間の、履修時間の免除ということで言えば差分の 360 時間程度ということで、ほかにも考え方があるかもしれませんが、事務局からはこれまでの議論を踏まえ、この 2 つの案を提案いたしました。

2 つ目の丸です。選択必修課目については、選択課目という性格を考えれば論理的には全部免除という考え方もあり得るのかもしれませんが、ここは技術の高度化のために更に技術を磨いていくための履修課目ということでもありますので、全部を免除するという考え方ではなくて、一定程度免除するという方向で考えてはどうかということです。その際は、選択必修課目の免除の範囲や全体のバランスを見ながら具体的にどの程度、履修免除として設定すべきかということを検討していただいてはどうかという提案としております。

16 ページです。そういうことを踏まえて、この修業期間の短縮を実際にどれぐらい図っていけるのかということですが、いずれにしてもここは今見ていただいた座学でどういう取扱いをするのか、実習の部分でどういう取扱いをするのか、選択必修課目でどういう取扱いをするのかという全体の検討のパッケージの結果として、修業期間の具体的な短縮期間を整理していく必要が当然のことですがあります。

それから、理容師・美容師のいずれかの資格を有する方がもう片方の資格を取得する場合は、これまでの説明はあくまで昼夜間課程がどのようになっているのかということに対応しての整理ですが、おそらく片方の資格を取られている方がもう片方の資格を取られるケースは、かなり通信課程の利用が想定されますので、昼夜間課程での整理と整合する形で、通信課程でどのように取扱っていくのかということを当然のこととして整理する必要があるのではないかということです。

最後ですが、国家試験の内容等についてです。国家試験の性格が、まずは何を学ばせるのかという養成課程のあり方がしっかり見定まった上でということですので、論点の深掘りということは現時点ではしておりません。 (2) 1 つだけ論点を書き加えております。 18 ページです。必修課目が左の欄にずっと並んでおり、右に試験課目が書かれております。見ていただければ分かりますように、必修課目のうち理容・美容文化論、理容・美容運営管理については、試験課目の対象となっていないということが現行の整理です。こういう対応関係について、現行のままでよしとするのか、必修課目として学ばせている以上は試験課目としての確認も必要なのかどうかということについて、最低限、現時点でも議論が必要ではないかということで付け加えております。

若干長くなりましたが、事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○原田座長 今、 3 つの分野にまたがって全部一度に説明いただいた感じになりますが、これから論議に入ります。まず、 3 つぐらいのパートに分けて論議していただいた方が、論議しやすいだろうと思います。まず、養成施設における教科の課程に関して、何か御意見はありますでしょうか。これだと、ファーストエントリーの人も対象になるということで、片方の資格を持っている人が、もう片方を取るということは、この次にやりたいと思います。その全体の課目の構成に関して、なるべく実学ベースで近付けていこうというような論旨があったのだろうと思います。何か御指摘、その他ありましたら、よろしくお願いしたいと思います。

○遠藤構成員 では、具体的に一番分かるように、美容と保健ですが、これはやはり、体全体ではなくて、ここに挙げてあるように、皮膚とか毛髪ということに特化したらどうかという御意見ですが、私は基本的にそれでよろしいかと思いますが、ただ、首の頭頸部というのは、例えば、静脈とかがどこに走っているとか、三叉神経があるということぐらいは、多少は知っていていただかないと、例えば、はさみとかレザーで傷つけたりする可能性もありますので、もちろんボリューム、負担にならない程度ではありますが、ここには皮膚と毛髪としか書いていないので、事務局の心の中にはあったのかもしれません。一応、念のため申し上げました。以上です。

○原田座長 ありがとうございます。特に事故につながるものに関しては、保健、一律に全部取ってしまえということではなくて、部分的にやはり残すべきだという御指摘だと思います。ほかに何かありますでしょうか。

○大森構成員 まず 1 点は、関係法規の所です。できれば、理容師法・美容師法ということが基本になるのですが、生活衛生法などの関連もそこに加えたら、より分かりよいのかも分からないなと思いますので、是非、この生衛法を入れられたらどうかと思います。

理容文化論、先ほど課長さんから何度も説明がありましたが、このことについては、前回も話が出てまいりましたが、これは国家試験にもないのだという説明もありました。その中で、これだけ理容文化論、美容文化論というその分け方を、ここでしているということについては、少々無理がある。結論から言いますと、何かその、理美容の歴史が、 200 ページのうち 10 ページのみということで書かれて、両方の教科書を見てみても、その中の 10 ページと言いますが、そうではない。中身を見ると、 10 ページの中の、例えば 6 行目とか、 5 行とか、 3 行、 7 行とかしか差異がないのであって、このようなことをわざわざここで分けてすることが、私は全くこれは外れているということで、ここはやはり、文化論とした方が、すっきりすると思います。そのようにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

○原田座長 ありがとうございます。事務局の方で、メモしていただいていますか。

○事務局 はい。

○原田座長 ほかに何かありますでしょうか。

○吉井構成員 今、質問が出ました首の所については、当然、社会的問題、シャンプーボールの問題等があって、これはそこを当然取り扱っていただくべきだろうと考えます。

もう一つは、関係法規については、当然、生衛法の中において美容師法等、理容師法等が実際において運営されているわけですから、それは、至極大切なことだろうと思いますので、導入をしていただきたいと思います。

それから、美容文化論・理容文化論についての発言がありましたが、もともと理容文化論・美容文化論という教科書や、それから、美容師・理容師の法律等を考えれば、根の部分は、そこから発展していっているわけですから、実習にしても、やはり違った部分というのをはっきりさせていくというか、むしろ、ここが違うから、このように違ってきたのだと、そういったことを学ばす必要があるのだろうと、このように考えています。

○有吉構成員 私も養成施設の意見としてになるかと思いますが、文化論に関しては、本当に少しだけですので、逆に理容と美容の違いというものを教えることで、一本化する方がよろしいのかと思います。

ここで、こういうことを申し上げていいのか分かりませんが、今、教科を教える先生たちも、ほとんど美容師さんが教えられるようになっているのですが、物理と法規に関しては、教えられないようなことになっているので、この辺のところも今後、美容師さんが教員の資格を取れるような、そのような制度があるといいかと思います。

○原田座長 教える方の資格という意味ですか。

○有吉構成員 はい。

○原田座長 教育実習その他全部伴いますから。ありがとうございます。関連法規の中にきちんと明記すべきだという御指摘だと思いますが。

○大森構成員 ちょっといいですか。

○原田座長 はい。

○大森構成員 理容・美容文化論、あえて申し上げると、 10 ページの中にも写真も同じものを使ったり、私もこれを全部見まして、私たちが当時、学校で学んだ教科書を見ると、理容理論という中にそういう部分が入って、もともと文化論はなかったのですね。 2 年制にするときにそういうものを加えたのであって、この際、文化論についてなくせというのではないのですが、同じ写真を使って、図表も全く一緒。このようなものを 2 つにあえて理容、美容だといって、この時期にこれを入れるというのは、私は適切ではないと思います。

先ほども言いましたが、このようなものを美容文化論・理容文化論と分けていくこと自体が、今の時代に合わないと思っています。そういう意味で申し上げているのです。是非、このことは汲んでください。

○吉井構成員 教科書を 2 つという意味についてこだわっているわけではありません。要するに、美容文化、理容文化、むしろ、有吉先生がおっしゃられたように、両方の違いというものをはっきりと明記する必要があるのではなかろうかということについて意見を申し上げているわけであって、教科書の一本化ということについて、 2 冊も必要ないのではないかと、これについては、それほどこだわっているわけではありません。

○原田座長 ありがとうございます。

○大森構成員 もう 1 回いいですか。その違いは、文章の中で明確化したらいいので、あえて、ここの所で分ける必要はないということで、資料については、変えて欲しいと申し上げたのです。

○原田座長 美容文化論、理容文化論と、あえて分ける必要性はないではないかという御指摘だと思います。あえてそれをやるのであれば、違いをむしろ明示すべきで、テキストを 2 つに分ける必要性は、全くないのではないかという御指摘だろうと思います。だから、関連法規関係もやはり、生衛法関係のものはきちんとこの中に入れるべきだということと、一般教養の課目に関して、果たして、その教える必然性があるかどうかという問題も多分にあるのではないかと思いますね。高校とか、あるいは大学は文科省の規定がありますから、一般教養の課目の中にそういうのを入れなければいけないという側面はあるかもしれませんが、むしろ、実学ベースが必要なので、果たして、高校や大学の 1 2 年生がやるような一般教養を、あえて教えなければならないという必然性がどこまであるのかというものがやはり、ある程度問題提起として掴んでおいてもいいのではないかと思います。今、やめろということではなくて、問題提起として、掴んでおく必要性があるのではないかと思います。

○大森構成員 委員長、冊子でよかったら、いつでも見てください。これ、間違いなく、何行とかという問題ですから。

それと、もう 1 点申し上げますが、今、技術的なもの、理論をずっとチェックしながらページを全部見ていくのですが、例えばシャンプーのことが出ましたが、リアシャンプー、バックシャンプーとか、そういうような呼び名で変えられている部分がありまして、是非、分かりよいように、要するに、局長通知がしっかり浸透した形のものを作っていかなければ、後でまた指摘される。よく審議してもらいたいと思います。

○原田座長 テキストの中身の審議をもう一度やり直す。本当は定期的に直した方がいいのだろうと思いますが。

○大森構成員 そうです。

○原田座長 今、御指摘いただいたように、いわゆる座学に相当するような分野を、もう 1 回、両方の業界、美容並びに理容の業界にとって必要なものであるかどうかという形で見直しして、ものによってはそこを整理していく。

○大森構成員 そうですね。

○原田座長 そうすると、そこの部分で空きが出ますから、その部分の空きを逆にいって、実習とか、そういう技術に相当するようなものに、更に振り当てていくというような方向性が求められるのだろうと思います。この辺のところは、皆さんの御意見として、実学ベースになるべく沿うような形でカリキュラムの中身を見直しして、特に技術の方向にいく。だから、その分カットしたのを全体の時間を減らすというよりは、出来ているものを実技の方へ回すというような形で対応した方がいいのではないかと私は思っていますが、その辺の考え方でよろしいでしょうか。何か御意見がありましたら、お伺いしたい。

○吉井構成員 それについては、そのとおりだと思っています。ですから、座学についても、実技についてもそのように見直していただいたり、それから、一般教養、要するに、選択必修課目、今、言われているもの。これについて、選択課目にしたらどうだろうかと。それにおいても、職業学校として実技を重点的に置いていくということは、大変必要なことだろうと思います。その方向で結構だろうと考えます。

○原田座長 ありがとうございます。その辺は、皆さんのコンセンサスは得られたという形でよろしいでしょうか。ですから、定期的に中身を見直していくということは必要かと思います。大森さんに頑張ってもらうということで。

○大森構成員 ありがとうございます。いや、先生、こういった委員会ですから申し上げますが、人体の名称などは両方とも一緒なのですね。体の部位、それから、器具も機材も、はさみの名称などは、全部一緒の図形で書いてあるのですね。ですから、この 2 つも分けなくていいので、そういう部分については全く一緒ですから、これからは、むしろ揃えた方がいいのかも分かりません。違っている部分は、どちらかの適している方に揃えることがこれから必要であって、そういう部分だろうと思います。

○原田座長 そういうことも検討していただくということで。すみません、お待たせいたしました。

○鈴木構成員 今、いろいろ御意見を伺いまして、教科書を扱っているものですから、教科書の見直しに関わる基本的な考え方として、いろいろ教科書の記述をもっと分かりやすくしていきたいと思います。

また、先ほど、頭頸部、衛生問題に関する内容については、理容・美容の業務に必要なものに特化する方向で考えていったらいいのではないかと思います。そのためには、教科内容は、医師と、理容師・美容師が連携して作成する方向で考えられたらよいのではないかと思います。また、先ほど教科書の重複がありましたので、その内容については、連携、整合性が取れるように精査する方向で考えていったらよいのではないかと思います。

私は、基本的には、先ほどの資料 4 ページにある教科課程の案について考えてもいいのではないかと考えております。以上でございます。

○原田座長 ありがとうございます。先ほど申し上げた点は、皆さんから大体コンセンサスが得られていると思いますので、事務局で更に深めていただければ有り難いと思います。

それでは、次のところですが、これが本日のメインかもしれませんけれども、片方の資格を持っている人が、もう一方の資格を取るということで、ですから、理容師・美容師のいずれか一方の資格を持った者が、他方の資格を取りやすくするための養成課程のあり方に関して、何か御意見等はありますでしょうか。

○長田課長 ちょっとよろしいでしょうか。

○原田座長 はい。

○長田課長 事務局が口を挟んで恐縮ですが、 2 の論点の中の、今、主に教科課目の再編案を中心に御意見を頂戴したかと思いますが、 7 ページ以降の選択必修課目の扱いの部分とか、前回、御意見を頂戴できていない、 9 10 ページ辺りの所についても、何か御意見を頂戴できるのであれば、 3 に入る前にお願いをしたいと思います。

○原田座長 はい。先ほど、選択必修ではなくて、選択課目にした方がいいのではないかという御指摘はあったと思いますが、それの、選択必修となると、どの課目を何単位取らなければいけないという縛りが出てくるのだろうと思いますが、選択課目で逆にいって、それぞれの教えている所の独自性が出せるような形にして、選ぶのは受講者という形にするのならば、これは、どれを選んでもいいわけですから、選択課目を逆に増やすという手が考えられる。しかも、その選択課目は、できれば、実習ベースのものを、技術ベースのものを増やすということになってくるのではないかと思います。そういうような御意見を多分、頂いているのではないかと思いますが、その件に関しては、それでよろしいでしょうか。

もう一つの方は、 2 年が、昼と夜の学校に来られる人たちを対象にしたもので、カリキュラムは 2 年終了と。それに対して、通信の方は 3 年という形、大体どこの通信教育というのは 1 年多いというのが一般的ですので、大学などでやっている通信教育も 1 年多いというのが一般的です。それに、通信教育をやる場合は、スクーリングを伴なわなければいけませんので、どうしても座学に相当する部分を通信でやると言っても、それ以外に実習に伴うようなものというのは、スクーリングという形で課していかなければいけませんから、どうしてもそれは多くなるのは当然だろうと思うので、 2 年又は 3 年ですから、だから学校に来られる人は 2 年、通信を中心にやる人は 3 年が基本だと思いますが、その辺はよろしいでしょうか。何かありますか。

○吉井構成員 今、 9 ページの 2 を言われているのですか。

○原田座長 そうです。 9 ページの所です。

○吉井構成員 編入、要するに、今、昼間制、通信制、夜間制、これが昼間と夜間が 2 年制、通信が 3 年制である。今の座長の御意見からすると、一般的には、 1 年、昼夜間から比べれば多いので、このようなことで今、現在きていると。それについては、全然異論はありません。

○原田座長 そこで 1 つ問題になったのが、 1 年次に教えることと、 2 年次に教えることが余りにもばらばらであると。そうすると、例えば、勤め先や、あるいは様々な理由で場所が変わった場合に、編入したときに、全然、単位の振替とか、そういう問題もあるのだろうと思いますが、うまくできないということです。大学とかそういうものだったら文科省の縛りがものすごいのですが、ちょっとそこは違うのかもしれませんけれども。ある程度、ばらばらであることを修正して、ほぼ年次に応じて開講する課目を、ある程度統制を取らないと、特に選択課目を増やすと、益々ばらばらになる可能性がありますので、その辺は何か 1 つのガイドラインのようなものが本当はあった方がいいのかという気がしないでもないのですが。

○大森構成員 指摘のとおり、何もかもそのように多くをこれ以上、各校によって違う、ばらばらなものにしていくと、先ほど御指摘があった、編入時もこれからよくあると思いますが、編入したときや学校が変わっていくと、ここ違うよということで迷いが出ますから、養成校であっても教育機関でもありますから、ここはしっかりとフォローをこれからするべきだと私は思います。

そして、その中で、 7 ページ辺りを見ても、社会の中に役立つとか、社会の変化に対応できるとか、社会、社会で、しかし、常識、知識を身に付けてほしいとか、これはいわゆる義務教育とか高校レベルでできている部分までも、このようなところへ無理にくっ付けるようなことまではなくして、やはり専門性、先ほど言った実習ベース、これらをしっかりと付けるということに。余り社会、社会ということは当然のことですから、これは。そこらを注意していけばいいのだと思います。

○原田座長 ありがとうございます。養成校によってばらつきが大き過ぎますね。

○大森構成員 そう、そうかもしれません。

○原田座長 課目数の数からしても、ばらつきが非常に大きいので。

○大森構成員 やはり、気付きましたか。

○原田座長 ですから、養成校でそれだけたくさんやってくれているからこそ役に立ったというのなら、話は分かるのですが、養成校が勝手に増やしてしまっているのではないかという気もしないでもないので。

○大森構成員 そうです。

○原田座長 そこら辺のところはやはり横のつながりはある程度、検討してみる必要性があることだと思います。

○宮崎座長代理 この編入に当たってということで、資料 2 1 ページ目に、各養成施設のカリキュラムが出ていて、これ、必修課目で出ているのですが、恐らく、選択課目について、編入するときは各学校の、ある程度時間数を読み替えていくとか、ある程度の時間数を取れば、今まで取った選択に新しい学校の選択が通っていくということで、学生ベースで見ると、そこはあまり問題はないかと思います。問題は、この必修ベースで、例えば関係法規、 A 校は 1 年次は 0 F 校は 30 で、 1 年次に全部やってしまっているということがあると、編入して行って、私たちは全部終わって、それベースに授業が始まっていて、何だか分かりませんというようなところが、多分、編入のところで一番大きい問題だと思います。

今、私は教員をやっています。教育のカリキュラムを作るベースで考えると、個々の学校で、突然、これ、 1 2 年をこうやりなさいと言われてもなかなか、今までのしがらみがありますので、どこかでやはり基準を作っていただいて、これも時間がかかるとは思いますが、概ねここは 1 年生で、概ねここは 2 年生でというようなものがある程度ガイドラインがないと、この編入の容易化というのは、ちょっと外の力がないと学校独自の改革では、あるいは学校は、ここをみんなで話し合ってというのも、いろいろな事情が出てくると思いますので、できたらその辺、国である程度、基準を出していただくことが、これ、学生にとってはメリットになるのではないかと考えます。

○原田座長 そこら辺の問題は、また事務局に判断をお任せしないと、いろいろと微妙な問題などあると思います。ただ、今、御指摘のとおり、必修課目を減らさないといけないですね。必修課目を減らして、選択課目を増やすというような形にして、必修課目を 1 年次に何をやる、 2 年次に何をやる、ほぼ共通にしておけば、これはどこから移って来ても、選択はシラバスのようなものがあるのでしょうから、その中身で共通しているものがあれば、その単位を振り替えるということは十分できると思います。必修は恐らく同じような内容でやっているはずですから、必修課目そのものの数を少し減らすという方向性を取り入れていかないと難しいかと思います。まして、 2 年間ですからね。

○大森構成員 やはりそうだろうと思います。私はそのとおりですが、選択課目というのは、もともと 1 年で理・美容学校を卒業できたものが、 2 年にもっていきましたね。そのところで、選択課目とか、文化論とかをどんどん入れていく、国家試験には全く違うものを入れていく、そういうものが、こういう長々としたものの形になっていると思います。ですから、選択課目であっても、必ずしも無理に足さなくても、だから、そこら辺は社会とか、何とか、常識、知識というのは、これは違う段階で、もっと流動するものだろうと思います。ある程度のそれも必要ですけれども、それをあえて、文字的に入れるような問題ではなくて、そこらはあまり増やすべきという問題でもない。だから、そこをしっかりこれから煮詰めていかなければいけないと思います。

○原田座長 必修と選択の見直しをしっかりしろということですか。

○大森構成員 そうですね。

○吉井構成員 今、必修課目と選択課目の問題が出ているのですが、必修課目の時間数、これを若干減らしたらどうだろうかというような調整も考えたらどうだろうかというようなお答えですが、御意見があったと。

私どもは理容・美容の専門職をやっている学校なのですから、選択というか、必修課目自体を少なくするというところは、専門性がむしろ少なくなっていくのではないかという懸念も、これは多分、私の方がカリキュラムは分かるかもしれませんけれども、片一方で、選択課目を専門性のあるものに少し特化していったらどうだろうかという御意見も出ているわけですから、それから考えると、必修課目自体を減らすというのはどうなのかと。逆に言うと、必修課目を増やすことによって、各学校の共通性が増えてきて、転入などをする場合もむしろいいのではないかと思います。

○原田座長 中身でやはり決めないといけないですね。

○吉井構成員 はい、そうですね。

○原田座長 単純に数を減らすということだけではなく、必修というのは、みんながどうしても習わなければいけない基本的な部分が必修ですから、そのところの妥当性をチェックした上で、やはり必修課目として置いておくことの意味がそこにあるかどうかということを、もう 1 回見直してみる必要性があると思います。それで、場合によっては、減らす可能性も検討すると。何でもかんでも必修に入れてしまって、学生数を確保するという、授業で受けている学生数を確保するようなことはちょっとおかしいと思います。中身に応じて、必修と選択のバランスを見直しして、選択の方はなるべく技術に結び付いていくものにすると。そこが普通の大学あるいは高校とちょっと違うところだろうと思います。そこら辺の見直しをなるべく検討するような方向でいくという形でよろしいでしょうか。ちょっと時間の制限もありますが。

○西島構成員 はい。先ほどの大森委員の発言に反対なのですが、前回も多分、有吉委員も言ったことですけれども、やはり理容師・美容師の基本的なところの使命は何かというところ、これはやはり、一番に、最初にきちんと教えることが大事だと思います。そのことによって、彼らのインセンティブも上がるし、また、世の中でもそういうことをアピールしておくということはとても大事だと思いまして、繰り返しになりますが、理容師・美容師の使命が何かということを、是非どこかで、長くはなくてもいいけれども、きちんと示しておいて欲しいと私は思います。

○原田座長 ありがとうございます。そうした使命を中心とする講座を設けろということですね。それで、類似した、社会何とかかんとかばかりみたいなものはやめて、そういうのを全部まとめて、何かそういう使命のようなものをきちんと教えるような課目を逆に考えた方がいいのではないかという御指摘だということ。

○西島構成員 課目までいかなくても、導入のところの 1 つとして、まず、そこから始めてほしいと私は思います。

○原田座長 教育の出発点として、きちんとそういうことでしょうね。それでは、時間的に押していますので、大変恐縮ですが、今、教科の課程の具体的な検討項目というか、それを事務局で押さえていただければ有り難いと思います。

それでは先ほど入りかけた、片方の資格を持っている人が、片方の資格をなるべく取りやすいような方向でどうしたらいいかということです。そこに関して、何か御説明の範囲の中でありますでしょうか。

○宮崎座長代理 前段の話で 2 番目の所でもありましたが、やはり、今回、全体においては実践を重視ということですので、理容師・美容師の一方の資格を持って、一応座学の部分もかなり勉強してきている人たちですので、もう一つの領域、美容でしたら理容、理容でしたら美容の技術、あるいはその技術理論をしっかりするというところは、やはりベースにして考えるべきではないかと思います。

○原田座長 もう既に習ったことではないか、またやらされるのはかなわないというのが本音だろうと思いますので、独特の違いのある領域、そこをやはりきちんと教えなければいけないだろうという御指摘だと思います。正にそのとおりだと思います。何かほかにありますか。

○大森構成員 よろしいですか。正に、いわゆる実践をされている方、例えば 3 年以上という 1 つの見本と言いますか、いろいろな業界の例がありましたが、やはり、片一方の、今現在、例えば理容を持って美容を受けるとか、美容を持って理容を受ける、この場合にはやはりそれなりにもう一方を容易にすることを考慮していただいて、是非、これから煮詰めていく段階で十分、そのような機会が与えられるように考慮をしてほしい。

具体的に言いますと、お店を持ってもう 3 年、 5 年たって、勉強して片一方を取ってみようという方々、恐らく理・美容学校殺到の形もありましょうが、そのような中で、できるだけ、最後には国家試験があるわけですから、その課程は容易にしてやる必要があるのだろうと思います。

大事なことは、少子化時代の到来というのも間違いのないわけですから、特に、 1 億割る、 5 千万割るような人口の中で、後継者を作ろうということで、どの業界もかなり力を入れていると思うのです。できるだけ後継者が飛び込んで来れるように、私は、そこは基本にならなければ、業界が社会からそっぽを向かれるような状況にしてはいけないと思うのです。例えば、准看護師さんのあれがなくなって、看護師さんが少ないので大変だということを医師辺りから聞きますから、そこもよく考えて、一番はやはり後継者、社会的にどうなのかということも考えて、是非その辺りは決めていってほしいというのが私の考えです。

○原田座長 ありがとうございます。特に少子高齢化が進みますし、経営者自体が高齢化していますから、後継者をいかにしていくかというときに、規制が邪魔になって発展の可能性が削がれてしまうというのは、やはり避けていく必要性があるだろうと思いますが、だからといって、提供する水準が低いような形が認められてしまうのは、これはデレギュレーションをやると過当競争になりますから、そうすると必ず副作用を伴う可能性があるので、そこはある程度避けなければいけないだろう。なかなか難しいポイントだろうと思うのです。ですから、無意味に軽くしないようにという御指摘でいいと思います。どうぞ。

○坂元構成員  1 つの資格を持っている人がもう一つの資格を取りやすくというところで、例えば、この資格を持った人に何年以上という実務経験を課すのかとかはいかがでしょうか、 1 つの資格を取ってすぐに可能なのかということです。この中で先ほど有吉委員が言った、衛生法規を教える教官がなかなか難しいとありました。でもこの中を見ると、理容・美容師資格を取ってから 3 年以上で国の定める一定の有資格者は可能なので、そうなると、これを見る限りは、 3 年というのが 1 つの、ある程度実務経験の目安という感じかと思います。そうすると、例えばここでもう一つの資格を取るときに、おおむね 3 年以上を持った人は免除規定があるという形で、実務経験を問うべきだというお考えでよろしいのでしょうか。

○原田座長 そうですね。特に経営関係に対する実務経験がなければ、その課目を共通にしたり免除したりする意味がないですから。それに、実務経験をきちんと持っていない人がペーパーみたいな形で存在して、そしてその人が両方取った方が楽だよみたいな形が認められるのはおかしいですから。ですから、ペーパーを持っているだけではなくて、やはり少なくとも経営経験が 3 年以上とか、あるいは 5 年とかという、 3 年ぐらいでもいいのではないかと思うのですが、そういうのを 1 つの縛りにすることはある程度必要かと思います。

○河合構成員 よろしいですか。今、座長が経営経験と言いましたが、必ずしもみんなが経営者になるわけではなくて、一方の免許を持っている場合、一方は通信という形になりますと、例えば 1 か月連続で学校に来ることは社会人としては不可能なので、理容にしても美容にしても、お休みの日を利用して学校に来て資格が取れるという方法があったらば、割と理容でも美容でも、新しく免許を取ろうという意欲が出てくるのかと思うのです。休日利用とか、 1 か月、あるいは 2 か月を連続的に座学、実習も含めて、もうお店をやっている、あるいは経営をやっている人は無理ではないかと思うので、やはり、そういうある程度学びやすい環境づくりというのも必要かと思います。

○原田座長 通信が、逆に言ってもう一つの資格を取るときの軸になるだろうと思います。とてもではないけれど、幾ら夜間クラスであっても、 1 日お仕事をした上で更に夜間でというのはちょっと無理だろう、体力的にも無理だろうと思います。昼間はましてや無理だろうと思いますから、通信で必要なところを取っておいて、スクーリングみたいな形で休日にそのスクーリングを受けに行って、トータル単位数がオーバーできればそれで資格がもらえるという方向性が多分に軸になってくるだろうと思いますから、それを中心に考えていかなければいけないかという気がしないでもないです。

○宮崎座長代理 今の話、すみません、 1 つ資格を持っていてもう一つ取るときに、実務経験を何年間か必要とするというのは、実はあまり聞いたことがないというか、例えば、今回資料に出していただいたこの社会福祉士と精神福祉士の場合も、これで勤めていなければこちらの資格が取れないですよということはないですし、あるいはその次の、保育士と幼稚園に関しても、こちらの資格を取っていてこちらもというときに何年間空けなければいけないというのがなくて、なかなかそれを合理的に説明するのが難しいかという気がしています。

○長田課長 ちょっと事実関係だけ御説明します。先ほど御説明した 2 つの例ですが、社会福祉士と精神保健福祉士については実務経験を免除の要件として問うていません。それに対して、 4 ページの例については、実務経験 3 年以上ある方については一定の範囲の履修を免除するという仕組みになっていますので、事務局としては 2 つ例があるということでお示ししています。

○宮崎座長代理 失礼しました。

○湯田構成員 全くのユーザー目線で恐縮なのですが、やはり、どちらかの資格を持っている方がもう一つの資格を取りたいという事情は、人それぞれあるのかと思います。先ほど後継者問題の話もありましたが、例えば、実家が誰かに継いでほしいと思ったときに、大至急取らなければいけない、けれども自分は仕事も辞められず、そして通信教育で次の資格を取りたいという場合に、何て言うか、やはり先ほどお話に出た学びやすい環境みたいなものが整っていないと、せっかくの意欲もなくなってしまうと思いますし、また、ユーザーとしても、その方がどういう経歴があるかとかということもあまり関係がないのではないかと思います。ですから、ある程度すればなのですが、履修の免除に関して取りやすさということを今、検討していると思うのですが、何か試験みたいなものが先にあって、これはもうしっかりマスターしているという場合は大丈夫というふうにはならないのでしょうか。

○大森構成員 難しいのでしょうね、我々は後から試験で、学んで。

○湯田構成員 後から試験、ああそうですか。

○大森構成員 後から試験。

○湯田構成員 ただ、もう 1 度学校は出ているわけなので。

○大森構成員 そうですね。

○湯田構成員 はい。

○大森構成員 先に試験というのは難しいでしょうね。

○湯田構成員 難しい。失礼しました。

○原田座長 ちゃんと活躍していても試験に落ちてしまう人もいるから。

○大森構成員 それはあります、しょうがないですね。

○原田座長 ありますからね。

○大森構成員 しかし一考すべきかもしれませんね。なるほど、そういう案もありますね。初めて気付きました。

○原田座長 私などは運転免許証を持っていますが、今更試験を受けたら落ちるだろうと思います。

○大森構成員 そうですか。

○原田座長 落ちるだろうと思います。

○大森構成員 みんな落ちるでしょうね。

○原田座長 車なども、 2 種免を取るために免許を持っている期間が必要なわけですから、ですから、それはやはり経験を問うためにあると思うのです。もう一方の資格を取るといったときに、全く実質的な実務経験を持っていない、経営経験もないような人が、一生懸命やってきて更に発展したいと思っている人と同扱いになるというのはやはりおかしいだろうと思いますから、課目免除だとか、試験課目免除みたいな形のときに実務経験という形で問うていけばいいのではないかと思います。

○湯田構成員 ケースバイケースだと思うので、それも選択できるようになるといいのかと思います。

○原田座長 その辺のところはいろいろな業界の考え方もあると思いますので、事務局で検討していただいた方がいいかと思います。ちょっとあると思うのです。

○長田課長 はい。

○原田座長 ただやはり、経験を問うということは、それで免除するか否かを判断するという流れは、私は必要ではないかと思います。それをどういう形にするかの方法論はまた別だろうと思います。基本的な考え方は、やはり経験を重視するということは、免除するときにカウントするということは必要なことだろうと思います。ほかに何かありますか。

訪問サービス、特に超高齢化の社会に行きますから、老人ホームか何かに訪問サービスをするときに、両方資格を持っていた方が絶対的にサービスの提供がいいわけです。それに安心して任せることができるということがあり得ますから、この両方の資格をなるべく取りやすい方向を検討していくという流れは、超高齢化社会を前提にして、訪問介護ではなくて訪問美容並びに理容が。これはどうしても、お年を召された方だって髪の毛をきれいにしたいし、おしゃれもしたいという気持ちは大いにあるだろうと思いますし、理容あるいは美容がマネキュアもやってくれるようになったら、男はそれほどないかもしれませんが、女性のおばあちゃん達にしてみれば嬉しいことだろうと思いますので、やはりこの流れは非常に大切にしていくべき方向性だろうと思いますので、いろいろな形で実現できるように検討していただくことは大切ではないかと思います。

両方の資格をやはり取れるようにするということはデレギュレーションですね。それが逆に言って、いろいろな副作用を必ず伴う可能性がありますので、単純にいいだろうと思ってやったことが必ずしも結果的にそれが伴うとは限らないというのが現実ですから、その辺のところは、やはり事務局でいろいろと細かく検討していただく必要性があるだろうと思います。これは、重視していくべき方向性だろうという形でよろしいですか。その辺のところのコンセンサスを得られたということで。

                                   ( 異議なし )

○原田座長 それでは、その次の項目に多分になるのかもしれませんが、あと、年数をどうするかという問題は、これは非常に難しい問題を伴いますので一概にここでは決めきれないと思います。ですから、 2 年間でできているわけですから、それをまた 2 年間課すというのはちょっと酷過ぎるので、妥当な線としては 1 年ぐらいかという線が出てくると思うのです。しかし、それと通信教育と結び付けたときに、同じ 1 年でいいかという問題が恐らく出てきますので、ここら辺はちょっと様々な問題を伴っていると思います。もっといろいろと意見を聞いてみないと。特に、業界サイド側の意見を聞いてみないといけないと思いますし、無意味にハードルを高くすることも意味がないですし、低くしすぎたらこれは過当競争になりますから、結構微妙な問題を伴いますので、そこはよく事務局と各組合との間で少し御検討いただくということでお願いした方がいいのではないかと思いますが、それでよろしいですか。

                                   ( 異議なし )

○原田座長 それでは、国家試験に関して何かありますか。課目免除の問題も出てくるのだろうと思います。しかし、これはあれですね、カリキュラム内容そのものが決まらなければ国家試験の問題も論じられないのだろうと思うのです。ただ、ものによっては、試験課目の免除をするという方向性を、既に資格を持っている人が新しい資格を取るのにおいてどの課目を免除できるかということは、やはり検討してみる必要性があるだろうと思います。一旦免除してしまったら復活はできませんので。ですから、やはりそこは慎重に、どの課目を免除するかということは、今すぐは決められないかという気がしますが、その方向性で考えるということでは。課目を免除するからには当然、試験課目も免除しなければいけないという問題が伴いますから、ここら辺は非常に微妙な問題を伴いますので、あまり軽はずみに対応できないだろうと思います。何か、国家試験に関してありますでしょうか。

○湯田構成員 先ほど、西島先生が言われた、理容・美容に関する使命みたいなものを前提に教えるべきというお話があったかと思うのですが、私もその試験内容がちょっと分からないので、本当に軽率な意見も言えないかと思うのですが、ただ、やはり自分がその仕事を選んでこういう使命を社会で果たしていくということに関して、いわゆる○×式ではなくて、例えば記述式というのでしょうか、何か文章でまとめるような試験みたいなものが当然あるのかと思っていたので、ないことが割と驚きではあったのです。

それで、よく歴史を学んでいくと、大抵は高校などで原始時代はとても長く学んで、現代史はものすごく端折りがちで、しかし、入試問題などに出るのは結局現代史が中心だったりするところもあると思うのです。太古の昔の歴史も学ぶのは重要だとは思うのですが、結局、今どういう現状になっているかということは現代史に全てが集約されていると思いますので、その部分をこの美容文化論という課目で教えていただいて、それを一人一人がきちんと、書くということは述べることができるということなので、接客中と言いますか、にもそういう教育がいかされるのではないかと思われますので、そういう御検討をしていただけたらいいのかと思います。

○原田座長 記述式はなかなか採点が大変で。

○湯田構成員 すみません。

○原田座長 採点が大変ですけれど。

○湯田構成員 出版社に勤務していると、記述が、全てが文ですので、○×ということは考えていませんでしたので。

○原田座長 出版社に丸投げしたい感じがしました。記述式の方が点数取りやすいですよね。かつて、うちの大学は記述式を全部、全員に課したことがあるのです。そして、運悪く私がその採点員にさせられました。そうすると、朝 9 時から何万人と受けるわけですから、 10 時過ぎても帰れないのです。それともう一つ非常に心配になるのは、主観的判断になってしまって、非常に結果が平準化するのです。 ABC でいくと、 C が中心になってしまって、特に良い、特に悪い、普通というものになって、全部が普通になってしまうという傾向がどうしても出るのです。ですから、確かに考え方その他をきちんと分かって、あるいはその人間としての熟成度を把握しようと思ったら、文章力を見るというのは 1 つの方法論ですし重要な尺度なのですが、こういう資格を伴うようなものに関して、例えばこれが 3 級、 2 級、 1 級と分かれているとか何かで、 1 級のところについては筆記試験を入れるとかというのでしたらまだ分かるのですが。ちょっと人数も多いですし、お気持ちは分かりますが。

○湯田構成員 ただ、学生さんは、資格を取るイコール試験に受かるとなるので、その試験問題のために勉強するという側面もあるのかと思いますので、その課目もないとなると自然におろそかになりがちなのかという懸念を感じた次第です。

○原田座長 確かに御指摘のとおりです。課目中心で通ればいいということで過去問ばかりやるようになる。そうすると、テクニックだけで中身を理解しないでという者が資格を取ることになりかねないわけです。ですから、いろいろな問題として挙げていけば切りがないと思うのですが、なるべくそういうより良い方向性をやはり検討してもらうことは大事だと思うので、御意見として伺っておきたいと思います。

○鈴木構成員 ただいまのお話にあるように、教科課程とその必修の試験の課題ですが、今言った文化論というのですか、使命論とか、そういうのが今現在、国家試験には課題が 2 つ、運営管理と文化論が入っていないのです。私は、文化論などは新しく試験課題に入れた方がいいのかと考えています。

○原田座長 どうして外れてしまったのか、背景がちょっと分からないので何とも言えないと思うのですが。

○大森構成員 それは、理容理論の中に、もともとこの理容の歴史とかいうのはあったのです。昭和 40 年前後の教科書には歴史という、今の文化論の中にある書類の一部を私は今現在も持っていますが、そこに入っていました。新たにまた起こすとなると、でも今後の問題でしょうけれど、否定はしませんが、また新たな試験を作るというのはなかなか難問でしょう。

ですが、御指摘にあるように、再度受けるのは例えば衛生とか、こういう部分については、私はむしろ大事なことであって、というのは法律が変わりましたから、過去から見て。例えば細菌とかいう問題がウイルスになりました、最近。それらの消毒方法とかいうものは過去のものとは変わっています。ですから、そういう問題については、私は入れるべきだろうと思います。しかし、文化論というのは、またその中で上手に拾っていくようにしたらどうですか。

○原田座長 文化論独自でやるというのはまた出題する先生も大変かなという気がします。ただ、今御指摘がありましたように、感染症の問題とかウイルスの問題とか今までではちょっと説明しきれないようなものは、もう本当に間近に存在をしていますし、拡大していますから。

○大森構成員 国際化社会ですからね。

○原田座長 はい。ですから、そのような部分、本当に必要な課目というのは試験の中に当然入ってくるべきだろうというように思いますが、それがあまりにも難し過ぎると、医学部の試験みたいになってしまって、これはいき過ぎかなという気がしますので、やはりその実学ベースで、実務ベースというのですか、実務延長ベースで試験の中身も検討すべき。

それと、資格を持っている人がもう一つの資格を取る場合は、免除すべき課目というものを、もう 1 回明確に、いろいろな角度から検討して選び出していただくことが大事と思います。その辺は事務局と組合との中に任せていく必要性があるだろうと思います。ほかに何かありますか。

○吉田構成員 今の試験の問題で、美容文化論と理容文化論、それから必修課目において、運営管理が今現在試験に入っていないということですけれども、先ほど湯田先生がおっしゃったように、現代史というか、現代の美容文化・理容文化そういったものを考えると、そのときにおいては現在の美容運営管理・理容運営管理というのは時代をかなり反映しているのだろうと、このように考えているわけです。ですから、むしろ理容文化論の単独ということではなく、運営管理も含めた中で、せっかく必修課目でやるのですから、試験課目として何とか取り入れる方法はないのだろうかと思いますけれども。

○原田座長 運営管理の対象を例えば計数管理みたいなものに限定しないで、もう少し理容業・美容業の業界特性を反映したような形での守るべきサービスの中身ですか、何かそういう提供すべきものとして、オファリングの中身というような形で常に検討し直してみる必要性があるのではないかと。本当にそのとおりだと思うのです。

○鈴木構成員 賛成でございます。

○大森構成員 分かりました。それは例えば 4 ページの理容物理・化学、それから理容文化・美容文化、先ほど出ました。理容技術理論という所に入っているでしょう、ですから、もともとこれに、そこにはまっている部分が過去にありますから、これを技術を入れずに、理容理論・美容理論としてその中に、試験の中に含んでいくという方法もあります。新たにものを起こすというのは大変です。そのような踏まえ方を考えたら拡大されますから、問題を増やすかどうかは知りませんが、そういう部分でクリアしていったら十分できるので、新たにまた加えて試験を複雑にするようなことについては、規制改革の中では、むしろそれは逆行かも分かりませんから、そこらは慎重に考えていかないといけないです。

○原田座長 課目を設定したからには、やはり試験の中になるべく入っているというのが本来ですから、でも全部が全部そうではなくてもそれは仕方がないだろうと思いますけれど。必修はなるべくなら試験課目の中にあった方がいいかという気がしますので、それは必修の中身の見直しをすればいいのだろうと思います。いろいろと御意見を賜りまして大変有り難いと思います。

大体出尽くしたかという気がしないでもないですけれども、本日の議論である一定の方向性が少しは出ていると思いますので、特に共通した部分の見直しをするとか、あるいはなるべく実学ベースにしてみるとか。できれば通信教育みたいなものを、もう一つの資格を取る場合においては軸に考えないといけないのではないかとか。それから課目の中身そのものをもう 1 回見直しをしてみて、養成学校に多分にお任せの面が無きにしもかもしれませんが、何かそういうものをきちんと定期的に見直ししていくようなものが本当は必要なのではないかという御指摘があったと思います。

そのほかにも、本来この業界、美容並びに理容業界が提供すべき使命みたいなものを、文化論の領域をもうちょっと格上げした領域としてきちんと教えていくことが制度の中に反映されても然るべきではないかと。それと、特に衛生関係に関しては、どんどん新しい病気も感染症も、それから菌も出てきていますし、消毒の方法論その他もどんどん新しくなって、いろいろなものが出てきていますから、ここに関してはやはりきちんとした体制をとって、必要に応じては何課目かに分けなければいけなくなるかもしれないので、選択課目にすべきかどうかの問題もあると思うのですが、ここのところはかなり充実した方向性を確立していく必要があるのではないかと。全部が全部申し訳ないが覚えきれていないのですが、いろいろと御意見を賜りましたので、この辺のところを踏まえて整理していただいて、更に問題点を掘り下げていただき、次回に事務局で案を検討していただくたたき台になるような案を作っていただいて、それをまた皆さんで論議していくことがいいのではないかと思います。そのような形で今回は仮締めさせていただいてよろしいでしょうか。それでは一応、議事に関しては今みたいなポイントを事務局に投げかけるみたいな形で恐縮ですけれども、お願いをしたいと思いますので、事務局から何かありますか。

○長田課長 様々な御意見を頂戴いたしましてありがとうございます。若干既に座長におまとめをいただきましたので、少し繰り返しになるかもしれませんけれども、養成施設の教科課程のところにつきましては、細かいところでもう少し詰めるべき点等あろうかと思いますが、本日お示しをさせていただきました 4 ページの再編案というのをベースに、よりきめ細かく御懸念の点というものをしっかりと整理させていただき、それと同時に、例えばこういったことの重点化を図ることによって、どれぐらいの時間の軽減というものが図れるかというようなことの精査もしてみたいと思っております。その上で、そこである意味、座学で浮いた時間については、技術力を向上させていくというところに重点化をしていくという方向付けを頂いたというように理解をしております。そうした前提の中で少し作業の整理をしたいと思います。

それから両方の資格取得の関係ですが、基本的に通信課程でどういったことが組めるのかということも含めて、もう少し事務局の方で幾つか御議論を頂ける材料を作りたいと、次回御用意したいと思いますが、もしよろしければ若干まだ時間もありますので、今日具体的に方針をお決めいただくという趣旨ではなくて、私どもの方で今回例えば座学についての検討の方向性を 12 ページで、そして、 14 ページで実習時間の免除についての案を示させていただいていますので、これでいくとかいうことではなくて、これらに関してもし少し具体的な御意見、御感想等がありましたら頂いておけば、それも踏まえて次回の検討会の材料の用意をさせていただければと思います。もしありましたらお願いしたいと思います。

○原田座長 あるいは、後で送っていただくのも無きにしもあらずです。

○有吉構成員 教科書が共通化されているものに関しては、もうなくして、実習の必要はないかなというように思います。ただ、技術とその技術に当たっての理論というものは必要かなと。国家試験も必要かと思います。もし経験年数を考慮するのであれば、授業の時間数を減らすというような方向がいいのではないかと。今現状でどれぐらいの美容師さんが理容師免許を欲しいと考えているのか、あるいは美容師さんが理容師免許を欲しいと考えているのか分かりませんけれども、先ほど先生方がお話されていた、この超高齢社会に対応するために、消費者の方が理・美容どちらの免許も必要だというようなニーズがあるのだとしたら、取りやすくするべきだと思うのです。ハードルを下げ過ぎず、高過ぎず、でも取りやすくするべきだと。ただ、やはり養成学校に通うとなれば、通信にしろ通学にしろ、学費がかかってきます。この学費もなるべく少ない方が負担が少なく取れるわけですから、養成期間もできるだけ短くしてあげるのがいいのではないかと考えますし、そういうところを考慮、御検討いただければと思っております。

○原田座長 ですから、外せることができない課目というのをきちんと洗い出していかないと、時間数だけ一方的に短くしても、それは本当の意味の解決にはならないですよね。 600 時間がいいのか 450 時間がいいのかというような分配があったり。それから、通信教育にしたときにはどうするのかとかいろいろな問題がまた出てくると思いますので、その辺のところはもう既に資格を取って営業している方々の意見も聞いてみる、ということは組合の意見も聞いてみなければいけないかなという面もあると思います。

○大森構成員 構成員が言われているように、例えば 12 ページで、どうしても課目的に必要であれば時間を短くすればいいという、御指摘のとおりで、何らかの形でそこはそのように進めていかなければこの改革は取り組めないのだろうと思いますので、やはりそこらはしていただいていいと思います。ですから文化論についてはこれでいいと思います。

あと 14 ページは、そういう意味では案の 2 ですか、ここらを考えていかなければ、少しでも前向きでやっていかなければいけないでしょう、と思います。 14 はそのように考えます。

○原田座長 時間はまた別かもしれませんけれども、なるべく短めの方がいい。

○大森構成員 そうですね。

○原田座長 ただし、譲れない課目というのが当然出てくると思いますので。

○大森構成員 それもありますね。

○原田座長 特に業界をまたがった形で資格を取るわけですから、今までに既に資格を取った人と、新たに取る人があまりにも違い過ぎたら、これはまずいですよね。そうかと言って余りにも厳し過ぎると新しい発展の努力の可能性を摘んでしまうことになりますから、これはもう逆に言って競争制限的になりますから、そうなれば何か新しい競争要因が出てくれば、それによっていい形の適正競争が動いてくる可能性もあるのですが、逆にそれがマイナスの方向に動く可能性も多分にあるわけです。それに結び付く可能性があるのがこの 14 ページの問題になると思うので、ここは少し慎重に対応する必要性があると思います。

○大森構成員 私はしていいと思うのですが、例えば訪問福祉理容、出張理容を言われました。座長の御指摘のとおりで、例えば美容師さんが訪問美容に行ったときに、顔は剃れないですという答えが、それではちょっと寂しいと思うのです。そういう意味においても、やはり学ぶべきはできるだけ修得させて、そしてこれから超高齢化社会に備えての方法も必要ですし、もっともっと門戸を開いて、私はこれからそういうものはどんどん開けていく方がいいと思います。それが業界の発展にも、つまり競争力、そこで競争力が発生するということは、やはりグローバル化社会の中で、場合によれば外国人雇用でも出てくる可能性もありますから、そのようなことはさせないためにも、できれば日本の衛生的な高度な技術を守っていくためには、ある程度の競争社会というものはつくっていかなければいけないことで、それは今後の問題ですけれども是非、そこらを含んで考えられてはどうですか。

○原田座長 ほかにありますでしょうか。

○宮崎座長代理  14 ページですが、私は実は、案の 1 の方がいいかと思っています。というのは実習をベースにきちんとやっていくという所にすると、やはり 600 時間というか、その根拠ならここに「 p15 を参照」と書いてあるのですが、 15 ページの資料を見せていただきますと、シャンプー、カラーリング、パーマ、エステ、ネイルの似たような項目で 256 時間、理容で行っていると。美容は 408 時間ということですので、実際には 810 時間とか 873 とか 875 時間やっていますので、ちょっと圧縮して、最低限のところ 200 時間切っている所もありますけれども、概ね 200 時間、そこは理容でも美容でも一緒に免除できる数ですので、それの上のところはやはりもう一つの新しい分野ということで実習を充実した方がいいのではないかと考えます。

○原田座長 特に実習はあまり譲れない部分が多分にあるだろうと思いますが。

○大森構成員 むしろそれは私どもが提案することであって、そこらはよく検討させてください。技術畑の方がよく分かっているでしょうから。美容が理容がというのは、そこの部分は我々が検討して、できることであればということですから、それは研究していったらいいと思うのです。そこの部分は業界でなければ全く分からない部分がありますから。

○原田座長 実務ベースで考えないと意味がないことになります。

○大森構成員 そうですね。

○原田座長 例えばカラーリングとかパーマとか、ネイルは違うかもしれないけれど、これは両方の業界で多分に今はやっている業界ですから。この数値がほぼ同じぐらいになって然るべきだろうと思うのに、やはり差があるということは、何かそこに特殊技術みたいなものが、ちょっと違いがあるのかもしれませんので、そこら辺は詰めていって、これは同じだけれどこれはちょっと違うというような、そこのちょっと違うのだからこそ、その課目が必要だという、そういう洗い出し方を実務ベースでやらなければいけないのではないかと思います。そこは事務局と組合とよく相談していただいて、 1 つのガイドラインを出していただくことが大事だと思います。ほかに何かありますか。

○湯田構成員 恐縮ですけれど、先ほどの顔剃りのお話があったのですが、やはり理容というと男性が利用して、そして顔剃りがあるというイメージがあるのですが、この顔剃りに関してはエステという項目になるのですか。 15 ページです。

○原田座長 違うのではないですか。

○湯田構成員 また別、その他ですか。

○原田座長 はい、その他ですね。

○湯田構成員 失礼しました、ごめんなさい。ただの疑問です。

○河合構成員 理容と美容という括りがあるけれども、実際に例えばシャンプー 1 つにしても、あるいは、はさみ、あるいは器具にしてもほとんど一緒ですね。ですから理容においては、パーマも最近は女性のパーマも含めて可能になってきたというような中で、では、理容と美容の違いは何だろうかと考えたときに、割と技術論にしても共通のものというのは洗い出すと結構あるのですね。

明確に違うのは、先ほど湯田先生が言っていたみたいに、顔剃りはエステとか、あるいは美容ではできないのですね。理容師の免許があって初めて顔剃りという行為ができるのです。ですから先ほど大森理事長が言ったみたいに、福祉理容で、介護で行ったときに、お顔も剃ってと美容師さんに言われても、それは厳密に言うと法律違反になるのですが、現場では結構そのようなことが行われている事実があるのではないかなと思うのですけれど、その辺で顔剃りということは、やはり美容の方が「私、できるわ」と言っても免許を持っていなかったらできないので、明確に美容師の方でも理容師の免許を取っていただかないと、今の状態では顔剃りの行為はできないのですね。どちらが免許を余分に取るかというと、理容師が美容の免許を取らなくても、美容師は逆に理容の免許を取らないと顔を剃れないのですよね。そういう弊害とは言わないけれど、法律の壁というのは未だに存在しているので、こういう問題も含めて技術論はどのように展開していくのかなと私は思っているのですけれども。

○原田座長 顔剃りは、やはり怪我させてしまう可能性があったり、うまい人だと問題はないですけれども、私の行っている床屋さんでも前のおじさんは非常に痛かったのです。ですから特殊な技術をきちんと修得していただくために。

○大森構成員 衛生の問題とかありますからね。

○原田座長 衛生の問題が非常に大きいと思います。

○遠藤構成員 感染症もあります。

○原田座長 感染症の問題は非常に大きいですよね。でも今度逆に、身体中の毛を取ってしまうという話も、女性の方はあるわけですから。

○大森構成員 そうです、今はありますね。

○原田座長 それはエステの世界になるのかもしれませんけれど。そのようにいろいろな問題もありますので、そこら辺は事務局に少し検討していただくということで。ほかにありますか。

○湯田構成員 全く蛇足かもしれないですけれども、私はマキアという美容誌をやっていて、以前に美容家さんの意見として、角質を痛めるから顔剃りはしない方がいいというようにページにしたのです。そうしたら、理容師の免許を持ってお仕事をされている理容師の女性からすごく丁寧な手紙を頂戴して、私たちはすごく顔剃りということの技術を学んで誇りを持ってやっているので、そういう安易な美容家さんの受け売りを紙面で特集するのはやめてもらいたいと書いてあったのです。なのですが、すごくきちんとしたお手紙で構成されているもので、そこに顔剃りの重要性とか、技術を学んだ方の思いみたいなものを見た気がして、やはりそういうところが理容を選んで仕事をされている方のアイディンティであったりとか、インセンティブになっているのかなと思いましたので、そういうところも何と言いますか、実習の面で重要なのかなというように思いました。当たり前ですね。

○原田座長 やはりそれは、きちんとした講習を受けているからこそ技術が伝承されているのだろうと思いますけれども。例えばカットの仕方とかでも、微妙なところでこれはやってはいけないけれど、これならいいよというのが、なぜそのような違いがあるのみたいなものも結構ありますので、そういうところの矛盾点もありますから。それから、入口を一緒にしてやってはいけないとかいろいろなことがありますので、これはいい機会なので、そういう矛盾点も少し検討してみることが大事ではないかと。変な意味の業界を守るための規制というのは、既得権を守るための規制というのは、これから競争を前提にしてよりレベルの高いことを自助努力でやってもらわないといけない時代に入るわけですから、変な意味の規制は、いい機会ですから見直しをするチャンスにもなるのだろうと思います。皆さんからクレームがたくさん出てくるといいと思うのですけれども。

○大森構成員 そんなことはないですよ。我々もそういう話をしています。講演会でもそうしています。そういう時代ですから。

○原田座長 そういう矛盾点が結構ありますので、そういうことも明らかにしていく必要性もあるかなという気がします。でも今回はそこまではちょっと、特に今御指摘いただいた 3 つのポイント、そこの中で次回もやっていきたいと思います。更にそれからまた拡大すると限りなくいってしまう可能性がありますから、一応その 3 つのポイントに絞らせていただいて、今日論議していただいた中身をたたき台としてまとめていただくということで、よろしいでしょうか。

○長田課長 そうしましたら、非常に骨太な部分、基本的なベースについて一定のお考えを整理して頂きましたので、それを踏まえた上で、実際に養成の受け皿となる学校においてきちんとカリキュラムを組んでいただけるのかとか、あるいはそれが受けられる生徒にとって現実的なカリキュラムなのかと、そういったところも考慮したもう少しきめ細かい整理が、できる限りできるように努力をしたいと思っております。

それから、ちょっと参考と言いますか、先ほど西島構成員から御指摘を頂いたことに関連をして、お手元にお配りしています通知集の中の、 23 ページを御覧いただければと思います。理容師養成施設における教科課目の内容の基準ということで、各教科課目、具体的に何を教えるのかということをもう少し細かく掘り下げた内容です。これは美容も同じようなものがあるわけです。ここの 1 (1) の関係法規制度の中で、公衆衛生を担う理容師の社会的責務、職業倫理について自覚を促すこと。当然ながら資格制度というのが根っこに理容師法、美容師法というのがあるわけですので、まずはそういった御指摘の点というのはここが根っこになるのだろうと思っております。こうした部分を教育の中でどのように掘り下げていくのかとか、あるいは試験課目の中でどのようにそれを取り上げていくのか、そこは同じく 23 ページの一番下のウの、その他の関係法規ということで、これも先ほど大森構成員から御指摘を頂いた生衛法というような話がありました。あくまで今の通知上はその他の法規という中で、こういったものも組んでいるということを書いていますけれども、このレベルの延長上で考えるのか、もう一段明確な位置付けを与えて考えていくのかといったことも含めて少し整理をしたいと思っております。本日はどうもありがとうございました。

○原田座長 これで終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

○吉岡課長補佐 次回の予定につきまして、改めて調整させていただきます。紙ファイルは置いていっていただければ、また必要な資料を追加いたしまして、次回に御用意をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。ありがとうございます。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会> 第2回 理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会 議事録(2015年11月13日)

ページの先頭へ戻る