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2016年6月14日 第3回データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会議事録

○日時

平成28年6月14日(火)10:00~12:00


○場所

全国都市会館 3F第1会議室


○議題

1.国民健康保険団体連合会の取組みについて
  ・国民健康保険中央会によるプレゼンテーション
2.前回の社会保険診療報酬支払基金のプレゼンテーションについて
3.意見交換等

○議事

○西村座長

 まだ定刻の3分くらい前ですが、皆さん、おそろいのようですので、開始させていただいてよろしゅうございますか。もし御異議があったら。それでは第3回でございますが「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」を開催いたします。

 きょうの出欠でございますが、森田副座長だけが御欠席と伺っております。

 済みません。カメラはここで終了してください。

(報道関係者退室)

○西村座長

 それではきょうの議事は事前にお知らせしてございますが、議事の前に関係する資料について事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いします。

○保険課長

 保険課長でございます。

 資料1は、国民健康保険中央会から御提出いただいた資料でございます。

 資料2は、前回、社会保険診療報酬支払基金からのプレゼンテーションに対して、構成員の皆様から幾つか御指摘をいただいておりましたので、その御指摘に対して支払基金において整理をしていただいた資料でございます。

 なお、第2回の支払基金提出資料を資料2-参考資料としてつけておりますので、そちらもあわせて御参照ください。

 参考資料は、事務局提出資料でございまして、これまでの検討会において構成員の皆様から検討を進めるに当たっての御意見をいただいておりましたので、その御意見を事務局において取りまとめたものでございます。

 資料は以上でございます。

○西村座長

 ありがとうございました。

 きょうは国民健康保険団体連合会の関係者として三重県名張市長及び国保中央会の方にお越しいただいておりますので、まず初めに連合会の取り組み内容について大体20分程度お話を伺いたい。

 その後、前回の支払基金のプレゼンに対して御質問、御指摘がございましたので、国保連の審査支払の取り組みにも関係すると思いますので、中央会からのプレゼンの後、基金からの構成員の御指摘に対する回答を説明していただきます。これは大体15分くらいを想定しております。

 その後、質疑応答に入りたいと思います。その後、意見交換ということで、これからまず中央会に御説明をいただきます。

○亀井名張市長

 御紹介いただきました、私は三重県名張市長でございますけれども、三重県名張市国保の保険者であり、三重県国保連合会の理事長であり、国保中央会の相談役であるわけでございます。本日にこのような機会をいただきましたことにまず御礼を申し上げたいと存じます。

 今回の有識者検討会のテーマが審査の効率化だそうでございますけれども、詳しくは柴田理事長から説明をさせていただくわけでございますけれども、今、我々が最大のテーマといたしておりますのは御案内のとおり国保の都道府県化にあるわけでございまして、平成30年4月都道府県化がスムーズにスタートが切れるように、現在全力で検討、事務を進めている状況であるということでございます。

 御案内のとおり、我が国の社会保障制度は2025年度から40年の間に大きな山場を迎えるわけでございます。支えられる人口がマックスに達して、そして支える人口がどんどん減っていく中で、世界に冠たる国民皆保険制度をいかに持続ある制度にしていくのかということになるわけでございますけれども、つまりは我々が今進めようとしておりますところの都道府県化がベースとなる地域保険に一元化されていくべきであると思わせていただいておるわけでございまして、そのためにいま重要な事務にかかっているわけでございます。

 ですので、審査の効率化、御意見は承りますけれども、都道府県化がスタートして、これから一つ一つ階段を踏んでいかなければならないわけでございます。地域保険に一元化していく中で、支払基金さんとの統合もその中での事務は進めていかざるを得ない状況になってくるのだろうとも思わせていただいておるところでございますから、ある一定のスパンの中で今何をなすべきかということについての議論をいただければと思っておりますし、私もこの検討会に大いに期待も寄せさせていただいておりますので、幾度となくまた参加をさせていただければと思ってございますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと存じます。

 それでは理事長から。

○国保中央会柴田理事長

 国保中央会の理事長の柴田でございます。

 きょう、お話し申し上げる内容は、1ページをごらんいただきますと、この4点についてかいつまんで説明を申し上げたいと思っております。

 まず、国保連合会の特色でありますけれども、連合会は国保の保険者、これは市町村と国保組合でございますが、保険者の仕事を共同で行うために法律に基づいて47の都道府県に設立をされているということでございます。総会、理事会を通じて市町村あるいは国保組合の意向を反映するということであります。

 支払基金と違うのは、それぞれ各連合会が独立をしていることであります。ですから、我々は特に各連合会に指揮権があるわけでもありません。いろいろな各連合会の運用もそれぞれ微妙に違うところがあります。そういうことで、支払基金のようになかなか一遍に全部を説明できるのではないというところは御理解をいただきたいと思います。

 2つ目は、保険者の共同事業を担う役割を持っていることでございますが、連合会は審査支払業務のほかに保険者が行うべき事務、要するに保険者事務の効率化を図るために一緒にできるものは効率化できるのではないか、安くなるのではないかということで、例えば被保険者の資格確認は、連合会に資格マスターがありますから、それと突き合わせれば給付の対象になるかどうかはその場でわかるということであります。それから、例えばこの月に医療費が幾らかかったか、被保険者に医療費の問題について認識してもらうために医療費通知をしますけれども、これも各保険者がやるのではなくて連合会でレセプト情報から通知をつくることをやっているわけでありまして、支払基金とは組織の性格も役割も違うということでございます。

 連合会の審査支払業務は何をやっているのかというと、国保だけではございません。後期高齢者の医療あるいは介護給費に公費負担医療、障害者総合支援給付費、といったものをやっているわけでございますけれども、いずれにしろ市町村の業務と非常に縁の深い仕事をしているということでございます。

 次のページをおめくりいただきまして、保険者業務の効率化というけれどもどういうことなのだということでありますが、先ほど申し上げましたように、保険者の連合体であり、審査支払業務と保険者の共同事業を一体的に行うことで業務の効率化が図られている。一体的に行う、要するにレセプト情報を持っているわけですから、そのレセプト情報をベースに保険者がやらなければいけない仕事をその場でできるということであります。市町村保険者の効率的な事業運営に非常に不可欠な存在だと考えております。

 連合会の審査支払等システムでありますけれども、これは連合会がそれぞれでつくるとお金がかかって仕方がありませんから、国保中央会が標準システムとして開発をしているということであります。これもまとめてやることによる効率化の一環だと思いますけれども、標準システムの経費は連合会を通じまして市町村あるいは国保組合が負担をしているということであります。ほとんどが保険料ということでやっているわけでありますけれども、こういう形でやっています。

 もう一つ、これから考えていく上でどうしても忘れてはいけないのは、国保の場合には非常に財政状況が厳しいことであります。そういう中で連合会は保険者からの手数料を主な財源として仕事をしています。財政が厳しいのでできるだけ手数料を下げてくれという要望が強くて、だんだん下げてきている。22年度と比べますと2割くらい手数料単価を引き下げているということでございます。そういう中でありますから、非常に厳しい財政状況の中でICTを活用した審査業務の効率化などを進める、ある意味では、難しい中でこういうことを進めなければいけない立場にあるのだということを御理解いただきたいと思います。

 連合会の業務につきましては4ページにございますが、具体的な説明は時間の関係で省略をさせていただきます。

 5ページですけれども、私は中央会の人間でございますが、中央会とは一体何なのだということでありますが、各都道府県の47連合会を会員とする公益社団法人でございます。これも例えばシステム開発を考えてみましても、連合会単位で行いますと非効率なので、まとめて効率化する。どのようなことをやっているのかということですが、一つは高額レセプトの特別審査。医科40万点ですから、400万円以上のレセプトを審査する。医療でも特に専門家を集めまして審査をしているということでございます。それから標準的なシステム開発とか維持管理、それから全国決済です。これは国保の保険者がどこで受診をしてもきちんとお金が流れるようにする意味での全国決済業務。それから超高額医療費共同事業。これは国保の場合、国保の420万円を超えるレセプトを集めまして再々保険をする。それから特別高額医療費共同事業。これは「特別」と「超」と違っていますけれども、後期高齢者の関係で400万円を超えるレセプトについて全国レベルで再々保険をするということでございます。

 6ページをごらんいただきますと、診療報酬の請求から支払いまでの流れでございますが、基本的には支払基金と同じでございます。レセプトの件数は年間101,000万件ということでございます。それから支払いの確定金額。全国の保険者が払うお金は34兆円でございますが、その7割は国保連合会全体で扱っているということでございます。1人当たり医療費をごらんいただきますと、年齢が高いといった要素がありますが、市町村国保は325,000円。例えば協会けんぽとか組合健保を見ていただきますと16万とか146,000円といった水準になっているということでございます。レセプトを見ても、やはりそれだけ点数が高いということはいろいろな医療行為が行われているということでもありますので、審査の面でもより複雑な要素を含んでいることが言えると思います。

 国保連の職員数は審査支払担当が2,684人です。審査委員が3,744人でございます。審査委員の内訳を少しだけ申し上げますと、医師が3,064人、歯科医師が555人、薬剤師が125人となっています。それからレセプト1件当たりの手数料単価は、これもそれぞれの連合会でコストのかかり方はいろいろ違うと思いますが、一応全国でやりますと5254銭でございます。手数料単価は年々下がっているということでございます。先ほど申し上げましたように、22年と比べますと8割くらいの水準に落ちているということでございます。

 次のページをごらんいただきますと、きょうの主なテーマの一つは審査の効率化・統一化でございます。前回、支払基金からもこの関係の考えをお示しいただきました。私どもも審査におけるICTの活用による効率化あるいは審査の判断基準の統一化に向けて抱える課題は支払基金とほぼ同じだと思っています。ですから、国保連も今後の検討状況を見まして、支払基金ができて我々ができないということではないと思いますので、違いは踏まえた上でできるだけ同じ方向でやっていくことで47連合会と協議しながら進めていきたいと思っております。

 今はどうなっているのだということであります。左側の下の箱を見ていただきますと、コンピューターチェックというのは全ての電子レセプトに対して実施をしているというのがまず一番です。しかし、今の審査におけるシステムチェックの位置づけというのは事務職員の方あるいは審査委員が判断するための、「ここを見てくださいね」、「ここのところをちょっと気をつけてくださいね」ということで、着眼点と言ったらいいのでしょうか、そういうものを示す審査のお手伝いでありまして、システムのみで審査を完結するものにはなっていないということであります。最後は人でということになっております。

 審査委員や職員がふえない中で件数が増加しているということでありますので、おのずと審査に濃淡をつけざるを得ないということでございます。どうやって濃淡をつけているのか。これも連合会によっていろいろなやり方があろうかと思いますけれども、ある連合会では、結論だけ申し上げますと、大体、おおむね半分については今までの請求や何かでほとんど問題がなかった医療機関のレセプトだということでありますから、そこのレセプトについては1年のうち1回しっかり見る。残りについては、システムチェックで問題がない限りは、そのまま職員限りで処理をするということであります。12分の1ずつ審査委員が見るということです。残りの半分については、点数が高いとか、あるいは請求が難しそうな医療機関等のレセプトについては、審査委員会に回すということになります。

 結論から言いますと、今言ったように、審査委員に回さないで事務職員で終わらせているのが45.8%、審査委員に回しているのは54.2%。では、54.2%を全部審査委員がべたにしっかり上から下まで縦から横からみんな見ているかというと、それはなかなかそういうことはできません。ですから、現実問題としては、その中からまた今までの請求傾向などを見て審査委員がめり張りをつけて審査をする形になっているということであります。ですから、場合によっては、軽く次のレセプトに回す、どんどんと行ってしまうものもあるでしょうし、問題があるものについてはしっかりと見るという形で処理をしているということでございます。

 もう一つのテーマであるビッグデータの活用でございますけれども、私どもは国保データベース、KDBと言っていますが、システムをつくっております。22年の10月に構想を取りまとめまして、23年の5月から検討を開始して25年の10月から段階的に稼働を開始しているということでございます。これはどういうものかというと、健診・医療・介護、これらのデータを私ども国保連は持っておりますので、これを使って地域のいろいろな実情をつかむ、保健事業の計画の作成や実施を支援するためのシステムをつくっております。参加保険者数は、そこにあるとおり、かなりの保険者が参加しているということであります。

KDBのシステム突合率は、健診と医療のデータがどのくらいきちんと結びついているのか、医療と介護のデータがどのくらい結びついているのかという率でございます。

KDBでどのようなデータをつくっているのかということでありますが、その下でありますけれども、一つは疾病別の医療費分析、地域の疾病別の医療費分析などをして、そのための統計情報をつくるということ。地域の健康課題を把握できるようにしています。もう一つは、健診結果、あるいは医療機関への受診状況に関する個人別の履歴を個人の健康に関するデータの作成へ提供して、個々人の状況に即した保健指導等を行えるようにしております。

 次のページをごらんいただきますと、ではデータの提供だけなのかということでありますけれども、データの提供だけではなく提供したデータをどうやって使うのかということについても保険者のお手伝いをしているということでございます。一つは、「保健事業の手順に沿った評価基準」。こういう社会的ないろいろな仕事についての手順については客観化するのがなかなか難しいところがあるかもしれませんけれども、プロセスと体制と最終的にはアウトカム評価についてこういう観点でやりましょうということを作成したということで、これを一つの道具にするということです。もう一つは、国保連合会に「保健事業支援・評価委員会」をつくりまして、これは厚生労働省の補助金をいただいてやっているものでございますけれども、開始した26年度から全ての連合会が始めたわけですが、こういう公衆衛生の先生方が入った委員会で、そういうものを設けてデータヘルス計画をつくりたいが、どうしていいかわからないという市町村に対してお手伝いをしています。27年度は762市町村の支援をしているということでございます。

 今後の対応としましては、最終的には被用者保険とのデータ連携がないといけないのではないか。生涯を通じて地域に根差した健康、疾病管理の実施をしていかないといけないのではないかと思っております。国保は退職者が大変多いです。被用者保険で大変くたびれて国保に入ってくる。国保に入ってきてから健康管理を始めたのでは遅いのではないかと思います。そういう意味でも被用者保険とのデータの連携は必要だと思っています。

11ページをごらんいただきますと、あとはレセプト情報でどのようなことを活用しているのかということでございますが、先ほどにも申し上げましたけれども、一つは医療費通知、後発医薬品ジェネリックの差額通知をつくったり高額療養費を算定したりする。高額療養費も非常に今は難しくなっていますので、市町村にかわって一応算定してみるとこういう結果になりますという算定。高額医療・高額介護合算の療養費の算定。これも医療の自己負担と介護の自己負担を世帯単位にまとめます。これを1年分まとめまして、67万円、これもいろいろと水準があるのですが、例えば67万円を超えた部分についてはこの療養費が出てくる。出てきたお金は、医療と介護の自己負担分の比率に応じてそれぞれの保険者が持つ形になっています。そうなりますと、医療も介護もレセプトは国保連にありますから、そこから今言った計算ができる。要するに、被保険者が申請すれば、あとは国保連でいろいろと処理できるというのがこの仕組みでございます。

 第三者行為求償事務。例えば交通事故でけがをして医療を受ける場合には交通事故の加害者が最終的にはお金を負担することになることもありますから、そうなりますと保険で負担する金額が減る、そして、原因をつくった人に負担すべき金額を請求するということになりますけれども、こういう求償事務を行うのにレセプトに交通事故の表示がありますから、そこから拾って求償事務の取りかかりにする。

 それからKDBシステムによる各種データの提供。このように保険者が被保険者の認識を深める、あるいは本来持たなくてもいいお金を整理するときに役立つというのがまず一つ。

 2番目は、今、レセプトは全部連合会で保有していますので、この前もありましたけれども、大きな災害のときに避難所でみんな急いで逃げてくる、避難するというときに、そうだ、今まで自分はどの薬を飲んでいたかわからないということもよくあるようでございます。そういう意味で被災者の既往歴あるいは服薬情報を被災者の同意を得て提供するということであります。

 熊本地震の場合には期間も短かったのですが、照会件数43件。東日本大震災の場合には、3月から6月分ですけれども、岩手・宮城・福島照会分43,073件でございました。こんなことでも貢献ができている。

 最後は介護保険でありますけれども、これから給付費がどんどん伸びていくということで、いろいろと関係者は御苦労をされているわけですが、給付情報を活用して医療情報との重複請求の、例えば31日間入院している方が在宅の介護サービスを受けるというのはちょっと変ですから、要するにこういうものを医療、介護の請求届上で見つけて給付の適正化に使うことをしているということでございます。そのことで医療と介護の両輪をやって、給付の適正化に少しでも役立つ努力をさせていただいているということでございます。

 時間が参りましたので、とりあえず私からの説明は以上とさせていただきます。

○西村座長

 亀井市長、柴田理事長、どうもありがとうございました。

 この後、引き続き基金の説明を伺うわけですが、その後、質疑応答をするので、ちょっとうっかりしておりまして、理事長さん、そこのメンバーの方を簡単に御紹介いただけませんでしょうか。

○国保中央会柴田理事長

 はい。では、私の隣が私どもの常務理事、飯山でございます。

○国保中央会飯山常務理事 飯山でございます。よろしくお願いします。

○国保中央会柴田理事長

 その隣が審査の関係の部長であります片野でございます。

○国保中央会片野審査部長

 片野です。よろしくお願いします。

○国保中央会柴田理事長

 特に私どもの国保総合システム等々の担当であります加藤でございます。

○国保中央会加藤医療保険部長

 加藤でございます。よろしくお願いします。

○国保中央会柴田理事長

 企画担当の部長であります稲垣でございます。

○国保中央会稲垣企画部長

 稲垣でございます。よろしくお願いします。

○西村座長

 どうもありがとうございました。

 それでは基金の前回の質問に対するお答えを理事長からと思いますが、また皆さん御出席の方の御紹介をいただいた後、やっていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○河内山理事長

 冒頭、出席者を紹介いたします。私は理事長の河内山でございます。前回に引き続きよろしくお願い申し上げます。

 お隣が石川県の審査委員長の木田先生でございまして、9年間、委員長を今お務めいただいております。

○木田石川県審査委員長

 木田でございます。よろしくお願いします。

○河内山理事長

 隣が審査業務担当の理事でございます阪本でございます。

○阪本理事

 阪本でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○河内山理事長

 その隣がシステムを特に担当しております助川顧問でございます。

○助川顧問

 助川でございます。よろしくお願いします。

○河内山理事長

 次が古川審議役でございますが、今回の改革検討チームの調整業務ほか、中心になって取りまとめをした審議役でございます。

○古川審議役

 古川でございます。よろしくお願いいたします。

○河内山理事長

 そのサポートをいたしました経営企画部次長の山崎でございます。

○山崎経営企画部次長

 山崎です。よろしくお願いいたします。

○河内山理事長

 それでは前回、私どもが提出をしました資料につきまして構成員の皆さんから数値の根拠等について会議の後半でたくさんお問い合わせをいただきました。前回は時間も限られておりまして十分にお答えができなかった部分もございますし、資料、説明等が不十分だった部分もございますので、今回はこのようにお時間をいただきまして、御指摘をいただいた事項について、まず順次御説明をさせていただきたいと思います。かなり個別のお答え等になりますので、古川からまとめてお答えを申し上げたいと思っております。

○古川審議役

 それでは資料2に基づきまして説明をさせていただきます。資料2の後ろに別添という形で支払基金のレセプト審査の流れも1枚つけさせていただいております。まず、それをごらんいただきたいと思います。これは前回提出させていただいた資料でございますが、前回は件数だけでしたけれども、御指示を踏まえまして、それに比率を追加させていただいたものでございます。

 まず、前回、私どもが説明させていただいた数値につきましていろいろな御意見をいただきました。どのような御指摘があったかということを説明させていただきたいと思います。

 御指摘いただきました点についてでございますが、コンピューターチェックにつきましては事前チェックをしているものは94%に限りなく近い数字ではないかという御指摘がございました。これは今ごらんいただいております別添の資料中段の「コンピュータチェック(電子レセプト分のみ)」のところの右側でございます。コンピューターチェックによりフラグが立つものが左側の附箋がつくものでございますが、それ以外のものがチェックなしでございます。それが94%で、この点について御指摘をいただいたものと思っております。

 また、職員が目視によって事前点検をしているものは6%程度ではないかという御指摘がございました。その下の欄の「職員による審査事務」というところの左側をごらんいただきたいと思いますが、職員が疑義に変換するものが0.6%、職員が解除するものが5.2%ということで5.8%、およそ6%。この点について御指摘をいただいたものと思っております。

 また、その下でございますが、査定が全体として0.8%程度でございます。審査委員の先生方が時間をかけて見られるものは限りがあるのではないかという御指摘がありました。その点についても査定0.8%はそのとおりであり、こうした数値について御指摘いただいた点については、そのとおりであると思っております。

 これから申し上げますけれども、結局、審査でありますとかチェックについての定義といいますか捉え方、範囲が違っていたということであろうと思っております。その点の説明が不足しておりましたので、これから説明をさせていただきたいということでございます。

 なお、今ごらんいただきましたページは、医科、歯科、調剤も含めたものが分母ということでございます。

 では、資料2をお願いしたいと思います。そのほかにもう一点御指摘をいただいております。1ページでございますけれども、前回の説明の中で四角で4つ囲んだものについても数字について説明をさせていただきました。1のところでございます。ICTを活用して審査を4区分に段階化をして、いわば最初の段階が1ということで箱で囲んだところでございますけれども「簡素なコンピュータ審査で完結させるレセプト」が10%程度ではないかと前回申し上げました。これにつきまして御指摘がありましたのは、その下の※のところに初診料のみの請求などを表記させていただいていますが、初診料だけで10%もないであろうという御指摘がございました。それにつきまして説明をさせていただきます。

 2ページをごらんいただきたいと思います。私どもが「簡素なコンピュータ審査で完結させるレセプト」と申し上げましたのは、ア、イ、ウと3つございますけれども、大体こういうものをイメージして申し上げていたところでございます。

 まず、アの診察料のみでございます。例えば風邪かなということで患者さんが医療機関に初めて行かれる。そこで初診料が算定されます。しかし、特段治療する必要がなかったということはあり得るということでございまして、そのように最も簡素なケースということで「診察料のみ」を一つカテゴリーとしてイメージをいたしました。

 イでございますが、そうした診察料に加えまして加算がつくもの、後ろに書いてございますが、乳幼児加算あるいは時間外対応加算などです。例えば乳幼児加算は患者さんが6歳未満であれば加算できることに決まっておりますし、時間外対応加算につきましては休日等に対応できる体制を整えている診療所であればその時間に来られれば算定できるということでございます。そうしたものについては判断に紛れがないことでございますので、簡素なコンピューター審査で完結できるという整理をしていいのではないかと考えたということでございます。

 また、ウは「診察料+加算+処方せん料」と書いてございます。下の小さい字で恐縮でございますが、※注の5つ目のところに「処方せん料」と書かせていただいております。例といたしましては、皮膚軟こう剤とか点眼薬のみの投薬などを想定しております。例えばコンタクトをしておられる方がドライアイで定期的に眼科にかかられる。その際に点眼薬を処方されるというケースについてはこのカテゴリーでいいのではないかということを我々としてはイメージをしたということです。いろいろなお考えはあると思いますけれども、今回御説明したのはそういう考え方だということでございます。

 下に実際の28年度1月審査分のレセの総数をつけさせていただいております。それぞれ項目ごとにどのくらいの枚数があったか、件数と%をつけております。御指摘のあったとおり、まさに初診料は10%もございませんで、0.34%というところでございますけれども、右下でございますが、今申し上げたア、イ、ウのカテゴリーを足し合わせますと全体として9.07%が実際にこの範疇に入ってくるということでございました。こうした観点から、我々としてはおおむね10%程度をカテゴリー1というものに整理をした上で、将来的には手数料も引き下げることも含めて効率化を進めていきたいことを申し上げたということでございます。

 1ページにお戻りいただきまして、下の3つの箱について説明をさせていただきます。まず、現在コンピューターで事前チェックをしているものが約65%と私どもは申し上げました。3でございますけれども、職員が目視により事前点検をしているものが15%と申し上げました。また、4のところですけれども、現在、職員の目視を経て審査委員が審査をしているものが約20%ということについて申し上げました。これについて説明を申し上げます。

 4ページをお願いいたします。先ほど申し上げましたけれども、御指摘の定義といいますか、数字の範囲のとり方の認識の差を少しわかりやすく説明をさせていただきたいということでこの表をつくりました。箱の中ですけれども、コンピューターチェックは全ての電子レセプトに対して実施をしております。絵の一番上のところですけれども、「コンピューターによるチェック(電子レセプト:100%)」がこれでございます。

 2つ目の○ですけれども、職員による事前点検はコンピューターチェック(付せん)が付されたレセプトの確認に加えまして、コンピューターチェック上問題がないとして附箋がつかなかったものにつきましても、コンピューターで読み込めない事項の確認。具体的には現在でも医療機関で先生が診療が終わった後に文字入力をしていろいろな情報を提供していただいておりますが今のコンピューターでは読めない部分がございますので、そうしたものを職員が確認するといったことがございます。

 また、特定の医療機関の請求傾向や過去の査定状況が反映されていることの確認をあわせて行っていると書かせていただきました。特定の医療機関の請求傾向につきましては、例えばある疾患について注射を行う治療行為自体は何も問題がない、ルールどおりということでございますけれども、そのほかのオプションといたしまして投薬をしていただく判断もあろうということでございます。ところが、これは例ですけれども、ある特定の医療機関についてはその疾患を持っている患者さんに全て注射が行われていることになると、審査委員の先生からするとそれはどうなのかということで全体の傾向を見ることを行われると伺っております。また、そうした観点について職員に指示がなされて、職員も確認を行っているということもございます。

 また、過去の査定状況につきましても、査定されたものがきちんと改善されているかといった点も確認するということも行われているということでございます。すなわち中段に「付せんあり」「付せんなし」と書いてございますけれども、「付せんあり」6%は確かに御指摘いただいたとおり、この6%部分ということでございます。そこを丁寧に時間をかけて見るということでございますが、今申し上げたとおり、それ以外の附箋がない部分につきましても職員が事前に点検している部分があるということでございまして、それが全体として35%あったということで説明を申し上げたということでございます。職員が事前の点検を35%したということは100引く35でございますが、職員が目視をすることに至っていないもの、つまりコンピューターだけで事前点検をしたものが65%になるというところでございます。

 また、下のほうに、審査委員による審査(20%)、重点的な審査、査定と書かせていただいております。査定が全体の1%で、重点的な審査は現実的に枚数が少なくなるということでございますけれども、先ほど申し上げた同じ観点から審査委員の先生方も附箋がついてないものについてもさまざまな視点からごらんいただいているということで、そこに説明に差があったということでございます。我々としては20%と申し上げ、御指摘はそれほどないだろうということですがそれぞれ正しい指摘だったのではないかと思っております。

 それの根拠を4ページ以降で説明させていただきます。まず「現在コンピューターにより事前チェックをしているもの(約65%)」でございます。職員により事前点検が行われたレセプトの件数については職員が実際にレセプトの画面を確認したものでございますけれども、その件数は平成26年度に実施をいたしました支払基金の事務量調査というものがございます。そこで実際に職員がレセプトの画面をあけたかどうかがわかります。レセプトは実際にまず医療機関ごとに一覧表がずらっと並びます。そこで一定の操作をしてレセプトの画面を引っ張ってくることになりますので、そういうことを実際に行ったかどうかということがわかるということでございます。それを行った記録が26年度の調査にありまして、それが35%であったということでございます。逆に言うと、先ほど申し上げたとおりそれ以外のコンピューターチェックのみのものが65%であったということが点検の電子的記録によって把握できるということでございまして、それがB/Aと中段にある数字でございます。4,131万件分の2,697万件で65%であったということでございます。

 戻って恐縮ですが、※のところですが、26年度事務量調査につきましては、8月、9月に実施をいたしましたが、診療報酬改定や季節性疾患の流行に伴う影響が少ないということでこの期間を選んで調査をさせていただいているところでございます。

 5ページを飛ばさせていただきまして、6ページをお願いいたします。「現在職員の目視を経て審査委員が審査をしているもの(約20%)」の根拠というところでございます。28年1月審査分の電子レセプト件数を全部チェックいたしました。そこで審査委員が目視をした電子的記録がわかります。それを全部確認いたしましたところ、実際に審査委員の先生が画面をあけていただいているものが22%であったということでございます。これがD/Cの数字で約20%と申し上げたということでございます。1,127万件ということでございますが、これを審査委員1人当たりに単純に割り返しますと約2,500枚になります。

 なお、今回、数字の信憑性を問われているということでございますので、少し細かいですけれども数字のことについて言及させていただきます。

 まず(注)でございますが、5,133万件は医科、歯科レセプトの総件数でございます。先ほど一枚紙の別添をごらんいただきましたときは医科、歯科、調剤の総数だと申し上げました。なぜここで調剤を抜いているかということでございますが、調剤レセプトにつきましては、当該患者の医科等レセプトと突合し、同一画面に表示して審査を行うということでございます。つまり、一つの画面に両方見られるということになっております。審査委員や職員の方が一体どのくらいの画面、枚数を見られるかということを考えましたときには、同時に調剤も審査ができているということでございますので、総レセプト件数から調剤分については除外をしたということでございます。そして5,133万件になったということでございます。

 また、2行目に書いてございますが、4の5,133万件は28年1月審査分でございました。先ほど4ページにありました事務職員の点検の割合を申し上げましたときに、その数値は26年の数値を使わせていただきました。この時点のずれでございますけれども、前者の26年度を使ったというのは、そもそもシステム上、電子的にレセプトをあけているかどうかを見ることが容易にできるわけではございませんので、26年度の調査を使わせていただいたということでございます。実際にこれから議論を進めていただく中で職員の細かい業務量などを求められた時にはそうした数値はこの26年度調査を活用することが適当ではないかという思いがあったものですから、職員の業務量に関する根拠についてはこの26年度調査を使わせていただきました。

 6ページに戻りますけれども、審査委員のレセプトの目視状況につきましては、今まで記録をとったことがなかったものですから、この議論の検討を始める際の直近の数字ということで28年1月の数字を使わせていただいたところでございます。

 5ページでございますけれども、3ですが「現在職員が目視により事前点検をしているもの」は、先ほどの職員が目視しているものが全体で35%、4で審査委員の先生方にごらんいただくまでに至っているのが20%、その差し引きでございますけれども、職員段階で終わっているものが15%で、こうした根拠をもって前回の資料は説明をさせていただいたところでございます。

 7ページでございますが、各業務における従事職員数についても御指摘がございましたので資料をつけさせていただいております。審査委員会補助と審査委員会からの照会を一括して取りまとめて担当職員とともに対応するといった業務でございます。そのほか再審査、請求支払などなどありますけれども、それぞれ分類をいたしまして職員数を示させていただいております。ごらんいただければと思います。

 8ページは、レセプト1件当たりの処理時間とコストでございます。実際の数値は予算ではなく決算がいいだろうということで、26年度直近の決算数値を持ってまいりました。人件費、システム経費、機器更新経費などの内訳を示させていただいております。ちなみに人件費は39.5円ということで、合計84.5円に比しますと47%ということになります。

 処理時間でございますけれども、28年度の職員定員及び取扱見込件数より算出をいたしております。28年度の職員の総労働時間を処理件数で割る単純なやり方ではございますけれども、そういたしますと29秒という数字が出てまいりましたので、ここに資料で添付させていただいているところでございます。

 9ページでございます。支払基金の組織体系図も提出するようにという御指示がございましたので、つけさせていただいております。まず、これは本部でございます。全体として人数は334名でございますけれども、本部においては一元的にできる限り処理できるものは処理するということで、診療報酬の出納管理などにつきましても本部で一括して管理するという取り組みをこれまで行ってきているわけでございます。

 本部につきましては、左からですけれども、大きく分けまして間接部門が総務部、職員部、経理部といったあたりですが、106名でございます。そして中段に経営企画部、事業統括部、審査企画部などがありますけれども、簡単に申し上げますと、経営企画部については事業戦略、新規事業の企画及び広報、事業統括部につきましては請求支払業務における全般的管理、審査企画に関しましては審査の充実に向けた取り組み、システム部はシステム開発に取り組んでおります。これが228名になっているところでございます。そのほか国からの業務を請け負っているということで、高齢者医療などなどにつきまして約100名おるということになっているところでございます。

10ページは東京支部の例でございます。支部のイメージを持っていただくということで添付させていただいています。ごらんいただきますように、総務部、審査企画部、審査業務の第1部、第2部とございます。人数を申し上げますと、東京支部は全体で443名ですけれども、総務部につきましてはそのうち31名で7%。それ以外の90%以上が審査に従事している体制になっているということでございます。

11ページでございますが、28年度の職員数及び臨時職員数、これも御指示がございましたので、つけさせていただいております。職員数は支部ごとに書かせていただいております。臨時職員につきましては、フルタイムで働いているわけではございませんので、いわゆる常勤換算で業務量をどのくらい臨職の方にお預けしているかがわかりやすい形で示させていただいております。右下の合計ですが、職員が4,310名、臨時職員は常勤換算で229名で、単純に4,310名との比較でいうと約5%程度でございます。

12ページ以降でございますが、支払基金改革検討チームを2月から4月にかけて行いました。それはどういう体制で行ったのかということで、それについての内訳、検討項目などについて示させていただいたということでございます。ごらんいただければと思います。

13ページもチームの構成員で、ベテランから若手まで幅広く議論をしたということでございます。省略をしてしまいましたけれども、検討項目は規制改革などで御指摘をいただいた項目を正面から受けとめて議論したつもりでございます。

 また、14ページ、最後でございますが、支払基金システムの構成の概略図をつけさせていただきました。ごらんいただければと思います。

 また、資料がなくて恐縮でございますが、このほか3点ほど申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、審査を4段階にするといった際に、審査委員の先生方の審査を20%-αと説明をさせていただきましたけれども、より具体的な目標を掲げるべきではないかという御指摘をいただきました。ここにつきましては、医療という専門的判断でどのくらいのスコープとするかはこれからの議論でございますので、20-αを具体的な数字にするのは現時点では難しいのではないかということで差し控えさせていただきたいと思います。ただ、先生方がごらんになっているレセプトについても、時間をかけるもの、短い時間で処理できるもの、いろいろあります。御指摘の方向は当然我々としても理解をしているところでございますので、議論を深めていきたいと思っております。

 それからこうした取り組みを進めるのであればロードマップをきちんとつくって示すべきではないかという御指摘もございました。支払基金内部で検討する際にはそうした改革の内容とロードマップをあわせて検討しておりましたけれども、本丸はこの検討会でございます。これからまさにここで御議論いただくことでございますので、余り具体的に踏み込みすぎるのもどうかということで差し控えさせていただいているということでございます。今後、議論が深まった後に支払基金に御要請いただくということであれば、御指示を踏まえて対応したいと思っております。

 また、チェック項目を事前に公表すべきではないかということに関しまして、70%程度ということを申し上げましたけれども、私どもといたしましても、統一的、客観的な基準になじむものにつきましては、前向きに対応していきたいということで、70%に限定するものではございません。対応が共通しているものであれば、そういうものも積極的に議論していったらいいのではないかということで申し上げた一つの例でございます。

 以上でございます。

(吉田審議官退室)

○西村座長

 どうもありがとうございました。

 これから質疑応答に入りたいと思いますが、大変申しわけないのですが、前回、私の不手際で終了直前にも大変大事な話を御指摘いただいたことがありますので、きょうは御発言をできるだけ短くやっていただくために、私の不手際をカバーするために3分5分でそれぞれちょっとベルを鳴らしていただくことにいたしました。それを踏まえて御質疑応答を伺いたいと思いますので、どうか御了承いただきたいと思います。

 御質問の手を挙げていただくとよろしいかと思いますが。どうぞ。林委員。

○林構成員

 ありがとうございます。国保連さまに質問させていただきます。先ほど柴田理事長様からは資料1の7ページの下の右側の「対応の方向性」についての説明は、お時間の関係か、なかったように思います。「基本的考え方」としてICT活用の必要性、審査判断基準の統一化については基金と共通しているということであり、また「現状と課題」としてもICTが活用されていない現状についての認識もされておりますので、ぜひ「対応の方向性」についても具体的に御説明いただけないかと思います。

 以上です。

○西村座長

 よろしくお願いします。

○国保中央会柴田理事長

 時間を短くする余りに時間を余計かけることになってしまって、座長には大変申し訳ありません。

 右側は、やらなければいけないと我々も思っているのは、一つは各連合会の審査委員会でそれぞれ審査基準があるのです。今まではその連合会の中の基準でありました。だから、みんなで共有しようとかという発想がなかなかなかったのですけれども、今度はそれをみんなで共有していこうと。そうすることによって、もしかしたら別の審査委員会でも使えるものも出てくるかもしれないということで、そういうことをしましょうということで去年あたりから各審査委員会から協力をいただいて私どもに出してもらって、皆さんにまたそれを使ってもらうようにしているのが1番目。これも最終的にはシステムチェックに反映しなければいけないかなと思っています。

 もう一つは、支払基金との統一的な判断基準の策定。これはぜひ私どもはやりたいと思っています。それをシステムチェックに反映していきたいと思っています。

 それから国へのお願いでありますけれども、今後、判断基準を考えるにしても、最終的には医師の裁量による部分がどうしてもありますから、100%機械でチェックすることは私はできないのではないかと思っております。どの辺までやるのか、どの辺までできるのかについては、やはりお医者さんあるいは専門家の関与による判断基準の整備が必要だろう。その場合に国にそういう検討の場をつくっていただくことが非常に大事なのではないかと思っています。

 2つ目は、診療報酬点数表での例外規定。これも医療の個別性に対応するための点数表が原則はこうだけれど例外的に個々の状況から判断するということが書いてあるわけでありますが、どうしても仕方がないものは仕方がないと思いますが、できるだけ具体化できるものは具体化する。そして例外規定を極力縮小していけばシステムへの反映もより容易になるのではないかという考え方でございます。こういうことをこれから検討の場をつくっていただいて、我々医療関係者、支払基金、もちろん厚生労働省も入っていただいて、その場で今後どう物事を進めていくのかということをしていったらいいのではないかと思っています。

 もう一つだけ申し上げておきたいのは、先ほどから申し上げましたように、連合会は財政的には非常に厳しい市町村保険者の皆様からお金をいただいて仕事をしているということであります。ですから、恐らく新たな検討にもこのシステムを使って何かを始めることになりますと、もしかしたら結構お金がかかることもあるかもしれない。これはわかりません。私は、かかるのではないかと心配しています。そういうものを検討するに際して、市町村に「こういうことを検討するから検討経費を出してください」と言っても、きょうあしたの手数料を支払うのが精いっぱいの市町村にそういうところまで払ってくださいとはなかなかお願いしにくいのが状況であります。ですから、必要な経費は何でも国が国がというのは私は嫌ですけれども、これはやはり国に費用を負担いただいて検討をしていただくのが必要なのではないかと私は思っています。

 ちょっと長くなりました。申しわけございません。

○西村座長

 林構成員、それで一旦よろしゅうございますか。

○林構成員

 はい。ほかの方にお譲りしたいと思います。

○西村座長

 次は森下構成員。

○森下構成員

 先ほどの国保連さんの言われている判断基準の整備と例外規定の削減、廃止は非常に重要だと思いますので、ぜひ検討をお願いしたいというのは私からも改めてお願いしたいと思います。

 もう一点は事務局にお願いなのですけれども、きょう、国保連さん、社保さんのお話がありましたが、資料がばらばらなので比較ができない。ぜひ比較対照ができるように整備していただきたいと思うのです。特に重要なのは、先ほど話があった職員数の推移とか各都道府県での職員数、社保連さんのデータでレセプト1件当たりの処理時間とコストの内訳が国保連の資料はなかったので、ぜひこれは国保連さんにいただいて、やはりお互いに比較検討ができる状況をつくっていただきたい。逆に言うと、ベストプラクティスへ合わせていくことで、どこを費用削減すべきかが当然ながら見えてくるかと思いますので、これから先の効率化の観点の中でぜひそこのポイントは明確にしていただきたいと思います。

 3点目は簡単に御質問なのですけれども、社保連さんのデータの資料2の5ページ、6ページのところなのですが、いわゆるコメントで読めない事前点検と医療機関の過去の請求・審査状況に着目した事前点検というもので書かれていますが、この割合はどれくらいなのですか。非常に過去の請求・審査状況に着目した事前点検は結構恣意的な部分だと思うのです。この割合が一体どれくらいの話をされているのかをちょっとお聞きしたいということで、3番目は質問をお願いします。

○河内山理事長

 定量的なことについて今資料があるかどうか。古川さん、ありますか。山崎次長。

○山崎経営企画部次長

 申しわけありません。確かに定量的な部分としてはございませんけれども、実際コメント等の確認あるいは傾向的な診療の部分は、職員でいえば35%、審査委員で20%とお話ししている中では、半数近くはそういった内容があるのではないかとは感じております。申しわけありませんが、定量的なものはお示しできません。

○森下構成員

 ちょっと次回までに正確な数字を出していきたいと思うのです。半数近くとすると、逆に一体どう診療行為に注目してやっているのか。その審査基準をまた明確にしていただく必要があると思うのです。本当を言うとコメントの面もコンピューターでできそうな話はいっぱいあると思うので、なぜ目視が必要なのかもちょっと御説明いただきたいと思います。

○西村座長

 ちょっと待ってください。

 どうですか。

○古川審議役

 前回の御説明の中にも将来的には職員が目視をしているものをコンピューターで読めるようにして、以前は15%と申し上げましたけれども、それを最終的にはゼロにしていく方向で検討していくということでございます。現時点ではシステムの力量として読めないということでございますので、先ほど柴田理事長からのお話にありましたけれども、コストとのバランスはありますが、積極的にICTを活用してそういう方向に進めていきたいとは思っております。

○森下構成員

 何度も済みません。もう一点質問したいのは医療機関の過去の請求審査状況に関係した事前点検の割合と内容です。どういう判断基準をしているか。これはきょうは無理でしょうから、次回ぜひ提出していただけたらと思います。

○西村座長

 それを出してください。よろしくお願いします。

 ちょっと関連で結構ですから、佐藤構成員、先ほどからずっと。前回から。

○佐藤構成員

 前回から待っていたのです。それはいいのです。こういうことは、なれていますから。

 まず2点質問で1点はコメントになるのですけれども、多分、次回までに調べてきてくださいということになるのかもしれないのですが、きょういただいた回答のものの3ページのところに、まさに御指摘のとおり、附箋があるのが6%、でも職員が事前点検するのは35%ありますということなのですが、例えばそれでそのうち20%が審査委員に回るということなのですけれども、先ほどコメントの話と過去に何か怪しいことがあった医療機関の話が出ていましたが、実際に附箋がなかったのだけれども結果的には一番下の重点的な審査に回り、実際査定になった1%の中には、附箋がなかったレセプトはどれくらい入っているのですかというのが、もし今わかれば、あるいはわからなければ調べていただかないと、附箋がないレセプトを調べるのは、どれくらい重要性があるのかという量的な感覚がわからないものですから、ちょっとそういう相場観を得るためにも客観的な事実を出していただければと思います。

 2つ目なのですけれども、これは本当に質問なのですが、4ページに出てきている分母と、5ページ、6ページに出てくる分母が何かちょっと違う気がして、4ページのところで出てくる分母のAが4,131万件ですけれども、これは平成26年度のデータです。でも、先ほどから図で説明いただいているページ6で出てくるのが、電子レセプト総数が7,674ですよね。だから、もともと調べている時点が、前者が26年、後者が28年なので違うということなので、もともと違う分母で比較して、しかも私が理解する限り4では調剤を引いて3の15%を出しているのですよね。つまり3の35%というのは4ページの100から65%を引いたものだと思うので。これは全体的に整合性がとれているのかなと。本来ならば、一番きれいなのは28年度のデータで統一して調べるのが一番いいはずなのですけれども、どうしてこういう計算になるのかというのは何か理由があれば教えてほしい。

 これは前回からいろいろと議論が出ていることですけれども、前回いただいた参考資料のところにかかわるのですが、審査の統一性の話は非常に大事だと思うのですが、何はともあれ見える化を進めていくためにも地域差を見せていただきたいということで、支部間の差異の解消は打ち出されていますので、できれば具体的にどういう分野でどういう差異があるのか。ここではゾビラックス錠400という薬について事例が出ていますけれども、具体的にどういう分野でどういう差がどういう地域間で見られるのかということがないと、統一基準と言われても、どれくらいの深刻度なのか、どこにポイントがあるのかはよくわからないのでお願いします。

 同じ地域の中でもどう違うのかということで国保との比較があっていいかと思います。そういう点でちょっと今後とも地域差の見える化をぜひ進めていっていただきたいということは、こちらからのお願いです。

 あとは、一つ最後にすごく簡単なコメントです。最後に先ほど御指摘のあったレセプト1件当たりの処理件数について国保連と支払基金で比較できるようにということでしたけれども、それはすごくいいアイデアだと思うのですが、国保連の場合は都道府県別になっていますので、都道府県別にレセプト1件当たりの処理時間とかコストが出るとまさに地域差もクリアに出てくるかと思います。

 以上です。

○西村座長

 2番目の話は結構ここで時間をとるので、大変恐縮ですが次回あたりということで。最初の話は古川さんですかね。

○河内山理事長

 佐藤構成員の御質問なのですが、既に御説明した内容も含んでおりますが、詳しくは古川から説明いたしますが、最初の、職員がどれくらい着目してそれがどのくらい査定まで至っているかは、冒頭の別添えの参考資料でございまして、それをまたごらんいただきたいと思います。

 分母の話は既に御説明いたしましたけれども、ちょっと補足して古川から御説明を申し上げます。

○西村座長

 済みません。大変恐縮ですが、今のお話は個別にお願いできませんか。最後の話が結構大事なので、基金、連合会それぞれお考えをお聞きしたいと思います。最初の話はどうですか。多分すっと答えることができますよね。

○古川審議役

 時点の話ですか。

○西村座長 はい。

○古川審議役

 時点の話は御指摘のとおりで、先ほど御説明申し上げたので補足をさせていただきますが、職員の実態調査につきましては26年度に調査を行いました。そこで実際どの業務にどのくらい時間をかけてやっているのかをかなり細かく調査をいたしましたので、組織のあり方あるいは職員のあり方を議論するとき、もし提示を求められたときにはそうした直近の26年度調査をいろいろな根拠とさせていただくのが適当と考え、レセプトをあけた枚数の数値についても26年のものを使わせていただきました。

 ただ、その時点、26年度は審査委員の方の記録はなかったので、直近のものをとらせていただいたため、時点がずれているのは御指摘のとおりではございます。

○西村座長

 最後の御質問は大変大事な質問だと思うので、それぞれ理事長、お2人どうでしょうか。

○河内山理事長

 差異の話ですか。

○西村座長

 今の佐藤構成員の御指摘の最後の話。

○唐澤保険局長

 それは基金と国保連の比較したデータを出してほしいというお話ですよね。

○西村座長

 そう。それぞれこれをどういうふうに考えておられて、出す用意があるか。いかがですか。

 両方で御検討いただいて、しかるべき回答をいただきたいと思います。

○国保中央会柴田理事長

 先ほど申し上げましたように連合会はそれぞれ47ありますので、すっとわからないところはありますが、ある程度条件をそろえて、そろえるときはちょっと支払基金ともどうやってそろえるかと相談しなければいけないと思いますが、できるだけその対応をするようにさせていただきたいと思います。

○西村座長

 ぜひ御相談いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○河内山理事長

 私どもは、差異は一体どういうものがあってどう解消していこうかというのは、先生が御指摘のとおり、見える化をしなければいけないのは十分認識をしておりまして、これまでもそうですが、個別には支払基金が独自に差異を感知するのはなかなかわかりづらいところがございまして、一つには保険者の方々からどうしてこういう差異が生じるのですかと、再審査が出た内容については現実のものとして既に明らかになっておりますので、その解消に努力をする。あるいはコンピューターで分析をし、評価をすることが可能になってまいりましたので、どれくらいあることに着目して違いが出るのか、あるいは違いはなぜ出てくるかということについて、分析評価を始めたばかりでございますが、これは最近では調査レポートというか分析レポートというのは審査委員長にはお伝えをしておる段階でございます。

 そういったものを踏まえて、どういうところがより差異があって、どう解消していこうか、今まさに審査充実全体会議でやっているわけでございますが、その内容については適時取り組みについては御説明をしたいと思います。ただ、難しくて判断理由まで至っていないものもたくさんありますので。

○西村座長

 そうですね。そのあたりを、連合会さんと基金さんでどういうところがお互い違っていて、それはある程度やむを得ないものか、あるいは別の組織でよく調べてみたらどちらかいいほうがあったとかという話も含めてぜひ御協議をいただいて、今の話に対する回答をいただきたいと思います。

 先ほどの疑義に関して松原構成員から何か。

○松原構成員

 今お話しの基金と国保の違いについては十分検討する必要があると私も思いますが、そのベースを必ずしも同じものにしなければならないことはないと思っています。なぜ国保があるのか。前回も申しましたように、それは都道府県さまざまで人口比率も気温差もあり、交通網や収入差もあります。その中でなぜ国保が必要なのかをもう一回見直すためにもデータを出していただきたいと思います。構成自体が若者を中心とした、働いている人のための基金と、退職されたり、あるいは後期高齢者の方を見ている国保とは全く考え方が違って当然だと思います。それが同じものという概念でこれらを統一する方向でしか考えないのは間違っていると私は思います。

 2番目は、診療報酬の決定は中医協というところで決めますが、大変な議論をして決めています。その中で最終的に折り合いをつけるのに例外規定がどうしても出てまいります。しかし、アップ・ツー・デートで最新の医学に合わせて変化させるのは当然でありますし、それは医療課で常々されていることであります。前回も申しましたけれども、いろいろと難しいから、コンピューターで判断しにくいから、例外規定をやめろというのは少し乱暴なように思います。国民、患者さんは、皆、人それぞれでありますから、それに合わせるためにはどうしても例外規定が必要で、そうするとレセプトに対して規定から外れるときに説明文をつけるという形で中医協で議論して、その結果となっているものであります。例外をなくして全てコンピューターで一律に判断するというのは、暴論ではないかと私は思います。御理解を賜りたいと思います。

○西村座長

 大変重要な御指摘と思いますが、もうちょっと皆さんと共有するために具体的な事例を出していただくと今の議論が深まる気がいたします。

 飯塚構成員、よろしくお願いします。

○河内山理事長

 ちょっと木田審査委員長から一つ発言をさせていただいていいですか。

○西村座長

 済みません。どうぞ。

○木田石川県審査委員長

 支部間差異のことでいつも御指摘を受けて皆さんに御迷惑をかけておるのですけれども、できるだけ統一できるものは統一したいと思っています。また、国保連合会とも各県単位で見解の調整を図っています。石川県の場合は2、3カ月に1回国保連合会とそれぞれ意見を出し合って調整していますが、ただ、難しい点は、国保連合会は地域医療の特性を反映した基本的な考え方です。支払基金は全国統一の見解を出そうとします。そうすると100%一致するというわけにはいかないのです。恐らく8割9割は一致します。毎月、話をするとどうしても1個くらい意見の調整ができないものがあります。これは私自身の個人的な考えとして、支払基金と国保連合会の成り立ち上、これはやむを得ないことではないかと思います。

 それから支払基金の中で支部間、県によって見解の違いがあるのはどうなのだと言われますが、これは審査委員の判断というよりは各地域の医療提供体制の違いだと思うのです。例えば近畿地域、大阪、関東地域、石川などを比較しますと提供体制が違っています。医療の質も量も違います。審査委員会としては、できるだけ適正な幅に集約させたいと考えるのですが、適正な幅からはみ出す要素が支部によって県によって違うということなのです。そうすると、あるところはある方面に非常に重点的に力を入れて、重点的に力を入れる場所というのは、ルールはどうしてもシビアになります。余りトラブルのないところは比較的穏やかなルールで行けます。これを全国的に統一しようとすると、例えばシビアなグループが10分の1くらいあったとして、残りの10分の9が余り問題意識をしていないとすると、全国一律にしなさいと言うと9割の少し穏やかなルールが採用されることになるのです。そうすると、穏やかならそれでいいのではないかという話が出るのですが、1割のシビアにしたところがこれまでやってきた審査の幅の維持ができなくなる。多数決で決めると今度はその後の審査に問題が起こってくる事実もあることをちょっと御認識いただきたいです。

○西村座長

 大事な御指摘ですが、大変くどいようですけれども、もうちょっと今の議論が具体的な事例で話が進むと理解が深まるのではないかと思いました。済みません。

 では、飯塚構成員、どうぞ。

○飯塚構成員

 座長先生が具体的な事例でとおっしゃいましたので、今、私が思いつく具体的な事例を申し上げます。鶏眼、胼胝という、要するにたことかいぼの話です。手に1カ所たこができました。これの処置をする。この辺にもできました。この辺にもできました。あるいは逆の手にもできました。その処置として評価できるのは、例えば同じ流れだからこれは一連のものだけれども、違う手だからこれは結局一連ではないと。だから処置は2つあると考えるのか考えないのか、そういうところは都道府県で随分違います。これが具体的な事例です。

 それから松原先生のおっしゃったことは本当に胸に刺さる話なのです。社保と国保と何も一緒にする必要はないだろうと。私は7割方同意なのですけれども、残りの3割はちょっと待てよという部分があります。それは何かというと、例えば同じ病院で同じ50歳くらいの人が胃潰瘍で1週間入院したとします。社保の人と国保の人、その2人のレセというのはほとんど同じレセが出てくるはずです。同じレセに対する審査の仕方が支払基金と国保とで違うのは私は同意できないです。同じ病院で同じ疾病で同じ年齢で入っている人が、何で社保の審査はこうで国保のレセの審査はああなのかについては、こうであったりああであったりするのではなくて、もうちょっと説明できる形にする必要があると思います。

 最後に、私は前回いろいろと申し上げてしまいましたので、余り言いたくなかったのですけれども、どうも支払基金の事務職員が35%をやって、そのうち20%を審査委員が見ているのだと。今の会話の中でも3520が何か何回も出てきてひとり歩きしそうだと思いました。ですので、私は、ちょっと待ってくださいと申し上げざるを得ないです。というのは、東京支部を例にとると非常にわかりやすいです。東京支部は月に1,000万枚のレセプトが来ます。それの35%を職員が見るということは350万枚です。職員は300人です。そうすると、約10日間で職員は1人当たり1万枚見なければいけない。あるいは審査医師は250人です。20%やるのであったら200万枚です。それこそ審査医師は1日2時間5日間で200万枚を250人が見られるのかということです。そちらの根拠として何か機械上そういうものがあるのだと今おっしゃったけれども、それに乗っかって本当に大丈夫なのか。

 私が理解しているのは、例えば全部チェックをしたとしないと次の病院に進めない。だから、附箋を外して、次の病院に行くためには全部見たとしないといけない。そういうことでもって審査委員の20%が積み上がっているのであれば、それは違うだろうと思います。

 こういう大量の事務処理をどう判断していいかというのは郵便局が一番上手なのです。彼らはどうやっているかというと、単位時間当たりの処理数をストップウオッチでもって調査しているのです。郵便業務、銀行業務、かんぽ業務、それぞれこの業務について30分当たりに何件処理できるかという単位時間当たりの処理数に基づいて郵便局の大きさを決めていくのです。支払基金もこの35%、20%を所要のものとして動いていくのであったら一度タイムウオッチでもってきちんとした事業量調査をしないといけないと思います。

 以上です。

○西村座長

 どうもありがとうございました。どうぞ。

○河内山理事長

 先ほど古川審議役が説明しました職員の方のレセプト関与率については、まさに飯塚委員が言われたような、事務量調査は外部機関に委託をしましてストップウオッチを持っていただきまして積み上げたものでございますので、職員は事務量の調査をした上ですのでバックデータはそう大きく狂っていないと私は認識をいたしております。

 審査委員の先生方が短時間でどういう思考経路で審査をしているのかというのは、せっかくきょう木田委員長に来ていただいていますので、少しだけ、審査委員はどういう観点で大量のものを見ているかということについて実際の話をしていただこうと思います。

○西村座長

 ぜひお願いしたいです。

○木田石川県審査委員長

 最初に、国保との違いで患者さんに迷惑がかかるのではないかという話がありましたが、私たちも一番気にしているのはそこなのです。そのために国保との話し合いをしています。具体的にそういうことが起こりそうなものは優先的に処理します。審査の上で意見が違っていても、そう患者さんには迷惑がかからないだろうというものはどうしても後回しになっていきます。そういう点では非常に気をつけています。

 一番の問題は、例えば社会保険であった人が国民保険に変わったときに今まで受けていた医療が受けられなくなるということなのです。極力そういうことが起こらないことを私たちは常に認識しながら国保とお話ししています。

 それからレセプトは確かに大量のレセプトがありまして、これを全部逐一完全に見るのはまず不可能な話です。そういうことでコンピューターの処理であるとか事務の点検がされて、そのうち我々が必要なものは我々が見ておるのですけれども、重点的に見なければならない医療機関、それぞれの審査委員の先生は同じ医療機関を1年くらいずっと継続して見ていますから、どの医療機関にどれくらいの時間を配分しようかということは皆さん全部頭に入っています。

 何か飛ばして見ているのではないかとかとしばしば言われますけれども、飛ばせる医療機関は飛ばして見ています。それは事実です。しかし、見っ放しなのかと言われますと、そこはそうではありませんということを言いたいです。何かといいますと、恐らくそういうふうに飛ばして見たら見落としが起こるのではないかということを一番心配されると思うのです。今の保険者さんはそんなに甘くないです。見落としがあったら必ず再審査が出てきます。

 我々が一番注意しているものの一つは再審査がいかに出ないようにするかです。そういうことに非常に注意していまして、再審査は我々の審査に対するフィードバックシステムだと解釈しています。再審査の状況を見ながら、非常に傾向的な項目が出てきたらその対応をどうするか。支部のルールをどうするか。一定の医療機関に再審査がたくさん出てきたら審査の担当者に審査の仕方をどうするか検討します。そういうことで、今までのところはそういうフィードバックをかけて問題があることはないということだけは確認して現審査をやっております。そこのところを御理解いただければと思います。

○西村座長

 大変それぞれ勉強になるお話を伺って、例えば将来ICTをどうやって使うか、人工知能がどこまで解決できるかという話が話題になると思います。

 そちらが先。済みません。次にお願いします。

○宮田構成員

 支払基金さんに質問させていただければと思うのですが、念のためなのですが、先ほど理事長もいろいろレセプトを電子化してこれから見直すということなので多分されていると思うのですが、電子レセプト化した上でその後の審査の経過とか履歴とか、あるいは最終確定事項がどうなったかということも記録として残っているということでよろしいのですね。

○河内山理事長

 全て審査の履歴は厳密にとっておりまして、何月何日何時何分に○○職員がどういう操作をしたか、そのことについて次に先生がどういう判断をしたか、全部履歴を残しております。それは膨大なデータとして蓄積しています。

○宮田構成員

 この履歴を見返すことは簡単ではないのですけれども、それがとれていれば、きょう、ここでお話があった職員による事前検査が多過ぎるのかどれくらい減らせるのか。どういうことに疑義がかかって、どういうものに対して疑義をかけていくのが適切で、こういうフィルターは外したほうがいいのではないかということを継続的に評価自体の見直しを改善することができるので、こういったことを前向きに。今ここに出されているものが全てではなくて、この数も見方自体を変えていく必要があるでしょうし、あるいは、先ほど御質問があった、このルートから出てきたところの見直し率が高いのであれば、もしかしたら系統的なエラーがそこにあるのかもしれないとか、あるデータをいかに使っていくかといったところを考えていくことも非常に重要なことかと思いますので、これで最終というよりも、ある意味ここを一つのたたき台として見ていく。

 例えばそのときに国保さんと同じように審査履歴が残っていれば、すり合わせて、何を合わせる必要があって、あるいは何を差異として残すべきなのかといったところもディスカッションできるかと思いますので、このテーマにありますとおり、データに基づいて対話、分析をさらに進めていくことが非常に必要かと思いました。

○西村座長

 ありがとうございます。今までの話だけではなくて、これからどうするという話をぜひここで議論を続けたいと思います。次、神成構成員。

神成構成

 神成です。中央会さんにお伺いしたいのですが、まず資料の14ページで担当職員数が3,651人から2,616人に約1,000人減っております。この定員減少に伴い、どのように業務を効率化しているのかという点についてお伺いしたいと思います。

 次に、国保連合会が運用しているシステムについて、中央会が構築したシステムを各都道府県の連合会がカスタマイズをしていると伺いました。このカスタマイズについて、中央会側はどのように把握をされているのでしょうか。お願いいたします。

○国保中央会柴田理事長

 まず、人数ですけれども、14ページを見ていただきますと、こうやって減っています。もちろんやり方としては退職不補充ということもあるでしょうし、それから、リストラはありませんから、いろいろ職員をほかの職場に。

○神成構成員

 定員削減に伴う仕事の効率化についての質問です。

○国保中央会柴田理事長

 それはどのくらいあったらいい水準なのかというのは、はっきり言ってありません。わかりません。

○神成構成員

 質問の意図が伝わっていないようです。今が適切かを伺っているのではなく、業務の見直し状況についてお伺いしたいということです。

○国保中央会柴田理事長

 わかりました。22年度、23年度から24年度に向けて約300人下がっています。これは恐らく23年度からレセプトの電子化が義務化されて、国保総合システムを我々が標準システムとしてつくった。それによる影響がこういうところに出てくるのではないか。

 それから、きょうは数字を出しておりませんけれども、例えば審査支払に関する費用などを見てみましても、国保総合システムを入れた次の年からは大体全体で200億くらい負担が軽くなっているということがありますから、御質問に全部的を射た形で答えているかどうかは別にしましても、そういうシステムの影響は大きくあるのではないかと思っております。

○神成構成員

 それで結構です。

○国保中央会柴田理事長

 もう一つ、外づけの話ですけれども。

○神成構成員

 カスタマイズの話です。

○国保中央会加藤医療保険部長

 システムを構築する際は、必ず各連合会からどのような機能が必要かをヒアリングしませんと、全体構想、いわゆる標準システムとして具備すべき機能がわかりませんので、それを必ずやるようにしています。これは連合会が使うシステム、連合会が所有しているシステムになりますので、その際にどれを入れる、どれを入れないという検討をさせていただいております。その結果として漏れてしまうもので自分は欲しいものについてはカスタマイズ、いわゆる私たちは「外づけ」と言っていますけれども、そのようなものを構築しています。

○神成構成員

 今、運用はそれぞれの47都道府県単位で別々にやっていて、データベースもそれぞれがマスターを持っており、中央会そのものは全体を集約したデータベースを持っていないという解釈でよろしいでしょうか。

○国保中央会加藤医療保険部長

 システムによって若干異なりますけれども、国保に関するシステムについては各都道府県にシステム環境を構築しております。

○西村座長

 今の話は基金さんとの連携を視野に入れて今後お願いしたいと思います。尾形構成員。

○尾形構成員

 これまでのところはもっぱら審査支払の話ばかりですが、この検討会の非常に重要なもう一つの論点として、保険者機能の強化と医療の質の向上についてという事項が挙がっております。そういった観点から国保連合会についてのプレゼンテーションを大変興味深く伺いました。

 2点コメントしたいのですが、一つは保険者機能に関してです。資料1ですと8ページにKDBの利活用で2つほど○が示されていますが、下の○が被保険者の健康管理とか健康増進といった、これも非常に大事だと思うのですが、それとあわせて私は1番目の○の地域の健康課題を把握する、これが近年非常に重要になってきていると思っています。といいますのは、ようやく医療提供体制に対して保険者として関与をしていける体制が、医療法の改正などを通じてできるようになってきた。まさに今都道府県が地域医療構想を策定あるいは推進しているわけですが、そこに保険者が関与していくことは非常に大事だと思います。特に保険者協議会の事務局を国保連が務めておられるわけで、保険者から説得力のある意見を表明するためにはデータに基づいた、あるいはエビデンスに基づいた発言をしていく必要がある。そういう意味では国保連に非常に重要な役割が期待されると思っております。これが1点目です。

 2点目としては、前々回もちょっとお話しした健康経営に関連した話です。これまで私どもの研究もそうなのですが、海外の研究も大体被保険者本人の健康と生産性ということでこの問題を捉えてきていたのですが、よく考えてみますと、実は本人の健康だけではなく、家族の健康の問題あるいは介護の問題は非常に重要です。それが本人の生産性にどう影響しているか。実はこういった観点は海外の研究でもほとんどありません。というのはデータがないからでありますが、KDBを見ていただくとわかるように、この点に関して我が国は非常に大きな可能性を持っていると私は思います。後期高齢者医療制度のデータ、介護保険のデータ、その他医療費のデータ、健診のデータ等と組み合わせると、これは家族も含めた形での最も先駆的な知見が得られる環境にあると私は思っております。これは将来の話ですけれども、そういう意味で非常に期待をするところが大きいということを申し上げておきます。

○西村座長

 今のお考えを含めてお答えを伺いたいのですが、ちょっと先に申しておきますと、きょうは参考資料として事務局から資料がありまして「これまでの構成員からの主なご指摘を整理したもの」ということで、1番、2番大きく分けていろいろな項目が載っております。この後もうちょっと御意見を伺いたいと思いますが、これを御参考になりながら御意見を伺って、連合会さんあるいは中央会さん、基金さんがこれからどういう方向でここで出る問題提起を受けとめるかという話を最後に伺いたいと思っておりますので、幾つか出た後で恐縮ですが、何か市長さんおっしゃることはありますか。

○亀井名張市長

 えらい微細に至るまで御議論いただいていて恐縮の限りでございますけれども、今、保健事業についての御所見がございましたので、手前みそになるのですが、我々の具体の取り組みについてちょっと申し上げたいのですけれども、私が市長に就任したのは平成14年でございます。平成13年から平成14年の国保の給付の伸びが2桁であったわけですが、今1%です。ただ、28年度は3%に伸ばします。これはC型肝炎のお薬の関係とオプジーボの関係がございますので3%には伸ばしてあるわけでございますけれども、かなり抑制をしてきておる。

 もう一つは、国保・後期高齢介護の給付の1人当たりの額が、私ども名張市は30%の高齢化率にもかかわらず全国平均よりかなり低いのです。それだけ健康な方が多いということでございます。健康寿命につきましては、御案内のとおり、全国平均が男性70、女性74ですが、名張市は男性が79、女性が81と群を抜いて全国のトップレベルにあるわけです。市役所が頑張っているからこんなことになっていったということではないわけで、15の小学校区単位で地域づくりがございまして、15地域競争の中でこういうことが生じてきている。

 ただ、これは健康づくりだけではないのです。住民自治の熟度が高まることによってできてくる土台みたいなものがあります。ここでは子ども・子育てであったり高齢者福祉であったり防犯防災であったり、いろいろなものが乗せられていることが一つ。もう一つは、目的別団体さん、三師会さんであったり。この三師会さんもかなり積極的な活動を展開いただいています。あるいは、またボランティア活動が盛んであるとかスポーツ活動が盛んであるとか文化活動が盛んであるとかです。ですので、お家で閉じこもっている方がいない中でこういう成果が生まれてきた。つまりは市民の自発的な活動が進化、発展してきてこんな成果が出てきておる。

 こういうことであるわけでございますけれども、昨年、国保のデータベースを活用いたしまして、今「健康なばり21計画」というのでつくってあったのですが、今度は小学校区単位でもつくっていくのだということの中で、健康づくりに関係あると思われる15地域、医師会とか三師会さんももとよりでございますけれども、民生委員、児童委員さんとかそういう方々が大体1地区100人から150人くらい、ここでワールドカフェをやりまして、今まさに本年度から小学校区単位の健康づくりが始まったということで、国保データベースがあったがゆえにこういう細かい健康づくりが始まってきたということでございます。

 国保連合会というのは、市町村国保の保険者が簡素、効率、安全安心の事務を進めるために共同して起こした法人です。1,700の自治体の合意のもとにそれぞれの国保の連合会が動いている。まさに1,700の自治体がオーナーでもある。こういうことでございまして、先ほど松原委員からも御指摘がございましたとおり、被用者保険とちょっと性格が異なるのではないかということがございました。被用者保険は治す医療のほうがウエートが大きいのだろうと思います。我々の国保は支える医療の部分が多いのだろうと思っているわけでございまして、そのあれはあると思うのですけれども、一昨年、我々も地域医療介護総合確保推進法がスタートして、地域包括ケアシステムを合理的に行うためにいろいろ今は苦心しながらやっているということです。

○西村座長

 御苦労さまです。

○亀井名張市長

 よろしゅう。

○西村座長

 そこから後はまた別の機会にということで。まず、葛西構成員、森構成員の順番で、どうぞ。

○葛西構成員

 ちょっと風向きを変えたいと思っていまして、今まで私がずっと議論を聞いていてちょっと気になっているのは、何かシステム化すると全部できるみたいな話がずっと横行していて、私はてっきりこの検討会はシステムの議論がある程度されるのだと思って来たのですが、過去2回、1回目は私は欠席したのですが、特別にシステムの議論をされていないのです。

 私がちょっと個人的に気にしているのは、私どもの独立行政法人でもそうですし、私自身もちょっと機械学習のプログラミング、いわゆる人工知能をやっておりますので、その中の議論でいうと、人工知能が何か全て解決するみたいな話が横行するのはやめていただきたいと思っているのが1点です。

 人工知能の話の中は、データマイニングの話をしているのか機械学習の話をしているのかディープラーニングみたいなコグニティブな何か話をしたら会話をしたりする話をしているのかというと、恐らくコグニティブな議論は実は今までされていないのです。どちらかというと機械学習の話が中心になっていると思われます。前回の韓国の例もそうなのですが、そうするとなぜか一部分ニューラルネットワークが特筆して資料に出ていたりするのです。なぜニューラルネットワークだけが出たのかも私はよくわからないのですが、例えばニューラルネットワーク一つとってもフィードフォワードでつくるのか、畳み込みでつくるのか、再帰型でつくるのかというのは全部プログラミングの仕方もデータベースの設計も違います。

 ちょっと気にしているのは、まず一点、今、回答は全く不要なのですけれども、現状システムの中で審査業務において実装されているアルゴリズム、いわゆる決定木みたいな、例えば私の予測ですと多分外れ値のディテクションであるとかマイニングと言われる、ある審査基準に基づいて外れているものは回避するアルゴリズムは絶対実装されているはずなのです。そういった既に実装済みのものとこれから実装していかなければいけないアルゴリズムをまず識別しなければいけないと思っています。

 もう一点、多分危険だと思っているのは、皆さんも御経験があるかもしれないですけれども、携帯電話とかに声をかけたら会話が返ってくるみたいな機能があります。あれは常に日々改善されているのです。私も自分の独法でこういう開発をするときにすごく悩むのが、研究費みたいなものを用いられないので何か検収をしなければいけなくなるのです。何か物をつくって、検収をして初めて支払いが起きる。いわゆる開発サイクルがすごく長い。実体情報をずっとつかみ続けたおかげで開発のスピードが遅くなってしまってチューニングができなくなっている可能性が高いと思っているのです。これもちょっと御確認いただきたいのですが、ほぼ日々チューニングをしていって、2年目に何か成果が出るとか3年目に成果が出るとかというものでは全然ないのです。費用対効果上でいうと、その制度が本当に効果があったのかがよくわからないのが人工知能の実態です。

 なので、2つお願いがあるのが、一つが実装されているアルゴリズム、もう一点がどのくらいまでの精度のものを何年目に人工知能を使って学習をすると皆さんの審査が楽になるのかというところの日々改善できる環境づくりが今ある程度されているのかされていないのか。この2点を次回までに調べて回答をいただきたいと思っています。

 以上です。

○西村座長

 大変、大事な御指摘です。

○河内山理事長

 まず、支払基金のシステムについて基本的な部分から申し上げますと、私どものシステムは毎月毎月確実に審査し、請求支払を完了することを紙から電子化をしたときにシステム化してまいりましたので、どちらかというと極めて正確無比を期しておりますけれども、先生や最近のAIを初めとするコグニティブコンピューティングまで含めますと、いろいろな知見の方からするとこれはまだ初期段階だということは御理解いただきたいと思います。

 また、医科でやり、それを歯科に展開し、DPCへ、それから調剤へと、言ってみればちょっと拡大をしたプロセスの中でデータベースのつくりはかなり窮屈なつくりになっている。このことを何とか解決をしないと次なる段階に行かないこともあったり、請求支払の仕組みと合致しておりますので、その辺がうまくいきながら省力化できるということからすると、そろそろシステムの基盤からすると大きな手直しをしなければならない時期に来ていることが、この検討会でもよく俎上に上っております近々行いたいという刷新なのです。

 同時に、先ほど宮田先生が言われたように、そうはいうものの、せっかくさまざまな蓄積もあり、さまざまな我々の経験もありますので、今後のシステムの展開のときにはかなり正確無比プラス賢いというものを取り入れることが大事だということでございますので、アルゴリズムの話が出ましたけれども、極めて初期段階にある。これをどういうふうに先生方の知恵を借りて、せっかくつくり直すあるいは投資をするということであれば、どういうものがベストなのかというのは、これからの本当の大きな検討の課題だと思っております。

○西村座長

 ありがとうございました。

 どうぞ。

○葛西構成員

 簡単にちょっと回答したいのですが、私も全く同じ意見で、恐らく現行の政府系のシステム、私どもが持っているシステムも、どこを見ても厳密にやらなければいけない基幹系みたいなシステム、これと我々がやっている人工知能を使うものは必ず厳密に全てパーフェクトな回答がまだ来ませんので、別々につくっています。別々につくること、審査をきちんと回す部分とこちら側のアルゴリズムに実装するところがどうやってインターフェースをとるかという論点に検討会の議論がある程度進んでいくといいというのは僕も全く同じ意見です。

 以上です。

○西村座長

 今の御指摘はぜひ次回に割と大きなテーマとしてやりたいと思っております。

 では、金丸構成員。

○金丸構成員

 葛西さんから詳しいシステムの話が出たのでちょっと関連なのですけれども、葛西構成員が御質問された、あるいは期待も含めてだったと思うのですが、そのレベルにはきっとないのだろうと。そういう意味では、理事長が初期レベルとおっしゃったとおりだと思うのです。今後、未来を検討していく上で現状のシステムがどうなっているかを知らないことには、あとは相当ジャンプする話になってしまいます。現状のシステムのアルゴリズムとかコンピューターのチェックロジックと言われているロジックというのは一体どのようなものかというものを、国保連さんも支払基金さんもぜひ明らかにしていただきたい。デジタルデータのレセプトデータが来て、その後、初期的にはコンピューターが処理をするわけですから。その後に人が介在してそれ以降のプロセスに影響があるシステムなので、そこについては別途でも私はいいと思うのですが、システムに詳しい方々とか御関心のある方だけで何かワーキングみたいなものができて、そこで御説明をいただいたほうがいいと思います。そのときには無理をなさらないで、支払基金のシステムの方だけではなくて、その先に頼んでいらっしゃる外部の技術の方でもお連れなさって御回答いただいたほうが、我々のまだ理解できていないところがよりクリアになるのではないかと思います。

 以上です。

○西村座長

 ありがとうございました。まさにワーキングをつくってやっていただくイメージをしておりましたので、ぜひ皆さん御協力をお願いしたいと思います。

 ほかに。森さん、済みません。

○森構成員

 ありがとうございます。先ほど保健事業の話が出ましたので、資料1の9ページ目なのですけれども、ビッグデータを活用した保健事業の推進で、今回、国保から今後の対応ということで被用者保険とのデータの連携があるのですが、私も大学を出てすぐに入ったのが組合健保でした。田舎に帰って薬局を開業して国保に入って、今は協会けんぽにお世話になっています。今、本当に生涯を通じて年齢とか特性に応じた保健事業は重要になってくると思いますので、切れ目のない継続した効果的な事業を考えると、国保と被用者保険とのデータをきちんと有効に活用できればいい事業ができるのではないかと思います。これが1点です。

 2点目が、7ページ目の対応の方向性ということで先ほど御説明いただきましたけれども、国への要望ということで判断基準にしても整備できるものは整備したほうがいいと思いますし、「診療報酬点数表の中で例外規定を削除、廃止」できるものはいいのですが、医療は個別性があったり幅があります。

 前回、支払基金からある程度のものを示すということでゾビラックス錠の例が出ていたのですけれども、その中で例えば1日20錠までは算定可とすることを公表するということがあったのですが、ここは非常に心配をしています。ゾビラックス錠は腎臓で代謝をされて腎機能が低下された患者さんには1日5回のところを3回であったり2回であったりで使う、人によって非常に容量が難しいものを、保険診療でここまでいいということを示すことが果たしてどうなのか。医薬品医療機器等法で承認されたものがある中で、個別に医師が判断して薬剤師もきちんと確認をしていくことを考えると、保険の中で、ここの範囲を示すことを行うのか、保険でここまでということを考えると、それを前提としてどうしても人は考えたくなる部分なので、そこのところは慎重に今後判断をしていただければと思います。

 以上です。

○西村座長

 今の話は伺って事務局も検討いただくということで、ほかにまだ御発言がない山崎構成員、お願いします。

○山崎構成員

 もっと早いうちに質問すればよかったかと思うのですが、別添にありますが、支払基金のレセプト審査の流れで職員による審査事務でコンピューターチェックのあるものの8~9割は職員が解除しているということはどういうことなのか。コンピューターが問題ありとしたものは8~9割は問題なしとしているように思うのですが、結果的に審査委員の負担は軽くなっているとは思いますが。

(吉田審議官再入室)

○河内山理事長

 まずは1対1対応で必ずチェックをかけなければいけないものにたくさんチェック項目をかけておりますので、先生が言われるように、大半は念のためとか見落としをしないためにつけておるものがたくさんあるのです。それは余りにも労力の効果からするとちょっとよろしくないのではないかということで、常にコンピューターチェックの検証の委員会という仕組みをつくりまして、評価をしながら順次チェックがかかることについての信頼度を高めているのですが、まだ現状では見落としをしてはならないという、後から再審査が出てきたりすることへのおそれから多目多目につけているのは事実でございます。また、その精度を上げるための取り組みもしておりますが、これは非常に専門的なこともございますので、どうなっているのかというのは、お求めがあればまた追って御説明を申し上げたいと思います。そういうことでございます。

○西村座長

 山本雄士構成員。

○山本(雄)構成員

 ありがとうございます。3点ありまして、途中で出てきました支払基金さんと国保中央会、連合会との比較の中で再審査の請求がどのくらいの割合で来てしまうのか、それも地域差がどのくらいあるのかというのをぜひお出しいただきたいという簡単なお願いが一つ。

 もう一つ、国保さん側にお伺いしたいのですが、国保連合会でデータベースを持っているということだったのですけれども、各保険者さん、国保さん自身が保健事業等をやりたいということで、もとのレセプトデータが欲しいという請求があった場合にそれを戻せる体制になっていないというのを昔に聞いたことがあるのですが、それはまだそのままなのか、返せるようになっていますということなのかが一つの質問です。

 最後になりますけれども、国保連合会さんがさまざまな保健事業の支援だとか実施をされている。これはすばらしいことだと思いまして、今後、支払基金側もそうしたことをという発言が前回ちらっとありまして、具体的にこういう事業をやったことでどのくらい成果が出ているのかというものを我々も知ることができれば、審査支払基金としてもこうしたことをやる意味があるのではないか、余り意味がないというのもなかなか難しいかもしれませんけれども、各保険者がそんなに喜んでいない事業をやっても仕方がなかろうという話もできると思いますので、その辺も今お答えできればあれですし、もし難しいようであれば別途お教えいただければと思います。

○西村座長

 どうぞ。

○国保中央会加藤医療保険部長

 2点目の御質問についてお答えをさせていただきたいと思います。連合会が処理に利用した情報について保険者へ提供できる形になっているのかということでございますけれども、そこは機能として具備しておりますので、保険者から御連絡等いただければ連合会からご提出をする仕組みにはなっております。

○山本(雄)構成員

 済みません。補足でなのですけれども、例えば何とか市国保さんに過去2年間のレセプトデータを戻してほしい、見たいと言われたら対応する形になっているということですか。

○国保中央会加藤医療保険部長

 期間の問題や、データ容量の問題等いろいろあると思いますが、その体制にはなっております。

○山本(雄)構成員

 ありがとうございます。

○西村座長

 では、隆一構成員。

○山本(隆)構成員

 私は別の研究等の関係でいろいろな国保を回ることがあって、一部ですがKDBを活用して保健事業を進められている国保の保険者さんがいらして、もちろんその地域のステークホルダーである、三師会等と協力してやる話だと思いますが、非常に有効に機能していると見えたのです。

 ただ、特に生活習慣病の場合、国保に来られる頃に既に症状も進んでいる方が多くて、これは、その前の社保との連携がどうしても必要だと思うのです。

 ところが、社保との連携は支払基金さんだけでできるものではなくて、それぞれの保険者さん等と連携をしないといけないと思うのですが、もしそのようなストラテジーあるいはアイデアがおありだったら、後日、この会議で少し提案をしていただきたい。これは非常に重要な話で、医療費の適正化の話でもここをやらないと多分うまくいかないと思いますので、アイデアがあればぜひお願いしたいと思います。

○西村座長

 何かお話になりますか。今の話はこれからとても大事な話だと思うのですが。飯山常務理事。

○国保中央会飯山常務理事

 飯山でございます。

 2点お答えしたいと思うのですけれども、一つは保健事業の実績の件でありますが、今、各保険者が行っていますデータヘルスの事業はヘルスサポート事業で行っておりますけれども、262728の3カ年の国保事業で行っています。ついせんだって中間的な取りまとめを行いましたので、次回、報告書を御提供したいと思います。

 もう一つの被用者保険と国保との連携の件でございますけれども、先ほどお話も出ましたが、保険者協議会は国保連で事務局を行っています。被用者保険と国保、広域連合、こういった各保険者が一堂に集まって会議をしておりますので、ちょっと息の長い話になるかもしれませんけれども、できればその場で被用者保険と国保とどのように連携できるかというのを、各保険者協議会、私どもが行っております保険者協議会の中央連絡会で議論をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○西村座長

 今そういうところはシステムの関連の方もお入りになって議論されているのですか。

○唐澤保険局長

 ちょっとよろしいですか。私がしゃべってはいけないのですが、少し。済みません。今、山本先生からお話のあった点は非常に本質的な点で、審査支払基金のお話しだけというよりは保険制度全体をどうしていくか。私ども国保につきましては、都道府県単位で運営をするところまで行ったのですが、被用者保険は非常にたくさんの保険者があります。それをすぐに集約するのは現実的ではありません。でも、それはデータの総合流通をどうするかということと、社保と国保の間になりますと、これは先生がよく御承知のように、例えば番号の活用とか医療IDの問題だとか資格確認の関係とかいろいろな関係がございますので、支払基金さんと国保中央会とか連合さんだけではなくて厚生労働省も一緒になって、現状についての資料は整理をさせていただきたいと思います。

○西村座長

 どうぞ。

○松原構成員

 どうしたらいいかというお話ですけれども、この前も申し上げましたが、データを統一化して、専門的に分析する。どこでそのデータを活用するのか。やはり地域包括ケアの中で地区に戻すべきです。市町村は顔がわかる関係であります。つまり分析したデータを用いて市町村が個々の住民に対してきちんとした健康管理あるいは指導ができる仕組みを構築していけば、働いているときにぼろぼろになって、あとは市町村で面倒を見るという話にはならないと思います。重要な事は地域包括ケアの中で医療と介護によってどうやったら国民が幸せに暮らしていけるかです。そのためのデータを基金さんと国保さんに出していただき、ある程度利用できるところまで分析していただければと思っております。

○西村座長

 大変大事なお話で、私も大賛成でございますが、あわせて葛西構成員が先ほどおっしゃったシステムの理解と今の地域全体のケアのあり方をどうやってドッキングするかというのも恐らく厚労省さんがお考えになる大事なテーマだと思いますが、考えていただきたいと思います。佐藤さん、どうぞ。

○佐藤構成員

 せっかく事務局から提出いただいたので、ここまでの議論の論点はよくまとめられていると思うのですが、少し整理していただきたいのは、先ほどから少し話が大きくなってきているので、まずは我々のミッションは何だったかということ。規制改革会議から問われている宿題は何か。それから実態を把握しなければいけませんので、まず直近でできること、やるべきことは何か。

 それから、国保さんとの連携は、制度をまたいだ問題ですから、ちょっとハードルが一個上がると思うのです。取り組みは何か。それから診療報酬の話とか保険者機能の話とかは制度の根幹にかかわる議論なので、もうちょっとほかのところとの関係、これは我々だけで決められないことなので、国全体で考えてもらいたいことは何か。

 それからせっかく国保さんもいらっしゃるので、都道府県だと思いますが、市町村とか自治体、都道府県で考えてもらいたいことは何かということを少し整理していただかないと。どれから取りかかったらいいのかがよくわからなくなったので。それがある種の行程表みたいなものになると思います。

○西村座長

 ありがとうございます。どうぞ。

○林構成員

 今、佐藤委員からお話しいただいたとおり、6月2日に規制改革実施計画が閣議決定されておりますので、次回のこの会議において、いま一度、計画の骨子をお配りしたいと思いますので、ぜひ出発点に戻って議論を集約していきたいと思います。

 また、金丸委員がおっしゃったような、ITの御専門家によるプロジェクトチームかワーキングでも御検討いただけることが効率的な議論になるのではないかと思います。

 以上です。

○西村座長

 林構成員のお話は以前からちょっと相談しておりまして、佐藤構成員の話は座長がやるべき仕事をやっていただいてありがとうございました。ぜひ事務局で検討していただきたいと思います。

 一応予定の時間が参りまして、最後に大事な発言をしていただくとまたあれなのですが、もしよかったらお1人くらい御意見を伺ってもいいかと思いますが、いかがでしょうか。ございませんか。それではきょうはこれで終了したいと思います。

 市長さんはお帰りになりましたが、中央会理事長さん、基金の河内山理事長さん初め、皆さん、大変御多忙のところ大勢おいでいただきまして、ありがとうございました。

 それでは事務局にこの後をお渡しして、ちょっと連絡があると思います。よろしくお願いします。

○保険課長

 次回の日程について御説明したいと思います。きょう、さまざまな宿題が出ましたので、この宿題につきましては座長と相談いたしまして今後対応していきたいと思います。

 次回は事前に構成員の皆様から御希望を頂戴いたしまして、構成員からのプレゼンテーションを行いたいと思っております。あわせて、医療等ビッグデータの現状等につきましても事務局から説明をして議論をさせていただきたいと思っております。

○唐澤保険局長

 日程はいつなの。

○保険課長

 日程は今後また調べまして、詳細は追って御連絡を申し上げたいと思っております。

 以上でございます。

○西村座長

 調整しながらということで。どうもありがとうございました。これで終了です。


(了)

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