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2016年3月17日 第17回肝炎対策推進協議会 議事録
健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室
○日時
平成28年3月17日(木)15:00~17:00
○場所
全国都市会館大ホール(2階)
○出席者
大賀 和男 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事) |
岡田 京子 (全国B型肝炎訴訟東京原告団) |
清本 太一 (全国B型肝炎訴訟北海道原告団) |
小森 貴 (公益社団法人日本医師会常任理事) |
武田 せい子 (薬害肝炎原告団) |
西村 愼太郎 (日本肝臓病患者団体協議会相談役) |
野宮 隆志 (薬害肝炎原告団) |
林 紀夫 (関西労災病院院長) |
溝上 雅史 (国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長) |
村上 顕郎 (健康保険組合連合会常任理事) |
山中 朋子 (青森県健康福祉部医師確保対策監) |
米澤 敦子 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事) |
○議題
(1)肝炎対策基本指針の改正案について
(2)その他
○議事
○林肝炎対策推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第17回「肝炎対策推進協議会」を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、御多用中のところ、きょうお集まりいただきまして、ありがとうございます。
本日は、相澤委員、柿嶋委員、加藤委員、熊田委員、曽原委員、田中委員、長谷川委員、脇田委員から欠席との御連絡をいただいております。
委員総数20名中12名の委員の先生方に御出席をいただいておりまして、過半数に達しております。肝炎対策推進協議会令第4条第1項の規定により、本日の会議は成立いたしますことを御報告いたします。
それでは、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。配付資料の一覧をごらんください。座席表の次にとじておりますので、漏れはないと思いますが、一応議事次第、委員名簿、座席表、配付資料一覧ということで、資料1が改正のポイント、資料2として基本指針の新旧対照表、資料3が参考のいわゆるポンチ絵がそろっている参考資料集です。
そのほかに、参考資料といたしまして、参考資料1、肝炎対策基本法の条文です。参考資料2が肝炎対策推進協議会例、参考資料3が現行の基本指針です。参考資料4が今回の新旧対照表、改正案にかかわるものでございますが、委員からの意見と、前回見直し方針について記載をしている整理表になります。参考資料5がB型肝炎ワクチンの定期接種化についてでございます。
以上でございますが、資料の落丁、欠落等ございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。
以降、議事進行につきましては、林会長にお願いいたします。
○林会長 それでは、審議に入らせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議では、肝炎対策基本指針の見直しに向けまして、前回、御審議いただきました見直しの方針案を踏まえまして、事務局のほうで改正案を作成していただきました。委員の皆様にも一度お目通しをいただきましたけれども、調整いたしました案について議論を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、議題(1)「肝炎対策基本指針の改正案について」に関しまして、事務局のほうから資料の御説明をよろしくお願いいたします。
○林肝炎対策推進室長 肝炎対策推進室長の林でございます。申しおくれました。
それでは、案の説明をさせていただきます。
御紹介いただきました、肝炎対策基本指針の改正案とあわせて、今回の指針の中でもB型肝炎ワクチンの定期接種化の話もございますので、私の説明に引き続きまして、担当の接種室長からその概要もあわせて説明をさせていただきます。
まず、「肝炎対策基本指針の改正のポイント(案)」ということで、資料1をごらんいただければと思います。冊子になっておりますので、ページ数は1ページ目でございます。
これは、前回の肝炎対策推進協議会において、見直しの方向性のポイントを御紹介いたしました。それと同様に、今回の指針の改正案をつくっておりますけれども、主要な論点、概要につきましてまとめさせていただいたものでございまして、前回の見直しの方向の概要案にかわるものでございます。
事項としては、第1から、2ページ目の第9まで、9つの事項にわたって整理をしております。
第1の基本的な方向といたしましては、国の肝炎対策の全体的な施策目標を明記するということでございます。肝硬変、肝がんへの移行者を減らすことを目標にし、肝がんの罹患率をできるだけ減少させるということを指標として設定することを明確にいたします。
第2の予防についてでございますが、これにつきましては、B型肝炎ワクチンの定期接種の実施を図るということが前回からの大きな変更点ということで、書かせていただいております。
第3の検査の関係でございます。前回からも記述がございますが、今後も特に力を入れて取り組む必要があるという認識のもと書いてございますが、職域での肝炎ウイルス検査の推進ということでございます。地方公共団体、拠点病院などと連携して、研究班でのいろいろな取り組みの成果がございますので、そういったことなども踏まえて、医療保険者や事業主等関係者の理解を得ながら進めるということを、明確に書かせていただいております。
第4が、肝炎医療提供体制の確保に関することであります。一つは、検査が陽性であっても受診されない方のフォローアップが近年、大きな課題として挙げられております。そういったことの取り組みを進めることを前回よりもさらに強めて記述をしております。
肝疾患連携拠点病院が、地域の肝疾患のネットワークの中心的な役割を果たす医療機関であることを明確にし、専門医療機関やかかりつけ医と連携した地域の医療の環境整備に取り組むということを明確にしております。
また、肝炎情報センターの基本的な役割を明確にしております。
さらに、4番目の○ですけれども、いわゆる共生ということで、治療を受けながら働くといったことが、よりできやすい環境にもなっておりますので、事業主への周知や就労支援に取り組むということを強めております。
第5として、人材育成の関係でございます。これは特に肝炎医療コーディネーターといって、地域あるいは職域で肝炎の普及啓発、受検促進、あるいは陽性者のフォローアップといったことに取り組んでいただく人材を、都道府県を中心に育成を進めていただくといったことをポイントとして挙げております。
第6の調査研究及び第7の医薬品の研究開発につきましては、特にB型肝炎、肝硬変の治療薬の開発といったことを今後の重点課題として、また、「肝炎研究10カ年戦略」、これは今年ちょうど中間年ということで、これから見直しが図られますが、それに基づいた肝炎研究の一層の推進ということを、引き続き書かせていただいております。
第8が、知識普及と人権尊重に関することでございます。
1つ目は、いわゆる「知って、肝炎プロジェクト」ということで、ここにお集まりの委員の皆様方の御協力もいただきながら進めておりますが、一層効果的な普及啓発を行うということを明記しております。
また、さまざまなこれまでの研究成果があるわけですけれども、一層肝炎患者等に対する偏見、差別の被害防止に向けた取組を進めるということで、具体的な方策を検討して、取り組み、実行に移していくということを明記したいと考えております。
最後、その他ということでございますが、1つ目が、いわゆる肝硬変、肝がん患者に対する支援のあり方ということでございます。従来の調査研究の結果や、新たな治療法の開発の状況。これは今まで開発状況、あるいは今後の開発状況、いずれも含めておりますが、その他の医療の状況、肝炎医療費助成や重症化予防事業などの施策の実施状況などを踏まえて、検討を進めるということを明記させていただいております。
最後に、自治体の取り組みということで、国が都道府県に対して、地域の実情に応じて、医療関係者、患者団体等その他の関係者と協議の上、肝炎対策の計画、目標の設定を図るよう促すということを明記しております。
これらが主なポイントということで、まとめさせていただいております。
具体的な肝炎対策基本指針の案文につきましては、資料2ということで、3ページが表紙でございます。
4ページから新旧対照表をつけております。時間の関係もございますので、主なポイントに絞って説明をさせていただきたいと思います。
なお、参考資料4というのが後ろについておりまして、79ページから始まる資料でございますが、これも左側が現行で、右側が改正案ということで、新旧になっておりますが、左から2番目にこれまでの施策の実施の状況、左から3番目に前回の協議会でお示しした見直し方針、その下に黒い太括弧で前回の協議会で出された意見を要約してまとめております。こちらは参考資料ということで、少し字が小さいこともありますので、私からは、先ほどの資料3の新旧対照表、4ページから始まる資料に基づいて説明をさせていただきます。
左側が現行で、右側が改正で、線を引いているところが修正をしている箇所でございます。
まず、私の説明上、左側のナンバーの1とか2とかの数字で場所を指させていただきます。最終的な基本指針にはこの番号は書かれませんが、便宜上の数字で御説明をさせていただきます。
目次の後、1から始まるところがいわゆる前文であります。5番目のところに、C型肝炎の治療が進展していること、職域での検査体制の整備が重要であること、陽性であるけれども受診していない方が多数に上ること、こういった最近課題とされている事項を追記しております。また、特にこの場でも何度か指摘がございましたが、地域の格差といったことを踏まえまして、地域の実情に応じた肝炎対策の策定、実施を行う地方公共団体の取り組みがますます重要になっているということも書かせていただいております。
第1、8番目からが肝炎予防に関することであります。
8番、国の肝炎施策の目標を明記しているところでございまして、下から3行目、肝硬変または肝がんへの移行者を減らすことを目標とし、肝がんの罹患率をできるだけ減少させることを指標とするということを書いております。
また、9番の下、追記のところ、なお書きでありますが、国、自治体とも目標、具体的な指標等を設定して、定期的にその達成状況を把握し、必要に応じて施策の見直しを検討することが重要、いわゆるPDCAの重要性を書いております。
14番目、拠点病院についてです。「拠点病院が中心となって、専門医療機関等の治療水準の向上、かかりつけ医を含む地域の医療機関との連携の強化等を図る」ということで、位置づけを明確に書いております。
19番、普及啓発の関係でございますが、正しい知識を普及することによって、肝炎患者等にかかわるもの、これは医療関係者も含めた御指摘でございましたけれども、そういったことも当然含めて、かかわる全ての方が適切な対応を行うことができるようにするということが重要であるということを明記しております。
次に、第2の予防の関係でございますが、22番から始まっております。
まず、取り組みの方針についてでございますが、23番、母子感染予防対策について、対策の効果検証を行うといったことを明記しております。
24番で、B型肝炎ワクチン、前回は「予防接種の在り方について検討を行う必要がある」という記述でしたが、「定期接種を推進していく」ということで、明確にしております。後ほど議論の結果を御報告させていただきます。
25番、さまざまな予防のガイドライン、日常生活、高齢者施設、保育施設における予防ガイドラインというのをまとめてつくっておりますが、これらの普及啓発を引き続き進めることとあわせて、これらがより一層活用されるような方策を検討するとしております。
26番、普及啓発の推進方策について、地方自治体や教育関係者、患者団体など、これは前回も御意見がございまして、患者団体を明記しておりますが、さまざまな関係者と連携をして、推進方策を検討するということを追記しております。
次に、第3の検査の関係が29番から始まっております。
33番が、新しく段落を追加しておりますけれども、受検向上に当たって、肝炎医療コーディネーターやITの活用といったことが重要であるということを追加で記載しております。
次の12ページの35番からが、今後の具体的な取り組みを書いているものでございます。
36番、地方公共団体の取り組みの具体的な内容を、少し現行の記述よりも充実しております。例えばということで、肝炎医療コーディネーター等を活用した普及啓発等の個別の受検勧奨、医療機関への委託検査などの利便性に配慮した体制整備を図るといった記述を充実しております。また、具体的な実施に当たっては、研究班での成果等を踏まえて、国も必要な支援を行うということで、研究班での成果を生かしていくということも、前回、御意見があったかと思いますが、明記をしております。
37番、いわゆる職域での受検勧奨ということでございますが、この文章の中で「職域において健康管理に携わる者」、これは現行の記述でも実はございます。産業医のことを少し明記するということを前回、書いておりましたが、いろいろ検討した結果、産業医というのはこの「職域において健康管理に携わる者」に含まれるということで、特に今の案文からここは変わっておりませんが、いずれにしても職域での受検勧奨は重要だというのは、この場所あるいはその下の38番の追記しているところ、地方公共団体、拠点病院等と連携して、研究班の成果等も踏まえて、医療保険者、事業主の理解を得ながら、職域での肝炎ウイルス検査の実施の促進に取り組むといったところで、記述を追加、充実させていただいております。
また、その下でありますけれども、プライバシーに配慮した肝炎ウイルス検査の実施の結果について、プライバシーに配慮した通知と取り扱いがされるように、これは既に我々国から医療保険者、事業主に対してお願いをしているところでございます。引き続き周知を行っていきたいと思っております。
この点につきましては、あくまでも検査結果が本人の知らないところで本人以外の方に知られないようにという配慮でございますが、現場ではこういったことが理由として、なかなか職域での検査自体が進まないというお声も上がっております。その辺の具体的な取り組みをどうするかにつきましては、この上に追記させていただいております、研究班の成果なども踏まえて、職域での肝炎ウイルス検査の促進に取り組むといった、具体的な取り組みの中で、我々もそういった課題について研究班などでも対応策を検討してまいりますので、具体的な配慮のやり方などもお示しできればと考えております。
次に、40番、いわゆる医療機関で肝炎ウイルス検査、陽性とわかった方に対する適切な対応ということでございますが、この中に、例えばということで「電子カルテによるシステムを利用する等により」ということを追加して記述をしております。
また、医療機関は、肝炎ウイルス検査の結果について、確実に説明を行って、受診につなげるように取り組んでいただくといったことも、追加で記載をさせていただいております。
次に、第4で、肝炎医療を提供する体制の確保ということで、43番から始まる部分でございます。
44番、肝炎情報センターの役割ということで、明記させていただいております。肝炎医療に携わる者に対する研修の実施、情報提供、相談支援、あるいは調査、提言といったことが役割として期待されているわけでございますので、そのことを明記しております。45番の最後のところですが、精密検査の受診率の把握にも取り組む必要があるということを追記しております。
46番は、新たに追加しているパラグラフでございますが、これらのということで、上までの取り組みをいろいろ指しておりますが、医療提供体制の確保を目指すことが目的ということで、居住する地域にかかわらず、適切な肝炎医療を等しく受けることができる肝疾患診療体制の確保を目指して、都道府県の実情に応じて推進するということを明記しております。
また、実施状況を把握して、効果的であるか、適宜検証を行いながら実施するという、いわゆるPDCA的なこともあわせて明記しております。
47番、働きながら治療を受ける、いわゆる共生の関係でございます。「心身等の負担がより少ない治療が可能になった」ことというのは、とりわけC型肝炎のインターフェロンフリー治療を念頭に置いて書いております。また、核酸アナログも含めたほかの治療も、従来に比べれば負担が少なく、治療を受けながら働くことはより可能になったという状況になっているかと認識をしております。また、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」というのは、我が省の職業安定局が最近、示したものでございますけれども、こういったものもうまく活用しながら、いわゆる共生の取り組みの働きかけを行っていくということを書いております。またということで、就労支援のモデル事業に従来から取り組んでおりますけれども、そちらの成果をさらに生かして推進を図っていくことも必要になってくるかと思いますので、追記をしています。
48番、いろいろな制度の情報提供ということでございますが、下から3行目に「新たな抗ウイルス療法に関する情報を全国に適切に提供する」ということを追加しております。前回の協議会でも必ずしも現場ではインターフェロンフリー薬のことの詳しいことを知らされていないというお話も、委員からございましたが、そういったとも念頭に明記をさせていただいております。
50番からが、医療提供体制についての具体的な取り組みという、今後取り組みが必要な事項を書いているところでございます。
51番、肝炎手帳の関係でございます。都道府県等が、例えばということでありますが、手帳の作成、配布、活用の促進等を行うということ、国がその事例を収集して、情報提供を行って、支援を行うといった、国と自治体のそれぞれの役割分担、関係性というのを現行に比べて明確にしております。
次の52、53、54は、下に括弧書きで書いておりますが、実は前回、お示ししたときは、もっと後ろの59番に書いてあった箇所が、全体の構成を見直して、場所を移動しておりますので、従来でいうと59番だったという意味でございます。
流れで見ていただければと思いますが、52番には、拠点病院の役割ということを書いております。とりわけ都道府県での診療ネットワークの中心的な医療機関であるということを強調しておりますし、肝炎患者が地域で良質かつ適切な肝炎医療を受けられる環境を整備するように取り組むという位置づけを、改めてでございますが、指針の上でも明確にしております。
53番は、都道府県が計画を策定するということ。
54番は、実施に当たって、行政、医療関係者、患者団体等、そういった関係者で協議を行う場を設けて進めるということが重要であるという認識を示しております。
55番が、職域への情報提供ということでございます。国が健康管理に携わる者、これは先ほど申し上げたように、産業医とか、あるいは衛生管理者でありますとか、そういった方が念頭にございますが、肝炎患者に対して適切な情報の提供が図れるような具体的な資材の整備でありますとか、そういったものを進めていくということを書いております。
56番が、肝炎情報センターの役割なり拠点病院の役割を明記しているところでございます。
59番が、共生ということでございまして、先ほどと同じようなことがございますが、加えてということで、国、自治体、拠点病院等が、事業主に対して啓発を行うといった具体的取り組みとして書かせていただいております。
60番は、いろいろな医療費助成制度など情報提供でございます。定期検査費用助成というのが平成26年度から始まった事業でございますので、前回、そのことが漏れておりましたので、追記をしております。
62番、追加している行でございますが、肝炎患者との相談対応について、都道府県拠点病院の適切な体制整備が必要だということを改めて明確にしております。
第5の人材育成が63番から始まっているところであります。
めくっていただいて、66番、従来は「地域における肝炎に係る医療水準の向上等に資する指導者」となっておりましたけれども、肝炎医療に限らず、肝炎患者さんが直面する諸課題と、生活面も含めて対応できるような人材の育成、相談支援できるような人材育成も含めて、そういったことが重要であるということを追加しております。
(2)ということで、67番から具体的な取り組みを書いている部分であります。
68番、これは前回も御説明したように、現行は(再掲)ということになっておりますが、改正後はいわゆる肝炎医療コーディネーターといった人材育成について書かせていただいております。地方公共団体が国や拠点病院などと連携して、地域や職域で肝炎の普及啓発、受検勧奨、肝炎ウイルス検査後のフォローアップといったことの支援を進める、肝炎コーディネーターなどの人材の育成に取り組むということであります。
肝炎医療コーディネーター自体は国の制度などではございませんので、違う名前でこういった人材を進めていただいている地域もあるかと思いますので、そういった意味で「など」ということで例示的に書いておりますが、いずれにしても、こういった役割を担っていただく人材育成に自治体に取り組んでいただくことを明確にしております。
また、その際ということで、肝炎医療コーディネーターの基本的な役割や活動内容などについて、国が考え方を示し、都道府県が役割や活動内容などを明確にした上で、育成を進めるということが重要であるということで、このような形で取り組みを進めていただくということを具体的に書かせていただいております。
その下の2つは前に出てきたものの再掲になります。
次の19ページの第6、71番からが調査研究ということになります。
71番、「肝炎研究10カ年戦略」に基づいて、特にB型肝炎や肝硬変に対する医薬品や治療法の開発などの重点化を図るといったこと、また、新しくできましたAMED、国立開発研究法人の日本医療研究開発機構と協力しながら研究を進めるといったことを追加しております。
76番、これは前回も御説明しましたが、77からずっと削除になっていますが、基本的にこれらの行政的な研究課題については76番のところにまとめて書かせていただいております。
次に、第7が、医薬品の研究開発です。86番から始まるところでございますが、ここも同様に、特にということでB型肝炎、肝硬変の治療に係る医薬品の開発が重要であるといった趣旨の記載を書いております。
次に、めくっていただいて第8ということで、92番から始まるところでございます。肝炎に関する啓発、知識の普及、人権尊重にかかわるパートであります。
まず、取り組みの方針であります。92番、いろいろこの間、御意見いただきましたが、「特定の血液凝固因子製剤や集団予防接種により感染が拡大した経緯を踏まえ」という記述を追加しております。
93番は、「肝炎患者等の人権を守るため」ということで、普及啓発を行う目的を明記しております。
94番からが(2)今後取り組みが必要な具体的な事項を書いているところでございます。
94番、従来は国や自治体が集中的な普及啓発を行うということで書いておりましたけれども、改正後は、より記述を強めまして、医療関係者、関係学会、事業主、肝炎患者等その他の関係団体の協力も得ながら、効果的な普及啓発を国、自治体が行うといったことで、こういった関係の皆様方の協力を得るということを、当然ではありますけれども、指針の上でも明確にさせていただいております。
96番、これは前回も見直しの方向で書いていましたように、ジェノタイプAについての記述を最近の医学的知見に基づいて少し変えさせていただいております。
また、従来は性行為等とだけ書いておりましたけれども、この部分については、ピアスやタトゥーなどの記述はございませんでした。従来の指針でも、別の箇所にはあったのですけれども、こちらにも同様の記述が必要だということで、追加をしているものでございます。
96-2とございますが、これは実は前の26番のところで見ていただいた文章をここにも再掲させていただければと思っております。すなわち、今も出ましたけれども、「ピアスの穴あけ等血液の付着する器具の共有を伴う行為や性行為等、感染の危険性のある行為に興味を抱く年代に対して、肝炎についての正しい知識と理解を深めるための普及啓発を進めるとともに」、これは従来あった記載です。後段が新しく追加していますが、「その推進方策について、地方公共団体、教育関係者及び患者団体等の様々な関係者と連携して検討を進める」といった記述を追加した形で、前のところと同じ記述をここにも書かせていただいております。
97番、普及啓発の具体的な中身として、誰もが肝炎ウイルスに感染する可能性があるといったこともやはり重要であるという御指摘がございましたので、明確に書いております。
99番は、いわゆる共生の話で再掲ということになります。
101番、都道府県と拠点病院が相互に連携して、肝疾患相談センターも含めた窓口の設置状況などの周知を行うということで、どこにそういう相談窓口があるのかというのがわからないという声もかなりございましたので、具体的に周知を図る必要があるということを書いております。
また、103番、従来は、偏見、差別の実態の把握と被害防止のためのガイドライン作成のための研究を行う、その成果物を活用して、自治体と連携をして、普及啓発を行うという記述でございました。これに基づいて、具体の研究班が立ち上がり、一定の成果はあるわけですけれども、まだまだその辺の普及が図られていないという御指摘もいただいております。そういったことも踏まえまして、これまでのこの研究班の成果などをもとに、具体的な偏見、差別の被害の防止に向けた具体的な方策を検討して、またその検討結果を受けて、取り組みを進めるということで、より従来の取り組みを受けて対応を進めるということを記載させていただいております。
107番、追加しているところでございますが、法務局や自治体の人権相談窓口といったところでも、偏見、差別の問題については相談対応しているということで、追加をしております。
第9が最後の部分でございますが、109番から始まるところであります。特に大きな変更はございません。
115番の(2)が肝硬変及び肝がん患者に対するさらになる支援のあり方という部分でございます。ここにつきましては、118番は、これまでも前回も御報告させていただいたように、身体障害者手帳の対象の拡充というのがこの4月から行われますので、その適切な運営と認定状況の把握を行うといったことを追加させていただいております。
また、119番、肝炎から進行した肝硬変及び肝がん患者に対するさらなる支援のあり方についてであります。現行の指針では、「在り方について検討をする上での情報を収集するため、肝硬変及び肝がん患者に対する肝炎医療や生活実態等に関する現状を把握するための調査研究を行う」という記載でございました。
これにつきましては、改正案にありますように、さらなる支援のあり方について、従前の調査研究の結果、これは今、読み上げました現行指針を踏まえて行っている調査研究の結果でございますが、あるいは「新たな治療法の開発状況その他の医療の状況、肝炎医療費助成や重症化予防事業などの施策の実施状況等」、この「等」には、先ほど申し上げた身障手帳のことも入ってくるかと思いますが、それなどを踏まえて検討を進めるということで、「検討を進める」という記述にさせていただいております。
次に、120からが地域の実情に応じた肝炎対策の推進ということであります。いわゆる都道府県の計画策定について、現行の指針では、計画を策定するなどが望まれるなどによって、肝炎対策を講じることが望まれるという記載でございました。こちらの記載に加えて、改正案では、このためということで加えております。「国は、都道府県に対して、地域の実情に基づき、これらの関係者」、「これらの関係者」はその上に書いておりますが、「管内市町村、拠点病院をはじめとした医療関係者、肝炎患者等及びその他の関係者」を指しております。「これらの関係者と協議のうえ、肝炎対策に係る計画及び目標の設定を図るよう促す」。国が都道府県に対してこういった計画の策定や目標設定を促すことにしております。また、都道府県は実施状況の把握、評価及び見直しを実施することが重要であるといったことで、PDCAの重要性も追記をしております。
またちょっと後さきになりましたが、先ほど御紹介したように、関係者の具体例として、市町村だけではなくて医療関係者、肝炎患者、その他の関係者というのを明記しております。
また、その下でありますけれども、保健所等の活用も自治体が実施するに当たっては重要であるということを追加しております。さらに、国や肝炎情報センターが地方公共団体が行う取り組みに対して支援を行うということを書いております。
また、イということで、120-1ということで、前回の協議会ではなかったのですが、一つ記述を追加しております。国、肝炎情報センターが自治体に対して都道府県間での肝炎医療の均てん化に資するように情報提供、助言を行うといったことを、いろいろ委員の御意見もございましたので、改めてここでも追加させていただければと思っております。
121番からが、国民の責務に基づく取り組みということでございますが、ここは大きな修正はございません。
124番の最後のところでございますが、肝炎対策基本指針の見直しと定期報告ということでございます。ここは、大きな変更をしているわけではございませんが、今後にもかかわりますので、改めて紹介させていただきます。
1つは、肝炎対策基本法上、肝炎対策基本指針は、少なくとも5年ごとに検討を加え、必要があると認めるときはこれを変更しなければならないとなっております。今回、最初の5年後の見直しということでありますが、引き続きまた今後5年後に見直しの検討が必要になってくるということでございます。
また、その後でございますけれども、国と地方公共団体等における取り組みの状況について、定期的に調査、評価を行って、必要があるときは、5年を経過する前であっても、いわゆる見直し、改正を行うということを書いているわけでございます。
また、最後のところでございますが、本指針に定められた取り組みの状況について、国は肝炎対策推進協議会に定期的に報告するものとするということで、従来から各自治体の実施状況も含めて報告をさせていただいているかと思いますが、当然、引き続きそういったことで、この協議会の場で各都道府県の取り組み状況も含めて、もちろん国の取り組み状況も含めて報告させていただくということでございますし、この間の議論でも御意見いろいろありましたように、できるだけ各県の状況をわかりやすく整理して、評価できるような形でお示しをしていくということになろうかと思いますので、あわせて御説明を申し上げたいと思います。
ちょっと長くなりましたけれども、肝炎対策基本方針の改正案につきまして、私から御説明を申し上げました。
続きまして、B型ワクチンの定期接種について、担当の石川室長から御説明をさせていただきます。
○石川予防接種室長 予防接種室長の石川でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料の102ページからになりますけれども、B型肝炎ワクチンの定期接種化について、簡単に御報告申し上げます。
資料の103ページをごらんいただけますでしょうか。
B型肝炎の予防接種につきましては、先ほどの肝炎対策基本指針の第2にも記載をされておりますが、その定期接種化については、平成25年の予防接種法改正以降、審議会において検討をしてまいりました。本日、御出席の小森先生にも御参加いただき、溝上先生からもいろいろ御意見をいただいて、検討を進めてまいりましたけれども、このたび、先般2月22日の予防接種・ワクチン分科会という審議会におきまして、本年10月からの定期接種化について御了承をいただきました。
以下、1から順に概要を御説明いたします。
まず、事業の開始時期ですが、本年の10月を予定しております。
定期接種としての法律上の分類につきましては、ほかの小児の主な対象疾病、はしかですとか風疹といったものと同様に、A類疾病として位置づける予定にしております。
3点目、対象年齢でございますけれども、こちらは平成27年4月以降に出生した、生後1歳に至るまでの間にある者、すなわち、これは平成28年4月以降に出生されたゼロ歳児のお子さんを対象とする予定でございます。
接種回数は3回を予定しております。これは普通に医療現場等でも接種されている回数と同様でございます。
最後に、その他として3点規定をしてございますけれども、こちらはいずれも予防接種を実施する際の取り扱いの除外規定を定めるものでございまして、まず、1点目、先ほどの基本方針の説明の際にもありましたが、現在、健康保険を使いまして、B型肝炎につきましては、母子感染予防事業というのを実施しております。今後、それをきちんと確実に実施していくといったこともございますし、こちらの母子感染予防につきましては、出生直後からB型肝炎ワクチンと免疫グロブリンを使用して、いわゆる治療をするものになっております。ですので、こういった治療、B型肝炎ワクチンの接種を受けたお子さんにつきましては、定期接種の対象から除外するといったものでございます。
2点目の、長期療養特例でございます。こちらは、免疫の病気ですとか、長い間入院をされているといったことで、対象年齢の間に接種ができないお子様につきましては、そういった事情が解消してから接種をしても構わないといった特例を設けているものでございます。その際、ほかの疾患につきましては、対象年齢の上限を設けている場合がございますけれども、B型肝炎につきましては、対象年齢の上限は設けないといったものでございます。
最後は、B型肝炎ワクチンの予防接種につきましては、既に一部の市町村の独自事業で実施をされておられたり、あとは、保護者の方の判断で、任意接種でほかのワクチンと同時に打たれていることがございますので、そういう方につきましては、定期接種と同等のやり方で打っていただいた方については、残りの分、必要な回数だけを打っていただくという取り扱いにしたいといったことでございます。
簡単でございますが、以上が定期接種化の概要でございます。
詳細につきましては、105ページ以降に2月の分科会の資料を、かなりいろいろ医学的な部分ですとか、細かい記載がございますけれども、こちらを参考資料として添付してございますので、御確認いただければと思います。
今後は、政省令改正に必要な手続等を進めまして、また自治体には5月ごろをめどに説明会を開催するなど、必要な情報提供をしていきたいと思っております。
以上でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
それでは、まず、B型肝炎ワクチンの今の御説明に御質問がございましたら、お受けいたします。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、本日のメーンでございますけれども、基本指針の改正案について、御意見をお伺いしたいと思います。
第9までございまして、順次御意見をお伺いしたいと思いますが、まず、目次と第1のところで何か御意見がございましたら、お伺いいたしますが、いかがでしょうか。「肝炎の予防及び肝炎医療の推進の基本的な方向」、よろしいでしょうか。
次、第2と「肝炎の予防のための施策に関する事項」と第3「肝炎検査の実施体制及び検査能力の向上に関する事項」でございますけれども、そこでお気づきの点、御意見がございましたら、お伺いいたしますが、いかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。
また後でお気づきの点がございましたら、また前に戻らせていただきますので、とりあえず次、第4「肝炎医療を提供する体制の確保に関する事項」と第5「肝炎の予防及び肝炎医療に関する人材の育成に関する事項」でございますが、いかがでしょうか。
西村さんどうぞ。
ページを言っていただくとありがたいです。
○西村委員 西村です。
14ページの44番についてです。関連する項目もあるのですけれども、現行では、平成19年に作成されました全国C型肝炎診療懇談会報告書のガイドラインということを明記されていますけれども、今度、新しい改正案はこれが外されています。1つは、その理由をお聞かせください。
もう一つは、これを外してしまいますと、拠点病院や専門医療機関、かかりつけ医などの役割分担だとか、指定要件が不明確になってしまいます。したがいまして、このガイドラインを明記するか、後の項目で、68番にイの改正案の6行目「国が示す考え方を踏まえ」とありますけれども、そういう文言を入れるか、どちらかにしていただかないと、特に専専門療機関の要件指定が、都道府県で要件を定めているわけですけれども、おおむねどこの都道府県もこのガイドラインに基づいて要件を定めていますので、根拠が不明確になってしまうことになるのではないかと思うのですけれども、どうでしょう。
○林会長 事務局のほう、いかがでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 ありがとうございます。
44番ですけれども、一つは、実は19年のガイドライン、懇談会報告書は、このとき通知を出しておりまして、それにおっしゃるように拠点病院の条件でありますとか、専門医療機関、かかりつけ医の連携ということが書いております。基本的にはその考え方に基づいて引き続き医療連携に取り組むのですが、現状を踏まえると、見直しが必要なところもあると考えておりまして、ここは改めて、指針改正を受けまして、むしろ通知を改めたいと考えているところもございますので、19年のガイドラインをこのまま告示の中で引用しておりますと、そこにどうしてもとらわれてしまうかなと考えまして、具体的な記載をやめたということでございます。
したがいまして、国が拠点病院や専門医療機関などについて、一定の考え方を示すという考え方をやめるわけではございませんので、多分、今、委員がおっしゃったのは、例えば後ろ出ている記述のように、国が示す考え方を受けてということを書けということだと思いますので、44番がふさわしいのか、むしろその後、番号を改めまして52番以降、拠点病院の定義というか、役割といったものを書かせていただいている部分もございますので、どこがふさわしいかよく考えますが、国が一定の考え方を示すと、それに従って拠点病院等を各県が指定をしていくということが読み取れるような記載にしたいと考えています。
○林会長 44か少し検討させていただきますが、そこにそういう文章を少しつけ加えさせていただくということですが、よろしゅうございますでしょうか。
○西村委員 はい。どちらかというと、私は44番のほうがいいのではないか。説明が第4の最初のほうに来ますので、ですから、そこへ68番の書きぶりの「国が示す考え方を踏まえ」という言葉をつけ加えていただくと、より明確になるのではないかと思います。
○林会長 わかりました。それは御検討いただきたいと思います。
○林肝炎対策推進室長 わかりました。検討します。
○林会長 それ以外にお気づきの点はございませんでしょうか。
どうぞ。
○武田委員 薬害肝炎の武田です。
同じ14ページで47の、就労と治療と職業生活両立支援のガイドラインなのですけれども、このガイドラインはがん対策推進協議会などの治療と職業の両立とかというようなものと同じような考え方でしているのでしょうか。
○林会長 事務局、いかがでしょうか。今、既に出ているものをそのまま想定しているもの。
○林肝炎対策推進室長 そうですね。がんの患者さんも含めて、さまざまな疾病、特にすぐ治るのではなくて、長期の疾患を抱えている患者さんが、疾病を抱えながら、治療しながら働く、あるいは疾病を抱えながら仕事を探し、つくといったことに対して、事業主がどういったことに気をつければいいということを、かかりつけのお医者さんと情報提供を円滑に進めるでありますとか、どういったことに配慮して、その就労の支援とか、あるいは就業に配慮する必要があるか、こういったものについての基本的な考え方というか、具体的な進め方を書いているところでございますので、当然、がんの患者さんにも活用できますし、ガイドライン上にも明記しておりますが、肝炎の患者さんにも使えるといったことでございます。
肝炎の患者さんと一口に言ってもいろいろな病状の方、ステージの方がおられるので、むしろそこまで配慮が必要ない方もおられるかもしれませんが、こういったものを活用すると、就労がよりしやすくなるという方もおられるので、こういうものの活用を明記させていただいたということでございます。
○林会長 よろしいですか。
どうぞ。
○武田委員 これはことし、28年度4月ぐらいからの取り組みとなるのでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 もうこのガイドライン自体は世の中に出ております。
○林会長 いろいろな会社等にもガイドラインが行っておりますので、最初はがんで始まりましたけれども、今はがんとは関係なく、その病気全体のガイドラインが既にかなり行き渡っておりますので、それは割と見ることができると思います。
○武田委員 了解しました。ありがとうございます。
○林会長 ほか、いかがでしょうか。
どうぞ。
○村上委員 健保連の村上です。
12ページの38番目の項目であります。事前に2月26日付で調整版ということでお送りいただいたとき、後段のほうの4行、「また」から始まる部分に関しまして、事前にいただいた資料の中では「プライバシーに配慮した適正な通知と取扱い」について、具体的な取り扱いについて検討を行うという文言があったのですが、今回の案の中では、これが消えているのですが、その辺の趣旨を教えていただければと思います。
○林会長 よろしくお願いします。
○林肝炎対策推進室長 現状、現行指針にありますように、医療保険者、事業主がウイルス検査を行った場合の結果について、プライバシーに配慮して、本人の知らないところで本人以外の方に結果が知られないようにしてくださいという配慮をお願いする通知を、既に国から医療保険者、事業主に対して出しております。それはそれである意味当然のことでありまして、プライバシーに配慮されて、運用されていると思いますが、どうも現場の実情をお聞きしますと、それが逆に職域の現場では、肝炎ウイルス検査を職域の検診で取り上げるのは余りよくないのではないかと、少し間違ったというか、拡大かわかりませんが、そこを理由になかなか肝炎ウイルス検査を職域検査でやっていただけていないという声も実は聞こえてきておりまして、そうしますと、その辺の取り扱いを見直す必要があるのかなと考えまして、途中段階ではそういったことを書かせていただいております。
ただ、一方で、プライバシーに配慮し適正な通知と取り扱いがされるようにという必要性は当然変わっておりませんので、ここを見直すというよりも、むしろ職域でウイルス検査を進めていただくに当たって、もし、そういうところが懸念点としてあるのであれば、そういうことではないと。むしろ、こういった工夫なり配慮をすればこの問題もクリアできるのだという具体的な方法論、やり方をお示ししないと進まないという考えに至りまして、そうしますと、指針の記述の上では、ちょうどその上の箇所になりますが、職域でのいろいろな検診にあわせて肝炎ウイルス検査が実施されるように、研究班の成果なども踏まえて、医療保険者、事業主等の関係者の理解を得て促進に取り組むといった中で、今、私が申し上げたような、結果通知のプライバシー配慮といったことも心配なので、なかなか検査が進まないという声があるのであれば、具体的にこうやればいいということを、この指針の記述に基づいて、今後、考えていって、医療保険者や事業主にお示しすればいいのではないかと考えましたので、途中段階で考えた案はやめまして、このような改正案に至ったという経緯でございます。
○村上委員 わかりましたが、わかりやすい説明が非常に必要になろうかと思います。やはり趣旨をよく周知をして、それから、あとは肝炎の検査の趣旨をよく周知して、この辺のプライバシーの保護というものをしっかり守るようにというようなことを、引き続き周知を行うと最後のところに書いてありますので、ぜひわかりやすい説明がいただけると大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いします。
○林肝炎対策推進室長 わかりました。
○林会長 それ以外、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
それでは、少し先に進ませていただきまして、第6「肝炎に関する調査及び研究に関する事項」と第7の「肝炎医療のための医薬品の研究開発の推進に関する事項」の項目でございますが、いかがでしょうか。
どうぞ。
○米澤委員 日肝協の米澤です。
20ページの76番ですけれども、行政研究についてまとめて書かれているのですが、その中の下から4行目のところから、「肝硬変及び肝がん等の病態別の実態を把握するための研究」という内容があります。これは、今後、この研究を行って、その後に、26ページ119番の「肝硬変、肝がん患者に対するさらなる支援のあり方を検討する」というところにつなげていくという内容になっています。これは要望なのですが、けさも私、電話相談を受けてきました。家族から、肝硬変で亡くなりましたという内容でした。私たちは毎日毎日このような電話を受けています。119番の行政研究を行って、その後、重症化した肝硬変・肝がん患者への支援のあり方の検討を進めるというのでは、あまりにも時間がかかりすぎます。私たちには時間がありません。研究についても支援の具体策についても、ぜひスピード感を持ってやっていただきたいとお願いいたします。
○林会長 事務局、何か御意見ございますか。
○林肝炎対策推進室長 御要望として承ります。
○林会長 西村さん、どうぞ。
○西村委員 西村です。
同じく76番について、行政研究ですが、昨年6月15日に行政事業レビュー公開プロセスが報告されております。その中でも、コメントで、治療だけでなく予防にも力を入れるべきという意見が出されておりますが、今回の研究テーマを列記されていますけれども、受診率の向上というのが肝炎対策の中で一番入り口の部分で問題になるところです。地方公共団体が窓口になって検査をするということと、医療機関委託をして検査をするという部分、その陽性者の拾い上げの窓口を広くして、フォローアップにつなげていくという、検査における人をふやすという研究を、もうちょっと具体的に進めていただきたいのが、私ども患者会の要望なのですけれども、そのことがここに、関連してはありますけれども、具体的にテーマとして挙げていただけたらということです。
○林会長 これはいかがでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 現にやっておりますので、明記します。
○林会長 これはつけ加えさせていただくということで対応をとります。
それ以外、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、次、第8「肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者等の人権の尊重に関する事項」と第9「その他肝炎対策の推進に関する重要事項」でございますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、もう一度最初から何か見落としていること。
西村さん、どうぞ。
○西村委員 項目が、偏見、差別の問題なのですけれども、研究のテーマにもなると思うのですが、前の協議会でも御意見を申し上げたのですけれども、具体的にガイドラインをつくるという目標をぜひ明記していただきたいという思いが強いのですけれども、いかがでしょうか。
○林会長 事務局、いかがですか。
○林肝炎対策推進室長 103番に関するところだと思います。
現行の指針を見ていただくと、御指摘のように「ガイドラインを作成するための研究を行い、その成果物を活用し」云々ということになっておりました。その研究は進んでおり、一定の成果物は出ておるのですが、正直申し上げて、いま一歩具体的に考え方を広く現場に浸透させるには至っていないのかなというのが、我々の今の分析です。
いずれにしても、従来の研究成果がございますので、改めて研究成果をもとに、ここに書いてあるように具体的な方策を検討して進めていきたいのですが、ガイドラインをつくって、それを示せば進むのか。あるいは、なかなかガイドラインというのは、いろいろな行政分野でもつくるのですが、そういう意味ではガイドラインとしては非常にすばらしいものができても、それが一般の方々も含めて、肝炎患者の方に対する正しい理解や偏見、差別の防止に、より広がっていくものにするためには、もう一歩何か、普及に使えるような資材をつくるでありますとか、やり方を検討してもらうとか、そういったことをむしろこの検討の中でやる必要があるのではないかと考えておりまして、ガイドラインと書いてしまうと、ともすればガイドラインをつくって、それで事足りるになってしまうのを少し懸念をしていまして、それでガイドラインをつくるということがいわば目的化してしまうので、その記述はあえて今回は入れていないというのが我々の考え方です。
○林会長 いかがですか。
○西村委員 追加で申しわけありません。
ちょっと具体的な方策について、ガイドライン以外に幾つか言葉を説明しておられましたね。ちょっと聞き取りにくかったので、もう一回具体的に何をつくろうと。
○林肝炎対策推進室長 資材と言ったのですが、例えばリーフレットやパンフレットといったものであります。また、つくることとあわせて、もっと言いますと、具体的にどんなチャンネル、ルートを使って、どういった人に働きかけるといいのかということも検討できればよりよいのではないかと思っております。
○西村委員 少し研究班か何かを立ち上げて、その中で具体的に検討されていくということですか。
○林肝炎対策推進室長 現時点で明確に研究班とは申し上げられませんが、研究班なり検討する場を何らかの形で立ち上げて、そこで検討を進めていくことを考えております。
○西村委員 ありがとうございます。
○林会長 どうぞ。
○溝上委員 溝上です。
これを見ていただければ、今回、大きく変わったのは、肝炎情報センターという言葉が頻繁に出てきます。今、室長がおっしゃった、そこら辺のガイドラインをつくっておしまいという、目的化というのが今まで大きくなされてきたと思います。それではいけないと、それを実際にどのように運用するかということを踏まえるためには、肝炎対策室だけでは大変だから、肝炎情報センターを最大限にそこのところに踏み込んで、皆様と一緒になって現実のものとして、運用するという趣旨で、いろいろ我々も相談に乗ってきたという次第でございます。
今までのガイドラインというのは、いろいろな意味で、診療のほうから言わせてもらうと、偉い先生方がつくって、現実には何も使えないようなガイドラインから、本当に現実になるようなものまでいろいろございまして、ガイドラインができればいいということではなくて、やはり現実にどのような形で運用するかということが一番大事でございますから、そこのところを肝炎情報センターが担うということで、我々も、情報センターもうちのエースをひっぱり出してきてやるという形に大きく変換しているという状況でございますので、ぜひ頑張っていきたいと思います。
○林会長 ありがとうございました。
それ以外に何かお気づきの点、ございませんでしょうか。
どうぞ。
○大賀委員 日肝協の大賀です。
肝炎情報センターのことについて、私も質問したいと思っていたところです。
全般的に、たくさん至るところに肝炎情報センターというのが出てまいります。これは厚労省がこれまでの肝炎情報センターをより具体的に強化していくという姿勢のあらわれであると私たちは受けとめております。期待も大きいわけですけれども、ただ、実のあるものにしていくためには、情報センターの組織、人的部分、あるいは財政的な部分、そこら辺りを既にイメージされているのか、裏づけがあるのか、そういったところを聞いておきたいと思います。
○林会長 いかがでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 まず、私から。
肝炎室長でございます。
資料の41ページ、42ページのところでございますが、41ページが全体的に来年度28年度事業から、肝疾患診療体制の強化ということで、事業の組みかえをしております。どなたかから言及がありましたが、行政事業レビューでいろいろな指摘を受けておりまして、右上にありますように、拠点病院間の格差是正、肝炎情報センターの機能強化が必要といったことなどが言われております。要は、事業の組みかえ強化をしております。
具体的には、「新」と書いてありますが、肝炎情報センターに対する国からの事業ということで、戦略的強化事業というのを新しくつくっております。
具体的な事業の流れは次の42ページ目に書いておりますが、国、厚労省から肝炎情報センターに対する委託事業として、肝炎情報センターの戦略的強化事業ということで実施する、具体的なメニューとしては、地域ごとのブロック会議でありますとか、情報発信力を強化するような戦略会議、あるいは多角的な普及啓発事業ということで、肝炎マップと書いてありますが、検査や医療について、どこで受けられるか、わかりやすいマップづくりなども想定をしております。とりあえず来年度はこんな事業を国から委託をして、また、肝炎情報センターも自らの予算なり組織というのもあわせて活用いただいて、肝炎情報センターの強化を図っていくと考えております。
溝上委員から補足からあれば、お願いいたします。
○林会長 どちらがよろしいですか。
○溝上委員 そういうわけで、この1年いろいろ御相談してきました。肝炎・免疫研究センターそのものができたのが7年前です。この7年間で全国の70の拠点病院を選定し、そこのドクター及び行政の方、県の行政の方、さらに病院の担当者、相談員、そういう人たちについていろいろやってきまして、そこで出てきた問題がまだこれでは不十分だと、皆様方の御意見を踏まえた上で、強化するという形で、また今回出てきたこのような形になったわけであります。
そういうわけで、こちらのほうも体制を大きく変えましたし、また、財政的にもサポートしていただけるということですので、今後はそういうところもしっかりと、特に患者会の皆様方ともよく相談しながら、今、非常にいろいろな御意見をいただいておりますので、そういうところも踏まえて、また、行政の実際の各都道府県においてばらつきが余りにも大きいものですから、そういうところも踏まえた対応ができるような体制を整えているところでございます。
現在、それで室長及びセンター長につきましても、ちょっと人事異動もございましたもので、エースをひっぱり出してきて、強化します。
以上です。
○林会長 ほかの点、いかがでしょうか。
西村さん、どうぞ。
○西村委員 大賀さんの質問に関連してですけれども、参考資料の中で、検査とかの部分については対応する予算が示されていますけれども、肝炎情報センターの機能、都道府県の拠点病院に関係する予算というのは、情報センターの要員はどうなっているか。今でなくてもいいですから、次回の肝炎対策協議会に資料として添付していただきたいと思います。
○林会長 いかがですか。
○林肝炎対策推進室長 予算については、ちょっとすぐ手元に出ませんが、ありますので、また次回でもお示ししたいと思います。
先ほど説明が漏れましたが、42ページの図をせっかくお開きいただいたところで、委託事業として国から肝炎情報センターに、先ほど申し上げた戦略的強化事業を委託する。あわせて、肝炎情報センターの中に指標、事業の効果等の検証提言ということを書いております。実は、新しい年度からの事業は、都道府県あるいは都道府県の拠点病院が、下に書いたようないろいろな事業を国から委託補助を受けてやるわけですが、全体として、各都道府県の事業の実施計画をつくっていただいて、評価指標もその事業でつくっていただいて、国に出していただくということを考えておりますが、この内容について、肝炎情報センターからの助言をいただきながら、各県の取り組み事業内容についての検証、提言といったことも、肝炎情報センターにはこれからお願いをしていくと考えておりますので、あわせて御紹介させていただきます。
○林会長 ありがとうございました。
これ以外に何か、全体を通じて。
どうぞ。
○岡田委員 B型原告団の岡田です。
資料の26ページの119番、肝硬変、肝がん患者に対する支援のあり方について記載されているのですが、ここの最後の部分で、「検討を進める」というところを、患者団体の私どもとしましては、もっと具体的な方向性で進めていただきたいという要望を出しておりまして、この点につきましても、先日、開催されました肝炎議連で、具体的な内容で進めていくという趣旨をもって、もちろんそういう内容で進めていくお気持ちであると御説明をいただいたばかりなのですけれども、指針の76番にあることなのですが、研究を進めていくと、研究を実施するとありまして、恐らく研究で1年ぐらいかかり、そして、検討を進めてまた1年かかりでは、3年ぐらいかかってしまうのではないかと危惧しております。
またこれは一昨年のB型の大臣協議におきまして、田村元大臣から、5年、10年では遅過ぎるというお言葉をいただいておりまして、それから既に2年たっているわけなので、もうそろそろ5年が、この分でありますと、5年、10年では遅過ぎるとおっしゃっていただいた割には全然進んでいないと私どもは思っておりまして、ぜひ肝硬変、肝がんへの支援を実現するお気持ちがあるのか、ここで御確認いただきたいと思います。
○林会長 よろしいですか。
○林肝炎対策推進室長 現状においては、さらなる支援のあり方について検討を進めるということでありますので、検討を進めるということ以上でも以下でもないということでしかないわけですが、いずれにしても、76の言及を岡田委員も米澤委員もされました。実際、これまでの調査研究でも、一部肝硬変、肝がんの方のアンケート調査の形で医療費がどのぐらいかかっているかというものはございますが、実際、それぞれ病態もさまざまと承知しておりますので、具体的にどのような医療を受けられて、どのぐらいの医療費負担がかかっているかということについて、もう少し実態を把握するという取り組みはいずれにしても必要になってくると考えておりますので、そういったものをまず進めさせていただきたいと考えております。
さらに、そういった実態把握を受けて、どのように検討を進めていくかというのは、これから後またしっかりと考えていかなくてはいけないことだと考えております。
○林会長 病態の研究ということですね。指標ということではなくて、肝がんの実態の把握のお話をなさっている。今のことでよろしいですか。
肝硬変の治療自体は別途進んでいることなので、それについては進んでいる部分もございますので、それは別のことだとは思います。
○林肝炎対策推進室長 肝硬変や肝がんの方が受けられている医療の内容と、医療費の実態といったものを把握したいと思っています。
○林会長 肝硬変自体の治療については、別途国際的にもかなり進んでいる部分があります。実際、治療として出現することが明らかにあると思います。そういったことはちょっと別のことだと思います。
どうぞ。
○西村委員 岡田委員の質問に関連したことですけれども、毎年肝硬変、肝がんで亡くなる方が相当数おられます。先ほど室長さんのコメントの中で、アンケート調査の例を挙げておられましたけれども、多分、長崎の医療センターの八橋研究班の先生方の調査のことだと思うのですけれども、この調査は結論が出るまで3年かかっております。今回、76番の肝硬変、肝がんの研究につきましても、どのぐらいの期間をかけて研究の結論を導き出そうとお考えになっているのかということをお聞きしたいのと、我々患者からしてみれば、毎年たくさんの方が亡くなっていて、1日に100人以上の人が亡くなる中で、八橋班の研究で相当数の患者さんの調査をされて、その実態も明らかになっていますから、また3年かけて調査しないでも、もうちょっと早く研究のスピードを上げられるものではないかと考えているのですが、その辺、スケジュール的な問題はどんなものなのでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 現状、申し上げますと、まだ指針の改正案について議論している段階でございまして、研究について、いずれにしても前回よりもより詳しく肝硬変、肝がんの患者さんが受けている医療の内容と、医療費の自己負担を含めて、どういった実態になっているかということを詳しく調査をしたいと考えておりますが、具体的にその調査をするに当たって、どのぐらい時間がかかるかというのは、これからの我々が検討して考えていかなければいけないことですので、現時点で何年ということが頭にあるわけではございません。ただ、もちろん従来から皆様方の強い御要望をいただいていることでございますので、私としても、ゆっくり時間をかけてというのではなくて、できるだけ早く調査を進めていく必要があるということは十分認識をしております。
○林会長 どうぞ。
○西村委員 119番に関連したことですけれども、前回の協議会でも、患者団体に対する支援の要望等を意見として入れたと思うのですけれども、がん対策とか、難病対策のほうでは、患者サロンとか、ケア相談だとか、患者団体が行う事業について、国のほうから具体的な支援が示されているし、がん対策基本指針の中でも患者サロンについて重視されておりまして、がん診療拠点病院の指定要件にも挙がっているわけですから、この辺について、肝炎対策推進の基本指針の中でも、肝硬変や肝がんの患者さんを支援する、家族を支援する同病者の支援活動についても何らかの記述が必要なのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 御指摘の話は、109とか111のところに一応そのような趣旨を書かせていただいているつもりでございます。とりわけ、具体的には111番に「肝炎患者等及びその家族等と、医師を始めとした医療従事者とのコミュニケーションの場を提供することが重要である。国及び肝炎情報センターは、都道府県等のこうした取組に対して、必要な技術的支援を行う」といったことを書いております。
また、117番にも同じことを書かせていただいておりまして、そういった意味で、具体的な手法については各都道府県や拠点病院に委ねているわけですけれども、御指摘のように、多くの地域では患者会などにそういったものの運営をお願いしているところもあるかと承知しておりますので、こういった記述の中で、がん患者あるいは肝硬変患者の方に対して寄り添うような相談支援といったものも実施できると考えています。
○林会長 ありがとうございました。
ほか、よろしいでしょうか。
どうぞ。
○大賀委員 あと一点の、肝炎医療コーディネーター育成についてですが、これについても非常に力を入れていきたいという意向が示されていると思います。
実は、きのう、私、元職場の後輩と食事している場で、突然52歳の弟が、20年ぐらい前にC型肝炎と言われていたのを、会社の定期健診、血液検査だけで過ごしてきて、いきなりこぶし大のがんが見つかって、手の施しようがないという、大賀さん、どこか病院がないだろうかというのが、本当に現実にあるのです。これはやはり患者自身の肝臓病に関する知識のなさもあるし、そこの職場に産業医がいたはずなのですが、産業医がエコーを撮っていない、そういう事案なのです。
ぜひそういったことについての対策を厚労省のほうでどう考えていらっしゃるのか、取り込もうとされているのか、聞いておきたいと思います。
○林肝炎対策推進室長 御指摘のコーディネーターについて36番で記載をしております。前回も御紹介した、参考資料では49ページ目に現在の取り組み状況を書いておりますので、せっかく御質問いただきましたので、御紹介だけしておきます。
49ページを見ていただくと、ごらんのようにさまざまな職種の方を対象に研修、養成をしていただいております。ただ、残念ながら実施をしていないというところも14都道府県あるという状況、また、養成、研修はしているけれども、具体的にどういった活動をしているか把握していないといったところが33のうち6つあるというところが現状でございます。
実際、内容を見ていただきますと、非常に幅広い自治体の保健指導の職員から医療機関の医師、看護師、あるいは相談員、民間企業の担当者でありますとか、健康管理者など、非常にさまざまな方を、最大公約数といいますか、各県のものを並べておりますので、羅列になっておりますけれども、それぞれ各県で対象者を決めてやっていただいているという現状でありまして、こういった方が中心となって検査、受検勧奨とか、あるいは陽性者のフォローアップに当たっていただくことを進めていきたいと考えております。
また、大賀委員御指摘の事例は、ウイルス性肝炎だとわかっていたけれども、十分フォローアップできていなかったということでございますね。そうしますと、多分、主治医の方にそういった定期的な受診が必要だということが十分に伝わっていなかった面があるのかもしれませんが、そういったことなども研修などを通じてまた普及していく必要があると思いますし、また、国の支援としては、御案内のように定期検査の費用についての助成というのも26年度から始まりましたので、そういったものの活用というものも考えられるかと思います。
○林会長 どうぞ。
○溝上委員 コーディネーターの件では、山梨県が一番最初にやりまして、それを佐賀県が導入して、現実に物すごい成果を上げておりまして、例えば人口比でしますと、東京などに比べると100倍ぐらいのコーディネーターの方がおられます。それだけの成果を、佐賀県の担当の拠点病院の先生は挙げられましたので、その方も実は情報センターのクロスアポイントのような形で来てもらう、基本的に週1回来てもらって、例えばほかの県のそういうものに行ってもらうとか、それをどうすればいいかとか、そういう現実的な案ができておりまして、クロスアポイントに今、手続をしている状況でございます。
そうしますと、例えば東北地区でそういうことをやるときに派遣しまして、実際の行政の方たちにどのような働きかけが必要か、現実的な案がもう既にできております。そういう形で今後、コーディネーターを確実にふやせるという自信はございます。
○林会長 ありがとうございました。
それ以外、何かよろしいですか。
どうぞ。
○武田委員 薬害肝炎の武田です。
私もずっと何十年と公立の病院に診療に行っていますけれども、定期検査費用の助成とか、障害者手帳とか、そういうことを書いている用紙を張っているのを見たこともないですし、医師から言われたこともないのですけれども、このような推進に対しては、都道府県に働きかけをするほうがいいのでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 まさに定期検査費用助成は都道府県の事業でありますし、身障手帳も基本的には自治体ということですので、その辺の周知を図るということについては、都道府県、自治体を中心にお願いをしているところであります。働きかけをしていただければありがたいと思います。
○武田委員 わかりました。
○林会長 ほか、よろしゅうございましょうか。
どうぞ。
○山中委員 全国保健所長会の山中といいます。
120番の下から3行目に「保険書等の活用を図ることも重要である」と、この点につきましては、異存はございませんで、このためには、こういう協議会を通じて保健所の窓口の対応について、厳しい御指摘もあったわけなのですけれども、私どもといたしましても、相談、検査、検査後陽性であった方々のフォローアップ体制ですとか、都道府県の保険所であれば、助成についての手続とか、そういったことはもちろんこれからも丁寧にきちんとやっていきたいと考えておりますけれども、保健所は間口が広い業務をしておりまして、例えばこれは私が実際やっていることですけれども、医療法に基づいて毎年病院の立入検査をしております。そういったときに、手術前の検査で陽性になった方々についてどう対応されていますかとか、そういったことで、きちんとフォローアップしていただきたいことだとか、陰性であっても陰性でしたということを言っていただきたいというお話をさせていただいたり、あるいは、研修医といいまして、大学を卒業して2年間の初期研修というのをやっております。その研修医の方々が、全て保健所に来るわけではないのですけれども、そういった方々がいらっしゃった場合には、肝炎対策基本法の趣旨ですとか、背景をきちんと説明して、人権の尊重ですとか、こういう制度があることなども説明させていただいておりますので、そういった間口の広い活動を通して、私どももこういった皆様方への対応をより充実していきたいと考えております。
○林会長 ありがとうございました。
それ以外に何か。
どうぞ。
○清本委員 北海道の清本です。
差別、偏見の件で、23ページのナンバー96のところで、新たにピアスの穴あけやタトゥーという項目が追記されていますけれども、以前とか、私がB型肝炎だというと、若いころに悪いことをやっていたのでしょうとか、そういった言われ方をするので、国がわざわざタトゥーとか、ピアスの穴あけをここで書く必要があるのかというのをちょっと疑問に思っておりまして、読んでみると、いわゆるアウトローに対してすごく啓発はしているけれども、一般国民に対して啓発しているようには見えなくなってしまわないでしょうか。
○林会長 どうぞ。
○溝上委員 実は、C型肝炎でも、新しく感染する人は、ピアスとか、そういう方としか思えない方が現実にふえております。そういう現実がございます。
それから、田中純子先生のデータで、40歳後半の女性がC型肝炎の感染率が高い。これは近くの国で美容整形、しわ取りとか何かをやったのではないかというようなデータも出てきております。
したがいまして、若いからどうこうという問題ではなくて、一般の方にも御理解いただくという意味では、残念ながらこの表記というのは必要ではないかと、医者としては思います。
○林会長 2点ございまして、ピアス穴あけ等、具体的にここに記載して、実際はいろいろなことで指導をするにしても、この文章にこのことを残すかということと、もう一点は、対象をどういう人に広げるかという、興味を抱く年代等の、この2つのところだと思うのですが、他の委員の方、御意見いかがですか。
まず、事務局からどうぞ。
○林肝炎対策推進室長 とりあえず事務局としてですが、まず、下の96-2は、26の表現が再掲になっています。10ページ目の26を見ていただくと、実は、これは今の指針でも既にある表現です。左側をみていただくと、ピアスの穴あけ等と書いてあります。26は、改正後は実は最後の、より推進するための方策を検討するということを追記しているだけですので、場所を再掲しているだけですので、ピアスについては従来からこの指針の中でも明示をしていると思います。
あと、タトゥーをどうするかでありますが、これはむしろ溝上先生からも意見がありましたように、現場からこういったところも感染ルートとして指摘がされているということを受けて、記載をしてはどうかという、これは御提案であります。ただ、一般的に言いますと、ピアスはもともと比較的多くの方がされると思いますが、タトゥーも昔に比べると一般的に広まっているという話も聞かなくはない話でありますので、ここはいずれにしても、母子感染や乳幼児期と言われた幼少期以外でも、大人になってもいろいろなことで感染する可能性があるということを言いたいところであります。例示としてふさわしいかは委員の中で御議論いただければと思います。
○林会長 まず、このピアス穴あけのような具体的なことを記載するかどうか。前にも一応書いておりますけれども、御意見はいかがでしょうか。
○米澤委員 患者としての意見ですけれども、これはぜひ書いていただきたいと思います。
実際に、また電話相談の話になりますけれども、タトゥーなどによって感染したというお話も上がってきておりますし、これはより皆さんに感染の認知を広げていただくためにも、具体的に書いていただきたいと思います。
○林会長 ほか、いかがでしょうか。
どうぞ。
○大賀委員 私も同意見です。これを明記してほしいと思います。これはやはり明記しながら乗り越えていく課題だと思っています。
○林会長 一応前回のときも記載されておりますので、これは残すということで、もう一は、こういうことに興味を抱く年代に対して啓発を行う。これは全てに行うと記載するか、特定の年代にという文章を入れるかどうかという点、いかがでしょうか。もちろん普通の方に普及啓発は必要なのですけれども、ここに「興味を抱く年代」という特定の言葉が記載されている。ここは文章を残させていただいて、どうでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 記述がちょっとわかりにくいかもしれないので、一応我々の気持ちとしては、96が一般的な、青年期に限らない普及啓発の必要性、行うことを書いているつもりでして、96-2が特にいわゆる青年期で、そうすると、具体的な方策も教育関係者も含めて検討するということで、特に96-2が若い世代を対象にという二段構えで書いているつもりでございます。
○林会長 なるほど。
今の御意見、いかがですか。
○清本委員 何かタトゥーを入れるような人に対しての啓発よりも、もっと一般的なもの、救わなければいけない国民に対する啓発のほうが大事なような気がします。自業自得の部分があると思うのです。
○林会長 それは当然記載されているわけで、これはそれとは別にということです。もちろん普通の方には普及啓発しないというわけではないので、それにプラスアルファこれを記載するかどうかということだと思います。
どうぞ。
○米澤委員 先ほど電話相談という話がありましたが、本当に現実問題として一般の方にもタトゥーは広まっているのです。特別な方だけではない。過去とはちょっと違ってきているという現状があるので、ぜひ入れていただきたいと言いました。
○林会長 穴あけ等も最近はかなり衛生管理が普及しておりますけれども、以前は感染源になっていた。今はきちっと衛生的に行われていると思いますが、よろしゅうございますか。
○清本委員 わかりました。
また、26ページの119で、先ほど言いたかったところもあるのですけれども、具体的な支援のあり方について、先週、友達が亡くなってしまったのですけれども、がんになっても彼は能天気でいられるんだよという話をしていて、それは北海道の助成制度を使っていて、がんになっても治療費の心配をしなくて済んだというのが一つあるのです。そういった支援のあり方が本来あるべき支援のあり方だと思うのですけれども、がんになって、いろいろと大変なショックを受けたときに、治療費のことだけは考えなくていいというのは、患者にとって物すごくプラスになると思うのですけれども、具体的にどんな支援を考えているか、今、説明できるところがあればお願いしたいです。
○林会長 よろしいですか。
○林肝炎対策推進室長 さまざまな支援が考えられると思います。患者団体からは、従来から医療費助成と生活支援というお話をいただいているのも十分承知しております。
一方で、我々も肝硬変、肝がんだからといって、支援をしていないということでは一切ございませんで、御案内のように抗ウイルス治療、療法への医療費助成支援もしてございますし、26年度からは定期検査ということで、定期受診にかかる費用の助成を始めており、対象を順次拡充しております。福祉的な施策が中心になりますが、身障手帳についても御案内のように、対象の拡充をこの4月から実施をするということになっております。
それ以外でも、これらは主に医療や福祉の経済的な面での支援ということになりましょうが、むしろ、きょうお集まりの患者団体の皆様方にも御協力いただいて、先ほど言いました相談支援、これは同じような状況を抱えている方も含めて、非常につらい状況にある患者の方に寄り添った支援ということも、そういう意味では精神的なサポートというのも非常に大事かと思いますので、そういった取り組みもまた、都道府県や拠点病院と連携しながら順次、充実強化をしていくということが必要かと思います。
いずれにしても、119番のさらなる支援のあり方というのは、そういった今、取り組まれているいろいろな支援の実施状況などもしっかり把握をして、とりわけ医療費の話というのが御要望として強く出ておりますので、そういった御要望を念頭に、まずは医療内容と医療費の詳細を、現状を実態把握したいと考えております。具体的に、その上で現在の支援策のどういったところが足りないでそういったことになっているのかということを、きちっと整理して、検討を進めていく必要があるのではないかと考えております。
○林会長 ありがとうございました。
文章はこのままの文章でいかせていただきたいと思います。具体策はまたいろいろこれからも問い合わせがあると思います。
どうぞ。
○野宮委員 薬害肝炎原告団の野宮です。
林室長初め、健康局の方々に要望を一つだけ。
先ほど、岡田さんが2年前の大臣協議の話をしたけれども、その同じ年に薬害肝炎原告団弁護団でも大臣協議がありました。そのときに、田村前厚労大臣は、スピードアップして医療費助成とかを考えていくと言ったので、気持ちはよくわかりましたので、ぜひスピードアップのほどをよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○林会長 それ以外、この文章でよろしゅうございますでしょうか。
どうぞ。
○米澤委員 項目についてではないのですけれども、今回、指針の見直しに当たりましては、肝炎対策推進室に患者である私たちの意見や要望を、事細かく聞いていただきました。
今後、実施に当たりましても、継続して協議の場をぜひ設けていただきたいと思います。これは私たちの要望でございます。よろしくお願いいたします。
○林肝炎対策推進室長 わかりました。引き続きよろしくお願いします。
○林会長 それでは、ただいまいただいた御意見を踏まえまして、この指針につきましては修正を加えさせていただきたいと思います。前回と同様、事務局と相談しながらやらせていただきますが、一応会長一任ということにさせていただきまして、文章の訂正、修正をさせていただいて、もう一度お送りするということになると思います。よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○林会長 それでは、それで進めさせていただきたいと思います。
どうぞ。
○西村委員 今回、パブコメを実施する、しないとありましたけれども、今後、指針を決める手順、スケジュールを。
○林会長 ちょっと、よろしくお願いします。
○林肝炎対策推進室長 済みません、最初に説明をするべきでした。
肝炎対策基本指針につきましては、法律上は肝炎対策協議会の御意見を聞き、また、関係行政機関、関係省庁と協議をして定めるとなっております。
加えて、一般的なルールとして、御指摘のパブリックコメントをするというルールになっております。我々としては、これを踏まえまして、協議会は今日、御意見をいただきましたので、今日の御意見を受けて修正すると申し上げた点につて修正をして、確認をしたいと思います。その上で、できましたらパブリックコメントをかけたいと思います。
並行して、各省庁とも、内々に相談を実は始めておりますけれども、協議ということに当たらせていただきたいと思います。
したがって、最後、パブリックコメントや各省協議の過程で、若干修正があり得るということはお含みおきいただければと思います。その上で、最終的な成案が得られましたら、告示ということでございますので、官報告示をして、そこで策定ということになります。
パブリックコメントは大体原則1カ月という期間を設けることになっておりますので、厚生労働省がパブリックコメントの案を出してから1カ月後に締め切りという手続になりますので、大体そのぐらい、また成案が得られましてから官報告示するまでにも一定の時間がかかりますので、そうしますと、大体5月か6月ぐらいに告示されることになるかと思います。
○林会長 どうぞ。
○西村委員 パブコメをする前の案というのは、委員にはお知らせいただけないのですか。
○林肝炎対策推進室長 パブコメの前に皆様方には送ります。
○林会長 修正を加えた分についてはお送りするということになると思います。
○西村委員 ありがとうございます。
○林会長 それでは、1番目の議題の、基本指針の改正案をこれで終わらせていただきます。
その他でございますが、せっかくの機会でございます。委員の皆様方、何か御意見等ございましたら、お伺いいたします
どうぞ。
○西村委員 2点あります。
2月、3月、各都道府県で肝炎対策協議会かそれに準ずるものが開かれまして、幾つかの協議会を傍聴させていただきました。その中で出てきた意見、特に現場の先生方からの意見と、保険の担当者からの御意見を2つ、ちょっと質問させていただきたいと思います。
1つは、重症化予防事業の件なのですけれども、診療現場は非常に忙しい、多忙をきわめる中で、対象者と思われる人の取捨選別ができないという問題があります。ですから、肝炎の陽性者の人にはみんな渡せるような配布物を、小さなチラシでいいからつくってほしいというのが、県の担当者に現場の先生方から出ていました。
県でつくるということもあるのですけれども、できましたら、ひな形みたいなものを厚生労働省でつくっていただけないかなというのが1点です。
○林会長 溝上先生、ありませんか。
○溝上委員 現在、既にあると思いますが、それはそこの県の担当の方に行っていない可能性があると思います。少なくとも拠点病院にはいろいろなリーフレット、パンフレット、そういうものについては行っているはずでございます。
○西村委員 重症化予防事業に関してだけのものをつくってほしいと。あれやこれやではなくて。
○林会長 それだけのものをつくってほしいわけね。
○西村委員 重症化予防事業が患者さんにわかるようなものをつくってほしいというのが、現場の先生からの。診療していて、その場でこれと言って、保険所とか病院の相談室で詳しいことを聞いて、相談してと、診療現場で一言で済むような、先ほど言っていた資材をつくっていただけたらというお願いです。
○林会長 わかりました。
○西村委員 もう一点は、先ほどもちらっと出ていましたけれども、特にB型肝炎のほうですが、医療費助成の更新手続の中で、診断書の問題があります。県の協議会の中でも厚生労働省のほうで鋭意検討されているようだけれども、まだ具体的にそのスケジュールとか内容が知らされていないというところが2カ所ほどございました。それで、そのことについて、どのようにするかとスケジュールを教えていただきたい。
関連してですけれども、B型肝炎の医療費助成の更新以外に、重症化予防事業のときにも診断書が要るわけですね。3,000円や6,000円払わなければいけないという問題もありますけれども、申請のときに診断書が5,000円も7,000円もしていたら、何をしているかわからないことになりますので、そのほうの簡素化の検討はどうなっているのかということ。
この2点が現場の先生とか県の職員さんから出ていました。
以上です。
○林会長 どうぞ。
○林肝炎対策推進室長 1点目でありますけれども、重症化予防事業の渡せるようなチラシですね。国でひな形のようなものをつくれないかという御要望ですので、検討したいと思います。
2点目、B肝核酸アナログの更新の話でありますが、従来から簡素化の方向で考えると申し上げております。今、最終的な詰めをしておりますが、診断書でない形でもできるように、具体的にいいますと、直近の検査結果がわかるものと、核酸アナログですので薬剤、どの薬剤が出ているか、例えばお薬手帳のようなものの2つをセットでお示しいただくことで、これは2回目以降の更新の方に限ってですけれども、診断書がなくてもいいような形で実施する方向で、今、最終的に調整をしているところです。早ければ新年度から簡素化ができるかと考えております。
3点目は、重症化予防事業の診断書の簡素化ということでございます。これについては、先日の肝炎対策推進議員連盟でも御要望を患者団体の方からいただいております。ちょっとどこまでできるかわかりませんが、更新時など、どこまでのものを求めているか把握をした上で、余り必要がないようなもの、診断書を求めているのであれば、簡素化できないか、少し実態をまず把握した上で検討していきたいと考えております。
以上です。
○林会長 それ以外に御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
どうぞ。
○大賀委員 発言が尽きたようですので、一言ちょっと。
実は、私は5月5日で古希、70歳になります。そういったことで、実は推進室から事前に、大賀さん、残念なことではありますが、再任はありませんというような通知を受けております。私は福岡ですので、傍聴も多分ないかと思います。ということは、今回が最後なのですね。
私は25歳でB型肝炎を発症して、45年、今は抗体ができて、ウイルスも検出せずという、自分の力で持ちこたえてきたのですけれども、患者活動も既に40年を超えています。古い古い厚労省の建物の時代から、福岡からやってきて、陳情活動をやってきた思いがありますけれども、そういったいろいろな、厚労省にはたくさんのことを感謝しつつ、今後もいろいろなことで患者会の活動に、意見に耳を傾けていってほしい。既に林室長になられて、本当に協議会を何度も開かれて、率直に意見交換をするというような、相互信頼関係が極めて強くなったのではないかと受けとめています。
今、振り返りながら、私の思いを、お願いを1枚の紙にまとめてまいりましたので、失礼ですけれども、読み上げさせていただきます。
私が委員になったのは、4年前の2012年6月1日、小宮山洋子大臣のときでした。室長は井上室長、次に鈴木室長、そして、今の林室長と、目まぐるしく変わられました。3人の室長とも持ち味を出しながら、肝炎対策に真剣に取り組んでいただきましたことに、まず、感謝申し上げます。特に、今の林室長は、基本指針の見直しに当たり、患者さん団体と意見交換会を開かれるなど、患者サイドの提言に真剣に耳を傾けながら改訂作業を進められました。こうした推進室の率直な姿勢は、相互の信頼関係を強いものにしていったと受けとめています。相当箇所で患者団体の提言を取り入れていただきましたことに、改めて感謝申し上げます。
推進室に1点だけ、最後のお願いをしておきます。それは、言うまでもなく、日肝協がこの5月に国会請願する予定でいます、肝硬変、肝がん患者への医療費助成です。先日、自己負担限度額1万から2万円を設定した場合の助成額を年間122億円と試算されました。確かに大きな金額です。しかし、素人の見方ではありますが、C型患者は新薬で続々と治癒しています。B型も核酸アナログ製剤で安定期にいる方が多い状況です。つまり、将来的に肝硬変、肝がん患者は着実に減少し、財政負担も減少していくことが予想されます。
ウイルス性肝炎に関し、予防接種や血液製剤等、感染拡大の一つに国の責任があること、また、輸血など医療行為による医原病であることを考慮すれば、ほかの疾病との横並びではなく、先行して対策を講じていくのが妥当と考えるのです。推進室が初めて費用を試算されたことは大いに評価したいと私は考えております。
今後、新しい肝炎対策基本指針のもとで、国の肝炎対策が推進されることになりますが、ぜひこの医療費助成問題を忘れずに、検討を重ねていってほしいと願っております。
国の肝炎対策は、2011年1月1日に施行された肝炎対策基本法で新しい歴史を歩み始めました。それから6年、C型新薬やB型核酸アナログ製剤治療への助成制度がスタートし、身障手帳も公布されるなど、歴史が築かれつつあります。少々大げさな表現になりますが、推進室の皆様や推進協議会の委員の皆様は、こうした築かれつつある新しい歴史の担い手という見方もできます。今後とも、推進室と協議会への知恵を出し合い、お互い協力しながら、よりよい肝炎対策を推進され、肝炎の恒久対策の実現を願っております。
以上です。どうもありがとうございました。
○林会長 どうもありがとうございました。
それでは、最後に健康局長に御発言の御要請がございますので、お聞きしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
○福島健康局長 この指針の改正案の議論の節目ということでございますので、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
まず、委員の皆様方には、肝炎対策基本指針の改正案の議論、これまで御活発に御議論いただき、しかも、幅広い観点から御意見を頂戴して、まことにありがとうございました。
先ほど林室長からも申し上げましたけれども、これから最終的な文案は会長と私ども事務局で整理をさせていただきますけれども、その後、パブコメ、さらには官報告示の手続をとっていくわけでございます。
もちろん、この指針というものはつくることが目的ではなく、指針に従って、ここに書いてある施策を進めていくということが何といっても大事なことでございます。これからまたこの協議会でその進捗について適宜御報告させていただきたいと考えておりますけれども、今後とも引き続き、私どもも肝炎対策の推進につきまして、委員の先生方には、またお立場が変わる場合もあるかもしれませんけれども、引き続きの御支援、御協力を重ねてお願い申し上げまして、御礼の言葉にさせていただきたいと思います。まことにありがとうございました。
○林会長 それでは、事務局から何か御連絡事項等ございますでしょうか。
○林肝炎対策推進室長 事務的な連絡です。
きょうは活発な議論、ありがとうございました。
議事録については、原案ができた段階で各委員に送らせていただきますので、確認をお願いします。その後、ホームページで公表ということでございます。よろしくお願いいたします。
以上です。
○林会長 どうもありがとうございました。
それでは、本日の会議を終わらせていただきます。本当に最後まで御協力いただきまして、ありがとうございました。
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健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室
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