ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会)> 第6回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録(2016年7月7日)




2016年7月7日 第6回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録

○日時

平成28年7月7日(木) 16時00分(目途)~17時00分(目途)


○場所

中央合同庁舎第5号館 講堂(低層棟2階)


○出席者

<委員等 敬称略>
遠藤久夫(座長) 河野雅行 清水恵一郎
原田啓一郎 幸野庄司 村岡晃 飯山幸雄
仲野彌和 杉田久雄 安田和正 竹下義樹
<事務局>
鈴木保険局長 濱谷審議官 迫井医療課長 矢田貝保険医療企画調査室長 他

○議題

これまでの療養費検討専門委員会における論点の整理と今後の進め方(案)

○議事

16時00分 開会


○遠藤座長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第6回社会保障審議会医療保険部会あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御参集をいただきましてありがとうございます。

 まず初めに、委員の交代について御報告をいたします。

 佐久間雅之委員にかわりまして宮澤誠也委員、また、時任基清委員にかわりまして安田和正委員が、それぞれ当専門委員会の委員として発令されております。

 続きまして、委員の出席状況について御報告を申し上げます。

 本日は新田委員、高橋委員、宮澤委員、後藤委員が御欠席です。

 次に、前回の専門委員会以降、事務局に大幅な人事異動がございましたので、事務局から紹介をお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いします。

○保険医療企画調査室長

 それでは、人事異動について御紹介をさせていただきます。

 まず、保険局長、鈴木でございます。

 大臣官房審議官、濱谷でございます。

 総務課長、城でございます。

 医療課長、迫井でございます。

 高齢者医療課長、泉でございます。

 調査課長、山内でございます。

 最後に、私、保険医療企画調査室長、矢田貝でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤座長

 よろしくお願いします。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 本日は、「これまでの療養費検討専門委員会における論点の整理と今後の進め方(案)」について議題としたいと思います。

 事務局より資料が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。

○保険医療企画調査室長

 お手元に「あ-2」と書いてあります専門委員会における議論の整理(案)という資料と、あ-3、これまでの専門委員会における論点の整理と今後の進め方(案)、パワーポイントの資料でございますが、その2種類を御用意しております。

 あ-2のほうが項目について羅列しているものでございます。あ-3については、それぞれの項目について御説明したものでございます。

 あ-2のほうで黒丸のものと白丸の項目がございますが、黒丸の項目のものがパワーポイントの資料でいきますと1ページ目に書いてあります、前回までの委員会において方向性が示されていない、すなわち、きょうさらに議論を深めていただきたいところが黒丸、そして白丸のところは、パワーポイントの資料でいきますと1ページ目の2と書いてございます、おおむね方向性が示されているようなものについて白丸とさせていただいております。

 では、1番から御説明をさせていただきたいと思います。

 「1.支給対象の明確化に向けた個別事例の収集」についてです。

 パワーポイントの資料の3ページ目からでございますが、4ページをごらんいただければと思います。

 実際に柔道整復のほうでは判断に迷う事例について事例集をつくってはどうかみたいな議論をしておるのですけれども、あはき療養費について判断に迷う事例というのはどのようなものかというのを調べて整理しております。国保連合会に聞き取ったものでございますが、資料の真ん中のあたりに「判断に迷って審査医師に確認した具体的事例」ということで、あん摩マッサージ指圧のほうですと、例1で慢性腎不全の方の場合ですと、申請書の摘要欄の記載から筋力低下等が見られるため支給する。逆に、例2、心房細動、高血圧、房室ブロックでの施術の方については、摘要欄の記載から、筋力低下等が見られず、単なる疲労回復、慰安目的と判断して不支給にしている。

 はり・きゅうのほうは、感音性難聴での施術については、摘要欄への詳細な記述を求めて返戻している。例2は、神経因性膀胱での施術というものについては、摘要欄の記載から慢性的な膀胱痛、陰部痛がみられるため、やむを得ないものと判断して支給しているというもので、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅうの場合は、一番下の四角に書いてございますが、疾病名だけで一律に摘要かどうかということが判断できるものではなくて、個々の患者の症状により判断されることが多いということがわかりました。

 したがいまして、定期的に判断に迷う事例の収集を行うというよりも、判断に迷うような事例が集まった段階で事務連絡等により周知することで十分ではないかと考えました。

 その結果、5ページでございますが、今後の進め方(案)といたしましては、支給対象に対して支給の明確化を図るべきとの意見があるが、あはき療養費に関しては、その性質上、疾病名と個別の患者の症状がわかれば支給の可否を判断することが十分可能であることから、定期的に事例収集を行うのではなく、判断に迷うような事例が集まった段階で事務連絡等により周知することでよろしいのではないか。

 一方でその解釈について、これまで厚生労働省に照会のあった事例については、事務連絡(Q&A)を発出して解釈について周知を図る。また、追加すべき事例があった場合については、随時事務連絡(Q&A)を発出し、周知するということで、判断に迷うような事例が集まった段階で事務連絡を出す。また、事務連絡(Q&A)を発出して解釈について周知を図るというような取り組みによって支給対象の明確化を図っていくということについて提案をさせていただくものでございます。

 「2.施術所の登録管理・指導監督、受領委任制度の検討」についてでございます。

 あ-3、パワーポイントの資料の6ページを見ていただきますと、論点につきましては、施術所の登録管理・指導監督、受領委任制度に関する課題と論点ということで、1つ目の○で、不適切な請求事例の再発を防ぐため、保険者間で不適切な請求があった施術所情報を共有するなどの方策を検討してはどうか。

 2つ目の○で、一部負担金でかかれる制度の創設についてどのように考えるか。あわせて、施術者・施術所に対する指導監督の仕組みを設けることについてどのように考えるかという論点でございます。

 7ページを見ていただきますと、これまでの御意見では、受領委任制度の導入については意見が分かれている状況でございます。

 左側、保険者側の主な意見といたしましては、一部負担金でかかれる制度の創設と施術所に対する指導監督の仕組みは区別して検討すべきではないか。

 2つ目の○、原理原則は償還払い、療養費の詐取事件が発生し、受領委任制度に起因する問題が指摘されている中で受領委任制度を拡大して議題とすることは疑問がある。

 3つ目、本来の償還払いであれば不正請求は考えにくい。不正請求はむしろ代理受領的な制度に起因するものであり、不正請求に対処するために受領委任制度にするという理屈は誤解がある。

 4点目、受領委任制度にした場合、中止の判断は地方厚生局が行うことになるが、現実的には機能していない。保険者自身の権限で事業者に対していろいろな関係を持てる現行制度を変更すべきでない。

 一方、施術者側の主な意見といたしましては、一部負担金でかかれる制度の創設は、施術所の登録管理・指導監督の仕組みとセットで検討すべきではないか。

 2つ目、受領委任制度にすることで、施術所に対する取り締まりや行政指導も統一的に可能になる。代理受領では受取代理人を特定することや限定することは困難。不正請求に対処するためにも、施術所に対する指導監督等を含む受領委任制度を早期に創設すべき。また、研修を受けた施術者のみ受領委任を取り扱える施術者として指定し、一定期間ごとに指定の更新を義務づける更新制としてはどうかというものでございます。

 前回までも御説明しておりましたが、柔道整復のほうは受領委任払いということで、保険者が地方厚生局、都道府県に委任をして、地方厚生局と都道府県が柔道整復師さんと協定を結ぶ、もしくは契約によって受領委任払いをするという取り決めをしておりまして、その取り決めの中で指導監督ができるという権限についても付与されているという取り扱いになっています。

 一方であはき療養費のほうにつきましては、受領委任払いではなくて、原則は患者さんが全額払って保険者さんに請求するという仕組みでございまして、その行為の中には施術者が出てこない。また、代理受領と申しまして、個々に一部負担だけ払って、残りの部分についての請求を代理でしてもらうことをお願いしているという仕組みがあるのですけれども、それも施術所にお願いする場合やそうでない請求機関のようなところにお願いする場合もございまして、統一的に施術所に対して監督をするという仕組みが難しいという御説明を前回までもしているところでございます。

 次に、9ページをごらんください。

 不正事例が判明した場合における情報共有についても御議論をいただいてきておりましたが、これも御意見を踏まえて検討してきておりますが、どのように不正の事実を確認するのか、どの程度のものを不正とするのか、どのような場合に不正と判断するのかというところについて、真ん中の3つ目の四角に書いてございますけれども、明確な基準がないと、一保険者がこれは不正ではないかとやったものが全体の判断になってしまう。そうなると、よほど確度の高い、例えば慎重を期すと既に公表されているものとか報道がなされているものしか不正のものとして認定できなくなるのではないかということで、そうしますと、一番下の四角に書いてございますが、必要性の有無も含めて、さらに今後検討することが必要ではないかという整理にしてございます。

10ページに今のことをまとめてございますが、論点の整理といたしまして、国、都道府県等が施術所に対して指導監督権限を有するためには、現行法上は受領委任等の契約を介することが必要であると解される。

 受領委任制度の導入については、施術者側から患者の利便性や施術所に対する指導監督権限の付与、個別の代理受領契約と比べた場合の制度の安定性の観点から制度の導入を求める意見がある一方で、保険者側からは不正請求の発生や地方厚生局による指導監督の実効性に対する懸念、代理受領契約ではなく受領委任を導入することの必要性の観点から反対する意見があるという状況でございます。不正事例が判明した場合による情報共有についてはクリアすべき課題が多いため、必要性も含め今後の検討課題としてはどうかという御提案でございます。特に受領委任制度につきましては意見が分かれている状況でございますので、本日も御議論をいただければというふうに考えております。

 3つ目のポツ、「往療料の在り方」に関する検討ということで、パワーポイントでは11ページでございます。

 論点といたしまして、あん摩マッサージ指圧に係る療養費では、療養費全体に占める往療料が6割を超えていることや、過去、あん摩マッサージ指圧、はり・きゅうにおける往療料の基本額の引き下げ、施術料の単価の引き上げを行った結果、今、往療1回当たりの距離が延びてきているという実態をどのように考えるかという論点でございます。

 前回までの主な意見、1つ目の○で、往療料を算定する患者が9割近くを占めていることについては実態の解明が必要。また、患者の疾病のうち、その他の疾病の割合が全体の6割を占めている現状について、その他の内訳を分析するとともに、往療料との関係について精査が必要という御意見。

 2つ目の○、療養費全体に占める往療料の割合が6割を占めている現状を踏まえ、施術料にウエイトを置いた改定を行うべきではないか。

 3つ目で、往療料が高いのではなくて、施術料が不当に低いのが問題ではないかという御意見。

 2つ飛ばしまして6つ目の御意見、往療料の減額を行っていけば、施術者が往療をやめてしまうことになりかねず、結果として往療による施術が必要な患者が見捨てられかねない。

 その次、最近の傾向として、チェーン展開しているところが施設に売り込みに行って患者を集め、その患者に対して往療を行っている実態があるなどの御意見をいただいております。こうしたことを踏まえて、往療料について御議論をいただければと思います。

 往療料について2点目の論点で、往療料の支給要件ということで12ページでございます。

 患者の求めがあって、治療上真に必要があると認められる場合に定期的・計画的に行う往療については支給できるものであるが、定期的・計画的な往療であることを理由に不支給と判断される場合があるため、往療料の支給基準を明確にしてほしいという御意見でございます。

 3つ目の四角の「第5章 往療料」というところに、往療料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等により通所して治療を受けることが困難な場合に、患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に支給できる。

 2で、往療料は、治療上真に必要があると認められる場合に支給できるものであり、これによらず定期的もしくは計画的に患家に赴いて施術を行った場合には支給できないとあるのですが、治療上真に必要があると認められる場合であっても、定期的・計画的にした場合には支給できないというふうにここで解釈をしてしまっている場合があるということですので、一番下に書いてあるとおり、患家の求めがあって、治療上真に必要があると認められる場合には定期的・計画的に行う往療についても支給対象であるということを明確にすべきではないかというのが2つ目の論点でございます。

 3つ目の往療料に係る論点は、パワーポイントの13ページでございますが、同一建物の複数患者への往療についてでございます。

 現状では、同一家屋で複数の患者に対して往療を行った場合は1人分ということなのですけれども、同一家屋の定義が示されていないので、ここは保険者が個別に判断しているという状況がございます。

 ニマルに書いてございますとおり、同じ施設であっても保険者によって同一家屋か、同一家屋でないかと判断が分かれる場合が生じている。また、サンマルにありますとおり、集合住宅(アパート、マンション等)の場合には、今、それぞれの患家で往療料を算定できることになっておりますが、同じところに行く移動することにかかる機会費用というか、その分のコストを見ている往療料について、同じアパート、マンション等に行く場合にそれぞれとれるということについてどうなのかという問題が3点目の論点でございます。

 ちなみに、この件に関して14ページを見ていただきますと、細かい表ですが、医科の往診料や在宅患者、訪問診療料の取り扱いですと、同一の患家や有料老人ホーム等については同一の患家とみなすとか、同一建物居住者については1人分しかとれないとか、そのような取り扱いになっているところでございます。

 4つ目の往療料に関する論点が15ページでございます。患者誘引による往療についてでございます。

 現行、患者さんに経済上の利益を与えて施術をした場合には支給の対象外としておりますが、老人ホームなどの施設に対して紹介料というものを支払った場合というのが支給の対象外とはなってございません。最近の傾向として、施術所が施設に売り込んで患者を集めて、その見返りとして紹介料を支払っているというものについて、健康保険法上の趣旨から不適切と考えられる。

 3つ目の四角に書いてございますが、医科においては、平成26年度の診療報酬改定の際に療養担当規則を改正してこのことを禁止しているというものでございまして、あはき療養費についての取り扱いについて御議論をいただきたいというものでございます。

17ページが往療料についての今後の進め方(案)についてのまとめでございますが、往療料が療養費の6割を占めている現状について段階的に是正する。

 往療料の支給基準について、患家の求めがあって、治療上真に必要があると認められる場合に定期的・計画的に行う往療については支給対象であることを明確にする。

 同一建物の複数患者への往療については、公平性や適正化の観点から保険者による判断や建物の形態によって往療料の算定に差異がある現行の支給基準を改め、医科における在宅患者訪問診療料と同様に、同一建物居住者、これは建築基準法での同一建物かどうかということによって判断するよう改めることとしてはどうか。

 施術所が事業者等に対して金品を提供して患者の紹介を受け、その結果なされた施術については、健康保険法の趣旨から見て不適切であり、支給の対象外とすべきではないか。

 また、御意見がございましたその他の内訳について、次回の頻度調査、厚労省が毎年10月に行っている調査の際にデータがとれるよう工夫を行い、往療料との関連について精査する。

 不支給とした場合の往療料の具体的事例を収集してはどうかということを前回御提案したのですけれども、いろいろ調べてみますと、不支給とされたのは内容の問題ではなくて16キロを超えているとかそういう形式要件で不支給になった場合が多くて、なかなか実態がどうかということでの見極めが困難ということなので、これによる分析ではなく上記のような対応をしてはどうかという御提案でございます。

 最後、「4.その他」でございますが、あ-2のほうで「支給申請書様式の統一」ということで、パワーポイントですと26ページでございますが、様式の統一を図るということにつきましては前回までで特段異論がございませんでしたので、これについてはそのとおりにしていってはどうかという御提案でございます。

 4.の(2)の長期患者の施術回数の上限についてどのように考えるかということでございます。

 前回までの御意見として、例えば脳血管疾患が非常に多いとか、神経難病を含めて進行性・難治性の患者もいるので長期化する患者もいるのではないか。

 一方で、2つ目の○ですが、長期・頻回の方について一月当たりの回数制限を設けるなど、本当に必要な施術回数を設定する必要があるのではないか。

 3つ目の○で、脳梗塞等で歩行困難になった人の長期にわたり在宅療養を余儀なくされた患者は多いのではないか。

 4つ目の○として、どのぐらいの頻度、回数が妥当かは医学的にも難しい論争だと思うということでございます。

 そこで、19ページでございますが、2つのことを御提案させていただいております。

 左側の矢印をずっとおりていっていただきますと、今の支給申請書だけでは、患者にとって本当に必要な施術の回数で行われているかわからないということから、左側の一番下の四角でございますが、1年以上経過している患者であって、週4回以上頻回な施術を行っている患者は、支給申請書に頻回の施術の必要性を記載させてはどうか。

 右側の四角ですが、それを記載させてデータがとれるようにして、疾病名とあわせてその結果を分析した上で施術回数の取り扱いについて検討してはどうか。まず、1年以上、週4回以上について書いていただき、また、それを分析するという御提案でございます。

 患者の状態の記載の(案)について20ページにございますけれども、あん摩マッサージ指圧の場合、1年以上の方の患者の状況を半年ごとにどうなっているかみたいな変化を見るために、左側の四角にあるとおり、寝返りとか起き上がりができるか、一部介助か全介助か、そのような状況についてチェックする。はり・きゅうの場合にはペインスケール、下にありますけれども、痛みの強さについて心身の状況をチェックするということをしてはどうかという御提案でございます。

21ページにまとめてございますが、エビデンスが必要。

 2つ目の○で、まず、実態把握を行い、検討することとしてはどうか。具体的には、初療の日から1年以上経過している患者であって、週4回以上の頻回な施術を行っている患者について、支給申請書に必要性を記載させるとともに、患者の状態の評価を記載させ、データがとれるようにして、疾病ごとに患者の回数と状態の変化について分析して、回数について今後検討してはどうかという提案でございます。

 なお、あ-2の裏面を見ていただきますと、パワーポイントの27ページでございますが、施術期間についての上限や、一定の局所数以上のマッサージのさらなる包括化については行わないということで前回論点で出させていただいて、それについてはそのような方向でなっているということでございます。

 医師の再同意書についてでございます。資料22ページでございますが、再同意書は3か月ごとに再同意というのが必要になっているのですけれども、現行は文書でなくても口頭でもよいという取り扱いになってございますが、これについて義務化すべきではないかという御意見と、それは金銭面でも肉体面でも負担になるのではないかという御意見をいただいております。

23ページにメリット、デメリットを整理されておりますが、安易な同意が抑制されることが期待されるメリットがある一方で、デメリットのほうで、同意書の交付に時間がかかるとか、同意書の交付料の負担がふえてしまうということ、また、その他の影響として、全体として医療機関の受診回数がふえることによって、全体として国民医療費としてはふえてしまう可能性があるのではないかということでございますので、24ページ、今後の進め方としては、患者の負担増になること、また、これまで再同意の確認を簡素化してきたという経緯等を踏まえると現行どおりの取り扱い、そこについては支給申請書に同意についての記載があれば同意書の添付は省略して差し支えないという取り扱いとしたほうがいいのではないかという御提案でございます。ここについても御議論をいただければと思います。

 最後、柔道整復療養費との併給につきましては、保険者の協力を得て、まず実態把握を行うべきではないかということで前回も提示させていただいているところでございます。

 長くなりましたが、以上でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ただいま報告のありました内容につきまして御意見を承りたいと思います。特に黒丸のところは、まだ意見が大きく分かれているところでございますので、できるだけ議論をいただければと思います。いかがでございましょうか。

 杉田委員、どうぞ。

○杉田専門委員

 施術所の登録管理・指導監督、受領委任制度の検討というところでございますが、まず、指導監督に係る法的な根拠はないのに、それを望まれるのはちょっと困るなと。要するに、受領委任払いの場合には、それを直接こうだああだということは言えないのではないか。ただし、受領委任払いという制度になると、それに対しては当然いろいろな制約があったり、いろいろなことがあっても当然なのではないか。ですから、指導監督するためには一部負担金に係る制度の中で規定していくということでないと実際には難しいのではないか。これは、前に事務方からの意見でも今のままでは無理であろうと。要するに、受領委任払いという制度の中でなければ無理ではないだろうかという御意見をいただいています。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほかに、ただいまのことに関連してでも結構でございます。

 それでは、竹下委員、お願いいたします。

○竹下専門委員

 竹下です。2点。

 まず、1点目は受領委任払いの点なのですけれども、この点について保険者の委員の先生方から2つ、出ている意見に疑問があります。1つは不正請求があった時期に受領委任払い制度を導入することが、あたかも不正請求を助長ないしはそれを温存することになるかのような意見があったやに思っています。それは少し大きな誤解があると思っていまして、受領委任払い制度というのは、あくまでも施術者そのものの要件がきっちり固まっていくことによって、かつ、そこへ医師の同意書という要件が重なるわけですから非常に安定性のある、また、逆に言えば、指導監督の点もそうなのですけれども、そうした意味での規制をかけやすい制度になるというふうに思うのです。そういう意味では、代理受領と違って国民のアクセスがよくなる上にそういう行政指導、取り締まりも可能になるということで、この制度の斬新さがあるのだろうと思っております。

 もう1点の往療の問題ですけれども、これも前に申し上げたかもしれませんが、現行のもとで往療料が6割を占めたりするというのは、今の制度上は当たり前というか、当然こうなるだろうと言わざるを得ないわけです。あん摩マッサージ指圧の現在の技術料の点数の報酬単価、あるいは全身、局部の限定の問題、こういうことから往療料の額が大きくなるのは、いわば今の仕組み上は結果として当然というか、そうならざるを得ないわけで、この逆さまになっていることは技術料を適正に評価することによってまずは解決すべきであるというふうに思っています。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 この件について、支払い側、何かコメントはございますか。

 では、幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 この議論は平行線になるかと思うのですが、保険者側としてはこれをセットで考えることは到底あり得ないということをまず申し上げておきます。

 受領委任は本人が直接請求するものではないため、その仕組み上不正の温床になると思われます。昨年起きた柔整の詐取事件もこの仕組みが直接起因しているわけではないのですが、この仕組みを利用されたことは間違いありません。柔整療養費で受領委任制度を利用した不正請求を是正するためにどうすべきか議論しているときに、この規制を緩和しようということをこの委員会の中で議論されること自体に疑問を呈して、行政に対する不信感がございます。

 国民は、柔整やあん摩、はり・きゅう、マッサージ、を一くくりにとらえていると思われますので、受領委任払いの不正の存在が明らかになった中で、規制緩和をしたということがわかると国民はどういう反応を示すかということを考えていただきたいと思います。支払い方法の問題と指導監督の問題は、はっきり明言しますが、切り離して論じていただきたいと思います。

 免許の交付は大臣ですし、監督、登録は保健所ですので、免許の登録を受け付けている以上、指導監督する義務は当然ついてまいりますので、違った仕組みで指導監督のやり方を考えるべきです。

 ○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほかに今のことで関連して。

 仲野委員、どうぞ。

○仲野専門委員

 だからこそ制度化しなければいけない、不正のできないようにしなければいけないということなのですけれども、これから先もそうですけれども、縷々いろいろなことをお願いするのではなくて、むしろ制度化していただきたいと思っているわけです。そして、鍼灸なんていうものは特にそうですけれども、はっきりとしたエビデンスができ上がってきているわけですから、それを利用する人もだんだん高齢化社会の中で多様化しています。今のままではとても追いつかないわけですから、その部分を全体的に何らかの形で制度化することについての御協力をいただいて、そのことができるといいと思っています。それは一部負担金でかかれる制度というものを提案しているわけです。柔道整復師と一緒にされると困るので、あえてそういう言い方をしているわけです。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 杉田委員、どうぞ。

○杉田専門委員

 患者さんは1年以上かかっているという人がかなり多いわけです。5割以上いる。そうすると、それがいわゆる10割払ってということになると、患者の負担というのが物すごく大きくなるのだろうと思うのです。ですから、これが払えないから、本当ははり・きゅう、マッサージにかかりたいけれどもそれはやめようという人がふえては、いわゆる被保険者のためにならないのではないかということです。そして、実際に7割くらいが代理受領をやっている。確かに代理受領と受領委任が違うことは承知していますけれども、患者の経済的な負担を軽くするという意味においても、これは非常に大事なことなのだろうというふうに思っています。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 受領委任に関しては大体御意見が出尽くしたというか、これまでもこういう議論だったと思いますので、よろしゅうございますか。ほかにも検討しなければいけないことが多々ございますので、ほかのところでいかがでございましょうか。往療料の話であるとか、長期患者の問題であるとか、医師の再同意の問題等々。

 飯山委員、どうぞ。

○飯山専門委員

 資料の4ページ、5ページのところなのですけれども、判断に迷う事例の具体的内容の「論点の整理と今後の進め方(案)」のところで、「判断に迷うような事例が集まった段階で事務連絡等により周知することで十分ではないか」というふうに言われているわけですけれども、この「集まった段階」というのはどのくらいのスパンで考えていらっしゃるのでしょうか。ある程度はたまらないとできないということで、場合によったら1年とかそういう長い期間になってしまったら新鮮な事例がもらえないなという感じがするのですけれども。

○遠藤座長

 事務局、コメントをお願いします。

○保険医療企画調査室長

 そこもまた御議論いただければと思いますけれども、まず、今、厚労省に集まっていることを早急に整理して出させていただいて、またそれについて追加すべきものがあれば定期的に追加していくというような形で考えております。今、具体的にいつの時点でやるとか、それをどのぐらいの頻度でやるというところまではまだ検討しているわけではないので、そこはまた御議論を踏まえて検討していきたいと考えてございます。

○遠藤座長

 よろしいですか。

 仲野委員、どうぞ。

○仲野専門委員

 今までの段階で結構Q&Aのような形で出されていると思うのですけれども、それに新しい事例を加えながら再度出すということは可能であるでしょうし、ただ、そのことを保険者側は理解の仕方が全然違うわけですね。ですから、そこのところは土俵に上がってきたときに困るわけで、そこを徹底してもらえればいいと思うので、それはすぐ出せると思います。Q&Aについては集まっていると思っています。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。今の点でも結構ですし、違うテーマでも結構でございます。

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 往療料について、資料17ページにあります今後の進め方で、「6割を占めている現状について、段階的に是正する」というのはどういう方向性なのか具体的に教えて下さい。

○遠藤座長

 事務局、お願いします。

○保険医療企画調査室長

 方向感としては、今、往療料が半分以上を占めているということですので、それの割合が低くなるような方向の改定をしていくということでございます。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 往療料を低減していくという方向性だと思うのですが、往療料の距離加算について、要は施術所で施術できないものを補塡するという性格のものでよろしいでしょうか。

○遠藤座長

 事務局、往療料の性格について。

○保険医療企画調査室長

 往療料というのは、施術所でできないものについて患家に赴いてする場合に、掛かり増しの費用について支給するという考え方のものということでございます。

○遠藤座長

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 今お答えいただいた上で申し上げますと、そうであるならば、距離加算という考え方はなじまないのではないかと思います。往療料が実費弁済的な性格を持つのであれば距離に応じてというのはわかるのですが、実際の交通費は患家が負担しております。また、移動方法により移動時間も異なるため、距離に応じて距離加算を上げていくという考え方は、往療料の性格からはなじまないので見直していくべきであると思います。

 また、資料12ページですが、「患家の求めがあって、治療上真に必要があると認められる場合に定期的・計画的に行う往療については、支給対象であることを明確にすべきではないか」という事務局案ですが、確かに理屈上、医師が認めていて、毎週水曜日にお願いしますといったら支給していいということになるのですが、現実的にこれを認めてしまうと例えば同一建物で必要以上の施術が増加するというのは明らかです。安易に認めるべきではないと思います。往療料の算定は、その上に書いてあります3つの条件を満たしていると保険者が判断した場合に限定すべきで、安易にこれを認めるべきではないと思います。

 それから、同一建物について整理して一くくりにするという方向は賛成ですが、先ほど柔整専門委員会でも言いましたとおり、申請書では同一建物の往療なのかどうか区別できないので、保険者は二重にとられていてもわかりにくいので、申請書を見直して同一建物の患者かどうかを区分できるような様式への変更をお願いしたいと思います。

 ○遠藤座長

 ありがとうございました。

 ただいま往療料について3つの視点からの御意見がございましたけれども、施術側、いかがでしょうか。

 それでは、竹下委員、どうぞ。

○竹下専門委員

 往療の今の2つの点に少し疑問があるのですけれども、まず、往療料の逓減制を持ち込むことによって、いわば縮小を図ろうとすることの大きな問題点は、もともとマッサージの適応症が慢性疾患であるということを念頭に置くべきだろうと思うのです。そうすると、一定の長期、どこまでを長期と見るかはあるのでしょうけれども、長期が想定されている慢性疾患の施術において逓減制をとるということは、いわば患者さんの回復の可能性や症状の安定性を否定する、患者に対してその可能性を奪うことになりはしないかという重要な危険性の問題はあると思っています。

 もう一つ、確かに保険者の委員の方がおっしゃるように、往療料の距離加算のところの問題点を指摘されたことはわからないではないのですけれども、逆に長い距離の人をも想定した往療料を設定してしまうと、近い患者さんのところに対する往療料というものは過度の支出になることが懸念されるわけで、その点から考えると現状は大きな矛盾があるとまでは思わないのです。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 仲野委員、どうぞ。

○仲野専門委員

 もともと往療というのは、3つの要件と書いてありますけれども、まさにそういうところでやっているわけで、定期的にならざるを得ないというのは、今の介護の状況を見てみますと、私どもが対応しなければいけない少し悪い患者というのは、大半は介護でも要支援ではなくて、介護1とか2というレベルが結構いるわけです。そうすると、どうしてもこういう形で往診をしなければいけない、それもデイサービスなんていろいろな形で受けていると定期的にならざるを得ないということをこの前申し上げたと思うのです。

 もう一つは、往療に出向くということは、その時間、診察所を閉めるような形で一つのはっきりとした臨床体制の中でリスクを背負うわけですから必要だろうと思っていますし、時間的にもかかることは事実ですから必要なのだろうと思っています。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 杉田委員、どうぞ。

○杉田専門委員

 先ほど往療料の支給要件が3つあると。3つのことが、最後に患家の求めがあって、治療上真に必要があると認められた場合にということを支給要件として明確にすべきではないか、この3つを満たしているということだと思うのです。その中に定期的・計画的であるかどうかということではなくて、この3つの要件は満たしているということ、だったら認めてもいいのではないでしょうかということが1つ。

 それから、先ほど同一家屋の中でということがございましたけれども、これについては、いわゆる今の療養費というのは患者が10割支払ってということになると、その患者が同一家屋といっても、確かに1世帯という意味だったらわかるのですけれども、そうでない場合には、患者が同一家屋の中でその施術者に施術を受けているかどうかということの判断はできないのではないかと思うのです。

○幸野臨時委員

 施術者はできますよね。

○杉田専門委員

 そうですね。

○幸野臨時委員

 だから、それを書いていただきたいと言っているのです。

○杉田専門委員

 同一家屋の中であるかどうか。そうすると、同一家屋というのはどういうものかという定義をしないと書けませんよね。

○幸野臨時委員

 それは、今、整理されたとおり。

○杉田専門委員

 施術者はわかるとして、それでは、施術者が書かなければならないということは、受領委任払い制度の中だったら、やはり施術者が書くということは当然のことだろうと思うのです。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 支払い側、何かコメントありますか。特段なければ別のテーマでも結構ですけれども、御意見として承るということにとどめさせていただいて、もし何かあれば。

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 長期施術の方のエビデンスをとるためにデータをとるということですが、これは施術者が判断してとるデータなので、長期・頻回に施術に行っている方は完治に至っていないためと書くのは当然であり、そのデータで明確なエビデンスが出るのか非常に疑問に思います。何年経っても治らない、自立できない、全介助の状態が続く、そういうデータしか出てこないのではないかと思います。それでもデータをとるということであれば、長期・頻回に施術に行っている方のデータだけ集めるのでは意味がなく、例えば長期だが頻回でない方がどういう状況なのか、長期で頻回の方とどのような差があるのか、その2つを比較してみるのはいかがでしょうか。長期・頻回施術の方だけのデータではなかなか治らないですねという結論で終わってしまう。1年以上・週4回以上というのは適切なのかどうか、あるいは、短期の施術で治っている方と比較してみるなど、いろいろなケースでデータをとってみないと明確なエビデンスが得られないと思いますので、データをとること自体は反対いたしませんが、もう少し工夫をしていただきたいと思います。

 それから、資料24ページの医師の再同意について、安易な同意が必要以上の長期施術の原因になっているという現状がありますので、医師の再同意も添付は必要ということにすべきだと思います。

 事務局は、抑制効果より医師の同意書作成により医療費増になるのではないかと御心配のようですが、私は抑制効果のほうが大きく上回ると思いますので、これは安易に外すべきではないというふうに思います。

○遠藤座長

 よろしいですか。では、ただいまのは事務局案に対する御意見ということで、特段事務局からコメントは必要ではありませんか。

○幸野臨時委員

 意見です。

○遠藤座長

 意見ということでよろしいですね。

 ほかにございますか。

 仲野委員、どうぞ。

○仲野専門委員

 再同意についてですけれども、これは実際に書いてありますけれども、その時点で書くようにするとか、あるいは1年間続いたような長期にわたったような場合だったら、むしろ1か月間の請求をしないというか、経過を見ながら本当に必要なのかどうかという、その手当が必要だったのかどうかということの経過を見てもいいと思うのです。

 多分、立場上支払いをしないほうがいいということで御意見をされているから、そういう立場の発言になるのだろうと思うのですけれども、私どもの扱っている患者というのは、むしろある意味ではどんどん老化していくわけで、どんどん生活水準は落ちていくわけです。QOLを上げるためにいろいろな工夫をしなければいけないところがたくさんありまして、そういう意味では、6つの疾患が挙げられていますけれども、それ以外のところで年配になってくると当然加わってくるわけで、医療人としてそれを無視してかかれないわけです。その部分を御理解いただかないと難しいのかと。

 再同意だって、症状について書いて、いわゆるレセプトの中へ書き込むことはそれで結構ですから、書き込むことを指導することは簡単ですけれども、その人を再度院内に連れていって再同意を書かせる行為が正しいのかどうかは難しいと思います。だから、すごく懸念を持っています。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 おっしゃることはわかります。確かに本当に必要とされている方は多くいらっしゃると思いますし、そういう方には大変御負担をかけると思いますが、医師の同意添付しは必須としていただきたいと思います。

 一方、本当に必要がない方が医師の同意を簡単にもらえるがために長期・頻回施術となっているのではないかと懸念しております。本当に施術が必要な方は3か月に1回医師の同意書を添付していただければいいと思います。それ以外の方を何とか適正化しようという意見でございます。

○遠藤座長

 仲野委員、どうぞ。

○仲野専門委員

 今、具体的に恐縮ですけれども、3か月目に行くと、年配の方だったら違う疾患が発見されることは幾らでもありますよね。それに対して薬が出たりすると、それが痛みどめであったりすると、今度は、保険者によっては認められないという症例がたくさん出てくるのです。大変困っているところなのです。もともとの私どもの見ている疾患ではないところで投薬が与えられたことによって、痛みどめが出ているからそれは要らないでしょうと、平気でそういうことがあるのです。こんな理不尽なことがあっていいのだろうかと思うのですけれども、そんなことがあるものですから、できるだけその疾患に対して一生懸命かかるようにしたい。

 それから、御指摘のような懸念はありますから、私どもは3か月目になったらしっかりと症状についてレセプトを書くようにするとか、症状を把握して報告するとか、そういう形にしたほうがいいのだろうと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、安田委員。

○安田専門委員

 今、医師の同意書が問題になっていますけれども、いかにも簡単にもらえているような聞こえ方がするのですけれども、実際はそう簡単にはもらえていないというのが現状にあるということもちょっと含んでおいていただければと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 このテーマの議論は大体出尽くしましたか。

 それでは、清水委員、どうぞ。

○清水専門委員

 私は在宅の訪問診療、往診等をやっている医師なので、この辺と非常にかかわりがあると思います。医療の中で医師が患家から呼ばれる在宅に赴くのは往診で、主に緊急対応となります。定期的な往診は無く、計画的にドクターが家族とその疾病に合わせて赴くのを訪問診療といいます。例としては、定期的に患家に月に2回行きましょうという合意のもとに在宅医療を提供するわけです。そういう決まりの中で医療を提供していますが、今の資料から、はり・きゅう、あん摩マッサージの方々は、慢性疾患患者を対象とし、もう一つは、高齢者の方が多い特徴があります

 我々医師としては、はり・きゅう、あん摩マッサージの方が参入してくるのは、比較的に最後のほうになると考えています。なぜかといいますと、医療のできる範囲でなるべく治療したいと考えて、さまざまな医療機器を使ったり、湿布をしたり、注射をしたりしますが、しかし、廃用が進んだり、症状が固定した場合は、対応策としてケアマネから連絡があって、近くにいい施療者がいますよ、という話を多々伺います。そのいい施療者というのが我々は理解できないのです。いい施療者の基準は、非常に良心的で、施療の内容と効果を定期的にファックス等で入れてくれるとか、連携を実践することです。医師の側も適切な指示をすることが重要です。私は、施療者はこれから確立すべき地域包括ケアシステムの一部を担っていただけると理解しております。

 そういう意味では、施療の内容を見える化する必要があります。やっている内容を見える化するということは、例として、ケアプラン作成の担当者会議に参加するとか、いろいろな議論の中に積極的に入っていただいて、施療の効果が上がっているのか、いないのか、についてサービス提供者間の評価も必要です。3か月経過すると機械的に医師に前回と同様の意見書を要求する施療者がおりますが、もう一歩踏み込んだ情報を我々医療の方にいただければ、もう少し適切な対応ができると思います。その辺のところをお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 重要な御指摘だったと思います。施術側の方、御意見をお願いします。

 杉田委員、どうぞ。

○杉田専門委員

 今の先生のおっしゃることをやりたいということで我々が認定訪問マッサージ制度というのをして、会員を集めて、先生のおっしゃるような情報提供もできるようなことをやりつつあるわけです。そして、もう既に3年そういうことをやっていますけれども、ただ、これはできればみんなにやらせたいのです。今は任意でやっていますので、なかなか全員にということにならない。ですから、それをできる限り全員にやらせたい。そのためには、やはりそうせざるを得ないと我々のあはき師が思うような制度にならないとなかなかやってくれないのではないだろうかということがあるので、ぜひ先生のおっしゃるようなことをやりたい。今、それをやりつつあるのだということで、その辺はどうぞ御理解いただきたいと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 ほかに何か御意見ございますか。

 仲野委員、どうぞ。

○仲野専門委員

 実は、今もカリキュラムの問題について学校制度と並行して見直しているところなのですけれども、その中でも社会保障に関する制度、包括ケアに対するどういう参画のさせ方をしたらいいのか、カリキュラムの中に入っていないという事実がはっきりしましたから、在学中にさせるということ。それから以降3年後に、教員になっている先生たちに関しても3年後に正式に教員にする。あるいは、私どもは保険の契約のような一部負担金でかかれる制度ができるのならば、3年後からその扱いができるという形で準備をしております。だから、何としても一部負担金でかかれる制度を前向きに考えていただかないと、私ども自分たちだけ首を絞めてもでき上がらないと進まないですから、皆さんに納得した形でやれるようにしたいと思っています。中身そのものについてはすばらしいものですから、薬だけではない、医療も大事なことですから、ぜひお願いしたいと思います。

○遠藤座長

 ほかに御意見ございますか。

 どうぞ。

○安田専門委員

 今、仲野委員がおっしゃいましたけれども、この問題を私どもで取り上げて13年になるのですね。私たちは本当に国民の保健衛生を守るために誠心誠意誠実に頑張ってやっているつもりです。いろいろな問題点に対しても、いつも協議しながら考えてやっております。というところで、もう13年目になって、ある程度協議も尽くされたのかなという感じもあります。

 それと、何も制度を始めるということは最初から100%ということはないのではないかという感もあります。ですから、ある一つの課題ができましたら、またそれに補充してどんどんいい制度に変えていくということも私たちは当然努力いたしますし、それに向かって邁進するつもりですので、ひとつその辺のところをしっかり考えてほしいと思っております。よろしくお願いします。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 大体予定した時間に近づいてまいりましたけれども、何か御意見があれば承りたいと思います。

 村岡委員、お願いいたします。

○村岡専門委員

 手前の柔整の専門委員会のときにも議論がありましたけれども、あはきについても広告規制の問題というのはどうしても必要ではないかというふうに考えております。特に先ほどから議論がずっとあります、例えば往療料の関係で、患家の求めに応じてというところもございますけれども、事務局からの報告にもありましたように、施術所から障害の施設等に売り込みに行って、そこから医師については施術所のほうで、特にチェーン等でインターネットなんかでは医者も構えますよというふうな広告もされているという、心配することはございませんというふうな形で保険診療ができますよというようなことを積極的に展開しているところもありますので、そういうことに対する適切な規制ということを設けていかないと、ここで議論をしてもなかなか前に進まないのではないかと感じておりますので、広告規制の問題についてはここでの議論ではないということですけれども、厚生労働省において積極的に対応策というのを考えていただきたいと考えております。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 広告規制に関して、施術側、何かコメントはありますか。

 仲野委員、どうぞ。

○仲野専門委員

 今、厚労省のほうと接触して、そのことについてもしっかりと規制をかけるものはかける、うたってもいいものについても、これならうたってもいいだろうということを、実はこの間も告示をいただいたところですけれども、基本的には教育が終わって、鍼灸師というのは3年間で完成教育を受けているのです。実は、これは怖いのですよ。それですぐに保険を扱ってもいい、何がいいと全てができるようになっていますから、この制度のところについてメスを入れなければいけないから、今、大急ぎでやっていますから、同じように保険もすぐの人たちに扱わせてはいけませんよ。それはもうはっきりしているのです。そこの部分をもう少し、一部負担金でかかれる制度であるなら、こういう制度だから規制も加えられるし、いろいろな形でやらなければいけないのだと言えますけれども、今のままだと何ももらえない、怒られるばかりだったら何もできないわけですよ。だから、何とか一部負担金でかかれる制度について前向きに踏み込んでいただきたいのです。これができないと、やはり難しいですよ。国家資格はある、逆に言うと後ろから、リラクゼーション業なんて無資格者がたくさん出てきているのです。そのことと保険診療を扱うこととどう違うのだという話になってくると、無資格者は何でもうたえますから、国家資格者のほうがはるかに弱いですよ。

 今のインターネットの説明にしたってそうですけれども、彼らはそのことについて全く知らないから、どんなことでも院内には書いていますよ。それらについてどうするか、大変な問題ですよ。私どものところにはどんどんしわ寄せが、片方の柔道整復師が悪いことをしたからと同じように悪いことと見られて大変困っているのです。それはそのとおりで、やりますから、どうぞお願いします。

○遠藤座長

 それでは、杉田委員、どうぞ。

○杉田専門委員

 広告規制については、先ほどの柔整のときにもおっしゃっていましたし、我々のところもそうだと思うのですが、やはり無資格の人たちも含めて広告規制というのはあるべきことだろうと思っています。例えば、柔整もそうなのですけれども、あはきの中でも一部に、いわゆる療養費として幾らでできますよなんていうことを広告したりしているのです。こんなのとんでもない話だと思うのです。要するに、治療でなくて慰安というような形のものまでそんなことをやったりしているのです。

 しかも、この資料の中にもありますけれども、施術所が施設にマージンを払っているというようなことも書いてありますけれども、むしろ施設のほうが施術者にマージンをよこせと言っている、そのかわり、あなたのところへうちの利用者を全部回しますよなんて、そんなことだって現実にあるのです。

 ですから、そんなことからすると、いろいろな意味で広告規制はやるべきだと思うし、そして、ここで問題なのが、いわゆる施設とか施術者が全く患者、いわゆる被保険者抜きにこういうことをやっているのに、そういうふうにしたらもう療養費は払いませんよということになると、これは被保険者が物すごいリスクがあって、それに対して何ら保証もなくて一方的にリスクだけをしょうということになるわけです。ですから、こういうことがないようにすべきだろうと。

 やはり施設とか施術者がマージンのやりとりなんていうようなことはあってはならないことだろうと思いますし、広告を含めてこういうのは規制してもらっても結構だろうと思います。むしろそうすべきだろうと思っております。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 大体予定した時間になりました。おおむね皆様の御意見は承ったと思いますけれども、よろしゅうございますか。

○杉田専門委員

 最後に。

○遠藤座長

 それでは、簡潔にお願いいたします。杉田委員、どうぞ。

○杉田専門委員

 先ほど受領委任払いというのは規制緩和だとおっしゃいましたけれども、実は、もう既に7割はこれに近いことをやっています。その中で、我々はいろいろ規制をしてほしい、もっと厳しくして結構だと言っているわけですから、むしろ規制緩和ではなくて規制強化だというふうな認識でいますので、その辺は御理解いただきたいと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、簡潔に、仲野委員、どうぞ。

○仲野専門委員

 一番大事なところは、要するにいろいろな疾患の患者がいるのだけれども、最後のところは、いわば薬だけの手当てではない医療を求めている人もたくさんいるわけです。その部分をわかっていただきたい。そのことは、私どもは現に必要とされていろいろな形で出ていますけれども、一方で基本的な知識がなければ当たれない仕事ですから、それをもらっている。それで、なおかつ、ドクターから同意書が出た段階で私どもは施術に当たっている。それだけの条件を備えながら不支給になるとか、むやみやたらに薬が出たからだめだったとかという話はおかしいだろうと思うのです。そのところをやるためには一部負担金でしっかりした形で制度を確立しないといけないと思うのです。ぜひ制度化することについて御尽力ください。私どもはできるだけのことをやりますから、ここもそのための催し物だと思っています。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

○遠藤座長

 どうもありがとうございます。

 幸野委員、どうぞ。

○幸野臨時委員

 先ほどから並行になると言っていますが、我々保険者側としてはそれは絶対にできないということを伝えておきます。違う仕組みを考えるべきだと思います。

○遠藤座長

 ありがとうございます。

 それでは、大体御意見が出尽くしたということで、本日の専門委員会はこれぐらいにさせていただきたいと思います。

 いろいろな御意見が出ましたので、事務局におかれましては、これを整理して次回の検討会で役に立つようにしていただきたいと思います。

 それでは、次回の日程について事務局から御連絡をいただきたいと思います。

○保険医療企画調査室長

 次回の日程は未定でございます。また日程調整の上、後日御連絡させていただきます。

○遠藤座長

 よろしくお願いします。

 それでは、これをもちまして、「第6回あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を終了したいと思います。本日は長時間、どうもありがとうございました。


(了)

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